JP2004065754A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態もあるという技術思想を反映させ遊技の単調化を防止することである。
【解決手段】確率変動状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、大当りとする判定がされ、かつ、確率変動図柄とする判定がされるごとに(S11,S12)、確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データから選択され(S15)、その選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当りとする判定がされたときに確率変動図柄とするか否かの判定に用いられる。
【選択図】 図9
【解決手段】確率変動状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、大当りとする判定がされ、かつ、確率変動図柄とする判定がされるごとに(S11,S12)、確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データから選択され(S15)、その選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当りとする判定がされたときに確率変動図柄とするか否かの判定に用いられる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、図柄等の識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次回の特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となりやすい特別遊技状態(確率変動状態)に制御可能となるように構成されたものがあった。
【0003】
このような遊技機では、始動入賞に応じて特定遊技状態を発生させるか否かを決定し、特定遊技状態を発生させることが決定されるごとに、特別遊技状態を発生させるか否かが決定されていた。このような特別遊技状態を発生させるか否かは、特別遊技状態の決定確率が異なる複数の乱数テーブルを設け、特定遊技状態を発生させることが決定されるごとに乱数テーブルを選択的に使用して決定されていた。このような遊技機では、特別遊技状態を発生させるかを決定する確率が、特定遊技状態の発生が決定されるごとに複数の決定確率のうちから選択されるので、特別遊技状態が比較的多くの回数継続する特別遊技状態の集中する時期を作り出すことができ、特別遊技状態の継続発生の仕方が変化に富む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、遊技機開発の技術思想として、たとえば、特別遊技状態が比較的多くの回数継続する特別遊技状態の集中する時期がある一方であまり継続しない特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態を発生させるというような技術思想がある。このような特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態を意図的に作り出せれば、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0005】
しかし、前述したような従来の遊技機では、特別遊技状態を発生させるか否かを決定する確率が、特定遊技状態の発生が決定されるごとに複数の決定確率のうちから選択され、特定遊技状態の発生ごとに特別遊技状態の発生確率が異なることが多くなるので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態が発生する頻度が低く、前述した技術思想を反映させることが困難であった。
【0006】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態もあるという技術思想を反映させ遊技の単調化を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 識別情報(特別図柄)の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(可変表示装置8、特別図柄表示部9)を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様(確率変動図柄の組合せ)となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態(確率変動状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変表示の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かの判定を事前に行なう特定態様判定手段と(遊技制御用マイクロコンピュータ53の大当り事前判定機能)、
該特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記可変表示の表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なう特別態様判定手段(S11、S21)と、
前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別態様判定手段により前記特別表示態様としない判定をする確率である特別遊技抜け確率データ(確変抜け率)を、予め定められた選択確率(図5参照)に基づいて複数の特別遊技抜け確率データ(第1〜第3確変抜け抽選テーブル)のうちから選択する特別遊技抜け確率選択手段(S15)とを含み、
該特別遊技抜け確率選択手段は、前記特別遊技状態に制御されていない状態における前記可変表示の前記表示結果について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされ、かつ、前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定がされるごとに前記特別遊技抜け確率データを選択し(S3,S4,S13参照)、
前記特別態様判定手段は、前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率データを用いて前記表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なう(S14)。
【0008】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、特定の表示態様とする判定がされ、かつ、特別表示態様とする判定がされるごとに特別遊技抜け確率データが複数の特別遊技抜け確率データから選択され、その選択された特別遊技抜け確率データが、特別遊技状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を特定の表示態様とする判定がされたときに特別表示態様とするか否かの判定に用いられる。このため、非特別遊技状態から特別遊技状態になるごとに、特別遊技状態が継続して発生する確率が変化し得るとともに、特別遊技状態に制御されている期間での特別遊技抜け確率が変化しないので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すことができる。その結果、遊技機開発の技術思想を実際の遊技機の遊技状況に反映することができ、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0009】
(2) 前記複数の特別遊技抜け確率データは、特別遊技抜け確率が高い方が、特別遊技抜け確率が低い方よりも前記選択確率が低くなるように前記選択確率が設定されている(図5)。
【0010】
このような構成によれば、複数の特別遊技抜け確率データは、特別遊技抜け確率が高い方が選択確率が低く、特別遊技抜け確率が低い方が選択確率が高くなるように選択確率が設定されているので、特別遊技状態が継続して発生しやすい時期が選択されにくく、特別遊技状態が継続して発生しにくい時期が選択されやすいので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、特別遊技状態の継続しやすさを適当な度合いに収束させることができる。
【0011】
(3) 前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別遊技抜け確率選択手段により前記予め定められた選択確率に基づいて選択される前記複数の特別遊技抜け確率データを用いて前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定が行なわれる総体的確率(非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに、図5に示された確率で第1〜第3確変抜け抽選テーブルのいずれかを用いて確変抜けとなる総体的確率)が、前記特別遊技状態に制御されていない状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別表示態様とする判定が行なわれる確率(R7の抽出値により確率変動が決定される確率)と同じ確率(50%)に設定されている。
【0012】
このような構成によれば、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、特別遊技状態の発生しやすさを適当な度合いにでき、非特別遊技状態から特別遊技状態になる確率と、特別遊技状態からさらに特別遊技状態となるときの総合的な確率とを同じ確率に収束させることができる。
【0013】
(4) 前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率を特定可能に報知する報知手段(特別図柄表示部9、スピーカ27、装飾ランプ25)をさらに含む(図7参照)。
【0014】
このような構成によれば、特別遊技抜け確率選択手段により選択された特別遊技抜け確率が特定可能に報知されるので、遊技者が特別遊技抜け確率を認識することができるため、特別遊技状態の継続に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0016】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。
【0017】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿6が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿6の下部には、打球供給皿6から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0018】
この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれるが、この遊技球は、誘導レール76と遊技領域7との境界に設けられた近接スイッチにより構成される打込球スイッチ77によって検出される。この打込球スイッチ77によって検出された遊技球の数は、後述する遊技制御基板31によって特定される。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9とLED表示器よりなる普通図柄表示部3とを含む可変表示装置8が設けられている。なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、特別図柄表示部9は、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置であってもよい。
【0020】
特別図柄表示部9は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄(図柄画像)を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を可変表示可能な可変表示部である。ここで、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる特別図柄とは異なるものである。
【0021】
普通図柄表示部3は、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を可変表示可能である。なお、普通図柄表示部3により可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0022】
特別図柄表示部9の表示領域90では、表示画面上で左可変表示部,中可変表示部,右可変表示部という複数(3つ)の可変表示部を有し、これら可変表示部で特別図柄,中特別図柄,右特別図柄という複数(3つ)の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで可変表示される。表示領域90では、これら特別図柄をスクロール等の可変表示方式で可変表示可能であり、可変表示の表示結果を導出表示する。
【0023】
また、普通図柄表示部3は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器3aと、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器3bとを含む。当り表示器3aおよびはずれ表示器3bは、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示部3では、当り表示器3aおよびはずれ表示器3bを交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で可変表示(更新表示,変動表示ともいう)する。
【0024】
本実施の形態においては、LEDよりなる当り表示器3aおよびはずれ表示器3bを普通図柄表示部3に用いた場合を説明したが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を可変表示可能なものを普通図柄表示部3に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、普通図柄表示部3を特別図柄表示部9と分離構成した例を示したが、普通図柄表示部は、特別図柄表示部9を構成する液晶表示器の表示領域の一部により構成されてもよい。
【0025】
また、可変表示装置8には、それぞれ4個のLEDからなる始動入賞記憶表示器18とゲート通過記憶表示器41とが設けられている。この始動入賞記憶表示器18のLEDの点灯している数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動入賞口14への入賞(始動入賞)が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述するRAM55への記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0026】
また、ゲート通過記憶表示器41のLEDの点灯している数により、普通図柄の可変表示を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述するRAM55への記憶であり、普通始動記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0027】
なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示器18で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、特別図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示器18で表示される始動入賞記憶数を減らすための制御が行なわれるとともに、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0028】
また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示器41で表示される普通始動記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、普通図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、ゲート通過記憶表示器41で表示される始動入賞記憶数を減らすための制御が行なわれるとともに、普通図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0029】
可変表示装置8の下方位置には、ソレノイド(図2のソレノイド16)によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と、ソレノイド(図2のソレノイド21)により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30とが上から順に配列されている。始動入賞口14に入った球は、始動口スイッチ17によって検出された後、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20に入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0030】
遊技盤100には、複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。このように、複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0031】
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられいる。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。また、遊技領域7の外周には、遊技効果LED(遊技効果ランプ)28a,28b,28cが設けられている。
【0032】
遊技効果LED28aが遊技領域7の上方、遊技効果LED28bが遊技領域7の左側方、遊技効果LED28cが遊技領域7の右側方にそれぞれ設けられている。そして、この例では、遊技効果LED28bの近傍に景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、遊技効果LED28aの近傍に補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0033】
打球発射装置(図示省略)から発射され遊技領域7に入った打球(打玉)は、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄表示部3を所定期間可変表示させた(前述したように交互に点灯するよう点滅させた)後、表示結果を導出表示させる(点滅を停止してどちらか一方を点灯させる)制御が行なわれる。普通図柄表示部3の可変表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器3aの点灯表示(○印の点灯表示)である場合には、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0034】
