JP2004298314A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数種類の飾り図柄が確変大当り図柄を構成する飾り図柄であるか、大当り図柄を構成する飾り図柄であるかが定められており、所定の条件が成立すると、大当り図柄を構成する飾り図柄と定められている複数の飾り図柄のうちから1つ選択し、確変大当りを構成する飾り図柄に定め直すことにより、確変大当り図柄を構成する飾り図柄の数を増加させるようにした。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させる可変表示装置を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態にも制御される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、各々を識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させる可変表示装置を有し、その可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに大当り等の特定遊技状態に制御可能となり、さらに予め定められた特定の表示態様のうち特別の表示態様となったときに確変大当り等の特別遊技状態に制御可能となる遊技機があった。
【0003】
従来の遊技機の中には、可変表示装置の表示結果として特別の表示態様が表示されたとき、特別遊技状態に制御される遊技機において、可変表示が行なわれるごと、あるいはリーチごとに特別遊技状態を発生させる特別の表示態様を構成する識別情報が抽選され、その抽選された特別の表示態様を構成する識別情報が遊技者に報知されるものがあった(たとえば、特許文献1。)。
【0004】
また、従来の遊技機の中には、特別識別情報と特定識別情報との割合が異なる図柄列が複数設けられており、可変表示に用いる図柄列を置き換えることにより特別識別情報が多いか、特定識別情報が多いかにより、可変表示装置における可変表示の表示結果が特別の表示態様となる可能性が高いか、低いかを認識させるものもあった(たとえば、特許文献2。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−153053号公報(第9頁、第15頁、図11、図12)
【0006】
【特許文献2】
特開2003−19294号公報(第9頁、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の遊技機としては、可変表示が行なわれるごと、あるいはリーチごとに特別遊技状態を発生させる特別の表示態様を構成する識別情報を抽選し、報知するものはあった。また、可変表示に用いる図柄列を置き換えることにより、可変表示装置における可変表示の表示結果が特別の表示態様となる可能性が高いか、低いかを認識させるものがあった。
【0008】
しかしながら、この種の従来の遊技機は、抽選ごとに特別の表示態様を構成する識別情報の数が変更され、変更ごとに特別の表示態様を構成する識別情報の数の増減があったため、特別の表示態様を構成する識別情報の数が少ないときは、遊技者にしてみれば今一歩面白みに欠ける遊技となってしまうという不都合があった。また、元々特別識別情報である識別情報が図柄列上に増えることにより期待感は向上したが、同じ識別情報が増えるということにより演出上の面白みが不足しているという欠点があった。
【0009】
本発明は、係る事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる遊技機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄)を可変表示させる可変表示装置(可変表示装置8)を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目)のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目)となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(確率向上状態)にも制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記複数種類の識別情報のうち、いずれの識別情報が前記特別の表示態様(確変大当り)を構成する特別識別情報であるのか、および、いずれの識別情報が前記特別の表示態様以外の特定の表示態様(大当り,非確変大当り)を構成する特定識別情報であるのかを定めた定義データ(確変大当りテーブル、非確変大当りテーブル)を記憶する記憶手段(制御データROM102,RAM101A)と、
前記可変表示装置における可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図12のS56,S57、図15のS92)と、
該表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様とすることが決定されたとき(図15のS93においてYesの判断がされたとき)に、前記複数種類の識別情報のうちから前記記憶手段に記憶されている定義データに従って前記特別識別情報を選択する特別識別情報選択手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図28のSub81,Sub82,Sub83)と、
前記表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様以外の特定の表示態様とすることが決定されたとき(図15のS93においてNoの判断がされたとき)に、前記複数種類の識別情報のうちから前記記憶手段に記憶されている定義データに従って前記特定識別情報を選択する特定識別情報選択手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図28のSub81,Sub82,Sub84)と、
前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、前記特別識別情報選択手段が選択した特別識別情報により構成される特別の表示態様、または前記特定識別情報選択手段が選択した特定識別情報により構成される特定の表示態様を、前記可変表示の表示結果として導出表示させる可変表示制御手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図31、図32、図33)と、
所定の条件の成立に基づいて前記特定識別情報として定義される識別情報の数を減少させる一方、前記特別識別情報として定義される識別情報の数を増加させるように、前記記憶手段に記憶されている前記定義データを変更する変更制御を実行する識別情報変更手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図29のSub94,Sub95,Sub96)と、
該識別情報変更手段によって前記変更制御が実行されてから前記可変表示制御手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を導出表示する制御が複数回(たとえば50回)実行されるまでの間、前記変更制御による変更後の記憶手段に記憶されている識別情報の定義データのうち少なくとも前記特別識別情報として定義されている識別情報の定義を保持させる保持制御手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図29のSub96、図27のSub59,Sub60,Sub61)とを含む。
【0011】
このような構成によれば、所定の条件が成立すると、特定識別情報として定義されている識別情報が特別識別情報として定義されることとなるので、特定識別情報として定義されている識別情報に特別識別情報としての価値が付与されたと遊技者に感じさせることができ、演出の面白みを増すことができる。また、可変表示装置における可変表示の表示結果として特定の表示態様以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して所定の複数回数実行されたときに、特定識別情報として定義されている識別情報の数を減少させる一方、特別識別情報として定義される識別情報の数を増加させるので、遊技者に対して可変表示装置における可変表示の表示結果として特別の表示態様となる割合が高くなったと感じさせることができ、特別の表示態様に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0012】
(2) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(飾り図柄)を可変表示させる可変表示装置(可変表示装置8)を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目)のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目)となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態(確率向上状態)にも制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記複数種類の識別情報のうち、いずれの識別情報が前記特別の表示態様を構成する特別識別情報であるのか、および、いずれの識別情報が前記特別の表示態様以外の特定の表示態様を構成する特定識別情報であるのかが規定されている識別情報テーブルを複数記憶する記憶手段(制御データROM102)と、
前記可変表示装置における可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図12のS56,S57、図15のS92)と、
該表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様とすることが決定されたとき(図15のS93においてYesの判断がされたとき)に、前記記憶手段に記憶されている複数の識別情報テーブルのうちの所定の識別情報テーブルを用いて特別識別情報を選択する特別識別情報選択手段(表示制御用マイクロコンピュータ81)と、
前記表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様以外の特定の表示態様とすることが決定されたとき(図15のS93においてNoの判断がされたとき)に、前記所定の識別情報テーブルを用いて特定識別情報を選択する特定識別情報選択手段(表示制御用マイクロコンピュータ81)と、
前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、前記特別識別情報選択手段が選択した特別識別情報により構成される特別の表示態様、または前記特定識別情報選択手段が選択した特定識別情報により構成される特定の表示態様を、前記可変表示の表示結果として導出表示させる可変表示制御手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図31、図32、図33)と、
前記特別識別情報選択手段および前記特定識別情報選択手段が識別情報の選択に用いる識別情報テーブルを規定されている識別情報の数が異なる識別情報テーブルに変更する制御を実行するテーブル変更手段(表示制御用マイクロコンピュータ81)とを含み、
該テーブル変更手段は、所定の条件の成立に基づいて、識別情報テーブルを所定の条件の成立前の識別情報テーブルより前記特定識別情報として規定されている識別情報の数が少なく設定されている一方、前記特別識別情報として規定されている識別情報の数が多く設定されている識別情報テーブル(図33参照)に変更する変更制御を実行し、
前記特別識別情報選択手段または前記特定識別情報選択手段は、前記テーブル変更手段によって前記変更制御が実行されてから前記可変表示制御手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を導出表示する制御が複数回(たとえば50回)実行されるまでの間、前記変更制御による変更後の識別情報テーブルに従って前記特別識別情報または前記特定識別情報の選択をする。
【0013】
このような構成によれば、所定の条件が成立すると、識別情報テーブルに特定識別情報として規定されている識別情報が、特別識別情報として規定されている識別情報テーブルを用いて特別識別情報が選択されるため、特定識別情報に特別識別情報としての価値が付与されたと遊技者に感じさせることができ、演出の面白みを増すことができる。また、可変表示装置における可変表示の表示結果として特定の表示態様以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して所定の複数回数実行されたときに、識別情報テーブルを特定識別情報として規定されている識別情報の数が少なく設定されている一方、特別識別情報として規定される識別情報の数が多く設定されている別の識別情報テーブルに変更するため、遊技者に対して可変表示装置における可変表示の表示結果として特別の表示態様となる割合が高くなったと感じさせることができ、特別の表示態様に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0014】
(3) 前記特定遊技状態(大当り状態)が終了してから、前記可変表示装置(可変表示装置8)における可変表示の表示結果として前記特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目)以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して実行された回数(たとえば1000回)を計数する外れ表示態様回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub54)と、
該外れ表示態様回数計数手段の計数値が所定の複数回数になったか否かを判定する外れ表示態様回数判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub55)とをさらに含み、
前記所定の条件は、前記外れ表示態様回数判定手段により前記外れ表示態様可変表示回数計数手段の計数値が前記所定の複数回数になったと判定されたこと(図27のSub55ではずれ回数カウンタが1000回であると判定されたこと)である。
【0015】
このような構成によれば、外れ表示態様が連続して導出表示されて不満を抱いている遊技者に対し、特別の表示態様が導出表示される割合が高くなったと感じさせることができ、遊技者が遊技を止めることを防止することができる。
【0016】
(4) 前記識別情報変更手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図28のSub81,Sub82,Sub83)により前記変更制御が実行されてから、前記可変表示装置(可変表示装置8)における可変表示の表示結果として前記特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目)以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して実行された回数を計数する変更後外れ表示態様回数計数手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub64)と、
該変更後外れ表示態様回数計数手段の計数値が特定の複数回数(たとえば200回)になったか否かを判定する変更後外れ表示態様回数判定手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub65)とをさらに含み、
