JP2021098278A - 印刷装置 - Google Patents

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Ayako Kambayashi
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Abstract

【課題】ユーザに対してより長いインクカートリッジの交換時間を与えるとともに、損紙を減らすことができる印刷装置を提供する。【解決手段】長尺状の印刷媒体Wを搬送する搬送部21と、印刷媒体に印刷処理を施す印刷処理部22A,22Bと、印刷処理中において、印刷処理に用いられる色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合に、印刷処理中の印刷媒体の第1の印刷速度よりも遅い第2の印刷速度で搬送部21および印刷処理部22A,22Bを制御する印刷制御部24とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、長尺状の印刷媒体に対して印刷処理を施す印刷装置に関するものである。
従来、長尺状の紙またはフィルムなどからなる印刷媒体をローラで搬送しつつ、その印刷媒体に対して印刷処理を施す印刷装置が提案されている。
このような印刷装置として、たとえば印刷媒体に対してインクを吐出するインクジェットヘッドを有するインクジェット印刷装置が提案されている。このインクジェット印刷装置においては、たとえば数メートル〜数キロメートルに亘る印刷媒体がロール状に巻かれたロールが送出部に設置され、そのロールから送り出された印刷媒体をローラなどにより搬送してインクジェットヘッドの下を通過させることによって印刷が施される。そして、印刷後、下流側の巻取部でロール状に巻き取るように構成されている。
一般的に、上述したようなインクジェット印刷装置においては、交換可能なインクカートリッジが用いられている。
従来、インクカートリッジのインク残量が予め設定された閾値以下になった場合には、インクカートリッジを速やかに交換することを促すメッセージを表示した後、5分間のカウントを開始する。そして、5分経過しても新しいインクカートリッジに交換されていないと判断した場合は、印刷動作を停止するように構成されているものがある。
特開2012−45854号公報
ここで、上述したインクジェット印刷装置では、画質を安定させるため、印刷媒体の搬送速度が安定した一定の速度のときにだけ印刷処理が行われる。
したがって、上述したように5分間カウントした後に印刷動作を停止した場合、搬送速度の減速中とインクカートリッジ交換後の搬送速度の加速中においては印刷処理が行われず、減速中と加速中に搬送された印刷媒体は損紙となってしまう。
また、5分間のカウントは、通常の印刷処理をそのまま継続した場合、5分間は印刷可能であるとの仮定から設定されているが、たとえばインクカートリッジの交換に慣れていないユーザの場合には、5分以内にインクカートリッジの交換を終了することが難しく、インクが完全に無くなって印刷動作を停止してしまう。
なお、特許文献1には、ロール状の印刷媒体に対して印刷処理を施す印刷装置において、印刷媒体の搬送の減速中または加速中に、印刷媒体に対してテストパターンを印刷することにより印刷媒体を効率良く使用する方法が提案されているが、減速または加速による損紙そのものを減らす方法については何も提案されていない。
本発明は、上記事情に鑑み、ユーザに対してより長いインクカートリッジの交換時間を与えるとともに、損紙を減らすことができる印刷装置を提供することを目的とする。
本発明の印刷装置は、長尺状の印刷媒体を搬送する搬送部と、印刷媒体に印刷処理を施す印刷処理部と、印刷処理中において、印刷処理に用いられる色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合に、印刷処理中の印刷媒体の第1の印刷速度よりも遅い第2の印刷速度で搬送部および印刷処理部を制御する制御部とを備える。
本発明の印刷装置によれば、印刷処理中において、色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合には、印刷処理中の印刷媒体の第1の印刷速度よりも遅い第2の印刷速度で搬送部および印刷処理部を制御するようにしたので、これにより単位時間当たりの色材の消費量を少なくすることができ、残りのインクによる印刷可能時間を延ばすことができる。したがって、ユーザに対してより長いインクカートリッジの交換時間を与えることができる。さらに、従来のように印刷動作を停止することなく、上述した第2の印刷速度で印刷動作を継続するので、搬送速度の減速および加速の時間を短くすることができ、損紙を減らすことができる。
本発明の印刷装置の一実施形態を用いたインクジェット印刷装置の概略構成を示す図 ヘッドユニットを上方から見た図 図1に示すインクジェット印刷装置の制御系の構成を示すブロック図 印刷処理中においてインクの残量が閾値以下になった場合の印刷速度制御を説明するためのフローチャート 印刷処理中においてインクの残量が閾値以下になった場合の印刷速度制御を説明するためのフローチャート 1回目のニアエンプティのときのインクの残量と2回目のニアエンプティのときのインクの残量を示す模式図 本発明の印刷速度制御と従来の印刷速度制御の一例を示す図 インクカートリッジ交換時間の過去の履歴の一例を示す図 第2の印刷速度のテーブルの一例を示す図 第2の印刷速度1が採用された場合における印刷速度制御(実線)と、第2の印刷速度2が採用された場合における印刷速度制御(一点鎖線)とを示す図 第2の印刷速度を算出する際に用いられる2種類のインクカートリッジ交換完了時点を説明するための図
