JP2004074884A - 建設機械用キャブ - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の増大、送風ダクトの大型化を抑制した上で、キャブ内と飲料水等の物品との両方を効率よく冷やしたり、温めたりする。
【解決手段】送風ダクト19には収納ケース31を設け、この収納ケース31は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体または網体からなるケース本体32と、ケース本体32の開口側に開,閉可能に取付けられた蓋体33とによって構成している。これにより、収納ケース31のケース本体32内に飲料容器(飲料水)等を収納することにより、飲料容器の全体を送風ダクト19内を流通する調和空気によって効果的に冷やしたり、温めたりすることができる。また、部品点数を少なく形成し、送風ダクト19を小型化することにより、小型の建設機械のキャブにも適用することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】送風ダクト19には収納ケース31を設け、この収納ケース31は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体または網体からなるケース本体32と、ケース本体32の開口側に開,閉可能に取付けられた蓋体33とによって構成している。これにより、収納ケース31のケース本体32内に飲料容器(飲料水)等を収納することにより、飲料容器の全体を送風ダクト19内を流通する調和空気によって効果的に冷やしたり、温めたりすることができる。また、部品点数を少なく形成し、送風ダクト19を小型化することにより、小型の建設機械のキャブにも適用することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等に用いて好適な建設機械用キャブに関し、特に、キャブボックス内に冷風、温風からなる調和空気を供給する空調ユニットを備えた建設機械用キャブに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械には運転室としてのキャブが設けられ、この建設機械用キャブは、ボックス形状をなすキャブボックスと、該キャブボックス内に設けられ、オペレータが着座する運転席とによって大略構成されている。
【0003】
また、建設機械用キャブには、居住性を高めるためにオペレータの好みに応じてキャブボックス内の温度調整を行う空調ユニット、送風ダクトを備えたものがある。この空調ユニットは、吸込んだ空気を冷却するエバポレータと吸込んだ空気を温めるヒータコアとを備え、これらエバポレータ、ヒータコアによって温度調整した調和空気を吐出する。また、送風ダクトは、空調ユニットの吐出側に接続して設けられ、キャブ内に調和空気(冷風または温風)を吹出す吹出口が設けられている。
【0004】
ここで、建設機械が小型の油圧ショベル等である場合には、車体の大きさに対応してキャブを小さく形成する必要がある。これに伴い運転席は、キャブボックス内の後側に寄せて配置する必要がある。
【0005】
このように小型の油圧ショベルに用いられるキャブは、キャブボックスが小さいために空調ユニット、送風ダクト等を配設するための専用の空間を確保することができない。
【0006】
このため、空調ユニットは、例えば運転席を支持する台座内の空間を利用して配置し、送風ダクトは、運転席とキャブボックスとの隙間に沿って形成され、運転席の後側で幅方向に延びて形成されている。また、吹出口は、運転席とキャブボックスとの間から前方に調和空気を供給することができるように、運転席に着座したオペレータのほぼ肘の位置に前向きに設けられている。
【0007】
一方、キャブに乗車するオペレータは、缶、ペットボトル等の飲料容器に飲料水等を充填したものを持ち込むことがある。このため、吹出口には、例えば実開平5−62332号公報等に示すような飲料容器ホルダを取付け、吹出口からの調和空気によって飲料容器内の飲料水を冷やしたり、温めたりしている。
【0008】
しかし、飲料容器ホルダは吹出口に取付けると、前側に出っ張ってしまうから、オペレータの肘に接触することがあり、レバー操作の妨げになる。しかも、飲料容器ホルダは、冷風または温風を飲料容器の一部に当てているだけであるから、飲料容器内の飲料水等を十分に冷やしたり、温めたりすることができない。
【0009】
そこで、建設機械用キャブには、送風ダクトに飲料容器を収容する冷温蔵室を設けたものがあり、例えば特開平9−207558号公報(以下、従来技術という)等によって知られている。
【0010】
この従来技術による冷温蔵室を備えたものは、送風ダクト内に仕切板を設けて冷温蔵室を画成し、切替えドアによって調和空気の流れを吹出口と冷温蔵室とに切替える構成としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による建設機械用キャブは、送風ダクト内に仕切板を設けることにより冷温蔵室を画成しているから、吹出口に向けて調和空気を流通させる通路とは別個に冷温蔵室を設ける必要があり、送風ダクトが大型化してしまうという問題がある。
【0012】
また、送風ダクト内には、仕切板、切替えドア等が設けられているから、送風ダクトを形成する部品の数が多くなり、送風ダクトの大型化、組立作業性の低下、製造コストの上昇等を招くという問題がある。
【0013】
さらに、調和空気は、その流通経路が切替えドアによって吹出口と冷温蔵室とに切替えられ、キャブ内の冷暖房と冷温蔵室とに使分けるようになているから、キャブまたは冷温蔵室のいずれか一方は、温度調整するときの効率が落ちてしまうという問題がある。
