JP4286010B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、たとえば、パチンコ遊技機のような、図柄等の複数種類の識別情報を可変表示する可変表示装置が設けられ、その可変表示装置が可変開始した後表示結果が導出表示され、その表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに、大当り等の特定遊技状態に制御される遊技機があった。
【0003】
従来の遊技機の中には、表示結果として予め定められた特定の表示態様を発生させることが事前決定されたときに、特別の音、特定のキャラクタ等を用いて特定の表示態様が発生することを予告報知するものがある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−700号公報(第7−11頁、図6、図8−13)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の遊技機としては、特別の音、特定のキャラクタ等を用いて表示結果が特定の表示態様となることを予告報知するものがあった。しかしながら、この種の従来の遊技機は、可変表示が行なわれているものの表示結果が特定の表示態様になることを予告報知するだけであり、連続して表示結果が特定の表示態様になることを予告報知するものではなく、遊技者の期待感を十分に向上させることはできなかった。
【0006】
本発明は、係る事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示結果が特定の表示態様となることを予告する演出を効果的な方法で行ない、興趣を向上させることのできる遊技機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 所定の可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(特別図柄用可変表示装置9a)を有し、可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば「777」のゾロ目)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
数値データを更新する数値データ更新手段から前記可変表示の実行条件の成立に応じて数値データを抽出する数値データ抽出手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図14のS45)と、
前記可変表示の実行条件が成立したにもかかわらず前記可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立に応じて該数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留データとして所定の上限個数まで記憶可能な保留データ記憶手段(RAM55)と、
前記可変表示の開始条件が成立したときに前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データを記憶された順番に従って読み出し該読み出された保留データが予め定められた判定値と合致するときに当該保留データに対応する表示結果を前記特定の表示態様にすることを決定する表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図15のS55,S56,S57、図16のS74,S75,S76)と、
前記表示結果決定手段の決定結果に基づいて前記可変表示装置を可変表示制御する可変表示制御手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図34、図35、図36)と、
前記保留データ記憶手段から読み出され前記表示結果決定手段による決定に用いられた保留データを消去する保留データ更新手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図27のSub33,Sub34)と、
前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データのうち、前記可変表示の表示結果として前記特定の表示態様にすることを示す保留データの個数を算出する算出手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17のS84〜S95)と、
該算出手段により算出された保留データの個数が特定の複数個以上のとき(2個以上、図17のS96)、その旨を予告するか否かを決定する予告決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17のS97,S98)と、
前記可変表示の表示結果が前記特定の表示態様のうち予め定められた特別の表示態様となったとき(図16のS71)に、前記判定値の数を増加する(図9の(A)大当り判定テーブルの高確率時の大当り判定値、図16のS73)ことによって、前記表示結果決定手段が前記保留データに対応する表示結果を前記特定の表示態様とすることを決定する確率が向上した確率向上状態に制御する確率向上制御手段(特別図柄用可変表示装置9aの3つの可変表示部の表示結果がたとえば、「777」の奇数のゾロ目となると、「確変大当り」となり、次に大当りとなる確率が通常遊技状態より高くなる。)とを含み、
前記可変表示制御手段は、前記予告決定手段により予告をすることが決定されたとき、前記保留データ記憶手段に記憶されている前記特定の表示態様にすることを示す保留データのうち、最初に記憶された保留データに基づく可変表示の表示結果が導出表示される以前に予め定められた特殊態様を表示することで前記予告を(図5の(A−4)、図6の(B−4),(B−8)、表示制御用マイクロコンピュータ81、図35のSub82)行ない、
前記算出手段は、前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データのうちに前記特別の表示態様を導出表示させることに対応した保留データが存在するときには、当該保留データより後に記憶された保留データについて、前記確率向上状態に対応した数の判定値を用いて、前記可変表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを判別する判別手段を含む(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17のS88〜S91)。
【0008】
このような構成によれば、可変表示の表示結果を特定の表示態様とする保留データが保留データ記憶手段に所定の個数以上記憶されているときに予告が行なわれるため、予告が行なわれたとき、特定の表示態様が連続して導出表示されるのではないかという遊技者の期待感を向上させることができる。
また、保留データ記憶手段に記憶されている保留データのうち確率向上状態において特定の表示態様とすることが決定される保留データについても算出手段は特定の表示態様として算出するため、保留データ記憶手段に記憶されている特定の表示態様の数を確実に判別することができる。
【0011】
(2) 前記予告決定手段は、前記算出手段により算出された保留データの個数が前記特定の複数個(2個、図17のS96)以上であり、かつ前記特別の表示態様を表示結果として前記可変表示装置に導出表示させる可変表示制御が行なわれるとき(図15のS59)、前記予告を実行することを決定する(遊技制御用マイクロコンピュータ53、S60)。
【0012】
このような構成によれば、予告をすることを決定する処理の実行を制限することができるため、制御の負担を軽減することができる。
【0013】
(3) 前記特殊態様とは、前記予告決定手段により予告を実行することが決定されたときのみに用いられる予め定められた特殊なリーチ状態(図5の(A−4)、図6の(B−4),(B−8))である。
【0014】
このような構成によれば、特殊なリーチ状態が発生したときは、遊技者はリーチ状態に対する期待感だけではなく、特定の表示態様が連続して導出表示されるのでないかという期待感をもつことができる。
【0015】
(4) 前記予告決定手段は、前記予告をすることを決定してから当該決定に基づいた前記特殊態様を表示させる前記可変表示制御が終了するまでは新たに予告をすることを決定しない(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17のS83)。
【0016】
このような構成によれば、予告をすることを決定する処理の重複を防ぐことができるため、制御の負担を軽減することができる。
【0017】
(5) 前記特殊態様を複数種類記憶する特殊態様記憶手段(キャラクタROM86)と、
該特殊態様記憶手段に記憶されている複数種類の特殊態様の中から前記算出手段によって算出される保留データの個数に対応して予め定められた特殊態様を選択する特殊態様選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図17のS99)とをさらに含み、
前記可変表示制御手段は、前記特殊態様選択手段が選択した特殊態様を表示する(図5の(A−4)、図6の(B−4),(B−8)、表示制御用マイクロコンピュータ81、図35のSub82)。
【0018】
このような構成によれば、選択された特殊態様の種類により表示結果として特定の表示結果が導出表示される回数が分かるため、遊技者の予告に対する興味を向上させることができる。
【0019】
(6) 所定の条件(大当り)に基づいて前記上限個数を増大させる記憶数制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図14のS41,S42)をさらに含む。
【0020】
このような構成によれば、保留データ記憶手段に記憶されている保留データが上限に達することを予防することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればすべてに適用することが可能である。
【0022】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。また、図2は、遊技盤面を示す正面図である。
【0023】
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
【0024】
遊技者がカード残高の記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読取られる。次に、遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
【0025】
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生したときのエラーコードなどの情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
【0026】
パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には打玉供給皿3がある。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
【0027】
操作ノブ5を遊技者が操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉を1個ずつ発射することができる。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止される。
【0028】
遊技領域7の中央には、各々が識別可能な複数種類の識別情報の一例となる特別図柄を可変表示(以下、変動表示ともいう)させる可変表示装置8が設けられている。この可変表示装置8には、飾り図柄用可変表示部9が設けられている。飾り図柄用可変表示部9には、左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の3つの可変表示部がある。この飾り図柄用可変表示部9は、液晶表示器(LCD表示器)で構成されており、7セグメントLEDにより行なわれる比較的単調な特別図柄用可変表示装置9aの可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示部である。この飾り図柄用可変表示部9には、始動記憶表示器18が設けられている。なお、飾り図柄用可変表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
【0029】
飾り図柄用可変表示部9の表示結果は特別図柄用可変表示装置9aの表示結果に対応しているために、たとえば特別図柄用可変表示装置9aの表示結果が大当り状態を示す結果になる場合には、飾り図柄用可変表示部9の表示結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄用可変表示装置9aの表示結果が大当り状態以外のはずれ状態を示す場合には、飾り図柄用可変表示部9の表示結果もはずれ状態を示す結果となる。飾り図柄用可変表示部9の各可変表示部においては、識別情報としての飾り図柄が個別に可変表示(変動表示)可能である。この実施の形態では、飾り図柄用可変表示部9において表示される飾り図柄は、0〜9の10種類の図柄を数字で表したものである。なお、飾り図柄用可変表示部9により可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
【0030】
可変表示装置8には、普通図柄表示部10および通過記憶表示器15が設けられている。可変表示装置8の下方には、始動口(始動入賞口)14が構成された始動用電動役物14aと、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物14aには、可動片が左右に設けられている。また、一般入賞口として、可変表示装置8の左右下方、遊技領域7の下方左右に入賞口24がそれぞれ設けられている。また、打玉が進入可能な通過口11が可変表示装置8の下方左右に設けられている。また、26は、打込まれた打玉が始動口14やいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
【0031】
遊技領域7の外周には遊技効果LED42と、賞球の払出し時に点灯する賞球ランプ43と、玉切れ中に点灯する玉切れランプ44とが設けられており、遊技領域7の上部の左右にはステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ41,41が設けられている。
【0032】
