JP2004074708A - 記録装置、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、記録方法 - Google Patents

記録装置、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、記録方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正するようにする。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置、被記録体、コンピュータプログラム、コンピュータシステム、及び、記録方法に関する。
【0002】
【背景技術】
紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画像を印刷する装置としてインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタでは、被印刷体を搬送ローラなどにより搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向にノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互に繰り返し実行することで印刷を行っている。
【0003】
ここで良好な印刷が成されるためには、被印刷体が正確に搬送されることが必要である。そこで、例えば、特開平11−49399号公報などには、製造工程において搬送誤差の補正量をあらかじめ設定しておき、その補正量により搬送量を補正して印刷シートを搬送するようにした搬送装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えばロール紙のように、被印刷体が連続的に供給される方式の印刷装置においては、被印刷体の残量が搬送ローラによる被印刷体の搬送量に影響を与えることがある。例えば、被印刷体としてのロール紙は、消費が進むにつれその直径を減じていくが、これによりロール紙の回転軸回りの慣性モーメントが次第に変化し、この慣性モーメントの変化により搬送ローラとロール紙との間にある被印刷体の張力が変化する。そしてこの張力の変化により搬送時における、紙送りローラと被印刷体との間の滑り量が変化して、画質低下を招くことがある。
本発明は、被印刷体の搬送精度を高め、画質の向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
主たる本発明は、被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録装置である。
本発明の他の特徴については、添付図面及び以下の記載により明らかにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
===開示の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録装置。
【0007】
このような記録装置によれば、被記録体の残量に応じた補正量により目標搬送量が補正されるため、被記録体の残量に応じて適切に目標搬送量を補正することが可能となり、被印刷体の搬送精度を高めて画質の向上を図ることが可能となる。
【0008】
さらに、前記補正量は前記被記録体の種類に応じて用意されていることが望ましい。被記録体としては、紙種、紙幅、芯材の種類など、種類の異なるものが存在し、被記録体の種類が異なると、前記補正量も異なることがある。そこで、被記録体の残留に応じた前記補正量として被印刷体の種類に応じて用意することで、被印刷体の種類ごとに最適に目標搬送量を補正することが可能となり、被印刷体の搬送精度を高めて画質の向上を図ることが可能となる。
【0009】
また、前記補正量は、被記録体の残量の変化に応じて段階的に設定されているようにしてもよい。すなわち、被印刷体の紙送りローラに対する滑り量は、被印刷体の残量の変化に対して微小であることが多く、前記被記録体の残量の変化に対して連続的に前記補正量を変化させたとしても、当該記録装置の処理負荷が高くなるばかりで画質の向上があまりできない場合も多いからである。
【0010】
また、1の印刷データについての一連の印刷処理期間(これを「1ジョブの印刷処理期間」と称する)の期間中に補正量を変化させると、印刷画像に不連続部分を生じる等の不都合を生じることがある。そこで、1ジョブの印刷処理期間内では、同じ前記補正量で前記目標搬送量を補正することが好ましい。
【0011】
なお、記録装置は、例えば、インクを吐出して被記録体に着弾させることにより印刷を行う、例えば、インクジェットプリンタである。
【0012】
被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体にインクを吐出して前記被記録体に着弾させることにより印刷を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正し、前記補正量は前記被記録体の種類に応じて用意され、前記補正量は前記被記録体の残量の変化に応じて段階的に設定され、1ジョブの印刷処理期間内では、同じ前記補正量により前記目標搬送量を補正するようにしたことを特徴とする記録装置。このような記録装置によれば、被記録体の残量に応じた補正量により目標搬送量が補正されるため、被記録体の残量に応じて適切に目標搬送量を補正することが可能となり、被印刷体の搬送精度を高めて画質の向上を図ることが可能となる。なお、前記被記録体は、例えば、ロール紙である。
【0013】
被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置に、前記被記録体の残量に応じて定まる補正量により前記目標搬送量を補正する機能を実現させるためのコンピュータプログラムも実現可能である。
