JP2004066694A - ファイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表紙体Aの一部に、この表紙体Aを閉じた状態で背表紙3が表表紙1から抜け出る方向へ相対移動することを抑止する弾性体100を設けることとした。
【選択図】図9
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉類を差し替え可能に挟み込み、背表紙の有効幅が可変であるファイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙葉類を差し替え可能に挟み込むファイルにおいて、挟み込む紙葉類の量に応じて背表紙の有効幅を可変としたファイルが考えられている。
【0003】
このものは、表表紙と、裏表紙と、背表紙とからなる表紙体を有し、前記表表紙又は裏表紙の少なくとも一方を前記背表紙を挿入可能な袋体状のものにして、その挿入深さに応じて背表紙の有効幅を変化させ、綴じ込み量に応じて適切な背幅に調整することができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、袋体状をなす一方の表紙の内寸に対して、これに挿入される背表紙の外寸を緊密に設定すれば、表紙体を閉じた状態で背表紙の収まりを確実なものにすることができ、背表紙が不慮に表紙から抜け出て弛みを生じる事態を防止することができる。しかしながら、このようにすると、袋体状をなす表紙に対して背表紙を挿脱する際の引きずり抵抗が大きくなるため、抜き差しがままならない状態に陥り易く、操作性に難の多いものになる。
【0005】
一方、袋体状をなす一方の表紙に対して、これに挿入される背表紙の外寸を比較的小さく設定すれば、袋体状をなす表紙に対して背表紙を挿脱する際の操作を軽くすることが可能となる。しかしながら、逆に表紙体を閉じた際に背表紙の収まりが曖昧な状態となって、背表紙の一部が不慮に表紙から抜け出て弛みを生じ易くなり、外観を損ねたり、立てかけた際の自立性が損なわれる等の事態を招く要因となる。
【0006】
例えば、この種のファイルは、従来より表紙体を構成する表表紙、裏表紙及び背表紙が全て紙により作られているが、耐久性の向上や汚損防止を図るべくこれを樹脂製のものにする可能性を追求しようとした場合、背表紙は樹脂の特性によりすべりが良くなって抜け易くなり、しかも腰が弱いために出し入れ操作に支障が多くなる事態が予想される。
【0007】
したがって、このような観点からしても、表紙体を閉じた状態の背表紙の確実な収まり状態と、表紙体を開いた際の背表紙の平易な出し入れ操作性とを好適に両立させておくことは極めて有用なものであると考えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち、本発明に係るファイルは、表表紙と、裏表紙と、背表紙とからなる表紙体を有し、前記表表紙又は裏表紙の少なくとも一方を前記背表紙を挿入可能な袋体状のものにしてこの背表紙の有効幅を可変にしたものにおいて、表紙体を閉じた状態で背表紙が一方の表紙から抜け出る方向へ相対移動することを抑止する抑止手段をその一部に設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成すると、背表紙を一旦適切な有効幅に調整した後、表紙体を閉じれば、抑止手段によって背表紙の抜脱動作が抑えられるため、背表紙の張りが不慮に弛むなどして外観を損ねることを防止でき、立てかけた際の自立性等も有効に確保することが可能となる。そして、このような作用は、例えば表表紙の内寸と背表紙の外寸とを、表紙体を開いた状態で背表紙を緩やかに挿脱し得る寸法関係に設定したり、表紙体の所要箇所にすべり易いエンボス加工を施した場合にも発揮されるため、これにより表紙体を開いた状態で袋体状をなす一方の表紙体に対して背表紙を挿脱する操作時の引きずり抵抗を小さくし、背表紙が樹脂のような比較的柔らかい素材のものであっても不都合なく背表紙の有効幅の調整を行えるようになる。勿論、不慮に手が触れて背表紙が引き出されてしまうといった不都合にも有効なものとなる。
【0011】
抑止手段の具体的な一実施の態様としては、袋体状をなす一方の表紙と背表紙との間にあって当該表紙内に背表紙を引き込む方向の外力を及ぼす弾性体であるものが挙げられる。
【0012】