通過口11に進入した打玉は、ゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器15に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示部10の可変表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示部10の可変表示が開始される。なお、普通図柄表示部10が可変表示している最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示部10の可変表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として通過玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶され、その記憶数が通過記憶表示器15においてLEDの点灯数により表示される。そして、普通図柄表示部10の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数を1つ減らす。
【0033】
普通図柄表示部10には、「〇」が付されている当り普通図柄表示器と、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器とがある。通過口11に打玉が進入したときに抽出された乱数値が所定の当り決定値と一致するときは、普通図柄表示部10における可変表示の表示結果が当りであると判断され、「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯する。一方、抽出された乱数値が所定の当り決定値と一致しないときは、普通図柄表示部10における可変表示の表示結果がはずれであると判断され、「×」が付されているはずれ普通図柄表示器が点灯する。当りとなり「〇」が付されている当り普通図柄表示器が点灯した場合には、始動用電動役物14aに設けられた左右1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物14aが開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。始動用電動役物14aが開成状態にあるときに打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい閉成状態に戻る。また、始動用電動役物14aが開成状態となってから所定の開放期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。
【0034】
始動口14に入賞(始動入賞という)した始動入賞玉は、遊技盤6に設けられた始動口スイッチ17により検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると5個の賞球が払出されるとともに、始動記憶表示器に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。
【0035】
特別図柄用可変表示装置9aの可変表示を開始させることができる状態であれば、特別図柄の可変表示が開始される。なお、特別図柄可変表示装置9aが可変表示している最中にさらに打玉が始動口14に入賞し、始動口スイッチ17で検出されたときは、特別図柄可変表示装置9aの可変表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として始動入賞玉(乱数値等)が所定の記憶装置に記憶されて、その記憶数が飾り図柄用可変表示部9に設けられている始動記憶表示器18の始動記憶画像の点灯数により表示される。そして、特別図柄可変表示装置9aが可変開始される毎に、点灯している始動記憶画像の数を1つ減らす。
【0036】
特別図柄可変表示装置9aには、飾り図柄用可変表示部9と同様に左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の3つの可変表示部が設けられている。打玉が始動口14に入賞(始動入賞)したことを条件として、3つの可変表示部において特別図柄の可変表示(更新表示、変動表示ともいう。)が一斉に開始される。特別図柄用可変表示装置9aにおける特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止表示される。停止表示時の特別図柄の組合せが特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下大当り図柄ともいう。)であれば、「大当り」となり、特定遊技状態(大当り状態ともいう。)に移行し、特別可変入賞球装置19の開閉板20が開成して大入賞口が開口する。これにより、打玉を大入賞口に入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
【0037】
可変入賞球装置19の大入賞口内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した入賞玉はVカウントスイッチ22により検出された後、カウントスイッチ23により検出される。一方、通常入賞領域に入賞した通常入賞玉は大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみにより検出される。可変入賞球装置19に入賞した入賞玉がカウントスイッチ23により検出される毎に15個の賞球が払出される。
【0038】
パチンコ遊技機1の背面側には、各入賞口および可変入賞球装置に入賞した入賞玉を所定の入賞経路に沿って導く入賞玉集合カバー(図示省略)が設けられており、この入賞玉集合カバーにより導かれた入賞玉は、入賞玉を1個宛処理する入賞玉処理装置(図示省略)に供給される。入賞玉処理装置には入賞玉検出スイッチ(図示省略)が設けられており、これにより、入賞玉処理装置による景品玉の払出しの対象となる入賞玉が検出される。
【0039】
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときに一旦終了して開閉板20が閉成する。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。そして、可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に特定入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回における可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回のときには、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置19が第1の状態にされ得る。
【0040】
特別図柄用可変表示装置9aの3つの可変表示部の表示結果が特別の表示態様(たとえば、「777」の奇数のゾロ目。以下確変大当り図柄ともいう。)となると、「確変大当り」となり、次に大当りとなる確率が通常遊技状態より高くなる。すなわち、遊技者にとってさらに有利な確率向上状態(特別遊技状態、確率変動状態ともいう。)となる。なお、通常遊技状態とは、特定遊技状態および確率変動状態以外の遊技状態のことをいう。
【0041】
特別図柄用可変表示装置9aの3つの可変表示部の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常状態のままとなる。
【0042】
また、各可変表示部の可変表示中においては、リーチ状態(リーチ態様、リーチ表示態様ともいう)が発生する場合がある。
【0043】
ここで、リーチ状態(リーチ表示態様)とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が可変表示される可変表示部を備えた可変表示装置を有し、可変表示部において前記複数種類の識別情報を可変開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
【0044】
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様が表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
【0045】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0046】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0047】
また、リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
【0048】
また、全回転リーチとは、複数の表示領域のすべてで特定の表示態様を保持した状態で可変表示を行なっている表示状態をいう。
【0049】
この実施の形態では、リーチ状態が発生したときに飾り図柄用可変表示部9にキャラクターが登場する特殊なリーチ状態となることがある。このキャラクターが登場する特殊なリーチ状態は、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうちに複数個以上の大当りが記憶されているときに発生する。なお、特殊なリーチ状態は、キャラクターが登場するリーチ状態には限られない。特殊なリーチ状態は、通常のリーチ状態とは区別することのできるものであればどのようなものであってもよい。
【0050】
図3は、遊技制御基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。図3には、制御基板として、遊技制御基板(主基板ともいう)31、賞球基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
【0051】
賞球基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35および発射制御基板91にはマイクロコンピュータ等が搭載されており、表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。各基板には、たとえば、CPUやI/Oポートが設けられている。
【0052】
賞球基板37には、球払出装置97およびカードユニット50が接続される。音制御基板70には、スピーカ41が接続される。ランプ制御基板35には、遊技効果LED42、賞球ランプ51、玉切れランプ52、普通図柄表示部10および通過記憶表示器15が接続される。発射制御基板91には、操作ノブ(打球操作ハンドル)5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続される。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。
【0053】
遊技制御基板31には、遊技制御用のプログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59と、ランプ・LED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65と、アドレスデコード回路67とが設けられている。
【0054】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、タイマ割込みにしたがって、ROM54に記憶されている遊技用制御プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行する。
【0055】
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞球検出スイッチ99等が接続される。
【0056】
ソレノイド回路59は、始動用電動役物14aの左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。
【0057】
ランプ・LED回路60は、始動記憶表示器18、および装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
【0058】
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率向上状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄表示部9の可変表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
【0059】
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
【0060】
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
【0061】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータ、音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータおよび表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81には、指令情報の一例となるコマンドが送信される。
【0062】
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに伝送されるコマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。
【0063】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき所定の音制御コマンドを音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータでは、音制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ41から出力させる制御が行なわれる。
【0064】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータへ出力する。ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータでは、ランプ制御コマンドに基づく上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
【0065】
搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータでは、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。具体的には、特別可変入賞球装置19の大入賞口に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば6個の景品玉が払出され、その他の入賞口24に入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