【0014】
また、コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続される表示装置と、被記録体を搬送する搬送機構を備え前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行し前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正する記録装置と、を有することを特徴とするコンピュータシステムも実現可能である。また、コンピュータ本体が、前記被記録体の種類別に用意した複数の前記補正量を記憶し、前記被記録体の種類をユーザに指定させ、ユーザが指定した前記種類に対応する前記補正量により補正して生成した目標搬送量を前記記録装置に送信し、前記記録装置が前記目標搬送量を受信することを特徴とするコンピュータシステムも実現可能である。これによりコンピュータ本体を操作するユーザが被記録体の種類に応じた目標搬送量を設定することが可能となる。
【0015】
また、被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置における記録方法において、前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録方法である。このような記録方法によれば、被記録体の残量に応じた補正量により目標搬送量が補正されるため、被記録体の残量に応じて適切に目標搬送量を補正することが可能となり、被印刷体の搬送精度を高めて画質の向上を図ることが可能となる。
【0016】
===印刷装置の概略構成===
まず、図1を参照して本発明の記録装置の一例としての本実施の形態に係る印刷装置の概略構成について説明する。図1は本実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示した図である。
【0017】
図1には、印刷装置の一例としてのカラープリンタCPを示した。なお、このカラープリンタCPは、印刷装置本体としてのプリンタ本体と、このプリンタ本体に取り外し可能に装着された、被印刷体ユニットとしてのロール紙30とを有している。
【0018】
カラープリンタCPは、カラー画像の出力が可能なプリンタであり、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色インクを被印刷体上に吐出してドットを形成することによって画像を形成するインクジェット方式のプリンタである。なお、色インクとして、上記4色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、ダークイエロ(暗いイエロ、DY)を用いても良い。
【0019】
図1に示すように、カラープリンタCPは、背面から供給された印刷用紙等の被印刷体を前面から排出する構造を備えており、プリンタ本体10の前面には操作パネル11、排紙部12が備えられ、背面には給紙部13が備えられている。操作パネル11には、各種操作ボタン111、表示ランプ112が設けられている。排紙部12は、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー121が備えられている。給紙部13には、給紙ホルダ131、ロール紙30を保持するロール紙ユニットホルダ20、21が備えられている。
【0020】
ロール紙30は、芯材31と、芯材31の外周に巻き付けられたロール紙32と、芯材31の内周面に設けられた記憶手段としての記憶素子(素子)33とを備えている。なお、記憶素子33の詳細については後述する。
【0021】
ロール紙ユニットホルダ20、21は、プリンタ本体10の背面の両側に対をなすように配置される。ロール紙ユニットホルダ20には、プリンタ本体10との電気的接点201、及び、この電気的接点201と電気的に接続しロール紙30の記憶素子33に対してデータの送受信を行うための送受信部202が備えられている。なお、図1では、ロール紙ユニットホルダ20に備えられている接点201、送受信部202を示すために、ロール紙ユニットホルダ20、21は、プリンタ本体10及びロール紙30から取り外された状態にて示されている。
【0022】
===記憶素子の構成===
次に図2、図3を参照しつつ記憶素子33の構成について説明する。図2は、記憶素子33の構成を示すためのブロック図である。図3は、記憶素子33に設けられたメモリセル336におけるデータ配列を示した図である。
【0023】
図2に示すように、記憶素子33は、メモリセル336と、このメモリセル336に対してデータの読み込み及び書き込みを制御するW/R制御部334と、W/R制御部334によりデータの読み込み又は書き込みを行う際に、クロック信号CLKに基づいてメモリセル336内のアドレスを指定するためのアドレスカウンタ332とを有している。なお、W/R制御部334によるデータの読み込み又は書き込みはシリアルに行われる。
【0024】
メモリセル336は、図3に示すように、データの読み込み及び書き換えが可能な書き換え可能領域338と、データの読み込みが可能であり書き換えが不可能な書き換え不可能領域339とを有している。ここで、書き換え可能領域338は、電気的にデータを消去し書き換えることの可能なROMである、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)により構成されており、書き換え不可能領域339は、1回のみ書き込み可能なROMである、ワンタイムROMにより構成されている。
【0025】
