JP2004065694A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】拡張した遊技盤面5上に、二つの遊技形態を併存させるとともに、夫々の遊技形態において、特別遊技作動の契機となる第一始動領域と、第二始動領域を、単一の始動領域14で兼用した。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、盤面上に遊技球が転動流下する遊技領域が区画形成された遊技盤を備えてなるパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機は、その前面枠の中央上部に略方形状の遊技開口が形成され、遊技開口より下方に位置する下部装架領域に二つの球受皿及び、発射ハンドルが配設される。この遊技開口には、種々の遊技部材を盤面に具備する遊技盤が、遊技開口全体を裏から塞ぐように取り付けられ、遊技盤面上に、遊技球の転動流下する遊技領域を形成している。かかる構成では、遊技領域の面積は、遊技開口の大きさにより制限されており、従来のパチンコ遊技機にあっては、遊技領域の面積は、各種パチンコ遊技機を通じて略一定である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、単一の球受皿を配設する等により、遊技領域を拡張した構成を提案した。
一方、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知する第一始動領域とを遊技盤面に備え、第一始動領域への遊技球通過を契機として、選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に利得をもたらす第一特別遊技作動を発生させるようにしたパチンコ遊技機は、種々提案されている。このようなパチンコ遊技機としては、いわゆる第一種パチンコ遊技機及び第三種パチンコ遊技機が良く知られている。
【0004】
ここで、第一種パチンコ遊技機は、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知しうる始動領域と、始動領域への遊技球通過を契機として各選出図柄を変動表示させた後、停止し、各選出図柄を確定表示する図柄制御手段と、開閉制御される大入賞口とを備え、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口の開放と、大入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなる特別遊技作動を実行するようにしたものである。
【0005】
また、第三種パチンコ遊技機は、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知しうる始動領域と、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動が実行するようにしたものである。なお、この特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への遊技球通過が可能となり、かつ該遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
さらには、第二種パチンコ遊技機としては、作動領域口を開閉する開閉駆動部材を備え、かつ該作動領域口により外部と連通する閉鎖作動領域内に一般領域と特定領域とを備えた変動入賞器と、遊技球の通過により前記開閉駆動部材を開閉させる始動領域とを備えてなり、該始動領域の球通過を駆動契機とする開閉駆動部材の開放駆動により作動領域口から閉鎖作動領域内に流入した遊技球が特定領域を通過した場合に、開閉駆動部材を所定駆動態様で開放駆動する特別開放作動が発生する。この特別開放作動中にあっては、開閉駆動部材の開放駆動開始から所定終了条件の成立を契機として開閉駆動部材の開放駆動が終了する開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として、所定回数継続することとなる。
【0006】
このように、種々のパチンコ遊技機が提案されているが、これらの遊技機はその種類毎に区別されて普及され、広く親しまれている反面、作動の斬新性に欠けるという問題もある。そこで、これらのパチンコ機能をふまえながらも、さらなる興趣あるパチンコ遊技機の提案が待たれているところである。
【0007】
本発明は、遊技領域の拡張化という背景に鑑みて、さらに多様で興趣溢れる遊技形態を実現しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、盤面上に遊技球が転動流下する遊技領域が区画形成された遊技盤を備えてなるパチンコ遊技機において、遊技球通過を検知する第一始動領域と、該第一始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させる第一特別遊技作動部材と、遊技球通過を検知する第二始動領域と、該第二始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる第二特別遊技作動部材とを遊技盤面上に備えると共に、第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用したことを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)。
【0009】
かかる構成にあっては、遊技盤面上に、二つの遊技形態を併存させるとともに、各遊技種の特別遊技作動の発生契機となる始動領域を、単一の始動領域で兼用したものである。このように、両遊技形態の始動領域を兼用し、二種類の遊技形態を連携することにより、従来にはない、多様でダイナミックな遊技が実現できることとなる。また、始動領域を共通化することにより、遊技部品の削減や、遊技領域を有効活用できる。
尚、ここで明細書全文で用いられる「第一」と「第二」なる概念は、「一方」と「他方」の概念を明瞭としたものに過ぎず、従って、「第一始動領域」及び「第二始動領域」や、「第一特別遊技作動」及び「第二特別遊技作動」等は、一方の遊技形態における始動領域や特別遊技作動を、他方の遊技形態のものと区別するためのものに過ぎない。
【0010】
ここで、遊技盤面上の遊技形態として、
遊技盤面上に、遊技球通過を検知する第一始動領域と、第一始動領域での遊技球通過を契機として選出図柄を変動表示する第一図柄表示装置と、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させる第一特別遊技作動部材と、遊技球通過を検知する第二始動領域と、第二始動領域での遊技球通過を契機として選出図柄を変動表示する第二図柄表示装置と、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる第二特別遊技作動部材とを設け、第一始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第一図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行し、さらに第二始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第二図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、第一図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第一特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させ、さらに第二図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第二特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる遊技制御手段とを備えると共に、第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用した構成が提案される(請求項2)。
【0011】
かかる構成は、遊技盤面上に、第一種パチンコ遊技機の機能(以下第一種パチンコ遊技形態という)と、第三種パチンコ遊技機の機能(以下第三種パチンコ遊技形態という)とを夫々生じさせたり、または遊技盤面上に、二つの第一種パチンコ遊技形態、又は二つの第三種パチンコ遊技形態を夫々生じさせるようにし、第一種の特別図柄始動領域と、第三種の普通始動領域を兼用したものである。
【0012】
ここで、第一図柄表示装置と、第二図柄表示装置とを、単一の図柄表示装置で兼用し、その図柄表示領域上で第一図柄表示形態と、第二図柄表示形態とを実行するようにした構成が提案される(請求項3)。
【0013】
この構成にあっては、遊技盤面上で実行される二つの遊技形態における図柄表示を、単一の図柄表示装置の図柄表示領域内において、区画して表示するようにしたものである。このようにすれば、個別的に図柄表示装置を夫々設けるに比して、可及的に広い面積の図柄表示領域を備える図柄表示装置を適用することができ、遊技者の図柄に対する注意が一元化され、かつ部品点数を少なくできると共に、始動領域への遊技球通過や始動記憶が無く、一方の図柄表示形態が機能していない場合に、他方の図柄表示機能を強調的に表出し得るなど、無駄のない図柄演出が可能となる。
【0014】
また、特別遊技作動部材、及び特別遊技作動としては、
一方の特別遊技作動部材が、開閉制御される大入賞口であり、一方の特別遊技作動が、図柄表示装置の図柄表示領域上で実行される図柄表示形態で確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口の開放と、大入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものとすることができる(請求項4)。これは、一方の遊技形態として、第一種パチンコ遊技形態を適用した構成である。
【0015】
一方の特別遊技作動部材が、開閉制御される大入賞口であり、さらに遊技領域に、内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な開放状態と不可能な閉鎖状態とに変換される権利発生役物と、権利発生役物の特別作動領域への遊技球通過に伴って駆動開始し、その内部の特定領域への遊技球通過可能な状態が間欠的に発生する遅延役物とを設け、一方の特別遊技作動が、図柄表示装置で確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、権利発生役物を開放状態とし、さらに権利発生役物の特別作動領域への遊技球通過に伴い権利が発生すると、権利発生役物の特定領域への遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである構成(請求項5)が提案される。すなわち、従来の第三種パチンコ遊技機と同様に、特定領域への遊技球通過可能な状態が間欠的に発生する遅延役物を適用し、特定領域への遊技球通過ごとに開閉ラウンドが更新される構成である。これは、一方の遊技形態として、第三種パチンコ遊技形態を適用した構成である。
【0016】