【0066】
このような3種類の個数の景品玉を払出制御するべく、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、次のような制御動作を行なう。始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号が入力されると、その検出信号を賞球の払出個数決定の際に用いる払出個数決定用データとして、スイッチに応じた賞球の払出個数別に一時的に内部に記憶する。その後、入賞球検出スイッチ99からの検出信号が入力されれば、その入力以前に始動口スイッチ17からの検出信号があったかどうかを払出個数決定用データを参照することによって判断し、あったときには遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに対し「6」の賞球個数を払出指令するための賞球指令信号を出力する。一方、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときに、それ以前にVカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23からの検出信号があったときには、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「15」の賞球個数の賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。さらに、入賞球検出スイッチ99からの検出信号があったときにおいて、それ以前に始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23のいずれからも検出信号が入力されていなかったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、「10」の賞球個数を払出し指令するための賞球指令信号を賞球基板37に搭載されたマイクロコンピュータに出力する。
【0067】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載された払出制御用マイクロコンピュータに送られた賞球個数信号により払出制御用マイクロコンピュータは、球払出装置97を駆動して賞球個数信号により特定される個数の賞球を払出す制御を行なう。
【0068】
図4は、表示制御基板80内の回路構成を、画像表示を実現するLCD9とともに示すブロック図である。
【0069】
RAM101aを内蔵する表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31から入力バッファ回路105における入力バッファ105aを介してストローブ信号としての表示制御信号INT(割込信号ともいう)が入力されると表示制御用CPU101が割込動作状態となって表示制御用のコマンドデータを取込む。そして、取込んだ表示制御コマンドデータに従って、LCD9に表示される画像の表示制御を行なう。制御データROM102には、変動表示の表示パターンに関するデータ等の表示制御用のデータが各種記憶されている。
【0070】
具体的には、表示制御用CPU101は、表示コマンドデータと図柄変動データの初期画面の識別番号を制御データROM102から読出し、VDP103に送信する。VDP103は、表示画面の識別番号に応じて、表示画面における画像の配置関係を示すマップデータをVRAM87に記憶させる。VRAM87に記憶されたマップデータには、制御データROM102に格納された図柄制御用プログラムに従い、図柄の拡大、縮小、回転、反転、座標等の情報が付加される。VDP103は、所定のタイミングでVRAM87からマップデータを読み出し、マップデータに含まれる各画像の識別番号に基づいて、キャラクタROM86から各画像のドットデータを読み出す。次に、VDP103は、読み出したドットデータに着色処理を行ない画像表示信号を生成する。そして、VDP103は、生成した画像信号をD−A変換回路104で変換したアナログのRGB信号と、複合同期信号SYNCをLCD9に送信する。LCD9は、送信されてきたRGB信号と複合同期信号SYNCに基づいてLCD9に画像を表示する。
【0071】
なお、図4には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86、および表示制御コマンドデータを入力する入力バッファ回路105も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、LCD9に表示される人物、動物または文字、図形もしくは記号等からなる画像などである。
【0072】
表示制御用CPU101は、表示制御コマンドデータを記憶しておくためのRAM101aを内蔵しており、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいて予め決められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行なう。なお、予め決められているタイミングで背景やキャラクタの切換も行なわれるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
【0073】
また、表示制御基板80側において表示制御コマンドが入力される入力バッファ回路105は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性入力手段である。入力バッファ回路105を構成する入力バッファ105aとして、たとえば、汎用のCMOS−ICである74HC244が2チップ用いられる。この入力バッファ105aのイネーブル端子には常にローレベル(GNDレベル)が与えられている。このような構成によれば、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が与えられる可能性を確実になくすことができる。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータに伝わることはない。このため、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間の信号の一方向通信が担保され、表示制御コマンドの伝送経路を介して遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に不正な信号(データ)を入力させて不正な制御動作を行なわせる不正行為を確実に防ぐことができる。また、不可逆性入力手段は、バッファIC回路で構成されているために、比較的容易に遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53への不正情報の入力を阻止できる。なお、不可逆性入力手段として、個別のトランジスタ等の他の回路素子を設けてもよい。
【0074】
また、遊技制御基板31側において表示制御コマンドが出力される出力バッファ回路63も同様に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81へ向かう方向にのみ信号の伝送を許容するが、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53へ向かう信号の伝送を行なわない不可逆性を有する出力インターフェースである。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に信号が伝わる余地はなく、表示制御コマンドの伝送経路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53に伝わることはない。
【0075】
図5、図6および図7は、予告演出を説明するための画面図である。
予告演出は、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうちに大当りにすることを示す始動入賞記憶が2個以上含まれていることを報知するものである。予告演出は、始動入賞記憶中の大当りの個数によって2種類用意されている。図5、図6および図7中の下向きの矢印は飾り図柄が可変表示していることを示している。
【0076】
図5は、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうち大当りとなることを示す始動入賞記憶の個数が2個のときに行なわれる予告演出態様について説明する画面図である。
【0077】
最初、始動記憶表示器18は4個点灯しており、始動入賞記憶が4個あることを示した状態であり、各可変表示部の特別図柄は停止表示された状態である(A−1)。しばらくすると、可変表示が開始される。始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されたので、その始動入賞記憶を消去する。したがって、始動記憶表示器18が1個消灯される(A−2)。所定時間の経過の後、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示される(A−3)。さらに所定時間の経過の後、今度は右可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示される。これにより、左可変表示部に表示された特別図柄と右可変表示部に表示された特別図柄とが一致し、リーチ状態が発生する。このとき、飾り図柄用可変表示部9の左側に「夢々ちゃん200」のキャラクターが登場して、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうちに大当りとなることを示す始動入賞記憶が2個あることを予告報知する(A−4)。このように、キャラクターが登場するという特殊なリーチ状態が発生したときは、遊技者はリーチ状態に対する期待感だけではなく、特定の表示態様が連続して導出表示されるのでないかという期待感をもつことができる。
【0078】
所定時間の経過の後、中可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり、一回目の確変大当りとなる(A−5)。
【0079】
大当りが終了すると、3個の始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されるので、始動記憶表示器18が1個消灯される(A−6)。所定時間の経過の後、前回と同様に、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され(A−7)、次に右可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、リーチ状態が成立する(A−8)。そして、最後に中可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示される、表示結果が「777」となり、二回目の確変大当りとなる(A−9)。
【0080】
図6、図7は、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうち大当りとなることを示す始動入賞記憶の個数が3個以上のときに行なわれる予告演出態様について説明する画面図である。図5では、始動入賞記憶のうち大当りとなることを示す始動入賞記憶の個数が2個のとき、「夢々ちゃん200」のキャラクターをリーチ状態が発生したときに登場させたが、始動入賞記憶のうち大当りとなることを示す始動入賞記憶の個数が3個以上のときは、「ドラム君202」と「夢々ちゃん201」のキャラクターがリーチ状態が発生したときに登場する。
【0081】
最初、始動記憶表示器18は4個点灯しており、始動入賞記憶が4個あることを示した状態であり、各可変表示部の特別図柄は停止表示された状態である(B−1)。しばらくすると、可変表示が開始される。始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されたので、その始動入賞記憶を消去する。したがって、始動記憶表示器18が1個消灯される(B−2)。所定時間の経過の後、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示される(B−3)。さらに所定時間の経過の後、今度は右可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示される。これにより、左可変表示部に表示された特別図柄と右可変表示部に表示された特別図柄とが一致し、リーチ状態が発生する。このとき、飾り図柄用可変表示部9の左側に「ドラム君202」および「夢々ちゃん201」のキャラクターが登場し、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうちに大当りとなることを示す始動入賞記憶が3個以上あることを予告報知する(B−4)。このときドラム君200および夢々ちゃん201の指は2本立っており、現在行なわれている可変表示の表示結果が大当りとなる他に始動入賞記憶として大当りが2個以上含まれていることを示している。所定時間の経過の後、中可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり、一回目の確変大当りとなる(B−5)。
【0082】
大当りが終了すると、3個の始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されるので、始動記憶表示器18が1個消灯される(B−6)。所定時間の経過の後、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、(B−7)、次に右可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、リーチ状態が成立する。このとき、飾り図柄用可変表示部9の左側に「夢々ちゃん200」のキャラクターが登場して、始動記憶表示器18に表示されている始動入賞記憶のうちに大当りとなることを示す始動入賞記憶がまだ2個あることを予告報知する(B−8)。所定時間の経過の後、中可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり、二回目の確変大当りとなる(B−9)。
【0083】