前記所定の条件は、前記変更後外れ表示態様回数判定手段により前記変更後外れ表示態様回数計数手段の計数値が前記特定の複数回数になったと判定されたことである(図27のSub65ではずれ回数カウンタが200回であると判定されること)。
【0017】
このような構成によれば、外れ表示態様が連続して導出表示されて不満を抱いている遊技者に対し、特別の表示態様が導出表示される割合がさらに高くなったと感じさせることができ、遊技者が遊技を止めることを防止することができる。
【0018】
(5) 前記可変表示制御手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図31、図32、図33)は、前記識別情報変更手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図28のSub81,Sub82,Sub83)による前記変更制御によって前記特別識別情報(確変大当り図柄)に変更された識別情報を前記可変表示装置(可変表示装置8)に表示する(表示制御用マイクロコンピュータ81、図32のSub124)。
【0019】
このような構成によれば、あらたに特別識別情報に変更された識別情報を遊技者は把握することができ、特別の表示態様に対する遊技者の興味を向上させることができる。
【0020】
(6) 前記可変表示装置(可変表示装置8)において前記複数種類の識別情報(飾り図柄)を可変表示させる所定の実行条件(始動入賞)は成立したが、未だに前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変表示させることができる所定の開始条件(始動記憶表示器18において記憶数が点灯しており、飾り図柄表示部9が可変表示していないことまたは大当りの終了)が成立していない実行条件を保留データとして記憶する保留データ記憶手段(RAM55、図11のS43)と、
前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定の表示態様(大当り図柄)に対応した特定データが記憶されているか否かを判定する特定データ判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS66,S67,S68)と、
前記特定データ判定手段が前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定データが記憶されていると判定したとき(図13のS67でYesの判断がなされ、さらにS68でYesの判断がなされたとき)に、前記保留データ記憶手段に前記特定データが記憶されていることの予告演出を行なうか否かを決定する予告決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS73,S74)とをさらに含み、
前記予告決定手段によって前記予告をすることが決定されたとき(図13のS74でYesの判断がされたとき)、当該予告演出として、前記特定データに基づく表示結果を前記可変表示装置に導出表示させる可変表示制御が実行されるまでの複数回の可変表示制御にわたって前記変更制御を実行する(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub73を実行する)。
【0021】
このような構成によれば、変更制御が連続して実行されることがあり、特別の表示態様に対する遊技者の期待感を徐々に向上させることができる。また、連続して変更制御が実行されたときは、可変表示装置における可変表示の表示結果が特定の表示態様となるため、連続して変更制御が実行されることにより、特定の表示態様に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0022】
(7) 前記保留データ記憶手段(RAM55、図11のS43)に記憶されている前記特定データに基づいた前記可変表示制御において導出表示させる表示結果が前記特別の表示態様(確変大当り図柄)となるか否かを判定する特別判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS68)をさらに含み、
前記予告決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS73,S74)は、前記特定データ判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図13のS66,S67,S68)が前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定データが記憶されていると判定し、かつ、前記特別判定手段が前記特定データに基づいた前記可変表示制御において導出表示させる表示結果が前記特別の表示態様となると判定したとき前記予告演出を行なうか否かを決定する(図13)。
【0023】
このような構成によれば、連続して変更制御が実行されたときは、可変表示装置における可変表示の表示結果が特別の表示態様になるのではないかと遊技者の期待感を向上させることができる。
【0024】
(8) 前記識別情報変更手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図28のSub81,Sub82,Sub83)により変更された前記記憶手段(制御データROM102,RAM101A)の定義データ(確変大当りテーブル、非確変大当りテーブル)または前記テーブル変更手段により変更された識別情報テーブルの規定状態を予め定められた初期の定義データまたは規定状態に復帰させる初期化手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub61、図28のSub85)をさらに含む。
【0025】
このような構成によれば、特別の表示態様に対する遊技者の期待感を煽り過ぎないようにすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させる可変表示装置を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態にも制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0027】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。
【0028】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカードユニット50のカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0029】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
【0030】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0031】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0032】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0033】
遊技領域7の中央には、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例となる飾り図柄を可変表示(以下「変動表示」ともいう。)させる可変表示装置8が設けられている。この可変表示装置8には、液晶表示器(LCD表示器)よりなる飾り図柄表示部9、普通図柄表示部10、始動記憶表示器18、通過記憶表示器15が設けられている。飾り図柄表示部9には、左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の3つの可変表示部がある。この飾り図柄表示部9は、7セグメントLEDにより行なわれる比較的単調な特別図柄表示部9aにおける可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示部である。この特別図柄表示部9aにも、左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の3つの可変表示部がある。
【0034】
なお、飾り図柄表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0035】
飾り図柄表示部9の表示結果は特別図柄表示部9aの表示結果に対応しているために、たとえば特別図柄表示部9aの表示結果が大当り状態を示す結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄表示部9aの表示結果が大当り状態以外のはずれ状態を示す場合には、飾り図柄表示部9の表示結果もはずれ状態を示す結果となる。
【0036】
この実施の形態では、飾り図柄表示部9において表示される飾り図柄は、0〜9の10種類の数字である。特別図柄表示部9aにおいて表示される特別図柄も0〜9の10種類の数字である。なお、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部9aにより可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。また、図柄の種類も10種類に限らず、10種類以下であっても、10種類以上であってもよい。
【0037】
可変表示装置8の下方には、始動口(以下「始動入賞口」ともいう。)14が構成された始動用電動役物14aと、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物14aには、可動片が左右に設けられている。また、一般入賞口として、可変表示装置8の左右下方および遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、打玉が進入可能な通過口11が可変表示装置8の左右下方に設けられている。また、26は、打込まれた打玉が始動口14やいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0038】
遊技領域7の外周には遊技効果LED42と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ43と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ44とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ41,41が設けられている。
【0039】
通過口11に進入した打玉は、通過口内部に設けられたゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出され、記憶される。そして、普通図柄表示部10の可変表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示部10の可変表示が開始される。なお、普通図柄表示部10が可変表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示部10の可変表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示部10の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0040】
普通図柄表示部10には、「〇」が付されている当り普通図柄表示器と、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器とがある。通過口11に打玉が進入したときに抽出された乱数値(以下「カウント値」ともいう。)が所定の当り判定値と一致するときは、普通図柄表示部10における可変表示の表示結果が「当り」であると判断され、「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯する。一方、抽出された乱数値が所定の当り判定値と一致しないときは、普通図柄表示部10における可変表示の表示結果が「はずれ」であると判断され、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器が点灯する。
【0041】
当りとなり「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯した場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物14aが開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物14aが開成状態にあるときに打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aが開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0042】
始動口14に入賞(以下「始動入賞」ともいう。)した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、始動記憶表示器18に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9の可変表示を開始させることができる状態であれば、特別図柄および飾り図柄の可変表示が開始される。また、始動記憶表示器18に表示されている記憶がないときや、特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9が可変表示している最中にさらに打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたときは、特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9の可変表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として始動入賞玉(乱数値等)が保留データ記憶手段であるRAM55(図2参照)に記憶されて、その記憶数が始動記憶表示器18においてLEDの点灯数により表示される。そして、特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0043】
打玉が始動口14に入賞(始動入賞)したことを条件として、特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9の可変表示部において可変表示(以下「更新表示」、「変動表示」ともいう。)が開始される。特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9の可変表示は、一定時間が経過したときに停止表示される。停止表示時の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下「大当り図柄」ともいう。)であれば、「大当り」となり、特定遊技状態(以下「大当り状態」ともいう。)に移行し、可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
【0044】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0045】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞玉検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0046】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。
【0047】