一方の特別遊技作動部材が、開閉駆動部材により開閉制御される作動領域口を介して外部と連通する閉鎖作動領域を備え、該閉鎖作動領域内に一般領域と特定領域とを設けた変動入賞器であり、一方の特別遊技作動が、始動領域の球通過を契機とする開閉駆動部材の開放駆動により作動領域口から閉鎖作動領域内に流入した遊技球が特定領域を通過した場合に、開閉駆動部材を所定駆動態様で開放駆動するものである構成(請求項6)が提案される。かかる構成は、一方の遊技形態として、従来の第二種パチンコ遊技機の有する遊技形態(以下第二種パチンコ遊技形態)を適用したものである。
【0017】
普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、遊技球が入り易い拡開状態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、一方の特別遊技作動部材が、普通電動役物であり、一方の特別遊技作動が、普通図柄表示装置の図柄表示領域上で実行される図柄表示形態で確定表示された図柄が所定の普通図柄である場合に、普通電動役物の所定制限時間の拡開状態を生じてなるものとし、前記普通始動領域を、他の始動領域と兼用した構成(請求項7)も提案される。これは、一方の遊技形態として、第一種パチンコ遊技形態を適用し、該遊技形態における普通始動領域を、請求項1または請求項2の始動領域として用いて、該始動領域を他方の遊技形態の始動領域と兼用した構成である。
【0018】
ここで、始動領域が、第一の始動領域と、第二の始動領域の両方の機能を同時に生ずるようにする構成(請求項8)も考えられる。かかる構成にあっては、該始動領域を遊技球が通過すると、二種類の遊技形態が同時に始動することとなるものである。
【0019】
ここで、始動領域を、一方の遊技形態の始動領域(第一始動領域)として機能する第一機能状態と、他方の遊技形態の始動領域(第二始動領域)として機能する第二機能状態との二つの機能状態を有し、該始動領域の機能状態を遊技中に切換えることによって、二つの遊技形態を、より多様に連携させるようにした構成が幾つか提案される。
【0020】
まず、普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を始動領域とし、遊技球が入り易い拡開形態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、該普通図柄により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てるようにした構成が提案される(請求項9)。かかる構成では、普通電動役物内の始動領域の機能状態を、普通図柄の確定図柄態様により決定するようにしたものである。
【0021】
また、普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を始動領域とし、遊技球が入り易い拡開状態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、普通電動役物が閉鎖状態にある場合と、拡開状態にある場合とで区別して、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てるようにしてもよい(請求項10)。かかる構成では、普通電動役物内の始動領域の機能状態を、普通電動役物が閉鎖状態と拡開状態のいずれの状態であるかにより決定するようにしたものである。
【0022】
さらに、所定契機により駆動して、判定図柄を表示する判定図柄表示装置を備え、該判定図柄により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てる構成(請求項11)も考えられる、かかる構成では、判定図柄を表示する判定図柄表示装置を設け、該判定図柄表示装置に表示される判定図柄の確定図柄態様により、始動領域の機能状態を決定するようにしたものである。
【0023】
さらに、所定契機毎に選定乱数テーブルを抽選し、選出された所定乱数値により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当ててもよい(請求項12)。かかる構成では、所定領域の遊技球通過等の所定契機により、乱数抽選を行い、その結果に基づいて始動領域の機能状態を決定するようにしたものである。これにより、始動領域が、第一機能状態である期間と、第二機能状態である期間との割合を、容易に調節できることとなる。
【0024】
かかる構成は、遊技領域へ装着する部品点数が多くなり、従来に比して、遊技領域を拡張する必要がある。そこで、前後方向に回動可能に軸支され、遊技球を前方へ打圧する発射鎚と、該発射鎚を打圧駆動する発射駆動装置と、パチンコ遊技機前面に突設された発射ハンドルと、発射ハンドルに回動可能に軸支され、その回動角度により発射鎚の打圧強度を調節する発射レバーとを具備したパチンコ遊技機にあって、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿である構成(請求項13)が提案される。かかる構成では、下部装架領域が従来構成より簡潔であるため、遊技開口を下方に拡大でき、該遊技開口により規定される遊技領域の拡張が可能となる。これにより、該遊技領域に装着される図柄表示装置を大きくしても、充分な遊技球の転動領域を確保することができるため、興趣溢れる遊技形態の実現が可能となる。
【0025】
そして、遊技開口の縦幅が45〜60cmである構成が用いられ得るものである(請求項14)。この範囲であれば、パチンコ遊技機を従来と同じ高さとすることが可能となり、既存の遊技場で、レイアウトを変更する必要がなく、本発明のパチンコ遊技機が適用可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の第一実施例について、図面を参照して説明する。
本実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤面5上に、第一種パチンコ遊技形態と第三種パチンコ遊技形態を併せ持つ遊技形態であり、第一種パチンコ遊技形態の選出図柄(特別図柄)の図柄生成行程を発生させる第一始動領域と、第三種パチンコ遊技形態の図柄生成行程を発生させる第二始動領域とを単一の始動領域14で兼用するようにすると共に、該始動領域14を、第一始動領域として機能する第一機能状態と、第二始動領域として機能する第二機能状態とのいずれかの機能状態となるようにして、普通図柄の確定図柄態様により、始動領域14の機能状態を決定するようにしたものである。
【0027】
本実施例におけるパチンコ遊技機は、図1に示す様に、遊技島設備に固定される長方形状の外枠16と、この外枠16の前面開口部分を覆う遊技機本体1とから構成され、これらがヒンジ部材17を介して開閉可能に枢着されている。
【0028】
前記遊技機本体1は、図1、図2に示す様に、板状の前面枠2を備え、この前面枠2が前記ヒンジ部材17を介して外枠16に枢着されている。そして、前面枠2の中央上部には長方形状の遊技開口20が形成され、遊技開口20より下方に下部装架領域21が形成されている。
【0029】
上述の遊技開口20には、合板製の遊技盤5が裏側から着脱可能に取り付けられ、遊技盤5の前方にはヒンジ部材(図示せず)を介して遊技扉3が開閉可能に取り付けられている。また、下部装架領域21には、単一の球受皿(発射球受皿47)が開閉可能に配設され、発射球受皿47の右脇には発射ハンドル74が突設されている。
【0030】
なお、後述するように、本実施例の前面枠2においては、下部装架領域21は、従来構成より、縦方向に4割程縮小している。そして、下部装架領域21の縮小に伴い、遊技開口20が下方に拡大している。また、この拡大した遊技開口20に合わせて、遊技盤5も、従来構成より、縦方向に10cmほど延出され、これにより該遊技盤5の縦寸法は54cmとなっている。
【0031】
機裏には、図3に示すように、所要電子回路を組み込まれた種々の基板が配設されている。機裏の右部には、賞球や貸球等の遊技球を払い出す賞球払出装置82が配設されおり、さらに、左下部には、発射鎚92(図6参照)を打圧駆動する発射駆動装置として、ロータリーソレノイド71が配設されている。
【0032】
上述の賞球払出装置82は、賞球を払出す賞球ユニット83や貸球を払出す貸球ユニット84等により構成される。また、後述するように、賞球払出装置82は、払出制御基板65からの電気信号に従い遊技球の払出しを実行する。そして、賞球払出装置82から払出された遊技球は、機裏に配設される球通路(図示せず)を介して、球出口85から発射球受皿47へ排出される。
【0033】
上述の発射ハンドル74にはタッチセンサ73が設けられており、遊技者が発射ハンドル74に素手で触れて操作しなければ、ロータリーソレノイド71は作動しないようになっている。そして、遊技者が発射ハンドル74を握り、発射ハンドル74に周設された発射レバー75を時計方向に回動操作すると、ロータリーソレノイド71が作動し、ローター軸(図示せず)に固定された発射鎚92を往復回動駆動させ、発射鎚の打圧により遊技球を発射する。そして、発射された遊技球は、発射レール48及び、ガイドレール27の案内作用により遊技領域7へ案内される(図6参照)。
【0034】
次に遊技開口20を拡張するための構成につき説明する。
下部装架領域21の前面全体には、図4、図5に示すように、板状の開閉パネル19が配設される。該開閉パネル19は、その前面に発射球受皿47と発射ハンドル74を備え、前面枠2に対して開閉可能となるように左端の枢支部39を軸支される。また、開閉パネル19の後方には、右下端に発射位置40を有する発射レール37が配設され、該発射レール37の右側には、先端部が、該発射位置90を臨むようにして、発射鎚92が配設される(図6参照)。
【0035】
発射球受皿47は、図4、5に示すように、開閉パネル19の前面に配設されており、球出口85と発射球案内通路86とに連通している。この発射球受皿47の内部には、賞球払出装置82や外部から供給される遊技球が貯留される。そして、ロータリーソレノイド71が駆動し、遊技球が打圧発射されている間は、発射球受皿47に貯留された遊技球は、発射球案内通路86へ、順次、排出される。
【0036】
さらに、発射球受皿47の底部には、該発射球受皿47に貯留した遊技球を機外に排出するための球抜き孔93が形成されている。球抜き孔93は開閉可能に取り付けられたシャッタ板94により通常は閉ざされているが、遊技者は、発射球受皿47の前面に配設される球抜きレバー95の操作により、球抜き孔93を開放することが可能である。これにより、遊技者は、随時、発射球受皿47に貯留した遊技球を、球抜き孔93を介して、機外へと排出することができる。
【0037】
このような単一の球受皿47を、下部装架領域21に配設することにより、下部装架領域21を簡潔にでき、遊技開口20を下方に拡大することが可能となる。これにより、遊技領域7を拡張することができ、遊技球の転動領域を不足させることがなく、遊技盤面上で複数の遊技態様を実行することが可能となる。
【0038】
また、図6に示すように、ロータリーソレノイド71及び発射鎚92は発射位置90の上方に配設され、発射鎚92を回動軸から下方に垂持した状態で、発射位置90に臨むようにしてある。このような構成にすることで、遊技球の発射位置90及び発射レール48をより下方に配設することができる。このため、発射レール48の上方に形成される遊技領域7を下方に拡張することが可能となる。
