JP2004065692A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊技領域を、球放出口を介して誘導通路と連通する主遊技領域7aと、該主遊技領域7aと領域遮断線部30により区画されて発射位置の直上の右下領域に形成され、かつ領域遮断線部30の欠所で形成される球流入口32a,32bを介して主遊技領域7bと連通する副遊技領域7bとにより構成した(請求項1)から、主遊技領域7aを従前の遊技領域とほぼ同様の形態としながら、遊技領域全体として、広い面積を確保することができる。従って、誘導通路と連通する主遊技領域7aはほぼ同様の誘導周面を備えるものとなるから、遊技の円滑な打ち出しを維持しながら、さらに多様で変化に富んだ遊技領域とすることができる。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、盤面上に遊技球が転動流下する遊技領域が区画形成された遊技盤を備えてなるパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機は、その前面枠の中央上部に略方形状の遊技開口が形成され、遊技開口より下方に位置する下部装架領域に二つの球受皿及び、発射ハンドルが配設される。この遊技開口には、種々の遊技部材を盤面に具備する遊技盤が、遊技開口全体を裏から塞ぐように取り付けられ、遊技盤面上に、遊技球の転動流下する遊技領域を形成している。かかる構成では、遊技領域の面積は、遊技開口の大きさにより制限されており、従来のパチンコ遊技機にあっては、遊技領域の面積は、各種パチンコ遊技機を通じて略一定である。
【0003】
一方、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知する始動領域とを遊技盤面に備え、該始動領域への遊技球通過を契機として、選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、遊技者に利得をもたらす特別遊技作動を発生させるようにしたパチンコ遊技機は、種々提案されている。このようなパチンコ遊技機としては、いわゆる第一種パチンコ遊技機及び第三種パチンコ遊技機が良く知られている。
【0004】
ここで、第一種パチンコ遊技機は、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知しうる始動領域と、始動領域への遊技球通過を契機として各選出図柄を変動表示させた後、停止し、各選出図柄を確定表示する図柄制御手段と、開閉制御される大入賞口とを備え、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口の開放と、大入賞口の所定制限時間の経過又は該所定制限時間内での規定個数の入賞満了による大入賞口の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなる特別遊技作動を実行するようにしたものである。
【0005】
また、第三種パチンコ遊技機は、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知しうる始動領域と、開口を開閉制御してその内部の特別作動領域へ遊技球通過可能な状態と不可能な状態とに変換する普通電動役物と、開閉制御される大入賞口と、遊技球通過に伴って該大入賞口を開放する特定領域への流入制御を行う役物とを備え、始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置の選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、その確定図柄態様が所定の当り図柄態様である場合に、普通電動役物を開放制御し、その特別作動領域への遊技球通過に伴って特別遊技作動が実行するようにしたものである。なお、この特別遊技作動は、役物が駆動して特定領域への遊技球通過が可能となり、かつ該遊技球通過ごとに、大入賞口の開放と、閉鎖とを生じてなる開閉ラウンドを複数回繰り返してなるものである。
このように、第一種パチンコ遊技機及び第三種パチンコ遊技機は、図柄表示装置とともに、大当たりとなると作動する大入賞口などを備え、遊技領域に配設する部品点数が多く、遊技領域の自由度が奪われてきており、その配置設計に工夫を要するものである。
ここで、かかる配置設計を容易とするためには、遊技領域を拡大すればよく、そのために、パチンコ機自体を大きくすることが考えられる。しかるにパチンコ機を設置する島設備的には、パチンコ機のサイズが各メーカーで統一されているので、従来の外枠の大きさを変更すれば、取り付け不能となり、市場で受け入れられるはずもない。このことから、外形寸法を維持しながら遊技領域を拡大する構成が検討される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、本発明者は、上述した、遊技領域上での部品点数の増加や多機能化に伴い、単一の球受皿を配設する等により、パチンコ機の外形寸法を維持しながら遊技領域を上下方向へ拡張した構成を提案した。そして、これにより、遊技形態をさらに多様で、変化に富んだものとすることを試みた。
一方、通常、遊技盤面への誘導通路は、発射位置から、ほぼ円形状の遊技領域に対して、接線方向へ伸びかつ、円弧状の内側レールに沿って球放出口に至る形態となっており、これにより、遊技球を遊技領域へ無理なく誘導するようにしている。また、打ち出された遊技球は遊技領域の円弧状誘導周面に沿って案内されることとなる。従って、遊技球の打ち出し力を阻害しないで、遊技領域へ遊技球を連続的に供給するためには、遊技領域の、少なくとも内側レールの形状に沿う左側誘導通路は、円弧状とすることが望ましく、遊技盤面を上下に広くしても、遊技領域を上下にのみ長い形状とすることは憚られる。このため、遊技盤面の上下方向の拡張を、遊技領域に生かすためには一層の工夫が求められる。
【0007】
本発明は、遊技盤面の上下方向の拡張化を、有効に生かしうる構成を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技盤面上で遊技領域が区画形成され、発射された遊技球が、遊技盤面の右下位置にある発射位置から遊技領域の左上位置の球放出口に至る誘導通路を介して遊技領域に放出されるパチンコ遊技機において、
前記誘導通路は、円弧状左側誘導通路と、該円弧状左側誘導通路と外接する直線誘導通路とからなり、
該直線誘導通路を、下部誘導傾斜レールと上部誘導傾斜レールとの間で構成し、
前記遊技領域を、球放出口を介して誘導通路と連通する主遊技領域と、該主遊技領域と領域遮断線部により区画されて上部誘導傾斜レールの直上に形成され、かつ領域遮断線部の欠所で形成される球流入口を介して主遊技領域と連通する副遊技領域とにより構成したことを特徴とするパチンコ遊技機(請求項1)である。