以下、図面を参照して本発明の印刷装置の一実施形態を用いたインクジェット印刷装置について詳細に説明する。本実施形態のインクジェット印刷装置は、長尺状の印刷媒体に印刷処理を施すものであり、インクの残量に応じた印刷媒体の印刷速度制御に特徴を有するものであるが、まずは、インクジェット印刷装置全体の概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の概略構成図である。なお、図1に矢印で示す上下左右が、本実施形態のインクジェット印刷装置1における上下左右方向であり、図1の紙面に直交する方向が前後方向であり、紙面表方向が前方向である。
本実施形態のインクジェット印刷装置1は、図1に示すように、送出部2と、印刷装置本体部3と、巻取部4とを備えている。なお、以下の説明における上流、下流は、送出部2から巻取部4へ向かって搬送される印刷媒体Wの搬送方向における上流、下流を意味する。また、本実施形態においては、印刷装置本体部3が、本発明の印刷装置に相当する。
送出部2は、フィルムまたは紙などからなる長尺状の印刷媒体Wがロール状に巻かれたロール10から印刷媒体Wを送り出すものである。送出部2は、ロール10を回転可能に支持するロール支持軸11と、ロール支持軸11にブレーキをかける後述するブレーキ12(図3参照)と、送出部2を制御する送出制御部13とを備えている。
ブレーキ12は、ロール支持軸11にブレーキをかけるものである。ブレーキ12によるブレーキによって、ロール10と後述する印刷装置本体部3の搬送ローラ43との間の印刷媒体Wに張力が付与される。
送出制御部13は、予め設定された張力設定値に基づいてブレーキ12を制御するものである。このブレーキ制御によって印刷媒体Wに対して張力設定値に応じた張力が発生する。送出制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えている。
印刷装置本体部3は、送出部2から送り出された印刷媒体Wを搬送しながら、印刷媒体Wに対して印刷処理を施すものである。印刷装置本体部3は、搬送部21と、印刷処理部22A,22Bと、操作パネル23と、印刷制御部24と、インクカートリッジ装填部25と、インク残量検出部26とを備えている。
搬送部21は、送出部2から送り出された印刷媒体Wを搬送するものである。搬送部21は、ガイドローラ31〜40と、20本のヘッド下支持ローラ41と、蛇行制御部42と、一対の搬送ローラ43と、エンコーダ44と、搬送モータ47(図3参照)とを備えている。
ガイドローラ31〜40は、印刷装置本体部3内で搬送される印刷媒体Wをガイドするものである。ガイドローラ31は、印刷装置本体部3の左端部の下部に配置されている。ガイドローラ32は、ガイドローラ31と後述する蛇行制御部42の蛇行制御ローラ42aとの間に配置されている。
ガイドローラ33〜39は、蛇行制御部42と搬送ローラ43との間で印刷媒体Wをガイドするものである。ガイドローラ33は、後述する蛇行制御部42の蛇行制御ローラ42bの左方向のやや上方に配置されている。
ガイドローラ34は、ガイドローラ33の上方に配置されている。ガイドローラ34には、エンコーダ44が設けられている。エンコーダ44は、ガイドローラ34の回転角度に応じたパルス信号を出力するものである。エンコーダ44から出力されたパルス信号は、後述する印刷制御部24に出力され、印刷制御部24は、入力されたパルス信号に基づいて、ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pからのインクの吐出タイミングを制御する。
ガイドローラ35は、ガイドローラ34と同じ高さで、ガイドローラ34の右方に配置されている。ガイドローラ36は、ガイドローラ35の下方であって、ガイドローラ33よりも高い位置に配置されている。ガイドローラ37は、ガイドローラ36の左方であって、ガイドローラ33,34間の印刷媒体Wの右側近傍であって、ガイドローラ36とほぼ同じ高さに配置されている。ガイドローラ38は、ガイドローラ37の右下方に配置されている。ガイドローラ39は、ガイドローラ38のやや右側の下方に配置されている。
ガイドローラ40は、搬送ローラ43と巻取部4との間で印刷媒体Wをガイドするものである。ガイドローラ40は、印刷装置本体部3の右端部の下部に配置されている。
ヘッド下支持ローラ41は、ガイドローラ34,35間およびガイドローラ36,37間において、後述するヘッドユニット51の下方で印刷媒体Wを支持するものである。ヘッド下支持ローラ41は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。ガイドローラ34,35間およびガイドローラ36,37間に、それぞれ10本ずつのヘッド下支持ローラ41が配置されている。
蛇行制御部42は、印刷媒体Wの蛇行を修正するものである。蛇行制御部42は、蛇行制御ローラ42a,42bと、後述する蛇行制御モータ42c(図3参照)と、エッジセンサ42dとを備えている。
蛇行制御ローラ42a,42bは、前後方向に延びる長尺状に形成されている。蛇行制御ローラ42a,42bは、前後方向に対するその軸方向の角度を調整可能に構成されている。
蛇行制御モータ42cは、蛇行制御ローラ42a,42bの軸方向の角度を調整するために、蛇行制御ローラ42a,42bを左右方向に平行な軸を中心に回動させるものである。
エッジセンサ42dは、印刷媒体Wの幅方向(前後方向)におけるエッジを検出するものである。エッジセンサ42dは、蛇行制御ローラ42bの下流側近傍に配置されている。
