(1) 所定の変動表示の実行条件が成立(始動口14に打玉が入賞し、始動口スイッチ17がONとなり、図13のS51でYesと判断したとき)した後に変動表示の開始条件が成立(図15のS81でYesと判断され、かつS82でNoと判断したとき)したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄)を変動表示させる変動表示装置(変動表示装置8)を備え、該変動表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記実行条件の成立に基づく前記開始条件が成立する前に当該開始条件の成立に基づく変動表示の表示結果を前記特定の表示態様とするか否かを決定する表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図16のS104〜S108の処理においてRAM55の保存領域に大当りカウント値が記憶されているか否かを判断する)と、
前記変動表示を開始させてから当該変動表示の表示結果を導出表示させるまでの間に、前記識別情報とは異なる第1画像(キャラクタ200あるいはキャラクタ201)を出現させた後に前記識別情報とは異なる第2画像(キャラクタ201あるいはキャラクタ202)を出現させる第1の予告パターン(図18に示す予告パターンB〜L)または前記第1画像を出現させた後に前記第2画像を出現させない第2の予告パターン(図18に示す予告パターンA)のいずれかの予告パターンで予告演出を行なうか、あるいは予告演出を行なわないかを決定する予告演出決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図16のS111でR9(予告決定用)から抽出したカウント値と、S112で予告決定テーブルに設定されている判定値とを比較し一致すれば予告演出を行なうことを決定する:S114において、後述する予告パターンを決定するために用いられるランダムカウンタであるR10(予告パターン決定用)からカウント値を抽出する処理が行なわれる。S115において、R10(予告パターン決定用)から抽出されたカウント値とS109またはS110で設定された予告パターンテーブルの判定値とを比較して決定された予告パターンの予告パターンコマンドをセットする)と、
前記第1画像を出現させてから前記第2画像を出現させるまでの期間である出現期間を示す出現期間データ(図18、図19)を複数記憶する出現期間データ記憶手段(ROM54)と、
前記予告演出決定手段により前記第1の予告パターンを行なうことが決定されたとき、前記出現期間データ記憶手段に記憶されている複数の前記出現期間データのうちから出現期間データを選択するデータ選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、図16のS114でR10(予告パターン決定用)から抽出されたカウント値と図19の予告パターンテーブルの判定値とを比較し、一致した予告パターンを図16のS115において決定する)と、
前記予告演出決定手段により前記第1の予告パターンが決定されたときは前記データ選択手段により選択された出現期間データに基づいて前記第1の予告パターンで予告演出を行ない、前記予告演出決定手段により前記第2の予告パターンが決定されたときは前記第2の予告パターンで予告演出を行なう予告演出実行手段(表示制御用マイクロコンピュータ81、図35のSub72,Sub74,Sub76において予告演出を行なう)とを含み、
前記予告演出決定手段は、前記予告演出を行なうことを決定するときに、前記表示結果決定手段により前記変動表示の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときの方が、前記特定の表示態様としないことが決定されたときよりも高い割合で前記第1の予告パターンによる予告演出を行なうことを決定し(図19は、図16に示す予告決定処理において使用される予告パターンテーブルを示す図である。予告パターンテーブルは、前述した予告演出の開始期間および出現期間を決定するために使用される。予告パターンは前述したように予告パターンAから予告パターンLまでの12種類あり)、
前記出現期間データ記憶手段には、前記第1画像を出現させた後第1の期間経過後に前記第2画像を出現させる第1の出現期間データと、当該第1の期間より長い期間である第2の期間経過後に前記第2画像を出現させる第2の出現期間データとが記憶されており(たとえば図18に示す予告パターンAから予告パターンLまでのように、腰に手を当てているキャラクタを表示してからクラッカーを持っているキャラクタを表示するまでの出現期間が異なるもの(長いものや短いもの)をROM54に複数種類記憶している)、
前記データ選択手段は、前記表示結果決定手段により前記変動表示の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたときの方が、前記特定の表示態様としないことが決定されたときよりも高い割合で前記第2の出現期間データを選択し(図16のS106においてRAM55の保存領域に大当りカウント値が記憶されていると判断したときは、S110において図19の「大当り用」の予告パターンテーブルを設定し、RAM55の保存領域に大当りカウント値が記憶されていないと判断したときは、S109において図19の「はずれ用」の予告パターンテーブルを設定する:たとえば図19に示すように、「大当り用」の予告パターンテーブルでは、出現期間が長いものを選択しやすいように設定しており、「はずれ用」の予告パターンテーブルでは、出現期間が短いものを選択しやすいように設定している)、
前記予告演出実行手段は、前記第1の予告パターンで予告演出を行なうときには、常に前記第1画像を先に出現させた後前記第2画像を出現させる一律に定まった出現順序に制御するとともに、前記第1画像の出現後、前記データ選択手段により選択された第1の出現期間データまたは第2の出現期間データいずれかに従った期間経過後に前記第2画像を出現させ(図4および図5で説明したように、最初のキャラクタを出現させてから次のキャラクタを出現させるまでの期間が予め複数種類定められているので、最初のキャラクタが出現した後も次のキャラクタがどのようなタイミングで出現するか遊技者は興味を持続することができ、予告演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、予告演出において、出現期間が長いときは、大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる:図18、図19)、前記第1の期間または前記第2の期間に拘わらず同一の表示態様の画像である第2画像を出現させる(図4〜図8、図18)ことを特徴とする。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、所定の変動表示の実行条件が成立した後に変動表示の開始条件が成立したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させる変動表示装置を備え、該変動表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればすべてに適用することが可能である。
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびこれに対応して設置されたカードユニット50の正面図である。遊技者がカード残高が記録されたプリペイドカードをカード挿入口155に挿入すると、そのプリペイドカードに記録されているカード残高が読み取られる。遊技者が所定の貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉(以下「遊技球」ともいう。)がパチンコ遊技機1の打玉供給皿3に貸出される。
カードユニット50には、カード利用可表示ランプ151が設けられており、カードユニット50が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ151の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このカードユニット50は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器153により表示される。
カードユニット50には、端数表示スイッチ152が設けられている。この端数表示スイッチ152を押圧操作することにより、たとえば、カード残高やエラーが発生したときのエラーコード等の情報がパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示される。図中156はカードユニット錠であり、このカードユニット錠156に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、カードユニット50の前面側を開成できるように構成されている。
パチンコ遊技機1には、額縁状に形成されたガラス扉枠2が設けられている。このガラス扉枠2の後方には、遊技盤6が着脱自在に取付けられている。また、ガラス扉枠2の下部表面には、打玉供給皿3が設けられている。打玉供給皿3の下部には、打玉供給皿3から溢れた打玉を貯留する余剰玉受皿4と、遊技者が打玉を操作するための操作ノブ5とが設けられている。
遊技者が操作ノブ5を操作することにより、打玉供給皿3内に貯留されている打玉が1個ずつ発射される。発射された打玉は、誘導レール29によって遊技領域7内に導かれる。誘導レール29から遊技領域7への出口部分には、弁状の逆流防止部材30が設けられている。この逆流防止部材30によって一旦遊技領域7内に打込まれた打玉が誘導レール29に逆戻りすることが防止されている。
遊技領域7の中央には、各々を識別可能な複数種類の識別情報の一例となる特別図柄を変動表示(以下「可変表示」、「更新表示」ともいう。)させる変動表示装置8が設けられている。この変動表示装置8には、液晶表示器よりなる特別図柄表示部(以下「LCD」ともいう。)9、始動記憶表示器18、普通図柄表示器10および通過記憶表示器13が設けられている。
なお、特別図柄表示部9は、液晶表示器に限られず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス等その他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。
変動表示装置8の下方には、始動口(以下「始動入賞口」ともいう。)14が構成された始動用電動役物15と、開閉板20の傾動により打玉の入賞可能な開成状態となる可変入賞球装置19とが設けられている。始動用電動役物15の左右には、可動片が設けられている。一般入賞口として、変動表示装置8の左右下方および可変入賞球装置19の左右に入賞口24が設けられている。打玉が進入可能な通過口11が変動表示装置8の下方左右に設けられている。
26は、打込まれた打玉が始動口14やいずれの入賞口24や可変入賞球装置19にも入賞しなかったときにアウト玉として回収するアウト口であり、25は、装飾ランプである。
遊技領域7の外側の左右上方には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾用LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
この実施の形態では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払い出し中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上述のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。
通過口11に進入した打玉は、通過口11の内部に設けられたゲートスイッチ12で検出される。打玉がゲートスイッチ12で検出されると、通過記憶表示器13に表示されている記憶数が上限に達していなければ、所定の乱数値(以下「カウント値」ともいう。)が抽出され、所定の記憶装置に記憶される。そして、普通図柄表示器10において変動表示を開始させることができる状態であれば、普通図柄表示器10において変動表示が開始される。
普通図柄表示器10において変動表示が行なわれている最中にさらに打玉が通過口11に進入し、ゲートスイッチ12で検出されたときには、普通図柄表示器10において変動表示を開始させることができない状態であるので、「4」を記憶数の上限として、通過口11を打玉が通過したときに抽出されたカウント値が所定の記憶装置に記憶される。所定の記憶装置に記憶されているカウント値の記憶数は、通過記憶表示器13のLEDの点灯している数により報知される。そして、普通図柄表示器10において変動表示が開始される毎に、点灯しているLEDの数が1つ減らされる。
普通図柄表示器10では、数字等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄が変動表示される。そして、その変動表示の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば「7」)となった場合は「当り」となり、ソレノイド16が励磁されることによって始動口14を構成している始動用電動役物15に設けられた左右の1対の可動片が1回開成する。これにより始動用電動役物15が開成状態となって打玉がより始動入賞しやすくなる。
始動用電動役物15が開成状態にある際に打玉が1つ始動入賞すれば、可動片が元の位置まで閉成して打玉が始動入賞しにくい状態に戻る。また、始動用電動役物15が開成状態となってから所定の開成期間が経過すれば、始動入賞が発生しなくとも可動片が元の位置まで閉成して開成状態は終了する。このような可動変の開閉動作は、後述する遊技制御手段でもある遊技制御用マイクロコンピュータ53により制御される。
なお、普通図柄表示器10において変動表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたもの等であってもよい。
始動口14への打玉の入賞は、遊技盤6に設けられた始動入賞検出手段である始動口スイッチ17で検出される。始動入賞玉が始動口スイッチ17で検出されると、たとえば5個の賞球が払い出されるとともに、始動記憶表示器18の点灯しているLEDの数が上限に達していなければ、所定の乱数値(カウント値)が抽出され、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53に搭載されているRAM55(図2参照)に記憶される。RAM55により記憶手段が構成されている。