この場合、弾性体が紙葉類の加除作業の妨げとならないようにするためには、袋体状をなす一方の表紙から背表紙が引き抜かれる手前位置で、弾性体による外力に抗して一方の表紙に背表紙を掛止させておく掛止部を設けておくことが望ましい。
【0013】
また、抑止手段の具体的な他の実施の態様としては、袋体状をなす一方の表紙と背表紙との間にあって背表紙の複数の有効幅に対応して当該背表紙を前記一方の表紙に段階的に係合させる係合部であるものが挙げられる。
【0014】
かかる係合部の簡素な構成としては、袋体状をなす一方の表紙に設けた突起と、背表紙の対応位置に設けた凹部又は孔部とから構成するようにしたものが挙げられる。
【0015】
この突起が、係合部としての機能を有効に果たし、なおかつ背表紙の挿脱時の妨げとならないようにするためには、表紙体を開いた際に凹部又は孔部と係合し得ない位置に位置づけられ、表紙体を閉じた際に凹部又は孔部と係合し得る位置に位置づけられるようにしておくことが望ましい。
【0016】
簡単な構成で係合ピッチを比較的小さく設定できるものとしては、係合部が、袋体状をなす一方の表紙に設けた凹凸の連続するリブと、背表紙の対応位置に設けた凹凸の連続するリブとからなり、リブ同士を凹凸の連続方向に沿って段階的に位相を変えて係合させ得るようにしたものが挙げられる。
【0017】
抑止部の上記以外の実施の態様としては、背表紙が、表材と裏材との間に見出し挿入用のポケットを形成してなるものであり、抑止部がその見出しに設けた折り罫であって、この折り罫に、表紙体を閉じた際に折れ曲がってその折曲状態を維持できる機能を付与しているものが挙げられる。
【0018】
あるいは、背表紙が、表材と裏材との間に見出し挿入用のポケットを形成してなるものであり、抑止部がその裏材に設けた折り罫であって、この折り罫に、表紙体を閉じた際に折れ曲がって表紙の縁部に引っ掛かる機能を付与しているものが挙げられる。
【0019】
また、上記と基本構造を同じくしつつ、抑止手段に代えて、表紙体を閉じた状態で背表紙が当該一方の表紙から抜け出る方向へ相対移動した際にこれを修正するための修正手段をその一部に設けておく構成も有効である。
【0020】
修正手段の具体的な実施の一態様は、袋体状をなす一方の表紙の一部に設けた窓であり、挿入された背表紙の一部をこの窓を介して表出させ、その背表紙に当該一方の表紙内に引き込む方向の外力を付与し得るようにしているものが挙げられる。
【0021】
本発明は、以上のような構成であるから、表紙体を構成する表表紙、裏表紙及び背表紙が、樹脂により形成されているファイルに適用して極めて有用なものとなり得る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の幾つかの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
先ず、ファイルの概要について説明し、しかる後、特徴部分を各実施形態ごとに説明することとする。
<概要>
先ず、ファイルFの概要は、分解斜視図を図1、組立斜視図を図2にそれぞれ示すように、表表紙1と、表表紙1の一端に設けた細長い板状をなす押さえ板部2と、背表紙3と、裏表紙4と、裏表紙4の一端に設けた細長い板状をなす基板部5とにより構成される表紙体Aに、綴じ足6と、前記基板部5の長手方向に延びる形状をなし前記綴じ足6を挿通させて係止するように構成した綴じ足係止部7とを付帯させたものである。
【0024】
綴じ足6は、図1に示すように基端部62から綴じ足本体61を延ばして形成している。また、図1に示すように、基板部5には、綴じ足6を挿通させ、また係止するように取付孔5aを1対設けていて、この取付孔5aから綴じ足本体61を表表紙1に向けて挿し通すようにしている。
【0025】
綴じ足係止部7は、図1及び図2に示すように、前記押さえ板部2に設けられていて、前記綴じ足6を図示しない係止つまみを用いて固定する機能を有する。また、前記押さえ板部2には、前記綴じ足6を挿通させるための綴じ足挿通孔2aを設けてあり、さらに前記綴じ足係止部7にはこの綴じ足挿通孔2aに重合させて図示しない綴じ足挿通孔を設けている。なお、この綴じ足係止部7は、紙葉類を差し替え可能に挟みこむように構成したこの種のファイルに用いられる綴じ具の綴じ足係止部として周知のものと同様の構成を有する。
【0026】
しかして、本実施形態において、前記表表紙1、前記押さえ板部2、前記背表紙3、前記裏表紙4、及び前記基板部5は全て樹脂により形成しているとともに、背表紙3に予め折り罫を設けることなくその有効幅を可変に構成している。
