以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図17を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(以下、遊技球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第一可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、普通入球口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80、貯留装置1000等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80、貯留装置1000は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、第1入球口64、および第2入球口640へ入賞があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、および第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される動作が15回(15ラウンド)繰り返される。より具体的には、1〜11ラウンド、および13〜15ラウンドでは、第1特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、12ラウンドでは第2特定入賞口650aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。その結果、その第1特定入賞口65a、および第2特定入賞口650aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、第2可変入賞装置650の下流に配置される貯留装置1000の内部には、特別遊技状態の終了後に付与される大当たり終了後の付加価値を決定するための2種類の入球口(確変入球口1031、および通常入球口1033)が設けられている。詳細については後述するが、特別遊技状態において確変入球口1031に対して球が入球した場合は、大当たり終了後の付加価値として「特別図柄の高確率状態」が付与される。一方、特別遊技状態中に一度も確変入球口1031へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として「普通図柄の時短状態」が付与される。なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている(図17参照)。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第2特定入賞口650aの開放パターンが異なって構成されており、確変入球口1031への球の入球のしやすさを異ならせている。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球すると、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入球口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入球口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
「大当たりA」、および「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が15ラウンドの特別遊技状態(15R大当たり)となる。また、特別遊技状態において、確変入球口1031(図2参照)へと球が入球すると、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。一方、特別遊技状態において1度も確変入球口1031へと球が入球しなかった場合は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態へ移行する。なお、大当たり終了後に普通図柄の時短状態へと移行する場合は、あわせて特別図柄の低確率状態へと移行する。この特別図柄の低確率状態は、次に大当たりとなるまで継続する。なお、詳細については後述するが、「大当たりB」では、「大当たりA」に比較して、特別遊技状態中(大当たり状態中)に球を確変入球口1031へと入球させやすくなる。即ち、「大当たりB」の方が大当たり終了後に特別図柄の確変状態へと移行しやすくなるので、大当たりの終了後に短い間隔で再度大当たりとなりやすくなる。よって、「大当たりB」の方が、「大当たりA」よりも遊技者にとって有利な大当たりとなる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、普通図柄の時短状態(時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、通常状態とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合は、その特別図柄の確変状態が次の大当たりまで継続するように構成したが、これに限られるものではなく、回数を限ってもよい。具体的には、例えば、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が120回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が120回終了して以降は通常状態に設定されるように構成してもよい。また、特別図柄の確変状態となる回数は120回に限られず、任意に定めてもよい。同様に、本実施形態では、特別遊技状態において確変入球口1031へと球が入球しなかった場合に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成されているが、普通図柄の時短期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64、または第2入球口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へと入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりB」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入球口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して「大当たりB」となりやすい。よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入球口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入球口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入球口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
なお、右打ちを行っているか否かの判断方法としては、例えば、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第2特定入賞口650aへと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。また、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第2特定入賞口650aへと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
次に、貯留装置1000において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、貯留装置1000の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず確変入球口1031や通常入球口1033への入球を検出した場合などが例示される。
貯留装置1000において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入球口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通入球口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通入球口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入球口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入球口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入球口64は、第2入球口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として、特別遊技状態中に確変入球口1031へと球を入球させ易い大当たり(大当たりB)となる確率は、第2入球口640へ球が入賞した場合のほうが第1入球口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている(図17参照)。
通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入球口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入賞しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入球口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入球口640への入賞によって大当たりBとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の下方右側(第2入球口640の下方左側)には、第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この第1特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば14回(14ラウンド)繰り返し可能にされている。より具体的には、特別遊技状態の1〜11ラウンドと、13〜15ラウンドにおいて、第1特定入賞口65aの開閉動作が実行される。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、第1特定入賞口65aを覆うと共に、正面視手前側に突出することにより球を第1可変入賞装置65へと入球することを妨げる閉状態を形成する開閉板65bと、その開閉板65bを動作させるソレノイド(図示せず)とを備えている。第1特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイドを駆動して開閉板65bを正面視奥側に引き込み、球が第1特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態とを交互に繰り返すように作動する。
第1可変入賞装置65の上方右側には、第2可変入賞装置650が設けられている。第2可変入賞装置650は、具体的には、正面視手前側に突出することにより球を第2可変入賞装置650へと入球することを妨げる閉状態を形成する開閉板650bと、その開閉板650bを動作させるソレノイド650c(図8参照)とを備えている。第2特定入賞口650aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている(図7(b)参照)。一方、特別図柄の抽選により大当たりとなり、12ラウンド目になると、第2特定入賞口650aを覆う開閉版650bが正面視奥側へ引き込み、球が第2可変入賞装置650へと入球可能な開状態を所定パターン(図16参照)で形成する(図7(a)参照)。
上述した通り、特別遊技状態(大当たり中)において第2特定入賞口650aへと入球した球が貯留装置1000の内部に設けられた確変入球口1031へと入球することに基づき、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行する。一方、特別遊技状態において球が第2特定入賞口650aへ入球しなかった場合や、第2特定入賞口650aへと入球しても、全ての球が通常入球口1033へと入球した場合は大当たりの終了後に普通図柄の時短状態へと移行する。
なお、特別遊技状態は上記した形態に限定されるものではない。特別遊技状態において開放される入賞口として第1特定入賞口65a、第2特定入賞口650aに加え、更に他の入賞口を設けてもよい。また、逆に、入賞口を第1特定入賞口65aのみとしてもよい。また配置位置も本実施形態の配置に限られるものではなく、任意の位置に配設してもよい。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1入球口64の下方に第1アウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入球口63,64,65a,640,650aにも入賞しなかった球は、第1アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、第1特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、遊技中に動作する可動役物を駆動させる駆動モーター等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5及び図6を参照して、遊技者が遊技盤13の右側へと球を射出した場合(右打ちした場合)の経路について説明する。まず、図5は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、貯留装置1000よりも上流側の部分の部分正面図である。図5に示した通り、遊技盤13の右側の流路(経路)には、その上部に普通入球口67が設けられている。
上述した通り、この普通入球口67を球が通過すると、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄の当たりとなると、第2図柄表示装置83において、普通図柄の抽選結果を示すための変動演出が実行された後で、普通図柄の当たりを示す「○」図柄が表示される。そして、第2図柄表示装置83に対して「○」図柄が表示されることに基づいて、普通入球口67の下流に設けられている第2入球口640に付随する電動役物640aが所定期間(0.2秒間×1回、または1秒×2回)開放される。
電動役物640が開放されている間は、右打ちした球が第2入球口640へと入球しやすくなる。上述した通り、特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中においては、普通図柄の当たり確率がアップすると共に、普通図柄の変動時間が短くなり、電動役物の開放期間が長くなるので、第2入球口640へと球が入球しやすい状態となる。よって、右打ちを実行することにより、球を減らすことなく特別図柄の抽選を受けることができる。
次に、図6を参照して、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、第2入球口640よりも下流側の部分について説明する。図6は、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)のうち、第2入球口640よりも下流側の部分の部分正面図である。図6に示した通り、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)の下流には、第2可変入賞装置650が設けられており、その第2可変入賞装置650の下流には、第1可変入賞装置65が設けられている。
即ち、遊技者が右打ちを行うことにより、右側の経路(流路)の下流へと流下した球のうち、第2入球口640へと流入(入球)せずに下流へと流下した球が第2可変入賞装置650の方向へと流下する。第2可変入賞装置650の方向へと流下し、第2特定入賞口650aへと入球した球は、誘導流路1020を通って、貯留装置1000の内部へ案内される。また、第2可変入賞装置650の方向へと流下し、第2特定入賞口650aへと入球しなかった球は、第1可変入賞装置65の方向へと流下する。そして、第1可変入賞装置65へと流下し、第1特定入賞口65aへと入球しなかった球は、第1アウト口66(図2参照)を通って図示しない球排出路へと案内される。
このように、遊技者が右打ちを行うだけで、貯留装置1000、第1可変入賞装置65、および第2可変入賞装置650の方向へと球を流下させることができる。よって、特別遊技状態(大当たり状態)において、遊技者は右打を行うだけで、球を第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aへと球を入球させることができ、多量の賞球を獲得することができる。
また、第1特定入賞口65a、または第2特定入賞口650aを狙って打ち出した球の一部は、貯留装置1000へと入球する。そして、詳細については後述するが、特別遊技状態(大当たり状態)では、貯留装置1000へと複数個の球が入球することにより、傾倒部材1040を傾倒させることができ(初期状態から傾倒状態へと変化させることができ)、これにより確変入球口1031へ球を流下させることができる。本実施形態における遊技機13は、確変入球口1031へと入球することに基づき、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行するように設定されているため、遊技者に対して、大当たりとなることをより楽しみに遊技を行わせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図7を参照して、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650及び貯留装置1000の動作について説明する。図7(a)及び図7(b)は、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650及び貯留装置1000の正面図である。なお、図7(a)では、第1可変入賞装置65の閉鎖状態、第2可変入賞装置650の開放状態、および流下防止板1015の突出状態が図示され、図7(b)では、第1可変入賞装置65の開放状態、第2可変入賞装置650の閉鎖状態、および流下防止板1015の埋没状態が図示される。
図7(a)に示した通り、第2可変入賞装置650の第2特定入賞口650aは、開閉板650bが正面視奥側へとスライド動作することにより、遊技盤13の内部へと埋没し、第2特定入賞口650aを開放することが可能に構成されている。この第2特定入賞口650aが開放されることにより、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が第2特定入賞口650aへと入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第2特定入賞口650aは、特別遊技状態(大当たり状態)の12ラウンド目において所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第2特定入賞口650aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
第2特定入賞口650aへと入球した球は、誘導流路1020を介して貯留装置1000の内部へ案内される。そして、その球は傾倒部材1040の上面に到達し、傾倒部材1040の上面が作る傾斜に従って流下する。なお、図7(a)に示す傾倒部材1040の初期状態では、傾倒部材1040の上面へ到達した球は、流下防止板1015が配設される側である左側下方へ流下する。そのため、流下防止板1015が突出状態を維持する限り、球は傾倒部材1040の上面に停留する。