RAM55には、抽出されたカウント値を保存するための保存領域が4つ設けられている。カウント値が保存されている保存領域の数が、始動記憶表示器18のLDEの点灯している数(以下「始動入賞記憶数」ともいう。)により報知される。
特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態であれば、変動表示が開始される。なお、特別図柄表示部9において変動表示が行なわれている最中にさらに打玉が始動口14に始動入賞し、始動口スイッチ17で検出されたときには、特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができない状態であるので、抽出されたカウント値がRAM55の保存領域に記憶される。カウント値は抽出された順番に従ってRAM55の保存領域に記憶される。そして、特別図柄表示部9において変動表示が開始される毎に、始動記憶表示器18の点灯しているLEDの数が1つ減らされる。
特別図柄表示部9には、左変動表示部9a、中変動表示部9bおよび右変動表示部9cの3つの変動表示部が設けられている。打玉が始動口14に入賞したこと等を条件として、各変動表示部において変動表示が開始される。変動表示は、たとえば、各変動表示部において特別図柄を上から下へスクロールさせることによって行なわれる。なお、変動表示は、スクロールに限られず、特別図柄の縦軸を中心として自転しながら変動させるものや、特別図柄が複数重なっているように見せ、一枚ずつ特別図柄をめくっていき更新させるようなものであってもよい。
各変動表示部において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、まず、左変動表示部9aにおける変動表示が停止され、特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、次に、右変動表示部9cにおける変動表示が停止され、特別図柄が停止表示される。さらに所定時間が経過すると、最後に中変動表示部9bにおける変動表示が停止され、特別図柄が停止表示される。この実施の形態では、各変動表示部において変動表示される特別図柄は、「0」〜「9」の10種類の数字である。
なお、特別図柄表示部9において変動表示される特別図柄は10種類の数字に限られず、10種類以上の数字であっても、10種類以下の数字であってもよい。また、特別図柄は数字に限られず、文字、図形、模様等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、またはこれらを適宜組合せたもの等であってもよい。
特別図柄表示部9において導出表示される変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば「777」等のゾロ目。以下「大当り図柄」ともいう。)となると、「大当り」となり、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態(以下「大当り状態」ともいう。)に移行する。
特別図柄表示部9において導出表示される変動表示の表示結果が予め定められた特別の表示態様(たとえば「777」等の奇数のゾロ目。以下「確変大当り図柄」ともいう。)となると、「確変大当り」となり、大当り状態が終了した後に大当り状態が発生する確率が通常遊技状態より向上した遊技者にとってさらに有利な特別遊技状態(以下「確率向上状態」、「確変大当り状態」、「確率変動状態」ともいう。)に移行する。
各変動表示部の表示結果が大当り図柄でも、確変大当り図柄でもない場合は、「はずれ」となり、遊技状態は変化せずに通常遊技状態のままとなる。なお、通常遊技状態とは、特定遊技状態および特別遊技状態以外の遊技状態のことをいう。
また、各変動表示部が変動表示しているときには、リーチ状態(以下「リーチ」、「リーチ態様」、「リーチ表示態様」ともいう。)が発生する場合がある。
ここで、リーチ状態とは、各々が識別可能な複数種類の識別情報が変動表示される変動表示部を備えた変動表示装置を有し、変動表示部において前記複数種類の識別情報を変動開始させた後、時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、予め定められた特定の表示態様となったときに、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な変動表示部を複数有する変動表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記変動表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様が表示されやすい変動表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様となった状態を維持しながら複数の前記変動表示部による変動表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチ状態の中には、それが出現すると、通常のリーチ状態に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチ状態をスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、変動表示装置において変動表示が開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
また、リーチ状態とは、変動表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
また、リーチ状態とは、複数の表示領域における一部の表示領域において表示結果がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示領域の表示結果が特定の表示態様となる条件を満たしている表示状態をもいう。
また、全回転リーチとは、複数の表示領域のすべてで特定の表示態様を保持した状態で変動表示を行なっている表示状態をいう。
大当り状態では、可変入賞球装置19の開閉板20が開成されて、大入賞口が開口される。これにより、打玉を大入賞口へ入賞させることが可能な遊技者にとって有利な第1の状態に制御される。開閉板20はソレノイド21によって駆動される。
可変入賞球装置19の大入賞口内部には、可変入賞球装置19に入賞した打玉を検出するカウントスイッチ23が設けられている。また、大入賞口内は、特定入賞領域と通常入賞領域とに区分されており、特定入賞領域には、V入賞を検出するVカウントスイッチ22が設けられている。特定入賞領域に入賞した打玉は、Vカウントスイッチ22で検出された後、カウントスイッチ23で検出される。一方、通常入賞領域に入賞した打玉は、大入賞口内においてはカウントスイッチ23のみで検出される。打玉が可変入賞球装置19に入賞してカウントスイッチ23で検出される毎に15個の賞球が払出される。
可変入賞球装置19の第1の状態は、大入賞口に進入した打玉の数が所定個数(たとえば10個)に達したとき、または所定期間(たとえば30秒間)が経過したときのうちのいずれかの条件が成立したときに一旦終了し、開閉板20が閉成される。これにより、可変入賞球装置19は、打玉を入賞させることが不可能な遊技者にとって不利な第2の状態に制御される。
可変入賞球装置19が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、Vカウントスイッチ22により検出されたことを条件として、その回おける可変入賞球装置19の第1の状態が終了して第2の状態となった後、再度開閉板20が開成されて、可変入賞球装置19を第1の状態とする繰返し継続制御が実行される。繰返し継続制御の実行上限回数は、たとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置19が第1の状態にされている状態はラウンドと呼ばれる。
図2は、パチンコ遊技機1の回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、制御基板として、遊技制御基板(「主基板」ともいう。)31、賞球基板37、音声制御基板70、ランプ制御基板35、発射制御基板91および表示制御基板80が示されている。
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53が搭載されている。表示制御基板80には、表示制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。賞球基板37、音制御基板70、ランプ制御基板35および発射制御基板91にはそれぞれマイクロコンピュータ等が搭載されている。各マイクロコンピュータには、たとえば、CPU、ROM、RAMおよびI/Oポート等が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53により遊技の進行を制御する遊技制御手段が構成されている。表示制御用マイクロコンピュータ81により特別図柄表示部9における変動表示を含む表示を制御する表示制御手段が構成されている。
賞球基板37には、球払出装置97およびカードユニット50が接続されている。音声制御基板70には、スピーカ27が接続されている。ランプ制御基板35には、遊技効果LED28a、賞球ランプ51、球切れランプ52、遊技効果ランプ28b,28cおよび通過記憶表示器13が接続されている。発射制御基板91には、操作ノブ5と打球ハンマー(図示省略)を駆動する駆動モータ94とが接続されている。駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。表示制御基板80には、普通図柄表示器10および特別図柄表示部9が接続されている。
遊技制御基板31には、遊技制御用プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59と、ランプLED回路60と、情報出力回路64と、初期リセット回路65と、アドレスデコード回路67とが設けられている。
遊技制御用マイクロコンピュータ53には、遊技制御用プログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、遊技制御用のプログラムに従って制御動作を行なうCPU56、I/Oポート57が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、タイマ割込にしたがって、ROM54に記憶されている遊技制御用プログラムを定期的(たとえば2msec毎)に先頭から繰返し実行する。ROM54により出現期間データ記憶手段および開始期間データ記憶手段が構成されている。
スイッチ回路58は、各種スイッチからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える回路である。スイッチ回路58には、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23、Vカウントスイッチ22、および入賞球検出スイッチ99等が接続される。
ソレノイド回路59は、始動用電動役物15の左右に設けられた可動片を動作させるソレノイド16および可変入賞球装置19の開閉板20を開閉させるソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する回路である。ランプLED回路60は、始動記憶表示器18および装飾ランプ25の点灯および滅灯を制御する回路である。
情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、確変大当りが発生し確率変動状態となっていることを示す確変情報、大当りが発生し特定遊技状態となっていることを示す大当り情報、および始動入賞のうち特別図柄表示部9の変動表示に有効に使用される始動入賞の発生を示す始動入賞情報等をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する回路である。
初期リセット回路65は、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ53をリセットする回路である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、初期リセット回路65から送られてきた初期リセットパルスに応答してパチンコ遊技機1を初期化する。
アドレスデコード回路67は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート57のうちのいずれかのポートを選択するための信号を出力する回路である。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されているマイクロコンピュータ、音声制御基板70に搭載されているマイクロコンピュータ、ランプ制御基板35に搭載されているマイクロコンピュータおよび表示制御用マイクロコンピュータ81へは、指令情報の一例となるコマンド(以下「制御信号」、「制御コマンド」ともいう。)が送信される。
遊技制御用マイクロコンピュータ53から賞球基板37に搭載されているマイクロコンピュータへ送信されるコマンドには、賞球の払出制御に関する指令情報としてのコマンドと、貸玉の払出制御に関する指令情報としてのコマンド(たとえば、玉貸し禁止コマンド、玉貸し禁止解除コマンド等)とが含まれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき所定の音声制御コマンドを音声制御基板70に搭載されているマイクロコンピュータへ送信する。音声制御基板70に搭載されているマイクロコンピュータでは、音声制御コマンドに基づいて所定の効果音をスピーカ27から出力させる制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当りあるいは入賞等の発生に基づき、所定のランプ制御コマンドをランプ制御基板35に搭載されているマイクロコンピュータへ送信する。ランプ制御基板35に搭載されているマイクロコンピュータでは、ランプ制御コマンドに基づく上記電気的装飾部品の点灯制御が行なわれる。
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、入賞球検出スイッチ99の検出信号と始動口スイッチ17の検出信号、Vカウントスイッチ22の検出信号、カウントスイッチ23の検出信号に基づいて所定個数の景品玉を払出すための賞球信号を賞球基板37に搭載されているマイクロコンピュータへ送信する。
