JP2004068435A - 枠体及び枠体を用いた枠組足場構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】建物の壁面などに対して安全かつ容易に作業を行う。
【解決手段】枠体2は、互いに対向して前後に複数立設されて交叉筋交い3により連結される上下に接続可能なものである。この枠体2は、左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21を連結した横枠22とを備えている。縦枠21の下端部には、交叉筋交い3の端部を係止可能な第一取付ピン24が設けられている。また、縦枠21の中程には、第二取付ピン25が設けられている。更に、縦枠21の上端部に近接した部位には、第三取付ピン26が設けられている。これら第一、第二及び第三取付ピン24,25,26は、交叉筋交い3とともに、略水平な手摺棒5を係止可能な長さを有している。
【選択図】 図3
【解決手段】枠体2は、互いに対向して前後に複数立設されて交叉筋交い3により連結される上下に接続可能なものである。この枠体2は、左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21を連結した横枠22とを備えている。縦枠21の下端部には、交叉筋交い3の端部を係止可能な第一取付ピン24が設けられている。また、縦枠21の中程には、第二取付ピン25が設けられている。更に、縦枠21の上端部に近接した部位には、第三取付ピン26が設けられている。これら第一、第二及び第三取付ピン24,25,26は、交叉筋交い3とともに、略水平な手摺棒5を係止可能な長さを有している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向して複数立設され交叉筋交いにより連結される上下に接続可能な枠体と、この枠体を用いた枠組足場構造とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の壁面などに沿って多層階をなして仮設される枠組足場においては、最下階は、合板からなる足場合板と、互いに対向して足場合板の上部に立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板とから構成されている。また、この最下階の上部に設けられた各階は、下階の枠体の上部に接続されることによって互いに対向して立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板とから構成されている。
より具体的には、図4に示すように、枠体102は、左右の縦枠121,121と、これら縦枠121,121を上端で連結した横枠122とを接合することにより鳥居型に形成されたものである。横枠122は、図5(a)に示すように、対をなす他方の枠体102の横枠122とで足場板106を支持するものである。枠体102の各縦枠121の上下端部には、交叉筋交い103を取り付けるための取付ピン124,126が設けられている。交叉筋交い103は、2本の棒状部材をX字状に接合したものであり、これら棒状部材の各端部には、縦枠121の取付ピン124,126と互いに係合する孔部が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような枠組足場においては、図5(a)に示すように、作業者は、建物の壁面に対して作業を行う際に、交叉筋交い103と、この交叉筋交い103が取り付けられた枠体102,102の縦枠121,121と、この交叉筋交い103の上方に配置されてこの交叉筋交い103と同一階の一部を構成する足場板106と、この交叉筋交い103の下方に配置された下階の足場板(図示せず)とによって形成される隙間(図中斜線部分)から、無理な体勢で作業を行わねばならなかった。そのため、作業に手間がかかるとともに、作業の安全性を確保できなかった。
【0004】
本発明の課題は、建物の壁面などに対して安全かつ容易に作業を行うことができる枠体及び枠組足場構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、互いに対向して前後に複数立設され、交叉筋交い3により連結される上下に接続可能な枠体2であって、
左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21を連結した横枠22とを備え、
少なくとも一方の前記縦枠21の下端部には、前記交叉筋交い3の端部を係止可能な第一の係止突部(例えば、第一取付ピン24)が設けられ、
この第一の係止突部24から前記縦枠21と前記横枠22との連結部分までの前記縦枠の略中間部分には、第二の係止突部(例えば、第二取付ピン25)が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、少なくとも一方の縦枠の下端部には第一の係止突部が設けられ、この第一の係止突部から縦枠と横枠との連結部分までの縦枠の略中間部分には第二の係止突部が設けられているので、前後に立設された複数の枠体の縦枠に設けられた第一及び第二の係止突部にそれぞれ交叉筋交いの端部を係止することにより、これら枠体を互いに連結することができる。従って、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部を縦枠に係止することができるため、従来と異なり、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される足場板等の横架材とによって形成される隙間(以下、交叉筋交いの上側の隙間とする)を広くすることができる。よって、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築した際に、交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1記載の枠体であって、