搬送ローラ43は、印刷媒体Wをニップしつつ、巻取部4へ向けて印刷媒体Wを搬送するものである。搬送ローラ43は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。搬送ローラ43は、ガイドローラ39,40間に配置されている。搬送モータ47(図3参照)は、搬送ローラ43を回転駆動するものである。
印刷処理部22Aは、印刷媒体Wの表面に対して、表面の各ページの画像を印刷するものである。印刷処理部22Aは、ガイドローラ34,35間の印刷媒体Wの上方近傍に配置されている。印刷処理部22Aは、印刷媒体Wの搬送方向に並列して配置されたヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pを備えている。なお、以下、ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51P等の符号におけるアルファベットの添え字を省略して表記することがある。
ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pは、上流側からこの順で左右方向に並んで配置される。各ヘッドユニット51は、図2に示すように、インクジェットヘッド57A〜57Jを備えている。
インクジェットヘッド57A〜57Jは、印刷媒体Wの搬送方向に直交する方向(前後方向)に沿って配置された複数のノズルを有し、ノズルから印刷媒体Wにインクを吐出することによって印刷処理を行う。各ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pが有する各インクジェットヘッド57A〜57Jは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、予備インク色のインクを吐出する。予備インク色としては、レッドまたはライトシアンなどが用いられる。
各ヘッドユニット51において、インクジェットヘッド57A〜57Jは、千鳥状に配列されている。具体的には、図2に示すように、印刷媒体Wの搬送方向に直交する方向(前後方向)に5つのインクジェットヘッド57A,57C,57E,57G,57Iが配列された第1のヘッド列と、同様に、印刷媒体Wの搬送方向に直交する方向(前後方向)に5つのインクジェットヘッド57B,57D,57F,57H,57Jが配列された第2のヘッド列とが、印刷媒体Wの搬送方向に並べて設けられている。そして、第1のヘッド列および第2のヘッド列は、印刷媒体Wの搬送方向に直交する方向(前後方向)に隣接するインクジェットヘッド57間で一部重複する部分が存在するように配置されている。
図1に戻り、印刷処理部22Bは、印刷媒体Wの裏面に対して、裏面の各ページの画像を印刷するものである。印刷処理部22Bは、ガイドローラ36,37間の印刷媒体Wの上方近傍に配置されている。印刷処理部22Bは、印刷処理部22Aを左右反転した構成である。これは、印刷処理部22Bが印刷するガイドローラ36,37間では、印刷処理部22Aが印刷するガイドローラ34,35間とは印刷媒体Wの搬送方向が逆になっているためである。印刷処理部22Bは、左右反転されている以外は、印刷処理部22Aと同様の構成である。
操作パネル23は、各種の情報を表示するとともに、ユーザによる入力操作を受け付けるものである。操作パネル23は、各種の操作キーとタッチパネルなどを備えている。
印刷制御部24は、インクジェット印刷装置1全体の動作を制御するものである。図3は、本実施形態のインクジェット印刷装置1の制御系を示すブロック図である。印刷制御部24は、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えている。印刷制御部24は、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶されたプログラムを実行し、かつ電気回路を動作させることによって図3に示す各部を制御するものである。なお、本実施形態においては、印刷制御部24が、本発明の制御部に相当する。
印刷制御部24は、印刷処理を行う際、搬送モータ47により搬送ローラ43を回転駆動させて印刷媒体Wを搬送させつつ、印刷処理部22A,22Bを制御して印刷媒体Wに印刷処理を施す。印刷制御部24は、印刷処理の際、エンコーダ44から出力されたパルス信号をカウントし、そのカウント数に基づいて、ヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pからのインク吐出タイミングを制御する。すなわち、印刷制御部24は、印刷媒体Wの搬送量に応じてインク吐出タイミングを制御することによって、印刷媒体W上の所望の位置に画像を印刷する。
また、印刷制御部24は、インク残量検出部26によって検出されたインクの残量に基づいて、ユーザに対してインクカートリッジの交換を促すメッセージなどを操作パネル23に表示させる。なお、本実施形態においては、操作パネル23が、本発明の表示部に相当する。
また、印刷制御部24は、所定の印刷ジョブの印刷処理中において、インクの残量が予め設定された閾値以下となった場合、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22B並びに搬送モータ47を制御することによって、印刷媒体Wの印刷速度を第1の印刷速度から第2の印刷速度に変更する。第1の印刷速度は、通常の印刷処理中における印刷速度であり、第2の印刷速度は、第1の印刷速度よりも遅い印刷速度である。なお、印刷制御部24は、搬送モータ47によって駆動される搬送ローラ43の回転速度を制御して印刷媒体Wの搬送速度を制御するともに、その搬送速度に応じて印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bからのインク吐出タイミング(インク吐出間隔)を制御することによって、印刷速度を制御する。
