本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
入球口(通過手段)を開閉する開閉手段の開閉幅を変化させることで、入球口への入賞効率を変化させる遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口への入球を演出する点で改良の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、入球口への入球を演出する点で改良できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機であって、前記通過手段を通過した遊技球を検出可能に構成される検出手段と、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能に構成され、前記検出手段と連結され、通過した遊技球が前記検出手段に検出される流下経路と、前記流下経路内の遊技球に作用可能に構成され、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段と、を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記制限手段は、前記流下経路の流路幅を変化させる。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記制限手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成され、前記開閉手段の駆動開始時点と、前記制限手段の駆動開始時点とが異なる。
請求項1記載の遊技機によれば、通過手段への入球を演出する点で改良することができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、流下経路における遊技球の流下態様を制限手段により変化させることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、通過手段への入球を演出する点で更に改良することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図10(b)の矢印Xc方向視における可変入賞装置の側面図である。
(a)は、図10(b)のXIa−XIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図11(a)から移動上蓋部材をスライド移動させた後の可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)は、図12(b)のXIIIa−XIIIa線における盤面下部ユニットの断面図であり、(b)は、図12(b)のXIIIb−XIIIb線における盤面下部ユニットの断面図であり、(c)は、図13(b)から光照射部の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニットの断面図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図20(b)の矢印XXc方向視における可変入賞装置の側面図である。
図20(b)のXXI−XXI線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)から(c)は、移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の位置および状態の計時変化を示した図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面斜視図である。
第3実施形態における遊技盤の部分正面斜視図である。
(a)は、傾倒状態の可動演出部材の正面斜視図であり、(b)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における可動演出部材の側面図であり、(c)は、図30(a)の矢印XXXc方向視における可動演出部材の上面図であり、(d)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における起立状態の可動演出部材の側面図である。
(a)から(c)は、可動演出部材、振分部、延設床部及び案内傾斜面を模式的に示す上面模式図である。
第1の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、センサ、第2センサ、規制弁及びV入賞センサの出力の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における可変入賞装置の下方から見上げた視線における正面斜視図である。
移動上蓋部材の下方から見上げた視線における正面斜視図である。
(a)は、移動上蓋部材の正面図であり、(b)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線における移動上蓋部材の断面図である。
(a)及び(b)は、図20(b)のXXI−XXI線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
切替装置の背面斜視図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の位置および状態の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンの別例1における移動上蓋部材、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンの別例2における移動上蓋部材、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
遊技盤の正面図である。
主制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第5実施形態における切替装置の背面斜視図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
第3の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の計時変化を示した図である。
第6実施形態における盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
可動演出部材及び負荷発生装置の分解正面斜視図である。
(a)は、第1クラッチ部材の左面図であり、(b)は、図58(a)の矢印LVIIIb方向視における第1クラッチ部材の上面図である。
(a)は、第2クラッチ部材の右面図であり、(b)は、図59(a)の矢印LIXb方向視における第2クラッチ部材の上面図である。
(a)から(c)は、可動演出部材と第2クラッチ部材との動作を時系列で示す可動演出部材及び第2クラッチ部材の右面図であり、(d)から(f)は、それぞれ、図60(a)から図60(c)に示す第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の姿勢を模式的に示した模式図である。
(a)及び(b)は、図60(b)の矢印LXIa方向視における第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の正面斜視図であり、(c)は、図60(c)の矢印LXIc方向視における第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の正面斜視図である。
第4の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第5の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第6の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材及びセンサの出力の計時変化を示した図である。
第7の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材及びセンサの出力の計時変化を示した図である。
第8の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
大当たり種別とラウンド遊技における可動演出部材の状態との対応関係を模式的に示した模式図である。
第9の作動パターン(非V)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第9の作動パターン(V)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第9の作動パターン(V)の別例における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第10の作動パターン(下通過)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第10の作動パターン(上通過)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図14を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘(図示省略)や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球や、パチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330(図6参照)を有する盤面下部ユニット300、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330は、後述するベース板60の受け入れ開口60aに嵌め込まれる盤面下部ユニット300と一体的に形成される。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
本パチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、本実施形態では、特定入賞口65aに遊技球が1個入球することにより15個の賞球が払い出されるように制御される。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている(図14参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特定入賞口65aの開放パターンが異なるように制御される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。
第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83(図4参照)において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84(図4参照)においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が特別図柄の抽選の回数に応じて終了するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、所定の大当たり種別(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するようにしても良い。この場合、他の大当たり種別(例えば、後述する大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、100回よりも少ない50回でも良いし、100回よりも多い200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。
また、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83(図4参照)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側または左側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(打ち方ナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を安定して入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ、第2入賞口640へと球を安定して入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。
また、大当たり遊技を左打ちで遊技することにより、遊技者にとって有利となる場合には、本実施形態では、特定の画像(左打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が誤って右打ちで遊技を行うことを防ぎ、遊技者が左打ちにより得られる恩恵を得やすくなるように構成している。
左打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「左を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に左向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の左側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。
第2図柄表示装置83(図4参照)は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83(図4参照)にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数の保留球数は、上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84(図4参照)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83(図4参照)において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84(図4参照)により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物640aは有しておらず、遊技球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(例えば、出球)が得られる大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりaとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64及び第2入賞口640の下方には可変入賞装置330(図6参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特定入賞口65aを開閉する可変入賞装置330(図6参照)の詳細については後述するが、簡潔に説明すると、可変入賞装置330の移動上蓋部材332がスライド移動することで、特定入賞口65aが開閉される(移動上蓋部材332の上流を流下している遊技球が特定入賞口65aの正面側に到達してから特定入賞口65aを通過可能な開状態と、それ以外の閉状態とが切り替えられる)。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口314が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口314を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口314は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設され、風車等の各種部材(役物)が配設されている(図示省略)。
本実施形態では、通常状態において発射した遊技球は、約1割が一般入賞口63へ向かい、約1割が道釘(図示せず)の上を流下し第1入賞口64へ入球し、残りの約8割が道釘の上を流下した後で第1入賞口64から漏れて後述する移動上蓋部材332の上を転動し、アウト口314を通過する。即ち、0.6秒間隔で遊技球を発射し続ける場合、約0.75秒間隔で移動上蓋部材332の上に遊技球が到達する。この場合、移動上蓋部材332の上面に常に遊技球を1個以上維持しておくことが可能であるので、移動上蓋部材332の開放時間が短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ向けて流下させることができる。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aを開閉する移動上蓋部材332を駆動する大開放口ソレノイド(ソレノイド2333)や電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、特定入賞口65aの開閉は、開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動させることで行っても良い。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、後述するセンサS、第2センサS2、第3センサS3、V入賞センサVC等の遊技球を検出するセンサは、各種スイッチ208に含まれる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には後述する駆動モータ510等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図13を参照して、遊技盤13の下部に配設される盤面下部ユニット300について説明する。図5及び図6は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の正面分解斜視図であり、図7は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の背面分解斜視図である。なお、図5では、前板部材320のみが遊技盤13から分解された状態が図示され、図6及び図7では、図5から更に盤面下部ユニット300の前側ユニット310及び可変入賞装置330が遊技盤13から分解された状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。
図5に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332(図6参照)で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図6及び図7に示すように、盤面下部ユニット300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65aとを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置330と、を主に備える。
前側ユニット310は、正面側を球が流下可能に形成される板状の本体板部311と、その本体板部311の正面側中央で一対の部材が左右に開閉動作される電動役物640aと、本体板部311の左右上部において正面側に突設される板状の傾斜板部312と、本体板部311の下底部から上方へ向けて凹設される開口上側部313と、その開口上側部313の左右両側において前後方向に穿設され球が遊技領域外に排出される一対のアウト口314と、を主に備える。
本体板部311は、電動役物640aの上方に形成され第1入賞口64の下辺を形成する第1入賞口下辺311aと、電動役物640aの一対の部材に囲われる位置において前後方向に穿設される第2入賞口640と、その第2入賞口640の下方に配置され第2入賞口640の正面側を照らす光照射装置311bと、アウト口314の外側においてリブ状に正面側へ向けて凸設される球流しリブ311cと、を主に備える。
光照射装置311bは、前板部材320の収容凹部323a(図7参照)に収容され、第2入賞口640に球が入賞することに起因して、上方(第2入賞口640側)へ向けて光が照射されるLED部材である。
なお、光照射装置311bの発光タイミングの制御は任意に設定可能である。例えば、電動役物640aが開状態となり、球を第2入賞口640へ入球させやすい状態となった場合に、その状態の変化を遊技者に気付かせる目的で、通常消灯している光照射装置311bを発光させたり、通常点灯している光照射装置311bを消灯させたりする制御を行っても良い。
球流しリブ311cは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであり、詳細は図13で後述する。
傾斜板部312は、上側面を球が転動可能に形成され、電動役物640aの左右上方に配置されると共に、電動役物640aへ近接されるほど下降傾斜される。これにより、電動役物640aが左右に倒れる開状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で第2入賞口640へ入賞させることができる。一方、電動役物640aが起立される閉状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で開口上側部313の正面側へ落下させることができる。
開口上側部313は、左右中央へ向かうにつれて上昇傾斜して形成される。ここで、特定入賞口65aの左右方向中央部の上下幅を球の直径以上とすることで、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)を球の直径以下の長さに設定することが可能である(図12参照)。この場合、特定入賞口65aの左右端部から球を入賞させることは困難であるが、球が内レール61に沿って遊技盤13の中央部へ流下され、特定入賞口65aの左右方向中央部から入賞可能とされるので、遊技を継続できる。
ここで、特定入賞口65aの上下側面が平行面(左右方向へ延設される平面)である場合、内レール61と交差する直線が特定入賞口65aの下側面の長さと同じになるまで、特定入賞口65aを内レール61の下縁から上昇させて配置する必要がある。そのため、特定入賞口65aの位置が高くなる。
一方、本実施形態では、特定入賞口65aの下側側面が内レール61の下側面と同様に湾曲形成されるので、特定入賞口65aを上昇配置させる必要がなく、特定入賞口65aを低位置に配置することができる。
また、特定入賞口65aの上側側面が左右端部へ近接するにつれて下降傾斜されるので、上側側面が左右方向へ延設される平面で形成される場合に比較して、特定入賞口65aへ球を案内する道釘の配置を下方へ下げることができる。これにより、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。
アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右端部に対して、アウト口314の下辺は下方に配置され、アウト口314の上辺は上方に配置される。即ち、開口上側部313がアウト口314よりも下方に形成される。これにより、後述する可変入賞装置330の配置を下方へ下げることができ、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。なお、このような配置であっても、本実施形態では開口上側部313の形状と略同一形状の上側面を備え前後方向にスライド移動される移動上蓋部材332の上面を球が流下され、球がアウト口314へ排出されるので(図12参照)、遊技が継続可能となる。
前板部材320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、前側ユニット310の正面側に配設されると共に本体板部311との間を球が流下可能に形成される板状の本体板部321と、その本体板部321の上端部に配設され第1入賞口下辺311aへ球を案内する第1入賞口前部322と、電動役物640aの下方に配置される電動役物下支え部323と、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板324と、内レール61の下縁に沿って本体板部321から背面側に突設される球送り部325と、を主に備える。
本体板部321は、アウト口下板324の外側において、背面側にリブ状に凸設される球流しリブ321aを備える。球流しリブ321aは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであるが、その詳細については図13で後述する。
電動役物下支え部323は、横長の凹部である収容凹部323aを備え、その収容凹部323aには、光照射装置311bが収容される。
アウト口下板324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部324aを備える。アウト口下板324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ排出する速度を向上させることができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板324の真上に形成される(図12参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板324の耐久性を向上させることができる。
段部324aは、アウト口314と特定入賞口65aとの間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、段部324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図12参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
球送り部325は、背面側に形成される背面側側面325aと、その背面側側面325aと連結されると共に左右側に形成される左右側側面325bと、を主に備える。
背面側側面325aは、背面側へ向かうにつれて下降傾斜され、左右側側面325bは、背面側へ向かうにつれて中央へ向けて傾斜される。これにより、球送り部325に到達した球の流下方向を背面側へ向けることができる。従って、特定入賞口65aの手前で球が留まることを抑制し、所謂オーバー入賞を抑制することができる。
次いで、図8から図10を参照して、可変入賞装置330について説明する。図8は、可変入賞装置330の正面分解斜視図であり、図9は、可変入賞装置330の背面分解斜視図であり、図10(a)は、可変入賞装置330の上面図であり、図10(b)は可変入賞装置330の正面図であり、図10(c)は、図10(b)の矢印Xc方向視における可変入賞装置330の側面図である。
図8及び図9に示すように、可変入賞装置330は、骨格を形成する本体部材331と、その本体部材331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、その移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド333と、そのソレノイド333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、を主に備える。
本体部材331は、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aと、特定入賞口65aに入球した球が流下される下方通路331bと、その下方通路331bの下方に配設され上方へ向けて光を照射する光照射装置331cと、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部331dと、を主に備える。
異形貫通孔331aは、図10(a)及び図10(b)に図示されるように、移動上蓋部材332の形状に沿って形成される貫通孔であって、前側板部332aを収容する前方開口部331a1と、後側板部332bを収容する後方開口部331a2と、を主に備える。
前方開口部331a1は、正面視において下辺が水平に延設され、上辺が中心へ向かうにつれて上昇傾斜されると共に左右の側辺は上下に延設される五角形状に形成される窪みである。
後方開口部331a2は、前方開口部331a1の背面側中央部から、前方開口部331a1の左右部分を切り落とした形状で穿設される開口である。即ち、後方開口部331a2の下辺および上辺の外形と、前方開口部331a1の下辺および上辺の外形とは前後方向で段が形成されるものではなく、面位置で形成される。これにより、移動上蓋部材332をスムーズに案内することができる。
下方通路331bは、球が通過可能に左右一対で形成されると共に(図13(a)参照)、内レール61の下縁よりも下方へ張り出して形成される通路であって、その奥に球の通過を検出するセンサSが配設される(図10(b)参照)。
光照射装置331cは、下方通路331bや板状部332a1等を光で照らして演出する装置であって、内レール61の下方(受け入れ開口60aの下部)に配設される。これにより、光照射装置331cに必要な装置等を内レール61の下方に配設することができるので、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
なお、光照射装置331cは、光を照射する光照射部331c1を備える。その光照射部331c1は、下方通路331bの真下に左右一対で形成され、上方に光を照射する。
背面側収容部331dは、後方開口部331a2を挟んで前方開口部331a1と連通されている。
移動上蓋部材332は、光透過性の樹脂材料から形成される長尺部材であって、前方開口部331a1に収容される前側板部332aと、後方開口部331a2に収容される後側板部332bと、前側板部332a及び後側板部332bの中心軸に沿って下方へ突設される中心リブ332cと、後側板部332bの背面側端部に上下方向に穿設される連結孔332dと、を主に備える。
なお、移動上蓋部材332を非透過性の樹脂材料から形成するようにしても良い。この場合、移動上蓋部材332の上方から特定入賞口65aを視認する遊技者にとっての、特定入賞口65aへの遊技球の流下の見えやすさを、移動上蓋部材332の状態(開状態か、閉状態か)によって、大きく変化させることができる。換言すれば、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)である場合に比較して、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)である場合の方が、移動上蓋部材332の下流へ流下する遊技球の視認性を向上させることができる。
前側板部332aは、前方開口部331a1の上辺の形状に沿って左右方向中央部へ向けて上昇傾斜する態様で形成される板状部332a1と、その板状部332a1の上下方向に穿設される肉抜き孔332a2と、板状部332a1の左右方向端部において下方へ向けて張り出され前後方向へ向けて延設される案内リブ332a3と、を主に備える。
板状部332a1は、下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されると共に(図11参照)左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成される前側傾斜側面332a1fを備える。前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されることにより、球が前板部材320と前側傾斜側面332a1fとに挟まれた場合に球を中央側へ流すことができ、球により移動上蓋部材332のスライド動作が妨害されることを防止できる。
なお、前側傾斜側面332a1fは後述するように光を反射させる部分として形成されるので、光を効果的に反射させるために、前側傾斜側面332a1fに金属膜を形成するようにしたり、鏡面加工したりしても良い。本実施形態では、光を反射するテープが貼付けられる。
案内リブ332a3は、組立状態(図10参照)において、前方開口部331a1の左右側側面に沿って形成され、前方開口部331a1の下側側面と摺動する。これにより、移動上蓋部材332のスライド移動時の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
中心リブ332cは、板形状が屈曲されて形成される前側板部332aの屈曲部に形成される。これにより、前側板部332aの剛性を向上させることができる。また、移動上蓋部材332が前方へスライド移動される場合(可変入賞装置330の移動上蓋部材332が張出状態とされる場合)に、開口上側部313の背面側に留められる(図11(b)参照)。これにより、中心リブ332cと球とが衝突して移動上蓋部材332が動作不良を起こすことを防止することができる。
連結孔332dは、レバー部材334bの連結部334b4が挿通され、レバー部材334bの揺動による変位が移動上蓋部材332に伝達される貫通孔である(図11参照)。
ソレノイド333は、駆動源となる本体部333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において上下に移動される鉤形の鉤形部材333bと、を主に備える。
後蓋部材334は、板状の本体部334aと、その本体部334aに揺動可能に軸支され先端が前後方向に移動可能に形成されるレバー部材334bと、を主に備える。
レバー部材334bは、上下方向に延設される本体部334b1と、その本体部334b1の下端部において左右両方向に円柱状に突設され本体部334aに軸支される一対の軸部334b2と、その一対の軸部334b2の略中間位置において本体部334b1の下方に延設され本体部334b1との間に鉤形部材333bを収容可能に形成される下爪部334b3と、本体部334b1の上端部において円柱状に膨出形成される連結部334b4と、を主に備える。
次いで、図11を参照して、移動上蓋部材332のスライド移動について説明する。図11(a)は、図10(b)のXIa−XIa線における可変入賞装置330の断面図であり、図11(b)は、図11(a)の状態から移動上蓋部材332をスライド移動させた後の可変入賞装置330の断面図である。なお、図11(a)では、移動上蓋部材332が後方配置される退避状態が図示され、図11(b)では、移動上蓋部材332が前方配置される張出状態が図示されると共に、光の経路E1について理解を容易にするために、中心リブ332cの図示が一部省略される。また、図11(a)及び図11(b)では、組立状態(図2参照)における内レール61及び前板部材320が仮想的に想像線で図示される。
図11(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合、鉤形部材333bは上方へ配置され、レバー部材334bが後ろ倒れされる。この状態では、球は可変入賞装置330の前方を流下可能であり、即ち、球は特定入賞口65a(図5及び図12参照)に入賞可能(開放状態)とされる。
一方、図11(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合、鉤形部材333bが下方へ押し付けられることでレバー部材334bが軸部334b2を中心に前倒れされ背面側収容部331dの側面に当接されると共に移動上蓋部材332が正面側へスライド移動される。この状態では、球は特定入賞口65a(図5及び図12参照)に入賞不可能(閉鎖状態)とされる。
この場合、鉤形部材333bの下方端部の背面側側面がレバー部材334bの下爪部334b3の端部と前後方向で当接されることで、レバー部材334bの揺動が機械的に規制される(下爪部334b3の移動方向に鉤形部材333bが配置されると共に下爪部334b3の移動方向と鉤形部材333bの移動方向とが直交する)。従って、ソレノイド333の駆動力によってレバー部材334bの揺動を停止させる場合に比較して、ソレノイド333の駆動力を抑制できる。
ここで、図11を参照して、光照射装置331cから照射された光の経路について説明する。
図11(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされる場合、光照射部331c1から上方に照射された光は経路E1に沿って板状部332a1の前側傾斜側面332a1fに到達する。このとき、前側傾斜側面332a1fが下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されるので、下方から照射され前側傾斜側面332a1fに到達した光は前方(遊技者側)へ向けて反射される。この場合、移動上蓋部材332の前側傾斜側面332a1fが発光しているかのように遊技者に視認させることができる。また、前側傾斜側面332a1fで反射した光が前板部材320の投光範囲E0に投光されることから、前板部材320に注目させることができる。これにより、移動上蓋部材332及び前板部材320の演出能力を向上させることができる。
ここで、移動上蓋部材332にLED等を配設して移動上蓋部材332を発光させる場合、移動上蓋部材332が大型化する恐れがある。一方、本実施形態では、移動上蓋部材332にLEDを配設することはしないので、移動上蓋部材332が大型化することを抑制しながら、移動上蓋部材332の演出部分としての能力を向上させることができる。
図11(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合、光照射部331c1から上方に経路E2に沿って照射され、前側傾斜側面332a1fに向かう光は、内レール61に遮蔽されることで板状部332a1の前側傾斜側面332a1fには到達しない。この場合、光照射部331c1から経路E1に沿って照射された光が、前側板部332aの板状部332a1の中間位置に到達し、そのまま透過するのみなので、前側傾斜側面332a1f及び前板部材320が遊技者に暗く視認される。
即ち、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかにより、前側傾斜側面332a1fに光照射部331c1から照射される光が到達するか否かが変化すると共に、前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるかが変化する。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの状態を確認することで、特定入賞口65aに球を入賞可能か否か確認することができる。
従って、本実施形態のように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動するために、移動上蓋部材332の状態の変化が正面視で把握しづらい場合でも(図12(a)及び図12(b)参照)、投光範囲E0の明るさの変化により特定入賞口65aに球を入賞可能か否か容易に確認することができる。
ここで、移動上蓋部材332は、球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成するために必要な動作(前後スライド移動)のみにより、投光範囲E0の明るさの状態を変化させている。換言すれば、遊技を継続するために移動上蓋部材332に必要とされる動作のみにより投光範囲E0の状態を変化させるので、追加の機構が必要とならない。即ち、移動上蓋部材332を、球の特定入賞口65aへの通過の可否を切り替える目的と、光照射部331c1から照射される光により演出を行う目的とで兼用することができる。
なお、球が下方通路331bを通過する際に経路E1を横切ることで、光照射部331cから照射された光を球で反射させて演出を行っても良い。この場合、正面視で内レール61付近(図11(a)及び図12(b)の投光範囲E0の下方)を明るく照らすことができる。
図12を参照して、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合と、退避状態を形成する場合との球の流下について説明する。図12(a)及び図12(b)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図12(a)では、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合(図11(b)参照)が図示され、図12(b)では、移動上蓋部材332が退避状態(図11(a)参照)を形成する場合が図示され、図12(a)及び図12(b)において、前板部材320の本体板部321が想像線で図示される。なお、図12(a)及び図12(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図12(a)及び図12(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材320に当接しているか又は前板部材320との間で球の通過を遮る程に前板部材320に近接している部分である。
図12(a)に示す状態では、経路C2で落下する球は移動上蓋部材332の上側面に沿って流下され、アウト口314に排出される。この場合、球の重みで移動上蓋部材332が下倒れする恐れがあり、それにより、移動上蓋部材332の左右端部が段部324aよりも下方へ移動されると、球をアウト口314へ排出できなくなり遊技に支障をきたす。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332は、異形貫通孔331aの正面側に張り出される長さの数倍の長さ(約4倍の長さ、図11(b)参照)で異形貫通孔331aに収容されると共に可変入賞装置330の前後方向に亘って異形貫通孔331aの側面と上下方向で当接可能に形成される。そのため、移動上蓋部材332と異形貫通孔331aとのクリアランスを小さくすることで、移動上蓋部材332に衝突される球の重みにより移動上蓋部材332が下倒れすることを抑制することができる。これにより、移動上蓋部材332の左右両端部を段部324aと面位置に形成することができ、特定入賞口65aへの道釘を下方へ下げることができるので、第3図柄表示装置81の下縁を下方へ下げることができる。
図12(b)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合において、球は、特定入賞口65aへ向けて流下することが可能となる。このとき、内レール61に沿って左右から経路C1で転動する球は段部324aに衝突し、アウト口314へ排出されるため、特定入賞口65aへ向けて上方から経路C2で落下する球が内レール61を転動し、特定入賞口65aに到達する。
ここで、本実施形態では、特定入賞口65aの左右端部の上下幅が球の直径以下に形成される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部における内レール61からの上下方向の距離が球の直径以下に形成される。そのため、段部324aの内レール61からの高さを低くすることができ、その段部324aから落下する球が到達するアウト口314の配置も低くすることができる。
また、この場合、球は特定入賞口65aの左右端部から入球することが困難となる(加えて、本実施形態では、ベース板60に球の入球が遮られる)。しかし、特定入賞口65aの下辺が内レール61に沿って形成されるので、特定入賞口65aの左右端部の正面側に流下した球は重力で内レール61に沿って遊技領域中央方向へ転動され、そこから特定入賞口65aへ入球する。なお、内レール61の下縁は後方に傾斜して形成されるので(図11参照)、球を特定入賞口65a(図12参照)にスムーズに入球させることができる。
これにより、特定入賞口65aの上辺を形成する移動上蓋部材332は、少なくとも遊技領域の中央付近(内レール61が最も下方に配置される付近)において球の直径以上に内レール61から上方に離間すれば良いので、移動上蓋部材332の配設位置を下方へ下げることができる。従って、内レール61の中央付近以外の位置において球の直径以上に内レール61から上方に離間する必要がある場合に比較して、可変入賞装置330の配設位置を下方に下げることができる。これにより、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
次いで、図13を参照して、球流しリブ311c,321aや球送り部325の機能及び前側傾斜側面332a1fにより光が集光されることについて説明する。図13(a)は、図12(b)のXIIIa−XIIIa線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図13(b)は、図12(a)のXIIIb−XIIIb線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図13(c)は、図13(b)から光照射部331c1の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニット300の断面図である。
なお、図13(a)では、球の転動経路が経路C1a,C1b,C2aで記載されると共に、退避状態とされた移動上蓋部材332が想像線で図示される。移動上蓋部材332は図13(a)の断面よりも手前側(図12(b)上側)にあり、実際は視認されるものではないが、説明の便宜のために、上下方向視(図13紙面垂直方向視)の位置が合致した状態で、図13(a)に想像線で図示される。また、図13(b)及び図13(c)では、下方通路331bを流下する球が仮想的に3個図示される。
左右方向から内レール61(図6参照)に沿って転動され、アウト口314へ排出される球の経路について説明する。図13(a)に示すように、左右方向から図13(a)中央へ向けて転動する球は、球流しリブ311c又は球流しリブ321aの少なくとも一方に当接する。即ち、前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動する球は、球流しリブ311cに当接し、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動する球は、球流しリブ321aに当接する。
ここで、球が球流しリブ311cに当接すると、経路C1aに沿った方向に球の速度方向が向き、次いで球流しリブ321aに当接する。そのため、球が前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動するか、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動するかに関わらず、転動する球を球長しリブ321aに当接させることができる。
内レール61(図6参照)に沿って転動する球を球流しリブ321aに当接させることで、球の速度方向を経路C1bに沿った方向に向けることができる。この場合、球がアウト口314の正面側に配置される前から球の速度を背面側(図13(a)上側)へ向けることができる。そのため、球がアウト口314の正面側に配置されてから球が遊技領域から排出されるまでの期間を短くすることができ、球がアウト口314の正面側に滞留することを抑制することができると共に、アウト口314の開口幅を抑制することができる。これにより、特定入賞口65a(図5参照)とアウト口314とが左右に並設される場合に、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下方へ下げることができる。
球が左右一対で並列される段部324aの間に落下する場合について説明する。この場合、段部324aの間に落下した球は左右方向中央へ向けて転動し、球が球送り部325の左右側側面325bに当接することで、球の速度方向が経路C2a(内レール61の上面を左右に流下する遊技球が球送り部325の左右側側面325bに衝突し、その遊技球の速度方向が下方通路331bへ向けた方向に切り替えられ、下方通路331bへ向けて流下する際に、その遊技球が通る経路)に沿って変化する。これにより、球が特定入賞口65a(図5参照)の正面側に滞留することを抑制することができるので、オーバー入賞を抑制することができる。
球が下方通路331bに沿って流下し、光照射部331c1から照射される光を横切る際には、その球が光を遮蔽することで、光は前側傾斜側面332a1fに到達しなくなる。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるか暗く視認されるかで球が特定入賞口65a(図12参照)に入賞したか否かを確認することができる。
これにより、本実施形態のように、特定入賞口65aの前に光透過性の樹脂材料から形成される前板部材320が配設され、特定入賞口65aの内側が視認し難い場合であっても、投光範囲E0の明るさの変化により球が特定入賞口65aに入球したことを確認することができる。そのため、特定入賞口65aに球が入球することを確認するために特定入賞口65aを斜め上から除き込む必要が無く、遊技者の負担を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光照射部331c1から照射される光の照射方向と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが、直角に近い角度で交差する(図13(b)参照)。そのため、球が光の進行方向に対向して流下する場合(図13(c)参照)や、球が光の照射方向に沿って流下する場合に比較して、特定入賞口65aに入球し下方通路331bを流下する球が光を遮蔽する期間を短くすることができる。換言すれば、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認される期間を長くすることができ、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の演出能力を確保することができる。
図13(b)に示すように、光の経路E1と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが直角に近い角度で交差する(横切る)場合、光の経路E1が球に遮られた後、球が下方通路331bの前端部(図13(b)右側)を通過する辺りで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下するとしても、1球ごとに経路E1を遮蔽することになるので、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの変化を確認することにより、特定入賞口65aに入球した球の個数を確認することができる。
一方、図13(c)に示すように、光の経路E3と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが平行に近い関係である場合、光の経路E3が球に遮られた後、球が下方通路331bの後端部(図13(c)左側、センサS付近)に到達し下方へ落下することで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。即ち、それまでは光の経路E3は球に遮られたままとなる。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下すると、下方通路331bに球が配置される限り、一つ目の球(図13(c)の左側の球)に光の経路E3が遮られる。更に、一つ目の球が下方通路331bの後端部(図13(c)左側)から下方へ落下した後は二つ目の球(図13(c)の右側の球)に光の経路E3が遮られる。その上、二つ目の球が下方通路331bの後端部から落下する際に、次の球(3つ目の球)が下方通路331bに入球する場合には、その球に光の経路E3が遮られる。このように、球が光の経路E3を遮蔽し続けることとなり、球が下方通路331bを流下している間は常に暗く視認される。即ち、光が明るく視認されるか暗く視認されるかが変化した回数と、特定入賞口65aに入球した球の個数とが必ずしも一致せず、特定入賞口65aに入球した球の個数の確認が困難となる。これに対して、本実施形態は、上述した優位性を備える。
図13(a)に示すように、前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されるので、左右一対の光照射部331c1から照射された光が前側傾斜側面332a1fで反射されることで、経路E1に沿って前板部材320の中央へ集光され、投光範囲E0(図12(b)参照)に到達する。
ここで、本実施形態では、移動上蓋部材332の正面側に前板部材320が配設されるので、特定入賞口65aを隠すことができる一方、前側傾斜側面332a1fを前板部材320越しに視認することになり、前側傾斜側面332a1fの明るさの変化を把握し難い恐れがある。その場合、光照射部331c1に用いるLED等の発光素子の光の強度を上げる必要があり、光照射部331c1に用いることができる発光素子が限定されるという問題点があった。
これに対し、前側傾斜側面332a1fが、光照射部331c1から照射された光を前板部材320の中央へ集光させるので、一対の光照射部331c1から照射される光のそれぞれを重ね合わせて、投光範囲E0で視認される光の強度を向上させることができる。従って、光照射部331c1に用いることができる発光素子の選択自由度を向上させることができる(光の強度が弱い発光素子を選択することが可能となる)。
また、一対の光照射部331c1から照射された光は、正面視で部分的に重なって視認されるので(図12(b)参照)、光の色を互いに異ならせることで、一対の光照射部331c1からそれぞれ照射される光の色と、それらが合成された色との計3色の光を投光範囲E0(図12(b)参照)で視認させることができる。
ここで、一対の光照射部331c1のそれぞれから照射される光は、それぞれ単独で経路C2aに沿って転動する球に遮蔽されるので(図13参照)、球が光を遮蔽するタイミングで、投光範囲E0で視認される光の色を様々に切り替えることができる。
例えば、図13において、右側の光照射部331c1からは「青」色の光を照射し、左側の光照射部331c1からは「赤」色の光を照射する場合を考える。この場合、移動上蓋部材332が退避状態となると、投光範囲E0(図12(b)参照)に、右側から「青」、「紫(重なっている部分)」、「赤」という順で光が視認される。
この場合に、球が図13右側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「青」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「赤」色の光のみが視認される。
一方、球が図13左側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「赤」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「青」色の光のみが視認される。
このように、球がどの経路で転動し、どの光照射部331c1からの光を遮蔽するかにより、投光範囲E0で視認される光の態様を変化させることができる。この光の態様の変化は、釘などに衝突しながら遊技領域をランダムな経路で流下する球により生じるので、光の態様の変化をランダムなタイミングで生じさせることができる。即ち、光照射部331c1から照射される光の態様の変化を電子制御により生じさせる場合に比較して、よりランダム性に富んだ演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、前側傾斜側面332a1fが上面視くの字形状に形成されたが、光を集光させるという観点から、上面視で放物線状に形成するようにしても良い。
図14を参照して、第1実施形態におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図14(a)は、第1実施形態における主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図14(b)は、第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図14(c)は、第2当たり乱数カウンタC5と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図14(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタC5の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC5の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「20〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で10ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜79」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「80〜89」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、大当たりAの場合と同様に、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「90〜99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1200個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、8割の確率で大当たりa(最大の払い出しの大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図14(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図14(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図14(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC5の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
次いで、図15から図28を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が流下する流路の内部形状が不変とされる場合を説明したが、第2実施形態における盤面下部ユニット2300は、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が流下する流路の内部において動作する可動演出部材2360を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15及び図16は、第2実施形態における遊技盤13及び盤面下部ユニット2300の正面分解斜視図であり、図17は、遊技盤13及び盤面下部ユニット2300の背面分解斜視図である。
なお、図15では、前板部材2320のみが遊技盤13から分解された状態が図示され、図16及び図17では、図15から更に盤面下部ユニット2300の前側ユニット310及び可変入賞装置2330が遊技盤13から分解された状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は、センターフレーム86(図2参照)や左右下部において流下面を形成するブロック部材が省略されることで開口部として図示される等、ベース板60のみを残す状態で簡略化して図示される。
図15に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332(図16参照)で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図16及び図17に示すように、盤面下部ユニット2300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65a(図15参照)とを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材2320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置2330と、を主に備える。
前側ユニット310は、前板部材2320及び可変入賞装置2330の設計変更に対応して細かな設計変更がされているものの、第1実施形態で上述した構成を維持している。各構成の特徴部分は同様なので、第1実施形態と同様の符号を付して、説明を省略する。
なお、細かな設計変更について説明すると、本実施形態では、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)は、遊技球の直径以上に設定される。
また、アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右上隅部に対して、第1実施形態と同様にアウト口314の下辺が下方に配置されることは変わらない一方、第1実施形態と異なり、アウト口314の上辺が下方に配置される。
前板部材2320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、第1実施形態で上述した本体板部321と、第1入賞口前部322と、電動役物下支え部323と、球送り部325と、を備え、第1実施形態との差異点として、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板2324を備える。
アウト口下板2324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板2324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部2324aを備える。アウト口下板2324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板2324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ速やかに排出することができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板2324の真上に形成される(図27参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板2324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板2324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板2324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板2324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板2324の耐久性を向上させることができる。
段部2324aは、第1実施形態の段部324aに比較して上下幅が長くされ(遊技球の直径以上とされ)、アウト口314と特定入賞口65a(図15参照)との間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板2324の上側側面を流下する球は、段部2324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図27参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板2324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
次いで、図18から図20を参照して、可変入賞装置2330について説明する。図18は、可変入賞装置2330の正面分解斜視図であり、図19は、可変入賞装置2330の背面分解斜視図であり、図20(a)は、可変入賞装置2330の上面図であり、図20(b)は可変入賞装置2330の正面図であり、図20(c)は、図20(b)の矢印XXc方向視における可変入賞装置2330の側面図である。なお、図18から図20では、可動演出部材2360の傾倒状態が図示される。
図18から図20に示すように、可変入賞装置2330は、骨格を形成する本体部材2331と、その本体部材2331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、少なくとも移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド2333と、そのソレノイド2333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材2331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、ソレノイド2333の鉤形部材333bと一体形成される爪部2333cが上下動作することに伴い上下動作する第1伝達部材2340と、その第1伝達部材2340と連動する第2伝達部材2350と、本体部材2331の前端部に軸支され、第2伝達部材2350から与えられる負荷により姿勢変化する可動演出部材2360と、を主に備える。
本体部材2331は、センサSを通過した遊技球が流下する流路の正面部を構成する本体前部2331Fと、センサSを通過した遊技球が流下する流路の左右側部および背面部を構成する本体後部2331Bと、を備える。なお、本実施形態では、第1実施形態で上述した光照射装置331c(図8参照)の図示が省略される。
本体前部2331Fは、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aの前方開口部331a1と、特定入賞口65a(図15参照)に入球した球が流下する下方通路331bと、を備える。
更に、図18に示すように、本体前部2331Fは、下方通路331bの上端から左右外方向に板状に延設される延設床部2331eと、その延設床部2331eの延設端から上方へ延設される延設壁部2331fと、その延設壁部2331fの左右外側において、延設壁部2331fの前端よりも正面側に前端が配置される左右一対の支持壁部2331gと、その一対の支持壁部2331gの内側面に正面側から背面側へ凹設され可動演出部材2360を軸支可能に構成される凹設支持部2331hと、を主に備える。
延設床部2331eは、前端部が可動演出部材2360よりも下方に配置され(図20(b)参照)、左右方向において下方通路331b側へ下降傾斜して構成される。そのため、傾倒状態の可動演出部材2360の上面を転動して延設床部2331eに遊技球が乗った場合、その遊技球を延設床部2331eの傾斜に沿って下方通路331b側へ転動させることができる。
延設壁部2331fは、支持壁部2331gとの間に若干の隙間を有して配設される。この隙間は、後述する可動演出部材2360の摺動部2363が入り込むことができる大きさとされ、摺動部2363が隙間に入り込んでいる間の可動演出部材2360の姿勢ずれを抑制するためのものである。即ち、可動演出部材2360の姿勢ずれを、延設壁部2331fにより抑制することができる。
また、図19に示すように、本体前部2331Fは、左側面を構成する壁部の内面Insから第1伝達部材2340の左右幅よりも若干長い距離だけ離れた位置において上下に板状に延設される第1伝達支持部2331iと、背面側端部において、第2伝達部材2350を傾倒(回転)可能に軸支する態様で正面側へ凹設される一対の第2伝達支持部2331jとを備える。
第1伝達支持部2331iは、壁部の内面Insとの間に配置される第1伝達部材2340の移動をガイドする(移動方向を規制する)部分として機能する。即ち、第1伝達支持部2331iは内面Insとの間に第1伝達部材2340の左右幅方向よりも若干長い距離を置いて配設される。これにより、第1伝達部材2340は、左右方向への移動を規制され、上下方向の移動を許容される。
第2伝達支持部2331jは、第2伝達部材2350の後端部(一端部)に形成される被軸支突出部2352を軸支する部分である。そのため、第2伝達部材2350の前端部(他端部)は第2伝達支持部2331jよりも前方に配置される。
本体後部2331Bは、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aの後方開口部331a2と、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド2333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部2331dと、を主に備える。
背面側収容部2331dは、ソレノイド2333の爪部2333cを内部に配置可能な形状から形成される(左方へ膨出した形状とされる)。
また、図18及び図19に示すように、本体後部2331Bは、ソレノイド2333の爪部2333cの左右幅よりも若干幅広の左右幅で前後方向に穿設され、爪部2333cの上下移動をガイド可能に上下方向に延設される長孔部2331sと、その長孔部2331sの上方において前側面から背面側へ凹設される凹設部2331tと、を備える。
凹設部2331tは、組立状態において第2伝達支持部2331jと前後で対向配置され、第2伝達部材2350の後端部(一端部)に形成される基端円柱部2351の半径よりも若干大きな曲率半径(被軸支突出部2352の中心軸を中心とした円弧形状)で凹設される。
これにより、本体後部2331Bの前側面で第2伝達支持部2331jに蓋をすることで形成される軸孔部分に第2伝達部材2350を軸支する場合に、第2伝達部材2350の後端部(一端部)の基端円柱部2351と凹設部2331tとを、所定角度において等距離離間した状態で維持することができる。
この場合、例えば、第2伝達部材2350が回転する場合に、その回転軸がずれ、第2伝達部材2350の後端部(一端部)が凹設部2331tに対して擦れる場合に、点ではなく、面で接触して擦れるようにすることができるので、第2伝達部材2350の摩耗を遅らせたり、第2伝達部材2350の破損を抑制したりすることができる。
ソレノイド2333は、電流を流すことにより上向きの駆動力を発生する本体部2333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において普段は付勢バネで下端位置に配置され、本体部333aの駆動力により上端位置まで上昇する鉤形の鉤形部材333bと、その鉤形部材333bが本体部2333aと連結される基端部(上部)から左方へ延設され、その後で前方へ延設される屈曲棒状の爪部2333cと、を主に備える。
爪部2333cは、先端部が前方へ向かう程に先細りする形状から構成され、組立状態(例えば、図20参照)において、長孔部2331sに背面側から挿通されている。そして、長孔部2331sの前側に張り出す先端部が第1伝達部材2340の被差し込み部2343に背面側から差し込まれる。爪部2333cが先細りの形状とされることから、容易に差し込むことができる。
第1伝達部材2340は、組立状態(例えば、図20参照)において、内面Insと第1伝達支持部2331iとの間に収容される部材であって、左側面を形成する板状部2341と、その板状部2341の中間部からブロック状に右方に張り出す張出部2342と、その張出部2342の後側面に前面側へ向けて凹設される被差し込み部2343と、張出部2342の前側面と面位置の面および左側面と面位置の面を有する板形状となるように下方へ延設される下延設板部2344と、板状部2341の上部右側面から左方へ円柱形状で突出される突出部2345と、を主に備える。
板状部2341の右側面から、張出部2342や下延設板部2344の左端までの長さは、内面Insから第1伝達支持部2331iの右側面までの距離よりも若干短くされる。
板状部2341は、上下方向に長い長尺板状の本体部2341aと、その本体部2341aの上部において同じ厚みで前側に張り出す上前張出部2341bと、本体部2341aの下部において同じ厚みで後側に張り出す下後張出部2341cとを備える。
被差し込み部2343は、ソレノイド2333の爪部2333cが差し込まれる凹部であって、凹設幅(上下、左右)および凹設深さが、ソレノイド2333の爪部2333cを差し込み可能な形状から形成される。即ち、爪部2333cを被差し込み部2343に嵌合可能な形状から形成される。なお、上述したように、爪部2333cが先細りの形状(テーパ形状)とされるので、被差し込み部2343に爪部2333cを差し込み易い。
突出部2345が第2伝達部材2350に挿通されることで、第1伝達部材2340と第2伝達部材2350とは連結される。ここで、連結とは、構造的につながれることのみを指すものでは無く、動作的な連結(追従動作、同期動作など)をも指すものである。即ち、第2伝達部材2350は、第1伝達部材2340が上下動作することに伴い回動する。
第2伝達部材2350は、本体前部2331Fの第2伝達支持部2331jに回転可能に支持される部材であって、後端部において左右方向の軸を持つ円柱形状の基端円柱部2351と、その基端円柱部2351に対して同軸小径の円柱状で左右方向に突出される一対の被軸支突出部2352と、基端円柱部2351の左端に沿って前方へ向けて棒状に延設される延設棒状部2353と、その延設棒状部2353の中間部において延設棒状部2353の長手方向に沿って長尺の長孔形状で左右方向に穿設される被挿通孔2354とを主に備える。
基端円柱部2351の軸方向(左右方向)長さは、第2伝達支持部2331j同士の間隔(左右間隔)よりも若干短くされる。
被軸支突出部2352の突出長さは、第2伝達支持部2331jの厚みと同等とされ、被軸支突出部2352の直径は、第2伝達支持部2331jの凹設幅(上下幅)よりも若干短くされる。
従って、被軸支突出部2352が第2伝達支持部2331jに支持された状態で、基端円柱部2351の軸方向(左右方向)の位置ずれを、第2伝達支持部2331jの形成される板部によって規制することができる。
延設棒状部2353の左右幅は、内面Insと第1伝達支持部2331iとの間の距離から板状部2341の厚さを引いた長さよりも若干短くされる。従って、延設棒状部2353は、第1伝達部材2340の板状部2341とは干渉しない位置に配置されるので、互いに動作を妨害することなく、連動することができる。
被挿通孔2354は、突出部2345が挿通される長孔であって、短手方向の幅が、突出部2345の直径よりも若干大きく設計される。
可動演出部材2360は、本体前部2331Fに傾倒(回転)可能に支持され、傾倒状態と起立状態との間(それぞれ、回動の終端位置に配置される状態)を回動する板状の部材であって、薄板状の本体板部2361と、その本体板部2361の下端部から左右方向に円柱状に突出される一対の支持軸部2362と、本体板部2361の右端に沿って上方へ向けて支持軸部2362中心の略扇状に形成される摺動部2363と、その摺動部2363の支持軸部2362を挟んだ反対側に支持軸部2362中心の略扇状に左右一対で形成される伝達部2364と、本体板部2361の中央位置下端部において上端側へ向けて凹設される凹設部2365と、を主に備える。
支持軸部2362は、凹設支持部2331hに回転可能に内嵌される部分として構成され、本体板部2361は、支持軸部2362の間に亘って形成される。そのため、移動上蓋部材332と同様に、遊技球が特定入賞口65aを通過する左右位置に関わらず、遊技球と本体板部2361とは干渉(衝突)し得るものとして構成される。
なお、支持軸部2362が凹設支持部2331hに嵌め込まれた後、凹設支持部2331hには正面側から板状部材cpにより蓋がされる。
摺動部2363は、支持軸部2362中心で本体板部2361の前後幅を半径とする略円弧形状の前側部を有する、延設壁部2331fと支持壁部2331gとの間の隙間よりも若干短い厚みの略扇状の板状部分である。
正面視右側に配置される伝達部2364は、第2伝達部材2350から駆動力を伝達される部分である。
正面視左側に配置される伝達部2364は、可動演出部材2360の傾倒状態において延設床部2331eの裏面(下面)と当接し、可動演出部材2360の移動範囲の下限を規定するストッパとして機能する部分である。
伝達部2364の上側面の形状は、可動演出部材2360の動作角度に対応するものであるが、詳細は後述する。
凹設部2365は、可動演出部材2360の起立状態において内レール61(図15参照)との間で遊技球が通過可能となる凹設深さで形成される(図25(a)参照)。詳細には、下方通路331bの左右幅と同様の凹設幅とされ、本体板部2361の短手方向に沿って遊技球の直径と同程度の凹設深さから形成される。凹設部2365を形成することにより、可動演出部材2360の軸支位置を更に下方に配置することができる。
本実施形態では、可動演出部材2360の回転軸と、内レール61との間の間隔が遊技球の直径未満となる位置に可変入賞装置2330が配置される。そのため、可動演出部材2360の正面側に遊技球が入り込んだ場合に、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が詰まることで、遊技に支障をきたす可能性があった。これに対し、本実施形態では、可動演出部材2360が凹設部2365を備えているので、可動演出部材2360の正面側に遊技球が入り込んだ場合であっても、その遊技球を凹設部2365と内レール61との間を通して流すことができる。
これにより、遊技球が可動演出部材2360と内レール61との間に詰まることを防止しながら、可変入賞装置2330の配置を下方に下げることができる。
なお、可動演出部材2360を傾倒状態に維持する力は自重のみであるので、可動演出部材2360と内レール61との間に入った遊技球が、負荷により流下を妨げられる可能性を低減することができる。
凹設部2365の凹設幅は、遊技領域からの遊技球の落下が生じ得ない範囲、即ち、電動役物下支え部323(図16参照)の左右幅よりも内側に形成される。即ち、可動演出部材2360の傾倒状態である場合に移動上蓋部材332から落下した遊技球は、専ら、可動演出部材2360の上面に落下する。
図21を参照して、可動演出部材2360の上面に落下した遊技球の流下態様について説明する。図21は、図20(b)のXXI−XXI線における可変入賞装置2330の断面図である。なお、図21では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材2360の傾倒状態が図示される。
図21では、張出状態の移動上蓋部材332の上面に遊技球が乗った状態から移動上蓋部材332が退避状態へ向けて動作することにより、移動上蓋部材332の上面から落下した遊技球の流下態様の一例と、張出状態の移動上蓋部材332の外形とが想像線で図示される。
図21に示すように、遊技球が可動演出部材2360の上面で跳ねた後、その遊技球の少なくとも一部が異形貫通孔331aの下底面よりも上方に到達できる箇所を形成可能となるように、可動演出部材2360の配置や材質(主に反発係数)が設定される。
これにより、移動上蓋部材332から落下した遊技球の動きを激しくすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
また、跳ね返らずに遊技球が流下する場合に比較して、遊技球が移動上蓋部材332から落下してからセンサSを通過するまでに要する時間を長くすることができるので、所謂オーバー入賞を生じやすくすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ駆動されてから、移動上蓋部材332の上面に乗っていた遊技球が可動演出部材2360の上面で跳ねた後で最上昇位置に到達するまでに、0.2秒以上(約0.4秒)経過するように、可動演出部材2360の配置が設計される。これにより、遊技者が、移動上蓋部材332の上方から移動上蓋部材332の下側を覗く矢印I1の方向視において遊技球を視認可能な期間(遊技球が移動上蓋部材332の真下に配置され、見えなくなるまでの期間)を長くすることができるので、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球を遊技者が矢印I1の方向視で見逃す可能性を低くすることができる。
これにより、矢印I1の方向視のままの遊技で、移動上蓋部材332の正面側を通過しセンサSへ流下する遊技球の個数を把握し易くできることから、移動上蓋部材332が閉状態となるタイミングを予想し易くすることができる。この場合、例えば、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に遊技球が移動上蓋部材332に到達することを避けるために適時遊技球の発射を止める遊技態様において、遊技球の発射を止めるタイミングを計りやすくすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面から落下する遊技球が着地する位置に可動演出部材2360の本体板部2361が配置され、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)へ向けて移動することに伴い可動演出部材2360が起立状態へ向けて回転するので、遊技球の着地点が上方へ向けて移動する。これにより、移動上蓋部材332と、遊技球の着地点との間の距離が短縮される。
換言すれば、移動上蓋部材332の変位が略水平方向へのスライド変位であることに対して、可動演出部材2360の変位が略水平方向を向く回転軸を中心とした回転変位であるので、可動演出部材2360の状態(姿勢)により、移動上蓋部材332との間の距離が変化する。本実施形態では、その変化が、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)へ向けて移動することに伴い距離が短縮される方向へ向かう。
これにより、移動上蓋部材332から落下した遊技球の、その後の流下態様のバリエーションを増やすことができる。即ち、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される間に可動演出部材2360に着地する遊技球の流下軌跡に加え、可動演出部材2360が起立状態へ向けて変位する間に可動演出部材2360の上面に着地する遊技球または可動演出部材2360の上面に滞在していた遊技球の流下軌跡で遊技球を流下させることができる。なお、後者の場合、遊技球は、可動演出部材2360から後側上向きの負荷を与えられるので、遊技球の動きが激しくなる。
次いで、図22から図25を参照して、可変入賞装置2330の開閉動作について説明する。図22(a)、図23(a)、図24(a)及び図25(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置2330の断面図であり、図22(b)、図23(b)、図24(b)及び図25(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置2330の断面図である。
なお、図22から図25では、鉤形部材333b及び爪部2333cが下降する様子が時系列で図示され、図22(a)及び図22(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cが最上端位置に配置され移動上蓋部材332が退避状態とされた様子が図示され、図23(a)及び図23(b)では、図22に示す状態からソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、鉤形部材333b及び爪部2333cが若干下降し、移動上蓋部材332が閉鎖基準状態とされた様子が図示され、図24(a)及び図24(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cがさらに下降し移動上蓋部材332が張出状態とされた様子が図示され、図25(a)及び図25(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cがさらに下降し可動演出部材2360が起立状態とされた様子が図示される。
まず、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360の動作タイミングのずれについて説明する。図22(a)及び図22(b)に示す状態はソレノイド2333が励磁された状態である。
図22(a)及び図22(b)に示す状態からソレノイド2333の励磁(駆動)を解除すると、鉤形部材333b及び爪部2333cは、図23(a)及び図23(b)に示す状態までソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降する。この時、レバー部材334bが回動することに伴い移動上蓋部材332が正面側へスライド移動する一方、可動演出部材2360は傾倒状態を維持する(第2伝達部材2350の延設棒状部2353から可動演出部材2360の伝達部2364へ負荷は与えられない)。
即ち、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除した後、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360は同時に動作開始するのではなく、移動上蓋部材332の方が、可動演出部材2360よりも先に張出状態へ向けて動作を開始する。
本実施形態では、図23に示す移動上蓋部材332の閉鎖基準状態において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間隔が遊技球の直径未満に構成される。即ち、図23に示す状態まで移動上蓋部材332が閉じる方向に変位することにより、移動上蓋部材332は遊技球のセンサSへの通過を規制することができる。
ここで、図22の状態から図23の状態までは、第2伝達部材2350が可動演出部材2360と当接することは無く、第2伝達部材2350は可動演出部材2360から反力を与えられることは無い。そのため、第2伝達部材2350及び第1伝達部材2340の自重を、爪部2333cを介してそのまま鉤形部材333bにかけることができる。
これにより、鉤形部材333bの下降に係る負荷を増大させることができ、レバー部材334bの傾倒動作を、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除したら即座に開始させることができるので、移動上蓋部材332を即座に閉鎖基準状態および張出状態へと移動開始させることができる。
加えて、動作開始時から可動演出部材2360が第2伝達部材2350から負荷を与えられる場合に比較して、慣性に打ち勝つ必要から過大な駆動力が要求されやすい動作開始時に、必要とされる駆動力を小さくすることができる。
なお、図22(a)及び図22(b)に示す状態は、遊技球が可動演出部材2360の上面に落下可能な状態であるので、遊技球が可動演出部材2360に衝突した際の衝撃で可動演出部材2360が跳ね上がる場合がある。この場合において、本実施形態では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の動作軌跡内に張り出して配置されているので、可動演出部材2360は、跳ね上がり動作中に延設棒状部2353に衝突する。
これにより、可動演出部材2360は延設棒状部2353から反作用の力を受け、早期に傾倒状態へ復帰する。従って、可動演出部材2360を傾倒状態で維持し易くすることができる。一方、可動演出部材2360の跳ね上がりにより延設棒状部2353へ可動演出部材2360から負荷が与えられる方向は、形状から、延設棒状部2353を後回転させる向きとされる。そのため、可動演出部材2360との衝突により延設棒状部2353が前倒れすることを回避することができる。
図23(a)及び図23(b)に示す状態は、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cの下降途中において、延設棒状部2353と可動演出部材2360の伝達部2364とが当接し始める状態である。
図23(a)及び図23(b)に示す状態から図24(a)及び図24(b)に示す状態へ向けて鉤形部材333b及び爪部2333cがソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降することに伴い、延設棒状部2353の延設先端が可動演出部材2360の伝達部2364の上面を押し下げながら下降する。その下降の度合いに対応して、可動演出部材2360が傾倒状態(図23(a)及び図23(b)参照)から起立状態(図25(a)及び図25(b)参照)へ向けて回動する。
上述したように、図23(a)に示す移動上蓋部材332の閉鎖基準状態では移動上蓋部材332によりセンサSへ向けた遊技球の流下が既に規制されている。即ち、可動演出部材2360の動作により移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球の流下が妨げられることを防止することができる。例えば、可動演出部材2360の動作により一度移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が跳ね返ることで移動上蓋部材332の上方へ戻ることを防止することができる。
なお、遊技球を移動上蓋部材332の上方へ戻る作用を望む場合には、可動演出部材2360を移動上蓋部材332が閉鎖基準状態になる前に起立状態へ向けて変位させるようにしても良い。この場合、特定入賞口65aに入球する遊技球が過多となることを防止することができる。
また、可動演出部材2360の回動と連動して、移動上蓋部材332が正面側へスライド移動し、図24(a)に示すように、張出状態まで到達する。
図24(a)及び図24(b)に示す状態から図25(a)及び図25(b)に示す状態へ向けて鉤形部材333b及び爪部2333cがソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降することに伴い、延設棒状部2353の延設先端が可動演出部材2360の伝達部2364の上面を押し下げながら下降する。その下降の度合いに対応して、可動演出部材2360が起立状態(図25(a)及び図25(b)参照)へ向けて回動する。
なお、図24(a)及び図24(b)では、鉤形部材333bの後端面は、レバー部材334bの下爪部334b3に対して下爪部334b3の回転方向で当接可能となる範囲の上端位置において下爪部334b3と当接され、図24(a)及び図24(b)に示す状態から図25(a)及び図25(b)に示す状態となるまで、鉤形部材333bの後端面が下爪部334b3の前端面(図24(a)及び図25(a)に示す状態において、前後方向に垂直な平面)と当接し続ける。
即ち、鉤形部材333bが下降しても、レバー部材334bはそのままの姿勢を維持することになり、移動上蓋部材332は張出状態を維持する。一方で、鉤形部材333bと一体とされる爪部2333cの下降に伴い第1伝達部材2340が下降され、第1伝達部材2340の下降に伴う第2伝達部材2350の回動(傾倒)の度合いに対応して、可動演出部材2360が起立状態へ向けて回動し、起立状態で停止する(図25(a)及び図25(b)参照)。
可動演出部材2360の重心は、起立状態において支持軸部2362よりも前側上方に配置される。そのため、可動演出部材2360は、起立状態とされても、与えられる負荷が自重のみの場合、傾倒状態に復帰する。
動作タイミングのずれに関して上述の内容を換言すると、本実施形態において、ソレノイド2333の励磁(駆動)により移動上蓋部材332が退避状態に、可動演出部材2360が傾倒状態に、それぞれ変化してから、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除すると、まず移動上蓋部材332のみが動作開始し、続いて移動上蓋部材332と可動演出部材2360とが連動(移動上蓋部材332の動作継続中に可動演出部材2360が動作開始)し、続いて移動上蓋部材332の停止後に可動演出部材2360のみが回動し、ソレノイド2333の爪部2333cが移動終端に到達することに伴い可動演出部材2360が起立状態で停止する。
簡潔に言えば、動作開始は、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早く、動作終了も、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早い。
次いで、移動上蓋部材332が張出状態から退避状態へ移動し、且つ可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ移動する際の動作タイミングのずれについて説明する。なお、上述した動作の時間経過は、図22から図25までを逆向きに辿ることと同様であるので、ここでも再び図22から図25を参照して説明する。
ソレノイド2333が非励磁(非駆動)の状態では、図25(a)及び図25(b)に示すように、ソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で鉤形部材333b及び爪部2333cが下端位置に維持される。
図25(a)及び図25(b)に示す状態から、ソレノイド2333が励磁(駆動)されると、鉤形部材333b及び爪部2333cが上昇する。上昇開始時からしばらくの間は、図24(a)及び図24(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態に維持される一方、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ向けて回動(傾倒)開始する。即ち、移動上蓋部材332の動作開始タイミングよりも可動演出部材2360の動作開始タイミングの方が早い。
可動演出部材2360は、伝達部2364に下向き(左面視反時計回り方向)の負荷を与えていた第2伝達部材2350の延設棒状部2353が上方に退避すると、伝達部2364に与えられる負荷が解消されるので、再び負荷が与えられる位置(図24(b)参照)まで自重により回動(傾倒)する。即ち、鉤形部材333b及び爪部2333cの上昇中に可動演出部材2360がどのように動作するかは、延設棒状部2353の形状に依存する。
図24(a)及び図24(b)に示す状態を過ぎると、鉤形部材333bの上面がレバー部材334bの本体部334b1の下端面Unsを押し上げる態様でレバー部材334bに付与される負荷により、レバー部材334bが後向き(左面視反時計回り)に回動開始し、それに伴い移動上蓋部材332が退避状態へ向けてスライド動作する。可動演出部材2360は、移動上蓋部材332がスライド動作するのと連動して図23(a)及び図23(b)に示す状態まで回動(傾倒)し、図23(a)及び図23(b)に示す状態(傾倒状態)を下端として停止する。
図23(a)及び図23(b)に示す状態を過ぎると、可動演出部材2360の状態は傾倒状態で維持される一方で、移動上蓋部材332は、後向きのスライド移動を継続し、退避状態(図22(a)及び図22(b)参照)の配置を終点位置として停止する。
図22(a)に示すように、ソレノイド2333が励磁(駆動)され鉤形部材333bが上端位置に配置されると、鉤形部材333bとレバー部材334bの下端面Unsとの当接は解除された状態となる(鉤形部材333bとレバー部材334bの下端面Unsとが離間した状態でレバー部材334bの姿勢が安定する)。
換言すると、レバー部材334bが後転側の終端位置に配置された状態において、下端面Unsと当接開始する位置よりも若干下方の位置が、鉤形部材333bの移動上限として設定される。これにより、ソレノイド2333が励磁(駆動)されると、鉤形部材333bが図22(a)に示す位置まで上昇し、その後、レバー部材334bが自重で後転方向に回動することにより、移動上蓋部材332が退避状態となる(図22(a)参照)。
そのため、ソレノイド2333が励磁(駆動)されることにより鉤形部材333bがレバー部材334bを終端位置まで押し上げる場合に比較して、寸法誤差などのイレギュラーな原因により、移動上蓋部材332が退避状態となった後も鉤形部材333bが上昇し、レバー部材334bに対して押し上げ方向の負荷が与えられることでレバー部材334bや移動上蓋部材332に過大な負荷が与えられる可能性を低くすることができる。換言すると、鉤形部材333bの上限停止位置に要する精度を低くすることができる。
動作タイミングのずれに関して上述の内容を換言すると、本実施形態において、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除により移動上蓋部材332が張出状態に、可動演出部材2360が起立状態に、それぞれ変化してから、ソレノイド2333を励磁(駆動)すると、まず可動演出部材2360のみが動作開始し、続いて移動上蓋部材332と可動演出部材2360とが連動(可動演出部材2360の動作継続中に移動上蓋部材332が動作開始)し、続いて可動演出部材2360の停止後に移動上蓋部材332のみがスライド動作し、ソレノイド2333の鉤形部材333bが移動終端に到達した後、レバー部材334bが自重で後転することに伴い移動上蓋部材332が後向きにスライド動作し、移動上蓋部材332が退避状態で停止する。
簡潔に言えば、動作開始は、可動演出部材2360の方が移動上蓋部材332よりも早く、動作終了も、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早い。
ここで、可動演出部材2360の動作終了タイミングは、可動演出部材2360の自重や重量比にもよるが、本実施形態では、可動演出部材2360の伝達部2364が第2伝達部材2350の延設棒状部2353に当接したまま動きに追従するように(可動演出部材2360が傾倒状態となる前において延設棒状部2353と伝達部2364との間の隙間が抑制されるように)、設計される。従って、第2伝達部材2350の移動速度が、直接的に、可動演出部材2360の傾倒動作の速度に影響する。
図22から図25で上述した駆動態様からわかるように、ソレノイド2333の駆動力が移動上蓋部材332に伝達される伝達経路と、可動演出部材2360に伝達される伝達経路とは、ソレノイド2333を起点とする異なった経路とされる。
これにより、本実施形態では、移動上蓋部材332に遊技球から与えられる負荷が可動演出部材2360に伝達される程度を低くすることができる。また、移動上蓋部材332へ駆動力を伝達する伝達経路と可動演出部材2360へ駆動力を伝達する伝達経路とを、途中位置で、物理的に連結する必要が無いので、設計自由度を向上することができる。
次いで、図26を参照して、ソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作との関係をタイミングチャートで説明する。