賞球基板37に搭載されているマイクロコンピュータでは、その出力されてきた賞球信号に基づいて球払出装置を制御して所定個数の景品玉を払出すための制御を行なう。具体的には、可変入賞球装置19の大入賞口に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につき、たとえば15個の景品玉が払出され、始動入賞口14に入賞した入賞玉については1個の入賞玉につきたとえば5個の景品玉が払出され、その他の入賞口24に入賞した入賞玉については入賞玉1個につきたとえば10個の景品玉が払出されるように制御される。
図3は、表示制御基板80内の回路構成を、画像表示を実現するLCD(特別図柄表示部)9とともに示すブロック図である。出力ポート(出力ポート2)572からは8ビットのデータが出力され、出力ポート570からは1ビットのストローブ信号(INT信号)が出力される。また、この実施例では、コマンドデータをパラレル通信(この例では8ビットパラレル)によって送信する構成としているが、シリアル通信によってやりとりされるようにしてもよい。
表示制御用CPU101は、制御データROM102に格納されたプログラムに従って動作し、遊技制御基板31からノイズフィルタ107および入力バッファ回路105Bを介してINT信号が入力されると、入力バッファ回路105Aを介して表示制御コマンドを受信する。入力バッファ回路105A,105Bとして、たとえば、汎用ICである74HC540、74HC14を使用することができる。なお、表示制御用CPU101がI/Oポートを内蔵していない場合には、入力バッファ回路105A,105Bと表示制御用CPU101との間に、I/Oポートが設けられている。
そして、表示制御用CPU101は、受信した表示制御コマンドに従って、LCD9に表示させる画面の表示制御を行なう。具体的には、表示制御コマンドに応じた指令をVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)103に与える。VDP103は、キャラクタROM86から必要なデータを読み出す。VDP103は、入力したデータに従ってLCD9に表示するための画像データを生成し、R、G、B信号および同期信号をLCD9に出力する。
なお、図3には、VDP103をリセットするためのリセット回路83、VDP103に動作クロックを与えるための発振回路85、および使用頻度の高い画像データを格納するキャラクタROM86も示されている。キャラクタROM86に格納される使用頻度の高い画像データとは、たとえば、LCD9に表示される人物、動物、または、文字、図形もしくは記号等からなる画像等である。
表示制御用CPU101は、表示制御コマンドデータを記憶しておくためのRAM101Aと接続されており、遊技制御基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御コマンドを受信すると、各変動パターンにおいて予め定められている背景やキャラクタを画面上で移動表示する制御を行なう。なお、予め定められているタイミングで背景やキャラクタの切換も行なわれるが、それらも表示制御用CPU101が独自に制御する。
入力バッファ回路105A,105Bは、遊技制御基板31から表示制御基板80へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。従って、表示制御基板80側から遊技制御基板31側に信号が伝わる余地はない。すなわち、入力バッファ回路105A,105Bは、入力ポートともに不可逆性情報入力手段を構成する。表示制御基板80内の回路に不正改造が加えられても、不正改造によって出力される信号が遊技制御基板31側に伝わることはない。
高周波信号を遮断するノイズフィルタ107として、たとえば、3端子コンデンサやフェライトビーズが使用されるが、ノイズフィルタ107の存在によって、表示制御コマンドに基板間でノイズが乗ったとしても、その影響は除去される。また、遊技制御基板31のバッファ回路620,62Aの出力側にもノイズフィルタを設けてもよい。
図4から図8までは、特別図柄表示部9において行なわれる特定の演出(以下「予告演出」という)の態様を説明するための画面図である。この実施の形態では、RAM55の保存領域に特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとするカウント値(以下「大当りカウント値」ともいう。)が保存されているとき、変動表示が開始されてから当該変動表示の表示結果が導出表示されるまでの間に特別図柄とは異なるキャラクタ等を表示させ、変動表示の表示結果が大当りとなることの予告演出が行なわれる場合がある。図4から図8までの下向きの矢印は特別図柄表示部9において、特別図柄が変動表示していることを示している。
図4は、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果として大当りが導出表示されるときに行なわれる予告演出の態様を説明する画面図である。図5は、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果としてはずれが導出表示されるときに行なわれる予告演出と同じ態様で行なわれる偽りの演出(以下「ガセ予告演出」ともいう)の態様を説明する画面図である。
予告演出は、特別図柄とは異なるキャラクタを出現させることにより行なわれ、最初のキャラクタを出現させてから当該キャラクタとは異なるキャラクタを出現させるまでの期間である出現期間が異なるものが予め複数種類定められている。そして、後述するように事前に特別図柄表示部9における変動表示の表示結果が大当りとなることが決定されているときは、出現期間が長いものが選択されやすく設定されており、はずれとなることが決定されているときは、出現期間が短いものが選択されやすく設定されている。
まず、図4を用いて特別図柄表示部9における変動表示の表示結果として大当りが導出表示されるときに行なわれる予告演出の態様を説明する。最初、特別図柄表示部9において特別図柄の「756」が停止表示されている(A−1)。しばらくすると、特別図柄表示部9において変動表示が開始され、変動表示の開始と同時に特別図柄とは異なる腰に手を当てているキャラクタ200が表示される(A−2)。このキャラクタ200は、所定時間の経過後に消される。
特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、左変動表示部9aの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示される(A−3)。さらに所定時間が経過すると、右変動表示部9cの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、クラッカーを持っているキャラクタ201が表示される(A−4)。このとき、左変動表示部9aに「7」が、右変動表示部9cに「7」が停止表示されているのでリーチ状態が成立している。キャラクタ201は、所定時間の経過後に消される。
右変動表示部9cにおいて変動表示が停止してから所定時間が経過すると、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が表示される(A−5)。このキャラクタ202は、所定時間の経過後消され、さらに所定時間が経過した後、中変動表示部9bの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり、大当りが確定する。
次に、図5を用いて特別図柄表示部9における変動表示の表示結果としてはずれが導出表示されるときに行なわれるガセ予告演出の態様を説明する。最初、特別図柄表示部9において特別図柄の「756」が停止表示されている(B−1)。しばらくすると、特別図柄表示部9において変動表示が開始され、変動表示の開始と同時に特別図柄とは異なる腰に手を当てているキャラクタ200が表示される(B−2)。このキャラクタ200は、所定時間の経過後に消される。
特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、左変動表示部9aの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、クラッカーを持っているキャラクタ201が表示される(B−3)。図4で説明したように、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果として大当りとなることが決定されているときは、キャラクタ201が表示されるのは右変動表示部9cに特別図柄の「7」が停止表示されてからであったが、それに比べ出現期間が短い。このキャラクタ201は、所定時間の経過後に消される。
さらに所定時間が経過すると、右変動表示部9cの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が表示される(B−4)。このとき、左変動表示部9aに「7」が、右変動表示部9cに「7」が停止して表示されているのでリーチ状態が成立している。キャラクタ202は所定時間の経過後消される。キャラクタ202が消された後もしばらくの間はリーチ状態が継続し(B−5)、その後、中変動表示部9bの変動表示が特別図柄の「5」で停止表示され、表示結果が「757」となり、はずれが確定する(B−6)。
図4で説明したように、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果として大当りとなることが決定されているときは、キャラクタ202が表示されるのは右変動表示部9cにおいて変動表示が停止してから所低時間が経過してからであったが、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果としてはずれとなることが決定されているときは、キャラクタ202は右変動表示部9cにおいて変動表示が停止したのと同時に表示される。
このように、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果として大当りとなることが決定されているときは、キャラクタ200が表示されてからキャラクタ202が表示されるまでの期間が長いため、予告演出に対する遊技者の興味を長期間にわたって向上させることができる。
なお、この実施の形態で示した特別図柄表示部9において変動表示を開始させてから最初のキャラクタ200を出現させるまでの期間である開始期間、キャラクタを消すタイミング、そして最初のキャラクタ200を出現させてから次のキャラクタ201を出現させるまでの出現期間、キャラクタ201を出現させてから次のキャラクタ202を出現させるまでの出現期間は一例であり、これに限られたものではない。
図4および図5で説明したように、最初のキャラクタを出現させてから次のキャラクタを出現させるまでの期間が予め複数種類定められているので、最初のキャラクタが出現した後も次のキャラクタがどのようなタイミングで出現するか遊技者は興味を持続することができ、予告演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。また、予告演出において、出現期間が長いときは、大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、この実施の形態では、RAM55の保存領域に複数保存されているカウント値のうちに大当りカウント値が保存されているときに、その大当りカウント値に基づく変動表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の変動表示にわたって予告演出が行なわれるときがある。
「複数回の変動表示にわたって予告演出が行なわれる」とは、たとえば大当りカウント値がRAM55の保存領域の3番目に保存されているとき、1回目の変動表示が開始してから3回目の変動表示が終了するまで予告演出が継続して行なわれるという意味ではなく、3回の変動表示の各々で予告演出が行なわれるという意味である。
図6から図8までは、RAM55の保存領域の3番目に大当りカウント値が保存されているときに行なわれる予告演出の態様を説明する画面図である。最初、特別図柄表示部9において特別図柄の「467」が停止表示されている(C−1)。このとき、始動記憶表示器18のLEDは3つが点灯している状態である。
始動記憶表示器18の点灯しているLEDの数が1つ減り、特別図柄表示部9において変動表示が開始され、変動表示の開始と同時に特別図柄とは異なる腰に手を当てているキャラクタ200が表示される(C−2)。このキャラクタ200は、所定時間の経過後に消される。
特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、左変動表示部9aの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、クラッカーを持っているキャラクタ201が同時に表示される(C−3)。このキャラクタ201は、所定時間の経過後に消される。
さらに所定時間が経過すると、右変動表示部9cの変動表示が特別図柄の「3」で停止表示され、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が同時に表示される(C−4)。このキャラクタ202は、所定時間の経過後に消される。
キャラクタ202が消された後もしばらくの間は中変動表示部9bの変動表示が継続し(C−5)、その後、中変動表示部9bの変動表示が特別図柄の「1」で停止表示され、表示結果が「713」となり、はずれが確定する(C−6)。
しばらくすると、始動記憶表示器18の点灯しているLEDの数が1つ減り、特別図柄表示部9において2回目の変動表示が開始される(C−7)。1回目の変動表示とは異なり、変動表示の開始と同時にキャラクタ200が表示されない。特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、左変動表示部9aの変動表示が特別図柄の「4」で停止表示され、腰に手を当てているキャラクタ200が同時に表示される(C−8)。このキャラクタ200は、所定時間の経過後に消される。
キャラクタ200が消された後もしばらくの間は中変動表示部9bおよび右変動表示部9cの変動表示が継続し(C−9)、その後、右変動表示部9cの変動表示が特別図柄の「5」で停止表示され、クラッカーを持っているキャラクタ201が同時に表示される(C−10)。1回目の変動表示に比べ出現期間が長い。このキャラクタ201は、所定時間の経過後に消される。
キャラクタ201が消された後、中変動表示部9bの変動表示が行なわれている最中に、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が表示される(C−11)。このキャラクタ202は、所定時間の経過後に消される。さらに所定時間が経過すると、中変動表示部9bの変動表示が特別図柄の「8」で停止表示され、表示結果が「485」となり、はずれが確定する(C−12)。
