JPH0630467Y2

JPH0630467Y2 - スライドファイル

Info

Publication number: JPH0630467Y2
Application number: JP1992026676U
Authority: JP
Inventors: 聡水谷
Original assignee: King Jim Co Ltd
Current assignee: King Jim Co Ltd
Priority date: 1992-04-23
Filing date: 1992-04-23
Publication date: 1994-08-17
Anticipated expiration: 2002-12-14
Also published as: JPH0528677U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、一般文書用のファイ
ル、殊に単葉もしくは２、３葉の紙葉類を簡便に収納お
よび取外すことができるスライドファイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、単葉もしくは２、３葉の紙葉類
を収納するファイル（以下、簡易ファイルと称する）と
しては、通常、綴具としてクリップないしはロックを使
用する形式のもの（以下、クリップ式ファイルと称す
る）、あるいは綴具として綴棒式ファスナーを使用する
形式のもの（以下綴棒式ファイルと称する）が使用され
ている。

【０００３】これらの簡易ファイルは、多量の文書類を
収納する厚型ファイルと比較して、綴具を含むファイル
全体が簡単な構造でしかも軽量に形成されていると共
に、紙葉類の出し入れ操作も簡便に行えるように構成さ
れている。

【０００４】しかるに、前記従来の簡易ファイルは、構
造の簡単性、紙葉類の出し入れ操作性ならびに保管性、
あるいはファイル全体の美観性等の点において、それぞ
れなおいくつかの問題点を有するものであった。すなわち、先ず第１に、これらの簡易ファイルはいずれ
も綴具を必要とするため、構造が比較的複雑になると共
にファイルの厚さが所定の最低厚さを必要とする。さら
に、綴具のファイルに対する取付け具が、ファイル外面
に露呈するため、美観が損われると同時にファイル自体
の取扱い性、例えば出し入れ操作性が悪くなる。特に、クリップ式ファイルにおいては、クリップ部の長
さが限定されているため、綴込まれた紙葉類が乱雑かつ
不安定となり、往々にしてズレ脱落を発生する。また、
特に綴棒式ファイルにおいては、紙葉類には綴込穴の穿
孔を必要とするばかりでなく、その出し入れ操作には繁
雑さがあり、しかも前記綴込穴は往々にして破損する等
の難点がある。

【０００５】このような観点から、従来において、比較
的少量の書類等を穴を開けずに簡便に出し入れすること
ができる簡易なファイルとして、例えば背表紙と表表紙
と裏表紙をそれぞれ折り曲げて書類を挾持する表紙カバ
ーを構成し、この表紙カバーに対しその外側より断面ほ
ぼＣ状に湾曲させてバネ性をもたせた支持体を装着する
ことにより前記表紙カバーに挾持した書類を保持するよ
う構成したファイルが提案されている（実開昭５５−７
６１７９号公報および実開昭５６−８６１７１号公
報）。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来より提案されている簡易ファイルにおいては、書類等
には穴を開けずに出し入れすることができるという利点
はあるが、表紙カバーに対して書類を出し入れする際に
操作する支持体の操作性につき、その構成上の面より多
くの問題を生じ、却って出し入れの作業が繁雑になり、
手間が掛かる等の難点がある。例えば、表紙カバーとこれに装着する支持体の構成を簡
単な構成とした場合、表紙カバーに対し書類を適正な位
置に保持するための支持体の位置決めが不安定になると
共に、支持体の表紙カバーに対するスライド操作に際し
て、支持体が表紙カバーから外れて、保持されていた書
類が一挙に離散してしまう等の問題を生じる。そこで、支持体が表紙カバーから外れないように、それ
ぞれ支持体および表紙カバーの対応部分にストッパを設
ける等の工夫がなされているが、常に書類を適正な位置
に保持するための安定な位置決めを行うことは困難であ
るばかりでなく、支持体の円滑な操作性と脱落防止を達
成するものとして、満足し得るものは、未だ提案されて
いない。