また、図7(b)に示した通り、第1可変入賞装置65の第1特定入賞口65aは、開閉板65bが正面視奥側へとスライド動作することにより、遊技盤13の内部へと埋没することが可能に構成されている。これにより第1可変入賞装置65の上部が開放され、遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)を流下した遊技球が入球可能な状態となる。なお、上述した通り、第1特定入賞口65aは、特別遊技状態(大当たり状態)の1〜11ラウンド目、および13〜15目ラウンドにおいて所定期間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。そして、第1特定入賞口65aへと球が入球すると、1球の入球に対して15個の賞球が払い出される。よって、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
図7(b)に示した通り、第2特定入賞装置650が閉鎖状態となることと連動して、流下防止板1015が埋没状態に変化する。そのため、第2特定入賞装置650が閉鎖状態となった時に、傾倒部材1040が初期状態を維持していた場合、傾倒部材1040の上面に停留していた球は、左側下方へ流下し、通常入球口1033を通って、図示しない球排出路へと排出される。
次いで、図8から図10を参照して、貯留装置1000の構成の概要について説明する。図8(a)は、貯留装置1000の正面斜視図であり、図8(b)は貯留装置1000の背面斜視図である。また図9(a)は、貯留装置1000の正面図であり、図9(b)は、貯留装置1000の上面図であり、図10(a)は、貯留装置1000の背面図であり、図10(b)は、図9(a)のXb−Xb線における貯留装置1000の部分断面図である。
なお、図8から図10において、ベース板60が部分的に破断して図示される。また、図8(a)及び図8(b)において、ベース板60の奥側が視認可能とされ、誘導流路1020の下流側に配設される分岐流路1030の手前側の側壁が透明視される。
図8(a)及び図8(b)に示すように、貯留装置1000は、ベース板60に締結固定される板形状の本体板部1001と、その本体板部1001の背面に固定される球止め装置1010と、本体板部1001の正面側において流下し第2特定入賞口650aに入球した球を、本体板部1001の背面側へ流下させてから再び本体板部1001の正面側へ向けて流下させる態様で形成される流路である誘導流路1020と、その誘導流路1020から排出された球が到達する流路であって左右に球を分岐させる二股の分岐流路1030と、その分岐流路1030の内側においてベース板60に回転可能に軸支されると共に、誘導流路1020の排出口の下方に配設される傾倒部材1040と、を主に備える。
球止め装置1010は、流下防止板1015の突出状態において、傾倒部材1040の上面を流下する球の流下を防止するか、流下防止板1015を埋没状態として、球を下流へ流下させるかの切り替えを行う装置である。なお、詳細は後述する。
誘導流路1020は、第2特定入賞口650aに入球した球を受け止める正面視U字形状の凹部である球受け凹部1021と、その球受け凹部1021から後側へ向けて本体板部1001を貫通して形成される通過口1022と、その通過口1022の後側において正面視左下方へ傾斜形成される傾斜流路1023と、その傾斜流路1023の左側において正面側へ向けて本体板部1001を貫通して形成される排出口1024と、を主に備える(図10(b)参照)。
球受け凹部1021は、底部が後側へ向けて下降傾斜する態様で形成される。これにより、第2特定入賞口650aに入球した球を、通過口1022へ向けてスムーズに流下させることができる。
通過口1022は、球の通過を検出する検出口の一つであり、球の通過により、第2可変入賞装置650への球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われる。
傾斜流路1023は、左下方へ向けて延びる流路であって、底部が正面側へ緩やかに下方傾斜して形成される(前後方向の傾斜が、左右方向の傾斜に比較して緩やかに形成される)と共に、左側端部に傾斜面部1023aを備える。傾斜面部1023aは、正面側へ向かう程、左方へ向けて傾斜する傾斜面として形成される。
このような構成から、通過口1022を通過した球は、傾斜流路1023の途中で正面側へ流下することは少なく、その多くが、正面視左下方へ流下した後で、傾斜面部1023aに衝突することで正面側へ向きを変え、排出口1024から下方へ落下する態様で流下する。このように、本実施形態では、排出口1024の左端から球を排出しやすくしている。
排出口1024は、傾斜流路1023を流下した球を、正面側へ排出する貫通孔である。本実施形態では、球を横並びで複数個(最大で3個)同時に排出可能な左右幅で形成される。これにより、例えば、球が傾斜流路1023を1個流下した場合と、球が傾斜流路1023を複数個まとまって流下した場合とで、球の排出の態様を異ならせることができるので、球の流下態様が毎回同じことが原因で、貯留装置1000を視認する遊技者が飽きることを防止することができ、遊技者を楽しませることができる。
分岐流路1030は、本体板部1001の正面側に延設される板により区画される流路であると共に排出口1024から排出された球が流下可能な二股の流路であって、上述した確変入球口1031と、その確変入球口1031へ球を案内する流路であって傾倒部材1040の正面視右方に形成される確変側流路1032と、上述した通常入球口1033と、その通常入球口1033へ球を案内する流路であって傾倒部材1040の正面視左方に形成される通常側流路1034と、を主に備える。
傾倒部材1040は、正面視矩形状の矩形錘部1041と、本体板部1001の前面から正面側へ向けて突設される棒状部分であって矩形錘部1041を偏心して(右側に偏心して)軸支する軸棒部1042と、上面が矩形錘部1041の上面と面位置となるように正面視右方へ向けて延設される板状の延設板部1043と、を主に備える。
傾倒部材1040は、上面に球が乗っていない状態において、自らの重心位置側(矩形錘部1041がある側(正面視左側))に傾倒する状態(初期状態、図9(a)参照)となる。この初期状態において、傾倒部材1040の上面に着地した球は、左方へ流下し、通常側流路1034へ向けて流下する。
一方、図14で後述するように、傾倒部材1040の上面に複数個(本実施形態では、3個以上)の球が停留した場合、傾倒部材1040と球とを合わせた重心位置(延設板部1043がある側(正面視右側))に応じて、延設板部1043が傾倒する状態(傾倒状態)となる。この傾倒状態において、傾倒部材1040の上面に着地した球は、右方へ流下し、確変側流路1032へ向けて流下する。このように、傾倒部材1040は、上面に着地した球との関係により、状態を変化させ、球の分岐を補助する部材として作用する。
次いで、図11を参照して、球止め装置1010の動作について説明する。なお、図11では、図8から図10を適宜参照して説明する。図11(a)は、図10(a)の矢印XIa方向視における貯留装置1000の部分側面図であり、図11(b)は、図10(a)の矢印XIb方向視における貯留装置1000の部分側面図である。
図11(a)及び図11(b)に示すように、球止め装置1010は、保体板部1001から背面側へ向けて板状に延設される基礎板部1011と、その基礎板部1011に溝として形成される環状溝1012と、その環状溝1012の環の内側において基礎板部1011に回転可能に軸支されるL回転歯車1013と、そのL回転歯車を歯合すると共に基礎板部1011に回転可能に軸支される反転歯車1014と、その反転歯車1014に連結されると共に反転歯車1014の回転に基づいて本体板部1001の正面側へ突出可能に形成される流下防止板1015と、第2可変入賞装置650の開閉板650bに固定される細径の金属棒であって先端が環状溝1012に押し付けられる態様で構成される伝達棒1016と、を主に備える。
環状溝1012は、前後方向(図11(a)左右方向)に長い楕円形状に沿って形成される溝であって、上溝1012aと下溝1012bとの底部同士で互いに段が形成されることで、底部に当接して移動する伝達棒1016の進行方向を一方向に限定する溝である。
即ち、環状溝1012の後側端部(図11(a)左側端部)において、下溝1012bの方が上溝1012aに比較して溝深さ(図11(a)紙面奥方向への長さ)が大きくされ、上溝1012aと下溝1012bとが前後方向の途中位置では互いに逆の傾斜方向で溝深さが変化し、環状溝1012の前側端部(図11(a)右側端部)において、上溝1012aの方が、下溝1012bに比較して溝深さ(図11(a)紙面奥方向への長さ)が大きくされる。このように構成することで、伝達棒1016の移動経路を、図11(a)において、一方向(反時計回りの方向)に限定することができる。従って、開閉板650bの開閉動作に基づいて、伝達棒1016を一方向に動作させることができる。
L回転歯車1013は、基礎板部1011に回転軸を挿通する態様で、基礎板部1011に回転可能に軸支される歯車1013aと、その歯車1013aの回転軸に固定されることにより歯車1013aと同角度で回転する十字部材1013bと、を主に備える。
十字部材1013bは、基礎板部1011の環状溝1012が形成される側面と対向配置され、歯車1013aは、基礎板部1011を挟んで十字部材1013bとは反対側に配置される。
図11(a)に示すように、十字部材1013bは、環状溝1012の前後方向(図11(a)左右方向)の途中位置において、環状溝1012と干渉する位置まで延設される。そのため、伝達棒1016が上溝1012aを左方へ移動したり、下溝1012bを右方へ移動したりすることに基づいて、伝達棒1016が十字部材1013bを押進し、環状溝1012と干渉する部分(長手方向を上下に向ける部分)が、長手方向を前後方向(図11(a)左右方向)へ向ける姿勢となる態様で、90度ずつ、回転動作する。
即ち、伝達棒1016が環状溝1012を半周移動することで、十字部材1013bは90度回転し、伝達棒1016が環状溝1012を一周移動することで、十字部材1013bは180度回転する。
反転歯車1014は、L回転歯車1013の歯車1013aに歯合される歯車1014aと、その歯車1014aの軸方向一側に一体で形成される円板形状の円板部1014bと、その円板部1014bから偏心して突設される突設ピン1014cと、を主に備える。
歯車1014aは、歯車1013aに対して、歯車比が倍となる態様で形成される。即ち、歯車1013aの回転角度の倍の角度で、歯車1014aが回転する歯車として設計される。即ち、歯車1013a(十字部材1013b)が90度回転することで歯車1014aは180度回転し、歯車1013a(十字部材1013b)が180度回転することで、歯車1014aは360度回転する。従って、伝達棒1016が環状溝1012を半周移動するたびに、突設ピン1014cが前後で位置を入れ替えられる。
流下防止板1015は、反転歯車1014の回転に基づいて前後に往復動作する板部材であり、上下方向に延設され突設ピン1014cが挿通される連結長孔1015aと、突出状態において球と当接する側面である当接側面1015bと、を備える。なお、図11(a)では、流下防止板1015の突出状態が図示される。また、当接側面1015bは、初期状態における傾倒部材1040の上面となす角度が90度となる態様で形成される。
図11(a)に示す状態から、反転歯車1014が180度回転し、突設ピン1014cが後側に配置されると、流下防止板1015が後方へ引き込まれ、埋没状態が形成される(図7(b)参照)。従って、伝達棒1016が環状溝1012を半周移動するたびに、流下防止板1015の状態が変化する。これにより、第2可変入賞装置650の状態変化と、流下防止板1015の状態変化とを同期可能となっている。
なお、本実施形態では、L回転歯車1013が90度ごとにしか回転しない態様で形成されることから、L回転歯車1013に歯合される反転歯車1014が180度ごとにしか回転しない態様が形成され、流下防止板1015が突出状態か埋没状態か、のみをとることができる態様で形成される。従って、反転歯車1014が中途半端な角度で止まることで、流下防止板1015が中途半端な位置で止まることを防止することができる。
なお、流下防止板1015は、その移動方向(前後方向)と、球から負荷を受ける方向(左右方向、図13参照)とが、直角に交差する。そのため、流下防止板1015に複数個の球が負荷を与える場合に、流下防止板1015が移動方向に移動することを防止することができる。これにより、流下防止板1015と連結される反転歯車1014に、球の重さによる負荷が加わりにくくすることができ、反転歯車1014の耐久性を向上することができる。
伝達棒1016は、その延設先端を、環状溝1012の溝深さ方向の底部に、弾性力で常時押し付ける態様で配設される。また、細径であることから、径方向等への多少の弾性変形が可能とされる。そのため、本実施形態のように、開閉板650bが開閉動作する際に、その往路と復路とで伝達棒1016が案内される経路が上溝1012aと下溝1012bとで位置ずれするとしても、そのずれを、伝達棒1016自体の弾性変形で吸収することができる。
次に、図12を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第2特定入賞口650aへと到達した球の動作について説明する。図12(a)及び図12(b)は、第2可変入賞装置650の部分正面図である。なお、図12(a)では、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態において球が第2特定入賞口650aへと到達した場合が図示され、図12(b)では、第2特定入賞口650aが開放された状態において球が第2特定入賞口650aへと到達した場合が図示される。
図12(a)に示した通り、第2特定入賞口650aが閉鎖された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、球は第2特定入賞口650aへと入球することができないので、第2特定入賞口650aの左方へ流下する(図12(a)参照)。そして、第2特定入賞口650aの左方へと流下した球は、第2特定入賞口650aの左方の流路を流下する。なお、この第2特定入賞口650aの左方の流路は、第1特定入賞口65aの方向へ傾斜しているため、球は第1特定入賞口65aの方向へと流下する。
一方、第2特定入賞口650aが開放された状態で球が第2特定入賞口650aへと到達した場合、図12(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第2特定入賞口650aの開口部分が位置する。よって、球は第2特定入賞口650aへと入球する。なお、図12(b)に示した通り、第2可変入賞装置650の内部には、球を貯留装置1000へと排出するための通過口1022が設けられている。この通過口1022へと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第2特定入賞口650aから第2可変入賞装置650の内部へと入球した球を貯留装置1000へ排出することができる。
図13及び図14を参照して、貯留装置1000へ遊技球が流入する態様について説明する。図13(a)から図13(c)及び、図14(a)から図14(c)は、貯留装置1000の部分正面図である。なお、第2可変入賞装置650に入球した球が入球する順に加算される番号付きで図示される。
図13(a)に示すように、第2特定入賞口650aに1球目の球が入球すると、傾斜流路1023の左側端部に配置される傾斜面部1023aに到達するまで、球が傾斜流路1023の左下方へ流下する。
図13(b)に示すように、傾斜面部1023aに球が衝突すると、球の流下方向が正面側へ向き変わり、排出口1024から正面側へ排出され、傾倒部材1040の上面に着地する。傾倒部材1040の上面に乗る球が1球の場合、傾倒部材1040は初期状態を維持するので、球は左方へ流下し、流下防止板1015が突出状態である限り(本実施形態において、第2特定入賞口650aが開放状態である限り)において、傾倒部材1040の上面に維持される。
なお、図13(b)の状態において、流下防止板1015が埋没状態となると(本実施形態において、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となると)、傾倒部材1040の上面に乗っていた球は傾倒部材1040から左方へ流下し、通常入球口1033(図9参照)へ入球する。これにより、後述する大当たりA(図16(a)、図17参照)において、球が誤って確変入球口1031(図9参照)に入球することを防止することができる。
即ち、大当たりAでは、第2特定入賞口650aが、球が入球不能な程度に短い期間(0.2秒間)で開放動作する。しかし、この短い期間で、球が誤って入球する場合は、不正無く遊技している場合であっても生じ得る。一方で、誤って入球するといっても、せいぜい1球程度であって、3球入ることは無い。
そのため、大当たりAにおいて、第2特定入賞口650aに誤って球が入球した場合であっても、球が傾倒部材1040を傾倒動作させることは無く、また、第2特定入賞口650aの閉鎖後は、流下防止板1015が埋没状態となるので、球は傾倒部材1040から左方へ流される。したがって、大当たりAにおいて、球が誤って確変入球口1031(図9参照)に入球することを防止することができる。
図13(c)及び図14(a)に示すように、傾斜流路1023を2球目、3球目の球が流下し、傾斜面部1023aに衝突して正面側へ排出されると、球は1球目の球を避けた位置において傾倒部材1040の上面に着地する。即ち、2球目の球は、1球目の球の右方に並んで配置され(図13(c)参照)、3球目の球は、1球目の球と2球目の球との間に割って入る(図14(a)参照)。即ち、後から来た球が上から落下することにより、自重で、先に配置された球に当接作用して、最も安定する配置へ移動する。
このように、球が別々のタイミングで排出口1024から排出されたとしても、複数の球を傾倒部材1040の上面に横並びに並べることを、それぞれの球の自重による作用でスムーズに行うことができる。従って、傾倒部材1040の重心位置を左右方向にずらすまでの期間を短縮化することができる。
なお、第2特定入賞口650aに、3個の球が同時に入球した場合においては、1球目の球が傾斜面部1023aに衝突して正面側へ向きを変えている間に、2球目、3球目の球が1球目の球と衝突することで正面側へ向き変わり、傾斜流路1023の途中の位置で排出口1024から正面側へ排出される場合が生じる。この場合であっても、図14(a)に示す状態と、球に付記する番号は異なるものの(図14(a)では左から「1、3、2」とされる番号が、左から「1、2、3」となる)、3個の球が横並びで並ぶことは、変化しない。従って、滞り無く、遊技を進めることができる。
図14(a)に示すように、傾倒部材1040の上面に球が3個横並びに並ぶと、傾倒部材1040と球とを一体とした場合の重心位置が回転軸の右側へ移動し、傾倒部材1040が傾倒状態となる(図14(b)参照)。
図14(b)に示すように、傾倒状態において、傾倒部材1040の上面に乗った球は右方へ流下し、確変入球口1031(図9参照)へ流下する。なお、傾倒部材1040の傾倒状態において、4球目以降の球が傾斜流路1023を流下し排出口1024から正面側へ排出されたとしても、傾倒部材1040に未だ球が乗っていた場合には、4球目以降の球が先に傾倒部材1040に乗っていた球を右方へ押し出す態様で球同士が移動することになり、傾倒部材1040を傾倒状態に維持できるし(図14(b)参照)、既に球が傾倒部材1040から無くなっていた場合には、既に何球かの球が確変入球口1031を通過しているので、問題とはならない。従って、第2特定入賞口650aへの球の入り方(頻度)によって、傾倒部材1040が誤動作する(傾倒状態が予期せず戻るとか、球が噛み込んで傾倒部材1040が止まってしまう等)ことを防ぎ、球が確変入球口1031に通過し易くすることができる。
第2特定入賞口650aへ球が入球する間、傾倒部材1040の上面に球が複数個到達し、上面に乗っている個数によって、傾倒部材1040は傾倒状態となったり初期状態となったりする。そのため、図14(c)に示すように、3個未満(図14(c)では1個)の球が、傾倒部材1040の上面に残存する場合が生じる。