書き換え不可能領域339に対する書き込みは、ロール紙30がプリンタ本体10に装着される前、例えば、ロール紙30を工場にて製造するとき等に行われる。したがって、プリンタ本体10は、書き換え可能領域338に記憶されているデータに対しては、データの読み出し及び書き込みの双方を実行しうるが、書き換え不可能領域339に対しては、データの読み出しを実行しうるが、データの書き込みは実行し得ない。
【0026】
書き換え可能領域338には、用紙残量情報、使用開始情報、及び、使用終了情報が記憶される。用紙残量情報は、ロール紙30の有する印刷用ロール紙32の残量を示す情報である。使用開始情報は、そのロール紙30に対してプリンタ本体10による使用が開始された最新年月日を示す情報であり、使用終了情報は、そのロール紙30に対してプリンタ本体10による使用が終わった最新年月日を示す情報である。なお、書き換え可能領域338には、これら以外の情報が適宜記憶されてもよい。
【0027】
書き換え不可能領域339には、製造年月日情報、用紙種類情報、用紙厚さ情報、用紙色情報、用紙幅情報、用紙面質情報、及び、搬送時補正量Hである。製造年月日情報は、印刷用ロールの製造された年月日に関する情報であり、用紙種類情報は、用紙の種類(普通紙、フォト用紙等)に関する情報であり、用紙厚さ情報は、用紙の厚さに関する情報であり、用紙色情報は、用紙の印刷面の色に関する情報であり、用紙幅情報は、用紙の幅に関する情報であり、用紙面質情報は、用紙の印刷面の面質に関する情報である。また、搬送時補正量Hは、印刷装置が印刷に際し被印刷体を搬送する際に、後述する目標搬送量を補正するための補正量である。搬送時補正量Hの具体的な内容については後述する。なお、書き換え不可能領域339には、これら以外の情報が適宜記憶されてもよい。
【0028】
===記憶素子と送受信部との位置関係===
次に、図4及び図5を参照して、ロール紙30の記憶素子33とロール紙ユニットホルダ20の送受信部202との位置関係について説明する。図4はロール紙30がロール紙ユニットホルダ20、21によって保持されている状態における記憶素子33と送受信部202との位置関係を示した図である。図5は図4をロール紙ユニットホルダ20側から見た側面図である。
【0029】
本実施の形態では、記憶素子33として非接触型の記憶素子が用いられており、データの送受信に際して記憶素子33と送受信部202とが互いに接触する必要はない。したがって、図4及び図5に示すように、送受信部202と記憶素子33との間には隙間がある。また、非接触型の記憶素子では、外部の送受信回路から送信される搬送波を整流して必要な電力を生成する。
【0030】
ロール紙30の記憶素子33はロール紙30が一回転する毎に、ロール紙ユニットホルダ20の送受信部202と最接近する。記憶素子33として、送受信可能距離が2mm程度の密接型の記憶素子が用いられる場合には、記憶素子32と送受信部202とが最近接するタイミングでデータの送受信が実行される。また、送受信距離が20cm程度の近接型の記憶素子が用いられる場合には、記憶素子32と送受信部202との相対位置とは無関係にデータの送受信が実行される。なお、記憶素子33として、接触型の記憶素子を用いることができるのはいうまでもない。かかる場合には、ロール紙ユニットホルダ20には、送受信部202に代えて接点が設けられ、ロール紙30が回転して、ロール紙ユニットホルダ20側の接点と記憶素子の接点とが接触する際に、データの送受信が実行される。
【0031】
===紙搬送機構===
次に、図6および図7を参照してカラープリンタCPの内部構成について説明する。図6は本実施の形態に係るカラープリンタCPの内部構成を示した図である。また、図7はカラープリンタCPの搬送機構を説明する図である。
【0032】
カラープリンタCPは、図示するように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッドIH1〜IH4を駆動してインクの吐出及びドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ41によってプラテン42の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ43によってロール紙30から供給される印刷用ロール紙32を搬送する機構と、制御回路50とを有している。
【0033】
キャリッジ40をプラテン42の軸方向に往復動させる機構は、プラテン42の軸と並行に架設され、キャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸44と、キャリッジモータ41との間に無端の駆動ベルト45を張設するプーリ46等から構成されている。
【0034】
キャリッジ40にはインクカートリッジINC1とインクカートリッジINC2とが装着される。各インクカートリッジINC1、INC2には、インク残量等を記憶する記憶素子MEが備えられている。インクカートリッジINC1には黒(K)インクが収容され、インクカートリッジINC2には他のインク、すなわち、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色インクが収納されている。ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ダークイエロ(DY)のインクも収納可能であることは既述の通りである。
【0035】
ロール紙30から供給される印刷用ロール紙32を搬送する搬送機構は、プラテン42と、プラテン42を回転させる紙送りモータ43と、紙送りローラ17A,17Bと、紙送りモータ43の回転をプラテン42及び給紙補助ローラに伝えるギヤ機構48と、プラテン42の回転角度を検出するエンコーダ47とを有している。また、ロール紙ユニットホルダ20に設けられた接点201に対向して、プリンタ本体10に接点101が設けられている。