図26(a)から図26(c)は、本実施形態における移動上蓋部材332、ソレノイド2333及び可動演出部材2360の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図26(a)では、移動上蓋部材332を開閉駆動する際のタイミングチャートが図示され、図26(b)及び図26(c)では、移動上蓋部材332を閉状態で維持したまま、可動演出部材2360を駆動する際のタイミングチャートが図示される。
図26(a)に示すように、ソレノイド2333の励磁、非励磁の切り替えに伴い、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360は状態変化するが、上述したように時間差が生じる。以下、順に説明する。
ソレノイド2333が第1時点t1に励磁(駆動)され始めると、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cと連動して可動演出部材2360が動作開始し、鉤形部材333b及び爪部2333cが上端に到達する第4時点t4よりも前の第3時点t3で可動演出部材2360は傾倒状態となる。
一方、ソレノイド2333の励磁(駆動)により、移動上蓋部材332は、第1時点t1よりも後であり、第3時点t3よりも前の第2時点t2に退避状態へ向けてスライド動作を開始し、第4時点t4と略同等のタイミングに移動上蓋部材332は退避状態となる。
即ち、可動演出部材2360は移動上蓋部材332の動作に対応して動作するものであるが、移動上蓋部材332が動作を開始する前に、動作を開始する。換言すれば、移動上蓋部材332が動作を開始するタイミングを基準として、所定期間だけ前のタイミングに、可動演出部材2360は動作開始する。
なお、ここでいう「略同等」の「略」とは、鉤形部材333b及びレバー部材334bの下端面Unsが当接する状態で鉤形部材333bが上端位置に配置される時点(第4時点t4)と、そこから下端面Unsが鉤形部材333bから離れて移動上蓋部材332が退避状態に配置されるまでとの時間差を微差として、これらを同時点とみなすための表現である。
ソレノイド2333が第5時点t5に励磁(駆動)を解除され始めると、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cが第5時点t5と略同等のタイミングで移動上蓋部材332が動作開始し、鉤形部材333b及び爪部2333cが下端に到達する第8時点t8よりも前の第7時点t7で移動上蓋部材332は張出状態となる。なお、ここでいう「略同等」の「略」も、上述したものと同じ意図である。
一方、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除により、可動演出部材2360は、第5時点t5よりも後であり、第7時点t7よりも前の第6時点t6に起立状態へ向けて回動開始し、第8時点t8に可動演出部材2360は起立状態となる。
なお、図26(a)に図示した上記各時点t1〜t8の相対的な時間関係は、ソレノイド2333の可動範囲に対する移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作開始および終了地点の位置関係と一致している。詳述すると、第1時点t1と第4時点t4との間を7等分する点の内、第1時点t1側から2個目の点が第2時点t2であり、第1時点t1側から3個目の点が第3時点t3である。また、各時点t5〜t8は、各時点t1〜t4に対して鏡写しの関係で図示されるので、同じことが、各時点t5〜t8にも言える。
また、本実施形態では、ソレノイド2333が駆動(励磁)により下端から上端まで到達するのに0.1秒を要するようにコイルや鉄心が構成され、同様に、戻りばねにより上端から下端まで到達するのに0.1秒を要するように戻りばねの付勢力が設定される。なお、これらの構成や設定は、目的によって任意に設定することができる。
図26(a)で再度説明したことから明らかなように、可動演出部材2360及び移動上蓋部材332はソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と連動するが、可動演出部材2360及び移動上蓋部材332の動作タイミングは同時ではなく、時間差がある。
そして、上述の時間差は、図26(a)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態から状態変化している期間(t2〜t7)に比較して、可動演出部材2360が起立状態から状態変化している期間(t1〜t8)を長くする。また、同様に、上述の時間差は、移動上蓋部材332が退避状態で維持される期間(t4〜t5)に比較して、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される期間(t3〜t6)を長くする。
遊技者は、前板部材2320を透して移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作態様を視認可能とされるところ、特定入賞口65a(図15参照)への遊技球の入球に直接的に作用する(退避状態か張出状態かで遊技球の入球を許容するか規制するかを切り替える)移動上蓋部材332が退避状態(遊技球の入球を許容する状態)とされる期間を越えて可動演出部材2360が傾倒状態(遊技球を拾いやすい状態)とされる。これにより、移動上蓋部材332のみが遊技者に視認される場合に比較して、遊技球が特定入賞口65aに入り易い印象を与えることができる。
また、移動上蓋部材332は、動作態様が前後方向のスライド動作なので、状態の変化が正面視で認識し難い可能性があったが、本実施形態では、移動上蓋部材332と連動して可動演出部材2360が正面側に傾倒(回動)することで開閉する。この時、可動演出部材2360が起立状態の時に遊技者が視認していた意匠(前面の意匠)は、可動演出部材2360が傾倒状態となることで下方を向き、遊技者に視認されなくなることから、外観が大きく変化する。加えて、可動演出部材2360が傾倒状態の時には、移動上蓋部材332は退避状態で維持される。
従って、本実施形態では、可動演出部材2360の状態の切り替えを視認することで、移動上蓋部材332を直接見なくとも、移動上蓋部材332の状態を把握することができる。これにより、移動上蓋部材332のみが動作する場合に比較して、移動上蓋部材332の状態を容易に把握することができる。
ここで、従来のパチンコ機10には、特定入賞口65aへ遊技球を入球可能となるタイミングに合わせて、液晶表示や音声などで「アタッカーを狙え」等の報知を行うものがあるが、その報知のタイミングと、実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるタイミングとの時間間隔は、一般的に、機種が変われば変わるものである。そのため、報知から実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでのタイミングが長い場合、報知に従って遊技球を発射したにも関わらず、その遊技球が特定入賞口65aに到達するタイミングになっても特定入賞口65aは遊技球の入球を許容する状態に変化しないために、特定入賞口65aに入球できずに遊技球が通り過ぎてしまうことがあり、遊技者の不満の要因となっていた。
これに対し、本実施形態において、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて動作開始するタイミングを確認することにより、遊技者は、液晶演出や音声などの間接的な報知ではなく、移動上蓋部材332の動作と一定の時間ずれで連動する部材の動作という直接的な報知として、移動上蓋部材332が動作開始する前から移動上蓋部材332が動作開始するタイミングを把握することができる。そのため、遊技者は、特定入賞口65aが遊技球の入球を許容するタイミングの確信をもって、特定入賞口65aへ向けて迷いなく遊技球の発射を開始することができる。
また、移動上蓋部材332が動作開始する前から移動上蓋部材332が動作開始するタイミングを把握することで、移動上蓋部材332の動作を確認してから遊技球を打ち出す場合に比較して、遊技球の発射のタイミングを早めることができる。これにより、移動上蓋部材332が実際に遊技球の通過を許容する状態に変化してから遊技球が特定入賞口65aを通過するまでの期間を短縮することができる。従って、大当たり遊技が間延びすることを防止することができる。
なお、図26(a)に示すように、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材2360の動作との間に時間差が生じることにより、移動上蓋部材332と可動演出部材2360との間で遊技球を噛む球噛みが生じることを抑制することができる。
図26(b)に示すように、ソレノイド2333の駆動(励磁)を第2時点t2(又はその直前のタイミング)で解除した場合、移動上蓋部材332の状態は変化せず、可動演出部材2360のみが状態変化する。具体的には、起立状態から傾倒状態へ向けて状態変化を開始し、傾倒状態となる前に起立状態へ向けて復帰する状態変化を実行する。このような駆動制御を行うことで、単一の駆動装置(ソレノイド2333)で、移動上蓋部材332の状態は張出状態(閉状態)で維持しながら(即ち、特定入賞口65aへの球の入賞は防止しながら)、可動演出部材2360を動作させることで、移動上蓋部材332に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
ここで、可動演出部材2360は、移動上蓋部材332の開閉動作に伴って動作する部材であるので、可動演出部材2360を動作させることで、遊技者に対して、移動上蓋部材332も動作を開始するかもしれないという期待を持たせることができる。
図26(c)に示すように、ソレノイド2333の駆動(励磁)を第3時点t3(又はその直前のタイミング)で解除した場合、移動上蓋部材332の状態の変化は閉鎖基準状態までで留めながら、可動演出部材2360が状態変化する。具体的には、起立状態から傾倒状態へ向けて状態変化を開始し、傾倒状態となってから起立状態へ向けて復帰する状態変化を実行する。このような駆動制御を行うことで、単一の駆動装置(ソレノイド2333)で、移動上蓋部材332の状態は閉状態(張出状態から閉鎖基準状態の間)で維持しながら(即ち、特定入賞口65aへの球の入賞は防止しながら)、可動演出部材2360を動作させることで、移動上蓋部材332に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、図26(c)に示す駆動制御では、可動演出部材2360が傾倒状態まで到達する分、図26(b)に示す駆動制御よりも可動演出部材2360の動作幅が大きいので、次26(b)に示す駆動制御に比較して可動演出部材2360の状態変化を遊技者に認識させ易くすることができる。
ここで、可動演出部材2360は、移動上蓋部材332の開閉動作に伴って動作する部材であるので、可動演出部材2360を動作させることで、遊技者に対して、移動上蓋部材332も動作を開始するかもしれないという期待を持たせることができる。
図26(b)及び図26(c)に示すような、移動上蓋部材332を閉状態で維持したまま可動演出部材2360を動作させる駆動制御は、大当たり遊技の有無に関わらず、様々なタイミングで実行可能である。
例えば、大当たり遊技のオープニング時間OP(ラウンド遊技Rの開始前)や、ラウンド間インターバル(ラウンド遊技Rの終了後、次のラウンド遊技Rが開始する前)に、1回または複数回実行することで、あたかも移動上蓋部材332が余分(長時間、回数多め)に開状態とされているような印象を遊技者に与えることができる。
また、例えば、大当たり遊技において、次に開状態となるタイミングの直前に1回または複数回実行することで、開状態をなるタイミングを遊技者に知らせることができる。なお、この制御は、特定入賞口65aが2箇所に配置され、そのそれぞれに移動上蓋部材332のように特定入賞口65aを開閉する部材が配設されている場合に用いると、可動演出部材2360の動作を視認することで、どちらの特定入賞口65aが次に開状態となるのかを遊技者に認識させ易くすることができるので、特に有効である。この制御の実行時に、第3図柄表示装置81において「A(又はB)アタッカーを狙え」等の、球の発射位置を示す報知を実行することで、液晶演出と、可動演出部材2360による演出とで、2重で遊技者に球の発射位置を示すことができる。
また、例えば、特別図柄の抽選に外れた場合の演出の一例としても良い。この場合、例えば、第3図柄表示装置81において、「アタッカーが開放されたら大当たり」との表示を行っておき、特別図柄の抽選が大当たりであれば、図26(a)に示す制御を開始し、特別図柄の抽選が外れであれば、図26(b)又は図26(c)に示す制御を開始するようにしても良い。これにより、アタッカーとしての移動上蓋部材332への注目力を高い確率で向上し、移動上蓋部材332が開放される直前まで遊技者の緊張感を維持することができる。
また、例えば、特別図柄の抽選が小当たりとなった時の動作を、図26(b)又は図26(c)に示す動作としても良い。この場合、小当たりにおいて球が移動上蓋部材332を通過して特定入賞口65aを通過することを防止することができる。
また、例えば、ラウンドアップ演出(大当たり遊技の途中で、追加の大当たりラウンドがあることを報知する演出。例えば、特別図柄の抽選により8ラウンドの大当たりとなった場合に、大当たり遊技の開始時には4ラウンドの大当たりであると報知しておきながら、大当たり遊技の終了までに「+4ラウンド」等と報知され、結果的に8ラウンドの大当たりと遊技者に知らせる演出)を備えた大当たり遊技において、「+4ラウンド?」と第3図柄表示装置81で表示を行い、既に報知されたラウンドの内、最終ラウンドが終了して、次のラウンド(追加のラウンドがあれば開始されるラウンド)の開始のタイミングで、追加のラウンドがあれば図26(a)の駆動制御を継続し、追加のラウンドが無ければ図26(b)又は図26(c)の駆動制御を実行するようにしても良い。
この場合、可動演出部材2360が動作することで、あたかも追加のラウンドが始まるように遊技者に感じさせることができるので、追加のラウンドの有無に関わらず、追加のラウンドがあれば開始されるラウンドのラウンド遊技Rが開始されるかもしれないタイミング(例えば、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始されると予想できるタイミング)まで、遊技者の興趣を向上させたまま維持することができる。
なお、本実施形態では、ソレノイド2333は主制御装置のMPU201(図4参照)で駆動制御されるが、音声ランプ制御装置のMPU221でも駆動制御するようにしても良い。
図27(a)、図27(b)、図28(a)及び図28(b)を参照して、移動上蓋部材332を通過した遊技球の流下態様について説明する。図27(a)及び図27(b)は、遊技盤13の部分正面図であり、図28(a)及び図28(b)は、遊技盤13の部分正面斜視図である。
なお、図27(a)及び図28(a)では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材2360の傾倒状態が図示され(図22(a)及び図22(b)参照)、図27(b)及び図28(b)では、移動上蓋部材332の張出状態および可動演出部材2360の起立状態が図示される(図25(a)及び図25(b)参照)。
図27(a)及び図28(a)に示される状態と図27(b)及び図28(b)に示される状態とは、交互に切り替えられる。特定入賞口65aを開閉する移動上蓋部材332が、閉状態(張出状態)において上面に遊技球を所定期間留められる(転動させられる)構成となっている関係上、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ状態変化した直後に、移動上蓋部材332に乗っていた遊技球が落下するという事態は頻繁に発生する。
なお、本実施形態では、移動上蓋部材332の上面に乗ってから、遊技球が移動上蓋部材332の外方へ(左右端部を越えて)排出されるまで、平均で1秒以上かかるように、移動上蓋部材332の上面の傾斜および跳ね返り係数が設定される。従って、遊技球を継続して発射している状態において、移動上蓋部材332の上面に遊技球が乗っている期間が長くなるように構成される。換言すれば、移動上蓋部材332の開放時間が短い場合であっても、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)に状態変化することで遊技球を特定入賞口65aへ向かわせ易く構成することができる。
なお、本実施形態では、遊技球を最短0.6秒間隔で発射する場合、上述したように、移動上蓋部材332に約0.75秒間隔で遊技球が到達するので、先に移動上蓋部材332の上面に到達した遊技球が移動上蓋部材332の外方へ排出されるよりも前に、次の遊技球を移動上蓋部材332の上面に到達させることができる。即ち、移動上蓋部材332の上面に遊技球が1個以上配置された状態を維持することができる。そのため、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)に状態変化することで遊技球を特定入賞口65aへ向かわせ易く構成することができる。
また、光照射装置311bの鉛直下方かつ移動上蓋部材332の鉛直上方の隙間は、遊技球が侵入不能な隙間として構成される(遊技球の直径未満とされる)。従って、遊技球は、光照射装置311bの左右端部よりも左右外方の位置において、移動上蓋部材332の上面に乗り、移動上蓋部材332の上面を転動する。
そのため、移動上蓋部材332の上面を左右外方へ暫く転動した後、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となることにより遊技球が落下する場合、その遊技球は、その後で、可動演出部材2360の上面や、延設床部2331eの上面を左右方向内方に転動した後、センサSを通過する。即ち、センサSまでの遊技球の経路が左右に迂回することになるので、遊技球がセンサSを通過するまでの期間を長く保つことができる。
図28(a)に示される状態で遊技球が可動演出部材2360の上面に乗っている時に図28(b)に示される状態に切り替えられる(ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除される、図26(a)参照)場合、可動演出部材2360が動作することに伴い、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球が持ち上げられる。なお、図28(a)には、動作途中の可動演出部材2360の外形が想像線で図示される。
可動演出部材2360の起立動作に伴い、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球は、可動演出部材2360の前後(可動演出部材2360及び前板部材2320の間を滑り落ちる第1経路D1または凹設部2365の背面側を滑り落ちる第2経路D2)を通過して下方に落下するか、又は可動演出部材2360の凹設部2365よりも左右寄りの板状部分の上方において背面側を向く第3経路D3に沿って背面側へ押し込まれ、延設床部2331eに乗る。
背面側へ押し込まれ、延設床部2331e側へ流下した遊技球は、上向きの負荷を受け、移動上蓋部材332の板状部332a1の下面へ向かって跳ね上がる。ここで、板状部332a1は、上述したように左右方向中央へ向けて上昇傾斜する構成とされる。
即ち、凹設部2365の左右側端部における板状部332a1と可動演出部材2360の上面との第1距離H1に比較して、凹設部2365の左右側端部よりも左右外方における板状部332a1と可動演出部材2360の上面との第2距離H2の方が短く設定される。
そのため、遊技球が板状部332a1に衝突する場合、センサSが配置される左右内側下方へ向けて反力が作用し、遊技球の流下方向がセンサSへ向けた方向に修正される。これにより、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される場合に比較して、遊技球がセンサSを通過するまでの期間を短縮することができる(期間を半分程度にすることができる)。
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、第2距離H2が遊技球の直径以上の寸法で設定される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部付近において遊技球が特定入賞口65aの正面側に落下した直後に移動上蓋部材332が閉鎖した場合であっても、移動上蓋部材332の動作が遊技球に妨害されにくくすることができる。
延設床部2331eに乗った遊技球は、延設床部2331eの傾斜に沿う第4経路D4を通って下方通路331bへ向けて流下する。換言すると、特定入賞口65aの左右方向中心位置へ向けて流下する。
本実施形態では、上述したように、移動上蓋部材332が退避状態(図28(a)参照)から動作開始する前に可動演出部材2360が傾倒状態から動作開始することは無い。そのため、少なくとも、移動上蓋部材332が退避状態とされ、遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過可能とされる間、可動演出部材2360は上面に遊技球を乗せ得る状態(傾倒状態)とされる(図28(a)参照)。従って、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
なお、本実施形態では、遊技球が可動演出部材2360の正面側に配置された場合であっても、その遊技球は、凹設部2365と内レール61との間を通って下方通路331bまで流下可能とされる(図28(b)の経路C2a参照)ので、可動演出部材2360の正面側に遊技球が滞留することを防止することができる。
更に、可動演出部材2360が傾倒状態から動作開始される直前の状態(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の間隔が遊技球の直径未満とされる(閉鎖基準状態)。即ち、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ向けて動作する場合に、移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過不能となる位置に移動上蓋部材332が配置されるよりも前においては、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される。従って、移動上蓋部材332が張出状態へ向けて動作開始した後で移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過した場合であっても、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332が張出状態(図28(b)参照)から動作開始する前(遊技球が通過可能な程度に前板部材2320から離れる前)に、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ向けて動作開始するので、例えば、可動演出部材2360の動作開始前に可動演出部材2360の正面側を遊技球が流下し、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じることを抑制することができる。
ここで、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が高頻度で発生する場合には、その繰り返し負荷により可動演出部材2360に疲労が蓄積され、可動演出部材2360の耐用年数が短くなり易い。そのため、耐用年数を伸ばすために、負荷が生じない配置に可動演出部材2360を配置する対応をしやすい。例えば、傾倒状態の可動演出部材2360の下面と内レール61との間隔が遊技球の直径よりも大きくなるように可動演出部材2360を配置することがある。
しかし、これでは可動演出部材2360と同様に移動上蓋部材332の配置も上げる必要が生じるので、特定入賞口65aを内レール61に沿わせるように配置したことに伴う一つの利点である第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げるという効果が半減する結果となる。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332に対する可動演出部材2360の動作タイミングを構造から規定することで(図22から図25までを参照)、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じることを抑制しているので、傾倒状態の可動演出部材2360の下面と内レール61との間隔が遊技球の直径よりも小さくなる位置に可動演出部材2360を配置した場合であっても、可動演出部材2360の耐用年数を十分に確保することができる。
これにより、可動演出部材2360を備える場合であっても、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができるので、第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げる効果を保持することができる。
更に、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態となった直後の状態(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の間隔が遊技球の直径未満とされる(閉鎖基準状態)。即ち、移動上蓋部材332が張出状態から退避状態へ向けて動作する場合に、移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過可能となる位置に移動上蓋部材332が配置されるよりも前に、可動演出部材2360が傾倒状態とされる。これにより、移動上蓋部材332が退避状態へ向けて動作開始した後で移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過した場合であっても、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
従って、可動演出部材2360を備える場合であっても、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができるので、第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げる効果を保持することができる。
なお、本実施形態では、可動演出部材2360の左右に配置される段部2324aにより、左右から可動演出部材2360へ向けて遊技球が流入することが防止されている。これにより、遊技球が可動演出部材2360へ向かう道筋を上下方向のみに限定することができるので、可動演出部材2360の上方に配置される移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作の対応関係を規定することのみで、可動演出部材2360の耐久性の向上を図ることができる。
図28(a)及び図28(b)に示すように、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球は、主に2通りの経路で下方通路331bへ案内され、センサSを通過する(検出される)。
2通りの経路の内、一方の経路は、第3経路D3及び第4経路D4を通る経路である。この経路で流下し得る遊技球が可動演出部材2360の上面に乗っている場合に、可動演出部材2360が起立状態へ動作開始すると、上面に乗っていた遊技球は背面側に押し込まれる。そのため、遊技球が自重のみで流下する場合に比較して、センサSを遊技球が通過するタイミングを早め易くすることができる(期間を半分程度にすることができる)。
2通りの経路の内、他方の経路は、遊技球が下方通路331bへ正面側から流入する経路である。他方の経路で遊技球が流下する事象は、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球が第1経路D1又は第2経路D2を通り流下した上で下方通路331bの正面側に到達する場合と、可動演出部材2360の上面には乗らず、可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する場合とで少なくとも生じる。
なお、本実施形態では、移動上蓋部材332が退避状態から動作開始するタイミングでは可動演出部材2360は傾倒状態を維持し、起立状態となるのも移動上蓋部材332が張出状態となった後に設定されているので(図26(a)参照)、可動演出部材2360の上面に乗らずに可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する事象が生じる可能性を低くすることができる。
特に、本実施形態によれば、可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態へ向けて動作する負荷を与えられるタイミング(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の隙間が遊技球の直径未満とされるので(閉鎖基準状態)、移動上蓋部材332の正面側を通過したほとんどの遊技球は、傾倒状態の可動演出部材2360へ向けて流下する。従って、可動演出部材2360の上面に乗らずに可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する事象が発生する可能性を極めて低くすることができる。
上述した一方の経路と、他方の経路とでは、遊技球が延設床部2331eの上面を流下するか否かが明確に異なる。即ち、本実施形態では、遊技球が延設床部2331eの上面を流下してセンサSを通過する経路(一方の経路)と、遊技球が延設床部2331eの上面を流下せずにセンサSを通過する経路(他方の経路)とが構成される。
ここで、上述した一方の経路と、他方の経路とを流下する遊技球は、最終的にセンサSを通過する点では同じであるものの、その流下経路が明確に違うことから、流下する経路に対応して、遊技球の流下速度を変化させることができる。
例えば、本実施形態では、内レール61や下方通路331bの流下面の水平面に対する傾斜角度に比較して、延設床部2331eの水平面に対する傾斜角度の方が小さくなるように設計される。そのため、一方の経路を流下する遊技球に比較して、他方の経路を流下する遊技球の方が、特定入賞口65aの正面側に到達したからセンサSを通過するまでに要する期間が短くなる(期間を半分程度にすることができる)。
他方の経路での遊技球の流下は、可動演出部材2360が起立状態へ向けて動作する間際に生じやすいことから、この場合、移動上蓋部材332が閉状態となる間際に特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球を早くセンサSに検出させることができる(特定入賞口65aの後方へ排出することができる)。そのため、後述する大当たり遊技におけるラウンド間第1インターバル時間Int1を短く設定することができる。
図28(a)に示すように、凹設部2365の軸側端面(図28(a)の後側に配置される端面)は、下方通路331bの左右端面と面位置とされる。従って、凹設部2365を通り第2経路D2で遊技球が下方へ流下する場合に、下方通路331bの左右端面に上方から衝突して遊技球が跳ね戻ることが防止される。即ち、第2経路D2に沿った遊技球の流下の抵抗を下げることができ、可動演出部材2360の上面に乗った遊技球がセンサSに検出されるまでに要する期間を短くすることができる。
なお、凹設部2365の軸側端面が、下方通路331bの左右端面よりも左右方向中央寄りに配置されても(凹設部2365の左右幅が左右中心対称で短くされても)、同様の効果を奏することができる。
図27及び図28に示すように、可動演出部材2360が傾倒状態であるか、起立状態であるかで、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化する。「実質的な左右幅」とは、遊技球が前後方向に通過可能な開口の左右幅を指す。
即ち、図27(a)及び図28(a)に示す可動演出部材2360の傾倒状態では、特定入賞口65aの左右幅と同じ長さで実質的な左右幅が形成される一方、図27(b)及び図28(b)に示す可動演出部材2360の起立状態では、凹設部2365の左右幅(即ち、下方通路331bの左右幅)が実質的な左右幅となる。
図27(a)、図27(b)、図28(a)及び図28(b)に示すように、可動演出部材2360の状態により特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化することで、特定入賞口65aを視認する遊技者の印象が変化する。
ここで、遊技者が特定入賞口65aを視認する場合、光透過性の前板部材2320を通して正面から見るか(図27参照)、非透過の移動上蓋部材332が退避した時に、移動上蓋部材332の上方から見るかの2通りが考えられる。
正面視の場合、移動上蓋部材332だけであると、移動上蓋部材332の状態が変わっても正面視の形状が変化しないので違いが分かりにくかったが、本実施形態では、正面視で移動上蓋部材332よりも大きく視認される可動演出部材2360により特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化していること、及び正面視の意匠の変化が明確に視認されるので、特定入賞口65aが開いているか、閉じているかの違いを印象的に遊技者に認識させることができる(容易に識別することができる)。
また、上方から見る場合、移動上蓋部材332が張出状態の時には可動演出部材2360も見えにくく、特定入賞口65aの実質的な左右幅が狭いことが明らかである(下方通路331bの左右幅に限定されている、図28(b)参照)。一方、移動上蓋部材332が退避している時には、移動上蓋部材332よりも大きっく視認される可動演出部材2360が傾倒され、特定入賞口65aが大きく開放されていることが一目瞭然であり、特定入賞口65aの開閉の違いを印象的に遊技者に認識させることができ、特定入賞口65aに遊技球を入球可能となっていることを容易に識別することができる(図28(a)参照)。
本実施形態では、図27(a)及び図28(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされ、可動演出部材2360が傾倒状態とされる場合に、特定入賞口65aの左右幅が実質的な左右幅と同じとされるので、特定入賞口65aを通過する遊技球の流下抵抗を低減することができる。
更に、遊技球の流下経路が少なくとも2通り構成されることに加え、各流下経路で流下する遊技球の流下速度(センサSに検出されるまでに要する期間)にずれが生じるように構成されているので、特定入賞口65aの正面側に多くの遊技球が短時間で流入した場合であっても、遊技球が滞留する程度を低くすることができる。これにより、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球がセンサSに検出されるまでの期間を短く保つことができるので、オーバー入賞の過度な発生を抑制することができる。
なお、オーバー入賞とは、一例として、「移動上蓋部材332が退避状態を維持する間に予定される通過個数の最大値を超えて遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過する事象」のことを指す。センサSに検出される遊技球の個数は移動上蓋部材332の正面側を通過する遊技球の個数と同数なので、オーバー入賞が発生すると、センサSに検出される遊技球の個数も当然に「予定される通過個数の最大値」を超える。
オーバー入賞は、換言すれば、予定された賞球個数よりも多くの賞球が遊技者に払い出されることであるので、遊技者はより多くの利益を得られることになるが、オーバー入賞を頻繁に生じさせることが可能となると、予定される遊技性(出球性能)からかけ離れた遊技を可能とする虞がある。そのため、公平の観点から、オーバー入賞は抑制可能に構成されることが望ましい。
本実施形態では、図27(b)及び図28(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされ、可動演出部材2360が起立状態とされる場合に、特定入賞口65aの実質的な左右幅は凹設部2365の左右幅に狭められる。
これにより、特定入賞口65aの正面側を流下する遊技球の流下経路を限定することで、複数の遊技球が特定入賞口65aの正面側に入球した場合の流下抵抗を増大させることができる。即ち、複数の遊技球が特定入賞口65aを通過するのに要する期間を延ばし、特定入賞口65aの正面側に遊技球をかためることができる。
詳述すると、先に入球した遊技球の流下速度を落とすことではなく、先に入球した遊技球を後追いの遊技球の流下の障害物として機能させることで、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ動作開始しているにも関わらず、複数の遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過することを妨害することができる。従って、オーバー入賞の発生を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態では、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化するように構成したことで、2重の意味で、即ち、第1に、オーバー入賞となる遊技球がセンサSに検出されるまでの期間を短くするという意味で、第2に、オーバー入賞となる遊技球が複数ある場合に先に入球した遊技球が後追いの遊技球の妨害をすることで更なる入賞を防止するという意味で、オーバー入賞の発生を抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除することに伴い、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ動作開始する時には、第2伝達部材2350と可動演出部材2360とが非当接となるようにした。これにより、可動演出部材2360をソレノイド2333の駆動力により動作させる構成を採用しながら、移動上蓋部材332の退避状態から張出状態への動作開始が、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除タイミングから遅れることを防止することができる。
移動上蓋部材332よりも動作による状態変化を遊技者が視認し易い可動演出部材2360を特定入賞口65aの正面側に配置し、移動上蓋部材332が退避状態を維持する期間を超えて可動演出部材2360が傾倒状態を維持する構成とした。これにより、遊技球が特定入賞口65aに入り易い印象を遊技者に与えることができる。
また、可動演出部材2360が傾倒状態である期間は、移動上蓋部材332が退避状態で維持されることから、移動上蓋部材332を直接視認しなくても(視認し難いとしても)、可動演出部材2360の状態を確認することで、移動上蓋部材332が退避状態であるか否かを判定することができる。
可動演出部材2360の動作と移動上蓋部材332の動作とは、一定の時間ずれで生じるので、物理的(機械的)に移動上蓋部材332と連動するわけではない第3図柄表示装置81等の演出を頼りに特定入賞口65aの開放タイミングを遊技者に把握させる場合に比較して、信頼のおける情報として可動演出部材2360の動作に注目させることができる。これにより、「アタッカーを狙え」と表示されてから、実際に特定入賞口65aが開放されるまでの時間差が不明であるため、いつ遊技球を発射すればいいかわからないという遊技者の不満を解消することができる。
また、本実施形態では図示を省略しているが、上述した光照射部331c1(図10(b)参照)を、光の経路E1(図11(a)参照)が可動演出部材2360と交差する位置に配設し、光照射部331c1の点灯、消灯のタイミングを可動演出部材2360の動作タイミングに合わせて制御するようにしても良い。
この場合、可動演出部材2360の傾倒動作と同時に、光照射部331c1から可動演出部材2360に光が照射される(発光する)ので、可動演出部材2360の注目力を向上することができる。加えて、上述したように、可動演出部材2360の傾倒動作のタイミングは、移動上蓋部材332が開状態となるタイミングよりも前なので、特定入賞口65aに球を通過可能な状態となる前に、遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、光照射部331c1の点灯、消灯のタイミングを、移動上蓋部材332の動作タイミングに合わせても良いし、可動演出部材2360の傾倒タイミングと、移動上蓋部材332の動作タイミングとの間に設定しても良い。この場合、可動演出部材2360が傾倒動作を開始した後に光照射部331c1から光が照射されるので、可動演出部材2360が傾倒状態となったことを、遊技者に気付かせ易くすることができる。
移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過可能とされる間、可動演出部材2360が傾倒状態を維持するようにした。これにより、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。従って、可動演出部材2360の本体板部2361の内レール61と対向配置される面と、内レール61との間に遊技球が入り込み、互いに負荷を生じる可能性を低くすることができる。
移動上蓋部材332が張出状態から動作開始する前に、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて動作開始するように構成した。これにより、可動演出部材2360の動作開始前に可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置され、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じる可能性を低くすることができる。また、可動演出部材2360と内レール61との間の間隔を遊技球の直径未満とすることができるので、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができ、結果として、第3図柄表示装置81の表示領域の下端を下げることができる。
移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球が可動演出部材2360で上方へ跳ね返るよう構成したことで、遊技者視線で遊技球を確認できる期間を長くすることができる。これにより、移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球を見逃す可能性を低くすることができる。
また、上方への跳ね返りは、可動演出部材2360が起立状態へ向けて動作する際に大きくなるので、特に可動演出部材2360の動作間際(移動上蓋部材332が閉状態となる間際)で移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球を見逃す可能性を低くすることができる。
可動演出部材2360に衝突して移動上蓋部材332へ向けて跳ね返った遊技球が、移動上蓋部材332と衝突する際に、センサSへ向く方向へ反作用の力が与えられるように構成した。これにより、遊技球がセンサSへ到達するまでに要する期間を短くすることができる。
移動上蓋部材332を通過した遊技球が、明確に区別できる2通りの経路でセンサSへ向けて流下するように構成した。これにより、特定入賞口65aの正面側に多数の遊技球が短時間で流入した場合であっても、遊技球が滞留する程度を低くすることができる(留まる時間を短くすることができる、スムーズに流すことができる)。
移動上蓋部材332を通過した遊技球が通過する特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を、移動上蓋部材332の状態変化に伴い変化可能に構成した。これにより、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかで、特定入賞口65aの正面側に配置された遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を変化させることができる。
詳細には、移動上蓋部材332が退避状態とされ、遊技球の通過を許容する場合には、特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を長く保ち、移動上蓋部材332が張出状態とされ、遊技球の通過を規制する場合には、特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を短くした。これにより、移動上蓋部材332が退避状態の時に移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を低くでき、移動上蓋部材332が張出状態に変化する間際に移動上蓋部材332の正面側を通過する遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を高くすることができるので、オーバー入賞の発生を抑制することができる(オーバー入賞として余分に入賞する遊技球の個数を少なくすることができる)。
次いで、図29から図33を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、可動演出部材2360に乗った全ての遊技球が下方通路331bの背面側に配置されるセンサSを通過する場合を説明したが、第3実施形態における盤面下部ユニット3300は、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が、可動演出部材3360によりセンサSを通過する遊技球と、特定入賞口65aの正面視左寄りに配置され、遊技球の通過を検出する第2センサS2を通過する遊技球とに振り分けられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29は、第3実施形態における遊技盤13の部分正面斜視図である。なお、図29では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材3360の傾倒状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。なお、可動演出部材3360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図29に示すように、第3実施形態における盤面下部ユニット3300は、第2実施形態で上述した盤面下部ユニット2300に対して、主に以下の点で異なる。即ち、第1に、可動演出部材3360が、遊技球の流下経路を振り分ける振分部3370を一体的に備える点で異なる。また、第2に、センサSの上流側に第2センサS2を備え、その第2センサS2が振分部3370によりセンサSへ向かわない側に振り分けられた遊技球を検出可能に構成され、その第2センサS2を通過した遊技球を案内する案内傾斜面3331kが左側の延設床部2331eに形成され、その下流にV入賞センサVCが配設される点で異なる。以下、順に説明する。まず、図30を参照して、可動演出部材3360の振分部3370について説明する。
図30(a)は、傾倒状態の可動演出部材3360の正面斜視図であり、図30(b)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における可動演出部材3360の側面図であり、図30(c)は、図30(a)の矢印XXXc方向視における可動演出部材3360の上面図であり、図30(d)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における起立状態の可動演出部材3360の側面図である。
なお、理解を容易とするために、図30(b)、図30(c)及び図30(d)には、組立状態における第2センサS2、V入賞センサVC、延設床部2331e、案内傾斜面3331k及びセンサSへ向かわない側の経路に振り分けられた遊技球が想像線で図示される。
図30(a)から図30(d)に示すように、振分部3370は、可動演出部材3360に一体で形成される棒状部であり、本体板部2361の回転基端側端部から本体板部2361の短手幅方向に沿って延設される延設棒部3371と、その延設棒部3371の延設端部から支持軸部2362を中心とした円弧に沿って本体板部2361の上面が向く方向へ延設される延設円弧部3372と、その延設円弧部3372の延設先端部から支持軸部2362と直交する面に対して平行に延設される第1規制部3373と、延設円弧部3372の延設先端側部から支持軸部に対して平行に延設される第2規制部3374と、を主に備える。
図30(b)及び図30(d)に示すように、振分部3370は可動演出部材3360に一定的に形成されており、可動演出部材3360が起立状態となると、振分部3370は延設床部2331eの下方に収納される。本実施形態では、延設床部2331eから下方へ向けて、振分部3370との干渉を避ける目的の干渉回避凹部3331lが凹設される。即ち、干渉回避凹部3331lは、少なくとも振分部3370の動作軌跡を内包する形状の凹部として形成される。
延設床部2331eを左右に通過する遊技球は、干渉回避凹部3331lの上を通過することになるが(図29(a)参照),本実施形態では延設棒部3371が細径(直径約2[mm])の棒状とされるので、遊技球が上を通過する箇所における干渉回避凹部3331lの溝幅を短くすることができる。即ち、溝幅を2.5[mm]程度とすることで、遊技球(直径11[mm])が干渉回避凹部3331lに引っかかり、遊技球が減速される程度を低くすることができる。従って、延設床部2331eの上面を遊技球が滑らかに転動可能とすることができる。
延設棒部3371は、可動演出部材3360の姿勢に関わらず、延設床部2331e及び案内傾斜面3331kよりも下方に配置される。従って、延設棒部3371が遊技球と直接接触することを防止することができる。なお、延設棒部3371は、特定入賞口65aの左端から、少なくとも遊技球の直径(11[mm])以上離れた位置に配設される。これにより、延設棒部3371の左方に遊技球を配置することができる。
延設円弧部3372は、支持軸部2362を中心とした円弧形状とされるので、可動演出部材2360が姿勢変化した場合であっても、支持軸部2362を中心とした所定の円弧形状から形成される。そのため、延設円弧部3372が回転動作する場合の動作軌跡を重複させることができるので、設計を容易にすることができる。
第1規制部3373は、延設棒部3371の左方を背面側に向けて流下し第2センサS2に入球した遊技球が右方に流れることを規制する部分であって、その先端部における左面の面形状は、左右方向軸と直交する平面とされる。従って、遊技球から第1規制部3373へ向けて付与される負荷は、可動演出部材3360の軸方向を向くので、遊技球から第1規制部3373へ向けて付与される負荷により可動演出部材3360の回転方向の負荷が生じることを抑制することができる。
なお、可動演出部材3360の重心位置は、回転軸よりも前側で、第1規制部3373に遊技球が正面側から衝突した程度では起き上がらない位置で設計される。そのため、遊技球の入賞中において、可動演出部材3360は傾倒状態を維持し易くなる。
第2規制部3374は、可動演出部材3360の傾倒状態において遊技球の中心よりも上側に配置され、第2センサS2に検出された遊技球の背面側に当接し、遊技球の流下を停止させる(図30(b)参照)。
そのため、停止された遊技球から第2規制部3374へ付与される負荷(自重等)は、第2規制部3374を上昇させる方向、即ち、可動演出部材3360を傾倒状態で維持しようとする方向(左面視時計回り方向)を向く。従って、遊技球から付与される負荷により可動演出部材3360が傾倒状態から起き上がることを防止するのみでなく、可動演出部材3360が、より傾倒状態を維持し易いように遊技球の負荷を作用させることができる。
一方で、ソレノイド2333(図26参照)の励磁(駆動)を解除して、可動演出部材3360が起立状態へ向けて動作する時には、第2規制部3374は。遊技球から離反する方向(支持軸部2362を中心とした円に沿って背面側へ向く方向)へ移動するので、遊技球からの負荷が可動演出部材3360の起立状態への動作を妨害することを避けることができる。
従って、第2センサS2に遊技球が停留した状態において、遊技球の自重を可動演出部材3360の状態の維持に活用しながら、可動演出部材3360の状態を意図的に変化させる場合には、遊技球の自重が可動演出部材3360の状態変化を妨害することを回避することができる。
なお、第2規制部3374の正面形状を、可動演出部材3360の傾倒状態において遊技球と接する点の法線が支持軸部2362の径方向を向くように形成しても良い。この場合、遊技球から第2規制部3374へ付与される負荷の方向を、支持軸部2362の径方向とすることができるので、遊技球を介して可動演出部材3360の回転方向に負荷がかけられることを防止することができる。
本実施形態において、第2センサS2は、第2規制部3374に流下を規制された遊技球を既に検出し、且つ、遊技球が通過せずに留められる位置に配設される(図30(b)及び図30(c)参照)。即ち、第2規制部3374は、第2センサS2の下流側に遊技球(の少なくとも一部)が進入した後で遊技球を停止させる。
そのため、振分部3370の作用が、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)になってから第2センサS2で遊技球が検出されるまでに要する期間に影響する(延長したり短縮したりする)ことを防止することができる。
可動演出部材3360の状態が傾倒状態から起立状態へ変化すると、上述したように、振分部3370は案内傾斜面3331kの下方に収納されるので、流下を規制されていた遊技球(図30(b)参照)は、規制を解除され、案内傾斜面3331kに沿って流下可能となり、流下した遊技球は、第2センサS2の下流に配置されるV入賞センサVCに検出される(図30(d)参照)。次いで、図31を参照して、移動上蓋部材332(図29参照)の正面側を通過した遊技球の流下態様の一例について説明する。
図31(a)から図31(c)は、可動演出部材3360、振分部3370、延設床部2331e及び案内傾斜面3331kを模式的に示す上面模式図である。なお、図31(a)から図31(c)では、特定入賞口65a(図15参照)を遊技球が通過する過程が時系列で図示される。即ち、図31(a)では、可動演出部材3360が傾倒状態となり1球目の遊技球P1が可動演出部材3360の上面に乗った状態が、図31(b)では、図31(a)の状態から更に2球目の遊技球P2が入球し、可動演出部材3360の上面に乗った状態が、図31(c)では、予定されていた個数(後述する「規定個数」)の遊技球の通過がセンサS及び第2センサS2に検出され、ソレノイド2333(図26(a)参照)の励磁(駆動)が解除されることにより、可動演出部材3360の状態が傾倒状態から起立状態へ変化した直後の状態が、それぞれ図示される。
図31(a)に示すように、1球目の遊技球P1は、第2経路D2又は第3経路D3で流下し得る。第2経路D2で流下する場合、遊技球P1は下方通路331bを通りセンサSに検出される。この場合、遊技球は、第2センサS2の正面側に張り出す第1規制部3373に衝突するか、又は衝突せずに、下方通路331b側へ流下する。
一方、第3経路D3で流下する場合、遊技球P1は、振分部3370の第1規制部3373又は第2センサS2により右方への流下を規制され、第2規制部3374により背面側への流下を規制されることで、第2センサS2の内側に停留する(図31(b)参照)。
第2センサS2の内側に遊技球P1が停留している状態で、その後から特定入賞口65aを通過する遊技球P2が第3経路D3に沿って流下する場合、遊技球P2は遊技球P1と衝突し、流下経路が衝突後経路D32に変化する。
衝突後経路D32は、第3経路D3の途中位置から下方通路331b側へ延びる経路である。即ち、案内傾斜面3331kに遊技球が1個停留した後は、専ら下方通路331bを通りセンサSに検出される。なお、本実施形態では、第1規制部3373が遊技球P1の中心位置付近まで延設されるに留まり、遊技球P1よりも正面側へ延びているわけでは無いので、遊技球P2の流下経路を自然に(抵抗小さく)衝突後経路D32に切り替えることができる。
なお、図31(b)では、便宜上、1球目の球である遊技球P1が第2センサS2の内側に停留した場合を図示したが、第2センサS2の内側に停留する遊技球は、1球目の遊技球である必要は無い。例えば、5球目の遊技球が第2センサS2の内側に停留する場合には、6球目以降の遊技球が、衝突後経路D32を専ら通過し得ることになる。
また、衝突後経路D32を通過する遊技球は、第2センサS2の内側に停留する遊技球の正面側を通過するので、遊技者目線では、第2センサS2の内側に停留する遊技球の視認性を悪くするように作用する。従って、衝突後経路D32を流下する遊技球により、第2センサS2の内側に停留する遊技球を見え難くすることができるので、第2センサS2の内側に停留する遊技球を視認可能な状態を維持しながら、衝突後経路D32を流下する遊技球を目くらましとして作用させることができ、第2センサS2の内側に遊技球が停留していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。
図31(c)に示すように、可動演出部材3360が起立状態へ変化すると、第2センサS2の内側に停留していた遊技球P1が案内傾斜面3331kの傾斜に沿って背面側へ流下し、V入賞センサVCに検出される。従って、本実施形態によれば、ソレノイド2333(図26(a)参照)が励磁(駆動)され、可動演出部材3360が傾倒状態となった直後に特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球が、間もなくV入賞センサVCに検出される事態が発生することを防止することができる。
なお、本実施形態では、図31(b)に示すように、第2センサS2とV入賞センサVCとの間隔が遊技球の直径未満に設定される。そのため、第2センサS2からV入賞センサVCまで直通で遊技球を流下させることができ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCを逸れて流下することを防止することができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図32を参照して説明する。
図32は、第1の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材3360、センサS、第2センサS2、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第2センサS2に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、規制弁VBは、V入賞センサVCへの遊技球の入球を許容する開状態と、V入賞センサVCへの遊技球の入球を規制する閉状態とを切り替え可能な部材として仮想的に図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第1の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされる。
なお、閉鎖予定作動時間Taは、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図32では、上述した所謂「左打ち」で遊技球を発射し続ける場合に、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCで検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、左打ちで発射された遊技球が特定入賞口65a(図29参照)を通過すると、1個の遊技球P1が第2センサS2の内側に停留する可能性があり、その他の遊技球(遊技球P2等)は、センサSに検出される。
第2センサS2の内側に停留した遊技球は、可動演出部材3360が起立状態へ状態変化することに伴い、第2センサS2を通過し、V入賞センサVCに検出される(図31(c)参照)。このように、本実施形態によれば、移動上蓋部材332を短時間開放すること等により遊技球の特定入賞口65aへの入球タイミングを制限することをしなくても、V入賞センサVCを遊技球P1が通過可能となるタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Taの経過後に限定することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVCへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
即ち、第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される(第2センサS2を通過した遊技球のみが、V入賞センサVCを通過し得る)場合に、ラウンド遊技R開始時に移動上蓋部材332を短時間開放させる制御をせずとも、V入賞センサVCへの誤入賞を防止することができる。
具体的には、規制弁VBが第2センサS2の下流、且つV入賞センサVCの上流である位置に配設される。規制弁VBは、第1の作動パターンでは、閉鎖予定作動時間Taの経過直後に、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCを通過するのに要する時間(本実施形態では0.5秒間)だけ閉鎖予定作動時間Taを越えた時間である必要通過時間にかけて1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後から開状態で維持され、その必要通過時間が経過することに伴い閉状態へ状態変化される。
これにより、本実施形態において、V入賞センサVCを遊技球が通過する状況を、閉鎖予定作動時間Taの経過時に可動演出部材3360が傾倒状態とされ遊技球が第2センサS2を越えて流下する場合に限定することができる。即ち、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作しない場合(例えば、第1の作動時間T1(最大30秒)の経過または規定個数(本実施形態では10個)の遊技球の入賞が生じるまで、移動上蓋部材332が閉状態に変化しない場合)には、V入賞センサVCを遊技球が通過しないように構成することができる。なお、この場合は、上述の配置(図31(a)参照)に比較して、第2センサS2とV入賞センサVCとの間の間隔を広げられ、規制弁VBが閉状態の時にはV入賞センサVCを逸れて別流路を球が流下可能に構成されることが望ましい。
本実施形態では、大当たり中に、V入賞センサVCを遊技球が通過したことが検出されると、その大当たり遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に移行される。即ち、本実施形態において、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作することを、大当たり遊技の終了後に遊技状態が特別図柄の確変状態に移行する一つの条件とすることができる。
なお、第2センサS2とV入賞センサVCとの間隔を球の直径未満とする構成(図31(a)参照)においても、V入賞センサVCの有効期間を、ラウンド遊技R中(大当たり遊技中において、ラウンド間インターバルを除く期間)とすることで、上述と同様の効果を奏することができる。即ち、第1の作動パターンでソレノイド2333が駆動される場合には、ラウンド遊技R中(図32において規制弁VBが開状態の間)に球がV入賞センサVCに検出され得る一方で、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作せず、長開放する場合(例えば、第1の作動時間T1(最大30秒)の経過または規定個数(本実施形態では10個)の遊技球の入賞が生じるまで、移動上蓋部材332が閉状態に変化しない場合)には、球がV入賞センサVCに検出されるタイミングはラウンド間インターバル期間となる。従って、ソレノイド2333が第1の作動パターンで駆動されることを、V入賞センサVCに有効期間中に球が検出されるための一つの条件として設定することができる。
なお、本実施形態では、第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される構成となっているので、遊技者が所謂「右打ち」で遊技球を発射し続けると、遊技球が第2センサS2を通過する可能性およびV入賞センサVCを通過する可能性が極端に低くなる(所謂「パンク」の発生可能性が高くなる)。
そのため、本実施形態では、V入賞センサVCを遊技球が通過可能に制御されるラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して「左打ち」で遊技球を発射することを促す報知(上述した左打ちナビ)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者が気づかずにV入賞センサVCへの入賞の機会を逃すことを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本実施形態では、ラウンド遊技Rにおいて第2センサS2で遊技球が検出され得るよう、ラウンド遊技R中に移動上蓋部材332を開閉する制御をしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1の作動時間T1において移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されるよう制御しても良い。この場合、遊技球がV入賞センサVCに検出されるタイミングは、ラウンド間第1インターバル時間Int1に限定される。
また、本実施形態では、遊技球P1が第2センサS2の内側に停留した後で特定入賞口65aを通過する遊技球は専らセンサSで検出される。図31(a)から図31(c)に示すように、第2センサS2の方が、センサSよりも可動演出部材3360に近接する側に配置されるので、特定入賞口65a(図15参照)の正面側に配置された遊技球が第2センサS2に検出されるまでに要する期間に比較して、特定入賞口65aの正面側に配置された遊技球がセンサSに検出されるまでに要する期間の方が、長くなる。
従って、左打ちで遊技球を発射し続けることで、右打ちで発射する場合に比較して、1球目の遊技球が第2センサS2に検出される場合に代表されるように、賞球の払い出しタイミングを早くできる。一方、規定個数目(本実施形態では、10球目)の遊技球を検出するセンサを高い確率でセンサSに限定することができるので、規定個数目の遊技球が特定入賞口65aに入球してから実際に検出されるまでの期間を長く確保することができる。
即ち、ラウンド遊技Rの初めの内は、遊技球の検出を早く行うことで、払い出し開始のタイミングを早くしつつ、ラウンド遊技Rの終盤では、遊技球の検出を遅らせることで、オーバー入賞を若干発生し易くすることができる。
なお、上述のV入賞センサVCの位置に、第2センサS2を配置しても良い。即ち、第2センサS2を第2規制部3374の後方に配置するようにしても良い。この場合、ラウンド遊技Rの終了によりソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、可動演出部材3360が起立状態となると、第2センサS2の正面側に停留していた遊技球(未だ第2センサS2に検出されていない遊技球)が第2センサS2に検出されることになる。そのため、第2センサS2が遊技球を検出する度に賞球を払い出すように制御する場合、ラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aへの規定個数の入球が検出され移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされた後で、第2センサS2の正面側に停留していた遊技球が検出されることになるので、各ラウンド遊技Rの終了後に、高頻度でオーバー入賞が生じることになる。
なお、この場合に、オーバー入賞の発生を抑制したい場合は、第2センサS2を単なる入球口として採用し、第2センサS2を通過しても賞球は払い出されず、ラウンド遊技Rに係る規定個数がセンサSのみで検出されるようにしても良い。一方で、この場合は、移動上蓋部材332を通過した個数と、入賞個数とが一致しないことになるので、遊技者が遊技球の発射を停止するタイミングを計り難くなる可能性がある。
また、別のリンク機構を用いて、可動演出部材2360が閉鎖予定作動時間Taの経過後においては、起立状態を維持するように構成しても良い。この場合、ラウンド遊技Rの終了後に、第2規制部3374により止められていた遊技球が第2センサS2に検出されることにより高頻度でオーバー入賞が生じることを防止することができるので、第2センサS2を賞球のある検出センサとして採用することができる。これにより、移動上蓋部材332を通過した個数と、入賞個数とが一致するので、遊技者が遊技球の発射を停止するタイミングを計り易くすることができる。
本実施形態では、上述したように第2センサS2が特定入賞口65a(図29参照)の左端部に配置されるので、移動上蓋部材332の上面の傾斜に沿って上面を転動し、左方への速度成分を有して流下する遊技球の方が、移動上蓋部材332の上面に乗らずに落下する遊技球に比較して、第2センサS2へ向かいやすくすることができる(第3経路D3で流下し易くすることができる)。即ち、大当たり遊技においてラウンド間第1インターバル時間Int1に移動上蓋部材332に到達した遊技球の方が、ラウンド遊技Rの間に移動上蓋部材332の正面側に到達した遊技球に比較して第2センサS2へ向かいやすくなる。
従って、ラウンド間第1インターバル時間Int1の間も遊技球を発射し続けた方が、第2センサS2を遊技球が通過し易く、V入賞センサVCを遊技球が通過し易くなる。これにより、V入賞センサVCを遊技球が通過することの利益を得る目的から、遊技者がインターバル間打ち止め(即ち、ラウンド間第1インターバル時間Int1に発射を止めること等)を行うことを抑制することができる。
図33を参照して、第3実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係について説明する。図33は、第3実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
図33に示すように、第1当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
なお、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合の第1当たり種別カウンタC4の値と対応付けられて規定されている大当たり種別の一部は、第1実施形態で説明したものと同一なので説明を省略し、以下では、本実施形態において新たに規定される大当たり種別について説明する。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜19」の範囲には、大当たりDが対応付けられて規定されている(図33の202b21参照)。
大当たりDとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「20〜49」の範囲には、大当たりEが対応付けられて規定されている(図33の202b22参照)。
大当たりEとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりFが対応付けられて規定されている(図33の202b23参照)。
大当たりFとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で10ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
本実施形態によれば、特別図柄1の抽選に基づく大当たりでは、常に第1の作動パターンで1ラウンド目のラウンド遊技Rが実行されるので、左打ちで大当たり遊技を行うことによって、V入賞センサVCへ遊技球を入球させることができる。従って、第1当たり種別カウンタC4の値に関わらず、大当たり遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態とし易くすることができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜79」の範囲には、大当たりdが対応付けられて規定されている(図33の202b24参照)。
大当たりdとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「80〜89」の範囲には、第1実施形態で上述した通り、大当たりbが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「90〜99」の範囲には、第1実施形態で上述した通り、大当たりcが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1200個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、8割の確率で大当たりd(最大の払い出し、且つ、第1の作動パターンで1ラウンド目のラウンド遊技Rが実行される大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
一方、2割の確率で大当たりb又は大当たりcとなり、この場合、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から閉鎖予定作動時間Ta(図32参照)の経過することによって移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)とする制御が行われないので、遊技球がS2を通過するタイミングが遅くなり、大当たり遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態となる危険性が生じることになる。
そのため、大当たりdなのか、大当たりb又は大当たりcなのかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化するので、特別図柄2の抽選で選択される大当たりがどの大当たりとなるかに対する注目力を向上することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、移動上蓋部材332と連動する可動演出部材3360により、特定入賞口65aを通過した遊技球の経路を切り替えることができる。この場合、可動演出部材3360により、特定入賞口65aの下流に配置されるV入賞センサVCを遊技球が通過するか否かを切り替えることができる。
可動演出部材3360は、傾倒状態において遊技球を停留させるが、この場合において、遊技球から可動演出部材3360へ与えられる負荷が、可動演出部材3360の傾倒状態を維持する方向へ向けられる。一方で、可動演出部材3360が意図的に状態を変化する場合には、可動演出部材3360は遊技球から離反する方向へ移動する。この場合、可動演出部材3360を傾倒状態に維持するのに必要な負荷を低減することができると共に、可動演出部材3360を意図的に状態変化させる場合に必要な負荷も低減することができる。
本実施形態によれば、特定入賞口65aの内部に配置される第2センサS2を遊技球が通過するタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Ta経過後に限定することができる。この場合、特定入賞口65aの開閉板である移動上蓋部材332を短時間開放する不自然な動作制御をしなくとも、容易にV確変アタッカーを構成することができる。
本実施形態によれば、特定入賞口65aへの遊技球の発射態様により、遊技者が得られる利益が変化する場合には、適した打ち方(例えば、左打ち又は右打ち)で遊技球を発射することを促す報知がされる。この場合、遊技者に不利益が生じることを防止することができる。ここで、遊技者が得られる利益が変化する場合には、例えば、V入賞センサVCへの入賞の機会を得られるか否かが変化する場合が例示される。
次いで、図34から図49を参照して、第4実施形態について説明する。第2実施形態および第3実施形態では、移動上蓋部材332と可動演出部材2360,3360とが常時連動する場合を説明したが、第4実施形態における盤面下部ユニット4300は、移動上蓋部材4332の動作に対して、可動演出部材4360が連動する場合と、動作せずに姿勢を維持する場合とが切り替え可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図34は、第4実施形態における可変入賞装置4330の下方から見上げた視線における正面斜視図である。可変入賞装置4330は、第2実施形態および第3実施形態との比較において、第2センサS2が、V入賞センサVCと同じ位置(延設床部2331eの背面側)で重ねられて左右両側に配置されること、移動上蓋部材4332の形状が異なること、切替装置4400を備えること及び可動演出部材4360の形状が切替装置4400に合わせられていることが、主に異なる。まず、移動上蓋部材4332の形状について説明する。
図35は、移動上蓋部材4332の下方から見上げた視線における正面斜視図であり、図36(a)は、移動上蓋部材4332の正面図であり、図36(b)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線における移動上蓋部材4332の断面図である。なお、図36(a)では、理解を容易とするために、組立状態(図1参照)における配置で、第1入賞口64、第2入賞口640、本体板部321及び光照射装置311bの外形が想像線で図示される。
図35及び図36に示すように、移動上蓋部材4332は、第2実施形態および第3実施形態で上述した移動上蓋部材332の構成に加え、板状部332a1から下方に突設される左右一対の第1突設部4332eと、その第1突設部4332eよりも後方かつ左右外側において板状部332a1から下方に突設される左右一対の第2突設部4332fと、を主に備える。
図35及び図36(b)では、基準線RefLが図示される。基準線RefLは、移動上蓋部材4332が退避状態(図22参照)とされた場合における第2センサS2の前面を含む平面の位置を示す直線として想像線で図示される。即ち、移動上蓋部材4332の退避状態において、移動上蓋部材4332の第1突設部4332eは第2センサS2の前面を含む平面の前側に配置される一方、第2突設部4332fは第2センサS2の前面を含む平面の後ろ側に配置される。一方、移動上蓋部材4332が張出状態(図25参照)になると、第2突設部4332fは第2センサS2を前方へ越えて、第2センサS2の前面を含む平面の前側に配置される。
第1突設部4332eは、組立状態において光照射装置311bの左右端部付近よりも左右外方で突設される部分であって、下面は、左右外側へ上昇傾斜する傾斜面として形成され、正面側端面は、正面側へ向かうほど上昇傾斜し板状部332a1と滑らかに接続する傾斜面として形成される。そのため、第1突設部4332eに衝突した遊技球は、正面側端面と衝突しても正面側に跳ね返ることが抑制され、左右外側向きに跳ね返る。
なお、第1突設部4332eの形成箇所を、遊技球の落下が生じる箇所に選択的に集中させている。即ち、遊技球の跳ね返りが生じ難い箇所には敢えて形成しないようにしている。これにより、第1突設部4332eを追加することによる材料コストを最小限に抑えることができる。
第2突設部4332fは、組立状態において光照射装置311bの左右端部付近よりも左右外方で突設される部分であって、下面は、左右内側へ上昇傾斜する傾斜面として形成され、正面側端面は、正面側へ向かうほど上昇傾斜し板状部332a1と滑らかに接続する傾斜面として形成される。そのため、第2突設部4332fに衝突した遊技球は、正面側端面と衝突しても正面側に跳ね返ることが抑制され、左右内側向きに跳ね返る。
なお、第2突設部4332fの左右方向の傾斜角度は、板状部332a1の傾斜角度よりも大きな角度で設定される。そのため、板状部332a1の下面に遊技球が衝突する場合に比較して、第2突設部4332fの下面に遊技球が衝突する場合の方が、センサS側へ遊技球を向かわせ易くすることができる。
なお、第2突設部4332fの形成箇所を、遊技球の落下が生じる箇所に選択的に集中させている。即ち、遊技球の跳ね返りが生じ難い箇所には敢えて形成しないようにしている。これにより、第2突設部4332fを追加することによる材料コストを最小限に抑えることができる。
図37(a)及び図37(b)を参照して、可動演出部材4360の上面に落下した遊技球の流下態様について説明する。図37(a)及び図37(b)は、図20(b)のXXI−XXI線に対応する線における可変入賞装置4330の断面図である。なお、図37(a)では、移動上蓋部材4332の退避状態および可動演出部材4360の傾倒状態が図示され、図37(b)では、移動上蓋部材4332の張出状態および可動演出部材4360の起立状態が図示される。
図37(a)では、張出状態の移動上蓋部材4332の上面を転動していた遊技球が、移動上蓋部材4332が退避状態へ向けて動作することにより落下した後の流下態様の一例が想像線で図示され、図37(b)では、張出状態の移動上蓋部材4332の上面を遊技球が転動している時に、移動上蓋部材4332が短時間(0.2秒間)開放され、移動上蓋部材4332が退避状態へ向けて動作することによりその遊技球が落下し、その直後に移動上蓋部材4332が閉鎖された場合における遊技球の流下態様の一例が図示される。
図37(a)及び図37(b)に示すように、遊技球が可動演出部材4360の上面で跳ねた後、その遊技球の少なくとも一部が異形貫通孔331aの下底面よりも上方に配置される第1突設部4332e又は第2突設部4332fに衝突できるように、可動演出部材4360の配置や材質(主に反発係数)が設定される。
これにより、移動上蓋部材4332から落下した遊技球の動きを激しくすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
また、跳ね返らずに遊技球が流下する場合に比較して、遊技球が移動上蓋部材4332から落下してからセンサS又は第2センサS2を通過するまでに要する時間を長くすることができるので、所謂オーバー入賞を生じやすくすることができる。
図37(a)に示すように、移動上蓋部材4332が退避状態で維持されている時に可動演出部材4360で跳ねた遊技球が移動上蓋部材4332に衝突する場合、遊技球は第1突設部4332eに衝突する。そのため、遊技球は、左右外側かつ下方向を指す矢印ODに沿う負荷を与えられることになり、左右外側かつ下方向に跳ね返る。
従って、この場合は、特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球が第2センサS2を通過する可能性を高くすることができる。
図37(b)に示すように、上述のように、遊技球が跳ね返った後に最上昇位置に配置されるまでに要する時間は0.4秒間であることから、移動上蓋部材4332が退避状態から短時間(0.2秒間)で張出状態に復帰すると、可動演出部材4360で跳ねた遊技球が移動上蓋部材4332に衝突するよりも前に、移動上蓋部材4332が張出状態となる。この場合、遊技球は第2突設部4332fに衝突する。そのため、遊技球は、左右内側かつ下方向を指す矢印IDに沿う負荷を与えられることになり、左右内側かつ下方向に跳ね返る。
従って、この場合は、特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球が第2センサS2を通過する可能性を低くし、センサSを通過する可能性を高くすることができる。
このように、本実施形態では、遊技球と衝突する箇所における移動上蓋部材4332の形状により、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される場合と、移動上蓋部材4332が短時間開放(0.2秒間)される場合とで、センサS2を遊技球が通過する可能性(割合)を変化させることができる。
なお、第1突設部4332eは、可動演出部材4360に衝突して跳ねた遊技球が張出状態の移動上蓋部材4332と衝突する点よりも前側に配置される(図37(b)参照)。即ち、移動上蓋部材4332が短時間(0.2秒間)開放された場合、移動上蓋部材4332から落下し可動演出部材4360と衝突した遊技球が跳ねて移動上蓋部材4332に衝突するよりも前に移動上蓋部材4332が張出状態とされる。これにより、遊技球が移動上蓋部材4332の第1突設部4332eに衝突することを防止することができる。
次いで、図38を参照して、本実施形態で追加される切替装置4400について説明する。図38は、切替装置4400の背面斜視図である。なお、本実施形態における以下の説明では、可動演出部材4360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図38に示すように、切替装置4400は、可動演出部材4360の右端位置に配置される伝達部2364(図18参照)の下方において、本体前部2331F(図18参照)の正面側に連結される側壁F4a及び底壁F4bの内側に配設される装置であって、回転可能に軸支される回転部材4410と、その回転部材4410と係合することで回転部材4410の姿勢を維持する姿勢維持部材4420と、回転部材4410の上方において上下移動可能に支持され、回転部材4410に押し上げられることにより上昇する上下移動部材4430とを主に備える。
回転部材4410は、側壁F4aに固定される円柱棒に回転可能に軸支される回転対称形状の本体部4411と、その本体部4411の側壁F4a側の端面と面一で軸径方向に延設される一対の延設部4412と、その延設部4412の延設端部から側壁F4a側に円柱形状でそれぞれ延設される負荷発生部4413とを主に備える。
本体部4411の周面には、周期的(本実施形態では90度周期)に同一形状で凹設される等分凹設部4411aが形成される。等分凹設部4411aは、姿勢維持部材4420の先端部の形状に合わせた形状とされる。本実施形態では、姿勢維持部材4420の先端部が半円形状とされるので、等分凹設部4411aは、姿勢維持部材4420の先端部の半円と外形が重なる半円形状とされる。
一対の延設部4412及び一対の負荷発生部4413は、回転部材4410の回転軸対称で配置される。即ち、一対の負荷発生部4413は、回転部材4410の回転に伴い同一の軌跡を辿って移動する。
姿勢維持部材4420は、コイルスプリングSP4aの付勢力で上昇方向(起き上がり方向)に付勢されており、底壁F4bに回転可能に軸支される長板状の本体部4421と、その本体部4421の回転先端側端部において回転部材4410側に半円形状で張り出す係合部4422とを主に備える。
図38に示すように、姿勢維持部材4420は、コイルスプリングSP4aの付勢力により回転部材4410の等分凹設部4411aに係合部4422が押し付けられる。このとき、係合部4422の最張出部分(円周の中間部分)の移動軌跡が、本体部4421の回転軸を中心として回転部材4410の回転軸を通過する円軌道と重なるように構成される。従って、図38に図示される状態において、コイルスプリングSP4aの付勢力は回転部材4410に回転方向の負荷を与えない。
この場合、等分凹設部4411aが係合部4422と嵌合する姿勢(図38参照、位相ずれ90度で同様に嵌合可能)において、振動等により回転部材4410が回転方向に姿勢ずれしそうになっても、係合部4422が姿勢ずれの抵抗を生じるので、回転部材4410の姿勢が維持される。即ち、原則として、図38の状態で回転部材4410の姿勢は維持される。
上下移動部材4430は、側壁F4aの内側に形成される一対の板状の案内部F4cにより移動方向が上下に規制される部材であって、前後に延びる板状部でありコイルスプリングSP4bにより下方へ付勢される本体部4431と、その本体部4431の前端部から上方へ板状に延設される被支持部4432と、その被支持部4432の延設先端から背面側へ延設される係止部4433とを主に備える。
本体部4431は、上面視で負荷発生部4413と重なる位置に配置され、その負荷発生部4413が本体部4431に近づく方向に移動することに伴い負荷発生部4413から負荷を与えられ、上昇する。
本体部4431は、組立状態における回転部材4410の軸よりも前方において、下面側から上方へ向けて凹設される凹設部4431aを備える。
凹設部4431aは、回転部材4410の負荷発生部4413が進入可能な前後幅で凹設される。凹設部4431aにより、回転部材4410の負荷発生部4413が回転軸よりも後方において本体部4431と当接する場合と、回転軸よりも前方において本体部4431と当接する場合とで、鉛直線を基準とした回転部材4410の回転角度の絶対値が同じ場合における上下移動部材4430の上下位置を、変化させることができる。これにより、上下移動部材4430に可動演出部材4360の姿勢を維持する機能を付加しているが、詳細は後述する。
被支持部4432は、一対の案内部F4cに被さる態様で前後方向に突設される被さり部4432aを備える。上下移動部材4430がコイルスプリングSP4bの付勢力で下方に押される場合、その配置の下限は、被さり部4432aと案内部F4cとが上下で当接する位置とされる。
即ち、本実施形態では、上下移動部材4430は、負荷発生部4413と当接していない時は被さり部4432aと案内部F4cとが当接する位置(下限位置)で維持される一方、負荷発生部4413に押し上げられることにより、負荷発生部4413が回転軸の真上に配置される場合の上下移動部材4430の位置(上限位置)まで上昇可能に構成される。
係止部4433は、背面側先端部から下方に突設される突設爪部4433aを備える。この突設爪部4433aは、可動演出部材4360の姿勢を起立状態で維持する目的で配設されるが、詳細は後述する。
次いで、図39及び図40を参照して、切替装置4400の動作について説明する。図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)は、切替装置4400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材4360の動作を模式的に示す切替装置4400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材4360の側面模式図である。
図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)では、回転部材4410が前転方向に半回転する様子が時系列で図示される。なお、図39(a)及び図40(c)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が前後に並んで配置される状態が図示され、図39(c)及び図40(a)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が上下に並んで配置される状態が図示される。
なお、本実施形態では、可動演出部材4360の摺動部4363は、第2伝達部材2350の延設棒状部2353と干渉しないように摺動部2363から若干形状変更されている。即ち、延設棒状部2353と対向配置される部分が、延設棒状部2353から離反する方向に削られている。
本実施形態では、第1伝達部材2340に配設され、一体的に上下動作する係合爪Naが、回転部材4410に回転方向の負荷を付与可能に構成される。なお、本実施形態では、係合爪Naは、回転部材4410の回転軸と直交する方向に延設され、回転部材4410の厚みの範囲内(回転部材4410の回転軸と直交する平面間に構成される領域内)に配設される。
係合爪Naは、下から上方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対して相対動作し、負荷を逃がすことができる(負荷の伝達が解除される)一方、上から下方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対する相対動作が不能とされ、負荷が伝達される態様で、第1伝達部材2340に軸支される。
詳述すると、係合爪Naの下側において、係合爪Naの傾倒を防止する突起が第1伝達部材2340の側面から突設される。これにより、係合爪Naは、横向きの姿勢からの傾倒方向への変位が規制され、起き上がり方向への変位が許容される。
即ち、係合爪Naは、回転部材4410を持ち上げる方向に移動する場合には回転部材4410へ向けて負荷を与えることができる一方、回転部材4410を押し下げる方向に移動する場合には、回転部材4410へ負荷をかけることができない。
従って、第1伝達部材2340が上昇動作する際(ソレノイド2333(図18参照)が駆動(励磁)される際)には、回転部材4410を回転させられる(図39(a)から図39(c)参照)一方、第1伝達部材2340が下降動作する際(ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除される際)には、回転部材4410の姿勢は維持されたままとなる(図39(c)及び図40(a)参照)。
突設爪部4433aは、可動演出部材4360が起立状態の時に上下移動部材4430が下限位置に配置されることにより(図39(a)参照)、可動演出部材4360を起立状態で維持する形状として設計される。即ち、突設爪部4433aは、被係止部4367と当接する下面が、後述する可動演出部材4360の起立状態における被係止部4367の上面の傾斜と平行な傾斜面として構成される。
可動演出部材4360は、第2実施形態における可動演出部材2360の構成に加え、伝達部2364の前側面から背面側へ向けて凹設される係止用凹設部4366と、その係止用凹設部4366の下端部を塞ぐように伝達部2364の下端部から上方へ向けて延設される被係止部4367とを備える。
係止用凹設部4366は、上下移動部材4430の移動軌跡と重ならないように凹設される。即ち、可動演出部材4360の状態を変化させずとも(起立状態のままで)、上下移動部材4430を上下動作させることができる。
被係止部4367は、突設爪部4433aと当接する上面が、左面視(図39(a)の方向視)において反時計回り方向へ向かうほど回転軸との距離が近くなる態様で傾斜する傾斜面を備える部分として形成される。そのため、上下移動部材4430の突設爪部4433aが少しでも被係止部4367に引っかかれば、上下移動部材4430から被係止部4367を介して可動演出部材4360に与えられる負荷により、可動演出部材4360を後転方向に回転させることができる。
なお、本実施形態では、コイルスプリングSP4bの付勢力を十分に大きく確保しているため、可動演出部材4360からの負荷により、上下移動部材4430が上昇することを防止することができる。
上述した構成を備える切替装置4400が、可動演出部材4360に及ぼす作用について説明する。図39(a)では、ソレノイド2333(図18参照)の駆動(励磁)が解除された状態が図示され、移動上蓋部材4332は閉状態(張出状態)とされ、第2伝達部材2350からの負荷により可動演出部材4360が起立状態とされ、加えて上下移動部材4430が下限位置に配置される。
この場合、可動演出部材4360は、第2伝達部材2350及び上下移動部材4430から2重で姿勢を維持される。即ち、第2伝達部材2350又は上下移動部材4430のいずれかが退避するだけでは可動演出部材4360は姿勢変化せず、両方が退避することで初めて傾倒状態へ向けて回転可能とされる。
図39(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図39(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図39(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との中間の位置に配置された状態が図示される。
図39(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図39(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353は可動演出部材4360の伝達部2364の上方に退避する一方、上下移動部材4430は下限位置に維持され、上下移動部材4430に係止されることにより可動演出部材4360の姿勢変化が防止される。従って、可動演出部材4360の姿勢は、起立状態に維持される。一方、移動上蓋部材4332は開状態(退避状態)へ向けて移動を開始する。
図39(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図39(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図39(c)に示す状態では、上下移動部材4430が負荷発生部4413に押し上げられる。これにより、上下移動部材4430の突設爪部4433aと、可動演出部材4360の被係止部4367との係合が解除され、可動演出部材4360は傾倒状態へ向けて回転する。
なお、本実施形態では、図39(c)に示す状態(上下移動部材4430が上下動作の上限界位置に配置された状態)で、初めて上下移動部材4430の突設爪部4433aが可動演出部材4360の被係止部4367の移動軌跡の外方に配置される。従って、上下移動部材4430が図39(c)に示す状態になってから、可動演出部材4360は傾倒動作を開始する。
このように、本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)へ向けて移動を開始した後で、可動演出部材4360が起立状態から傾倒状態へ向けて回転を開始する。即ち、移動上蓋部材4332を開状態(退避状態)へ向けて動作開始させる時には、可動演出部材4360は起立状態で維持される。