【０００７】そこで、本考案の目的は、ファイル全体の
構造が簡単かつ薄厚に形成することができると共に、フ
ァイル基板に装着するスライド部材の安定した位置決め
と、確実な脱落防止を達成し、紙葉類の円滑かつ簡便な
出し入れ操作を実現することができる外観ならびに作業
性の良好なスライドファイルを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】先の目的を達成するた
め、本考案に係るスライドファイルは、ファイル表紙
（１２）およびファイル台紙（１４）の一側端縁部を細
長状のファイル基板（１６）の表裏にそれぞれ貼着する
と共にこのファイル基板に弾性スライダ（１８）をファ
イル基板の幅方向へスライド可能に外挿してなるスライ
ドファイルにおいて、前記ファイル基板（１６）にはその表面にファイル表紙
（１２）の貼着端縁部（１２ａ）を貼着してこれに連続
する紙葉挾持部（１２ｂ）を形成し、かつファイル基板
（１６）の表面の長手側端縁部に前記弾性スライダ（１
８）を位置決めする位置決めリム（１６ａ）を立設し、
このファイル基板（１６）の裏面の長手方向両端縁部に
それぞれ弾性スライダ（１８）を案内する案内リム（１
６ｂ）を設けると共に、その端縁隅角部にそれぞれ抜け
止めストッパ（１６ｃ）を設け、前記弾性スライダ（１
８）には前記紙葉挾持部（１２ｂ）を弾力的に押圧保持
する上板（２０）および下板（２２）を備えて横断面Ｕ
字状に形成し、下板（２２）の長手方向両端縁部にそれ
ぞれ切欠き部（２３）を設けてこの切欠き部（２３）の
一側内縁部に前記ファイル基板（１６）の位置決めリム
（１６ａ）と当接する折曲げ状ストッパ（２２ａ）を形
成し、かつ前記切欠き部（２３）の他側内縁部に前記フ
ァイル基板（１６）の前記抜け止めストッパ（１６ｃ）
と係合する係合舌片（２２ｂ）を形成することを特徴と
する。

【０００９】

【作用】弾性スライダを開放位置へスライドさせると、
ファイルの台紙と表紙の間に挾持されている紙葉類は全
て簡単に解放される。一方、弾性スライダを閉止位置に
スライドさせると、紙葉類はその全幅を弾性押圧部材と
しての上板によって押圧保持されるので、紙葉類が滑り
脱落することがない。なお、弾性スライダは、そのスラ
イドに際して、このスライダおよびファイル基板にそれ
ぞれ設けた案内リム、位置決めリムおよびストッパ等に
よって、その開放ならびに閉止位置の間における適正な
位置決めと、円滑かつ確実な案内および係止を達成する
ことができる。

【００１０】

【実施例】次に、本考案に係るスライドファイルの一実
施例につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

【００１１】図１および図２において、本考案のスライ
ドファイル１０は、ファイル表紙１２およびファイル台
紙１４と、これらのそれぞれの貼着端縁部１２ａ、１４
ａが貼着される細長形状のファイル基板１６と、このフ
ァイル基板１６に基板の幅方向へスライド可能に外挿さ
れてファイル表紙１２の前記貼着端縁部１２ａに連続す
る紙葉挾持部１２ｂを開閉する横断面積Ｕ字状の弾性ス
ライダ１８とから構成される。

【００１２】弾性スライダ１８は、図３、図５、図６、
図７にも示すように、上板２０、下板２２および側板２
４とからなり、通常は透明材料により一体成形により構
成する。上板２０の先端縁部は折曲げ状の弾性押圧部２
０ａとして構成し、この弾性押圧部２０ａはファイル基
板１６に押接する位置（図７参照）と、任意の上昇位置
（図６参照）との間を、弾性的に昇降し得るよう構成す
る。また、下板２２の長手方向両端縁部には、それぞれ
切欠き部２３（図３および図５参照）を設け、この切欠
き部２３の一側内縁部すなわち側板２４寄りに折曲げ状
ストッパ２２ａを形成すると共に、その他側内縁部に係
合舌片２２ｂを形成する。また、図３に示すように、下
板２２の内面には、その長手方向に延在する摩擦係止用
突条２２ｃを設ける。さらに、この弾性スライダ１８の
内側には、図６に示すように、インデックスシート２６
を挿着する。

【００１３】ファイル基板１６は、図４、図５、図６、
図７にも示すように、その表面の長手側端縁部に前記弾
性スライダ１８を位置決めする位置決めリム１６ａを立
設する。また、このファイル基板１６の裏面の長手方向
両端縁部には、それぞれ前記弾性スライダ１８を案内す
る案内リム１６ｂを立設すると共に、この案内リム１６
ｂの端縁隅角部に抜け止めストッパ１６ｃをそれぞれ形
成する。