【0036】
制御回路50は、プリンタの操作パネル11と信号をやり取りしつつ、紙送りモータ43やキャリッジモータ41、印字ヘッドIH1〜IH4の動きを適切に制御する。カラープリンタCPのロール紙ユニットホルダ20、21に保持されたロール紙30の印刷用ロール紙32から引き出された紙Sは、紙送りローラ17Aとフリーローラ18Aとの間に挟み込まれて紙送りローラ17Aの回転角度に応じて紙搬送方向に搬送される。
【0037】
===制御回路の内部構造===
次に図8を参照してカラープリンタCPの制御回路50の内部構成について説明する。図8は本実施の形態に係るカラープリンタCPの制御回路50の内部構成を示したブロック図である。
図示するように、制御回路50の内部には、CPU51、PROM52、RAM53、周辺機器入出力部(PIO)54、タイマ55、駆動バッファ56等が設けられている。
【0038】
PIO54には、パーソナルコンピュータPC、インクカートリッジの記憶素子MEとの接点MEC、キャリッジモータ41、紙送りモータ43、エンコーダ47、及び接点101と201を介して送受信部202が接続されている。駆動バッファ56は、印字ヘッドIH1〜IH4にドット形成のためのオン・オフ信号を供給するバッファとして使用される。これらは互いにバス57で接続され、相互にデータのやり取りが可能となっている。また、制御回路50には、所定周波数で駆動波形を出力する発振器58、及び発振器58からの出力を印字ヘッドIH1〜IH4に所定のタイミングで分配する分配出力器59も設けられている。
【0039】
制御回路50は、例えば、電源投入時やロール紙30の交換時、電源遮断時などのタイミングにおいて、送受信部202を介してロール紙30の芯材31に設けられている記憶素子33に対してアクセスする。制御回路50は、記憶素子33から取得した情報を反映して、印刷処理を制御する。制御回路50は、紙送りモータ43やキャリッジモータ42の動きと同期をとりながら、所定のタイミングでドットデータを駆動バッファ56に出力する。
【0040】
===紙の滑りと画質との関係===
紙送りローラ17Aに対する紙の滑りと画質との関係について説明する。図9は、紙送りローラ17Aに対する紙の滑りが小さく目標搬送量よりも実際の搬送量が多い場合におけるドットの形成の様子を示す図であり、また、図10は、紙送りローラ17Aに対する紙の滑りが大きく目標搬送量よりも実際の搬送量が少ない場合い場合のドット形成の様子を示す図である。なお、説明を簡単にするため、ヘッドIH1〜IH4は1色分の7個のノズルを有するものとしている。また、丸の中に示されている数字1〜7は、ノズル番号を意味しており、番号が若いノズルほど紙搬送方向の下流に設けられている。また、丸印は1回目のパスで形成されるドットの位置(画素の位置)を示し、四角形印は2回目のパスで形成されるドットの位置を示し、六角形印は3回目のパスで形成されるドットの位置を示し、八角形印は4回目のパスで形成されるドットの位置を示している。そして、各印の中の数字は、そのドットを形成するためのインクを吐出したノズルの番号を示している。
【0041】
図9および図10では、1回のパス毎に2つのドットを形成しているが、実際には、ノズルが走査方向に移動しながら間欠的にインクを吐出するので、走査方向に沿って多数のドットがライン状に形成される(以下、これを『ラスタライン』と呼ぶ)。この記録方式では、紙が走査方向に搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルがその直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。
【0042】
図9では、目標搬送量がFであるときに、搬送ユニットは、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で被印刷体を搬送している。すなわち、目標搬送量Fに対して、被印刷体が、誤差δだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている。このようなプラスの誤差は、例えば、目標搬送量Fの設定に際し見込んでいた紙搬送ローラ17Aと被印刷体との間の滑り量に比べ、実際の紙搬送ローラ17Aと被印刷体との間の滑り量が少ない場合に生じる。このような誤差δが蓄積されると、図11に示すように、ラスタライン間のドットピッチが広がって、色の薄い縞(『明バンディング』、『白バンディング』、『淡バンディング』などと通称される)などが発生し、画質劣化の要因となる。
【0043】
図10では、目標搬送量がFであるときに、搬送ユニットは、一定のマイナス誤差−δの誤差を含む搬送量(F−δ)で被印刷体を搬送している。すなわち、目標搬送量Fに対して、被印刷体が、誤差δだけ不足して紙搬送方向下流側に搬送されている。このようなマイナスの誤差は、例えば、目標搬送量Fの設定に際し見込んでいた紙搬送ローラ17Aと被印刷体との間の滑り量に比べ、実際の紙搬送ローラ17Aと被印刷体との間の滑り量が大きい場合に生じる。このような誤差δが蓄積されると、例えば、図12に示すように、部分的にラスタライン間のドットピッチが狭まって、色の濃い縞(『暗バンディング』、『黒バンディング』、『濃バンディング』などと通称される)などが発生し、画質劣化の要因となる。
【0044】
<紙の滑りと用紙残量との関係>