前記縦枠21の前記連結部分に近接した部分には、第三の係止突部(例えば、第三取付ピン26)が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、互いに対向して前後に立設された複数の枠体の縦枠に設けられた第一の係止突部と、第二又は第三の係止突部とにそれぞれ交叉筋交いの端部を係止することにより、これら枠体を互いに連結することができる。従って、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築する際に、壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交いを第一及び第三の係止突部に取り付けるか又は第一及び第二の係止突部に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される横架材と、前記複数の枠体の下側に接続される他の複数の枠体の横枠により支持される他の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1又は2記載の枠体であって、
前記第一及び第二の係止突部24,25は、前記交叉筋交い3とともに、略水平な手摺棒5を係止可能な長さを有していることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、縦枠の第一及び第二の係止突部には交叉筋交いとともに手摺棒を係止することができる。従って、この枠体を用いて枠組足場を構築した際に枠体に手摺棒を取り付けることにより作業者や工具などの落下を防ぐことができるため、より安全に作業を行うことができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の枠体を用いた枠組足場構造であって、
前記枠体2が互いに対向して前後に複数立設され、
これら複数の前記枠体2,2は、その前記第一及び第二の係止突部24,25にそれぞれ前記交叉筋交い3の端部が係止されることにより連結され、
これら連結された複数の前記枠体2,2の横枠22には足場板6が架設されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、前後に複数立設された枠体の第一及び第二の係止突部にそれぞれ交叉筋交いの端部が係止されることによりこれら枠体が互いに連結され、これら連結された枠体の横枠の上部には足場板が架設されている。従って、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部が縦枠に係止されているので、従来と異なり、交叉筋交いの上側の隙間が広くなっている。よって、この交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る枠組足場構造について具体的に説明する。なお、枠組足場1は、建物(図示せず)の壁面に作業を行うために建物の壁面などに沿って多層階をなして仮設される構築物である。
この枠組足場1においては、最下階(図示せず)は、合板からなる足場合板と、互いに対向して足場合板の上部に立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板などとから構成されている。なお、最下階の一部を構成する足場合板と枠体との間には、支持部材が介在している。この支持部材はジャッキ部を有しており、高さ調整が可能となっている。
そして、このような最下階の上部に設けられた各階は、図3に示すように、下階の枠体2,2の上部に接続されることによって互いに対向して立設された一対の枠体2,2と、これら枠体2,2どうしを連結した交叉筋交い3,3及び手摺棒5,…と、枠体2,2の上部に架設された足場板6(図3には、下階の足場板のみを図示している)とから構成されている。
なお、本実施の形態においては、建物の壁面は、図中奥行き側の枠組足場の側部に設けられているものとする。
【0014】
枠体2は、図1に示すように、左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21の上端部を連結した横枠22と、これら縦枠21,21及び横枠22を補強した補強部材23などとから一体に構成されている。なお、本実施の形態においては枠体2として鳥居型のものが用いられている。
【0015】
縦枠21は、鋼管によって形成されており、軸方向に複数接続可能となっている。この縦枠21には、交叉筋交い3を取り付けるための第一取付ピン24、第二取付ピン25及び第三取付ピン26がそれぞれ枠体2の内側に向かって突出して設けられている。より詳細には、第一取付ピン24は、縦枠21の下端部に設けられている。第二取付ピン25は、この縦枠21の中程に設けられており、本実施の形態においては、足場板6から作業者の腰の高さ程度の高さに設けられている。第三取付ピン26は、縦枠21の上端部に近接して設けられている。
【0016】
第一取付ピン24は、縦枠21から突出して後述の交叉筋交い3の端部の孔部32と手摺棒5の端部の孔部とに挿通されることができる棒状の突部241と、突部241の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片242とからなる。より詳細には、突部241は、交叉筋交い3の孔部32と手摺棒5の端部の孔部とを併せて係止可能な長さを有しており、その先端部に、下方に向かって開口する溝状の切欠部(図示せず)を備えている。出没片242は、突部241に挿通された交叉筋交い3の孔部32や手摺棒5の孔部が突部から抜けるのを防ぐものである。この出没片242は、突部241の基端側に向かって上下幅が広くなる扇状の板状部材であり、その先端において突部241の切欠部の先端に取り付けられ、この切欠部から出没可能となっている。
第二取付ピン25は、第一取付ピン24と同様のものであり、縦枠21から突出して交叉筋交い3の端部の孔部32に挿通されることができる棒状の突部251と、突部251の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片252とからなる。