【0027】
具体的には、表表紙1は、図3に示す外面材11と図4に示す内面材12とにより袋体状に形成していて、図2に示すように、外面材11と内面材12との間の空間を前記背表紙3を挿入可能に構成した背表紙挿入口1aとしている。前記外面材11は、その上縁部、下縁部、及び背表紙と反対側の縁部に図3中の斜線部で示す折り込み取付部11aを設けていて、外面材11と内面材12とを重合させた状態で、この折り込み取付部11aを折り線L1で内方に折り込んで図4の斜線部に示す内面材12の外面材取り付け部12aに重ね合わせ、この内面材12に溶着するように構成している。本実施形態では、この外面材11は厚さ寸法0.4mmの樹脂シートにより形成している。一方、前記内面材12は、厚さ寸法0.8mmの樹脂シートにより形成し、前記外面材よりも厚さ寸法を大きくしているとともに、背表紙3側の端縁を折り線L3で折り込んで前記押さえ板部2を形成している。このように構成した表表紙の斜視図を図5に示す。
【0028】
また、前記背表紙3は、本実施形態では図6に示す厚さ寸法0.2mmの1枚の透明樹脂シートを折り線L4で折り返して折り目を底辺3xとしているとともに、図8に示すように一端部に設けた取付部3aを前記裏表紙4の背表紙取り付け部4aに溶着し、他端部を折り線L5で折り返してストッパ3bを設けている。このストッパ3bは前記表表紙1の外面材11の端縁を図3の折り線L2で折り返して設けた背表紙ストッパ11bと係合して、この背表紙3が完全に抜け落ちることを防止している。そして、この背表紙3内には、底辺3xと反対側の端縁に形成した見出し挿入口3yから図8に示す背紙8を挿入可能に構成している。なお、本実施形態では、この背表紙3の表表紙1への出し入れをスムーズに行うようにすべく、表面にエンボス加工を施している。また、折り線L5から所定距離だけ前記取付部3a側に偏位した箇所を溶着して前記背紙8の位置決め機能を有する背紙位置決め部3cを設けている。
【0029】
一方、裏表紙4は、図7に示す厚さ寸法1.0mmの1枚の樹脂シートにより形成している。また、背表紙3側の端縁を折り線L6で折り込んで基板部5を形成している。そして、図8に示すように、この裏表紙4の基板部5との境界付近に背表紙取付部4aを設け、この背表紙取付部4aに前記背表紙3を溶着している。なお、この裏表紙4の厚さ寸法1.0mmは、前記表表紙1の外面材11の厚さ寸法0.4mm及び内面材12の厚さ寸法0.8mmのいずれよりも大きく、これら外面材11及び内面材12の厚さ寸法の合計1.2mmよりは小さい。
【0030】
このように構成したファイルFは、背表紙3を表表紙1に対して出し入れし、紙葉類Pの量に応じて紙葉類を最も適切に挟みこめるように位置を合わせて折り曲げることにより、背表紙3の有効幅を変更するようにしている。
【0031】
次に、各実施形態の特徴部分について、図9以下を参照して説明する。なお、その特徴部分は、表紙体Aを閉じた状態で背表紙3が表表紙1から抜け出る方向へ相対移動することを抑止する抑止手段をその一部に設けるか、或いは、表紙体1を閉じた状態で背表紙3が当該表表紙1から抜け出る方向へ実際に相対移動した際にこれを修正するための修正手段をその一部に設けるか、何れかの態様を採用するものである。
【0032】
なお、この実施形態では、袋体状をなす表表紙1の内寸と背表紙3の外寸とを、表紙体Aを開いた状態で背表紙3を緩やかに挿脱し得る寸法関係に設定している。緩やかに挿脱し得る寸法関係とは、背表紙3が挿脱される方向と直交する上下方向(すなわち、ファイルFを立て掛けた際の天地方向)に対して、表表紙1の内寸(例えば図9におけるd1)よりも背表紙3の外寸(例えば図9におけるd3)を遊嵌状態となるように小さく設定することが主として挙げられるが、袋体を構成する外面材11と内面材12との張り合わせ強度によっても、重合方向への中空部分の広がり易さを通じて緩やかに挿脱可能とする調整をすることができる。
<第1実施形態>
以上を踏まえ、この実施形態は、図9(a)に示すように、袋体状をなす表表紙1と背表紙3との間に、当該表表紙1内に背表紙3を引き込む方向の外力を及ぼすゴム、バネその他の弾性体100を設け、この弾性体100を抑止手段として機能させるようにしている。この弾性体100は、例えば背表紙3の一部を折り返してストッパ3bが形成されている二重部分に孔3zを設けてその一端100aを掛け止め、表表紙1の一部に他端100bをリベットなど適宜の手段により固定して取り付けたもので、背表紙3が表表紙1内に奥深く挿入される位置まで同挿入方向に対する引っ張り外力を背表紙3に及ぼすことができるように設定されている。