【0014】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、部品点数の増大、送風ダクトの大型化を抑制した上で、キャブ内と飲料水等の物品との両方を効率よく冷やしたり、温めたりすることができるようにした建設機械用キャブを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による建設機械用キャブは、内部が運転室となるボックス形状のキャブボックスと、該キャブボックス内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブボックス内に位置して該運転席の下側に設けられ吸込んだ空気を冷風または温風からなる調和空気として吐出する空調ユニットと、該空調ユニットの吐出側に接続して設けられ前記キャブ内に調和空気を吹出す吹出口を有する送風ダクトとを備えている。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、送風ダクトには、多数の通気孔を有し内部に調和空気が通気可能な状態で物品を収納する収納ケースを設けたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、収納ケース内に飲料容器(飲料水)等の物品を収納すると、送風ダクト内を流通する調和空気が通気可能な収納ケースにも流通するから、この調和空気の温度に応じて収納ケース内の飲料水等を冷やしたり、温めたりすることができる。また、収納ケースは、簡単な構成で送風ダクト内に取付けるだけであるから、送風ダクト、収納ケースは少ない部品で形成することができる。しかも、調和空気は、収納ケースを通過するだけであるから、吹出口はキャブ内に十分な風量の調和空気を吹出すことができる。
【0018】
請求項2の発明によると、送風ダクトは運転席の後側に位置してキャブボックスとの間を幅方向に延び吹出口が設けられた吹出ダクト部を有し、収納ケースは該吹出ダクト部の上面に開口して設ける構成としたことにある。
【0019】
このように構成したことにより、小型の建設機械に用いられる小さなキャブボックスでも、運転席の後側のスペースを利用して吹出ダクト部を設け、該吹出ダクト部に収納ケースを設けることができる。
【0020】
請求項3の発明によると、送風ダクトには運転席の後側に位置して左,右両側に位置して吹出口を設け、収納ケースは前記左,右の吹出口の間に配置する構成としたことにある。
【0021】
このように構成したことにより、送風ダクト内を流通する調和空気は左,右の吹出口からキャブ内に吹出すことができる。また、収納ケースは、左,右の吹出口間に位置する送風ダクトのスペースを利用して設けることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械用キャブとして油圧ショベル用キャブを例に挙げ、図1ないし図5に従って詳細に説明する。
【0023】
1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、ミニショベルと呼ばれる小型のもので、後述のキャブ11も小さく形成されている。また、油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより構成されている。ここで、上部旋回体3は、旋回フレーム5、カウンタウエイト6、後述のキャブ11等によって構成されている。
【0024】
11は旋回フレーム5の前部左側に配設されたキャブで、該キャブ11は、オペレータが乗車する運転室を画成するもので、図2、図3に示す如く、後述するキャブボックス12、床板12F、運転席15、空調ユニット18、送風ダクト19、収納ケース31によって大略構成されている。
【0025】
12はキャブ11の周囲を覆うキャブボックスで、該キャブボックス12は、前側に配置された前面部12Aと、該前面部12Aと対面するように後側に配置された後面部12Bと、上部旋回体3の外側となる左側に位置して前記前面部12Aと後面部12Bとの間に設けられた左側面部12Cと、内側となる右側に位置して前記前面部12Aと後面部12Bとの間に設けられた右側面部12Dと、上側を閉塞して設けられた天面部12Eと、下側を閉塞して設けられた床板12Fとによってボックス形状に形成されている。また、左側面部12Cにはオペレータが出入りするためのドア12Gが開閉可能に取付けられている。
【0026】
13はキャブ11内の後側寄りに位置して床板12F上に設けられた台座で、該台座13は、後述の運転席15を支持するもので、例えば鋼板を折曲げたり、溶接によって固着することにより箱体状に形成されている。また、台座13上には運転席15の位置をオペレータの体格に応じて上,下方向と前,後方向に調整するための調整装置14が搭載されている。さらに、台座13内の空間には、後述の空調ユニット18が収容されている。
【0027】
15はキャブ11内の後側寄りに位置し、調整装置14を介して台座13上に設けられた運転席で、該運転席15は、オペレータが着座するもので、座席部15Aと背もたれ部15Bとによって大略構成されている。また、運転席15の左,右方向の両側には、作業装置4等を操作する作業操作レバー16,17が配設されている。さらに、運転席15の前側には、下部走行体2を走行操作する走行操作レバー(図示せず)等が配設されている。
【0028】
18はキャブ11内の後側寄りに設けられた空調ユニットで、該空調ユニット18は、運転席15の下側に位置して台座13内の空間を利用して収容されている。また、空調ユニット18は、後述の送風ダクト19と協働してキャブ11内をオペレータの好みに応じた温度に調整するもので、吸気口から吸込んだ空気を冷却するエバポレータ、吸込んだ空気を温めるヒータコア(いずれも図示せず)を備えている。そして、これらのエバポレータ、ヒータコアによって温度調整された調和空気は、台座13の後側に突出した吐出口18Aから後述の送風ダクト19に吐出される。
【0029】
