JP2004075589A - 油状泡沫性エアゾール用組成物 - Google Patents

油状泡沫性エアゾール用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】エアゾール用組成物には、原液、噴射剤の組み合わせにより安定型泡沫、速崩壊型泡沫、噴射型等がある。安定型泡沫は、噴射剤が溶解している油相からなる内相と噴射剤との溶解性の悪い水相との2相からなるO/W型エマルジョンで形成されている。本発明では、洗浄力、使用性に優れ、洗いあがり、泡沫の安定性が良好な油状泡沫性エアゾール用組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】油脂と、ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤と、アルキルリン酸誘導体および/またはスルホコハク酸塩をそれぞれ1種以上含有するエアゾール組成物により前記課題を解決する。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性化粧料のクレンジング剤等として有用な油状泡沫性エアゾール用組成物に関し、更に詳しくは、油脂と、ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤及びアルキルリン酸誘導体および/またはスルホコハク酸塩をそれぞれ1種以上含有する事を特徴とする洗浄力、使用性に優れ、洗いあがり、泡沫の安定性が良好な油状泡沫性エアゾール用組成物及び該組成物と噴射剤を含有するエアゾールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアゾール用組成物には、原液、噴射剤の組み合わせにより安定型泡沫、速崩壊型泡沫、噴射型等がある。安定型泡沫は、噴射剤が溶解している油相からなる内相と噴射剤との溶解性の悪い水相との2相からなるO/W型エマルジョンで形成されている。O/W型エマルジョンの泡沫エアゾール組成物には、クレンジング用化粧料があるが、洗浄力が低く油性のメーキャップの洗浄には不適当であった。油性のメーキャップを落とすには油分が最も効果があり、油分と噴射剤の原液で安定型泡沫が得られれば最も好ましいが、油分そのものに起泡性がない為、安定型泡沫を得ることが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、洗浄力、使用性に優れ、洗いあがり、泡沫の安定性が良好な油状泡沫性エアゾール用組成物を提供する事にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく創意研究を重ねた結果、油脂と、ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤と、アルキルリン酸誘導体および/またはスルホコハク酸塩とをそれぞれ少なくとも1種以上含有する事を特徴とする油状泡沫性エアゾール組成物が洗浄力、使用性に優れ、洗いあがり、泡沫安定性が良好である事を見出し、本発明に至った。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0005】
【本発明の実施の形態】本発明で用いられる油脂としては、起泡時に液状のものであれば、特に限定するものではなく、天産品でも化学合成品でもよい。例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等のトリグリセリド、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の炭化水素、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン等のシリコーン類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等のエステル類等が挙げられる。また、上記油脂に水素添加、分別等の処理を施して得られるものでもよい。なお、グリセリド成分としての不飽和脂肪酸、側鎖状脂肪酸やジグリセリド、モノグリセリド等は若干量であれば含まれていてもかまわない。
【0006】
本発明で用いられる油脂の配合量は、特に限定するものではないが、好ましくは、油状泡沫性エアゾール用組成物全量中の10〜99重量%であり、さらに好ましくは30〜95重量%である。
【0007】
本発明で用いられるポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンモノステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンテトラオレイン酸ソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトステロール、またモノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコールが挙げられ、好ましくは酸化エチレンの付加モル数が10以下のポリオキシエチレン付加型界面活性剤であり、更に好ましくは酸化エチレンの付加モル数が10以下のポリオキシエチレンアルキルエーテルである。上記ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤は単独で用いる事もまた2種以上を併用して用いる事も可能である。
ここで、酸化エチレンの付加モル数とは、ポリオキシエチレンの重合度のことをいう。
【0008】
ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤の配合量は、特に限定するものではないが、好ましくは油状泡沫性エアゾール用組成物の油脂分に対して0.01重量%以上であり、更に好ましくは0.05重量%以上50重量%以下である。
【0009】
本発明で用いられるアルキルリン酸誘導体とは、動物または植物から抽出される大豆レシチン、卵黄レシチン、菜種レシチン、綿実レシチン、トウモロコシレシチン又はそれらの水素添加品、酵素分解品、アセチル化品、ヒドロキシル化品、ハロゲン化品、スルホン化品等のリン脂質、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリルリン酸、オレイルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸及びアルキルリン酸塩などが挙げられ好ましくは、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩である。上記アルキルリン誘導体は単独で用いる事もまた2種以上を併用して用いる事も可能である。
アルキルリン酸誘導体の配合量は、特に限定するものではないが、好ましくは油状泡沫性エアゾール用組成物の油脂分に対して0.01重量%以上であり、更に好ましくは0.05重量%以上30重量%以下である。
【0010】
本発明に用いられるスルホコハク酸塩とはスルホコハク酸ジオクチル酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等が挙げられ、好ましくは、スルホコハク酸ジオクチル酸ナトリウムがよい。
【0011】
スルホコハク酸塩の配合量は、特に限定するものではないが、好ましくは油状泡沫性エアゾール用組成物の油脂分に対して0.01重量%以上であり、更に好ましくは0.05重量%以上30重量%以下である。
【0012】
本発明に用いられる噴射剤は、通常エアゾールの具体例を挙げるとトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン、プロパン、イソブタン、ノルマルブタンおよびその混合物である液化石油ガス(以下LPGと略す)等の液化ガスであり、好ましくはLPGである。これらの噴射剤に加えてジメチルエーテル、炭酸ガス、窒素ガスを用いても良い。これらのガスは単独でもまた2種類以上を混合しても用いることが出る。配合量は3〜90重量%が好ましい。3重量%未満では良好な泡沫が得られない。