被印刷体の紙送りローラ17Aに対する滑り量が、被印刷体の残量(使用量)に依存する場合がある。例えば被印刷体が印刷用ロール紙32の場合には、印刷用ロール紙32から引き出されて紙送りローラ17Aに搬送される紙Sの、紙送りローラ17Aに対する滑り量が、ロール紙30に残存する印刷用ロール紙32の残量に応じて変化する。このような場合には、例えば、あらかじめ被印刷体の質(例えば、ロール紙の紙質)等を見込んで目標搬送量を補正したとしても、印刷用ロール紙32の残量の変化に起因する誤差までは補正されない。
【0045】
ここで紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量が、印刷用ロール紙32の残量変化に応じて変化する原理について図13とともに説明する。この図に示すように、紙送りローラ17Aとフリーローラ18Aとの間に挟まれて搬送される紙Sには、印刷用ロール紙32の回転軸回りの慣性モーメントに起因する張力Tが作用している。つまり、紙Sは、紙送りローラ17Aが、張力T以上の力Fで紙Sを引っ張ることにより紙搬送方向に引き出される。ここで張力Tは、印刷用ロール紙32の回転軸回りの慣性モーメントに応じて定まるが、この慣性モーメントは印刷用ロール紙32の径(2R)の変化に応じて変化し、例えば、印刷用ロール紙32の消費が進んで印刷用ロール紙32の径2Rが小さくなるにつれ印刷用ロール紙32の慣性モーメントも減少する。このようにして慣性モーメントが変化すると、紙Sにかかる張力Tも減少し紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量も少なくなる。以上により印刷用ロール紙32の残量変化に応じて紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量が変化する仕組みが理解される。
【0046】
<搬送時補正量>
本実施例のカラープリンタCPは、以上のような紙Sの残量の変化に起因する紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量の変動をも加味して目標搬送量を設定するようにしている。図3に例示した搬送時補正量Hは、この補正に用いられる補正量である。図3の例では、印刷用ロール紙32の残量の変化に応じて段階的に搬送時補正量Hを設定している。このように連続的ではなく印刷用ロール紙32の残量変化に応じて段階的に補正量を設定しているのは、紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量の変化は、残量の変化に比べてわずかであることが多く、前記被記録体の残量の変化に対して連続的に前記補正量を変化させるようにしたとしても、当該記録装置の処理負荷が高くなるばかりであり、その処理負荷に見合う画質の向上が殆ど期待できないからである。
【0047】
記憶素子33に記憶されている搬送時補正量Hは、ロール紙30が装着された際などのタイミングで、カラープリンタCP内部のメモリに読み込まれる。なお、一口に印刷用ロール紙32といっても、紙種(普通紙、上質紙、写真用紙、マット紙、画材用紙、光沢紙、OHP、シール用紙、など)、紙の厚さ、紙幅など、その種類は多様であり、搬送時補正量Hもロール紙30に応じて変わってくる。従って、記憶素子33にはそれぞれのロール紙30に対応させた搬送時補正量Hが記憶される。
【0048】
===搬送制御方式===
つぎに、本実施例のカラープリンタCPにおいて行われる、前述した搬送機構による被印刷体の搬送処理について具体的に説明する。
【0049】
制御回路50のCPU51は、例えば、当該カラープリンタCPに接続するパソコンなどのコンピュータから入力される印刷データに基づいて目標搬送量を設定し、その目標搬送量に対応する回転量で回転させるための信号を紙送りモータ43に出力する。紙送りモータ43は、CPU51から送られてくる信号に基づいて所定の回転量だけ回転し、これにより紙送りローラ17Aが紙Sを搬送する。一方、エンコーダ47は紙送りローラ17Aの回転量を検出し、その検出結果をCPU51に通知する。
【0050】
図14は、この搬送処理に際して行われる紙送りモータ43のフィードバック制御の仕組みを説明する制御ブロック図である。CPU51は、紙送りローラ17Aの目標となる回転速度の履歴(速度プロファイル)を決定する。CPU51は、印刷データに含まれる情報に基づいて、紙送りローラ17Aの目標となる回転速度の履歴を算出し、算出した履歴に基づいて指令値を生成する。一方、CPU51は、生成した指令値とエンコーダ47からの検出値との差分値を求め、この差分値に基づいてPID制御を行う。以上のようにして、紙搬送量が目標搬送量となるように紙送りモータ43のフィードバック制御がなされることになる。
【0051】
===カラープリンタCPの動作===
次に、図15及び図16を参照して、本実施の形態に係るカラープリンタCPの動作について説明する。図15は印刷時にカラープリンタCPにおいて実行される、制御回路50と記憶素子33との間において実行されるデータ送受信を含む、印刷処理を示すフローチャートである。図16は、RAM53の書き換え処理を説明するフローチャートである。
【0052】
図15において、まず、制御回路50は、電源オン要求が発生したか否かを判定する(ステップS100)。すなわち、カラープリンタCPの作動開始時であるか否かを判定する。
【0053】
制御回路50は、電源オン要求が発生していないと判定した場合には、カラープリンタCPは作動中であると判断し、ロール紙30の交換要求が発生したか否かを判定する(ステップS110)。ロール紙30の交換要求は、例えば、操作パネル11上のロール紙交換ボタン111が押し下げられた場合に発生する。
【0054】
制御回路50は、ロール紙30の交換要求が発生したと判定した場合には(ステップS110:Yes)、ユーザによってロール紙30が交換された後に、送受信部202を介してロール紙30の記憶素子33にアクセスし、搬送時補正量Hを含む用紙関連情報の読み出しを実行する(ステップS120)。