そして、印刷制御部24は、インクカートリッジの交換後に、第2の印刷速度から第1の印刷速度に戻して、通常の印刷処理を継続する。
上述したようにインクの残量が予め設定された閾値以下となった場合に、第1の印刷速度から第2の印刷速度に下げることによって、インク消費量を減らすことができ、残ったインクによる印刷処理時間を長くすることができる。これにより、ユーザが、インクカートリッジを交換する時間を十分に確保することができる。
また、従来のように印刷媒体Wの搬送を完全に停止することがないので、印刷媒体Wの搬送速度の減速中および加速中の印刷媒体Wの搬送距離を短くすることができ、その分、上述した損紙を減らすことができる。また、従来のように印刷媒体Wの搬送を完全に停止することがないので、生産性に大きな影響を与えることがない。
なお、第2の印刷速度の制御および第2の印刷速度の決定方法については、後で詳述する。
インクカートリッジ装填部25には、各色のインクを収容したインクカートリッジが着脱可能に装填される。また、インクカートリッジ装填部25は、各色のインクカートリッジのインクを一時的に貯留するサブタンク(図示省略)を備える。サブタンクは、各色のインク毎に設けられている。
そして、本実施形態では、各インクカートリッジ内のインクが、各サブタンクに一旦貯留され、そのサブタンク内のインクが、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bのヘッドユニット51K,51C,51M,51Y,51Pに供給される。
また、インクカートリッジ装填部25には、各色のインクカートリッジの有無を検出するカートリッジ検出部25a(図3参照)が設けられている。カートリッジ検出部25aは、光学的にインクカートリッジの有無を検出するものでもよいし、スイッチなどの機械的な構成によってインクカートリッジを検出するものでもよい。
インク残量検出部26は、各色のインクの残量を検出する。インク残量の検出方法については、たとえばサブタンク内にフロート型のセンサを設けることによってインク残量を検出するようにしてもよいし、光学センサなどによってサブタンク内のインク残量を検出するようにしてもよい。なお、本実施形態では、サブタンク内のインク残量を検出することによって間接的にインクカートリッジ内のインク残量を検出するようにしたが、インクカートリッジ内のインク残量を直接検出するようにしてもよい。また、インク残量の検出については、これらの方法に限らず、その他の公知な手法を用いることができる。
図1に戻り、巻取部4は、印刷装置本体部3において印刷された印刷媒体Wを巻き取るものである。巻取部4は、巻取軸61と、後述する巻取モータ62(図3参照)と、巻取制御部63とを備えている。
巻取軸61は、巻取モータ62によって図1における時計回りに回転するものである。巻取軸61の回転により、印刷済の印刷媒体Wが巻取軸61に巻き取られる。巻取軸61は、巻き取った印刷済の印刷媒体Wを印刷済ロール60として保持する。
巻取制御部63は、巻取モータ62の駆動を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えている。
次に、本実施形態のインクジェット印刷装置1の処理について説明する。ここでは、インクジェット印刷装置1における通常の印刷処理について説明する。
まず、コンピュータなどからインクジェット印刷装置1に対して印刷ジョブが出力され、印刷制御部24によって取得される。
印刷制御部24は、コンピュータなどからの印刷ジョブの入力に応じて印刷処理を開始する。具体的には、印刷制御部24は、搬送モータ47の駆動を開始させ、巻取制御部63は、巻取モータ62の駆動を開始させ、印刷媒体Wの搬送を開始する。
そして、送出制御部13が、ブレーキ12の駆動を開始させ、ブレーキ12によりロール支持軸11にブレーキがかけられることによって、ロール10と搬送ローラ43との間の印刷媒体Wに対して張力が付与されつつ、印刷媒体Wが搬送される。
また、印刷装置本体部3では、印刷媒体Wの搬送中は、蛇行制御部42による印刷媒体Wの蛇行の修正が行われる。具体的には、印刷制御部24は、エッジセンサ42dが検出する印刷媒体Wの幅方向におけるエッジの位置を所定位置に維持するように蛇行制御モータ42cを制御することによって、蛇行制御ローラ42a,42bの角度を調整する。
そして、印刷媒体Wの搬送開始後、印刷制御部24は、エンコーダ44から出力されたパルス信号をカウントし、そのカウント数と、画像の印刷位置に応じて予め設定されたカウント数とに基づいて、印刷処理部22Aの各ヘッドユニット51のインクジェットヘッドからのインク吐出タイミングを制御することによって、印刷媒体Wの表面に対して各ページの画像を所望の位置に印刷する。
印刷処理部22Aによる印刷後、印刷媒体Wはさらに搬送され、印刷制御部24は、エンコーダ44のパルス信号のカウント数と、画像の印刷位置に応じて予め設定されたカウント数とに基づいて、印刷処理部22Bの各ヘッドユニット51のインクジェットヘッドからのインク吐出タイミングを制御することによって、印刷媒体Wの裏面に対して各ページの画像を所望の位置に印刷する。
そして、印刷制御部24は、引き続き全てのページの画像の印刷が終了するまで、印刷処理を継続する。印刷制御部24は、全てページの画像の印刷処理が終了すると、印刷制御部24は、搬送モータ47の速度を低下させ、送出制御部13は、搬送モータ47の速度低下に応じて徐々にブレーキ12を弱くし、搬送モータ47が停止すると、印刷媒体Wがたわまない程度の力でブレーキ12を維持し、巻取制御部63が、巻取モータ62を停止させる。これにより、印刷媒体Wの搬送が終了し、一連の印刷動作が終了する。