始動入賞記憶数が上限数になっていない状態で打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、可変表示の実行条件が成立する。そして、このように可変表示の実行条件が成立した始動入賞については、その始動入賞よりも前に生じたその他の始動入賞についての始動入賞記憶がなく図柄の変動を開始できる状態となれば可変表示の開始条件が成立し、特別図柄表示部9において特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、始動入賞があって可変表示の実行条件が成立したときでも、その始動入賞に応じた図柄の可変表示が開始できる状態でなく、まだ可変表示の開始条件が成立しない状態であれば、始動入賞記憶が1増やされる。そして、特別図柄表示部9での可変表示が開始されるごとに始動入賞記憶が1ずつ減り、点灯するLEDが1ずつ減らされる。記憶された始動入賞についての可変表示の開始条件は、他の始動入賞記憶が消化(可変表示が実行されることにより消化)されてその始動入賞記憶に基づく可変表示が実行できるようになったときに成立し、その可変表示の開始条件の成立に応じて可変表示が開始される。
【0035】
特別図柄表示部9で開始された特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。導出表示された特別図柄の組合せが特定の表示態様としての大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)なると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生する。このように、可変表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなると、パチンコ遊技機1の遊技状態を、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる制御が行なわれる。つまり、パチンコ遊技機1では、可変表示装置8の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値(遊技価値)が付与されるのである。
【0036】
大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間(たとえば30秒)経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放させる制御が行なわれる。そして、打球が大入賞口20の開放中に特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0037】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド(図示省略)により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、振分部材がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、振分部材がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0038】
また、可変表示装置8の可変表示中(この場合は、特別図柄表示部9の更新表示中)においては、リーチ状態(リーチ表示態様)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の識別情報の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の識別情報の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている識別情報の表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0039】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0040】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0041】
可変表示の停止時における特別図柄表示部9での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる(大当りが発生しやすくなる)。つまり、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様のうちの特別の表示態様となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様のうちの特別の表示態様以外の表示態様となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件(たとえば次回の大当り状態が発生すること)が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【0042】
また、確率変動状態では、普通図柄表示部3における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、特別図柄表示部9および普通図柄表示部3における図柄の変動(可変表示)開始から変動停止までの時間である変動時間が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0043】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述する表示制御用マイクロコンピュータにおいて予め定められたランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0044】
以上に示したようなパチンコ遊技機1の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、遊技制御基板(図2参照)に設けられたCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御用マイクロコンピュータ(図2参照)により実行される。
【0045】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0046】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0047】
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、ランプ制御基板35、および表示制御基板80が示されている。
【0048】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ22、Vカウントスイッチ23、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、始動入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21等のソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0049】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示部9の可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、および、確率変動が生じたことを示す確変情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0050】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0051】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図2においてそれらは省略されている。
【0052】
また、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段であるランプ制御用マイクロコンピュータ350が、遊技効果LED28a28b,28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、ゲート通過記憶表示器41、および、始動入賞記憶表示器18のような発光体の表示制御を行なう。このランプ制御用マイクロコンピュータ350の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0053】
遊技制御基板31からランプ制御基板35には、ランプ制御基板35により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が伝送される。ランプ制御基板35では、ランプ制御用マイクロコンピュータ350が、ランプ制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0054】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段である表示制御用マイクロコンピュータ800が、特別図柄を可変表示する特別可変表示部9および普通図柄を可変表示する普通可変表示部3の表示制御を行なう。この表示制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と基本的に同様である。
【0055】
遊技制御基板31から表示制御基板80には、表示御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である表示制御コマンド等の情報が伝送される。表示制御基板80では、表示制御用マイクロコンピュータ800が、表示制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。たとえば、表示制御コマンドでは、可変表示の変動パターン(可変表示時間も含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。
【0056】
また、この実施の形態では、音制御基板70に搭載されている音制御手段である音制御用マイクロコンピュータ700が、スピーカ27へ与える音制御信号を制御することによりスピーカ27から出力される(発生される)音声の制御を行なう。この音制御用マイクロコンピュータ700の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0057】
遊技制御基板31から音制御基板70には、音制御基板70により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である音制御コマンド等の情報が伝送される。音制御基板70では、音制御用マイクロコンピュータ700が、音制御コマンドに応じて制御対象機器、すなわち、スピーカ27を駆動する制御を行なう。
【0058】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0059】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理(たとえば、RAMの内容の保存処理)を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0060】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0061】
なお、図2においては、可変表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ個別のマイクロコンピュータに含ませる例を示したが、これに限らず、可変表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータに含ませ、そのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0062】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ表示態様とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の可変表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0063】
図3は、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【0064】
このパチンコ遊技機1では、前述した大当り状態を発生させるか否か等をランダムカウンタのカウント値(乱数)によりランダムに決定する。以下に、ランダムカウンタの代表例を示す。
【0065】
ランダムカウンタR1は、可変表示装置8の表示結果に基づいて特定遊技状態としての大当りを発生させるか否かをランダムに決定するための数値データ更新手段である。言い換えると、ランダムカウンタR1は、可変表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かの判定をするために用いられる。このR1は、0からカウントアップしてその上限である249までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。このカウント動作は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
【0066】
始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてR1のカウント値が抽出される。その抽出されたR1の値が、予め定められた大当り判定値(たとえば、7)と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたR1の値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させる制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態(非確率変動状態ともいう)においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。
【0067】
確率変動状態においては、大当り判定値がたとえば5つの数値に設定される。これにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が通常の確率状態の5倍となり、このようにして大当りと判定される確率が向上するのである。このような確率変動状態は、確率向上状態、または、高確率状態ともいう。
【0068】
ランダムカウンタR2−1は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR2−1のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での左図柄の予定停止図柄をランダムに決定するためのものである。
【0069】
このR2−1は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。後述するように、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は、割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である余り時間に、無限ループを利用して所定のランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行する。R2−1は、この無限ループを利用した加算処理も行なわれている。
【0070】
R2−1の0〜11のカウント値は、12種類の左図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の左図柄の予定停止図柄として決定され、停止表示される。
【0071】
ランダムカウンタR2−2は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR2−2は、R2−1が上限値11までカウントアップすることによる桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。R2−2のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での中図柄の予定停止図柄をランダムに決定するために用いられる。
【0072】
R2−2の0〜11のカウント値は、12種類の中図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前のタイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の中停止図柄として決定され、停止表示される。
【0073】
ランダムカウンタR2−3は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。ランダムR2−3カウンタは、R2−2の桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。R2−3のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での右図柄の予定停止図柄をランダムに決定するために用いられる。
【0074】
R2−3の0〜11のカウント値は、12種類の右停止図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の右図柄として決定され、停止表示される。
【0075】
ランダムカウンタR3は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR3は、2msecごとに1加算更新される。このR3のカウント値は、大当り事前決定時の停止図柄(左,中,右図柄が同一の停止図柄)である大当り図柄の組合せをランダムに決定するために用いられる。
【0076】
このR3のカウント値は、所定のタイミング(変動開始タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する左,中,右図柄が大当り図柄の組合せとして表示される。
【0077】
ランダムカウンタR4は、0からカウントアップしてその上限である149までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR4は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。このR4のカウント値は、特別図柄の変動表示における変動パターンの種類を複数種類の変動パターンのうちからランダムに選択決定するために用いられる。
【0078】
この実施の形態の場合、このR4のカウント値は、所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する種類の変動パターンで可変表示が行なわれる。この実施形態の場合、リーチ表示態様が発生した場合の変動パターンおよびリーチ表示態様が発生しない場合の変動パターンがそれぞれこのR4のカウント値に基づいてランダムに決定される。
【0079】
ランダムカウンタR5は、0からカウントアップしてその上限である23までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR6は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。このR6のカウント値は、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(たとえば始動入賞記憶時)で抽出され、大当り判定ではずれとすることが決定された場合に、予め定められたタイミング(たとえば保留されている始動入賞記憶に基づく可変表示を行なう順番が来たこと)でリーチ表示態様を表示するか否かを判定(決定)するために用いられる。R5の抽出値が予め定められたリーチ選択値である場合には、リーチ表示態様とすることが決定される。