第三取付ピン26は、第一取付ピン24と同様のものであり、縦枠21から突出して交叉筋交い3の端部の孔部32に挿通されることができる棒状の突部261と、突部261の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片262とからなる。
【0017】
横枠22は、鋼管によって形成されており、図3に示すように、対をなす他方の枠体2の横枠22とで足場板6を支持している。
補強部材23は、上記縦枠21,21及び横枠22に沿った略コ字状に設けられたものであり、縦枠21,21と横枠22とに固定されている。
【0018】
交叉筋交い3,3は、図2に示すように、等しい長さを有する2本の棒状部材31,31を中央部で接合したものである。より詳細には、交叉筋交い3,3は、リベット33によって2本の棒状部材31,31を互いに平行な面内で回転可能に接合したものである。これら棒状部材31,31の両端部は扁平に形成されており、その厚さ方向に貫通する孔部32を備えている。以下、これら交叉筋交い3,3を便宜的に区別し、一方を交叉筋交い3Aとし、他方を交叉筋交い3Bとする。また、交叉筋交い3A,3Bの棒状部材31,31を便宜的に区別し、交叉筋交い3Aの棒状部材31,31を棒状部材31A,31Aとし、交叉筋交い3Bの棒状部材31,31を棒状部材31B,31Bとする。図2(a),(b)に示すように、交叉筋交い3Aの棒状部材31Aは交叉筋交い3Bの棒状部材31Bより短くなっている。棒状部材3A,3Aからなる交叉筋交い3Aは、建物の壁面に近接する側の枠体2の側部、つまり図3における奥側の側部に、第一及び第二取付ピン24,25を介して取り付けられている。棒状部材3B,3Bからなる交叉筋交い3Bは、建物の壁面から離間する側の枠体2の側部に、第一及び第三取付ピン24,26を介して取り付けられている。
【0019】
手摺棒5は、略水平に延在する棒状の部材である。この手摺棒5の両端部は扁平に形成されており、その厚さ方向に貫通する孔部を備えている。このような手摺棒5は、枠体2の左右側部にそれぞれ2本取り付けられている。より詳細には、建物の壁面から離間する側の2本の手摺棒5,5は、それぞれ第一及び第三取付ピン24,26を介して枠体2の側部に取り付けられている。また、建物の壁面に近接する側の2本の手摺棒5,5は、それぞれ第一及び第二取付ピン24,25を介して枠体2の側部に取り付けられている。
足場板6は、両端にフック61,…を備える鋼製の板状部材である。この足場板6は、対をなして前後に立設された枠体2,2の横枠22,22の上部にフック61,…を介して架設されている。
【0020】
なお、上記のように構築された枠組足場1の建物から離間する側の側部には、落下防止用のメッシュシート(図示せず)が設けられている。このようなメッシュシートは、例えば、以下のようなメッシュシート取付装置(図示せず)を用いて枠組足場1の側部に設けることができる。メッシュシート取付装置は、予め回転軸にロール上に巻回されたメッシュシートを引き出すことにより枠組足場1の側部にメッシュシートを設けるものである。具体的には、メッシュシート取付装置は、長尺な矩形状のメッシュシートと、それぞれ枠体2の側部に取付可能な円筒部材及び棒材などとを備えている。円筒部材の内部には、この円筒部材の軸心上に延在する回転軸が設けられている。また、円筒部材の側部には、この円筒部材の軸方向に延在する溝部が設けられている。メッシュシートは、その一側端部において円筒部材の回転軸に取り付けられるとともにこの回転軸に巻回され、多側端部において円筒部材の溝部から延出し、棒材に取り付けられている。このようなメッシュシート取付装置によれば、まず、対をなして前後に立設された枠体2,2のうち、一方の枠体2の側部に円筒部材を取り付け、次に、第二棒材を円筒部材から引き離すことによりメッシュシートを円筒部材から引き出し、次に、第二棒材を他方の枠体2に取り付けることにより、枠組足場1の側部にメッシュシートを容易に設けることができる。
【0021】
以上のような枠組足場1によれば、枠体2の縦枠21の下端部には第一取付ピン24が設けられ、縦枠21の中程には第二取付ピン25が設けられており、これら第一及び第二取付ピン24,25にそれぞれ交叉筋交い3の端部が係止されることにより、対をなして前後に立設された2つの枠体2,2が互いに連結されている。従って、横枠22の位置に対して低い位置で交叉筋交い3の端部を縦枠21に係止することができるため、図5(a)及び(b)示すように、従来と異なり、交叉筋交い3と、交叉筋交い3が係止された枠体2,2の縦枠21,21と、交叉筋交い3の上方で枠体2,2の横枠22によって支持された足場板6とによって形成される隙間(図中斜線部分、以下、交叉筋交い3の上側の隙間とする)が広くなっている。よって、この交叉筋交い3の上側の隙間を介し、足場板6上から建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。更に、このように建物の壁面に対して安全かつ容易に作業を行うことができるので、建物の壁面に対して行う作業の工期を短縮できるとともに作業コストを低廉化することができる。
【0022】
また、建物の壁面から離間する側の枠体2,2の側部においては、第一及び第三取付ピン24,26にそれぞれ交叉筋交い3Bの端部が取り付けられ、建物の壁面に近接する側の枠体2,2の側部においては第一及び第二取付ピン24,25にそれぞれ交叉筋交い3Aの端部が取り付けられている。このように壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交い3を第一及び第三取付ピン24,26に取り付けるか、或いは第一及び第二取付ピン24,25に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交い3と、交叉筋交い3が係止された枠体2,2の縦枠21,21と、交叉筋交い3の上方で枠体2,2の横枠22によって支持された足場板6と、交叉筋交い3の下方に配置された下階の足場板6とによって形成される、交叉筋交い3の上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0023】