【0033】
また、この実施形態は、図9(b)に示すように、袋体状をなす表表紙1から背表紙3が完全に引き抜かれるよりも手前位置で、弾性体100による外力に抗して表表紙1の開口縁1zに背表紙3を掛止させておくための掛止部200を設けている。この掛止部200は、表表紙1に対する背表紙3の挿入始端側に設けた突起状のもので、先端が表表紙1側を向くように突出しており、切り起こしや外付け等によってその構成を実現したものである。
【0034】
紙葉類の加除を行う際は、平素は袋体状をなす表表紙1内に収容されているこの掛止部200が表表紙1から表出する位置まで背表紙3を表表紙1から引き出し、その位置で必要に応じ手などで補助しながら掛止部200の表表紙1に対する掛止状態を実現する。紙葉類の加除が終わった後は、再度若干量だけ背表紙3を表表紙1から引き出し、掛止部200を折り畳んで、表表紙1内に入り込むように必要に応じ手などで補助してやればよい。
【0035】
以上のようにすれば、表紙体Aを開いた状態で、袋体状をなす表紙体1に対して背表紙3を挿脱する操作時の引きずり抵抗が小さくなるため、背表紙3が樹脂のような比較的柔らかい素材のものであっても、不都合なく背表紙3の有効幅を調整することができる。そして、一旦適切な有効幅に調整した後、表紙体1を閉じれば、抑止手段である弾性体100によって背表紙3の抜脱動作が抑えられるため、背表紙3の張りが不慮に弛んで外観を損ねることを防止することができ、立てかけた際の自立性等も有効に確保しておくことが可能となる。
【0036】
特に、抑止部に上記のような弾性体100を採用すると、積極的に背表紙3を表表紙1内に引き込む力を常に作用させるため、背表紙3に対する抜脱防止がより的確に図られ、背表紙3に対する有効幅の調整も簡単、適切に行えるようになる。
【0037】
また、このような弾性体100を採用しても、紙葉類の加除作業中は掛止部200を利用して背表紙3が不慮に縮まることを防止することができるので、加除作業に係る作業性も有効に確保しておくことができるものである。
<第2実施形態>
この実施形態は、図10(c)に示すように、袋体状をなす表表紙1と背表紙3との間に、背表紙3の複数の有効幅に対応して当該背表紙3を前記表表紙1に段階的に係合させる係合部300を設け、この係合部300を抑止手段として機能させるようにしたものである。
【0038】
この係合部300は、具体的には、袋体状をなす表表紙1に設けた突起301と、背表紙3の対応位置に背幅方向に沿って一定ピッチで設けた複数のスリット状をなす孔部302とからなるもので、同図(b)に示すように、突起301は表表紙1の内面材12の一部を切り起こして設けられ、孔部302は背表紙3を構成するシートを折り曲げて表材3x、裏材3yとした際の裏材3y側に設けられているものである。そして、表紙体Aを開いた同図(a)の状態で周辺と略面一なる位置まで倒伏するなどして孔部302と係合し得ない位置まで退避し、表紙体1を閉じた同図(c)の状態で周辺から起き上がるなどして孔部302と係合可能な位置に位置づけられるように構成してある。
【0039】
このようにしても、背表紙3を一旦適切な有効幅に調整した後、表紙体1を閉じれば、突起301が孔部302に係合することによって抑止手段である係合部300が構成され、これにより背表紙3の抜脱動作が抑えられるため、背表紙3の張りが不慮に弛んで外観を損ねることを防止することができ、立てかけた際の自立性等も有効に確保して、挿脱容易性との両立を図ることができる。
【0040】
特に、抑止部に上記のような係合部300を採用すると、係合状態が解除されない限り背表紙3の位置ずれが生じ得ないものになるため、当該背表紙3の弛み防止において確実を期すことができるようになる。
【0041】
とりわけ、背表紙3が、表材3xと裏材3yとの間に見出し挿入用のポケットを形成した2重構造をなしているため、上記のように裏材3yに孔部302を設けても、背表紙3の外表面に孔部302が表れることがなく、外観が損なわれることを有効に防止しておくことができる。
【0042】