この残存した球は、上述したように、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となることに基づいて流下防止板1015が埋没状態となることで、傾倒部材1040から左下方へ流下し、通常入球口1033から図示しない球排出路へ排出される。
従って、本実施形態では、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となった後において、傾倒部材1040の上面に残存する球の数を0個とすることができる。これにより、傾倒部材1040に複数個の球を0個から順に貯めて、傾倒部材1040を傾倒させ、球を確変側流路1032(図9参照)へ向けて流すという一連の流れ(動作演出)を、毎回の大当たりB(図16(b)参照)で実行することができる。これにより、傾倒部材1040の演出効果を向上させることができる。
次に、図15を参照して、右打ちにより遊技盤13の右側の経路(流路)を流下して第1特定入賞口65aへと到達した球の動作について説明する。なお、図15(a)では、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態において球が第1特定入賞口65aへと到達した場合が図示され、図15(b)では、第1特定入賞口65aが開放された状態において球が第1特定入賞口65aへと到達した場合が図示される。
図15(a)に示した通り、第1特定入賞口65aが閉鎖された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、球は第1特定入賞口65aへと入球することができないので、第1特定入賞口65aの上部を流下し、第1可変入賞装置65の左側へと落下する(図15(a)参照)。そして、第1特定入賞口65aの左側へと落下した球は、第1特定入賞口65aの左方に設けられているアウト口66(図2参照)へと流下する。
一方、第1特定入賞口65aが開放された状態で球が第1特定入賞口65aへと到達した場合、図15(b)に示した通り、球が流下してきた流路の延長線上に第1特定入賞口65aの開口部分が位置する。よって、球は第1特定入賞口65aへと入球する。なお、図15(b)に示した通り、第1可変入賞装置65の内部には、球をパチンコ機10の外部へと排出するための球排出口65dが設けられている。この球排出口65dへと入球することにより、球の入賞が検出されて賞球の払い出しが行われると共に、第1特定入賞口65aから第1可変入賞装置65の内部へと入球した球を排出させることができる。なお、第1可変入賞装置65の底面部は、球排出口65dの方向へと傾斜しているため、第1特定入賞口65aへと入球した全ての球を球排出口65dへと入球させることができる。よって、全ての球を確実に排出させることができる。
次いで、図16を参照して、本実施形態における第2特定入賞口650aの開放パターンについて説明する。図16(a)は、大当たりAの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図であり、図16(b)は、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図である。
まず、図16(a)について説明する。図16(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(a)の下側のグラフが流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図16(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。そして、その閉鎖状態は、12ラウンド目の開始から7秒間が経過するまで保たれ、7秒間が経過することに基づいて12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流下防止板1015は、第2特定入賞口650aが開放された時において、突出状態となり、第2特定入賞口650aが閉鎖された時において、埋没状態となる。ここで、第2特定入賞口650aが開放される時間が極めて短いので、複数個の球が貯留装置1001に入球する事態を生じ難くでき、加えて、流下防止板1015が突出状態となる時間も極めて短いので、傾倒部材1040に複数個の球が貯留され、傾倒部材1040が傾倒する事態を生じ難くできる。これにより、大当たりAにおいて、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。
このように、大当たりAの12ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている期間が極めて短くなるように、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンが設定される。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
なお、12ラウンドが開始された直後の0.2秒間に第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するのは、12ラウンドの開始直後に大当たりAであることを分かり難くするためである。詳細については図16(b)を参照して後述するが、確変入球口1031へと球を入球させやすい大当たりBにおいて、12ラウンドの開始直後から第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。よって、大当たりAと、大当たりBとで12ラウンドの開始直後の第2特定入賞口(第2大開放口)650aの動作を共通化することにより、今回の大当たりが大当たりBであることを期待させることができる。
次に、図16(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図16(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図16(b)の下側のグラフが、流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図16(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態に設定される。そして、その開放状態は、12ラウンド目の開始から5秒間が経過するまで保たれ、5秒間が経過することに基づいて閉鎖状態に設定される。なお、5秒間が経過する前に、10個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した場合も、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは閉鎖される。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板1015は、大当たりAの12ラウンド目とは異なった動作をおこなう。即ち、流下防止板1015は、第2特定入賞口650aが開放された時において、突出状態となり、第2特定入賞口650aが閉鎖された時において、埋没状態となることは、大当たりAと同じであるが、第2特定入賞口650aの状態変化と連動して、12ラウンド目の開始から突出状態を維持し、5秒間が経過することに基づいて埋没状態へと状態変化する。なお、5秒間が経過する前に、10個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと入球した場合も、流下防止板1015が埋没状態へと状態変化する。
そのため、大当たりBの12ラウンド目の開始から、5秒間の間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放パターンはこれに限られるものではなく、確変入球口1031へと球が入球し易いパターンと、確変入球口1031へと球が入球しにくいパターンとを設定することができれば任意に定めてもよい。例えば、大当たりAでは、第2特定入賞口650aが、状態を2秒ごとに切り変える態様で動作し、大当たりBでは、第2特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放状態を維持する態様で動作するようにしても良い。
また、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口1031へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
図17を参照して、ROM202(図4参照)の内容について説明する。図17(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図17(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図17(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図17(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図17(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図17(b)の202b1参照)。上述した通り、大当たりAとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間が極めて短くなるように構成されている(図16(a)参照)。よって、傾倒部材1040に複数個の球を貯留することが困難となるので、確変入球口1031へと球を入球させにくくなる。即ち、大当たりAとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しにくくなる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図17(b)の202b2参照)。上述した通り、大当たりBとなった場合は、12ラウンド目において第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される期間が長くなり、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開放期間中、流下防止板1015が突出状態を維持するように構成されている(図16(b)参照)。よって、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放されている間に球を第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと複数個入球させることで、傾倒部材1040に複数個の球を貯留させることができ、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させることができる。そして、上述した通り、傾倒部材1040を傾倒動作した状態において球が流れる先には、確変入球口1031が設けられている。よって、大当たりBとなった場合は、その大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に移行しやすくなる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図17(b)の202b3参照)。また、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜99」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図17(b)の202b4参照)。即ち、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に比較して、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、大当たりBとなる判定値の個数が多くなっている。よって、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合の方が大当たりBとなりやすく構成されている。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりBとなりやすい特別図柄の確変状態と、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態となりやすい大当たりBとが繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図17(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図17(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図17(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
このように、第1実施形態によれば、傾倒部材1040に球を所定個数貯留させることにより球が確変側流路1032へ流下し易くなるとい遊技機を構成する方法として、傾倒部材1040への球の貯まり易さと、第2可変入賞装置650の開閉動作とを関連づけるという方法を採用することにより、一の駆動手段(ソレノイド650c)で上述した目的を達成することができる。
次いで、図18から図21を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2可変入賞装置650が開閉動作するごとに、流下防止板1015が動作する場合を説明したが、第2実施形態における貯留装置2000は、第2可変入賞装置650の開閉の動作態様によって、流下防止板1015を動作させる開閉動作と、流下防止板1015を動作させない(維持する)開閉動作とを、可能に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図18を参照して、第2実施形態における環状溝2012について説明する。図18(a)は、第2実施形態における環状溝2012の正面図であり、図18(b)は、図18(a)のXVIIIb−XVIIIb線における環状溝2012の断面図であり、図18(c)は、図18(a)のXVIIIc−XVIIIc線における環状溝2012の断面図である。
図18(a)に示すように、環状溝2012は、前後方向(図18(a)左右方向)に長い楕円形状に沿って形成される溝であり、L回転歯車1013の上側に形成される上溝2012aと、L回転歯車1013の下側に形成されると共に分岐する下溝2110と、を主に備える。
上溝2012aは、第1実施形態の上溝1012aに比較して曲率半径が小さくされ、図18(a)において、十字部材1013bと干渉しない位置に形成される。そのため、伝達棒1016が、上溝2012aを通過することにより、十字部材1013bと伝達棒1016とが当接することは無く、L回転歯車1013は姿勢を維持する。
下溝2110は、上溝2012aの後側端部(図18(a)左側端部)に連結される開始溝2111と、その開始溝2111から前方へ延設され上溝2012aの前側端部(図18(a)右側端部)に連結される当接溝2112と、開始溝2111と当接溝2112との連結位置から後方へ延設される分岐溝2113と、その分岐溝2113の後側端部(図18(a)左側端部)から前方へ延設され上溝2012aの前側端部(図18(a)右側端部)に連結される離間溝2114と、を主に備える。
なお、図18(b)及び図18(c)に示すように、環状溝2012は、底部の深さが一定ではなく、溝の延設方向に傾斜して変化する。これにより、伝達棒1016の移動経路を限定することができる。
即ち、図18(b)に示すように、上溝2012aと開始溝2111との連結位置では、上溝2012aよりも開始溝2111の方が溝深さは深くされ、開始溝2111と当接溝2112との連結位置では、開始溝2111よりも当接溝2112の方が溝深さは深くされ、当接溝2112と上溝2012aとの連結位置では、当接溝2112よりも上溝2012aの方が溝深さは深くされる。
そのため、図18(b)に示す断面において、左端から右方へ移動する移動方向でのみ伝達棒1016は移動可能となる。従って、環状溝2012に沿って伝達棒1016が移動する方向を一方向(図18(b)反時計回り方向)に定めることができる。
また、図18(c)に示すように、上溝2012aと開始溝2111との連結位置では、上溝2012aよりも開始溝2111の方が溝深さは深くされ、開始溝2111と当接溝2112との連結位置では、開始溝2111よりも当接溝2112の方が溝深さは深くされ、当接溝2112と離間溝2114との連結位置では、当接溝2112よりも離間溝2114の方が溝深さは深くされ、離間溝2114と上溝2012aとの連結位置では、離間溝2114よりも上溝2012aの方が溝深さは深くされる。
そのため、図18(c)に示す断面において、左端から右方へ移動する移動方向でのみ伝達棒1016は移動可能となる。従って、当接溝2112を伝達棒1016が右方へ移動している途中で再度左方へ移動させる態様でソレノイド650c(図9参照)を駆動した場合の、伝達棒1016の移動経路を定めることができる。即ち、当接溝2112を伝達棒1016が右方へ移動している途中で再度左方へ移動させた場合、伝達棒1016は図18(c)で断面視される経路に沿って移動するように、伝達棒1016の移動経路を制限することができる。
次いで、図19及び図20を参照して、伝達棒1016が環状溝2012を移動することにより生じる流下防止板1015の動作について説明する。まず、伝達棒1016が下溝2110を通る間に前後方向(図19左右方向、図19右側が正面側)に折り返し動作しない場合について説明する。この動作は、詳しくは、ソレノイド650c(図9参照)の駆動態様として、電流の印加を止めてから、短期間(例えば、0.2秒未満の期間)の内に再度電流の印加は行わない場合に対応する。
図19(a)から図19(d)は、球止め装置2010を模式的に示した側面図である。なお、図19(a)では、伝達棒1016が環状溝2012の正面側端部に配置された状態(第2特定入賞口650aの閉鎖状態に対応)が、図19(b)では、伝達棒1016が環状溝2012の背面側端部に配置された状態(第2特定入賞口650aの開放状態に対応)が、図19(c)では、伝達棒1016が十字部材1013bと当接している状態が、図19(d)では、伝達棒1016が十字部剤1013bから離れ右方へ配置された状態が、それぞれ図示される。なお、図19(d)に示す状態から、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となることで、図19(a)に示す状態へ復帰する。なお、図19(a)から図19(d)、そして図19(a)へ戻る一連の動作は、第2特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態へ変化し、その後、閉鎖状態へ復帰する動作に対応する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、第2特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態へ変化することに伴って(ソレノイド650cの駆動により、約0.2秒間で状態変化)、伝達棒1016が後方へ移動し、伝達棒1016の先端が開始溝2111に当接する(図19(b)参照)。
図19(b)に示す状態から、第2特定入賞口650aを閉鎖状態へ変化させることに伴って(ソレノイド650cの駆動解除により、弾性バネで状態変化)、伝達棒1016が前方へ移動し、L回転歯車1013が回転することに基づいて反転歯車1014が180度回転し、流下防止板1015が状態変化する。
即ち、本実施形態では、第2特定入賞口650aが開閉動作を1回行うことにより、流下防止板1015が異なる状態に状態変化する。そのため、図19(d)に示す埋没状態から、流下防止板1015を図19(a)に示す突出状態とするには、もう一度、第2特定入賞口650aの開閉動作を1回行えば良い。