しばらくすると、始動記憶表示器18の点灯しているLEDの数が1つ減り、特別図柄表示部9において3回目の変動表示が開始される、変動表示と同時にキャラクタ200が表示される(C−13)。このキャラクタ200は、所定時間の経過後に消される。特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、左変動表示部9aの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示される(C−14)。
さらに所定時間が経過すると、右変動表示部9cの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、クラッカーを持っているキャラクタ201が同時に表示される(C−15)。このとき、左変動表示部9aに「7」が、右変動表示部9cに「7」が停止表示されているのでリーチ状態が成立している。キャラクタ201は、所定時間の経過後に消される。
キャラクタ201が消された後もしばらくの間はリーチ状態が継続する(C−16)。所定時間の経過後、中変動表示部9bの変動表示が行なわれている最中に、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が表示される(C−17)。2回目の変動表示に比べ出現期間が長い。このキャラクタ202は、所定時間の経過後に消される。さらに所定時間が経過すると、中変動表示部9bの変動表示が特別図柄の「7」で停止表示され、表示結果が「777」となり、大当りが確定する(C−18)。
このように、複数回の変動表示にわたって予告演出が行なわれるときは、出現期間が変動表示毎に変化していくために、複数回の変動表示にわたって連続して行なわれる予告演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
図9は、各ランダムカウンタの説明図である。この実施の形態では、複数種類の乱数の生成に複数種類のランダムカウンタが用いられている。このランダムカウンタは、遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎(具体的には2msec毎)、または遊技制御用プログラムが定期的に実行される毎および割込み処理余り時間にその値が「1」ずつ加算更新される。
R1(大当り決定用)は、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定するために用いる大当り決定用ランダムカウンタである。R1(大当り決定用)は、「0」〜「199」の範囲内で、2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「199」まで達すると再度「0」から加算更新される。R1(大当り決定用)により数値データ更新手段が構成されている。
R2−1(左はずれ図柄決定用)、R2−2(中はずれ図柄決定用)およびR2−3(右はずれ図柄決定用)は、R1(大当り決定用)から抽出されたカウント値が特別図柄表示部9における変動表示の表示結果をはずれとするカウント値(以下「はずれカウント値」ともいう。)であるときに、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果としてのはずれ図柄を決定するために用いるはずれ図柄決定用ランダムカウンタである。R2−1(左はずれ図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R2−2(中はずれ図柄決定用)は、R2−1(左はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新されて、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新される。R2−3(右はずれ図柄決定用)は、R2−2(中はずれ図柄決定用)の桁上げ毎に「1」加算更新されて、その上限である「9」に達すると再度「0」から加算更新される。
R2−1(左はずれ図柄決定用)、R2−2(中はずれ図柄決定用)およびR2−3(右はずれ図柄決定用)によって決定されたはずれ図柄が偶然ゾロ目となってしまった場合は、R2−2(中はずれ図柄決定用)の抽出値に「1」が加算され、強制的にはずれ図柄とされる。
R3(大当り図柄決定用)は、R1(大当り決定用)から抽出されたカウント値が大当りカウント値であるときに、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果としての大当り図柄を決定するために用いる大当り図柄決定用ランダムカウンタである。R3(大当り図柄決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。R3(大当り図柄決定用)より抽出されたカウント値が偶数である場合は、特定遊技状態を発生させる大当り図柄となり、奇数である場合は、特別遊技状態(確率向上状態)を発生させる確変大当り図柄となる。
R4(変動パターン決定用)は、特別図柄表示部9において変動表示を行なう際の変動表示の種類(変動パターン)を決定するために用いる変動パターン決定用ランダムカウンタである。R4は(変動パターン決定用)、「0」〜「99」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R5(リーチ決定用)は、R1(大当り決定用)から抽出されたカウント値がはずれカウント値であるときに、リーチ状態を発生させるか否かを決定するために用いるリーチ決定用ランダムカウンタである。R5(リーチ決定用)は、「0」〜「99」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R6(普通図柄当り決定用)は、普通図柄表示器10における変動表示の表示結果を当りとするか否かを決定するために用いる普通図柄当り決定用ランダムカウンタである。R6(普通図柄当り決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R7(R1初期値決定用)は、R1(大当り決定用)の初期値を決定するために用いるR1初期値決定用ランダムカウンタである。R7(R1初期値決定用)は、「0」〜「199」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「199」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R8(R6初期値決定用)は、R6(普通図柄当り決定用)の初期値を決定するために用いるR6初期値決定用ランダムカウンタである。R8(R6初期値決定用)は、「0」〜「9」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「9」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R9(予告決定用)は、後述するように特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとすることの予告演出を行なうか否かを決定するために用いる予告決定用ランダムカウンタである。R9(予告決定用)は、「0」〜「99」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
R10(予告パターン決定用)は、R9(予告決定用)から抽出されたカウント値に基づいて予告演出を行なうことが決定されたときに、後述する予告パターンを決定するために用いる予告パターン決定用ランダムカウンタである。R10(予告パターン決定用)は、「0」〜「99」の範囲内で2msec毎および割込み処理余り時間に「1」ずつ加算更新され、その上限である「99」まで加算更新された後再度「0」から加算更新される。
以上に示したランダムカウンタは、ランダムカウンタ毎に定められた抽出条件の成立に応じてランダムなタイミング(たとえば始動入賞発生時等)でカウント値が抽出される。これにより、各ランダムカウンタから抽出されたカウント値は、ランダムな値(乱数値)になる。なお、各ランダムカウンタの加算更新される数値範囲は一例であり、前述した数値範囲以外であってもよい。
次にパチンコ遊技機1の動作について説明する。図10および図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ53が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理が実行された後、ステップ(以下、単に「S」という。)1以降の遊技制御メイン処理を開始する。遊技制御メイン処理において、まず、必要な初期設定が行なわれる。
初期設定処理において、まず、S1において、割込禁止に設定される。次に、S2において、割込モードが割込モード2に設定され、S3において、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスが設定される。そして、S4において、内蔵デバイスレジスタの初期化が行なわれる。
次いで、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理が行なわれる。具体的には、まず、S5において、ウェイトカウンタ1に、初期化ウェイト回数指定値1がセットされる。また、S6において、ウェイトカウンタ2に、初期化ウェイト回数指定値2がセットされる。ウェイトカウンタ1,2としては、CPU56に内蔵される汎用のレジスタが用いられる。
そして、S7およびS8において、ウェイトカウンタ2の値が0になるまでウェイトカウンタ2の値が「1」ずつ減算される。ウェイトカウンタ2の値が0になったら、S9において、ウェイトカウンタ1の値が「1」減算され、S10において、ウェイトカウンタ1の値が0になっていなければ、S6に戻る。ウェイトカウンタ1の値が0になっていれば、ソフトウェア遅延処理が終了する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(初期化ウェイト回数指定値1)×(初期化ウェイト回数指定値2)×(S7,S8の処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を行なわない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができるように、初期化ウェイト回数指定値1,2の値が決定される。なお、初期化ウェイト回数指定値1,2の値は、ROM54に設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
ソフトウェア遅延処理が終了すると、S11において、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化が行なわれた後、S12において、RAM55がアクセス可能状態に設定される。
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。また、CPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0では、割込要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPU56の内部データバス上に送出される。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行なう必要がある。割込モード1とは、割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2とは、CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行なうときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になる。また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
次いで、S13において、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチの出力信号の状態が1回だけ確認される。その確認においてオンが検出された場合には、S20〜S25において、通常の初期化処理が行なわれる。
クリアスイッチがオンである場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、たとえば、遊技店員は、クリアスイッチをオン状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば、電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を行なわせることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、S14において、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理が行なわれたか否か確認される。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、バックアップありと判定される。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、初期化処理が行なわれる。
保護処理が行なわれていたか否かは、バックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば「2」)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえばバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、S14において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、S15において、バックアップRAM領域のデータチェック(この実施の形態ではパリティチェック)が行なわれる。この実施の形態では、クリアデータ(00)がチェックサムデータエリアにセットされ、チェックサム算出開始アドレスがポインタにセットされる。
また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数がセットされる。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和が演算される。演算結果がチェックサムデータエリアにストアされるとともに、ポインタの値が「1」増やされ、チェックサム算出回数の値が「1」減算される。