【0055】
制御回路50は、ステップS100において電源オン要求が発生したと判定した場合にも(ステップS100:Yes)、記憶素子33から用紙関連情報の読み出しを実行する。
【0056】
制御回路50は、記憶素子33から用紙関連情報を読み出すことができた場合には(ステップS130:Yes)、読み出した用紙関連情報をRAM53に一旦、格納する(ステップS140)。
【0057】
つぎに制御回路50は、印刷処理を実行する(ステップS150)。ここでこの印刷処理においては、前述の仕組みにより紙の搬送が行われ、この搬送に際し制御回路50は、RAM53に格納されている搬送時補正量Hに従って目標搬送量の補正を行う。ここでこの補正は、具体的には、制御回路50が印刷データにより決定される目標搬送量を搬送時補正量Hで補正した搬送量に対応する信号を紙送りモータ17Aに出力することで行われる。このようにロール紙30の記憶素子33から読み出した搬送時補正量Hにより補正した目標搬送量に従って紙送りモータ17Aの制御が行われることで、印刷用ロール紙32の残量変化に応じて紙Sの紙送りローラ17Aに対する滑り量の変化することにより生じる誤差が補正され、画質の向上を図ることができる。
【0058】
なお、例えば、一枚の画像の印刷に際しカラープリンタCPに接続するコンピュータから送られてくる1の印刷データについての一連の印刷処理期間(1ジョブの印刷処理期間)中に目標搬送量の補正に適用しようとする搬送時補正量Hを変えると、印刷画像に不連続部分を生じる等の不都合を生じることがある。そこで、このような不都合が問題となる場合には、1ジョブの印刷処理期間中においては同一の搬送時補正量Hを用いるようにすることもできる。
【0059】
また、搬送時補正量Hをロール紙30の記憶素子33から読み出す構成としているため、ロール紙30の種類に適合した搬送時補正量Hにより補正を行うことができ、例えば、新らしい規格のロール紙30が製品化された場合でも、カラープリンタCPやこれに接続しているコンピュータに新たに搬送時補正量Hをインストールしたり設定したりする必要がなく、ユーザに負担をかけることもない。
【0060】
一方、印刷処理に際しては、RAM53の書き換えが行われる。制御回路50は、印刷処理に際しては、紙の搬送量に応じて紙送りローラ17Aが回転するが(ステップS220)、制御回路50は、この際の紙送りローラ17Aの回転量をエンコーダ47によって検出することで、紙送り量を取得する(ステップS230)。そして、制御回路50は、取得した紙送り量に基づいて印刷処理後の用紙残量情報を生成し(ステップS240)、この生成された印刷処理後の用紙残量をRAM53に格納する(ステップS250)。
【0061】
再び図8に戻り、説明を続ける。制御回路50は、印刷の終了を待機し(ステップS170:No)、印刷が終了したと判定すると(ステップS170:Yes)、RAM53から用紙残量情報を取得する(ステップS180)。
【0062】
制御回路50は、送受信部202を介してロール紙30の記憶素子33にアクセスして、用紙残量情報を記憶素子33に書き込み(ステップS190)、本処理ルーチンを終了する。
【0063】
ここでこのように用紙残量情報をカラープリンタCP側に記憶せずに、ロール紙30の記憶素子33に書き込むようにしているのは、例えば、ロール紙30は使用中に交換される可能性があるといった問題があるからである。
【0064】
制御回路50は、ステップS110にて、ロール紙30の交換要求が発生していないと判定した場合には(ステップS110:No)、更新された用紙残量情報を記憶素子33から読み出し(ステップS192)、ステップS150の処理を実行する。また、制御回路50は、ステップS130にて、記憶素子33から用紙関連情報を読み出すことができないと判定した場合には(ステップS130:No)、コンピュータPCの表示ディスプレイ上に表示されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、あるいは、操作パネル11上の表示ランプ112等を介して読み出し異常の発生を報知して(ステップS194)、本処理ルーチンを終了する。
【0065】
さらに、制御回路50は、ステップS150にて、要求されている印刷データ量が用紙残量よりも多い場合には(ステップS150:Yes)、印刷を正しく完了できない旨をGUI、あるいは、操作パネル11上の表示ランプ112等を介して報知し(ステップS196)、本処理ルーチンを終了する。
【0066】
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0067】
図17は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0068】
図18は、図17に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等に記録され、読取装置1110により読みこまれる。また、コンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウンロードされるようにしても良い。
【0069】
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0070】
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
【0071】
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0072】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