図20(a)から図20(d)は、球止め装置2010を模式に示した側面図である。なお、図20(a)では、伝達棒1016が環状溝2012の正面側端部に配置された状態(第2特定入賞口650aの閉鎖状態に対応)が、図20(b)では、伝達棒1016が当接溝2112の背面側端部に配置された状態が、図20(c)では、伝達棒1016が離間溝2114の背面側端部に配置された状態が、図20(d)では、伝達棒1016が離間溝2114と上溝2012aとの連結位置付近まで移動した状態が、それぞれ図示される。なお、図20(d)に示す状態から、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となることで、図20(a)に示す状態へ復帰する。なお、図20(a)から図20(d)、そして図20(a)へ戻る一連の動作は、第2特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態へ変化し、その後、閉鎖状態へ復帰する動作に対応する。
図20(a)及び図20(b)に示すように、第2特定入賞口650aが閉鎖状態から開放状態へ変化し、その後ソレノイド650cの駆動を解除して閉鎖板650bを正面側へ僅かに戻すことに伴って、伝達棒1016が上溝2012aの後側端部から正面側へ僅かに移動し、伝達棒1016の先端が当接溝2112と分岐溝2113との合流する部分と当接する(図20(b)参照)。
図20(b)に示す状態から、再度ソレノイド650cを駆動させることにより(例えば、ソレノイド650cの駆動解除から0.1秒後に再度ソレノイド650cを駆動させることにより)、伝達棒1016が十字部材1013bに当接する前に、伝達棒1016を背面側へ移動させることができ、この場合、伝達棒1016は、下溝2110の形状に沿って、分岐溝2113に沿って移動し、離間溝2113へ到達する(図20(c)参照)。
その後、ソレノイド650cの駆動を解除することで、第2特定入賞口650aが閉鎖状態となることに伴って伝達棒1016が離間溝2114に沿って正面側へ移動する。そのため、図20(a)から図20(d)で図示する一連の動作において、伝達棒1016と十字部材1013bは当接しないので、流下防止板1015の状態を不変とすることができる。
図19に示す動作と、図20に示す動作とを組み合わせることにより、第2特定入賞口650aが開放状態で維持される時に、流下防止板1015が突出状態とされ、貯留装置2000に球を貯留できる場合と、流下防止板1015が埋没状態とされ、貯留装置2000に球を貯留できない場合と、の両方を形成することが可能となる。その一例について、図21を参照して説明する。
図21(a)は、大当たりAの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図であり、図21(b)は、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図である。
まず、図21(a)について説明する。図21(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図21(a)の下側のグラフが流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図21(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖状態へ向けて動作される。その後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖状態になるのを待たない所定の極短時間(例えば、0.1秒)経過後、再び第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。この開放状態は、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)維持され、その所定時間経過後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは閉鎖され、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流下防止板1015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの状態変化と独立して、埋没状態を維持する。従って、第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球可能な状態を維持しながら、貯留装置2000に球を維持することは困難な状態を形成することができる。これにより、大当たりAにおいて、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
次に、図21(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図21(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図21(b)の下側のグラフが、流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図21(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。そして、その閉鎖状態は、所定の待ち時間(例えば、1秒間)維持され、その所定の待ち時間が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは開放される。この開放状態は、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)維持され、その所定時間経過後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは閉鎖され、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板1015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放状態から閉鎖状態へ変化する度に、状態変化する。即ち、12ラウンド目の開始時に第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放された後で閉鎖されることに基づいて埋没状態から突出状態へと変化し、その後、所定時間開放されたあとに閉鎖されることに基づいて、突出状態から埋没状態へと変化する。
このように、大当たりBの12ラウンド目において、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが所定期間だけ開放状態を維持する期間、流下防止板1015が突出状態に維持されるので、特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
従って、本実施形態では、第1実施形態と異なり、第2特定入賞口(第2大開放口)650aは開放状態を維持するものの、その開放状態を維持する間の流下防止板1015の状態を変えることができるので、大当たり種別によらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球させることにより賞球を得られる機会を遊技者に十分に与えながら、大当たり種別の違いにより生じるのは、大当たり終了後に特別図柄の確変状態となり易いか、否かの違いのみとすることができる。これにより、大当たりAを獲得した遊技者が獲得可能な出球を多くすることができる。
なお、12ラウンドが開始された直後の開放期間を0.2秒間に共通化するのは、12ラウンドの開始直後に大当たりAであることを分かり難くするためである。確変入球口1031へと球を入球させやすい大当たりBにおいて、12ラウンドの開始直後から第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。よって、大当たりAと、大当たりBとで12ラウンドの開始直後の第2特定入賞口(第2大開放口)650aの動作を共通化することにより、今回の大当たりが大当たりBであることを期待させることができる。
一方で、その後に第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖時間を異ならせているので、この閉鎖時間を確認することにより、遊技者が、今回の大当たりの大当たり種別が大当たりAなのか、大当たりBなのかを判別し易くすることができる。これにより、遊技者の注目を、特に12ラウンド目の開始時の第2特定入賞口(第2大開放口)650aの開閉動作に注目させることができる。
従って、本実施形態において、第2特定入賞口(第2大開放口)650a付近(遊技者が注目する部分)をLEDで煌びやかに光らせる一方で、第2特定入賞口(第2大開放口)650aから離れた部分(遊技者がほとんど見ない部分)のLEDは消灯させることにより、電力消費量を削減することができる。また、遊技領域における第2特定入賞口(第2大開放口)650aから離れた部分の球の視認性を悪くすることができる。
なお、遊技領域における球の視認性に関しては、例えば、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの上流側を流下する球の視認性を悪くすることにより、予想外の位置から球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aへ流下する状態を形成でき、遊技者を飽きさせにくくできる。
また、例えば、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが不能状態の時に第2特定入賞口(第2大開放口)650aの左方へ流下し、外縁部材73(図2参照)を伝って下流へ(第1アウト口66へ向かって)流下する球の視認性を悪くすることにより、第1アウト口66へ向かって流れる球に遊技者が集中することを防止することができる。これにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650a付近の注目度を維持することができる。
このように、第2実施形態によれば、ソレノイド650cの駆動態様により、第2可変入賞装置650の開閉動作に対する流下防止板1015の動作に違いを持たせることができる。これにより、第2可変入賞装置650の注目力を向上させることができる。
次いで、図22から図28を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉動作の駆動力により流下防止板1015が駆動される場合を説明したが、第3実施形態における貯留装置3000は、常時動作する駆動モータ3012を備え、第2可変入賞装置650の開閉動作の駆動力により、その駆動モータ3012から流下防止板1015への駆動力の伝達および遮断を切り替える態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図22(a)及び図22(b)は、第3実施形態における貯留装置3000の背面斜視図である。また、図23(a)は、貯留装置3000の正面図であり、図23(b)は、貯留装置3000の上面図であり、図24は、貯留装置3000の背面図である。なお、図22から図24では、第2可変入賞装置650の上方においてベース板60の図示が省略され、図22(a)では、貯留装置3000を上方から見た斜視図が、図22(b)では、貯留装置3000を下方から見た斜視図が、それぞれ図示される。
図22(a)及び図22(b)に示すように、貯留装置3000は、本体板部1001と、その本体板部1001の背面側に配設される球止め装置3010と、上述した誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を主に備える。
球止め装置3010は、本体板部1001の背面から後方へ向けて延設される板状の基礎板部3011と、その基礎板部3011と平行に延設されるフランジに固定される駆動モータ3012と、その駆動モータ3012の回転軸に固定されると共に外周に亘って軸方向一側の面に鋭利な凹凸形状が形成される固定クラッチ3013aと、その固定クラッチ3013aと歯合可能な形状の凹凸形状を有し駆動モータ3012の回転軸に空回り支持される移動クラッチ3013bと、から形成される切替クラッチ3013と、移動クラッチ3013bと位相を同期して回転する回転円板3014と、その回転円板3014の回転に基づいて前後方向に移動する流下防止板1015と、第2可変入賞装置650の駆動により移動クラッチ3013bの位置を移動させる切替部材3016と、を主に備える。
基礎板部3011は、流下防止板1015を正面側へ張り出す方向へ付勢する弾性バネ3011aと、背面側へ棒状に突設されると共に突設切替部材3016を回転可能に軸支する軸棒3011bと、を備える。この弾性バネ3011aの作用により、流下防止板1015は正面側へ張り出し、突出状態を維持する。
駆動モータ3012は、常時一方向に回転駆動するDCモータであり、ゆっくりとした回転速度で動作する。なお、本実施形態では、3秒間で1回転の態様で回転動作する。
回転円板3014は、上述した円板部1014b及び突設ピン1014cと、その円板部1014bの中心位置から基礎板部3011を貫通して延設されると共に駆動モータ3012の回転軸と同軸で形成される貫通軸3014aと、を備える。
移動クラッチ3013bは、その中心位置に貫通軸3014aに外嵌される貫通孔3013b1と、凹凸形状が形成される部分よりも径方向外方へ円形に延設される支持縁部3013b2と、を備える。貫通孔3013b1と貫通軸3014aとは、軸方向に相対動作可能である一方、周方向に相対動作不能な態様で構成される。例えば、貫通軸3014aの外形がD字形状から形成され、貫通孔3013b1の内形が貫通軸3014aの外形よりも若干大きいD字形状から形成される。
切替クラッチ3013は、移動クラッチ3013bと固定クラッチ3013aとが離間している状態では、固定クラッチ3013aのみが駆動モータ3012の駆動力で回転する。一方で、移動クラッチ3013bが固定クラッチ3013aと噛み合う位置に配置されると、固定クラッチ3013aの回転と同期して移動クラッチ3013bが回転する。
これにより、移動クラッチ3013bが固定クラッチ3013aと噛み合い始めてから、駆動モータ3012が半回転することで(本実施形態では、1.5秒間の遅延期間後)、流下防止板1015を埋没状態へ変化させることができる。
図22から図24に示すように、本実施形態では、第2可変入賞装置650のソレノイド650cが左右方向に伸縮動作する。この左右方向の伸縮動作に基づいて、ソレノイド650cの伸縮方向に延設される剛体棒B31が左右方向に動作する。剛体棒B31の先端は、開閉板650bの下面に形成される連結溝C31に連結されており、本実施形態では、その連結溝C31が、ソレノイド650cから左右方向に離れる程、背面側へ傾斜する態様で形成される。そのため、ソレノイド650cを駆動させると(剛体棒B31を引く方向に動作させると)、開閉板650bが引き込まれ、第2可変入賞装置650が開放状態となり、ソレノイド650cの駆動を解除すると、開閉板650bが正面側へ張り出され、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となる。
切替部材3016は、上下に長尺の棒部材から形成され、下端から僅かに上方へ変位した位置で軸棒3011bに回転可能に軸支される軸孔3016aと、上端部分においてソレノイド650cの移動部分から軸棒3011bの突設方向と平行に突設される支持軸に支持される長孔状の支持長孔3016bと、下端部分において移動クラッチ3013bの支持縁部3013b2を移動クラッチ3013bの軸方向両側から摺動可能に支持する爪部3016cと、を主に備える。
本実施形態では、第2可変入賞装置650が開放状態となった場合(ソレノイド650cが駆動され、剛体棒B31が背面視右方へ引かれた場合)に、切替部材3016がソレノイド650c側に傾倒する解除姿勢となり、切替クラッチ3013が、伝達を解除する(クラッチの凹凸が互いに離間する)解除状態を形成し、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となった場合(ソレノイド650cの駆動が解除され、剛体棒B31が背面視左方へ押された場合)に、切替部材3016がソレノイド650cの反対側に傾倒する伝達姿勢となり、固定クラッチ3013aと移動クラッチ3013bとが歯合され、切替クラッチ3013が、駆動力を伝達する伝達状態を形成する。
なお、切替クラッチ3013が伝達状態となる際、固定クラッチ3013aと移動クラッチ3013bとの凸部分が互いに軸方向で当接する場合があるが、凹凸部分が鋭利な形状(軸に垂直な平面をもたず、軸に対して傾斜する形状)から形成されるので、当接時に移動クラッチ3013bが回転することで、当接時の衝撃を逃がすことができる。これにより、凹凸部分を軸に対して垂直な面を持つ凹凸形状から形成する場合に比較して、切替クラッチ3013の耐久性を向上させることができる。
次いで、図25から図27を参照して、駆動モータ3012の駆動力が伝達されて流下防止板1015が動作するまでの過程について説明する。図25(a)は、球止め装置3010の背面図であり、図25(b)は、図25(a)の矢印XXVb方向視における球止め装置3010の側面図であり、図26(a)は、球止め装置3010の背面図であり、図26(b)は、図26(a)の矢印XXVIb方向視における球止め装置3010の側面図であり、図27(a)は、球止め装置3010の背面図であり、図27(b)は、図27(a)の矢印XXVIIb方向視における球止め装置3010の側面図である。
なお、図25では、第2可変入賞装置650が開放状態とされ、切替部材3016が解除姿勢とされた状態が図示され、図26では、図25に示す状態から第2可変入賞装置650が閉鎖状態とされ、切替部材3016が伝達姿勢とされた状態が図示され、図27では、図26に示す状態から、第2可変入賞装置650が閉鎖状態を所定時間(本実施形態では、1.5秒間)維持した後の状態が図示される。
第2可変入賞装置650の動作と流下防止板1015の動作との関係について説明する。第2可変入賞装置650の開閉動作の開始前においては、第2可変入賞装置650は閉鎖状態を維持するので、図26に示すように、切替クラッチ3013は伝達状態を維持し、駆動モータ3012の駆動力が常時、回転円板3014に伝達されるので、流下防止板1015の状態は、突出状態と埋没状態とで、所定時間(本実施形態では、1.5秒)ごとに変化する。この状態変化は、遊技者から視認可能な位置で行われるので、流下防止板1015が配置される付近(貯留装置3000付近)への注目力を向上させることができる。
大当たり遊技が始まり、12ラウンド目が開始され、第2可変入賞装置650が開放状態となると、切替クラッチ3013が解除状態とされ、駆動モータ3012からの駆動力が流下防止板1015へ伝達されなくなるので、流下防止板1015は、弾性バネ3011aの弾性力により、正面側へ押し出され、突出状態となる。この突出状態は、少なくとも、第2可変入賞装置650が開放状態を維持する間、維持される。
図25に示す状態から、所定時間経過し、第2可変入賞装置650が閉鎖状態に変化すると、図26(a)に示すように、切替クラッチ3013は伝達状態となり、駆動モータ3012の駆動力が回転円板3014を介して流下防止板1015へ伝達し始める。
ここで、流下防止板1015bが突出状態である場合、回転円板3014の突設ピン1014cが流下防止板1015の連結長孔1015aの内側に配置されることにより、回転円板3014は、突設ピン1014cが正面側端部(回転円板3014の回転軸から正面側へ平行移動した位置)に配置された姿勢となる。
流下防止板1015が埋没状態となるのは、回転円板3014の姿勢が、突設ピン1014cが背面側端部(回転円板3014の回転軸から背面側へ平行移動した位置)に配置された姿勢となる場合であるので、切替クラッチ3013が伝達状態となり始めたとしても、流下防止板1015が即座に埋没状態となるわけではなく、図26(a)に示すように、突出状態を維持する。