また、建物の壁面に近接する側の手摺棒5,5のうち、上側の手摺棒5が足場板6からほぼ作業者の腰の高さ、つまり作業者の安全上、好ましい高さに設けられている。従って、この手摺棒5を介し、より安全に作業を行うことができる。更に、枠体2の両側部における下側の手摺棒5,5は、第一取付ピン24,24に取り付けられており、交叉筋交い3と下階の足場板6との間の隙間を仕切った状態となっている。従って、これら手摺棒5,5と交叉筋交い3とによって枠組足場からの作業者や工具などの落下を確実に防ぐことができ、その結果、作業者に安心感を抱かせることができる。
【0024】
なお、上記実施の形態においては枠体2を鳥居型のものとして説明したが、H型や梯子型のものでも良い。
また、第二取付ピン25は足場板6から作業者の腰の高さの縦枠21の部位に設けられていることとして説明したが、第一取付ピン24から縦枠21と横枠22との連結部分までの縦枠21の略中間部分であれば、他の部位に設けられることとしても良い。例えば、既存の2種類の交叉筋交い3,3を枠体2,2の一方の側部と他方の側部とに取り付ける際に、これら交叉筋交い3,3の寸法に合わせて第二取付ピン25の高さを設定することとしても良い。具体的には、これら交叉筋交い3,3のうち、長尺な方の棒状部材31,31からなる交叉筋交い3を枠体2の一方の側部の第一及び第三取付ピン24,26に取り付けるとともに短尺な方の棒状部材31,31からなる交叉筋交い3を枠体2の他方の側部の第一及び第二取付ピン24,25に取り付けることができるよう、第二取付ピン25を縦枠21に設けることとしても良い。
【0025】
更に、交叉筋交い3Aを枠体2の第一及び第二取付ピン24,25に取り付け、交叉筋交い3Bを第一及び第三取付ピン24,26に取り付けることして説明したが、以下のような同形状の交叉筋交いを第一及び第二取付ピン24,25と、第一及び第三取付ピン24,26とにそれぞれ取り付けることとしても良い。この交叉筋交いは、両端部にそれぞれ2つの孔部を備える2本の棒状部材と、これら棒状部材の中央部を接合したリベットとから形成されている。より具体的には、棒状部材は少なくとも棒状部材32B以上の長さを有しており、棒状部材の中央部から各孔部までの長さは、棒状部材32Aの中央部から孔部32までの長さと、棒状部材32Bの中央部から孔部32までの長さとに対応している。従って、この交叉筋交いは、棒状部材の端部側の孔部を介して第一および第三取付ピン24,26に取り付け可能となっているとともに、中央部側の孔部を介して第一および第二取付ピン24,25に取り付け可能となっている。このような交叉筋交いを用いた場合には、交叉筋交い31A,32Bを別個に用意する必要がない分、手間をかけずに容易に枠組足場1を設けることができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部を縦枠に係止することができるため、従来と異なり、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される足場板等の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上側の隙間を広くすることができる。よって、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築した際に、交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築する際に、壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交いを第一及び第三の係止突部に取り付けるか又は第一及び第二の係止突部に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される横架材と、前記複数の枠体の下側に接続される他の複数の枠体の横枠により支持される他の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、枠体を用いて枠組足場を構築した際に枠体に手摺棒を取り付けることにより作業者や工具などの落下を防ぐことができるため、より安全に作業を行うことができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、従来と異なり、交叉筋交いの上側の隙間が広くなっているため、この交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枠体を示す図である。
【図2】交叉筋交いを示す図であり、(a)は第一及び第二取付ピンを介して枠体に取り付け可能な交叉筋交いを示す図であり、(b)は第一及び第三取付ピンを介して枠体に取り付け可能な交叉筋交いを示す図である。
【図3】本発明に係る枠組足場構造を示す斜視図である。
【図4】従来の枠体を示す図である。
【図5】建物の壁面に作業を行うために用いることのできる隙間を示す概略図であり、(a)は従来の枠体を用いた場合における隙間を示す図であり、(b)は本発明に係る枠体を用いた場合における隙間を示す図である。
【符号の説明】
2 枠体
3 交叉筋交い
5 手摺棒
6 足場板
21 縦枠
22 横枠
24 第一取付ピン(第一の係止突部)
25 第二取付ピン(第二の係止突部)
26 第三取付ピン(第三の係止突部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向して複数立設され交叉筋交いにより連結される上下に接続可能な枠体と、この枠体を用いた枠組足場構造とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の壁面などに沿って多層階をなして仮設される枠組足場においては、最下階は、合板からなる足場合板と、互いに対向して足場合板の上部に立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板とから構成されている。また、この最下階の上部に設けられた各階は、下階の枠体の上部に接続されることによって互いに対向して立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板とから構成されている。