19は空調ユニット18の吐出口18Aに接続して設けられた送風ダクトで、該送風ダクト19は、図4に示す如く、後述する上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21、吹出ダクト部22、吹出口23,24等によって大略構成されている。
【0030】
20はキャブボックス12の右側面部12D寄りに位置して上,下方向に延びて設けられた上流側ダクト部で、該上流側ダクト部20は、キャブボックス12の後面部12Bに沿うように後側に屈曲して形成されている。また、上流側ダクト部20は、下側が左横向きに屈曲して流入口20Aとなり、上側が上向きに開口した流出口20Bとなっている。そして、上流側ダクト部20は、図2、図3に示すように、その流入口20Aが空調ユニット18の吐出口18Aに接続されている。
【0031】
21は上流側ダクト部20の流出口20Bに接続された蛇腹ダクト部で、該蛇腹ダクト部21は、上流側ダクト部20と後述の吹出ダクト部22との位置ずれ等を許容するフレキシブル管を形成している。
【0032】
22は運転席15の背もたれ部15Bの後側に設けられた下流側ダクト部をなす吹出ダクト部で、該吹出ダクト部22は、前面22A、後面22B、上面22C、下面22D、左端面22E、右端面22Fからなり、全体として運転席15の幅方向(左,右方向)に長尺な箱体状に形成されている。また、吹出ダクト部22の下面22Dには、右端部に位置して蛇腹ダクト部21に接続する接続口22Gが突出して設けられている。さらに、吹出ダクト部22の上面22Cには、左,右方向のほぼ中央部に位置してケース取付開口22Hが設けられ、該ケース取付開口22Hには後述の収納ケース31が取付けられる。
【0033】
また、23,24は吹出ダクト部22の前面22Aに左,右端部に離間して設けられた2個の吹出口で、該各吹出口23,24は、運転席15に着座したオペレータのほぼ肘の位置に配設されている。そして、吹出口23,24は、空調ユニット18から供給される調和空気をキャブ11内に吹出すもので、例えば風向きを調整するルーバを備えている。
【0034】
このように構成された送風ダクト19は、空調ユニット18の吐出口18Aから吐出される調和空気を、上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21を介して吹出ダクト部22に流入させ、その調和空気の一部を右側の吹出口24から吹出す。また、その他の調和空気は吹出ダクト部22内を左側に流通させ、左側の吹出口23から吹出す。
【0035】
次に、31は送風ダクト19の吹出ダクト部22に設けられた収納ケースで、該収納ケース31は、左,右の吹出口23,24間に位置する吹出ダクト部22のスペースを利用して設けられている。また、収納ケース31は、物品として飲料水が充填された缶、ペットボトル等の飲料容器(図示せず)を収容し、これらの飲料容器を冷えた状態または温めた状態に保持するものである。そして、収納ケース31は、図4、図5に示すように、後述のケース本体32、蓋体33等によって大略構成されている。
【0036】
32は収納ケース31の本体部をなすケース本体で、該ケース本体32は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体(エキスパンドメタル)または多数の通気孔を有する網体(メッシュ体)によって形成されている。そして、ケース本体32は、これらの板体、網体に曲げ加工、溶接加工等を施すことにより、上側が開口する横長な箱体(籠体)として形成されている。また、ケース本体32は、吹出ダクト部22のケース取付開口22Hに挿着可能な大きさに形成されている。さらに、ケース本体32の開口端部には、角枠状のフランジ部32Aが張出して設けられている。
【0037】
33はケース本体32の開口側に取付けられた蓋体で、該蓋体33は、ケース本体32の開口を開,閉するものである。そして、蓋体33は、長方形状の板体からなり、その長さ方向の一端がヒンジ33Aを介してケース本体32のフランジ部32Aに回動可能に取付けられている。また、蓋体33の他端側には、当該蓋体33を開,閉するときに把持する把手33Bが取付けられている。
【0038】
このように構成された収納ケース31は、ケース本体32を吹出ダクト部22のケース取付開口22Hに挿入し、この状態でフランジ部32Aを吹出ダクト部22の上面22Aにボルト34を用いて取付けられている。そして、吹出ダクト部22に取付けられた収納ケース31は、蓋体33を開くことによりケース本体32に飲料容器を出し入れすることができる。また、蓋体33は、閉じることによって調和空気が外部に漏れ出すのを防止することができる。
【0039】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0040】
まず、オペレータはキャブ11内に乗り込んで運転席15に着座し、走行操作レバーを操作することにより、下部走行体2を走行させる。また、作業操作レバー16,17を操作したときには、作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0041】
また、上述した作業時には、そのときの気温等に応じて空調ユニット18を起動し、夏場の作業ではキャブ11内に冷風を吹出し、冬場の作業ではキャブ11内に温風を吹出してオペレータの好みに応じた適度な室温としている。
【0042】
空調ユニット18を起動すると、該空調ユニット18は空気を吸込み、夏場には吸込んだ空気をエバポレータによって冷やして冷風を吐出する。一方、冬場には空気をヒータコアによって温めて温風を吐出する。そして、空調ユニット18から冷風、温風からなる調和空気が吐出されると、送風ダクト19は、上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21、吹出ダクト部22で調和空気を順次流通させ、該吹出ダクト部22に設けられた左,右の吹出口23,24からキャブ11内に吹出す。これにより、キャブ11内は調和空気によって適度な温度に調整することができる。