【0039】
また、発射ハンドル74には、発射レバー75の回動角度を検知する角度検知センサ72(図12参照)が備えられている。角度検知センサ72は、発射制御基板70と接続しており、発射レバー75の回動角度を、角度検知信号として、発射制御基板70へと送信する。そして、発射制御基板70は該角度検知信号に応じて、ロータリーソレノイド71を駆動させる電流量を調節し、発射鎚92の打圧強度を調節する。かかる構成では、発射ハンドル74は、発射駆動装置であるロータリーソレノイド71とは、発射制御基板70を介して電気的に接続しているだけであるため、発射駆動装置の配設位置により制約を受けることなく、発射ハンドル74の配設位置を決めることができる。このため本実施例のよう、に発射球供給皿47の横脇に発射ハンドル74を配設でき、下部装架領域21を縮小することが可能となる。
【0040】
また、打圧強度が弱く、ファール球として、ガイドレール27と発射レール48の間から落下した遊技球は、ファール球排出通路49を通って、遊技機裏から機外へと排出される。また、ファール球排出通路49には、ファール球の通過を検出するファール球検出子として、ファール球検出スイッチ50(図3参照)が配設されている。また、図12に示すように、ファール球検出スイッチ50は、盤面中継基板61を介して主制御基板60と接続されている。そして、主制御基板60は、ファール球検出スイッチ50のファール球検出状態を調べ、ファール球の検出があると、払出制御基板65へ制御指令信号を送信し、検出したファール球と同数の遊技球を、賞球払出装置82から発射球受皿47へ払出させる。このように、ファール球を賞球払出装置82から間接的に返却することにより、下部装架領域21におけるファール球返却機構の構造配置に余裕ができる。このため、発射位置90をより下方に配設することができ、遊技開口20を一層下方へ拡大することができる。
【0041】
本発明はかかる遊技開口20の拡大に基づき、遊技領域7上で多様な遊技形態を実現し得るようにしたものである。かかる構成を説明する。
以下に説明するように、本実施例のパチンコ遊技機においては、拡張された遊技領域7上で、第一種パチンコ遊技形態と、第三種パチンコ遊技形態の二つの遊技形態が実行される。図7は遊技盤5の正面図である。遊技盤面上には長尺状の金属片からなるガイドレール27を湾曲して取り付けることにより、遊技領域7が区画形成されている。なお、前記遊技領域7は、上述した遊技開口20及び遊技盤5の拡大に伴い、縦方向に長大な楕円形状をしており、従来構成より広い面積が確保されている。
【0042】
ここで、遊技領域7の上部中央には液晶表示装置等からなる図柄表示領域を有する図柄表示装置6が配設されている。この図柄表示装置6は、第一図柄表示装置と、第二図柄表示装置と、普通図柄表示装置とを兼用するもので、同一画面上に、第一図柄表示形態と、第二図柄表示形態と、普通図柄を表示するものである。そして、図8で拡大して示すように、該図柄表示装置6は液晶表示器、CRT表示器、ドットマトリックス、又は7セグメント指示器等からなり、その図柄表示領域には左側に三つの選出図柄(特別図柄)A,B,Cを変動表示する第一の図柄表示態様と、右側に三つの選出図柄X,Y,Zを変動表示するが第二の図柄表示態様とが表示実行される。この選出図柄A,B,Cは、「0」〜「11」の12個の数字等からなる。同じくこの選出図柄X,Y,Zも、「0」〜「9」の10個の数字等からなる。さらに、この図柄表示装置6の表示領域上には、二つの選出図柄により構成される普通図柄表示部10が表出する。なお、後述するように、この図柄の確定図柄態様が所定の当り態様の場合には、普通電動役物15が開放されると共に、当り態様の種類によって、普通電動役物15内の始動領域14の機能状態が切換るものである。
【0043】
図柄表示装置6の上部左には、四個のパイロットランプからなる第一始動記憶数表示装置8が設けられる。この第一始動記憶数表示装置8は、後述する主制御基板60(図12参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された第一始動領域に係る始動記憶数を表示する。
【0044】
図柄表示装置6の側部には、四個のパイロットランプからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が設けられ、後述の普通図柄始動スイッチS2(図12参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を表示する。
【0045】
図柄表示装置6の上部右には、四個のパイロットランプからなる第二始動記憶数表示装置33が設けられる。この第二始動記憶数表示装置33は、後述する主制御基板60(図12参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された第二始動領域に係る始動記憶数を表示する。
【0046】
図柄表示装置6の両側には、普通図柄始動ゲート(普通始動領域)13,13が設けられ、遊技球の通過によりこの普通図柄始動ゲート13,13に内蔵された普通図柄始動スイッチS2から遊技球検出信号が発生すると、普通図柄表示部10が図柄変動する。
【0047】
また、図柄表示装置6の直下には、内部を始動領域14(入賞口兼用)とする普通電動役物15が配設されている。該普通電動役物15は、開閉翼片を備え、普通図柄表示部10の表示結果が所定の当り態様となると、開閉翼片が約0.5秒拡開して、始動領域14の開口度を拡開させ、遊技球が入り易い状態となる。また、普通電動役物15には、遊技球の始動領域14通過を検知する始動スイッチS1(図12参照)が配設される。始動領域14は、後述するように、第一始動領域と、第二始動領域を兼用するものであり、普通図柄表示部の当り態様の種類により、第一始動領域として機能する第一機能状態と、第二始動領域として機能する第二機能状態とのいずれかの機能状態に変換されるものである。
【0048】
普通電動役物15の左下方には権利発生役物35(図9参照)が配設される。この権利発生役物35は蓋体37により開閉制御される入賞口36を備え、常時遮蔽状態に保持されると共に、図柄表示装置6で第二の図柄表示態様が当たり表示すると開放駆動し、入賞口36の内部の特別作動領域38への球流入が可能となる。そして該特別作動領域38への球通過により特別領域スイッチS5がオン作動して、第二特別遊技作動への権利が発生する。
【0049】
権利発生役物35下方には、内部に第一大入賞口23を有し、第一特別遊技作動部材を構成する第一可変入賞装置22(図10参照)が配設され、開閉片24を第一大入賞口ソレノイド(図12参照)により開閉制御することにより第一大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、図柄表示装置6の図柄表示領域上で、図柄生成行程で特別図柄が所定の組合せで表示され、当りとなると、開閉片24が開いて、その開放状態で開閉片24の上面が案内作用を生じ、第一大入賞口23へ遊技球を案内する。また、第一大入賞口23は、特定領域と一般領域とで構成されており、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得が供される。この第一可変入賞装置22は、後述する第一特別遊技作動を実行するものであって、その内部には、図12で示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0050】
さらに普通電動役物15の右下方には、第三種遊技作動形態に係る遅延役物40が配設され、さらに下方に、内部に第二大入賞口43を有し、第二特別遊技作動部材を構成する第二可変入賞装置42が配設される(図11参照)。遅延役物40には、球一個分の孔が周部に形成された回転チャッカー41が配設され、第二特別遊技作動のときに、回転チャッカー41の孔に球が流入し、回転チャッカー41の回転に伴って、球が遅延役物40内の特定領域を通過すると、特定領域スイッチS6のオン動作により、開閉ラウンドが開始され、第二可変入賞装置42の盖44が開放駆動して第二大入賞口43が所定時間開口することとなる。この第二大入賞口43に10個の球が流入したときには、開放作動中であっても、その開放動作が終了する。そして、回転チャッカー41の駆動により、再び特定領域に遊技球が通過すると次の開閉ラウンドが開始され、第二大入賞口43が所定時間開口することとなる。このように回転チャッカー41は第二大入賞口43が一回の開閉ラウンドが満了するまで、遊技球の特定領域通過を遅延させる機能を生ずるものである。
【0051】
ここで、特定領域スイッチS6の遊技球検出作動により、遅延役物40の特定領域へ10個の遊技球が入賞したときに、第二特別遊技作動が終了する。すなわち開閉ラウンドは10回となる。
【0052】
図12は、第一実施例におけるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。すなわち、この制御回路により本発明の遊技制御手段が構成される。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、本発明の遊技制御手段の中核をなす。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示せず)と、データのやり取りを行うデータバス(図示せず)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。乱数テーブルには第一種遊技作動用の各種乱数テーブルと、第三種遊技作動用の各種乱数テーブル等がある。ここで第一種遊技作動用の各種乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブルK1、ハズレ図柄乱数テーブルMa1 ,Mb1 ,Mc1 、リーチ乱数テーブルN1、リーチ図柄乱数テーブルP1、リーチ態様乱数テーブルQ1、普通当り乱数テーブルU、ハズレ普通図柄乱数テーブルV等が格納される。また、第三種遊技作動用の各種乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブルK2、ハズレ図柄乱数テーブルMa2,Mb2 ,Mc2 、リーチ乱数テーブルN2、リーチ図柄乱数テーブルP2、リーチ態様乱数テーブルQ2等がある。そして所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUにて各乱数テーブルの抽選が行われる。また、記憶装置RAMには、各スイッチのON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0053】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示せず)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。