特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果が特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目。以下「確変大当り図柄」ともいう。)となると、「確変大当り」となり、次に大当りとなる確率が通常遊技状態より高くなる。すなわち、遊技者にとってさらに有利な確率向上状態(以下「特別遊技状態」、「確率変動状態」ともいう。)となる。なお、通常遊技状態とは、特定遊技状態および特別遊技状態以外の遊技状態のことをいう。
【0048】
特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。
【0049】
また、各可変表示部の可変表示中においては、リーチ状態(以下「リーチ」、「リーチ態様」、「リーチ表示態様」ともいう。)が発生する場合がある。
【0050】
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が可変表示される可変表示部を備えた可変表示装置を有し、可変表示部において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
【0051】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様が表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
【0052】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0053】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0054】
また、リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
【0055】
また、全回転リーチとは、複数の表示領域のすべてで特定の表示態様を保持した状態で可変表示を行なっている表示状態をいう。
【0056】
この実施の形態では、前述したように、飾り図柄表示部9で可変表示される飾り図柄として0〜9の数字が表示される。初期状態では、0および偶数の飾り図柄を非確変大当り図柄として定義している非確変大当りテーブルと、奇数の飾り図柄を確変大当り図柄として定義している確変大当りテーブルが後述する記憶手段の1つである制御データROM102に記憶されている。そして初期状態では、飾り図柄表示部9に0および偶数の飾り図柄でゾロ目が揃うと非確変大当りとなり、奇数の飾り図柄でゾロ目が揃うと確変大当りとなる。
【0057】
後述するように所定の条件が成立すると、非確変大当り図柄として非確変大当りテーブルに定義されている飾り図柄のうちのいずれか1つが選択され、選択された非確変大当り図柄は、確変大当り図柄に変更される。これを昇格という。そして、選択され、変更された飾り図柄は、非確変大当りテーブルから削除され、確変大当りテーブルに追加される。昇格については後で詳しく述べることとする。
【0058】
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(以下「主基板」ともいう。)31、賞球基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0059】
賞球基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35および発射制御基板91にはマイクロコンピュータ等が搭載されており、表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。各基板には、たとえば、CPUやI/Oポートが設けられている。
【0060】
賞球基板37には、球払出装置97およびカードユニット50が接続される。音制御基板70には、スピーカ41が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED42、賞球ランプ43、玉切れランプ44、普通図柄表示部10および通過記憶表示器15が接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80には、特別図柄表示部9aおよび飾り図柄表示部9が接続される。
【0061】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、アドレスデコード回路67と、ソレノイド回路59と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65とが設けられている。
【0062】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行する。
【0063】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0064】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物14aの左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0065】
ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18、および装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0066】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄表示部9の可変表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0067】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
【0068】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0069】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータ、音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータおよび表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81には、指令情報の一例となるコマンドが送信される。
【0070】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに伝送されるコマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。
【0071】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき所定の音制御コマンドを音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータでは、音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41から出力させる制御が行なわれる。
【0072】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータでは、ランプ制御コマンドに基づく上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
【0073】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータでは、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。具体的には、特別可変入賞球装置19の大入賞口に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば5個の景品玉が払出され、その他の入賞口24に入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
【0074】
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような制御動作を行なう。始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あったときには遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに対し「5」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。
【0075】
一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときに、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があったときには、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときにおいて、それ以前に始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。
【0076】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載された払出制御用マイクロコンピュータに送られた賞球個数信号により払出制御用マイクロコンピュータは、球払出装置97を駆動して賞球個数信号により特定される個数の賞球を払出す制御を行なう。
【0077】
図3は、表示制御基板80内の回路構成を、LCD(飾り図柄表示部)9、普通図柄表示器10、遊技制御基板31の出力ポート(ポート0,2)570,572および出力バッファ回路620,62Aとともに示すブロック図である。
【0078】
出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。また、この実施の形態では、コマンドデータをパラレル通信(この例では8ビットパラレル)によって送信する構成としているが、シリアル通信によってやりとりされるようにしてもよい。
【0079】
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、たとえば、汎用ICである74HC540、74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられる。
【0080】
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD9に表示される画面の表示制御を行なう。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD9に表示するための画像データを生成し、R、G、B信号および同期信号をLCD9に出力する。
【0081】
なお、図3には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、LCD9に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0082】
表示制御用CPU101は、表示制御コマンドデータを記憶しておくためのRAM101Aと接続されており、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいて予め定められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行なう。なお、予め定められているタイミングで背景やキャラクタの切換も行なわれるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
【0083】
入力バッファ回路105A,105Bは、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。
【0084】
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、たとえば、3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、遊技制御基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
【0085】
図4は、昇格の様子を説明するための画面図である。ここでは、昇格が行なわれる条件として、はずれが連続して1000回(以下「はまり1000回」ともいう。)導出表示されたときについて説明する。なお、昇格が行なわれる条件は他にも定められており、詳しくは後述することとする。
【0086】
非確変大当りテーブルおよび確変大当りテーブルは、初期状態であるとする。図中の下向きの矢印は、飾り図柄表示部9において飾り図柄が可変表示中であることを意味している。また、非確変大当り図柄は数字が黒く塗りつぶされており、確変大当り図柄は数字が白抜きとなっている。
【0087】
最初、飾り図柄表示部9において飾り図柄が可変表示されている(a)。所定時間が経過すると、左可変表示部に飾り図柄の「4」が停止表示され(b)、続いて、右可変表示部に飾り図柄の「7」が停止表示され(c)、最後に中可変表示部に飾り図柄の「2」が停止表示され(d)、はずれが確定する。この「427」の表示結果が、連続してはずれが導出表示された1000回目であるとする。
【0088】
昇格を行なう条件であるはまり1000回が成立したので、飾り図柄表示部9に「はまり1000回」を報知する画面が表示される(e)。そして、後述する昇格決定処理において、昇格が行なわれることが決定され、昇格する飾り図柄が決定されると、飾り図柄表示部9にその旨が表示され、遊技者に報知される。この例では、非確変大当り図柄である「2」が確変大当り図柄に昇格することが決定され、飾り図柄表示部9に「2」も確変大当り図柄になったことが報知される(f)。
【0089】
このようにすると、あらたに確変大当り図柄に変更された飾り図柄を遊技者は把握することができ、確変大当りに対する遊技者の興趣を向上させることができる。
【0090】
その後、飾り図柄表示部9において可変表示が開始され(g)、所定時間が経過すると、左可変表示部に飾り図柄の「2」が停止表示される(h)。このとき、飾り図柄の「2」は確変大当り図柄に昇格したので、白抜きの数字で表示される。続いて、右可変表示部に飾り図柄の「2」が停止表示され(i)、最後に中可変表示部に飾り図柄の「2」が停止表示される(j)。飾り図柄の「2」は、確変大当り図柄に昇格していたので、「222」のゾロ目は、確変大当りとなり、確変大当りを報知する画面が表示される(k)。
【0091】
これによると、昇格する条件が成立すると、非確変大当り図柄として定義されている飾り図柄が確変大当り図柄として定義されることとなるので、非確変大当り図柄として定義されている飾り図柄に確変大当り図柄としての価値が付与されたと遊技者に感じさせることができ、演出の面白みを増すことができる。また、飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果としてはずれを導出表示させる制御が連続して1000回数実行されたときに、非確変大当り図柄として定義されている飾り図柄の数を減少させる一方、確変大当り図柄として定義される飾り図柄の数を増加させるので、遊技者に対して飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果として確変大当りとなる割合が高くなったと感じさせることができ、確変大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0092】
図5は、各乱数の説明図である。この実施の形態では、複数種類の乱数の生成に複数種類のランダムカウンタが用いられている。このランダムカウンタは、遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)、または遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎および割込み処理余り時間にその値が「1」ずつ加算更新される。