【0043】
また、オペレータは、水分補給のための飲料水が充填された飲料容器をキャブ11内に持ち込むことがある。このときには、収納ケース31の蓋体33を開いてケース本体32内に飲料容器を入れることにより、夏場には冷風で飲料容器を冷やすことができ、冬場には温風で飲料容器を温めることができる。
【0044】
即ち、収納ケース31は、吹出ダクト部22を流通する調和空気がケース本体32を通過することにより、この調和空気によってケース本体32内に収納した飲料容器を冷やしたり、温めたりすることができる。しかも、ケース本体32は通気性を有しているから、調和空気は吹出ダクト部22内を通常に流れ、左,右の吹出口23,24からキャブ11内に吹出すことができる。
【0045】
かくして、本実施の形態によれば、送風ダクト19には収納ケース31を設け、該収納ケース31は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体または網体によって一方が開口する箱体(籠体)として形成されたケース本体32と、該ケース本体32の開口側に開,閉可能に取付けられた蓋体33とによって構成している。
【0046】
従って、収納ケース31のケース本体32内に飲料容器(飲料水)等を収納することにより、該飲料容器の全体を送風ダクト19内を流通する調和空気によって効果的に冷やしたり、温めたりすることができる。この結果、よく冷えた飲料水またはよく温まった飲料水をオペレータに提供することができ、キャブ11の居住性を向上することができる。
【0047】
また、収納ケース31は、そのケース本体32を送風ダクト19内の途中に配置するだけであるから、送風ダクト19の一部として組込むことができ、送風ダクト19(吹出ダクト部22)を小型化することができる。また、部品点数を少なく形成することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
【0048】
しかも、収納ケース31は、運転席15の背もたれ部15Bの後側に配設された吹出ダクト部22に設けているから、小型の油圧ショベル1に用いられる小さなキャブ11でも、運転席15の後側のスペースを利用して収納ケース31を設けることができる。
【0049】
また、空調ユニット18から吐出される調和空気は、収納ケース31を通過するだけであるから、該収納ケース31を設けた状態でもキャブ11内に十分な風量の調和空気を吹出すことができる。これにより、調和空気はキャブ11内の冷暖房と収納ケース31の両方に同時に使用することができ、キャブ11内と収納ケース31内の温度調整を効率よく行なうことができる。
【0050】
さらに、収納ケース31のケース本体32は、多数の通気孔を有する板体または網体によって形成しているから、容易かつ安価に製造することができる。また、蓋体33は、開くことによって飲料容器等を出し入れでき、閉じることによって調和空気が外部に漏れ出すのを防止することができる。
【0051】
なお、実施の形態では、建設機械用キャブとして油圧ショベル1のキャブ11を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン等の他の建設機械用キャブに適用してもよいものである。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、送風ダクトには、多数の通気孔を有し内部に調和空気が通気可能な状態で物品を収納する収納ケースを設けている。従って、収納ケース内に飲料容器(飲料水)等の物品を収納すると、送風ダクト内を流通する調和空気が通気可能な収納ケース内を流通するから、この調和空気の温度に応じて収納ケース内の飲料水等を冷やしたり、温めたりすることができる。これにより、この結果、よく冷えた飲料水またはよく温まった飲料水をオペレータに提供することができ、居住性を向上することができる。
【0053】
また、収納ケースは、簡単な構成で送風ダクト内に取付けるだけであるから、送風ダクト、収納ケースは少ない部品で形成することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。しかも、調和空気は、収納ケースを通過するだけであるから、吹出口はキャブ内に十分な風量の調和空気を吹出すことができ、キャブ内と収納ケース内との両方の温度調整を効率よく行なうことができる。
【0054】
請求項2の発明によれば、送風ダクトは運転席の後側に位置してキャブボックスとの間を幅方向に延び吹出口が設けられた吹出ダクト部を有し、収納ケースは該吹出ダクト部の上面に開口して設ける構成としている。従って、小型の建設機械に用いられる小さなキャブボックスでも、運転席の後側のスペースを利用して吹出ダクト部を設け、該吹出ダクト部に収納ケースを設けることができる。また、吹出ダクト部の上面に開口した収納ケースは、物品を容易に出し入れすることができる。
【0055】
請求項3の発明によれば、送風ダクトには運転席の後側に位置して左,右両側に位置して吹出口を設け、収納ケースは前記左,右の吹出口の間に配置する構成としているので、送風ダクト内を流通する調和空気は左,右の吹出口からキャブ内に吹出すことができる。また、収納ケースは、左,右の吹出口間に位置する送風ダクトのスペースを利用して設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】運転席、空調ユニット、送風ダクト等を示すキャブの拡大断面図である。
【図3】運転席、空調ユニット、送風ダクト等を図2中の矢示III−III方向から示すキャブの拡大断面図である。
【図4】空調ユニット、送風ダクト、収納ケースを分解した状態で拡大して示す分解斜視図である。
【図5】図4中の収納ケースを蓋体を開いた状態で示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
11 キャブ
12キャブボックス