【0054】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには盤面中継基板61を介して、遊技盤面上で、遊技球通過を検出する各種スイッチが接続され、主制御基板60が2ms毎に各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15、第一大入賞口23、権利発生役物35、遅延役物40、第二大入賞口43のソレノイド等の駆動装置等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。さらに、後述するように、記憶装置RAM内には、始動領域14が第一機能状態、第二機能状態のいずれの機能状態であるかの情報も記憶される。
【0055】
ここで主制御用中央制御装置CPU及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0056】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の図柄表示領域上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この図柄表示制御基板62等により本発明に係る図柄制御手段が構成される。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この記憶装置ROMには、動作プログラム、図柄形態パターン及び変動方向パターン、当り遊技パターン、リーチ態様パターン等の図柄変動態様を行う固定データも記憶されている。
【0057】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、この表示用ドライバは前記図柄データに従って、図柄表示装置6の図柄表示領域に所定の図柄を表出させる。
【0058】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、この音データを受けてスピーカに出力させる。
【0059】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLEDや装飾ランプといった電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御基板CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0060】
上記の払出制御基板65には、貸球や賞球等の遊技球の払出を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、払出中継基板66を介して、貸球ユニット84や賞球ユニット83のソレノイド等を作動し、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板66に送信し、このデータにより貸球ユニット84や賞球ユニット83のソレノイド等を作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。後述するように、この払出制御基板65は、主制御基板60等と共に、発射球受皿47の満杯具合に応じて遊技球の払出を制御する、払出制御手段を構成するものである。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニット96と、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球等のデータをやり取りする。
【0061】
さらに、この払出制御基板65には発射制御基板70が接続される。この発射制御基板70は、ロータリーソレノイド71を駆動制御すると共に、上述のタッチセンサ73からの信号が入力される。また、後述するように、発射制御基板70には発射レバー75の回動角度を検知する角度検知センサ72からの信号も入力される。
【0062】
次に、図12に示した制御回路(遊技制御手段)の作動制御によるパチンコ遊技機の遊技作動について説明する。
【0063】
まず、第一種パチンコ遊技形態につき説明する。
発射装置より遊技盤5に発射され、遊技領域内で転動する遊技球が、始動領域14を通過し、始動スイッチS1がオン作動すると、この信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置RAMに記憶される始動領域14の機能状態を調べ、始動領域が第一機能状態であると、記憶装置ROMに記憶されている各種乱数テーブル、すなわち、当り図柄乱数テーブルL1、ハズレ図柄乱数テーブルMa1 ,Mb1 ,Mc1 、リーチ乱数テーブルN1、リーチ図柄乱数テーブルP1、リーチ態様乱数テーブルQ1等から乱数値を抽出し、各抽出値を一旦、記憶装置RAMに格納する。さらには、S1のオン信号に基づき、払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0064】
なお、遊技球が第一機能状態の始動領域14に連続的に通過した場合には、始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように第一始動記憶数表示装置8の発光ダイオードLEDが4個を限度として点灯する。そして、この発光ダイオードLEDは、図柄表示装置6で図柄変動が開始さする都度消灯されることにより、記憶数の減少を遊技者に報知する。
【0065】
また、始動スイッチS1のオン作動もしくは、第一始動記憶数表示装置8に表示される通過記憶数が消化されることにより、図柄表示装置6の図柄表示領域上で選出図柄A,B,Cが変動開始される。さらに詳しく述べると、遊技球が、図柄停止中に第一機能状態の始動領域14へ通過した場合は、かかる始動スイッチS1のオン作動により、選出図柄A,B,Cを変動開始する。また、遊技球が、図柄変動中に第一機能状態の始動領域14へ通過した場合は、現在進行中の図柄生成行程終了後に通過記憶数が消化されることにより、選出図柄A,B,Cを変動開始する。
【0066】
図柄変動契機となる始動スイッチS1のオン作動、もしくは通過記憶がある場合の、主制御用中央制御装置CPUの制御内容を説明する。
かかる契機により図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数テーブルK1から抽出された乱数値について当りかハズレかを判定し、当り図柄乱数テーブルL1、ハズレ図柄乱数テーブルMa1 ,Mb1 ,Mc1 のいずれかを有効とする。また、リーチ乱数テーブルN1から抽出された乱数値の内容に従ってリーチとするかどうかを判定し、リーチの場合にはリーチ図柄乱数テーブルP1、リーチ態様乱数テーブルQ1を有効とする。そして、これらから抽出された乱数値に基づき図柄生成行程で描出される特別図柄A,B,Cの態様、及び演出態様を選定し、図柄表示装置6の図柄表示領域中で、通常左半分領域で実行される第一の図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0067】
前記の図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の表示プログラムを用いて、図柄表示装置6で演出する選出図柄A,B,Cの各図柄表示態様を決定する。そして、この図柄表示態様に従って選出図柄A,B,Cを順次停止し、選出図柄A,B,Cを確定表示する。
【0068】
さらに、選出図柄A,B,Cが、所定の当たり図柄態様である場合に、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して第一大入賞口ソレノイドを駆動して、第一可変入賞装置22の第一大入賞口23を開放する。そして、第一大入賞口23に遊技球が流入し、この第一大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がオン作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信して、一連の第一特別遊技作動が実行される。
【0069】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して大入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4とにより合計10個の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、第一大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がオン作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。そして、その動作終了後に再び第一大入賞口23が開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、第一大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の利得が供される(第一特別遊技作動)。
【0070】
一方、主制御用中央制御装置CPUが、大当り特別乱数テーブルK1からの乱数値をハズレであると判定した場合には、当該大当り特別乱数テーブルK1に対応するハズレ図柄乱数テーブルMa1 ,Mb1 ,Mc1を有効とする。そして、リーチ乱数テーブルN1を判定し、このリーチ乱数テーブルN1によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数テーブルP1とリーチ態様乱数テーブルQ1とを有効とする。そしてし、その抽選された乱数値に基づき、制御指令を主制御基板60から図柄表示制御基板62に発信し、この図柄表示制御基板62はこの制御指令に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ図柄態様で確定表示する。
【0071】
図柄表示装置6の図柄制御についてさらに説明する。
上述の主制御基板60の記憶装置ROMには、所定のコマ数からなり、当たり確率を設定する大当り特別乱数テーブルK1が格納されている。また、記憶装置ROMには、上述したように当り図柄乱数テーブルL1が格納されている。ここで当り図柄乱数テーブルL1は、「0」〜「11」の当り図柄を備えており、当りの場合に当り図柄態様を決定するものである。
【0072】
また、大当り特別乱数テーブルK1からの乱数値が当りの場合、もしくはハズレであり、かつリーチ乱数テーブルN1からの乱数値によりリーチ作動が実行される場合には、リーチ態様乱数テーブルQ1からの乱数値に従って非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様が実行される。このリーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の変動態様がある。
【0073】
次に、第三種パチンコ遊技形態につき説明する。
発射装置より遊技盤5に発射された遊技球が、始動領域14を通過して、始動スイッチS1がオン作動すると、この信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置RAMに記憶される始動領域14の機能状態を調べ、始動領域が第二機能状態であると、記憶装置ROMに記憶されている当り図柄乱数テーブルL2、ハズレ図柄乱数テーブルMa2 ,Mb2 ,Mc2 、リーチ乱数テーブルN2、リーチ図柄乱数テーブルP2、リーチ態様乱数テーブルQ2等の各種乱数テーブルから乱数値を抽出し、各抽出値を一旦、記憶装置RAMに格納する。さらには、始動スイッチS1のオン信号に基づき、払出制御基板65は、賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0074】