次に、上述したような印刷処理中において、インクの残量が閾値以下になった場合の印刷速度制御について、図4および図5に示すフローチャート並びに図7Aを参照しながら説明する。
まず、上述したような印刷媒体Wに対する印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bによる印刷処理中においては、インク残量検出部26によって各色のインクカートリッジのインク残量が検出され、その検出結果が、印刷制御部24によってモニタされている(S10)。
そして、印刷制御部24は、いずれかの色のインクカートリッジのインクの残量が、第1の閾値以下となった場合には、その色のインクカートリッジのインク残量が空に近づいた状態であるので、操作パネル23に対して、新しいインクカートリッジの準備を促すメッセージなどを表示させる(1回目のニアエンプティ表示)(S12)。なお、この際、印刷制御部24は、上述した通常の印刷処理を継続している。また、本実施形態の第1の閾値は、図6Aに示すように、バッファタンク内は満タンであるが、インクカートリッジ内のインクが所定の閾値以下である量に設定されている。
続いて、印刷制御部24は、インクカートリッジのインクの残量が、第2の閾値以下となった場合には(S14,YES)、インクカートリッジのインク残量がさらに空に近づいた状態であるので、操作パネル23に対して、新しいインクカートリッジの速やかな準備を促すメッセージなどを表示させる(2回目のニアエンプティ表示)(S16)。なお、第2の閾値は、第1の閾値よりも少ない量である。本実施形態においては、第2の閾値が、本発明の閾値に相当する。本実施形態の第2の閾値は、図6Bに示すように、インクカートリッジ内のインクは空であり、バッファタンク内のインクが所定の閾値以下である量に設定されている。このようにメッセージを表示させることによって、ユーザは、新しいインクカートリッジへの早急な交換の必要性を認識することができる。
そして、印刷制御部24は、S14における2回目のニアエンプティ表示を行った際には、すなわちインクの残量が第2の閾値以下になった場合には、インクの消費量を減らすための上述した第2の印刷速度を決定する(S18)。
次いで、印刷制御部24は、図7Aに示すように、第1の印刷速度から第2の印刷速度となるように搬送ローラ43の回転速度の減速を開始し(時刻t1)、これにより印刷媒体Wの搬送速度の減速を開始する(S20)。また、印刷制御部24は、印刷媒体Wの搬送速度の減速が開始された時点から、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bによる印刷処理を停止させる(S22)。このように印刷処理を停止させるのは、印刷媒体Wの搬送速度の減速中は、これに応じたインク吐出タイミングの制御が困難であり、画質が不安定となるからである。
そして、印刷制御部24は、搬送ローラ43の減速を開始した後、第2の印刷速度に到達した場合には(S24)、第2の印刷速度での印刷媒体Wの搬送を開始する。また、印刷制御部24は、第2の印刷速度での印刷媒体Wの搬送を開始した時点(図7Aに示す時刻t2)から、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bによる印刷処理を再開する(S26)。
そして、印刷制御部24は、カートリッジ検出部25aによる検出信号をモニタすることによってインクカートリッジが交換されたか否かを確認する(S28)。印刷制御部24は、インクカートリッジの交換を確認した場合には(S28,YES)、第2の印刷速度から第1の印刷速度となるように搬送ローラ43の回転速度の加速を開始し、これにより印刷媒体Wの搬送速度の加速を開始する(S30)(図7Aに示す時刻t3)。また、印刷制御部24は、印刷媒体Wの搬送速度の加速が開始された時点から、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bにおける印刷処理を停止させる(S32)。このように印刷処理を停止させるのは、印刷媒体Wの搬送速度の加速中も、これに応じたインク吐出タイミングの制御が困難であり、画質が不安定となるからである。
また、印刷制御部24は、インクカートリッジの交換を確認した場合には、2回目のニアエンプティが通知された時刻(交換開始時刻)と新しいインクカートリッジが取り付けられた時刻(交換終了時刻)とを取得し、これらの時刻と現在のインクジェット印刷装置1のユーザと対応付けて交換時間記憶部27(図3参照)に記憶する(S34)。なお、印刷制御部24は、タイマを有し、そのタイマによって計測された時刻を取得するものとする。また、現在のインクジェット印刷装置1のユーザの情報については、印刷ジョブから取得してもよいし、インクジェット印刷装置1へのログイン情報から取得するようにしてもよい。
そして、印刷制御部24は、第2の印刷速度から第1の印刷速度に戻った場合には(S36)(図7Aに示す時刻t4)、第1の印刷速度で印刷媒体Wを搬送するとともに、印刷処理部22Aおよび印刷処理部22Bにおける印刷処理を再開させる(S38)。
そして、印刷制御部24は、入力された印刷ジョブの印刷処理が全て終了した場合には(S40,YES)、そのまま全体処理を終了させる。
なお、印刷制御部24は、S14における2回目のニアエンプティ表示を行った後、新しいインクカートリッジの交換前にインクカートリッジ内およびバッファタンク内のインクが完全に無くなった場合には、ユーザに対してインクカートリッジの交換を促すメッセージなどを操作パネル23に表示させるとともに、搬送ローラ43を減速し、印刷媒体Wの搬送および印刷処理部22A,22Bによる印刷処理を停止させる。