より具体的には、図4に示すように、枠体102は、左右の縦枠121,121と、これら縦枠121,121を上端で連結した横枠122とを接合することにより鳥居型に形成されたものである。横枠122は、図5(a)に示すように、対をなす他方の枠体102の横枠122とで足場板106を支持するものである。枠体102の各縦枠121の上下端部には、交叉筋交い103を取り付けるための取付ピン124,126が設けられている。交叉筋交い103は、2本の棒状部材をX字状に接合したものであり、これら棒状部材の各端部には、縦枠121の取付ピン124,126と互いに係合する孔部が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような枠組足場においては、図5(a)に示すように、作業者は、建物の壁面に対して作業を行う際に、交叉筋交い103と、この交叉筋交い103が取り付けられた枠体102,102の縦枠121,121と、この交叉筋交い103の上方に配置されてこの交叉筋交い103と同一階の一部を構成する足場板106と、この交叉筋交い103の下方に配置された下階の足場板(図示せず)とによって形成される隙間(図中斜線部分)から、無理な体勢で作業を行わねばならなかった。そのため、作業に手間がかかるとともに、作業の安全性を確保できなかった。
【0004】
本発明の課題は、建物の壁面などに対して安全かつ容易に作業を行うことができる枠体及び枠組足場構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、互いに対向して前後に複数立設され、交叉筋交い3により連結される上下に接続可能な枠体2であって、
左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21を連結した横枠22とを備え、
少なくとも一方の前記縦枠21の下端部には、前記交叉筋交い3の端部を係止可能な第一の係止突部(例えば、第一取付ピン24)が設けられ、
この第一の係止突部24から前記縦枠21と前記横枠22との連結部分までの前記縦枠の略中間部分には、第二の係止突部(例えば、第二取付ピン25)が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、少なくとも一方の縦枠の下端部には第一の係止突部が設けられ、この第一の係止突部から縦枠と横枠との連結部分までの縦枠の略中間部分には第二の係止突部が設けられているので、前後に立設された複数の枠体の縦枠に設けられた第一及び第二の係止突部にそれぞれ交叉筋交いの端部を係止することにより、これら枠体を互いに連結することができる。従って、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部を縦枠に係止することができるため、従来と異なり、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される足場板等の横架材とによって形成される隙間(以下、交叉筋交いの上側の隙間とする)を広くすることができる。よって、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築した際に、交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1記載の枠体であって、
前記縦枠21の前記連結部分に近接した部分には、第三の係止突部(例えば、第三取付ピン26)が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、互いに対向して前後に立設された複数の枠体の縦枠に設けられた第一の係止突部と、第二又は第三の係止突部とにそれぞれ交叉筋交いの端部を係止することにより、これら枠体を互いに連結することができる。従って、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築する際に、壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交いを第一及び第三の係止突部に取り付けるか又は第一及び第二の係止突部に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される横架材と、前記複数の枠体の下側に接続される他の複数の枠体の横枠により支持される他の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1又は2記載の枠体であって、
前記第一及び第二の係止突部24,25は、前記交叉筋交い3とともに、略水平な手摺棒5を係止可能な長さを有していることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、縦枠の第一及び第二の係止突部には交叉筋交いとともに手摺棒を係止することができる。従って、この枠体を用いて枠組足場を構築した際に枠体に手摺棒を取り付けることにより作業者や工具などの落下を防ぐことができるため、より安全に作業を行うことができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、例えば図1〜図3及び図5(b)に示すように、請求項1〜3の何れか一項に記載の枠体を用いた枠組足場構造であって、
前記枠体2が互いに対向して前後に複数立設され、
これら複数の前記枠体2,2は、その前記第一及び第二の係止突部24,25にそれぞれ前記交叉筋交い3の端部が係止されることにより連結され、