なお、遊技球が第二機能状態の始動領域14に連続的に通過した場合には、始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように、第二始動記憶数表示装置33の発光ダイオードLEDが4個を限度として点灯する。そして、この発光ダイオードLEDは、図柄表示装置6で図柄変動する都度消灯されることにより、記憶数の減少を遊技者に報知する。
【0075】
また、始動スイッチS1のオン作動もしくは、第二始動記憶数表示装置33に表示される通過記憶数が消化されることにより、図柄X,Y,Zが変動開始される。
【0076】
図柄変動契機となる始動スイッチS1のオン作動、もしくは通過記憶がある場合の、主制御用中央制御装置CPUの制御内容を説明する。かかる契機により図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数テーブルK2から抽出された乱数値について当りかハズレかを判定し、当り図柄乱数テーブルL2、ハズレ図柄乱数テーブルMa2 ,Mb2 ,Mc2 のいずれかを有効とする。また、リーチ乱数テーブルN2から抽出された乱数値の内容に従ってリーチとするかどうかを判定し、リーチの場合にはリーチ図柄乱数テーブルP2、リーチ態様乱数テーブルQ2を有効とする。そして、これらから抽出された乱数値の内容に従って図柄生成行程で描出される図柄X,Y,Zの態様、及び演出態様を選定し、図柄表示装置6の図柄表示領域中で、通常右半分領域で実行される第二の図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0077】
前記の図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の表示プログラムを用いて、図柄表示装置6で演出する図柄X,Y,Zの各図柄表示態様を決定する。そして、この図柄表示態様に従って図柄X,Y,Zを順次停止し、確定表示する。
【0078】
さらに、図柄X,Y,Zが、所定の当たり図柄態様である場合に、権利発生役物35の入賞口36を遮蔽する蓋体37が開放駆動され、その内部の特別作動領域38への球流入が可能となる。そして該特別作動領域38への球通過により第二特別遊技作動が実行される。
【0079】
そして遊技領域7の右側方に配設された遅延役物40の孔に球が流入し、回転チャッカー41の回転に伴って、球が遅延役物40内の特定領域を通過すると、特定領域スイッチS6のオン動作により、第二可変入賞装置42の蓋が開放駆動して第二大入賞口43が所定時間開口することとなり、開閉ラウンドが開始される。そしてさらに、第二可変入賞装置42の盖が開放駆動して第二大入賞口43が所定時間開口することとなる。この第二大入賞口43に10個の球が流入したときには、開放作動中であっても、その開放動作が終了する。そして、回転チャッカー41の駆動により、再び特定領域に遊技球が通過すると次の開閉ラウンドが開始され、第二大入賞口43が所定時間開口することとなる。ここで、特定領域スイッチS6の遊技球検出作動により、遅延役物40の特定領域へ、通常では10個の遊技球が入賞したときに、第二特別遊技作動が終了する。すなわち通常では開閉ラウンドは10回となる。このように開閉ラウンドが繰り返されて、遊技者に所定の利得が供される(第二特別遊技作動)。
【0080】
一方、主制御用中央制御装置CPUが、大当り特別乱数テーブルK2からの乱数値をハズレであると判定した場合には、当該大当り特別乱数テーブルK2に対応するハズレ図柄乱数テーブルMa2,Mb2 ,Mc2を有効とする。そして、リーチ乱数テーブルN2を判定し、このリーチ乱数テーブルN2によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数テーブルP2とリーチ態様乱数テーブルQ2とを有効とする。そしてし、その抽選された乱数値に基づき、制御指令を主制御基板60から図柄表示制御基板62に発信し、この図柄表示制御基板62はこの制御指令に従って、特別図柄X,Y,Zをハズレ図柄態様で確定表示する。
【0081】
図柄表示装置6の図柄制御は、上述した第一種パチンコ遊技形態と同様、上述の主制御基板60の記憶装置ROMに格納された大当り特別乱数テーブルK2により当落が決定され、当り図柄乱数テーブルL2により、当り図柄態様が決定される。また、大当り特別乱数テーブルK2からの乱数値が当りの場合、もしくはハズレであり、かつリーチ乱数テーブルN2からの乱数値によりリーチ作動が実行される場合には、リーチ態様乱数テーブルQ2からの乱数値に従って非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様が実行される。このリーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の変動態様がある。この点も、上述した第一種パチンコ遊技形態と同様である。
【0082】
上述した第一および第二の図柄表示形態にあって、ハズレの場合では、図柄表示装置6の図柄表領域上の左右領域で夫々特別図柄A,B,C、X,Y,Zが所定の図柄順列に従って変動することにより開始され、約6.5秒以上経過すると、所定の順番で図柄変動が停止し、上述の各乱数テーブルからの乱数値に従って特別図柄A,B,C、X,Y,Zが所定の図柄で確定表示することにより終了する。
【0083】
次に普通図柄作動と始動領域14の機能切換機構について説明する。
発射装置より遊技盤5に発射され、遊技領域7内で転動する遊技球が、普通図柄始動ゲート13,13を通過し、始動スイッチS2がオン作動すると、この信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている乱数テーブル、すなわち、普通当り乱数テーブルU、ハズレ普通図柄乱数テーブルVから乱数値を抽出し、各抽出値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
【0084】
次に、普通図柄作動及び、始動領域14の機能状態の切換機構について説明する。
遊技球が普通図柄始動ゲート13を通過すると、この遊技球は普通始動スイッチS2で検出される。この普通始動スイッチS2で遊技球検出されると、普通図柄表示部10の普通図柄が変動する。この普通図柄は左右二つの図柄からなり、それぞれが「0」又は「7」のいずれかの数字で停止する。この普通図柄の変動中、又は普通電動役物15の開放中に、普通始動スイッチS2で遊技球が検出されると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、記憶数の消化に伴って普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯し、普通図柄が変動開始になる都度消灯されて、記憶個数が表示される。なお、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上は無効とされる。
【0085】
この普通図柄表示部10の変動停止後、又は普通電動役物15の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示装置12に表示された始動記憶に基づいて普通図柄表示部10は再び変動開始する。普通図柄表示部10が変動開始後、約30秒以上経過すると変動が停止し、左右いずれかの発光ダイオードLEDが一個でも点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放される。
【0086】
ここで、普通図柄表示部10が変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜54までの55コマからなる当り普通乱数テーブルUにより決定される。遊技球通過により、普通始動スイッチS2がオン作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMから当り普通乱数テーブルU、及び当り普通図柄乱数テーブルVから乱数値を抽出し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶し、普通図柄表示部10が変動開始すると同時に、記憶した内容を調べ、その当り普通乱数テーブルUから乱数値に対応する第一当りか、第二当りか、ハズレかを決定する。第一当りの場合には、普通図柄を「77」で停止し、第二当りの場合には、普通図柄を「00」で停止する。また、ハズレの場合は、ハズレ普通図柄乱数テーブルVにより確定図柄態様を「07」又は「70」のいずれかに決定し、普通図柄を停止させる。
【0087】
そして、普通図柄の確定図柄態様が第一当り図柄態様である場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置RAMに記憶した、始動領域14の機能状態を第一機能状態とする。一方、普通図柄の確定図柄態様が第二当り図柄態様である場合には、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置RAMに記憶した、始動領域14の機能状態を第二機能状態とする。
【0088】
このように、始動領域14の機能状態は、主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、普通図柄が第一当り又は、第二当りとなることで、新しい機能状態となる。なお、始動領域14が第一機能状態である時に、普通図柄が第一当り図柄態様となったり、始動領域14が第二機能状態である時に、普通図柄が第二当り図柄態様と変化することはなく、始動領域14が一方の機能状態である時に、普通図柄が、他方の機能状態に切換る当り図柄態様となった場合にのみ、該始動領域14の機能状態が切換るものである。そして、制御基板60の記憶装置RAMに記憶された始動領域14の機能状態は、遊技球が始動領域14を通過し、始動スイッチS1がオン作動する度に、主制御用中央制御装置CPUにより、確認され、その機能状態により、第一種パチンコ遊技形態と、第三種パチンコ遊技形態とのいずれかの図柄生成行程が実行されることとなる。
【0089】
このような構成とすることにより、遊技盤面上の二つの遊技形態を連携させることができ、従来にはない、多様でダイナミックな遊技が発生することとなる。また、始動領域を内包する遊技部材を共通化することにより、遊技部品の削減や、遊技領域の有効活用が可能となる。さらに、始動領域14の機能状態を、普通図柄の乱数抽選の結果により切換えるようにしたから、二つの遊技形態を変化に富んだ形で、連携させることができると共に、普通図柄の当り発生の頻度を調節することにより、始動領域14が第一機能状態である期間と、第二機能状態である期間との比率を容易に調整することができる。
【0090】