図40(a)には、図39(c)に示す状態から、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350が下降した状態が図示される。上述したように、第1伝達部材2340が下降する過程では、係合爪Naが回転部材4410を回転させることは無い。
そのため、図40(a)では、回転部材4410は図39(c)と同じ姿勢を維持する一方で、可動演出部材4360は第2伝達部材2350に押し下げられ、起立状態に状態変化している。
図40(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図40(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図40(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中の位置に配置された状態(延設棒状部2353の先端部に可動演出部材4360が傾倒動作を妨げられる状態)が図示される。
図40(b)に示すように、第1伝達部材2340が上昇すると、第2伝達部材2350が可動演出部材4360から離れる方向に移動する一方で、負荷発生部4413の上下位置が円軌跡に沿って下降することにより上下移動部材4430が下降し、可動演出部材4360の被係止部4367に近づく。
ここで、上下移動部材4430に凹設部4431aが形成されることにより、上側の負荷発生部4413及び回転部材4410の回転軸を結ぶ線と、鉛直線とのなす角度である第1回転角度が同じ場合であっても、負荷発生部4413が回転軸の後方にある場合(図39(b)参照)に比較して、負荷発生部4413が回転軸の前方にある場合(図40(b)参照)の方が、上下移動部材4430の上下位置が下げられる。
即ち、図39(a)から図39(c)の過程では係止部4433と被係止部4367との係合が解除される(係止部4433が被係止部4367の移動軌跡から外れた位置に置かれる)場合の第1回転角度の姿勢に、図40(a)から図40(c)の過程で回転部材4410がなったとしても、凹設部4431aの分だけ上下移動部材4430が下降することで、係止部4433が被係止部4367に近づくことになる。
本実施形態では、凹設部4431aの凹設深さは、上下移動部材4430の下降動作により係止部4433が被係止部4367の移動軌跡の内側に進入可能となる深さで、コイルスプリングSP4bの弾性係数は、図40(a)から図40(b)までの間において、被係止部4367が係止部4433の前方に配置されている間に係止部4433が被係止部4367の移動軌跡の内側に進入するために必要となる力を発生させるのに必要な大きさで、それぞれ設定される。
即ち、図40(b)に示すように、第2伝達部材2350が可動演出部材4360から離反する方向に移動し、可動演出部材4360が傾倒しかけた場合であっても、上下移動部材4430が下降する過程で上下移動部材4430の係止部4433が被係止部4367に引っ掛かり、負荷が与えられることで、係止部4433及び被係止部4367の傾斜の影響で可動演出部材4360が起立状態に復帰する(図40(c)参照)。
そして、図40(c)に示す状態から、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除されると、図39(a)の状態に移行する。即ち、ソレノイド2333が2回励磁(駆動)されることを1セットとして、図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)までの1セットの動作が繰り返されることになる。
次いで、図41を参照して、本実施形態におけるソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と、移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作との関係をタイミングチャートで説明する。なお、図41の説明では、図39及び図40を適宜参照する。
図41は、本実施形態における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333及び可動演出部材4360の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図41では、図26(a)で説明した各時点t1〜t8が予め記載される。
図41に示すように、ソレノイド2333の励磁、非励磁の切り替えに伴い、移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360は状態変化するが、上述したように時間差が生じる。以下、順に説明する。
ソレノイド2333が第1時点t1に励磁(駆動)され始めると、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350が上昇動作を開始する一方、上下移動部材4430に係合されることで、可動演出部材4360は起立状態で維持される(図39(b)参照)。
可動演出部材4360の起立状態の維持が解除されるのは、上述した通り上下移動部材4430が上下動作の上限界位置に配置された状態となってからである。ここで、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングがソレノイド2333の励磁後、第1伝達部材2340が上端位置に配置されたタイミングと略同時点と仮定すると、鉤形部材333b及び爪部2333c(図18及び図19参照)が上端に到達する第4時点t4の直後に可動演出部材4360は傾倒状態へ向けて傾倒を開始する。
なお、上記仮定に寄らずとも、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングは、少なくとも図39(b)に示す状態(鉤形部材333b及び爪部2333cが移動範囲の中間位置に配置される状態)よりも後であることが明らかなので、可動演出部材4360が傾倒を開始するタイミングは、少なくとも、移動上蓋部材4332が開状態へ向けて移動を開始した後とされる。
即ち、可動演出部材4360は移動上蓋部材4332の動作に対応して動作するものであるが、移動上蓋部材4332が動作を開始した後で、動作を開始する。換言すれば、移動上蓋部材4332が動作を開始するタイミングを基準として、所定期間だけ後のタイミングに、可動演出部材4360は動作開始する。
なお、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除した場合の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作態様は、上記実施形態で説明したものと同じであるので、説明を省略する(図26(a)参照)。
図41で再度説明したことから明らかなように、可動演出部材4360及び移動上蓋部材4332はソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と連動するが、可動演出部材4360及び移動上蓋部材4332の動作タイミングは同時ではなく、時間差がある。
そして、上述の時間差は、図41に示すように、可動演出部材4360の動作開始のタイミングを、移動上蓋部材4332の動作開始のタイミングよりも遅らせるものである。
遊技者は、前板部材2320を透して移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作態様を視認可能とされるところ、特定入賞口65a(図15参照)への遊技球の入球に直接的に作用する(退避状態か張出状態かで遊技球の入球を許容するか規制するかを切り替える)移動上蓋部材4332が退避状態(遊技球の入球を許容する状態)に変化するタイミングよりも遅れたタイミングで可動演出部材4360が傾倒状態に変化する。
そのため、移動上蓋部材4332のみが遊技者に視認される場合に比較して、可動演出部材4360が傾倒状態に変化した後のタイミングで遊技球を発射するように遊技することができるので、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となる前に遊技球を発射してしまい、遊技者にとって球損が生じることを抑制することができる。
このように、本実施形態では、可動演出部材4360の状態の切り替えを視認することで、移動上蓋部材4332を直接見なくとも、移動上蓋部材4332の状態を把握することができる。これにより、移動上蓋部材4332のみが動作する場合に比較して、移動上蓋部材4332の状態を容易に把握することができる。
ここで、従来のパチンコ機10には、特定入賞口65aへ遊技球を入球可能となるタイミングに合わせて、液晶表示や音声などで「アタッカーを狙え」等の報知を行うものがあるが、その報知のタイミングと、実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるタイミングとの時間間隔は、一般的に、機種が変われば変わるものである。そのため、報知から実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでのタイミングが長い場合、報知に従って遊技球を発射したにも関わらず、その遊技球が特定入賞口65aに到達するタイミングになっても特定入賞口65aは遊技球の入球を許容する状態に変化しないために、特定入賞口65aに入球できずに遊技球が通り過ぎてしまうことがあり、遊技者の不満の要因となっていた。
これに対し、本実施形態において、可動演出部材4360が傾倒状態へ向けて動作開始するタイミングを確認することにより、遊技者は、液晶演出や音声などの間接的な報知ではなく、移動上蓋部材4332の動作と一定の時間ずれで連動する部材の動作という直接的な報知として、移動上蓋部材4332が動作開始する前から移動上蓋部材4332が動作開始するタイミングを把握することができる。そのため、遊技者は、特定入賞口65aが遊技球の入球を許容するタイミングの確信をもって、特定入賞口65aへ向けて迷いなく遊技球の発射を開始することができる。
また、移動上蓋部材4332が動作開始する前から移動上蓋部材4332が動作開始するタイミングを把握することで、移動上蓋部材4332の動作を確認してから遊技球を打ち出す場合に比較して、遊技球の発射のタイミングを早めることができる。これにより、移動上蓋部材4332が実際に遊技球の通過を許容する状態に変化してから遊技球が特定入賞口65aを通過するまでの期間を短縮することができる。従って、大当たり遊技が間延びすることを防止することができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図42を参照して説明する。図42は、第2の作動パターンにおける移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第2センサS2に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図42では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材4332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第2の作動パターンに基づいて移動上蓋部材4332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、ソレノイド2333の駆動(励磁)態様自体は、第1の作動パターンと第2の作動パターンとで違いは無い。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材4332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材4332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされる。
なお、閉鎖予定作動時間Taは、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
第2の作動パターンでは、閉鎖予定作動時間Taにおいて可動演出部材4360は傾倒状態とされ、閉鎖予定作動時間Taの経過後において可動演出部材4360は起立状態とされる。そのため、閉鎖予定作動時間Taでのみ、遊技球がV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331eに乗ることが可能となる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図42では、上述した所謂「左打ち」で遊技球を発射し続ける場合に、センサS及びセンサS2で検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、可動演出部材4360が傾倒状態を維持する閉鎖予定作動時間Taに遊技球が特定入賞口65a(図29参照)を通過すると、第2センサS2に遊技球が検出される可能性があり、その他の遊技球は、センサSに検出される。
このように、本実施形態によれば、第2センサS2を遊技球が通過可能となるタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Taの経過前に限定することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVC(図34参照)への遊技球の入球タイミングを、単一の駆動源(ソレノイド2333)によって制限することができる。
なお、本実施形態で第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される構成とした場合、第2センサS2は左右一対で配置されることから、遊技者が所謂「右打ち」で遊技球を発射し続けたとしても、遊技球が第2センサS2を通過する可能性およびV入賞センサVCを通過する可能性を高く維持することができる。
そのため、本実施形態では、V入賞センサVCを遊技球が通過可能に制御されるラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して左打ち又は右打ちで継続して遊技球を発射することを促す報知が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者が遊技球を打ち出さなかったことによりV入賞センサVCへの入賞の機会を逃すことを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材4332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の他の一例について、図43及び図44を参照して説明する。図43は、第2の作動パターンの別例1における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図であり、図44は、第2の作動パターンの別例2における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。
なお、図43及び図44では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
図43を参照して、第2の作動パターンの別例1の概要を説明する。第2の作動パターンの別例1は、第2の作動パターンに比較して、移動上蓋部材4332の動作に対する可動演出部材4360が傾倒状態となるタイミング(移動上蓋部材4332の何回目の動作に合わせたタイミングとなるか)が変化する。即ち、一回目の移動上蓋部材4332の開状態(退避状態)へ向けたスライド動作時には、可動演出部材4360は起立状態を維持し、二回目の移動上蓋部材4332の開状態(退避状態)へ向けたスライド動作に伴い、可動演出部材4360は傾倒状態に変化する。以下、第2の作動パターンの別例1の適用例について詳細に説明する。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において小当たりを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)小当たり遊技の制御を開始する。以下、小当たり遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材4332の作動制御について説明する。
小当たり遊技は、特定入賞口65aに遊技球が入球する可能性が極めて低く、賞球の払い出しを実質的に伴わない遊技状態である。
所定の小当たり遊技の場合には、第2の作動パターンの別例1に基づいて移動上蓋部材4332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、説明が重複する部分については、一部説明を省略することがある。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、小当たり遊技を開始する。
第2の作動パターンの別例1では、短開放作動時間Ts(約1.8秒)の間に、移動上蓋部材4332が2回開閉動作する。1回目に開状態(退避状態)が維持される第1短開放時間Ts1において可動演出部材4360は起立状態とされ、第1短開放時間Ts1の終了時から閉鎖時間Tsc(0.2秒間)が経過して移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)へ向けてスライド動作した後、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される第2短開放時間Ts2の間、可動演出部材4360は傾倒状態とされる。
そのため、第1短開放時間Ts1においては、遊技球はV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331e(図34参照)に乗ることはできず、第1短開放時間Ts1及び閉鎖時間Tscの経過後に、初めて、遊技球はV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331eに乗ることが可能となる。
なお、本別例1では、第1短開放時間Ts1は、0.5秒間で設定され、第2短開放時間Ts2は、1.0秒間で設定される。
そして、小当たり終了条件(短開放作動時間Tsの経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、小当たり遊技が終了する。なお、実質的には、短開放作動時間Tsの間に規定個数の遊技球が入賞することは不可能なので、短開放作動時間Ts(約1.8秒間)の経過により小当たり遊技が終了する。
図43では、遊技球を特定入賞口65aへ狙って発射し続ける場合に、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCで検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、上述の実施形態と同様に、可動演出部材4360が傾倒状態とされる場合において特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球は、センサS又は第2センサS2に振り分けられる。
一方、可動演出部材4360が起立状態とされる場合(第1短開放時間Ts1の間)において特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球は、専ら、経路C2aで流下することになる。従って、第1短開放時間Ts1の間に第2センサS2及びV入賞センサVCに遊技球が検出されることを防止することができる。
図44を参照して、第2の作動パターンの別例2の概要を説明する。第2の作動パターンの別例2は、第2の作動パターンの別例1に比較して、第3短開放時間Ts3(0.2秒間)が第2短開放時間Ts2の代わりに設定されることのみが異なる。
即ち、遊技球が唯一、第2センサS2へ入球可能となる移動上蓋部材4332の2回目の開放が、短開放動作となる。この場合、移動上蓋部材332の開放時に遊技球が落下し、可動演出部材4360に衝突したとしても、上述したように、遊技球は、移動上蓋部材4332の第2突設部4332f(図35参照)と衝突することにより左右内側(第2センサS2から離反する側)へ向けて跳ね返る。従って、遊技球が第2センサS2を通過することを防止し易くすることができる。
このように、第2の作動パターンの別例1及び別例2によれば、第2センサS2を遊技球が通過可能となるタイミングを、第1短開放時間Ts1の経過後に再び移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となってから小当たり遊技の終了時までに限定することができ、加えて、第2の作動パターンの別例2によれば、移動上蓋部材4332の開放動作を短開放動作とすることで、第2センサS2を遊技球が通過することを防止し易くすることができる。そのため、第2の作動パターンの別例1で移動上蓋部材4332を動作させるか、第2の作動パターンの別例2で移動上蓋部材4332を動作させるかによって、ソレノイド2333のみを駆動源として、遊技者が得られる利益を異ならせることができる。
これにより、例えば、Vアタッカー(所謂「1種2種混合機」において、V入賞センサVCが遊技球の通過により大当たりが発生するように設定されるものにおいて、そのV入賞センサVCを備えるアタッカー)を備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVCへの誤入賞を防ぐための規制弁VBを省略することができ、その規制弁VBの駆動装置を不要とすることができる。即ち、可動演出部材4360に規制弁VBの機能を持たせ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCをほぼ通過するように構成することで、規制弁VBの駆動装置を省略することができるので、駆動装置の配置スペースや、部材費用を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、可動演出部材4360が傾倒開始するタイミングが移動上蓋部材4332の移動開始タイミングよりも遅く設定されるので(図41参照)、第3短開放時間Ts3でソレノイド2333が励磁(駆動)される場合に、可動演出部材4360が傾倒状態となる前に可動演出部材4360を起立状態へ復帰させる制御を行うことが可能となる。この場合、可動演出部材4360を実質的に起立状態で維持したままとすることができ、移動上蓋部材4332を通過した遊技球が可動演出部材4360の正面側を流下するように構成することができるので、第3短開放時間Ts3で移動上蓋部材4332を通過した遊技球が第2センサS2を通過することを防止することができる。この場合、可動演出部材4360に規制弁VBの機能を持たせ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCをほぼ通過するように構成することで、規制弁VBの駆動装置を省略することができるので、駆動装置の配置スペースや、部材費用を抑えることができる。
本実施形態における制御態様の一例について説明する。なお、ここで説明する制御態様の一例では、大当たりを獲得する契機は、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなった場合と、所定のV入賞センサVCを遊技球が通過した場合とで構成される。
図45は、遊技盤13の正面図である。本実施形態における遊技盤13では、第1実施形態で説明した構成に加え、第2特定入賞口650aが盤面上部に配置される。この第2特定入賞口650aは、第1実施形態における特定入賞口65の代わりに配設される大入賞口であり、その代わり、図45から図49の説明においては、特定入賞口65aは小当たり遊技において開閉する。
図45に示すように、本実施形態では、特定入賞口65aの上端部付近に入球監視センサS0が左右一対で配設される。入球監視センサS0は、球の通過を検出可能なセンサであって、移動上蓋部材4332(図34参照)の下流側かつ可動演出部材4360の上流側(図34参照)に配設される。即ち、可動演出部材4360の移動軌跡(円弧軌道の移動軌跡)の上方であって、移動上蓋部材4332の下方である位置に配設される。
入球監視センサS0は、本実施形態では、移動上蓋部材4332の正面側を下方へ通過した球の少なくとも一部を検出可能に構成され、賞球の払い出しに用いられるセンサとしてではなく、第3図柄表示装置81で行われる表示演出の切り替えのトリガに利用される。例えば、球の通過が入球監視センサS0に検出されたことに起因して、第3図柄表示装置81に「チャンス!」や「球ゲット」等の、遊技者の興趣を向上させる演出を実行するように構成される。
第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口650aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、第2特定入賞口650aに遊技球が1個入球することにより15個の賞球が払い出されるように制御される。
第2特定入賞口650aを開閉する開閉板は左右方向に沿う軸を中心に回転可能に構成され、第2特定入賞口650aを閉鎖する起立状態(閉状態)と、その起立状態から回転して、第2特定入賞口650aを開放する傾倒状態(開状態)とで状態変化可能に構成される。
次に、図46を参照して、本実施形態の主制御装置110(図4参照)におけるROM202の内容について説明する。図46は、主制御装置110におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。
本制御例におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202(図14参照)に加え、小当たり種別選択テーブル202eを少なくとも有している。この小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64または第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。
図47を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図47(a)から図47(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり乱数テーブル202aは、図47(a)に示す通り、第1入賞口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図47(b)に示す通り、第1入賞口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1〜3」であるか判別されて、「1〜3」であれば小当たりであると判別される。その他、「4〜319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図47(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1〜318」であるか判別されて、「1〜318」であれば小当たりであると判別される。その他、「319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC3は、0〜319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は3であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「3/320」となる。
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は318であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「318/320」となる。
なお、上述の各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
本実施形態における電動役物640aは、時短中の場合は5秒間又は0.5秒間開放されるが、時短中でない場合は0.2秒間しか開放されない。よって、時短中でない場合に第2当たり乱数カウンタC5の値が当たりとなったとしても、第2入賞口640へと遊技球を入賞させることが困難となされる。これにより、時短中でない(時短有りの大当たりを現出させていない)にも関わらず、第2入賞口640へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
図48は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図48参照)は、上述と同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜49」の範囲には、大当たりGが対応付けられて規定されている(図48の202b41参照)。
大当たりGとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりHが対応付けられて規定されている(図48の202b42参照)。
大当たりHとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、通常状態となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができるが、大当たり遊技終了後の時短状態の利益を得ることはできない。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、50%の確率で大当たり遊技の終了後の遊技状態を時短状態とすることができる。時短中は、後述する小当たり遊技により、更なる大当たりの獲得を目指すことになる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜99」の範囲(全範囲)には、上述の大当たりGが対応付けられて規定されている(図48の202b43参照)。
即ち、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、10割の確率で大当たりG(時短100回の大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に比較して、大当たり遊技終了後に短時間で次の大当たりを獲得する可能性が上昇する。
上述した通り、特別図柄の時短中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(5秒間または0.5秒間)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。そして、特別図柄2の抽選で大当たりとなると、その大当たり終了後は時短状態となるので、更に特別図柄2の抽選による大当たりを獲得し易くなる。
従って、一旦特別図柄の時短状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりGとなりやすい特別図柄の時短状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の時短状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図49を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図49(a)から図49(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図49(a)参照)。
図49(b)に示すように、第1入賞口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC6の値が、「0〜1」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「2〜99」の場合は小当たりB(V通過不可能)が選択される。
一方、図49(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC6の値が、「0〜9」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「10〜99」の場合は小当たりB(V通過不可能)が選択される。
本実施形態では、小当たり種別に応じて、ソレノイド2333(図43参照)の動作が設定される。具体的には、小当たりAによる小当たり遊技では、第2の作動パターンの別例1(図43参照)でソレノイド2333が駆動され、小当たりBによる小当たり遊技では、第2の作動パターンの別例2(図44参照)でソレノイド2333が駆動される。
即ち、小当たりAは、その後V入賞センサVC(図43参照)を遊技球が通過することで大当たりが高い確率で付与される小当たりであり、小当たりBは高い確率で大当たりが付与されない小当たりである。
また、本制御例では、小当たりAの後に付与される大当たりは大当たりG(16R時短有大当たり)となるように構成されている。
なお、本実施形態では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV入賞センサVCを遊技球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、V入賞センサVCを通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される場合と、移動上蓋部材4332が短時間開放(0.2秒間開放)される場合とで、遊技球が流下し易い経路が変更される。この場合、特定入賞口65aを通過した遊技球が特定のセンサ(第2センサS2及びV入賞センサVC)に検出される可能性(割合)を、専用の駆動装置を備えることなく変化させることができる。
特に、特定入賞口65aが短時間開放した際に特定入賞口65aに入賞した遊技球が選択的に第2センサS2及びV入賞センサVCへ向かい難く構成することにより、特定の開放パターンの小当たり遊技の際に特定入賞口65aに入賞した遊技球が第2センサS2及びV入賞センサVCを通過することを選択的に防止し易くすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となった時に、可動演出部材4360が傾倒状態となる場合と、起立状態となる場合とを、個別の駆動装置無く切り替えることができる。この場合、製品コストを低減しながら、可動演出部材4360を用いた演出の自由度を向上させることができる。
次いで、図50から図53を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態および第3実施形態では、移動上蓋部材332と可動演出部材2360,3360とが常時連動し、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が起立状態となる場合を説明したが、第5実施形態における盤面下部ユニット5300は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態へ変化する場合と、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が傾倒状態のまま姿勢を維持する場合とが切り替え可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図50を参照して、本実施形態で追加される切替装置5400について説明する。図50は、第5実施形態における切替装置5400の背面斜視図である。なお、本実施形態における以下の説明では、可動演出部材2360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図50に示すように、切替装置5400は、可動演出部材2360の右端位置に配置される伝達部2364(図18参照)の下方において、本体前部2331F(図18参照)の正面側に連結される側壁F4a及び底壁F4bの内側に配設される装置であって、第4実施形態で上述した回転部材4410及び姿勢維持部材4420に加え、回転部材4410の背面側において回転可能に支持され、回転部材4410の負荷発生部4413から押されることで姿勢変化する下面上昇部材5440を備える。
下面上昇部材5440は、コイルスプリングSP5aの付勢力で退避位置(図51(a)参照)まで後回転される一方、負荷発生部4413から与えられる負荷により張出位置(図51(c)参照)まで前回転可能とされる部材であって、回転軸よりも正面側に配置され負荷発生部4413から押圧される被押圧部5441と、回転軸を挟んで被押圧部5441の反対側に配置され、張出位置において第1伝達部材2340(図18及び図19参照)の下面と当接可能とされる当接部5442と、を主に備える。
下面上昇部材5440は、負荷発生部4413が移動する平面上に配置され、その負荷発生部4413が被押圧部5441に近づく方向に移動することに伴い負荷発生部4413から負荷を与えられ、コイルスプリングSP5aの付勢力に対抗して前回転する。
当接部5442は、側壁F4aから左右方向に突設される規制部F5dと当接することにより、後回転時に退避位置で停止する。
即ち、本実施形態では、下面上昇部材5440は、負荷発生部4413と当接していない時は当接部5442と規制部F5dとが当接する位置(退避位置)で維持される一方、負荷発生部4413に押圧されることにより、当接部5442が第1伝達部材2340(図18及び図19参照)の真下に配置される場合の位置(張出位置)まで前回転可能に構成される。
次いで、図51及び図52を参照して、切替装置5400の動作について説明する。図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)は、切替装置5400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材2360の動作を模式的に示す切替装置5400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材2360の側面模式図である。
図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)では、回転部材4410が前転方向に半回転する様子が時系列で図示される。なお、図51(a)及び図52(c)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が前後に並んで配置される状態が図示され、図51(c)及び図52(a)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が上下に並んで配置される状態が図示される。
本実施形態では、上述の実施形態と同様に、第1伝達部材2340に配設され、一体的に上下動作する係合爪Naが、回転部材4410に回転方向の負荷を付与可能に構成される。係合爪Naは、上述の実施形態と同様に、回転部材4410を持ち上げる方向に移動する場合には回転部材4410へ向けて負荷を与えることができる一方、回転部材4410を押し下げる方向に移動する場合には、回転部材4410へ負荷をかけることができない。
なお、本実施形態では、係合爪Naは、回転部材4410の回転軸と直交する方向に延設され、回転部材4410の厚みの範囲内(回転部材4410の回転軸と直交する平面間に構成される領域内)に配設される。また、上述の実施形態で説明した係合爪Naに比較して、第1伝達部材2340に対して相対的に下方に配置される。
係合爪Naは、下から上方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対して相対動作し、負荷を逃がすことができる(負荷の伝達が解除される)一方、上から下方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対する相対動作が不能とされ、負荷が伝達される態様で、第1伝達部材2340に軸支される。
詳述すると、係合爪Naの下側において、係合爪Naの傾倒を防止する突起が第1伝達部材2340の側面から突設される。これにより、係合爪Naは、横向きの姿勢からの傾倒方向への変位が規制され、起き上がり方向への変位が許容される。
従って、第1伝達部材2340が上昇動作する際(ソレノイド2333(図18参照)が駆動(励磁)される際)には、回転部材4410を回転させられる(図51(a)から図51(c)参照)一方、第1伝達部材2340が下降動作する際(ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除される際)には、回転部材4410の姿勢は維持されたままとなる(図51(c)及び図52(a)参照)。
本実施形態では、回転部材4410の回転により、前後に並んで配置されていた負荷発生部4413が上下に並んで配置されるようになる過程で下面上昇部材5540は押圧され、張出位置へ向けて前回転する(図51(a)から図51(c)参照)一方、上下に並んで配置されていた負荷発生部4413が前後に並んで配置されるようになる過程で下面上昇部材5540への押圧が解除され、下面上昇部材5540はコイルスプリングSP5aの付勢力により退避位置へ向けて後回転する(図52(a)から図52(c)参照)。
上述した構成を備える切替装置5400が、可動演出部材2360に及ぼす作用について説明する。図51(a)では、ソレノイド2333(図18参照)の駆動(励磁)が解除された状態が図示され、移動上蓋部材332は閉状態(張出状態)とされ、第2伝達部材2350からの負荷により可動演出部材2360が起立状態とされる。
図51(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図51(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図51(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中の位置に配置された状態が図示される。
図51(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図51(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の伝達部2364の上方に退避することにより、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて回転する。従って、可動演出部材2360は、第2実施形態と同様に、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となる前に傾倒状態となる。
図51(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図51(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図51(c)に示す状態では、下面上昇部材5440が負荷発生部4413に押圧され、前回転されている。これにより、当接部5442が第1伝達部材2340の下方に配置され、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された場合の第1伝達部材2340の位置が、底上げされる(図52(a)参照)。
図52(a)では、図51(c)に示す状態からソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)が解除された後の状態が図示される。下面上昇部材5440の当接部5442に下支えされることにより、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除されているとういう点で同一である図51(a)に示す状態と比較して、第1伝達部材2340の上下位置が上方側とされる。図52(a)に示す回転部材4410の姿勢は、図51(c)に示す回転部材4410の姿勢と同一である。
ここで、図52(a)に示すように、当接部5442は、下支えされた第1伝達部材2340と連動する第2伝達部材2350が傾倒状態の可動演出部材2360と当接する直前で停止するのに適当な長さで形成される。
換言すれば、第1伝達部材2340が移動可能範囲の最下位置に配置された状態における適当な上下位置を基準とする第1伝達部材2340の下面までの高さH51(図51(a)参照)から、図52(a)に示す第1伝達部材2340の下面までの高さH52まで、第1伝達部材2340の上下位置を変化させるのに十分な長さで形成される。これにより、図52(a)では、可動演出部材2360が傾倒状態で維持されている。
なお、図52(a)に示す高さH52は、第2伝達部材2350が傾倒状態の可動演出部材2360と当接する直前の位置に配置された場合の高さであることに加え、係合爪Naが回転部材4410の回転軸よりも下方へ移動し、下側の等分凹設部4411aと対向配置可能な高さとして設定される。
図52(a)に示す状態からソレノイド2333(図18参照)が励磁(駆動)されると、図52(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図52(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中位置に配置された状態が図示される。
図52(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図52(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の伝達部2364の上方に退避することにより、可動演出部材2360は傾倒状態を維持する。
加えて、図52(b)では、下面上昇部材5440の被押圧部5441と当接していた負荷発生部4413が、被押圧部5441から離反する方向へ移動することにより、下面上昇部材5440がコイルスプリングSP5aの付勢力により後転している。
図52(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図52(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、図52(c)に示すように嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図52(c)に示す状態から、ソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)が解除されると、第1伝達部材2340は下降し、図51(a)の状態に移行する。即ち、ソレノイド2333が2回励磁(駆動)されることを1セットとして、図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)までの1セットの動作が繰り返されることになる。
これにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される場合と、可動演出部材2360が起立状態に復帰する場合とを、交互に切り替えることができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図53を参照して説明する。図53は、第3の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333及び可動演出部材2360の計時変化を示した図である。
なお、図53では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第3の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、ソレノイド2333の駆動(励磁)態様自体は、第1の作動パターンと第3の作動パターンとで違いは無い。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図53に示すように、本実施形態では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)と閉状態(張出状態)とで状態変化しても、ラウンド遊技Rの間、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される。従って、可動演出部材2360を見て特定入賞口65aの開閉を遊技者が判定する場合、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定できる。
上述した通り、本実施形態では、パチンコ機10(図1参照)を正面側から視認する遊技者にとって、移動上蓋部材332の状態の違いに比較して、可動演出部材2360の状態の違いの方が判定しやすく構成される。そのため、特定入賞口65aへの遊技球の入球に直接的に関わる移動上蓋部材332がラウンド遊技R中に複数回開閉動作する場合であっても、可動演出部材2360の状態をラウンド遊技Rにおいて維持することで、可動演出部材2360の動作状態を確認すれば、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができる。
これにより、移動上蓋部材332がラウンド遊技R中に閉状態(退避状態)となったことを視認して、ラウンド遊技Rが終了したと勘違いすることに基づき、遊技者が狙いと違う操作を行う可能性を低くすることができる。
なお、勘違いすることに基づき狙いと違う操作を行うことの一例としては、例えば、ラウンド間第1インターバルにおける死に球(アウト口314(図16参照)に入球する遊技球)の個数を減らすために、遊技球の発射を止める操作を行うことがあげられる。移動上蓋部材332の動作と、可動演出部材2360の動作とが毎回連動する場合には、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)で無いタイミングで移動上蓋部材332が閉状態となるときにも遊技球の発射を止める遊技球の発射を止める操作を行う可能性が高くなり、大当たり遊技の迅速な消化を妨げる虞が生じる。
これに対し、本実施形態では、可動演出部材2360の状態を確認することで、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができるので、遊技球の発射を止める操作が過度に行われることを抑制することができるので、大当たり遊技の迅速な消化を図ることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<2ラウンドパカパカへの使用>
なお、本実施形態では、ラウンド遊技R中に移動上蓋部材332を開閉する制御をしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1の作動時間T1において移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されるよう制御しても良い。
この場合、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始として移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となってから、2ラウンド目のラウンド遊技Rの終了として移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となる直前まで、可動演出部材2360が起立状態で維持される。
この場合において、例えば、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rを短時間(一例として、0.2秒間)で終了するように設定すると、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rにおける遊技球の特定入賞口65aへの入賞個数を抑制しながら(実質0個に抑えながら)、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される時間を、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rの時間とラウンド間第1インターバル時間Int1との合計時間(0.2秒間+2.0秒間+0.2秒間=2.4秒間)で確保することができる。
そのため、可動演出部材2360を視認する遊技者に対して、あたかも特定入賞口65aに遊技球を入賞可能に見せることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態に復帰するまでに移動上蓋部材332を2回開閉することが可能となる。この場合、ラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材332が2回開閉する動作で制御される場合に、ラウンド遊技Rの途中で可動演出部材2360が起立状態に復帰することを防止することができる。これにより、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができるので、遊技球の発射の切り替えタイミングを容易に判定することができ、大当たり遊技の迅速な消化を図ることができる。
本実施形態によれば、移動上蓋部材332を複数回(2回)短開放動作(0.2秒開放動作)する場合において、短開放動作の間隔(インターバル)も含めた時間に亘って可動演出部材2360を傾倒状態で維持する構成とされる。この場合、遊技者に、あたかも特定入賞口65aに遊技球を入賞させられるかのように見せることができる。これにより、移動上蓋部材332の短開放動作中も遊技者に遊技球を発射させることが可能となるので、無駄球の発生を促進することができる。
次いで、図54から図61を参照して、第6実施形態について説明する。第2実施形態から第5実施形態では、可動演出部材2360,3360,4360を動作させる駆動力を発生させる装置がソレノイド2333のみである場合を説明したが、第6実施形態における盤面下部ユニット6300は、ソレノイド2333とは別で、可動演出部材6360を動作させる駆動力を発生させる駆動モータ510を有する負荷発生装置500を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図54は、第6実施形態における盤面下部ユニット6300の正面分解斜視図であり、図55は、盤面下部ユニット6300の背面分解斜視図である。図54及び図55に示すように、盤面下部ユニット6300は、上述の実施形態で説明した前側ユニット310及び前板部材2320を備えることに加え、上述の実施形態で説明した可動演出部材2360と若干形状の異なる可動演出部材6360を有する可変入賞装置6330と、正面視略正方形状に切削加工された板部材であって遊技盤13を構成するベース板6060を前後方向に穿設することで形成される受け入れ開口6060aの、内レール61の下側部分に形成される空洞6060bに配置される負荷発生装置500と、を備える。
可変入賞装置6330は、一対のセンサS(図56参照)の上方に左右一対で配置され、遊技球の通過を検出することに基づいて10個の賞球を払い出すように制御される第3センサS3と、センサSと第3センサS3との間の位置から正面側へ延設され、遊技球の上下方向の通過を規制する規制板6331mと、を備える。
規制板6331mは、下方通路331bの蓋として配設され、左右一対の延設床部2331e同士を繋いで形成される。規制板6331mにより、可動演出部材6360の上面を流下する遊技球は第3センサS3に、可動演出部材6360の上面を流下しない(下面側(正面側)を流下する)遊技球はセンサSに振り分けられる。
なお、可動演出部材6360をソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)で動作させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
負荷発生装置500は、空洞6060bに下面が固定される駆動モータ510と、その駆動モータ510の駆動軸が挿通される円板として構成される第1クラッチ部材520と、その第1クラッチ部材520から回転方向の負荷を与えられることで第1クラッチ部材520と連動して回転可能な態様でベース板6060に支持される第2クラッチ部材530と、を主に備える。
図56(a)及び図56(b)は、遊技盤13の部分正面図であり、図57は、可動演出部材6360及び負荷発生装置500の分解正面斜視図である。なお、図56(a)では、第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の使用状態の位置が、図56(b)では、第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530が使用状態からずれた位置に配置された状態が、それぞれ図示される。なお、ここで「使用状態」とは、遊技者が遊技可能とされる状態を意味する。また、第2クラッチ部材530の軸支部分が視認できるように、ベース板6060が部分的に断面視される。
なお、図56(a)及び図56(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図56(a)及び図56(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材2320の一部として遊技球の通過を規制する部分または前板部材2320との間で遊技球の通過を遮る程に前板部材2320に近接している部分であることを意味する。
なお、図56(a)では、可動演出部材6360の起立状態が図示され、図56(b)では、可動演出部材6360の傾倒状態が図示される。本実施形態では、後述するように、可動演出部材6360の状態に対応して、遊技球が通過するセンサが異なる。即ち、可動演出部材6360が起立状態の時には、遊技球は可動演出部材6360の正面側を流下し、センサSを通過する(図56(a)参照)一方、可動演出部材6360が傾倒状態の時には、遊技球は可動演出部材6360の背面側(上面側)を流下し、第3センサS3を通過する。
また、可動演出部材6360の状態により、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化することは、上記各実施形態で説明した通りであるので、説明を省略する。
可動演出部材6360は、第2実施形態で上述した本体板部2361、支持軸部2362、摺動部2363、伝達部2364を備える一方で凹設部2365が省略される(凹設されない)ことに加え、伝達部2364の右面視時計回り方向に支持軸部2362中心で伝達部2364と同じ厚みの扇状に形成される増設部6368を備える。
増設部6368は、右面視時計回り方向端部から径方向に突設される突設部6368aと、右面視時計回り方向端面の右部分において周方向へ向けて斜めに削られる(面取りされる)面取り部6368bと、を備える。
面取り部6368bは、可変入賞装置6330を受け入れ開口6060a(図54参照)に組み付ける際の作業性を向上させるために形成される。即ち、上述したように、可変入賞装置6330は、受け入れ開口6060aに後ろから嵌め入れられることでベース板6060に組み付けられるところ、本実施形態で、ベース板6060に負荷発生装置500が配設された状態で可変入賞装置6330を組み付ける場合に、可動演出部材6360と負荷発生装置500とが干渉するタイミングが生じ得る。
即ち、図57に想像線で示すように、本実施形態では、可動演出部材6360の突設部6368aが、第2クラッチ部材530の前面と当接する構成であることから、可変入賞装置6330をベース板6060に組み付ける際に、突設部6368aが第2クラッチ部材530と干渉することで、組み付けが困難になる可能性が生じる。
これに対し、本実施形態では、第2クラッチ部材530が所定範囲において左右方向に移動可能に構成される。この移動可能な所定範囲の移動方向の距離は、使用状態において生じる第1クラッチ部材520の軸方向の移動範囲を確保するために必要となる空隙の長さと同等か、それ以下とされる。即ち、使用状態で必要となる空隙を利用して、可変入賞装置6330のベース板6060への組み付けを容易とすることができる。
可動演出部材6360を組み付ける際には、第2クラッチ部材530を、使用状態(図56(a)参照)から右方に移動した状態(図56(b)参照)とすることで、突設部6368aと第2クラッチ部材530との前後方向の干渉を回避することができる。
ここで、突設部6368aに面取り部6368bが形成されることにより、面取り部6368bの傾斜により、可動演出部材6360をベース板6060に組み付ける際(前方に移動させる際)に突設部6368aから第2クラッチ部材530へ与えられる負荷を右向きに傾けることができ、その負荷によって第2クラッチ部材530を使用状態(E3(a)参照)から右方へ移動させることができることから、第2クラッチ部材530と突設部6368aの前後方向の干渉を容易に回避することができる。
なお、使用状態(図56(a)参照)となってからは、面取り部6368bは第2クラッチ部材530の反対側に配置されるので、面取り部6368bと第2クラッチ部材530が当接することは無いように構成される。
負荷発生装置500の詳細な構成について説明する。負荷発生装置500では、駆動モータ510の駆動力で回転する第1クラッチ部材520と、その第1クラッチ部材520の回転軸と同軸で回転する第2クラッチ部材530とが同期して回転可能に構成される。
駆動モータ510は、回転駆動される駆動軸511と、その駆動軸511に一体で拡径形成されるフランジ部512と、そのフランジ部512に一端を係止され駆動軸511の先端側へ向けた付勢力を生じるコイルスプリングSP6aと、を主に備える。
駆動軸511は、フランジ部512よりも先端側が、軸方向断面でD字形状(円形状では無い形状)とされる。一方で、後述するように、第1クラッチ部材520の軸孔522が駆動軸511の軸方向断面形状に比較して若干大きいD字形状(円形状では無く駆動軸511の軸方向断面形状に対応する形状)とされる。これにより、駆動軸511を、第1クラッチ部材520の軸孔522に挿通し回転させた際に、駆動軸511と第1クラッチ部材520との間で位相ずれが生じることを防止することができる。
コイルスプリングSP6aの付勢力は、第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530とを使用状態(図56(a)参照)に維持しようとする方向で負荷される。この使用状態において、第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530とが回転方向で当接することに伴い、駆動力の伝達が行われる。次いで、図58を参照して、第1クラッチ部材520について説明する。
図58(a)は、第1クラッチ部材520の左面図であり、図58(b)は、図58(a)の矢印LVIIIb方向視における第1クラッチ部材520の上面図である。なお、図58(a)及び図58(b)の説明では、図56及び図57を適宜参照する。
第1クラッチ部材520は、駆動軸511に対する位相が固定される一方で軸方向への移動が許容される態様で駆動軸511に軸支される部材であって、円板形状の本体部521と、その本体部521の中心軸に沿って本体部521の中心で穿設される軸孔522と、本体部521の左側面から軸方向に張り出す部分であって、径方向に延びる複数の突条部523と、を主に備える。
軸孔522は、上述したように、駆動軸511(図56(a)参照)の軸方向断面形状に比較して若干大きいD字形状から形成される。これにより、第1クラッチ部材520の駆動軸511に対する相対回転が規制され、且つ、第1クラッチ部材520の駆動軸511に対する軸方向移動が許容される。これにより、第1クラッチ部材520の位相を適切に制御しながら、大負荷発生時には第1クラッチ部材520を第2クラッチ部材530から離すことで、駆動力の伝達を解除し、駆動力の伝達に係る部材のいずれかが破損することを防止することができる。
突条部523は、同一形状の突条が等間隔で形成される。本実施形態では、図58(a)に示すように、4個の突条が90度間隔で形成される。なお、突条を4個としたのは、伝達される駆動力により動かされる可動演出部材6360に望まれる動作に合わせて設計された結果にすぎず、望まれる動作が異なれば、突条の個数は変化する。例えば、突条は1個から3個でも良いし、5個以上であっても良い。なお、本実施形態における可動演出部材6360の動作態様は後述する。
突条部523の径方向断面形状は、径方向視において短手方向両側が本体部521に近づくほど幅広になる態様で傾斜する山形状とされる(図58(b)参照)。なお、傾斜角度は約60度で設計される。
これにより、第1クラッチ部材520の回転中に第2クラッチ部材530から第1クラッチ部材520へ向けて発生する負荷(回転方向の負荷)を、第1クラッチ部材520の軸方向に向けることができる(負荷に軸方向の成分を生じさせることができる)。次いで、図59を参照して、第2クラッチ部材530について説明する。
図59(a)は、第2クラッチ部材530の右面図であり、図59(b)は、図59(a)の矢印LIXb方向視における第2クラッチ部材530の上面図である。なお、図59(a)では、第2クラッチ部材530の初期姿勢が図示される。なお、図59(a)及び図59(b)の説明では、図56、図57、図58(a)及び図58(b)を適宜参照する。
第2クラッチ部材530は、第1クラッチ部材520と同軸回転可能にベース板6060に軸支される部材であって、円板形状の本体部531と、その本体部531の左面側に形成される段部から中心軸に沿って左面側に断面円形状で突設される軸棒部532と、本体部531の右側面から軸方向に張り出す部分であって、外周付近に配置される複数の突設点部533と、本体部531の外周面から外形方向に延設される延設部534と、本体部531の外周面から張り出して形成される錘部535と、を主に備える。
軸棒部532は、ベース板6060にスライド可能に支持される(図56(a)及び図56(b)参照)。なお、第2クラッチ部材530のスライド移動は、可変入賞装置6330のベース板6060への組み付け時に生じる(増設部6368から与えられる負荷で生じる)ものであり、使用状態においては第2クラッチ部材530がスライド移動しないように構成される(増設部6368から負荷が与えられないように構成される)。
突設点部533は、複数の同一形状の突点のそれぞれを指し、円周方向に等間隔で形成される。本実施形態では、図59(a)に示すように、2個の突設点部533が180度間隔で形成される。なお、2個としたのは、伝達される駆動力により動かされる可動演出部材6360に望まれる動作に合わせて設計された結果にすぎず、望まれる動作が異なれば、突設点部533の個数は変化する。例えば、1個でも良いし、3個以上であっても良い。なお、本実施形態における可動演出部材6360の動作態様は後述する。
突設点部533は、円錐を高さ方向の途中で切り取った形状とされる。即ち、軸方向視の外形が円形状とされ、本体部531に近づくほど径が大きくなる態様で傾斜する山形状とされる(図59(b)参照)。なお、傾斜角度は約60度で設計される。
突設点部533が使用状態において突条部523(図58参照)の移動軌跡に侵入して配置されることで、第1クラッチ部材520が回転した際に、突条部523が突設点部533を押して第2クラッチ部材530に回転方向の負荷を与え、第2クラッチ部材530を回転させることができる。
そして、第2クラッチ部材530の回転抵抗が所定値以上となると(第1クラッチ部材520の回転と同速度で第2クラッチ部材530が回転できない状態になると)、突設点部533から突条部523に与えられる負荷(対向面間で生じる排斥力)により第1クラッチ部材520がコイルスプリングSP6a(図56(a)参照)の付勢力に抗して第2クラッチ部材530から離反する方向へ移動する。
これにより、第2クラッチ部材530に過大な負荷が生じることを回避でき、第1クラッチ部材520又は第2クラッチ部材530が破損することを防止することができる。なお、第2クラッチ部材530が第1クラッチ部材520から離反する方向に移動する際、第2クラッチ部材530へ第1クラッチ部材520から反作用として左向きの負荷が与えられるので、第2クラッチ部材530は使用状態の位置(図56(a)参照)に維持される。
錘部535は、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ回転方向の負荷が生じていない時に、第2クラッチ部材530の姿勢を復帰させるための錘である。即ち、突条部523と突設点部533との間に隙間が生じている場合には、錘部535の自重の作用により、第2クラッチ部材530は、錘部535が軸の真下に配置される初期姿勢(図59(a)参照)に復帰する方向に回転する。
延設部534は、可動演出部材6360と当接して、負荷を伝達する部分である。次いで、図60を参照して、延設部534の構成および使用状態における作用について説明する。
図60(a)から図60(c)は、可動演出部材6360と第2クラッチ部材530との動作を時系列で示す可動演出部材6360及び第2クラッチ部材530の右面図であり、図60(d)から図60(f)は、それぞれ、図60(a)から図60(c)に示す第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の姿勢を模式的に示した模式図である。
なお、図60(a)では、可動演出部材6360の傾倒状態が、第2クラッチ部材530の初期姿勢が、駆動モータ510の駆動力で前回転する(右面視反時計回りに回転する)動作態様における第1クラッチ部材520の当接開始姿勢(突条部523と突設点部533とが当接開始する姿勢)が想像線で、それぞれ図示される(図60(d)参照)。また、図60(b)では、可動演出部材6360の起立状態が、第2クラッチ部材530の終端姿勢(第2クラッチ部材530の回転動作の終端姿勢)が、第1クラッチ部材520の当接終端姿勢が想像線で、それぞれ図示される(図60(e)参照)。また、図60(c)では、可動演出部材6360及び第2クラッチ部材530の姿勢は図60(b)の状態から変化しておらず、第1クラッチ部材520は、図60(b)の状態から更に前回転し、突条部523が突設点部533を通り過ぎた直後の姿勢である解除姿勢が想像線で図示される(図60(f)参照)。
図60(a)から図60(c)に模式的に示すように、本実施形態では、規制ストッパStが配設される。規制ストッパStは、前板部材2320の段部2324a(図55参照)から増設部6368の移動平面に侵入する態様で延設され(図55には図示せず)、増設部6368の後転方向の移動限界を規定する。即ち、増設部6368は、移動中に規制ストッパStと当接することで、その移動が規制される(図60(b)参照)。
可動演出部材6360の増設部6368と第2クラッチ部材530とは、回転軸と直交する同一平面上を移動可能に構成される。延設部534は、突設部6368aの後ろ側面と、延設部534の前側面とが当接可能とされる一方、増設部6368及び伝達部2364の外周面と非当接となる延設長さで形成される。
従って、可動演出部材6360から第2クラッチ部材530へ与えられる負荷は、突設部6368aを介して与えられる態様に限定され、周面を介して負荷が与えられることは無い。そのため、第2クラッチ部材530に可動演出部材6360から回転方向の摩擦力が負荷されることを回避することができる。
図60(a)から図60(c)に示すように、延設部534は、第2伝達部材2350の延設棒状部2353(図22(b)参照)の移動軌跡の外形として図示される動作範囲E6aの外側に配置される。従って、第2クラッチ部材530は、第2伝達部材2350の姿勢に関わらず第2伝達部材2350と干渉することなく動作することができる。
図60(a)及び図60(b)に示すように、第1クラッチ部材520を当接開始姿勢から当接終端姿勢まで前回転させることに伴い、突設点部533が突条部523に押される。その際の押進力により、第2クラッチ部材530は初期姿勢から終端姿勢まで前回転する。その際、延設部534から突設部6368aに前向きの負荷が与えられることで、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ変化させることができる。即ち、ソレノイド2333(図22参照)の駆動力とは異なる駆動モータ510(図57参照)の駆動力で可動演出部材6360を開閉動作させることができる。
なお、第1クラッチ部材520は中心角度90度を最小単位とする周期的な形状から形成される。即ち、第1クラッチ部材520は、90度回転する度に当接開始姿勢となる。
図60(b)及び図60(c)に示すように、第2クラッチ部材530が終端姿勢となった後で、第1クラッチ部材520を更に前回転させた場合、第2クラッチ部材530は突設部6368aにそれ以上の移動を規制される。その後の第1クラッチ部材520の動作について図61を参照して説明する。
図61(a)から図61(c)では、第1クラッチ部材520の動作が時系列で図示される。図61(a)及び図61(b)は、図60(b)の矢印LXIa方向視における第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の正面斜視図であり、図61(c)は、図60(c)の矢印LXIc方向視における第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の正面斜視図である。なお、図61(b)では、図61(a)に示す状態から、突条部523の突設先端部と突設点部533の突設先端部とが左右方向で当接する姿勢まで第1クラッチ部材520が前回転した後の状態が図示される。
図61(a)から図61(c)に示すように、図60(b)に示す状態から第1クラッチ部材520が更に前回転すると、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ向けて回転方向に付与された負荷の反作用が、第1クラッチ部材520に付与されることにより、第1クラッチ部材520が軸方向に沿って第2クラッチ部材530から離反する(図61(b)参照)。これにより、突条部523と突設点部533との回転方向の干渉を避けながら、第1クラッチ部材520のみが前回転し、解除姿勢まで到達する(図61(c)参照)。
この間、第2クラッチ部材530は、第1クラッチ部材520から左右方向に与えられる負荷により、終端姿勢のまま維持される。換言すれば、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ負荷される摩擦力により、第2クラッチ部材530の姿勢が維持される。
なお、図61(b)に示す状態となった直後に第2クラッチ部材530の姿勢を初期姿勢へ戻したい(終端姿勢のまま維持されるのを防止したい)場合には、上述した摩擦力に打ち勝つだけの重量で錘部535を構成すれば良い。例えば、錘部535に金属材料を混ぜ、部分的に重量を増すようにしても良い。
図60に戻って説明する。図60(c)に示す状態では、突条部523が突設点部533の前回転側に配置されており、第2クラッチ部材530の後ろ回転を留める部分が無いので、第2クラッチ部材530は、錘部535の自重により後ろ回転し、初期姿勢(図60(a)参照)に復帰する。そして、第2クラッチ部材530から可動演出部材6360に与えられていた前向きの負荷が無くなることにより、可動演出部材6360は傾倒状態へ向けて前回転する(図60(a)参照)。
更に駆動モータ510の回転を同方向に継続させることで、第1クラッチ部材520は再び当接開始姿勢(初めの当接開始姿勢から90度回転した姿勢)となり、上述したように第2クラッチ部材530を前回転させる。
即ち、本実施形態によれば、第2伝達部材2350(図22(b)参照)が可動演出部材6360から離れた状態(ソレノイド2333(図22(a)参照)が励磁(駆動)された状態)で、駆動モータ510を一方向(第1クラッチ部材520を前回転させる方向)に継続して回転させることにより、可動演出部材6360を繰り返し開閉させることができる(間欠動作させることができる)。
第2クラッチ部材530から可動演出部材6360に与えられる負荷は、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ向けて動かす方向の負荷に限定される(単一の方向に限定される)。同様に、ソレノイド2333(図22(a)参照)の励磁(駆動)により可動演出部材6360に与えられる負荷は、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ向けて動かす方向の負荷に限定される(単一の方向に限定される)。
即ち、駆動モータ510とソレノイド2333(図22(a)参照)とを協調駆動させる場合に、第2伝達部材2350(図22(b)参照)や、第2クラッチ部材530が可動演出部材6360に近づき同時期に当接した場合であっても、可動演出部材6360を介して、相互に駆動力が伝達されることは無い。
従って、ソレノイド2333の励磁(駆動)により発生する駆動力が可動演出部材6360を介して負荷発生装置500へ伝達されることを防止でき、且つ、駆動モータ510の駆動力が可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350に伝達されることを防止することができる(双方向で駆動力の伝達を遮断することができる)。
なお、ソレノイド2333(図22(a)参照)の励磁(駆動)が解除され、可動演出部材6360が起立状態とされる場合に駆動モータ510(図57参照)を前回転方向に回転駆動させる場合の第2クラッチ部材530の動作を時系列で示す場合、図60(a)において可動演出部材6360が起立状態とされることを除き、図60(a)から図60(c)で説明した動きと変わらない。即ち、負荷発生装置500は、可動演出部材6360が傾倒状態であるか、起立状態であるかに関わらず、同様の動作態様で間欠動作することができる。
第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530との間の回転抵抗が所定値以上となる場合は、図60(b)及び図60(c)で説明した状況に限られない。例えば、移動上蓋部材332(図56(a)参照)と可動演出部材6360との間で球噛みが生じ、可動演出部材6360が起立状態まで変化するまでの時間が長くなる場合、可動演出部材6360が起立状態となるのを待たずに(図60(a)と図60(b)との間の姿勢で)、第1クラッチ部材520が第2クラッチ部材530から離反して、回転が継続され、第1クラッチ部材520が解除姿勢となる。なお、第1クラッチ部材520の解除姿勢は、第2クラッチ部材530との相対的な関係で規定されるものであるので、図60(c)に示す姿勢に限定されない。
このように、本実施形態によれば、第1クラッチ部材520が第2クラッチ部材530から離反して駆動力の伝達が遮断されるタイミングを任意のタイミングとすることができるので、球噛み等の予期せぬ不具合時に可動演出部材6360に過剰な駆動力が伝達されることを防止することができ、可動演出部材6360の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、可動演出部材6360を、ソレノイド2333からも負荷発生装置500からも駆動力を伝達される部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第2伝達部材2350の延設棒状部2353(図22(b)参照)の形成を省略したり、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350の形成を省略したりすることで、ソレノイド2333から可動演出部材6360へ駆動力が伝達されないように構成しても良い。この場合、ソレノイド2333の動作状態によらず、駆動モータ510を駆動制御することにより、可動演出部材6360を独立で傾倒動作(傾倒起立の往復動作またはその繰り返し動作)させることができる。
この場合において、可動演出部材6360の動作タイミングとしては、種々のタイミングが例示される。例えば、特別図柄の抽選が外れとなった場合の演出の一例として可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、外れであることを分かりにくくすることができ、遊技者に球の発射を促すことができる。また、例えば、特別図柄の抽選が小当たりとなった場合の動作態様の一例として可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、移動上蓋部材332は閉状態を維持しているので、小当たりにおいて賞球の払い出しが生じることを防止することができる。また、例えば、特別図柄の抽選が大当たりとなった場合に、大当たり遊技のオープニング時間OPにおいて可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、可動演出部材6360の動作態様を複数種類で構成し、各動作態様の発生割合に対して遊技者が得られる利益の大小を対応付けることにより、大当たり遊技に対する期待感を可動演出部材6360の動作態様により煽ることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、可変入賞装置6330をベース板6060に組み付ける際の負荷発生装置500との干渉を避けるために負荷発生装置500の第2クラッチ部材530に負荷を与える面取り部6368bは、使用状態において第2クラッチ部材530と当接し得ない位置に形成される。この場合、使用状態において第2クラッチ部材530の動作に与える影響を考えずに面取り部6368bの形状を設計することができるので、面取り部6368bの設計自由度を向上させることができる。
本実施形態によれば、負荷発生装置500は、可動演出部材6360に駆動力を伝達し状態を変化させるための装置として構成され、過大な負荷が生じた際には駆動力の伝達を解除するクラッチ機構(第1クラッチ部材520、第2クラッチ部材530)を備える。この場合、球詰まり等により可動演出部材6360と負荷発生装置500との間で過大な負荷が発生した場合であっても、それにより可動演出部材6360が破損することを回避することができる。
本実施形態によれば、負荷発生装置500は、駆動モータ510を一方向に駆動させることにより可動演出部材6360を間欠動作させることができ、駆動モータ510の駆動方向は、可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350に負荷を与えることの無い方向に設定される。この場合、駆動モータ510の駆動力が第2伝達部材2350へ伝達されることを回避することができ、駆動モータ510の駆動力が可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350が破損することを防止することができる。
本実施形態によれば、ソレノイド2333が励磁(駆動)されているか、励磁(駆動)が解除されているかに関わらず、駆動モータ510を回転させた際の負荷発生装置500の動作態様が同一となるように構成される。この場合、ソレノイド2333の状態に基づいて負荷発生装置500の動作タイミングを決めることが不要となるので、ソレノイド2333及び駆動モータ510の動作タイミングの制御の自由度を向上させることができる。
本実施形態によれば、可動演出部材6360への駆動モータ510の駆動力伝達を任意のタイミングで解除可能に構成される。即ち、駆動モータ510の制御態様により駆動力伝達を解除しているのではなく、過大な負荷が生じたタイミングで駆動力伝達を解除するように構成される。この場合、球噛み、球詰まりなど、発生タイミングが予想し難い不具合が発生したときに可動演出部材6360に過剰な駆動力が伝達されることを防止することができ、可動演出部材6360の耐久性を向上させることができる。
<第4の作動パターン>
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図62から図73を参照して説明する。図62は、第4の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530及び駆動モータ510の計時変化を示した図である。
なお、図62では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりI(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第4の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第4の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了するまで継続される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図62に示すように、第4の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、可動演出部材6360を起立状態で維持したままとすることができる。この場合、特定入賞口65a(図56(a)参照)の実質的な左右幅を狭めたまま維持することができる(下方通路331bの幅とすることができる)ので、可動演出部材6360が傾倒状態に変化するラウンド遊技Rとの比較において、遊技球の特定入賞口65aの流下抵抗が大きくなるような印象を遊技者に与えることができる。また、遊技球は専らセンサSを通過するのみであり、第3センサS3を通過することは無いので、センサSにも第3センサS3にも遊技球が通過する場合に比較して、複数の遊技球の流下軌跡を狭く維持することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第4の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第4の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第4の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
<第5の作動パターン>
図63は、第5の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図63では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりK(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第5の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第5の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第5の作動パターンでは3秒間)経過したら、第2クラッチ部材530を間欠動作させるために、駆動モータ510が等速駆動され前回転する。駆動モータ510の等速駆動は、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了するまで継続される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図63に示すように、第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定時間(第5の作動パターンでは3秒間)経過するまでは、可動演出部材6360が傾倒状態とされ、所定時間経過後してからは、可動演出部材6360が起立状態と傾倒状態とで繰り返し状態変化する。
即ち、可動演出部材6360が継続して間欠動作するので、ラウンド遊技Rの間における可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。
なお、この間欠動作において、可動演出部材6360は、駆動モータ510からの負荷が内レール61(図56(a)参照)から離反する方向(起き上がり方向)に向けて与えられる。そのため、内レール61と可動演出部材6360との間に遊技球が挟まっても、可動演出部材6360から遊技球に与えられる負荷は可動演出部材6360の自重による負荷に限定されるので、遊技球の流下が止まる可能性を低くすることができる。
また、上述した通り、可動演出部材6360の上面側を流下するか、可動演出部材6360の下面側(正面側)を流下するかにより、遊技球の流下経路が2パターン用意され、各流下経路で流下した遊技球が通過するセンサ(遊技球を排出する開口)も異なるように構成される。即ち、可動演出部材6360が起立状態(図56(a)参照)の時には、遊技球はセンサSへ流下し、可動演出部材6360が傾倒状態(図56(b)参照)の時には、遊技球は第3センサS3へ流下する。
この場合、特定入賞口65a(図56(a)参照)に入球した遊技球が同位置の開口から排出される場合に比較して、複数の遊技球の挙動に迫力を持たせることができる(複数の遊技球の流下軌跡を立体的に演出することができる)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ここでなお、第5の作動パターンにおいて、駆動モータ510が1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後も継続するように制御されるか、駆動モータ510が1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了前または終了と同時に停止制御されるかに関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第5の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第5の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
<第6の作動パターン>
図64は、第6の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図64では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりe(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第6の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第6の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、センサSで検出された遊技球の合計個数が、規定個数(本実施形態では10個)未満の所定個数(第6の作動パターンでは6個)に到達することを契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の回転駆動を再開する。
図64に示すように、第6の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定個数(第6の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサSに検出されるまでは、可動演出部材6360が傾倒状態とされ、所定個数の遊技球がセンサSに検出された後は、可動演出部材6360が起立状態とされる。
即ち、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化する前に起立状態に変化することになる。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の状態を適時確認することにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化するタイミングを予想しやすくなる。これにより、遊技者は、遊技球の発射態様を容易に調整できるようになり、無駄球を削減することができる。
即ち、大当たり遊技中ずっと継続して遊技球を発射する遊技態様に比較して、大当たり遊技中にアウト口314(図54参照)に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
例えば、遊技球の発射を継続する場合において、発射された遊技球が遊技領域の下端位置(特定入賞口65a(図56(a)参照)が配置される位置)に到達するまでに、その遊技球が発射された後で発射された4個の遊技球が、遊技領域に滞在するように構成されるとする。この場合、可動演出部材6360が起立状態に変化したことを目印として遊技球の発射を停止すれば、遊技領域に滞在していた4個の遊技球が遊技領域を流れきるまで移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。そのため、滞在していた4個の遊技球が全て特定入賞口65aに向かった場合であっても、いずれかの遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害され、特定入賞口65aを通過することができないという事態は生じない。
一方で、滞在していた4個の遊技球の、いずれかの遊技球が、特定入賞口65a以外の入球口を通過して遊技領域から排出された場合には、特定入賞口65aを通過する遊技球の個数が規定個数を越えないので、移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。この場合、遊技者は、遊技球を1個発射(単発打ち)しては特定入賞口65aを通過するか否かを確認し、その確認が済み、未だ移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されていたら、再び遊技球を1個発射して特定入賞口65aを通過するか否かを確認して、を繰り返すことで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技球が遊技領域の下端位置に到達した遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害されアウト口314を通過するという事態を防止することができる。
換言すれば、可動演出部材6360が傾倒状態の時には遊技球を継続的に(打ちっぱなしで)発射し、可動演出部材6360が起立状態になったら遊技球の発射を抑える(単発打ちにする)といったように、発射態様を切り替えることにより、スムーズな大当たり遊技の消化と、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技領域の下端位置に到達する無駄球の個数の低減との両立を図ることができる。
発射態様の切り替えのタイミングは、可動演出部材6360の状態変化のタイミングと対応しているので、遊技者は、可動演出部材6360が配置されている特定入賞口65a(図56(a)参照)付近に注目しておけば、発射態様を切り替えるタイミングを容易に把握することができる。
また、ラウンド開始から6個の球がセンサSに入球するまで、移動上蓋部材332からの離間距離が短い第3センサS3に球が入球するので、ラウンド開始から最初の賞球の払い出しが生じるまでの期間を短くすることができる。また、6個の球がセンサSに入球してからラウンド終了までの間には、移動上蓋部材332からの離間距離が長いセンサSに入球するので、移動上蓋部材332を通過した球がセンサSに到達するまでの期間を長くすることができる。これにより、ラウンド遊技R中に亘って第3センサS3に球が入球可能である場合に比較して、オーバー入賞が発生する可能性を高めることができる。これは、後述する第7の作動パターンも同じである。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第6の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第6の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第6の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第6の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、規定個数未満の所定個数は、6個に限られるものでは無い。例えば、5個以下でも良いし、7個以上規定個数未満の個数でも良い。
<第7の作動パターン>
図65は、第7の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図65では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりf(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第7の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第7の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第7の作動パターンでは3秒間)経過するまで継続される。その後、第2クラッチ部材530を終端姿勢とするために、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)に到達するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、センサSで検出された遊技球の合計個数が、規定個数(本実施形態では10個)未満の所定個数(第7の作動パターンでは6個)に到達することを契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述した制御によれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時には、可動演出部材6360が起立状態とされ、特定入賞口65a(図56(a)参照)が閉鎖しているように(遊技球が入り難いように)見せることができる一方、所定時間の経過により可動演出部材6360が傾倒状態とされることで、遊技球が特定入賞口65aに入り易くなったような印象を遊技者に与えることができる。従って、ラウンド遊技R中における、特定入賞口65aへの遊技球の入りやすさに対する印象を視覚的に変化させることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の回転駆動を再開する。