これら連結された複数の前記枠体2,2の横枠22には足場板6が架設されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、前後に複数立設された枠体の第一及び第二の係止突部にそれぞれ交叉筋交いの端部が係止されることによりこれら枠体が互いに連結され、これら連結された枠体の横枠の上部には足場板が架設されている。従って、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部が縦枠に係止されているので、従来と異なり、交叉筋交いの上側の隙間が広くなっている。よって、この交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る枠組足場構造について具体的に説明する。なお、枠組足場1は、建物(図示せず)の壁面に作業を行うために建物の壁面などに沿って多層階をなして仮設される構築物である。
この枠組足場1においては、最下階(図示せず)は、合板からなる足場合板と、互いに対向して足場合板の上部に立設された一対の枠体と、これら枠体どうしを連結した交叉筋交いと、枠体の上部に架設された足場板などとから構成されている。なお、最下階の一部を構成する足場合板と枠体との間には、支持部材が介在している。この支持部材はジャッキ部を有しており、高さ調整が可能となっている。
そして、このような最下階の上部に設けられた各階は、図3に示すように、下階の枠体2,2の上部に接続されることによって互いに対向して立設された一対の枠体2,2と、これら枠体2,2どうしを連結した交叉筋交い3,3及び手摺棒5,…と、枠体2,2の上部に架設された足場板6(図3には、下階の足場板のみを図示している)とから構成されている。
なお、本実施の形態においては、建物の壁面は、図中奥行き側の枠組足場の側部に設けられているものとする。
【0014】
枠体2は、図1に示すように、左右の縦枠21,21と、これら縦枠21,21の上端部を連結した横枠22と、これら縦枠21,21及び横枠22を補強した補強部材23などとから一体に構成されている。なお、本実施の形態においては枠体2として鳥居型のものが用いられている。
【0015】
縦枠21は、鋼管によって形成されており、軸方向に複数接続可能となっている。この縦枠21には、交叉筋交い3を取り付けるための第一取付ピン24、第二取付ピン25及び第三取付ピン26がそれぞれ枠体2の内側に向かって突出して設けられている。より詳細には、第一取付ピン24は、縦枠21の下端部に設けられている。第二取付ピン25は、この縦枠21の中程に設けられており、本実施の形態においては、足場板6から作業者の腰の高さ程度の高さに設けられている。第三取付ピン26は、縦枠21の上端部に近接して設けられている。
【0016】
第一取付ピン24は、縦枠21から突出して後述の交叉筋交い3の端部の孔部32と手摺棒5の端部の孔部とに挿通されることができる棒状の突部241と、突部241の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片242とからなる。より詳細には、突部241は、交叉筋交い3の孔部32と手摺棒5の端部の孔部とを併せて係止可能な長さを有しており、その先端部に、下方に向かって開口する溝状の切欠部(図示せず)を備えている。出没片242は、突部241に挿通された交叉筋交い3の孔部32や手摺棒5の孔部が突部から抜けるのを防ぐものである。この出没片242は、突部241の基端側に向かって上下幅が広くなる扇状の板状部材であり、その先端において突部241の切欠部の先端に取り付けられ、この切欠部から出没可能となっている。
第二取付ピン25は、第一取付ピン24と同様のものであり、縦枠21から突出して交叉筋交い3の端部の孔部32に挿通されることができる棒状の突部251と、突部251の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片252とからなる。
第三取付ピン26は、第一取付ピン24と同様のものであり、縦枠21から突出して交叉筋交い3の端部の孔部32に挿通されることができる棒状の突部261と、突部261の先端部から下方に出没可能に設けられた出没片262とからなる。
【0017】
横枠22は、鋼管によって形成されており、図3に示すように、対をなす他方の枠体2の横枠22とで足場板6を支持している。
補強部材23は、上記縦枠21,21及び横枠22に沿った略コ字状に設けられたものであり、縦枠21,21と横枠22とに固定されている。
【0018】
交叉筋交い3,3は、図2に示すように、等しい長さを有する2本の棒状部材31,31を中央部で接合したものである。より詳細には、交叉筋交い3,3は、リベット33によって2本の棒状部材31,31を互いに平行な面内で回転可能に接合したものである。これら棒状部材31,31の両端部は扁平に形成されており、その厚さ方向に貫通する孔部32を備えている。以下、これら交叉筋交い3,3を便宜的に区別し、一方を交叉筋交い3Aとし、他方を交叉筋交い3Bとする。また、交叉筋交い3A,3Bの棒状部材31,31を便宜的に区別し、交叉筋交い3Aの棒状部材31,31を棒状部材31A,31Aとし、交叉筋交い3Bの棒状部材31,31を棒状部材31B,31Bとする。図2(a),(b)に示すように、交叉筋交い3Aの棒状部材31Aは交叉筋交い3Bの棒状部材31Bより短くなっている。棒状部材3A,3Aからなる交叉筋交い3Aは、建物の壁面に近接する側の枠体2の側部、つまり図3における奥側の側部に、第一及び第二取付ピン24,25を介して取り付けられている。棒状部材3B,3Bからなる交叉筋交い3Bは、建物の壁面から離間する側の枠体2の側部に、第一及び第三取付ピン24,26を介して取り付けられている。
【0019】
手摺棒5は、略水平に延在する棒状の部材である。この手摺棒5の両端部は扁平に形成されており、その厚さ方向に貫通する孔部を備えている。このような手摺棒5は、枠体2の左右側部にそれぞれ2本取り付けられている。より詳細には、建物の壁面から離間する側の2本の手摺棒5,5は、それぞれ第一及び第三取付ピン24,26を介して枠体2の側部に取り付けられている。また、建物の壁面に近接する側の2本の手摺棒5,5は、それぞれ第一及び第二取付ピン24,25を介して枠体2の側部に取り付けられている。