ところで、上述の構成は、二種類の図柄表示形態α,βを単一の図柄表示装置6を用いて、進行させるようにしている。この各図柄表示形態α,βにあっては、図柄表示領域Fが、通常では図13(イ)で示すように左右にほぼ同一面積で区分されているが、一方の図柄表示形態α(β)が、リーチや大当りを構成する特定の図柄態様となって、リーチ演出表示又は大当り演出表示等の所定演出表示が実行される場合には、他方の図柄表示形態β(α)を縮小表示又は表示しないようにして、図13(ロ)で示す強調演出形態モードを実行するようにしている。この強調演出形態モードとして、一方の図柄表示形態を図柄表示領域Fをほぼ全面用いて、拡大表示し、他方の図柄表示形態は、単に数字などの図柄を簡略的に領域の隅で縮小表示することにより行われる。
【0091】
これらの強調演出形態モードは、主制御基板60により、大当り特別乱数テーブルK1,K2およびリーチ乱数テーブルN1,N2を常に判定して、かかるリーチ又は大当りが一方に発生すると、これを検知することにより、容易に実行制御される。
【0092】
図13(ロ)は、第一図柄表示形態αで、リーチとなった場合を示す。このように、一方の図柄表示形態αが、リーチや大当りを構成する特定の図柄態様となった場合に、強調演出形態モードに切り換えることにより、単一の図柄表示領域Fを用いて、二種類の図柄表示形態α,βを行った場合にも、遊技者が大きな期待感を抱く場合には、全画面表示等の強調演出形態モードを実行することにより、期待感を損なわない強調した演出を実行することができる。特に、遊技領域を広くしているから、図柄表示装置も通常よりも大きな構成のものを適用することができ、強調演出形態モードを実行することにより、従来の演出よりも、ダイナミックで興趣ある演出表示が可能となる。
【0093】
なお、本実施例は、普通電動役物15内の始動領域14の二つの機能状態を、普通図柄の確定図柄態様により、切換えるようにしたものであるが、例えば確定図柄態様が「○」であれば、始動領域14の機能状態を第一機能状態とし、「×」であれば第二機能状態とするように、始動領域14の機能状態の変更契機となる判定図柄を表示する判定図柄表示装置を別途に設けてもよい。また、始動領域14の二つの機能状態を、普通電動役物15の開口度の拡開状態と、閉鎖状態に割り当て、例えば普通電動役物15が閉鎖状態の時に入賞した遊技球が始動領域14を通過した場合には、始動領域14の機能状態を第一機能状態とし、拡開状態の時に入賞した遊技球が通過した場合には、第二機能状態とするように、普通電動役物15の開閉駆動に併せて、始動領域14の機能状態を切換えるようにしてもよい。また、判定図柄を使用せず、例えば、五球入賞するごとに0〜7までの8コマからなる選定乱数テーブルより乱数値を選出し、選出された乱数値が0〜3であれば第一機能状態、4〜7であれば第二機能状態というように乱数値に応じていずれかの機能を割り当てるようにしても良い。その場合、普通電動役物15の前面側にLED等の発光装置を配設し、その発光色・点灯状態などによって、いずれの機能が割り当てられているかを報知するするようにするのが望ましい。
【0094】
また、本実施例は、第一種パチンコ遊技形態の選出図柄(特別図柄)の図柄生成行程を発生させる始動領域と、第三種パチンコ遊技形態の図柄生成行程を発生させる始動領域とを単一の始動領域で兼用したものであるが、かかる構成にあって、第一種パチンコ遊技形態の図柄生成行程を発生させる図柄始動領域と、第三種において、大当りとなる権利を発生させる特別作動領域38とを兼用してもよい。かかる構成にあっては、特別作動領域38は第三種パチンコ遊技形態の大当り遊技作動の直接的な契機となるものであるため、両遊技形態の間でバランスを取るために、始動領域14が、特別作動領域38として機能する期間を極めて短時間とすることなどが提案される。
【0095】
次に、本発明の第二実施例について、図面を参照して説明する。
本実施例のパチンコ遊技機は、遊技盤面上で、第一種パチンコ遊技形態と第二種パチンコ遊技形態を併せ持つ遊技形態であり、第一種遊技形態における大当り遊技作動を第一特別遊技作動、第二種パチンコ遊技形態における大当り遊技作動を第二特別遊技作動として、遊技球通過により、第一種パチンコ遊技形態の選出図柄(特別図柄)の図柄生成行程を第一始動領域と、第二種パチンコ遊技形態の図柄生成行程を発生させる第二始動領域とを始動領域14a,14b,14bで兼用したものである。なお、遊技開口の形状や、下部装架領域21の構成、また第一種パチンコ遊技形態については、第一実施例と同じであるため、同一符番を付して、説明を省略する。
【0096】
図14は第二実施例のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。本実施例のパチンコ遊技機は、第一実施例と同様に、拡大した遊技盤5上に、縦方向に長大な楕円形状をした遊技領域7が区画形成されている。そして、該遊技領域7の中央上部には、第一種パチンコ遊技形態の図柄表示装置6が配設されており、該図柄表示装置6の上方には、第一始動記憶数表示装置8と、普通図柄表示装置11と、普通図柄始動記憶数表示装置12とが夫々設けられ、また、図柄表示装置6の両側やや下方には、普通図柄作動ゲート(普通始動領域)13,13が設けられる。
【0097】
上述の普通図柄表示装置は、この普通図柄は、左赤色,中緑色,右赤色の三個の発光ダイオードLEDで構成され、普通図柄の変動開始後、約30秒以上経過すると変動が停止し、三個の発光ダイオードLED全てが点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放されるものである。
【0098】
一方、図柄表示装置6の直下には、第二特別遊技作動部材を構成する変動入賞器128が配設されており、さらに該変動入賞器128の下方には、第一種パチンコ機遊技態様に係る第一始動領域と第二種パチンコ機遊技態様に係る第二始動領域とを兼用する始動領域14aと、その両側で同じく始動領域14b,14bとが横一列状に配設されている。
【0099】
前記始動領域14aは、開閉翼片により始動領域(入賞口兼用)の開口度を変化させるようにした普通電動役物15の内部で構成される。そして普通図柄表示装置11の表示結果が、所定の当り図柄態様となると、開閉翼片が約0.5秒拡開して、始動領域14aの開口度を拡開させ、遊技球が入り易い状態となる。また普通電動役物15内(始動領域14a)には、遊技球の通過により球検知信号を送出する始動スイッチS10(図17参照)を備えており、該始動スイッチS10から球検知信号が送出されると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、図柄表示領域に生成される選出図柄が変動開始し、図柄生成行程が実行されることとなる。また、後述する変動入賞器128の開閉駆動部材130,130が開閉駆動され、作動領域口129,129の所定時間(例えば0.8秒間)の開放が2回行われる。
【0100】
また、始動領域14b,14bは、遊技球の通過により球検知信号を送出する始動スイッチS11(図17参照)を夫々備えており、該始動スイッチS11 から球検知信号が送出されると、同じく所定個数の賞球が払い出されるとともに、図柄表示領域に生成される選出図柄が変動開始し、図柄生成行程が実行され、さらに開閉駆動部材130,130が開閉駆動されて、作動領域口129,129の所定時間(例えば0.5秒間)の開放が1回行われる。
【0101】
このように、本実施例の始動領域14a,14b,14bは、常時、第一始動領域と、第二始動領域としての機能を有し、始動領域14a,14b,14bの遊技球通過により、二つの遊技態様が同時に実行されるものである。
【0102】
前記変動入賞器128には、図15に示すように、外郭を構成する入賞ケースの略中央位置に、その周囲の囲繞壁131により区画される矩形状に開口された奥に深い閉鎖作動領域132が形成されている。この閉鎖作動領域132内には棚壁部133が配設されている。また、囲繞壁131の上部左右両側には閉鎖作動領域132を外部と連通させる作動領域口129,129が設けられている。該作動領域口129,129には、下端部が軸支された翼片からなる開閉駆動部材130,130が配設されており、該開閉駆動部材130,130を軸に連繋した図示しない作動領域口開閉ソレノイド134(図17参照)等からなる駆動手段によって往復回動駆動することにより、略起立状態で作動領域口129,129を塞ぐ閉鎖位置と、図15に示すように略倒ハ字形に外側方に拡開して作動領域口129,129を開放する開放位置とに変換制御し得るようになっている。
【0103】
前記棚壁部133の上面は、若干の勾配で後方へ傾斜しており、作動領域口129,129から流入して該棚壁部133上に落下した遊技球を、後方に流下させ得るようになっている。棚壁部133から後方へ流下した遊技球は、閉鎖作動領域132の後壁部に開口された球出口136から閉鎖作動領域132の底壁部137上に放出される。ここで、閉鎖作動領域132の底壁部137の上面は若干の勾配で前方傾斜しており、前記球出口136から放出された遊技球を前方に流下させ得るようになっている。底壁部137の前縁部には、図16に示すように、中央に特定領域140が、また、その左右両側に一般領域141a,141bが区画形成されている。特定領域140は、遊技球の通過により球検知信号を送出する特定領域スイッチS12(図17参照)を備えており、該特定領域スイッチS12 から球検知信号が送出されると、所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるとともに、開閉駆動部材130,130が所定駆動態様で開放駆動される特別開放作動が実行され、また、該特別開放作動中にあっては、所定回数を上限とする開閉ラウンドを継続させるようになっている。一方、一般領域141a,141bは一般領域スイッチS13(図17参照)を夫々備えており、遊技球の通過により各一般領域スイッチS13 から球検知信号が送出されると、所定個数(例えば15個)の賞球が払い出される。ここで特定領域スイッチS12と、一般領域スイッチS13には、各領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。
【0104】
前記閉鎖作動領域132の底壁部137上には、特定領域140に至る遊技球の流下路内に位置させて、重量挙げの人形を模した誘導部材142が配設されており、該人形の股の間に遊技球を後方から前方に通過させ得る球通路143が形成されている。該誘導部材142は、駆動モータ(図示せず)により、定常遊技時には、所定時間(例えば 5秒間)で一回転する一定速度で一方向に回転駆動されている。そして、その回転過程において、図16イに示すように、人形が正面(又は背面)を向いた状態であると、遊技球が球通路143を通って、概ね特定領域140に流入し、また、図16ロに示すように、人形が側面を向いた状態であると、遊技球が人形の足によって直進を阻止され、左右に迂回して概ね一般領域141a,141bの何れかに流入することとなる。このような誘導部材142の作動態様により、遊技球の特定領域140の通過を容易とする状態と、困難とする状態とが可変的に生じるようになっている。
【0105】