かかる構成にあって、副遊技領域は、発射位置の直上の右下領域に形成されることとなり、このため、主遊技領域を上下の寸法など、従前の遊技領域とほぼ同様の形態としながら、遊技領域全体として、広い面積を確保することができる。従って、誘導通路と連通する主遊技領域はほぼ同様の誘導周面を備えるものとなるから、遊技の円滑な打ち出しを維持しながら、さらに多様で変化に富んだ遊技領域とすることができる。ここで領域遮断線部は、レール線分、釘列などにより構成される。
【0009】
ここで、球流入口の構成としては、領域遮断線部の上部を、主遊技領域の上部を区画する円弧状の上部誘導周面に沿って延出し、上部誘導周面と領域遮断線部との間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした構成(請求項2)が提案される。
【0010】
かかる構成は領域遮断線部が上部誘導周面に沿って配置されて、その間隔を球流入口とするものであるから、遊技球を上部誘導周面に沿って、打ち出すことにより、容易に副遊技領域に誘導することができ、遊技者は、主遊技領域と副遊技領域とのいずれにも、打ち分けることが可能となる。
【0011】
また、主遊技領域の右側部を部分的に区画する側部誘導周面と領域遮断線部とをほぼ同一円弧上に配置し、かつ領域遮断線部の上端を、側部誘導周面の下端と、間隔を置いて対峙させて、その間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした構成(請求項3)も提案される。
【0012】
かかる構成にあっては、側部誘導周面と領域遮断線部が主遊技領域での遊技球の案内面を形成することとなり、副遊技領域への球流入口は、その案内面の一部欠所で構成されることとなる。このため、副遊技領域に遊技球を入れるには、技術を要することとなる。従って、副遊技領域には、高利得が期待されるような、各種の遊技部品を配設する等により、副遊技領域へ狙って打つという新たな挑戦意欲を喚起する遊技形態を生じさせることができる。
【0013】
ここで球流入口に、該球流入口を閉鎖する遮蔽位置と、開放する案内位置とに変換される駆動案内部材を設け、所定条件が具備されると、駆動案内部材を開放位置して、遊技球を副遊技領域に案内するようにした構成(請求項4)が提案される。これにより副遊技領域は、通常では閉鎖状態となり、所定条件が具備されると、駆動案内部材の案内作用により、遊技球が副遊技領域へ導入されることとなる。このため、かかる条件設定により、多様な遊技形態を実現することができることとなる。
【0014】
ここで、アウト球口は、主遊技領域と、副遊技領域の下底部とに夫々形成され得る(請求項5)。
【0015】
さらには、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知する始動領域と、大入賞口とを遊技領域に配設すると共に、始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置に各選出図柄を変動表示させた後、停止し、各選出図柄を確定表示する図柄制御手段と、 図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口を所定作動形態で開放する特別遊技作動を実行するパチンコ遊技機にあって、図柄表示装置と始動領域とを主遊技領域に配設し、大入賞口を副遊技領域に配設した構成(請求項6)が提案される。すなわち、上述した第一種パチンコ遊技機または第三種パチンコ遊技機に関する構成である。
【0016】
かかる構成にあって、主遊技領域から大入賞口が撤去されることとなり、従前に遊技領域上で、大入賞口が配設された部位が利用可能となり、配置設計が容易となると共に、新たな遊技球の作動領域を確保することができ、多様な遊技形態を実現し得ることとなる。
【0017】
またかかる構成にあっては、大当りとなると、打ち方を換えて、副遊技領域へ遊技球が入るようにする。尚、上述したように、該球流入口を閉鎖する遮蔽位置と、開放する案内位置とに変換される開閉駆動部材を設けた構成(請求項4)にあっては、大当りとなると、該開閉駆動部材を、所定条件が具備されると、案内位置に変換するようにしても良い。この場合に、特別遊技作動にあって、大入賞口を開放する機構として、開閉駆動部材自体を開放機構として用いることにより、大入賞口を直接開閉する蓋体を省略することもできる。
【0018】
また、複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、大入賞口と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を遊技球通過を検知する始動領域とし、遊技球が入り易い拡開状態と入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技盤面に備え、始動領域への遊技球通過を契機として、選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口を所定作動形態で開放する特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機にあって、図柄表示装置と始動領域と大入賞口とを主遊技領域に配設し、普通図柄表示装置と、普通始動領域とを副遊技領域に配設した構成(請求項7)も提案される。すなわち、第一種パチンコ遊技機にあって普通図柄に関する構成を副遊技領域に纏めて配置したものである。
【0019】
かかる構成にあっても、主遊技領域から、普通図柄表示装置と、普通始動領域とが撤去されることとなり、配置設計が容易となると共に、新たな遊技球の作動領域を確保することができ、多様な遊技形態を実現し得ることとなる。
【0020】
かかる各構成は、主遊技領域と副遊技領域とを備えた構成であり、従来に比して、遊技領域を上下方向へ拡張されることを前提としている。そこで、前後方向に回動可能に軸支され、遊技球を前方へ打圧する発射鎚と、該発射鎚を打圧駆動する発射駆動装置と、パチンコ遊技機前面に突設された発射ハンドルと、発射ハンドルに回動可能に軸支され、その回動角度により発射鎚の打圧強度を調節する発射レバーとを具備したパチンコ遊技機にあって、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿である構成(請求項8)が提案される。かかる構成では、下部装架領域が従来構成より簡潔であるため、遊技開口を下方に拡大でき、該遊技開口により規定される遊技領域の拡張が可能となる。これにより、該遊技領域に装着される図柄表示装置を大きくしても、充分な遊技球の転動領域を確保することができるため、興趣溢れる遊技形態の実現が可能となる。