【0073】
以上の実施例は印刷用ロール紙32についての説明であったが、印刷用ロール紙32以外の被印刷体を用いた場合でも本発明を適用することができる。
前述の記憶素子33は、各種の情報を記憶可能な素子であればよく、メモリセルに加えて、各種の処理部、演算部等を有する素子であってもよい。
前述の例では、記憶素子33に用紙残量が記憶される構成としたが、用紙の使用量(例えば、何mm使用されたか、何%使用されたか等)が記憶される構成としてもよい。用紙の使用量が判れば用紙の残量も判るから、用紙等の被印刷体の残量に関する残量情報とは、用紙等の残量だけでなく、用紙の使用量をも含む概念である。
前述の実施の形態では、被記録体として印刷用紙を例にとって説明したが、被記録体として、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
【0074】
前述の実施の形態では、ロール紙専用のプリンタを例として説明したが、本発明に係る印刷装置は、カット紙とロール紙30の双方を用いることができるカラープリンタCPに対して適用できることは言うまでもない。
上記実施形態では、印刷装置としてカラープリンタCPを用いたが、ロール紙に対して印刷処理できる印刷装置であれば、これに限られることなく、例えば、モノクロプリンタ、レーザプリンタ、ファクシミリ等に適用しても良い。
【0075】
上記実施の形態では、エンコーダ47により検出される紙送りモータ43(プラテン42)の回転角度に基づいて、紙送り量が求められているが、パーソナルコンピュータPC側からカラープリンタCPに対して送出される紙送り量信号に基づいて、紙送り量を算出しても良い。
上記実施の形態では、エンコーダ47により検出される紙送りモータ43(プラテン42)の回転角度に基づいて紙送り量を求め、この求められた紙送り量から用紙残量を算出したが、例えば、ケース36に重量センサWSを備えておき、重量センサWSによって検出される重量に基づいて、印刷用ロール紙32の残量(使用量)を検出しても良い。あるいは、ケース36の側壁に、印刷用ロール紙32の高さ(厚さ)をリニアに検出する位置センサPSを備えておき、位置センサPSによって検出された印刷用ロール紙32の高さに基づいて、印刷用ロール紙32の残量(使用量)を検出しても良い。重量センサ、位置センサは、公知の各センサを利用して実現される。
【0076】
ところで、以上の実施例では、搬送時補正量Hを印刷用ロール紙32の記憶素子33から読み出し、この搬送時補正量Hに基づいてカラープリンタCPにおいて目標搬送量を補正するようにしているが、例えば、搬送時補正量Hをコンピュータ本体1102に記憶しておき、コンピュータ本体1102からカラープリンタCPに搬送時補正量Hを通知する構成としてもよい。また、この場合、カラープリンタCP側で補正した目標搬送量を生成するようにしてもよいが、コンピュータ本体1102があらかじめ搬送時補正量Hを見込んだ目標搬送量を生成してカラープリンタCPに送る構成としてもよい。なお、この場合にはコンピュータ本体1102側で印刷用ロール紙32の残量を把握する仕組みが必要となるが、この仕組みは、例えば、カラープリンタCPが印刷用ロール紙32の残量を通知することで容易に実現できる。
【0077】
また、コンピュータ本体1102側で搬送時補正量Hを記憶する構成とした場合、ロール紙30の記憶素子33から読みとった搬送時補正量Hは、カラープリンタCPがコンピュータ本体1102に通知する構成としてもよいし、CD−ROMなどの記録媒体等によりコンピュータ本体1102に直接インストールする仕組みとしてもよい。なお、搬送時補正量HをCD−ROMなどの記録媒体等からコンピュータ本体1102にインストールする方式とした場合には、ロール紙30の種類に応じた搬送時補正量Hを選択して適用するための仕組みが必要になる。この仕組みは、例えば、図19に示すようなコンピュータ本体1102に接続された表示装置の画面に表示される、カラープリンタCPのプリンタドライバについての各種設定を行うためのユーザインタフェース画面を提供することで対応することができ、具体的には、例えば、被記録体の種類別に用意した複数の搬送時補正量Hをコンピュータ本体1102に記憶しておき、この画面でユーザが被印刷体の種類を選択した場合に、選択された被印刷体に対応する搬送時補正量Hで目標搬送量が補正されるようにする。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、被記録体の搬送精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る印刷装置の概略構成を示した図である。
【図2】記憶素子33の構成を示すためのブロック図である。
【図3】記憶素子33に設けられたメモリセル336におけるデータ配列を示した図である。
【図4】ロール紙30がロール紙ユニットホルダ20、21によって保持されている状態における記憶素子33と送受信部202との位置関係を示す説明図である。
【図5】図4をロール紙ユニットホルダ20側から見た側面図である。
【図6】本実施の形態に係るカラープリンタCPの内部構成を示した図である。
【図7】本実施の形態に係るカラープリンタCPの搬送機構を説明する図である。
【図8】本実施の形態に係るカラープリンタCPの制御回路の内部構成を示すブロック図である。
【図9】目標搬送量よりも実際の搬送量が多い場合におけるドット形成の様子を示す説明図である。
【図10】目標搬送量よりも実際の搬送量が少ない場合におけるドット形成の様子を示す説明図である。
【図11】図9における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