以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値が反転され、反転後のデータがチェックサムとされる。
S15において、算出されたチェックサムと保存されているチェックサムとが比較される。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、S20〜S25において、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に行なわれる初期化処理が行なわれる。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ53の内部状態と表示制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理が行なわれる。具体的には、S16において、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S17において、バックアップ時設定テーブルの内容が順次作業領域(RAM55内の領域)に設定される。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。
バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S16およびS17の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)や未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
S18において、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S19において、その内容に従ってサブ基板(払出制御基板37および表示制御基板80等)に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンドが送信されるように制御される。そして、S25に移行する。
初期化処理では、まず、S20において、RAMクリア処理が行なわれる。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、R1(大当り決定用)のカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。たとえば、R1(大当り決定用)のカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、R1(大当り決定用)のカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。
S21において、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S22において、初期化時設定テーブルの内容が順次作業領域に設定される。S21およびS22の処理によって、たとえば、R6(普通図柄当り決定用)、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
S23において、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスがポインタに設定され、S24において、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理が行なわれる。初期化コマンドとして、特別図柄表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
S25において、所定時間(たとえば2msec)毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に内蔵されているCTCのレジスタの設定が行なわれる。すなわち、初期値として、たとえば2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msec毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
S20〜S25において、初期化処理が終了すると、S27およびS28において、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が繰り返し行なわれる。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が行なわれるときには、S26において、割込禁止状態にされ、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が終了すると、S29において、割込許可状態にされる。
なお、表示用乱数とは、変動表示装置8に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのランダムカウンタ(R1(大当り決定用))等のカウント値の初期値を決定するための乱数であり、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのランダムカウンタのカウント値を更新する処理である。R1(大当り決定用)のカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が行なわれるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも行なわれることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S27およびS28の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S27およびS28の処理中は割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
図12は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、S26〜S29のループ処理の実行中に、タイマ割込が発生すると、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理が行なわれる。
タイマ割込処理では、まず、S31において、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)が実行される。S32において、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、カウントスイッチ23お、Vカウントスイッチ22および入賞口球検出スイッチ99等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定が行なわれる。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を「1」加算する。
S33において、スイッチコモン監視信号に基づいて所定の報知処理を行なう短絡報知処理が行なわれる。S34において、遊技制御に用いられるR1(大当り決定用)等の各決定用乱数を生成するための各ランダムカウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。S35およびS36において、初期値乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。
S37において、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて行なわれる。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
S38において、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて行なわれる。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
S39において、特別図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理が行なわれる。S40において、普通図柄に関する図柄制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して図柄制御コマンドを送出する処理が行なわれる。S41において、たとえば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理が行なわれる。
S42において、入賞口24等に打玉が入賞したことに基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理が行なわれる。払出制御基板37に搭載されているマイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号等の払出制御信号に応じて球払出装置97が駆動される。
S43において、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理が行なわれる。S44において、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1の外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理が行なわれる。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、S45において、出力ポート3のRAM領域におけるソレノイドに関する内容が出力ポートに出力される。その後、S46において、割込許可状態に設定され、処理が終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2msec毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が行なわれているが、タイマ割込処理では、たとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において行なわれるようにしてもよい。また、S32〜S45の処理(S41およびS44を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図13は、図12に示すタイマ割込処理における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、まず、S51において、始動口14に打玉が入賞して始動口スイッチ17がONになっているか否かの判断が行なわれる。始動口スイッチ17がONになっていると判断されたときは、S52において、始動入賞処理が行なわれる。その後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)に応じて、S61からS68のいずれかの処理が行なわれる。
S61において、特別図柄通常処理が行なわれる。特別図柄通常処理では、特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態になるのが待たれる。特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態になると、始動入賞記憶数が確認される。始動入賞記憶数が「0」でなければ、変動表示の表示結果を大当りとするか否かが決定される。そして、処理をS62(停止図柄設定処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S62において、停止図柄設定処理が行なわれる。停止図柄設定処理では、特別図柄表示部9における変動表示を停止表示させたときの停止図柄が決定される。そして、処理をS63(変動パターン設定処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S63において、変動パターン設定処理が行なわれる。変動パターン設定処理では、特別図柄表示部9において変動表示を行なう際の変動パターンが決定される。表示制御用マイクロコンピュータ81に対して変動パターン等を指令する変動表示期間制御信号である変動表示コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信される。そして、処理をS64(特別図柄変動処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S64において、特別図柄変動処理が行なわれる。特別図柄変動処理では、所定時間が経過すると、処理をS65(特別図柄停止処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S65において、特別図柄停止処理が行なわれる。特別図柄停止処理では、特別図柄表示部9において変動表示される特別図柄を停止表示させる制御が行なわれる。具体的には、特別図柄を停止表示させる確定制御信号である図柄確定コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信される。そして、停止図柄が大当り図柄である場合には、処理をS66(大入賞口開成前処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。そうでない場合には、処理をS61に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S66において、大入賞口開成前処理が行なわれる。大入賞口開成前処理では、可変入賞球装置19の開閉板20を開成し、大入賞口を開口する制御が開始される。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して可変入賞球装置19の大入賞口が開成される。また、プロセスタイマによって大入賞口開成中処理の実行時間が設定され、大当り中フラグがセットされる。そして、処理をS67(大入賞口開成中処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S67において、大入賞口開成中処理が行なわれる。大入賞口開成中処理では、大入賞口ラウンド表示の表示制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信する制御や可変入賞球装置19の大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等が行なわれる。最後の可変入賞球装置19の大入賞口の閉成条件が成立したら、処理をS68(大当り終了処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