【0021】
そして、遊技開口の縦幅が45〜60cmである構成が用いられ得るものである(請求項9)。この範囲であれば、パチンコ遊技機を従来と同じ高さとすることが可能となり、既存の遊技場で、レイアウトを変更する必要がなく、本発明のパチンコ遊技機が適用可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について、図面を参照して説明する。
本実施例は、第一種パチンコ遊技機に関するものであって、図1に示す様に、遊技島設備に固定される長方形状の外枠16と、この外枠16の前面開口部分を覆う遊技機本体1とから構成され、これらがヒンジ部材17を介して開閉可能に枢着されている。
【0023】
前記遊技機本体1は、図1、図2に示す様に、板状の前面枠2を備え、この前面枠2が前記ヒンジ部材17を介して外枠16に枢着されている。そして、前面枠2の中央上部には長方形状の遊技開口20が形成され、遊技開口20より下方に下部装架領域21が形成されている。
【0024】
上述の遊技開口20には、合板製の遊技盤5が裏側から着脱可能に取り付けられ、遊技盤5の前方にはヒンジ部材(図示せず)を介して遊技扉3が開閉可能に取り付けられている。また、下部装架領域21には、単一の球受皿(発射球受皿47)が開閉可能に配設され、発射球受皿47の右脇には発射ハンドル74が突設されている。
【0025】
なお、後述するように、本実施例の前面枠2においては、下部装架領域21は、従来構成より、縦方向に4割程縮小している。そして、下部装架領域21の縮小に伴い、遊技開口20が下方に拡大している。また、この拡大した遊技開口20に合わせて、遊技盤5も、従来構成より、縦方向に10cmほど延出され、これにより該遊技盤5の縦寸法は54cmとなっている。
【0026】
また、下部装架領域21の前面全体には、図4に示すように、板状の開閉パネル22が配設される。該開閉パネル22は、その前面に球受皿47と発射ハンドル74を備え、前面枠2に対して開閉可能となるように左端の枢支部39を軸支される。また、開閉パネル22の後方には、右下端に発射位置90を有する下部誘導傾斜レール48が配設され、該下部誘導傾斜レール48の右側には、先端部が、該発射位置90を臨むようにして、発射鎚92が配設される(図6参照)。
【0027】
機裏には、図3に示すように、所要電子回路を組み込まれた種々の基板が配設されている。機裏の右部には、賞球や貸球等の遊技球を払い出す賞球払出装置82が配設されおり、さらに、左下部には、発射鎚92(図6参照)を打圧駆動する発射駆動装置として、ロータリーソレノイド71が配設されている。
【0028】
上述の賞球払出装置82は、賞球を払出す賞球ユニット83や貸球を払出す貸球ユニット84等により構成される。また、後述するように、賞球払出装置82は、払出制御基板65からの電気信号に従い遊技球の払出しを実行する。そして、賞球払出装置82から払出された遊技球は、機裏に配設される球通路を介して、球出口85から発射球受皿47へ排出される。
【0029】
上述の発射ハンドル74にはタッチセンサ73が設けられており、遊技者が発射ハンドル74に素手で触れて操作しなければ、ロータリーソレノイド71は作動しないようになっている。そして、遊技者が発射ハンドル74を握り、発射ハンドル74に周設された発射レバー75を時計方向に回動操作すると、ロータリーソレノイド71が作動し、ローター軸(図示せず)に固定された発射鎚92を往復回動駆動させ、発射鎚の打圧により遊技球を発射する。そして、発射された遊技球は、下部誘導傾斜レール48及び左側誘導通路28の案内作用により遊技領域7へ案内される(図7参照)。
【0030】
次に遊技開口20を拡張するための構成につき説明する。
上述したように、下部装架領域21には、単一の球受皿47(以下、発射球受皿47)が配設されている。この発射球受皿47は、図4、5に示すように、開閉パネル22の前面に配設されており、球出口85と発射球案内通路86とに連通している。この発射球受皿47の内部には、賞球払出装置82や外部から供給される遊技球が貯留される。そして、ロータリーソレノイド71が駆動し、遊技球が打圧発射されている間は、発射球受皿47に貯留された遊技球は、発射球案内通路86へ、順次、排出される。
【0031】
さらに、発射球受皿47の底部には、該発射球受皿47に貯留した遊技球を機外に排出するための球抜き孔93が形成されている。球抜き孔93は開閉可能に取り付けられたシャッタ板94により通常は閉ざされているが、遊技者は、発射球受皿47の前面に配設される球抜きレバー95の操作により、球抜き孔93を開放することが可能である。これにより、遊技者は、随時、発射球受皿47に貯留した遊技球を、球抜き孔93を介して、機外へと排出することができる。
【0032】
このような単一の球受皿47を、下部装架領域21に配設することにより、下部装架領域21を簡潔にでき、遊技開口20を下方に拡大することが可能となる。これにより、遊技領域7を拡張することができ、大型の図柄表示装置6を配設しても、遊技球の転動領域を不足させることがなく、興趣に富んだ遊技態様が可能となる。
【0033】
ここで、遊技開口20の縦幅は45〜60cmとする。この範囲であれば、パチンコ遊技機を従来と同じ高さとすることが可能となり、既存の遊技場で、レイアウトを変更する必要がなく、本発明のパチンコ遊技機が適用可能となる。
【0034】
また、球出口85と連通する球通路には、発射球受皿47の満杯を検知する満杯検出子として、図6で示す満杯検出スイッチ81が配設されている。また、満杯検出スイッチ81は、図8 に示すように、盤面中継基板61を介して主制御基板60と接続されており、そして、主制御基板60が、満杯検出スイッチ81の満杯検出状態を調べ、満杯検知があると、主制御基板60の出力ポートから払出制御基板65の入力ポートへ、発射球受皿47の満杯を報知する満杯信号を送信する。
【0035】
払出制御基板65の払出制御用中央制御装置CPUは、所定の遊技球数を払出すよう、主制御基板60から制御指令信号を受信すると、まず、前記満杯信号の有無を調べ、発射球受皿47の満杯状態を確認する。そして、発射球受皿47の非満杯時には賞球ユニット83や貸球ユニット84を作動して、制御指令信号の指令通りに遊技球を払出す。一方、発射球受皿47の満杯時には、発射球受皿47から遊技球が溢れるのを防止するため、遊技球の払出は実行せず、その代わりに、該制御指令信号により払出すように要求された遊技球数を、払出制御基板65上の記憶装置RAMの一部領域に記憶された、未払出遊技球数に加算する。前記未払出遊技球数とは、主制御基板60等から払出を要求された遊技球数のうち、払出が実行されていない未払出遊技球の数である。
【0036】