切替クラッチ3013の回転は、駆動モータ3012の回転により生じるものである。本実施形態では、駆動モータ3012は3秒間で1回転する速度で回転するため、第2可変入賞装置650が閉鎖状態を1.5秒間維持する場合、図27に示すように、突設ピン1014cの位置が回転円板3014の回転軸から背面側へ平行移動した位置に移動され、流下防止板1015が埋没状態を形成する。これにより、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となった後に、傾倒部材1040の上面に残存した球を通常入球口1033により図示しない球排出路へ排出することができる。
即ち、本実施形態では、第2可変入賞装置650の閉鎖から、所定時間(本実施形態では1.5秒間)遅れて、流下防止板1015が埋没状態を形成し、残存球を排出する態様で形成される。また、第2可変入賞装置650が開放された際には、流下防止板1015は弾性バネ3011aの弾性力で正面側へ張り出すので、時間遅れなく突出状態を形成する。従って、状態変化の方向によって、第2可変入賞装置650の動作タイミングを基準とした流下防止板1015の状態変化のタイミングを異ならせることができる。
なお、上述したように、第2可変入賞装置650の閉鎖状態を1.5秒間維持することで、流下防止板1015を埋没状態へ変化させることができるが、例えば、1.5秒の経過前(例えば、1秒経過前)に、再度、第2可変入賞装置650を開放状態に変化すると、切替クラッチ3013は解除状態となり、弾性バネ3011aの弾性力で流下防止板1015が張り出され、流下防止板1015は、突出状態を形成する。即ち、閉鎖状態を1.5秒以上維持するか、1.5秒以下(1秒程度)の維持に留め、再度開放状態とするかによって、流下防止板1015の動作態様を変化させることができる。以下、このことについて、図28を参照して説明する。
次いで、図28を参照して、第2特定入賞口650aの開放パターンについて説明する。図28(a)は、大当たりAの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図であり、図28(b)は、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図である。
まず、図28(a)について説明する。図28(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図28(a)の下側のグラフが流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図28(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その後、所定時間(例えば、1秒間)閉鎖状態を維持した後に、所定時間(例えば1秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その閉鎖状態は、1.5秒以上の所定時間(例えば、2秒間)維持される。その後、再度、所定時間(例えば1秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流下防止板1015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが1.5秒以上閉鎖状態を維持する度に、埋没状態に変化する。従って、第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球可能な状態を作りながら、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖の度に流下防止板1015を埋没状態に変化させることにより、傾倒部材1040の上面に球を貯留させ難くすることができる。即ち、1秒間の開放で第2特定入賞口650aに入球した球を、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖の度に通常入球口1033へ向けて流すことで、一度の開放で3個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入球しない限り、傾倒部材1040が傾倒することは無い態様とすることができる。
これにより、大当たりAにおいて、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
次に、図28(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図28(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図28(b)の下側のグラフが、流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図28(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、0.2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、0.2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その後、1.5秒以下の所定時間(例えば、1秒間)閉鎖状態を維持した後に、所定時間(例えば1秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その閉鎖状態は、1.5秒以下の所定時間(例えば、1秒間)維持される。その後、再度、所定時間(例えば1秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、その後再度、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)開放され、その所定時間の経過後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、12ラウンド目が終了する。この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板1015は、大当たりAの12ラウンド目とは異なった動作をおこなう。即ち、流下防止板1015は、第2特定入賞口650aが1.5秒間閉鎖状態を維持した際に埋没状態を形成するところ、大当たりBでは、閉鎖状態とされる期間が1.5秒よりも短い1秒間とされるので、12ラウンド目の間中、流下防止板1015が突出状態を維持する。
そのため、大当たりBの12ラウンド目の開始から、12ラウンド目が終了するまでの間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
このように、12ラウンド目の開始後における第2特定入賞口650aの動作態様を、1秒間開放させ、その後閉鎖させ、再度1秒間開放させるという、似通った動作態様としながら、大当たりAと大当たりBとで、大当たり終了後に特別図柄の確変状態に設定され易い場合(図28(b)参照)と、特別図柄の確変状態に設定され難い場合(図28(a)参照)とを形成することができる。これにより、遊技者に、12ラウンド目の開始後しばらくの間、大当たりが、大当たりAなのか大当たりBなのかを分かりがたくでき、遊技中において、遊技者の期待感をより長く保つことができる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口1031へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
また、大当たりB(図28(b))において、大当たり終了後(第2特定入賞口650aが閉鎖後)に、所定期間(本実施形態では、1.5秒間)遅れて、流下防止板1015が埋没状態に変化する。そのため、例えば、球詰まりなどにより、ホール店員に修理を依頼し、その修理が12ラウンド目の終了間際までかかった場合に、慌てて球を打ち出して、12ラウンド目の終了間際に球が複数個入った場合であっても、12ラウンド目の終了後、所定期間の間は、傾倒部材1040を傾倒動作させる余地を残すことができる。これにより、ますます、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくすることができる。
このように、第3実施形態では、第2可変入賞装置650の閉鎖から所定時間遅れて流下防止板1015が埋没状態となるという動作態様を、ソレノイド650cの動作態様を制御することのみによって、実現することができる。
次いで、図29から図36を参照して、第4実施形態について説明する。第3実施形態では、第2可変入賞装置650の閉鎖状態の長さに基づいて、流下防止板1015が駆動される場合を説明したが、第4実施形態における貯留装置4000は、第2可変入賞装置650の開放状態の長さに基づいて、流下防止板1015を駆動するか否かを切り替える態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図29は、第4実施形態における貯留装置4000の背面斜視図である。なお、図29では、第2可変入賞装置650(図2参照)が閉鎖状態となった状態が図示され、ベース板60の図示が省略される。
図29に示すように、貯留装置4000は、ベース板60に締結固定される本体板部1001と、その本体板部1001の背面側に配設される球止め装置4010と、上述した誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を主に備える(図23参照)。
球止め部材4010は、本体板部1001の背面から後方へ延設される複数の板状の基礎板部4011と、その基礎板部4011の内の一部に支持される駆動モータ4012と、その駆動モータ4012から駆動力を伝達される面を複数有し軸方向にスライド移動可能に構成される円板形状の摩擦回転部材4013と、その摩擦回転部材4013と同軸で配置され摩擦回転部材4013からの駆動力伝達が可能な態様で構成される回転円板4014と、その回転円板4014と連結される流下防止板1015と、ソレノイド650cの移動部分に連結されると共に摩擦回転部材4013をスライド移動させる切替部材3016と、を主に備える。
なお、本実施形態では、第3実施形態の場合とは逆に、ソレノイド650cにより第2可変入賞装置650(図24参照)が閉鎖状態となった時に、切替部材3016がソレノイド650c側(背面視右側)に傾倒動作する一方で、ソレノイド650cにより第2可変入賞装置650が開放状態となった時に、切替部材3016がソレノイド650cから離反する側に傾倒動作する。この場合、ソレノイド650cは、電気駆動により延伸するタイプのソレノイドを用いることが、節電の面から好ましい。
例えば、ソレノイド650cの連結溝C31(図22(b)参照)の傾斜方向を左右で反転させることにより、上述した動作条件を満たす構成とすることができる。なお、閉鎖状態の時の姿勢(図29参照)を、切替部材3016の第1伝達姿勢と称し、開放状態の時の姿勢を、切替部材3016の第2伝達姿勢と称する。
基礎板部4011は、駆動モータ4012を支持する第1支持板4011aと、その第1支持板4011aと並設されると共に駆動モータ4012の駆動軸の先端部を支持する第2支持板4011bと、第1支持板4011aの上方に配置され摩擦回転部材4013を回転可能に支持する軸棒部4011dが延設される第3支持板4011cと、回転円板4014を軸方向両側から摺動可能に挟み支持し、摩擦回転部材4013と同軸の位置に維持する第4支持板4011eと、を主に備える。
第4支持板4011eは、回転円板4014の外周から若干内側に入った位置まで板が張り出し、約200度の範囲に亘って軸方向から回転円板4014を摺動可能に挟み込む態様で、回転円板4014を支持する。また、回転円板4014の外周面を受け入れる部分は、回転円板4014の外径よりも若干大きな径の円形凹部として形成されることから、回転円板4014が径方向に位置ずれすることを防止している。なお、回転円板4014は、図示しない保持機構により、摩擦回転部材4013と同軸の状態で維持される。
駆動モータ4012は、第1支持板4011aにブラケットが固定され、第1支持板4011aを挟んでブラケットの反対側において、回転軸に固定される一対の駆動円板4012a,4012bを備える。
一対の駆動円板4012a,4012bは、外周面が摩擦回転部材4013の外周面と当接可能な位置に配置され、摩擦回転部材4013の配置により、擦れる駆動円板4012a,4012bをが入れ替えられる。なお、図29に示す状態では、摩擦回転部材4013が、回転円板4014に近接する側に配置される駆動円板4012aに当接可能な位置に配置される。なお、駆動モータ4012は、常時一定の速度で回転動作を継続する。本実施形態において、駆動モータ4012は、6秒で1回転の速度で回転する。
次いで、図30及び図31を参照して、摩擦回転部材4013と回転円板4014とについて、説明する。図30及び図31は、球止め装置4010の分解背面斜視図である。なお、図30では、駆動モータ4012のブラケット側から見た状態が図示され、図31では、駆動モータ4012の軸側から見た状態が図示される。また、図30及び図31では、基礎板部4011及び切替部材3016の図示が省略される。
摩擦回転部材4013は、中心に貫通孔が形成されるドーナツ形状の円板部材であって、最大外径を形成する境界円板部4013aと、その境界円板部4013aから駆動モータ4012のブラケット側へドーナツ形状に突設される第1摩擦円板4013bと、境界円板部4013aを挟んだ第1摩擦円板4013bの逆側に第1摩擦円板4013bと同一外径でドーナツ状に突設される第2摩擦円板4013cと、その第2摩擦円板4013cの軸方向の面から偏心して突設される突設係合部4013dと、第2摩擦円板4013cの外周部分の一部を径方向内側へ凹設した部分である解除凹部4013eと、を主に備える。
境界円板部4013aは、外周位置付近において、切替部材3016の爪部3016cと係合する(図29参照)。従って、切替部材3016が動作すると、境界円板部4013aが爪部3016cに押されることで、摩擦回転部材4013が軸棒部4011dの延設方向に沿って移動する。
第1摩擦円板4013b及び第2摩擦円板4013cは、駆動モータ4012の駆動円板4012a,4012bと外径同一で形成される。そのため、駆動モータ4012の回転速度と、摩擦回転部材4013の回転速度とは、スリップが無いと仮定した状況において、同一となる。
解除凹部4013eは、駆動円板4012aと対向配置された場合に、駆動円板4012aとの当接が解除される態様(大きさ、径方向深さ)で形成される。即ち、第2摩擦円板4013cと駆動円板4012aとが当接し、駆動円板4012aとの摩擦で第2摩擦円板4013cが回転している状態において、解除凹部4013eが駆動円板4012a側を向く姿勢(解除凹部4013eが軸棒部4011dと駆動モータ4012の回転軸とを結ぶ直線上に配置される姿勢)になったら、第2摩擦円板4013cへの駆動力伝達が解除され、摩擦回転部材4013はそのままの姿勢を維持する。
回転円板4014は、上述した円板部1014bと、突設ピン1014cと、その突設ピン1014cが突設される側とは反対側において、突設ピン1014cの真逆の位相で突設される突設リブ4014aと、を主に備える。
突設リブ4014aは、円板部1014bの径方向に沿って長尺の形状から形成され、摩擦回転部材4013が駆動モータ4012の軸側に配置された状態(図29参照)において、突設係合部4013dと周方向で当接可能な高さであって、摩擦回転部材4013が駆動モータ4012のブラケット側に配置された状態において、突設係合部4013dと周方向で当接不能な高さで突設される。
図32を参照して、駆動モータ4012、摩擦回転部材4013及び回転円板4014の駆動力伝達態様の切替について説明する。図32(a)及び図32(b)は、球止め装置4010の背面図である。なお、図32(a)では、第2可変入賞装置650が閉鎖状態とされると共に、切替部材3016が第1伝達姿勢となった状態が図示され、図32(b)では、第2可変入賞装置650が開放状態とされると共に、切替部材3016が第2伝達姿勢となった状態が図示される。
なお、図32(a)及び図32(b)では、理解を容易とするために、回転円板4014は突設ピン1014cが正面側(図32紙面奥側)に配置された状態(流下防止板1015の突出状態に対応)とされ、摩擦回転部材4013は解除凹部4013eが背面側(図32紙面手前側)に配置された状態が図示される。
図32(a)に示すように、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となると、第2摩擦円板4013cと、駆動円板4012aとが当接する配置となる。従って、この状態において、駆動円板4012aの回転速度(6秒で1回転する速度)で、摩擦回転部材4013は回転する。
また、摩擦回転部材4013が継続して回転し、解除凹部4013eが駆動円板4012aと対向配置される位置(図32(a)下側)に配置される場合、駆動円板4012aと第2摩擦円板4013cとが離間し、駆動力の伝達が解除される。従って、軸方向における摩擦回転部材4013の配置が図32(a)に示す配置を継続して維持したとしても、摩擦回転部材4013は解除凹部4013eが駆動円板4012aと対向配置される位置に配置される姿勢となることにより(一周未満の回転量で)、駆動力伝達が解除される。
図32(b)に示すように、第2可変入賞装置650が開放状態となると、第1摩擦円板4013bと、駆動円板4012bとが当接する配置となる。従って、この状態において、駆動円板4012bの回転速度(6秒で1回転する速度)で、摩擦回転部材4013は回転する。
なお、上述したように、図32(a)に示す状態において(この状態を6秒以上維持した後であれば)、摩擦回転部材4013は解除凹部4013eが駆動円板4012aと対向配置される姿勢で姿勢が維持されるので、第2可変入賞装置650が開放状態となった瞬間の摩擦回転部材4013の姿勢を、毎回統一することができる。即ち、解除凹部4013eが駆動円板4012aと対向配置される姿勢で、第1摩擦円板4013bと駆動円板4012bとの駆動力伝達を開始することができる。これにより、第2可変入賞装置650を閉鎖状態から開放状態へ変化させてから、所定時間経過後の摩擦回転部材4013の姿勢を、制御側で把握することができる。
また、図32(b)に示す状態においては、第2摩擦円板4013cと駆動円板4012bとは、常時当接するので、常時駆動力が伝達される。一方で、突設リブ4014aと、突設係合部4013dとは、周方向で当接しないので、図32(b)の状態を長時間維持したとしても、流下防止板1015の状態は変化しないので、摩擦回転部材4013が姿勢変化を継続していることを、遊技者が意識し難くすることができる。これらの構成から、開放状態を維持する期間の長さによって、流下防止板1015を突出状態としたままにするか、埋没状態に変化させるかを切り替えることができる。このことについて、図33及び図34を参照して説明する。
図33(a)から図33(c)は、図32(a)の矢印XXXIIIa方向視における駆動モータ4012、摩擦回転部材4013、回転円板4014及び流下防止板1015の模式図である。なお、図33(a)では、第2可変入賞装置650の閉鎖状態が図示され、図33(b)では、閉鎖状態から開放状態に変化し2秒経過した状態が図示され、図33(c)では、図33(b)の状態で開放状態から閉鎖状態へと切り替わった上で図33(b)から4秒後の状態が図示される。
図33(a)に示すように、図33(a)において、駆動モータ4012は時計回り方向CWで回転する。図33(a)に示す状態から、第2可変入賞装置650を開放すると、第1摩擦円板4013bと駆動円板4012b(図32参照)との当接により、摩擦回転部材4013が、図33(a)において、反時計回りCCWで回転する。
2秒間の開放の後、閉鎖状態へと変化させると、図33(b)に示すように、突設係合部4013dの進行方向に突設リブ4014aが配置されるので、摩擦円板部材4013が回転を継続する間、突設係合部4013dに突設リブ4014aが押進されることにより、回転円板4014が回転する。これにより、流下防止板1015が突出状態から埋没状態へ状態変化する。