15 運転席
18 空調ユニット
18A 吐出口
19 送風ダクト
22 吹出ダクト部
23,24 吹出口
31 収納ケース
32 ケース本体
33 蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等に用いて好適な建設機械用キャブに関し、特に、キャブボックス内に冷風、温風からなる調和空気を供給する空調ユニットを備えた建設機械用キャブに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油圧ショベル等の建設機械には運転室としてのキャブが設けられ、この建設機械用キャブは、ボックス形状をなすキャブボックスと、該キャブボックス内に設けられ、オペレータが着座する運転席とによって大略構成されている。
【0003】
また、建設機械用キャブには、居住性を高めるためにオペレータの好みに応じてキャブボックス内の温度調整を行う空調ユニット、送風ダクトを備えたものがある。この空調ユニットは、吸込んだ空気を冷却するエバポレータと吸込んだ空気を温めるヒータコアとを備え、これらエバポレータ、ヒータコアによって温度調整した調和空気を吐出する。また、送風ダクトは、空調ユニットの吐出側に接続して設けられ、キャブ内に調和空気(冷風または温風)を吹出す吹出口が設けられている。
【0004】
ここで、建設機械が小型の油圧ショベル等である場合には、車体の大きさに対応してキャブを小さく形成する必要がある。これに伴い運転席は、キャブボックス内の後側に寄せて配置する必要がある。
【0005】
このように小型の油圧ショベルに用いられるキャブは、キャブボックスが小さいために空調ユニット、送風ダクト等を配設するための専用の空間を確保することができない。
【0006】
このため、空調ユニットは、例えば運転席を支持する台座内の空間を利用して配置し、送風ダクトは、運転席とキャブボックスとの隙間に沿って形成され、運転席の後側で幅方向に延びて形成されている。また、吹出口は、運転席とキャブボックスとの間から前方に調和空気を供給することができるように、運転席に着座したオペレータのほぼ肘の位置に前向きに設けられている。
【0007】
一方、キャブに乗車するオペレータは、缶、ペットボトル等の飲料容器に飲料水等を充填したものを持ち込むことがある。このため、吹出口には、例えば実開平5−62332号公報等に示すような飲料容器ホルダを取付け、吹出口からの調和空気によって飲料容器内の飲料水を冷やしたり、温めたりしている。
【0008】
しかし、飲料容器ホルダは吹出口に取付けると、前側に出っ張ってしまうから、オペレータの肘に接触することがあり、レバー操作の妨げになる。しかも、飲料容器ホルダは、冷風または温風を飲料容器の一部に当てているだけであるから、飲料容器内の飲料水等を十分に冷やしたり、温めたりすることができない。
【0009】
そこで、建設機械用キャブには、送風ダクトに飲料容器を収容する冷温蔵室を設けたものがあり、例えば特開平9−207558号公報(以下、従来技術という)等によって知られている。
【0010】
この従来技術による冷温蔵室を備えたものは、送風ダクト内に仕切板を設けて冷温蔵室を画成し、切替えドアによって調和空気の流れを吹出口と冷温蔵室とに切替える構成としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による建設機械用キャブは、送風ダクト内に仕切板を設けることにより冷温蔵室を画成しているから、吹出口に向けて調和空気を流通させる通路とは別個に冷温蔵室を設ける必要があり、送風ダクトが大型化してしまうという問題がある。
【0012】
また、送風ダクト内には、仕切板、切替えドア等が設けられているから、送風ダクトを形成する部品の数が多くなり、送風ダクトの大型化、組立作業性の低下、製造コストの上昇等を招くという問題がある。
【0013】
さらに、調和空気は、その流通経路が切替えドアによって吹出口と冷温蔵室とに切替えられ、キャブ内の冷暖房と冷温蔵室とに使分けるようになているから、キャブまたは冷温蔵室のいずれか一方は、温度調整するときの効率が落ちてしまうという問題がある。
【0014】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、部品点数の増大、送風ダクトの大型化を抑制した上で、キャブ内と飲料水等の物品との両方を効率よく冷やしたり、温めたりすることができるようにした建設機械用キャブを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による建設機械用キャブは、内部が運転室となるボックス形状のキャブボックスと、該キャブボックス内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブボックス内に位置して該運転席の下側に設けられ吸込んだ空気を冷風または温風からなる調和空気として吐出する空調ユニットと、該空調ユニットの吐出側に接続して設けられ前記キャブ内に調和空気を吹出す吹出口を有する送風ダクトとを備えている。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、送風ダクトには、多数の通気孔を有し内部に調和空気が通気可能な状態で物品を収納する収納ケースを設けたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、収納ケース内に飲料容器(飲料水)等の物品を収納すると、送風ダクト内を流通する調和空気が通気可能な収納ケースにも流通するから、この調和空気の温度に応じて収納ケース内の飲料水等を冷やしたり、温めたりすることができる。また、収納ケースは、簡単な構成で送風ダクト内に取付けるだけであるから、送風ダクト、収納ケースは少ない部品で形成することができる。しかも、調和空気は、収納ケースを通過するだけであるから、吹出口はキャブ内に十分な風量の調和空気を吹出すことができる。