なお、遊技球の発射間隔の限界(0.6秒間隔)から、所定個数(第7の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサSを通過するまでに経過する時間の方が、所定時間(第7の作動パターンでは3秒間)よりも短くなる可能性は低いが、本作動パターンでは誤作動を防ぐために、所定時間が経過する前に所定個数の遊技球がセンサSを通過した場合には、所定時間経過時の駆動モータ510の駆動制御をキャンセルする(駆動モータ510がそのままの状態で維持され、第2クラッチ部材530が終端姿勢で維持される)ように制御される。これにより、入賞頻度の違いにより誤動作が生じることを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第7の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
図65に示すように、第7の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定個数(第7の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサS及び第3センサS3に検出された後は、可動演出部材6360が起立状態とされる。
即ち、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化する前に起立状態に変化することになる。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の状態を適時確認することにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化するタイミングを予想しやすくなる。これにより、遊技者は、遊技球の発射態様を容易に調整できるようになり、無駄球を削減することができる。
即ち、大当たり遊技中ずっと継続して遊技球を発射する遊技態様に比較して、大当たり遊技中にアウト口314(図54参照)に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
例えば、遊技球の発射を継続する場合において、発射された遊技球が遊技領域の下端位置(特定入賞口65a(図56(a)参照)が配置される位置)に到達するまでに、その遊技球が発射された後で発射された4個の遊技球が、遊技領域に滞在するように構成されるとする。この場合、可動演出部材6360が起立状態に変化したことを目印として遊技球の発射を停止すれば、遊技領域に滞在していた4個の遊技球が遊技領域を流れきるまで移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。そのため、滞在していた4個の遊技球が全て特定入賞口65aに向かった場合であっても、いずれかの遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害され、特定入賞口65aを通過することができないという事態は生じない。
一方で、滞在していた4個の遊技球の、いずれかの遊技球が、特定入賞口65a以外の入球口を通過して遊技領域から排出された場合には、特定入賞口65aを通過する遊技球の個数が規定個数を越えないので、移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。この場合、遊技者は、遊技球を1個発射(単発打ち)しては特定入賞口65aを通過するか否かを確認し、その確認が済み、未だ移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されていたら、再び遊技球を1個発射して特定入賞口65aを通過するか否かを確認して、を繰り返すことで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技球が遊技領域の下端位置に到達した遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害されアウト口314を通過するという事態を防止することができる。
換言すれば、可動演出部材6360が傾倒状態の時には遊技球を継続的に(打ちっぱなしで)発射し、可動演出部材6360が起立状態になったら遊技球の発射を抑える(単発打ちにする)といったように、発射態様を切り替えることにより、スムーズな大当たり遊技の消化と、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技領域の下端位置に到達する無駄球の個数の低減との両立を図ることができる。
発射態様の切り替えのタイミングは、可動演出部材6360の状態変化のタイミングと対応しているので、遊技者は、可動演出部材6360が配置されている特定入賞口65a(図56(a)参照)付近に注目しておけば、発射態様を切り替えるタイミングを容易に把握することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第7の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第7の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第7の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第7の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
また、規定個数未満の所定個数は、6個に限られるものでは無い。例えば、5個以下でも良いし、7個以上規定個数未満の個数でも良い。
また、所定時間を、敢えて、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも長くして、例えば15秒に設定しても良い。この場合、所定時間が経過するまでに所定個数の球が特定入賞口65aを通過する場合が生じ得ることになり、第2クラッチ部材530が終端姿勢で維持されることから可動演出部材6360が起立状態のまま、ラウンド遊技Rが終了し得る。
そのため、所定時間が経過する前に所定個数の球が特定入賞口65aを通過するように遊技すると、第3センサS3を球が通過せず、専らセンサSを球が通過することになる。一方、第3センサS3を球が通過するようにするためには、所定時間後に駆動モータ510を駆動させて可動演出部材6360を傾倒状態とする必要があるので、所定時間においては特定入賞口65aへの球の入球個数を抑えることが望ましい。
従って、第3センサS3を通過した球に、センサSを通過した球により遊技者が得られる利益を超える利益(例えば、大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確率状態へ移行する利益)を設定することで、所定時間の間に特定入賞口65aを通過する球を抑える遊技態様で、ラウンド遊技R中の球の発射を行うように誘導することができる。この場合、この誘導を第3図柄表示装置81で行う表示演出で実行しても良い。
即ち、ラウンド遊技Rが開始されたら、第3図柄表示装置81において、「15秒間入球を抑えられたら確変!」と表示することで、遊技者が得られる利益を最大にする遊技態様と対応して、ラウンド遊技R開始時において特定入賞口65aに入球する球の個数を抑えることができる。なお、所定時間を非表示として、単に「入球を抑えたら確変!」と表示して、所定時間の経過に伴って「いまだ!」等の表示に切り替えることで、所定時間が経過したことを報知するようにしても良い。
<第8の作動パターン>
図66は、第8の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図66では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりg(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第8の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第8の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第8の作動パターンでは3秒間)経過するまで継続される。その後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の前転方向の回転駆動が再開される。これにより、第2クラッチ部材530は初期姿勢(図60(a)参照)となり、可動演出部材6360は傾倒状態となる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述した制御によれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時には、移動上蓋部材332が起立状態とされ、特定入賞口65a(図56(a)参照)が閉鎖されているように(遊技球が入り難いように)見せることができる一方、所定時間の経過により移動上蓋部材332が傾倒状態とされることで、遊技球が特定入賞口65aに入り易くなったような印象を遊技者に与えることができる。従って、ラウンド遊技R中における、特定入賞口65aへの遊技球の入りやすさに対する印象を視覚的に変化させることができる。
なお、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおいても第8の作動パターンで可動演出部材6360を動作させる場合には、1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のラウンド間第1インターバル時間Int1の間に、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)となるまで駆動モータ510を前転方向に回転駆動することで、第2クラッチ部材530を終端姿勢としておくことが好ましい。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第8の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
図66に示すように、第8の作動パターンでは、ラウンド遊技Rの終了のタイミングでは、第2クラッチ部材530は初期姿勢とされており、可動演出部材6360の動作に影響を与えない(可動演出部材6360の動作軌跡の外側に配置される)。従って、可動演出部材6360の動作は、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18参照)を介して与えられる負荷によるものであり、その特徴は上述の第1の作動パターンで説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第8の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第8の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第8の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
図67及び図68を参照して、第6実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係について説明する。図67は、第6実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図68は、大当たり種別とラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態との対応関係を模式的に示した模式図である。
図67に示すように、第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜34」の範囲には、大当たりIが対応付けられて規定されている(図67の202b61参照)。
大当たりIとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第4の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「35〜49」の範囲には、大当たりJが対応付けられて規定されている(図67の202b62参照)。
大当たりJとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の長開放動作(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞が満たされるまで開状態で維持される動作)で実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりKが対応付けられて規定されている(図67の202b63参照)。
大当たりKとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第5の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
本実施形態によれば、特別図柄1の抽選に基づく大当たりでは、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりにより遊技者が得られる利益の概要を判断することができる。
即ち、図68に示すように、獲得した大当たりが、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は傾倒状態に変化する。これに対し、大当たり遊技の終了後に時短状態へ移行する大当たりである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は起立状態で維持される。従って、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360に注目しておくことで、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
加えて、大当たりIの場合、第4の作動パターン(図62参照)で上述したように、特定入賞口65a(図56(a)参照)の実質的な左右幅を狭めたまま維持することができるので、特定入賞口65aの実質的な左右幅が最大となる場合(特定入賞口65aの実質的な左右幅が特定入賞口65aの左右幅と同一である場合)に比較して、遊技球の特定入賞口65aの通過速度が遅くなるような印象を遊技者に与えることができる。これにより、大当たりIが、遊技者の得られる利益が少ない大当たりであるということを、特定入賞口65aを通過する遊技球の通過態様によって遊技者に理解させることができる。
なお、可動演出部材6360は、上述したように、移動上蓋部材332(図54参照)が動作するよりも早く動作開始するので、遊技者は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となり、特定入賞口65a(図56(a)参照)が開放される前に、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
また、可動演出部材6360が傾倒状態となった後、傾倒状態のままラウンド遊技Rが終了する場合に比較して、可動演出部材6360が起立状態と傾倒状態とで状態変化を繰り返す態様で動作する方が、大当たりにおけるラウンド数が多い。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の動作態様を確認することで、大当たりにおけるラウンド数の多少を判断することができる。従って、ラウンド遊技Rの開始時だけでなく、ラウンド遊技Rの途中においても、可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。なお、本実施形態では、可動演出部材6360が状態変化を繰り返す場合のラウンド数は、獲得できる最大のラウンド数に設定される。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜49」の範囲には、大当たりeが対応付けられて規定されている(図67の202b64参照)。
大当たりeとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第6の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜59」の範囲には、大当たりfが対応付けられて規定されている(F21(a)の202b65参照)。
大当たりfとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「60〜99」の範囲には、大当たりgが対応付けられて規定されている(F21(a)の202b66参照)。
大当たりgとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、6割の確率で大当たりe,f(最大の払い出し個数の大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
そのため、大当たりe,fなのか、大当たりgなのかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化するので、特別図柄2の抽選で選択される大当たりがどの大当たりとなるかに対する注目力を向上することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、特別図柄2の抽選に基づく大当たりでは、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりにより遊技者が得られる利益の概要を判断することができる。
即ち、図68に示すように、獲得した大当たりが、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりである大当たりeである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は傾倒状態に変化する。これに対し、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が起立状態で維持される場合、大当たり遊技の終了後に時短状態へ移行する大当たりであるか、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりであるかは不明である。
従って、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が傾倒状態となった場合には遊技者は安心できる(大当たり遊技の終了後に高確率状態へ移行することが確定する)。このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して「確変!?」等の報知(遊技者に大当たりの利益を理解させるのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者を安心させることができる。
なお、可動演出部材6360は、上述したように、移動上蓋部材332(図54参照)が動作するよりも早く動作開始するので、遊技者は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となり、特定入賞口65a(図56(a)参照)が開放される前に、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
一方で、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が傾倒状態となった場合には遊技者は未だ安心できない。ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が起立状態で維持された場合、大当たりf又は大当たりgが選択されたことになるが、これらの大当たりには、遊技者が得られる利益に明確な差がある。
即ち、大当たりfは、最大の払い出し個数の大当たりであり、且つ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される大当たりである(賞球多、高確率状態へ移行の大当たり)。一方、大当たりgは、最低の払い出し個数の大当たりであり、且つ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される大当たりである(賞球少、低確率状態へ移行の大当たり)。
そのため、獲得した大当たりが、大当たりfなのか、大当たりgなのかは、遊技者にとって最大の注目事項となる。本実施形態では、可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりが、大当たりfなのか、大当たりgなのかを判定することができるので、可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。
即ち、大当たりfでは、ラウンド遊技Rの終了直前に可動演出部材6360が起立状態となる一方、大当たりgでは、ラウンド遊技Rが終了するまで可動演出部材6360が傾倒状態で維持される。従って、遊技者は、可動演出部材6360の状態をラウンド遊技Rの終了直前まで視認することで、獲得した大当たりの大当たり種別を判定することができる。
このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間に、遊技者に対して「確変か!?続報を待て」等の報知(遊技者に大当たりの利益を理解させるのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、大当たり種別の判定ができるまでの時間の緊張感を演出し、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、可動演出部材6360が起立状態へ変化するタイミングは、特定入賞口65aを通過した遊技球が所定個数(第7の作動パターンでは6個)検出されたタイミングに基づいて規定される。そのため、所定個数の遊技球が検出されたタイミングと、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が検出されたタイミングとの間が短い場合(規定個数と所定個数との差を超える個数の遊技球が同時期に入賞した場合)、可動演出部材6360の起立状態への変化が、ラウンド遊技Rの終了直前に生じたのか、ラウンド遊技Rの終了により生じたかの判別が付き難くなるので、大当たり種別を判定することが困難となる。
このような事態は、遊技球を複数個一気に特定入賞口65aに入賞させる場合に生じる。そのため、普段よりも長めに間を開けて遊技球を一球ずつ発射することで、このような事態が生じることを回避することができる。
このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間に、遊技者に対して「確変か!?一球ずつ思いを込めて打ち込め」等の報知(遊技者に、大当たり遊技中の遊技球の発射方法を示唆するのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、大当たり種別の判定ができるまでの時間の遊技球の発射態様を指示することができ、大当たり種別を判定することが困難となる事態が発生することを避けることができる。
なお、大当たり種別を判定することが困難となる事態が発生した場合であっても、このように遊技球を複数個一気に特定入賞口65aに入賞させた場合には、規定個数以上の入賞が発生している場合が多い。即ち、大当たり種別の判定が困難となる代わりに、遊技者は、大当たり遊技として予定されていた賞球よりも多めの賞球を得ている場合が多い。従って、遊技者が得られる利益のバランスをとることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりe,f(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9の作動パターン(非V)について>
図69は、第9の作動パターン(非V)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
第9の作動パターンは、後述するように、V入賞センサVCを遊技球が通過可能な場合と、V入賞センサVCを遊技球が通過不能な場合とを構成することを目的とするものであり、ラウンド遊技Rにおける動作態様が、大当たり種別により、ここで説明する第9の作動パターン(非V)か、後述する第9の作動パターン(V)のどちらかに決定される。このような事情から、第9の作動パターンでは、駆動モータ510はMPU201に制御される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(非V)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(非V)に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始(ソレノイド2333の励磁(駆動))を契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。第2クラッチ部材530が終端姿勢になると、可動演出部材6360は起立状態になる。
このとき、移動上蓋部材332が張出状態から動作開始するよりも前に第2クラッチ部材530が終端姿勢に到達可能な回転速度で、駆動モータ510は回転駆動される。従って、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされ、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、起立状態とされる。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が、専らセンサSを通過する構成とすることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(非V)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(非V)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(非V)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(非V)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
なお、第9の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
<第9の作動パターン(V)>
次いで、第9の作動パターン(V)について説明する。なお、第9の作動パターン(V)は、上述の第9の作動パターン(非V)に比較して、駆動モータ510の駆動時間が長くなることにより、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた後において、第2クラッチ部材530は初期姿勢とされ、可動演出部材6360は傾倒状態とされることが、大きく異なる。
図70は、第9の作動パターン(V)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(V)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(V)に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始(ソレノイド2333の励磁(駆動))を契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。第2クラッチ部材530が終端姿勢になると、可動演出部材6360は起立状態になる。
このとき、上述した第9の作動パターン(非V)と同様に、移動上蓋部材332が張出状態から動作開始するよりも前に第2クラッチ部材530が終端姿勢に到達可能な回転速度で、駆動モータ510は回転駆動される一方、上述した第9の作動パターン(非V)と異なり駆動モータ510が長時間駆動される。これにより、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰することで、第2クラッチ部材530が初期姿勢に復帰する。
従って、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされ、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、起立状態とされるが、その後で、傾倒状態に変化する。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が、第3センサS3を通過可能に構成することができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(V)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(V)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(V)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(V)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
本作動のパターンでは、可動演出部材6360を移動上蓋部材332と同様に、所定の入球口(センサS又は第3センサS3)へ遊技球が入球することを許容するか規制するかを切り替える部材として扱うことができる。
他の形態として、例えば、可動演出部材6360が起立状態の時には特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSのみに検出される一方、可動演出部材6360が傾倒状態の時に特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSと、そのセンサSとは異なる第3センサS3に検出されるように構成しても良い(可動演出部材6360に凹設部2365を形成することで実現可能)。
この場合、ラウンド遊技Rにおいて、本実施形態と同様に遊技球がセンサSのみを通過する場合と、本実施形態とは異なりセンサSと第3センサS3とを通過する場合とを作ることができる。そして、本作動パターンで動作させることにより、可動演出部材6360の制御の切り替えにより、V入賞センサVCへの遊技球の入球可否を切り替えることができる。
即ち、第9の作動パターン(非V)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を不可能とし、第9の作動パターン(V)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を可能とすることができる。
なお、本実施形態では第3センサS3を通過した遊技球のみがV入賞センサVCを通過するものとして説明したが、V入賞センサVCを通過する遊技球は、第3センサS3を通過した遊技球に限られるものでは無く、センサSを通過した遊技球であっても良い。この場合には、可動演出部材6360に最適な動作が、別途設定される。
なお、第9の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
ここで、V入賞センサVCへの入球可否を切り替える方法としては、従来から種々の方法が例示される。例えば、特定入賞口を開閉する開閉板からV入賞センサVCまでの流路長さが十分あり、特定入賞口に遊技球が入球してから、その遊技球がV入賞センサVCに到達するまでの期間が十分長い場合には、開閉板を開状態としてからV入賞センサVCへの入球を規制するV規制弁VBを動作させたとしても、V入賞センサVCへの誤入賞が生じる可能性は低い。
従って、このような場合には、開閉板を開状態とした後で、V規制弁VBを動作させる制御を行うことで、問題は生じ難い。但し、V入賞センサVCの配置位置の自由度が低下することは避けられない。
一方、V入賞センサVCを開閉板の直下に配置したとしても、開閉板とV規制弁VBとの動作パターンを工夫することで、V入賞センサVCへの誤入賞を防止する方法が知られている。これは、開閉板を短時間開放した後、開閉板を閉鎖させている間にV規制弁VBを動作させ、V入賞センサVCへの入球を規制する場合には、V規制弁VBでV入賞センサVCへの入賞を規制した状態で開閉板を再び開放し、ラウンド遊技を実行可能とするものである。この場合、V入賞センサVCを動作させるタイミングでは、開閉板は閉鎖されているので、遊技球がV入賞センサVCへ誤入賞することを防止することができる。
従って、このような場合には、特定入賞口とV入賞センサVCとの間の距離に関わらずV入賞センサVCへの誤入賞を防止することができるので、V入賞センサVCの配置位置の自由度を高くすることができる。換言すれば、特定入賞口の下流であれば、V入賞センサVCはどこにあっても良い(真下であっても、しばらく遊技球が流下した後の位置であっても良い)。但し、開閉板を短時間開放することは避けられないので、ラウンド遊技R中において、開閉板を常に開放したままで維持するということができない。そのため、遊技球を発射するタイミングが分かり難くなったり、不正な制御が行われていると遊技者に疑われ、不信感の基になったりする虞があった。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332の動作開始タイミングよりも可動演出部材6360の動作開始タイミングの方が早いことを利用して、移動上蓋部材332が張出位置から動き出すよりも前に可動演出部材6360を開閉動作(起立状態から傾倒状態とし、更に起立状態に戻すこと)させることで、結果として、第3センサS3に入球可能な作動パターンと、第3センサS3に入球不能な作動パターンとを切り替えることができる。
この場合において、上述したように、開閉板に相当する移動上蓋部材332をラウンド遊技Rにおいて常に開状態(退避状態)で維持したままとすることができ、加えて、第3センサS3の配置自由度も高く維持することができる(本実施形態では、特定入賞口65aの真後ろに配置)。
即ち、V入賞センサVCの配設自由度を高く維持することと、特定入賞口の開閉板をラウンド遊技Rにおいて開状態で維持することとを両立することができる。
<第9の作動パターン(V)の別例>
次いで、第9の作動パターン(V)の別例について説明する。なお、第9の作動パターン(V)の別例は、上述の第9の作動パターン(V)に比較して、ソレノイド2333の励磁(駆動)の直後に可動演出部材6360が起立状態に復帰しないことが異なる。
図71は、第9の作動パターン(V)の別例における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(V)の別例に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(V)の別例に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが開始した後においても、駆動モータ510は停止制御され、第2クラッチ部材530は初期姿勢で維持される。そのため、可動演出部材6360は、ソレノイド2333の励磁(駆動)に伴い、傾倒状態になる。
可動演出部材6360は、上述のように、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ向けて動作し、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、傾倒状態へ変化する。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が専ら第3センサS3を通過する構成とすることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(V)の別例において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(V)の別例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(V)の別例を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(V)の別例を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
<第10の作動パターン(下通過)>
図72は、第10の作動パターン(下通過)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。そして、規制弁VBの開放タイミングは、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から所定時間(本作動パターンでは2秒間)に限定される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第10の作動パターン(下通過)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、第10の作動パターン(下通過)では、上述した各作動パターンと異なり、駆動モータ510(図57参照)は、電源の投入から一定動作を継続するようにMPU201に制御される。第10の作動パターン(下通過)における一定動作は、10[度/秒]の回転速度で前回転する等速動作に設定される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第2の作動時間T1(最大1秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面を遊技球が転動可能であり、上述したように移動上蓋部材332の上面に常に遊技球が乗っている状態を構成可能であるので、第2の作動時間T1が最大1秒間と短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ入球させ易くすることができる。
ここで、移動上蓋部材332の動作タイミングが大当たり遊技の開始タイミングに依存する一方で、駆動モータ510(図57参照)は電源の投入から一定の動作を継続するので、移動上蓋部材332の動作タイミングにおける第2クラッチ部材530の姿勢は毎回一致するわけでは無く、大当たり遊技の開始タイミングにより異なる。
第10の作動パターン(下通過)は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた時に、第2クラッチ部材530が終端姿勢であった場合の作動パターンとして説明される。図72に示すように、第10の作動パターン(下通過)では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)の時に、可動演出部材6360は起立状態で維持される。従って、1ラウンド目のラウンド遊技Rで特定入賞口65aに入球した遊技球はセンサSに検出されることになるので、V入賞センサVCに検出されることは無い。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
なお、第2の作動時間T2は規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入球するのに要する期間に比較して十分に短いので、1ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら、ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過により終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第10の作動パターン(下通過)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが2ラウンド目のラウンド遊技Rと同様に繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第10の作動パターン(下通過)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を主に説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第10の作動パターン(下通過)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第10の作動パターン(下通過)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
例えば、2ラウンド目のラウンド遊技Rに第10の作動パターン(下通過)を採用し、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングで規制弁VBが開放されるように制御すれば、大当たり遊技の開始タイミングだけでなく、1ラウンド目のラウンド遊技Rを何秒で消化するかにより、2ラウンド目のラウンド遊技R中における第2クラッチ部材530の姿勢が決定されることになる。従って、大当たり遊技の消化に対する戦略性を上げることができるので、大当たり遊技が緩慢になることを防止することができる。
<第10の作動パターン(上通過)>
図73は、第10の作動パターン(上通過)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。そして、規制弁VBの開放タイミングは、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から所定時間(本作動パターンでは2秒間)に限定される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第10の作動パターン(上通過)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、第10の作動パターン(上通過)では、上述した第10の作動パターン(下通過)と同様に、駆動モータ510(図57参照)は、電源の投入から一定動作を継続するようにMPU221に制御される。第10の作動パターン(上通過)における一定動作は、第10の作動パターン(下通過)と同様に、10[度/秒]の回転速度で前回転する等速動作に設定される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第2の作動時間T1(最大1秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面を遊技球が転動可能であり、上述のように移動上蓋部材332の上面に常に遊技球が乗っている状態を構成可能であるので、第2の作動時間T1が最大1秒間と短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ入球させ易くすることができる。
ここで、移動上蓋部材332の動作タイミングが大当たり遊技の開始タイミングに依存する一方で、駆動モータ510(図57参照)は電源の投入から一定の動作を継続するので、移動上蓋部材332の動作タイミングにおける第2クラッチ部材530の姿勢は毎回一致するわけでは無く、大当たり遊技の開始タイミングにより異なる。
第10の作動パターン(上通過)は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた時に、第2クラッチ部材530が初期姿勢であった場合の作動パターンとして説明される。図73に示すように、第10の作動パターン(上通過)では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)の時に、可動演出部材6360は傾倒状態とされる。従って、1ラウンド目のラウンド遊技Rで特定入賞口65aに入球した遊技球は第3センサS3に検出され、V入賞センサVCで検出可能とされる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
なお、第2の作動時間T2は規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入球するのに要する期間に比較して十分に短いので、1ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら、ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過により終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第10の作動パターン(上通過)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが2ラウンド目のラウンド遊技Rと同様に繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第10の作動パターン(上通過)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を主に説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第10の作動パターン(上通過)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第10の作動パターン(上通過)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
例えば、2ラウンド目のラウンド遊技Rに第10の作動パターン(上通過)を採用し、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングで規制弁VBが開放されるように制御すれば、大当たり遊技の開始タイミングだけでなく、1ラウンド目のラウンド遊技Rを何秒で消化するかにより、2ラウンド目のラウンド遊技R中における第2クラッチ部材530の姿勢が決定されることになる。従って、大当たり遊技の消化に対する戦略性を上げることができるので、大当たり遊技が緩慢になることを防止することができる。
第10の作動パターンによれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、遊技球がセンサSのみを通過する場合と、第3センサS3のみを通過する場合とを作ることができる。そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて第3センサS3を通過した遊技球のみが、上述したV入賞センサVCを通過可能に構成することで、第1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態と、V入賞センサVCへの遊技球の入球可否を切り替えることができる。
即ち、第10の作動パターン(下通過)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を不可能とし、第10の作動パターン(上通過)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を可能とすることができる。
また、第10の作動パターン(下通過)及び第10の作動パターン(上通過)以外のタイミング(例えば、第2クラッチ部材530が初期姿勢から終端姿勢へ変化する途中のタイミング)で移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ変化する場合、遊技球がセンサSを通過する可能性も、第3センサS3を通過する可能性も残すことができる。
なお、第10の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
なお、上記説明では、第3センサS3を通過した遊技球がV入賞センサVCを通過するものとして説明したが、これに限定されるものでは無い。例えば、V入賞センサVCを通過する遊技球は、第3センサS3を通過した遊技球に限られるものでは無く、センサSを通過した遊技球であっても良い。
また、可動演出部材6360にさせたい動作に対応して、駆動モータ510(図57参照)の一定動作の態様を別途設定しても良い。
例えば、電源が投入されてからの駆動モータ510(図57参照)の動作は、第1クラッチ部材520を当接開始姿勢(図60(a)参照)から当接終端姿勢(図60(b)参照)まで瞬時に変化させるように前転方向に回転し、その後、所定期間停止し、その後、第1クラッチ部材520を解除姿勢(図60(c)参照)を経て次の当接開始姿勢まで瞬時に変化させるように前転方向に回転し、その後、所定期間停止することを繰り返す一定動作として制御されても良い。
この場合、第2クラッチ部材530が初期姿勢から終端姿勢に変化するのに要する時間を極めて短くすることができるので、第2クラッチ部材530の移動途中で遊技球が特定入賞口65aを通過する場合が生じる可能性を極めて低くすることができる。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSにも第3センサS3にも入り得るという状況が発生する可能性を極めて低くすることができる。
図72及び図73で上述したように、一定動作するのは第2クラッチ部材530であって、可動演出部材6360ではない。換言すれば、可動演出部材6360は、一定動作する第2クラッチ部材530の動作に伴って状態を変化させる部材であるが、ソレノイド2333が励磁(駆動)されていない状態では、第2クラッチ部材530の姿勢に関わらず起立状態を維持する。
第2クラッチ部材530は内レール61の下方に配置されているので、遊技中は遊技者から視認され難い。そのため、遊技者が第2クラッチ部材530の動作態様を把握したい場合、遊技中に視認し易い可動演出部材6360の状態に注目することになる。これに対し、本実施形態では、可動演出部材6360が閉状態で維持されることになるので、可動演出部材6360に注目しても、第2クラッチ部材530の動作態様を把握することができない(一定動作の内のどのタイミングに相当するのかを把握することができない)。
そのため、一定動作をする可動部材の動作態様を把握して、球の発射タイミングを調整することで、遊技者に不測の利益を与える遊技態様が実行可能となる状況(攻略法が確立すること)を回避し易くすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が前後方向にスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の段部324aの内側面に揺動可能に軸支され左右一対で形成される長尺板状の可動部材を備え、その可動部材は、一対の段部324aが連設される方向に長手方向を沿わせる姿勢で配置され球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、その状態から上昇または下降方向に揺動され球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成可能としても良い。また、同様の構成で、特定入賞口65aではなく第2入賞口640を構成しても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射する部分を移動上蓋部材332の下部に形成しても良い。この場合、移動上蓋部材332により反射される光が球に遮られることが無く、光の演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332,4332を前後方向にスライド移動する部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右端部が回転可能に軸支され、扇を開閉するように変位するものとして構成しても良い。この場合、変位中にガラスユニット16との間で遊技球を挟んだ場合であっても、遊技球をガラスユニット16の面と平行な方向に逃がすことができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作開始のタイミングがずれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作開始のタイミングが同時となる構成としても良い。その実現手法としては、例えば、延設棒状部2353の先端形状を変化させたり、駆動モータ510の駆動タイミングを調整したり、する方法が例示される。
上記各実施形態では、特定入賞口65aの上流側に回転変位する可動演出部材2360が配設され、その更に上流側に所定平面に沿ってスライド変位する移動上蓋部材332が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332の動作態様と、可動演出部材2360の動作態様とを同系統としても良いし、動作態様を逆で構成しても良い。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332の下流側に可動演出部材2360が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動演出部材2360と同様に移動上蓋部材332を動作させる駆動装置(ソレノイド2333)により動作する演出部材が、移動上蓋部材332の上流側に配設されても良いし、遊技領域外に配設されても良い。
この場合において、例えば、演出部材を動作させることで、遊技者の注目している領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示領域)に近づける(進入させる)ことを狙っても良い。この場合、遊技者が、演出部材に注目しておらず、他の領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示領域)に注目している時でも、移動上蓋部材332の動作タイミングを遊技者に気付かせることができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332が特定入賞口65aを開閉する部材として構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、移動上蓋部材332が第2入賞口640を開閉する部材として構成されても良い。即ち、第2入賞口640が、センサSの位置に配置されても良い。
上記各実施形態では、可動演出部材2360〜6360を、移動上蓋部材332,4332に比較して動作前後の形状の差が識別し易いものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、移動上蓋部材332,4332と可動演出部材2360〜6360とを同形状、同一動作で構成し、煌びやかさに違いを持たせるようにしても良い。この場合、可動演出部材2360〜6360に光を反射する反射シールを張り付けたり、LEDを配設したりすることで、可動演出部材2360〜6360の状態の識別性を向上させ易くすることができる。
上記各実施形態では、可動演出部材2360の上面で跳ねた遊技球が移動上蓋部材332と衝突し得る配置で、可動演出部材2360と移動上蓋部材332とを配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360と移動上蓋部材332との間の間隔と十分に離して、遊技球が衝突することが生じないようにしても良い。この場合、移動上蓋部材332と可動演出部材2360との間で球噛みが生じることを防止することができる。
上記各実施形態では、可動演出部材2360,3360,4360,6360が平面形状から形成されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360,3360,4360,6360の表裏の面に、遊技球の流下に影響を与える程度の大きさ、間隔で突起や、リブが形成されても良い。これにより、可動演出部材2360,3360,4360,6360の面を流下時に当接する面として流下する遊技球の流下態様のランダム性を上昇させることができる。この面は、遊技球の下方に配置される面に限らず、水平方向に配置される面でも良いし、上方に配置される面でも良い。また、上述の突起や、リブが内レール61の上面に形成されるようにしても良いし、前板部材320,2320の背面に形成されるようにしても良い。
上記第2実施形態では、LEDの記載を省略したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1実施形態と同様にLEDを配置しても良い。この場合、移動上蓋部材332の閉鎖タイミングで特定入賞口65aに入球した遊技球は可動演出部材2360の正面側を通り下方通路331bを前後に通過することで光を遮り、発光態様が変化するので、発光態様の変化に、移動上蓋部材332の閉鎖タイミングで特定入賞口65aに遊技球が入球した可能性を報知するという意味合いを付加することができる。
上記第2実施形態では、可動演出部材2360の表面および裏面が平面形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360の表面または表面から垂直方向に延設されるリブを設けて遊技球の流下経路を調整するようにしても良い。
この場合、例えば、遊技球の流下面から延設されるリブの延設長さを遊技球の半径よりも短く形成することで、そのリブを遊技球が乗り越え可能な部分として構成することができる。従って、リブを乗り越えた後の遊技球と、乗り越える前の遊技球とで、流下態様(速度)に差をつけることができる。
また、例えば、遊技球の流下面から延設されるリブの延設長さを遊技球の半径よりも長く形成することで、リブにより遊技球の流下経路を規定することができる。例えば、リブの一方の面と対向する位置を流下する遊技球と、そのリブの他方の面と対向する位置を流下する遊技球との衝突を避けることができる。
上記第3実施形態では、特定入賞口65aの左寄りの位置に、第2センサS2と、V入賞センサVCとが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、左右対称で第2センサS2と、V入賞センサVCとが一対で配設されても良い。この場合において、V入賞センサVCを開閉する規制弁VBの動作態様を左右で異ならせることにより、特定入賞口65aに遊技球を左右どちらから入れるかにより、V入賞センサVCに遊技球が通る確率を変化させることができる。
この場合、左右どちらかから入った遊技球のいずれかが、必ずV入賞センサVCを通るように構成することで、ラウンド遊技Rの途中で左打ちと右打ちとを切り替えるという発射態様を遊技者に行わせ易くすることができる。即ち、ラウンド遊技R中に遊技者が暇を持て余すことを防止することができる。
また、左右どちらが有利かを示す報知の注目力を向上させることができ、遊技者の集中力を向上させることができる。
上記第3実施形態では、可動演出部材3360は、本体板部2361の上面が平面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、本体板部2361の前半部の上面が左右中央から左右外側方向へ向かうにつれて下降傾斜し、後ろ半部の上面が左右中央へ向けて下降傾斜する形状から形成されても良い。この場合、可動演出部材3360の上面に乗った遊技球を第2センサS2へ向けて流下し易くすることができると共に、第2センサS2に遊技球が停留した後は、凹設部2365への傾斜(左右中央へ向けた傾斜)を通して遊技球をセンサSへ向けて流下し易くすることができる。
上記第4実施形態では、被係止部4367が突設爪部4433aに対して鉛直方向に沿った負荷をも与える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、被係止部4367は、突設爪部4433aに対して水平方向の負荷を与える形状から形成されても良い。この場合、被係止部4367から上下移動部材4430に対して与えられる負荷が水平方向を向くことになるので、被係止部4367から上下移動部材4430に与えられる負荷により、上下移動部材4430が上下に動かされることを防止することができる。従って、コイルスプリングSP4bの付勢力が弱くても、上下移動部材4430を下限位置で維持することができる。
上記第4実施形態では、移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)となった後で可動演出部材4360が起立状態に変化し、第2センサS2の内側に停留していた遊技球がV入賞センサVCへ流下する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、切替装置4400の代わりに、負荷発生装置500を採用することで、移動上蓋部材4332を開状態(退避状態)で維持したまま、可動演出部材4360を起立状態に変化させ、V入賞センサVCへ遊技球を入球させることができる。
上記第4実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が起立状態を維持する状態と、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となる状態とが交互に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、等分凹設部4411aを45度周期(8箇所)で備えるように回転部材4410の本体部4411を構成することにより、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)に4回変化する度に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となり、それ以外では可動演出部材4360を起立状態で維持することができる。
なお、上述の移動上蓋部材4332の複数回の変化は、同一のラウンド遊技R中に実行される(完結される)ものでも良いし、複数のラウンド遊技Rに亘って生じるものでも良い。後者の場合、可動演出部材4360が傾倒状態のラウンド遊技R(1回)と、可動演出部材4360が起立状態のラウンド遊技R(3回)とを、周期的に(4ラウンド周期で)実行することができる。
また、負荷発生部4413の片方を省略することによっても、同様に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)に4回変化する度に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となり、それ以外では可動演出部材4360を起立状態で維持することができる。
上記第4実施形態では、上下移動部材4430が可動演出部材4360を起立状態で維持することにより、上下移動部材4430の傾倒開始タイミングが移動上蓋部材4332の移動開始タイミングよりも遅れる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングを早めて、可動演出部材4360が傾倒開始するタイミングを移動上蓋部材4332が移動開始するタイミングと同等か、そのタイミングよりも早くするようにしても良い。なお、タイミングを早める手段としては、凹設部4431aよりも背面側の位置において、上下移動部材4430の下面を下方に膨出させ、負荷発生部4413に早期に押し上げられるように形成する方法が例示される。膨出させる部分の設計により、可動演出部材4360の傾倒開始タイミングを任意で設計することができる。
上記第4実施形態では、入球監視センサS0が賞球の払い出しに関わらないセンサとして利用される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、球の通過を検出することに伴い、賞球の払い出しを生じるセンサとして構成しても良い。この場合、センサSで球の通過を検出して賞球の払い出しを発生させる場合に比較して、賞球の払い出しが生じるタイミングを早くすることができる。また、入球監視センサS0を、他の実施形態において配設することは、当然に許容される。
上記第5実施形態では、コイルスプリングSP5aの付勢力で下面上昇部材5440を退避位置に維持する(後転姿勢で維持する)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、下面上昇部材5440の重心位置を回転軸よりも当接部5442側に配置するようにしても良い。この場合、自重で、下面上昇部材5440を退避位置に維持することができる(後転姿勢で維持することができる)。
上記第6実施形態の各作動パターンでは、駆動モータ510をMPU221で制御する場合と、MPU201で制御する場合とを説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、駆動モータ510をMPU221で制御する代わりにMPU201で制御しても良いし、駆動モータ510をMPU201で制御する代わりにMPU221で制御するようにしても良い。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360に凹設部2365が形成されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材6360に凹設部2365を形成しても良い。この場合、可動演出部材6360の状態に関わらず、遊技球はセンサSへ向けて流下することが可能となる。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360の状態によって遊技球が振り分けられるセンサS及び第3センサS3を、賞球払い出し用の入賞口として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、賞球払い出し用の入賞口としての機能に加えて、又は代えて、センサS又は第3センサS3のいずれか一方にV入賞センサVCの機能を付加するようにしても良い。この場合、可動演出部材6360を、V入賞センサVCの規制弁VBとして機能させることができる。
上記第6実施形態では、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに応じで、可動演出部材6360が起立状態で維持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、下面上昇部材5440を別の駆動装置で駆動可能に配設しても良い。この場合、下面上昇部材5440が張出位置とされる場合には、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となっても、ソレノイド2333の駆動力は可動演出部材6360へ伝達されず、可動演出部材6360が起立状態となることを防止することができる。従って、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に、駆動モータ510を回転駆動させることにより、可動演出部材6360を任意に動作させることができる。
なお、この場合、下面上昇部材5440が張出位置とされる場合には、移動上蓋部材332の駆動力を発生する駆動装置(ソレノイド2333)と、可動演出部材6360の駆動力を発生する駆動装置(駆動モータ510)とを、分けることができる。即ち、可動演出部材6360を移動上蓋部材332の状態に関わらず独立駆動させることができる。
一方、下面上昇部材5440が退避位置とされる場合には、ソレノイド2333は、移動上蓋部材332および可動演出部材6360の両方に駆動力を伝達する駆動装置として機能する。
従って、下面上昇部材5440の配置により、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材6360の動作とが別の駆動装置から発生した駆動力のみにより生じる場合と、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材6360の動作とが兼用の駆動装置(ソレノイド2333)から発生した駆動力によっても生じる場合とを切り替えることができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、特定入賞口65aに入球した遊技球の個数により可動演出部材6360を起立状態へ変化させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、入球個数ではなく、移動上蓋部材332が開状態となってから所定時間が経過することにより可動演出部材6360が起立状態へ変化するようにしても良い。この場合、所定時間を、遊技球の発射間隔として制御される間隔で発射し続けた場合に特定入賞口65aに遊技球が平均6個入球する時間として設定することで、同様の効果を奏することができる。また、この所定時間を長め(例えば15秒)と設定することにより、そのラウンドの時間を長めに維持させることができるので、大当たり遊技の進行スピードを遅らせることができる。
ここで、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を確認することで大当たり遊技終了後の遊技状態を把握可能に構成されるところ、大当たり遊技終了後の遊技状態が、確変状態となるか、通常状態となるかを知る必要がない場合には速攻で大当たり遊技(ラウンド遊技R)を終わらすことができる一方、確変状態となるかを知りたい場合には、大当たり遊技(ラウンド遊技R)を長時間かけて実行する必要が生じるという遊技性を付加することもできる。
換言すれば、大当たり遊技後の遊技状態を知ることよりも、大当たり遊技終了後の抽選を早期に受けることを重視する場合には、大当たり遊技を早期に終了させることができるという長所があり、確変状態か通常状態かが不明なので、辞め時が分からなくなるという短所もある。一方で、大当たり遊技後の遊技状態が確変状態なのか通常状態なのか知りたい場合には、大当たり遊技終了後の抽選が遅くなるという短所があり、辞めたいときに辞められるという長所もある。即ち、遊技者は、自分が重要視する点を各自で決め、大当たり遊技で得る利益(早期の抽選をとるか、大当たり遊技後の遊技状態の把握をとるか)を選択することができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、特定入賞口65aを通過した遊技球の個数に応じて、可動演出部材6360を動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定個数目の遊技球を別経路に振り分ける機構を用いて、所定個数目の遊技球を可動演出部材6360に作用する経路に流し、遊技球の作用により可動演出部材6360を動作させても良い。
上記第6実施形態の第10の作動パターンでは、大当たり遊技における作動パターンとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、小当たり遊技における作動パターンに採用しても良い。この場合、所謂「1種2種混合機」におけるV入賞アタッカーに採用することができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、規定個数から4個少ない遊技球が検出されることにより、可動演出部材6360が起立状態へ変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、規定個数から1個少ない遊技球の検出により、可動演出部材6360が起立状態へ変化するように制御しても良い。この場合、可動演出部材6360の正面側を通るのは最後の1球またはオーバー入賞球とすることができる。従って、経路C2aを通り特定入賞口65aに入球する遊技球の流下を視認することで、オーバー入賞(入賞を予定した個数を超えた球の入賞)が発生したことに気付ける。即ち、可動演出部材6360の正面側を複数個の球が通れば、オーバー入賞が発生したということになる。
また、起立状態の可動演出部材2360の正面側を左右に流下した上で、左右方向中心位置付近を前後に流下する遊技球がオーバー入賞に係る遊技球となるので、他の経路を流下する遊技球(オーバー入賞と関連の薄い遊技球)と比較して、特定入賞口65aの正面側に遊技球が滞在する滞在時間を長くすることができる。従って、オーバー入賞に係る遊技球を遊技者に視認させ易くすることができ、オーバー入賞に係る遊技球の演出効果を向上することができる。
これにより、オーバー入賞が生じた際、音声や表示等で報知しなくとも、遊技球の流下態様の確認により、オーバー入賞の有無を遊技者に判断させることができる。換言すれば、遊技球の流下態様に特別な意味を付加することができる。この場合、遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができ、注意散漫な状態で遊技者が遊技をすることを避け、遊技者を遊技に集中させることができる。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360は、特定入賞口65aを開閉する部材では無いものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材6360が特定入賞口65aを開閉する部材として構成されても良い。この場合、第3センサS3を賞球の払い出しに係る大入賞口とし、センサSをアウト口として構成することで、可動演出部材6360が、特定入賞口65aを開閉する部材として構成可能となる。
この場合、移動上蓋部材332は、本実施形態と同様に構成できる他、例えば、構成を省略しても良いし、移動上蓋部材332の左右端から左右外方向へ向けて移動上蓋部材332の上面に沿って転動する遊技球が進入可能となるように横向きに開口される横向きセンサを配設し、移動上蓋部材332が張出状態の時に移動上蓋部材332の上面を転動し左右端を越えた遊技球がその横向きセンサへ入球可能となるように構成しても良い。後者の構成を採用する際には、張出状態が移動上蓋部材332の開状態となるので、励磁(駆動)によるソレノイド2333の動作方向を上下逆とすることが好ましい。
上記第6実施形態では、駆動モータ510が移動上蓋部材332の動作タイミングと合わせて駆動されることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、盤面下部ユニット6300が第5実施形態の下面上昇部材5440を備え、移動上蓋部材332の動作タイミングではない時(例えば、大当たり遊技や、小当たり遊技に遊技状態が移行されていない時であって、特定の演出用の図柄が停止したとき)に、下面上昇部材5440が張出位置に配置されるよう所定の駆動装置で駆動されると共に、上述したいずれかの作動パターンと同じ動作態様で、駆動モータ510を駆動する演出動作を行うようにしても良い。
この場合、移動上蓋部材332は閉状態を維持する一方で、可動演出部材6360が大当たり遊技または小当たり遊技の時と同様の動作態様で動作することにより、遊技者にあたかも大当たり遊技または小当たり遊技が開始されるように演出することができる。一方で、この時、移動上蓋部材332は閉状態(張出状態)を維持しているので、実際に移動上蓋部材332を短開放動作する場合と比較して、無用な賞球が生じることを防止することができる。
なお、上述の演出動作を、大当たり遊技が開始されることが決定してから、大当たり遊技が開始される直前までに行ったり、小当たり遊技が開始されることが決定してから、小当たり遊技が開始される直前までに行ったり、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合に行ったりしても良い。この場合、可動演出部材6360に注目しておくことで大当たり遊技や小当たり遊技が開始されるタイミングを予想し易くすることができる。また、可動演出部材6360の各動作と、小当たり遊技や、大当たり遊技を対応付けておくことで、経験値の高い遊技者ほど、可動演出部材6360の動作態様から、その後開始される遊技が大当たり遊技なのか、小当たり遊技なのかを精度よく判定し易くすることができる。これにより、複数回遊技を行うことに対する特典を付けることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<被駆動手段が開閉板の識別性を上げる技術思想の一例>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機において、前記開閉手段の変位に対応して駆動される被駆動手段を備え、その被駆動手段は、前記開閉手段に比較して、状態変化の識別が容易となるように構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段が複数枚の開閉板から構成されることで、演出を複雑化する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数枚の開閉板は、入賞口が閉状態であるのか、開状態であるのかを分かりにくくする意図で配設されたものであるので、開閉板を複数枚にして演出しても、遊技者の注目力を向上させることは困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、被駆動手段が開閉手段に比較して状態変化の識別が容易に構成されるので、開閉手段の動作態様から開閉手段の位置が遊技者目線で分かり難い場合であっても、被駆動手段の状態を目安として、容易に遊技を行うことができる。
なお、状態変化の識別が容易となる場合としては、種々の態様が例示される。例えば、位置変化しても遊技者目線で形状が変化しないものに対して形状が変化するように構成することで識別を容易としても良いし、小さいものに対して大きな形状とすることで識別を容易としても良い。
遊技機A1において、前記被駆動手段は、前記開閉手段に駆動力が伝達される伝達経路とは別の伝達経路で駆動力が伝達可能とされることを特徴とする遊技機A2。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段が複数枚の開閉板から構成されることで、演出を複雑化する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、演出用の開閉板に駆動力を伝達する伝達経路と重複する伝達経路で開閉用の開閉板に駆動力を伝達する構成とされるので、一方の開閉板に遊技球等から与えられた負荷が他方の開閉板へ伝達されることになり、双方の開閉板が分離している場合に比較して、双方の開閉板の耐久性が低くなる虞があるという問題点があった。
また、この場合、一方の開閉板へ駆動力を伝達する伝達経路の途中位置から、他方の開閉板へ向けて駆動力を伝達する伝達機構を配設する必要が生じるので、双方の開閉板の配設の自由度、及び動作態様の自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、開閉手段に駆動力が伝達される伝達経路と、被駆動手段に駆動力が伝達される伝達経路とを別で構成可能としているので、開閉手段に与えられた負荷が被駆動手段に伝達されることを防ぐことができる。
加えて、開閉手段へ駆動力が伝達される伝達経路と、被駆動手段へ駆動力が伝達される伝達経路とが途中でつながる必要が無いので、開閉手段と被駆動手段との配設の自由度、及び動作態様の自由度を向上させることができる。
なお、開閉手段の変位に「対応して駆動される」とは、ここでは、開閉手段と被駆動手段とが、関連動作していることを意味し、必ずしも開閉手段が開位置または閉位置とされた時に、それと対応して被駆動手段の状態が毎回同じとなることを要求するものでは無い。
例えば、開閉手段が開位置となった時に被駆動手段が第1の状態とされ、その次に開閉手段が開位置となるときには被駆動手段が第2の状態とされるものであっても、その後、周期的に被駆動手段が第1の状態とされれば、「対応して駆動される」と認められる。
遊技機A1又はA2において、前記被駆動手段は、前記開閉手段の下流側に配置され、前記開閉手段が前記閉位置から開位置へ向けて変位を開始する前に駆動されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、開閉手段が開位置となる前に、開閉手段が開位置となるタイミングを予想することができる。そのため、通過手段を狙って遊技球を発射するタイミングを計りやすくすることができる。
なお、開閉手段が前記閉位置から前記開位置へ向けて変位開始する場合、前記開閉手段の変位開始時に対して、所定の開放ずれ期間前に前記被駆動手段が駆動されるようにしても良い。この場合、被駆動手段の駆動タイミングを確認することにより、開閉手段が実際に変位開始する所定の開放ずれ期間前のタイミングを把握することができるので、開閉手段の変位開始タイミングを判定し易くすることができる。
また、前記開閉手段が前記開位置から前記閉位置へ向けて変位開始する場合、前記開閉手段の変位開始よりも所定の閉鎖ずれ期間後に前記被駆動手段が駆動されるようにしても良い。この場合、被駆動手段が動作開始したことを確認することにより、開閉手段が閉位置へ変位開始したことを把握することができる。これにより、開閉手段の位置が見えづらい場合であっても、遊技者は、遊技球の打ち出しを停止し、球損を抑制することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記被駆動手段は、前記開閉手段が前記開位置に配置される間、停止されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が開位置である時に通過手段を通って流下する遊技球が被駆動手段に衝突可能な構成を採用した場合に、被駆動手段が駆動されている間に遊技球が被駆動手段に衝突することを防止することができる。これにより、被駆動手段が遊技球と衝突することで被駆動手段が損傷する可能性を低くすることができる。
なお、この場合、開閉手段の変位により通過手段を遊技球が通過可能か否かと、被駆動手段の停止とを関連付けることができる。従って、開閉手段を視認し難い状態でも、被駆動手段の状態を確認することで遊技球の適切な発射タイミングを想定することができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記被駆動手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配設個数を削減することができる。
遊技機A5において、前記被駆動手段の前記開閉手段の変位に対する動作の態様が、前記開閉手段の変位態様の違いに基づき変化可能に構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、単一の駆動手段で、開閉手段と被駆動手段との連動のバリエーションを複数構成することができる。
なお、変位態様の違いとしては、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段が変位する回数でも良いし、開閉手段が変位する距離の違いでも良い。
遊技機A6において、前記開閉手段の変位態様の違いは、前記開閉手段の変位の回数として構成され、その回数に基づいて前記被駆動手段の前記開閉手段に対する動作の態様が周期的に変化することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、被駆動手段の開閉手段に対する動作の態様を、開閉手段が複数回変位することに対するセット動作として構成することができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記被駆動手段を駆動する駆動力を発生する第2駆動手段を、前記駆動手段とは別で備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段で駆動される開閉手段の動きに依存しない動作態様を含む動作態様で、被駆動手段を駆動することができる。
なお、被駆動手段は、駆動手段および第2駆動手段の駆動力で駆動されても良いし、第2駆動手段の駆動力のみで駆動されても良い。
遊技機A8において、前記第2駆動手段から前記被駆動手段へ伝達される駆動力の方向は、前記駆動手段から前記被駆動手段へ伝達される駆動力の方向に沿った方向とされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、駆動手段と第2駆動手段とが、互いの駆動力で損傷することを防止することができる。
<アタッカーの内部の球流れを、時間経過で変更>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機において、前記通過手段を通過した遊技球を検出可能に構成される検出手段と、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能に構成され、前記検出手段と連結され、通過した遊技球が前記検出手段に検出される流下経路と、前記流下経路内の遊技球に作用可能に構成され、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段の開閉幅を変化させることで、入賞口への入賞効率を変化させる遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段を通過するタイミングでの入賞効率を変化させることができる一方で、開閉手段を通過した後における入賞効率を変化させることができない。この場合、遊技者に秘密にした状態で入賞効率を変化させることができず、演出自由度を低下させる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段が流下経路に配置されるので、通過手段への入球効率は変化させずに、検出手段への入球(入賞)効率を変化させることができる。従って、入賞効率の変化が生じていることを遊技者に秘密にした状態で、入賞効率の変化を生じさせることができる。
なお、通過手段としては、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技などで開閉する特定入賞口でも良いし、時短状態で頻繁に開閉する第2入賞口でも良い。
なお、検出手段としては、種々の態様が例示される。例えば、払い出しのある入賞センサでも良いし、払い出しは無いが遊技球の通過を検出する通過検出センサでも良いし、遊技球の通過により大当たり遊技を発生させるV入賞センサでも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に関係する(確変状態へ移行させる)センサ(V確変センサ)でも良い。
なお、期間としては、種々の態様が例示される。例えば、通過手段を通過した遊技球の個数に基づいて決定される期間でも良いし、開閉手段が開位置となってから経過した時間に基づいて決定される期間でも良い。
なお、入賞効率としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が通過手段を通過してから検出手段に検出されるまでの期間の程度を意味しても良いし、通過手段を通過した遊技球の内、検出手段に検出される球の個数を意味しても良い。
遊技機B1において、前記制限手段は、前記流下経路の流路幅を変化させることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技球が流下経路を通過するのに要する期間を変化させることができる。これにより、通過手段の下流における遊技球の流下態様を変化させることができる。
遊技機B1又はB2において、前記制限手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成され、前記開閉手段の駆動開始時点と、前記制限手段の駆動開始時点とが異なることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、駆動手段の配設個数を削減しながら、開閉手段と制限手段とが別駆動で動作しているように視認させることができる。これにより、遊技機の製品コストの抑制と演出効果の向上とを両立させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記制限手段は、前記開閉手段と一体的に形成され、遊技球が所定位置まで到達する前に前記開閉手段が閉位置に変位開始することにより、前記流下経路における遊技球の流下方向を変化させ、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が通過手段を通過した後にも、その遊技球に対する注目力を維持することができる。
なお、流下経路の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球がちょうど通過できる程度の断面積の流路が網目状に構成されても良いし、遊技球がランダムな経路で流下できる程度に幅の太い流路として構成されても良い。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記制限手段は、遊技球が前記流下経路を通過するのに要する通過期間を変化させることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が全く別の経路で流下する場合に比較して、制限手段の機能が作用していることを遊技者が認識し難くすることができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記制限手段は、前記開閉手段の下流において前記通過手段へ向けて流下する遊技球に当接可能な当接部を備え、その当接部の遊技球と当接した後の変位は、前記通過手段から離反する方向に設定されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、制限手段の当接部と当接した遊技球を通過手段側へ押し戻すことを防止することができ、遊技球の流下をスムーズにすることができる。
<スライド板の下流に傾倒板が配置される>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、前記通過手段の上流側であり、前記開閉手段の下方である位置に配置され、第1位置と第2位置とを変位可能に構成され、前記第1位置と前記第2位置とを変位することにより遊技球の流下経路を切り替え可能とされる変位手段と、を備え、前記開閉手段は、所定の平面に沿って直動変位し、その所定の平面の上面側が遊技球の流下面として構成され、前記変位手段は、前記開閉手段が変位することに対応して回転変位することを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、直動変位する第1開閉板と、回転変位する第2開閉板との変位により特定入賞口の開閉を行う遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1開閉板が遊技球を留めない構成とされ、第1開閉板が開位置(正面側に張り出す位置)に配置された場合に遊技球が第1開閉板に到達しても、その遊技球は第1開閉板を上下に通り過ぎる構成とされるので、遊技球が入賞するか否かに対する遊技者の期待感と、遊技結果(賞球を得られるか否か)との差が大きくなり、遊技者の不満が増大する虞があるという問題点があった。
また、遊技者から見て第1開閉板に視線を遮られる位置に第2開閉板が配置されていることから、第2開閉板の状態を把握しにくくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、開閉手段が遊技球の流下面を備えて構成されることから、開閉手段に到達した遊技球を留めることができる。そのため、開閉手段へ到達した遊技球を容易に下流へ向かわせることができる。
更に、変位手段を開閉手段の下方位置で、開閉手段の変位に対応して回転動作で変位するように構成することで、遊技者目線で開閉手段が変位したことを認識し易くすることができる。
なお、開閉手段と変位手段とを変位させる駆動力は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球から与えられる負荷により変位しても良いし、個別の駆動装置により駆動されても良いし、兼用の駆動装置により駆動されても良いし、個別の駆動装置により駆動される期間と兼用の駆動装置により駆動される期間とを切り替え可能に構成しても良い。
遊技機C1において、前記開閉手段が前記開位置で維持される長さの違いによって、遊技球が前記通過手段を通過した後の流下経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、開閉手段の動作態様によっても遊技球の流下経路を変化させることができるので、開閉手段の動作態様と、変位手段の変位の態様との組み合わせにより遊技球の流下経路を変化させることができる。これにより、遊技者に遊技球の流下経路を予測させ難くすることができるので、遊技者の開閉手段および変位手段への注目力を維持することができる。
遊技機C1又はC2において、前記変位手段に遊技球が到達する時点における前記開閉手段の変位態様により、その遊技球の流下態様が変化するように構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、遊技球が開閉手段を通過手段側へ通過した後も、その遊技球に対する注目力を高く維持することができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1位置で前記変位手段の上面に遊技球が乗った状態で、前記変位手段を前記第2位置へ変位させた場合に、前記変位手段の上面に乗った遊技球は跳ね上げられ、天井面に衝突可能に構成される遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が第2位置へ変位する直前に変位手段の上面に乗った遊技球の流下態様を、その他のタイミングで変位手段の上面に乗った遊技球と異ならせることができる。
なお、天井面の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、天井面は、常時位置が固定されている壁面でも良いし、開閉手段の変位に伴って変位可能な部材の一面として構成されても良い。
遊技機C4において、前記天井面は、前記開閉手段が変位することに伴って変位することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、開閉手段と遊技球が衝突した場合に遊技球に与えられる反力のバリエーションを増やすことができる。
遊技機C1又はC2において、遊技球が前記開閉手段または前記変位手段と衝突する位置の違いにより、遊技球が前記通過手段を通過する経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、開閉手段または変位手段への遊技球の到達の仕方に対する注目力を向上させることができる。
なお、開閉手段または変位手段への衝突の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球の流下時の衝突でも良いし、遊技球が所定の部位に衝突して跳ね返った後の衝突でも良い。
遊技機C6において、前記変位手段の軸方向位置の違いにより、前記変位手段と、その変位手段に対向配置される前記通過手段の内面との距離が変化することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、変位手段に衝突して跳ね返った遊技球の天井面への衝突のし易さを、変位手段の軸方向位置の違いで変化させることができる。これにより、遊技球の流下態様を複雑化することができる。
遊技機C1又はC2において、前記開閉手段が前記開位置の時に遊技球が通過する位置の違いにより、遊技球が前記通過手段を通過する経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、開閉手段を通過した遊技球の流下態様のバリエーションを増やすことができ、遊技球を演出手段として採用し易くすることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記開閉手段が前記閉位置の間に、前記変位手段が変位を完了可能に構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が変位する際の遊技球の配置を規制することができ、遊技球が変位手段に予想外のタイミングで衝突したり、変位手段と周囲部材との間で遊技球が噛みこまれたりすることを防止することができる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
65a 特定入賞口(通過手段)
112a 球発射ユニット(発射装置)
331b 下方通路(流下経路の一部)
2331e 延設床部(流下経路の一部)
332,4332 移動上蓋部材(開閉手段、制限手段の一部、天井面の一部)
333,2333 ソレノイド(駆動手段)
2360,3360,4360,6360 可動演出部材(被駆動手段、制限手段の一部、変位手段)
3331k 案内傾斜面(流下経路の一部)
3370 振分部(制限手段の一部)
3374 第2規制部(当接部)
510 駆動モータ(第2駆動手段)
6331m 規制板(流下経路の一部)
S センサ(検出手段の一部)
S2 第2センサ(検出手段の一部)
S3 第3センサ(検出手段の一部)
VC V入賞センサ(検出手段の一部)
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
入賞口を開閉する開閉手段が複数枚の開閉板から構成される遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に注目させる点で改良の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者に注目させる点で改良できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機であって、前記開閉手段の変位に対応して駆動される被駆動手段を備え、その被駆動手段は、前記開閉手段に比較して、状態変化の識別が容易となるように構成される。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技者に注目させる点で改良することができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図10(b)の矢印Xc方向視における可変入賞装置の側面図である。
(a)は、図10(b)のXIa−XIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図11(a)から移動上蓋部材をスライド移動させた後の可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)は、図12(b)のXIIIa−XIIIa線における盤面下部ユニットの断面図であり、(b)は、図12(b)のXIIIb−XIIIb線における盤面下部ユニットの断面図であり、(c)は、図13(b)から光照射部の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニットの断面図である。
(a)は、第1実施形態における主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