【0093】
R1は、表示結果を大当りとするか否かを決定するために用いる大当り決定用ランダムカウンタである。R1(大当り決定用)は、「0」〜「199」の範囲内で、2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「199」まで達すると再度「0」から加算更新される。
【0094】
R2−1、R2−2およびR2−3は、R1(大当り決定用)により、はずれが事前決定された場合に、可変表示部において行なわれる可変表示の表示結果としてのはずれ図柄を事前決定するために用いるはずれ図柄決定用ランダムカウンタである。R2−1(はずれ図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0095】
R2−2は、R2−1(はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新される。
【0096】
R2−3は、R2−2(はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新される。
【0097】
R2−1、R2−2およびR2−3によって決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目となってしまった場合は、R2−2(はずれ図柄決定用)の抽出値に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。
【0098】
R3は、R1(大当り決定用)により、大当りが事前決定された場合に、可変表示部において行なわれる可変表示の表示結果としての大当り図柄を決定するために用いる大当り図柄決定用ランダムカウンタである。R3(大当り図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値が偶数である場合は、特定遊技状態を発生させる大当り図柄となり、奇数である場合は、特別遊技状態を発生させる確変大当り図柄となる。
【0099】
R4は、可変表示の際の変動種類(変動パターン)を決定するために用いる変動パターン決定用ランダムカウンタである。R4は(変動パターン決定用)、「0」〜「149」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「149」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。なお、変動パターンについては、R1(大当り決定用)、R2(はずれ図柄決定用)、R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4(変動パターン決定用)より抽出された値により対応する変動パターンが決定される。
【0100】
R5は、R1(大当り決定用)により、はずれが事前決定された場合に、リーチ状態を発生させるか否かを決定するために用いるリーチ決定用ランダムカウンタである。R5(リーチ決定用)は、「0」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0101】
R6は、普通図柄表示部10の表示結果を当りとするか否かを決定するために用いる普通図柄決定用ランダムカウンタである。R6(普通図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0102】
R7は、始動入賞記憶のうちに表示結果が確変大当りとなる乱数値等が記憶されているときに、表示結果が確変大当りになることを予告するか否かを決定するために用いる予告決定用ランダムカウンタである。R7(予告決定用)は、「0」〜「99」の範囲以内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0103】
R8は、R1(大当り決定用)の初期値を決定するために用いるR1初期値決定用ランダムカウンタである。R8(R1初期値決定用)は、「0」〜「199」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「199」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0104】
R9は、R6(普通図柄当り決定用)の初期値を決定するために用いるR6初期値決定用ランダムカウンタである。R9(R6初期値決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
【0105】
以上に示したランダムカウンタは、ランダムカウンタ毎に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(たとえば始動入賞発生時等)でデータが抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたデータは、ランダムな値(乱数値)になる。
【0106】
図6は、大当り判定処理で用いられる大当り判定テーブルの一例、リーチ判定処理で用いられるリーチ判定テーブルの一例、および予告決定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【0107】
図6の(A)は大当り判定テーブルである。始動入賞等のタイミングで抽出されたR1(大当り決定用)のカウント値と大当り判定値が比較され、一致したときに特別図柄表示部9の表示結果を大当りにするように制御される。この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。従って、高確率時には、低確率時に比べて大当りが生じやすくなっている。
【0108】
図6の(B)はリーチ判定テーブルである。始動入賞等のタイミングで抽出されたR5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ判定値が比較され、一致したときにリーチが成立するように制御される。この実施の形態では、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べてリーチ状態が生じやすくなっている。
【0109】
図6の(C)は、予告判定テーブルである。予告判定テーブルには、「大当り用」と「はずれ用」とがある。R1(大当り決定用)より抽出されたカウント値およびR3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値によって確変大当りとなることが事前決定されているときは、「大当り用」の予告判定テーブルが用いられる。「大当り用」の予告判定テーブルでは、100個の判定値のうち95個(0〜94)が予告判定値に定められている。一方、R1(大当り決定用)より抽出されたカウント値がはずれを事前決定するものであるときは、「はずれ用」の予告決定テーブルが用いられる。「はずれ用」の予告決定テーブルでは、100個の判定値のうち5個(0〜4)が予告判定値に定められている。
【0110】
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0111】
まず、ステップS(以下単に「S」という。)1〜S14において、制御処理を実行するための初期設定を行なう処理が行なわれる。S1において、割込みを禁止する。次に、S2において、割込み処理のモードを示す割込みモード2の設定を行なう。S3において、スタックポインタの設定を行なう。S4において、内蔵デバイスレジスタの設定を行なう。S5において、CTCおよびPIOの設定を行なう。S6において、RAMをアクセス可能にする設定を行なう。
【0112】
次に、S7において、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態を1回だけ確認する。その確認においてオンを検出した場合には、S11〜S14において、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
【0113】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、S8において、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)を行なったか否か確認する。そのような保護処理を行なっていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認する。この実施の形態では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0114】
バックアップありを確認したら、S9において、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう。S9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0115】
チェック結果が正常であれば、S10において、CPU56は、遊技制御基板31の内部状態と表示制御基板80等の電気部品制御基板の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0116】
初期化処理では、まず、S11において、CPU56は、RAMクリア処理を行なう。また、S12において、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行なう。さらに、S13において、サブ基板(この実施の形態では、払出制御基板35および各演出制御基板)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に搭載されたマイクロコンピュータに送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、特別図柄用表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド(表示制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0117】
そして、S14において、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定する。
【0118】
S11〜S14の初期化処理の実行が完了すると、S16において、表示用乱数更新処理およびS17において、初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには、S15において、割込禁止状態とし、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると、S18において、割込許可状態とする。表示用乱数とは、特別図柄用表示部9に表示される特別図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値を設定する。
【0119】
なお、表示用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態とするのは、表示用乱数更新処理を後述するタイマ割込処理でも実行することから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S16の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S16の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0120】
図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0121】
タイマ割込が発生すると、S21において、CPU56は、レジスタの退避処理を行った後、S22〜S34の遊技制御処理を実行する。まず、S22において、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22および入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう。
【0122】
次に、S23において、遊技制御に用いられる大当り決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう。S24において、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行ない、S25において、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
【0123】
S26において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を選び出して実行する。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新する。S27において、普通図柄プロセス処理を行なう。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を選び出して実行する。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
【0124】
S28において、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(特別図柄コマンド制御処理)を行なう。S29において、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(普通図柄コマンド制御処理)を行なう。
【0125】
S30において、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう。
【0126】
S31において、CPU56は、入賞球検出スイッチ99の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する。具体的には、入賞球検出スイッチ99がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0127】
そして、S32において、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。また、S33において、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。さらに、S34において、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行なう。始動用電動役物15または開閉板20を開成状態または閉成状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切替たりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16、21を駆動する。その後、S35において、レジスタの内容を復帰させ、S36において、割込許可状態に設定する。
【0128】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動することになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理を実行しているが、タイマ割込処理では、たとえば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみを行ない、遊技制御処理はメイン処理において実行するようにしてもよい。
【0129】
図9は、図8に示す2msecタイマ割込処理における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【0130】