その後、摩擦回転部材4013は、図33(c)に示す姿勢まで回転を継続し、駆動モータ4012からの駆動力伝達が解除される。流下防止板1015は弾性バネ3011aにより突出状態へ復帰するので、その移動に基づいて、回転円板4014も図33(c)に示す状態から回転し、図33(a)に示す状態に戻る。
このように、駆動モータ4012の1回転にかかる時間の半分よりも若干短い期間(本実施形態では2.5秒以下)だけ開放状態を維持し、その後閉鎖状態を維持することで、流下防止板1015が埋没状態へ変化した状態を形成することができる。
図34(a)から図34(c)は、図32(a)の矢印XXXIIIa方向視における駆動モータ4012、摩擦回転部材4013、回転円板4014及び流下防止板1015の模式図である。なお、図34(a)では、第2可変入賞装置650の閉鎖状態が図示され、図34(b)では、閉鎖状態から開放状態に変化し4秒経過した状態が図示され、図34(c)では、図34(b)の状態で開放状態から閉鎖状態へと切り替わった上で図34(b)から2秒後の状態が図示される。
図34(a)に示す状態から、第2可変入賞装置650を開放すると、第1摩擦円板4013bと駆動円板4012b(図32参照)との当接により、摩擦回転部材4013が、図34(a)において、反時計回りCCWで回転する。
4秒間の開放の後、閉鎖状態へと変化させると、図34(b)に示すように、突設係合部4013dの進行方向に突設リブ4014aは配置されないので、摩擦円板部材4013が回転を継続する間、突設リブ4014aはそのままの位置に配置される。そのため、回転円板4014は回転されず、流下防止板1015は突出状態で維持される。
その後、摩擦回転部材4013は、図34(c)に示す姿勢まで回転を継続し、駆動モータ4012からの駆動力伝達が解除される。このように、駆動モータ4012の1回転にかかる時間の半分よりも若干長い期間(本実施形態では3.5秒以上)だけ開放状態を維持し、その後閉鎖状態を維持することで、流下防止板1015を突出状態で維持することができる。
なお、開放状態を維持する期間が2.5秒から3.5秒までの1秒間は、突設係合部4013dと突設リブ4014aとが軸方向で当接する可能性があり、故障の原因となるので、この期間においては、開放状態から閉鎖状態へ変化させないように、制御プログラムが構築される。上述したように、開放状態を維持する期間が数秒違うだけで、流下防止板1015の動作を変化させることができる。このことに関して、図35を参照して説明する。
次いで、図35を参照して、第2特定入賞口650aの開放パターンについて説明する。図35(a)は、大当たりAの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図であり、図35(b)は、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図である。
まず、図35(a)について説明する。図35(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図35(a)の下側のグラフが流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図35(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、2.5秒よりも短い所定時間(例えば、2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、2秒)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その後、12ラウンド目の開始から6秒以上の所定時間(例えば、4秒間)閉鎖状態を維持した後に、所定時間(例えば2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば2秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。即ち、2秒間開放し、その後で4秒間閉鎖しを複数回繰り返し、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流下防止板1015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが4秒間閉鎖状態を維持する度に、埋没状態に変化する。従って、第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球可能な状態を作りながら、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖の度に流下防止板1015を埋没状態に変化させることにより、傾倒部材1040の上面に球を貯留させ難くすることができる。即ち、2秒間の開放で第2特定入賞口650aに入球した球を、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの閉鎖の度に通常入球口1033へ向けて流すことで、一度の開放(2秒間)で3個の球が第2特定入賞口(第2大開放口)650aに入球しない限り、傾倒部材1040が傾倒することは無い態様とすることができる。また、本実施形態では、1秒に約1球のペースで第2特定入賞口650aに球が入球するように第2可変入賞装置650の上流側が形成される。そのため、第2特定入賞口650aの一回開放の間に、第2特定入賞口650aに球が10個以上入球することは無い構成とされる。
これにより、大当たりAにおいて、第2特定入賞口(第2大開放口)650aでの賞球は十分確保できる状態を維持しながら、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
次に、図35(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図35(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図35(b)の下側のグラフが、流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図35(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、3秒以上の所定時間(例えば、4秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、4秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その後、所定時間(例えば、2秒間)閉鎖状態を維持した後に、所定時間(例えば4秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば4秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その閉鎖状態は、所定時間(例えば、2秒間)維持される。そして再度、開放される。
即ち、4秒間開放し、その後で2秒間閉鎖しを複数回繰り返し、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、12ラウンド目が終了する。そして、インターバル期間において、所定時間(例えば、1秒間)だけ第2第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
また、大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板1015は、大当たりAの12ラウンド目とは異なった動作をおこなう。即ち、流下防止板1015は、第2特定入賞口650aが2.5秒以下で開放され、その後3秒程度閉鎖状態を維持した時に埋没状態を形成するところ、大当たりBでは、第2特定入賞口650aの開放状態が4秒間維持された後で、閉鎖状態が2秒間維持されるので、上述した開閉の条件に合致せず、12ラウンド目の間中、流下防止板1015が突出状態を維持する。
そのため、大当たりBの12ラウンド目の開始から、12ラウンド目が終了するまでの間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
なお、大当たりBにおいて、インターバル中に数秒間、開放状態とするのは、強制的に流下防止板1015を埋没状態とし、傾倒部材1040の上面に残存する球を通常入球口1033へ向けて流すためである。
このように、12ラウンド目の開始後における第2特定入賞口650aの動作態様を、数秒間開放させ、その後閉鎖させ、再度数秒間開放させるという、似通った動作態様としながら、大当たりAと大当たりBとで、大当たり終了後に特別図柄の確変状態に設定され易い場合(図35(b)参照)と、特別図柄の確変状態に設定され難い場合(図35(a)参照)とを形成することができる。これにより、遊技者に、12ラウンド目の開始後しばらくの間、大当たりが、大当たりAなのか大当たりBなのかを分かり難くでき、遊技中において、遊技者の期待感をより長く保つことができる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口1031へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
上述したように、大当たり中に流下防止板1015が埋没状態となるのは、例えば、12ラウンド目の開始から、第2特定入賞口650aが2.5秒以下の所定時間(例えば、2秒間)開放状態を維持した後で、所定時間(例えば、4秒間)閉鎖状態を維持した場合という条件を満たした時である。即ち、流下防止板1015が突出状態を維持する第2特定入賞口650aの開閉のパターンは、図35(b)に示したパターンに限られるものでは無い。その例について、図36を参照して説明する。
次に、図36を参照して、大当たりB(その2)の12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図36の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図7の下側のグラフが、流下防止板1015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図36に示した通り、12ラウンド目が開始されると、所定時間(例えば、2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、2秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その後、所定時間(例えば、2秒間)閉鎖状態を維持した後に、所定時間(例えば2秒間)だけ第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、2秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その閉鎖状態は、所定時間(例えば、4秒間)維持される。その所定時間(例えば、4秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放される。
その後、所定時間(例えば、2秒間)開放状態を維持した後に、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。その閉鎖状態は所定時間(例えば、4秒間)維持される。そして再度、開放される。
即ち、12ラウンド目の開始時のみ、2秒間開放した後の閉鎖時間を2秒間とし、その後は、2秒間開放し、その後で4秒間閉鎖を繰り返し、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、12ラウンド目が終了する。そして、インターバル期間において、所定時間(例えば、1秒間)だけ第2第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放され、その所定時間(例えば、1秒間)が経過すると、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖される。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
このように第2特定入賞口650aを開閉させることにより、12ラウンド目の開始時の状態(即ち、摩擦回転部材4013が解除凹部4013eを駆動モータ4012側へ向けた姿勢である状態、換言すれば、図36において、12ラウンド目の開始から6n(nは整数)秒後の状態)から、第2特定入賞口650aが2.5秒以下の所定時間(例えば、2秒間)開放され、その後閉鎖され、所定時間(例えば、4秒間)閉鎖状態を維持するという動作パターンを排除することができる。従って、流下防止板1015を突出状態で維持できる。
そのため、大当たりB(その2)の12ラウンド目の開始から、12ラウンド目が終了するまでの間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりB(その2)において、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
一方で、図36に示す第2特定入賞口650aの動作パターンは、開始から4秒間を経過して以降は、図35(a)に示す大当たりAの時の第2特定入賞口650aの動作パターンと同一となる。従って、第2特定入賞口650aの動作パターンから、大当たりの種別を判別し難くすることができる。これにより、傾倒部材1040に球を貯留できるか否かを目で見て確認するように遊技者に仕向けることができ、傾倒部材1040付近の注目力を向上させることができる。
なお、大当たりB(その2)において、インターバル中に数秒間、開放状態とするのは、強制的に流下防止板1015を埋没状態とし、傾倒部材1040の上面に残存する球を通常入球口1033へ向けて流すためである。
このように、12ラウンド目の開始後における第2特定入賞口650aの動作態様を、数秒間開放させ、その後閉鎖させ、再度数秒間開放させるという、似通った動作態様としながら、大当たりAと大当たりB(その2)とで、大当たり終了後に特別図柄の確変状態に設定され易い場合(図36参照)と、特別図柄の確変状態に設定され難い場合(図35(a)参照)とを形成することができる。これにより、遊技者に、12ラウンド目の開始後しばらくの間、大当たりが、大当たりAなのか大当たりB(その2)なのかを分かり難くでき、遊技中において、遊技者の期待感をより長く保つことができる。
このように、第4実施形態によれば、第2可変入賞装置650の開放時間の長さによって、閉鎖後に流下防止板1015が埋没状態となるか、否かを変化させることができる。また、開放時間の長さとしては、毎回の開放からの経過時間に限らず、最初の開放動作からの経過時間を採用可能な期間があり、この期間の途中から、最初の開放からの開放時間では流下防止板1015を状態変化させない開放時間で、第2可変入賞装置650を開放させ、その後閉鎖することで、流下防止板1015を埋没状態へ状態変化させることを可能に構成される。これにより、大当たり種別ごとの第2可変入賞装置650の動作で、動作態様が同じになる期間を形成できるので、遊技者が、第2可変入賞装置650の動作から、大当たり種別の違いに気付き難くすることができる。
次いで、図37から図41を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉動作の仕方に基づいて流下防止板1015が駆動される場合を説明したが、第5実施形態における貯留装置5000は、2可変入賞装置650の開閉回数に基づいて流下防止板1015を駆動するか否かを切り替える態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
また、本実施形態では、大当たり期間以外で第2可変入賞装置650が開閉すること(所謂、小当たり)は、生じないように設定される。そのため、後述する第2可変入賞装置650の開閉回数は、全て、大当たり遊技時の動作によるものとされる。
図37(a)は、第5実施形態における貯留装置5000の正面図であり、図37(b)は、図37(a)の矢印XXXVIIb方向視における貯留装置5000の上面図である。なお、図37(a)では、本体板部1001の図示が省略され、図37(a)及び図37(b)では、誘導流路1020、分岐流路1030及び傾倒部材1040が、想像線で図示される。
図37(a)及び図37(b)に示すように、貯留装置5000は、本体板部1001と、その本体板部1001の背面に配設される球止め装置5100と、上述した誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を主に備える。
本体板部1001の背面側には、第2特定入賞装置650が配設される。本実施形態では、第2特定入賞装置650は、第3実施形態と同様、ソレノイド650cが左右方向に動作することにより、剛体棒B31が連結溝C31を介して開閉板650bに駆動力を伝達する態様で構成される。
剛体棒B31は、弾性部材から板バネ状に形成される爪部B51を備える。爪部B51は、後述する回転部材5120の外周面と対向配置されると共に、回転部材5120の中心から出され剛体棒B31と垂直に交差する直線L51に対して、回転部材5120の軸方向視でソレノイド650cに近接する側へ傾斜する姿勢で延設される。
従って、回転部材5120と、爪部B51とが当接している状態において、剛体棒B31がソレノイド650c側へ動作すると、爪部B51の先端部が回転部材5120に突き刺さる(駆動力を点接触で伝達する)態様で回転部材5120に作用するので、回転部材5120を回転させ易くすることができる。一方で、剛体棒B31がソレノイド650cから離反する方向へ動作すると、爪部B51の腹部分が回転部材5120の外周と擦れる態様で回転部材5120に作用するので、回転部材5120を回転させ難くすることができる。これにより、ソレノイド650cの駆動と解除とを一回ずつ行うことにより(剛体棒B31を左右に1往復動作させることにより)、第2可変入賞装置650は1回だけ開閉動作を行い、回転部材5120を所定方向(本実施形態では図37(a)反時計回り方向)に回転動作させることができる。
球止め装置5100は、本体板部1001の背面から後方へ棒状に突設される軸棒部5110と、その軸棒部5110に軸支される回転部材5120と、その回転部材5120の本体板部1001と対向配置する面に負荷を与える付勢部5130と、回転部材5120の姿勢に対応して流下防止板5015を動作させる切替装置5140と、を主に備える。
回転部材5120は、外周面が常時、爪部B51と当接し、爪部B51との作用により回転動作する部材である。この回転部材5120について、図38を参照して説明する。
図38(a)は、回転部材5120の正面図であり、図38(b)は、図38(a)の矢印XXXVIIIb方向視における回転部材5120の上面図であり、図38(c)は、図38(a)のXXXVIIIc−XXXVIIIc線における回転部材5120の部分断面図である。
図38(a)から図38(c)に示すように、回転部材5120は、軸棒部5110(図37参照)に軸支される本体円板5121と、その本体円板5121の外周面に形成される鋸歯状部であって軸棒部5110から均等角度(本実施形態では、22.5度ずつ、16等分)でずれて並設される複数の外周係合部5122と、本体円板5121の本体板部1001と対向配置する面に、軸棒部5110から等距離の位置において軸棒部5110から放射状に延びる直線に沿って延設される凹部であって、外周係合部5122の並べられる角度(22.5度)と同様の角度だけずれて複数個配設される位置決め凹部5123と、その位置決め凹部5123の形成される位置よりも外周側において軸方向一側(図38(a)紙面手前側)に突設される複数の切替突設部5124と、軸方向他側へ偏心して突設される検出ピン5125と、を主に備える。