【0018】
請求項2の発明によると、送風ダクトは運転席の後側に位置してキャブボックスとの間を幅方向に延び吹出口が設けられた吹出ダクト部を有し、収納ケースは該吹出ダクト部の上面に開口して設ける構成としたことにある。
【0019】
このように構成したことにより、小型の建設機械に用いられる小さなキャブボックスでも、運転席の後側のスペースを利用して吹出ダクト部を設け、該吹出ダクト部に収納ケースを設けることができる。
【0020】
請求項3の発明によると、送風ダクトには運転席の後側に位置して左,右両側に位置して吹出口を設け、収納ケースは前記左,右の吹出口の間に配置する構成としたことにある。
【0021】
このように構成したことにより、送風ダクト内を流通する調和空気は左,右の吹出口からキャブ内に吹出すことができる。また、収納ケースは、左,右の吹出口間に位置する送風ダクトのスペースを利用して設けることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械用キャブとして油圧ショベル用キャブを例に挙げ、図1ないし図5に従って詳細に説明する。
【0023】
1は本実施の形態に適用される建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、ミニショベルと呼ばれる小型のもので、後述のキャブ11も小さく形成されている。また、油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられ、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4とにより構成されている。ここで、上部旋回体3は、旋回フレーム5、カウンタウエイト6、後述のキャブ11等によって構成されている。
【0024】
11は旋回フレーム5の前部左側に配設されたキャブで、該キャブ11は、オペレータが乗車する運転室を画成するもので、図2、図3に示す如く、後述するキャブボックス12、床板12F、運転席15、空調ユニット18、送風ダクト19、収納ケース31によって大略構成されている。
【0025】
12はキャブ11の周囲を覆うキャブボックスで、該キャブボックス12は、前側に配置された前面部12Aと、該前面部12Aと対面するように後側に配置された後面部12Bと、上部旋回体3の外側となる左側に位置して前記前面部12Aと後面部12Bとの間に設けられた左側面部12Cと、内側となる右側に位置して前記前面部12Aと後面部12Bとの間に設けられた右側面部12Dと、上側を閉塞して設けられた天面部12Eと、下側を閉塞して設けられた床板12Fとによってボックス形状に形成されている。また、左側面部12Cにはオペレータが出入りするためのドア12Gが開閉可能に取付けられている。
【0026】
13はキャブ11内の後側寄りに位置して床板12F上に設けられた台座で、該台座13は、後述の運転席15を支持するもので、例えば鋼板を折曲げたり、溶接によって固着することにより箱体状に形成されている。また、台座13上には運転席15の位置をオペレータの体格に応じて上,下方向と前,後方向に調整するための調整装置14が搭載されている。さらに、台座13内の空間には、後述の空調ユニット18が収容されている。
【0027】
15はキャブ11内の後側寄りに位置し、調整装置14を介して台座13上に設けられた運転席で、該運転席15は、オペレータが着座するもので、座席部15Aと背もたれ部15Bとによって大略構成されている。また、運転席15の左,右方向の両側には、作業装置4等を操作する作業操作レバー16,17が配設されている。さらに、運転席15の前側には、下部走行体2を走行操作する走行操作レバー(図示せず)等が配設されている。
【0028】
18はキャブ11内の後側寄りに設けられた空調ユニットで、該空調ユニット18は、運転席15の下側に位置して台座13内の空間を利用して収容されている。また、空調ユニット18は、後述の送風ダクト19と協働してキャブ11内をオペレータの好みに応じた温度に調整するもので、吸気口から吸込んだ空気を冷却するエバポレータ、吸込んだ空気を温めるヒータコア(いずれも図示せず)を備えている。そして、これらのエバポレータ、ヒータコアによって温度調整された調和空気は、台座13の後側に突出した吐出口18Aから後述の送風ダクト19に吐出される。
【0029】
19は空調ユニット18の吐出口18Aに接続して設けられた送風ダクトで、該送風ダクト19は、図4に示す如く、後述する上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21、吹出ダクト部22、吹出口23,24等によって大略構成されている。
【0030】
20はキャブボックス12の右側面部12D寄りに位置して上,下方向に延びて設けられた上流側ダクト部で、該上流側ダクト部20は、キャブボックス12の後面部12Bに沿うように後側に屈曲して形成されている。また、上流側ダクト部20は、下側が左横向きに屈曲して流入口20Aとなり、上側が上向きに開口した流出口20Bとなっている。そして、上流側ダクト部20は、図2、図3に示すように、その流入口20Aが空調ユニット18の吐出口18Aに接続されている。
【0031】
21は上流側ダクト部20の流出口20Bに接続された蛇腹ダクト部で、該蛇腹ダクト部21は、上流側ダクト部20と後述の吹出ダクト部22との位置ずれ等を許容するフレキシブル管を形成している。
【0032】
22は運転席15の背もたれ部15Bの後側に設けられた下流側ダクト部をなす吹出ダクト部で、該吹出ダクト部22は、前面22A、後面22B、上面22C、下面22D、左端面22E、右端面22Fからなり、全体として運転席15の幅方向(左,右方向)に長尺な箱体状に形成されている。また、吹出ダクト部22の下面22Dには、右端部に位置して蛇腹ダクト部21に接続する接続口22Gが突出して設けられている。さらに、吹出ダクト部22の上面22Cには、左,右方向のほぼ中央部に位置してケース取付開口22Hが設けられ、該ケース取付開口22Hには後述の収納ケース31が取付けられる。