まず、S311において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、変動短縮タイマ減算処理を行なう。S312において、遊技盤6に設けられている始動口14に打玉が入賞したことを検出するための始動口スイッチ17がオンしているか否かの判断を行なう。始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち打玉が始動口14に入賞する始動入賞が発生していたら、S313において、始動口スイッチ通過処理を行った後に、内部状態に応じて、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0131】
S300において、特別図柄通常処理を行なう。特別図柄通常処理では、特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、可変表示の結果を大当りとするか否かを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301(特別図柄停止図柄設定処理)に移行するように更新する。
【0132】
S301において、特別図柄停止図柄設定処理を行なう。特別図柄停止図柄設定処理では、特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302(変動パターン設定処理)に移行するように更新する。
【0133】
S302において、変動パターン設定処理を行なう。変動パターン設定処理では、可変表示部における特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、R4(変動パターン決定用)の値に応じて決定する。表示制御基板80に搭載している表示制御用マイクロコンピュータ81に対して、最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とを送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303(特別図柄変動処理)に移行するように更新する。
【0134】
S303において、特別図柄変動処理を行なう。特別図柄変動処理では、所定時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304(特別図柄停止処理)に移行するように更新する。
【0135】
S304において、特別図柄停止処理を行なう。特別図柄停止処理では、特別図柄表示部9aにおいて表示される全図柄が停止表示されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドを送信する状態に設定する。また、確率向上状態において、大当りが発生すると判断されたときは、確変フラグをOFFにセットする処理が行なわれる。そして、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に移行するように更新する。
【0136】
S305において、大入賞口開放前処理を行なう。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306(大入賞口開放中処理)に移行するように更新する。
【0137】
S306において、大入賞口開放中処理を行なう。大入賞口開放中処理では、大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307(特定領域有効時間処理)に移行するように更新する。
【0138】
S307において、特定入賞領域有効時間処理を行なう。特定入賞領域有効時間処理では、Vカウントスイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308(大当り終了処理)に移行するように更新する。
【0139】
S308において、大当り終了処理を行なう。大当り終了処理では、特定遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に行なわせるための制御を行なう。また、発生した大当りが確変大当りであったときは、確変フラグをONにセットする処理が行なわれる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300(特別図柄通常処理)に移行するように更新する。
【0140】
図10は、変動パターンの一例を示す説明図である。「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は、特別図柄の変動時間を示す。
【0141】
なお、「通常変動」とは、リーチを伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチを伴う変動パターンである。「リーチA」は「ノーマルリーチ」とは異なるリーチを持つ変動パターンである。また、リーチが異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。たとえば、「ノーマル」ではたんに1種類の変動態様によってリーチが実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチが実現される。
【0142】
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチを持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチを持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなるときと大当りとならないときとがある。
【0143】
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中)でも変動パターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0144】
図11は、図9に示す特別図柄プロセス処理における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理では、まず、S41において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である「4」に達しているかどうか確認する。始動入賞記憶数が「4」に達していなければ、S42において、始動入賞記憶数を「1」加算し、S43において、R1(大当り決定用)等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。
【0145】
図12は、図9に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理では、まず、S51において、CPU56は、可変表示部において特別図柄の可変表示を開始させることができる状態(たとえば、特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合)と判断したときには、S52において、始動入賞記憶数の値を確認する。具体的には、始動入賞記憶の数をカウントする始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっているときとは、特別図柄表示部9aにおいて特別図柄の可変表示がなされておらず、かつ大当り遊技中でもないときである。
【0146】
始動入賞記憶数が0でなければ、S53において、予告決定処理を行なう。S54において、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、S55において、始動入賞記憶数の値を「1」減算し、かつ各保存領域の内容をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0147】
次に、S56において、大当り判定処理を実行する。S57において、表示結果を大当りとすると判断したときには、S58において、CPU56は、大当りフラグをONにする。そして、S59において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する。
【0148】
図13は、図12に示す特別図柄通常処理における予告決定処理を示すフローチャートである。予告決定処理では、まず、S61において、確変フラグがONであるか否か判断する。確変フラグがONであるとき、すなわち確率向上状態中は予告をする決定をしないので、直ちにこのサブルーチンプログラムは終了する。確変フラグがONでないときは、S62において、予告フラグがONであるか否か判断する。予告フラグがONでないと判断したときは、S63において、確変大当り判定回数として始動入賞記憶数をセットする処理を行なう。たとえば、始動入賞記憶数が3であるときは、確変大当り判定回数として3をセットするのである。S64において、何個目の始動入賞記憶の内容を見ているのかをカウントする検査回数カウンタを0にセットする処理を行なう。
【0149】
S65において、検査回数カウンタに1加算する処理を行ない、S66において、始動入賞記憶数1に対応する保存領域に保存されている乱数値を読み出す処理を行なう。S67において、読み出した乱数値が特別図柄表示部9aにおける可変表示の表示結果を大当りにするものであるか否か判断する。大当りにすると判断したとき、S68において、読み出した乱数値が特別図柄表示部9aにおける可変表示の表示結果を確変大当りにするものであるか否か判断する。確変大当りにする乱数値と判断したときは、S72に進む。確変大当りにする乱数値でないと判断したときは、S69に進む。S69において、確変大当り判定回数を1減算する処理を行なう。S66,S67,S68によって特定データ判定手段が構成されている。また、S68によって特別判定手段が構成されている。
【0150】
S70において、確変大当り回数が0か否か判断する。たとえば、始動入賞記憶数が3であったとき、S65からS69の処理を3回行なったとき、すなわち記憶されている全ての始動入賞に対して確変大当りの判定を行なったとき、S71に進む。一方、確変大当り判定回数が0でないと判断されたときは、S65からS68までの処理を繰り返す。
【0151】
S65からS68までの処理で始動入賞記憶のうちに確変大当りがないと判断したので、S71において、はずれ用の予告判定テーブルを設定する処理を行ない、S73に進む。一方、S68で始動入賞記憶のうちに確変大当りがあると判断したときは、S72において、大当り用の予告判定テーブルを設定する処理を行ない、S73に進む。
【0152】
大当り用予告判定テーブルおよびはずれ用予告判定テーブルにはそれぞれ「予告演出を行なう」および「予告演出を行なわない」に対して判定値が割り振られている。大当り用予告判定テーブルは、「予告演出を行なう」に判定値が多く割り振られ、はずれ用予告判定テーブルは「予告演出を行なわない」に判定値が多く割り振られている。
【0153】
S73において、R7(予告決定用)から予告決定用乱数を抽出する処理を行なう。S74において、S73でR7(予告決定用)より抽出したカウント値と、S71またはS72において設定した予告判定用テーブルに規定されている判定値とを比較する処理を行なう。S67において、始動入賞記憶中に確変大当りが記憶されていると判断されたときは、大当り用予告判定テーブルを用いて高い選択率で予告演出を行なうことが決定されるのである。また、始動入賞記憶中に確変大当りが記憶されていないと判断されたときにおいても、低い選択率ではあるけれども予告演出が行なうと決定される。このようにすると、予告の発生頻度が高くなり、確変大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができるのである。S73,S74によって予告決定手段が構成されている。
【0154】
予告決定用乱数と大当り用予告判定テーブルまたははずれ用予告判定テーブルとを比較した結果、予告演出を行なうと決定したときは、S75において、何回目の始動入賞記憶中に確変大当りが記憶されていたかを示す予告コマンドをセットする。
【0155】
S76において、予告コマンドをセットした後に何回可変表示を行なったかをカウントするための予告回数カウンタに確変大当りとなる乱数が記憶されていた始動入賞記憶の値あるいは確変大当り判定を行なった始動入賞記憶の数ををセットする。S77において、予告フラグをONにセットする。
【0156】
S62において、予告フラグがONであると判断したときは、S78において、予告回数カウンタを1減算する処理を行なう。S79において、予告回数カウンタが0であるか否か判断する。予告回数カウンタが0であると判断したときは、S80において、予告フラグをOFFにする。このような処理により、予告フラグをOFFにするまでは、あらたに始動入賞記憶中に確変大当りが記憶されているか否かを判断しないようにしている。
【0157】
図14は、図12に示す特別図柄通常処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。大当り判定処理では、S81において、CPU56は、確変フラグがONとなっているか否か判断する。確変フラグがONであるときは、S82において、図6(A)に示した大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変フラグがONでないときは、S83において、図6(A)に示した大当り決定用テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0158】
そして、S84において、S43で抽出し、S54で読み出したR1(大当り決定用)のカウント値と、図6(A)に示した大当り判定テーブル中の大当り判定値とを比較する処理を行なう。S85において、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り判定値とが一致すると判断したときは、S86において、特別図柄表示部9aにおける可変表示の表示結果を大当りとすることを決定し、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致しないと判断したときは、S87において、特別図柄表示部9aにおける可変表示の表示結果を大当りとしないことを決定する。
【0159】
図15は、図9に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理では、まず、S91において、CPU56は、大当りフラグがONか否か判断する。大当りフラグがONであると判断したときは、S92において、S43で抽出したR3(大当り図柄決定用)のカウント値に従い大当り図柄を決定する。この実施の形態では、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄を大当り図柄として決定する。図12のS56,S57および図15のS92によって表示結果決定手段が構成されている。
【0160】
S93において、決定した大当り図柄が奇数図柄であるか否か判断する。大当り図柄が奇数図柄であるときは、特別図柄表示部9aの表示結果は確変大当りとなるので、S94において、確変フラグをONにする処理を行なう。S95において、大当りコマンドをセットし、S96において、図柄コマンドをセットし、そして、S73において、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する。
【0161】