大当りが終了すると、2個の始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されるので、始動記憶表示器18が1個消灯される(B−10)。所定時間の経過の後、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「1」で停止表示され(B−11)、次に右可変表示部の可変表示が特別図柄の「6」で停止表示され(B−12)、最後に中可変表示部の可変表示が特別図柄の「3」で停止表示され、表示結果が「136」となり、はずれが確定する(B−13)。
【0084】
しばらくすると、1個の始動入賞記憶に基づいて可変表示が開始されるので、始動記憶表示器18が1個消灯される(B−14)。所定時間の経過の後、まず左可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され(B−15)、次に右可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、(B−16)、最後に中可変表示部の可変表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり三回目の確変大当りとなる(B−17)。
【0085】
図8は、各乱数の説明図である。この実施の形態では、複数種類の乱数の生成に複数種類のランダムカウンタが用いられている。このランダムカウンタは、遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)、または遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎および割込み処理余り時間にその値が「1」ずつ加算更新される。
【0086】
R1(大当り決定用)は、表示結果を大当りとするか否かをランダムに決定するものであり、「0」〜「199」の範囲内で、2msec毎に「1」ずつ加算更新される。その上限である「199」まで達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0087】
R2−1、R2−2およびR2−3(はずれ図柄決定用)は、R1(大当り決定用)により、はずれが事前決定された場合に、可変表示部において行なわれる可変表示の表示結果としてのはずれ図柄を事前決定するために用いられるランダムカウンタである。R2−1(左可変表示部はずれ図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0088】
R2−2(中可変表示部はずれ図柄決定用)は、R2−1(左可変表示部はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0089】
R2−3(右可変表示部はずれ図柄決定用)は、R2−2(中可変表示部はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新して、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新されるものである。
【0090】
決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目となってしまった場合は、R2−2(中可変表示部はずれ図柄決定用)の抽出値に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。
【0091】
R3(大当り図柄決定用)は、R1(大当り決定用)により、大当りが事前決定された場合に、可変表示部において行なわれる可変表示の表示結果としての大当り図柄を決定するために用いられるランダムカウンタである。「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。R3より抽出されたカウント値が偶数である場合は、前述した大当り図柄となり、奇数である場合は、確変大当り図柄となる。
【0092】
R4(変動パターン決定用)は、可変表示の際の変動種類(変動パターン)を決定するためのランダムカウンタであり、「0」〜「149」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「149」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。なお、変動パターンについては、R1(大当り決定用)、R2(はずれ図柄決定用)、R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値によって利用するテーブルの種類が決まり、R4(変動パターン決定用)より抽出された値により対応する変動パターンが決定される。
【0093】
R5(リーチ決定用)は、R1(大当り決定用)により、はずれが事前決定された場合に、リーチ状態を発生させるか否かを決定するためのランダムカウンタであり、「0」〜「13」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「13」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0094】
R6(普通図柄当り決定用)は、普通図柄の当り決定用のランダムカウンタであり、「0」〜「1」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「1」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0095】
R7(予告決定用)は、予告決定用のランダムカウンタであり、「0」〜「99」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0096】
R8(R1初期値決定用)は、R1(大当り決定用)の初期値を決定するランダムカウンタであり、「0」〜「199」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「199」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0097】
R9(R6初期値決定用)は、R6(普通図柄当り決定用)初期値を決定するランダムカウンタであり、「0」〜「1」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「1」まで加算更新された後再度「0」から加算更新されるものである。
【0098】
以上に示したランダムカウンタは、ランダムカウンタ毎に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(たとえば始動入賞発生時等)でデータが抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたデータは、ランダムな値(乱数値)になる。
【0099】
図9は、大当り判定処理で用いられる大当り判定テーブルの一例およびリーチ判定処理で用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【0100】
図9の(A)大当り判定テーブルに示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図9の(B)リーチ判定テーブルに示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べて大当り状態およびリーチ状態が生じやすくなっている。
【0101】
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【0102】
まず、ステップS(以下単に「S」という)1〜S14において、制御処理の実行のための初期設定を行なう処理が行なわれる。S1において、割込みが禁止される。次に、S2において、割込み処理のモードを示す割込みモード2の設定が行なわれる。S3において、スタックポインタの設定が行なわれる。S4において、内蔵デバイスレジスタの設定が行なわれる。S5において、CTCおよびPIOの設定が行なわれる。S6において、RAMをアクセス可能にする設定が行なわれる。
【0103】
次に、S7において、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態を1回だけ確認する。その確認においてオンを検出した場合には、S11〜S14において、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
【0104】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、S8において、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この実施の形態では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0105】
バックアップありを確認したら、S9において、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう。S9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0106】
チェック結果が正常であれば、S10において、CPU56は、遊技制御基板31の内部状態と表示制御基板80等の電気部品制御基板の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0107】
初期化処理では、まず、S11において、CPU56は、RAMクリア処理を行なう。また、S12において、所定の作業領域(たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行なう。さらに、S13において、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板35および各演出制御基板)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に搭載されたマイクロコンピュータに送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、特別図柄用表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド(表示制御基板80に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0108】
そして、S14において、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0109】
S11〜S14の初期化処理の実行が完了すると、メイン処理で、S16において表示用乱数更新処理およびS17において初期値用乱数更新処理が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには、S15において、割込禁止状態とされ、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると、S18において、割込許可状態とされる。
【0110】
表示用乱数とは、特別図柄用可変表示装置9aに表示される特別図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0111】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S16の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S16の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0112】
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【0113】
タイマ割込が発生すると、S20において、CPU56は、レジスタの退避処理を行なった後、S21〜S35の遊技制御処理を実行する。まず、S21において、CPU56は、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22および入賞球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう。
【0114】
次に、S22において、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう。S23において、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行ない、S24において、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
【0115】
S25において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。S26において、普通図柄プロセス処理を行なう。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0116】
S27において、CPU56は、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(特別図柄コマンド制御処理)を行なう。S28において、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して表示制御コマンドを送信する処理(普通図柄コマンド制御処理)を行なう。
【0117】
S29において、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう。
【0118】
S30において、CPU56は、入賞球検出スイッチ99の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する。具体的には、入賞球検出スイッチ99がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0119】
そして、S31において、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。また、S32において、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。さらに、S33において、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行なう。始動用電動役物14aまたは開閉板20を開成状態または閉成状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切替たりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、S34において、レジスタの内容を復帰させ、S35において、割込許可状態に設定する。