【0080】
ランダムカウンタR6は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR6は、2msecごとに1加算更新されるとともに、割込み処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。
【0081】
このR6のカウント値は、R5によりリーチ表示態様での表示を行なうことが決定された場合のリーチ形成図柄(左,右図柄が同一の停止図柄であり、以下、リーチ図柄とも呼ぶ)を決定するために用いられる。このR6のカウント値は、所定のタイミング(変動開始前の所定のタイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する左,右図柄がリーチ図柄の組合せとして表示される。
【0082】
ランダムカウンタR7は、0からカウントアップしてその上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR7は、2msecごとに1加算更新されるとともに、割込み処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。
【0083】
このR7のカウント値は、前述したR1のカウント値に基づいて大当りを発生させることが決定されたときに、その大当りにおける大当り遊技の終了後において、確率変動状態に制御するか否かをランダムに決定するため、すなわち、確率変動判定のために用いられる。言い換えると、ランダムカウンタR7は、大当りとする判定がされたときに、可変表示の表示結果を確率変動図柄とするか否かの判定をするために用いられる。このR7のカウント値は、所定のタイミング(R1のカウント値に基づいて大当りを発生させることが決定された後であって、前述したR3のカウント値に基づく大当り図柄の決定前のタイミング)で抽出される。そして、R7の抽出値が予め定められた確率変動判定値と一致した場合には確率変動状態を発生させる制御が行なわれ、一方、R7の抽出値が予め定められた非確率変動判定値と一致した場合には確率変動状態を発生させる制御が行なわれない。より具体的に、非確率変動状態において大当りの発生が決定されたときには新たに確率変動状態に制御するか否かの決定のためにR7の抽出値が用いられ、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときには既に制御中の確率変動状態を継続させるか否かの決定のためにR7の抽出値が用いられる。確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに行なわれる確率変動状態を継続させるか否かの決定は、逆の観点から表現すると、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに確率変動状態から非確率変動状態へ抜けさせる(移行させる)か否かの決定である。このため、以下の説明においては、非確率変動状態における大当り時での確率変動状態の決定と、確率変動状態における大当り時での確率変動状態の決定とを区別するために、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに行なわれる確率変動状態を継続させるか否かの決定を、確率変動状態を抜けさせるか否かの決定というような表現で示す。
【0084】
ランダムカウンタR8は、0からカウントアップしてその上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR8は、R7の桁上げごとに1ずつ加算更新される。
【0085】
このR8のカウント値は、確率変動状態に制御されているときにおいて、確率変動状態から抜ける確率(以下、確変抜け確率という)データを複数の確率データのうちからランダムに選択するために用いられる数値データ更新手段である。このR8のカウント値は、所定のタイミング(非確率変動状態においてR1の抽出値に基づいて大当りを発生させることが決定され、かつ、R7の抽出値に基づいて確率変動状態を発生させることが決定された後のタイミング)で抽出される。
【0086】
そして、R8のカウント値は、複数の確変抜け確率データのそれぞれに対応付けられている。このR8の抽出値に対応する確変抜け確率データが、非確率変動状態に制御されているときにおいて確率変動状態となる大当りの発生が事前決定されたときに、当該確率変動状態が終了するまでの期間(確変継続期間)において大当りの発生が事前決定されるごとに確率変動状態を継続させるか否かの判定(具体的には、確率変動判定)に用いられる。これにより、1回の確率変動状態に制御されているときにおいて大当りが事前決定されたときに確率変動状態を継続させる確率は、一定となる。また、1回の確率変動状態に制御されているときにおいて大当りが事前決定されたときに確率変動状態を継続させる確率は、確率変動状態の発生ごとに変化し得る。
【0087】
次に、ランダムカウンタR2−1〜R2−3の値と選択される左,中,右図柄との関係を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のROMには、以下に示すような関係を示すデータテーブルが記憶されており、RAMに読出されて停止図柄の選択決定のために用いられる。
【0088】
この実施の形態では、左,中,右の各特別図柄として可変表示される図柄の種類および順序は、左,中,右図柄で同一であり、「1」〜「12」の12(複数種類)の図柄である。このような「1」〜「12」の12図柄には、順に1から12までの図柄ポジション番号が定められている。
【0089】
この図柄ポジション番号により表示される図柄が特定される。これらの図柄は、変動表示の際に、図柄ポジション番号順に出現する態様で表示されていき、図柄ポジション番号12の図柄「12」が表示されると、次に図柄ポジション番号1の図柄「1」から順に出現する態様で表示される。
【0090】
R2−1〜R2−3のそれぞれの抽出値「0」〜「11」は、それぞれ各図柄の「1」〜「12」の図柄ポジション番号に対応付けられており、各ランダムカウンタの抽出値が対応する図柄ポジション番号の図柄が可変表示における停止表示図柄として事前決定される。
【0091】
また、前述したリーチ図柄を決定する場合のR6の値と選択されるリーチ図柄(左,右図柄で一致)との関係は、それぞれ前述した左,中,右図柄と各ランダムカウンタとの関係と同様であり、ROM54にそのような関係を示すデータテーブルが記憶され、RAM55に読出されてリーチ図柄の決定のために使用される。
【0092】
また、前述した大当り図柄を決定する場合のR3の値と選択される大当り図柄(左,中,右図柄で一致)との関係は、次のように設定されている。R3の抽出値「0」〜「11」は、ランダムカウンタR7の抽出値に基づいて確率変動状態が決定された場合と、ランダムカウンタR7の抽出値に基づいて非確率変動状態が決定された場合とで、「1」〜「12」の図柄ポジション番号への対応付けが異なる。つまり、確率変動状態が決定された場合にはR3の抽出値「0」〜「11」のそれぞれが「1」〜「12」の図柄ポジション番号のうちの確率変動図柄(この実施の形態の場合には奇数の図柄)のそれぞれの図柄ポジション番号に対応付けられたデータテーブルが使用され、一方、非確率変動状態が決定された場合にはR3の抽出値「0」〜「11」のそれぞれが「1」〜「12」の図柄ポジション番号のうちの非確率変動図柄(この実施の形態の場合には偶数の図柄)のそれぞれの図柄ポジション番号に対応付けられたデータテーブルが使用される。これにより、確率変動状態が決定された場合には確率変動図柄のみが大当り図柄として決定され、一方、非確率変動状態が決定された場合には非確率変動図柄のみが大当り図柄として決定される。このようなデータテーブルは、ROM54に記憶され、RAM55に読出されて大当り図柄の決定のために使用される。
【0093】
以上に示したような大当り判定機能、確率変動判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能、および、停止図柄決定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0094】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0095】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では、特別図柄表示部9における可変表示の制御を指令するために表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信するが、そのコマンドの送信は、基本的に、次のように行なわれる。
【0096】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。その後、特別図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0097】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0098】
表示制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0099】
このパチンコ遊技機1においては、確率変動状態が比較的多くの回数継続する時期がある一方であまり継続しない時期もあるというような、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すために次のような制御を行なう。
【0100】
確率変動状態に制御されていない状態(非確率変動状態)における可変表示の表示結果について、大当り図柄の組合せとする判定(具体的には大当り決定)がされ、かつ、その大当り時の停止図柄を確率変動図柄の組合せとする判定(具体的には確率変動決定)がされるごとに確率変動抜け確率(確率変動状態から抜けて非確率変動状態になる確率)データが複数の確率変動抜け確率(以下、確変抜け確率と略する)データから選択される。そして、そのように選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当り図柄の組合せとする判定(具体的には大当り決定)がされたときに確率変動図柄の組合せとするか否かの判定(具体的には確率変動判定)に用いられる。このようにして確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すための制御内容を以下に具体例に説明する。
【0101】
ランダムカウンタR1の抽出値に基づいて大当り遊技状態に制御することが事前決定されたときに確率変動状態に制御するか否かの決定には、確変抽選テーブルが用いられる。
【0102】
図4は、確変抽選テーブルにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【0103】
図4を参照して、R7の抽出値が「0」〜「49」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定される。一方、R7の抽出値が「50」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、非確率変動状態において大当り状態が発生するときに確率変動状態が生じる確率は1/2となる。
【0104】
また、前述した確変抜け確率データの選択には、確変抜け確率選択テーブルが用いられる。この確変抜け確率選択テーブルは、ランダムカウンタR8の抽出値と、確変抜け確率が異なる複数種類の確変抜け抽選テーブルとの関係を示すデータテーブルである。ここで、確変抜け抽選テーブルとは、確率変動状態において大当りとすることが事前決定されたときに確率変動状態から抜けさせるか否かを決定するためのテーブルであり、言い換えると、確率変動状態において大当りとすることが事前決定されたときに確率変動状態を継続させるか否かを決定するためのテーブルである。
【0105】
図5は、確変抜け確率選択テーブルにおけるランダムカウンタR8の抽出値と選択対象の複数の確変抜け抽選テーブルのそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【0106】
図5を参照して、R8の抽出値が「0」〜「24」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が75%であるデータにより構成される第1確変抜け抽選テーブルが選択決定される。R8の抽出値が「25」〜「74」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が50%であるデータにより構成される第2確変抜け抽選テーブルが選択決定される。R8の抽出値が「75」〜「99」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が25%であるデータにより構成される第3確変抜け抽選テーブルが選択決定される。
【0107】
このような確変抜け確率選択テーブルを用いてランダムカウンタR8の抽出値に基づいて、複数の確変抜け抽選テーブルのうちから1つの確変抜け抽選テーブルを選択することにより、確変抜け確率データを複数の確変抜け確率データのうちから選択的に決定することができる。
【0108】
次に、前述した第1〜第3確変抜け抽選テーブルについて具体的に説明する。図6は、第1〜第3確変抜け抽選テーブルのそれぞれにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。図6においては、(a)に第1確変抜け抽選テーブル、(b)に第2確変抜け抽選テーブル、(c)に第3確変抜け抽選テーブルがそれぞれ示されている。
【0109】
(a)を参照して、第1確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「74」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「75」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第1確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、75%となる。
【0110】
(b)を参照して、第2確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「49」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「50」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第2確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、50%となる。
【0111】
(c)を参照して、第3確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「24」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「25」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第3確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、25%となる。
【0112】
次に、以上のような各種テーブルを用いて制御される確率変動状態について、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率(確率変動状態に移行する確率)が1/2(50%)の確率に設定され、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率(非確率変動状態に移行する確率)が1/2(50%)の確率に設定されていることを説明する。
【0113】
まず、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率は、図4での非確率変動状態に対応する抽出値の数と確率変動状態に対応する抽出値の数との割合から明らかなように、1/2(50%)である。
【0114】
次に、確率変動状態において大当り状態となったときの確変抜け確率は、次のように計算される。図6の(a)〜(b)のそれぞれにおける非確率変動状態に対応する抽出値の数と確率変動状態に対応する抽出値の数との割合から明らかなように、第1確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は75%(3/4)であり、第2確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は50%(2/4)であり、第3確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は25%(1/4)である。そして、図5に示される第1〜第3確変抜け抽選テーブルに対応する抽出値の数の割合から明らかなように、第1確変抜け抽選テーブルが選択される確率は25%(1/4)であり、第2確変抜け抽選テーブルが選択される確率は50%(2/4)であり、第3確変抜け抽選テーブルが選択される確率は25%(1/4)である。
【0115】
したがって、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第1確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.75×0.25=3/16」となる。また、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第2確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.50×0.50=4/16」となる。また、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第3確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.25×0.25=1/16」となる。そして、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに確変抜けとなる総体的確率は、これら3つの確率を合計した値であり、「(3/16)+(4/16)+(1/16)=1/2」となり、50%である。
【0116】
これにより、このパチンコ遊技機1においては、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率と、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率とが同じ確率(50%)に設定されているのである。
【0117】