第2実施形態における遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
遊技盤及び盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
可変入賞装置の正面分解斜視図である。
可変入賞装置の背面分解斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の上面図であり、(b)は可変入賞装置の正面図であり、(c)は、図20(b)の矢印XXc方向視における可変入賞装置の側面図である。
図20(b)のXXI−XXI線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置の断面図である。
(a)から(c)は、移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の位置および状態の計時変化を示した図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面斜視図である。
第3実施形態における遊技盤の部分正面斜視図である。
(a)は、傾倒状態の可動演出部材の正面斜視図であり、(b)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における可動演出部材の側面図であり、(c)は、図30(a)の矢印XXXc方向視における可動演出部材の上面図であり、(d)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における起立状態の可動演出部材の側面図である。
(a)から(c)は、可動演出部材、振分部、延設床部及び案内傾斜面を模式的に示す上面模式図である。
第1の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、センサ、第2センサ、規制弁及びV入賞センサの出力の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
第4実施形態における可変入賞装置の下方から見上げた視線における正面斜視図である。
移動上蓋部材の下方から見上げた視線における正面斜視図である。
(a)は、移動上蓋部材の正面図であり、(b)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線における移動上蓋部材の断面図である。
(a)及び(b)は、図20(b)のXXI−XXI線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
切替装置の背面斜視図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の位置および状態の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンの別例1における移動上蓋部材、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
第2の作動パターンの別例2における移動上蓋部材、可動演出部材、センサ及び第2センサの出力の計時変化を示した図である。
遊技盤の正面図である。
主制御装置におけるROMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
第5実施形態における切替装置の背面斜視図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
(a)から(c)は、切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の動作を模式的に示す切替装置、第1伝達部材、第2伝達部材及び可動演出部材の側面模式図である。
第3の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド及び可動演出部材の計時変化を示した図である。
第6実施形態における盤面下部ユニットの正面分解斜視図である。
盤面下部ユニットの背面分解斜視図である。
(a)及び(b)は、遊技盤の部分正面図である。
可動演出部材及び負荷発生装置の分解正面斜視図である。
(a)は、第1クラッチ部材の左面図であり、(b)は、図58(a)の矢印LVIIIb方向視における第1クラッチ部材の上面図である。
(a)は、第2クラッチ部材の右面図であり、(b)は、図59(a)の矢印LIXb方向視における第2クラッチ部材の上面図である。
(a)から(c)は、可動演出部材と第2クラッチ部材との動作を時系列で示す可動演出部材及び第2クラッチ部材の右面図であり、(d)から(f)は、それぞれ、図60(a)から図60(c)に示す第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の姿勢を模式的に示した模式図である。
(a)及び(b)は、図60(b)の矢印LXIa方向視における第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の正面斜視図であり、(c)は、図60(c)の矢印LXIc方向視における第1クラッチ部材及び第2クラッチ部材の正面斜視図である。
第4の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第5の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第6の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材及びセンサの出力の計時変化を示した図である。
第7の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材及びセンサの出力の計時変化を示した図である。
第8の作動パターンにおける移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材及び第2クラッチ部材の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
大当たり種別とラウンド遊技における可動演出部材の状態との対応関係を模式的に示した模式図である。
第9の作動パターン(非V)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第9の作動パターン(V)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第9の作動パターン(V)の別例における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第10の作動パターン(下通過)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
第10の作動パターン(上通過)における移動上蓋部材、ソレノイド、可動演出部材、第2クラッチ部材、センサ及び第3センサの出力の計時変化を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図14を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘(図示省略)や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球や、パチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330(図6参照)を有する盤面下部ユニット300、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置330は、後述するベース板60の受け入れ開口60aに嵌め込まれる盤面下部ユニット300と一体的に形成される。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
本パチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球がスルーゲート67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、本実施形態では、特定入賞口65aに遊技球が1個入球することにより15個の賞球が払い出されるように制御される。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている(図14参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、特定入賞口65aの開放パターンが異なるように制御される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。
第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83(図4参照)において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球がスルーゲート67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84(図4参照)においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、スルーゲート67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が特別図柄の抽選の回数に応じて終了するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、所定の大当たり種別(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するようにしても良い。この場合、他の大当たり種別(例えば、後述する大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、100回よりも少ない50回でも良いし、100回よりも多い200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。
一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。
また、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83(図4参照)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側または左側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(打ち方ナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を安定して入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ、第2入賞口640へと球を安定して入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。
また、大当たり遊技を左打ちで遊技することにより、遊技者にとって有利となる場合には、本実施形態では、特定の画像(左打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が誤って右打ちで遊技を行うことを防ぎ、遊技者が左打ちにより得られる恩恵を得やすくなるように構成している。
左打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「左を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に左向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の左側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。
第2図柄表示装置83(図4参照)は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83(図4参照)にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数の保留球数は、上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ84(図4参照)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83(図4参照)において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84(図4参照)により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物640aは有しておらず、遊技球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(例えば、出球)が得られる大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりaとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64及び第2入賞口640の下方には可変入賞装置330(図6参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特定入賞口65aを開閉する可変入賞装置330(図6参照)の詳細については後述するが、簡潔に説明すると、可変入賞装置330の移動上蓋部材332がスライド移動することで、特定入賞口65aが開閉される(移動上蓋部材332の上流を流下している遊技球が特定入賞口65aの正面側に到達してから特定入賞口65aを通過可能な開状態と、それ以外の閉状態とが切り替えられる)。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口314が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口314を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口314は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設され、風車等の各種部材(役物)が配設されている(図示省略)。
本実施形態では、通常状態において発射した遊技球は、約1割が一般入賞口63へ向かい、約1割が道釘(図示せず)の上を流下し第1入賞口64へ入球し、残りの約8割が道釘の上を流下した後で第1入賞口64から漏れて後述する移動上蓋部材332の上を転動し、アウト口314を通過する。即ち、0.6秒間隔で遊技球を発射し続ける場合、約0.75秒間隔で移動上蓋部材332の上に遊技球が到達する。この場合、移動上蓋部材332の上面に常に遊技球を1個以上維持しておくことが可能であるので、移動上蓋部材332の開放時間が短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ向けて流下させることができる。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aを開閉する移動上蓋部材332を駆動する大開放口ソレノイド(ソレノイド2333)や電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
なお、特定入賞口65aの開閉は、開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動させることで行っても良い。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
なお、後述するセンサS、第2センサS2、第3センサS3、V入賞センサVC等の遊技球を検出するセンサは、各種スイッチ208に含まれる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には後述する駆動モータ510等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図13を参照して、遊技盤13の下部に配設される盤面下部ユニット300について説明する。図5及び図6は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の正面分解斜視図であり、図7は、遊技盤13及び盤面下部ユニット300の背面分解斜視図である。なお、図5では、前板部材320のみが遊技盤13から分解された状態が図示され、図6及び図7では、図5から更に盤面下部ユニット300の前側ユニット310及び可変入賞装置330が遊技盤13から分解された状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。
図5に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332(図6参照)で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図6及び図7に示すように、盤面下部ユニット300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65aとを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置330と、を主に備える。
前側ユニット310は、正面側を球が流下可能に形成される板状の本体板部311と、その本体板部311の正面側中央で一対の部材が左右に開閉動作される電動役物640aと、本体板部311の左右上部において正面側に突設される板状の傾斜板部312と、本体板部311の下底部から上方へ向けて凹設される開口上側部313と、その開口上側部313の左右両側において前後方向に穿設され球が遊技領域外に排出される一対のアウト口314と、を主に備える。
本体板部311は、電動役物640aの上方に形成され第1入賞口64の下辺を形成する第1入賞口下辺311aと、電動役物640aの一対の部材に囲われる位置において前後方向に穿設される第2入賞口640と、その第2入賞口640の下方に配置され第2入賞口640の正面側を照らす光照射装置311bと、アウト口314の外側においてリブ状に正面側へ向けて凸設される球流しリブ311cと、を主に備える。
光照射装置311bは、前板部材320の収容凹部323a(図7参照)に収容され、第2入賞口640に球が入賞することに起因して、上方(第2入賞口640側)へ向けて光が照射されるLED部材である。
なお、光照射装置311bの発光タイミングの制御は任意に設定可能である。例えば、電動役物640aが開状態となり、球を第2入賞口640へ入球させやすい状態となった場合に、その状態の変化を遊技者に気付かせる目的で、通常消灯している光照射装置311bを発光させたり、通常点灯している光照射装置311bを消灯させたりする制御を行っても良い。
球流しリブ311cは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであり、詳細は図13で後述する。
傾斜板部312は、上側面を球が転動可能に形成され、電動役物640aの左右上方に配置されると共に、電動役物640aへ近接されるほど下降傾斜される。これにより、電動役物640aが左右に倒れる開状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で第2入賞口640へ入賞させることができる。一方、電動役物640aが起立される閉状態の時は、傾斜板部312を転動して流下される球を高確率で開口上側部313の正面側へ落下させることができる。
開口上側部313は、左右中央へ向かうにつれて上昇傾斜して形成される。ここで、特定入賞口65aの左右方向中央部の上下幅を球の直径以上とすることで、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)を球の直径以下の長さに設定することが可能である(図12参照)。この場合、特定入賞口65aの左右端部から球を入賞させることは困難であるが、球が内レール61に沿って遊技盤13の中央部へ流下され、特定入賞口65aの左右方向中央部から入賞可能とされるので、遊技を継続できる。
ここで、特定入賞口65aの上下側面が平行面(左右方向へ延設される平面)である場合、内レール61と交差する直線が特定入賞口65aの下側面の長さと同じになるまで、特定入賞口65aを内レール61の下縁から上昇させて配置する必要がある。そのため、特定入賞口65aの位置が高くなる。
一方、本実施形態では、特定入賞口65aの下側側面が内レール61の下側面と同様に湾曲形成されるので、特定入賞口65aを上昇配置させる必要がなく、特定入賞口65aを低位置に配置することができる。
また、特定入賞口65aの上側側面が左右端部へ近接するにつれて下降傾斜されるので、上側側面が左右方向へ延設される平面で形成される場合に比較して、特定入賞口65aへ球を案内する道釘の配置を下方へ下げることができる。これにより、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。
アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右端部に対して、アウト口314の下辺は下方に配置され、アウト口314の上辺は上方に配置される。即ち、開口上側部313がアウト口314よりも下方に形成される。これにより、後述する可変入賞装置330の配置を下方へ下げることができ、第3図柄表示装置81の下縁を下げることができる。なお、このような配置であっても、本実施形態では開口上側部313の形状と略同一形状の上側面を備え前後方向にスライド移動される移動上蓋部材332の上面を球が流下され、球がアウト口314へ排出されるので(図12参照)、遊技が継続可能となる。
前板部材320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、前側ユニット310の正面側に配設されると共に本体板部311との間を球が流下可能に形成される板状の本体板部321と、その本体板部321の上端部に配設され第1入賞口下辺311aへ球を案内する第1入賞口前部322と、電動役物640aの下方に配置される電動役物下支え部323と、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板324と、内レール61の下縁に沿って本体板部321から背面側に突設される球送り部325と、を主に備える。
本体板部321は、アウト口下板324の外側において、背面側にリブ状に凸設される球流しリブ321aを備える。球流しリブ321aは、内レール61に沿って転動する球の流下方向を調整するものであるが、その詳細については図13で後述する。
電動役物下支え部323は、横長の凹部である収容凹部323aを備え、その収容凹部323aには、光照射装置311bが収容される。
アウト口下板324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部324aを備える。アウト口下板324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ排出する速度を向上させることができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板324の真上に形成される(図12参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板324の耐久性を向上させることができる。
段部324aは、アウト口314と特定入賞口65aとの間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、段部324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図12参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
球送り部325は、背面側に形成される背面側側面325aと、その背面側側面325aと連結されると共に左右側に形成される左右側側面325bと、を主に備える。
背面側側面325aは、背面側へ向かうにつれて下降傾斜され、左右側側面325bは、背面側へ向かうにつれて中央へ向けて傾斜される。これにより、球送り部325に到達した球の流下方向を背面側へ向けることができる。従って、特定入賞口65aの手前で球が留まることを抑制し、所謂オーバー入賞を抑制することができる。
次いで、図8から図10を参照して、可変入賞装置330について説明する。図8は、可変入賞装置330の正面分解斜視図であり、図9は、可変入賞装置330の背面分解斜視図であり、図10(a)は、可変入賞装置330の上面図であり、図10(b)は可変入賞装置330の正面図であり、図10(c)は、図10(b)の矢印Xc方向視における可変入賞装置330の側面図である。
図8及び図9に示すように、可変入賞装置330は、骨格を形成する本体部材331と、その本体部材331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、その移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド333と、そのソレノイド333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、を主に備える。
本体部材331は、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aと、特定入賞口65aに入球した球が流下される下方通路331bと、その下方通路331bの下方に配設され上方へ向けて光を照射する光照射装置331cと、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部331dと、を主に備える。
異形貫通孔331aは、図10(a)及び図10(b)に図示されるように、移動上蓋部材332の形状に沿って形成される貫通孔であって、前側板部332aを収容する前方開口部331a1と、後側板部332bを収容する後方開口部331a2と、を主に備える。
前方開口部331a1は、正面視において下辺が水平に延設され、上辺が中心へ向かうにつれて上昇傾斜されると共に左右の側辺は上下に延設される五角形状に形成される窪みである。
後方開口部331a2は、前方開口部331a1の背面側中央部から、前方開口部331a1の左右部分を切り落とした形状で穿設される開口である。即ち、後方開口部331a2の下辺および上辺の外形と、前方開口部331a1の下辺および上辺の外形とは前後方向で段が形成されるものではなく、面位置で形成される。これにより、移動上蓋部材332をスムーズに案内することができる。
下方通路331bは、球が通過可能に左右一対で形成されると共に(図13(a)参照)、内レール61の下縁よりも下方へ張り出して形成される通路であって、その奥に球の通過を検出するセンサSが配設される(図10(b)参照)。
光照射装置331cは、下方通路331bや板状部332a1等を光で照らして演出する装置であって、内レール61の下方(受け入れ開口60aの下部)に配設される。これにより、光照射装置331cに必要な装置等を内レール61の下方に配設することができるので、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
なお、光照射装置331cは、光を照射する光照射部331c1を備える。その光照射部331c1は、下方通路331bの真下に左右一対で形成され、上方に光を照射する。
背面側収容部331dは、後方開口部331a2を挟んで前方開口部331a1と連通されている。
移動上蓋部材332は、光透過性の樹脂材料から形成される長尺部材であって、前方開口部331a1に収容される前側板部332aと、後方開口部331a2に収容される後側板部332bと、前側板部332a及び後側板部332bの中心軸に沿って下方へ突設される中心リブ332cと、後側板部332bの背面側端部に上下方向に穿設される連結孔332dと、を主に備える。
なお、移動上蓋部材332を非透過性の樹脂材料から形成するようにしても良い。この場合、移動上蓋部材332の上方から特定入賞口65aを視認する遊技者にとっての、特定入賞口65aへの遊技球の流下の見えやすさを、移動上蓋部材332の状態(開状態か、閉状態か)によって、大きく変化させることができる。換言すれば、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)である場合に比較して、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)である場合の方が、移動上蓋部材332の下流へ流下する遊技球の視認性を向上させることができる。
前側板部332aは、前方開口部331a1の上辺の形状に沿って左右方向中央部へ向けて上昇傾斜する態様で形成される板状部332a1と、その板状部332a1の上下方向に穿設される肉抜き孔332a2と、板状部332a1の左右方向端部において下方へ向けて張り出され前後方向へ向けて延設される案内リブ332a3と、を主に備える。
板状部332a1は、下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されると共に(図11参照)左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成される前側傾斜側面332a1fを備える。前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されることにより、球が前板部材320と前側傾斜側面332a1fとに挟まれた場合に球を中央側へ流すことができ、球により移動上蓋部材332のスライド動作が妨害されることを防止できる。
なお、前側傾斜側面332a1fは後述するように光を反射させる部分として形成されるので、光を効果的に反射させるために、前側傾斜側面332a1fに金属膜を形成するようにしたり、鏡面加工したりしても良い。本実施形態では、光を反射するテープが貼付けられる。
案内リブ332a3は、組立状態(図10参照)において、前方開口部331a1の左右側側面に沿って形成され、前方開口部331a1の下側側面と摺動する。これにより、移動上蓋部材332のスライド移動時の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
中心リブ332cは、板形状が屈曲されて形成される前側板部332aの屈曲部に形成される。これにより、前側板部332aの剛性を向上させることができる。また、移動上蓋部材332が前方へスライド移動される場合(可変入賞装置330の移動上蓋部材332が張出状態とされる場合)に、開口上側部313の背面側に留められる(図11(b)参照)。これにより、中心リブ332cと球とが衝突して移動上蓋部材332が動作不良を起こすことを防止することができる。
連結孔332dは、レバー部材334bの連結部334b4が挿通され、レバー部材334bの揺動による変位が移動上蓋部材332に伝達される貫通孔である(図11参照)。
ソレノイド333は、駆動源となる本体部333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において上下に移動される鉤形の鉤形部材333bと、を主に備える。
後蓋部材334は、板状の本体部334aと、その本体部334aに揺動可能に軸支され先端が前後方向に移動可能に形成されるレバー部材334bと、を主に備える。
レバー部材334bは、上下方向に延設される本体部334b1と、その本体部334b1の下端部において左右両方向に円柱状に突設され本体部334aに軸支される一対の軸部334b2と、その一対の軸部334b2の略中間位置において本体部334b1の下方に延設され本体部334b1との間に鉤形部材333bを収容可能に形成される下爪部334b3と、本体部334b1の上端部において円柱状に膨出形成される連結部334b4と、を主に備える。
次いで、図11を参照して、移動上蓋部材332のスライド移動について説明する。図11(a)は、図10(b)のXIa−XIa線における可変入賞装置330の断面図であり、図11(b)は、図11(a)の状態から移動上蓋部材332をスライド移動させた後の可変入賞装置330の断面図である。なお、図11(a)では、移動上蓋部材332が後方配置される退避状態が図示され、図11(b)では、移動上蓋部材332が前方配置される張出状態が図示されると共に、光の経路E1について理解を容易にするために、中心リブ332cの図示が一部省略される。また、図11(a)及び図11(b)では、組立状態(図2参照)における内レール61及び前板部材320が仮想的に想像線で図示される。
図11(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合、鉤形部材333bは上方へ配置され、レバー部材334bが後ろ倒れされる。この状態では、球は可変入賞装置330の前方を流下可能であり、即ち、球は特定入賞口65a(図5及び図12参照)に入賞可能(開放状態)とされる。
一方、図11(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合、鉤形部材333bが下方へ押し付けられることでレバー部材334bが軸部334b2を中心に前倒れされ背面側収容部331dの側面に当接されると共に移動上蓋部材332が正面側へスライド移動される。この状態では、球は特定入賞口65a(図5及び図12参照)に入賞不可能(閉鎖状態)とされる。
この場合、鉤形部材333bの下方端部の背面側側面がレバー部材334bの下爪部334b3の端部と前後方向で当接されることで、レバー部材334bの揺動が機械的に規制される(下爪部334b3の移動方向に鉤形部材333bが配置されると共に下爪部334b3の移動方向と鉤形部材333bの移動方向とが直交する)。従って、ソレノイド333の駆動力によってレバー部材334bの揺動を停止させる場合に比較して、ソレノイド333の駆動力を抑制できる。
ここで、図11を参照して、光照射装置331cから照射された光の経路について説明する。
図11(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされる場合、光照射部331c1から上方に照射された光は経路E1に沿って板状部332a1の前側傾斜側面332a1fに到達する。このとき、前側傾斜側面332a1fが下方へ向かうほど背面側へ傾斜して形成されるので、下方から照射され前側傾斜側面332a1fに到達した光は前方(遊技者側)へ向けて反射される。この場合、移動上蓋部材332の前側傾斜側面332a1fが発光しているかのように遊技者に視認させることができる。また、前側傾斜側面332a1fで反射した光が前板部材320の投光範囲E0に投光されることから、前板部材320に注目させることができる。これにより、移動上蓋部材332及び前板部材320の演出能力を向上させることができる。
ここで、移動上蓋部材332にLED等を配設して移動上蓋部材332を発光させる場合、移動上蓋部材332が大型化する恐れがある。一方、本実施形態では、移動上蓋部材332にLEDを配設することはしないので、移動上蓋部材332が大型化することを抑制しながら、移動上蓋部材332の演出部分としての能力を向上させることができる。
図11(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合、光照射部331c1から上方に経路E2に沿って照射され、前側傾斜側面332a1fに向かう光は、内レール61に遮蔽されることで板状部332a1の前側傾斜側面332a1fには到達しない。この場合、光照射部331c1から経路E1に沿って照射された光が、前側板部332aの板状部332a1の中間位置に到達し、そのまま透過するのみなので、前側傾斜側面332a1f及び前板部材320が遊技者に暗く視認される。
即ち、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかにより、前側傾斜側面332a1fに光照射部331c1から照射される光が到達するか否かが変化すると共に、前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるかが変化する。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの状態を確認することで、特定入賞口65aに球を入賞可能か否か確認することができる。
従って、本実施形態のように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動するために、移動上蓋部材332の状態の変化が正面視で把握しづらい場合でも(図12(a)及び図12(b)参照)、投光範囲E0の明るさの変化により特定入賞口65aに球を入賞可能か否か容易に確認することができる。
ここで、移動上蓋部材332は、球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成するために必要な動作(前後スライド移動)のみにより、投光範囲E0の明るさの状態を変化させている。換言すれば、遊技を継続するために移動上蓋部材332に必要とされる動作のみにより投光範囲E0の状態を変化させるので、追加の機構が必要とならない。即ち、移動上蓋部材332を、球の特定入賞口65aへの通過の可否を切り替える目的と、光照射部331c1から照射される光により演出を行う目的とで兼用することができる。
なお、球が下方通路331bを通過する際に経路E1を横切ることで、光照射部331cから照射された光を球で反射させて演出を行っても良い。この場合、正面視で内レール61付近(図11(a)及び図12(b)の投光範囲E0の下方)を明るく照らすことができる。
図12を参照して、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合と、退避状態を形成する場合との球の流下について説明する。図12(a)及び図12(b)は、遊技盤13の部分正面図である。なお、図12(a)では、移動上蓋部材332が張出状態を形成する場合(図11(b)参照)が図示され、図12(b)では、移動上蓋部材332が退避状態(図11(a)参照)を形成する場合が図示され、図12(a)及び図12(b)において、前板部材320の本体板部321が想像線で図示される。なお、図12(a)及び図12(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図12(a)及び図12(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材320に当接しているか又は前板部材320との間で球の通過を遮る程に前板部材320に近接している部分である。
図12(a)に示す状態では、経路C2で落下する球は移動上蓋部材332の上側面に沿って流下され、アウト口314に排出される。この場合、球の重みで移動上蓋部材332が下倒れする恐れがあり、それにより、移動上蓋部材332の左右端部が段部324aよりも下方へ移動されると、球をアウト口314へ排出できなくなり遊技に支障をきたす。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332は、異形貫通孔331aの正面側に張り出される長さの数倍の長さ(約4倍の長さ、図11(b)参照)で異形貫通孔331aに収容されると共に可変入賞装置330の前後方向に亘って異形貫通孔331aの側面と上下方向で当接可能に形成される。そのため、移動上蓋部材332と異形貫通孔331aとのクリアランスを小さくすることで、移動上蓋部材332に衝突される球の重みにより移動上蓋部材332が下倒れすることを抑制することができる。これにより、移動上蓋部材332の左右両端部を段部324aと面位置に形成することができ、特定入賞口65aへの道釘を下方へ下げることができるので、第3図柄表示装置81の下縁を下方へ下げることができる。
図12(b)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態を形成する場合において、球は、特定入賞口65aへ向けて流下することが可能となる。このとき、内レール61に沿って左右から経路C1で転動する球は段部324aに衝突し、アウト口314へ排出されるため、特定入賞口65aへ向けて上方から経路C2で落下する球が内レール61を転動し、特定入賞口65aに到達する。
ここで、本実施形態では、特定入賞口65aの左右端部の上下幅が球の直径以下に形成される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部における内レール61からの上下方向の距離が球の直径以下に形成される。そのため、段部324aの内レール61からの高さを低くすることができ、その段部324aから落下する球が到達するアウト口314の配置も低くすることができる。
また、この場合、球は特定入賞口65aの左右端部から入球することが困難となる(加えて、本実施形態では、ベース板60に球の入球が遮られる)。しかし、特定入賞口65aの下辺が内レール61に沿って形成されるので、特定入賞口65aの左右端部の正面側に流下した球は重力で内レール61に沿って遊技領域中央方向へ転動され、そこから特定入賞口65aへ入球する。なお、内レール61の下縁は後方に傾斜して形成されるので(図11参照)、球を特定入賞口65a(図12参照)にスムーズに入球させることができる。
これにより、特定入賞口65aの上辺を形成する移動上蓋部材332は、少なくとも遊技領域の中央付近(内レール61が最も下方に配置される付近)において球の直径以上に内レール61から上方に離間すれば良いので、移動上蓋部材332の配設位置を下方へ下げることができる。従って、内レール61の中央付近以外の位置において球の直径以上に内レール61から上方に離間する必要がある場合に比較して、可変入賞装置330の配設位置を下方に下げることができる。これにより、遊技盤13の背面側のスペースを確保することができ、第3図柄表示装置81(図2参照)の下縁を下方へ下げることができる。
次いで、図13を参照して、球流しリブ311c,321aや球送り部325の機能及び前側傾斜側面332a1fにより光が集光されることについて説明する。図13(a)は、図12(b)のXIIIa−XIIIa線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図13(b)は、図12(a)のXIIIb−XIIIb線における盤面下部ユニット300の断面図であり、図13(c)は、図13(b)から光照射部331c1の配置を仮想的に変化させた盤面下部ユニット300の断面図である。
なお、図13(a)では、球の転動経路が経路C1a,C1b,C2aで記載されると共に、退避状態とされた移動上蓋部材332が想像線で図示される。移動上蓋部材332は図13(a)の断面よりも手前側(図12(b)上側)にあり、実際は視認されるものではないが、説明の便宜のために、上下方向視(図13紙面垂直方向視)の位置が合致した状態で、図13(a)に想像線で図示される。また、図13(b)及び図13(c)では、下方通路331bを流下する球が仮想的に3個図示される。
左右方向から内レール61(図6参照)に沿って転動され、アウト口314へ排出される球の経路について説明する。図13(a)に示すように、左右方向から図13(a)中央へ向けて転動する球は、球流しリブ311c又は球流しリブ321aの少なくとも一方に当接する。即ち、前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動する球は、球流しリブ311cに当接し、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動する球は、球流しリブ321aに当接する。
ここで、球が球流しリブ311cに当接すると、経路C1aに沿った方向に球の速度方向が向き、次いで球流しリブ321aに当接する。そのため、球が前側ユニット310の本体板部311に当接しながら転動するか、前板部材320の本体板部321に当接しながら転動するかに関わらず、転動する球を球長しリブ321aに当接させることができる。
内レール61(図6参照)に沿って転動する球を球流しリブ321aに当接させることで、球の速度方向を経路C1bに沿った方向に向けることができる。この場合、球がアウト口314の正面側に配置される前から球の速度を背面側(図13(a)上側)へ向けることができる。そのため、球がアウト口314の正面側に配置されてから球が遊技領域から排出されるまでの期間を短くすることができ、球がアウト口314の正面側に滞留することを抑制することができると共に、アウト口314の開口幅を抑制することができる。これにより、特定入賞口65a(図5参照)とアウト口314とが左右に並設される場合に、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下方へ下げることができる。
球が左右一対で並列される段部324aの間に落下する場合について説明する。この場合、段部324aの間に落下した球は左右方向中央へ向けて転動し、球が球送り部325の左右側側面325bに当接することで、球の速度方向が経路C2a(内レール61の上面を左右に流下する遊技球が球送り部325の左右側側面325bに衝突し、その遊技球の速度方向が下方通路331bへ向けた方向に切り替えられ、下方通路331bへ向けて流下する際に、その遊技球が通る経路)に沿って変化する。これにより、球が特定入賞口65a(図5参照)の正面側に滞留することを抑制することができるので、オーバー入賞を抑制することができる。
球が下方通路331bに沿って流下し、光照射部331c1から照射される光を横切る際には、その球が光を遮蔽することで、光は前側傾斜側面332a1fに到達しなくなる。そのため、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認されるか暗く視認されるかで球が特定入賞口65a(図12参照)に入賞したか否かを確認することができる。
これにより、本実施形態のように、特定入賞口65aの前に光透過性の樹脂材料から形成される前板部材320が配設され、特定入賞口65aの内側が視認し難い場合であっても、投光範囲E0の明るさの変化により球が特定入賞口65aに入球したことを確認することができる。そのため、特定入賞口65aに球が入球することを確認するために特定入賞口65aを斜め上から除き込む必要が無く、遊技者の負担を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光照射部331c1から照射される光の照射方向と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが、直角に近い角度で交差する(図13(b)参照)。そのため、球が光の進行方向に対向して流下する場合(図13(c)参照)や、球が光の照射方向に沿って流下する場合に比較して、特定入賞口65aに入球し下方通路331bを流下する球が光を遮蔽する期間を短くすることができる。換言すれば、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0が明るく視認される期間を長くすることができ、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の演出能力を確保することができる。
図13(b)に示すように、光の経路E1と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが直角に近い角度で交差する(横切る)場合、光の経路E1が球に遮られた後、球が下方通路331bの前端部(図13(b)右側)を通過する辺りで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下するとしても、1球ごとに経路E1を遮蔽することになるので、前側傾斜側面332a1fや前板部材320の投光範囲E0の明るさの変化を確認することにより、特定入賞口65aに入球した球の個数を確認することができる。
一方、図13(c)に示すように、光の経路E3と、下方通路331bを流下する球の流下方向とが平行に近い関係である場合、光の経路E3が球に遮られた後、球が下方通路331bの後端部(図13(c)左側、センサS付近)に到達し下方へ落下することで、光は球に遮られなくなる(光が前側傾斜側面332a1fに到達するようになる)。即ち、それまでは光の経路E3は球に遮られたままとなる。
この場合、球が連なって下方通路331bを流下すると、下方通路331bに球が配置される限り、一つ目の球(図13(c)の左側の球)に光の経路E3が遮られる。更に、一つ目の球が下方通路331bの後端部(図13(c)左側)から下方へ落下した後は二つ目の球(図13(c)の右側の球)に光の経路E3が遮られる。その上、二つ目の球が下方通路331bの後端部から落下する際に、次の球(3つ目の球)が下方通路331bに入球する場合には、その球に光の経路E3が遮られる。このように、球が光の経路E3を遮蔽し続けることとなり、球が下方通路331bを流下している間は常に暗く視認される。即ち、光が明るく視認されるか暗く視認されるかが変化した回数と、特定入賞口65aに入球した球の個数とが必ずしも一致せず、特定入賞口65aに入球した球の個数の確認が困難となる。これに対して、本実施形態は、上述した優位性を備える。
図13(a)に示すように、前側傾斜側面332a1fが左右方向中央部へ向かうほど背面側へ凹んで形成されるので、左右一対の光照射部331c1から照射された光が前側傾斜側面332a1fで反射されることで、経路E1に沿って前板部材320の中央へ集光され、投光範囲E0(図12(b)参照)に到達する。
ここで、本実施形態では、移動上蓋部材332の正面側に前板部材320が配設されるので、特定入賞口65aを隠すことができる一方、前側傾斜側面332a1fを前板部材320越しに視認することになり、前側傾斜側面332a1fの明るさの変化を把握し難い恐れがある。その場合、光照射部331c1に用いるLED等の発光素子の光の強度を上げる必要があり、光照射部331c1に用いることができる発光素子が限定されるという問題点があった。
これに対し、前側傾斜側面332a1fが、光照射部331c1から照射された光を前板部材320の中央へ集光させるので、一対の光照射部331c1から照射される光のそれぞれを重ね合わせて、投光範囲E0で視認される光の強度を向上させることができる。従って、光照射部331c1に用いることができる発光素子の選択自由度を向上させることができる(光の強度が弱い発光素子を選択することが可能となる)。
また、一対の光照射部331c1から照射された光は、正面視で部分的に重なって視認されるので(図12(b)参照)、光の色を互いに異ならせることで、一対の光照射部331c1からそれぞれ照射される光の色と、それらが合成された色との計3色の光を投光範囲E0(図12(b)参照)で視認させることができる。
ここで、一対の光照射部331c1のそれぞれから照射される光は、それぞれ単独で経路C2aに沿って転動する球に遮蔽されるので(図13参照)、球が光を遮蔽するタイミングで、投光範囲E0で視認される光の色を様々に切り替えることができる。
例えば、図13において、右側の光照射部331c1からは「青」色の光を照射し、左側の光照射部331c1からは「赤」色の光を照射する場合を考える。この場合、移動上蓋部材332が退避状態となると、投光範囲E0(図12(b)参照)に、右側から「青」、「紫(重なっている部分)」、「赤」という順で光が視認される。
この場合に、球が図13右側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「青」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「赤」色の光のみが視認される。
一方、球が図13左側の経路C2aを転動して、光照射部331c1から照射される光を遮蔽すると、「赤」色の光が遮蔽されることになるので、投光範囲E0には「青」色の光のみが視認される。
このように、球がどの経路で転動し、どの光照射部331c1からの光を遮蔽するかにより、投光範囲E0で視認される光の態様を変化させることができる。この光の態様の変化は、釘などに衝突しながら遊技領域をランダムな経路で流下する球により生じるので、光の態様の変化をランダムなタイミングで生じさせることができる。即ち、光照射部331c1から照射される光の態様の変化を電子制御により生じさせる場合に比較して、よりランダム性に富んだ演出を行うことができ、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施形態では、前側傾斜側面332a1fが上面視くの字形状に形成されたが、光を集光させるという観点から、上面視で放物線状に形成するようにしても良い。
図14を参照して、第1実施形態におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図14(a)は、第1実施形態における主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図14(b)は、第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図14(c)は、第2当たり乱数カウンタC5と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図14(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタC5の大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC5の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「20〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で10ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜79」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「80〜89」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、大当たりAの場合と同様に、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「90〜99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1200個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、8割の確率で大当たりa(最大の払い出しの大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図14(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図14(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図14(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC5の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
次いで、図15から図28を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が流下する流路の内部形状が不変とされる場合を説明したが、第2実施形態における盤面下部ユニット2300は、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が流下する流路の内部において動作する可動演出部材2360を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15及び図16は、第2実施形態における遊技盤13及び盤面下部ユニット2300の正面分解斜視図であり、図17は、遊技盤13及び盤面下部ユニット2300の背面分解斜視図である。
なお、図15では、前板部材2320のみが遊技盤13から分解された状態が図示され、図16及び図17では、図15から更に盤面下部ユニット2300の前側ユニット310及び可変入賞装置2330が遊技盤13から分解された状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は、センターフレーム86(図2参照)や左右下部において流下面を形成するブロック部材が省略されることで開口部として図示される等、ベース板60のみを残す状態で簡略化して図示される。
図15に示すように、内レール61の下縁に沿って特定入賞口65aが形成される。内レール61の下縁は下に凸の曲線形状から形成されるので、特定入賞口65aの下辺が左右方向に沿う直線で形成される場合に比較して、特定入賞口65aの配設位置を下方に下げることができる。この特定入賞口65aの外縁は、上辺が移動上蓋部材332(図16参照)で形成され、下辺が内レール61の下縁で形成されると共に、左右の辺が開口上側部313の左右の壁部で形成される。
特定入賞口65aは、後述するように、移動上蓋部材332が前後にスライド移動することで、上述した閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。
図16及び図17に示すように、盤面下部ユニット2300は、球が排出されるアウト口314と、特定入賞口65a(図15参照)とを構成するユニットであって、遊技盤13の下部に前後方向に穿設される受け入れ開口60aに正面側から嵌め込まれ締結固定される前側ユニット310と、その前側ユニット310に正面側から締結固定されると共に背面側に球の経路が形成される前板部材2320と、受け入れ開口60aに背面側から嵌め込まれ締結固定されると共に球の流下方向を変化させる移動上蓋部材332を備える可変入賞装置2330と、を主に備える。
前側ユニット310は、前板部材2320及び可変入賞装置2330の設計変更に対応して細かな設計変更がされているものの、第1実施形態で上述した構成を維持している。各構成の特徴部分は同様なので、第1実施形態と同様の符号を付して、説明を省略する。
なお、細かな設計変更について説明すると、本実施形態では、開口上側部313の左右の壁部の上下幅(特定入賞口65aの左右の壁部に対応する)は、遊技球の直径以上に設定される。
また、アウト口314は、開口上側部313の左右に一対で形成され、開口上側部313の左右上隅部に対して、第1実施形態と同様にアウト口314の下辺が下方に配置されることは変わらない一方、第1実施形態と異なり、アウト口314の上辺が下方に配置される。
前板部材2320は、光透過性の樹脂材料から形成される板状部材であって、第1実施形態で上述した本体板部321と、第1入賞口前部322と、電動役物下支え部323と、球送り部325と、を備え、第1実施形態との差異点として、アウト口314の下側面に沿って配置されるアウト口下板2324を備える。
アウト口下板2324は、上側面に前後方向に延設される細厚のリブが左右方向に連設される。また、アウト口下板2324は、左右内側端部に上方へ向けて突設される段部2324aを備える。アウト口下板2324の上側側面に形成される凸凹により、流下してきた球を減速させることができる。また、アウト口下板2324に形成されるリブは、背面側へ向かうほど下降傾斜して形成される。これにより、流下してきた球をアウト口314へ速やかに排出することができる。
なお、上述した傾斜板部312がアウト口下板2324の真上に形成される(図27参照)ので、傾斜板部312を転動してから落下する球がアウト口下板2324へ向けて落下することが抑制される。即ち、傾斜板部312を転動してから落下する球は、一対のアウト口下板2324の左右方向内側(移動上蓋部材332が配置される位置)に落下するか、アウト口下板2324の外側端部(球流しリブ321a付近であって、リブの形成範囲と球が流れるレールとの境界位置)に落下するかのどちらかである。これらは、どちらもリブの形成範囲外である。これにより、アウト口下板2324に高所から球が落下することを抑制することができ、アウト口下板2324の耐久性を向上させることができる。
段部2324aは、第1実施形態の段部324aに比較して上下幅が長くされ(遊技球の直径以上とされ)、アウト口314と特定入賞口65a(図15参照)との間に形成される段であって、左右方向から流下してアウト口下板2324の上側側面を流下する球は、段部2324aを越えて左右方向中央部へ流下されることが防止される(図27参照)。即ち、左右方向から流下してアウト口下板2324の上側側面を流下する球は、専らアウト口314へ案内される。
次いで、図18から図20を参照して、可変入賞装置2330について説明する。図18は、可変入賞装置2330の正面分解斜視図であり、図19は、可変入賞装置2330の背面分解斜視図であり、図20(a)は、可変入賞装置2330の上面図であり、図20(b)は可変入賞装置2330の正面図であり、図20(c)は、図20(b)の矢印XXc方向視における可変入賞装置2330の側面図である。なお、図18から図20では、可動演出部材2360の傾倒状態が図示される。
図18から図20に示すように、可変入賞装置2330は、骨格を形成する本体部材2331と、その本体部材2331に前方から挿通され、前後方向へスライド移動可能に形成される移動上蓋部材332と、少なくとも移動上蓋部材332をスライド移動させる駆動力を発生させるソレノイド2333と、そのソレノイド2333により揺動されるレバー部材334bが収容されると共に本体部材2331の背面側に締結固定される後蓋部材334と、ソレノイド2333の鉤形部材333bと一体形成される爪部2333cが上下動作することに伴い上下動作する第1伝達部材2340と、その第1伝達部材2340と連動する第2伝達部材2350と、本体部材2331の前端部に軸支され、第2伝達部材2350から与えられる負荷により姿勢変化する可動演出部材2360と、を主に備える。
本体部材2331は、センサSを通過した遊技球が流下する流路の正面部を構成する本体前部2331Fと、センサSを通過した遊技球が流下する流路の左右側部および背面部を構成する本体後部2331Bと、を備える。なお、本実施形態では、第1実施形態で上述した光照射装置331c(図8参照)の図示が省略される。
本体前部2331Fは、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aの前方開口部331a1と、特定入賞口65a(図15参照)に入球した球が流下する下方通路331bと、を備える。
更に、図18に示すように、本体前部2331Fは、下方通路331bの上端から左右外方向に板状に延設される延設床部2331eと、その延設床部2331eの延設端から上方へ延設される延設壁部2331fと、その延設壁部2331fの左右外側において、延設壁部2331fの前端よりも正面側に前端が配置される左右一対の支持壁部2331gと、その一対の支持壁部2331gの内側面に正面側から背面側へ凹設され可動演出部材2360を軸支可能に構成される凹設支持部2331hと、を主に備える。
延設床部2331eは、前端部が可動演出部材2360よりも下方に配置され(図20(b)参照)、左右方向において下方通路331b側へ下降傾斜して構成される。そのため、傾倒状態の可動演出部材2360の上面を転動して延設床部2331eに遊技球が乗った場合、その遊技球を延設床部2331eの傾斜に沿って下方通路331b側へ転動させることができる。
延設壁部2331fは、支持壁部2331gとの間に若干の隙間を有して配設される。この隙間は、後述する可動演出部材2360の摺動部2363が入り込むことができる大きさとされ、摺動部2363が隙間に入り込んでいる間の可動演出部材2360の姿勢ずれを抑制するためのものである。即ち、可動演出部材2360の姿勢ずれを、延設壁部2331fにより抑制することができる。
また、図19に示すように、本体前部2331Fは、左側面を構成する壁部の内面Insから第1伝達部材2340の左右幅よりも若干長い距離だけ離れた位置において上下に板状に延設される第1伝達支持部2331iと、背面側端部において、第2伝達部材2350を傾倒(回転)可能に軸支する態様で正面側へ凹設される一対の第2伝達支持部2331jとを備える。
第1伝達支持部2331iは、壁部の内面Insとの間に配置される第1伝達部材2340の移動をガイドする(移動方向を規制する)部分として機能する。即ち、第1伝達支持部2331iは内面Insとの間に第1伝達部材2340の左右幅方向よりも若干長い距離を置いて配設される。これにより、第1伝達部材2340は、左右方向への移動を規制され、上下方向の移動を許容される。
第2伝達支持部2331jは、第2伝達部材2350の後端部(一端部)に形成される被軸支突出部2352を軸支する部分である。そのため、第2伝達部材2350の前端部(他端部)は第2伝達支持部2331jよりも前方に配置される。
本体後部2331Bは、移動上蓋部材332が挿通される異形貫通孔331aの後方開口部331a2と、背面側に正面側へ向けて凹んで形成される窪みであってソレノイド2333及びレバー部材334b等が収容される背面側収容部2331dと、を主に備える。
背面側収容部2331dは、ソレノイド2333の爪部2333cを内部に配置可能な形状から形成される(左方へ膨出した形状とされる)。
また、図18及び図19に示すように、本体後部2331Bは、ソレノイド2333の爪部2333cの左右幅よりも若干幅広の左右幅で前後方向に穿設され、爪部2333cの上下移動をガイド可能に上下方向に延設される長孔部2331sと、その長孔部2331sの上方において前側面から背面側へ凹設される凹設部2331tと、を備える。
凹設部2331tは、組立状態において第2伝達支持部2331jと前後で対向配置され、第2伝達部材2350の後端部(一端部)に形成される基端円柱部2351の半径よりも若干大きな曲率半径(被軸支突出部2352の中心軸を中心とした円弧形状)で凹設される。
これにより、本体後部2331Bの前側面で第2伝達支持部2331jに蓋をすることで形成される軸孔部分に第2伝達部材2350を軸支する場合に、第2伝達部材2350の後端部(一端部)の基端円柱部2351と凹設部2331tとを、所定角度において等距離離間した状態で維持することができる。
この場合、例えば、第2伝達部材2350が回転する場合に、その回転軸がずれ、第2伝達部材2350の後端部(一端部)が凹設部2331tに対して擦れる場合に、点ではなく、面で接触して擦れるようにすることができるので、第2伝達部材2350の摩耗を遅らせたり、第2伝達部材2350の破損を抑制したりすることができる。
ソレノイド2333は、電流を流すことにより上向きの駆動力を発生する本体部2333aと、その本体部333aの下方に配設され、レバー部材334bの下方において普段は付勢バネで下端位置に配置され、本体部333aの駆動力により上端位置まで上昇する鉤形の鉤形部材333bと、その鉤形部材333bが本体部2333aと連結される基端部(上部)から左方へ延設され、その後で前方へ延設される屈曲棒状の爪部2333cと、を主に備える。
爪部2333cは、先端部が前方へ向かう程に先細りする形状から構成され、組立状態(例えば、図20参照)において、長孔部2331sに背面側から挿通されている。そして、長孔部2331sの前側に張り出す先端部が第1伝達部材2340の被差し込み部2343に背面側から差し込まれる。爪部2333cが先細りの形状とされることから、容易に差し込むことができる。
第1伝達部材2340は、組立状態(例えば、図20参照)において、内面Insと第1伝達支持部2331iとの間に収容される部材であって、左側面を形成する板状部2341と、その板状部2341の中間部からブロック状に右方に張り出す張出部2342と、その張出部2342の後側面に前面側へ向けて凹設される被差し込み部2343と、張出部2342の前側面と面位置の面および左側面と面位置の面を有する板形状となるように下方へ延設される下延設板部2344と、板状部2341の上部右側面から左方へ円柱形状で突出される突出部2345と、を主に備える。
板状部2341の右側面から、張出部2342や下延設板部2344の左端までの長さは、内面Insから第1伝達支持部2331iの右側面までの距離よりも若干短くされる。
板状部2341は、上下方向に長い長尺板状の本体部2341aと、その本体部2341aの上部において同じ厚みで前側に張り出す上前張出部2341bと、本体部2341aの下部において同じ厚みで後側に張り出す下後張出部2341cとを備える。
被差し込み部2343は、ソレノイド2333の爪部2333cが差し込まれる凹部であって、凹設幅(上下、左右)および凹設深さが、ソレノイド2333の爪部2333cを差し込み可能な形状から形成される。即ち、爪部2333cを被差し込み部2343に嵌合可能な形状から形成される。なお、上述したように、爪部2333cが先細りの形状(テーパ形状)とされるので、被差し込み部2343に爪部2333cを差し込み易い。
突出部2345が第2伝達部材2350に挿通されることで、第1伝達部材2340と第2伝達部材2350とは連結される。ここで、連結とは、構造的につながれることのみを指すものでは無く、動作的な連結(追従動作、同期動作など)をも指すものである。即ち、第2伝達部材2350は、第1伝達部材2340が上下動作することに伴い回動する。
第2伝達部材2350は、本体前部2331Fの第2伝達支持部2331jに回転可能に支持される部材であって、後端部において左右方向の軸を持つ円柱形状の基端円柱部2351と、その基端円柱部2351に対して同軸小径の円柱状で左右方向に突出される一対の被軸支突出部2352と、基端円柱部2351の左端に沿って前方へ向けて棒状に延設される延設棒状部2353と、その延設棒状部2353の中間部において延設棒状部2353の長手方向に沿って長尺の長孔形状で左右方向に穿設される被挿通孔2354とを主に備える。
基端円柱部2351の軸方向(左右方向)長さは、第2伝達支持部2331j同士の間隔(左右間隔)よりも若干短くされる。
被軸支突出部2352の突出長さは、第2伝達支持部2331jの厚みと同等とされ、被軸支突出部2352の直径は、第2伝達支持部2331jの凹設幅(上下幅)よりも若干短くされる。
従って、被軸支突出部2352が第2伝達支持部2331jに支持された状態で、基端円柱部2351の軸方向(左右方向)の位置ずれを、第2伝達支持部2331jの形成される板部によって規制することができる。
延設棒状部2353の左右幅は、内面Insと第1伝達支持部2331iとの間の距離から板状部2341の厚さを引いた長さよりも若干短くされる。従って、延設棒状部2353は、第1伝達部材2340の板状部2341とは干渉しない位置に配置されるので、互いに動作を妨害することなく、連動することができる。
被挿通孔2354は、突出部2345が挿通される長孔であって、短手方向の幅が、突出部2345の直径よりも若干大きく設計される。
可動演出部材2360は、本体前部2331Fに傾倒(回転)可能に支持され、傾倒状態と起立状態との間(それぞれ、回動の終端位置に配置される状態)を回動する板状の部材であって、薄板状の本体板部2361と、その本体板部2361の下端部から左右方向に円柱状に突出される一対の支持軸部2362と、本体板部2361の右端に沿って上方へ向けて支持軸部2362中心の略扇状に形成される摺動部2363と、その摺動部2363の支持軸部2362を挟んだ反対側に支持軸部2362中心の略扇状に左右一対で形成される伝達部2364と、本体板部2361の中央位置下端部において上端側へ向けて凹設される凹設部2365と、を主に備える。
支持軸部2362は、凹設支持部2331hに回転可能に内嵌される部分として構成され、本体板部2361は、支持軸部2362の間に亘って形成される。そのため、移動上蓋部材332と同様に、遊技球が特定入賞口65aを通過する左右位置に関わらず、遊技球と本体板部2361とは干渉(衝突)し得るものとして構成される。
なお、支持軸部2362が凹設支持部2331hに嵌め込まれた後、凹設支持部2331hには正面側から板状部材cpにより蓋がされる。
摺動部2363は、支持軸部2362中心で本体板部2361の前後幅を半径とする略円弧形状の前側部を有する、延設壁部2331fと支持壁部2331gとの間の隙間よりも若干短い厚みの略扇状の板状部分である。
正面視右側に配置される伝達部2364は、第2伝達部材2350から駆動力を伝達される部分である。
正面視左側に配置される伝達部2364は、可動演出部材2360の傾倒状態において延設床部2331eの裏面(下面)と当接し、可動演出部材2360の移動範囲の下限を規定するストッパとして機能する部分である。
伝達部2364の上側面の形状は、可動演出部材2360の動作角度に対応するものであるが、詳細は後述する。
凹設部2365は、可動演出部材2360の起立状態において内レール61(図15参照)との間で遊技球が通過可能となる凹設深さで形成される(図25(a)参照)。詳細には、下方通路331bの左右幅と同様の凹設幅とされ、本体板部2361の短手方向に沿って遊技球の直径と同程度の凹設深さから形成される。凹設部2365を形成することにより、可動演出部材2360の軸支位置を更に下方に配置することができる。
本実施形態では、可動演出部材2360の回転軸と、内レール61との間の間隔が遊技球の直径未満となる位置に可変入賞装置2330が配置される。そのため、可動演出部材2360の正面側に遊技球が入り込んだ場合に、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が詰まることで、遊技に支障をきたす可能性があった。これに対し、本実施形態では、可動演出部材2360が凹設部2365を備えているので、可動演出部材2360の正面側に遊技球が入り込んだ場合であっても、その遊技球を凹設部2365と内レール61との間を通して流すことができる。
これにより、遊技球が可動演出部材2360と内レール61との間に詰まることを防止しながら、可変入賞装置2330の配置を下方に下げることができる。
なお、可動演出部材2360を傾倒状態に維持する力は自重のみであるので、可動演出部材2360と内レール61との間に入った遊技球が、負荷により流下を妨げられる可能性を低減することができる。
凹設部2365の凹設幅は、遊技領域からの遊技球の落下が生じ得ない範囲、即ち、電動役物下支え部323(図16参照)の左右幅よりも内側に形成される。即ち、可動演出部材2360の傾倒状態である場合に移動上蓋部材332から落下した遊技球は、専ら、可動演出部材2360の上面に落下する。
図21を参照して、可動演出部材2360の上面に落下した遊技球の流下態様について説明する。図21は、図20(b)のXXI−XXI線における可変入賞装置2330の断面図である。なお、図21では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材2360の傾倒状態が図示される。
図21では、張出状態の移動上蓋部材332の上面に遊技球が乗った状態から移動上蓋部材332が退避状態へ向けて動作することにより、移動上蓋部材332の上面から落下した遊技球の流下態様の一例と、張出状態の移動上蓋部材332の外形とが想像線で図示される。
図21に示すように、遊技球が可動演出部材2360の上面で跳ねた後、その遊技球の少なくとも一部が異形貫通孔331aの下底面よりも上方に到達できる箇所を形成可能となるように、可動演出部材2360の配置や材質(主に反発係数)が設定される。
これにより、移動上蓋部材332から落下した遊技球の動きを激しくすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
また、跳ね返らずに遊技球が流下する場合に比較して、遊技球が移動上蓋部材332から落下してからセンサSを通過するまでに要する時間を長くすることができるので、所謂オーバー入賞を生じやすくすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ駆動されてから、移動上蓋部材332の上面に乗っていた遊技球が可動演出部材2360の上面で跳ねた後で最上昇位置に到達するまでに、0.2秒以上(約0.4秒)経過するように、可動演出部材2360の配置が設計される。これにより、遊技者が、移動上蓋部材332の上方から移動上蓋部材332の下側を覗く矢印I1の方向視において遊技球を視認可能な期間(遊技球が移動上蓋部材332の真下に配置され、見えなくなるまでの期間)を長くすることができるので、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球を遊技者が矢印I1の方向視で見逃す可能性を低くすることができる。
これにより、矢印I1の方向視のままの遊技で、移動上蓋部材332の正面側を通過しセンサSへ流下する遊技球の個数を把握し易くできることから、移動上蓋部材332が閉状態となるタイミングを予想し易くすることができる。この場合、例えば、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に遊技球が移動上蓋部材332に到達することを避けるために適時遊技球の発射を止める遊技態様において、遊技球の発射を止めるタイミングを計りやすくすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面から落下する遊技球が着地する位置に可動演出部材2360の本体板部2361が配置され、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)へ向けて移動することに伴い可動演出部材2360が起立状態へ向けて回転するので、遊技球の着地点が上方へ向けて移動する。これにより、移動上蓋部材332と、遊技球の着地点との間の距離が短縮される。
換言すれば、移動上蓋部材332の変位が略水平方向へのスライド変位であることに対して、可動演出部材2360の変位が略水平方向を向く回転軸を中心とした回転変位であるので、可動演出部材2360の状態(姿勢)により、移動上蓋部材332との間の距離が変化する。本実施形態では、その変化が、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)へ向けて移動することに伴い距離が短縮される方向へ向かう。
これにより、移動上蓋部材332から落下した遊技球の、その後の流下態様のバリエーションを増やすことができる。即ち、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される間に可動演出部材2360に着地する遊技球の流下軌跡に加え、可動演出部材2360が起立状態へ向けて変位する間に可動演出部材2360の上面に着地する遊技球または可動演出部材2360の上面に滞在していた遊技球の流下軌跡で遊技球を流下させることができる。なお、後者の場合、遊技球は、可動演出部材2360から後側上向きの負荷を与えられるので、遊技球の動きが激しくなる。
次いで、図22から図25を参照して、可変入賞装置2330の開閉動作について説明する。図22(a)、図23(a)、図24(a)及び図25(a)は、図20(b)のXXa−XXa線における可変入賞装置2330の断面図であり、図22(b)、図23(b)、図24(b)及び図25(b)は、図20(b)のXXb−XXb線における可変入賞装置2330の断面図である。
なお、図22から図25では、鉤形部材333b及び爪部2333cが下降する様子が時系列で図示され、図22(a)及び図22(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cが最上端位置に配置され移動上蓋部材332が退避状態とされた様子が図示され、図23(a)及び図23(b)では、図22に示す状態からソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、鉤形部材333b及び爪部2333cが若干下降し、移動上蓋部材332が閉鎖基準状態とされた様子が図示され、図24(a)及び図24(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cがさらに下降し移動上蓋部材332が張出状態とされた様子が図示され、図25(a)及び図25(b)では、鉤形部材333b及び爪部2333cがさらに下降し可動演出部材2360が起立状態とされた様子が図示される。
まず、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360の動作タイミングのずれについて説明する。図22(a)及び図22(b)に示す状態はソレノイド2333が励磁された状態である。
図22(a)及び図22(b)に示す状態からソレノイド2333の励磁(駆動)を解除すると、鉤形部材333b及び爪部2333cは、図23(a)及び図23(b)に示す状態までソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降する。この時、レバー部材334bが回動することに伴い移動上蓋部材332が正面側へスライド移動する一方、可動演出部材2360は傾倒状態を維持する(第2伝達部材2350の延設棒状部2353から可動演出部材2360の伝達部2364へ負荷は与えられない)。
即ち、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除した後、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360は同時に動作開始するのではなく、移動上蓋部材332の方が、可動演出部材2360よりも先に張出状態へ向けて動作を開始する。
本実施形態では、図23に示す移動上蓋部材332の閉鎖基準状態において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間隔が遊技球の直径未満に構成される。即ち、図23に示す状態まで移動上蓋部材332が閉じる方向に変位することにより、移動上蓋部材332は遊技球のセンサSへの通過を規制することができる。
ここで、図22の状態から図23の状態までは、第2伝達部材2350が可動演出部材2360と当接することは無く、第2伝達部材2350は可動演出部材2360から反力を与えられることは無い。そのため、第2伝達部材2350及び第1伝達部材2340の自重を、爪部2333cを介してそのまま鉤形部材333bにかけることができる。
これにより、鉤形部材333bの下降に係る負荷を増大させることができ、レバー部材334bの傾倒動作を、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除したら即座に開始させることができるので、移動上蓋部材332を即座に閉鎖基準状態および張出状態へと移動開始させることができる。
加えて、動作開始時から可動演出部材2360が第2伝達部材2350から負荷を与えられる場合に比較して、慣性に打ち勝つ必要から過大な駆動力が要求されやすい動作開始時に、必要とされる駆動力を小さくすることができる。
なお、図22(a)及び図22(b)に示す状態は、遊技球が可動演出部材2360の上面に落下可能な状態であるので、遊技球が可動演出部材2360に衝突した際の衝撃で可動演出部材2360が跳ね上がる場合がある。この場合において、本実施形態では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の動作軌跡内に張り出して配置されているので、可動演出部材2360は、跳ね上がり動作中に延設棒状部2353に衝突する。
これにより、可動演出部材2360は延設棒状部2353から反作用の力を受け、早期に傾倒状態へ復帰する。従って、可動演出部材2360を傾倒状態で維持し易くすることができる。一方、可動演出部材2360の跳ね上がりにより延設棒状部2353へ可動演出部材2360から負荷が与えられる方向は、形状から、延設棒状部2353を後回転させる向きとされる。そのため、可動演出部材2360との衝突により延設棒状部2353が前倒れすることを回避することができる。
図23(a)及び図23(b)に示す状態は、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cの下降途中において、延設棒状部2353と可動演出部材2360の伝達部2364とが当接し始める状態である。
図23(a)及び図23(b)に示す状態から図24(a)及び図24(b)に示す状態へ向けて鉤形部材333b及び爪部2333cがソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降することに伴い、延設棒状部2353の延設先端が可動演出部材2360の伝達部2364の上面を押し下げながら下降する。その下降の度合いに対応して、可動演出部材2360が傾倒状態(図23(a)及び図23(b)参照)から起立状態(図25(a)及び図25(b)参照)へ向けて回動する。
上述したように、図23(a)に示す移動上蓋部材332の閉鎖基準状態では移動上蓋部材332によりセンサSへ向けた遊技球の流下が既に規制されている。即ち、可動演出部材2360の動作により移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球の流下が妨げられることを防止することができる。例えば、可動演出部材2360の動作により一度移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が跳ね返ることで移動上蓋部材332の上方へ戻ることを防止することができる。
なお、遊技球を移動上蓋部材332の上方へ戻る作用を望む場合には、可動演出部材2360を移動上蓋部材332が閉鎖基準状態になる前に起立状態へ向けて変位させるようにしても良い。この場合、特定入賞口65aに入球する遊技球が過多となることを防止することができる。
また、可動演出部材2360の回動と連動して、移動上蓋部材332が正面側へスライド移動し、図24(a)に示すように、張出状態まで到達する。
図24(a)及び図24(b)に示す状態から図25(a)及び図25(b)に示す状態へ向けて鉤形部材333b及び爪部2333cがソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で下降することに伴い、延設棒状部2353の延設先端が可動演出部材2360の伝達部2364の上面を押し下げながら下降する。その下降の度合いに対応して、可動演出部材2360が起立状態(図25(a)及び図25(b)参照)へ向けて回動する。
なお、図24(a)及び図24(b)では、鉤形部材333bの後端面は、レバー部材334bの下爪部334b3に対して下爪部334b3の回転方向で当接可能となる範囲の上端位置において下爪部334b3と当接され、図24(a)及び図24(b)に示す状態から図25(a)及び図25(b)に示す状態となるまで、鉤形部材333bの後端面が下爪部334b3の前端面(図24(a)及び図25(a)に示す状態において、前後方向に垂直な平面)と当接し続ける。
即ち、鉤形部材333bが下降しても、レバー部材334bはそのままの姿勢を維持することになり、移動上蓋部材332は張出状態を維持する。一方で、鉤形部材333bと一体とされる爪部2333cの下降に伴い第1伝達部材2340が下降され、第1伝達部材2340の下降に伴う第2伝達部材2350の回動(傾倒)の度合いに対応して、可動演出部材2360が起立状態へ向けて回動し、起立状態で停止する(図25(a)及び図25(b)参照)。
可動演出部材2360の重心は、起立状態において支持軸部2362よりも前側上方に配置される。そのため、可動演出部材2360は、起立状態とされても、与えられる負荷が自重のみの場合、傾倒状態に復帰する。
動作タイミングのずれに関して上述の内容を換言すると、本実施形態において、ソレノイド2333の励磁(駆動)により移動上蓋部材332が退避状態に、可動演出部材2360が傾倒状態に、それぞれ変化してから、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除すると、まず移動上蓋部材332のみが動作開始し、続いて移動上蓋部材332と可動演出部材2360とが連動(移動上蓋部材332の動作継続中に可動演出部材2360が動作開始)し、続いて移動上蓋部材332の停止後に可動演出部材2360のみが回動し、ソレノイド2333の爪部2333cが移動終端に到達することに伴い可動演出部材2360が起立状態で停止する。
簡潔に言えば、動作開始は、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早く、動作終了も、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早い。
次いで、移動上蓋部材332が張出状態から退避状態へ移動し、且つ可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ移動する際の動作タイミングのずれについて説明する。なお、上述した動作の時間経過は、図22から図25までを逆向きに辿ることと同様であるので、ここでも再び図22から図25を参照して説明する。
ソレノイド2333が非励磁(非駆動)の状態では、図25(a)及び図25(b)に示すように、ソレノイド2333に備えられる戻りバネの付勢力で鉤形部材333b及び爪部2333cが下端位置に維持される。
図25(a)及び図25(b)に示す状態から、ソレノイド2333が励磁(駆動)されると、鉤形部材333b及び爪部2333cが上昇する。上昇開始時からしばらくの間は、図24(a)及び図24(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態に維持される一方、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ向けて回動(傾倒)開始する。即ち、移動上蓋部材332の動作開始タイミングよりも可動演出部材2360の動作開始タイミングの方が早い。
可動演出部材2360は、伝達部2364に下向き(左面視反時計回り方向)の負荷を与えていた第2伝達部材2350の延設棒状部2353が上方に退避すると、伝達部2364に与えられる負荷が解消されるので、再び負荷が与えられる位置(図24(b)参照)まで自重により回動(傾倒)する。即ち、鉤形部材333b及び爪部2333cの上昇中に可動演出部材2360がどのように動作するかは、延設棒状部2353の形状に依存する。
図24(a)及び図24(b)に示す状態を過ぎると、鉤形部材333bの上面がレバー部材334bの本体部334b1の下端面Unsを押し上げる態様でレバー部材334bに付与される負荷により、レバー部材334bが後向き(左面視反時計回り)に回動開始し、それに伴い移動上蓋部材332が退避状態へ向けてスライド動作する。可動演出部材2360は、移動上蓋部材332がスライド動作するのと連動して図23(a)及び図23(b)に示す状態まで回動(傾倒)し、図23(a)及び図23(b)に示す状態(傾倒状態)を下端として停止する。
図23(a)及び図23(b)に示す状態を過ぎると、可動演出部材2360の状態は傾倒状態で維持される一方で、移動上蓋部材332は、後向きのスライド移動を継続し、退避状態(図22(a)及び図22(b)参照)の配置を終点位置として停止する。
図22(a)に示すように、ソレノイド2333が励磁(駆動)され鉤形部材333bが上端位置に配置されると、鉤形部材333bとレバー部材334bの下端面Unsとの当接は解除された状態となる(鉤形部材333bとレバー部材334bの下端面Unsとが離間した状態でレバー部材334bの姿勢が安定する)。
換言すると、レバー部材334bが後転側の終端位置に配置された状態において、下端面Unsと当接開始する位置よりも若干下方の位置が、鉤形部材333bの移動上限として設定される。これにより、ソレノイド2333が励磁(駆動)されると、鉤形部材333bが図22(a)に示す位置まで上昇し、その後、レバー部材334bが自重で後転方向に回動することにより、移動上蓋部材332が退避状態となる(図22(a)参照)。
そのため、ソレノイド2333が励磁(駆動)されることにより鉤形部材333bがレバー部材334bを終端位置まで押し上げる場合に比較して、寸法誤差などのイレギュラーな原因により、移動上蓋部材332が退避状態となった後も鉤形部材333bが上昇し、レバー部材334bに対して押し上げ方向の負荷が与えられることでレバー部材334bや移動上蓋部材332に過大な負荷が与えられる可能性を低くすることができる。換言すると、鉤形部材333bの上限停止位置に要する精度を低くすることができる。
動作タイミングのずれに関して上述の内容を換言すると、本実施形態において、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除により移動上蓋部材332が張出状態に、可動演出部材2360が起立状態に、それぞれ変化してから、ソレノイド2333を励磁(駆動)すると、まず可動演出部材2360のみが動作開始し、続いて移動上蓋部材332と可動演出部材2360とが連動(可動演出部材2360の動作継続中に移動上蓋部材332が動作開始)し、続いて可動演出部材2360の停止後に移動上蓋部材332のみがスライド動作し、ソレノイド2333の鉤形部材333bが移動終端に到達した後、レバー部材334bが自重で後転することに伴い移動上蓋部材332が後向きにスライド動作し、移動上蓋部材332が退避状態で停止する。
簡潔に言えば、動作開始は、可動演出部材2360の方が移動上蓋部材332よりも早く、動作終了も、移動上蓋部材332の方が可動演出部材2360よりも早い。
ここで、可動演出部材2360の動作終了タイミングは、可動演出部材2360の自重や重量比にもよるが、本実施形態では、可動演出部材2360の伝達部2364が第2伝達部材2350の延設棒状部2353に当接したまま動きに追従するように(可動演出部材2360が傾倒状態となる前において延設棒状部2353と伝達部2364との間の隙間が抑制されるように)、設計される。従って、第2伝達部材2350の移動速度が、直接的に、可動演出部材2360の傾倒動作の速度に影響する。
図22から図25で上述した駆動態様からわかるように、ソレノイド2333の駆動力が移動上蓋部材332に伝達される伝達経路と、可動演出部材2360に伝達される伝達経路とは、ソレノイド2333を起点とする異なった経路とされる。
これにより、本実施形態では、移動上蓋部材332に遊技球から与えられる負荷が可動演出部材2360に伝達される程度を低くすることができる。また、移動上蓋部材332へ駆動力を伝達する伝達経路と可動演出部材2360へ駆動力を伝達する伝達経路とを、途中位置で、物理的に連結する必要が無いので、設計自由度を向上することができる。
次いで、図26を参照して、ソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作との関係をタイミングチャートで説明する。
図26(a)から図26(c)は、本実施形態における移動上蓋部材332、ソレノイド2333及び可動演出部材2360の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図26(a)では、移動上蓋部材332を開閉駆動する際のタイミングチャートが図示され、図26(b)及び図26(c)では、移動上蓋部材332を閉状態で維持したまま、可動演出部材2360を駆動する際のタイミングチャートが図示される。
図26(a)に示すように、ソレノイド2333の励磁、非励磁の切り替えに伴い、移動上蓋部材332及び可動演出部材2360は状態変化するが、上述したように時間差が生じる。以下、順に説明する。
ソレノイド2333が第1時点t1に励磁(駆動)され始めると、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cと連動して可動演出部材2360が動作開始し、鉤形部材333b及び爪部2333cが上端に到達する第4時点t4よりも前の第3時点t3で可動演出部材2360は傾倒状態となる。
一方、ソレノイド2333の励磁(駆動)により、移動上蓋部材332は、第1時点t1よりも後であり、第3時点t3よりも前の第2時点t2に退避状態へ向けてスライド動作を開始し、第4時点t4と略同等のタイミングに移動上蓋部材332は退避状態となる。
即ち、可動演出部材2360は移動上蓋部材332の動作に対応して動作するものであるが、移動上蓋部材332が動作を開始する前に、動作を開始する。換言すれば、移動上蓋部材332が動作を開始するタイミングを基準として、所定期間だけ前のタイミングに、可動演出部材2360は動作開始する。
なお、ここでいう「略同等」の「略」とは、鉤形部材333b及びレバー部材334bの下端面Unsが当接する状態で鉤形部材333bが上端位置に配置される時点(第4時点t4)と、そこから下端面Unsが鉤形部材333bから離れて移動上蓋部材332が退避状態に配置されるまでとの時間差を微差として、これらを同時点とみなすための表現である。
ソレノイド2333が第5時点t5に励磁(駆動)を解除され始めると、ソレノイド2333の鉤形部材333b及び爪部2333cが第5時点t5と略同等のタイミングで移動上蓋部材332が動作開始し、鉤形部材333b及び爪部2333cが下端に到達する第8時点t8よりも前の第7時点t7で移動上蓋部材332は張出状態となる。なお、ここでいう「略同等」の「略」も、上述したものと同じ意図である。
一方、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除により、可動演出部材2360は、第5時点t5よりも後であり、第7時点t7よりも前の第6時点t6に起立状態へ向けて回動開始し、第8時点t8に可動演出部材2360は起立状態となる。
なお、図26(a)に図示した上記各時点t1〜t8の相対的な時間関係は、ソレノイド2333の可動範囲に対する移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作開始および終了地点の位置関係と一致している。詳述すると、第1時点t1と第4時点t4との間を7等分する点の内、第1時点t1側から2個目の点が第2時点t2であり、第1時点t1側から3個目の点が第3時点t3である。また、各時点t5〜t8は、各時点t1〜t4に対して鏡写しの関係で図示されるので、同じことが、各時点t5〜t8にも言える。