そして、発射球受皿47の非満杯時に、未払出遊技球が存在する場合には、払出制御基板65は、記憶装置RAMに賞球ユニット83や貸球ユニット84を作動させ、遊技球を払出し、払出した遊技球の数だけ、記憶装置RAMに記憶された未払出遊技球数を減らす。
【0037】
また、払出制御基板65上の記憶装置RAMに記憶された未払出遊技球数の情報は主制御基板60へ送信される。そして、主制御基板60は未払出遊技球数に応じて、図柄表示制御基板62に制御指令信号を送信し、未払出記憶表示装置18(図8参照)の7セグメント指示器に未払出遊技球数を表示させる。
【0038】
かかる構成にすることにより、大当り時に多量の遊技球を払出す必要がある時でも、発射球受皿47から遊技球が溢れることはなく、正常に遊技を続けることができる。また、未払出遊技球の数は遊技者に報知されるため、遊技者は遊技球が払出されなくても、自分の獲得遊技球数を理解でき、安心して遊技を続行できる。
【0039】
また、図6に示すように、ロータリーソレノイド71及び発射鎚92は発射位置90の上方に配設され、発射鎚92を回動軸から下方に垂持した状態で、発射位置90に臨むようにしてある。このような構成にすることで、従来構成での回動軸より上方に発射位置が配置される場合に比べて、遊技球の発射位置90及び下部誘導傾斜レール48をより下方に配設することができる。このため、下部誘導傾斜レール48の上方に形成される遊技領域7を下方に拡張することが可能となる。
【0040】
また、発射ハンドル74には、発射レバー75の回動角度を検知する角度検知センサ72(図8参照)が備えられている。角度検知センサ72は、発射制御基板70と接続しており、発射レバー75の回動角度を、角度検知信号として、発射制御基板70へと送信する。そして、発射制御基板70は該角度検知信号に応じて、ロータリーソレノイド71を駆動させる電流量を調節し、発射鎚92の打圧強度を調節する。かかる構成では、発射ハンドル74は、発射駆動装置であるロータリーソレノイド71とは、発射制御基板70を介して電気的に接続しているだけであるため、発射駆動装置の配設位置により制約を受けることなく、発射ハンドル74の配設位置を決めることができる。このため本実施例のよう、に発射球供給皿28の横脇に発射ハンドル74を配設でき、下部装架領域21を縮小することが可能となる。
【0041】
また、打圧強度が弱く、ファール球として、ガイドレール27と下部誘導傾斜レール48の間から落下した遊技球は、ファール球排出通路51を通って、遊技機裏から機外へと排出される。また、ファール球排出通路51には、ファール球の通過を検出するファール球検出子として、ファール球検出スイッチ52(図3参照)が配設されている。また、図8に示すように、ファール球検出スイッチ52は、盤面中継基板61を介して主制御基板60と接続されている。そして、主制御基板60は、ファール球検出スイッチ52のファール球検出状態を調べ、ファール球の検出があると、払出制御基板65へ制御指令信号を送信し、検出したファール球と同数の遊技球を、賞球払出装置82から発射球受皿47へ払出させる。このように、ファール球を賞球払出装置82から間接的に返却することにより、下部装架領域21におけるファール球返却機構の構造配置に余裕ができる。このため、発射位置90をより下方に配設することができ、遊技開口20を一層下方へ拡大することができる。
【0042】
本発明はかかる遊技開口20の拡大に基づき、遊技領域7上で多様な遊技形態を実現し得るようにしたものである。かかる構成を説明する。
図6は遊技盤5の正面図である。遊技盤面上には、主遊技領域7aと副遊技領域7bとからなる遊技領域が区画形成されている。
この主遊技領域7aと副遊技領域7bの構成につき説明する。
遊技盤面の周部には、長尺状の金属片からなる円弧状外側ガイドレール27aが固定され、その内側に間隔を置いて上部が欠けた円弧状内側ガイドレール27bがほぼ同心状に配設され、これにより左側で、ガイドレール27a、27b間を、円弧状の左側誘導通路28とし、円弧状内側ガイドレール27の左上端部位を球流出口29としている。
【0043】
また発射位置から、左上方位置へ、下部誘導傾斜レール48と、上部誘導発射レール49とがほぼ並行に延設され、レール48,49間を円弧状の左側誘導通路28と外接する直線誘導通路50としている。これにより該直線誘導通路50から発射された遊技球は、左側誘導通路28を経て、球流出口29から放出される。
【0044】
一方、円弧状内側ガイドレール27bの右上端部は、円弧状外側ガイドレール27aの内周面により規定される上部誘導周面f1に沿って延出され、この内側ガイドレール27bの上部誘導発射レール49との接点から右側レール線分を領域遮断線部30としている。そして、内側ガイドレール27bと、外側ガイドレール27aの上部及び領域遮断線部30とで囲繞された領域を主遊技領域7aとしている。さらには、領域遮断線部30と上部誘導発射レール49とで囲繞された領域を副遊技領域7bとしている。また、上述のように、領域遮断線部30は上部誘導周面f1に沿って延出され、その間を主遊技領域7aから副遊技領域7bへの球流入口32aとしている。この主遊技領域7aの下底部にはアウト球口34が、副遊技領域7bの下底部にはアウト球口35が夫々設けられている。ここで領域遮断線部30を、レール線分により構成したが、釘列などにより構成することもできる。
【0045】
本実施例にあっては、第一種パチンコ遊技機にあって、後述する大入賞口23を備えた変動入賞装置22を副遊技領域7bに配設しているものである。なお、上述した遊技開口20及び遊技盤5の拡大に伴い、主遊技領域7aと、副遊技領域7bとを上述の配置関係により、併存しうると共に、主遊技領域7aは、従来の遊技領域と同程度の面積を確保することができる。
【0046】
ここで主遊技領域7aの中央には、液晶表示装置等からなる図柄表示領域Fを有する図柄表示装置6が配設されている。この図柄表示装置6は、液晶表示器、CRT表示器、ドットマトリックス、又は7セグメント指示器等からなり、その図柄表示領域Fには三つの特別図柄(選出図柄)A,B,Cが表示される。この特別図柄A,B,Cは、「0」〜「11」の12個の数字等からなる。
【0047】
図柄表示装置6の下部には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置8が設けられる。この特別図柄始動記憶数表示装置8は、後述する主制御基板60(図8参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された始動記憶数を表示する。さらに、図柄表示装置6の上部には、三個の発光ダイオードLEDからなり、普通図柄を表示する普通図柄表示装置10が配設される。この三個の発光ダイオードLEDは順次点滅して、種々の組合せの点灯態様を表示する。そして、この点灯態様が所定の当り態様の場合には、後述する普通電動役物15を開放する。