外周係合部5122は、本体円板5121の上側に配置された場合において、正面視右側で急激に立ち上がり、正面視左側は緩やかに下降する、左右不均等の傾斜態様で形成される。これにより、爪部B51(図37(a)参照)が左方へ移動する際の駆動力伝達を良好に行うと共に、爪部B51が右方へ移動する際には爪部B51から外周係合部5122に対して回転方向の負荷を生じ難くすることができる。
位置決め凹部5123は、付勢部5130(図37(a)参照)と正面視で重なる位置に配置され、付勢部5130の先端を内嵌可能な形状から形成される。本実施形態では、付勢部5130の先端が球状とされ、位置決め凹部5123の周方向の幅が付勢部5130の先端の球の直径以下とされるので、付勢部5130の先端が位置決め凹部5123に嵌り込むことで、位置ずれ少なく、回転部材5120の姿勢を維持することができる。
切替突設部5124は、周方向両側へ向かうにつれて、なだらかに傾斜する傾斜面部5124aを備える突設部である。傾斜面部5124aにより、回転部材5120の回転により切替装置5140の短腕部5142bと当接する際に生じる抵抗を少なくすることができ、ソレノイド650cにかけられる負荷を低減することができる。
本実施形態では、同様の形状から形成される一対の突起により構成され、それらは、軸棒部5110を中心として45度だけ角度ずれした位置に配置される。検出ピン5125は、後述する位置センサ5144により検出され、回転部材5120の姿勢の把握に用いられる突起である。
図37に戻って説明する。付勢部5130は、本体板部1001の背面から後方へ向けて筒状に延設される支持筒5131と、その支持筒5131の内側に配置される球状の嵌合片5132と、その嵌合片5132と本体板部1001との間であって支持筒5131の内部に配置される弾性バネ5133と、を主に備える。
なお、図37(b)に示すように、支持筒5131の先端は、回転部材5120との隙間が嵌合片5132の直径よりも小さくなる位置まで延設される。これにより、嵌合片5132が支持筒5131の内側に常時維持され、嵌合片5132が弾性バネ5133の弾性力で回転部材5120に押し付けられる。
切替装置5140は、本体板部1001の背面から後方へ延設される基礎板部5141と、その基礎板部5141に上下方向に挿通される軸で回転可能に軸支され、一方の腕部が流下防止板5015と連結される回転腕部5142と、その回転腕部5142の長腕部5142aの先端付近と本体板部1001とを連結し引っ張り方向の負荷を与える縮みバネ5143と、基礎板部5141に配設されると共に検出ピン5125が通過可能な位置に検出溝が配置される位置センサ5144と、を主に備える。
回転腕部5142は、流下防止板5015に連結される長腕部5142aと、回転軸を挟んで長腕部5142aの反対側に延設される短腕部5142bと、を備え、短腕部5142bは、回転部材5120の正面側面に押し付けられている。
次いで、図39を参照して、回転部材5120と切替装置5140との動作について説明する。なお、図39の説明において、図37を適宜参照する。図39(a)は、貯留装置5000の正面図であり、図39(b)は、図39(a)の矢印XXXIXb方向視における貯留装置5000の上面図である。なお、図39(a)では、本体板部1001の図示が省略され、図39(a)及び図39(b)では、誘導流路1020、分岐流路1030及び傾倒部材1040が、想像線で図示される。
図39(a)及び図39(b)に示すように、回転部材5120の切替突設部5124が切替装置5140の短腕部5142bに当接する位置まで、回転部材5120が回転することにより、切替突設部5124に短腕部5142bが押され、回転腕部5142が回転する(図39(b)参照)。この状態において、流下防止板5015が埋没状態を形成する。
なお、上述した通り、回転腕部5142は、回転軸を基準として、回転部材5120側に延設される腕(短腕部5142b)の方が、流下防止板5015側に延設される腕(長腕部5142a)よりも短い。そのため、短腕部5142bの先端の変位よりも大きな変位で長腕部5142aを変位させることができるので、流下防止板5015を埋没状態にするために必要となる短腕部5142bの変位量を小さくすることができる。これにより、回転部材5120をコンパクトに形成することができる。
本実施形態では、第2可変入賞装置650が閉鎖状態から開放状態へ変化することで、爪部B51が回転部材5120の外周係合部5122を押進し、付勢部5130と嵌合する位置決め凹部5123が隣りにずれる態様で、回転動作する。換言すれば、第2可変入賞装置650が閉鎖状態から開放状態へ1回変化することにより、1/16周(22.5度)だけ、回転部材5120は回転動作する(開放状態へ16回変化することにより、回転部材5120は1回転する)。なお、上述したように、第2可変入賞装置650が開放状態から閉鎖状態へ変化するときには、爪部B51から回転部材5120へ周方向の負荷が生じ難く、回転部材5120は姿勢を維持するそのため、第2可変入賞装置650が開閉動作を繰り返すことで、回転部材5120の姿勢が順に変化することになる。
本実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉により、回転部材5120は正面視反時計回りに回転する。即ち、第2可変入賞装置650の開閉動作を4回行うことにより、図39に示す状態から、図37に示す状態に変化させることができる。
本実施形態では、回転部材5120の初期姿勢が図37(a)に示す姿勢(検出ピン5125が位置センサ5144の内側に配置される姿勢)とされ、初期姿勢から第2可変入賞装置650が12回開閉動作をした後で形成される解除姿勢(図39(a)参照)でのみ、流下防止板5015が埋没状態とされる。従って、第2可変入賞装置650の動作態様を異ならせることにより、貯留装置5000の内部に球が貯まりやすいか、否かを変えることができる。このことについて、図40を参照して説明する。
次いで、図40を参照して、第2特定入賞口650aの開放パターンについて説明する。図40(a)は、大当たりAの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図であり、図40(b)は、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化を示した図である。
まず、図40(a)について説明する。図40(a)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図40(a)の下側のグラフが流下防止板5015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図40(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作が所定回数(例えば、11回)繰り返され、その後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放(12回目の開放)され、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、その後、インターバルの間に、12ラウンド目の開始からの開閉回数が16回となる所定回数(例えば、4回)で、一回あたり0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作を行い、その開閉動作の後、閉鎖状態を維持し、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
なお、所定回数(例えば、11回)の開閉動作の内に、球が第2可変入賞装置650に10個以上入ることは生じないように設定される。本実施形態では、第2可変入賞装置650へ球が約1秒間に1球到達するように第2可変入賞装置650の上流側の経路が形成されることにより、11回の開閉動作中(約5.5秒間の動作中)には、10個以上の球が第2可変入賞装置650へ到達しないように構成することで、これを担保している。
また、大当たりAの12ラウンド目において、流下防止板5015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが12回目の開放動作をする直前まで、突出状態を維持し、12回目の開放動作がされることで埋没状態に変化し、13回目の開放動作がされることで再度、突出状態となる。また、14回目の開放動作がされることで埋没状態となり、15回目の開放動作がされることで、突出状態となる。ここで、第2可変入賞装置650が長時間開放され球が多量に入球可能な状態においては、流下防止板5015が埋没状態となるので、貯留装置5000に球を貯めにくい態様となる。また、第2可変入賞装置650の12回目の開放動作の後で、再び流下防止板5015を埋没状態とすることにより、球を残らず流下防止板5015の先へ流すことができる。従って、12回目の開放の終了直前に第2可変入賞装置650に入球した球が傾倒部材1040の上面に残存したまま特別遊技状態(大当たり状態)が終了することを防止することができる。
このように第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球可能な状態を作りながら、流下防止板5015は埋没状態で維持することで、球が貯留装置5000に貯まりにくい状態を形成することができる。
これにより、大当たりAにおいて、第2特定入賞口(第2大開放口)650aでの賞球は十分確保できる状態を維持しながら、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。よって、大当たりAとなった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
次に、図40(b)を参照して、大当たりBの12ラウンド目における、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化について説明する。図40(b)の上側のグラフが、第2特定入賞口(第2大開放口)650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示しており、図40(b)の下側のグラフが、流下防止板5015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示している。
図40(b)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作が所定回数(例えば、10回)繰り返され、その後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放(11回目の開放)され、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、その後、インターバルの間に、12ラウンド目の開始からの開閉回数が16回となる所定回数(例えば、5回)で、一回あたり0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作を行い、その開閉動作の後、閉鎖状態を維持し、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。
なお、所定回数(例えば、10回)の開閉動作の内に、球が第2可変入賞装置650に10個以上入ることは生じないように設定される。本実施形態では、第2可変入賞装置650へ球が約1秒間に1球到達するように第2可変入賞装置650の上流側の経路が形成されることにより、10回の開閉動作中(約5.0秒間の動作中)には、10個以上の球が第2可変入賞装置650へ到達しないように構成することで、これを担保している。
また、大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板5015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが12回目の開放動作をする直前まで、突出状態を維持し、12回目の開放動作がされることで埋没状態に変化し、13回目の開放動作がされることで再度、突出状態となる。また、14回目の開放動作がされることで埋没状態となり、15回目の開放動作がされることで、突出状態となる。ここで、第2可変入賞装置650が長時間開放され球が多量に入球可能な状態(11回目の開放状態)においては、流下防止板5015が突出状態となるので、貯留装置5000に球を貯め易い態様となる。
また、第2可変入賞装置650の11回目の開放状態が所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過後に閉鎖したとしても、流下防止板5015は、第2可変入賞装置650が12回目の開放動作を行うまでは突出状態を維持するので、11回目の閉鎖動作から12回目の開放動作までの期間を制御することで、所定時間が経過する直前に入球した球が傾倒部材1040に到達するまでの時間を確保することができる。
大当たりBの12ラウンド目において、流下防止板5015は、大当たりAの12ラウンド目とは異なった動作をおこなう。即ち、流下防止板5015は、第2特定入賞口650aが球を入球可能な態様で長時間開放される間中、突出状態で維持される。
そのため、大当たりBの12ラウンド目の開始から、12ラウンド目が終了するまでの間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
なお、大当たりBにおいて、インターバル中に数回、開閉動作を繰り返すことで、流下防止板1015を埋没状態に変化させ、傾倒部材1040の上面に残存する球を通常入球口1033へ向けて流すように制御される。
このように、12ラウンド目の開始後における第2特定入賞口650aの動作態様を、複数回の開閉動作を行った後で、球を入球可能な長さで開放状態を維持するという、似通った動作態様としながら、大当たりAと大当たりBとで、大当たり終了後に特別図柄の確変状態に設定され易い場合(図40(b)参照)と、特別図柄の確変状態に設定され難い場合(図40(a)参照)とを形成することができる。これにより、遊技者に、12ラウンド目の開始後しばらくの間、大当たりが、大当たりAなのか大当たりBなのかを分かり難くでき、遊技中において、遊技者の期待感をより長く保つことができる。
また、開閉動作の回数は、その動作の素早さもあって、正しく数えることは困難であり、第2可変入賞装置650の開閉板650bのみを見て、大当たりの種別の判断を行うことは困難である。そのため、大当たりの種別の判断は、流下防止板5015が突出状態であるか、埋没状態であるのかで判断することが確実である。
しかし、その流下防止板5015の動作方向は前後方向であり、正面視における位置が変化しないので、正面視では、突出状態も、埋没状態も同じように視認される。そのため、正面視では、違いが判別し難い。また、上から覗き込もうとしても、外縁部材73(図2参照)や、分岐流路1030の上側壁面に視線を遮られ、覗き込み難い態様となっている。
従って、実際に球が分岐流路1030をどのように流下するかによって、その大当たりの種別の確認をするように、仕向けることができる。これにより、分岐流路1030及び、その内側に配置される傾倒部材1040の注目力を向上させることができ、分岐流路1030の内側を流下する球の動きに注目させることができる。
なお、第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するラウンド数は、12ラウンド目に限られるものではなく、任意のラウンドに設定してもよい。更に、複数ラウンドにおいて第2特定入賞口650aを開放するように構成してもよく、例えば、1ラウンド目と15ラウンド目とで第2特定入賞口(第2大開放口)650aを開放するように設定してもよい。これにより、確変入球口1031へと球を入球させる機会を増やすことができるので、大当たりBの終了後に、より特別図柄の確変状態となりやすくすることができる。よって、大当たりBに当選したにもかかわらず、第2特定入賞口(第2大開放口)650aへと球を入球させることができず、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまうことを防止(抑制)することができる。
なお、上述したように、本実施形態では第2特定入賞装置650の開閉回数によって、流下防止板5015の状態が切り替わるので、例えば、敢えて、初期位置に戻さないという制御を行うこともできる。その制御態様について、図41を参照して説明する。
図41(a)は、大当たりA(その2)の12ラウンド目における、第2特定入賞口650aの計時変化(開放状態であるか、閉鎖状態であるか)を示した図であり、図41(b)及び図41(c)は、流下防止板5015の計時変化(突出状態であるか、埋没状態であるか)を示した図である。なお、図41(b)では、大当たりA(その2)が連続で生じた場合の1回目の大当たりの際の流下防止板5015の計時変化が示され、図41(c)はでは、大当たりA(その2)が連続で生じた場合の2回目の大当たりの際の流下防止板5015の計時変化が示される。即ち、大当たりA(その2)という同じ種別の大当たりにおいて、流下防止板5015の計時変化が異なっている。
図41(a)に示した通り、12ラウンド目が開始されると、0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作が所定回数(例えば、11回)繰り返され、その後、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが開放(12回目の開放)され、所定時間(例えば、12ラウンド目の開始から30秒経過するまで、或いは、12ラウンド目において球が10個入賞するまで)経過することにより、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが閉鎖され、その後、インターバルの間に、12ラウンド目の開始からの開閉回数が20回となる所定回数(例えば、8回)で、一回あたり0.5秒間(球を入球不可能とする短時間)の開閉動作を行い、その開閉動作の後、閉鎖状態を維持し、12ラウンド目が終了する。また、この閉鎖状態は、特別遊技状態(大当たり状態)が終了し、次に大当たりの12ラウンドとなるまで継続する。即ち、この動作態様では、特別遊技状態(大当たり状態)の終了時に、回転部材5120が初期姿勢(図37参照)にならない場合が許容される。
なお、所定回数(例えば、11回)の開閉動作の内に、球が第2可変入賞装置650に10個以上入ることは生じないように設定される。本実施形態では、第2可変入賞装置650へ球が約1秒間に1球到達するように第2可変入賞装置650の上流側の経路が形成されることにより、11回の開閉動作中(約5.5秒間の動作中)には、10個以上の球が第2可変入賞装置650へ到達しないように構成することで、これを担保している。
また、図41(b)に示すように、1回目の大当たりA(その2)の12ラウンド目において、流下防止板5015は、第2特定入賞口(第2大開放口)650aが12回目の開放動作をする直前まで、突出状態を維持し、12回目の開放動作がされることで埋没状態に変化し、13回目の開放動作がされることで再度、突出状態となる。また、14回目の開放動作がされることで埋没状態となり、15回目の開放動作がされることで、突出状態となる。ここで、第2可変入賞装置650が長時間開放され球が多量に入球可能な状態においては、流下防止板5015が埋没状態となるので、貯留装置5000に球を貯めにくい態様となる。また、第2可変入賞装置650の12回目の開放動作の後で、再び流下防止板5015を埋没状態とすることにより、球を残らず流下防止板5015の先へ流すことができる。従って、12回目の開放の終了直前に第2可変入賞装置650に入球した球が傾倒部材1040の上面に残存したまま特別遊技状態(大当たり状態)が終了することを防止することができる。
このように第2特定入賞口(第2大開放口)650aに球を入球可能な状態を作りながら、流下防止板5015は埋没状態で維持することで、球が貯留装置5000に貯まりにくい状態を形成することができる。
