JP2004068379A - 環境調和型水中構築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】藻場や魚礁の回復、或いは、再生を計る工事の工期短縮を計ると共に、蛇篭等の流失を防止し得る環境調和型水中構造物を提供する。
【解決手段】防波堤や護岸等の着底式の水中構築物である。この水中構築物1は、水中構築物本体3と、その港内B側及び港外A側に配したフーチング4から構成されている。このフーチング4上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体20を設置すると共に、該藻類定着体兼魚介類蝟集体20内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭(図示せず)を詰める。
【選択図】 図1
【解決手段】防波堤や護岸等の着底式の水中構築物である。この水中構築物1は、水中構築物本体3と、その港内B側及び港外A側に配したフーチング4から構成されている。このフーチング4上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体20を設置すると共に、該藻類定着体兼魚介類蝟集体20内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭(図示せず)を詰める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物を構築する工事によって喪失した藻場や魚礁を回復又は再生させるための環境調和型水中構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防波堤や護岸の工事終了後、その近傍に蛇篭等を沈めて藻場や魚礁の回復や再生を計ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、防波堤や護岸の工事終了後、その近傍に蛇篭等を沈めて藻場や魚礁の回復や再生を計る工事を行うと、その分、工事期間が長期化したり、蛇篭等が流失して藻場や魚礁の回復や再生が困難になるなどの問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、藻場や魚礁の回復、或いは、再生を計る工事の工事期間の短縮を計ると共に、蛇篭等の流失を防止し得る環境調和型水中構造物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の環境調和型水中構築物は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物において、水中構築物本体と、該水中構築物本体の港内側及び港外側に配したフーチングから構成され、かつ、前記フーチング上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置し、かつ、該藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたことを特徴とする。
【0006】
本発明の藻類定着体兼魚介類蝟集体は、箱形の枠体および該枠体の面に取り付けた複数の面格子により形成するとともに、前記藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたことを特徴とする。
【0007】
本発明の水中構築物本体は、港外と港内を連通する透過部を設け、港内の浄化機能や魚道機能を高めることを特徴とする。
【0008】
本発明の水中構築物本体は、港外と港内を連通する透過部を設けるとともに、該透過部に鉄骨等を任意の形状に組み付けた骨組み構造物を取り付け、魚類の蝟集効果を高めることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、港内側のフーチングの上方に人工浅場を形成し、藻場機能を付加している。また、本発明は、港内側のフーチング上に、貝類保育牧柵及び貝類保育箱を昇降させる昇降設備を設置している。更に、本発明は、フーチングの上面に複数の凹部を設けるとともに、該凹部上に藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置させている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(1)第1の実施形態について
図1において、1は、環境調和型防波堤であり、海水交換型ハイブリッドケーソン2によって構築されている。
【0011】
ハイブリッドケーソン(以下、ケーソンという)2は、図2に示すように、中空状の函体(以下、本体という)3と、本体3の下端部において、港内側及び港外側に配したフーチング4とから構成され、その上端部は、天板(図1参照)5で覆われている。
【0012】
上記本体3は、側壁6と、側壁6を支持する複数の隔壁7から構成され、側壁6は、鋼板8と、鋼板8に立設させた多数のスタッド9と、鉄筋10と、コンクリート11から構成されている。フーチング4及び本体の底部18は、鉄骨12と、鉄筋10aと、コンクリート11aから構成されている。
【0013】
図1に示すように、ケーソン2は、消波機能を備えている。即ち、ケーソン2は、その前壁面13に、ケーソン内の遊水室14と港外Aとを連通させる縦形の多数の消波スリット15を有し、遊水室14内の波頭と港外Aとの水位差を利用して波のエネルギーを吸収し、以て、消波するように構成されている。
【0014】
また、上記ケーソン2は、その背面に、遊水室14と港内Bとを連通させる複数の導水管16を有しており、これらの導水管16を通して港外Aの新鮮な海水を港内Bに導入し、以て、港内の浄化を計るようになっている。
【0015】
一方、ケーソン2は、フーチング4上に藻礁や漁礁を形成するための藻類定着体兼魚介類蝟集体20を備えている。この藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、例えば、直方体形の枠体21と、この枠体21の6面に取り付けられた面格子22から形成されている。この藻類定着体兼魚介類蝟集体20の構造や材質等は、どのようなものでも差し支えがない。要は、藻類の定着や、魚介類の蝟集効果が期待できるものであれば良い。
【0016】
また、所望により、藻類定着体兼魚介類蝟集体20内に、栗石やカキ殻等の藻類定着材を詰めた蛇篭(図示せず)を詰め込むことも可能である。その場合は、最後に面格子22の一つを枠体21に溶接により固定する。
【0017】
藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、ケーソン2の建造時、或いは、建造後に、フーチング4の上面に取り付けられる。その取付方法としては、例えば、フーチング4の鉄骨12に棒状の接続部(図示せず)を溶接し、この接続部に藻類定着体兼魚介類蝟集体20を溶接により固定する。