このように確率変動状態への突入確率と非確率変動状態への抜け確率とを同じ確率にするためには、各確率を次のような方程式を満足するように設定すればよい。つまり、突入確率をA、第1確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をX、第2確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をY、第3確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をZ、第1確変抜け抽選テーブルが選択される確率をa、第2確が選択される確率をb、第3確変抜け抽選テーブルが選択される確率をcとした場合に、「X+Y+Z=1」と「a・X+b・Y+c・Z=A」との2つの方程式を満足するように各確率を設定すれば、確率変動状態への突入確率と非確率変動状態への抜け確率とを同じ確率にすることができる。
【0118】
また、このパチンコ遊技機1においては、前述したように非確率変動状態において大当りとすることが決定された場合に、選択決定された確変抜け確率が所定のタイミングで報知される。このような報知は、確変抜け確率報知と呼ばれる。
【0119】
次に、非確率変動状態において大当りとすることが決定された場合に行なわれる確変抜け確率報知の具体例を説明する。図7は、確変抜け確率報知の具体例を示す図である。
【0120】
図7には、特別図柄表示部9により表示される画像と、スピーカ27から出力される音声とのそれぞれにより確変抜け確率が特定可能に報知される例が模式的に示されている。特別図柄表示部9においては、図中に下向きの矢印で可変表示中(変動中)であることが示される特別図柄の下側で、「確変抜率25%」という文字により確変抜け確率を特定可能に報知する画像が表示される。さらに、スピーカ27からは、「確変抜率25%」という確変抜け確率を特定可能に報知する音声が出力される。
【0121】
次に、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すために遊技制御用マイクロコンピュータ53においてサブルーチンとして実行される処理である確率変動設定処理を説明する。図8は、確率変動設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【0122】
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、始動入賞があったか否かが判断される。S1により始動入賞がなかったと判断された場合は、この確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。一方、S1により始動入賞があったと判断された場合は、S2に進み、始動入賞に基づいて大当りとする事前決定がされたか否かが判断される。
【0123】
S2により大当りとする事前決定がされていないと判断された場合、すなわち、はずれとする事前決定がされた場合には、この確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。一方、S2により大当りとする事前決定がされたと判断された場合は、S3に進み、確変フラグがON状態であるか否かが判断される。ここで、確変フラグとは、非確率変動状態から確率変動状態に制御することについての実行決定がされた場合にON状態にされ、確率変動状態からに非確率変動状態に制御することについての実行決定がされた場合にOFF状態にされるフラグである。
【0124】
S3により確変フラグがON状態ではない、すなわち、OFF状態であると判断された場合は、S4に進み、第1設定処理が実行される。この第1設定処理は、非確率変動状態において大当りとすることが決定されたときの確率変動状態に関する各種設定をするための処理であり、図9を用いて具体的な内容を後述する。S4の後、確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。
【0125】
一方、S3により確変フラグがON状態であると判断された場合は、S5に進み、第2設定処理が実行される。この第2設定処理は、確率変動状態において大当りとすることが決定されたときの確率変動状態に関する各種設定をするための処理であり、図10を用いて具体的な内容を後述する。S5の後、確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。
【0126】
次に、前述したS4により実行される第1設定処理の処理内容を説明する。図9は、第1設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0127】
第1設定処理においては、まず、S11により、ランダムカウンタR7の値が抽出され、図4に示される確変抽選テーブルを用い、その抽出値に基づいて確率変動状態とするか否かが判定される。
【0128】
次に、S12に進み、S11での判定により確率変動状態への制御の実行が決定されたか否かが判断される。S11により確率変動状態への制御の実行が決定されていないと判断された場合、すなわち、非確率変動状態とする決定がされた場合は、この第1設定処理が終了してリターンする。
【0129】
一方、S12により確率変動状態への制御の実行が決定されたと判断された場合は、S13に進み、大当りの決定確率を高確率化する設定が行なわれる。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上した確率変動状態となる。次に、S14に進み、前述した確変フラグをON状態にする処理がなされる。
【0130】
次に、S15に進み、ランダムカウンタR8の値が抽出され、図5に示される確変抜け確率選択テーブルを用い、その抽出値に基づいて3つの確変抜け抽選テーブルのうちから1つのテーブルを選択決定する処理がなされる。これにより、確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データのうちのいずれかに選択決定される。このように選択決定された確変抜け確率は、この確率変動状態が終了するまで継続的に使用される。そして、S16に進み、S15により選択された確変抜け確率を、図7に示す報知態様で報知することが指定される。これにより、確率変動状態の開始当初から確率変動状態が終了するまで等の予め定められた報知タイミングで確変抜け確率が報知される。S16の後、この第1設定処理が終了してリターンする。
【0131】
次に、前述したS5により実行される第2設定処理の処理内容を説明する。図10は、第2設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0132】
第2設定処理においては、まず、S21により、ランダムカウンタR7の値が抽出され、前述したS15により選択された図6の(a)〜(c)のうちのいずれかの確変抜け抽選テーブルを用い、その抽出値に基づいて確率変動状態とするか否か、言い換えると、確率変動状態から非確率変動状態に抜けるか否かが判断される。
【0133】
次に、S22に進み、S21での判定により確率変動状態から非確率変動状態に抜ける確変抜けの制御の実行が決定されたか否かが判断される。S22により確変抜けの制御の実行が決定されていないと判断された場合、すなわち、確率変動状態とする決定(確率変動状態の継続の決定)がされた場合は、この第2設定処理が終了してリターンする。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上した確率変動状態が継続される。一方、S22により確変抜けの制御の実行が決定されたと判断された場合、すなわち、非確率変動状態とする決定がされた場合は、S23に進み、大当りの決定確率を低確率化する設定が行なわれる。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上していない非確率変動状態となる。S23の後、S24に進み、前述した確変フラグがOFF状態にされ、その後、この第2設定処理が終了してリターンする。
【0134】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図8および図9に示されるように、確率変動状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、S15に示されるように、大当り状態とする判定がされ、かつ、確率変動状態とする判定がされるごとに確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データから選択され、その選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当りとする判定がされたときに確率変動状態とするか否かの判定に用いられる。このため、非確率変動状態から確率変動状態になるごとに確率変動状態が継続して発生する確率が変化し得るとともに、確率変動状態に制御されている期間での確変抜け確率が変化しないので、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態(確率変動状態が比較的多くの回数継続する時期がある一方であまり継続しない時期もあるというような状態)を意図的に作り出すことができる。その結果、遊技機開発の技術思想を実際の遊技機の遊技状況に反映することができ、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0135】
また、図6の(a)〜(c)に示される複数の確変抜け抽選テーブルによる複数の確変抜け確率データは、図5に示されるように、確変抜け確率が高い方(75%)が選択確率が低く(25%)、確変抜け確率が低い方(50%)が選択確率が高く(50%)なるように選択確率が設定されているので、確率変動状態が継続して発生しやすい時期が選択されにくく、確率変動状態が継続して発生しにくい時期が選択されやすいので、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、確率変動状態の継続しやすさを適当な度合いに収束させることができる。確変抜け確率と選択確率との関係を適当に調整することにより、平均的な確率変動状態の継続しやすさを遊技機の開発段階で意図した度合いに収束させることができる。
【0136】
また、前述したように、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに、図5に示された確率で第1〜第3確変抜け抽選テーブルのいずれかを用いて確変抜けとなる総体的確率が、非確率変動状態での可変表示の表示結果について大当りとする判定がされたときにR7の抽出値により確率変動が決定される確率と同じ確率(50%)に設定されている。このため、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、確率変動状態の発生しやすさを適当な度合いにでき、非確率変動状態から確率変動状態になる確率と、確率変動状態からさらに確率変動状態となるときの総合的な確率とを同じ確率に収束させることができる。
【0137】
また、図7に示されるように、確変抜け確率が特定可能に報知されるので、遊技者が確変抜け確率を認識することができるため、確率変動状態の継続に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0138】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、確率変動状態とするか否かの判定をランダムカウンタR7を用いて行なう例を示した。しかし、これに限らず、確率変動状態とするか否かの判定は、決定された大当り図柄の組合せが確率変動図柄であるか否かを判断することにより判定してもよい。つまり、大当りとすることが事前決定されたときには、まず、大当り図柄をランダムに決定(確率変動図柄、非確率変動図柄の両方を含む複数の大当り図柄のうちから大当り図柄を決定する)する。そして、その決定された大当り図柄が確率変動図柄である場合には確率変動状態とすることを決定し、一方、その決定された大当り図柄が非確率変動図柄である場合には確率変動状態としないことを決定する。
【0139】
(2) 前述した実施の形態においては、図7に示されるように、確変抜け確率報知を、特別図柄表示部9での表示による報知とスピーカ27からの音声による報知とにより行なう例を示した。しかし、これに限らず、確変抜け確率報知は、装飾ランプ25等の所定のランプ(発光体)により行なうようにしてもよい。ランプによる確変抜け確率報知の態様としては、たとえば、ランプをレベルメータ(ランプを複数集合配置し、確変抜け確率の高さに応じて点灯する数を変化させることにより、確変抜け確率の高さのレベルを示すもの)のような態様で発光させてもよい。確変抜け確率報知は、表示による報知のみ、音声による報知のみ、ランプによる報知のみ、表示による報知と音声による報知との組合せ、表示による報知とランプによる報知との組合せ、音声による報知とランプによる報知との組合せ、および、表示による報知と音声による報知とランプによる報知との組合せのうちのいずれの態様で行なってもよい。つまり、確変抜け確率報知は、表示による報知と音声による報知とランプによる報知との少なくとも1つの報知態様で行なえばよい。
【0140】
(3) 前述した実施の形態においては、確変抜け確率報知について、選択決定された確変抜け確率をそのまま正しく報知する例を示したが、次のような演出を含む報知態様で確変抜け確率報知を行なうようにしてもよい。たとえば、確変抜け確率が25%に決定されたときにおいて、確率変動状態の開始当初から確変抜け確率が75%(偽りの確変抜け確率)である偽りの報知をし、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生した段階から確変抜け確率が25%(真の確変抜け確率)である真の報知をする演出を行なうようにしてもよい。
【0141】
(4) 前述した実施の形態においては、確変抜け確率報知を確率変動状態の開始当初から行なう例を示したが、これに限らず、確変抜け確率報知の開始タイミングとしては、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生してから行なうようにしてもよい。また、確変抜け確率報知は、確変抜け確率が所定確率以下(たとえば、25%以下)であるときにのみ行なうようにしてもよい。その場合の報知開始タイミングは、確率変動状態の開始当初から、または、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生してからのどちらの開始タイミングであってもよい。また、確変抜け確率報知は、確率変動状態に制御されることが決定されたときに、報知を行なうか否かをランダムに決定し、その決定にしたがって行なうようにしてもよい。このような偽りの報知は、所定の確率(100%よりも低い確率)で行なうようにしてもよく、常に行なうようにしてもよい。
【0142】
(5) 前述した実施の形態においては、表示制御用マイクロコンピュータ800、ランプ制御用マイクロコンピュータ350、および、音制御用マイクロコンピュータ700がそれぞれ独立的に設けられている例を示したが、これに限らず、これらのマイクロコンピュータが有する機能を1つのマイクロコンピュータに持たせるようにしてもよい。つまり、可変表示制御、ランプ制御、および、音制御を1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。また、可変表示制御と、ランプ制御または音制御のうちのいずれか1つとを1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。
【0143】
(6) また、前述した実施の形態においては、可変表示制御用のマイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から各種制御用のコマンドを受け、さらに、ランプ制御用のマイクロコンピュータ、および、音制御用のマイクロコンピュータのそれぞれに各制御用のコマンドを送信することにより、可変表示制御、ランプ制御、および、音制御が同期して実行される演出制御が実行できるようにしてもよい。
【0144】
(7) 前述した実施の形態においては、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率と、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率とを1/2(50%)という同じ確率にした例を示したが、これらの確率を同じにする場合の確率としては、1/2に限定されるものではなく、1/4、1/6等のその他の確率に設定してもよい。
【0145】
(8) 前述した実施の形態においては、図7に示すように、「確変抜率25%」という画像表示のように、確変抜け確率そのものを報知する例を示した。しかし、これに限らず、確変抜け確率については、確変継続確率(確率変動状態が次の大当り遊技状態後にも継続する確率であり、たとえば、確変抜け確率が25%のときは75%が確変継続確率となる)を報知することにより、逆算的に確変抜け確率を遊技者が把握することができるようにしてもよい。つまり、確変抜け確率の報知については、直接的に確変抜け確率を報知する場合と、間接的に確変抜け確率を報知する場合とのどちらであってもよく、確変抜け確率が特定可能なように報知すればよい。
【0146】
(9) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】パチンコ遊技機の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図4】確変抽選テーブルにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図5】確変抜け確率選択テーブルにおけるランダムカウンタR8の抽出値と選択対象の複数の確変抜け抽選テーブルのそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図6】第1〜第3確変抜け抽選テーブルのそれぞれにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図7】確変抜け確率報知の具体例を示す図である。
【図8】確率変動設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】第2設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 特別図柄表示部、8 可変表示装置、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、27 スピーカ、25 装飾ランプ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、図柄等の識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次回の特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となりやすい特別遊技状態(確率変動状態)に制御可能となるように構成されたものがあった。
【0003】