そして、印刷制御部24は、新しいインクカートリッジに交換されたことを確認した場合には、搬送ローラ43を加速し、第1の印刷速度に戻った時点から印刷処理部22A,22Bによる印刷処理を再開させる。
なお、図7Bは、従来の印刷速度の制御を示す図であり、時刻t5は、インクカートリッジ内のインクが完全に無くなった時点を示している。図7Aと図7Bに示す斜線の範囲が、損紙の長さを表しており、図7Aに示す印刷速度の制御の方が損紙を減らすことができることが分かる。
次に、上述した第2の印刷速度の決定方法について説明する。
第2の印刷速度は、ユーザがインクカートリッジを交換する間に、インクカートリッジ内のインクが完全に無くならないような遅い速度に設定されるが、ユーザがインクカートリッジの交換に要する時間は、ユーザの経験やユーザの居場所から新しいインクカートリッジの保管場所までの距離などによって異なってくる。
そこで、本実施形態の印刷制御部24は、上述したようにユーザがインクカートリッジの交換を行った際の新旧のインクカートリッジの着脱の時刻を記憶しておき(図5に示すS34)、ユーザがインクカートリッジの交換に要した時間(以下、カートリッジ交換時間という)を算出する。すなわち、印刷制御部24は、交換時間記憶部27に、ユーザ毎について、過去のカートリッジ交換時間を記憶する。
そして、印刷制御部24は、交換時間記憶部27に記憶されたユーザ毎の過去のカートリッジ交換時間に基づいて、ユーザ毎にそれぞれ異なる第2の印刷速度を決定する。
具体的には、交換時間記憶部27には、図8に示すように、ユーザ毎について、最も直近(前回)のカートリッジ交換時間(交換開始時刻と交換終了時刻)とその前(前々回)のカートリッジ交換時間(交換開始時刻と交換終了時刻)とが記憶されている。印刷制御部24は、この2回分のカートリッジ交換時間の平均または2回分のカートリッジ交換時間のうちの長い方のカートリッジ交換時間に基づいて、段階1〜段階3の3つの段階のうち、どの段階に属するかを決定する。この3つの段階は、カートリッジ交換時間の長さに応じて予め設定された段階であり、段階1が最もカートリッジ交換時間が短い範囲であり、段階3が最もカートリッジ交換時間が長い範囲であり、段階2は、段階1と段階3との間のカートリッジ交換時間の範囲である。
そして、印刷制御部24には、図9に示すように、段階1〜段階3の各段階と、各段階に応じて予め算出された第2の印刷速度1,2,3とが対応付けられたテーブルが記憶されている。段階1に対応する第2の印刷速度1が最も速く、段階3に対応する第2の印刷速度3が最も遅く、段階2に対応する第2の印刷速度2は、第1の印刷速度1と第2の印刷速度3との間の印刷速度である。
印刷制御部24は、ユーザ毎に決定した段階に基づいて上記テーブルを参照して第2の印刷速度1〜3のいずれかを決定する。具体的には、印刷制御部24は、たとえばユーザが、図8に示す「山田」である場合には段階1であるので、図8に示すテーブルの段階1に対応する第2の印刷速度1を採用する。また、印刷制御部24は、ユーザが、図8に示す「田中」である場合には段階2であるので、図8に示すテーブルの段階2に対応する第2の印刷速度2を採用する。
図10は、第2の印刷速度1が採用された場合における印刷速度の制御(実線)と、第2の印刷速度2が採用された場合における印刷速度の制御(一点鎖線)とを示す図である。
このように、ユーザ毎に第2の印刷速度を決定することによって、第2の印刷速度の継続時間を変更することができ、これにより、各ユーザに対して、その経験や状況に応じたインクカートリッジの交換時間を与えることができる。
また、上述したようにインクカートリッジの交換時間の過去の履歴に基づいて、第2の搬送速度を決定することによって、実際に要したインクカートリッジの交換時間に応じた第2の搬送速度にすることができるので、ユーザに対して、より適切なインクカートリッジの交換時間を与えることができる。
また、上述したようにインクカートリッジの交換時間の過去の履歴を用いることによって、たとえばインクジェット印刷装置1の設置場所が変わったような場合でも、その新しい設置場所での履歴を用いて第2の印刷速度を決定することによって、ユーザに対して、より適切なインクカートリッジの交換時間を与えることができる。
さらに、上述したようにインクカートリッジの交換時間の過去の履歴をユーザ毎に記憶することによって、各ユーザに対して、それぞれの状況に応じたより適切なインクカートリッジの交換時間を与えることができる。
なお、図8に示すテーブルでは、ユーザ毎について、2回分のカートリッジ交換時間を記憶しておくようにしたが、これに限らず、3回分以上の過去のカートリッジ交換時間を記憶しておくようにしてもよいし、1回分のカートリッジ交換時間を記憶しておくようにしてもよい。
また、図8に示すテーブルのカートリッジ交換時間は、ユーザがカートリッジの交換を行う毎に随時更新される。すなわち、図5のフローチャートのS34において取得された時刻に基づいて、図8に示すテーブルは随時更新され、各ユーザに対する段階1〜3もカートリッジ交換時間の更新に応じて随時更新される。たとえばユーザの経験によってカートリッジ交換時間が短くなった場合や、ユーザの居場所がカートリッジの保管場所から遠くなり、カートリッジ交換時間が長くなった場合には、それの変化に応じて、柔軟に段階を変更することができ、各ユーザに応じた第2の印刷速度を柔軟に変更することができる。