S68において、大当り終了処理が行なわれる。大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御用マイクロコンピュータ81に行なわせるための制御が行なわれる。そして、処理をS61(特別図柄通常処理)に移行させるため、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)が更新される。
図14は、図13に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞処理を示すフローチャートである。始動入賞処理では、まず、S71において、始動入賞記憶数が最大値である「4」に達しているか否かが判断される。始動入賞記憶数が「4」に達していなければ数値データ抽出手段であるS72において、R1(大当り決定用)等のランダムカウンタからカウント値(乱数値)を抽出する処理が行なわれる。S73において、S72で抽出されたカウント値が始動入賞記憶数の値に対応したRAM55の保存領域に保存される。S74において、始動入賞記憶数を「1」加算する処理が行なわれ、このサブルーチンプログラムは終了する。
図15は、図13に示す特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理では、まず、S81において、特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態であるか否かが判断される。特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態とは、たとえば、特別図柄表示部9にいおて変動表示が行なわれていない状態や大当り状態以外の状態等である。
S81において、特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができる状態であると判断されたときは、S82において、始動入賞記憶数が「0」であるか否かが判断される。始動入賞記憶数が「0」であると判断されたときは、特別図柄表示部9において変動表示を開始させることができないので、このサブルーチンプログラムは終了する。一方、始動入賞記憶数が「0」でないと判断されたときは、S83において、予告決定処理が行なわれる。予告決定処理に関しては後述することにする。
S84において、始動入賞記憶数=1に対応するRAM55の保存領域に保存されているカウント値を読み出す処理が行なわれる。S84でRAM55の保存領域に保存されているR1(大当り決定用)を読み出す処理が行なわれたので、S85において、始動入賞記憶数を「1」減算する処理が行なわれる。S86において、RAM55の各保存領域の内容をシフトする処理が行なわれる。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2、3、4)に対応するRAM55の保存領域に保存されているカウント値を、始動入賞記憶数=n−1に対応するRAM55の保存領域に上書き保存する処理が行なわれる。
S87において、S84で読み出したカウント値が特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとする大当りカウント値であるか否かを判定する大当り判定処理が行なわれる。S87の大当り判定処理の結果、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとするか否かがS88において判断され、大当りとすると判断されたときは、S89において、大当りフラグをONにする処理が行なわれる。
一方、S88において、大当りとしないと判断されたときは、S90において、大当りフラグをOFFにする処理が行なわれる。S90において、特別図柄プロセスフラグの値が停止図柄設定処理に対応した値に更新される。
図16は、図15に示す特別図柄通常処理における予告決定処理を示すフローチャートである。予告決定処理では、まず、S101において、予告回数カウンタの値が「0」であるか否かが判断される。予告回数カウンタとは、複数回の変動表示にわたって行なわれる予告演出を何回行なうかを判断するために用いられるカウンタであり、後述するS113においてカウント値が設定される。
予告回数カウンタの値が「0」でないと判断されたときは、複数回の変動表示にわたる予告演出が行なわれているということを意味し、S102以降の処理が行なわれず、S116において、予告回数カウンタのカウント値が「1」減算され、このサブルーチンプログラムは終了する。
一方、予告回数カウンタの値が「0」であると判断されたときは、S102において、判定回数カウンタに始動入賞記憶数を設定する処理が行なわれる。判定回数カウンタとは、RAM55の保存領域に保存されているカウント値のうちに大当りカウント値が保存されているか否かを判定する処理を何回行なうかを判断するために用いられるカウンタである。たとえば始動入賞記憶数が「3」であるときは、判定回数カウンタに「3」が設定される。
S103において、検査回数カウンタの値を「0」に設定する処理が行なわれる。検査回数カウンタとは、RAM55の保存領域に記憶されているカウント値のうちに大当りカウント値が保存されているか否かを判断するときに、いずれの保存領域のカウント値を判定しているのかを判断するために用いられるカウンタである。
S104において、検査回数カウンタの値に「1」加算する処理が行なわれる。現段階では、検査回数カウンタの値は「1」であるので、S105において、始動入賞記憶数=1に対応するRAM55の保存領域に保存されているカウント値を読み出す処理が行なわれる。
S106において、S105で読み出したカウント値が大当りカウント値であるか否かが判断される。大当りカウント値であると判断されたときは、S110に進む。一方、はずれカウント値であると判断されたときは、S107において、判定回数カウンタを「1」減算する処理が行なわれ、S108において、判定回数カウンタの値が「0」であるか否かが判断される。S106において、大当りカウント値であると判断されるか、あるいはS108において、判定回数カウンタの値が「0」であると判断されるまで、S104からS108までの処理が繰返し行なわれる。S104からS108までの処理により表示結果決定手段が構成されている。
S108において、判定回数カウンタの値が「0」であると判断されたときは、S109において、後述するはずれ用予告決定テーブルとはずれ用予告パターンテーブルとが設定される。その後、S111に進む。
一方、S106において、大当りカウント値であると判断されたときは、S110において、後述する大当り用予告決定テーブルと大当り用予告パターンテーブルとが設定される。その後S111に進む。
S111において、R9(予告決定用)から乱数値(カウント値)を抽出する処理が行なわれる。S112において、S111でR9(予告決定用)から抽出したカウント値と、S109あるいはS110で設定された予告決定テーブルに設定されている予告判定値とを比較する処理が行なわれる。両者を比較した結果、一致(合致)した場合は予告演出を行なうという判断がなされ、一致しない場合は予告演出を行なわないという判断がなされる。S111およびS112において、特定演出決定手段が構成されている。
S112において、予告演出を行なわないと判断されたときは、このサブルーチンプログラムは終了する。S112において、予告演出を行なうと判断されたときは、S113において、予告回数カウンタに検査回数カウンタの値を設定する処理が行なわれる。これにより、予告演出を何回連続して行なうかが設定される。
S114において、後述する予告パターンを決定するために用いられるランダムカウンタであるR10(予告パターン決定用)からカウント値を抽出する処理が行なわれる。S115において、R10(予告パターン決定用)から抽出されたカウント値とS109またはS110で設定された予告パターンテーブルの判定値とを比較して決定された予告パターンの予告パターンコマンドをセットする処理が行なわれる。S114およびS115によりデータ選択手段が構成されている。
S115の予告パターン決定処理では、特別図柄表示部9において変動表示を開始させてから最初のキャラクタ(この実施の形態では腰に手を当てているキャラクタ200)を出現させるまでの期間である開始期間と、最初のキャラクタを出現させてから次のキャラクタ(この実施の形態ではクラッカーを持っているキャラクタ201)を出現させるまでの期間である出現期間とが一回の処理で決定される。詳しい内容については、図18と図19において説明する。これにより、処理負担を軽減することができる。
図17は、図16に示す予告決定処理で使用する予告決定テーブルを示す図である。予告決定テーブルは、図16のS109またはS110で設定されるテーブルであり、「大当り用」の予告決定テーブルと、「はずれ用」の予告決定テーブルとがある。「大当り用」の予告決定テーブルは、S104からS108までの処理において、RAM55の保存領域に大当りカウント値が記憶されていると判断されたときに使用され、「はずれ用」の予告決定テーブルは、S104からS108の処理において、RAM55の保存領域に大当りカウント値が保存されていないと判断されたときに、使用される。
「大当り用」の予告決定テーブルには、100個の判定値のうち95個が「予告する」という判定値に割り当てられており、RAM55の保存領域に大当りカウント値が保存されていると判断されたときは、予告演出が行なわれやすくなっている。
「はずれ用」の予告決定テーブルには、100個の判定値のうち5個が「予告する」という判定値に割り当てられており、「大当り用」の予告決定テーブルが設定されたときに比べると、予告演出が行なわれにくくなっている。なお、この実施の形態で示された予告決定テーブルの判定値の個数は一例であり、図17に示した判定値の個数以外のものであってもよい。
「はずれ用」の予告決定テーブルに「予告する」という判定値が設けられているのは、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果をはずれとすることが事前に決定されている場合において、ガセの予告演出が行なわれることを意味している。このようにすると、予告が実行される頻度が高くなり、遊技者の期待感を向上させることができる。
図18は、予告演出で使用される予告パターンのタイミングを示す図である。予告演出で使用される予告パターンはAからLまでの12種類がある。1〜3の数字が記載されている箱は、図示している期間だけ特別図柄表示部9において特別図柄とは異なるキャラクタを表示する予告演出が行なわれることを意味している。
「1」が記載されている箱は、腰に手を当てているキャラクタ200が表示されていることを意味し、「2」が記載されている箱は、クラッカーを持っているキャラクタ201が表示されていることを意味し、「3」が記載さている箱は、クラッカーを鳴らしているキャラクタ202が表示されていることを意味している。
なお、前述したようにキャラクタが特別図柄表示部9に表示されている期間は、数字が記載された箱の期間継続して表示されていてもよいし、継続して表示されていなくてもよい。
予告パターンは大きく2つのパターンに分けられ、1つは特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから最初のキャラクタが表示されるまでの期間である開始期間が0秒で、変動表示が開始されるのと同時にキャラクタが表示されるパターンである。もう1つは、開始期間が5秒で、特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから5秒後にキャラクタが表示されるパターンである。なお、出現期間が0秒あるいは5秒というのは一例であり、0秒あるいは5秒以外のものであってもよい。このようにすると、予告演出のバリエーションが増え、予告演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
また、予告パターンは、特別図柄表示部9に腰に手を当てているキャラクタ(1が記載された箱)を表示させてからクラッカーを持っているキャラクタ(2が記載された箱)を表示させるまでの期間である出現期間、あるいは腰に手を当てているキャラクタ(1が記載された箱)を表示させてからクラッカーを鳴らしているキャラクタ(3が記載された箱)を表示させるまでの期間である出現期間が異なる。予告パターンAから予告パターンLに近づくほど出現期間が長くなっており、予告演出が開始されてから終了するまでの期間が長くなる。
このようにすると、腰に手を当てているキャラクタ200が表示された後もクラッカーを持っているキャラクタ201あるいはクラッカーを鳴らしているキャラクタ202がどのようなタイミングで出現するか遊技者は興味を持続することができ、予告演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態で示した予告パターンの態様は一例であり、予告パターンの種類および出現期間は、上述したものと別のものであってもよい。
図19は、図16に示す予告決定処理において使用される予告パターンテーブルを示す図である。予告パターンテーブルは、前述した予告演出の開始期間および出現期間を決定するために使用される。予告パターンは前述したように予告パターンAから予告パターンLまでの12種類あり、予告パターンテーブでは、各予告パターンを組み合せたものが36種類示されている。図中の「A」から「L」までは、予告パターンAから予告パターンLまでに対応している。なお、予告パターンの組合せは36種類に限られず、35種類以下であってもよいし、37種類以上であってもよい。
予告パターンテーブルは、図16のS109またはS110で設定されるテーブルであり、「はずれ用」の予告パターンテーブルと、「大当り用」の予告パターンテーブルとがある。「はずれ用」の予告パターンテーブルは、RAM55の保存領域に大当りカウント値が保存されているときに使用され、「大当り用」の予告パターンテーブルは、RAM55の保存領域に大当りカウント値が保存されていないときに使用される。
図16のS113において、予告回数カウンタに1が設定されたときは、予告パターン番号が「1」から「12」までのテーブルを用いて予告パターンが決定される。予告回数カウンタに2が設定されたとき、すなわち前述したように複数回の変動表示にわたって予告演出が行なわれるときは、予告パターン番号が「13」から「22」までのテーブルを用いて予告パターンが決定される。同様に、予告回数カウンタに3が設定されたときは、予告パターン番号が「23」から「30」までのテーブルを用いて予告パターンが決定され、予告回数カウンタに4が設定されたときは、予告パターン番号が「31」から「36」までのテーブルを用いて予告パターンが決定される。