【0018】
また、所望により、上記遊水室14内に栗石やカキ殻等の藻類定着材30を敷き詰め、藻場として活用しても良い。
【0019】
上記のケーソン2によって着底式の防波堤1を構築すると、図3に示すように、フーチング4上に設置した藻類定着体兼魚介類蝟集体20や遊水室14内の藻類定着部材30に海草aが定着して藻礁が形成される一方、魚類等が蝟集する魚礁となる。
(2)第2の実施形態について
図4に示す環境調和型防波堤1は、港外Aと港内Bとを連通する透過部23を設け、港内の浄化機能や魚道機能等を高めた点が第1の実施形態のものと異なるが、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(3)第3の実施形態について
図5に示す環境調和型防波堤1は、港外Aと港内Bとを連通する透過部23の出入口に、例えば、鉄骨等を格子状に組み付けた骨組み構造物24を取り付け、魚類等の蝟集効果を高めるようにしたものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(4)第4の実施形態について
図6に示す環境調和型防波堤1は、港内側のフーチング4の上方に人口浅場25を形成し、藻場機能を付加するようにしたものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(5)第5の実施形態について
図7に示す環境調和型防波堤1は、港内側の藻類定着体兼魚介類蝟集体20の代わりに、港内側のフーチング4上に鋼鉄製の貝類保育牧柵26及び貝類保育箱(図示せず)を昇降させる昇降設備27を設置したものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(6)その他の実施形態について
上記ケーソン2は、着底式の護岸に適用することができる。その場合は、導水管16や透過部23の背面側を閉鎖し、海水がケーソン2の背面側に達しないようにする。
【0020】
また、図8に示すように、フーチング4の上面に複数の凹部28を設け、その中に蛇篭等を敷設するようにしても良い。この場合は、凹部28上の藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、底部の面格子が不要になる。
【0021】
また、図9に示すように、フーチング4の上面に多数の横長の溝29を設けて藻場を形成することも可能である。溝29の断面形状としては、U字形(図10(a))、クサビ形(図10(b))、V字形(図10(c))などを挙げることができる。
【0022】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物において、水中構築物本体と、該水中構築物本体の港内側及び港外側に配したフーチングから構成され、かつ、前記フーチング上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置し、かつ、該藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたので、下記のような優れた効果を有する。
【0023】
すなわち、
(1) フーチングの上部空間を有効利用して、予め、フーチング上に藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置させているから、防波堤や護岸等の構築と同時に藻場や魚礁などの附帯設備を設置することができる。
【0024】
従って、防波堤や護岸等の構築後に、藻場や魚礁などの附帯設備を設置していた従来の方法に比べて工事期間を大幅に短縮することができる。
【0025】
(2) また、藻類定着体兼魚介類蝟集体内に蛇篭等を格納した場合、蛇篭等の流失を未然に防止することができ、藻礁や魚礁の早期回復を計ることが可能となる。
【0026】
(3) 藻礁や魚礁の回復に伴う微生物の海水浄化により、周辺海域の水質の改善を計ることが可能となる。
【0027】
(4) 魚類や底生生物の蝟集効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る環境調和型水中構築物の一部断面を含む斜視図である。
【図2】ケーソンの一部断面を含む斜視図である。
【図3】藻場が回復した状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図5】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図6】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図7】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図8】本発明にかかる環境調和型水中構築物の他の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図9】本発明にかかる環境調和型水中構築物の他の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図10】(a)、(b)、(c)溝の横断面図である。
【符号の説明】
A 港外
B 港内
1 防波堤や護岸等の着底式の水中構築物
3 水中構築物本体
4 フーチング
20 藻類定着体兼魚介類蝟集体
【発明の属する技術分野】
本発明は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物を構築する工事によって喪失した藻場や魚礁を回復又は再生させるための環境調和型水中構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防波堤や護岸の工事終了後、その近傍に蛇篭等を沈めて藻場や魚礁の回復や再生を計ることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、防波堤や護岸の工事終了後、その近傍に蛇篭等を沈めて藻場や魚礁の回復や再生を計る工事を行うと、その分、工事期間が長期化したり、蛇篭等が流失して藻場や魚礁の回復や再生が困難になるなどの問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、藻場や魚礁の回復、或いは、再生を計る工事の工事期間の短縮を計ると共に、蛇篭等の流失を防止し得る環境調和型水中構造物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の環境調和型水中構築物は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物において、水中構築物本体と、該水中構築物本体の港内側及び港外側に配したフーチングから構成され、かつ、前記フーチング上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置し、かつ、該藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたことを特徴とする。