このような遊技機では、始動入賞に応じて特定遊技状態を発生させるか否かを決定し、特定遊技状態を発生させることが決定されるごとに、特別遊技状態を発生させるか否かが決定されていた。このような特別遊技状態を発生させるか否かは、特別遊技状態の決定確率が異なる複数の乱数テーブルを設け、特定遊技状態を発生させることが決定されるごとに乱数テーブルを選択的に使用して決定されていた。このような遊技機では、特別遊技状態を発生させるかを決定する確率が、特定遊技状態の発生が決定されるごとに複数の決定確率のうちから選択されるので、特別遊技状態が比較的多くの回数継続する特別遊技状態の集中する時期を作り出すことができ、特別遊技状態の継続発生の仕方が変化に富む。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、遊技機開発の技術思想として、たとえば、特別遊技状態が比較的多くの回数継続する特別遊技状態の集中する時期がある一方であまり継続しない特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態を発生させるというような技術思想がある。このような特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態を意図的に作り出せれば、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0005】
しかし、前述したような従来の遊技機では、特別遊技状態を発生させるか否かを決定する確率が、特定遊技状態の発生が決定されるごとに複数の決定確率のうちから選択され、特定遊技状態の発生ごとに特別遊技状態の発生確率が異なることが多くなるので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるという状態が発生する頻度が低く、前述した技術思想を反映させることが困難であった。
【0006】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態もあるという技術思想を反映させ遊技の単調化を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 識別情報(特別図柄)の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置(可変表示装置8、特別図柄表示部9)を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様(大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様(確率変動図柄の組合せ)となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態(確率変動状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記可変表示の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かの判定を事前に行なう特定態様判定手段と(遊技制御用マイクロコンピュータ53の大当り事前判定機能)、
該特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記可変表示の表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なう特別態様判定手段(S11、S21)と、
前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別態様判定手段により前記特別表示態様としない判定をする確率である特別遊技抜け確率データ(確変抜け率)を、予め定められた選択確率(図5参照)に基づいて複数の特別遊技抜け確率データ(第1〜第3確変抜け抽選テーブル)のうちから選択する特別遊技抜け確率選択手段(S15)とを含み、
該特別遊技抜け確率選択手段は、前記特別遊技状態に制御されていない状態における前記可変表示の前記表示結果について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされ、かつ、前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定がされるごとに前記特別遊技抜け確率データを選択し(S3,S4,S13参照)、
前記特別態様判定手段は、前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率データを用いて前記表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なう(S14)。
【0008】
このような構成によれば、特別遊技状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、特定の表示態様とする判定がされ、かつ、特別表示態様とする判定がされるごとに特別遊技抜け確率データが複数の特別遊技抜け確率データから選択され、その選択された特別遊技抜け確率データが、特別遊技状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を特定の表示態様とする判定がされたときに特別表示態様とするか否かの判定に用いられる。このため、非特別遊技状態から特別遊技状態になるごとに、特別遊技状態が継続して発生する確率が変化し得るとともに、特別遊技状態に制御されている期間での特別遊技抜け確率が変化しないので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すことができる。その結果、遊技機開発の技術思想を実際の遊技機の遊技状況に反映することができ、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0009】
(2) 前記複数の特別遊技抜け確率データは、特別遊技抜け確率が高い方が、特別遊技抜け確率が低い方よりも前記選択確率が低くなるように前記選択確率が設定されている(図5)。
【0010】
このような構成によれば、複数の特別遊技抜け確率データは、特別遊技抜け確率が高い方が選択確率が低く、特別遊技抜け確率が低い方が選択確率が高くなるように選択確率が設定されているので、特別遊技状態が継続して発生しやすい時期が選択されにくく、特別遊技状態が継続して発生しにくい時期が選択されやすいので、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、特別遊技状態の継続しやすさを適当な度合いに収束させることができる。
【0011】
(3) 前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別遊技抜け確率選択手段により前記予め定められた選択確率に基づいて選択される前記複数の特別遊技抜け確率データを用いて前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定が行なわれる総体的確率(非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに、図5に示された確率で第1〜第3確変抜け抽選テーブルのいずれかを用いて確変抜けとなる総体的確率)が、前記特別遊技状態に制御されていない状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別表示態様とする判定が行なわれる確率(R7の抽出値により確率変動が決定される確率)と同じ確率(50%)に設定されている。
【0012】
このような構成によれば、特別遊技状態の集中する時期がある一方で特別遊技状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、特別遊技状態の発生しやすさを適当な度合いにでき、非特別遊技状態から特別遊技状態になる確率と、特別遊技状態からさらに特別遊技状態となるときの総合的な確率とを同じ確率に収束させることができる。
【0013】
(4) 前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率を特定可能に報知する報知手段(特別図柄表示部9、スピーカ27、装飾ランプ25)をさらに含む(図7参照)。
【0014】
このような構成によれば、特別遊技抜け確率選択手段により選択された特別遊技抜け確率が特定可能に報知されるので、遊技者が特別遊技抜け確率を認識することができるため、特別遊技状態の継続に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0016】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図である。
【0017】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿6が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿6の下部には、打球供給皿6から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され、該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0018】
この遊技領域7には、打球操作ハンドル5を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レール76に誘導されて打ち込まれるが、この遊技球は、誘導レール76と遊技領域7との境界に設けられた近接スイッチにより構成される打込球スイッチ77によって検出される。この打込球スイッチ77によって検出された遊技球の数は、後述する遊技制御基板31によって特定される。
【0019】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部9とLED表示器よりなる普通図柄表示部3とを含む可変表示装置8が設けられている。なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、特別図柄表示部9は、画像表示式の表示装置に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置であってもよい。
【0020】
特別図柄表示部9は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄(図柄画像)を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を可変表示可能な可変表示部である。ここで、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる特別図柄とは異なるものである。
【0021】
普通図柄表示部3は、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を可変表示可能である。なお、普通図柄表示部3により可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0022】
特別図柄表示部9の表示領域90では、表示画面上で左可変表示部,中可変表示部,右可変表示部という複数(3つ)の可変表示部を有し、これら可変表示部で特別図柄,中特別図柄,右特別図柄という複数(3つ)の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで可変表示される。表示領域90では、これら特別図柄をスクロール等の可変表示方式で可変表示可能であり、可変表示の表示結果を導出表示する。
【0023】
また、普通図柄表示部3は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器3aと、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器3bとを含む。当り表示器3aおよびはずれ表示器3bは、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示部3では、当り表示器3aおよびはずれ表示器3bを交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で可変表示(更新表示,変動表示ともいう)する。
【0024】
本実施の形態においては、LEDよりなる当り表示器3aおよびはずれ表示器3bを普通図柄表示部3に用いた場合を説明したが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を可変表示可能なものを普通図柄表示部3に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、普通図柄表示部3を特別図柄表示部9と分離構成した例を示したが、普通図柄表示部は、特別図柄表示部9を構成する液晶表示器の表示領域の一部により構成されてもよい。
【0025】
また、可変表示装置8には、それぞれ4個のLEDからなる始動入賞記憶表示器18とゲート通過記憶表示器41とが設けられている。この始動入賞記憶表示器18のLEDの点灯している数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動入賞口14への入賞(始動入賞)が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述するRAM55への記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0026】
また、ゲート通過記憶表示器41のLEDの点灯している数により、普通図柄の可変表示を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述するRAM55への記憶であり、普通始動記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0027】
なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示器18で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、特別図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示器18で表示される始動入賞記憶数を減らすための制御が行なわれるとともに、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0028】
また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示器41で表示される普通始動記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、普通図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、ゲート通過記憶表示器41で表示される始動入賞記憶数を減らすための制御が行なわれるとともに、普通図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0029】
可変表示装置8の下方位置には、ソレノイド(図2のソレノイド16)によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と、ソレノイド(図2のソレノイド21)により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30とが上から順に配列されている。始動入賞口14に入った球は、始動口スイッチ17によって検出された後、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20に入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0030】
遊技盤100には、複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。このように、複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0031】
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられいる。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。また、遊技領域7の外周には、遊技効果LED(遊技効果ランプ)28a,28b,28cが設けられている。
【0032】
遊技効果LED28aが遊技領域7の上方、遊技効果LED28bが遊技領域7の左側方、遊技効果LED28cが遊技領域7の右側方にそれぞれ設けられている。そして、この例では、遊技効果LED28bの近傍に景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、遊技効果LED28aの近傍に補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0033】
打球発射装置(図示省略)から発射され遊技領域7に入った打球(打玉)は、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄表示部3を所定期間可変表示させた(前述したように交互に点灯するよう点滅させた)後、表示結果を導出表示させる(点滅を停止してどちらか一方を点灯させる)制御が行なわれる。普通図柄表示部3の可変表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器3aの点灯表示(○印の点灯表示)である場合には、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0034】
始動入賞記憶数が上限数になっていない状態で打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、可変表示の実行条件が成立する。そして、このように可変表示の実行条件が成立した始動入賞については、その始動入賞よりも前に生じたその他の始動入賞についての始動入賞記憶がなく図柄の変動を開始できる状態となれば可変表示の開始条件が成立し、特別図柄表示部9において特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、始動入賞があって可変表示の実行条件が成立したときでも、その始動入賞に応じた図柄の可変表示が開始できる状態でなく、まだ可変表示の開始条件が成立しない状態であれば、始動入賞記憶が1増やされる。そして、特別図柄表示部9での可変表示が開始されるごとに始動入賞記憶が1ずつ減り、点灯するLEDが1ずつ減らされる。記憶された始動入賞についての可変表示の開始条件は、他の始動入賞記憶が消化(可変表示が実行されることにより消化)されてその始動入賞記憶に基づく可変表示が実行できるようになったときに成立し、その可変表示の開始条件の成立に応じて可変表示が開始される。
【0035】
特別図柄表示部9で開始された特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。導出表示された特別図柄の組合せが特定の表示態様としての大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)なると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生する。このように、可変表示の表示結果が大当り図柄の組合せとなると、パチンコ遊技機1の遊技状態を、通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる制御が行なわれる。つまり、パチンコ遊技機1では、可変表示装置8の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値(遊技価値)が付与されるのである。
【0036】