【0120】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msec毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では、たとえば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0121】
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【0122】
図12に示す特別図柄プロセス処理は、図11のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。S310において、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、変動短縮タイマ減算処理を行なう。S311において、遊技盤6に設けられている始動口14に打玉が入賞したことを検出するための始動口スイッチ17がオンしているか否かの判断を行なう。始動口スイッチ17がオンしていたら、すなわち打玉が始動口14に入賞する始動入賞が発生していたら、S312において、始動口スイッチ通過処理を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S308のうちのいずれかの処理を行なう。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0123】
S300において、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理では、特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、可変表示の結果を大当りとするか否かを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301(特別図柄停止図柄設定処理)に移行するように更新する。
【0124】
S301において、特別図柄停止図柄設定処理が行なわれる。特別図柄停止図柄設定処理では、特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302(変動パターン設定処理)に移行するように更新する。
【0125】
S302において、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理では、特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、R4(変動パターン決定用)より抽出されたカウント値に応じて決定する。表示制御基板80に搭載している表示制御用マイクロコンピュータ81に対して、最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303(特別図柄変動処理)に移行するように更新する。
【0126】
S303において、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理では、所定時間が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304(特別図柄停止処理)に移行するように更新する。
【0127】
S304において、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理では、特別図柄用可変表示装置9aにおいて表示される全図柄が停止表示されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す表示制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に移行するように更新する。
【0128】
S305において、大入賞口開放前処理が行なわれる。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306(大入賞口開放中処理)に移行するように更新する。
【0129】
S306において、大入賞口開放中処理が行なわれる。大入賞口開放中処理では、大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307(特定領域有効時間処理)に移行するように更新する。
【0130】
S307において、特定入賞領域有効時間処理が行なわれる。特定入賞領域有効時間処理では、Vカウントスイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305(大入賞口開放前処理)に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308(大当り終了処理)に移行するように更新する。
【0131】
S308において、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300(特別図柄通常処理)に移行するように更新する。
【0132】
図13は、変動パターンの一例を示す説明図である。
図13において、「EXT」とは、2バイト構成の表示制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄の各変動パターンと表示制御コマンドとは1対1に対応付けられている。また、「時間」は、特別図柄の変動時間を示す。
【0133】
なお、「通常変動」とは、リーチ状態を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ状態を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとはならない変動パターンである。「リーチA」は「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。たとえば、「ノーマル」ではたんに1種類の変動態様によってリーチ状態が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
【0134】
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
【0135】
この実施の形態では、さらに、短縮表示パターンが用いられる。短縮表示パターンは、左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の特別図柄の変動時間が、たとえば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0136】
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中)でも変動パターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0137】
図14は、図12に示す特別図柄プロセス処理における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【0138】
始動口スイッチ通過処理では、まず、S41において、CPU56は、大当りフラグがONであるか否かの判断を行なう。大当りフラグがONであると判断されたときは、S42において、始動入賞記憶数が最大値である10に達しているか否か確認する。始動入賞記憶数が10に達していなければ、S44において、始動入賞記憶数を1加算する。一方、大当りフラグがONではないと判断されたときは、S43において、始動入賞記憶数が最大値である4以下であるか否か確認する。始動入賞記憶数が4に達していなければ、S44において、始動入賞記憶数を1加算する。大当りフラグは、可変表示の表示結果が大当りとなったときにONにセットされる。表示結果が大当りとなり特定遊技状態となると、始動口14へ打玉が入賞しやすくなり、始動入賞記憶数が上限である4に達しやすくなる。始動入賞記憶数が上限である4に達しているときに始動口14へ打玉が入賞しても、その入賞は無効となるため、遊技者は打玉を発射することを止めてしまう。そのため、表示結果が大当りとなり、特定遊技状態となったときは、記憶できる始動入賞記憶の数の上限を4個から10個へと増加させるのである。これにより、始動入賞記憶数が上限に達することを予防することができ、遊技者による打玉の止め打ちを防止することができる。
【0139】
S45において、R1(大当り決定用)等の各乱数の値が抽出され、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する。なお、乱数が抽出されるとは、乱数を生成させるためのランダムカウンタからカウント値が読み出され、読み出されたカウント値を乱数値とすることである。S46において、変動時間を短縮させるか否かの判定を行なうタイマをセットする。
【0140】
図15は、図12に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【0141】
特別図柄通常処理では、まず、S51において、CPU56は、特別図柄の可変表示を開始することができる状態(たとえば特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合)であるか否か判断する。特別図柄の可変表示を開始することができると判断した場合には、S52において、始動入賞記憶数の値を確認する。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄用可変表示装置9aにおいて特別図柄の可変表示がなされておらず、かつ大当り遊技中でもない場合である。
【0142】
始動入賞記憶数が0でなければ、S53において、始動入賞記憶数=1(始動入賞記憶のうち最初に記憶された始動入賞記憶)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、S54において、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ各保存領域の内容をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0143】
次に、S55において、CPU56は、乱数格納バッファからR1(大当り決定用)の乱数を読出し、S56において、大当り判定処理を実行する。S57において、大当りとすることにしたと判断した場合には、S58において、CPU56は、大当りフラグをONにする。S59において、確変大当りにすると判断した場合には、S60において、予告決定処理を実行する。このように、可変表示の表示結果を確変大当りにすると事前決定されたときだけに予告演出をするか否かの決定をする処理が行なわれるため、処理の実行を制限することができ、制御の負担を軽減することができる。
【0144】
S61において、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する。
【0145】
図16は、大当り判定処理を示すフローチャートである。
大当り判定処理では、S71において、CPU56は、そのときの状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S72において、図9(A)に示された大当り決定用テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S73において、図9(A)に示された大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0146】
そして、S74において、S45で抽出され、S55で読出されたR1のカウント値と図9(A)に示された大当り判定テーブル中の大当り決定値とを比較する処理が行なわれる。S75において、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致すると判断されたときは、S76において、大当りとすることが決定され、R1(大当り決定用)のカウント値と大当り決定値とが一致しなければ、S77において大当りとしないことが決定される。
【0147】
図17は、図15に示す特別図柄通常処理における予告決定処理を示すフローチャートである。
【0148】
予告決定処理では、まず、S81において、CPU56は、始動入賞記憶数が2個以上であれば、S82に進む。S82において、確変中ではないと判断されれば、S83において、予告演出中であるか否かが判断される。予告演出中は、新たに予告をすることを決定しない。これにより、予告決定処理の重複を防ぐことができるため、制御の負担を軽減することができる。
【0149】
S84において、大当り判定回数として始動入賞記憶数を設定する処理を行なう。つまり、始動入賞記憶の数だけ大当り判定を行なう。S85において、CPUは、何個目に記憶された始動入賞記憶の大当り判定を行なっているかをカウントする検査回数カウンタを0に設定し、S86において、検査回数カウンタを1加算する処理が行なわれる。S87において、始動入賞記憶数nに対応する保存領域に保存されている乱数値を読み出す処理が行なわれる。現段階ではnは1であるので、始動入賞記憶数1に対応する保存領域に保存されている乱数値が読み出される。S88において、読み出された乱数値を用いて、大当り判定処理が行なわれる。S89において、S88の大当り判定の結果が大当りとなると判断されたときは、S90において、確変大当りとなるか否か判断される。確変大当りとなると判断された場合は、S91において、確変フラグをONにする処理が行なわれ、確変大当りとはならないと判断された場合は、S92において、確変フラグをOFFにする処理が行なわれる。S91において、確変フラグがONとなった場合は、S88において、再び大当り判定処理が行なわれるときに図9の(A)大当り判定テーブルの高確率時の大当り判定値を用いて大当り判定が行なわれる。これにより、始動入賞記憶のうちに記憶されている始動入賞記憶のうち、確率変動状態において大当りとなる始動入賞記憶についても大当りとして判断することができるため、始動入賞記憶中の大当りの数を確実に判定することができる。
【0150】
S93において、始動入賞記憶に記憶されている大当りの回数をカウントする大当り回数カウンタを1加算する処理が行なわれ、S94において、大当り判定回数を1減算する処理が行なわれる。S95において、大当り判定回数が0であるか否かが判断され、0でないと判断された場合は、S86に戻り、同様の処理を繰返す。たとえば、始動入賞記憶数が4個である場合は、S86〜S95の処理が4回繰返されることとなる。
【0151】