また、本実施形態では、ソレノイド2333が駆動(励磁)により下端から上端まで到達するのに0.1秒を要するようにコイルや鉄心が構成され、同様に、戻りばねにより上端から下端まで到達するのに0.1秒を要するように戻りばねの付勢力が設定される。なお、これらの構成や設定は、目的によって任意に設定することができる。
図26(a)で再度説明したことから明らかなように、可動演出部材2360及び移動上蓋部材332はソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と連動するが、可動演出部材2360及び移動上蓋部材332の動作タイミングは同時ではなく、時間差がある。
そして、上述の時間差は、図26(a)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態から状態変化している期間(t2〜t7)に比較して、可動演出部材2360が起立状態から状態変化している期間(t1〜t8)を長くする。また、同様に、上述の時間差は、移動上蓋部材332が退避状態で維持される期間(t4〜t5)に比較して、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される期間(t3〜t6)を長くする。
遊技者は、前板部材2320を透して移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作態様を視認可能とされるところ、特定入賞口65a(図15参照)への遊技球の入球に直接的に作用する(退避状態か張出状態かで遊技球の入球を許容するか規制するかを切り替える)移動上蓋部材332が退避状態(遊技球の入球を許容する状態)とされる期間を越えて可動演出部材2360が傾倒状態(遊技球を拾いやすい状態)とされる。これにより、移動上蓋部材332のみが遊技者に視認される場合に比較して、遊技球が特定入賞口65aに入り易い印象を与えることができる。
また、移動上蓋部材332は、動作態様が前後方向のスライド動作なので、状態の変化が正面視で認識し難い可能性があったが、本実施形態では、移動上蓋部材332と連動して可動演出部材2360が正面側に傾倒(回動)することで開閉する。この時、可動演出部材2360が起立状態の時に遊技者が視認していた意匠(前面の意匠)は、可動演出部材2360が傾倒状態となることで下方を向き、遊技者に視認されなくなることから、外観が大きく変化する。加えて、可動演出部材2360が傾倒状態の時には、移動上蓋部材332は退避状態で維持される。
従って、本実施形態では、可動演出部材2360の状態の切り替えを視認することで、移動上蓋部材332を直接見なくとも、移動上蓋部材332の状態を把握することができる。これにより、移動上蓋部材332のみが動作する場合に比較して、移動上蓋部材332の状態を容易に把握することができる。
ここで、従来のパチンコ機10には、特定入賞口65aへ遊技球を入球可能となるタイミングに合わせて、液晶表示や音声などで「アタッカーを狙え」等の報知を行うものがあるが、その報知のタイミングと、実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるタイミングとの時間間隔は、一般的に、機種が変われば変わるものである。そのため、報知から実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでのタイミングが長い場合、報知に従って遊技球を発射したにも関わらず、その遊技球が特定入賞口65aに到達するタイミングになっても特定入賞口65aは遊技球の入球を許容する状態に変化しないために、特定入賞口65aに入球できずに遊技球が通り過ぎてしまうことがあり、遊技者の不満の要因となっていた。
これに対し、本実施形態において、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて動作開始するタイミングを確認することにより、遊技者は、液晶演出や音声などの間接的な報知ではなく、移動上蓋部材332の動作と一定の時間ずれで連動する部材の動作という直接的な報知として、移動上蓋部材332が動作開始する前から移動上蓋部材332が動作開始するタイミングを把握することができる。そのため、遊技者は、特定入賞口65aが遊技球の入球を許容するタイミングの確信をもって、特定入賞口65aへ向けて迷いなく遊技球の発射を開始することができる。
また、移動上蓋部材332が動作開始する前から移動上蓋部材332が動作開始するタイミングを把握することで、移動上蓋部材332の動作を確認してから遊技球を打ち出す場合に比較して、遊技球の発射のタイミングを早めることができる。これにより、移動上蓋部材332が実際に遊技球の通過を許容する状態に変化してから遊技球が特定入賞口65aを通過するまでの期間を短縮することができる。従って、大当たり遊技が間延びすることを防止することができる。
なお、図26(a)に示すように、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材2360の動作との間に時間差が生じることにより、移動上蓋部材332と可動演出部材2360との間で遊技球を噛む球噛みが生じることを抑制することができる。
図26(b)に示すように、ソレノイド2333の駆動(励磁)を第2時点t2(又はその直前のタイミング)で解除した場合、移動上蓋部材332の状態は変化せず、可動演出部材2360のみが状態変化する。具体的には、起立状態から傾倒状態へ向けて状態変化を開始し、傾倒状態となる前に起立状態へ向けて復帰する状態変化を実行する。このような駆動制御を行うことで、単一の駆動装置(ソレノイド2333)で、移動上蓋部材332の状態は張出状態(閉状態)で維持しながら(即ち、特定入賞口65aへの球の入賞は防止しながら)、可動演出部材2360を動作させることで、移動上蓋部材332に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
ここで、可動演出部材2360は、移動上蓋部材332の開閉動作に伴って動作する部材であるので、可動演出部材2360を動作させることで、遊技者に対して、移動上蓋部材332も動作を開始するかもしれないという期待を持たせることができる。
図26(c)に示すように、ソレノイド2333の駆動(励磁)を第3時点t3(又はその直前のタイミング)で解除した場合、移動上蓋部材332の状態の変化は閉鎖基準状態までで留めながら、可動演出部材2360が状態変化する。具体的には、起立状態から傾倒状態へ向けて状態変化を開始し、傾倒状態となってから起立状態へ向けて復帰する状態変化を実行する。このような駆動制御を行うことで、単一の駆動装置(ソレノイド2333)で、移動上蓋部材332の状態は閉状態(張出状態から閉鎖基準状態の間)で維持しながら(即ち、特定入賞口65aへの球の入賞は防止しながら)、可動演出部材2360を動作させることで、移動上蓋部材332に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、図26(c)に示す駆動制御では、可動演出部材2360が傾倒状態まで到達する分、図26(b)に示す駆動制御よりも可動演出部材2360の動作幅が大きいので、次26(b)に示す駆動制御に比較して可動演出部材2360の状態変化を遊技者に認識させ易くすることができる。
ここで、可動演出部材2360は、移動上蓋部材332の開閉動作に伴って動作する部材であるので、可動演出部材2360を動作させることで、遊技者に対して、移動上蓋部材332も動作を開始するかもしれないという期待を持たせることができる。
図26(b)及び図26(c)に示すような、移動上蓋部材332を閉状態で維持したまま可動演出部材2360を動作させる駆動制御は、大当たり遊技の有無に関わらず、様々なタイミングで実行可能である。
例えば、大当たり遊技のオープニング時間OP(ラウンド遊技Rの開始前)や、ラウンド間インターバル(ラウンド遊技Rの終了後、次のラウンド遊技Rが開始する前)に、1回または複数回実行することで、あたかも移動上蓋部材332が余分(長時間、回数多め)に開状態とされているような印象を遊技者に与えることができる。
また、例えば、大当たり遊技において、次に開状態となるタイミングの直前に1回または複数回実行することで、開状態をなるタイミングを遊技者に知らせることができる。なお、この制御は、特定入賞口65aが2箇所に配置され、そのそれぞれに移動上蓋部材332のように特定入賞口65aを開閉する部材が配設されている場合に用いると、可動演出部材2360の動作を視認することで、どちらの特定入賞口65aが次に開状態となるのかを遊技者に認識させ易くすることができるので、特に有効である。この制御の実行時に、第3図柄表示装置81において「A(又はB)アタッカーを狙え」等の、球の発射位置を示す報知を実行することで、液晶演出と、可動演出部材2360による演出とで、2重で遊技者に球の発射位置を示すことができる。
また、例えば、特別図柄の抽選に外れた場合の演出の一例としても良い。この場合、例えば、第3図柄表示装置81において、「アタッカーが開放されたら大当たり」との表示を行っておき、特別図柄の抽選が大当たりであれば、図26(a)に示す制御を開始し、特別図柄の抽選が外れであれば、図26(b)又は図26(c)に示す制御を開始するようにしても良い。これにより、アタッカーとしての移動上蓋部材332への注目力を高い確率で向上し、移動上蓋部材332が開放される直前まで遊技者の緊張感を維持することができる。
また、例えば、特別図柄の抽選が小当たりとなった時の動作を、図26(b)又は図26(c)に示す動作としても良い。この場合、小当たりにおいて球が移動上蓋部材332を通過して特定入賞口65aを通過することを防止することができる。
また、例えば、ラウンドアップ演出(大当たり遊技の途中で、追加の大当たりラウンドがあることを報知する演出。例えば、特別図柄の抽選により8ラウンドの大当たりとなった場合に、大当たり遊技の開始時には4ラウンドの大当たりであると報知しておきながら、大当たり遊技の終了までに「+4ラウンド」等と報知され、結果的に8ラウンドの大当たりと遊技者に知らせる演出)を備えた大当たり遊技において、「+4ラウンド?」と第3図柄表示装置81で表示を行い、既に報知されたラウンドの内、最終ラウンドが終了して、次のラウンド(追加のラウンドがあれば開始されるラウンド)の開始のタイミングで、追加のラウンドがあれば図26(a)の駆動制御を継続し、追加のラウンドが無ければ図26(b)又は図26(c)の駆動制御を実行するようにしても良い。
この場合、可動演出部材2360が動作することで、あたかも追加のラウンドが始まるように遊技者に感じさせることができるので、追加のラウンドの有無に関わらず、追加のラウンドがあれば開始されるラウンドのラウンド遊技Rが開始されるかもしれないタイミング(例えば、5ラウンド目のラウンド遊技Rが開始されると予想できるタイミング)まで、遊技者の興趣を向上させたまま維持することができる。
なお、本実施形態では、ソレノイド2333は主制御装置のMPU201(図4参照)で駆動制御されるが、音声ランプ制御装置のMPU221でも駆動制御するようにしても良い。
図27(a)、図27(b)、図28(a)及び図28(b)を参照して、移動上蓋部材332を通過した遊技球の流下態様について説明する。図27(a)及び図27(b)は、遊技盤13の部分正面図であり、図28(a)及び図28(b)は、遊技盤13の部分正面斜視図である。
なお、図27(a)及び図28(a)では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材2360の傾倒状態が図示され(図22(a)及び図22(b)参照)、図27(b)及び図28(b)では、移動上蓋部材332の張出状態および可動演出部材2360の起立状態が図示される(図25(a)及び図25(b)参照)。
図27(a)及び図28(a)に示される状態と図27(b)及び図28(b)に示される状態とは、交互に切り替えられる。特定入賞口65aを開閉する移動上蓋部材332が、閉状態(張出状態)において上面に遊技球を所定期間留められる(転動させられる)構成となっている関係上、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ状態変化した直後に、移動上蓋部材332に乗っていた遊技球が落下するという事態は頻繁に発生する。
なお、本実施形態では、移動上蓋部材332の上面に乗ってから、遊技球が移動上蓋部材332の外方へ(左右端部を越えて)排出されるまで、平均で1秒以上かかるように、移動上蓋部材332の上面の傾斜および跳ね返り係数が設定される。従って、遊技球を継続して発射している状態において、移動上蓋部材332の上面に遊技球が乗っている期間が長くなるように構成される。換言すれば、移動上蓋部材332の開放時間が短い場合であっても、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)に状態変化することで遊技球を特定入賞口65aへ向かわせ易く構成することができる。
なお、本実施形態では、遊技球を最短0.6秒間隔で発射する場合、上述したように、移動上蓋部材332に約0.75秒間隔で遊技球が到達するので、先に移動上蓋部材332の上面に到達した遊技球が移動上蓋部材332の外方へ排出されるよりも前に、次の遊技球を移動上蓋部材332の上面に到達させることができる。即ち、移動上蓋部材332の上面に遊技球が1個以上配置された状態を維持することができる。そのため、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)に状態変化することで遊技球を特定入賞口65aへ向かわせ易く構成することができる。
また、光照射装置311bの鉛直下方かつ移動上蓋部材332の鉛直上方の隙間は、遊技球が侵入不能な隙間として構成される(遊技球の直径未満とされる)。従って、遊技球は、光照射装置311bの左右端部よりも左右外方の位置において、移動上蓋部材332の上面に乗り、移動上蓋部材332の上面を転動する。
そのため、移動上蓋部材332の上面を左右外方へ暫く転動した後、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となることにより遊技球が落下する場合、その遊技球は、その後で、可動演出部材2360の上面や、延設床部2331eの上面を左右方向内方に転動した後、センサSを通過する。即ち、センサSまでの遊技球の経路が左右に迂回することになるので、遊技球がセンサSを通過するまでの期間を長く保つことができる。
図28(a)に示される状態で遊技球が可動演出部材2360の上面に乗っている時に図28(b)に示される状態に切り替えられる(ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除される、図26(a)参照)場合、可動演出部材2360が動作することに伴い、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球が持ち上げられる。なお、図28(a)には、動作途中の可動演出部材2360の外形が想像線で図示される。
可動演出部材2360の起立動作に伴い、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球は、可動演出部材2360の前後(可動演出部材2360及び前板部材2320の間を滑り落ちる第1経路D1または凹設部2365の背面側を滑り落ちる第2経路D2)を通過して下方に落下するか、又は可動演出部材2360の凹設部2365よりも左右寄りの板状部分の上方において背面側を向く第3経路D3に沿って背面側へ押し込まれ、延設床部2331eに乗る。
背面側へ押し込まれ、延設床部2331e側へ流下した遊技球は、上向きの負荷を受け、移動上蓋部材332の板状部332a1の下面へ向かって跳ね上がる。ここで、板状部332a1は、上述したように左右方向中央へ向けて上昇傾斜する構成とされる。
即ち、凹設部2365の左右側端部における板状部332a1と可動演出部材2360の上面との第1距離H1に比較して、凹設部2365の左右側端部よりも左右外方における板状部332a1と可動演出部材2360の上面との第2距離H2の方が短く設定される。
そのため、遊技球が板状部332a1に衝突する場合、センサSが配置される左右内側下方へ向けて反力が作用し、遊技球の流下方向がセンサSへ向けた方向に修正される。これにより、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される場合に比較して、遊技球がセンサSを通過するまでの期間を短縮することができる(期間を半分程度にすることができる)。
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、第2距離H2が遊技球の直径以上の寸法で設定される。即ち、移動上蓋部材332の左右端部付近において遊技球が特定入賞口65aの正面側に落下した直後に移動上蓋部材332が閉鎖した場合であっても、移動上蓋部材332の動作が遊技球に妨害されにくくすることができる。
延設床部2331eに乗った遊技球は、延設床部2331eの傾斜に沿う第4経路D4を通って下方通路331bへ向けて流下する。換言すると、特定入賞口65aの左右方向中心位置へ向けて流下する。
本実施形態では、上述したように、移動上蓋部材332が退避状態(図28(a)参照)から動作開始する前に可動演出部材2360が傾倒状態から動作開始することは無い。そのため、少なくとも、移動上蓋部材332が退避状態とされ、遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過可能とされる間、可動演出部材2360は上面に遊技球を乗せ得る状態(傾倒状態)とされる(図28(a)参照)。従って、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
なお、本実施形態では、遊技球が可動演出部材2360の正面側に配置された場合であっても、その遊技球は、凹設部2365と内レール61との間を通って下方通路331bまで流下可能とされる(図28(b)の経路C2a参照)ので、可動演出部材2360の正面側に遊技球が滞留することを防止することができる。
更に、可動演出部材2360が傾倒状態から動作開始される直前の状態(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の間隔が遊技球の直径未満とされる(閉鎖基準状態)。即ち、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ向けて動作する場合に、移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過不能となる位置に移動上蓋部材332が配置されるよりも前においては、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される。従って、移動上蓋部材332が張出状態へ向けて動作開始した後で移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過した場合であっても、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材332が張出状態(図28(b)参照)から動作開始する前(遊技球が通過可能な程度に前板部材2320から離れる前)に、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態へ向けて動作開始するので、例えば、可動演出部材2360の動作開始前に可動演出部材2360の正面側を遊技球が流下し、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じることを抑制することができる。
ここで、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が高頻度で発生する場合には、その繰り返し負荷により可動演出部材2360に疲労が蓄積され、可動演出部材2360の耐用年数が短くなり易い。そのため、耐用年数を伸ばすために、負荷が生じない配置に可動演出部材2360を配置する対応をしやすい。例えば、傾倒状態の可動演出部材2360の下面と内レール61との間隔が遊技球の直径よりも大きくなるように可動演出部材2360を配置することがある。
しかし、これでは可動演出部材2360と同様に移動上蓋部材332の配置も上げる必要が生じるので、特定入賞口65aを内レール61に沿わせるように配置したことに伴う一つの利点である第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げるという効果が半減する結果となる。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332に対する可動演出部材2360の動作タイミングを構造から規定することで(図22から図25までを参照)、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じることを抑制しているので、傾倒状態の可動演出部材2360の下面と内レール61との間隔が遊技球の直径よりも小さくなる位置に可動演出部材2360を配置した場合であっても、可動演出部材2360の耐用年数を十分に確保することができる。
これにより、可動演出部材2360を備える場合であっても、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができるので、第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げる効果を保持することができる。
更に、可動演出部材2360が起立状態から傾倒状態となった直後の状態(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の間隔が遊技球の直径未満とされる(閉鎖基準状態)。即ち、移動上蓋部材332が張出状態から退避状態へ向けて動作する場合に、移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過可能となる位置に移動上蓋部材332が配置されるよりも前に、可動演出部材2360が傾倒状態とされる。これにより、移動上蓋部材332が退避状態へ向けて動作開始した後で移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過した場合であっても、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。
従って、可動演出部材2360を備える場合であっても、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができるので、第3図柄表示装置81の表示領域(又は視認領域)の下端を下げる効果を保持することができる。
なお、本実施形態では、可動演出部材2360の左右に配置される段部2324aにより、左右から可動演出部材2360へ向けて遊技球が流入することが防止されている。これにより、遊技球が可動演出部材2360へ向かう道筋を上下方向のみに限定することができるので、可動演出部材2360の上方に配置される移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作の対応関係を規定することのみで、可動演出部材2360の耐久性の向上を図ることができる。
図28(a)及び図28(b)に示すように、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球は、主に2通りの経路で下方通路331bへ案内され、センサSを通過する(検出される)。
2通りの経路の内、一方の経路は、第3経路D3及び第4経路D4を通る経路である。この経路で流下し得る遊技球が可動演出部材2360の上面に乗っている場合に、可動演出部材2360が起立状態へ動作開始すると、上面に乗っていた遊技球は背面側に押し込まれる。そのため、遊技球が自重のみで流下する場合に比較して、センサSを遊技球が通過するタイミングを早め易くすることができる(期間を半分程度にすることができる)。
2通りの経路の内、他方の経路は、遊技球が下方通路331bへ正面側から流入する経路である。他方の経路で遊技球が流下する事象は、可動演出部材2360の上面に乗っていた遊技球が第1経路D1又は第2経路D2を通り流下した上で下方通路331bの正面側に到達する場合と、可動演出部材2360の上面には乗らず、可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する場合とで少なくとも生じる。
なお、本実施形態では、移動上蓋部材332が退避状態から動作開始するタイミングでは可動演出部材2360は傾倒状態を維持し、起立状態となるのも移動上蓋部材332が張出状態となった後に設定されているので(図26(a)参照)、可動演出部材2360の上面に乗らずに可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する事象が生じる可能性を低くすることができる。
特に、本実施形態によれば、可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態へ向けて動作する負荷を与えられるタイミング(図23(a)及び図23(b)参照)において、移動上蓋部材332と前板部材2320との間の隙間が遊技球の直径未満とされるので(閉鎖基準状態)、移動上蓋部材332の正面側を通過したほとんどの遊技球は、傾倒状態の可動演出部材2360へ向けて流下する。従って、可動演出部材2360の上面に乗らずに可動演出部材2360の正面側を流下し、経路C2aを通り下方通路331bの正面側に到達する事象が発生する可能性を極めて低くすることができる。
上述した一方の経路と、他方の経路とでは、遊技球が延設床部2331eの上面を流下するか否かが明確に異なる。即ち、本実施形態では、遊技球が延設床部2331eの上面を流下してセンサSを通過する経路(一方の経路)と、遊技球が延設床部2331eの上面を流下せずにセンサSを通過する経路(他方の経路)とが構成される。
ここで、上述した一方の経路と、他方の経路とを流下する遊技球は、最終的にセンサSを通過する点では同じであるものの、その流下経路が明確に違うことから、流下する経路に対応して、遊技球の流下速度を変化させることができる。
例えば、本実施形態では、内レール61や下方通路331bの流下面の水平面に対する傾斜角度に比較して、延設床部2331eの水平面に対する傾斜角度の方が小さくなるように設計される。そのため、一方の経路を流下する遊技球に比較して、他方の経路を流下する遊技球の方が、特定入賞口65aの正面側に到達したからセンサSを通過するまでに要する期間が短くなる(期間を半分程度にすることができる)。
他方の経路での遊技球の流下は、可動演出部材2360が起立状態へ向けて動作する間際に生じやすいことから、この場合、移動上蓋部材332が閉状態となる間際に特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球を早くセンサSに検出させることができる(特定入賞口65aの後方へ排出することができる)。そのため、後述する大当たり遊技におけるラウンド間第1インターバル時間Int1を短く設定することができる。
図28(a)に示すように、凹設部2365の軸側端面(図28(a)の後側に配置される端面)は、下方通路331bの左右端面と面位置とされる。従って、凹設部2365を通り第2経路D2で遊技球が下方へ流下する場合に、下方通路331bの左右端面に上方から衝突して遊技球が跳ね戻ることが防止される。即ち、第2経路D2に沿った遊技球の流下の抵抗を下げることができ、可動演出部材2360の上面に乗った遊技球がセンサSに検出されるまでに要する期間を短くすることができる。
なお、凹設部2365の軸側端面が、下方通路331bの左右端面よりも左右方向中央寄りに配置されても(凹設部2365の左右幅が左右中心対称で短くされても)、同様の効果を奏することができる。
図27及び図28に示すように、可動演出部材2360が傾倒状態であるか、起立状態であるかで、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化する。「実質的な左右幅」とは、遊技球が前後方向に通過可能な開口の左右幅を指す。
即ち、図27(a)及び図28(a)に示す可動演出部材2360の傾倒状態では、特定入賞口65aの左右幅と同じ長さで実質的な左右幅が形成される一方、図27(b)及び図28(b)に示す可動演出部材2360の起立状態では、凹設部2365の左右幅(即ち、下方通路331bの左右幅)が実質的な左右幅となる。
図27(a)、図27(b)、図28(a)及び図28(b)に示すように、可動演出部材2360の状態により特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化することで、特定入賞口65aを視認する遊技者の印象が変化する。
ここで、遊技者が特定入賞口65aを視認する場合、光透過性の前板部材2320を通して正面から見るか(図27参照)、非透過の移動上蓋部材332が退避した時に、移動上蓋部材332の上方から見るかの2通りが考えられる。
正面視の場合、移動上蓋部材332だけであると、移動上蓋部材332の状態が変わっても正面視の形状が変化しないので違いが分かりにくかったが、本実施形態では、正面視で移動上蓋部材332よりも大きく視認される可動演出部材2360により特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化していること、及び正面視の意匠の変化が明確に視認されるので、特定入賞口65aが開いているか、閉じているかの違いを印象的に遊技者に認識させることができる(容易に識別することができる)。
また、上方から見る場合、移動上蓋部材332が張出状態の時には可動演出部材2360も見えにくく、特定入賞口65aの実質的な左右幅が狭いことが明らかである(下方通路331bの左右幅に限定されている、図28(b)参照)。一方、移動上蓋部材332が退避している時には、移動上蓋部材332よりも大きっく視認される可動演出部材2360が傾倒され、特定入賞口65aが大きく開放されていることが一目瞭然であり、特定入賞口65aの開閉の違いを印象的に遊技者に認識させることができ、特定入賞口65aに遊技球を入球可能となっていることを容易に識別することができる(図28(a)参照)。
本実施形態では、図27(a)及び図28(a)に示すように、移動上蓋部材332が退避状態とされ、可動演出部材2360が傾倒状態とされる場合に、特定入賞口65aの左右幅が実質的な左右幅と同じとされるので、特定入賞口65aを通過する遊技球の流下抵抗を低減することができる。
更に、遊技球の流下経路が少なくとも2通り構成されることに加え、各流下経路で流下する遊技球の流下速度(センサSに検出されるまでに要する期間)にずれが生じるように構成されているので、特定入賞口65aの正面側に多くの遊技球が短時間で流入した場合であっても、遊技球が滞留する程度を低くすることができる。これにより、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球がセンサSに検出されるまでの期間を短く保つことができるので、オーバー入賞の過度な発生を抑制することができる。
なお、オーバー入賞とは、一例として、「移動上蓋部材332が退避状態を維持する間に予定される通過個数の最大値を超えて遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過する事象」のことを指す。センサSに検出される遊技球の個数は移動上蓋部材332の正面側を通過する遊技球の個数と同数なので、オーバー入賞が発生すると、センサSに検出される遊技球の個数も当然に「予定される通過個数の最大値」を超える。
オーバー入賞は、換言すれば、予定された賞球個数よりも多くの賞球が遊技者に払い出されることであるので、遊技者はより多くの利益を得られることになるが、オーバー入賞を頻繁に生じさせることが可能となると、予定される遊技性(出球性能)からかけ離れた遊技を可能とする虞がある。そのため、公平の観点から、オーバー入賞は抑制可能に構成されることが望ましい。
本実施形態では、図27(b)及び図28(b)に示すように、移動上蓋部材332が張出状態とされ、可動演出部材2360が起立状態とされる場合に、特定入賞口65aの実質的な左右幅は凹設部2365の左右幅に狭められる。
これにより、特定入賞口65aの正面側を流下する遊技球の流下経路を限定することで、複数の遊技球が特定入賞口65aの正面側に入球した場合の流下抵抗を増大させることができる。即ち、複数の遊技球が特定入賞口65aを通過するのに要する期間を延ばし、特定入賞口65aの正面側に遊技球をかためることができる。
詳述すると、先に入球した遊技球の流下速度を落とすことではなく、先に入球した遊技球を後追いの遊技球の流下の障害物として機能させることで、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ動作開始しているにも関わらず、複数の遊技球が移動上蓋部材332の正面側を通過することを妨害することができる。従って、オーバー入賞の発生を抑制することができる。
以上のことから、本実施形態では、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化するように構成したことで、2重の意味で、即ち、第1に、オーバー入賞となる遊技球がセンサSに検出されるまでの期間を短くするという意味で、第2に、オーバー入賞となる遊技球が複数ある場合に先に入球した遊技球が後追いの遊技球の妨害をすることで更なる入賞を防止するという意味で、オーバー入賞の発生を抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除することに伴い、移動上蓋部材332が退避状態から張出状態へ動作開始する時には、第2伝達部材2350と可動演出部材2360とが非当接となるようにした。これにより、可動演出部材2360をソレノイド2333の駆動力により動作させる構成を採用しながら、移動上蓋部材332の退避状態から張出状態への動作開始が、ソレノイド2333の励磁(駆動)の解除タイミングから遅れることを防止することができる。
移動上蓋部材332よりも動作による状態変化を遊技者が視認し易い可動演出部材2360を特定入賞口65aの正面側に配置し、移動上蓋部材332が退避状態を維持する期間を超えて可動演出部材2360が傾倒状態を維持する構成とした。これにより、遊技球が特定入賞口65aに入り易い印象を遊技者に与えることができる。
また、可動演出部材2360が傾倒状態である期間は、移動上蓋部材332が退避状態で維持されることから、移動上蓋部材332を直接視認しなくても(視認し難いとしても)、可動演出部材2360の状態を確認することで、移動上蓋部材332が退避状態であるか否かを判定することができる。
可動演出部材2360の動作と移動上蓋部材332の動作とは、一定の時間ずれで生じるので、物理的(機械的)に移動上蓋部材332と連動するわけではない第3図柄表示装置81等の演出を頼りに特定入賞口65aの開放タイミングを遊技者に把握させる場合に比較して、信頼のおける情報として可動演出部材2360の動作に注目させることができる。これにより、「アタッカーを狙え」と表示されてから、実際に特定入賞口65aが開放されるまでの時間差が不明であるため、いつ遊技球を発射すればいいかわからないという遊技者の不満を解消することができる。
また、本実施形態では図示を省略しているが、上述した光照射部331c1(図10(b)参照)を、光の経路E1(図11(a)参照)が可動演出部材2360と交差する位置に配設し、光照射部331c1の点灯、消灯のタイミングを可動演出部材2360の動作タイミングに合わせて制御するようにしても良い。
この場合、可動演出部材2360の傾倒動作と同時に、光照射部331c1から可動演出部材2360に光が照射される(発光する)ので、可動演出部材2360の注目力を向上することができる。加えて、上述したように、可動演出部材2360の傾倒動作のタイミングは、移動上蓋部材332が開状態となるタイミングよりも前なので、特定入賞口65aに球を通過可能な状態となる前に、遊技者の注目力を向上させることができる。
なお、光照射部331c1の点灯、消灯のタイミングを、移動上蓋部材332の動作タイミングに合わせても良いし、可動演出部材2360の傾倒タイミングと、移動上蓋部材332の動作タイミングとの間に設定しても良い。この場合、可動演出部材2360が傾倒動作を開始した後に光照射部331c1から光が照射されるので、可動演出部材2360が傾倒状態となったことを、遊技者に気付かせ易くすることができる。
移動上蓋部材332の正面側を遊技球が通過可能とされる間、可動演出部材2360が傾倒状態を維持するようにした。これにより、可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置される事態が生じる可能性を低くすることができる。従って、可動演出部材2360の本体板部2361の内レール61と対向配置される面と、内レール61との間に遊技球が入り込み、互いに負荷を生じる可能性を低くすることができる。
移動上蓋部材332が張出状態から動作開始する前に、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて動作開始するように構成した。これにより、可動演出部材2360の動作開始前に可動演出部材2360の正面側に遊技球が配置され、可動演出部材2360と内レール61との間に遊技球が挟まり、互いに負荷を与え合う事態が生じる可能性を低くすることができる。また、可動演出部材2360と内レール61との間の間隔を遊技球の直径未満とすることができるので、移動上蓋部材332の配置を下寄りに維持することができ、結果として、第3図柄表示装置81の表示領域の下端を下げることができる。
移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球が可動演出部材2360で上方へ跳ね返るよう構成したことで、遊技者視線で遊技球を確認できる期間を長くすることができる。これにより、移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球を見逃す可能性を低くすることができる。
また、上方への跳ね返りは、可動演出部材2360が起立状態へ向けて動作する際に大きくなるので、特に可動演出部材2360の動作間際(移動上蓋部材332が閉状態となる間際)で移動上蓋部材332の正面側を落下した遊技球を見逃す可能性を低くすることができる。
可動演出部材2360に衝突して移動上蓋部材332へ向けて跳ね返った遊技球が、移動上蓋部材332と衝突する際に、センサSへ向く方向へ反作用の力が与えられるように構成した。これにより、遊技球がセンサSへ到達するまでに要する期間を短くすることができる。
移動上蓋部材332を通過した遊技球が、明確に区別できる2通りの経路でセンサSへ向けて流下するように構成した。これにより、特定入賞口65aの正面側に多数の遊技球が短時間で流入した場合であっても、遊技球が滞留する程度を低くすることができる(留まる時間を短くすることができる、スムーズに流すことができる)。
移動上蓋部材332を通過した遊技球が通過する特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を、移動上蓋部材332の状態変化に伴い変化可能に構成した。これにより、移動上蓋部材332が退避状態とされるか、張出状態とされるかで、特定入賞口65aの正面側に配置された遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を変化させることができる。
詳細には、移動上蓋部材332が退避状態とされ、遊技球の通過を許容する場合には、特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を長く保ち、移動上蓋部材332が張出状態とされ、遊技球の通過を規制する場合には、特定入賞口65aの実質的な(左右)幅を短くした。これにより、移動上蓋部材332が退避状態の時に移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を低くでき、移動上蓋部材332が張出状態に変化する間際に移動上蓋部材332の正面側を通過する遊技球が特定入賞口65aを通過する際の流下抵抗を高くすることができるので、オーバー入賞の発生を抑制することができる(オーバー入賞として余分に入賞する遊技球の個数を少なくすることができる)。
次いで、図29から図33を参照して、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、可動演出部材2360に乗った全ての遊技球が下方通路331bの背面側に配置されるセンサSを通過する場合を説明したが、第3実施形態における盤面下部ユニット3300は、移動上蓋部材332の正面側を通過した遊技球が、可動演出部材3360によりセンサSを通過する遊技球と、特定入賞口65aの正面視左寄りに配置され、遊技球の通過を検出する第2センサS2を通過する遊技球とに振り分けられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29は、第3実施形態における遊技盤13の部分正面斜視図である。なお、図29では、移動上蓋部材332の退避状態および可動演出部材3360の傾倒状態が図示される。また、理解を容易にするために、遊技盤13は簡略化して図示される。なお、可動演出部材3360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図29に示すように、第3実施形態における盤面下部ユニット3300は、第2実施形態で上述した盤面下部ユニット2300に対して、主に以下の点で異なる。即ち、第1に、可動演出部材3360が、遊技球の流下経路を振り分ける振分部3370を一体的に備える点で異なる。また、第2に、センサSの上流側に第2センサS2を備え、その第2センサS2が振分部3370によりセンサSへ向かわない側に振り分けられた遊技球を検出可能に構成され、その第2センサS2を通過した遊技球を案内する案内傾斜面3331kが左側の延設床部2331eに形成され、その下流にV入賞センサVCが配設される点で異なる。以下、順に説明する。まず、図30を参照して、可動演出部材3360の振分部3370について説明する。
図30(a)は、傾倒状態の可動演出部材3360の正面斜視図であり、図30(b)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における可動演出部材3360の側面図であり、図30(c)は、図30(a)の矢印XXXc方向視における可動演出部材3360の上面図であり、図30(d)は、図30(a)の矢印XXXb方向視における起立状態の可動演出部材3360の側面図である。
なお、理解を容易とするために、図30(b)、図30(c)及び図30(d)には、組立状態における第2センサS2、V入賞センサVC、延設床部2331e、案内傾斜面3331k及びセンサSへ向かわない側の経路に振り分けられた遊技球が想像線で図示される。
図30(a)から図30(d)に示すように、振分部3370は、可動演出部材3360に一体で形成される棒状部であり、本体板部2361の回転基端側端部から本体板部2361の短手幅方向に沿って延設される延設棒部3371と、その延設棒部3371の延設端部から支持軸部2362を中心とした円弧に沿って本体板部2361の上面が向く方向へ延設される延設円弧部3372と、その延設円弧部3372の延設先端部から支持軸部2362と直交する面に対して平行に延設される第1規制部3373と、延設円弧部3372の延設先端側部から支持軸部に対して平行に延設される第2規制部3374と、を主に備える。
図30(b)及び図30(d)に示すように、振分部3370は可動演出部材3360に一定的に形成されており、可動演出部材3360が起立状態となると、振分部3370は延設床部2331eの下方に収納される。本実施形態では、延設床部2331eから下方へ向けて、振分部3370との干渉を避ける目的の干渉回避凹部3331lが凹設される。即ち、干渉回避凹部3331lは、少なくとも振分部3370の動作軌跡を内包する形状の凹部として形成される。
延設床部2331eを左右に通過する遊技球は、干渉回避凹部3331lの上を通過することになるが(図29(a)参照),本実施形態では延設棒部3371が細径(直径約2[mm])の棒状とされるので、遊技球が上を通過する箇所における干渉回避凹部3331lの溝幅を短くすることができる。即ち、溝幅を2.5[mm]程度とすることで、遊技球(直径11[mm])が干渉回避凹部3331lに引っかかり、遊技球が減速される程度を低くすることができる。従って、延設床部2331eの上面を遊技球が滑らかに転動可能とすることができる。
延設棒部3371は、可動演出部材3360の姿勢に関わらず、延設床部2331e及び案内傾斜面3331kよりも下方に配置される。従って、延設棒部3371が遊技球と直接接触することを防止することができる。なお、延設棒部3371は、特定入賞口65aの左端から、少なくとも遊技球の直径(11[mm])以上離れた位置に配設される。これにより、延設棒部3371の左方に遊技球を配置することができる。
延設円弧部3372は、支持軸部2362を中心とした円弧形状とされるので、可動演出部材2360が姿勢変化した場合であっても、支持軸部2362を中心とした所定の円弧形状から形成される。そのため、延設円弧部3372が回転動作する場合の動作軌跡を重複させることができるので、設計を容易にすることができる。
第1規制部3373は、延設棒部3371の左方を背面側に向けて流下し第2センサS2に入球した遊技球が右方に流れることを規制する部分であって、その先端部における左面の面形状は、左右方向軸と直交する平面とされる。従って、遊技球から第1規制部3373へ向けて付与される負荷は、可動演出部材3360の軸方向を向くので、遊技球から第1規制部3373へ向けて付与される負荷により可動演出部材3360の回転方向の負荷が生じることを抑制することができる。
なお、可動演出部材3360の重心位置は、回転軸よりも前側で、第1規制部3373に遊技球が正面側から衝突した程度では起き上がらない位置で設計される。そのため、遊技球の入賞中において、可動演出部材3360は傾倒状態を維持し易くなる。
第2規制部3374は、可動演出部材3360の傾倒状態において遊技球の中心よりも上側に配置され、第2センサS2に検出された遊技球の背面側に当接し、遊技球の流下を停止させる(図30(b)参照)。
そのため、停止された遊技球から第2規制部3374へ付与される負荷(自重等)は、第2規制部3374を上昇させる方向、即ち、可動演出部材3360を傾倒状態で維持しようとする方向(左面視時計回り方向)を向く。従って、遊技球から付与される負荷により可動演出部材3360が傾倒状態から起き上がることを防止するのみでなく、可動演出部材3360が、より傾倒状態を維持し易いように遊技球の負荷を作用させることができる。
一方で、ソレノイド2333(図26参照)の励磁(駆動)を解除して、可動演出部材3360が起立状態へ向けて動作する時には、第2規制部3374は。遊技球から離反する方向(支持軸部2362を中心とした円に沿って背面側へ向く方向)へ移動するので、遊技球からの負荷が可動演出部材3360の起立状態への動作を妨害することを避けることができる。
従って、第2センサS2に遊技球が停留した状態において、遊技球の自重を可動演出部材3360の状態の維持に活用しながら、可動演出部材3360の状態を意図的に変化させる場合には、遊技球の自重が可動演出部材3360の状態変化を妨害することを回避することができる。
なお、第2規制部3374の正面形状を、可動演出部材3360の傾倒状態において遊技球と接する点の法線が支持軸部2362の径方向を向くように形成しても良い。この場合、遊技球から第2規制部3374へ付与される負荷の方向を、支持軸部2362の径方向とすることができるので、遊技球を介して可動演出部材3360の回転方向に負荷がかけられることを防止することができる。
本実施形態において、第2センサS2は、第2規制部3374に流下を規制された遊技球を既に検出し、且つ、遊技球が通過せずに留められる位置に配設される(図30(b)及び図30(c)参照)。即ち、第2規制部3374は、第2センサS2の下流側に遊技球(の少なくとも一部)が進入した後で遊技球を停止させる。
そのため、振分部3370の作用が、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)になってから第2センサS2で遊技球が検出されるまでに要する期間に影響する(延長したり短縮したりする)ことを防止することができる。
可動演出部材3360の状態が傾倒状態から起立状態へ変化すると、上述したように、振分部3370は案内傾斜面3331kの下方に収納されるので、流下を規制されていた遊技球(図30(b)参照)は、規制を解除され、案内傾斜面3331kに沿って流下可能となり、流下した遊技球は、第2センサS2の下流に配置されるV入賞センサVCに検出される(図30(d)参照)。次いで、図31を参照して、移動上蓋部材332(図29参照)の正面側を通過した遊技球の流下態様の一例について説明する。
図31(a)から図31(c)は、可動演出部材3360、振分部3370、延設床部2331e及び案内傾斜面3331kを模式的に示す上面模式図である。なお、図31(a)から図31(c)では、特定入賞口65a(図15参照)を遊技球が通過する過程が時系列で図示される。即ち、図31(a)では、可動演出部材3360が傾倒状態となり1球目の遊技球P1が可動演出部材3360の上面に乗った状態が、図31(b)では、図31(a)の状態から更に2球目の遊技球P2が入球し、可動演出部材3360の上面に乗った状態が、図31(c)では、予定されていた個数(後述する「規定個数」)の遊技球の通過がセンサS及び第2センサS2に検出され、ソレノイド2333(図26(a)参照)の励磁(駆動)が解除されることにより、可動演出部材3360の状態が傾倒状態から起立状態へ変化した直後の状態が、それぞれ図示される。
図31(a)に示すように、1球目の遊技球P1は、第2経路D2又は第3経路D3で流下し得る。第2経路D2で流下する場合、遊技球P1は下方通路331bを通りセンサSに検出される。この場合、遊技球は、第2センサS2の正面側に張り出す第1規制部3373に衝突するか、又は衝突せずに、下方通路331b側へ流下する。
一方、第3経路D3で流下する場合、遊技球P1は、振分部3370の第1規制部3373又は第2センサS2により右方への流下を規制され、第2規制部3374により背面側への流下を規制されることで、第2センサS2の内側に停留する(図31(b)参照)。
第2センサS2の内側に遊技球P1が停留している状態で、その後から特定入賞口65aを通過する遊技球P2が第3経路D3に沿って流下する場合、遊技球P2は遊技球P1と衝突し、流下経路が衝突後経路D32に変化する。
衝突後経路D32は、第3経路D3の途中位置から下方通路331b側へ延びる経路である。即ち、案内傾斜面3331kに遊技球が1個停留した後は、専ら下方通路331bを通りセンサSに検出される。なお、本実施形態では、第1規制部3373が遊技球P1の中心位置付近まで延設されるに留まり、遊技球P1よりも正面側へ延びているわけでは無いので、遊技球P2の流下経路を自然に(抵抗小さく)衝突後経路D32に切り替えることができる。
なお、図31(b)では、便宜上、1球目の球である遊技球P1が第2センサS2の内側に停留した場合を図示したが、第2センサS2の内側に停留する遊技球は、1球目の遊技球である必要は無い。例えば、5球目の遊技球が第2センサS2の内側に停留する場合には、6球目以降の遊技球が、衝突後経路D32を専ら通過し得ることになる。
また、衝突後経路D32を通過する遊技球は、第2センサS2の内側に停留する遊技球の正面側を通過するので、遊技者目線では、第2センサS2の内側に停留する遊技球の視認性を悪くするように作用する。従って、衝突後経路D32を流下する遊技球により、第2センサS2の内側に停留する遊技球を見え難くすることができるので、第2センサS2の内側に停留する遊技球を視認可能な状態を維持しながら、衝突後経路D32を流下する遊技球を目くらましとして作用させることができ、第2センサS2の内側に遊技球が停留していることを遊技者に気付かれ難くすることができる。
図31(c)に示すように、可動演出部材3360が起立状態へ変化すると、第2センサS2の内側に停留していた遊技球P1が案内傾斜面3331kの傾斜に沿って背面側へ流下し、V入賞センサVCに検出される。従って、本実施形態によれば、ソレノイド2333(図26(a)参照)が励磁(駆動)され、可動演出部材3360が傾倒状態となった直後に特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球が、間もなくV入賞センサVCに検出される事態が発生することを防止することができる。
なお、本実施形態では、図31(b)に示すように、第2センサS2とV入賞センサVCとの間隔が遊技球の直径未満に設定される。そのため、第2センサS2からV入賞センサVCまで直通で遊技球を流下させることができ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCを逸れて流下することを防止することができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図32を参照して説明する。
図32は、第1の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材3360、センサS、第2センサS2、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第2センサS2に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、規制弁VBは、V入賞センサVCへの遊技球の入球を許容する開状態と、V入賞センサVCへの遊技球の入球を規制する閉状態とを切り替え可能な部材として仮想的に図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第1の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされる。
なお、閉鎖予定作動時間Taは、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図32では、上述した所謂「左打ち」で遊技球を発射し続ける場合に、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCで検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、左打ちで発射された遊技球が特定入賞口65a(図29参照)を通過すると、1個の遊技球P1が第2センサS2の内側に停留する可能性があり、その他の遊技球(遊技球P2等)は、センサSに検出される。
第2センサS2の内側に停留した遊技球は、可動演出部材3360が起立状態へ状態変化することに伴い、第2センサS2を通過し、V入賞センサVCに検出される(図31(c)参照)。このように、本実施形態によれば、移動上蓋部材332を短時間開放すること等により遊技球の特定入賞口65aへの入球タイミングを制限することをしなくても、V入賞センサVCを遊技球P1が通過可能となるタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Taの経過後に限定することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVCへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
即ち、第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される(第2センサS2を通過した遊技球のみが、V入賞センサVCを通過し得る)場合に、ラウンド遊技R開始時に移動上蓋部材332を短時間開放させる制御をせずとも、V入賞センサVCへの誤入賞を防止することができる。
具体的には、規制弁VBが第2センサS2の下流、且つV入賞センサVCの上流である位置に配設される。規制弁VBは、第1の作動パターンでは、閉鎖予定作動時間Taの経過直後に、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCを通過するのに要する時間(本実施形態では0.5秒間)だけ閉鎖予定作動時間Taを越えた時間である必要通過時間にかけて1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後から開状態で維持され、その必要通過時間が経過することに伴い閉状態へ状態変化される。
これにより、本実施形態において、V入賞センサVCを遊技球が通過する状況を、閉鎖予定作動時間Taの経過時に可動演出部材3360が傾倒状態とされ遊技球が第2センサS2を越えて流下する場合に限定することができる。即ち、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作しない場合(例えば、第1の作動時間T1(最大30秒)の経過または規定個数(本実施形態では10個)の遊技球の入賞が生じるまで、移動上蓋部材332が閉状態に変化しない場合)には、V入賞センサVCを遊技球が通過しないように構成することができる。なお、この場合は、上述の配置(図31(a)参照)に比較して、第2センサS2とV入賞センサVCとの間の間隔を広げられ、規制弁VBが閉状態の時にはV入賞センサVCを逸れて別流路を球が流下可能に構成されることが望ましい。
本実施形態では、大当たり中に、V入賞センサVCを遊技球が通過したことが検出されると、その大当たり遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の確変状態に移行される。即ち、本実施形態において、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作することを、大当たり遊技の終了後に遊技状態が特別図柄の確変状態に移行する一つの条件とすることができる。
なお、第2センサS2とV入賞センサVCとの間隔を球の直径未満とする構成(図31(a)参照)においても、V入賞センサVCの有効期間を、ラウンド遊技R中(大当たり遊技中において、ラウンド間インターバルを除く期間)とすることで、上述と同様の効果を奏することができる。即ち、第1の作動パターンでソレノイド2333が駆動される場合には、ラウンド遊技R中(図32において規制弁VBが開状態の間)に球がV入賞センサVCに検出され得る一方で、第1の作動パターンで移動上蓋部材332が動作せず、長開放する場合(例えば、第1の作動時間T1(最大30秒)の経過または規定個数(本実施形態では10個)の遊技球の入賞が生じるまで、移動上蓋部材332が閉状態に変化しない場合)には、球がV入賞センサVCに検出されるタイミングはラウンド間インターバル期間となる。従って、ソレノイド2333が第1の作動パターンで駆動されることを、V入賞センサVCに有効期間中に球が検出されるための一つの条件として設定することができる。
なお、本実施形態では、第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される構成となっているので、遊技者が所謂「右打ち」で遊技球を発射し続けると、遊技球が第2センサS2を通過する可能性およびV入賞センサVCを通過する可能性が極端に低くなる(所謂「パンク」の発生可能性が高くなる)。
そのため、本実施形態では、V入賞センサVCを遊技球が通過可能に制御されるラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して「左打ち」で遊技球を発射することを促す報知(上述した左打ちナビ)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者が気づかずにV入賞センサVCへの入賞の機会を逃すことを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本実施形態では、ラウンド遊技Rにおいて第2センサS2で遊技球が検出され得るよう、ラウンド遊技R中に移動上蓋部材332を開閉する制御をしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1の作動時間T1において移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されるよう制御しても良い。この場合、遊技球がV入賞センサVCに検出されるタイミングは、ラウンド間第1インターバル時間Int1に限定される。
また、本実施形態では、遊技球P1が第2センサS2の内側に停留した後で特定入賞口65aを通過する遊技球は専らセンサSで検出される。図31(a)から図31(c)に示すように、第2センサS2の方が、センサSよりも可動演出部材3360に近接する側に配置されるので、特定入賞口65a(図15参照)の正面側に配置された遊技球が第2センサS2に検出されるまでに要する期間に比較して、特定入賞口65aの正面側に配置された遊技球がセンサSに検出されるまでに要する期間の方が、長くなる。
従って、左打ちで遊技球を発射し続けることで、右打ちで発射する場合に比較して、1球目の遊技球が第2センサS2に検出される場合に代表されるように、賞球の払い出しタイミングを早くできる。一方、規定個数目(本実施形態では、10球目)の遊技球を検出するセンサを高い確率でセンサSに限定することができるので、規定個数目の遊技球が特定入賞口65aに入球してから実際に検出されるまでの期間を長く確保することができる。
即ち、ラウンド遊技Rの初めの内は、遊技球の検出を早く行うことで、払い出し開始のタイミングを早くしつつ、ラウンド遊技Rの終盤では、遊技球の検出を遅らせることで、オーバー入賞を若干発生し易くすることができる。
なお、上述のV入賞センサVCの位置に、第2センサS2を配置しても良い。即ち、第2センサS2を第2規制部3374の後方に配置するようにしても良い。この場合、ラウンド遊技Rの終了によりソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、可動演出部材3360が起立状態となると、第2センサS2の正面側に停留していた遊技球(未だ第2センサS2に検出されていない遊技球)が第2センサS2に検出されることになる。そのため、第2センサS2が遊技球を検出する度に賞球を払い出すように制御する場合、ラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aへの規定個数の入球が検出され移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされた後で、第2センサS2の正面側に停留していた遊技球が検出されることになるので、各ラウンド遊技Rの終了後に、高頻度でオーバー入賞が生じることになる。
なお、この場合に、オーバー入賞の発生を抑制したい場合は、第2センサS2を単なる入球口として採用し、第2センサS2を通過しても賞球は払い出されず、ラウンド遊技Rに係る規定個数がセンサSのみで検出されるようにしても良い。一方で、この場合は、移動上蓋部材332を通過した個数と、入賞個数とが一致しないことになるので、遊技者が遊技球の発射を停止するタイミングを計り難くなる可能性がある。
また、別のリンク機構を用いて、可動演出部材2360が閉鎖予定作動時間Taの経過後においては、起立状態を維持するように構成しても良い。この場合、ラウンド遊技Rの終了後に、第2規制部3374により止められていた遊技球が第2センサS2に検出されることにより高頻度でオーバー入賞が生じることを防止することができるので、第2センサS2を賞球のある検出センサとして採用することができる。これにより、移動上蓋部材332を通過した個数と、入賞個数とが一致するので、遊技者が遊技球の発射を停止するタイミングを計り易くすることができる。
本実施形態では、上述したように第2センサS2が特定入賞口65a(図29参照)の左端部に配置されるので、移動上蓋部材332の上面の傾斜に沿って上面を転動し、左方への速度成分を有して流下する遊技球の方が、移動上蓋部材332の上面に乗らずに落下する遊技球に比較して、第2センサS2へ向かいやすくすることができる(第3経路D3で流下し易くすることができる)。即ち、大当たり遊技においてラウンド間第1インターバル時間Int1に移動上蓋部材332に到達した遊技球の方が、ラウンド遊技Rの間に移動上蓋部材332の正面側に到達した遊技球に比較して第2センサS2へ向かいやすくなる。
従って、ラウンド間第1インターバル時間Int1の間も遊技球を発射し続けた方が、第2センサS2を遊技球が通過し易く、V入賞センサVCを遊技球が通過し易くなる。これにより、V入賞センサVCを遊技球が通過することの利益を得る目的から、遊技者がインターバル間打ち止め(即ち、ラウンド間第1インターバル時間Int1に発射を止めること等)を行うことを抑制することができる。
図33を参照して、第3実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係について説明する。図33は、第3実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
図33に示すように、第1当たり種別選択テーブル202b(図14(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
なお、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合の第1当たり種別カウンタC4の値と対応付けられて規定されている大当たり種別の一部は、第1実施形態で説明したものと同一なので説明を省略し、以下では、本実施形態において新たに規定される大当たり種別について説明する。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜19」の範囲には、大当たりDが対応付けられて規定されている(図33の202b21参照)。
大当たりDとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「20〜49」の範囲には、大当たりEが対応付けられて規定されている(図33の202b22参照)。
大当たりEとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりFが対応付けられて規定されている(図33の202b23参照)。
大当たりFとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約600個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で10ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
本実施形態によれば、特別図柄1の抽選に基づく大当たりでは、常に第1の作動パターンで1ラウンド目のラウンド遊技Rが実行されるので、左打ちで大当たり遊技を行うことによって、V入賞センサVCへ遊技球を入球させることができる。従って、第1当たり種別カウンタC4の値に関わらず、大当たり遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態とし易くすることができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜79」の範囲には、大当たりdが対応付けられて規定されている(図33の202b24参照)。
大当たりdとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が移動上蓋部材332及び可動演出部材3360の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「80〜89」の範囲には、第1実施形態で上述した通り、大当たりbが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「90〜99」の範囲には、第1実施形態で上述した通り、大当たりcが対応付けられて規定されている(図14(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約1200個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、8割の確率で大当たりd(最大の払い出し、且つ、第1の作動パターンで1ラウンド目のラウンド遊技Rが実行される大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
一方、2割の確率で大当たりb又は大当たりcとなり、この場合、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から閉鎖予定作動時間Ta(図32参照)の経過することによって移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)とする制御が行われないので、遊技球がS2を通過するタイミングが遅くなり、大当たり遊技の終了後の遊技状態が特別図柄の低確率状態となる危険性が生じることになる。
そのため、大当たりdなのか、大当たりb又は大当たりcなのかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化するので、特別図柄2の抽選で選択される大当たりがどの大当たりとなるかに対する注目力を向上することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、移動上蓋部材332と連動する可動演出部材3360により、特定入賞口65aを通過した遊技球の経路を切り替えることができる。この場合、可動演出部材3360により、特定入賞口65aの下流に配置されるV入賞センサVCを遊技球が通過するか否かを切り替えることができる。
可動演出部材3360は、傾倒状態において遊技球を停留させるが、この場合において、遊技球から可動演出部材3360へ与えられる負荷が、可動演出部材3360の傾倒状態を維持する方向へ向けられる。一方で、可動演出部材3360が意図的に状態を変化する場合には、可動演出部材3360は遊技球から離反する方向へ移動する。この場合、可動演出部材3360を傾倒状態に維持するのに必要な負荷を低減することができると共に、可動演出部材3360を意図的に状態変化させる場合に必要な負荷も低減することができる。
本実施形態によれば、特定入賞口65aの内部に配置される第2センサS2を遊技球が通過するタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Ta経過後に限定することができる。この場合、特定入賞口65aの開閉板である移動上蓋部材332を短時間開放する不自然な動作制御をしなくとも、容易にV確変アタッカーを構成することができる。
本実施形態によれば、特定入賞口65aへの遊技球の発射態様により、遊技者が得られる利益が変化する場合には、適した打ち方(例えば、左打ち又は右打ち)で遊技球を発射することを促す報知がされる。この場合、遊技者に不利益が生じることを防止することができる。ここで、遊技者が得られる利益が変化する場合には、例えば、V入賞センサVCへの入賞の機会を得られるか否かが変化する場合が例示される。
次いで、図34から図49を参照して、第4実施形態について説明する。第2実施形態および第3実施形態では、移動上蓋部材332と可動演出部材2360,3360とが常時連動する場合を説明したが、第4実施形態における盤面下部ユニット4300は、移動上蓋部材4332の動作に対して、可動演出部材4360が連動する場合と、動作せずに姿勢を維持する場合とが切り替え可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図34は、第4実施形態における可変入賞装置4330の下方から見上げた視線における正面斜視図である。可変入賞装置4330は、第2実施形態および第3実施形態との比較において、第2センサS2が、V入賞センサVCと同じ位置(延設床部2331eの背面側)で重ねられて左右両側に配置されること、移動上蓋部材4332の形状が異なること、切替装置4400を備えること及び可動演出部材4360の形状が切替装置4400に合わせられていることが、主に異なる。まず、移動上蓋部材4332の形状について説明する。
図35は、移動上蓋部材4332の下方から見上げた視線における正面斜視図であり、図36(a)は、移動上蓋部材4332の正面図であり、図36(b)は、図36(a)のXXXVIb−XXXVIb線における移動上蓋部材4332の断面図である。なお、図36(a)では、理解を容易とするために、組立状態(図1参照)における配置で、第1入賞口64、第2入賞口640、本体板部321及び光照射装置311bの外形が想像線で図示される。
図35及び図36に示すように、移動上蓋部材4332は、第2実施形態および第3実施形態で上述した移動上蓋部材332の構成に加え、板状部332a1から下方に突設される左右一対の第1突設部4332eと、その第1突設部4332eよりも後方かつ左右外側において板状部332a1から下方に突設される左右一対の第2突設部4332fと、を主に備える。
図35及び図36(b)では、基準線RefLが図示される。基準線RefLは、移動上蓋部材4332が退避状態(図22参照)とされた場合における第2センサS2の前面を含む平面の位置を示す直線として想像線で図示される。即ち、移動上蓋部材4332の退避状態において、移動上蓋部材4332の第1突設部4332eは第2センサS2の前面を含む平面の前側に配置される一方、第2突設部4332fは第2センサS2の前面を含む平面の後ろ側に配置される。一方、移動上蓋部材4332が張出状態(図25参照)になると、第2突設部4332fは第2センサS2を前方へ越えて、第2センサS2の前面を含む平面の前側に配置される。
第1突設部4332eは、組立状態において光照射装置311bの左右端部付近よりも左右外方で突設される部分であって、下面は、左右外側へ上昇傾斜する傾斜面として形成され、正面側端面は、正面側へ向かうほど上昇傾斜し板状部332a1と滑らかに接続する傾斜面として形成される。そのため、第1突設部4332eに衝突した遊技球は、正面側端面と衝突しても正面側に跳ね返ることが抑制され、左右外側向きに跳ね返る。
なお、第1突設部4332eの形成箇所を、遊技球の落下が生じる箇所に選択的に集中させている。即ち、遊技球の跳ね返りが生じ難い箇所には敢えて形成しないようにしている。これにより、第1突設部4332eを追加することによる材料コストを最小限に抑えることができる。
第2突設部4332fは、組立状態において光照射装置311bの左右端部付近よりも左右外方で突設される部分であって、下面は、左右内側へ上昇傾斜する傾斜面として形成され、正面側端面は、正面側へ向かうほど上昇傾斜し板状部332a1と滑らかに接続する傾斜面として形成される。そのため、第2突設部4332fに衝突した遊技球は、正面側端面と衝突しても正面側に跳ね返ることが抑制され、左右内側向きに跳ね返る。
なお、第2突設部4332fの左右方向の傾斜角度は、板状部332a1の傾斜角度よりも大きな角度で設定される。そのため、板状部332a1の下面に遊技球が衝突する場合に比較して、第2突設部4332fの下面に遊技球が衝突する場合の方が、センサS側へ遊技球を向かわせ易くすることができる。
なお、第2突設部4332fの形成箇所を、遊技球の落下が生じる箇所に選択的に集中させている。即ち、遊技球の跳ね返りが生じ難い箇所には敢えて形成しないようにしている。これにより、第2突設部4332fを追加することによる材料コストを最小限に抑えることができる。
図37(a)及び図37(b)を参照して、可動演出部材4360の上面に落下した遊技球の流下態様について説明する。図37(a)及び図37(b)は、図20(b)のXXI−XXI線に対応する線における可変入賞装置4330の断面図である。なお、図37(a)では、移動上蓋部材4332の退避状態および可動演出部材4360の傾倒状態が図示され、図37(b)では、移動上蓋部材4332の張出状態および可動演出部材4360の起立状態が図示される。
図37(a)では、張出状態の移動上蓋部材4332の上面を転動していた遊技球が、移動上蓋部材4332が退避状態へ向けて動作することにより落下した後の流下態様の一例が想像線で図示され、図37(b)では、張出状態の移動上蓋部材4332の上面を遊技球が転動している時に、移動上蓋部材4332が短時間(0.2秒間)開放され、移動上蓋部材4332が退避状態へ向けて動作することによりその遊技球が落下し、その直後に移動上蓋部材4332が閉鎖された場合における遊技球の流下態様の一例が図示される。
図37(a)及び図37(b)に示すように、遊技球が可動演出部材4360の上面で跳ねた後、その遊技球の少なくとも一部が異形貫通孔331aの下底面よりも上方に配置される第1突設部4332e又は第2突設部4332fに衝突できるように、可動演出部材4360の配置や材質(主に反発係数)が設定される。
これにより、移動上蓋部材4332から落下した遊技球の動きを激しくすることができるので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
また、跳ね返らずに遊技球が流下する場合に比較して、遊技球が移動上蓋部材4332から落下してからセンサS又は第2センサS2を通過するまでに要する時間を長くすることができるので、所謂オーバー入賞を生じやすくすることができる。
図37(a)に示すように、移動上蓋部材4332が退避状態で維持されている時に可動演出部材4360で跳ねた遊技球が移動上蓋部材4332に衝突する場合、遊技球は第1突設部4332eに衝突する。そのため、遊技球は、左右外側かつ下方向を指す矢印ODに沿う負荷を与えられることになり、左右外側かつ下方向に跳ね返る。
従って、この場合は、特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球が第2センサS2を通過する可能性を高くすることができる。
図37(b)に示すように、上述のように、遊技球が跳ね返った後に最上昇位置に配置されるまでに要する時間は0.4秒間であることから、移動上蓋部材4332が退避状態から短時間(0.2秒間)で張出状態に復帰すると、可動演出部材4360で跳ねた遊技球が移動上蓋部材4332に衝突するよりも前に、移動上蓋部材4332が張出状態となる。この場合、遊技球は第2突設部4332fに衝突する。そのため、遊技球は、左右内側かつ下方向を指す矢印IDに沿う負荷を与えられることになり、左右内側かつ下方向に跳ね返る。
従って、この場合は、特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球が第2センサS2を通過する可能性を低くし、センサSを通過する可能性を高くすることができる。
このように、本実施形態では、遊技球と衝突する箇所における移動上蓋部材4332の形状により、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される場合と、移動上蓋部材4332が短時間開放(0.2秒間)される場合とで、センサS2を遊技球が通過する可能性(割合)を変化させることができる。
なお、第1突設部4332eは、可動演出部材4360に衝突して跳ねた遊技球が張出状態の移動上蓋部材4332と衝突する点よりも前側に配置される(図37(b)参照)。即ち、移動上蓋部材4332が短時間(0.2秒間)開放された場合、移動上蓋部材4332から落下し可動演出部材4360と衝突した遊技球が跳ねて移動上蓋部材4332に衝突するよりも前に移動上蓋部材4332が張出状態とされる。これにより、遊技球が移動上蓋部材4332の第1突設部4332eに衝突することを防止することができる。
次いで、図38を参照して、本実施形態で追加される切替装置4400について説明する。図38は、切替装置4400の背面斜視図である。なお、本実施形態における以下の説明では、可動演出部材4360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図38に示すように、切替装置4400は、可動演出部材4360の右端位置に配置される伝達部2364(図18参照)の下方において、本体前部2331F(図18参照)の正面側に連結される側壁F4a及び底壁F4bの内側に配設される装置であって、回転可能に軸支される回転部材4410と、その回転部材4410と係合することで回転部材4410の姿勢を維持する姿勢維持部材4420と、回転部材4410の上方において上下移動可能に支持され、回転部材4410に押し上げられることにより上昇する上下移動部材4430とを主に備える。
回転部材4410は、側壁F4aに固定される円柱棒に回転可能に軸支される回転対称形状の本体部4411と、その本体部4411の側壁F4a側の端面と面一で軸径方向に延設される一対の延設部4412と、その延設部4412の延設端部から側壁F4a側に円柱形状でそれぞれ延設される負荷発生部4413とを主に備える。
本体部4411の周面には、周期的(本実施形態では90度周期)に同一形状で凹設される等分凹設部4411aが形成される。等分凹設部4411aは、姿勢維持部材4420の先端部の形状に合わせた形状とされる。本実施形態では、姿勢維持部材4420の先端部が半円形状とされるので、等分凹設部4411aは、姿勢維持部材4420の先端部の半円と外形が重なる半円形状とされる。
一対の延設部4412及び一対の負荷発生部4413は、回転部材4410の回転軸対称で配置される。即ち、一対の負荷発生部4413は、回転部材4410の回転に伴い同一の軌跡を辿って移動する。
姿勢維持部材4420は、コイルスプリングSP4aの付勢力で上昇方向(起き上がり方向)に付勢されており、底壁F4bに回転可能に軸支される長板状の本体部4421と、その本体部4421の回転先端側端部において回転部材4410側に半円形状で張り出す係合部4422とを主に備える。
図38に示すように、姿勢維持部材4420は、コイルスプリングSP4aの付勢力により回転部材4410の等分凹設部4411aに係合部4422が押し付けられる。このとき、係合部4422の最張出部分(円周の中間部分)の移動軌跡が、本体部4421の回転軸を中心として回転部材4410の回転軸を通過する円軌道と重なるように構成される。従って、図38に図示される状態において、コイルスプリングSP4aの付勢力は回転部材4410に回転方向の負荷を与えない。
この場合、等分凹設部4411aが係合部4422と嵌合する姿勢(図38参照、位相ずれ90度で同様に嵌合可能)において、振動等により回転部材4410が回転方向に姿勢ずれしそうになっても、係合部4422が姿勢ずれの抵抗を生じるので、回転部材4410の姿勢が維持される。即ち、原則として、図38の状態で回転部材4410の姿勢は維持される。
上下移動部材4430は、側壁F4aの内側に形成される一対の板状の案内部F4cにより移動方向が上下に規制される部材であって、前後に延びる板状部でありコイルスプリングSP4bにより下方へ付勢される本体部4431と、その本体部4431の前端部から上方へ板状に延設される被支持部4432と、その被支持部4432の延設先端から背面側へ延設される係止部4433とを主に備える。
本体部4431は、上面視で負荷発生部4413と重なる位置に配置され、その負荷発生部4413が本体部4431に近づく方向に移動することに伴い負荷発生部4413から負荷を与えられ、上昇する。
本体部4431は、組立状態における回転部材4410の軸よりも前方において、下面側から上方へ向けて凹設される凹設部4431aを備える。
凹設部4431aは、回転部材4410の負荷発生部4413が進入可能な前後幅で凹設される。凹設部4431aにより、回転部材4410の負荷発生部4413が回転軸よりも後方において本体部4431と当接する場合と、回転軸よりも前方において本体部4431と当接する場合とで、鉛直線を基準とした回転部材4410の回転角度の絶対値が同じ場合における上下移動部材4430の上下位置を、変化させることができる。これにより、上下移動部材4430に可動演出部材4360の姿勢を維持する機能を付加しているが、詳細は後述する。
被支持部4432は、一対の案内部F4cに被さる態様で前後方向に突設される被さり部4432aを備える。上下移動部材4430がコイルスプリングSP4bの付勢力で下方に押される場合、その配置の下限は、被さり部4432aと案内部F4cとが上下で当接する位置とされる。
即ち、本実施形態では、上下移動部材4430は、負荷発生部4413と当接していない時は被さり部4432aと案内部F4cとが当接する位置(下限位置)で維持される一方、負荷発生部4413に押し上げられることにより、負荷発生部4413が回転軸の真上に配置される場合の上下移動部材4430の位置(上限位置)まで上昇可能に構成される。
係止部4433は、背面側先端部から下方に突設される突設爪部4433aを備える。この突設爪部4433aは、可動演出部材4360の姿勢を起立状態で維持する目的で配設されるが、詳細は後述する。
次いで、図39及び図40を参照して、切替装置4400の動作について説明する。図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)は、切替装置4400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材4360の動作を模式的に示す切替装置4400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材4360の側面模式図である。
図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)では、回転部材4410が前転方向に半回転する様子が時系列で図示される。なお、図39(a)及び図40(c)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が前後に並んで配置される状態が図示され、図39(c)及び図40(a)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が上下に並んで配置される状態が図示される。
なお、本実施形態では、可動演出部材4360の摺動部4363は、第2伝達部材2350の延設棒状部2353と干渉しないように摺動部2363から若干形状変更されている。即ち、延設棒状部2353と対向配置される部分が、延設棒状部2353から離反する方向に削られている。
本実施形態では、第1伝達部材2340に配設され、一体的に上下動作する係合爪Naが、回転部材4410に回転方向の負荷を付与可能に構成される。なお、本実施形態では、係合爪Naは、回転部材4410の回転軸と直交する方向に延設され、回転部材4410の厚みの範囲内(回転部材4410の回転軸と直交する平面間に構成される領域内)に配設される。
係合爪Naは、下から上方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対して相対動作し、負荷を逃がすことができる(負荷の伝達が解除される)一方、上から下方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対する相対動作が不能とされ、負荷が伝達される態様で、第1伝達部材2340に軸支される。
詳述すると、係合爪Naの下側において、係合爪Naの傾倒を防止する突起が第1伝達部材2340の側面から突設される。これにより、係合爪Naは、横向きの姿勢からの傾倒方向への変位が規制され、起き上がり方向への変位が許容される。
即ち、係合爪Naは、回転部材4410を持ち上げる方向に移動する場合には回転部材4410へ向けて負荷を与えることができる一方、回転部材4410を押し下げる方向に移動する場合には、回転部材4410へ負荷をかけることができない。
従って、第1伝達部材2340が上昇動作する際(ソレノイド2333(図18参照)が駆動(励磁)される際)には、回転部材4410を回転させられる(図39(a)から図39(c)参照)一方、第1伝達部材2340が下降動作する際(ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除される際)には、回転部材4410の姿勢は維持されたままとなる(図39(c)及び図40(a)参照)。
突設爪部4433aは、可動演出部材4360が起立状態の時に上下移動部材4430が下限位置に配置されることにより(図39(a)参照)、可動演出部材4360を起立状態で維持する形状として設計される。即ち、突設爪部4433aは、被係止部4367と当接する下面が、後述する可動演出部材4360の起立状態における被係止部4367の上面の傾斜と平行な傾斜面として構成される。
可動演出部材4360は、第2実施形態における可動演出部材2360の構成に加え、伝達部2364の前側面から背面側へ向けて凹設される係止用凹設部4366と、その係止用凹設部4366の下端部を塞ぐように伝達部2364の下端部から上方へ向けて延設される被係止部4367とを備える。
係止用凹設部4366は、上下移動部材4430の移動軌跡と重ならないように凹設される。即ち、可動演出部材4360の状態を変化させずとも(起立状態のままで)、上下移動部材4430を上下動作させることができる。
被係止部4367は、突設爪部4433aと当接する上面が、左面視(図39(a)の方向視)において反時計回り方向へ向かうほど回転軸との距離が近くなる態様で傾斜する傾斜面を備える部分として形成される。そのため、上下移動部材4430の突設爪部4433aが少しでも被係止部4367に引っかかれば、上下移動部材4430から被係止部4367を介して可動演出部材4360に与えられる負荷により、可動演出部材4360を後転方向に回転させることができる。
なお、本実施形態では、コイルスプリングSP4bの付勢力を十分に大きく確保しているため、可動演出部材4360からの負荷により、上下移動部材4430が上昇することを防止することができる。
上述した構成を備える切替装置4400が、可動演出部材4360に及ぼす作用について説明する。図39(a)では、ソレノイド2333(図18参照)の駆動(励磁)が解除された状態が図示され、移動上蓋部材4332は閉状態(張出状態)とされ、第2伝達部材2350からの負荷により可動演出部材4360が起立状態とされ、加えて上下移動部材4430が下限位置に配置される。
この場合、可動演出部材4360は、第2伝達部材2350及び上下移動部材4430から2重で姿勢を維持される。即ち、第2伝達部材2350又は上下移動部材4430のいずれかが退避するだけでは可動演出部材4360は姿勢変化せず、両方が退避することで初めて傾倒状態へ向けて回転可能とされる。
図39(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図39(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図39(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との中間の位置に配置された状態が図示される。
図39(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図39(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353は可動演出部材4360の伝達部2364の上方に退避する一方、上下移動部材4430は下限位置に維持され、上下移動部材4430に係止されることにより可動演出部材4360の姿勢変化が防止される。従って、可動演出部材4360の姿勢は、起立状態に維持される。一方、移動上蓋部材4332は開状態(退避状態)へ向けて移動を開始する。
図39(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図39(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図39(c)に示す状態では、上下移動部材4430が負荷発生部4413に押し上げられる。これにより、上下移動部材4430の突設爪部4433aと、可動演出部材4360の被係止部4367との係合が解除され、可動演出部材4360は傾倒状態へ向けて回転する。
なお、本実施形態では、図39(c)に示す状態(上下移動部材4430が上下動作の上限界位置に配置された状態)で、初めて上下移動部材4430の突設爪部4433aが可動演出部材4360の被係止部4367の移動軌跡の外方に配置される。従って、上下移動部材4430が図39(c)に示す状態になってから、可動演出部材4360は傾倒動作を開始する。
このように、本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)へ向けて移動を開始した後で、可動演出部材4360が起立状態から傾倒状態へ向けて回転を開始する。即ち、移動上蓋部材4332を開状態(退避状態)へ向けて動作開始させる時には、可動演出部材4360は起立状態で維持される。
図40(a)には、図39(c)に示す状態から、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除され、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350が下降した状態が図示される。上述したように、第1伝達部材2340が下降する過程では、係合爪Naが回転部材4410を回転させることは無い。
そのため、図40(a)では、回転部材4410は図39(c)と同じ姿勢を維持する一方で、可動演出部材4360は第2伝達部材2350に押し下げられ、起立状態に状態変化している。
図40(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図40(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図40(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中の位置に配置された状態(延設棒状部2353の先端部に可動演出部材4360が傾倒動作を妨げられる状態)が図示される。
図40(b)に示すように、第1伝達部材2340が上昇すると、第2伝達部材2350が可動演出部材4360から離れる方向に移動する一方で、負荷発生部4413の上下位置が円軌跡に沿って下降することにより上下移動部材4430が下降し、可動演出部材4360の被係止部4367に近づく。
ここで、上下移動部材4430に凹設部4431aが形成されることにより、上側の負荷発生部4413及び回転部材4410の回転軸を結ぶ線と、鉛直線とのなす角度である第1回転角度が同じ場合であっても、負荷発生部4413が回転軸の後方にある場合(図39(b)参照)に比較して、負荷発生部4413が回転軸の前方にある場合(図40(b)参照)の方が、上下移動部材4430の上下位置が下げられる。
即ち、図39(a)から図39(c)の過程では係止部4433と被係止部4367との係合が解除される(係止部4433が被係止部4367の移動軌跡から外れた位置に置かれる)場合の第1回転角度の姿勢に、図40(a)から図40(c)の過程で回転部材4410がなったとしても、凹設部4431aの分だけ上下移動部材4430が下降することで、係止部4433が被係止部4367に近づくことになる。
本実施形態では、凹設部4431aの凹設深さは、上下移動部材4430の下降動作により係止部4433が被係止部4367の移動軌跡の内側に進入可能となる深さで、コイルスプリングSP4bの弾性係数は、図40(a)から図40(b)までの間において、被係止部4367が係止部4433の前方に配置されている間に係止部4433が被係止部4367の移動軌跡の内側に進入するために必要となる力を発生させるのに必要な大きさで、それぞれ設定される。
即ち、図40(b)に示すように、第2伝達部材2350が可動演出部材4360から離反する方向に移動し、可動演出部材4360が傾倒しかけた場合であっても、上下移動部材4430が下降する過程で上下移動部材4430の係止部4433が被係止部4367に引っ掛かり、負荷が与えられることで、係止部4433及び被係止部4367の傾斜の影響で可動演出部材4360が起立状態に復帰する(図40(c)参照)。
そして、図40(c)に示す状態から、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除されると、図39(a)の状態に移行する。即ち、ソレノイド2333が2回励磁(駆動)されることを1セットとして、図39(a)から図39(c)及び図40(a)から図40(c)までの1セットの動作が繰り返されることになる。
次いで、図41を参照して、本実施形態におけるソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と、移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作との関係をタイミングチャートで説明する。なお、図41の説明では、図39及び図40を適宜参照する。
図41は、本実施形態における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333及び可動演出部材4360の位置および状態の計時変化を示した図である。なお、図41では、図26(a)で説明した各時点t1〜t8が予め記載される。
図41に示すように、ソレノイド2333の励磁、非励磁の切り替えに伴い、移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360は状態変化するが、上述したように時間差が生じる。以下、順に説明する。
ソレノイド2333が第1時点t1に励磁(駆動)され始めると、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350が上昇動作を開始する一方、上下移動部材4430に係合されることで、可動演出部材4360は起立状態で維持される(図39(b)参照)。