大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間(たとえば30秒)経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放させる制御が行なわれる。そして、打球が大入賞口20の開放中に特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0037】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド(図示省略)により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、振分部材がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、振分部材がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0038】
また、可変表示装置8の可変表示中(この場合は、特別図柄表示部9の更新表示中)においては、リーチ状態(リーチ表示態様)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の識別情報の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の識別情報の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている識別情報の表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0039】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0040】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0041】
可変表示の停止時における特別図柄表示部9での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる(大当りが発生しやすくなる)。つまり、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様のうちの特別の表示態様となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様のうちの特別の表示態様以外の表示態様となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件(たとえば次回の大当り状態が発生すること)が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【0042】
また、確率変動状態では、普通図柄表示部3における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、特別図柄表示部9および普通図柄表示部3における図柄の変動(可変表示)開始から変動停止までの時間である変動時間が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0043】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述する表示制御用マイクロコンピュータにおいて予め定められたランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0044】
以上に示したようなパチンコ遊技機1の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、遊技制御基板(図2参照)に設けられたCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御用マイクロコンピュータ(図2参照)により実行される。
【0045】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0046】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0047】
図2は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、ランプ制御基板35、および表示制御基板80が示されている。
【0048】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ22、Vカウントスイッチ23、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、始動入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21等のソレノイドを遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0049】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示部9の可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、および、確率変動が生じたことを示す確変情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0050】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0051】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図2においてそれらは省略されている。
【0052】
また、この実施の形態では、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段であるランプ制御用マイクロコンピュータ350が、遊技効果LED28a28b,28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、ゲート通過記憶表示器41、および、始動入賞記憶表示器18のような発光体の表示制御を行なう。このランプ制御用マイクロコンピュータ350の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0053】
遊技制御基板31からランプ制御基板35には、ランプ制御基板35により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報であるランプ制御コマンド等の情報が伝送される。ランプ制御基板35では、ランプ制御用マイクロコンピュータ350が、ランプ制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0054】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に搭載されている表示制御手段である表示制御用マイクロコンピュータ800が、特別図柄を可変表示する特別可変表示部9および普通図柄を可変表示する普通可変表示部3の表示制御を行なう。この表示制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と基本的に同様である。
【0055】
遊技制御基板31から表示制御基板80には、表示御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である表示制御コマンド等の情報が伝送される。表示制御基板80では、表示制御用マイクロコンピュータ800が、表示制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。たとえば、表示制御コマンドでは、可変表示の変動パターン(可変表示時間も含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。
【0056】
また、この実施の形態では、音制御基板70に搭載されている音制御手段である音制御用マイクロコンピュータ700が、スピーカ27へ与える音制御信号を制御することによりスピーカ27から出力される(発生される)音声の制御を行なう。この音制御用マイクロコンピュータ700の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0057】
遊技制御基板31から音制御基板70には、音制御基板70により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である音制御コマンド等の情報が伝送される。音制御基板70では、音制御用マイクロコンピュータ700が、音制御コマンドに応じて制御対象機器、すなわち、スピーカ27を駆動する制御を行なう。
【0058】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0059】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理(たとえば、RAMの内容の保存処理)を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0060】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0061】
なお、図2においては、可変表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とをそれぞれ個別のマイクロコンピュータに含ませる例を示したが、これに限らず、可変表示制御機能、ランプ制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータに含ませ、そのマイクロコンピュータが前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0062】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ表示態様とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の可変表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の予定停止図柄の決定等の制御内容の決定について、決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0063】
図3は、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【0064】
このパチンコ遊技機1では、前述した大当り状態を発生させるか否か等をランダムカウンタのカウント値(乱数)によりランダムに決定する。以下に、ランダムカウンタの代表例を示す。
【0065】
ランダムカウンタR1は、可変表示装置8の表示結果に基づいて特定遊技状態としての大当りを発生させるか否かをランダムに決定するための数値データ更新手段である。言い換えると、ランダムカウンタR1は、可変表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かの判定をするために用いられる。このR1は、0からカウントアップしてその上限である249までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。このカウント動作は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
【0066】
始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてR1のカウント値が抽出される。その抽出されたR1の値が、予め定められた大当り判定値(たとえば、7)と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたR1の値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させる制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態(非確率変動状態ともいう)においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。
【0067】
確率変動状態においては、大当り判定値がたとえば5つの数値に設定される。これにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が通常の確率状態の5倍となり、このようにして大当りと判定される確率が向上するのである。このような確率変動状態は、確率向上状態、または、高確率状態ともいう。
【0068】
ランダムカウンタR2−1は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR2−1のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での左図柄の予定停止図柄をランダムに決定するためのものである。
【0069】
このR2−1は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。後述するように、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、割込み処理の終了から次の割込み処理の実行開始までの期間は、割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である余り時間に、無限ループを利用して所定のランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行する。R2−1は、この無限ループを利用した加算処理も行なわれている。
【0070】
R2−1の0〜11のカウント値は、12種類の左図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の左図柄の予定停止図柄として決定され、停止表示される。
【0071】
ランダムカウンタR2−2は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR2−2は、R2−1が上限値11までカウントアップすることによる桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。R2−2のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での中図柄の予定停止図柄をランダムに決定するために用いられる。
【0072】
R2−2の0〜11のカウント値は、12種類の中図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前のタイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の中停止図柄として決定され、停止表示される。
【0073】
ランダムカウンタR2−3は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。ランダムR2−3カウンタは、R2−2の桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。R2−3のカウント値は、はずれが決定された場合における可変表示装置8での右図柄の予定停止図柄をランダムに決定するために用いられる。
【0074】
R2−3の0〜11のカウント値は、12種類の右停止図柄にそれぞれ対応付けられており、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する図柄がはずれ決定時の右図柄として決定され、停止表示される。
【0075】
ランダムカウンタR3は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR3は、2msecごとに1加算更新される。このR3のカウント値は、大当り事前決定時の停止図柄(左,中,右図柄が同一の停止図柄)である大当り図柄の組合せをランダムに決定するために用いられる。
【0076】
このR3のカウント値は、所定のタイミング(変動開始タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する左,中,右図柄が大当り図柄の組合せとして表示される。
【0077】
ランダムカウンタR4は、0からカウントアップしてその上限である149までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR4は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。このR4のカウント値は、特別図柄の変動表示における変動パターンの種類を複数種類の変動パターンのうちからランダムに選択決定するために用いられる。
【0078】
この実施の形態の場合、このR4のカウント値は、所定のタイミング(変動開始前の所定タイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する種類の変動パターンで可変表示が行なわれる。この実施形態の場合、リーチ表示態様が発生した場合の変動パターンおよびリーチ表示態様が発生しない場合の変動パターンがそれぞれこのR4のカウント値に基づいてランダムに決定される。
【0079】
ランダムカウンタR5は、0からカウントアップしてその上限である23までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR6は、2msecごとに「1」加算更新されるとともに、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。このR6のカウント値は、可変表示を行なう場合に所定のタイミング(たとえば始動入賞記憶時)で抽出され、大当り判定ではずれとすることが決定された場合に、予め定められたタイミング(たとえば保留されている始動入賞記憶に基づく可変表示を行なう順番が来たこと)でリーチ表示態様を表示するか否かを判定(決定)するために用いられる。R5の抽出値が予め定められたリーチ選択値である場合には、リーチ表示態様とすることが決定される。
【0080】
ランダムカウンタR6は、0からカウントアップしてその上限である11までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR6は、2msecごとに1加算更新されるとともに、割込み処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。
【0081】
このR6のカウント値は、R5によりリーチ表示態様での表示を行なうことが決定された場合のリーチ形成図柄(左,右図柄が同一の停止図柄であり、以下、リーチ図柄とも呼ぶ)を決定するために用いられる。このR6のカウント値は、所定のタイミング(変動開始前の所定のタイミング)で抽出される。そして、抽出されたカウント値に対応する左,右図柄がリーチ図柄の組合せとして表示される。
【0082】
ランダムカウンタR7は、0からカウントアップしてその上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR7は、2msecごとに1加算更新されるとともに、割込み処理余り時間を利用して無限ループで加算更新される。
【0083】