【００１４】このように構成された本考案のスライドフ
ァイル１０は、ファイル基板１６の表裏の所定部位にフ
ァイル表紙１２ならびにファイル台紙１４のそれぞれの
貼着端縁部１２ａ、１４ａを貼着した後、このファイル
基板１６の側部から弾性スライダ１８をその開口端縁部
を押開げた状態で外挿することにより構成される。

【００１５】そして、弾性スライダ１８のスライドに際
しては、スライダ１８の両端部係合舌片２２ｂの端面
が、ファイル基板１６の両端部案内リム１６ｂの内面に
当接案内されると共に、スライダ１８は弾性押圧部２０
ａを介してファイル基板１６に圧接された状態でファイ
ル基板１６の幅方向へスムーズかつ確実に移動する。そ
して、このようにして、例えば閉止位置に到達する（図
６参照）と、折曲げ状ストッパ２２ａが位置決めリム１
６ａの外面に当接し、弾性スライダ１８はファイル基板
１６に対してその閉止位置に正確にかつ確実に位置決め
係止される。この場合、摩擦係止用突条２２ｃによって
も弾性スライダ１８の位置ズレが阻止される。そして、
この状態においては、弾性押圧部２０ａはファイル表紙
１２の紙葉挾持部１２ｂ上の所定の高さ位置まで上昇し
て、ファイル表紙１２とファイル台紙１４の間に挿入さ
れている紙葉類２８を、その幅方向全長に亘って均一か
つ確実に押圧保持する。

【００１６】一方、弾性スライダ１８が開放位置に到達
する（図７参照）と、弾性押圧部２０ａの内側端面が位
置決めリム１６ａの内面に当接すると共に、係合舌片２
２ｂの一部が抜け止めストッパ１６ｃの内面に当接し、
弾性スライダ１８はファイル基板１６に対してその開放
位置に正確かつ確実に位置決め係止される。この場合、
摩擦係止用突条２２ｃによっても、弾性スライダ１８の
位置ズレが阻止される。そして、この状態においては、
弾性押圧部２０ａはファイル表紙１２の貼着端縁部１２
ａ上に降下押接される。従って、紙葉類２８は全て簡単
に取り出せる。このように、本考案のスライドファイル
によれば、紙葉類の出し入れ操作を極めて簡便に行える
と共に、その保管に際して紙葉類の滑り脱落や破損等を
確実に防止することができる。

【００１７】また、このように構成される本考案のスラ
イドファイルは、一体成形される弾性スライドとファイ
ル基板とからなり、従来必要とされた一般の綴具類を必
要としないので、その構造が簡単となり、従って安価に
提供することができる。さらに、ファイルの厚さは弾性
スライダの厚さによって規定される薄厚に形成され、し
かもファイルの外表面には取付け具等が何等付着されな
いので、外観ならびに取扱い性の双方を著しく向上させ
る。なお、この場合、透明弾性スライダの内部には、上
板および側板上にインデックス表示できるインデックス
シートを挿着し、またファイル表紙も透明材料で形成し
得るので、ファイルの検索等を極めて簡便に行うことが
できる。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案に係るスラ
イドファイルは、ファイル基板（１６）には、その表面
にファイル表紙（１２）の貼着端縁部（１２ａ）を貼着
してこれに連続する紙葉挾持部（１２ｂ）を形成し、か
つファイル基板（１６）の表面の長手側端縁部に前記弾
性スライダ（１８）を位置決めする位置決めリム（１６
ａ）を立設し、このファイル基板（１６）の裏面の長手
方向両端縁部にそれぞれ弾性スライダ（１８）を案内す
る案内リム（１６ｂ）を設けると共に、その端縁隅角部
にそれぞれ抜け止めストッパ（１６ｃ）を設け、また弾
性スライダ（１８）には、前記紙葉挾持部（１２ｂ）を
弾力的に押圧保持する上板（２０）および下板（２２）
を備えて横断面Ｕ字状に形成し、下板（２２）の長手方
向両端縁部にそれぞれ切欠き部（２３）を設けてこの切
欠き部（２３）の一側内縁部に前記ファイル基板（１
６）の位置決めリム（１６ａ）と当接する折曲げ状スト
ッパ（２２ａ）を形成し、かつ前記切欠き部（２３）の
他側内縁部に前記ファイル基板（１６）の前記抜け止め
ストッパ（１６ｃ）と係合する係合舌片（２２ｂ）を形
成することにより、前記弾性スライダ（１８）の開放な
らびに閉止位置の間における適正な位置決めと、円滑か
つ確実な案内および係止とを達成することができる。