S96において、大当り回数カウンタの値が2以上であればS97に進み、予告演出を行なうか否かが決定される。これにより、始動入賞記憶のうちに大当りにすることを示す始動入賞記憶が2個以上記憶されているときに予告が行なわれるため、予告が行なわれたとき、特定の表示態様が連続して導出表示されるのではないかという遊技者の期待感を向上させることができる。
【0152】
S97において、予告演出を行なうか否かを決定するためにR7(予告決定用)よりカウント値を抽出する。S98において、R7(予告決定用)より抽出されたカウント値が予め定められた判定値と等しい場合は、予告演出を行なうことが決定されS99に進む。S99において、大当り回数カウンタに対応する予告演出態様が決定される。前述したように大当り回数カウンタが2の場合は、飾り図柄用可変表示部9においてリーチ状態が発しするときに、「夢々ちゃん」のキャラクターが登場し、大当り回数カウンタが3以上の場合は、飾り図柄用可変表示部9において「ドラム君」および「夢々ちゃん」のキャラクターが登場する。これにより、選択されたキャラクターの種類により表示結果として大当りが導出表示される回数が分かるため、遊技者の予告に対する興味を向上させることができる。
【0153】
S100において、予告演出態様コマンドがセットされる。S101において、大当り回数カウンタがクリアされ、S102において、確変フラグがOFFにされ、このサブルーチンプログラムは終了する。
【0154】
図18は、図12に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【0155】
特別図柄停止図柄設定処理では、まず、S111において、CPU56は、大当りフラグがONであるか否か確認する。大当りフラグがONである場合には、S112において、S53で読出したR3(大当り図柄決定用)のカウント値に従って大当り図柄を決定する。この実施の形態では、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左可変表示部の特別図柄、中可変表示部の特別図柄および右可変表示部の特別図柄の図柄番号が設定されている。そして、S113において特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する。
【0156】
一方、大当りフラグがONでない場合には、S114において、R5(リーチ決定用)を読出し、S115において、CPU56は、リーチ判定処理を実行する。S116において、S115の処理の結果リーチ状態とすることにしたと判断されたときは、S117において、R2−1(左可変表示部はずれ図柄決定用)のカウント値に従って左可変表示部および右可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2(中可変表示部はずれ図柄決定用)の値に従って中可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。ここで、決定された中可変表示部の特別図柄が左可変表示部および右可変表示部の特別図柄と一致した場合には、中可変表示部の特別図柄に対応した乱数の値に「1」加算し、対応する特別図柄を中可変表示部に停止表示させる特別図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、S113に移行する。
【0157】
S116において、リーチ状態にしないと判断されたときは、S118において、はずれの場合の停止図柄の決定を行なう。具体的には、S53で読み出した値、すなわち、抽出されているR2−1(左可変表示部はずれ図柄決定用)より抽出したカウント値に従って左可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定し、R2−2(中可変表示部はずれ図柄決定用)より抽出したカウント値に従って中可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定するとともに、R2−3(右可変表示部はずれ図柄決定用)より抽出したカウント値に従って右可変表示部に停止表示させる特別図柄を決定する。なお、ここでは、左可変表示部、右可変表示部に停止表示させる特別図柄が一致した場合には右可変表示部に停止表示させる特別図柄を1図柄ずらし、リーチ状態にもならないはずれとなるようにする。そして、S113に移行する。なお、S112において、確変大当り図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0158】
図19は、リーチ判定処理を示すフローチャートである。
リーチ判定処理では、S121において、CPU56は、そのときの状態が確変中であるか否か判断し、確変中であれば、S122において、図9(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する。確変中でなければ、S123において、図9(B)に示されたリーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する。
【0159】
そして、S124において、S45で抽出され、S114で読出されたR5のカウント値と図9(B)に示されたリーチ判定テーブルのリーチ判定値とを比較する処理が行なわれる。S125において、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ判定値とが一致すると判断されたときは、S126において、リーチ状態とすることが決定され、R5(リーチ決定用)のカウント値とリーチ判定値とが一致しなければ、S127において、リーチ状態としないことが決定される。
【0160】
図20は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【0161】
図20に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される。また、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図20には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0162】
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は1例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0163】
図21は、制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【0164】
図21に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0165】
表示制御コマンドは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この実施の形態では、表示制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送信されるとは、たとえば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
【0166】
図22は、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81に送信される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【0167】
図22に示す例において、コマンド8000(H)〜8014(H)は、特別図柄を可変表示する特別図柄用可変表示装置9aにおける特別図柄の変動パターンを指定する表示制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。
【0168】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する表示制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の点灯および消灯を指定する表示制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。
【0169】
コマンド90XX(H)は、飾り図柄用可変表示部9において行なわれる予告演出の態様を指定する表示制御コマンドである。この実施の形態では、予告演出態様は2種類であるから、「XX」は0〜1のいずれかである。
【0170】
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄用可変表示装置9aの左可変表示部、中可変表示部および右可変表示部の停止図柄を指定する表示制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する表示制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送信される表示制御コマンドである。そして、コマンドCXXX(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない特別図柄用可変表示装置9aの表示状態に関する表示制御コマンドである。
【0171】
コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生じたときに送信される判定結果コマンドである。C300(H)は、はずれ入賞指定の表示制御コマンド(はずれ入賞指定コマンド)であり、C301(H)は、リーチ入賞指定の表示制御コマンド(リーチ入賞指定コマンド)であり、C302(H)は、大当り入賞指定の表示制御コマンド(大当り入賞指定コマンド)であり、C303(H)は、特定大当り入賞指定の表示制御コマンド(特定大当り入賞指定コマンド)である。また、コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する表示制御コマンドである。
【0172】
コマンドE0XX(H)は、特別図柄用可変表示装置9aにおける始動入賞記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示器18の個数を示す表示制御コマンドである。たとえば、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、始動記憶表示器18のうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示器18の始動記憶画像を点灯させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、始動入賞記憶個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。
【0173】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0174】
表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から前述した表示制御コマンドを受信すると図22に示された内容に応じて飾り図柄用可変表示部9および普通図柄表示部10の表示状態を変更する。
【0175】
なお、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータおよび音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータにも、表示制御コマンドと同じ形態のランプ制御コマンドおよび音制御コマンドが送信される。ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータは、ランプ制御コマンドを受信するとランプ・LEDの表示状態を変更し、音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータは、音制御コマンドを受信するとスピーカ41からの音出力態様を変更する制御を行なう。
【0176】
また、可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の表示制御コマンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、左特別図柄指定、中特別図柄指定、右特別図柄指定の表示制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の表示制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態では、変動パターン指定の表示制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0177】
図23は、表示制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【0178】
メイン処理では、まず、Sub1において、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、Sub2において、表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。図24に示すように、タイマ割込が発生すると、Sub11において表示制御用CPU101は、タイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、Sub3において、表示制御用CPU101は、そのフラグをクリアし、以下の表示制御処理を実行する。
【0179】
この実施の形態では、タイマ割込は2msec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、2msec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で表示制御処理を実行してもよい。
【0180】
表示制御処理では、Sub4において、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドを解析する(コマンド解析処理)。この処理の詳細は、図26、図27を用いて後述する。
【0181】
次に、Sub5において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセス処理を行なう。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、Sub6において、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する。その後、Sub2のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