【0033】
また、23,24は吹出ダクト部22の前面22Aに左,右端部に離間して設けられた2個の吹出口で、該各吹出口23,24は、運転席15に着座したオペレータのほぼ肘の位置に配設されている。そして、吹出口23,24は、空調ユニット18から供給される調和空気をキャブ11内に吹出すもので、例えば風向きを調整するルーバを備えている。
【0034】
このように構成された送風ダクト19は、空調ユニット18の吐出口18Aから吐出される調和空気を、上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21を介して吹出ダクト部22に流入させ、その調和空気の一部を右側の吹出口24から吹出す。また、その他の調和空気は吹出ダクト部22内を左側に流通させ、左側の吹出口23から吹出す。
【0035】
次に、31は送風ダクト19の吹出ダクト部22に設けられた収納ケースで、該収納ケース31は、左,右の吹出口23,24間に位置する吹出ダクト部22のスペースを利用して設けられている。また、収納ケース31は、物品として飲料水が充填された缶、ペットボトル等の飲料容器(図示せず)を収容し、これらの飲料容器を冷えた状態または温めた状態に保持するものである。そして、収納ケース31は、図4、図5に示すように、後述のケース本体32、蓋体33等によって大略構成されている。
【0036】
32は収納ケース31の本体部をなすケース本体で、該ケース本体32は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体(エキスパンドメタル)または多数の通気孔を有する網体(メッシュ体)によって形成されている。そして、ケース本体32は、これらの板体、網体に曲げ加工、溶接加工等を施すことにより、上側が開口する横長な箱体(籠体)として形成されている。また、ケース本体32は、吹出ダクト部22のケース取付開口22Hに挿着可能な大きさに形成されている。さらに、ケース本体32の開口端部には、角枠状のフランジ部32Aが張出して設けられている。
【0037】
33はケース本体32の開口側に取付けられた蓋体で、該蓋体33は、ケース本体32の開口を開,閉するものである。そして、蓋体33は、長方形状の板体からなり、その長さ方向の一端がヒンジ33Aを介してケース本体32のフランジ部32Aに回動可能に取付けられている。また、蓋体33の他端側には、当該蓋体33を開,閉するときに把持する把手33Bが取付けられている。
【0038】
このように構成された収納ケース31は、ケース本体32を吹出ダクト部22のケース取付開口22Hに挿入し、この状態でフランジ部32Aを吹出ダクト部22の上面22Aにボルト34を用いて取付けられている。そして、吹出ダクト部22に取付けられた収納ケース31は、蓋体33を開くことによりケース本体32に飲料容器を出し入れすることができる。また、蓋体33は、閉じることによって調和空気が外部に漏れ出すのを防止することができる。
【0039】
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
【0040】
まず、オペレータはキャブ11内に乗り込んで運転席15に着座し、走行操作レバーを操作することにより、下部走行体2を走行させる。また、作業操作レバー16,17を操作したときには、作業装置4を俯仰動させたり、上部旋回体3を旋回させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
【0041】
また、上述した作業時には、そのときの気温等に応じて空調ユニット18を起動し、夏場の作業ではキャブ11内に冷風を吹出し、冬場の作業ではキャブ11内に温風を吹出してオペレータの好みに応じた適度な室温としている。
【0042】
空調ユニット18を起動すると、該空調ユニット18は空気を吸込み、夏場には吸込んだ空気をエバポレータによって冷やして冷風を吐出する。一方、冬場には空気をヒータコアによって温めて温風を吐出する。そして、空調ユニット18から冷風、温風からなる調和空気が吐出されると、送風ダクト19は、上流側ダクト部20、蛇腹ダクト部21、吹出ダクト部22で調和空気を順次流通させ、該吹出ダクト部22に設けられた左,右の吹出口23,24からキャブ11内に吹出す。これにより、キャブ11内は調和空気によって適度な温度に調整することができる。
【0043】
また、オペレータは、水分補給のための飲料水が充填された飲料容器をキャブ11内に持ち込むことがある。このときには、収納ケース31の蓋体33を開いてケース本体32内に飲料容器を入れることにより、夏場には冷風で飲料容器を冷やすことができ、冬場には温風で飲料容器を温めることができる。
【0044】
即ち、収納ケース31は、吹出ダクト部22を流通する調和空気がケース本体32を通過することにより、この調和空気によってケース本体32内に収納した飲料容器を冷やしたり、温めたりすることができる。しかも、ケース本体32は通気性を有しているから、調和空気は吹出ダクト部22内を通常に流れ、左,右の吹出口23,24からキャブ11内に吹出すことができる。
【0045】
かくして、本実施の形態によれば、送風ダクト19には収納ケース31を設け、該収納ケース31は、調和空気が通気可能な多数の通気孔を有する板体または網体によって一方が開口する箱体(籠体)として形成されたケース本体32と、該ケース本体32の開口側に開,閉可能に取付けられた蓋体33とによって構成している。
【0046】
従って、収納ケース31のケース本体32内に飲料容器(飲料水)等を収納することにより、該飲料容器の全体を送風ダクト19内を流通する調和空気によって効果的に冷やしたり、温めたりすることができる。この結果、よく冷えた飲料水またはよく温まった飲料水をオペレータに提供することができ、キャブ11の居住性を向上することができる。