【図12】図10における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
【図13】紙送りローラ17Aに対する滑り量が、ロール紙32の残量変化に応じて変化する原理を説明する図である。
【図14】紙送りモータ43のフィードバック制御の仕組みを説明する制御ブロック図である。
【図15】印刷時にカラープリンタCPにおいて実行される、制御回路50と記憶素子33との間に置いて実行されるデータ送受信を含む、印刷処理を示すフローチャートである。
【図16】RAM53の書き換え処理の示すフローチャートである。
【図17】コンピュータシステムの外観構成を示す説明図である。
【図18】図17に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図を示す図である。
【図19】コンピュータ本体に接続された表示装置の画面に表示されるカラープリンタCPのプリンタドライバについての各種設定を行うためのユーザインタフェース画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プリンタ本体
11 操作パネル
111 操作ボタン
112 表示ランプ
12 排紙部
121 排紙トレー
13 給紙部
131 給紙ホルダ
20、21 ロール紙ユニットホルダ
201 接点
202 送受信部
30 ロール紙
31 芯材
32 印刷用ロール紙
33 記憶素子
40 キャリッジ
42 プラテン
43 紙送りモータ
44 摺動軸
45 駆動ベルト
46 プーリ
47 エンコーダ
48 ギヤ機構
50 制御回路
51 CPU
52 PROM
53 RAM
54 周辺機器入出力部(PIO)
55 タイマ
56 駆動バッファ
57 バス
58 発振器
59 分配出力器
23 ロール紙支持軸
205 接点
210 送受信回路
24 ロール紙ユニットホルダ
H  搬送時補正量
PC パーソナルコンピュータ
INC1、INC2 インクカートリッジ
ME 記憶素子
MEC 接点
IH1、IH2、IH3、IH4 印字ヘッド

Claims (11)

  1. 被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、
    前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置において、前記補正量は前記被記録体の種類に応じて用意されていることを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または2に記載の記録装置であって、前記補正量は前記被記録体の残量の変化に応じて段階的に設定されていることを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の記録装置において、1ジョブの印刷処理期間内では、同じ前記補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の記録装置であって、インクを吐出して被記録体に着弾させることにより印刷を行うことを特徴とする記録装置。
  6. 被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体にインクを吐出して前記被記録体に着弾させることにより印刷を行う動作とを繰り返し実行する記録装置において、
    前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正し、
    前記補正量は前記被記録体の種類に応じて用意され、
    前記補正量は前記被記録体の残量の変化に応じて段階的に設定され、
    1ジョブの印刷処理期間内では、同じ前記補正量により前記目標搬送量を補正するようにしたこと、
    を特徴とする記録装置。
  7. 請求項1乃至7のいずれかに記載の記録装置であって、前記被記録体はロール紙であり、前記残量は前記ロール紙の残量であることを特徴とする記録装置。
  8. 被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置に、
    前記被記録体の残量に応じて定まる補正量により前記目標搬送量を補正する機能を実現させるためのコンピュータプログラム。
  9. コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続される表示装置と、被記録体を搬送する搬送機構を備え前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行し前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正する記録装置と、を有することを特徴とするコンピュータシステム。
  10. 請求項9に記載のコンピュータシステムにおいて、
    前記コンピュータ本体が、前記被記録体の種類別に用意した複数の前記補正量を記憶し、前記被記録体の種類をユーザに指定させ、ユーザが指定した前記種類に対応する前記補正量により補正して生成した目標搬送量を前記記録装置に送信し、前記記録装置が前記目標搬送量を受信すること、を特徴とするコンピュータシステム。
  11. 被記録体を搬送する搬送機構を備え、前記搬送機構による前記被記録体の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被記録体に液体を吐出して記録を行う動作とを繰り返し実行する記録装置における記録方法において、
    前記被記録体の残量に応じた補正量により前記目標搬送量を補正することを特徴とする記録方法。
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