このR7のカウント値は、前述したR1のカウント値に基づいて大当りを発生させることが決定されたときに、その大当りにおける大当り遊技の終了後において、確率変動状態に制御するか否かをランダムに決定するため、すなわち、確率変動判定のために用いられる。言い換えると、ランダムカウンタR7は、大当りとする判定がされたときに、可変表示の表示結果を確率変動図柄とするか否かの判定をするために用いられる。このR7のカウント値は、所定のタイミング(R1のカウント値に基づいて大当りを発生させることが決定された後であって、前述したR3のカウント値に基づく大当り図柄の決定前のタイミング)で抽出される。そして、R7の抽出値が予め定められた確率変動判定値と一致した場合には確率変動状態を発生させる制御が行なわれ、一方、R7の抽出値が予め定められた非確率変動判定値と一致した場合には確率変動状態を発生させる制御が行なわれない。より具体的に、非確率変動状態において大当りの発生が決定されたときには新たに確率変動状態に制御するか否かの決定のためにR7の抽出値が用いられ、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときには既に制御中の確率変動状態を継続させるか否かの決定のためにR7の抽出値が用いられる。確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに行なわれる確率変動状態を継続させるか否かの決定は、逆の観点から表現すると、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに確率変動状態から非確率変動状態へ抜けさせる(移行させる)か否かの決定である。このため、以下の説明においては、非確率変動状態における大当り時での確率変動状態の決定と、確率変動状態における大当り時での確率変動状態の決定とを区別するために、確率変動状態において大当りの発生が決定されたときに行なわれる確率変動状態を継続させるか否かの決定を、確率変動状態を抜けさせるか否かの決定というような表現で示す。
【0084】
ランダムカウンタR8は、0からカウントアップしてその上限である99までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このR8は、R7の桁上げごとに1ずつ加算更新される。
【0085】
このR8のカウント値は、確率変動状態に制御されているときにおいて、確率変動状態から抜ける確率(以下、確変抜け確率という)データを複数の確率データのうちからランダムに選択するために用いられる数値データ更新手段である。このR8のカウント値は、所定のタイミング(非確率変動状態においてR1の抽出値に基づいて大当りを発生させることが決定され、かつ、R7の抽出値に基づいて確率変動状態を発生させることが決定された後のタイミング)で抽出される。
【0086】
そして、R8のカウント値は、複数の確変抜け確率データのそれぞれに対応付けられている。このR8の抽出値に対応する確変抜け確率データが、非確率変動状態に制御されているときにおいて確率変動状態となる大当りの発生が事前決定されたときに、当該確率変動状態が終了するまでの期間(確変継続期間)において大当りの発生が事前決定されるごとに確率変動状態を継続させるか否かの判定(具体的には、確率変動判定)に用いられる。これにより、1回の確率変動状態に制御されているときにおいて大当りが事前決定されたときに確率変動状態を継続させる確率は、一定となる。また、1回の確率変動状態に制御されているときにおいて大当りが事前決定されたときに確率変動状態を継続させる確率は、確率変動状態の発生ごとに変化し得る。
【0087】
次に、ランダムカウンタR2−1〜R2−3の値と選択される左,中,右図柄との関係を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53のROMには、以下に示すような関係を示すデータテーブルが記憶されており、RAMに読出されて停止図柄の選択決定のために用いられる。
【0088】
この実施の形態では、左,中,右の各特別図柄として可変表示される図柄の種類および順序は、左,中,右図柄で同一であり、「1」〜「12」の12(複数種類)の図柄である。このような「1」〜「12」の12図柄には、順に1から12までの図柄ポジション番号が定められている。
【0089】
この図柄ポジション番号により表示される図柄が特定される。これらの図柄は、変動表示の際に、図柄ポジション番号順に出現する態様で表示されていき、図柄ポジション番号12の図柄「12」が表示されると、次に図柄ポジション番号1の図柄「1」から順に出現する態様で表示される。
【0090】
R2−1〜R2−3のそれぞれの抽出値「0」〜「11」は、それぞれ各図柄の「1」〜「12」の図柄ポジション番号に対応付けられており、各ランダムカウンタの抽出値が対応する図柄ポジション番号の図柄が可変表示における停止表示図柄として事前決定される。
【0091】
また、前述したリーチ図柄を決定する場合のR6の値と選択されるリーチ図柄(左,右図柄で一致)との関係は、それぞれ前述した左,中,右図柄と各ランダムカウンタとの関係と同様であり、ROM54にそのような関係を示すデータテーブルが記憶され、RAM55に読出されてリーチ図柄の決定のために使用される。
【0092】
また、前述した大当り図柄を決定する場合のR3の値と選択される大当り図柄(左,中,右図柄で一致)との関係は、次のように設定されている。R3の抽出値「0」〜「11」は、ランダムカウンタR7の抽出値に基づいて確率変動状態が決定された場合と、ランダムカウンタR7の抽出値に基づいて非確率変動状態が決定された場合とで、「1」〜「12」の図柄ポジション番号への対応付けが異なる。つまり、確率変動状態が決定された場合にはR3の抽出値「0」〜「11」のそれぞれが「1」〜「12」の図柄ポジション番号のうちの確率変動図柄(この実施の形態の場合には奇数の図柄)のそれぞれの図柄ポジション番号に対応付けられたデータテーブルが使用され、一方、非確率変動状態が決定された場合にはR3の抽出値「0」〜「11」のそれぞれが「1」〜「12」の図柄ポジション番号のうちの非確率変動図柄(この実施の形態の場合には偶数の図柄)のそれぞれの図柄ポジション番号に対応付けられたデータテーブルが使用される。これにより、確率変動状態が決定された場合には確率変動図柄のみが大当り図柄として決定され、一方、非確率変動状態が決定された場合には非確率変動図柄のみが大当り図柄として決定される。このようなデータテーブルは、ROM54に記憶され、RAM55に読出されて大当り図柄の決定のために使用される。
【0093】
以上に示したような大当り判定機能、確率変動判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能、および、停止図柄決定機能は、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御機能により実現される。
【0094】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0095】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では、特別図柄表示部9における可変表示の制御を指令するために表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ800へ送信するが、そのコマンドの送信は、基本的に、次のように行なわれる。
【0096】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。その後、特別図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0097】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0098】
表示制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0099】
このパチンコ遊技機1においては、確率変動状態が比較的多くの回数継続する時期がある一方であまり継続しない時期もあるというような、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すために次のような制御を行なう。
【0100】
確率変動状態に制御されていない状態(非確率変動状態)における可変表示の表示結果について、大当り図柄の組合せとする判定(具体的には大当り決定)がされ、かつ、その大当り時の停止図柄を確率変動図柄の組合せとする判定(具体的には確率変動決定)がされるごとに確率変動抜け確率(確率変動状態から抜けて非確率変動状態になる確率)データが複数の確率変動抜け確率(以下、確変抜け確率と略する)データから選択される。そして、そのように選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当り図柄の組合せとする判定(具体的には大当り決定)がされたときに確率変動図柄の組合せとするか否かの判定(具体的には確率変動判定)に用いられる。このようにして確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すための制御内容を以下に具体例に説明する。
【0101】
ランダムカウンタR1の抽出値に基づいて大当り遊技状態に制御することが事前決定されたときに確率変動状態に制御するか否かの決定には、確変抽選テーブルが用いられる。
【0102】
図4は、確変抽選テーブルにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【0103】
図4を参照して、R7の抽出値が「0」〜「49」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定される。一方、R7の抽出値が「50」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、非確率変動状態において大当り状態が発生するときに確率変動状態が生じる確率は1/2となる。
【0104】
また、前述した確変抜け確率データの選択には、確変抜け確率選択テーブルが用いられる。この確変抜け確率選択テーブルは、ランダムカウンタR8の抽出値と、確変抜け確率が異なる複数種類の確変抜け抽選テーブルとの関係を示すデータテーブルである。ここで、確変抜け抽選テーブルとは、確率変動状態において大当りとすることが事前決定されたときに確率変動状態から抜けさせるか否かを決定するためのテーブルであり、言い換えると、確率変動状態において大当りとすることが事前決定されたときに確率変動状態を継続させるか否かを決定するためのテーブルである。
【0105】
図5は、確変抜け確率選択テーブルにおけるランダムカウンタR8の抽出値と選択対象の複数の確変抜け抽選テーブルのそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【0106】
図5を参照して、R8の抽出値が「0」〜「24」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が75%であるデータにより構成される第1確変抜け抽選テーブルが選択決定される。R8の抽出値が「25」〜「74」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が50%であるデータにより構成される第2確変抜け抽選テーブルが選択決定される。R8の抽出値が「75」〜「99」のうちのいずれかである場合には、確変抜け確率が25%であるデータにより構成される第3確変抜け抽選テーブルが選択決定される。
【0107】
このような確変抜け確率選択テーブルを用いてランダムカウンタR8の抽出値に基づいて、複数の確変抜け抽選テーブルのうちから1つの確変抜け抽選テーブルを選択することにより、確変抜け確率データを複数の確変抜け確率データのうちから選択的に決定することができる。
【0108】
次に、前述した第1〜第3確変抜け抽選テーブルについて具体的に説明する。図6は、第1〜第3確変抜け抽選テーブルのそれぞれにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。図6においては、(a)に第1確変抜け抽選テーブル、(b)に第2確変抜け抽選テーブル、(c)に第3確変抜け抽選テーブルがそれぞれ示されている。
【0109】
(a)を参照して、第1確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「74」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「75」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第1確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、75%となる。
【0110】
(b)を参照して、第2確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「49」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「50」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第2確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、50%となる。
【0111】
(c)を参照して、第3確変抜け抽選テーブルでは、R7の抽出値が「0」〜「24」のうちのいずれかである場合に非確率変動状態にすることが決定され、R7の抽出値が「25」〜「99」のうちのいずれかである場合に確率変動状態にすることが決定される。これにより、第3確変抜け抽選テーブルが確変抜けの判定に用いられた場合の確変抜け確率は、25%となる。
【0112】
次に、以上のような各種テーブルを用いて制御される確率変動状態について、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率(確率変動状態に移行する確率)が1/2(50%)の確率に設定され、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率(非確率変動状態に移行する確率)が1/2(50%)の確率に設定されていることを説明する。
【0113】
まず、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率は、図4での非確率変動状態に対応する抽出値の数と確率変動状態に対応する抽出値の数との割合から明らかなように、1/2(50%)である。
【0114】
次に、確率変動状態において大当り状態となったときの確変抜け確率は、次のように計算される。図6の(a)〜(b)のそれぞれにおける非確率変動状態に対応する抽出値の数と確率変動状態に対応する抽出値の数との割合から明らかなように、第1確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は75%(3/4)であり、第2確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は50%(2/4)であり、第3確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率は25%(1/4)である。そして、図5に示される第1〜第3確変抜け抽選テーブルに対応する抽出値の数の割合から明らかなように、第1確変抜け抽選テーブルが選択される確率は25%(1/4)であり、第2確変抜け抽選テーブルが選択される確率は50%(2/4)であり、第3確変抜け抽選テーブルが選択される確率は25%(1/4)である。
【0115】
したがって、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第1確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.75×0.25=3/16」となる。また、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第2確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.50×0.50=4/16」となる。また、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに第3確変抜け抽選テーブルが選択され、かつ、確変抜けとなる確率は、「0.25×0.25=1/16」となる。そして、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに確変抜けとなる総体的確率は、これら3つの確率を合計した値であり、「(3/16)+(4/16)+(1/16)=1/2」となり、50%である。
【0116】
これにより、このパチンコ遊技機1においては、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率と、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率とが同じ確率(50%)に設定されているのである。
【0117】
このように確率変動状態への突入確率と非確率変動状態への抜け確率とを同じ確率にするためには、各確率を次のような方程式を満足するように設定すればよい。つまり、突入確率をA、第1確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をX、第2確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をY、第3確変抜け抽選テーブルでの確変抜け確率をZ、第1確変抜け抽選テーブルが選択される確率をa、第2確が選択される確率をb、第3確変抜け抽選テーブルが選択される確率をcとした場合に、「X+Y+Z=1」と「a・X+b・Y+c・Z=A」との2つの方程式を満足するように各確率を設定すれば、確率変動状態への突入確率と非確率変動状態への抜け確率とを同じ確率にすることができる。
【0118】
また、このパチンコ遊技機1においては、前述したように非確率変動状態において大当りとすることが決定された場合に、選択決定された確変抜け確率が所定のタイミングで報知される。このような報知は、確変抜け確率報知と呼ばれる。
【0119】
次に、非確率変動状態において大当りとすることが決定された場合に行なわれる確変抜け確率報知の具体例を説明する。図7は、確変抜け確率報知の具体例を示す図である。
【0120】
図7には、特別図柄表示部9により表示される画像と、スピーカ27から出力される音声とのそれぞれにより確変抜け確率が特定可能に報知される例が模式的に示されている。特別図柄表示部9においては、図中に下向きの矢印で可変表示中(変動中)であることが示される特別図柄の下側で、「確変抜率25%」という文字により確変抜け確率を特定可能に報知する画像が表示される。さらに、スピーカ27からは、「確変抜率25%」という確変抜け確率を特定可能に報知する音声が出力される。
【0121】
次に、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出すために遊技制御用マイクロコンピュータ53においてサブルーチンとして実行される処理である確率変動設定処理を説明する。図8は、確率変動設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【0122】