足場板6は、両端にフック61,…を備える鋼製の板状部材である。この足場板6は、対をなして前後に立設された枠体2,2の横枠22,22の上部にフック61,…を介して架設されている。
【0020】
なお、上記のように構築された枠組足場1の建物から離間する側の側部には、落下防止用のメッシュシート(図示せず)が設けられている。このようなメッシュシートは、例えば、以下のようなメッシュシート取付装置(図示せず)を用いて枠組足場1の側部に設けることができる。メッシュシート取付装置は、予め回転軸にロール上に巻回されたメッシュシートを引き出すことにより枠組足場1の側部にメッシュシートを設けるものである。具体的には、メッシュシート取付装置は、長尺な矩形状のメッシュシートと、それぞれ枠体2の側部に取付可能な円筒部材及び棒材などとを備えている。円筒部材の内部には、この円筒部材の軸心上に延在する回転軸が設けられている。また、円筒部材の側部には、この円筒部材の軸方向に延在する溝部が設けられている。メッシュシートは、その一側端部において円筒部材の回転軸に取り付けられるとともにこの回転軸に巻回され、多側端部において円筒部材の溝部から延出し、棒材に取り付けられている。このようなメッシュシート取付装置によれば、まず、対をなして前後に立設された枠体2,2のうち、一方の枠体2の側部に円筒部材を取り付け、次に、第二棒材を円筒部材から引き離すことによりメッシュシートを円筒部材から引き出し、次に、第二棒材を他方の枠体2に取り付けることにより、枠組足場1の側部にメッシュシートを容易に設けることができる。
【0021】
以上のような枠組足場1によれば、枠体2の縦枠21の下端部には第一取付ピン24が設けられ、縦枠21の中程には第二取付ピン25が設けられており、これら第一及び第二取付ピン24,25にそれぞれ交叉筋交い3の端部が係止されることにより、対をなして前後に立設された2つの枠体2,2が互いに連結されている。従って、横枠22の位置に対して低い位置で交叉筋交い3の端部を縦枠21に係止することができるため、図5(a)及び(b)示すように、従来と異なり、交叉筋交い3と、交叉筋交い3が係止された枠体2,2の縦枠21,21と、交叉筋交い3の上方で枠体2,2の横枠22によって支持された足場板6とによって形成される隙間(図中斜線部分、以下、交叉筋交い3の上側の隙間とする)が広くなっている。よって、この交叉筋交い3の上側の隙間を介し、足場板6上から建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。更に、このように建物の壁面に対して安全かつ容易に作業を行うことができるので、建物の壁面に対して行う作業の工期を短縮できるとともに作業コストを低廉化することができる。
【0022】
また、建物の壁面から離間する側の枠体2,2の側部においては、第一及び第三取付ピン24,26にそれぞれ交叉筋交い3Bの端部が取り付けられ、建物の壁面に近接する側の枠体2,2の側部においては第一及び第二取付ピン24,25にそれぞれ交叉筋交い3Aの端部が取り付けられている。このように壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交い3を第一及び第三取付ピン24,26に取り付けるか、或いは第一及び第二取付ピン24,25に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交い3と、交叉筋交い3が係止された枠体2,2の縦枠21,21と、交叉筋交い3の上方で枠体2,2の横枠22によって支持された足場板6と、交叉筋交い3の下方に配置された下階の足場板6とによって形成される、交叉筋交い3の上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0023】
また、建物の壁面に近接する側の手摺棒5,5のうち、上側の手摺棒5が足場板6からほぼ作業者の腰の高さ、つまり作業者の安全上、好ましい高さに設けられている。従って、この手摺棒5を介し、より安全に作業を行うことができる。更に、枠体2の両側部における下側の手摺棒5,5は、第一取付ピン24,24に取り付けられており、交叉筋交い3と下階の足場板6との間の隙間を仕切った状態となっている。従って、これら手摺棒5,5と交叉筋交い3とによって枠組足場からの作業者や工具などの落下を確実に防ぐことができ、その結果、作業者に安心感を抱かせることができる。
【0024】
なお、上記実施の形態においては枠体2を鳥居型のものとして説明したが、H型や梯子型のものでも良い。
また、第二取付ピン25は足場板6から作業者の腰の高さの縦枠21の部位に設けられていることとして説明したが、第一取付ピン24から縦枠21と横枠22との連結部分までの縦枠21の略中間部分であれば、他の部位に設けられることとしても良い。例えば、既存の2種類の交叉筋交い3,3を枠体2,2の一方の側部と他方の側部とに取り付ける際に、これら交叉筋交い3,3の寸法に合わせて第二取付ピン25の高さを設定することとしても良い。具体的には、これら交叉筋交い3,3のうち、長尺な方の棒状部材31,31からなる交叉筋交い3を枠体2の一方の側部の第一及び第三取付ピン24,26に取り付けるとともに短尺な方の棒状部材31,31からなる交叉筋交い3を枠体2の他方の側部の第一及び第二取付ピン24,25に取り付けることができるよう、第二取付ピン25を縦枠21に設けることとしても良い。
【0025】