【0006】
本発明の藻類定着体兼魚介類蝟集体は、箱形の枠体および該枠体の面に取り付けた複数の面格子により形成するとともに、前記藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたことを特徴とする。
【0007】
本発明の水中構築物本体は、港外と港内を連通する透過部を設け、港内の浄化機能や魚道機能を高めることを特徴とする。
【0008】
本発明の水中構築物本体は、港外と港内を連通する透過部を設けるとともに、該透過部に鉄骨等を任意の形状に組み付けた骨組み構造物を取り付け、魚類の蝟集効果を高めることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、港内側のフーチングの上方に人工浅場を形成し、藻場機能を付加している。また、本発明は、港内側のフーチング上に、貝類保育牧柵及び貝類保育箱を昇降させる昇降設備を設置している。更に、本発明は、フーチングの上面に複数の凹部を設けるとともに、該凹部上に藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置させている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
(1)第1の実施形態について
図1において、1は、環境調和型防波堤であり、海水交換型ハイブリッドケーソン2によって構築されている。
【0011】
ハイブリッドケーソン(以下、ケーソンという)2は、図2に示すように、中空状の函体(以下、本体という)3と、本体3の下端部において、港内側及び港外側に配したフーチング4とから構成され、その上端部は、天板(図1参照)5で覆われている。
【0012】
上記本体3は、側壁6と、側壁6を支持する複数の隔壁7から構成され、側壁6は、鋼板8と、鋼板8に立設させた多数のスタッド9と、鉄筋10と、コンクリート11から構成されている。フーチング4及び本体の底部18は、鉄骨12と、鉄筋10aと、コンクリート11aから構成されている。
【0013】
図1に示すように、ケーソン2は、消波機能を備えている。即ち、ケーソン2は、その前壁面13に、ケーソン内の遊水室14と港外Aとを連通させる縦形の多数の消波スリット15を有し、遊水室14内の波頭と港外Aとの水位差を利用して波のエネルギーを吸収し、以て、消波するように構成されている。
【0014】
また、上記ケーソン2は、その背面に、遊水室14と港内Bとを連通させる複数の導水管16を有しており、これらの導水管16を通して港外Aの新鮮な海水を港内Bに導入し、以て、港内の浄化を計るようになっている。
【0015】
一方、ケーソン2は、フーチング4上に藻礁や漁礁を形成するための藻類定着体兼魚介類蝟集体20を備えている。この藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、例えば、直方体形の枠体21と、この枠体21の6面に取り付けられた面格子22から形成されている。この藻類定着体兼魚介類蝟集体20の構造や材質等は、どのようなものでも差し支えがない。要は、藻類の定着や、魚介類の蝟集効果が期待できるものであれば良い。
【0016】
また、所望により、藻類定着体兼魚介類蝟集体20内に、栗石やカキ殻等の藻類定着材を詰めた蛇篭(図示せず)を詰め込むことも可能である。その場合は、最後に面格子22の一つを枠体21に溶接により固定する。
【0017】
藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、ケーソン2の建造時、或いは、建造後に、フーチング4の上面に取り付けられる。その取付方法としては、例えば、フーチング4の鉄骨12に棒状の接続部(図示せず)を溶接し、この接続部に藻類定着体兼魚介類蝟集体20を溶接により固定する。
【0018】
また、所望により、上記遊水室14内に栗石やカキ殻等の藻類定着材30を敷き詰め、藻場として活用しても良い。
【0019】
上記のケーソン2によって着底式の防波堤1を構築すると、図3に示すように、フーチング4上に設置した藻類定着体兼魚介類蝟集体20や遊水室14内の藻類定着部材30に海草aが定着して藻礁が形成される一方、魚類等が蝟集する魚礁となる。
(2)第2の実施形態について
図4に示す環境調和型防波堤1は、港外Aと港内Bとを連通する透過部23を設け、港内の浄化機能や魚道機能等を高めた点が第1の実施形態のものと異なるが、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(3)第3の実施形態について
図5に示す環境調和型防波堤1は、港外Aと港内Bとを連通する透過部23の出入口に、例えば、鉄骨等を格子状に組み付けた骨組み構造物24を取り付け、魚類等の蝟集効果を高めるようにしたものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(4)第4の実施形態について
図6に示す環境調和型防波堤1は、港内側のフーチング4の上方に人口浅場25を形成し、藻場機能を付加するようにしたものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(5)第5の実施形態について
図7に示す環境調和型防波堤1は、港内側の藻類定着体兼魚介類蝟集体20の代わりに、港内側のフーチング4上に鋼鉄製の貝類保育牧柵26及び貝類保育箱(図示せず)を昇降させる昇降設備27を設置したものであり、その他の点については変わりがないので、同じ部位に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
(6)その他の実施形態について
上記ケーソン2は、着底式の護岸に適用することができる。その場合は、導水管16や透過部23の背面側を閉鎖し、海水がケーソン2の背面側に達しないようにする。
【0020】
また、図8に示すように、フーチング4の上面に複数の凹部28を設け、その中に蛇篭等を敷設するようにしても良い。この場合は、凹部28上の藻類定着体兼魚介類蝟集体20は、底部の面格子が不要になる。
【0021】