【0048】
さらに、普通図柄表示装置10の上方には、四個のパイロットランプからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が設けられ、後述の普通図柄始動スイッチS2(図8参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を表示する。
【0049】
一方、図柄表示装置6の下部両側には、普通始動領域13,13が設けられ、遊技球の通過によりこの普通図柄作動ゲート13,13に内蔵された普通図柄始動スイッチS2から遊技球検出信号が発生すると、普通図柄表示装置10が図柄変動する。また、普通図柄作動ゲート13,13間には、始動領域14が配設されている。
【0050】
前記始動領域14は、開閉翼片により始動領域(入賞口兼用)の開口度を変化させるようにした普通電動役物15の内部で構成される。そして普通図柄表示装置10の表示結果が、所定の当り図柄態様となると、開閉翼片が約0.5秒拡開して、始動領域14の開口度を拡開させ、遊技球が入り易い状態となる。また普通電動役物15内(始動領域14)には、遊技球の通過により球検知信号を送出する始動スイッチS1(図8参照)を備えており、該始動スイッチS1 から球検知信号が送出されると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、図柄表示領域Fに生成される特別図柄が変動開始し、図柄生成行程が実行されることとなる。
【0051】
一方、副遊技領域7bには、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口23が配設され、開閉片24を大入賞口ソレノイド(図8参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する可変入賞装置22が配設されている。そして、図柄生成行程で特別図柄が所定の組合せで表示され、当りとなると、開閉片24が開いて、その開放状態で開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内するとともに、特定領域に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、連続開放作動を生じて、遊技者に所定の利得が供される。この可変入賞装置22の内部には、図8で示すように、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチ3にも、特定領域に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。その他、副遊技領域7bには、一般入賞口36や、風車、釘などが設けられている。
【0052】
図8は、本発明にかかるパチンコ遊技機1の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示せず)と、データのやり取りを行うデータバス(図示せず)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラム、乱数テーブル等の固定データが記憶されている。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0053】
この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示せず)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。
【0054】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示せず)及び出力ポート(図示せず)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには盤面中継基板61を介して上述した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、カウントスイッチS4が接続され、主制御基板60が2ms毎に各スイッチS1〜S4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15のソレノイドや、大入賞口23のソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。さらに、後述するように、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して満杯検出スイッチ81とファール球検出スイッチ52が接続されている。また、主制御基板60の入力ポートは、払出制御基板65の出力ポートとも接続している。
【0055】
ここで主制御用中央制御装置CPU及び後述する各制御基板に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板に夫々送信し、各制御基板の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0056】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の図柄表示領域F上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この記憶装置ROMには、動作プログラム、特別図柄の図柄形態パターン及び変動方向パターン、当り遊技パターン、リーチ態様パターン等の図柄変動態様を行う固定データも記憶されている。
【0057】
また、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、この表示用ドライバは前記図柄データに従って、図柄表示装置6の図柄表示領域に所定の図柄を表出させる。なお、この図柄表示制御基板62は、図柄表示装置6の図柄制御手段を構成するものである。
【0058】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信して、この音データを受けてスピーカに出力させる。
【0059】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLEDや装飾ランプといった電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御基板CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0060】