【0182】
次に、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの表示制御コマンド受信処理について説明する。
【0183】
図25は、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【0184】
この実施の形態では、2バイト構成の表示制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、たとえば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータや、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータにおいても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。この場合、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81、音制御基板70に搭載されたマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されたマイクロコンピュータは、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドにもとづき制御される。これにより、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指示に迅速に対応することができる。
【0185】
図26および図27は、図23に示す表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【0186】
遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0187】
コマンド解析処理では、まず、Sub21において、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。Sub22において、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、表示制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す。なお、読み出したら読出ポインタの値を「1」加算しておく。
【0188】
Sub23において、受信した表示制御コマンドが左可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(91XX(H))であると判断された場合は、Sub24において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される左可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータを、RAMにおける左特別図柄格納領域に格納する。また、Sub25において、受信した表示制御コマンドが中可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(92XX(H))であると判断された場合は、Sub26において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される中可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータを、RAMにおける中特別図柄格納領域に格納する。そして、Sub27において、受信した表示制御用コマンドが右可変表示部に停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンド(93XX(H))であると判断された場合は、Sub28において、表示制御用CPU101は、「XX」で示される右可変表示部に停止表示させる特別図柄を示すデータを、RAMにおける右特別図柄格納領域に格納する。
【0189】
また、Sub29において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドであると判断された場合は、Sub30において、表示制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し、Sub31において、変動パターン受信フラグをセットする。
【0190】
また、Sub29において、受信した表示制御コマンドが変動パターン指定の表示制御コマンドでないと判断された場合は、Sub32において、受信した表示制御コマンドが始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドであるか否か判断する。受信した表示制御コマンドが始動入賞記憶数指定の表示制御コマンドと判断された場合は、Sub33において、表示制御用CPU101は、RAM101aにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を表示制御コマンドで指定された数に更新する。また、Sub34において、始動記憶表示器18の数を更新する。
【0191】
Sub35において、受信した表示制御コマンドが予告パターン指定コマンドであると判断された場合は、Sub36において、表示制御用CPU101は、RAM101aに予告パターンを格納し、Sub37において、予告フラグをセットする処理が行なわれる。Sub38において、受信コマンドがいかなるコマンドか判断して、対応したフラグをセットして、Sub21に戻る。
【0192】
図28は、飾り図柄用画像表示部9において連続予告をするときに用いられる変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【0193】
この実施の形態では、はずれ入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される変動パターンテーブル1と、リーチ入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される変動パターンテーブル2と、大当り入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される変動パターンテーブル3と、確変大当り入賞指定の判定結果コマンドを受信していたときに選択される変動パターンテーブル4と、連続予告が実行されない場合に選択される変動パターンテーブル5とがある。変動パターンテーブルには、それぞれ、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの変動パターンコマンドの種類に対応して、15種類の変動パターンが予め設定されている。飾り図柄の変動パターンは、対応する変動パターンコマンドが示す変動時間の間、その変動パターンコマンドに基づく特別図柄の変動に関連して飾り図柄を変動させるための変動パターンとされている。たとえば、リーチAを指定する変動パターンコマンドに対応する飾り図柄の変動パターンは、飾り図柄の変動表示によってリーチ態様を表すように設定されている。
【0194】
飾り図柄変動パターンテーブル1〜4は連続予告を実行する場合に選択され、飾り図柄変動パターンテーブル1〜4に設定されている変動パターンに基づく飾り図柄の変動表示は、予告演出としても用いられる。すなわち、飾り図柄を通常の表示とは異なる表示態様で表示させることによる特定の演出としての予告演出が実行される。よって、連続予告が実行される場合に選択される飾り図柄変動パターンテーブル1〜4に設定されている変動パターンは、連続予告が実行されない場合に選択される飾り図柄変動パターンテーブル5に設定されている変動パターンと比較して、多様な演出がなされるように作成されている。
【0195】
なお、各飾り図柄変動パターンテーブルに、遊技制御基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ53からの変動パターンコマンドの種類に対応した飾り図柄の変動パターンが複数設定されていてもよい。この場合、たとえば、乱数を用いて使用する飾り図柄の変動パターンを決定するようにすればよい。
【0196】
図29は、飾り図柄変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0197】
飾り図柄変動パターンテーブル設定処理では、Sub41において、表示制御用CPU101は、表示結果解析処理での判定結果に応じて使用する飾り図柄変動パターンテーブルを選択する。そして、Sub42において、表示制御用CPU101は、選択した飾り図柄変動パターンテーブルを使用テーブルとして設定する。
【0198】
図30は、表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【0199】
表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてSub500〜Sub506のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0200】
Sub500において、変動パターンコマンド受信待ち処理が行なわれる。変動パターンコマンド受信待ち処理では、コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。
【0201】
Sub501において、飾り図柄演出設定処理が行なわれる。飾り図柄演出設定処理では、飾り図柄の停止図柄および変動パターンを決定する。飾り図柄の停止図柄は、特別図柄の停止図柄に合致した図柄組合せとされる。また、飾り図柄の変動パターンは、特別図柄の変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄の変動パターンに合致したものに決定される。
【0202】
Sub502において、図柄変動開始処理が行なわれる。図柄変動開始処理では、特別図柄の変動が開始されるように制御する。また、飾り図柄の変動が開始されるように制御する。
【0203】
Sub503において、図柄変動中処理が行なわれる。図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右特別図柄の停止制御を行なう。
【0204】
Sub504において、図柄停止待ち処理が行なわれる。図柄停止待ち処理では、変動時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。
【0205】
Sub505において、大当り表示処理が行なわれる。大当り表示処理では、変動時間の終了後、確変大当り表示または大当り表示の制御を行なう。
【0206】
Sub506において、大当たり遊技中処理が行なわれる。大当り遊技中処理では、大当たり遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
【0207】
図31は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【0208】
プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データと、飾り図柄の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。表示制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行テーブルに設定されている変動態様で特別図柄や飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。
【0209】
図31に示すプロセスデータは、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータ81のROMに格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、プロセスデータは、特別図柄の各変動パターンと飾り図柄の各変動パターンとの組合せのそれぞれに応じて用意されている。また、予告演出の種類に応じて用意されている。
【0210】
図32は、図30に示す表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【0211】
変動パターンコマンド受信待ち処理では、Sub51において、表示制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。セットされていたら、Sub52において、そのフラグをリセットする。そして、Sub53において、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄演出設定処理に対応した値に変更する。
【0212】
図33は、図30に示す表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【0213】
飾り図柄演出設定処理では、Sub61において、表示制御用CPU101は、飾り図柄の停止図柄を決定する。このとき、変動パターンコマンドに基づく特別図柄の変動態様に合致するように、飾り図柄の停止図柄を決定する。次に、Sub62において、飾り図柄の変動パターンを決定する。この実施の形態では、使用テーブルとして設定されている飾り図柄変動パターンテーブルに、変動パターンコマンドに対応して設けられている変動パターンとする。従って、受信した変動パターンコマンドに基づく特別図柄の変動パターンに対応して設けられている飾り図柄の変動パターンに決定される。そして、Sub63において、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
【0214】
図34は、図30に示す表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【0215】
図柄変動開始処理では、まず、Sub71において、表示制御用CPU101は、使用するプロセスデータを選択する。次に、Sub72において、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし、Sub73において、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄の変動表示を行ない、Sub74において、飾り図柄制御実行データ1の内容に従ってLCD9を制御して飾り図柄の変動表示を行なう。そして、Sub75において、変動時間タイマをスタートし、Sub76において表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0216】