なお、背表紙3が1枚ものであっても、ある程度の肉厚があれば、孔部302に代えて当該背表紙3の肉厚を貫通しない凹部をその裏側に形成することで同様の効果を得ることが可能である。また、突起301の切り起こし方向は、同図(d)に示すように、表紙体Aを閉じた状態で表表紙1と直交する方向へ起き上がるようなものであっても孔部302との係合状態を有効に実現することができる。
<第3実施形態>
この実施形態は、図11に示すように、袋体状をなす表表紙1と背表紙3との間に、背表紙3の複数の有効幅に対応して当該背表紙3を前記表表紙1に段階的に係合させる係合部400を設け、この係合部400を抑止手段として機能させるようにしたものである。
【0043】
この係合部は、具体的には、背表紙3の挿脱される方向に沿って袋体状をなす表表紙1の中空部内に設けた凹凸の連続するリブ401と、同方向に沿って背表紙3の対応位置に設けた凹凸の連続するリブ402とから構成し、リブ401、402同士を凹凸の連続方向に沿って段階的に位相を変えて係合させ得るようにしたものである。これらのリブ401、402は、樹脂同士を溶着する手法の押し型を利用するなどして構成されている。
【0044】
このようにすると、背表紙3の挿脱容易性と不慮の抜出防止とを有効に両立させることができる上に、細かいピッチで背表紙3の幅調整が可能となり、抑止部の製作も容易に行えるようになる。
<第4実施形態>
この実施形態は、図12(a)に示すように、背表紙3が、表材3xと、裏材3y(同図には現れない)との間に見出し挿入用のポケットを形成した二重構造をなしていることに着目して、その見出しとなる背紙8に折り罫8aを設け、この折り罫8aを抑止部として機能させるようにしたものである。表紙体Aを閉じる際に、この折り罫8aに沿って背紙8を折り曲げると、この背紙8を紙等で作った場合に折曲状態が持続的に維持されるため、背表紙3が表表紙1から抜け出る動作がこの背紙8の保形力によって抑止されることとなる。このようにしても、背表紙3の挿脱容易性と不慮の抜出防止とを簡単な手法で有効に両立させることができる。
【0045】
なお、背表紙3がこのような二重構造である場合に、同図(b)に示すように、背表紙3を構成する裏材3yに折り罫3y1を設け、この折り罫3y1を抑止部として機能させることもできる。この折り罫3y1は、表紙体Aを閉じた際に折れ曲がって表表紙1の縁部である開口縁1zに引っ掛かるため、背表紙3が表表紙1から抜け出る動作がこの裏材3yの折り罫3y1によって有効に抑止されることとなる。
<第5実施形態>
上記と基本構造を同じくしつつ、抑止手段に代えて、表紙体1を閉じた状態で背表紙3が袋体状をなす表表紙1から抜け出る方向へ相対移動した場合にこれを修正する修正手段をその一部に設けておく構成も有効である。
【0046】
図13に示す修正手段は、表表紙1の一部に設けた窓500であり、挿入された背表紙3の一部をこの窓500を介して表出させ、その背表紙3に両手の親指の腹を押し当てるなどして、当該表表紙1内に引き込む図示x方向への外力を付与することができるようにしている。
【0047】
このようにすれば、紙葉類の加除後、背表紙3の有効幅を調整して表紙体1を一旦閉じた後、再度表紙体1を開いて背表紙3の有効幅の再調整を行うことができるので、初期調整不良のみならず、調整後に背表紙3が緩んだ場合等にも、簡単に体勢を整えることが可能となる。
【0048】
特に、本実施形態は、表紙体1全体を樹脂により構成しており、背表紙3のすべりが良くなって表表紙1から抜け易くなるため、上記各実施形態において述べたような抑止手段や修正手段を設けておくことは極めて有用なものとなり得る。
【0049】
以上、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態は表表紙1と背表紙3との間に寸法関係によって挿脱容易性を確保したが、寸法関係によらず、表紙体の所要箇所にすべり摩擦抵抗を小さくするエンボス加工を施す構成によっても挿脱容易性を確保することができる。また、本発明の基本的な作用効果は、不慮に手などが触れて背表紙が引き出されてしまう不都合にも有効なものであるため、本発明は背表紙が表表紙に対して挿脱容易である構成を必ずしも要件とするものではない。さらに、裏表紙側が袋体状をなしており、表表紙側に背表紙が付帯している態様のものなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成であるから、抑止手段により背表紙の抜脱を抑止して一旦調整した背表紙の有効幅を的確に維持しておくことができる。したがって、紙葉類の加除に伴う背幅調整を円滑なものにして使い勝手に優れるようにしても、背表紙に弛み等を惹起しない端正な外観を保つことができ、書架等に立て掛けた際に形崩れもせずに整然と並べておくことができる有用なファイルを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るファイルの概要を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態に係るファイルの組立斜視図。