図17は、本発明にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、該主制御基板60の出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには盤面中継基板61を介して始動スイッチS10,S11、普通始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、カウントスイッチS4、特定領域スイッチS12、一般領域スイッチS13が接続される。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15のソレノイドや、第一大入賞口23のソレノイド、入賞口開閉ソレノイド134、駆動モータ等が接続される。
【0106】
次に、図17に示した制御回路の作動制御による第二種パチンコ遊技形態の遊技作動について説明する。なお、第一特別遊技作動を実行する第一種パチンコ遊技形態は、第一実施例と同様であるため省略する。
遊技球が始動領域14a,14b,14bの何れかを通過すると、上述の第一種パチンコ遊技形態の作動契機となると共に、第二種パチンコ遊技形態の駆動契機ともなって、変動入賞器128の開閉駆動部材130,130が瞬時的に1回または2回開閉駆動される。即ち、始動領域14aを遊技球が通過した場合には、始動スイッチS10 から送出される球検知信号に基づいて作動領域口開閉ソレノイド134が作動して、開閉駆動部材130,130が所定時間(例えば0.8秒間)、2回開放駆動される。また、始動領域14b,14bの何れかを遊技球が通過した場合には、始動スイッチS11 から送出される球検知信号に基づいて作動領域口開閉ソレノイド134が作動して、開閉駆動部材130,130が所定時間(例えば0.5秒間)に亘って1回開放駆動される。そして、この開閉駆動部材130,130の開放駆動中に、仮に一個の遊技球が作動領域口129,129から閉鎖作動領域132内に流入したとすると、該遊技球は、変動入賞器128の棚壁部133上に落下し、球出口136から底壁部137上に放出され、一方向に回転駆動されている誘導部材142の障害を経て、特定領域140及び一般領域141a,141bの何れかに流入する。ここで、遊技球が特定領域140に流入すると、特定領域スイッチS12 により特定領域140の球通過が検知され、その球検知信号に基づいて開閉駆動部材130,130が所定駆動態様で開放駆動される特別開放作動が実行される。
【0107】
この特別開放作動により、作動領域口開閉ソレノイド134が作動して、開閉駆動部材130,130を所定制限開閉回数(例えば18回)開閉させ、かつ一回の開閉毎に所定時間(例えば0.8 秒間)の開放状態を生じさせる開閉ラウンドが開始される。
【0108】
一回の開閉ラウンドは、所定制限開閉回数(例えば18回)の開閉が満了するか、該所定制限開閉回数内でカウントスイッチを兼ねた特定領域スイッチS12と一般領域スイッチS13とにより所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞検知がなされるか、またはその入賞した遊技球が特定領域140の特定領域スイッチS12 を通過するかの何れかによる所定終了条件の成立を契機として終了する。そして、この開閉ラウンド中または開閉ラウンド終了後の所定有効時間(例えば2.3秒間)以内に、特定領域スイッチS12 によって特定領域140の球通過が検知されていると、次の開閉ラウンドへ進む条件が充足され、開閉ラウンドが再開される。この開閉ラウンドが所定継続可能回数(例えば15回)を上限として継続されると、特別開放作動が終了する。尚、この特別開放作動中にあって、特定領域140または一般領域141a,141bの球通過により、特定領域スイッチS12または一般領域スイッチS13 から球検知信号が送出される度に所定個数(例えば15個)の賞球が払い出される(第二特別遊技作動)。
【0109】
ここで、第一種パチンコ遊技形態にあっては、通常、図柄表示装置6の駆動回数を増やして、図柄変動を頻発させるために、始動領域への遊技球の通過頻度は比較的高い。これは、図柄の変動回数を増加させても、大当り確率を低くすれば調整が可能となるからである。一方、第二種パチンコ遊技形態にあっては、開閉駆動部材130,130の開閉は、賞球を直接的に発生させることとなるなど、利益に直結するものであるから、節度を持った開放頻度が求められる。そこで、始動領域14a,14b,14bを兼用するに当たって、その均衡を保つために、始動領域14a,14b,14bへの遊技球通過毎に、図柄表示装置6を変動又は始動記憶を行い、一方、始動領域14a,14b,14bへ所定個数の遊技球通過が発生することを駆動契機として、開閉駆動部材130,130を開放駆動するようにしてもよい。例えば、3個通過するごとに開閉駆動部材130,130を開放駆動する。この場合には、3個のLEDを用いて通過毎に点灯させ、全点灯すると、開閉駆動部材130,130を開放駆動するなどの通過数表示手段を遊技盤面上等の遊技者の視認可能な領域に設けることができる。この個数は、単に例示であり、2個以上の範囲で、適正に設定すればよい。
【0110】
また、例えば、通常は、始動領域14aを第一始動領域、始動領域14b,14bを第二始動領域として機能させ、第一特別遊技作動が実行されている間は、始動領域14aを第二始動領域として機能させ、第二特別遊技作動が実行されている間は、始動領域14b,14bを第一始動領域として機能させるようにするなど、一方の遊技形態で特別遊技作動が実行され、該遊技形態の始動領域が十分に機能できない期間中は、該始動領域を、他方の遊技形態の始動領域として機能させるようにしても良い。さらに、第一始動記憶数が上限に達して、第一始動領域として機能する始動領域への遊技球通過が無効となる場合に、該始動領域の機能状態を切換え、第二始動領域として機能させるなどして、始動領域通過を記憶可能とする構成においては、始動記憶数に応じて始動領域の機能の切換えを行うようにしてもよい。
【0111】
さらには、上述の構成は、第一種パチンコ遊技形態と、第二種パチンコ遊技形態の始動領域14a,14b,14bを兼用することにより、関係付けたものであるが、普通始動領域と、第二種パチンコ遊技機の第二始動領域とを兼用する始動領域14cを備えた構成も採用される。
【0112】
図18はかかる構成を示すものであり、変動入賞器28の下部には、内部を図柄表示装置6の駆動契機となる図柄始動領域114とする普通電動役物15が設けられている。そして、変動入賞器128の両側には、内部を始動領域14cとする、始動ゲート113,113が設けられており、該始動領域14cの遊技球通過により、普通図柄表示装置10が変動開始すると共に、第二種パチンコ遊技形態の開閉駆動部材30が一回開閉駆動するものである。その他の構成は、上述の構成と同じであり、説明を省略する。
【0113】
かかる構成も、始動ゲート113,113を遊技球が通過すると、二種類の遊技形態が始動されることとなり、従来にはない、多様でダイナミックな遊技が発生することとなる。
【0114】
また、この構成にあっても、通常、普通図柄表示装置10の駆動回数を増やして、図柄変動を頻発させるために、普通始動領域への遊技球の通過頻度は比較的高いから、始動ゲート113,113を兼用するに当たって、その均衡を保つために、始動ゲート113,113へ、所定個数の遊技球通過が発生することを駆動契機として、開閉駆動部材130を開放駆動するようにしても良い。
【0115】
一方、上述の構成は第一種パチンコ遊技形態と、第二種パチンコ遊技形態を遊技領域7上で実行するようにした構成であるが、図柄表示装置が用いられる第三種パチンコ遊技形態と、第二種パチンコ遊技形態とを遊技領域7上で実行するようにした構成でも好適に用いることができる。
【0116】
【発明の効果】
本発明は、盤面上に遊技球が転動流下する遊技領域が区画形成された遊技盤を備えてなるパチンコ遊技機において、遊技球通過を検知する第一始動領域と、該第一始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させる第一特別遊技作動部材と、 遊技球通過を検知する第二始動領域と、該第二始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる第二特別遊技作動部材とを遊技盤面上に備えると共に、第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用したことを特徴とするパチンコ遊技機である(請求項1)から、二つの遊技形態(例えば、第一種パチンコ遊技形態(請求項4)、第三種パチンコ遊技形態(請求項5)、第二種パチンコ遊技形態(請求項6))を、遊技盤面上に併存させ、各遊技形態の始動領域を兼用することで、二つの遊技形態を連携させたから、従来にはない、多様でダイナミックな遊技形態を実現することができ、興趣に溢れるパチンコ遊技機を提供しうることとなる。また、始動領域を内包する遊技部材を共通化することにより、遊技部品点数の削減が可能となると共に、遊技領域を有効活用できる。
【0117】
そして、第一始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第一図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行し、さらに第二始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第二図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、第一図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第一特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させ、さらに第二図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第二特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる遊技制御手段とを備えると共に、第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用したから(請求項2)、複数の図柄生成行程が、一つの始動領域の遊技球通過を契機として実行されるため、二つの図柄生成行程を連携させることにより、多様な図柄演出が可能となる。
【0118】
ここで、両遊技形態の図柄変動を、単一の図柄表示装置の画面で兼用するようにすれば(請求項3)、個別的に図柄表示装置を夫々設けるに比して、可及的に広い面積の図柄表示領域を備える図柄表示装置を適用することができ、遊技者の図柄に対する注意が一元化され、かつ部品点数を少なくできると共に、始動領域への遊技球通過や始動記憶が無く、一方の図柄表示形態が機能していない場合に、他方の図柄表示機能を強調的に表出し得るなど、無駄のない図柄演出が可能となる。
【0119】
そして、一方の遊技形態において、遊技球の通過により普通図柄を変動させる普通始動領域と、他方の遊技形態の始動領域とを兼用しても(請求項7)、二つの遊技形態が融合した、興趣に富んだ遊技が実現できる。
【0120】
さらに、始動領域が、第一の始動領域と、第二の始動領域の両方の機能を同時に生ずるようにすれば(請求項8)、始動領域へ遊技球が通過すると、二種類の遊技形態が一度に始動されることとなり、遊技をより盛り上げることができる。
【0121】