S91で大当りフラグがONでないと判断したときは、S98において、R5(リーチ決定用)よりリーチ決定用乱数値を読み出す処理を行なう。S99において、CPU56は、リーチ判定処理を実行する。S100において、リーチとすると判断したときは、S101において、R2−1のカウント値に従って左可変表示部および右可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2の値に従って中可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。ここで、決定した中可変表示部の特別図柄が左可変表示部および右可変表示部の特別図柄と一致した場合には、中可変表示部の特別図柄に対応した乱数の値に「1」加算し、対応する特別図柄を中可変表示部に停止表示させる特別図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、S103に移行する。
【0162】
S100において、リーチとしないと判断されたときは、S102において、はずれ図柄の決定を行なう。具体的には、S54で読み出した値、すなわち、抽出されているR2−1のカウント値に従って左可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2のカウント値に従って中可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−3のカウント値に従って右可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。なお、ここでは、左可変表示部、右可変表示部に停止表示させる特別図柄が一致した場合には右可変表示部に停止表示させる特別図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、S103に移行する。S103において、はずれコマンドがセットされた後、S96に進む。
【0163】
図16は、図15に示す特別図柄停止図柄設定処理におけるリーチ判定処理を示すフローチャートである。リーチ判定処理では、S111において、CPU56は、確変フラグがONであるか否か判断する。確変フラグがONであると判断したときは、S112において、図6(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S113において、図6(B)に示されたリーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0164】
そして、S114において、S43で抽出し、S98で読み出したR5(リーチ決定用)のカウント値と、図6(B)に示したリーチ判定テーブルのリーチ判定値とを比較する処理を行なう。S115において、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ判定値とが一致すると判断したときは、S86において、リーチとすることを決定し、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ判定値とが一致しないと判断したときは、S117において、リーチとしないことを決定する。
【0165】
図17は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【0166】
図17に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される。また、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0167】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は1例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0168】
図18は、制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【0169】
図18に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0170】
表示制御コマンドは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この実施の形態では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送信されるとは、たとえば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は、図18に示された極性と逆極性であってもよい。
【0171】
図19は、表示制御用CPU101が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理では、まず、Sub1において、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための33msecタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう。その後、Sub2において、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。図20に示すように、タイマ割込が発生すると、Sub11において表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする。表示制御メイン処理において、タイマ割込フラグをセットしていたら、Sub3において、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0172】
この実施の形態では、タイマ割込は33msec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、33msec毎に起動する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみを行ない、具体的な表示制御処理は表示制御メイン処理において実行するが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0173】
表示制御処理では、Sub4において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。次に、Sub5において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行なう。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、Sub6において、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する。その後、Sub2のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0174】
図21は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【0175】
この実施の形態では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0176】
なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、たとえば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。
【0177】
音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータや、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータにおいても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81、音声制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータは、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指示に迅速に対応することができる。
【0178】
図22および図23は、コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0179】
コマンド解析処理では、まず、Sub21において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判断する。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。Sub22において、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を1加算しておく。
【0180】
Sub23において、受信した表示制御コマンドが左可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断した場合は、Sub24において、表示制御用CPU101は、左可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータをRAMにおける左特別図柄格納領域に格納する。また、Sub25において、受信した表示制御コマンドが中可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断した場合は、Sub26において、表示制御用CPU101は、中可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータを、RAMにおける中特別図柄格納領域に格納する。そして、Sub27において、受信した表示制御用コマンドが右可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断した場合は、Sub28において、表示制御用CPU101は、右可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータを、RAMにおける右特別図柄格納領域に格納する。
【0181】
また、Sub29において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであると判断した場合は、Sub30において、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し、Sub31において、変動パターン受信フラグをセットする。
【0182】
また、Sub29において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドでないと判断した場合は、Sub32において、受信した表示制御コマンドが始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドであるか否か判断する。受信した表示制御コマンドが始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドと判断した場合は、Sub33において、表示制御用CPU101は、RAM101Aにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する。また、Sub34において、始動記憶表示器18の数を更新する。
【0183】
Sub35において、受信した表示制御コマンドが予告パターン指定コマンドであると判断した場合は、Sub36において、予告フラグをONにする処理を行なう。Sub37において、受信コマンドがいかなるコマンドか判断して、対応したフラグをセットして、Sub21に戻る。
【0184】
図24は、図19に示す表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてSub500〜Sub506のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
【0185】
Sub500において、変動パターンコマンド受信待ち処理を行なう。変動パターンコマンド受信待ち処理では、コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドを受信したことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)をセットしたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドを受信したことを確認した場合にセットする。
【0186】
Sub501において、飾り図柄演出設定処理を行なう。飾り図柄演出設定処理では、飾り図柄の停止図柄および変動パターン等を決定する。特別図柄表示部9aが確変大当りを示す特別図柄で停止表示されたときは、飾り図柄表示部9においても確変大当りを示す飾り図柄が停止表示されるが、特別図柄表示部9aの特別図柄の組合せと飾り図柄表示部9の飾り図柄の組合せは合致しない。また、飾り図柄の変動パターンは、特別図柄表示部9aの特別図柄の変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄の変動パターンに合致したものに決定される。
【0187】
Sub502において、図柄変動開始処理を行なう。図柄変動開始処理では、特別図柄表示部9aの特別図柄の変動表示を開始するように制御する。また、飾り図柄表示部9の飾り図柄の変動表示を開始するように制御する。
【0188】
Sub503において、図柄変動中処理を行なう。図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右特別図柄の停止制御を行なう。
【0189】
Sub504において、図柄停止待ち処理を行なう。図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。
【0190】
Sub505において、大当り表示処理を行なう。大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当り表示または大当り表示の制御を行なう。
【0191】
Sub506において、大当たり遊技中処理を行なう。大当り遊技中処理では、大当たり遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
【0192】
図25は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データと、飾り図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとが含まれている。
【0193】
また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で特別図柄や飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0194】
図25に示すプロセスデータは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81の制御データROM102に格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、プロセスデータは、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せのそれぞれに応じて用意されている。また、予告演出の種類に応じて用意されている。
【0195】
図26は、図24に示す表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理では、Sub41において、表示制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。セットされていたら、Sub42において、そのフラグをリセットする。そして、Sub43において、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄演出設定処理に対応した値に変更する。