上記の払出制御基板65には、貸球や賞球等の遊技球の払出を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、払出中継基板66を介して、貸球ユニット84や賞球ユニット83のソレノイド等を作動し、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板66に送信し、このデータにより貸球ユニット84や賞球ユニット83のソレノイド等を作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。後述するように、この払出制御基板65は、主制御基板60等と共に、発射球受皿47の満杯具合に応じて遊技球の払出を制御する、払出制御手段を構成するものである。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニット96と、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球等のデータをやり取りする。
【0061】
さらに、この払出制御基板65には発射制御基板70が接続される。この発射制御基板70は、ロータリーソレノイド71を駆動制御すると共に、上述のタッチセンサ73からの信号が入力される。また、後述するように、発射制御基板70には発射レバー75の回動角度を検知する角度検知センサ72からの信号も入力される。
【0062】
次に、図8に示した制御回路の作動制御によるパチンコ遊技機の作動について説明する。
遊技球が発射装置より遊技盤5に発射され、遊技球が始動領域14を通過し、始動スイッチS1がオン作動すると、この信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている所要の乱数テーブルから乱数値を抽出し、各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。さらには、始動スイッチS1のオン信号に基づき、主制御用中央制御装置CPUで演算処理して、賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々発信する。
【0063】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0064】
これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
【0065】
同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプ等の発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定のパイロットランプ等を点灯、点滅させる。
【0066】
なお、遊技球が始動領域14に連続的に通過した場合には、図柄変動中の始動スイッチS1による遊技球検出が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始動記憶数表示装置8の発光ダイオードLEDが4個を限度として点灯する。そして、この発光ダイオードLEDは、図柄変動する都度消灯されることにより、記憶数の減少を遊技者に報知する。
【0067】
また、始動スイッチS1のオン作動もしくは、特別図柄始動記憶数表示装置8に表示される通過記憶数が消化されることにより、特別図柄A,B,Cが変動開始される。さらに詳しく述べると、遊技球が、図柄停止中に始動領域14へ通過した場合は、かかる始動スイッチS1のオン作動により、特別図柄A,B,Cを変動開始する。また、遊技球が、図柄変動中に始動領域14へ通過した場合は、現在進行中の図柄生成行程終了後に通過記憶数が消化されることにより、特別図柄A,B,Cを変動開始する。
【0068】
次に図6で示す主遊技領域7a上での作動につき説明する。
まず、普通図柄作動につき説明する。
遊技球が通過ゲートからなる普通始動領域13を通過すると、この遊技球は普通図柄始動スイッチS2で検出される。この普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、普通図柄表示装置10の普通図柄が変動する。この普通図柄は、左赤色,中緑色,右赤色の三個の発光ダイオードLEDで構成される。この普通図柄表示装置10が変動中、又は普通電動役物15が開放中のときに、普通図柄始動スイッチS2で遊技球検出されると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、記憶数の消化に伴って普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯し、普通図柄が変動開始になる都度消灯されて、記憶個数が表示される。なお、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上は無効とされる。
【0069】
この普通図柄表示装置10の変動停止後、又は普通電動役物15の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示装置12に表示された始動記憶に基づいて普通図柄表示装置10は再び変動開始する。普通図柄表示装置10が変動開始後、約30秒以上経過すると変動が停止し、左右いずれかの発光ダイオードLEDが一個でも点灯した状態であれば当りとなり、普通電動役物15が約0.5秒間開放される。
【0070】
次に図6で示す副遊技領域7b上の作動につき説明する。
図柄表示装置6で表示された特別図柄A,B,Cの組み合わせが、所定の場合には、特別遊技作動が副遊技領域7b上で開始され、可変入賞装置22の大入賞口ソレノイド(図8参照)が駆動して、開閉片24が開いて、大入賞口23が開放される。
【0071】
そこで、遊技者は遊技球を比較的強く発射して、上部誘導周面f1に沿って放出し、領域遮断線部30と、上部誘導周面f1間の球流入口32aから、副入賞領域7b内に遊技球を打ち込むこととなる。これにより、大入賞口23に遊技球が流入する。そして、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がオン作動されると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信して、一連の特別遊技作動が進行することとなる。
【0072】
すなわち、特別遊技作動開始に伴って、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24が前方に傾動して大入賞口23が開放され、開閉ラウンドが実行される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、10個入賞するまで継続される。また上述したように、大入賞口23の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がオン作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドが終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23が開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。このように開閉ラウンドが最大15回繰り返されて、大入賞口23の連続開放作動を生じ、遊技者に所定の利得が供される。