また、インクジェット印刷装置1のユーザが、新規のユーザであり、交換時間記憶部27(図8に示すテーブル)にそのユーザに対応するカートリッジ交換時間およびその段階が記憶されていない場合には、予め設定された標準的なカートリッジ交換時間に対応する段階の第2の印刷速度が採用される。なお、本実施形態では、標準的なカートリッジ交換時間に対応する段階として段階2が設定されおり、印刷制御部24は、新規のユーザである場合には、図8に示すテーブルの新規ユーザを参照して段階を決定する。
また、図9のテーブルに示す第2の印刷速度1〜第2の印刷速度3は、たとえば第2の印刷速度1〜3による印刷処理を終了した時点(図11に示す時刻tx)で残りのインクがなくなり、その時点までの間にインクカートリッジの交換が終了するものとして予め算出される。以下、第2の印刷速度の算出方法について説明する。
通常の印刷処理中の印刷速度、すなわち第1の印刷速度をV1[m/s]、第2の印刷速度をV2[m/s]、第1の印刷速度から第2の印刷速度への減速度Vdec[m/s]、カートリッジ交換時間をT[s]、印字率をP[cc/m]、インク残量(上述した2回目のニアエンプティ時の第2の閾値)をI[cc]とすると、カートリッジ交換時間Tは、下式(1)で表される。
カートリッジ交換時間T=減速時間[s]+印刷可能時間[s] ・・・(1)
なお、印刷可能時間とは、第2の印刷速度での印刷処理時間である。
そして、印刷可能時間[s]は、下式で表すことができる。
印刷可能時間[s]=インク残量I[cc]/1秒当たりのインク消費量
そして、1秒当たりのインク消費量は、下式で表すことができる。
1秒当たりのインク消費量=第2の印刷速度V2×印字率P
なお、本実施形態における印字率とは、印刷媒体Wの長さ1m当たりのインク消費量のことを意味する。
したがって、印刷可能時間[s]=I/V2×Pとなり、減速時間[s]は(V1−V2)/Vdecで表すことができるので、上式(1)は、下式(2)で表すことができる。
T=I/V2×P+(V1−V2)/Vdec ・・・(2)
上式(2)に対して、カートリッジ交換時間T、第1の印刷速度V1、減速度Vdecおよび印字率Pを代入することによって、第2の印刷速度V2を算出することができる。カートリッジ交換時間Tとしては、たとえば上述した段階1〜段階3のそれぞれの段階に属するカートリッジ交換時間の範囲のうち、最も長い時間を代入すればよい。また、印字率Pとしては、予め設定された標準的な印字率を代入すればよい。
ただし、たとえば図9に示すテーブルを利用するのではなく、ユーザ毎のカートリッジ交換時間を上式(2)に直接代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
また、上記説明では、印字率Pを予め設定された固定値としたが、印刷ジョブから生成されるインクドロップデータに基づいて印字率を算出し、その算出した印字率を上式(2)に代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
このように、印刷媒体Wに対する印字率に応じて第2の印刷速度を決定することによって、インク残量が完全に無くなって印刷動作が停止するのをより確実に防止することができる。
さらに、ユーザ毎のカートリッジ交換時間およびインクドロップデータに基づく印字率の両方を上式(2)に代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
なお、上記説明では、第2の印刷速度での印刷処理を終了する時点でインクカートリッジ内のインクが完全になくなり、その時点までの間にインクカートリッジの交換が終了すると仮定して第2の印刷速度を算出する方法について説明したが、この場合、第2の印刷速度での印刷処理を終了するまでの間にインクカートリッジの交換が終了せず、インクカートリッジ内のインクが完全に無くなって、印刷制御部24が、従来のように搬送ローラ43による印刷媒体Wの搬送を停止してしまう可能性がある。
そこで、第2の印刷速度での印刷処理を終了し、その後、第1の印刷速度に戻るまでの間に、すなわち第2の印刷速度から第1の印刷速度への加速が終了する時点(図11に示す時刻ty)までの間に、インクカートリッジの交換が終了すると仮定して第2の印刷速度を算出するようにしてもよい。以下、その算出方法について説明する。
第1の印刷速度をV1[m/s]、第2の印刷速度をV2[m/s]、第1の印刷速度から第2の印刷速度への減速度Vdec[m/s]、第2の印刷速度から第1の印刷速度への加速度Vacc[m/s]、カートリッジ交換時間をT[s]、印字率をP[cc/m]、インクの残量をI[cc]とすると、許容できるカートリッジ交換時間Tは、下式(3)で表すことができる。
カートリッジ交換時間T=減速時間[s]+加速時間[s]+印刷可能時間[s]
・・・(3)
そして、印刷可能時間[s]は、上記と同様にI/V2×Pであり、減速時間[s]は(V1−V2)/Vdecであり、加速時間[s]は(V1−V2)/Vaccであるので、上式(3)は、下式(4)で表すことができる。
T=I/V2×P+(V1−V2)/Vdec+(V1−V2)/Vacc
・・・(4)
上式(4)に対して、カートリッジ交換時間T、第1の印刷速度V1、減速度Vdec、加速度Vaccおよび印字率Pを代入することによって、第2の印刷速度V2を算出することができる。カートリッジ交換時間Tとしては、上記と同様に、たとえば段階1〜段階3のそれぞれの段階に属するカートリッジ交換時間の範囲のうち、最も長い時間を代入すればよい。また、印字率Pとしては、予め設定された標準的な印字率を代入すればよい。