【0196】
図27および図28は、図24に示す表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。飾り図柄演出設定処理では、前述した非確変大当り図柄を確変大当り図柄に昇格させる制御等が行なわれる。
【0197】
まず、Sub51において、大当りコマンドを受信したか否か判断する。大当りコマンドを受信していないときは、Sub52において、予告フラグがONであるか否か判断する。予告フラグがONでないときは、Sub53において、昇格モードがONであるか否か判断する。昇格モードがONでないときは、Sub54に進む。
【0198】
Sub54において、Sub51で大当りコマンドを受信していないと判断し、表示結果がはずれとなるので、はずれ回数カウンタを1加算する。Sub51によって外れ表示態様回数計数手段が構成されている。Sub55において、はずれ回数カウンタが1000であるか否か判断する。Sub55によって外れ表示態様回数判定手段が構成されている。はずれ回数カウンタが1000であるとき、すなわち、はずれを連続して1000回導出表示したときは、Sub56において、昇格決定処理を行なう。
【0199】
これによれば、飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果としてはずれが連続して1000回導出表示されて不満を抱いている遊技者に対し、確変大当りが導出表示される割合が高くなったと感じさせることができ、遊技者が遊技を止めることを防止することができる。
【0200】
Sub57において、図柄決定用乱数を抽出する処理を行ない、Sub58において、飾り図柄表示部9に表示するはずれ図柄を決定する。Sub58aにおいて、昇格した回数を計数する昇格回数カウンタが4であるか否か判断する。昇格回数カウンタは、昇格の回数を制限するために設けたものである。初期状態において非確変大当り図柄として非確変大当りテーブルに定義されている飾り図柄は5個である。よって、5回以上昇格すると非確変大当り図柄がなくなるという不都合が生じるので、昇格の回数の上限を4回にしている。
【0201】
昇格回数カウンタが4に達しているときは、Sub59において、可変表示を行なった回数を計数する可変表示カウンタを1加算する処理を行なう。Sub60において、可変表示カウンタが50であるか否か判断する。可変表示カウンタが50であるときは、Sub61において、確変大当りテーブルおよび非確変大当りテーブルの状態を初期状態に戻す処理を行なう。Sub61によって初期化手段が構成されている。Sub61aにおいて、可変表示カウンタをリセットする処理を行なう。Sub62において、飾り図柄の変動パターンを決定し、Sub63において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理に対応した値に変更した後、このサブルーチンプログラムは終了する。
【0202】
このように初期状態に戻す処理を設けることにより、確変大当りに対する遊技者の期待感を煽り過ぎないようにすることができる。
【0203】
Sub53において、昇格モードがONであると判断したときは、Sub64に進む。昇格モードはSub56の昇格決定処理で昇格を行なうと決定したときにONにセットする。Sub64において、はずれ回数カウンタを1加算する。Sub64によって変更後外れ表示態様回数計数手段が構成されている。Sub55ではずれ回数カウンタが1000と判断し、Sub56の昇格決定処理で昇格を行なったときは、はずれ回数カウンタがリセットするので、Sub64では、新たに0からはずれ回数カウンタを計数していくこととなる。
【0204】
Sub65において、はずれ回数カウンタが200であるか否か判断する。Sub65によって変更後外れ表示態様回数判定手段が構成されている。はずれ回数カウンタが200であるとき、すなわち、はずれを1000回連続して導出表示し、昇格した後に、さらにはずれを200回連続して導出表示したときは、Sub66に進む。Sub66において、昇格した回数を計数する昇格回数カウンタが4であるか否か判断する。昇格回数カウンタが4に達していないときは、Sub67において、昇格決定処理を行なった後、Sub57に進み、前述したのと同様の処理を行なう。
【0205】
これによれば、昇格決定処理によって昇格が行なわれた後に飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果としてはずれが連続して200回導出表示不満を抱いている遊技者に対し、確変大当りが導出表示される割合がさらに高くなったと感じさせることができ、遊技者が遊技を止めることを防止することができる。
【0206】
なお、この実施の形態では、飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果として、はずれが連続して1000回導出表示され、昇格が実行されたときは、はずれ回数カウンタをリセットして、新たに0からはずれ回数カウンタを計数していく例を示したが、これに限られない。たとえば、はずれ回数カウンタをリセットせずに、はずれが連続して導出表示された回数を1000回、1200回、1400回と積算して計数するようにしてもよい。
【0207】
Sub52において、予告フラグがONであると判断したときは、Sub68に進む。Sub68において、予告中フラグがONであるか否か判断する。予告中フラグがONでないと判断したときは、Sub69において、予告演出を行なう回数を計数する予告回数カウンタに受信した予告コマンドに基づいて予告演出を行なう回数をセットする。たとえば、始動入賞記憶の3個目に確変大当りに該当する乱数値が記憶されていると判断したとき、予告回数カウンタに3をセットする。この予告回数カウンタにセットした値の回数だけ連続して昇格決定処理を行なう。昇格を連続して行なうことにより、始動入賞記憶中に確変大当りが記憶されていることを予告する。
【0208】
これによると、昇格が連続して行なわれることがあり、確変大当りに対する遊技者の期待感を徐々に向上させることができる。また、連続した昇格は、始動入賞記憶中に飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果として確変大当りを示すデータが記憶されているときに実行されるため、連続した昇格が実行されることにより、確変大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0209】
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信されてきた予告コマンドに基づいて予告演出を行なう回数を予告回数カウンタにセットする例を示したがこれに限られず、受信した予告コマンドに基づいて表示制御用マイクロコンピュータ81が予告演出を行なう回数を決定するようにしてもよい。
【0210】
Sub70において、予告演出が行なわれる前の確変大当り用テーブル、非確変大当り用テーブルの状態および昇格回数カウンタの状態を記憶手段の1つであるRAM101Aに記憶する処理を行なう。Sub71において、予告中フラグをONにセットし、Sub72に進む。
【0211】
Sub72において、昇格回数カウンタが4であるか否か判断する。昇格回数カウンタが4でないと判断したときは、Sub73において、昇格決定処理を行なった後、Sub74において、予告回数カウンタを1減算する処理を行なわれる。
【0212】
Sub75において、予告回数カウンタが0であるか否か判断する。予告は始動入賞記憶のうちに確変大当りが記憶されていないときにも行なうことがある。この場合、Sub51において、大当りコマンドを受信したという判断はしないため、Sub75において、予告回数カウンタが0であると判断するときがある。予告回数カウンタが0であると判断したときは、Sub76において、Sub70で記憶した予告を実行する前の確変大当り用テーブル、非確変大当り用テーブルの状態および昇格回数カウンタの状態に戻す処理を行なう。Sub77において、予告中フラグがOFFにし、Sub78において、予告フラグをOFFにする。
【0213】
Sub51において、大当りコマンドを受信したと判断したときは、Sub81において、図柄決定用乱数を抽出する処理を行なう。Sub82において、受信した図柄コマンドに基づいて大当り図柄は奇数であるか否か判断する。大当り図柄が奇数であるときは、特別図柄表示部9aの表示結果が確変大当りとなることを意味しているので、Sub83において、確変大当り用テーブルに基づいて飾り図柄表示部9に表示する図柄を決定する。Sub81,Sub82,Sub83によって特別識別情報選択手段が構成されている。
【0214】
一方、大当り図柄が偶数であるときは、特別図柄表示部9aの表示結果が非確変大当りとなることを意味しているので、Sub84において、非確変大当り用テーブルに基づいて飾り図柄表示部9に表示する図柄を決定する。Sub81,Sub82,Sub84によって特定識別情報選択手段が構成されている。
【0215】
初期化手段であるSub85において、確変大当り用テーブルおよび非確変大当り用テーブルを初期状態に戻す処理を行ない、Sub86において、はずれ回数カウンタをクリアする。Sub87において、昇格回数カウンタをクリアする。Sub88において、予告中フラグをOFFにセットする。Sub89において、予告フラグをOFFにセットする。Sub90において、昇格モードをOFFにセットした後、Sub59に進み、前述したのと同様の処理が行なわれる。
【0216】
このように初期状態に戻す処理を設けることにより、確変大当りに対する遊技者の期待感を煽り過ぎないようにすることができる。
【0217】
図29は、図27に示す飾り図柄演出設定処理における昇格決定処理を示すフローチャートである。昇格決定処理では、まず、Sub91において、昇格決定用乱数を抽出する。Sub92において、昇格させるか否か判断する。この処理は、Sub91で抽出した乱数値と予め定められている判定値とを比較し、一致するか否かを判断する。一致すると判断したときは、Sub93に進む。
【0218】
Sub93において、昇格モードをONにする。Sub94において、非確変大当り図柄として非確変大当りテーブルに定義している飾り図柄のうちから1つ選択するために用いる昇格図柄選択用乱数を抽出する。Sub95において、Sub94で抽出した乱数値と非確変大当りテーブルとを比較して、昇格させる飾り図柄を選択し、昇格させる。Sub96において、昇格させた後の確変大当りテーブルと非確変大当りテーブルをRAM101Aに記憶する処理を行なう。これにより、次回昇格する飾り図柄を選択するとき、昇格して確変大当り図柄として確変大当りテーブルに定義している飾り図柄を選択しないようにする。Sub94,Sub95,Sub96によって識別情報変更手段が構成されている。また、Sub96および図27のSub59,Sub60,Sub61によって保持制御手段が構成されている。
【0219】
Sub97において、昇格回数カウンタを1加算する処理を行なう。Sub98において、予告フラグがONでないと判断したときは、Sub99において、はずれ回数カウンタをクリアする処理を行ない、このサブルーチンプログラムは終了する。
【0220】
図30は、図24に示す表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。図柄変動開始処理では、まず、Sub101において、表示制御用CPU101は、使用するプロセスデータを選択する。次に、Sub102において、選択したプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし、Sub103において、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄の変動表示を行なう。Sub104において、飾り図柄制御実行データ1の内容に従って飾り図柄表示部(LCD)9を制御して飾り図柄の変動表示を行なう。そして、Sub105において、変動時間タイマをスタートし、Sub106において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0221】
図31は、図24に示す表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。図柄変動中処理では、Sub111において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたと判断すると、Sub112において、表示制御実行データの切替を行なう。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってVDP103を制御する。従って、VDP103は、表示制御実行テーブルの内容に応じて飾り図柄表示部9の表示状態を制御する。
【0222】
Sub113において、変動時間タイマがタイムアウトしていたら、Sub114において、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ、Sub115において、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0223】
図32は、図24に示す表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理では、Sub121において、表示制御用CPU101は、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か判断する。図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、Sub122において、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行なう。
【0224】
Sub123において、図29の昇格決定処理で昇格した飾り図柄があるか否か判断する。昇格した飾り図柄があるときは、Sub124において、昇格した飾り図柄を飾り図柄表示部9へ表示して、遊技者に対し報知する制御が行なわれる。
【0225】
Sub125において、表示した図柄が大当り図柄であると判定した場合には、Sub126において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に設定する。Sub125において、表示した図柄が大当り図柄でないと判定した場合(はずれ図柄を表示した場合)には、Sub127において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。
【0226】
図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していないと判断したときは、Sub128において、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、Sub129において、飾り図柄用可変表示部9にエラー画面を表示する制御を行なう。そして、Sub125に移行する。
【0227】
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、初期状態として0および偶数の飾り図柄を非確変大当り図柄として定義している非確変大当りテーブルと、奇数の飾り図柄を確変大当り図柄として定義している確変大当りテーブルが制御データROM102に記憶されており、昇格決定処理において昇格が行なわれたときに変更された確変大当りテーブルおよび非確変大当りテーブルをRAM101Aに記憶して、次回の昇格が行なわれるときには、RAM101Aに記憶された確変大当りテーブルおよび非確変大当りテーブルに基づいて昇格する飾り図柄を決定する例を示したがこれに限られない。
【0228】