可動演出部材4360の起立状態の維持が解除されるのは、上述した通り上下移動部材4430が上下動作の上限界位置に配置された状態となってからである。ここで、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングがソレノイド2333の励磁後、第1伝達部材2340が上端位置に配置されたタイミングと略同時点と仮定すると、鉤形部材333b及び爪部2333c(図18及び図19参照)が上端に到達する第4時点t4の直後に可動演出部材4360は傾倒状態へ向けて傾倒を開始する。
なお、上記仮定に寄らずとも、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングは、少なくとも図39(b)に示す状態(鉤形部材333b及び爪部2333cが移動範囲の中間位置に配置される状態)よりも後であることが明らかなので、可動演出部材4360が傾倒を開始するタイミングは、少なくとも、移動上蓋部材4332が開状態へ向けて移動を開始した後とされる。
即ち、可動演出部材4360は移動上蓋部材4332の動作に対応して動作するものであるが、移動上蓋部材4332が動作を開始した後で、動作を開始する。換言すれば、移動上蓋部材4332が動作を開始するタイミングを基準として、所定期間だけ後のタイミングに、可動演出部材4360は動作開始する。
なお、ソレノイド2333の励磁(駆動)を解除した場合の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作態様は、上記実施形態で説明したものと同じであるので、説明を省略する(図26(a)参照)。
図41で再度説明したことから明らかなように、可動演出部材4360及び移動上蓋部材4332はソレノイド2333の励磁(駆動)による動作と連動するが、可動演出部材4360及び移動上蓋部材4332の動作タイミングは同時ではなく、時間差がある。
そして、上述の時間差は、図41に示すように、可動演出部材4360の動作開始のタイミングを、移動上蓋部材4332の動作開始のタイミングよりも遅らせるものである。
遊技者は、前板部材2320を透して移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作態様を視認可能とされるところ、特定入賞口65a(図15参照)への遊技球の入球に直接的に作用する(退避状態か張出状態かで遊技球の入球を許容するか規制するかを切り替える)移動上蓋部材4332が退避状態(遊技球の入球を許容する状態)に変化するタイミングよりも遅れたタイミングで可動演出部材4360が傾倒状態に変化する。
そのため、移動上蓋部材4332のみが遊技者に視認される場合に比較して、可動演出部材4360が傾倒状態に変化した後のタイミングで遊技球を発射するように遊技することができるので、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となる前に遊技球を発射してしまい、遊技者にとって球損が生じることを抑制することができる。
このように、本実施形態では、可動演出部材4360の状態の切り替えを視認することで、移動上蓋部材4332を直接見なくとも、移動上蓋部材4332の状態を把握することができる。これにより、移動上蓋部材4332のみが動作する場合に比較して、移動上蓋部材4332の状態を容易に把握することができる。
ここで、従来のパチンコ機10には、特定入賞口65aへ遊技球を入球可能となるタイミングに合わせて、液晶表示や音声などで「アタッカーを狙え」等の報知を行うものがあるが、その報知のタイミングと、実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるタイミングとの時間間隔は、一般的に、機種が変われば変わるものである。そのため、報知から実際に特定入賞口65aに遊技球が入球可能となるまでのタイミングが長い場合、報知に従って遊技球を発射したにも関わらず、その遊技球が特定入賞口65aに到達するタイミングになっても特定入賞口65aは遊技球の入球を許容する状態に変化しないために、特定入賞口65aに入球できずに遊技球が通り過ぎてしまうことがあり、遊技者の不満の要因となっていた。
これに対し、本実施形態において、可動演出部材4360が傾倒状態へ向けて動作開始するタイミングを確認することにより、遊技者は、液晶演出や音声などの間接的な報知ではなく、移動上蓋部材4332の動作と一定の時間ずれで連動する部材の動作という直接的な報知として、移動上蓋部材4332が動作開始する前から移動上蓋部材4332が動作開始するタイミングを把握することができる。そのため、遊技者は、特定入賞口65aが遊技球の入球を許容するタイミングの確信をもって、特定入賞口65aへ向けて迷いなく遊技球の発射を開始することができる。
また、移動上蓋部材4332が動作開始する前から移動上蓋部材4332が動作開始するタイミングを把握することで、移動上蓋部材4332の動作を確認してから遊技球を打ち出す場合に比較して、遊技球の発射のタイミングを早めることができる。これにより、移動上蓋部材4332が実際に遊技球の通過を許容する状態に変化してから遊技球が特定入賞口65aを通過するまでの期間を短縮することができる。従って、大当たり遊技が間延びすることを防止することができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図42を参照して説明する。図42は、第2の作動パターンにおける移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第2センサS2に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図42では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材4332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第2の作動パターンに基づいて移動上蓋部材4332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、ソレノイド2333の駆動(励磁)態様自体は、第1の作動パターンと第2の作動パターンとで違いは無い。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材4332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材4332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされる。
なお、閉鎖予定作動時間Taは、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
第2の作動パターンでは、閉鎖予定作動時間Taにおいて可動演出部材4360は傾倒状態とされ、閉鎖予定作動時間Taの経過後において可動演出部材4360は起立状態とされる。そのため、閉鎖予定作動時間Taでのみ、遊技球がV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331eに乗ることが可能となる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図42では、上述した所謂「左打ち」で遊技球を発射し続ける場合に、センサS及びセンサS2で検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、可動演出部材4360が傾倒状態を維持する閉鎖予定作動時間Taに遊技球が特定入賞口65a(図29参照)を通過すると、第2センサS2に遊技球が検出される可能性があり、その他の遊技球は、センサSに検出される。
このように、本実施形態によれば、第2センサS2を遊技球が通過可能となるタイミングを、ラウンド遊技Rの開始時から閉鎖予定作動時間Taの経過前に限定することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVC(図34参照)への遊技球の入球タイミングを、単一の駆動源(ソレノイド2333)によって制限することができる。
なお、本実施形態で第2センサS2の下流にV入賞センサVCが配置される構成とした場合、第2センサS2は左右一対で配置されることから、遊技者が所謂「右打ち」で遊技球を発射し続けたとしても、遊技球が第2センサS2を通過する可能性およびV入賞センサVCを通過する可能性を高く維持することができる。
そのため、本実施形態では、V入賞センサVCを遊技球が通過可能に制御されるラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して左打ち又は右打ちで継続して遊技球を発射することを促す報知が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者が遊技球を打ち出さなかったことによりV入賞センサVCへの入賞の機会を逃すことを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材4332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材4332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の他の一例について、図43及び図44を参照して説明する。図43は、第2の作動パターンの別例1における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図であり、図44は、第2の作動パターンの別例2における移動上蓋部材4332、ソレノイド2333、可動演出部材4360、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCの図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。
なお、図43及び図44では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材4332及び可動演出部材4360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
図43を参照して、第2の作動パターンの別例1の概要を説明する。第2の作動パターンの別例1は、第2の作動パターンに比較して、移動上蓋部材4332の動作に対する可動演出部材4360が傾倒状態となるタイミング(移動上蓋部材4332の何回目の動作に合わせたタイミングとなるか)が変化する。即ち、一回目の移動上蓋部材4332の開状態(退避状態)へ向けたスライド動作時には、可動演出部材4360は起立状態を維持し、二回目の移動上蓋部材4332の開状態(退避状態)へ向けたスライド動作に伴い、可動演出部材4360は傾倒状態に変化する。以下、第2の作動パターンの別例1の適用例について詳細に説明する。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において小当たりを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)小当たり遊技の制御を開始する。以下、小当たり遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材4332の作動制御について説明する。
小当たり遊技は、特定入賞口65aに遊技球が入球する可能性が極めて低く、賞球の払い出しを実質的に伴わない遊技状態である。
所定の小当たり遊技の場合には、第2の作動パターンの別例1に基づいて移動上蓋部材4332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、説明が重複する部分については、一部説明を省略することがある。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、小当たり遊技を開始する。
第2の作動パターンの別例1では、短開放作動時間Ts(約1.8秒)の間に、移動上蓋部材4332が2回開閉動作する。1回目に開状態(退避状態)が維持される第1短開放時間Ts1において可動演出部材4360は起立状態とされ、第1短開放時間Ts1の終了時から閉鎖時間Tsc(0.2秒間)が経過して移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)へ向けてスライド動作した後、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される第2短開放時間Ts2の間、可動演出部材4360は傾倒状態とされる。
そのため、第1短開放時間Ts1においては、遊技球はV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331e(図34参照)に乗ることはできず、第1短開放時間Ts1及び閉鎖時間Tscの経過後に、初めて、遊技球はV入賞センサVCの正面側に配置される延設床部2331eに乗ることが可能となる。
なお、本別例1では、第1短開放時間Ts1は、0.5秒間で設定され、第2短開放時間Ts2は、1.0秒間で設定される。
そして、小当たり終了条件(短開放作動時間Tsの経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材4332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、小当たり遊技が終了する。なお、実質的には、短開放作動時間Tsの間に規定個数の遊技球が入賞することは不可能なので、短開放作動時間Ts(約1.8秒間)の経過により小当たり遊技が終了する。
図43では、遊技球を特定入賞口65aへ狙って発射し続ける場合に、センサS、第2センサS2及びV入賞センサVCで検出される遊技球の通過態様の一例が図示される。即ち、本実施形態では、上述の実施形態と同様に、可動演出部材4360が傾倒状態とされる場合において特定入賞口65a(図34参照)を通過した遊技球は、センサS又は第2センサS2に振り分けられる。
一方、可動演出部材4360が起立状態とされる場合(第1短開放時間Ts1の間)において特定入賞口65aの正面側に到達した遊技球は、専ら、経路C2aで流下することになる。従って、第1短開放時間Ts1の間に第2センサS2及びV入賞センサVCに遊技球が検出されることを防止することができる。
図44を参照して、第2の作動パターンの別例2の概要を説明する。第2の作動パターンの別例2は、第2の作動パターンの別例1に比較して、第3短開放時間Ts3(0.2秒間)が第2短開放時間Ts2の代わりに設定されることのみが異なる。
即ち、遊技球が唯一、第2センサS2へ入球可能となる移動上蓋部材4332の2回目の開放が、短開放動作となる。この場合、移動上蓋部材332の開放時に遊技球が落下し、可動演出部材4360に衝突したとしても、上述したように、遊技球は、移動上蓋部材4332の第2突設部4332f(図35参照)と衝突することにより左右内側(第2センサS2から離反する側)へ向けて跳ね返る。従って、遊技球が第2センサS2を通過することを防止し易くすることができる。
このように、第2の作動パターンの別例1及び別例2によれば、第2センサS2を遊技球が通過可能となるタイミングを、第1短開放時間Ts1の経過後に再び移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となってから小当たり遊技の終了時までに限定することができ、加えて、第2の作動パターンの別例2によれば、移動上蓋部材4332の開放動作を短開放動作とすることで、第2センサS2を遊技球が通過することを防止し易くすることができる。そのため、第2の作動パターンの別例1で移動上蓋部材4332を動作させるか、第2の作動パターンの別例2で移動上蓋部材4332を動作させるかによって、ソレノイド2333のみを駆動源として、遊技者が得られる利益を異ならせることができる。
これにより、例えば、Vアタッカー(所謂「1種2種混合機」において、V入賞センサVCが遊技球の通過により大当たりが発生するように設定されるものにおいて、そのV入賞センサVCを備えるアタッカー)を備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサVCへの誤入賞を防ぐための規制弁VBを省略することができ、その規制弁VBの駆動装置を不要とすることができる。即ち、可動演出部材4360に規制弁VBの機能を持たせ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCをほぼ通過するように構成することで、規制弁VBの駆動装置を省略することができるので、駆動装置の配置スペースや、部材費用を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、可動演出部材4360が傾倒開始するタイミングが移動上蓋部材4332の移動開始タイミングよりも遅く設定されるので(図41参照)、第3短開放時間Ts3でソレノイド2333が励磁(駆動)される場合に、可動演出部材4360が傾倒状態となる前に可動演出部材4360を起立状態へ復帰させる制御を行うことが可能となる。この場合、可動演出部材4360を実質的に起立状態で維持したままとすることができ、移動上蓋部材4332を通過した遊技球が可動演出部材4360の正面側を流下するように構成することができるので、第3短開放時間Ts3で移動上蓋部材4332を通過した遊技球が第2センサS2を通過することを防止することができる。この場合、可動演出部材4360に規制弁VBの機能を持たせ、第2センサS2を通過した遊技球がV入賞センサVCをほぼ通過するように構成することで、規制弁VBの駆動装置を省略することができるので、駆動装置の配置スペースや、部材費用を抑えることができる。
本実施形態における制御態様の一例について説明する。なお、ここで説明する制御態様の一例では、大当たりを獲得する契機は、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなった場合と、所定のV入賞センサVCを遊技球が通過した場合とで構成される。
図45は、遊技盤13の正面図である。本実施形態における遊技盤13では、第1実施形態で説明した構成に加え、第2特定入賞口650aが盤面上部に配置される。この第2特定入賞口650aは、第1実施形態における特定入賞口65の代わりに配設される大入賞口であり、その代わり、図45から図49の説明においては、特定入賞口65aは小当たり遊技において開閉する。
図45に示すように、本実施形態では、特定入賞口65aの上端部付近に入球監視センサS0が左右一対で配設される。入球監視センサS0は、球の通過を検出可能なセンサであって、移動上蓋部材4332(図34参照)の下流側かつ可動演出部材4360の上流側(図34参照)に配設される。即ち、可動演出部材4360の移動軌跡(円弧軌道の移動軌跡)の上方であって、移動上蓋部材4332の下方である位置に配設される。
入球監視センサS0は、本実施形態では、移動上蓋部材4332の正面側を下方へ通過した球の少なくとも一部を検出可能に構成され、賞球の払い出しに用いられるセンサとしてではなく、第3図柄表示装置81で行われる表示演出の切り替えのトリガに利用される。例えば、球の通過が入球監視センサS0に検出されたことに起因して、第3図柄表示装置81に「チャンス!」や「球ゲット」等の、遊技者の興趣を向上させる演出を実行するように構成される。
第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第2特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第2特定入賞口650aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その第2特定入賞口650aが所定時間開放される。この第2特定入賞口650aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、第2特定入賞口650aに遊技球が1個入球することにより15個の賞球が払い出されるように制御される。
第2特定入賞口650aを開閉する開閉板は左右方向に沿う軸を中心に回転可能に構成され、第2特定入賞口650aを閉鎖する起立状態(閉状態)と、その起立状態から回転して、第2特定入賞口650aを開放する傾倒状態(開状態)とで状態変化可能に構成される。
次に、図46を参照して、本実施形態の主制御装置110(図4参照)におけるROM202の内容について説明する。図46は、主制御装置110におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。
本制御例におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202(図14参照)に加え、小当たり種別選択テーブル202eを少なくとも有している。この小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64または第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。
図47を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図47(a)から図47(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。
第1当たり乱数テーブル202aは、図47(a)に示す通り、第1入賞口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図47(b)に示す通り、第1入賞口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1〜3」であるか判別されて、「1〜3」であれば小当たりであると判別される。その他、「4〜319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図47(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「1〜318」であるか判別されて、「1〜318」であれば小当たりであると判別される。その他、「319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC3は、0〜319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は3であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「3/320」となる。
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は318であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「318/320」となる。
なお、上述の各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
本実施形態における電動役物640aは、時短中の場合は5秒間又は0.5秒間開放されるが、時短中でない場合は0.2秒間しか開放されない。よって、時短中でない場合に第2当たり乱数カウンタC5の値が当たりとなったとしても、第2入賞口640へと遊技球を入賞させることが困難となされる。これにより、時短中でない(時短有りの大当たりを現出させていない)にも関わらず、第2入賞口640へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
図48は、第1当たり種別選択テーブル202bの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202b(図48参照)は、上述と同様に、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜49」の範囲には、大当たりGが対応付けられて規定されている(図48の202b41参照)。
大当たりGとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりHが対応付けられて規定されている(図48の202b42参照)。
大当たりHとなった場合は、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、通常状態となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができるが、大当たり遊技終了後の時短状態の利益を得ることはできない。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、50%の確率で大当たり遊技の終了後の遊技状態を時短状態とすることができる。時短中は、後述する小当たり遊技により、更なる大当たりの獲得を目指すことになる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜99」の範囲(全範囲)には、上述の大当たりGが対応付けられて規定されている(図48の202b43参照)。
即ち、16ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄の変動が100回消化されるまで、時短状態(100回)となる。この場合、遊技者は、約2400個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、10割の確率で大当たりG(時短100回の大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に比較して、大当たり遊技終了後に短時間で次の大当たりを獲得する可能性が上昇する。
上述した通り、特別図柄の時短中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(5秒間または0.5秒間)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。そして、特別図柄2の抽選で大当たりとなると、その大当たり終了後は時短状態となるので、更に特別図柄2の抽選による大当たりを獲得し易くなる。
従って、一旦特別図柄の時短状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりGとなりやすい特別図柄の時短状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の時短状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図49を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図49(a)から図49(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図49(a)参照)。
図49(b)に示すように、第1入賞口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC6の値が、「0〜1」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「2〜99」の場合は小当たりB(V通過不可能)が選択される。
一方、図49(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC6の値が、「0〜9」の場合は小当たりA(V通過可能)が選択され、「10〜99」の場合は小当たりB(V通過不可能)が選択される。
本実施形態では、小当たり種別に応じて、ソレノイド2333(図43参照)の動作が設定される。具体的には、小当たりAによる小当たり遊技では、第2の作動パターンの別例1(図43参照)でソレノイド2333が駆動され、小当たりBによる小当たり遊技では、第2の作動パターンの別例2(図44参照)でソレノイド2333が駆動される。
即ち、小当たりAは、その後V入賞センサVC(図43参照)を遊技球が通過することで大当たりが高い確率で付与される小当たりであり、小当たりBは高い確率で大当たりが付与されない小当たりである。
また、本制御例では、小当たりAの後に付与される大当たりは大当たりG(16R時短有大当たり)となるように構成されている。
なお、本実施形態では、小当たりの種別に応じて、その後付与される大当たりの種別が定められているが、それ以外の仕様として、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合であっても、大当たり選択テーブルによって大当たりの種別を決定(大当たりの権利のみ獲得)しておき、その後の小当たり遊技においてV入賞センサVCを遊技球が通過することで先ほど権利を獲得した大当たりを実行するようにしてもよい。このようにすることで、V入賞センサVCを通過させる小当たりを遊技者が選択可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)で維持される場合と、移動上蓋部材4332が短時間開放(0.2秒間開放)される場合とで、遊技球が流下し易い経路が変更される。この場合、特定入賞口65aを通過した遊技球が特定のセンサ(第2センサS2及びV入賞センサVC)に検出される可能性(割合)を、専用の駆動装置を備えることなく変化させることができる。
特に、特定入賞口65aが短時間開放した際に特定入賞口65aに入賞した遊技球が選択的に第2センサS2及びV入賞センサVCへ向かい難く構成することにより、特定の開放パターンの小当たり遊技の際に特定入賞口65aに入賞した遊技球が第2センサS2及びV入賞センサVCを通過することを選択的に防止し易くすることができる。
本実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)となった時に、可動演出部材4360が傾倒状態となる場合と、起立状態となる場合とを、個別の駆動装置無く切り替えることができる。この場合、製品コストを低減しながら、可動演出部材4360を用いた演出の自由度を向上させることができる。
次いで、図50から図53を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態および第3実施形態では、移動上蓋部材332と可動演出部材2360,3360とが常時連動し、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が起立状態となる場合を説明したが、第5実施形態における盤面下部ユニット5300は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態へ変化する場合と、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに伴い可動演出部材2360が傾倒状態のまま姿勢を維持する場合とが切り替え可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図50を参照して、本実施形態で追加される切替装置5400について説明する。図50は、第5実施形態における切替装置5400の背面斜視図である。なお、本実施形態における以下の説明では、可動演出部材2360を駆動させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
図50に示すように、切替装置5400は、可動演出部材2360の右端位置に配置される伝達部2364(図18参照)の下方において、本体前部2331F(図18参照)の正面側に連結される側壁F4a及び底壁F4bの内側に配設される装置であって、第4実施形態で上述した回転部材4410及び姿勢維持部材4420に加え、回転部材4410の背面側において回転可能に支持され、回転部材4410の負荷発生部4413から押されることで姿勢変化する下面上昇部材5440を備える。
下面上昇部材5440は、コイルスプリングSP5aの付勢力で退避位置(図51(a)参照)まで後回転される一方、負荷発生部4413から与えられる負荷により張出位置(図51(c)参照)まで前回転可能とされる部材であって、回転軸よりも正面側に配置され負荷発生部4413から押圧される被押圧部5441と、回転軸を挟んで被押圧部5441の反対側に配置され、張出位置において第1伝達部材2340(図18及び図19参照)の下面と当接可能とされる当接部5442と、を主に備える。
下面上昇部材5440は、負荷発生部4413が移動する平面上に配置され、その負荷発生部4413が被押圧部5441に近づく方向に移動することに伴い負荷発生部4413から負荷を与えられ、コイルスプリングSP5aの付勢力に対抗して前回転する。
当接部5442は、側壁F4aから左右方向に突設される規制部F5dと当接することにより、後回転時に退避位置で停止する。
即ち、本実施形態では、下面上昇部材5440は、負荷発生部4413と当接していない時は当接部5442と規制部F5dとが当接する位置(退避位置)で維持される一方、負荷発生部4413に押圧されることにより、当接部5442が第1伝達部材2340(図18及び図19参照)の真下に配置される場合の位置(張出位置)まで前回転可能に構成される。
次いで、図51及び図52を参照して、切替装置5400の動作について説明する。図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)は、切替装置5400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材2360の動作を模式的に示す切替装置5400、第1伝達部材2340、第2伝達部材2350及び可動演出部材2360の側面模式図である。
図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)では、回転部材4410が前転方向に半回転する様子が時系列で図示される。なお、図51(a)及び図52(c)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が前後に並んで配置される状態が図示され、図51(c)及び図52(a)では、回転部材4410の一対の負荷発生部4413が上下に並んで配置される状態が図示される。
本実施形態では、上述の実施形態と同様に、第1伝達部材2340に配設され、一体的に上下動作する係合爪Naが、回転部材4410に回転方向の負荷を付与可能に構成される。係合爪Naは、上述の実施形態と同様に、回転部材4410を持ち上げる方向に移動する場合には回転部材4410へ向けて負荷を与えることができる一方、回転部材4410を押し下げる方向に移動する場合には、回転部材4410へ負荷をかけることができない。
なお、本実施形態では、係合爪Naは、回転部材4410の回転軸と直交する方向に延設され、回転部材4410の厚みの範囲内(回転部材4410の回転軸と直交する平面間に構成される領域内)に配設される。また、上述の実施形態で説明した係合爪Naに比較して、第1伝達部材2340に対して相対的に下方に配置される。
係合爪Naは、下から上方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対して相対動作し、負荷を逃がすことができる(負荷の伝達が解除される)一方、上から下方へ向けて負荷がかけられた場合には第1伝達部材2340に対する相対動作が不能とされ、負荷が伝達される態様で、第1伝達部材2340に軸支される。
詳述すると、係合爪Naの下側において、係合爪Naの傾倒を防止する突起が第1伝達部材2340の側面から突設される。これにより、係合爪Naは、横向きの姿勢からの傾倒方向への変位が規制され、起き上がり方向への変位が許容される。
従って、第1伝達部材2340が上昇動作する際(ソレノイド2333(図18参照)が駆動(励磁)される際)には、回転部材4410を回転させられる(図51(a)から図51(c)参照)一方、第1伝達部材2340が下降動作する際(ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除される際)には、回転部材4410の姿勢は維持されたままとなる(図51(c)及び図52(a)参照)。
本実施形態では、回転部材4410の回転により、前後に並んで配置されていた負荷発生部4413が上下に並んで配置されるようになる過程で下面上昇部材5540は押圧され、張出位置へ向けて前回転する(図51(a)から図51(c)参照)一方、上下に並んで配置されていた負荷発生部4413が前後に並んで配置されるようになる過程で下面上昇部材5540への押圧が解除され、下面上昇部材5540はコイルスプリングSP5aの付勢力により退避位置へ向けて後回転する(図52(a)から図52(c)参照)。
上述した構成を備える切替装置5400が、可動演出部材2360に及ぼす作用について説明する。図51(a)では、ソレノイド2333(図18参照)の駆動(励磁)が解除された状態が図示され、移動上蓋部材332は閉状態(張出状態)とされ、第2伝達部材2350からの負荷により可動演出部材2360が起立状態とされる。
図51(a)の状態から、ソレノイド2333が駆動(励磁)されると、図51(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図51(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中の位置に配置された状態が図示される。
図51(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図51(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の伝達部2364の上方に退避することにより、可動演出部材2360が傾倒状態へ向けて回転する。従って、可動演出部材2360は、第2実施形態と同様に、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となる前に傾倒状態となる。
図51(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図51(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図51(c)に示す状態では、下面上昇部材5440が負荷発生部4413に押圧され、前回転されている。これにより、当接部5442が第1伝達部材2340の下方に配置され、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された場合の第1伝達部材2340の位置が、底上げされる(図52(a)参照)。
図52(a)では、図51(c)に示す状態からソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)が解除された後の状態が図示される。下面上昇部材5440の当接部5442に下支えされることにより、ソレノイド2333の励磁(駆動)が解除されているとういう点で同一である図51(a)に示す状態と比較して、第1伝達部材2340の上下位置が上方側とされる。図52(a)に示す回転部材4410の姿勢は、図51(c)に示す回転部材4410の姿勢と同一である。
ここで、図52(a)に示すように、当接部5442は、下支えされた第1伝達部材2340と連動する第2伝達部材2350が傾倒状態の可動演出部材2360と当接する直前で停止するのに適当な長さで形成される。
換言すれば、第1伝達部材2340が移動可能範囲の最下位置に配置された状態における適当な上下位置を基準とする第1伝達部材2340の下面までの高さH51(図51(a)参照)から、図52(a)に示す第1伝達部材2340の下面までの高さH52まで、第1伝達部材2340の上下位置を変化させるのに十分な長さで形成される。これにより、図52(a)では、可動演出部材2360が傾倒状態で維持されている。
なお、図52(a)に示す高さH52は、第2伝達部材2350が傾倒状態の可動演出部材2360と当接する直前の位置に配置された場合の高さであることに加え、係合爪Naが回転部材4410の回転軸よりも下方へ移動し、下側の等分凹設部4411aと対向配置可能な高さとして設定される。
図52(a)に示す状態からソレノイド2333(図18参照)が励磁(駆動)されると、図52(b)に示す状態へ向けて状態が変化する。図52(b)では、第1伝達部材2340が、ソレノイド2333が駆動(励磁)された後に配置される上下動作の移動終端としての上限位置と、ソレノイド2333の駆動(励磁)が解除された後に配置される下限位置との途中位置に配置された状態が図示される。
図52(b)において、係合爪Naからの負荷が回転部材4410を介して姿勢維持部材4420に伝達される。即ち、回転部材4410が前転方向に回転することで、回転部材4410と姿勢維持部材4420との当接位置が回転することに伴い、姿勢維持部材4420の係合部4422がコイルスプリングSP4aの付勢力の反対方向に押し下げられる。そして、姿勢維持部材4420が回転部材4410の本体部4411の移動軌跡の外方へ押し出されることにより回転部材4410は回転可能となる。
図52(b)では、第2伝達部材2350の延設棒状部2353が可動演出部材2360の伝達部2364の上方に退避することにより、可動演出部材2360は傾倒状態を維持する。
加えて、図52(b)では、下面上昇部材5440の被押圧部5441と当接していた負荷発生部4413が、被押圧部5441から離反する方向へ移動することにより、下面上昇部材5440がコイルスプリングSP5aの付勢力により後転している。
図52(b)に示す状態から、第1伝達部材2340が更に上昇すると、回転部材4410が前転方向に回転し、図52(b)で前方を向いていた等分凹設部4411aが下側へ移動する。この場合、その等分凹設部4411aと姿勢維持部材4420の係合部4422とが対向配置され、図52(c)に示すように嵌合されることにより、回転部材4410の姿勢が維持される。
図52(c)に示す状態から、ソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)が解除されると、第1伝達部材2340は下降し、図51(a)の状態に移行する。即ち、ソレノイド2333が2回励磁(駆動)されることを1セットとして、図51(a)から図51(c)及び図52(a)から図52(c)までの1セットの動作が繰り返されることになる。
これにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される場合と、可動演出部材2360が起立状態に復帰する場合とを、交互に切り替えることができる。
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図53を参照して説明する。図53は、第3の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333及び可動演出部材2360の計時変化を示した図である。
なお、図53では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材2360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第3の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、ソレノイド2333の駆動(励磁)態様自体は、第1の作動パターンと第3の作動パターンとで違いは無い。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
移動上蓋部材332の長時間動作では、閉鎖予定作動時間Ta(5秒間)の経過時に移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)とされ、所定時間(本実施形態では、1秒間)経過後に、再び移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図53に示すように、本実施形態では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)と閉状態(張出状態)とで状態変化しても、ラウンド遊技Rの間、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される。従って、可動演出部材2360を見て特定入賞口65aの開閉を遊技者が判定する場合、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定できる。
上述した通り、本実施形態では、パチンコ機10(図1参照)を正面側から視認する遊技者にとって、移動上蓋部材332の状態の違いに比較して、可動演出部材2360の状態の違いの方が判定しやすく構成される。そのため、特定入賞口65aへの遊技球の入球に直接的に関わる移動上蓋部材332がラウンド遊技R中に複数回開閉動作する場合であっても、可動演出部材2360の状態をラウンド遊技Rにおいて維持することで、可動演出部材2360の動作状態を確認すれば、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができる。
これにより、移動上蓋部材332がラウンド遊技R中に閉状態(退避状態)となったことを視認して、ラウンド遊技Rが終了したと勘違いすることに基づき、遊技者が狙いと違う操作を行う可能性を低くすることができる。
なお、勘違いすることに基づき狙いと違う操作を行うことの一例としては、例えば、ラウンド間第1インターバルにおける死に球(アウト口314(図16参照)に入球する遊技球)の個数を減らすために、遊技球の発射を止める操作を行うことがあげられる。移動上蓋部材332の動作と、可動演出部材2360の動作とが毎回連動する場合には、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)で無いタイミングで移動上蓋部材332が閉状態となるときにも遊技球の発射を止める遊技球の発射を止める操作を行う可能性が高くなり、大当たり遊技の迅速な消化を妨げる虞が生じる。
これに対し、本実施形態では、可動演出部材2360の状態を確認することで、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができるので、遊技球の発射を止める操作が過度に行われることを抑制することができるので、大当たり遊技の迅速な消化を図ることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<2ラウンドパカパカへの使用>
なお、本実施形態では、ラウンド遊技R中に移動上蓋部材332を開閉する制御をしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1の作動時間T1において移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されるよう制御しても良い。
この場合、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始として移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となってから、2ラウンド目のラウンド遊技Rの終了として移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となる直前まで、可動演出部材2360が起立状態で維持される。
この場合において、例えば、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rを短時間(一例として、0.2秒間)で終了するように設定すると、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rにおける遊技球の特定入賞口65aへの入賞個数を抑制しながら(実質0個に抑えながら)、可動演出部材2360が傾倒状態で維持される時間を、1ラウンド目および2ラウンド目のラウンド遊技Rの時間とラウンド間第1インターバル時間Int1との合計時間(0.2秒間+2.0秒間+0.2秒間=2.4秒間)で確保することができる。
そのため、可動演出部材2360を視認する遊技者に対して、あたかも特定入賞口65aに遊技球を入賞可能に見せることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、可動演出部材2360が傾倒状態から起立状態に復帰するまでに移動上蓋部材332を2回開閉することが可能となる。この場合、ラウンド遊技Rにおいて移動上蓋部材332が2回開閉する動作で制御される場合に、ラウンド遊技Rの途中で可動演出部材2360が起立状態に復帰することを防止することができる。これにより、ラウンド遊技Rの切れ目(ラウンド間)を容易に判定することができるので、遊技球の発射の切り替えタイミングを容易に判定することができ、大当たり遊技の迅速な消化を図ることができる。
本実施形態によれば、移動上蓋部材332を複数回(2回)短開放動作(0.2秒開放動作)する場合において、短開放動作の間隔(インターバル)も含めた時間に亘って可動演出部材2360を傾倒状態で維持する構成とされる。この場合、遊技者に、あたかも特定入賞口65aに遊技球を入賞させられるかのように見せることができる。これにより、移動上蓋部材332の短開放動作中も遊技者に遊技球を発射させることが可能となるので、無駄球の発生を促進することができる。
次いで、図54から図61を参照して、第6実施形態について説明する。第2実施形態から第5実施形態では、可動演出部材2360,3360,4360を動作させる駆動力を発生させる装置がソレノイド2333のみである場合を説明したが、第6実施形態における盤面下部ユニット6300は、ソレノイド2333とは別で、可動演出部材6360を動作させる駆動力を発生させる駆動モータ510を有する負荷発生装置500を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図54は、第6実施形態における盤面下部ユニット6300の正面分解斜視図であり、図55は、盤面下部ユニット6300の背面分解斜視図である。図54及び図55に示すように、盤面下部ユニット6300は、上述の実施形態で説明した前側ユニット310及び前板部材2320を備えることに加え、上述の実施形態で説明した可動演出部材2360と若干形状の異なる可動演出部材6360を有する可変入賞装置6330と、正面視略正方形状に切削加工された板部材であって遊技盤13を構成するベース板6060を前後方向に穿設することで形成される受け入れ開口6060aの、内レール61の下側部分に形成される空洞6060bに配置される負荷発生装置500と、を備える。
可変入賞装置6330は、一対のセンサS(図56参照)の上方に左右一対で配置され、遊技球の通過を検出することに基づいて10個の賞球を払い出すように制御される第3センサS3と、センサSと第3センサS3との間の位置から正面側へ延設され、遊技球の上下方向の通過を規制する規制板6331mと、を備える。
規制板6331mは、下方通路331bの蓋として配設され、左右一対の延設床部2331e同士を繋いで形成される。規制板6331mにより、可動演出部材6360の上面を流下する遊技球は第3センサS3に、可動演出部材6360の上面を流下しない(下面側(正面側)を流下する)遊技球はセンサSに振り分けられる。
なお、可動演出部材6360をソレノイド2333(図18参照)の励磁(駆動)で動作させる機構は、第2実施形態で上述した第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18及び図19参照)と同様であるので、説明を省略する。
負荷発生装置500は、空洞6060bに下面が固定される駆動モータ510と、その駆動モータ510の駆動軸が挿通される円板として構成される第1クラッチ部材520と、その第1クラッチ部材520から回転方向の負荷を与えられることで第1クラッチ部材520と連動して回転可能な態様でベース板6060に支持される第2クラッチ部材530と、を主に備える。
図56(a)及び図56(b)は、遊技盤13の部分正面図であり、図57は、可動演出部材6360及び負荷発生装置500の分解正面斜視図である。なお、図56(a)では、第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の使用状態の位置が、図56(b)では、第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530が使用状態からずれた位置に配置された状態が、それぞれ図示される。なお、ここで「使用状態」とは、遊技者が遊技可能とされる状態を意味する。また、第2クラッチ部材530の軸支部分が視認できるように、ベース板6060が部分的に断面視される。
なお、図56(a)及び図56(b)では、移動上蓋部材332が張出しているかどうかが網掛けの有無で図示される。即ち、図56(a)及び図56(b)において網掛けが形成される部分は、前板部材2320の一部として遊技球の通過を規制する部分または前板部材2320との間で遊技球の通過を遮る程に前板部材2320に近接している部分であることを意味する。
なお、図56(a)では、可動演出部材6360の起立状態が図示され、図56(b)では、可動演出部材6360の傾倒状態が図示される。本実施形態では、後述するように、可動演出部材6360の状態に対応して、遊技球が通過するセンサが異なる。即ち、可動演出部材6360が起立状態の時には、遊技球は可動演出部材6360の正面側を流下し、センサSを通過する(図56(a)参照)一方、可動演出部材6360が傾倒状態の時には、遊技球は可動演出部材6360の背面側(上面側)を流下し、第3センサS3を通過する。
また、可動演出部材6360の状態により、特定入賞口65aの実質的な左右幅が変化することは、上記各実施形態で説明した通りであるので、説明を省略する。
可動演出部材6360は、第2実施形態で上述した本体板部2361、支持軸部2362、摺動部2363、伝達部2364を備える一方で凹設部2365が省略される(凹設されない)ことに加え、伝達部2364の右面視時計回り方向に支持軸部2362中心で伝達部2364と同じ厚みの扇状に形成される増設部6368を備える。
増設部6368は、右面視時計回り方向端部から径方向に突設される突設部6368aと、右面視時計回り方向端面の右部分において周方向へ向けて斜めに削られる(面取りされる)面取り部6368bと、を備える。
面取り部6368bは、可変入賞装置6330を受け入れ開口6060a(図54参照)に組み付ける際の作業性を向上させるために形成される。即ち、上述したように、可変入賞装置6330は、受け入れ開口6060aに後ろから嵌め入れられることでベース板6060に組み付けられるところ、本実施形態で、ベース板6060に負荷発生装置500が配設された状態で可変入賞装置6330を組み付ける場合に、可動演出部材6360と負荷発生装置500とが干渉するタイミングが生じ得る。
即ち、図57に想像線で示すように、本実施形態では、可動演出部材6360の突設部6368aが、第2クラッチ部材530の前面と当接する構成であることから、可変入賞装置6330をベース板6060に組み付ける際に、突設部6368aが第2クラッチ部材530と干渉することで、組み付けが困難になる可能性が生じる。
これに対し、本実施形態では、第2クラッチ部材530が所定範囲において左右方向に移動可能に構成される。この移動可能な所定範囲の移動方向の距離は、使用状態において生じる第1クラッチ部材520の軸方向の移動範囲を確保するために必要となる空隙の長さと同等か、それ以下とされる。即ち、使用状態で必要となる空隙を利用して、可変入賞装置6330のベース板6060への組み付けを容易とすることができる。
可動演出部材6360を組み付ける際には、第2クラッチ部材530を、使用状態(図56(a)参照)から右方に移動した状態(図56(b)参照)とすることで、突設部6368aと第2クラッチ部材530との前後方向の干渉を回避することができる。
ここで、突設部6368aに面取り部6368bが形成されることにより、面取り部6368bの傾斜により、可動演出部材6360をベース板6060に組み付ける際(前方に移動させる際)に突設部6368aから第2クラッチ部材530へ与えられる負荷を右向きに傾けることができ、その負荷によって第2クラッチ部材530を使用状態(E3(a)参照)から右方へ移動させることができることから、第2クラッチ部材530と突設部6368aの前後方向の干渉を容易に回避することができる。
なお、使用状態(図56(a)参照)となってからは、面取り部6368bは第2クラッチ部材530の反対側に配置されるので、面取り部6368bと第2クラッチ部材530が当接することは無いように構成される。
負荷発生装置500の詳細な構成について説明する。負荷発生装置500では、駆動モータ510の駆動力で回転する第1クラッチ部材520と、その第1クラッチ部材520の回転軸と同軸で回転する第2クラッチ部材530とが同期して回転可能に構成される。
駆動モータ510は、回転駆動される駆動軸511と、その駆動軸511に一体で拡径形成されるフランジ部512と、そのフランジ部512に一端を係止され駆動軸511の先端側へ向けた付勢力を生じるコイルスプリングSP6aと、を主に備える。
駆動軸511は、フランジ部512よりも先端側が、軸方向断面でD字形状(円形状では無い形状)とされる。一方で、後述するように、第1クラッチ部材520の軸孔522が駆動軸511の軸方向断面形状に比較して若干大きいD字形状(円形状では無く駆動軸511の軸方向断面形状に対応する形状)とされる。これにより、駆動軸511を、第1クラッチ部材520の軸孔522に挿通し回転させた際に、駆動軸511と第1クラッチ部材520との間で位相ずれが生じることを防止することができる。
コイルスプリングSP6aの付勢力は、第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530とを使用状態(図56(a)参照)に維持しようとする方向で負荷される。この使用状態において、第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530とが回転方向で当接することに伴い、駆動力の伝達が行われる。次いで、図58を参照して、第1クラッチ部材520について説明する。
図58(a)は、第1クラッチ部材520の左面図であり、図58(b)は、図58(a)の矢印LVIIIb方向視における第1クラッチ部材520の上面図である。なお、図58(a)及び図58(b)の説明では、図56及び図57を適宜参照する。
第1クラッチ部材520は、駆動軸511に対する位相が固定される一方で軸方向への移動が許容される態様で駆動軸511に軸支される部材であって、円板形状の本体部521と、その本体部521の中心軸に沿って本体部521の中心で穿設される軸孔522と、本体部521の左側面から軸方向に張り出す部分であって、径方向に延びる複数の突条部523と、を主に備える。
軸孔522は、上述したように、駆動軸511(図56(a)参照)の軸方向断面形状に比較して若干大きいD字形状から形成される。これにより、第1クラッチ部材520の駆動軸511に対する相対回転が規制され、且つ、第1クラッチ部材520の駆動軸511に対する軸方向移動が許容される。これにより、第1クラッチ部材520の位相を適切に制御しながら、大負荷発生時には第1クラッチ部材520を第2クラッチ部材530から離すことで、駆動力の伝達を解除し、駆動力の伝達に係る部材のいずれかが破損することを防止することができる。
突条部523は、同一形状の突条が等間隔で形成される。本実施形態では、図58(a)に示すように、4個の突条が90度間隔で形成される。なお、突条を4個としたのは、伝達される駆動力により動かされる可動演出部材6360に望まれる動作に合わせて設計された結果にすぎず、望まれる動作が異なれば、突条の個数は変化する。例えば、突条は1個から3個でも良いし、5個以上であっても良い。なお、本実施形態における可動演出部材6360の動作態様は後述する。
突条部523の径方向断面形状は、径方向視において短手方向両側が本体部521に近づくほど幅広になる態様で傾斜する山形状とされる(図58(b)参照)。なお、傾斜角度は約60度で設計される。
これにより、第1クラッチ部材520の回転中に第2クラッチ部材530から第1クラッチ部材520へ向けて発生する負荷(回転方向の負荷)を、第1クラッチ部材520の軸方向に向けることができる(負荷に軸方向の成分を生じさせることができる)。次いで、図59を参照して、第2クラッチ部材530について説明する。
図59(a)は、第2クラッチ部材530の右面図であり、図59(b)は、図59(a)の矢印LIXb方向視における第2クラッチ部材530の上面図である。なお、図59(a)では、第2クラッチ部材530の初期姿勢が図示される。なお、図59(a)及び図59(b)の説明では、図56、図57、図58(a)及び図58(b)を適宜参照する。
第2クラッチ部材530は、第1クラッチ部材520と同軸回転可能にベース板6060に軸支される部材であって、円板形状の本体部531と、その本体部531の左面側に形成される段部から中心軸に沿って左面側に断面円形状で突設される軸棒部532と、本体部531の右側面から軸方向に張り出す部分であって、外周付近に配置される複数の突設点部533と、本体部531の外周面から外形方向に延設される延設部534と、本体部531の外周面から張り出して形成される錘部535と、を主に備える。
軸棒部532は、ベース板6060にスライド可能に支持される(図56(a)及び図56(b)参照)。なお、第2クラッチ部材530のスライド移動は、可変入賞装置6330のベース板6060への組み付け時に生じる(増設部6368から与えられる負荷で生じる)ものであり、使用状態においては第2クラッチ部材530がスライド移動しないように構成される(増設部6368から負荷が与えられないように構成される)。
突設点部533は、複数の同一形状の突点のそれぞれを指し、円周方向に等間隔で形成される。本実施形態では、図59(a)に示すように、2個の突設点部533が180度間隔で形成される。なお、2個としたのは、伝達される駆動力により動かされる可動演出部材6360に望まれる動作に合わせて設計された結果にすぎず、望まれる動作が異なれば、突設点部533の個数は変化する。例えば、1個でも良いし、3個以上であっても良い。なお、本実施形態における可動演出部材6360の動作態様は後述する。
突設点部533は、円錐を高さ方向の途中で切り取った形状とされる。即ち、軸方向視の外形が円形状とされ、本体部531に近づくほど径が大きくなる態様で傾斜する山形状とされる(図59(b)参照)。なお、傾斜角度は約60度で設計される。
突設点部533が使用状態において突条部523(図58参照)の移動軌跡に侵入して配置されることで、第1クラッチ部材520が回転した際に、突条部523が突設点部533を押して第2クラッチ部材530に回転方向の負荷を与え、第2クラッチ部材530を回転させることができる。
そして、第2クラッチ部材530の回転抵抗が所定値以上となると(第1クラッチ部材520の回転と同速度で第2クラッチ部材530が回転できない状態になると)、突設点部533から突条部523に与えられる負荷(対向面間で生じる排斥力)により第1クラッチ部材520がコイルスプリングSP6a(図56(a)参照)の付勢力に抗して第2クラッチ部材530から離反する方向へ移動する。
これにより、第2クラッチ部材530に過大な負荷が生じることを回避でき、第1クラッチ部材520又は第2クラッチ部材530が破損することを防止することができる。なお、第2クラッチ部材530が第1クラッチ部材520から離反する方向に移動する際、第2クラッチ部材530へ第1クラッチ部材520から反作用として左向きの負荷が与えられるので、第2クラッチ部材530は使用状態の位置(図56(a)参照)に維持される。
錘部535は、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ回転方向の負荷が生じていない時に、第2クラッチ部材530の姿勢を復帰させるための錘である。即ち、突条部523と突設点部533との間に隙間が生じている場合には、錘部535の自重の作用により、第2クラッチ部材530は、錘部535が軸の真下に配置される初期姿勢(図59(a)参照)に復帰する方向に回転する。
延設部534は、可動演出部材6360と当接して、負荷を伝達する部分である。次いで、図60を参照して、延設部534の構成および使用状態における作用について説明する。
図60(a)から図60(c)は、可動演出部材6360と第2クラッチ部材530との動作を時系列で示す可動演出部材6360及び第2クラッチ部材530の右面図であり、図60(d)から図60(f)は、それぞれ、図60(a)から図60(c)に示す第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の姿勢を模式的に示した模式図である。
なお、図60(a)では、可動演出部材6360の傾倒状態が、第2クラッチ部材530の初期姿勢が、駆動モータ510の駆動力で前回転する(右面視反時計回りに回転する)動作態様における第1クラッチ部材520の当接開始姿勢(突条部523と突設点部533とが当接開始する姿勢)が想像線で、それぞれ図示される(図60(d)参照)。また、図60(b)では、可動演出部材6360の起立状態が、第2クラッチ部材530の終端姿勢(第2クラッチ部材530の回転動作の終端姿勢)が、第1クラッチ部材520の当接終端姿勢が想像線で、それぞれ図示される(図60(e)参照)。また、図60(c)では、可動演出部材6360及び第2クラッチ部材530の姿勢は図60(b)の状態から変化しておらず、第1クラッチ部材520は、図60(b)の状態から更に前回転し、突条部523が突設点部533を通り過ぎた直後の姿勢である解除姿勢が想像線で図示される(図60(f)参照)。
図60(a)から図60(c)に模式的に示すように、本実施形態では、規制ストッパStが配設される。規制ストッパStは、前板部材2320の段部2324a(図55参照)から増設部6368の移動平面に侵入する態様で延設され(図55には図示せず)、増設部6368の後転方向の移動限界を規定する。即ち、増設部6368は、移動中に規制ストッパStと当接することで、その移動が規制される(図60(b)参照)。
可動演出部材6360の増設部6368と第2クラッチ部材530とは、回転軸と直交する同一平面上を移動可能に構成される。延設部534は、突設部6368aの後ろ側面と、延設部534の前側面とが当接可能とされる一方、増設部6368及び伝達部2364の外周面と非当接となる延設長さで形成される。
従って、可動演出部材6360から第2クラッチ部材530へ与えられる負荷は、突設部6368aを介して与えられる態様に限定され、周面を介して負荷が与えられることは無い。そのため、第2クラッチ部材530に可動演出部材6360から回転方向の摩擦力が負荷されることを回避することができる。
図60(a)から図60(c)に示すように、延設部534は、第2伝達部材2350の延設棒状部2353(図22(b)参照)の移動軌跡の外形として図示される動作範囲E6aの外側に配置される。従って、第2クラッチ部材530は、第2伝達部材2350の姿勢に関わらず第2伝達部材2350と干渉することなく動作することができる。
図60(a)及び図60(b)に示すように、第1クラッチ部材520を当接開始姿勢から当接終端姿勢まで前回転させることに伴い、突設点部533が突条部523に押される。その際の押進力により、第2クラッチ部材530は初期姿勢から終端姿勢まで前回転する。その際、延設部534から突設部6368aに前向きの負荷が与えられることで、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ変化させることができる。即ち、ソレノイド2333(図22参照)の駆動力とは異なる駆動モータ510(図57参照)の駆動力で可動演出部材6360を開閉動作させることができる。
なお、第1クラッチ部材520は中心角度90度を最小単位とする周期的な形状から形成される。即ち、第1クラッチ部材520は、90度回転する度に当接開始姿勢となる。
図60(b)及び図60(c)に示すように、第2クラッチ部材530が終端姿勢となった後で、第1クラッチ部材520を更に前回転させた場合、第2クラッチ部材530は突設部6368aにそれ以上の移動を規制される。その後の第1クラッチ部材520の動作について図61を参照して説明する。
図61(a)から図61(c)では、第1クラッチ部材520の動作が時系列で図示される。図61(a)及び図61(b)は、図60(b)の矢印LXIa方向視における第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の正面斜視図であり、図61(c)は、図60(c)の矢印LXIc方向視における第1クラッチ部材520及び第2クラッチ部材530の正面斜視図である。なお、図61(b)では、図61(a)に示す状態から、突条部523の突設先端部と突設点部533の突設先端部とが左右方向で当接する姿勢まで第1クラッチ部材520が前回転した後の状態が図示される。
図61(a)から図61(c)に示すように、図60(b)に示す状態から第1クラッチ部材520が更に前回転すると、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ向けて回転方向に付与された負荷の反作用が、第1クラッチ部材520に付与されることにより、第1クラッチ部材520が軸方向に沿って第2クラッチ部材530から離反する(図61(b)参照)。これにより、突条部523と突設点部533との回転方向の干渉を避けながら、第1クラッチ部材520のみが前回転し、解除姿勢まで到達する(図61(c)参照)。
この間、第2クラッチ部材530は、第1クラッチ部材520から左右方向に与えられる負荷により、終端姿勢のまま維持される。換言すれば、第1クラッチ部材520から第2クラッチ部材530へ負荷される摩擦力により、第2クラッチ部材530の姿勢が維持される。
なお、図61(b)に示す状態となった直後に第2クラッチ部材530の姿勢を初期姿勢へ戻したい(終端姿勢のまま維持されるのを防止したい)場合には、上述した摩擦力に打ち勝つだけの重量で錘部535を構成すれば良い。例えば、錘部535に金属材料を混ぜ、部分的に重量を増すようにしても良い。
図60に戻って説明する。図60(c)に示す状態では、突条部523が突設点部533の前回転側に配置されており、第2クラッチ部材530の後ろ回転を留める部分が無いので、第2クラッチ部材530は、錘部535の自重により後ろ回転し、初期姿勢(図60(a)参照)に復帰する。そして、第2クラッチ部材530から可動演出部材6360に与えられていた前向きの負荷が無くなることにより、可動演出部材6360は傾倒状態へ向けて前回転する(図60(a)参照)。
更に駆動モータ510の回転を同方向に継続させることで、第1クラッチ部材520は再び当接開始姿勢(初めの当接開始姿勢から90度回転した姿勢)となり、上述したように第2クラッチ部材530を前回転させる。
即ち、本実施形態によれば、第2伝達部材2350(図22(b)参照)が可動演出部材6360から離れた状態(ソレノイド2333(図22(a)参照)が励磁(駆動)された状態)で、駆動モータ510を一方向(第1クラッチ部材520を前回転させる方向)に継続して回転させることにより、可動演出部材6360を繰り返し開閉させることができる(間欠動作させることができる)。
第2クラッチ部材530から可動演出部材6360に与えられる負荷は、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ向けて動かす方向の負荷に限定される(単一の方向に限定される)。同様に、ソレノイド2333(図22(a)参照)の励磁(駆動)により可動演出部材6360に与えられる負荷は、可動演出部材6360を傾倒状態から起立状態へ向けて動かす方向の負荷に限定される(単一の方向に限定される)。
即ち、駆動モータ510とソレノイド2333(図22(a)参照)とを協調駆動させる場合に、第2伝達部材2350(図22(b)参照)や、第2クラッチ部材530が可動演出部材6360に近づき同時期に当接した場合であっても、可動演出部材6360を介して、相互に駆動力が伝達されることは無い。
従って、ソレノイド2333の励磁(駆動)により発生する駆動力が可動演出部材6360を介して負荷発生装置500へ伝達されることを防止でき、且つ、駆動モータ510の駆動力が可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350に伝達されることを防止することができる(双方向で駆動力の伝達を遮断することができる)。
なお、ソレノイド2333(図22(a)参照)の励磁(駆動)が解除され、可動演出部材6360が起立状態とされる場合に駆動モータ510(図57参照)を前回転方向に回転駆動させる場合の第2クラッチ部材530の動作を時系列で示す場合、図60(a)において可動演出部材6360が起立状態とされることを除き、図60(a)から図60(c)で説明した動きと変わらない。即ち、負荷発生装置500は、可動演出部材6360が傾倒状態であるか、起立状態であるかに関わらず、同様の動作態様で間欠動作することができる。
第1クラッチ部材520と第2クラッチ部材530との間の回転抵抗が所定値以上となる場合は、図60(b)及び図60(c)で説明した状況に限られない。例えば、移動上蓋部材332(図56(a)参照)と可動演出部材6360との間で球噛みが生じ、可動演出部材6360が起立状態まで変化するまでの時間が長くなる場合、可動演出部材6360が起立状態となるのを待たずに(図60(a)と図60(b)との間の姿勢で)、第1クラッチ部材520が第2クラッチ部材530から離反して、回転が継続され、第1クラッチ部材520が解除姿勢となる。なお、第1クラッチ部材520の解除姿勢は、第2クラッチ部材530との相対的な関係で規定されるものであるので、図60(c)に示す姿勢に限定されない。
このように、本実施形態によれば、第1クラッチ部材520が第2クラッチ部材530から離反して駆動力の伝達が遮断されるタイミングを任意のタイミングとすることができるので、球噛み等の予期せぬ不具合時に可動演出部材6360に過剰な駆動力が伝達されることを防止することができ、可動演出部材6360の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、可動演出部材6360を、ソレノイド2333からも負荷発生装置500からも駆動力を伝達される部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第2伝達部材2350の延設棒状部2353(図22(b)参照)の形成を省略したり、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350の形成を省略したりすることで、ソレノイド2333から可動演出部材6360へ駆動力が伝達されないように構成しても良い。この場合、ソレノイド2333の動作状態によらず、駆動モータ510を駆動制御することにより、可動演出部材6360を独立で傾倒動作(傾倒起立の往復動作またはその繰り返し動作)させることができる。
この場合において、可動演出部材6360の動作タイミングとしては、種々のタイミングが例示される。例えば、特別図柄の抽選が外れとなった場合の演出の一例として可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、外れであることを分かりにくくすることができ、遊技者に球の発射を促すことができる。また、例えば、特別図柄の抽選が小当たりとなった場合の動作態様の一例として可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、移動上蓋部材332は閉状態を維持しているので、小当たりにおいて賞球の払い出しが生じることを防止することができる。また、例えば、特別図柄の抽選が大当たりとなった場合に、大当たり遊技のオープニング時間OPにおいて可動演出部材6360を傾倒動作させても良い。この場合、可動演出部材6360の動作態様を複数種類で構成し、各動作態様の発生割合に対して遊技者が得られる利益の大小を対応付けることにより、大当たり遊技に対する期待感を可動演出部材6360の動作態様により煽ることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、可変入賞装置6330をベース板6060に組み付ける際の負荷発生装置500との干渉を避けるために負荷発生装置500の第2クラッチ部材530に負荷を与える面取り部6368bは、使用状態において第2クラッチ部材530と当接し得ない位置に形成される。この場合、使用状態において第2クラッチ部材530の動作に与える影響を考えずに面取り部6368bの形状を設計することができるので、面取り部6368bの設計自由度を向上させることができる。
本実施形態によれば、負荷発生装置500は、可動演出部材6360に駆動力を伝達し状態を変化させるための装置として構成され、過大な負荷が生じた際には駆動力の伝達を解除するクラッチ機構(第1クラッチ部材520、第2クラッチ部材530)を備える。この場合、球詰まり等により可動演出部材6360と負荷発生装置500との間で過大な負荷が発生した場合であっても、それにより可動演出部材6360が破損することを回避することができる。
本実施形態によれば、負荷発生装置500は、駆動モータ510を一方向に駆動させることにより可動演出部材6360を間欠動作させることができ、駆動モータ510の駆動方向は、可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350に負荷を与えることの無い方向に設定される。この場合、駆動モータ510の駆動力が第2伝達部材2350へ伝達されることを回避することができ、駆動モータ510の駆動力が可動演出部材6360を介して第2伝達部材2350が破損することを防止することができる。
本実施形態によれば、ソレノイド2333が励磁(駆動)されているか、励磁(駆動)が解除されているかに関わらず、駆動モータ510を回転させた際の負荷発生装置500の動作態様が同一となるように構成される。この場合、ソレノイド2333の状態に基づいて負荷発生装置500の動作タイミングを決めることが不要となるので、ソレノイド2333及び駆動モータ510の動作タイミングの制御の自由度を向上させることができる。
本実施形態によれば、可動演出部材6360への駆動モータ510の駆動力伝達を任意のタイミングで解除可能に構成される。即ち、駆動モータ510の制御態様により駆動力伝達を解除しているのではなく、過大な負荷が生じたタイミングで駆動力伝達を解除するように構成される。この場合、球噛み、球詰まりなど、発生タイミングが予想し難い不具合が発生したときに可動演出部材6360に過剰な駆動力が伝達されることを防止することができ、可動演出部材6360の耐久性を向上させることができる。
<第4の作動パターン>
本実施形態の構成を利用して実現可能な遊技性の一例について、図62から図73を参照して説明する。図62は、第4の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530及び駆動モータ510の計時変化を示した図である。
なお、図62では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりI(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第4の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第4の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了するまで継続される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図62に示すように、第4の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、可動演出部材6360を起立状態で維持したままとすることができる。この場合、特定入賞口65a(図56(a)参照)の実質的な左右幅を狭めたまま維持することができる(下方通路331bの幅とすることができる)ので、可動演出部材6360が傾倒状態に変化するラウンド遊技Rとの比較において、遊技球の特定入賞口65aの流下抵抗が大きくなるような印象を遊技者に与えることができる。また、遊技球は専らセンサSを通過するのみであり、第3センサS3を通過することは無いので、センサSにも第3センサS3にも遊技球が通過する場合に比較して、複数の遊技球の流下軌跡を狭く維持することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第4の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第4の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第4の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
<第5の作動パターン>
図63は、第5の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図63では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりK(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第5の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第5の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第5の作動パターンでは3秒間)経過したら、第2クラッチ部材530を間欠動作させるために、駆動モータ510が等速駆動され前回転する。駆動モータ510の等速駆動は、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了するまで継続される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
図63に示すように、第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定時間(第5の作動パターンでは3秒間)経過するまでは、可動演出部材6360が傾倒状態とされ、所定時間経過後してからは、可動演出部材6360が起立状態と傾倒状態とで繰り返し状態変化する。
即ち、可動演出部材6360が継続して間欠動作するので、ラウンド遊技Rの間における可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。
なお、この間欠動作において、可動演出部材6360は、駆動モータ510からの負荷が内レール61(図56(a)参照)から離反する方向(起き上がり方向)に向けて与えられる。そのため、内レール61と可動演出部材6360との間に遊技球が挟まっても、可動演出部材6360から遊技球に与えられる負荷は可動演出部材6360の自重による負荷に限定されるので、遊技球の流下が止まる可能性を低くすることができる。
また、上述した通り、可動演出部材6360の上面側を流下するか、可動演出部材6360の下面側(正面側)を流下するかにより、遊技球の流下経路が2パターン用意され、各流下経路で流下した遊技球が通過するセンサ(遊技球を排出する開口)も異なるように構成される。即ち、可動演出部材6360が起立状態(図56(a)参照)の時には、遊技球はセンサSへ流下し、可動演出部材6360が傾倒状態(図56(b)参照)の時には、遊技球は第3センサS3へ流下する。
この場合、特定入賞口65a(図56(a)参照)に入球した遊技球が同位置の開口から排出される場合に比較して、複数の遊技球の挙動に迫力を持たせることができる(複数の遊技球の流下軌跡を立体的に演出することができる)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
ここでなお、第5の作動パターンにおいて、駆動モータ510が1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後も継続するように制御されるか、駆動モータ510が1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了前または終了と同時に停止制御されるかに関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第5の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第5の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
<第6の作動パターン>
図64は、第6の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図64では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりe(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第6の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第6の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、センサSで検出された遊技球の合計個数が、規定個数(本実施形態では10個)未満の所定個数(第6の作動パターンでは6個)に到達することを契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の回転駆動を再開する。
図64に示すように、第6の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定個数(第6の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサSに検出されるまでは、可動演出部材6360が傾倒状態とされ、所定個数の遊技球がセンサSに検出された後は、可動演出部材6360が起立状態とされる。
即ち、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化する前に起立状態に変化することになる。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の状態を適時確認することにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化するタイミングを予想しやすくなる。これにより、遊技者は、遊技球の発射態様を容易に調整できるようになり、無駄球を削減することができる。
即ち、大当たり遊技中ずっと継続して遊技球を発射する遊技態様に比較して、大当たり遊技中にアウト口314(図54参照)に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
例えば、遊技球の発射を継続する場合において、発射された遊技球が遊技領域の下端位置(特定入賞口65a(図56(a)参照)が配置される位置)に到達するまでに、その遊技球が発射された後で発射された4個の遊技球が、遊技領域に滞在するように構成されるとする。この場合、可動演出部材6360が起立状態に変化したことを目印として遊技球の発射を停止すれば、遊技領域に滞在していた4個の遊技球が遊技領域を流れきるまで移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。そのため、滞在していた4個の遊技球が全て特定入賞口65aに向かった場合であっても、いずれかの遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害され、特定入賞口65aを通過することができないという事態は生じない。
一方で、滞在していた4個の遊技球の、いずれかの遊技球が、特定入賞口65a以外の入球口を通過して遊技領域から排出された場合には、特定入賞口65aを通過する遊技球の個数が規定個数を越えないので、移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。この場合、遊技者は、遊技球を1個発射(単発打ち)しては特定入賞口65aを通過するか否かを確認し、その確認が済み、未だ移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されていたら、再び遊技球を1個発射して特定入賞口65aを通過するか否かを確認して、を繰り返すことで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技球が遊技領域の下端位置に到達した遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害されアウト口314を通過するという事態を防止することができる。
換言すれば、可動演出部材6360が傾倒状態の時には遊技球を継続的に(打ちっぱなしで)発射し、可動演出部材6360が起立状態になったら遊技球の発射を抑える(単発打ちにする)といったように、発射態様を切り替えることにより、スムーズな大当たり遊技の消化と、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技領域の下端位置に到達する無駄球の個数の低減との両立を図ることができる。
発射態様の切り替えのタイミングは、可動演出部材6360の状態変化のタイミングと対応しているので、遊技者は、可動演出部材6360が配置されている特定入賞口65a(図56(a)参照)付近に注目しておけば、発射態様を切り替えるタイミングを容易に把握することができる。
また、ラウンド開始から6個の球がセンサSに入球するまで、移動上蓋部材332からの離間距離が短い第3センサS3に球が入球するので、ラウンド開始から最初の賞球の払い出しが生じるまでの期間を短くすることができる。また、6個の球がセンサSに入球してからラウンド終了までの間には、移動上蓋部材332からの離間距離が長いセンサSに入球するので、移動上蓋部材332を通過した球がセンサSに到達するまでの期間を長くすることができる。これにより、ラウンド遊技R中に亘って第3センサS3に球が入球可能である場合に比較して、オーバー入賞が発生する可能性を高めることができる。これは、後述する第7の作動パターンも同じである。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第6の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第6の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第6の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第6の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、規定個数未満の所定個数は、6個に限られるものでは無い。例えば、5個以下でも良いし、7個以上規定個数未満の個数でも良い。
<第7の作動パターン>
図65は、第7の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図65では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりf(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第7の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第7の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第7の作動パターンでは3秒間)経過するまで継続される。その後、第2クラッチ部材530を終端姿勢とするために、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)に到達するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、センサSで検出された遊技球の合計個数が、規定個数(本実施形態では10個)未満の所定個数(第7の作動パターンでは6個)に到達することを契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述した制御によれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時には、可動演出部材6360が起立状態とされ、特定入賞口65a(図56(a)参照)が閉鎖しているように(遊技球が入り難いように)見せることができる一方、所定時間の経過により可動演出部材6360が傾倒状態とされることで、遊技球が特定入賞口65aに入り易くなったような印象を遊技者に与えることができる。従って、ラウンド遊技R中における、特定入賞口65aへの遊技球の入りやすさに対する印象を視覚的に変化させることができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の回転駆動を再開する。
なお、遊技球の発射間隔の限界(0.6秒間隔)から、所定個数(第7の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサSを通過するまでに経過する時間の方が、所定時間(第7の作動パターンでは3秒間)よりも短くなる可能性は低いが、本作動パターンでは誤作動を防ぐために、所定時間が経過する前に所定個数の遊技球がセンサSを通過した場合には、所定時間経過時の駆動モータ510の駆動制御をキャンセルする(駆動モータ510がそのままの状態で維持され、第2クラッチ部材530が終端姿勢で維持される)ように制御される。これにより、入賞頻度の違いにより誤動作が生じることを防止することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第7の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
図65に示すように、第7の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技R中において、ラウンド遊技Rの開始から所定個数(第7の作動パターンでは6個)の遊技球がセンサS及び第3センサS3に検出された後は、可動演出部材6360が起立状態とされる。
即ち、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化する前に起立状態に変化することになる。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の状態を適時確認することにより、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)に変化するタイミングを予想しやすくなる。これにより、遊技者は、遊技球の発射態様を容易に調整できるようになり、無駄球を削減することができる。
即ち、大当たり遊技中ずっと継続して遊技球を発射する遊技態様に比較して、大当たり遊技中にアウト口314(図54参照)に入球する遊技球の個数を少なくすることができる。
例えば、遊技球の発射を継続する場合において、発射された遊技球が遊技領域の下端位置(特定入賞口65a(図56(a)参照)が配置される位置)に到達するまでに、その遊技球が発射された後で発射された4個の遊技球が、遊技領域に滞在するように構成されるとする。この場合、可動演出部材6360が起立状態に変化したことを目印として遊技球の発射を停止すれば、遊技領域に滞在していた4個の遊技球が遊技領域を流れきるまで移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。そのため、滞在していた4個の遊技球が全て特定入賞口65aに向かった場合であっても、いずれかの遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害され、特定入賞口65aを通過することができないという事態は生じない。
一方で、滞在していた4個の遊技球の、いずれかの遊技球が、特定入賞口65a以外の入球口を通過して遊技領域から排出された場合には、特定入賞口65aを通過する遊技球の個数が規定個数を越えないので、移動上蓋部材332は開状態(退避状態)で維持される。この場合、遊技者は、遊技球を1個発射(単発打ち)しては特定入賞口65aを通過するか否かを確認し、その確認が済み、未だ移動上蓋部材332が開状態(退避状態)で維持されていたら、再び遊技球を1個発射して特定入賞口65aを通過するか否かを確認して、を繰り返すことで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技球が遊技領域の下端位置に到達した遊技球が移動上蓋部材332に流下を妨害されアウト口314を通過するという事態を防止することができる。
換言すれば、可動演出部材6360が傾倒状態の時には遊技球を継続的に(打ちっぱなしで)発射し、可動演出部材6360が起立状態になったら遊技球の発射を抑える(単発打ちにする)といったように、発射態様を切り替えることにより、スムーズな大当たり遊技の消化と、ラウンド間第1インターバル時間Int1に遊技領域の下端位置に到達する無駄球の個数の低減との両立を図ることができる。
発射態様の切り替えのタイミングは、可動演出部材6360の状態変化のタイミングと対応しているので、遊技者は、可動演出部材6360が配置されている特定入賞口65a(図56(a)参照)付近に注目しておけば、発射態様を切り替えるタイミングを容易に把握することができる。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第7の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第7の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第7の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第7の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