まず、ステップS(以下、単にSという)1により、始動入賞があったか否かが判断される。S1により始動入賞がなかったと判断された場合は、この確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。一方、S1により始動入賞があったと判断された場合は、S2に進み、始動入賞に基づいて大当りとする事前決定がされたか否かが判断される。
【0123】
S2により大当りとする事前決定がされていないと判断された場合、すなわち、はずれとする事前決定がされた場合には、この確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。一方、S2により大当りとする事前決定がされたと判断された場合は、S3に進み、確変フラグがON状態であるか否かが判断される。ここで、確変フラグとは、非確率変動状態から確率変動状態に制御することについての実行決定がされた場合にON状態にされ、確率変動状態からに非確率変動状態に制御することについての実行決定がされた場合にOFF状態にされるフラグである。
【0124】
S3により確変フラグがON状態ではない、すなわち、OFF状態であると判断された場合は、S4に進み、第1設定処理が実行される。この第1設定処理は、非確率変動状態において大当りとすることが決定されたときの確率変動状態に関する各種設定をするための処理であり、図9を用いて具体的な内容を後述する。S4の後、確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。
【0125】
一方、S3により確変フラグがON状態であると判断された場合は、S5に進み、第2設定処理が実行される。この第2設定処理は、確率変動状態において大当りとすることが決定されたときの確率変動状態に関する各種設定をするための処理であり、図10を用いて具体的な内容を後述する。S5の後、確率変動設定処理が終了し、確率変動設定処理の呼出し元のルーチンにリターンする。
【0126】
次に、前述したS4により実行される第1設定処理の処理内容を説明する。図9は、第1設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0127】
第1設定処理においては、まず、S11により、ランダムカウンタR7の値が抽出され、図4に示される確変抽選テーブルを用い、その抽出値に基づいて確率変動状態とするか否かが判定される。
【0128】
次に、S12に進み、S11での判定により確率変動状態への制御の実行が決定されたか否かが判断される。S11により確率変動状態への制御の実行が決定されていないと判断された場合、すなわち、非確率変動状態とする決定がされた場合は、この第1設定処理が終了してリターンする。
【0129】
一方、S12により確率変動状態への制御の実行が決定されたと判断された場合は、S13に進み、大当りの決定確率を高確率化する設定が行なわれる。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上した確率変動状態となる。次に、S14に進み、前述した確変フラグをON状態にする処理がなされる。
【0130】
次に、S15に進み、ランダムカウンタR8の値が抽出され、図5に示される確変抜け確率選択テーブルを用い、その抽出値に基づいて3つの確変抜け抽選テーブルのうちから1つのテーブルを選択決定する処理がなされる。これにより、確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データのうちのいずれかに選択決定される。このように選択決定された確変抜け確率は、この確率変動状態が終了するまで継続的に使用される。そして、S16に進み、S15により選択された確変抜け確率を、図7に示す報知態様で報知することが指定される。これにより、確率変動状態の開始当初から確率変動状態が終了するまで等の予め定められた報知タイミングで確変抜け確率が報知される。S16の後、この第1設定処理が終了してリターンする。
【0131】
次に、前述したS5により実行される第2設定処理の処理内容を説明する。図10は、第2設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0132】
第2設定処理においては、まず、S21により、ランダムカウンタR7の値が抽出され、前述したS15により選択された図6の(a)〜(c)のうちのいずれかの確変抜け抽選テーブルを用い、その抽出値に基づいて確率変動状態とするか否か、言い換えると、確率変動状態から非確率変動状態に抜けるか否かが判断される。
【0133】
次に、S22に進み、S21での判定により確率変動状態から非確率変動状態に抜ける確変抜けの制御の実行が決定されたか否かが判断される。S22により確変抜けの制御の実行が決定されていないと判断された場合、すなわち、確率変動状態とする決定(確率変動状態の継続の決定)がされた場合は、この第2設定処理が終了してリターンする。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上した確率変動状態が継続される。一方、S22により確変抜けの制御の実行が決定されたと判断された場合、すなわち、非確率変動状態とする決定がされた場合は、S23に進み、大当りの決定確率を低確率化する設定が行なわれる。これにより、大当りの判定において、大当りの発生確率が向上していない非確率変動状態となる。S23の後、S24に進み、前述した確変フラグがOFF状態にされ、その後、この第2設定処理が終了してリターンする。
【0134】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図8および図9に示されるように、確率変動状態に制御されていない状態における可変表示の表示結果について、S15に示されるように、大当り状態とする判定がされ、かつ、確率変動状態とする判定がされるごとに確変抜け確率データが複数の確変抜け確率データから選択され、その選択された確変抜け確率データが、確率変動状態に制御されている状態での可変表示について表示結果を大当りとする判定がされたときに確率変動状態とするか否かの判定に用いられる。このため、非確率変動状態から確率変動状態になるごとに確率変動状態が継続して発生する確率が変化し得るとともに、確率変動状態に制御されている期間での確変抜け確率が変化しないので、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態(確率変動状態が比較的多くの回数継続する時期がある一方であまり継続しない時期もあるというような状態)を意図的に作り出すことができる。その結果、遊技機開発の技術思想を実際の遊技機の遊技状況に反映することができ、遊技機の遊技状況の推移にめりはりがついて遊技状況の単調化を防ぐことができる。
【0135】
また、図6の(a)〜(c)に示される複数の確変抜け抽選テーブルによる複数の確変抜け確率データは、図5に示されるように、確変抜け確率が高い方(75%)が選択確率が低く(25%)、確変抜け確率が低い方(50%)が選択確率が高く(50%)なるように選択確率が設定されているので、確率変動状態が継続して発生しやすい時期が選択されにくく、確率変動状態が継続して発生しにくい時期が選択されやすいので、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、確率変動状態の継続しやすさを適当な度合いに収束させることができる。確変抜け確率と選択確率との関係を適当に調整することにより、平均的な確率変動状態の継続しやすさを遊技機の開発段階で意図した度合いに収束させることができる。
【0136】
また、前述したように、非確率変動状態において大当りが事前決定されたときに、図5に示された確率で第1〜第3確変抜け抽選テーブルのいずれかを用いて確変抜けとなる総体的確率が、非確率変動状態での可変表示の表示結果について大当りとする判定がされたときにR7の抽出値により確率変動が決定される確率と同じ確率(50%)に設定されている。このため、確率変動状態の集中する時期がある一方で確率変動状態の集中しない時期もあるというような状態を意図的に作り出しながらも、確率変動状態の発生しやすさを適当な度合いにでき、非確率変動状態から確率変動状態になる確率と、確率変動状態からさらに確率変動状態となるときの総合的な確率とを同じ確率に収束させることができる。
【0137】
また、図7に示されるように、確変抜け確率が特定可能に報知されるので、遊技者が確変抜け確率を認識することができるため、確率変動状態の継続に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0138】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、確率変動状態とするか否かの判定をランダムカウンタR7を用いて行なう例を示した。しかし、これに限らず、確率変動状態とするか否かの判定は、決定された大当り図柄の組合せが確率変動図柄であるか否かを判断することにより判定してもよい。つまり、大当りとすることが事前決定されたときには、まず、大当り図柄をランダムに決定(確率変動図柄、非確率変動図柄の両方を含む複数の大当り図柄のうちから大当り図柄を決定する)する。そして、その決定された大当り図柄が確率変動図柄である場合には確率変動状態とすることを決定し、一方、その決定された大当り図柄が非確率変動図柄である場合には確率変動状態としないことを決定する。
【0139】
(2) 前述した実施の形態においては、図7に示されるように、確変抜け確率報知を、特別図柄表示部9での表示による報知とスピーカ27からの音声による報知とにより行なう例を示した。しかし、これに限らず、確変抜け確率報知は、装飾ランプ25等の所定のランプ(発光体)により行なうようにしてもよい。ランプによる確変抜け確率報知の態様としては、たとえば、ランプをレベルメータ(ランプを複数集合配置し、確変抜け確率の高さに応じて点灯する数を変化させることにより、確変抜け確率の高さのレベルを示すもの)のような態様で発光させてもよい。確変抜け確率報知は、表示による報知のみ、音声による報知のみ、ランプによる報知のみ、表示による報知と音声による報知との組合せ、表示による報知とランプによる報知との組合せ、音声による報知とランプによる報知との組合せ、および、表示による報知と音声による報知とランプによる報知との組合せのうちのいずれの態様で行なってもよい。つまり、確変抜け確率報知は、表示による報知と音声による報知とランプによる報知との少なくとも1つの報知態様で行なえばよい。
【0140】
(3) 前述した実施の形態においては、確変抜け確率報知について、選択決定された確変抜け確率をそのまま正しく報知する例を示したが、次のような演出を含む報知態様で確変抜け確率報知を行なうようにしてもよい。たとえば、確変抜け確率が25%に決定されたときにおいて、確率変動状態の開始当初から確変抜け確率が75%(偽りの確変抜け確率)である偽りの報知をし、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生した段階から確変抜け確率が25%(真の確変抜け確率)である真の報知をする演出を行なうようにしてもよい。
【0141】
(4) 前述した実施の形態においては、確変抜け確率報知を確率変動状態の開始当初から行なう例を示したが、これに限らず、確変抜け確率報知の開始タイミングとしては、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生してから行なうようにしてもよい。また、確変抜け確率報知は、確変抜け確率が所定確率以下(たとえば、25%以下)であるときにのみ行なうようにしてもよい。その場合の報知開始タイミングは、確率変動状態の開始当初から、または、確率変動状態となる大当りが所定回数連続的に発生してからのどちらの開始タイミングであってもよい。また、確変抜け確率報知は、確率変動状態に制御されることが決定されたときに、報知を行なうか否かをランダムに決定し、その決定にしたがって行なうようにしてもよい。このような偽りの報知は、所定の確率(100%よりも低い確率)で行なうようにしてもよく、常に行なうようにしてもよい。
【0142】
(5) 前述した実施の形態においては、表示制御用マイクロコンピュータ800、ランプ制御用マイクロコンピュータ350、および、音制御用マイクロコンピュータ700がそれぞれ独立的に設けられている例を示したが、これに限らず、これらのマイクロコンピュータが有する機能を1つのマイクロコンピュータに持たせるようにしてもよい。つまり、可変表示制御、ランプ制御、および、音制御を1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。また、可変表示制御と、ランプ制御または音制御のうちのいずれか1つとを1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。
【0143】
(6) また、前述した実施の形態においては、可変表示制御用のマイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から各種制御用のコマンドを受け、さらに、ランプ制御用のマイクロコンピュータ、および、音制御用のマイクロコンピュータのそれぞれに各制御用のコマンドを送信することにより、可変表示制御、ランプ制御、および、音制御が同期して実行される演出制御が実行できるようにしてもよい。
【0144】
(7) 前述した実施の形態においては、非確率変動状態において大当り状態となったときの確率変動状態への突入確率と、確率変動状態において大当り状態となったときの非確率変動状態への抜け確率とを1/2(50%)という同じ確率にした例を示したが、これらの確率を同じにする場合の確率としては、1/2に限定されるものではなく、1/4、1/6等のその他の確率に設定してもよい。
【0145】
(8) 前述した実施の形態においては、図7に示すように、「確変抜率25%」という画像表示のように、確変抜け確率そのものを報知する例を示した。しかし、これに限らず、確変抜け確率については、確変継続確率(確率変動状態が次の大当り遊技状態後にも継続する確率であり、たとえば、確変抜け確率が25%のときは75%が確変継続確率となる)を報知することにより、逆算的に確変抜け確率を遊技者が把握することができるようにしてもよい。つまり、確変抜け確率の報知については、直接的に確変抜け確率を報知する場合と、間接的に確変抜け確率を報知する場合とのどちらであってもよく、確変抜け確率が特定可能なように報知すればよい。
【0146】
(9) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】パチンコ遊技機の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【図4】確変抽選テーブルにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図5】確変抜け確率選択テーブルにおけるランダムカウンタR8の抽出値と選択対象の複数の確変抜け抽選テーブルのそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図6】第1〜第3確変抜け抽選テーブルのそれぞれにおけるランダムカウンタR7の抽出値と決定される確率変動状態および非確率変動状態のそれぞれとの関係を表形式で示す図である。
【図7】確変抜け確率報知の具体例を示す図である。
【図8】確率変動設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図9】第1設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】第2設定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 特別図柄表示部、8 可変表示装置、1 パチンコ遊技機、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、27 スピーカ、25 装飾ランプ。
Claims (4)
- 識別情報の可変表示を行なった後表示結果を導出可能な可変表示装置を有し、前記表示結果が予め定められた特定表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能であるとともに、前記表示結果が特定表示態様のうちの特別表示態様となったときに、次に特定遊技状態に制御されるまで前記表示結果が前記特定表示態様となる確率が向上した特別遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かの判定を事前に行なう特定態様判定手段と、
該特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記可変表示の表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なう特別態様判定手段と、
前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別態様判定手段により前記特別表示態様としない判定をする確率である特別遊技抜け確率データを、予め定められた選択確率に基づいて複数の特別遊技抜け確率データのうちから選択する特別遊技抜け確率選択手段とを含み、
該特別遊技抜け確率選択手段は、前記特別遊技状態に制御されていない状態における前記可変表示の前記表示結果について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされ、かつ、前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定がされるごとに前記特別遊技抜け確率データを選択し、
前記特別態様判定手段は、前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について、前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに、前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率データを用いて前記表示結果を前記特別表示態様とするか否かの判定を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 前記複数の特別遊技抜け確率データは、特別遊技抜け確率が高い方が、特別遊技抜け確率が低い方よりも前記選択確率が低くなるように前記選択確率が設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 前記特別遊技状態に制御されている状態での前記可変表示について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別遊技抜け確率選択手段により前記予め定められた選択確率に基づいて選択される前記複数の特別遊技抜け確率データを用いて前記特別態様判定手段により前記特別表示態様とする判定が行なわれる総体的確率が、前記特別遊技状態に制御されていない状態での前記可変表示の表示結果について前記特定態様判定手段により前記特定の表示態様とする判定がされたときに前記特別表示態様とする判定が行なわれる確率と同じ確率に設定されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機。
- 前記特別遊技抜け確率選択手段により選択された前記特別遊技抜け確率を特定可能に報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
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