更に、交叉筋交い3Aを枠体2の第一及び第二取付ピン24,25に取り付け、交叉筋交い3Bを第一及び第三取付ピン24,26に取り付けることして説明したが、以下のような同形状の交叉筋交いを第一及び第二取付ピン24,25と、第一及び第三取付ピン24,26とにそれぞれ取り付けることとしても良い。この交叉筋交いは、両端部にそれぞれ2つの孔部を備える2本の棒状部材と、これら棒状部材の中央部を接合したリベットとから形成されている。より具体的には、棒状部材は少なくとも棒状部材32B以上の長さを有しており、棒状部材の中央部から各孔部までの長さは、棒状部材32Aの中央部から孔部32までの長さと、棒状部材32Bの中央部から孔部32までの長さとに対応している。従って、この交叉筋交いは、棒状部材の端部側の孔部を介して第一および第三取付ピン24,26に取り付け可能となっているとともに、中央部側の孔部を介して第一および第二取付ピン24,25に取り付け可能となっている。このような交叉筋交いを用いた場合には、交叉筋交い31A,32Bを別個に用意する必要がない分、手間をかけずに容易に枠組足場1を設けることができる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、横枠の位置に対して低い位置で交叉筋交いの端部を縦枠に係止することができるため、従来と異なり、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される足場板等の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上側の隙間を広くすることができる。よって、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築した際に、交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、枠体を用いて建物の壁面に隣接して枠組足場を構築する際に、壁面に対して行う作業に応じて交叉筋交いを第一及び第三の係止突部に取り付けるか又は第一及び第二の係止突部に取り付けるかを選択することにより、交叉筋交いと、この交叉筋交いが係止される複数の枠体の縦枠と、この交叉筋交いの上方で前記複数の枠体の横枠により支持される横架材と、前記複数の枠体の下側に接続される他の複数の枠体の横枠により支持される他の横架材とによって形成される、交叉筋交いの上下左右の隙間の広さを選択することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、枠体を用いて枠組足場を構築した際に枠体に手摺棒を取り付けることにより作業者や工具などの落下を防ぐことができるため、より安全に作業を行うことができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、従来と異なり、交叉筋交いの上側の隙間が広くなっているため、この交叉筋交いの上側の隙間を介し、建物の壁面に対して無理のない体勢で安全かつ容易に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枠体を示す図である。
【図2】交叉筋交いを示す図であり、(a)は第一及び第二取付ピンを介して枠体に取り付け可能な交叉筋交いを示す図であり、(b)は第一及び第三取付ピンを介して枠体に取り付け可能な交叉筋交いを示す図である。
【図3】本発明に係る枠組足場構造を示す斜視図である。
【図4】従来の枠体を示す図である。
【図5】建物の壁面に作業を行うために用いることのできる隙間を示す概略図であり、(a)は従来の枠体を用いた場合における隙間を示す図であり、(b)は本発明に係る枠体を用いた場合における隙間を示す図である。
【符号の説明】
2 枠体
3 交叉筋交い
5 手摺棒
6 足場板
21 縦枠
22 横枠
24 第一取付ピン(第一の係止突部)
25 第二取付ピン(第二の係止突部)
26 第三取付ピン(第三の係止突部)
Claims (4)
- 互いに対向して前後に複数立設され、交叉筋交いにより連結される上下に接続可能な枠体であって、
左右の縦枠と、これら縦枠を連結した横枠とを備え、
少なくとも一方の前記縦枠の下端部には、前記交叉筋交いの端部を係止可能な第一の係止突部が設けられ、
この第一の係止突部から前記縦枠と前記横枠との連結部分までの前記縦枠の略中間部分には、第二の係止突部が設けられていることを特徴とする枠体。 - 請求項1記載の枠体であって、
前記縦枠の前記連結部分に近接した部分には、第三の係止突部が設けられていることを特徴とする枠体。 - 請求項1又は2記載の枠体であって、
前記第一及び第二の係止突部は、前記交叉筋交いとともに、略水平な手摺棒を係止可能な長さを有していることを特徴とする枠体。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の枠体を用いた枠組足場構造であって、
前記枠体が互いに対向して前後に複数立設され、
これら複数の前記枠体は、その前記第一及び第二の係止突部にそれぞれ前記交叉筋交いの端部が係止されることにより連結され、
これら連結された複数の前記枠体の横枠には足場板が架設されていることを特徴とする、枠体を用いた枠組足場構造。
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JP2002229890A JP2004068435A (ja) | 2002-08-07 | 2002-08-07 | 枠体及び枠体を用いた枠組足場構造 |
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Cited By (4)
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JP2010275738A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co Ltd | 枠組足場および枠組足場用桟 |
JP2011099234A (ja) * | 2009-11-05 | 2011-05-19 | Daisan:Kk | 軒上工法 |
JP2011122401A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Krh Kk | 棒状部材の架設構造 |
-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002229890A patent/JP2004068435A/ja active Pending
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