【００１９】特に、本考案のスライドファイルによれ
ば、弾性スライダの両端部に設けた係合舌片の端縁が、
ファイル基板の両端部に設けた案内リムの内面に当接し
て案内され、弾性スライダは弾性押圧部を介してファイ
ル基板に圧接された状態でファイル基板の幅方向へ円滑
に移動することができ、そして弾性スライダが閉止位置
に到達すると、折曲げ状ストッパが位置決めリムの外面
に当接して、ファイル基板に対してその閉止位置に正確
にかつ確実に位置決め係止することができる。

【００２０】さらに、この場合、弾性スライダは、下板
の内面にその長手方向に延在するように摩擦係止用突条
を設けることによって、ファイル基板に対する位置ズレ
が阻止され、ファイル表紙とファイル台紙との間に挾持
する紙葉類を、その幅方向全長に亘って、安定に、しか
も均一かつ確実に押圧保持することができる。従って、
本考案によれば、紙葉類の出し入れ操作を極めて簡便に
行えると共に、その保管に際して紙葉類の滑り脱落や破
損等を確実に防止することができ、外観ならびに作業性
の良好なスライドファイルを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスライドファイルの一実施例を示
す分解斜視図である。

【図２】図１に示すスライドファイルの組立状態を示す
一部斜視図である。

【図３】図１および図２に示すスライドファイルにおけ
る弾性スライダの裏面端部を示す要部拡大斜視図であ
る。

【図４】図１および図２に示すスライドファイルにおけ
るファイル基板の裏面端部を示す要部拡大斜視図であ
る。

【図５】図１および図２に示すスライドファイルの弾性
スライダとファイル基板の結合端部を示す要部裏面平面
図である。

【図６】弾性スライダが閉止位置にある状態を示す図５
のＶＩ−ＶＩ線拡大断面図である。

【図７】弾性スライダが解放位置にある状態を示す図６
と同様の拡大断面図である。

【符号の説明】

１０スライドファイル１２ファイル表紙１２ａ貼着端縁部１２ｂ紙葉挾持部１４ファイル台紙１４ａ貼着端縁部１６ファイル基板１６ａ位置決めリム１６ｂ案内リム１６ｃ抜け止めストッパ１８弾性スライダ２０上板２０ａ弾性押圧部２２下板２２ａ折曲げ状ストッパ２２ｂ係合舌片２２ｃ摩擦係止用突条２３切欠き部２４側板２６インデックスシート２８紙葉類

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ファイル表紙（１２）およびファイル台
紙（１４）の一側端縁部を細長状のファイル基板（１
６）の表裏にそれぞれ貼着すると共にこのファイル基板
に弾性スライダ（１８）をファイル基板の幅方向へスラ
イド可能に外挿してなるスライドファイルにおいて、前記ファイル基板（１６）にはその表面にファイル表紙
（１２）の貼着端縁部（１２ａ）を貼着してこれに連続
する紙葉挾持部（１２ｂ）を形成し、かつファイル基板
（１６）の表面の長手側端縁部に前記弾性スライダ（１
８）を位置決めする位置決めリム（１６ａ）を立設し、
このファイル基板（１６）の裏面の長手方向両端縁部に
それぞれ弾性スライダ（１８）を案内する案内リム（１
６ｂ）を設けると共に、その端縁隅角部にそれぞれ抜け
止めストッパ（１６ｃ）を設け、前記弾性スライダ（１
８）には前記紙葉挾持部（１２ｂ）を弾力的に押圧保持
する上板（２０）および下板（２２）を備えて横断面Ｕ
字状に形成し、下板（２２）の長手方向両端縁部にそれ
ぞれ切欠き部（２３）を設けてこの切欠き部（２３）の
一側内縁部に前記ファイル基板（１６）の位置決めリム
（１６ａ）と当接する折曲げ状ストッパ（２２ａ）を形
成し、かつ前記切欠き部（２３）の他側内縁部に前記フ
ァイル基板（１６）の前記抜け止めストッパ（１６ｃ）
と係合する係合舌片（２２ｂ）を形成することを特徴と
するスライドファイル。