ここで、副遊技領域7b内で、大入賞口23,一般入賞口36に捕捉されなかった遊技球は、アウト球口35に入る。
かかる構成にあって、主遊技領域7aは、従来の遊技領域とほぼ同等の面積でありながら、可変入賞装置22が撤去される。このため、図柄表示装置6を大きくすることが可能となり、これにより図柄表示領域を広くでき、表示情報量を多くすることが可能となり、かつ見やすい表示も可能となる。その他、他の遊技部材を主遊技領域7aに新たに装着することも可能となる。
【0073】
図7は、他の副遊技領域7bの形態を示すものである。かかる構成にあって、内側ガイドレール27bの上部誘導発射レール49との接点から右側線分を領域遮断線部30とし、かつ主遊技領域7aの右側部を部分的に区画する側部誘導周面f2を領域遮断線部30とをほぼ同一円弧上に配置している。そして、領域遮断線部30の上端を、側部誘導周面f2の下端と、間隔を置いて対峙させて、その間隔を、主遊技領域7aと副遊技領域7bとを連通する球流入口32bとしている。
【0074】
この構成にあっては、円弧に沿って配設された側部誘導周面f2を領域遮断線部30間に、球流入口32bを設けたものであり、右側へ比較的強く打ち出された遊技球は側部誘導周面f2と領域遮断線部30に沿って、流下することとなり、容易に球流入口32bに流入しない。従って、該球流入口32bを通過して、副遊技領域7bに流入させるには、打球技術を要し、かつ流入頻度が低い。そこで、このような構成にあっては、副遊技領域7b内には、付加価値の高い入賞器やゲートを設けることにより興趣ある遊技形態とすることができる。
【0075】
さらに副遊技領域に遊技部品を配設する構成として、図柄表示装置6と始動領域14と大入賞口23とを主遊技領域7aに配設し、普通図柄表示装置10と、普通始動領域13とを副遊技領域7bに配設するようにしてもよい。このような構成にあっても、主遊技領域7aから、普通図柄表示装置10と、普通始動領域13とが撤去されて、配置設計が容易となると共に、新たな遊技球の作動領域を確保することができ、多様な遊技形態を実現し得ることとなる。また、普通図柄作動と関係する構成を纏めているから、遊技球の打圧操作を区別しながら、戦略的に行うことができる。
【0076】
その他、本発明は遊技領域を主遊技領域7aと、副遊技領域7bとに区分したものであるから、夫々の領域に所定の遊技形態を付与することができ、例えば、主遊技領域7aには、第一種パチンコ遊技機に関する各種遊技部品を配設し、副遊技領域には第二種パチンコ遊技機に関する各種遊技部品を配設する(又はその逆も可能)等、種々の配設形態が提案される。
【0077】
いずれにせよ、かかる主遊技領域7aと、副遊技領域7bとの区分形態は、主遊技領域7aの形態を可及的に従来の遊技領域と同じ要にほぼ円形形態とすることができ、遊技球の作動を円滑とすることができ、かつ副遊技領域7bにより新たな遊技形態を付加したり、主遊技領域の遊技部品の配置設計に余裕をもたらすこととなる。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、遊技領域を、球放出口を介して誘導通路と連通する主遊技領域と、該主遊技領域と領域遮断線部により区画されて発射位置の直上の右下領域に形成され、かつ領域遮断線部の欠所で形成される球流入口を介して主遊技領域と連通する副遊技領域とにより構成した(請求項1)から、主遊技領域を従前の遊技領域とほぼ同様の形態としながら、遊技領域全体として、広い面積を確保することができる。従って、誘導通路と連通する主遊技領域はほぼ同様の誘導周面を備えるものとなるから、遊技の円滑な打ち出しを維持しながら、さらに多様で変化に富んだ遊技領域とすることができる。
【0079】
ここで、領域遮断線部の上部を、主遊技領域の上部を区画する円弧状の上部誘導周面に沿って延出し、上部誘導周面と領域遮断線部との間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした構成(請求項2)にあっては、領域遮断線部が上部誘導周面に沿って配置されて、その間隔を球流入口とするものであるから、遊技球を上部誘導周面に沿って、打ち出すことにより、容易に副遊技領域に誘導することができ、遊技者は、主遊技領域と副遊技領域とのいずれにも、打ち分けることが可能となる。
【0080】
また、主遊技領域の右側部を部分的に区画する側部誘導周面と領域遮断線部とをほぼ同一円弧上に配置し、かつ領域遮断線部の上端を、側部誘導周面の下端と、間隔を置いて対峙させて、その間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした構成(請求項3)にあっては、副遊技領域に遊技球を入れるには、技術を要することとなり、副遊技領域には、高利得、高付加価値が期待されるような、各種の遊技部品を配設する等により、副遊技領域へ狙って打つという新たな挑戦意欲を喚起する遊技形態を生じさせることができる。
【0081】
かかる構成にあって、球流入口を閉鎖する遮蔽位置と、開放する案内位置とに変換される駆動案内部材を設け、所定条件が具備されると、駆動案内部材を開放位置して、遊技球を副遊技領域に案内するようにした構成(請求項4)にあっては、条件設定により、多様な遊技形態を実現することができることとなる。
【0082】
ここで、アウト球口は、主遊技領域と、副遊技領域の下底部とに夫々形成され(請求項5)た場合には、各領域毎にアウト球の管理を行うことができる。
【0083】
また、第一種パチンコ遊技機または第三種パチンコ遊技機にあって、図柄表示装置と始動領域とを主遊技領域に配設し、大入賞口を副遊技領域に配設した構成(請求項6)とすることができ、これにより主遊技領域から大入賞口が撤去されることとなり、従前に遊技領域上で、大入賞口が配設された部位が利用可能となり、配置設計が容易となると共に、新たな遊技球の作動領域を確保することができ、多様な遊技形態を実現し得ることとなる。
【0084】
さらにまた、第一種パチンコ遊技機にあって、図柄表示装置と始動領域と大入賞口とを主遊技領域に配設し、普通図柄表示装置と、普通始動領域とを副遊技領域に配設した構成(請求項7)にあっても、主遊技領域から、普通図柄表示装置と、普通始動領域とが撤去されることとなり、配置設計が容易となると共に、新たな遊技球の作動領域を確保することができ、多様な遊技形態を実現し得ることとなる。