また、規定個数未満の所定個数は、6個に限られるものでは無い。例えば、5個以下でも良いし、7個以上規定個数未満の個数でも良い。
また、所定時間を、敢えて、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも長くして、例えば15秒に設定しても良い。この場合、所定時間が経過するまでに所定個数の球が特定入賞口65aを通過する場合が生じ得ることになり、第2クラッチ部材530が終端姿勢で維持されることから可動演出部材6360が起立状態のまま、ラウンド遊技Rが終了し得る。
そのため、所定時間が経過する前に所定個数の球が特定入賞口65aを通過するように遊技すると、第3センサS3を球が通過せず、専らセンサSを球が通過することになる。一方、第3センサS3を球が通過するようにするためには、所定時間後に駆動モータ510を駆動させて可動演出部材6360を傾倒状態とする必要があるので、所定時間においては特定入賞口65aへの球の入球個数を抑えることが望ましい。
従って、第3センサS3を通過した球に、センサSを通過した球により遊技者が得られる利益を超える利益(例えば、大当たり遊技の終了後の遊技状態が高確率状態へ移行する利益)を設定することで、所定時間の間に特定入賞口65aを通過する球を抑える遊技態様で、ラウンド遊技R中の球の発射を行うように誘導することができる。この場合、この誘導を第3図柄表示装置81で行う表示演出で実行しても良い。
即ち、ラウンド遊技Rが開始されたら、第3図柄表示装置81において、「15秒間入球を抑えられたら確変!」と表示することで、遊技者が得られる利益を最大にする遊技態様と対応して、ラウンド遊技R開始時において特定入賞口65aに入球する球の個数を抑えることができる。なお、所定時間を非表示として、単に「入球を抑えたら確変!」と表示して、所定時間の経過に伴って「いまだ!」等の表示に切り替えることで、所定時間が経過したことを報知するようにしても良い。
<第8の作動パターン>
図66は、第8の作動パターンにおける移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS及び第3センサS3の出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
なお、図66では、ソレノイド2333が励磁(駆動)される際の移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の動作は、上述した動作開始タイミングのずれについての図示が省略され、同時点で動作開始するものとして図示される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
後述する大当たりg(図67参照)の大当たり遊技の場合には、第8の作動パターンに基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第8の作動パターンに基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU221が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU221は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が終端姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
駆動モータ510の状態の維持は、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から、所定時間(第8の作動パターンでは3秒間)経過するまで継続される。その後、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰するように、駆動モータ510の前転方向の回転駆動が再開される。これにより、第2クラッチ部材530は初期姿勢(図60(a)参照)となり、可動演出部材6360は傾倒状態となる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述した制御によれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始時には、移動上蓋部材332が起立状態とされ、特定入賞口65a(図56(a)参照)が閉鎖されているように(遊技球が入り難いように)見せることができる一方、所定時間の経過により移動上蓋部材332が傾倒状態とされることで、遊技球が特定入賞口65aに入り易くなったような印象を遊技者に与えることができる。従って、ラウンド遊技R中における、特定入賞口65aへの遊技球の入りやすさに対する印象を視覚的に変化させることができる。
なお、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおいても第8の作動パターンで可動演出部材6360を動作させる場合には、1ラウンド目のラウンド遊技Rの終了後のラウンド間第1インターバル時間Int1の間に、第1クラッチ部材520が当接終端姿勢(図60(b)参照)となるまで駆動モータ510を前転方向に回転駆動することで、第2クラッチ部材530を終端姿勢としておくことが好ましい。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第8の作動パターンにおいて、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
図66に示すように、第8の作動パターンでは、ラウンド遊技Rの終了のタイミングでは、第2クラッチ部材530は初期姿勢とされており、可動演出部材6360の動作に影響を与えない(可動演出部材6360の動作軌跡の外側に配置される)。従って、可動演出部材6360の動作は、第1伝達部材2340及び第2伝達部材2350(図18参照)を介して与えられる負荷によるものであり、その特徴は上述の第1の作動パターンで説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第8の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第8の作動パターンを継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第8の作動パターンを、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
また、所定時間は、通常の遊技の仕方において、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aを通過するまでに経過する最短の時間よりも短い時間として設定されるものであり、3秒間に限定されるものでは無い。例えば、3秒間未満の時間でも良いし、3秒間よりも長い時間(例えば、7秒間)であっても良い。
図67及び図68を参照して、第6実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係について説明する。図67は、第6実施形態における第1当たり種別カウンタC4と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図68は、大当たり種別とラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態との対応関係を模式的に示した模式図である。
図67に示すように、第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC4の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC4の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC4の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜34」の範囲には、大当たりIが対応付けられて規定されている(図67の202b61参照)。
大当たりIとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第4の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「35〜49」の範囲には、大当たりJが対応付けられて規定されている(図67の202b62参照)。
大当たりJとなった場合は、10ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の長開放動作(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞が満たされるまで開状態で維持される動作)で実行される。この場合、遊技者は、約1500個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜99」の範囲には、大当たりKが対応付けられて規定されている(図67の202b63参照)。
大当たりKとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第5の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も多くなる。
本実施形態によれば、特別図柄1の抽選に基づく大当たりでは、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりにより遊技者が得られる利益の概要を判断することができる。
即ち、図68に示すように、獲得した大当たりが、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は傾倒状態に変化する。これに対し、大当たり遊技の終了後に時短状態へ移行する大当たりである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は起立状態で維持される。従って、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360に注目しておくことで、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
加えて、大当たりIの場合、第4の作動パターン(図62参照)で上述したように、特定入賞口65a(図56(a)参照)の実質的な左右幅を狭めたまま維持することができるので、特定入賞口65aの実質的な左右幅が最大となる場合(特定入賞口65aの実質的な左右幅が特定入賞口65aの左右幅と同一である場合)に比較して、遊技球の特定入賞口65aの通過速度が遅くなるような印象を遊技者に与えることができる。これにより、大当たりIが、遊技者の得られる利益が少ない大当たりであるということを、特定入賞口65aを通過する遊技球の通過態様によって遊技者に理解させることができる。
なお、可動演出部材6360は、上述したように、移動上蓋部材332(図54参照)が動作するよりも早く動作開始するので、遊技者は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となり、特定入賞口65a(図56(a)参照)が開放される前に、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
また、可動演出部材6360が傾倒状態となった後、傾倒状態のままラウンド遊技Rが終了する場合に比較して、可動演出部材6360が起立状態と傾倒状態とで状態変化を繰り返す態様で動作する方が、大当たりにおけるラウンド数が多い。そのため、遊技者は、可動演出部材6360の動作態様を確認することで、大当たりにおけるラウンド数の多少を判断することができる。従って、ラウンド遊技Rの開始時だけでなく、ラウンド遊技Rの途中においても、可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。なお、本実施形態では、可動演出部材6360が状態変化を繰り返す場合のラウンド数は、獲得できる最大のラウンド数に設定される。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC4の値が「0〜49」の範囲には、大当たりeが対応付けられて規定されている(図67の202b64参照)。
大当たりeとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の第6の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出し(最大の払い出し)を受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「50〜59」の範囲には、大当たりfが対応付けられて規定されている(F21(a)の202b65参照)。
大当たりfとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約2250個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される。
第1当たり種別カウンタC4の値が「60〜99」の範囲には、大当たりgが対応付けられて規定されている(F21(a)の202b66参照)。
大当たりgとなった場合は、6ラウンドの大当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、約900個の賞球の払い出しを受けることができ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で生じる大当たりは、6割の確率で大当たりe,f(最大の払い出し個数の大当たり)である。従って、特別図柄1の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなった場合に期待される払い出し個数を増大させることができる。
そのため、大当たりe,fなのか、大当たりgなのかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化するので、特別図柄2の抽選で選択される大当たりがどの大当たりとなるかに対する注目力を向上することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、特別図柄2の抽選に基づく大当たりでは、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりにより遊技者が得られる利益の概要を判断することができる。
即ち、図68に示すように、獲得した大当たりが、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりである大当たりeである場合、ラウンド遊技Rの開始時に、可動演出部材6360は傾倒状態に変化する。これに対し、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が起立状態で維持される場合、大当たり遊技の終了後に時短状態へ移行する大当たりであるか、大当たり終了後に高確率状態へ移行する大当たりであるかは不明である。
従って、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が傾倒状態となった場合には遊技者は安心できる(大当たり遊技の終了後に高確率状態へ移行することが確定する)。このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間または、そのラウンド遊技Rよりも前の期間に、遊技者に対して「確変!?」等の報知(遊技者に大当たりの利益を理解させるのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、遊技者を安心させることができる。
なお、可動演出部材6360は、上述したように、移動上蓋部材332(図54参照)が動作するよりも早く動作開始するので、遊技者は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)となり、特定入賞口65a(図56(a)参照)が開放される前に、大当たり終了後に高確率状態へ移行するか否かの確認をすることができる。
一方で、ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が傾倒状態となった場合には遊技者は未だ安心できない。ラウンド遊技Rの開始時に可動演出部材6360が起立状態で維持された場合、大当たりf又は大当たりgが選択されたことになるが、これらの大当たりには、遊技者が得られる利益に明確な差がある。
即ち、大当たりfは、最大の払い出し個数の大当たりであり、且つ、大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、特別図柄の高確率状態、且つ普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い状態へ移行される大当たりである(賞球多、高確率状態へ移行の大当たり)。一方、大当たりgは、最低の払い出し個数の大当たりであり、且つ、大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態へ移行される大当たりである(賞球少、低確率状態へ移行の大当たり)。
そのため、獲得した大当たりが、大当たりfなのか、大当たりgなのかは、遊技者にとって最大の注目事項となる。本実施形態では、可動演出部材6360の状態を確認することで、獲得した大当たりが、大当たりfなのか、大当たりgなのかを判定することができるので、可動演出部材6360に対する注目力を向上させることができる。
即ち、大当たりfでは、ラウンド遊技Rの終了直前に可動演出部材6360が起立状態となる一方、大当たりgでは、ラウンド遊技Rが終了するまで可動演出部材6360が傾倒状態で維持される。従って、遊技者は、可動演出部材6360の状態をラウンド遊技Rの終了直前まで視認することで、獲得した大当たりの大当たり種別を判定することができる。
このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間に、遊技者に対して「確変か!?続報を待て」等の報知(遊技者に大当たりの利益を理解させるのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、大当たり種別の判定ができるまでの時間の緊張感を演出し、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、可動演出部材6360が起立状態へ変化するタイミングは、特定入賞口65aを通過した遊技球が所定個数(第7の作動パターンでは6個)検出されたタイミングに基づいて規定される。そのため、所定個数の遊技球が検出されたタイミングと、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が検出されたタイミングとの間が短い場合(規定個数と所定個数との差を超える個数の遊技球が同時期に入賞した場合)、可動演出部材6360の起立状態への変化が、ラウンド遊技Rの終了直前に生じたのか、ラウンド遊技Rの終了により生じたかの判別が付き難くなるので、大当たり種別を判定することが困難となる。
このような事態は、遊技球を複数個一気に特定入賞口65aに入賞させる場合に生じる。そのため、普段よりも長めに間を開けて遊技球を一球ずつ発射することで、このような事態が生じることを回避することができる。
このとき、本実施形態では、ラウンド遊技Rの期間に、遊技者に対して「確変か!?一球ずつ思いを込めて打ち込め」等の報知(遊技者に、大当たり遊技中の遊技球の発射方法を示唆するのに有用な文字、図、光による表示や、音声出力)が、第3図柄表示装置81、音声出力装置226又はランプ表示装置227等(図4参照)で実行される。これにより、大当たり種別の判定ができるまでの時間の遊技球の発射態様を指示することができ、大当たり種別を判定することが困難となる事態が発生することを避けることができる。
なお、大当たり種別を判定することが困難となる事態が発生した場合であっても、このように遊技球を複数個一気に特定入賞口65aに入賞させた場合には、規定個数以上の入賞が発生している場合が多い。即ち、大当たり種別の判定が困難となる代わりに、遊技者は、大当たり遊技として予定されていた賞球よりも多めの賞球を得ている場合が多い。従って、遊技者が得られる利益のバランスをとることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりe,f(最大出球の大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9の作動パターン(非V)について>
図69は、第9の作動パターン(非V)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
第9の作動パターンは、後述するように、V入賞センサVCを遊技球が通過可能な場合と、V入賞センサVCを遊技球が通過不能な場合とを構成することを目的とするものであり、ラウンド遊技Rにおける動作態様が、大当たり種別により、ここで説明する第9の作動パターン(非V)か、後述する第9の作動パターン(V)のどちらかに決定される。このような事情から、第9の作動パターンでは、駆動モータ510はMPU201に制御される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(非V)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(非V)に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65a(図56(a)参照)を開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始(ソレノイド2333の励磁(駆動))を契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。第2クラッチ部材530が終端姿勢になると、可動演出部材6360は起立状態になる。
このとき、移動上蓋部材332が張出状態から動作開始するよりも前に第2クラッチ部材530が終端姿勢に到達可能な回転速度で、駆動モータ510は回転駆動される。従って、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされ、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、起立状態とされる。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が、専らセンサSを通過する構成とすることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(非V)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(非V)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(非V)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(非V)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
なお、第9の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
<第9の作動パターン(V)>
次いで、第9の作動パターン(V)について説明する。なお、第9の作動パターン(V)は、上述の第9の作動パターン(非V)に比較して、駆動モータ510の駆動時間が長くなることにより、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた後において、第2クラッチ部材530は初期姿勢とされ、可動演出部材6360は傾倒状態とされることが、大きく異なる。
図70は、第9の作動パターン(V)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(V)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(V)に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始(ソレノイド2333の励磁(駆動))を契機として、第2クラッチ部材530が終端姿勢に変化するまで駆動モータ510が前回転方向に駆動される。第2クラッチ部材530が終端姿勢になると、可動演出部材6360は起立状態になる。
このとき、上述した第9の作動パターン(非V)と同様に、移動上蓋部材332が張出状態から動作開始するよりも前に第2クラッチ部材530が終端姿勢に到達可能な回転速度で、駆動モータ510は回転駆動される一方、上述した第9の作動パターン(非V)と異なり駆動モータ510が長時間駆動される。これにより、第1クラッチ部材520が解除姿勢(図60(c)参照)を経て、当接開始姿勢(図60(a)参照)に復帰することで、第2クラッチ部材530が初期姿勢に復帰する。
従って、可動演出部材6360は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされ、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、起立状態とされるが、その後で、傾倒状態に変化する。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が、第3センサS3を通過可能に構成することができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(V)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(V)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(V)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(V)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
本作動のパターンでは、可動演出部材6360を移動上蓋部材332と同様に、所定の入球口(センサS又は第3センサS3)へ遊技球が入球することを許容するか規制するかを切り替える部材として扱うことができる。
他の形態として、例えば、可動演出部材6360が起立状態の時には特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSのみに検出される一方、可動演出部材6360が傾倒状態の時に特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSと、そのセンサSとは異なる第3センサS3に検出されるように構成しても良い(可動演出部材6360に凹設部2365を形成することで実現可能)。
この場合、ラウンド遊技Rにおいて、本実施形態と同様に遊技球がセンサSのみを通過する場合と、本実施形態とは異なりセンサSと第3センサS3とを通過する場合とを作ることができる。そして、本作動パターンで動作させることにより、可動演出部材6360の制御の切り替えにより、V入賞センサVCへの遊技球の入球可否を切り替えることができる。
即ち、第9の作動パターン(非V)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を不可能とし、第9の作動パターン(V)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を可能とすることができる。
なお、本実施形態では第3センサS3を通過した遊技球のみがV入賞センサVCを通過するものとして説明したが、V入賞センサVCを通過する遊技球は、第3センサS3を通過した遊技球に限られるものでは無く、センサSを通過した遊技球であっても良い。この場合には、可動演出部材6360に最適な動作が、別途設定される。
なお、第9の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
ここで、V入賞センサVCへの入球可否を切り替える方法としては、従来から種々の方法が例示される。例えば、特定入賞口を開閉する開閉板からV入賞センサVCまでの流路長さが十分あり、特定入賞口に遊技球が入球してから、その遊技球がV入賞センサVCに到達するまでの期間が十分長い場合には、開閉板を開状態としてからV入賞センサVCへの入球を規制するV規制弁VBを動作させたとしても、V入賞センサVCへの誤入賞が生じる可能性は低い。
従って、このような場合には、開閉板を開状態とした後で、V規制弁VBを動作させる制御を行うことで、問題は生じ難い。但し、V入賞センサVCの配置位置の自由度が低下することは避けられない。
一方、V入賞センサVCを開閉板の直下に配置したとしても、開閉板とV規制弁VBとの動作パターンを工夫することで、V入賞センサVCへの誤入賞を防止する方法が知られている。これは、開閉板を短時間開放した後、開閉板を閉鎖させている間にV規制弁VBを動作させ、V入賞センサVCへの入球を規制する場合には、V規制弁VBでV入賞センサVCへの入賞を規制した状態で開閉板を再び開放し、ラウンド遊技を実行可能とするものである。この場合、V入賞センサVCを動作させるタイミングでは、開閉板は閉鎖されているので、遊技球がV入賞センサVCへ誤入賞することを防止することができる。
従って、このような場合には、特定入賞口とV入賞センサVCとの間の距離に関わらずV入賞センサVCへの誤入賞を防止することができるので、V入賞センサVCの配置位置の自由度を高くすることができる。換言すれば、特定入賞口の下流であれば、V入賞センサVCはどこにあっても良い(真下であっても、しばらく遊技球が流下した後の位置であっても良い)。但し、開閉板を短時間開放することは避けられないので、ラウンド遊技R中において、開閉板を常に開放したままで維持するということができない。そのため、遊技球を発射するタイミングが分かり難くなったり、不正な制御が行われていると遊技者に疑われ、不信感の基になったりする虞があった。
これに対し、本実施形態では、移動上蓋部材332の動作開始タイミングよりも可動演出部材6360の動作開始タイミングの方が早いことを利用して、移動上蓋部材332が張出位置から動き出すよりも前に可動演出部材6360を開閉動作(起立状態から傾倒状態とし、更に起立状態に戻すこと)させることで、結果として、第3センサS3に入球可能な作動パターンと、第3センサS3に入球不能な作動パターンとを切り替えることができる。
この場合において、上述したように、開閉板に相当する移動上蓋部材332をラウンド遊技Rにおいて常に開状態(退避状態)で維持したままとすることができ、加えて、第3センサS3の配置自由度も高く維持することができる(本実施形態では、特定入賞口65aの真後ろに配置)。
即ち、V入賞センサVCの配設自由度を高く維持することと、特定入賞口の開閉板をラウンド遊技Rにおいて開状態で維持することとを両立することができる。
<第9の作動パターン(V)の別例>
次いで、第9の作動パターン(V)の別例について説明する。なお、第9の作動パターン(V)の別例は、上述の第9の作動パターン(V)に比較して、ソレノイド2333の励磁(駆動)の直後に可動演出部材6360が起立状態に復帰しないことが異なる。
図71は、第9の作動パターン(V)の別例における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第9の作動パターン(V)の別例に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御し、第9の作動パターン(V)の別例に基づいて可動演出部材6360が動作するよう第2クラッチ部材530が動作するようにMPU201が駆動モータ510(図57参照)を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
同時期に、MPU201は、オープニング時間OPが経過するまでに第2クラッチ部材530が初期姿勢となるように駆動モータ510を駆動し、第1クラッチ部材520が当接開始姿勢(図60(a)参照)で停止する状態で駆動モータ510を維持する(停止制御する)。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが開始した後においても、駆動モータ510は停止制御され、第2クラッチ部材530は初期姿勢で維持される。そのため、可動演出部材6360は、ソレノイド2333の励磁(駆動)に伴い、傾倒状態になる。
可動演出部材6360は、上述のように、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ向けて動作し、遊技球が特定入賞口65aに入球可能となるよりも前に、傾倒状態へ変化する。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球が専ら第3センサS3を通過する構成とすることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第9の作動パターン(V)の別例において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第9の作動パターン(V)の別例では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第9の作動パターン(V)の別例を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第9の作動パターン(V)の別例を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
<第10の作動パターン(下通過)>
図72は、第10の作動パターン(下通過)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。そして、規制弁VBの開放タイミングは、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から所定時間(本作動パターンでは2秒間)に限定される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第10の作動パターン(下通過)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、第10の作動パターン(下通過)では、上述した各作動パターンと異なり、駆動モータ510(図57参照)は、電源の投入から一定動作を継続するようにMPU201に制御される。第10の作動パターン(下通過)における一定動作は、10[度/秒]の回転速度で前回転する等速動作に設定される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第2の作動時間T1(最大1秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面を遊技球が転動可能であり、上述したように移動上蓋部材332の上面に常に遊技球が乗っている状態を構成可能であるので、第2の作動時間T1が最大1秒間と短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ入球させ易くすることができる。
ここで、移動上蓋部材332の動作タイミングが大当たり遊技の開始タイミングに依存する一方で、駆動モータ510(図57参照)は電源の投入から一定の動作を継続するので、移動上蓋部材332の動作タイミングにおける第2クラッチ部材530の姿勢は毎回一致するわけでは無く、大当たり遊技の開始タイミングにより異なる。
第10の作動パターン(下通過)は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた時に、第2クラッチ部材530が終端姿勢であった場合の作動パターンとして説明される。図72に示すように、第10の作動パターン(下通過)では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)の時に、可動演出部材6360は起立状態で維持される。従って、1ラウンド目のラウンド遊技Rで特定入賞口65aに入球した遊技球はセンサSに検出されることになるので、V入賞センサVCに検出されることは無い。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
なお、第2の作動時間T2は規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入球するのに要する期間に比較して十分に短いので、1ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら、ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過により終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第10の作動パターン(下通過)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが2ラウンド目のラウンド遊技Rと同様に繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第10の作動パターン(下通過)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を主に説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第10の作動パターン(下通過)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第10の作動パターン(下通過)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
例えば、2ラウンド目のラウンド遊技Rに第10の作動パターン(下通過)を採用し、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングで規制弁VBが開放されるように制御すれば、大当たり遊技の開始タイミングだけでなく、1ラウンド目のラウンド遊技Rを何秒で消化するかにより、2ラウンド目のラウンド遊技R中における第2クラッチ部材530の姿勢が決定されることになる。従って、大当たり遊技の消化に対する戦略性を上げることができるので、大当たり遊技が緩慢になることを防止することができる。
<第10の作動パターン(上通過)>
図73は、第10の作動パターン(上通過)における移動上蓋部材332、ソレノイド2333、可動演出部材6360、第2クラッチ部材530、駆動モータ510、センサS、第3センサS3、規制弁VB及びV入賞センサVCの出力の計時変化を示した図である。なお、センサS及び第3センサS3の図において、ONのパルスは、1個の遊技球の通過が検出されたことを意味する。また、特定入賞口65aを閉鎖する条件の一つとしての規定個数は、センサS及び第3センサS3に検出された遊技球の合計個数を指す。
本作動パターンでは、V入賞センサVCは第3センサS3の下流に配置され、規制弁VBは、V入賞センサVCの上流側であって第3センサS3の下流側である位置に配設される。そして、規制弁VBの開放タイミングは、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始から所定時間(本作動パターンでは2秒間)に限定される。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる移動上蓋部材332及び可動演出部材6360の作動制御について説明する。
所定の大当たり遊技の場合には、第10の作動パターン(上通過)に基づいて移動上蓋部材332が動作するようMPU201がソレノイド2333(図18参照)を駆動制御する。なお、第10の作動パターン(上通過)では、上述した第10の作動パターン(下通過)と同様に、駆動モータ510(図57参照)は、電源の投入から一定動作を継続するようにMPU221に制御される。第10の作動パターン(上通過)における一定動作は、第10の作動パターン(下通過)と同様に、10[度/秒]の回転速度で前回転する等速動作に設定される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第2の作動時間T1(最大1秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
本実施形態では、移動上蓋部材332の上面を遊技球が転動可能であり、上述のように移動上蓋部材332の上面に常に遊技球が乗っている状態を構成可能であるので、第2の作動時間T1が最大1秒間と短い場合であっても、遊技球を特定入賞口65aへ入球させ易くすることができる。
ここで、移動上蓋部材332の動作タイミングが大当たり遊技の開始タイミングに依存する一方で、駆動モータ510(図57参照)は電源の投入から一定の動作を継続するので、移動上蓋部材332の動作タイミングにおける第2クラッチ部材530の姿勢は毎回一致するわけでは無く、大当たり遊技の開始タイミングにより異なる。
第10の作動パターン(上通過)は、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)とされた時に、第2クラッチ部材530が初期姿勢であった場合の作動パターンとして説明される。図73に示すように、第10の作動パターン(上通過)では、移動上蓋部材332が開状態(退避状態)の時に、可動演出部材6360は傾倒状態とされる。従って、1ラウンド目のラウンド遊技Rで特定入賞口65aに入球した遊技球は第3センサS3に検出され、V入賞センサVCで検出可能とされる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
なお、第2の作動時間T2は規定個数の遊技球が特定入賞口65aに入球するのに要する期間に比較して十分に短いので、1ラウンド目のラウンド遊技Rは、専ら、ラウンド遊技時間(第2の作動時間T2の最大値である1秒間)の経過により終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)に保持するようソレノイド2333を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、第10の作動パターン(上通過)において、駆動モータ510の制御態様に関わらず、ソレノイド2333の駆動制御により、ラウンド間第1インターバル時間Int1における可動演出部材6360の状態を起立状態に限定することができる。
2ラウンド目では、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)から開状態(退避状態)へ変位させて特定入賞口65aを開放するようソレノイド2333を駆動制御して、移動上蓋部材332に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、移動上蓋部材332を閉状態(張出状態)へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するようソレノイド2333を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが2ラウンド目のラウンド遊技Rと同様に繰り返されて、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)および開状態(退避状態)の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するようソレノイド2333が駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで移動上蓋部材332を閉状態に保持するようソレノイド2333が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、第10の作動パターン(上通過)では、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を主に説明したに過ぎず、2ラウンド目以降のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様は、第10の作動パターン(上通過)を継続しても良いし、他の作動パターンに切り替えられるようにしても良い。また、第10の作動パターン(上通過)を、所定ラウンド目のラウンド遊技Rに採用し、1ラウンド目のラウンド遊技Rは他の作動パターンとするようにしても良い。
例えば、2ラウンド目のラウンド遊技Rに第10の作動パターン(上通過)を採用し、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始タイミングで規制弁VBが開放されるように制御すれば、大当たり遊技の開始タイミングだけでなく、1ラウンド目のラウンド遊技Rを何秒で消化するかにより、2ラウンド目のラウンド遊技R中における第2クラッチ部材530の姿勢が決定されることになる。従って、大当たり遊技の消化に対する戦略性を上げることができるので、大当たり遊技が緩慢になることを防止することができる。
第10の作動パターンによれば、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて、遊技球がセンサSのみを通過する場合と、第3センサS3のみを通過する場合とを作ることができる。そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて第3センサS3を通過した遊技球のみが、上述したV入賞センサVCを通過可能に構成することで、第1ラウンド目のラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の状態と、V入賞センサVCへの遊技球の入球可否を切り替えることができる。
即ち、第10の作動パターン(下通過)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を不可能とし、第10の作動パターン(上通過)ではV入賞センサVCへの遊技球の入球を可能とすることができる。
また、第10の作動パターン(下通過)及び第10の作動パターン(上通過)以外のタイミング(例えば、第2クラッチ部材530が初期姿勢から終端姿勢へ変化する途中のタイミング)で移動上蓋部材332が開状態(退避状態)へ変化する場合、遊技球がセンサSを通過する可能性も、第3センサS3を通過する可能性も残すことができる。
なお、第10の作動パターンにおいて、駆動モータ510(図57参照)をMPU201に制御されるものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU221に制御されるようにしても良い。
なお、上記説明では、第3センサS3を通過した遊技球がV入賞センサVCを通過するものとして説明したが、これに限定されるものでは無い。例えば、V入賞センサVCを通過する遊技球は、第3センサS3を通過した遊技球に限られるものでは無く、センサSを通過した遊技球であっても良い。
また、可動演出部材6360にさせたい動作に対応して、駆動モータ510(図57参照)の一定動作の態様を別途設定しても良い。
例えば、電源が投入されてからの駆動モータ510(図57参照)の動作は、第1クラッチ部材520を当接開始姿勢(図60(a)参照)から当接終端姿勢(図60(b)参照)まで瞬時に変化させるように前転方向に回転し、その後、所定期間停止し、その後、第1クラッチ部材520を解除姿勢(図60(c)参照)を経て次の当接開始姿勢まで瞬時に変化させるように前転方向に回転し、その後、所定期間停止することを繰り返す一定動作として制御されても良い。
この場合、第2クラッチ部材530が初期姿勢から終端姿勢に変化するのに要する時間を極めて短くすることができるので、第2クラッチ部材530の移動途中で遊技球が特定入賞口65aを通過する場合が生じる可能性を極めて低くすることができる。そのため、特定入賞口65aを通過した遊技球がセンサSにも第3センサS3にも入り得るという状況が発生する可能性を極めて低くすることができる。
図72及び図73で上述したように、一定動作するのは第2クラッチ部材530であって、可動演出部材6360ではない。換言すれば、可動演出部材6360は、一定動作する第2クラッチ部材530の動作に伴って状態を変化させる部材であるが、ソレノイド2333が励磁(駆動)されていない状態では、第2クラッチ部材530の姿勢に関わらず起立状態を維持する。
第2クラッチ部材530は内レール61の下方に配置されているので、遊技中は遊技者から視認され難い。そのため、遊技者が第2クラッチ部材530の動作態様を把握したい場合、遊技中に視認し易い可動演出部材6360の状態に注目することになる。これに対し、本実施形態では、可動演出部材6360が閉状態で維持されることになるので、可動演出部材6360に注目しても、第2クラッチ部材530の動作態様を把握することができない(一定動作の内のどのタイミングに相当するのかを把握することができない)。
そのため、一定動作をする可動部材の動作態様を把握して、球の発射タイミングを調整することで、遊技者に不測の利益を与える遊技態様が実行可能となる状況(攻略法が確立すること)を回避し易くすることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が前後方向にスライド移動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の段部324aの内側面に揺動可能に軸支され左右一対で形成される長尺板状の可動部材を備え、その可動部材は、一対の段部324aが連設される方向に長手方向を沿わせる姿勢で配置され球の特定入賞口65aへの通過を妨げる閉鎖状態と、その状態から上昇または下降方向に揺動され球の特定入賞口65aへの通過を可能とする開放状態と、を形成可能としても良い。また、同様の構成で、特定入賞口65aではなく第2入賞口640を構成しても良い。
上記各実施形態では、盤面下部ユニット300の移動上蓋部材332が退避状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332が張出状態とされる場合に光照射装置331cから照射される光を正面側へ反射する部分を移動上蓋部材332の下部に形成しても良い。この場合、移動上蓋部材332により反射される光が球に遮られることが無く、光の演出効果を向上させることができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332,4332を前後方向にスライド移動する部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右端部が回転可能に軸支され、扇を開閉するように変位するものとして構成しても良い。この場合、変位中にガラスユニット16との間で遊技球を挟んだ場合であっても、遊技球をガラスユニット16の面と平行な方向に逃がすことができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作開始のタイミングがずれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332と、可動演出部材2360との動作開始のタイミングが同時となる構成としても良い。その実現手法としては、例えば、延設棒状部2353の先端形状を変化させたり、駆動モータ510の駆動タイミングを調整したり、する方法が例示される。
上記各実施形態では、特定入賞口65aの上流側に回転変位する可動演出部材2360が配設され、その更に上流側に所定平面に沿ってスライド変位する移動上蓋部材332が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、移動上蓋部材332の動作態様と、可動演出部材2360の動作態様とを同系統としても良いし、動作態様を逆で構成しても良い。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332の下流側に可動演出部材2360が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可動演出部材2360と同様に移動上蓋部材332を動作させる駆動装置(ソレノイド2333)により動作する演出部材が、移動上蓋部材332の上流側に配設されても良いし、遊技領域外に配設されても良い。
この場合において、例えば、演出部材を動作させることで、遊技者の注目している領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示領域)に近づける(進入させる)ことを狙っても良い。この場合、遊技者が、演出部材に注目しておらず、他の領域(例えば、第3図柄表示装置81の表示領域)に注目している時でも、移動上蓋部材332の動作タイミングを遊技者に気付かせることができる。
上記各実施形態では、移動上蓋部材332が特定入賞口65aを開閉する部材として構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、移動上蓋部材332が第2入賞口640を開閉する部材として構成されても良い。即ち、第2入賞口640が、センサSの位置に配置されても良い。
上記各実施形態では、可動演出部材2360〜6360を、移動上蓋部材332,4332に比較して動作前後の形状の差が識別し易いものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、移動上蓋部材332,4332と可動演出部材2360〜6360とを同形状、同一動作で構成し、煌びやかさに違いを持たせるようにしても良い。この場合、可動演出部材2360〜6360に光を反射する反射シールを張り付けたり、LEDを配設したりすることで、可動演出部材2360〜6360の状態の識別性を向上させ易くすることができる。
上記各実施形態では、可動演出部材2360の上面で跳ねた遊技球が移動上蓋部材332と衝突し得る配置で、可動演出部材2360と移動上蓋部材332とを配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360と移動上蓋部材332との間の間隔と十分に離して、遊技球が衝突することが生じないようにしても良い。この場合、移動上蓋部材332と可動演出部材2360との間で球噛みが生じることを防止することができる。
上記各実施形態では、可動演出部材2360,3360,4360,6360が平面形状から形成されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360,3360,4360,6360の表裏の面に、遊技球の流下に影響を与える程度の大きさ、間隔で突起や、リブが形成されても良い。これにより、可動演出部材2360,3360,4360,6360の面を流下時に当接する面として流下する遊技球の流下態様のランダム性を上昇させることができる。この面は、遊技球の下方に配置される面に限らず、水平方向に配置される面でも良いし、上方に配置される面でも良い。また、上述の突起や、リブが内レール61の上面に形成されるようにしても良いし、前板部材320,2320の背面に形成されるようにしても良い。
上記第2実施形態では、LEDの記載を省略したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、第1実施形態と同様にLEDを配置しても良い。この場合、移動上蓋部材332の閉鎖タイミングで特定入賞口65aに入球した遊技球は可動演出部材2360の正面側を通り下方通路331bを前後に通過することで光を遮り、発光態様が変化するので、発光態様の変化に、移動上蓋部材332の閉鎖タイミングで特定入賞口65aに遊技球が入球した可能性を報知するという意味合いを付加することができる。
上記第2実施形態では、可動演出部材2360の表面および裏面が平面形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材2360の表面または表面から垂直方向に延設されるリブを設けて遊技球の流下経路を調整するようにしても良い。
この場合、例えば、遊技球の流下面から延設されるリブの延設長さを遊技球の半径よりも短く形成することで、そのリブを遊技球が乗り越え可能な部分として構成することができる。従って、リブを乗り越えた後の遊技球と、乗り越える前の遊技球とで、流下態様(速度)に差をつけることができる。
また、例えば、遊技球の流下面から延設されるリブの延設長さを遊技球の半径よりも長く形成することで、リブにより遊技球の流下経路を規定することができる。例えば、リブの一方の面と対向する位置を流下する遊技球と、そのリブの他方の面と対向する位置を流下する遊技球との衝突を避けることができる。
上記第3実施形態では、特定入賞口65aの左寄りの位置に、第2センサS2と、V入賞センサVCとが配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、左右対称で第2センサS2と、V入賞センサVCとが一対で配設されても良い。この場合において、V入賞センサVCを開閉する規制弁VBの動作態様を左右で異ならせることにより、特定入賞口65aに遊技球を左右どちらから入れるかにより、V入賞センサVCに遊技球が通る確率を変化させることができる。
この場合、左右どちらかから入った遊技球のいずれかが、必ずV入賞センサVCを通るように構成することで、ラウンド遊技Rの途中で左打ちと右打ちとを切り替えるという発射態様を遊技者に行わせ易くすることができる。即ち、ラウンド遊技R中に遊技者が暇を持て余すことを防止することができる。
また、左右どちらが有利かを示す報知の注目力を向上させることができ、遊技者の集中力を向上させることができる。
上記第3実施形態では、可動演出部材3360は、本体板部2361の上面が平面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、本体板部2361の前半部の上面が左右中央から左右外側方向へ向かうにつれて下降傾斜し、後ろ半部の上面が左右中央へ向けて下降傾斜する形状から形成されても良い。この場合、可動演出部材3360の上面に乗った遊技球を第2センサS2へ向けて流下し易くすることができると共に、第2センサS2に遊技球が停留した後は、凹設部2365への傾斜(左右中央へ向けた傾斜)を通して遊技球をセンサSへ向けて流下し易くすることができる。
上記第4実施形態では、被係止部4367が突設爪部4433aに対して鉛直方向に沿った負荷をも与える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、被係止部4367は、突設爪部4433aに対して水平方向の負荷を与える形状から形成されても良い。この場合、被係止部4367から上下移動部材4430に対して与えられる負荷が水平方向を向くことになるので、被係止部4367から上下移動部材4430に与えられる負荷により、上下移動部材4430が上下に動かされることを防止することができる。従って、コイルスプリングSP4bの付勢力が弱くても、上下移動部材4430を下限位置で維持することができる。
上記第4実施形態では、移動上蓋部材4332が閉状態(張出状態)となった後で可動演出部材4360が起立状態に変化し、第2センサS2の内側に停留していた遊技球がV入賞センサVCへ流下する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、切替装置4400の代わりに、負荷発生装置500を採用することで、移動上蓋部材4332を開状態(退避状態)で維持したまま、可動演出部材4360を起立状態に変化させ、V入賞センサVCへ遊技球を入球させることができる。
上記第4実施形態では、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が起立状態を維持する状態と、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となる状態とが交互に切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、等分凹設部4411aを45度周期(8箇所)で備えるように回転部材4410の本体部4411を構成することにより、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)に4回変化する度に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となり、それ以外では可動演出部材4360を起立状態で維持することができる。
なお、上述の移動上蓋部材4332の複数回の変化は、同一のラウンド遊技R中に実行される(完結される)ものでも良いし、複数のラウンド遊技Rに亘って生じるものでも良い。後者の場合、可動演出部材4360が傾倒状態のラウンド遊技R(1回)と、可動演出部材4360が起立状態のラウンド遊技R(3回)とを、周期的に(4ラウンド周期で)実行することができる。
また、負荷発生部4413の片方を省略することによっても、同様に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)に4回変化する度に、移動上蓋部材4332が開状態(退避状態)とされた時に可動演出部材4360が傾倒状態となり、それ以外では可動演出部材4360を起立状態で維持することができる。
上記第4実施形態では、上下移動部材4430が可動演出部材4360を起立状態で維持することにより、上下移動部材4430の傾倒開始タイミングが移動上蓋部材4332の移動開始タイミングよりも遅れる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、上下移動部材4430が上限界位置に配置されるタイミングを早めて、可動演出部材4360が傾倒開始するタイミングを移動上蓋部材4332が移動開始するタイミングと同等か、そのタイミングよりも早くするようにしても良い。なお、タイミングを早める手段としては、凹設部4431aよりも背面側の位置において、上下移動部材4430の下面を下方に膨出させ、負荷発生部4413に早期に押し上げられるように形成する方法が例示される。膨出させる部分の設計により、可動演出部材4360の傾倒開始タイミングを任意で設計することができる。
上記第4実施形態では、入球監視センサS0が賞球の払い出しに関わらないセンサとして利用される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、球の通過を検出することに伴い、賞球の払い出しを生じるセンサとして構成しても良い。この場合、センサSで球の通過を検出して賞球の払い出しを発生させる場合に比較して、賞球の払い出しが生じるタイミングを早くすることができる。また、入球監視センサS0を、他の実施形態において配設することは、当然に許容される。
上記第5実施形態では、コイルスプリングSP5aの付勢力で下面上昇部材5440を退避位置に維持する(後転姿勢で維持する)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、下面上昇部材5440の重心位置を回転軸よりも当接部5442側に配置するようにしても良い。この場合、自重で、下面上昇部材5440を退避位置に維持することができる(後転姿勢で維持することができる)。
上記第6実施形態の各作動パターンでは、駆動モータ510をMPU221で制御する場合と、MPU201で制御する場合とを説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、駆動モータ510をMPU221で制御する代わりにMPU201で制御しても良いし、駆動モータ510をMPU201で制御する代わりにMPU221で制御するようにしても良い。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360に凹設部2365が形成されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材6360に凹設部2365を形成しても良い。この場合、可動演出部材6360の状態に関わらず、遊技球はセンサSへ向けて流下することが可能となる。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360の状態によって遊技球が振り分けられるセンサS及び第3センサS3を、賞球払い出し用の入賞口として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、賞球払い出し用の入賞口としての機能に加えて、又は代えて、センサS又は第3センサS3のいずれか一方にV入賞センサVCの機能を付加するようにしても良い。この場合、可動演出部材6360を、V入賞センサVCの規制弁VBとして機能させることができる。
上記第6実施形態では、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となることに応じで、可動演出部材6360が起立状態で維持される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、下面上昇部材5440を別の駆動装置で駆動可能に配設しても良い。この場合、下面上昇部材5440が張出位置とされる場合には、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)となっても、ソレノイド2333の駆動力は可動演出部材6360へ伝達されず、可動演出部材6360が起立状態となることを防止することができる。従って、移動上蓋部材332が閉状態(張出状態)の時に、駆動モータ510を回転駆動させることにより、可動演出部材6360を任意に動作させることができる。
なお、この場合、下面上昇部材5440が張出位置とされる場合には、移動上蓋部材332の駆動力を発生する駆動装置(ソレノイド2333)と、可動演出部材6360の駆動力を発生する駆動装置(駆動モータ510)とを、分けることができる。即ち、可動演出部材6360を移動上蓋部材332の状態に関わらず独立駆動させることができる。
一方、下面上昇部材5440が退避位置とされる場合には、ソレノイド2333は、移動上蓋部材332および可動演出部材6360の両方に駆動力を伝達する駆動装置として機能する。
従って、下面上昇部材5440の配置により、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材6360の動作とが別の駆動装置から発生した駆動力のみにより生じる場合と、移動上蓋部材332の動作と可動演出部材6360の動作とが兼用の駆動装置(ソレノイド2333)から発生した駆動力によっても生じる場合とを切り替えることができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、特定入賞口65aに入球した遊技球の個数により可動演出部材6360を起立状態へ変化させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、入球個数ではなく、移動上蓋部材332が開状態となってから所定時間が経過することにより可動演出部材6360が起立状態へ変化するようにしても良い。この場合、所定時間を、遊技球の発射間隔として制御される間隔で発射し続けた場合に特定入賞口65aに遊技球が平均6個入球する時間として設定することで、同様の効果を奏することができる。また、この所定時間を長め(例えば15秒)と設定することにより、そのラウンドの時間を長めに維持させることができるので、大当たり遊技の進行スピードを遅らせることができる。
ここで、ラウンド遊技Rにおける可動演出部材6360の動作態様を確認することで大当たり遊技終了後の遊技状態を把握可能に構成されるところ、大当たり遊技終了後の遊技状態が、確変状態となるか、通常状態となるかを知る必要がない場合には速攻で大当たり遊技(ラウンド遊技R)を終わらすことができる一方、確変状態となるかを知りたい場合には、大当たり遊技(ラウンド遊技R)を長時間かけて実行する必要が生じるという遊技性を付加することもできる。
換言すれば、大当たり遊技後の遊技状態を知ることよりも、大当たり遊技終了後の抽選を早期に受けることを重視する場合には、大当たり遊技を早期に終了させることができるという長所があり、確変状態か通常状態かが不明なので、辞め時が分からなくなるという短所もある。一方で、大当たり遊技後の遊技状態が確変状態なのか通常状態なのか知りたい場合には、大当たり遊技終了後の抽選が遅くなるという短所があり、辞めたいときに辞められるという長所もある。即ち、遊技者は、自分が重要視する点を各自で決め、大当たり遊技で得る利益(早期の抽選をとるか、大当たり遊技後の遊技状態の把握をとるか)を選択することができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、特定入賞口65aを通過した遊技球の個数に応じて、可動演出部材6360を動作させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定個数目の遊技球を別経路に振り分ける機構を用いて、所定個数目の遊技球を可動演出部材6360に作用する経路に流し、遊技球の作用により可動演出部材6360を動作させても良い。
上記第6実施形態の第10の作動パターンでは、大当たり遊技における作動パターンとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、小当たり遊技における作動パターンに採用しても良い。この場合、所謂「1種2種混合機」におけるV入賞アタッカーに採用することができる。
上記第6実施形態の第6の作動パターンでは、規定個数から4個少ない遊技球が検出されることにより、可動演出部材6360が起立状態へ変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、規定個数から1個少ない遊技球の検出により、可動演出部材6360が起立状態へ変化するように制御しても良い。この場合、可動演出部材6360の正面側を通るのは最後の1球またはオーバー入賞球とすることができる。従って、経路C2aを通り特定入賞口65aに入球する遊技球の流下を視認することで、オーバー入賞(入賞を予定した個数を超えた球の入賞)が発生したことに気付ける。即ち、可動演出部材6360の正面側を複数個の球が通れば、オーバー入賞が発生したということになる。
また、起立状態の可動演出部材2360の正面側を左右に流下した上で、左右方向中心位置付近を前後に流下する遊技球がオーバー入賞に係る遊技球となるので、他の経路を流下する遊技球(オーバー入賞と関連の薄い遊技球)と比較して、特定入賞口65aの正面側に遊技球が滞在する滞在時間を長くすることができる。従って、オーバー入賞に係る遊技球を遊技者に視認させ易くすることができ、オーバー入賞に係る遊技球の演出効果を向上することができる。
これにより、オーバー入賞が生じた際、音声や表示等で報知しなくとも、遊技球の流下態様の確認により、オーバー入賞の有無を遊技者に判断させることができる。換言すれば、遊技球の流下態様に特別な意味を付加することができる。この場合、遊技球の流下態様に対する注目力を向上させることができ、注意散漫な状態で遊技者が遊技をすることを避け、遊技者を遊技に集中させることができる。
上記第6実施形態では、可動演出部材6360は、特定入賞口65aを開閉する部材では無いものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、可動演出部材6360が特定入賞口65aを開閉する部材として構成されても良い。この場合、第3センサS3を賞球の払い出しに係る大入賞口とし、センサSをアウト口として構成することで、可動演出部材6360が、特定入賞口65aを開閉する部材として構成可能となる。
この場合、移動上蓋部材332は、本実施形態と同様に構成できる他、例えば、構成を省略しても良いし、移動上蓋部材332の左右端から左右外方向へ向けて移動上蓋部材332の上面に沿って転動する遊技球が進入可能となるように横向きに開口される横向きセンサを配設し、移動上蓋部材332が張出状態の時に移動上蓋部材332の上面を転動し左右端を越えた遊技球がその横向きセンサへ入球可能となるように構成しても良い。後者の構成を採用する際には、張出状態が移動上蓋部材332の開状態となるので、励磁(駆動)によるソレノイド2333の動作方向を上下逆とすることが好ましい。
上記第6実施形態では、駆動モータ510が移動上蓋部材332の動作タイミングと合わせて駆動されることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、盤面下部ユニット6300が第5実施形態の下面上昇部材5440を備え、移動上蓋部材332の動作タイミングではない時(例えば、大当たり遊技や、小当たり遊技に遊技状態が移行されていない時であって、特定の演出用の図柄が停止したとき)に、下面上昇部材5440が張出位置に配置されるよう所定の駆動装置で駆動されると共に、上述したいずれかの作動パターンと同じ動作態様で、駆動モータ510を駆動する演出動作を行うようにしても良い。
この場合、移動上蓋部材332は閉状態を維持する一方で、可動演出部材6360が大当たり遊技または小当たり遊技の時と同様の動作態様で動作することにより、遊技者にあたかも大当たり遊技または小当たり遊技が開始されるように演出することができる。一方で、この時、移動上蓋部材332は閉状態(張出状態)を維持しているので、実際に移動上蓋部材332を短開放動作する場合と比較して、無用な賞球が生じることを防止することができる。
なお、上述の演出動作を、大当たり遊技が開始されることが決定してから、大当たり遊技が開始される直前までに行ったり、小当たり遊技が開始されることが決定してから、小当たり遊技が開始される直前までに行ったり、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合に行ったりしても良い。この場合、可動演出部材6360に注目しておくことで大当たり遊技や小当たり遊技が開始されるタイミングを予想し易くすることができる。また、可動演出部材6360の各動作と、小当たり遊技や、大当たり遊技を対応付けておくことで、経験値の高い遊技者ほど、可動演出部材6360の動作態様から、その後開始される遊技が大当たり遊技なのか、小当たり遊技なのかを精度よく判定し易くすることができる。これにより、複数回遊技を行うことに対する特典を付けることができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<被駆動手段が開閉板の識別性を上げる技術思想の一例>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機において、前記開閉手段の変位に対応して駆動される被駆動手段を備え、その被駆動手段は、前記開閉手段に比較して、状態変化の識別が容易となるように構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段が複数枚の開閉板から構成されることで、演出を複雑化する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数枚の開閉板は、入賞口が閉状態であるのか、開状態であるのかを分かりにくくする意図で配設されたものであるので、開閉板を複数枚にして演出しても、遊技者の注目力を向上させることは困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、被駆動手段が開閉手段に比較して状態変化の識別が容易に構成されるので、開閉手段の動作態様から開閉手段の位置が遊技者目線で分かり難い場合であっても、被駆動手段の状態を目安として、容易に遊技を行うことができる。
なお、状態変化の識別が容易となる場合としては、種々の態様が例示される。例えば、位置変化しても遊技者目線で形状が変化しないものに対して形状が変化するように構成することで識別を容易としても良いし、小さいものに対して大きな形状とすることで識別を容易としても良い。
遊技機A1において、前記被駆動手段は、前記開閉手段に駆動力が伝達される伝達経路とは別の伝達経路で駆動力が伝達可能とされることを特徴とする遊技機A2。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段が複数枚の開閉板から構成されることで、演出を複雑化する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、演出用の開閉板に駆動力を伝達する伝達経路と重複する伝達経路で開閉用の開閉板に駆動力を伝達する構成とされるので、一方の開閉板に遊技球等から与えられた負荷が他方の開閉板へ伝達されることになり、双方の開閉板が分離している場合に比較して、双方の開閉板の耐久性が低くなる虞があるという問題点があった。
また、この場合、一方の開閉板へ駆動力を伝達する伝達経路の途中位置から、他方の開閉板へ向けて駆動力を伝達する伝達機構を配設する必要が生じるので、双方の開閉板の配設の自由度、及び動作態様の自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、開閉手段に駆動力が伝達される伝達経路と、被駆動手段に駆動力が伝達される伝達経路とを別で構成可能としているので、開閉手段に与えられた負荷が被駆動手段に伝達されることを防ぐことができる。
加えて、開閉手段へ駆動力が伝達される伝達経路と、被駆動手段へ駆動力が伝達される伝達経路とが途中でつながる必要が無いので、開閉手段と被駆動手段との配設の自由度、及び動作態様の自由度を向上させることができる。
なお、開閉手段の変位に「対応して駆動される」とは、ここでは、開閉手段と被駆動手段とが、関連動作していることを意味し、必ずしも開閉手段が開位置または閉位置とされた時に、それと対応して被駆動手段の状態が毎回同じとなることを要求するものでは無い。
例えば、開閉手段が開位置となった時に被駆動手段が第1の状態とされ、その次に開閉手段が開位置となるときには被駆動手段が第2の状態とされるものであっても、その後、周期的に被駆動手段が第1の状態とされれば、「対応して駆動される」と認められる。
遊技機A1又はA2において、前記被駆動手段は、前記開閉手段の下流側に配置され、前記開閉手段が前記閉位置から開位置へ向けて変位を開始する前に駆動されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、開閉手段が開位置となる前に、開閉手段が開位置となるタイミングを予想することができる。そのため、通過手段を狙って遊技球を発射するタイミングを計りやすくすることができる。
なお、開閉手段が前記閉位置から前記開位置へ向けて変位開始する場合、前記開閉手段の変位開始時に対して、所定の開放ずれ期間前に前記被駆動手段が駆動されるようにしても良い。この場合、被駆動手段の駆動タイミングを確認することにより、開閉手段が実際に変位開始する所定の開放ずれ期間前のタイミングを把握することができるので、開閉手段の変位開始タイミングを判定し易くすることができる。
また、前記開閉手段が前記開位置から前記閉位置へ向けて変位開始する場合、前記開閉手段の変位開始よりも所定の閉鎖ずれ期間後に前記被駆動手段が駆動されるようにしても良い。この場合、被駆動手段が動作開始したことを確認することにより、開閉手段が閉位置へ変位開始したことを把握することができる。これにより、開閉手段の位置が見えづらい場合であっても、遊技者は、遊技球の打ち出しを停止し、球損を抑制することができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記被駆動手段は、前記開閉手段が前記開位置に配置される間、停止されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、開閉手段が開位置である時に通過手段を通って流下する遊技球が被駆動手段に衝突可能な構成を採用した場合に、被駆動手段が駆動されている間に遊技球が被駆動手段に衝突することを防止することができる。これにより、被駆動手段が遊技球と衝突することで被駆動手段が損傷する可能性を低くすることができる。
なお、この場合、開閉手段の変位により通過手段を遊技球が通過可能か否かと、被駆動手段の停止とを関連付けることができる。従って、開閉手段を視認し難い状態でも、被駆動手段の状態を確認することで遊技球の適切な発射タイミングを想定することができる。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記被駆動手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段の配設個数を削減することができる。
遊技機A5において、前記被駆動手段の前記開閉手段の変位に対する動作の態様が、前記開閉手段の変位態様の違いに基づき変化可能に構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、単一の駆動手段で、開閉手段と被駆動手段との連動のバリエーションを複数構成することができる。
なお、変位態様の違いとしては、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段が変位する回数でも良いし、開閉手段が変位する距離の違いでも良い。
遊技機A6において、前記開閉手段の変位態様の違いは、前記開閉手段の変位の回数として構成され、その回数に基づいて前記被駆動手段の前記開閉手段に対する動作の態様が周期的に変化することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、被駆動手段の開閉手段に対する動作の態様を、開閉手段が複数回変位することに対するセット動作として構成することができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記被駆動手段を駆動する駆動力を発生する第2駆動手段を、前記駆動手段とは別で備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段で駆動される開閉手段の動きに依存しない動作態様を含む動作態様で、被駆動手段を駆動することができる。
なお、被駆動手段は、駆動手段および第2駆動手段の駆動力で駆動されても良いし、第2駆動手段の駆動力のみで駆動されても良い。
遊技機A8において、前記第2駆動手段から前記被駆動手段へ伝達される駆動力の方向は、前記駆動手段から前記被駆動手段へ伝達される駆動力の方向に沿った方向とされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、駆動手段と第2駆動手段とが、互いの駆動力で損傷することを防止することができる。
<アタッカーの内部の球流れを、時間経過で変更>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機において、前記通過手段を通過した遊技球を検出可能に構成される検出手段と、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能に構成され、前記検出手段と連結され、通過した遊技球が前記検出手段に検出される流下経路と、前記流下経路内の遊技球に作用可能に構成され、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、入賞口を開閉する開閉手段の開閉幅を変化させることで、入賞口への入賞効率を変化させる遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、開閉手段を通過するタイミングでの入賞効率を変化させることができる一方で、開閉手段を通過した後における入賞効率を変化させることができない。この場合、遊技者に秘密にした状態で入賞効率を変化させることができず、演出自由度を低下させる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段が流下経路に配置されるので、通過手段への入球効率は変化させずに、検出手段への入球(入賞)効率を変化させることができる。従って、入賞効率の変化が生じていることを遊技者に秘密にした状態で、入賞効率の変化を生じさせることができる。
なお、通過手段としては、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技などで開閉する特定入賞口でも良いし、時短状態で頻繁に開閉する第2入賞口でも良い。
なお、検出手段としては、種々の態様が例示される。例えば、払い出しのある入賞センサでも良いし、払い出しは無いが遊技球の通過を検出する通過検出センサでも良いし、遊技球の通過により大当たり遊技を発生させるV入賞センサでも良いし、大当たり遊技終了後の遊技状態に関係する(確変状態へ移行させる)センサ(V確変センサ)でも良い。
なお、期間としては、種々の態様が例示される。例えば、通過手段を通過した遊技球の個数に基づいて決定される期間でも良いし、開閉手段が開位置となってから経過した時間に基づいて決定される期間でも良い。
なお、入賞効率としては、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が通過手段を通過してから検出手段に検出されるまでの期間の程度を意味しても良いし、通過手段を通過した遊技球の内、検出手段に検出される球の個数を意味しても良い。
遊技機B1において、前記制限手段は、前記流下経路の流路幅を変化させることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、遊技球が流下経路を通過するのに要する期間を変化させることができる。これにより、通過手段の下流における遊技球の流下態様を変化させることができる。
遊技機B1又はB2において、前記制限手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成され、前記開閉手段の駆動開始時点と、前記制限手段の駆動開始時点とが異なることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、駆動手段の配設個数を削減しながら、開閉手段と制限手段とが別駆動で動作しているように視認させることができる。これにより、遊技機の製品コストの抑制と演出効果の向上とを両立させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記制限手段は、前記開閉手段と一体的に形成され、遊技球が所定位置まで到達する前に前記開閉手段が閉位置に変位開始することにより、前記流下経路における遊技球の流下方向を変化させ、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が通過手段を通過した後にも、その遊技球に対する注目力を維持することができる。
なお、流下経路の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球がちょうど通過できる程度の断面積の流路が網目状に構成されても良いし、遊技球がランダムな経路で流下できる程度に幅の太い流路として構成されても良い。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記制限手段は、遊技球が前記流下経路を通過するのに要する通過期間を変化させることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が全く別の経路で流下する場合に比較して、制限手段の機能が作用していることを遊技者が認識し難くすることができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記制限手段は、前記開閉手段の下流において前記通過手段へ向けて流下する遊技球に当接可能な当接部を備え、その当接部の遊技球と当接した後の変位は、前記通過手段から離反する方向に設定されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、制限手段の当接部と当接した遊技球を通過手段側へ押し戻すことを防止することができ、遊技球の流下をスムーズにすることができる。
<スライド板の下流に傾倒板が配置される>
遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、前記通過手段の上流側であり、前記開閉手段の下方である位置に配置され、第1位置と第2位置とを変位可能に構成され、前記第1位置と前記第2位置とを変位することにより遊技球の流下経路を切り替え可能とされる変位手段と、を備え、前記開閉手段は、所定の平面に沿って直動変位し、その所定の平面の上面側が遊技球の流下面として構成され、前記変位手段は、前記開閉手段が変位することに対応して回転変位することを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、直動変位する第1開閉板と、回転変位する第2開閉板との変位により特定入賞口の開閉を行う遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1開閉板が遊技球を留めない構成とされ、第1開閉板が開位置(正面側に張り出す位置)に配置された場合に遊技球が第1開閉板に到達しても、その遊技球は第1開閉板を上下に通り過ぎる構成とされるので、遊技球が入賞するか否かに対する遊技者の期待感と、遊技結果(賞球を得られるか否か)との差が大きくなり、遊技者の不満が増大する虞があるという問題点があった。
また、遊技者から見て第1開閉板に視線を遮られる位置に第2開閉板が配置されていることから、第2開閉板の状態を把握しにくくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、開閉手段が遊技球の流下面を備えて構成されることから、開閉手段に到達した遊技球を留めることができる。そのため、開閉手段へ到達した遊技球を容易に下流へ向かわせることができる。
更に、変位手段を開閉手段の下方位置で、開閉手段の変位に対応して回転動作で変位するように構成することで、遊技者目線で開閉手段が変位したことを認識し易くすることができる。
なお、開閉手段と変位手段とを変位させる駆動力は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球から与えられる負荷により変位しても良いし、個別の駆動装置により駆動されても良いし、兼用の駆動装置により駆動されても良いし、個別の駆動装置により駆動される期間と兼用の駆動装置により駆動される期間とを切り替え可能に構成しても良い。
遊技機C1において、前記開閉手段が前記開位置で維持される長さの違いによって、遊技球が前記通過手段を通過した後の流下経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、開閉手段の動作態様によっても遊技球の流下経路を変化させることができるので、開閉手段の動作態様と、変位手段の変位の態様との組み合わせにより遊技球の流下経路を変化させることができる。これにより、遊技者に遊技球の流下経路を予測させ難くすることができるので、遊技者の開閉手段および変位手段への注目力を維持することができる。
遊技機C1又はC2において、前記変位手段に遊技球が到達する時点における前記開閉手段の変位態様により、その遊技球の流下態様が変化するように構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、遊技球が開閉手段を通過手段側へ通過した後も、その遊技球に対する注目力を高く維持することができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1位置で前記変位手段の上面に遊技球が乗った状態で、前記変位手段を前記第2位置へ変位させた場合に、前記変位手段の上面に乗った遊技球は跳ね上げられ、天井面に衝突可能に構成される遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が第2位置へ変位する直前に変位手段の上面に乗った遊技球の流下態様を、その他のタイミングで変位手段の上面に乗った遊技球と異ならせることができる。
なお、天井面の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、天井面は、常時位置が固定されている壁面でも良いし、開閉手段の変位に伴って変位可能な部材の一面として構成されても良い。
遊技機C4において、前記天井面は、前記開閉手段が変位することに伴って変位することを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、開閉手段と遊技球が衝突した場合に遊技球に与えられる反力のバリエーションを増やすことができる。
遊技機C1又はC2において、遊技球が前記開閉手段または前記変位手段と衝突する位置の違いにより、遊技球が前記通過手段を通過する経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、開閉手段または変位手段への遊技球の到達の仕方に対する注目力を向上させることができる。
なお、開閉手段または変位手段への衝突の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球の流下時の衝突でも良いし、遊技球が所定の部位に衝突して跳ね返った後の衝突でも良い。
遊技機C6において、前記変位手段の軸方向位置の違いにより、前記変位手段と、その変位手段に対向配置される前記通過手段の内面との距離が変化することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、変位手段に衝突して跳ね返った遊技球の天井面への衝突のし易さを、変位手段の軸方向位置の違いで変化させることができる。これにより、遊技球の流下態様を複雑化することができる。
遊技機C1又はC2において、前記開閉手段が前記開位置の時に遊技球が通過する位置の違いにより、遊技球が前記通過手段を通過する経路を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、開閉手段を通過した遊技球の流下態様のバリエーションを増やすことができ、遊技球を演出手段として採用し易くすることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記開閉手段が前記閉位置の間に、前記変位手段が変位を完了可能に構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が変位する際の遊技球の配置を規制することができ、遊技球が変位手段に予想外のタイミングで衝突したり、変位手段と周囲部材との間で遊技球が噛みこまれたりすることを防止することができる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB6,C1からC9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
入球口(通過手段)を開閉する開閉手段の開閉幅を変化させることで、入球口への入賞効率を変化させる遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2010−220731号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口への入球を演出する点で改良の余地があるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、入球口への入球を演出する点で改良できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技領域へ向けて遊技球を発射する発射装置と、遊技球が通過可能に構成される通過手段と、その通過手段を遊技球が通過可能とする開位置および前記通過手段を遊技球が通過不能とする閉位置の間で変位する開閉手段と、その開閉手段を駆動する駆動手段と、を備える遊技機であって、前記通過手段を通過した遊技球を検出可能に構成される検出手段と、前記通過手段を通過した遊技球が流下可能に構成され、前記検出手段と連結され、通過した遊技球が前記検出手段に検出される流下経路と、前記流下経路内の遊技球に作用可能に構成され、前記流下経路を遊技球が通過可能な期間を制限する制限手段と、を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記制限手段は、前記流下経路の流路幅を変化させる。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記制限手段は、前記駆動手段の駆動力により駆動可能に構成され、前記開閉手段の駆動開始時点と、前記制限手段の駆動開始時点とが異なる。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、通過手段への入球を演出する点で改良することができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、流下経路における遊技球の流下態様を制限手段により変化させることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、通過手段への入球を演出する点で更に改良することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
65a 特定入賞口(通過手段)
112a 球発射ユニット(発射装置)
331b 下方通路(流下経路の一部)
2331e 延設床部(流下経路の一部)
332,4332 移動上蓋部材(開閉手段、制限手段の一部、天井面の一部)
333,2333 ソレノイド(駆動手段)
2360,3360,4360,6360 可動演出部材(被駆動手段、制限手段の一部、変位手段)
3331k 案内傾斜面(流下経路の一部)
3370 振分部(制限手段の一部)
3374 第2規制部(当接部)
510 駆動モータ(第2駆動手段)
6331m 規制板(流下経路の一部)
S センサ(検出手段の一部)
S2 第2センサ(検出手段の一部)
S3 第3センサ(検出手段の一部)
VC V入賞センサ(検出手段の一部)