予告演出が複数回の変動表示にわたって行なわれないとき、「大当り用」の予告パターンテーブルでは、出現期間の短い予告パターンAよりも出現期間が長くなるほど選択されやすいように設定されている。「はずれ用」の予告パターンテーブルでは、逆に出現期間の短くなるほど選択されやすいように設定されている。このようにすると、出現期間が長い予告演出が行なわれたときは、大当りになる割合が高いため予告演出がどの様なタイミングで出現するか遊技者の興味を長期間にわたって向上させることができる。
予告演出が複数回の変動表示にわたって行なわれるときは、1回目の変動表示のときに行なわれる予告演出の出現期間よりも2回目の変動表示のときに行なわれる予告演出の出現期間の方が長い出現期間となるように設定されている。同じく、2回目より3回目の方が、3回目より4回目の変動表示のときに行なわれる予告演出の出現期間の方が長い出現期間となるように設定されている。このようにすると、変動表示の回数を増すに伴い長い出現期間が選択されるため、予告演出がどの様なタイミングで出現するか遊技者の興味を長期間にわたって向上させることができる。
また、この実施の形態では、図18示すように出現期間および開始期間が異なる予告パターン「A」〜「L」が、図19に示すように共通の予告パターンテーブルを使用して選択されるため、予告演出の出現期間と開始期間とが一回の処理で決定される。
図20は、図15示す特別図柄通常処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。大当り判定処理では、まず、S121において、遊技状態が確率向上状態であるか否かが判断される。確率向上状態であると判断されたときは、S122において、後述する大当り判定テーブルのうち「高確率用」の大当り判定テーブルが設定される。一方、S121において、確率向上状態でないと判断されたときは、S123において、「低確率用」の大当り判定テーブルが設定される。
S124において、図15のS84で読み出されたR1(大当り決定用)のカウント値とS122あるいはS123で設定された大当り判定テーブルの判定値とを比較する処理が行なわれる。S125において、S124での比較の結果、両者が一致(合致)するか否かが判断される。両者が一致すると判断されたときは、S126において、大当りとすることが決定され、両者が一致しないと判断されたときは、S127において、はずれとすることが決定される。
図21は、図20に示す大当り判定処理で使用する大当り判定テーブルの一例を示す図である。大当り判定テーブルは、図20のS112またはS123で設定されるテーブルであり、「低確率用」の大当り判定テーブルと、「高確率用」の大当り判定テーブルとがある。「低確率用」の大当り判定テーブルは、遊技状態が確率向上状態でないときの大当り判定処理で使用され、「高確率用」の大当り判定テーブルは、遊技状態が確率向上状態のときの大当り判定処理で使用される。
「低確率用」の大当り判定テーブルには、大当り判定値が1個設定されており、R1(大当り決定用)から抽出されたカウント値と一致(合致)するか否かによって特別図柄表示部9における変動表示の表示結果が大当りとなるか否かが決定される。確率向上状態でないときは、大当りとなる確率が「1/200」ということになる。
「高確率用」の大当り判定テーブルには、判定値が10個設定されており、R1(大当り決定用)から抽出されたカウント値と10個の大当り判定値のうちのいずれかとが一致するか否かによって特別図柄表示部9における変動表示の表示結果が大当りとなるか否かが決定される。確率向上状態のときは、大当りとなる確率が「1/20」となり、確率向上状態でないときと比較して大当りとなる確率が高くなる。
なお、この実施の形態で示された大当り判定値は一例であり、図21に示した大当り判定値以外のものであってもよい。また、大当り判定値の数も一例であり、「低確率用」の大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値の数が2個以上あってもよいし、「高確率用」の大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値の数が9個以下でも11個以上であってもよい。
図22は、図13に示す特別図柄プロセス処理における停止図柄設定処理を示すフローチャートである。停止図柄変動処理では、まず、S131において、大当りフラグがONであるか否かが判断される。大当りフラグは図15のS89あるいはS90において設定される。大当りフラグがONであると判断されたときは、S132において、図15のS84で読み出されたR3(大当り図柄決定用)のカウント値に従い大当り図柄を決定する処理が行なわれる。この実施の形態では、R3(大当り図柄決定用)のカウント値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が大当り図柄として決定される。その後、S137に進む。
S131において、大当りフラグがONでないと判断されたときは、S133において、リーチ判定処理が行なわれる。S134において、S133におけるリーチ判定処理の結果、リーチとするか否かが判断される。リーチとすると判断されたときは、S135において、R2−1(左はずれ図柄決定用)のカウント値に応じた図柄番号の図柄が左変動表示部9aおよび右変動表示部9cに停止表示させる特別図柄として決定され、R2−2(中はずれ図柄決定用)のカウント値に応じた図柄番号の図柄が中変動表示部9bに停止表示させる特別図柄として決定される。その後、S137に進む。
S134において、リーチととしないと判断されたときは、S136において、R2−1(左はずれ図柄決定用)のカウント値に応じた図柄番号の図柄が左変動表示部9aに停止表示させる特別図柄として決定され、R2−2(中はずれ図柄決定用)のカウント値に応じた図柄番号の図柄が中変動表示部9bに停止表示させる特別図柄として決定され、R2−3(右はずれ図柄決定用)のカウント値に応じた図柄番号の図柄が右変動表示部9cに停止表示させる特別図柄として決定される。その後、S137に進む。S137において、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理に対応した値に更新される。
図23は、図22に示す停止図柄設定処理におけるリーチ判定処理を示すフローチャートである。リーチ判定処理では、まず、S141において、遊技状態が確率向上状態であるか否かが判断される。確率向上状態であると判断されたときは、S142において、後述するリーチ判定テーブルのうち「高確率用」のリーチ判定テーブルが設定される。一方、S141において、確率向上状態でないと判断されたときは、S143において、「低確率用」のリーチ判定テーブルが設定される。
S144において、図15のS84で読み出されたR5(リーチ決定用)のカウント値とS142あるいはS143で設定されたリーチ判定テーブルの判定値とを比較する処理が行なわれる。S145において、S144での比較の結果、両者が一致(合致)するか否かが判断される。両者が一致すると判断されたときは、S146において、リーチとすることが決定され、両者が一致しないと判断されたときは、S147において、リーチとしないことが決定される。
図24は、図23に示すリーチ判定処理で使用するリーチ判定テーブルの一例を示す図である。リーチ判定テーブルは、図23のS142またはS143で設定されるテーブルであり、「低確率用」のリーチ判定テーブルと、「高確率用」のリーチ判定テーブルとがある。「低確率用」のリーチ判定テーブルは、遊技状態が確率向上状態でないときのリーチ判定処理で使用され、「高確率用」のリーチ判定テーブルは、遊技状態が確率向上状態のときのリーチ判定処理で使用される。
「低確率用」のリーチ判定テーブルには、リーチ判定値が3個設定されており、R5(リーチ決定用)から抽出されたカウント値と一致(合致)するか否かによってリーチ状態が成立するか否かが決定される。
「高確率用」のリーチ判定テーブルには、リーチ判定値が12個設定されており、R5(リーチ決定用)から抽出されたカウント値と12個のリーチ判定値のうちのいずれかとが一致するか否かによってリーチ状態が成立するか否かが判定される。
なお、この実施の形態で示されたリーチ判定値は一例であり、図24に示したリーチ判定値以外のものであってもよい。また、リーチ判定値の数も一例であり、「低確率用」のリーチ判定テーブルに設定されているリーチ判定値の数が2個以下でも4個以上であってもよいし、「高確率用」のリーチ判定テーブルに設定されているリーチ判定値の数が11個以下でも13個以上であってもよい。
図25は、図13に示す特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、まず、S151において、前述した予告演出を行なうか否かが判断される。予告演出を行なわないと判断されたときは、S152において、後述する変動パターンテーブルNo1を設定する処理が行なわれる。
一方、予告演出を行なうと判断されたときは、S153において予告回数カウンタに該当する予告パターンに対応する変動パターンテーブルが設定される。たとえば、予告パターン番号13を例に説明すると、1回目の変動表示では、予告パターンAで予告演出が行なわれる。このときの変動パターンとしては、後述する変動パターンテーブルのNo2が設定される。「No2」の変動パターンテーブルは、後述するように、予告パターンAおよび予告パターンBによって予告演出が行なわれるときに使用される変動パターンテーブである。2回目の変動表示では、予告パターンCで予告演出が行なわれる。このときの変動パターンとしては変動パターンテーブルNo3が設定される。「No3」の変動パターンテーブルは、後述するように、予告パターンCおよび予告パターンDによって予告演出が行なわれるときに使用される変動パターンテーブルである。
S154において、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果を大当りとするか否かが判断される。大当りとすると判断されたときは、S155において、「大当り用」の変動パターンテーブルを使用して変動パターンが選択される。S154において、大当りとしないと判断されたときは、S156において、変動表示の際にリーチ状態が成立するか否かが判断される。リーチ状態が成立すると判断されたときはS157において、「リーチはずれ用」の変動パターンテーブルを使用して変動パターンが選択される。リーチ状態が成立しないと判断されたときは、S158において、「はずれ用」の変動パターンテーブルを使用して変動パターンが選択される。
S159において、S155、S157あるいはS158で選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンドがセットされ、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信される。S160において、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応した値に更新される。
図26は、図25に示す変動パターン設定処理において使用される変動パターンテーブルを示す図である。変動パターンテーブルは「No1」から「No7」まで設けられている。「No1」の変動パターンテーブルは、前述した予告演出が行なわれないときに使用される変動パターンテーブルである。「No2」から「No7」までの変動パターンテーブルは、予告演出が行なわれるときに使用される変動パターンテーブルである。
予告パターンAおよび予告パターンBによって予告演出が行なわれるときは、「No2」の変動パターンテーブルが使用され、予告パターンCおよび予告パターンDによって予告演出が行なわれるときは、「No3」の変動パターンテーブルが使用され、予告パターンEおよび予告パターンFによって予告演出が行なわれるときは、「No4」の変動パターンテーブルが使用され、予告パターンGおよび予告パターンHによって予告演出が行なわれるときは、「No5」の変動パターンテーブルが使用され、予告パターンIおよび予告パターンJによって予告演出が行なわれるときは、「No6」の変動パターンテーブルが使用され、予告パターンKおよび予告パターンLによって予告演出が行なわれるときは、「No7」の変動パターンテーブルが使用される。
このように予告パターンによって使用する変動パターンテーブルを使い分けるのは、予告演出が特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから終了するまでの間に行なわれる必要があるため、予告演出が開始されてから終了するまでの期間が、特別図柄表示部9において変動表示が開始されてから終了するまでの変動表示時間より長くなることを防止するためである。
「通常変動」とは、リーチ表示態様を伴わない変動パターンであり、「通常変動」および「通常変動A」から「通常変動Q」まででは、たとえば変動表示時間が異なる。「リーチA」とは、リーチ表示態様を伴う変動パターンである。「リーチA」から「リーチS」まででは、リーチ表示態様が異なる。この実施の形態では、図16のS114,S115の処理で決定された予告パターンに基づいた予告演出が変動表示時間内に行なわれる。すなわち、リーチ表示態様が異なるとは、変動表示時間が異なることをいう。
図27は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信される表示制御コマンドの信号線を示す図である。図27に示すように、この実施の形態では、表示制御コマンドは、表示制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53と表示制御用マイクロコンピュータ81との間には、ストローブ信号(表示制御INT信号)を送信するための表示制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図27には、表示制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
この実施の形態では、表示制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は1例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図28は、制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。図28に示すように、表示制御コマンドの8ビットの表示制御コマンドデータは、表示制御INT信号に同期して出力される。表示制御用マイクロコンピュータ81は、表示制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、表示制御用マイクロコンピュータ81から見ると、表示制御INT信号は、表示制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