【0085】
一方、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿である構成(請求項8)では、下部装架領域が従来構成より簡潔であるため、遊技開口を下方に拡大でき、該遊技開口により規定される遊技領域の拡張が可能となる。これにより、主遊技領域と副遊技領域とを配設しても、充分な遊技球の転動領域を確保することができるため、興趣溢れる遊技形態の実現が可能となる。
【0086】
そして、単一の球受皿を配設するにあたって、遊技開口の縦幅が45〜60cmである構成(請求項9)にあっては、既存のパチンコ遊技機の全体の高さを変化させることのない、調和のとれた形態を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のパチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】本実施例のパチンコ遊技機の正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ遊技機の背面図である。
【図4】下部装架領域21の斜視図である。
【図5】発射球受皿47の平面図である。
【図6】発射球受皿47を除いた第一実施例を示す正面図である。
【図7】発射球受皿47を除いた第二実施例の要部を示す正面図である。
【図8】本実施例のパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 前面枠
5 遊技盤
6 図柄表示装置
7a 主遊技領域
7a 副遊技領域
10 普通図柄表示装置
13,13 普通図柄作動ゲート(普通始動領域)
14 始動領域
15 普通電動役物
22 可変入賞装置
23 大入賞口
27a 外側ガイドレール
27b 内側ガイドレール
28 左側誘導通路
29 球流出口
30 領域遮断線部
32a,32b 球流入口
34,35 アウト球口
47 発射球受皿
48 下部誘導傾斜レール
49 上部誘導発射レール
50 直線誘導通路
f1 上部誘導周面
f2 側部誘導周面
Claims (9)
- 遊技盤面上で遊技領域が区画形成され、発射された遊技球が、遊技盤面の右下位置にある発射位置から遊技領域の左上位置の球放出口に至る誘導通路を介して遊技領域に放出されるパチンコ遊技機において、
前記誘導通路は、円弧状左側誘導通路と、該円弧状左側誘導通路と外接する直線誘導通路とからなり、
該直線誘導通路を、下部誘導傾斜レールと上部誘導傾斜レールとの間で構成し、
前記遊技領域を、球放出口を介して誘導通路と連通する主遊技領域と、該主遊技領域と領域遮断線部により区画されて上部誘導傾斜レールの直上に形成され、かつ領域遮断線部の欠所で形成される球流入口を介して主遊技領域と連通する副遊技領域とにより構成したことを特徴とするパチンコ遊技機。 - 領域遮断線部の上部を、主遊技領域の上部を区画する円弧状の上部誘導周面に沿って延出し、上部誘導周面と領域遮断線部との間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした請求項1記載のパチンコ遊技機。
- 主遊技領域の右側部を部分的に区画する側部誘導周面と領域遮断線部とをほぼ同一円弧上に配置し、かつ領域遮断線部の上端を、側部誘導周面の下端と、間隔を置いて対峙させて、その間隔を、主遊技領域と副遊技領域とを連通する球流入口とした請求項1記載のパチンコ遊技機。
- 球流入口に、該球流入口を閉鎖する遮蔽位置と、開放する案内位置とに変換される駆動案内部材を設け、所定条件が具備されると、駆動案内部材を開放位置して、遊技球を副遊技領域に案内するようにした請求項3記載のパチンコ遊技機。
- 主遊技領域と、副遊技領域の下底部とに、アウト球口を夫々形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、遊技球通過を検知する始動領域と、大入賞口とを遊技領域に配設すると共に、
始動領域への遊技球通過を契機として、図柄表示装置に各選出図柄を変動表示させた後、停止し、各選出図柄を確定表示する図柄制御手段と、 図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口を所定作動形態で開放する特別遊技作動を実行するパチンコ遊技機にあって、図柄表示装置と始動領域とを主遊技領域に配設し、大入賞口を副遊技領域に配設した請求項1記載乃至請求項5のいずれかに記載のパチンコ遊技機。 - 複数の選出図柄を変動表示する図柄表示装置と、大入賞口と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置と、該普通図柄表示装置の駆動契機となる普通始動領域と、内部を遊技球通過を検知する始動領域とし、遊技球が入り易い拡開状態と入りにくい閉鎖状態とに変換され、普通図柄表示装置が所定図柄態様で普通図柄を停止表示すると拡開状態に変換される普通電動役物とを遊技盤面に備え、始動領域への遊技球通過を契機として、選出図柄を変動させた後に確定表示するようにし、図柄表示装置に確定表示された各選出図柄の組合せが所定の当り図柄態様である場合に、大入賞口を所定作動形態で開放する特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機にあって、
図柄表示装置と始動領域と大入賞口とを主遊技領域に配設し、普通図柄表示装置と、普通始動領域とを副遊技領域に配設した請求項1記載乃至請求項6のいずれかに記載のパチンコ遊技機。 - 前後方向に回動可能に軸支され、遊技球を前方へ打圧する発射鎚と、該発射鎚を打圧駆動する発射駆動装置と、パチンコ遊技機前面に突設された発射ハンドルと、発射ハンドルに回動可能に軸支され、その回動角度により発射鎚の打圧強度を調節する発射レバーとを具備したパチンコ遊技機であって、前面枠の下部装架領域に単一の球受皿を配設すると共に、該球受皿が、賞球や貸球等の遊技球を排出する球出口と、発射球案内通路とに連通する発射球受皿であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
- 遊技開口の縦幅が45〜60cmである請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
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- 2002-08-07 JP JP2002230592A patent/JP2004065692A/ja not_active Withdrawn
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