また、図9に示すように、フーチング4の上面に多数の横長の溝29を設けて藻場を形成することも可能である。溝29の断面形状としては、U字形(図10(a))、クサビ形(図10(b))、V字形(図10(c))などを挙げることができる。
【0022】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、防波堤や護岸等の着底式の水中構築物において、水中構築物本体と、該水中構築物本体の港内側及び港外側に配したフーチングから構成され、かつ、前記フーチング上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置し、かつ、該藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたので、下記のような優れた効果を有する。
【0023】
すなわち、
(1) フーチングの上部空間を有効利用して、予め、フーチング上に藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置させているから、防波堤や護岸等の構築と同時に藻場や魚礁などの附帯設備を設置することができる。
【0024】
従って、防波堤や護岸等の構築後に、藻場や魚礁などの附帯設備を設置していた従来の方法に比べて工事期間を大幅に短縮することができる。
【0025】
(2) また、藻類定着体兼魚介類蝟集体内に蛇篭等を格納した場合、蛇篭等の流失を未然に防止することができ、藻礁や魚礁の早期回復を計ることが可能となる。
【0026】
(3) 藻礁や魚礁の回復に伴う微生物の海水浄化により、周辺海域の水質の改善を計ることが可能となる。
【0027】
(4) 魚類や底生生物の蝟集効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る環境調和型水中構築物の一部断面を含む斜視図である。
【図2】ケーソンの一部断面を含む斜視図である。
【図3】藻場が回復した状態を示す説明図である。
【図4】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図5】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図6】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図7】本発明に係る環境調和型水中構築物の他の一例を示す一部断面を含む斜視図である。
【図8】本発明にかかる環境調和型水中構築物の他の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図9】本発明にかかる環境調和型水中構築物の他の一例を示す要部拡大斜視図である。
【図10】(a)、(b)、(c)溝の横断面図である。
【符号の説明】
A 港外
B 港内
1 防波堤や護岸等の着底式の水中構築物
3 水中構築物本体
4 フーチング
20 藻類定着体兼魚介類蝟集体
Claims (7)
- 防波堤や護岸等の着底式の水中構築物において、水中構築物本体と、該水中構築物本体の港内側及び港外側に配したフーチングから構成され、かつ、前記フーチング上に藻類の定着や魚介類の蝟集を計る藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置し、かつ、該藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めたことを特徴とする環境調和型水中構築物。
- 藻類定着体兼魚介類蝟集体を、箱形の枠体および該枠体の面に取り付けた複数の面格子により形成するとともに、前記藻類定着体兼魚介類蝟集体内に栗石やカキ殻等の藻類定着材を充填させた蛇篭を詰めた請求項1記載の環境調和型水中構築物。
- 水中構築物本体に、港外と港内を連通する透過部を設け、港内の浄化機能や魚道機能を高めた請求項1記載の環境調和型水中構築物。
- 水中構築物本体に、港外と港内を連通する透過部を設けるとともに、該透過部に鉄骨等を任意の形状に組み付けた骨組み構造物を取り付け、魚類の蝟集効果を高めた請求項1記載の環境調和型水中構築物。
- 港内側のフーチングの上方に人工浅場を形成し、藻場機能を付加してなる請求項1記載の環境調和型水中構築物。
- 港内側のフーチング上に、貝類保育牧柵及び貝類保育箱を昇降させる昇降設備を設置してなる請求項1記載の環境調和型水中構築物。
- フーチングの上面に複数の凹部を設けるとともに、該凹部上に藻類定着体兼魚介類蝟集体を設置させてなる請求項1記載の環境調和型水中構築物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228179A JP2004068379A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 環境調和型水中構築物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002228179A JP2004068379A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 環境調和型水中構築物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004068379A true JP2004068379A (ja) | 2004-03-04 |
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ID=32014935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002228179A Pending JP2004068379A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 環境調和型水中構築物 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004068379A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013528254A (ja) * | 2010-06-11 | 2013-07-08 | ヘスコ バスティアン リミテッド | 海岸線用のバリアアセンブリ |
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2002
- 2002-08-06 JP JP2002228179A patent/JP2004068379A/ja active Pending
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