たとえば、予め定められた複数種類の識別情報テーブルをROM102に記憶しておくようなものであってもよい。図33は複数種類の識別情報テーブルの一部を示す図である。(A−1)の識別情報テーブルは初期状態を示している。確変大当りとなることまたは非確変大当りとなることが事前決定されたときに、(A−1)の識別情報テーブルを用いて、飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果としての確変大当り図柄または非確変大当り図柄を選択しているとする。このとき昇格を実行することが決定されると、図33に示す(B−1)〜(B−5)の識別情報テーブルのうちからいずれか1つが選択される。
【0229】
(B−1)〜(B−5)の識別情報テーブルでは、(A−1)の識別情報テーブルにおいて確変大当り図柄として規定されていた飾り図柄の他に、非確変大当り図柄として規定されていた飾り図柄のいずれか1つが確変大当り図柄として規定されている。
【0230】
そして、たとえば、(B−1)の識別情報テーブルが選択され、(B−1)の識別情報テーブル用いて飾り図柄表示部9における可変表示の表示結果としての確変大当り図柄または非確変大当り図柄を選択しているときに、さらに昇格を実行することが決定されると、今度は図33に示す(C−1−1)〜(C−1−4)の識別情報テーブルのうちからいずれか1つが選択される。このように、昇格することが決定される毎に、予め定められている複数種類の識別情報テーブルのうちから確変大当り図柄または非確変大当り図柄を選択するために用いる識別情報テーブルを選択するようにしてもよい。
【0231】
(2) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図3】表示制御基板内の回路構成を、LCD、普通図柄表示器、遊技制御基板の出力ポートおよび出力バッファ回路とともに示すブロック図である。
【図4】昇格の様子を説明するための画面図である。
【図5】各乱数の説明図である。
【図6】大当り判定処理で用いられる大当り判定テーブルの一例、リーチ判定処理で用いられるリーチ判定テーブルの一例、および予告決定処理で用いられる予告判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図8】遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図9】2msecタイマ割込処理における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図11】特別図柄プロセス処理における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図12】特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図13】特別図柄通常処理における予告決定処理を示すフローチャートである。
【図14】特別図柄通常処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図15】特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図16】特別図柄停止図柄設定処理におけるリーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図17】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから表示制御基板に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図18】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図19】表示制御用CPUが実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図20】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図21】遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【図22】コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図23】コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図24】表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図25】変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図26】表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図27】表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図28】表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図29】飾り図柄演出設定処理における昇格決定処理を示すフローチャートである。
【図30】表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図31】表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図32】表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図33】複数種類の識別情報テーブルの一部を示す図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、8 可変表示装置、9 飾り図柄表示部、9a 特別図柄表示部、10 普通図柄表示部、11 通過口、12 ゲートスイッチ、14始動口、15 通過記憶表示器、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、19 可変入賞球装置、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、55 RAM、81 表示制御用マイクロコンピュータ、101A RAM、102 制御データROM。
Claims (8)
- 各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させる可変表示装置を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態にも制御される遊技機であって、
前記複数種類の識別情報のうち、いずれの識別情報が前記特別の表示態様を構成する特別識別情報であるのか、および、いずれの識別情報が前記特別の表示態様以外の特定の表示態様を構成する特定識別情報であるのかを定めた定義データを記憶する記憶手段と、
前記可変表示装置における可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
該表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様とすることが決定されたときに、前記複数種類の識別情報のうちから前記記憶手段に記憶されている定義データに従って前記特別識別情報を選択する特別識別情報選択手段と、
前記表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様以外の特定の表示態様とすることが決定されたときに、前記複数種類の識別情報のうちから前記記憶手段に記憶されている定義データに従って前記特定識別情報を選択する特定識別情報選択手段と、
前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、前記特別識別情報選択手段が選択した特別識別情報により構成される特別の表示態様、または前記特定識別情報選択手段が選択した特定識別情報により構成される特定の表示態様を、前記可変表示の表示結果として導出表示させる可変表示制御手段と、
所定の条件の成立に基づいて前記特定識別情報として定義される識別情報の数を減少させる一方、前記特別識別情報として定義される識別情報の数を増加させるように、前記記憶手段に記憶されている前記定義データを変更する変更制御を実行する識別情報変更手段と、
該識別情報変更手段によって前記変更制御が実行されてから前記可変表示制御手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を導出表示する制御が複数回実行されるまでの間、前記変更制御による変更後の記憶手段に記憶されている識別情報の定義データのうち少なくとも前記特別識別情報として定義されている識別情報の定義を保持させる保持制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示させる可変表示装置を有し、該可変表示装置における可変表示の表示結果が予め定められた複数種類の特定の表示態様のうちのいずれかとなったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御され、前記表示結果が前記複数種類の特定の表示態様のうちの特別の表示態様となったときに前記特定遊技状態に制御され、該特定遊技状態が終了した後に当該特定遊技状態とは異なる特別遊技状態にも制御される遊技機であって、
前記複数種類の識別情報のうち、いずれの識別情報が前記特別の表示態様を構成する特別識別情報であるのか、および、いずれの識別情報が前記特別の表示態様以外の特定の表示態様を構成する特定識別情報であるのかが規定されている識別情報テーブルを複数記憶する記憶手段と、
前記可変表示装置における可変表示の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
該表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様とすることが決定されたときに、前記記憶手段に記憶されている複数の識別情報テーブルのうちの所定の識別情報テーブルを用いて特別識別情報を選択する特別識別情報選択手段と、
前記表示結果決定手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を前記特別の表示態様以外の特定の表示態様とすることが決定されたときに、前記所定の識別情報テーブルを用いて特定識別情報を選択する特定識別情報選択手段と、
前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、前記特別識別情報選択手段が選択した特別識別情報により構成される特別の表示態様、または前記特定識別情報選択手段が選択した特定識別情報により構成される特定の表示態様を、前記可変表示の表示結果として導出表示させる可変表示制御手段と、
前記特別識別情報選択手段および前記特定識別情報選択手段が識別情報の選択に用いる識別情報テーブルを規定されている識別情報の数が異なる識別情報テーブルに変更する制御を実行するテーブル変更手段とを含み、
該テーブル変更手段は、所定の条件の成立に基づいて、識別情報テーブルを所定の条件の成立前の識別情報テーブルより前記特定識別情報として規定されている識別情報の数が少なく設定されている一方、前記特別識別情報として規定されている識別情報の数が多く設定されている識別情報テーブルに変更する変更制御を実行し、
前記特別識別情報選択手段または前記特定識別情報選択手段は、前記テーブル変更手段によって前記変更制御が実行されてから前記可変表示制御手段によって前記可変表示装置における可変表示の表示結果を導出表示する制御が複数回実行されるまでの間、前記変更制御による変更後の識別情報テーブルに従って前記特別識別情報または前記特定識別情報の選択をすることを特徴とする、遊技機。 - 前記特定遊技状態が終了してから、前記可変表示装置における可変表示の表示結果として前記特定の表示態様以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して実行された回数を計数する外れ表示態様回数計数手段と、
該外れ表示態様回数計数手段の計数値が所定の複数回数になったか否かを判定する外れ表示態様回数判定手段とをさらに含み、
前記所定の条件は、前記外れ表示態様回数判定手段により前記外れ表示態様可変表示回数計数手段の計数値が前記所定の複数回数になったと判定されたことであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 前記識別情報変更手段により前記変更制御が実行されてから、前記可変表示装置における可変表示の表示結果として前記特定の表示態様以外の外れ表示態様を導出表示させる制御が連続して実行された回数を計数する変更後外れ表示態様回数計数手段と、
該変更後外れ表示態様回数計数手段の計数値が特定の複数回数になったか否かを判定する変更後外れ表示態様回数判定手段とをさらに含み、
前記所定の条件は、前記変更後外れ表示態様回数判定手段により前記変更後外れ表示態様回数計数手段の計数値が前記特定の複数回数になったと判定されたことであることを特徴とする、請求項3に記載の遊技機。 - 前記可変表示制御手段は、前記識別情報変更手段による前記変更制御によって前記特別識別情報に変更された識別情報を前記可変表示装置に表示することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊技機。
- 前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変表示させる所定の実行条件は成立したが、未だに前記可変表示装置において前記複数種類の識別情報を可変表示させることができる所定の開始条件が成立していない実行条件を保留データとして記憶する保留データ記憶手段と、
前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定の表示態様に対応した特定データが記憶されているか否かを判定する特定データ判定手段と、
前記特定データ判定手段が前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定データが記憶されていると判定したときに、前記保留データ記憶手段に前記特定データが記憶されていることの予告演出を行なうか否かを決定する予告決定手段とをさらに含み、
前記予告決定手段によって前記予告をすることが決定されたとき、当該予告演出として、前記特定データに基づく表示結果を前記可変表示装置に導出表示させる可変表示制御が実行されるまでの複数回の可変表示制御にわたって前記変更制御を実行することを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 前記保留データ記憶手段に記憶されている前記特定データに基づいた前記可変表示制御において導出表示させる表示結果が前記特別の表示態様となるか否かを判定する特別判定手段をさらに含み、
前記予告決定手段は、前記特定データ判定手段が前記保留データ記憶手段に記憶された保留データのうちに前記特定データが記憶されていると判定し、かつ、前記特別判定手段が前記特定データに基づいた前記可変表示制御において導出表示させる表示結果が前記特別の表示態様となると判定したとき前記予告演出を行なうか否かを決定することを特徴とする、請求項6に記載の遊技機。 - 前記識別情報変更手段により変更された前記記憶手段の定義データまたは前記テーブル変更手段により変更された識別情報テーブルの規定状態を予め定められた初期の定義データまたは規定状態に復帰させる初期化手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の遊技機。
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