また、この場合も、図9に示すテーブルを利用するのではなく、ユーザ毎のカートリッジ交換時間を上式(4)に直接代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
また、印刷ジョブから生成されるインクドロップデータに基づいて印字率を算出し、その算出した印字率を上式(4)に代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
さらに、ユーザ毎のカートリッジ交換時間およびインクドロップデータに基づく印字率の両方を上式(4)に代入して第2の印刷速度V2を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、各ユーザに応じた第2の印刷速度を決定するようにしたが、たとえば曜日や月内の日付けなどによってインクジェット印刷装置1の管理者が決まっており、その管理者がインクカートリッジの交換を行うような場合には、曜日や日付けなどによってカートリッジ交換時間が同じような傾向になる。
したがって、曜日や日付けなどの情報と第2の印刷速度とを対応付けたテーブルを予め設定しておき、印刷制御部24が、その日の曜日や日付けに基づいて、上記テーブルを参照して第2の印刷速度を決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ユーザ毎の第2の印刷速度を決定したり、曜日や日付毎、すなわち管理者毎の第2の印刷速度を決定したりしたが、このように複数のユーザ(管理者)毎の第2の印刷速度を決定するのではなく、単に、過去の1回以上のインクカートリッジ交換時間を記憶しておき、その過去の履歴に基づいて第2の印刷速度を決定するようにしてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の印刷装置をインクジェット印刷装置に適用したものであるが、これに限らず、本発明は、インク以外の色材を用いて印刷処理を施す印刷装置にも適用可能である。たとえばトナーを用いて印刷処理を施すレーザ方式の印刷装置にも適用可能である。
本発明の印刷装置に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記)
本発明の印刷装置において、制御部は、ユーザ毎の第2の搬送速度を決定し、その決定した第2の搬送速度で搬送部および印刷処理部を制御することができる。
また、本発明の印刷装置において、制御部は、印刷媒体に対する印字率に基づいて第2の搬送速度を決定し、その決定した第2の搬送速度で搬送部および印刷処理部を制御することができる。
また、本発明の印刷装置において、制御部は、色材の交換時間の過去の履歴に基づいて、第2の搬送速度を決定し、その決定した第2の搬送速度で搬送部および印刷処理部を制御することができる。
また、本発明の印刷装置においては、色材の交換時間の過去の履歴をユーザ毎に記憶する交換時間記憶部を備えることができる。
また、本発明の印刷装置において、制御部は、色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合に、色材が充填された新しいカートリッジへの交換を促すメッセージを表示部に表示させることができる。
1 インクジェット印刷装置
2 送出部
3 印刷装置本体部
4 巻取部
10 ロール
11 ロール支持軸
12 ブレーキ
13 送出制御部
21 搬送部
22A,22B 印刷処理部
23 操作パネル
24 印刷制御部
25 インクカートリッジ装填部
25a カートリッジ検出部
26 インク残量検出部
27 交換時間記憶部
31〜40 ガイドローラ
41 ヘッド下支持ローラ
42 蛇行制御部
42a,42b 蛇行制御ローラ
42c 蛇行制御モータ
42d エッジセンサ
43 搬送ローラ
44 エンコーダ
47 搬送モータ
51 ヘッドユニット
51K,51C,51M,51Y,51P ヘッドユニット
57 インクジェットヘッド
57A〜57J インクジェットヘッド
60 印刷済ロール
61 巻取軸
62 巻取モータ
63 巻取制御部
W 印刷媒体

Claims (6)

  1. 長尺状の印刷媒体を搬送する搬送部と、
    前記印刷媒体に印刷処理を施す印刷処理部と、
    前記印刷処理中において、前記印刷処理に用いられる色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合に、前記印刷処理中の前記印刷媒体の第1の印刷速度よりも遅い第2の印刷速度で前記搬送部および前記印刷処理部を制御する制御部とを備えた印刷装置。
  2. 前記制御部が、ユーザ毎の前記第2の搬送速度を決定し、該決定した第2の搬送速度で前記搬送部および前記印刷処理部を制御する請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記制御部が、前記印刷媒体に対する印字率に基づいて前記第2の搬送速度を決定し、該決定した第2の搬送速度で前記搬送部および前記印刷処理部を制御する請求項1または2記載の印刷装置。
  4. 前記制御部が、前記色材の交換時間の過去の履歴に基づいて、前記第2の搬送速度を決定し、該決定した第2の搬送速度で前記搬送部および前記印刷処理部を制御する請求項1から3いずれか1項記載の印刷装置。
  5. 前記色材の交換時間の過去の履歴をユーザ毎に記憶する交換時間記憶部を備えた請求項4記載の印刷装置。
  6. 前記制御部が、前記色材の残量が予め設定された閾値以下となった場合に、色材が充填された新しいカートリッジへの交換を促すメッセージを表示部に表示させる請求項1から5いずれか1項記載の印刷装置。
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