【0047】
また、収納ケース31は、そのケース本体32を送風ダクト19内の途中に配置するだけであるから、送風ダクト19の一部として組込むことができ、送風ダクト19(吹出ダクト部22)を小型化することができる。また、部品点数を少なく形成することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。
【0048】
しかも、収納ケース31は、運転席15の背もたれ部15Bの後側に配設された吹出ダクト部22に設けているから、小型の油圧ショベル1に用いられる小さなキャブ11でも、運転席15の後側のスペースを利用して収納ケース31を設けることができる。
【0049】
また、空調ユニット18から吐出される調和空気は、収納ケース31を通過するだけであるから、該収納ケース31を設けた状態でもキャブ11内に十分な風量の調和空気を吹出すことができる。これにより、調和空気はキャブ11内の冷暖房と収納ケース31の両方に同時に使用することができ、キャブ11内と収納ケース31内の温度調整を効率よく行なうことができる。
【0050】
さらに、収納ケース31のケース本体32は、多数の通気孔を有する板体または網体によって形成しているから、容易かつ安価に製造することができる。また、蓋体33は、開くことによって飲料容器等を出し入れでき、閉じることによって調和空気が外部に漏れ出すのを防止することができる。
【0051】
なお、実施の形態では、建設機械用キャブとして油圧ショベル1のキャブ11を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン等の他の建設機械用キャブに適用してもよいものである。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、送風ダクトには、多数の通気孔を有し内部に調和空気が通気可能な状態で物品を収納する収納ケースを設けている。従って、収納ケース内に飲料容器(飲料水)等の物品を収納すると、送風ダクト内を流通する調和空気が通気可能な収納ケース内を流通するから、この調和空気の温度に応じて収納ケース内の飲料水等を冷やしたり、温めたりすることができる。これにより、この結果、よく冷えた飲料水またはよく温まった飲料水をオペレータに提供することができ、居住性を向上することができる。
【0053】
また、収納ケースは、簡単な構成で送風ダクト内に取付けるだけであるから、送風ダクト、収納ケースは少ない部品で形成することができ、組立作業性の向上、製造コストの低減等を図ることができる。しかも、調和空気は、収納ケースを通過するだけであるから、吹出口はキャブ内に十分な風量の調和空気を吹出すことができ、キャブ内と収納ケース内との両方の温度調整を効率よく行なうことができる。
【0054】
請求項2の発明によれば、送風ダクトは運転席の後側に位置してキャブボックスとの間を幅方向に延び吹出口が設けられた吹出ダクト部を有し、収納ケースは該吹出ダクト部の上面に開口して設ける構成としている。従って、小型の建設機械に用いられる小さなキャブボックスでも、運転席の後側のスペースを利用して吹出ダクト部を設け、該吹出ダクト部に収納ケースを設けることができる。また、吹出ダクト部の上面に開口した収納ケースは、物品を容易に出し入れすることができる。
【0055】
請求項3の発明によれば、送風ダクトには運転席の後側に位置して左,右両側に位置して吹出口を設け、収納ケースは前記左,右の吹出口の間に配置する構成としているので、送風ダクト内を流通する調和空気は左,右の吹出口からキャブ内に吹出すことができる。また、収納ケースは、左,右の吹出口間に位置する送風ダクトのスペースを利用して設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】運転席、空調ユニット、送風ダクト等を示すキャブの拡大断面図である。
【図3】運転席、空調ユニット、送風ダクト等を図2中の矢示III−III方向から示すキャブの拡大断面図である。
【図4】空調ユニット、送風ダクト、収納ケースを分解した状態で拡大して示す分解斜視図である。
【図5】図4中の収納ケースを蓋体を開いた状態で示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
11 キャブ
12キャブボックス
15 運転席
18 空調ユニット
18A 吐出口
19 送風ダクト
22 吹出ダクト部
23,24 吹出口
31 収納ケース
32 ケース本体
33 蓋体
Claims (3)
- 内部が運転室となるボックス形状のキャブボックスと、該キャブボックス内に設けられオペレータが着座する運転席と、前記キャブボックス内に位置して該運転席の下側に設けられ吸込んだ空気を冷風または温風からなる調和空気として吐出する空調ユニットと、該空調ユニットの吐出側に接続して設けられ前記キャブ内に調和空気を吹出す吹出口を有する送風ダクトとを備えてなる建設機械用キャブにおいて、
前記送風ダクトには、多数の通気孔を有し内部に調和空気が通気可能な状態で物品を収納する収納ケースを設けたことを特徴とする建設機械用キャブ。 - 前記送風ダクトは前記運転席の後側に位置して前記キャブボックスとの間を幅方向に延び前記吹出口が設けられた吹出ダクト部を有し、前記収納ケースは該吹出ダクト部の上面に開口して設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械用キャブ。
- 前記送風ダクトには前記運転席の後側に位置して左,右両側に位置して前記吹出口を設け、前記収納ケースは前記左,右の吹出口の間に配置する構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械用キャブ。
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