【0013】
本発明の組成物は、上記に挙げた噴射剤を配合しても良いが、噴射剤を配合せずに空気の吹き込み混合による、いわゆるノンガスタイプでも泡沫化が可能である。
【0014】
本発明の油状泡沫性エアゾール用組成物には、上記の必須成分の他に本発明の目的を達成する範囲で他の成分を適宜配合することができる。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の界面活性剤、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンメチルポリシロキサン共重合体等のポリエーテル変性シリコーンオイル、酸化チタン、タルク、ベントサイト、カチオン、マイカ等の粉末、精製水、防腐剤、色剤、酸化防止剤、香料、薬剤、固型油分、半固型油分、アルコール、保湿剤等が挙げられる。
本発明の油状泡沫性エアゾール用組成物の用途としては、特に限定するものではないが、油汚れ等の洗浄剤、油性化粧料のクレンジング剤、日焼け用オイル、ベビーオイル、ヘアーオイル、泡状マッサージオイル等が挙げられ、好ましくは、クレンジング剤としての用途がよい。
【0015】
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
実施例1 油性洗い流しタイプクレンジングオイル化粧料
表1に示した原料配合に基づき、以下の方法で、油性洗い流しタイプクレンジングオイル化粧料を調製した。
表1に示した原料1から8を80℃に加熱溶解し、常温まで冷却することで、油性洗い流しタイプのクレンジングオイル化粧料向けのエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、組成物90gに対して、噴射剤として液化石油ガスを10g充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。上記組成物をそれぞれ本発明品A〜Gとした
【0017】
【表1】
Figure 2004075589
【0018】
比較例1 油性洗い流しタイプのクレンジングオイル化粧料
表2の組成物を本発明品A〜Gに対し、比較品H〜Mを本発明品A〜Gと同様の方法で上記化粧料用のエアゾールを得た。
【0019】
【表2】
Figure 2004075589
【0020】
試験例1
本発明品A〜Gと、比較品H〜Mを比較した。
評価方法および評価基準は以下の通りである。
(泡形成状態)
泡形成状態は肉眼観察にて行った。評価基準は非常に良好を◎、良好を○、悪いを×とした。
(泡安定性)
形成した泡の持続性を評価した。評価基準は非常に良好を◎、良好を○、悪いを×とした。
(洗い上がり性)
水洗時の洗い流し性を評価した。評価基準は非常に良好を◎、良好を○、悪いを×とした。
【0021】
【表3】
Figure 2004075589
【0022】
結果を表3に示した。本発明品A〜Gは、泡は細かく、安定で、洗い上がりも良好であるのに対し、比較品H〜Mは泡にならず、また比較品H、K、Mは洗い上がり時のぬるつきも多かった。
【0023】
試験例2
実施例1の本発明品A〜Gと、表4に示した従来のO/W乳化型の泡沫型エアゾールクレンジング化粧料との洗浄力について比較した。女性パネル10名に油性のファンデーションを塗布してもらい、その落ち具合をテストした結果を表5に示した。
【0024】
【表4】
Figure 2004075589
【0025】
表4に示した原料配合に基づき、以下の方法で、O/W乳化型の泡沫型エアゾールクレンジング化粧料を作成した。
表4に示した原料1から3を60℃で攪拌溶解後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、4及び5を充填し、上記O/W乳化型エアゾールを得た。
【0026】
【表5】
Figure 2004075589
【0027】
表5から明らかなように本発明品A〜Gは従来のO/W乳化型の泡沫型エアゾールクレンジング化粧料に比べて、洗浄力は非常に高いものであった。また、このエアゾールタイプクレンジング化粧料は、従来のポンプ容器式クレンジング化粧料と比べて、手の平に取った時にたれ落ちないことや、顔に塗布し易い等の利点があった。
【0028】
Figure 2004075589
表に示した原料1から9を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料10及び11を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0029】
Figure 2004075589
表に示した原料1から6を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料7を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0030】
Figure 2004075589
表に示した原料1から10を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料11を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0031】
Figure 2004075589
表に示した原料1から8を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料9及び10を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0032】
Figure 2004075589
表に示した原料1から6を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料7及び8を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0033】
Figure 2004075589
表に示した原料1から8を80℃で攪拌溶解後、常温まで冷却することで、上記化粧料のエアゾール用組成物を得た。その後、エアゾール缶に充填し、バルブをセットし、表に示した原料9及び10を充填し、上記化粧料のエアゾールを得た。得られた組成物は安定性、使用性に優れていた。
【0034】
【発明の効果】
本発明の油状泡沫性エアゾール用組成物は、油性化粧料のクレンジング剤等として有用であり、洗浄力、使用性、洗いあがり、泡沫の安定性に優れるものである。

Claims (4)

  1. 油脂と、ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤と、アルキルリン酸誘導体および/またはスルホコハク酸塩とをそれぞれ少なくとも1種以上含有することを特徴とする油状泡沫性エアゾール用組成物。
  2. ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤の酸化エチレンの付加モル数が10以下である請求項1記載の油状泡沫性エアゾール用組成物。
  3. ポリオキシエチレン付加型非イオン界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである請求項1または2記載の油状泡沫性エアゾール組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の油状泡沫性エアゾール用組成物及び噴射剤を含有するエアゾール。
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