一方、普通図柄の停止図柄態様によって、普通電動役物内の始動領域を、二つの遊技形態のうち、いずれか一方の始動領域として機能するようにすれば(請求項9)、二つの遊技形態の間で、新たな遊技性を生じさせることができ、遊技をより面白いものとすることができる。
【0122】
また、普通電動役物内の始動領域を、該普通電動役物の開口度が大きい拡開状態と、開口度の小さい閉鎖状態とに区別して、それぞれの状態で、第一始動領域と、第二始動領域のいずれか一方の機能に割り当てるようにした構成にしても(請求項10)、二つの遊技形態を動的に関係づけることにより、興趣溢れる遊技を実現できる。
【0123】
そして、所定の契機により駆動して、判定図柄を表示する判定図柄表示装置を備え、該判定図柄により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てる構成にしても(請求項11)、変化に富んだ斬新な遊技形態を実現できる。
【0124】
所定契機毎に選定乱数テーブルを抽選し、選出された所定乱数値により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てるようにすれば(請求項12)、始動領域を、各遊技形態の始動領域として機能する期間の比率を自由に調節できるため、調和のとれた遊技形態を実現できる。
【0125】
一方、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿である構成(請求項13)では、下部装架領域が従来構成より簡潔であるため、遊技開口を下方に拡大でき、該遊技開口により規定される遊技領域の拡張が可能となる。これにより、遊技盤面上に二つの遊技形態を併存させ、多数の遊技部材を遊技領域内に配設しても、充分な遊技球の転動領域を確保することができるため、興趣溢れる遊技形態の実現が可能となる。
【0126】
そして、単一の球受皿を配設するにあたって、遊技開口の縦幅が45〜60cmである構成(請求項14)にあっては、既存のパチンコ遊技機の全体の高さを変化させることのない、調和のとれた形態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】第一実施例のパチンコ遊技機の正面図である。
【図3】第一実施例のパチンコ遊技機の背面図である。
【図4】下部装架領域21の斜視図である。
【図5】発射球受皿47の平面図である。
【図6】発射球受皿47の裏側を示す正面図である。
【図7】第一実施例の遊技盤5の正面図である。
【図8】図柄表示装置6の拡大図である。
【図9】権利発生役物35の拡大図である。
【図10】可変入賞装置22の拡大図である。
【図11】遅延役物40と、開閉入賞装置42の拡大図である。
【図12】第一実施例のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図13】図柄表示領域Fの表示態様(イ),(ロ)を示す正面図である。
【図14】第二実施例の遊技盤5の正面図である。
【図15】図柄表示装置6と変動入賞装置128の拡大図である。
【図16】イは誘導部材142が遊技球の特定領域の通過を容易とする状態、ロは困難とする状態を夫々示す作用説明図である。
【図17】第二実施例のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【図18】他の実施例の遊技盤5の正面図である。
【符号の説明】
5 遊技盤
6 図柄表示装置
7 遊技領域
10 普通図柄表示部
11 普通図柄表示装置
14,14a,14b,14c 始動領域
15 普通電動役物
81 満杯検出スイッチ
128 変動入賞装置
Claims (14)
- 盤面上に遊技球が転動流下する遊技領域が区画形成された遊技盤を備えてなるパチンコ遊技機において、
遊技球通過を検知する第一始動領域と、該第一始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させる第一特別遊技作動部材と、
遊技球通過を検知する第二始動領域と、該第二始動領域への遊技球通過を契機として、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる第二特別遊技作動部材とを遊技盤面上に備えると共に、
第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用したことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 遊技盤面上に、遊技球通過を検知する第一始動領域と、第一始動領域での遊技球通過を契機として選出図柄を変動表示する第一図柄表示装置と、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させる第一特別遊技作動部材と、
遊技球通過を検知する第二始動領域と、第二始動領域での遊技球通過を契機として選出図柄を変動表示する第二図柄表示装置と、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる第二特別遊技作動部材とを設け、
第一始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第一図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行し、さらに第二始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の第二図柄表示形態で選出図柄を変動停止する図柄生成行程を実行する図柄制御手段と、
第一図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第一特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第一の特別遊技作動を発生させ、さらに第二図柄表示形態で確定される確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、第二特別遊技作動部材を駆動して、遊技者に利得をもたらす第二の特別遊技作動を発生させる遊技制御手段とを備えると共に、
第一始動領域と、第二始動領域とを単一の始動領域で兼用したことを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。 - 第一図柄表示装置と、第二図柄表示装置とを、単一の図柄表示装置で兼用し、その図柄表示領域上で第一図柄表示形態と、第二図柄表示形態とを実行するようにした請求項2記載のパチンコ遊技機。
- 一方の特別遊技作動部材が、大入賞口を開閉駆動する可変入賞装置であり、一方の特別遊技作動が、図柄表示装置の図柄表示領域上で実行される図柄表示形態で確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口の開放と、大入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 一方の特別遊技作動部材が、大入賞口を開閉制御する可変入賞装置であり、さらに遊技領域に、内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な開放状態と不可能な閉鎖状態とに変換される権利発生役物と、権利発生役物の特別作動領域への遊技球通過に伴って駆動開始し、その内部の特定領域への遊技球通過可能な状態が間欠的に発生する遅延役物とを設け、一方の特別遊技作動が、図柄表示装置で確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、権利発生役物を開放状態とし、さらに権利発生役物の特別作動領域への遊技球通過に伴い権利が発生すると、権利発生役物の特定領域への遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 一方の特別遊技作動部材が、開閉駆動部材により開閉制御される作動領域口を介して外部と連通する閉鎖作動領域を備え、該閉鎖作動領域内に一般領域と特定領域とを設けた変動入賞器であり、
一方の特別遊技作動が、始動領域の球通過を契機とする開閉駆動部材の開放駆動により作動領域口から閉鎖作動領域内に流入した遊技球が特定領域を通過した場合に、開閉駆動部材を所定駆動態様で開放駆動するものである請求項1、請求項4又は請求項5のいずれかに記載のパチンコ遊技機。 - 普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、遊技球が入り易い拡開状態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、
一方の特別遊技作動部材が、普通電動役物であり、一方の特別遊技作動が、普通図柄表示装置の図柄表示領域上で実行される図柄表示形態で確定表示された図柄が所定の普通図柄である場合に、普通電動役物の所定制限時間の拡開状態を生じてなるものとし、前記普通始動領域を、他の始動領域と兼用した請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のパチンコ遊技機。 - 始動領域が、第一の始動領域と、第二の始動領域の両方の機能を同時に生ずるものである請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を始動領域とし、遊技球が入り易い拡開状態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、該普通図柄により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を始動領域とし、遊技球が入り易い拡開状態と、遊技球が入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技領域に備え、普通電動役物が閉鎖状態にある場合と、拡開状態にある場合とで区別して、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 所定の契機により駆動して、判定図柄を表示する判定図柄表示装置を備え、該判定図柄により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 所定契機毎に選定乱数テーブルを抽選し、選出された所定乱数値により、始動領域を、第一の始動領域と、第二の始動領域のいずれかの機能に割り当てた請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 前後方向に回動可能に軸支され、遊技球を前方へ打圧する発射鎚と、該発射鎚を打圧駆動する発射駆動装置と、パチンコ遊技機前面に突設された発射ハンドルと、発射ハンドルに回動可能に軸支され、その回動角度により発射鎚の打圧強度を調節する発射レバーとを具備したパチンコ遊技機であって、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 遊技開口の縦幅が45〜60cmである請求項1乃至請求項13記載のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
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