表示制御コマンドは、表示制御用マイクロコンピュータ81が認識可能に1回だけ送信される。認識可能とは、この実施の形態では、表示制御INT信号のレベルが変化することである。認識可能に1回だけ送信されるとは、たとえば表示制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて表示制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、表示制御INT信号は図28に示された極性と逆極性であってもよい。
図29は、表制御用マイクロコンピュータ81が実行する表示制御メイン処理を示すフローチャートである。表示制御メイン処理では、まず、Sub1において、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また表示制御の起動間隔を決めるための2msecタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる。その後、Sub2において、タイマ割込フラグの監視の確認を行なうループ処理に移行する。図30に示すタイマ割込が発生すると、Sub11において、タイマ割込フラグがセットされる。表示制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、Sub3において、タイマ割込フラグがクリアされ、以下の表示制御処理が行なわれる。
この実施の形態では、タイマ割込は33msec毎にかかる。すなわち、表示制御処理は、33msec毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な表示制御処理は表示制御メイン処理において行なわれるが、タイマ割込処理で表示制御処理を行なってもよい。
Sub4において、受信した表示制御コマンドを解析するコマンド解析処理が行なわれる。次に、Sub5において、表示制御プロセス処理が行なわれる。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスが選択されて行なわれる。そして、Sub6において、乱数を更新する処理が行なわれる。その後、Sub2のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
図31は、図29に示す表示制御メイン処理におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信された表示制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容が確認される。
コマンド解析処理では、まず、Sub21において、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否かが確認される。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判断される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていないときである。Sub21でコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていると判断されたときは、Sub22において、コマンド受信バッファから受信コマンドが読み出される。なお、読出されたら読出ポインタの値が「1」加算される。
Sub23において、受信した表示制御コマンドが左変動表示部9aに停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断されたときは、Sub24において、左変動表示部9aに停止表示させる特別図柄を示すデータがRAM101Aにおける左特別図柄格納領域に格納される。
Sub25において、受信した表示制御コマンドが中変動表示部9bに停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断されたときは、Sub26において、中変動表示部9bに停止表示させる特別図柄を示すデータがRAM101Aにおける中特別図柄格納領域に格納される。
Sub27において、受信した表示制御コマンドが右変動表示部9cに停止表示させる特別図柄指定の表示制御コマンドであると判断されたときは、Sub28において、右変動表示部9cに停止表示させる特別図柄を示すデータがRAM101Aにおける右特別図柄格納領域に格納される。
また、Sub29において、受信した表示制御コマンドが変動パターンを指定する表示制御コマンドであると判断されたときは、Sub30において、そのコマンドのEXTデータが変動パターンデータ格納領域に格納され、Sub31において、変動パターン受信フラグがONにセットする処理が行なわれる。
Sub32において、受信した表示制御コマンドが変動パターンを指定する表示制御コマンドでないと判断されたときは、Sub32において、受信した表示制御コマンドがいかなるコマンドであるか判断して、対応したフラグが設定され、Sub21に戻る。
図32は、図29示す表示制御メイン処理における表示制御プロセス処理を示すフローチャートである。表示制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてSub41〜Sub46のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理において、以下のような処理が行なわれる。
Sub41において、変動パターンコマンド受信待ち処理が行なわれる。コマンド受信割込処理によって、変動表示時間を特定可能な表示制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否かが確認される。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がONにセットされたか否かが確認される。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の表示制御コマンドが受信されたことが確認されたときにONにセットされる。
Sub42において、図柄変動開始処理が行なわれる。特別図柄の変動表示が開始されるように制御される。Sub43において、図柄変動中処理が行なわれる。変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングが制御されるとともに、変動表示時間の終了が監視される。また、左可変表示部9aおよび右可変表示部9cの特別図柄の停止制御が行なわれる。
Sub44において、図柄停止待ち処理が行なわれる。変動表示時間の終了時に、図柄停止を指示する表示制御コマンド(特別図柄停止の表示制御コマンド)が受信されていたら、特別図柄の変動表示が停止され、停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御が行なわれる。Sub45において、大当り表示処理が行なわれる。変動表示時間の終了後、確変大当り表示または大当り表示の制御が行なわれる。Sub46において、大当たり遊技中処理が行なわれる。大当たり遊技中の制御が行なわれ、たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の表示制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等が行なわれる。
図33は、図32に示す表示制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理では、Sub51において、変動パターン受信フラグがONであるか否かが判断される。変動パターン受信フラグがONであると判断されたときは、Sub52において、変動パターン受信フラグをリセットする処理が行なわれる。そして、Sub53において、表示制御プロセスフラグの値が図柄変動開始処理(Sub42)に対応した値に更新される。
図34は、図32に示す表示制御プロセス処理における図柄変動開始処理を示すフローチャートである。図柄変動開始処理では、まず、Sub61において、使用するプロセスデータを選択する処理が行なわれる。次に、Sub62において、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートする処理が行なわれる。
Sub63において、予告演出を行なうか否かが判断される。予告演出を行なうと判断されたときは、Sub64において、予告演出の開始期間のタイミングを決定するための開始期間タイマをスタートさせる処理が行なわれる。
Sub65において、特別図柄制御実行データ1の内容に従って変動表示を行なう処理が行なわれる。Sub66において、変動表示時間タイマがスタートされ、Sub67において、表示制御プロセスフラグの値が図柄変動中処理に対応した値に更新される。
図35は、図32に示す表示制御プロセス処理における図柄変動中処理を示すフローチャートである。図柄変動中処理では、まず、Sub71において、予告演出開始時間決定タイマがタイムアウトしたか否かが判断される。予告演出開始時間決定タイマがタイムアウトしていると判断されたときは、Sub72において、既に決定されている予告演出に基づく表示が行なわれるようにVDP103が制御される。Sub71およびSub72により特定演出実行手段が構成されている。予告演出開始時間決定タイマとは、予告演出の開始期間をを判断するために設けられたタイマである。
Sub73において、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かが判断される。プロセスタイマがタイムアウトしたと判断されたときは、Sub74において、プロセスデータのデータ切替を行なう。プロセスデータは、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用マイクロコンピュータ81へ送信されてきた変動パターンコマンドや予告パターンコマンド等に基づいて決定され、そのデータを用いて特別図柄表示部9の表示制御が行なわれる。
Sub75において、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、Sub76において、次に設定されている表示制御実行データの内容に従って特別図柄表示部9を制御する。一方、Sub73において、プロセスタイマがタイムアウトしていないと判断されたときは、プロセスタイマを減算する処理が継続され、Sub77に進む。
Sub77において、変動表示時間タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。変動時間タイマがタイムアウトしていると判断されたときは、Sub78において、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマがスタートされ、Sub79において、表示制御プロセスフラグの値が図柄停止待ち処理に対応した値に更新される。
図36は、図32に示す表示制御プロセス処理における図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理では、まず、Sub81において、図柄停止を指示する表示制御コマンドである図柄停止コマンドを受信しているか否かが判断される。図柄停止コマンドを受信していると判断されたときは、Sub82において、記憶されている特別図柄で変動表示を停止表示させる制御が行なわれる。
Sub83において、停止表示させた特別図柄が大当り図柄であると判断されたときは、Sub84において、表示制御プロセスフラグの値が大当り表示処理に対応した値に更新される。Sub83において、停止表示した特別図柄が大当り図柄でないと判断されたときは、Sub85において、表示制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新される。
Sub81において、図柄停止コマンドを受信していないと判断されたときは、Sub86において、監視タイマがタイムアウトしているか否かが判断される。監視タイマがタイムアウトしていると判断されたときは、何らかの異常が発生したと判断されて、Sub87において、特別図柄表示部9にエラー画面を表示する制御が行なわれる。
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、特別図柄表示部9における変動表示の表示結果が大当りとなることの予告演出を行なうか否か、予告演出を行なうときはいずれの予告パターンで予告演出を行なうかの決定を遊技制御用マイクロコンピュータ53で行なう例を示したがこれに限られず、表示制御用マイクロコンピュータ81で行なうようにしてもよい。
(2) 前記予告実行手段は、前記表示結果決定手段により前記変動表示の表示結果を前記特定の表示態様とすることが決定されたとき、当該特定の表示態様とすることが決定された開始条件の成立に基づく変動表示の表示結果が導出表示される以前の複数回の変動表示の各々で前記第1画像を表示させてから当該第1画像を前記第2画像に切換えて表示させることにより、前記予告を連続的に実行し(RAM55の保存領域に大当りカウント値が保存されているか否かを判断し、大当りカウント値が保存されていると判断されたときには、検査回数カウンタのカウント値が予告回数カウンタの値として設定され、予告回数カウンタの値が「0」になるまで複数回の変動表示にわたって予告演出を連続して行なう)、
前記タイミング選択手段は、前記予告実行手段により前記予告を連続的に実行されるときには、前記複数回の変動表示のうちの所定の回の変動表示に対応する切換タイミングよりも当該所定の回の次の回の変動表示に対応する切換タイミングの方が遅くなるように、前記切換タイミングデータ記憶手段の中から前記複数回の変動表示の各々に対応する切換タイミングを選択する(図19の予告パターンテーブルにおいて、1回目あるいは2回目の変動表示のときに行なわれる予告演出の出現期間よりも2回目あるいは3回目の変動表示のときに行なわれる予告演出の出現期間の方が長い出現期間となるように設定されている)。
(3) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、8 変動表示装置、9 特別図柄表示部、14 始動口、17 始動口スイッチ、18 始動記憶表示器、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、54 ROM、55 RAM、81 表示制御用マイクロコンピュータ。