【図3】同実施形態に係るファイルの表表紙を構成する外面材を示す平面図。
【図4】同実施形態に係るファイルの表表紙を構成する内面材を示す平面図。
【図5】同実施形態に係るファイルの表表紙を示す斜視図。
【図6】同実施形態に係るファイルの背表紙を示す平面図。
【図7】同実施形態に係るファイルの裏表紙を示す平面図。
【図8】同実施形態に係るファイルの裏表紙に背表紙を溶着した状態を示す斜視図。
【図9】本発明の第1実施形態を示す模式図。
【図10】本発明の第2実施形態を示す模式図。
【図11】本発明の第3実施形態を示す模式図。
【図12】本発明の第4実施形態を示す模式図。
【図13】本発明の第5実施形態を示す模式図。
【符号の説明】
A…表紙体
1…表表紙
3…背表紙
4…裏表紙
100…抑止手段(弾性体)
200…抑止手段(係合部)
300…抑止手段(係合部)
400…抑止手段(係合部)
500…修正手段(窓)
Claims (12)
- 表表紙と、裏表紙と、背表紙とからなる表紙体を有し、前記表表紙又は裏表紙の少なくとも一方を前記背表紙を挿入可能な袋体状のものにしてこの背表紙の有効幅を可変にしたものにおいて、
表紙体を閉じた状態で背表紙が一方の表紙から抜け出る方向へ相対移動することを抑止する抑止手段をその一部に設けたことを特徴とするファイル。 - 抑止手段が、袋体状をなす一方の表紙と背表紙との間にあって当該表紙内に背表紙を引き込む方向の外力を及ぼす弾性体である請求項1記載のファイル。
- 袋体状をなす一方の表紙から背表紙が引き抜かれる手前位置で、弾性体による外力に抗して一方の表紙に背表紙を掛止させておく掛止部を設けている請求項2記載のファイル。
- 抑止手段が、袋体状をなす一方の表紙と背表紙との間にあって背表紙の複数の有効幅に対応して当該背表紙を前記一方の表紙に段階的に係合させる係合部である請求項1記載のファイル。
- 係合部が、袋体状をなす一方の表紙に設けた突起と、背表紙の対応位置に設けた凹部又は孔部とからなる請求項4記載のファイル。
- 突起が、表紙体を開いた際に凹部又は孔部と係合し得ない位置に位置づけられ、表紙体を閉じた際に凹部又は孔部と係合し得る位置に位置づけられる請求項5記載のファイル。
- 係合部が、袋体状をなす一方の表紙に設けた凹凸の連続するリブと、背表紙の対応位置に設けた凹凸の連続するリブとからなり、リブ同士を凹凸の連続方向に沿って段階的に位相を変えて係合させ得るようにしている請求項4記載のファイル。
- 背表紙が、表材と裏材との間に見出し挿入用のポケットを形成してなるものであり、抑止部がその見出しに設けた折り罫であって、この折り罫は、表紙体を閉じた際に折れ曲がってその折曲状態を維持するものである請求項1記載のファイル。
- 背表紙が、表材と裏材との間に見出し挿入用のポケットを形成してなるものであり、抑止部がその裏材に設けた折り罫であって、この折り罫は、表紙体を閉じた際に折れ曲がって表紙の縁部に引っ掛かるものである請求項1記載のファイル。
- 表表紙と、裏表紙と、背表紙とからなる表紙体を有し、前記表表紙又は裏表紙の少なくとも一方を前記背表紙を挿入可能な袋体状のものにしてこの背表紙の有効幅を可変にしたものにおいて、
表紙体を閉じた状態で背表紙が一方の表紙から抜け出る方向へ相対移動した際にこれを修正するための修正手段をその一部に設けたことを特徴とするファイル。 - 修正手段が、袋体状をなす一方の表紙の一部に設けた窓であり、挿入された背表紙の一部をこの窓を介して表出させ、その背表紙に当該一方の表紙内に引き込む方向の外力を付与し得るようにしている請求項10記載のファイル。
- 表紙体を構成する表表紙、裏表紙及び背表紙が、樹脂により形成されている請求項1〜11記載のファイル。
Priority Applications (2)
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