図35は、図30に示す表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【0217】
図柄変動中処理では、Sub81において、表示制御用CPU101は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしていたら、Sub82において、予告フラグがONであるか否か判断する。予告フラグがONであると判断されれば、Sub83において、図17のS99で決定されている予告演出態様に基づく表示が行なわれるようにVDP103を制御する。予告演出態様は、前述したように大当り回数カウンタが2の場合は、飾り図柄用可変表示部9において「夢々ちゃん」のキャラクターが登場し、大当り回数カウンタが3以上の場合は、飾り図柄用可変表示部9において「ドラム君」および「夢々ちゃん」のキャラクターが登場する。
【0218】
Sub84において、表示制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら、Sub85において、表示制御実行データの切替を行なう。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってVDP103を制御する。従って、VDP103は、表示制御実行テーブルの内容に応じて飾り図柄用画像表示部9の表示状態を制御する。Sub86において、変動時間タイマがタイムアウトしていたら、Sub87において、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ、Sub88において、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0219】
図36は、図30に示す表示制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【0220】
全図柄停止待ち処理では、Sub91において、表示制御用CPU101は、全図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)を受信しているか否か確認する。全図柄停止を指示する表示制御コマンドを受信していれば、Sub92において、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行なう。Sub95において、表示した図柄が大当り図柄であると判定した場合には、Sub96において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に設定する。また、飾り図柄用可変表示部9に表示されている始動記憶表示器18に表示される始動記憶画像の数を4個から10個に増加する。Sub95において、表示した図柄が大当り図柄でないと判定した場合(はずれ図柄を表示した場合)には、Sub97において、表示制御用CPU101は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に設定する。
【0221】
全図柄停止を指定する表示制御コマンドを受信していない場合には、Sub93において、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、Sub94において、飾り図柄用可変表示部9にエラー画面を表示する制御を行なう。そして、Sub95に移行する。
【0222】
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、記憶できる始動入賞の数は大当りが発生したときに増加するものを示したがこれに限られない。たとえば、確変大当りが発生したときに記憶できる始動入賞の数を増加させるものであってもよいし、可変表示の時間を短く制御する時短中に記憶できる始動入賞の数を増加させてもよい。
【0223】
(2) 前述した実施の形態においては、始動入賞記憶のうちに2個以上の特定の表示態様にすることを示す始動入賞記憶があるときに予告演出が行われるものを示したが、これに限られない。たとえば、始動入賞記憶のうちに特定の表示態様にすることを示す始動入賞記憶が1個しか含まれてないときにも、連続して特定の表示態様となることを予告する偽の予告演出をするようにしてもよい。これによれば、予告の発生頻度が高くなり、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0224】
(3) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニットの正面図である。
【図2】 遊技盤面を示す正面図である。
【図3】 遊技制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】 表示制御基板内の回路構成を、画像表示を実現するLCDとともに示すブロック図である。
【図5】 予告演出を説明するための画面図である。
【図6】 予告演出を説明するための画面図である。
【図7】 予告演出を説明するための画面図である。
【図8】 各乱数の説明図である。
【図9】 大当り判定処理で用いられる大当り判定テーブルの一例およびリーチ判定処理で用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】 遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
【図11】 遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される2msecタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図12】 遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図13】 変動パターンの一例を示す説明図である。
【図14】 示す特別図柄プロセス処理における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図15】 特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図16】 大当り判定処理を示すフローチャートである。
【図17】 特別図柄通常処理における予告決定処理を示すフローチャートである。
【図18】 特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図19】 リーチ判定処理を示すフローチャートである。
【図20】 遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから表示制御基板に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに送信される表示制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図21】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図22】 表示制御基板に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに送信される表示制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図23】 表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図24】 タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図25】 遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータから受信した表示制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。
【図26】 表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図27】 表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。
【図28】 飾り図柄用画像表示部において連続予告をするときに用いられる変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図29】 飾り図柄変動パターンテーブル設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図30】 メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図31】 変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図32】 表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図33】 表示制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図34】 表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図35】 表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図36】 表示制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、8 可変表示装置、9 飾り図柄用可変表示部、9a 特別図柄用可変表示装置、10 普通図柄表示部、11 通過口、12 ゲートスイッチ、14 始動口、15通過記憶表示器、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、19 可変入賞球装置、20 開閉板、22 Vカウントスイッチ、23 カウントスイッチ、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、55RAM、81 表示制御用マイクロコンピュータ、86 キャラクタROM。
Claims (6)
- 所定の可変表示の実行条件が成立した後に可変表示の開始条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、可変表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であって、
数値データを更新する数値データ更新手段から前記可変表示の実行条件の成立に応じて数値データを抽出する数値データ抽出手段と、
前記可変表示の実行条件が成立したにもかかわらず前記可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立に応じて該数値データ抽出手段により抽出された数値データを保留データとして所定の上限個数まで記憶可能な保留データ記憶手段と、
前記可変表示の開始条件が成立したときに前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データを記憶された順番に従って読み出し該読み出された保留データが予め定められた判定値と合致するときに当該保留データに対応する表示結果を前記特定の表示態様にすることを決定する表示結果決定手段と、
前記表示結果決定手段の決定結果に基づいて前記可変表示装置を可変表示制御する可変表示制御手段と、
前記保留データ記憶手段から読み出され前記表示結果決定手段による決定に用いられた保留データを消去する保留データ更新手段と、
前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データのうち、前記可変表示の表示結果として前記特定の表示態様にすることを示す保留データの個数を算出する算出手段と、
該算出手段により算出された保留データの個数が特定の複数個以上のとき、その旨を予告するか否かを決定する予告決定手段と、
前記可変表示の表示結果が前記特定の表示態様のうち予め定められた特別の表示態様となったときに、前記判定値の数を増加することによって、前記表示結果決定手段が前記保留データに対応する表示結果を前記特定の表示態様とすることを決定する確率が向上した確率向上状態に制御する確率向上制御手段とを含み、
前記可変表示制御手段は、前記予告決定手段により予告をすることが決定されたとき、前記保留データ記憶手段に記憶されている前記特定の表示態様にすることを示す保留データのうち、最初に記憶された保留データに基づく可変表示の表示結果が導出表示される以前に予め定められた特殊態様を表示することで前記予告を行ない、
前記算出手段は、前記保留データ記憶手段に記憶されている保留データのうちに前記特別の表示態様を導出表示させることに対応した保留データが存在するときには、当該保留データより後に記憶された保留データについて、前記確率向上状態に対応した数の判定値を用いて、前記可変表示の表示結果が前記特定の表示態様となるか否かを前記確率向上状態となる以前の遊技状態において判別する判別手段を含むことを特徴とする、遊技機。 - 前記予告決定手段は、前記算出手段により算出された保留データの個数が前記特定の複数個以上であり、かつ前記特別の表示態様を表示結果として前記可変表示装置に導出表示させる可変表示制御が行なわれるとき、前記予告を実行することを決定することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 前記特殊態様とは、前記予告決定手段により予告を実行することが決定されたときのみに用いられる予め定められた特殊なリーチ状態であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 前記予告決定手段は、前記予告をすることを決定してから当該決定に基づいた前記特殊態様を表示させる前記可変表示制御が終了するまでは新たに予告をすることを決定しないことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
- 前記特殊態様を複数種類記憶する特殊態様記憶手段と、
該特殊態様記憶手段に記憶されている複数種類の特殊態様の中から前記算出手段によって算出される保留データの個数に対応して予め定められた特殊態様を選択する特殊態様選択手段とをさらに含み、
前記可変表示制御手段は、前記特殊態様選択手段が選択した特殊態様を表示することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の遊技機。 - 所定の条件に基づいて前記上限個数を増大させる記憶数制御手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。
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