これにより、1回目の大当たりA(その2)において、第2特定入賞口(第2大開放口)650aでの賞球は十分確保できる状態を維持しながら、球が確変入球口1031を通過しにくくすることができる。よって、1回目の大当たりA(その2)となった場合の多くは、特別遊技状態中(大当たり中)に確変入球口1031へと球が入球しないので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されにくくなる。
一方、図41(c)に示すように、2回目の大当たりA(その2)の時には、第2可変入賞装置(第2大開放口)650の開閉動作は図41(a)と変わらないが、回転部材5120の姿勢が1回目の大当たりA(その2)の場合を異なるので、第2可変入賞装置650が球を入球可能な時間で開放される間に、流下防止板5015が突出状態とされる。
従って、2回目の大当たりA(その2)の12ラウンド目において、流下防止板5015は、1回目の大当たりA(その2)の12ラウンド目とは異なった動作をおこなう。即ち、流下防止板5015は、第2特定入賞口650aが球を入球可能な態様で長時間開放される間中、突出状態で維持される。
そのため、2回目の大当たりA(その2)の12ラウンド目の開始から、12ラウンド目が終了するまでの間は、第2特定入賞口650aに球が入球し易い状態が維持されると共に、傾倒部材1040に球を貯留し易い状態が維持される。これにより、傾倒部材1040を球の重みで傾倒動作させやすくでき、大当たりBにおいて、球が確変入球口1031を通過し易くすることができるので、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすくなる。
このように、本実施形態によれば、単発では、流下防止板5015の動作態様が、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定され難い動作態様である大当たりと、大当たり種別の同じ大当たりを連続で獲得した場合に、流下防止板5015の動作態様が、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定されやすい動作態様となる場合を形成することができる。従って、単発では大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定され難い動作態様である大当たりを、連続で獲得した場合であっても、期待感を維持することができる。
また、本体板部1001を透光性の材料により構成することにより、遊技者が回転部材5120の姿勢を把握可能にすることができるので、遊技する遊技機を選ぶ際の一選択基準として、回転部材5120の姿勢を遊技者の利益に直結する情報として遊技者に提供することができる。
即ち、回転部材5120の姿勢を見て、回転部材5120が12回分(第2可変入賞装置650の開閉動作12回分)の角度だけ姿勢変化した時に、切替突設部5124がどの位置に配置されるかを予め確認することができるので、次に大当たりAを獲得した場合に、大当たり状態終了後に特別図柄の確変状態へ移行し易いかどうかや、何回連続で大当たりAを獲得すれば、大当たり状態終了後に特別図柄の確変状態へ移行し易くなるかという情報を、予め獲得することができる。これにより、例えば、次回の大当たりで大当たりAを獲得することで特別図柄の確変状態へ移行し易い台や、次回とまでは言わなくとも、2又は3回の大当たりで連続して大当たりAを獲得した場合に、特別図柄の確変状態へ移行し易い台を確認することができる。これにより、遊技者は、その後の遊技の期待値(例えば、少ない大当たり回数(短期間)で、流下防止板5015の状態が変化しそうである等)を確認して、遊技機を選ぶ際の選択基準に用いることができる。
なお、第2可変入賞装置650の開閉動作の回数が16の最小公倍数となった時点で、大当たり終了後に回転部材5120が初期姿勢(図37参照)となる。そのため、図41に示す動作態様によれば、大当たりA(その2)を連続で5回獲得すると、次の6回目に大当たりA(その2)を獲得した場合には、1回目の大当たりA(その2)の時と同様の動作態様で流下防止板5015が動作する。
また、大当たりが、大当たりBであった場合には、回転部材5120を、検出ピン5125が位置センサ5144に検出される初期姿勢に復帰させてから(第2可変入賞装置650を、球が入球不能な短時間の開閉動作を複数回させてから)、大当たりBの開閉動作を開始するように制御される。これにより、一度大当たりBとなれば、それまでの大当たりAの回数をリセットするという遊技性を作ることができる。即ち、大当たりA(その2)を複数回引く際に、遊技者に対する救済(大当たりの終了後に特別図柄の確変状態に設定され易くする救済)があるのは、大当たりA(その2)を連続で引く場合に限るという遊技性を形成することができる。
次いで、図42から図46を参照して、第6実施形態について説明する。第3実施形態では、第2可変入賞装置650の閉鎖から所定の遅延時間が経過してから流下防止板1015が埋没状態へ変化する場合を説明したが、第6実施形態における貯留装置6000は、少なくとも誘導流路1020に球が配置される間は、遅延時間のカウントが開始されず、流下防止板1015が突出状態を維持する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図42(a)は、第6実施形態における貯留装置6000の正面図であり、図42(b)は、図42(a)の矢印XLIIb方向視における貯留装置6000の側面図であり、図43は、貯留装置6000の背面図であり、図44は、図42(a)のXLIV−XLIV線における貯留装置6000の部分断面図である。なお、図42及び図43では、本体板部1001、駆動モータ3012、切替クラッチ3013、回転円板3014、及び切替部材3016が、想像線で図示される。また、図42(b)では、分岐流路1030が部分的に断面視され、内部を視認可能とされ、更に、流下防止板1015の図示が省略される。
図42(a)、図42(b)及び図43に示すように、貯留装置6000は、本体板部1001と、上述した球止め装置3010と、誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を第3実施形態と同様に備え、加えて、誘導流路1020の内部に張り出し、上下方向に揺動可能に支持される回動床装置6100と、分岐流路1030の内部に張り出し前後に揺動可能に支持される回動壁装置6200と、を主に備える。
回動床装置6100は、本体板部1001の背面側へ円柱状に突設される軸棒部6110と、その軸棒部6110に回転可能に支持される板状部材であって誘導流路1020の下底部の形成を省略することにより形成される貫通孔である動作孔H61を通って誘導流路1020の内側へ張り出し球の重さで動作する回転板部6120と、軸棒部6110を挟んで回転板部6120の反対側で回転板部6120を下方へ引く弾性バネ6130と、回転板部6120から上方へ延設されると共に切替部材3016と係合可能に構成される係合腕部6140と、傾倒時の回転板部6120を下支えする支え板6150と、を主に備える。
図44に示すように、動作孔H61は、球受け凹部1021の底部を一部削る態様で形成される。その球受け凹部1021の削られた部分を補う形で正面側へ延設されると共に、上方へ嵩上げして形成される延設底部6121を、回転板部6120が備える。これにより、球受け凹部1021に球が入球してから球が誘導流路1020を抜けるまでの間、回転板部6120に球の重みをかけ続ける(回転板部6210を傾倒させ続ける)ことができる。
支え板6150は、本体板部1001の背面から後方に延設される板部であり、回動床装置6100が傾倒状態(図45(a)参照)となった場合に、回転板部6120を下から支え、それ以上の傾倒を防止する部材である。支え板6150の作用により、回転板部6120に乗る球の個数によらず(個数が多いために、傾倒角度が大きくなるということは無く)、球が乗ってさえいれば、回動床装置6100を傾倒状態にすることができる。
回動床装置6100は、回転板部6120の上面に球が乗っていない初期状態において、係合腕部6140の延設先端が、伝達姿勢の切替部材3016に正面視右側から当接する(係合腕部6140の動作開始から、切替部材3016が動作開始する)。
回動壁装置6200は、分岐流路1030に前後方向に穿設される動作孔H62を通って前後方向に揺動可能とされる当接板部6210と、その当接板部6210の背面側壁から背面視右方に延設され、その延設先端から後側上方向に傾斜して延設される係合腕部6220と、図42に示す初期状態において係合腕部6220に下方から当接する態様で本体板部1001から延設される回り止め部6230と、を主に備える。
動作孔H62は、正面視において、傾倒部材1040に3個目の球が貯留されて初めて球と動作孔H62とが重なる位置に配置される(傾倒部材1040に球が2個までしか貯留されていない場合には球と球と動作孔H62とが重ならない位置に配置される)。
動作孔H62は、その上端部において左右方向両側に延設され背面側から凹む凹設部を備え、その凹設部に、当接板部6210の上端部から左右方向に円柱状に延設される軸棒部6211が背面側から嵌め込まれることにより、当接板部6210が分岐流路1030に揺動可能に支持される。
当接板部6210は、正面側壁面の正面視左側部分に、左方ほど後側へ向かう態様で傾斜して構成される受け入れ面部6212を備える。この受け入れ面部6212により、当接板部6210の正面視左側から右方へ移動した球と当接板部6210とが当接する場合に、当接板部6210と球との間の抵抗を低減することができる。
また、受け入れ面部6212は、上述した形状から構成されることから、真上から落下した球を左方へ受け流す。これにより、排出口1024の右よりの部分から球が正面側へ排出された場合に、球が受け入れ面部6212に当接することで、球に正面視左方へ向けた勢いを付けることができる。これにより、傾倒部材1040が傾倒状態となっていないにもかかわらず、球が傾倒部材1040の右方に流れ、確変側流路1032へ流下することを防止することができる。
図42(b)に示すように、係合腕部6220は、延設先端が、切替部材3016の後方に配置される。従って、当接板部6210を下方に傾倒動作させる(図42(b)時計回り方向に動作させる)ことにより、係合腕部6220を切替部材3016に近づける態様とすることができる。
次いで、図45を参照して、回動床装置6100の回転板部6120の上面に球が乗った場合について説明する。図45(a)は、貯留装置6000の正面図であり、図45(b)は、図45(a)の矢印XLVb方向視における貯留装置6000の側面図である。なお、図45(a)及び図45(b)では、本体板部1001、駆動モータ3012、切替クラッチ3013、及び切替部材3016が、想像線で図示される。また、図45(b)では、分岐流路1030が部分的に断面視され、内部を視認可能とされ、更に、流下防止板1015の図示が省略される。
図45(a)に示すように、誘導流路1020を球が流下する場合、球の重みで回転板部6120が回転動作し、回転床装置6100は、傾倒状態に変化する(図45(a)参照)。この傾倒状態は、球が誘導流路1020から(排出口1024から)排出されるまで維持され、球が誘導流路1020から排出されることにより、回転床装置6100にかけられていた負荷が解除され、弾性バネ6130の付勢力で初期状態(図42参照)に戻る。
図45(a)に示すように、回転床装置6100が傾倒状態になると、係合腕部6140の先端が切替部材3016の先端を正面視左方へ押進することで、切替部材3016が解除姿勢側(上端部が左方へ傾倒する側)へ回転し、切替クラッチ3013の歯合が解除される。詳しくは、切替部材3016の姿勢を解除姿勢まで回転させるわけではなく、最低限、切替クラッチ3013の歯合を解除する姿勢(中間姿勢、図45(a)参照)まで回転させ、切替クラッチ3013の歯合を解除する。この状態は、切替部材3016を解除姿勢まで回転させた状態ではないので、この状態において、第2可変入賞装置650の開閉板650bは開放状態とはならず、球が入球不能な程度に開放された状態とされる。
従って、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となった後で、球が誘導流路1020に残っていた場合、切替クラッチ3013が伝達状態となることが防止され、少なくとも球が誘導流路1020から排出されるまで流下防止板1015が埋没状態となることが防止される。一方で、球が誘導流路1020に残っていたとしても、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となった後において、第2可変入賞装置650は球が入球不能な状態を維持するので、第2可変入賞装置650が閉鎖状態となった後(閉鎖状態となるように制御した後)で、誤って球が第2可変入賞装置650に入球することを防止することができる。
ここで、回動床装置6100は、誘導流路1020に球が配置される間は切替クラッチ3013の歯合を解除し、流下防止板1015が埋没状態をなることを防止するが、誘導流路1020から球が傾倒部材1040へ向けて排出された後は、切替クラッチ3013の歯合解除を維持できない。この場合、傾倒部材1040が傾倒動作する前に球が通常側流路1034へ流れてしまう恐れがあるが、その対策として、回動壁装置6200を備える。次に、図46を参照して、回動壁装置6200の作用について説明する。
図46(a)は、貯留装置6000の正面図であり、図46(b)は、図46(a)の矢印XLVIb方向視における貯留装置6000の側面図である。なお、図46(a)及び図46(b)では、本体板部1001、駆動モータ3012、切替クラッチ3013、及び切替部材3016が、想像線で図示される。また、図46(b)では、分岐流路1030が部分的に断面視され、内部を視認可能とされ、更に、流下防止板1015の図示が省略される。
図46(a)に示すように、誘導流路1020から球が傾倒部材1040の上面に着地し、その球が当接板部6210の正面側に配置されることに基づいて、当接板部6210が球に押されて、回動壁装置6200が、初期状態(図42参照)から上向き状態(図46参照)へ変化する。この上向き状態への移動において、係合腕部6220が切替部材3016の上側端部を下側から押し上げ、切替部材3016が解除姿勢側へ回転動作し、この状態において、切替クラッチ3013の駆動力伝達が解除される。駆動力伝達の解除は、球が当接板部6210の正面側に配置される限り維持され、球が当接板部6210の正面側から移動することにより、当接板部6210に球からかけられていた負荷が無くなり、係合腕部6220の重みで回動壁装置6200は初期状態へ戻る。
これにより、球が誘導流路1020から排出された後でも、傾倒部材1040の上面において球が3個横並びになることに基づいて球が当接板部6210の正面に配置されることにより、切替クラッチ3013の駆動力伝達を解除することができる。従って、流下防止板1015が埋没状態となるまでの遅延時間をより長くすることができる。
なお、当接板部6210を傾倒部材1040に球が3個乗った場合に初めて球が正面側に配置される位置に設けたので、回動壁装置6200の作用を傾倒部材1040に球が3個貯留された状態(球が確変入球孔1031に入球する可能性のある状態)に限定して発揮させることができる。従って、第2可変入賞装置650の閉鎖直前に球が入球し、その球が誘導流路1020から排出された場合であっても、例えば、傾倒部材1040の上面に1個の球も滞留していなかった場合(誘導流路1020から排出された球が最初の一個の場合)には、回動壁装置6200が初期状態を維持し、切替クラッチ3013の伝達が開始される。
これにより、最終的に傾倒部材1040が傾倒する可能性がなく、確変入球口1031へ球が向かわない場合にまで、回動壁装置6200により流下防止板1015の状態変化を遅らせることを防止できるので、球を迅速に通常側流路1034へ排出し、遊技者が分岐流路1030以外の部分(例えば、第3図柄表示装置81等)に早く集中できるようにすることができる。
一方で、傾倒部材1040の上面に球が3個並んだ後は、当接板部6210の正面から球が排除されるまで(傾倒部材1040が傾倒動作して球が移動するまで)、切替クラッチ3013の駆動力伝達は解除されたままとなるので、傾倒部材1040の回動速度が多少遅くなったとしても関係無く、傾倒部材1040が回転可能に形成される限り、確実に球を確変側流路1032へ送ることができる。これにより、傾倒部材1040が傾倒動作する前に流下防止板1015が埋没状態となり、球が通常側流路1034へ流下するという誤動作を防止することができる。
次いで、図47から図49を参照して、第7実施形態について説明する。第1実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉動作に基づいて流下防止板1015が埋没状態へ変化する場合を説明したが、第7実施形態における貯留装置7000は流下する球の作用により、流下防止板1015が埋没状態へ変化する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図47(a)は、第7実施形態における貯留装置7000の正面図であり、図47(b)は、図47(a)のXLVIIb−XLVIIb線における貯留装置7000の部分断面図である。なお、図47(a)では、本体板部1001が想像線で図示され、回動床装置6100及び回動壁装置6200が部分的に隠れ線で図示され、図47(b)では、回動床装置6100及び回動壁装置6200の図示が省略される。
図47(a)に示すように、貯留装置7000は、本体板部1001と、上述した回動床装置6100と、回動壁装置6200と、誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を備え、加えて、第2可変入賞装置650に入球せず開閉板650bの左方へ流下する球を収容する解除流路7100と、その解除流路7100の内側で動作可能に形成される断面扇形状の揺動部材7200と、解除流路7100の内側で動作可能に形成される板状の振分部材7300と、を主に備える。
解除流路7100は、球が1球通る程度の断面積の流路であって、その流下経路内に揺動部材7200が張り出す第1流路7110と、その第1流路7110から分岐する流路であって、球が揺動部材7200とは当接しない第2流路7120と、を主に備える。なお、第1流路7110を通過した球は、第1可変入賞装置65(図2参照)へ流下する態様とされる。
揺動部材7200は、第1流路7110の内側へ張り出す態様で本体板部1001の背面側壁部に揺動可能に支持され、流下防止板7015から正面視左方に延設される板部材7015cに当接され、流下防止板7015にかけられる弾性バネ3011a(図22(b)参照)の付勢力により、正面側へ付勢され、初期状態(図47(b)参照)となる。
図48(a)は、貯留装置7000の正面図であり、図48(b)は、図48(a)のXLVIIIb−XLVIIIb線における貯留装置7000の部分断面図である。なお、図48(a)では、本体板部1001が想像線で図示され、回動床装置6100及び回動壁装置6200が部分的に隠れ線で図示され、図48(b)では、回動床装置6100及び回動壁装置6200の図示が省略される。また、球が第1流路7110を流下し、揺動部材7200が初期状態から押出状態に変化した状態が図示される。
図48(b)に示すように、球が揺動部材7200の正面側を流下し、押出状態となると、流下防止板7015の板部材7015cが後方へ押され、流下防止板7015が埋没状態を形成する。また、球が揺動部材7200の下方へ通り過ぎれば、揺動部材7200へ球から与えられる負荷が無くなるので、弾性バネ3011aの付勢力により、流下防止板7015は突出状態へ戻る。
このように、球が第1流路7110を通過することにより、一時的に流下防止板7015を埋没状態とすることができるので、分岐流路1030に球が残った場合に、球を通常側流路1034へ向けて流すことができる。従って、ソレノイド650cや、他の駆動装置により流下防止板7015の状態を変化させる場合に比較して、駆動力を伝達する装置の配設スペースを省略することができ、他の装置(例えば、大開放口や、液晶演出装置)の配設スペースをかせぐことができる。
一方、本実施形態によれば、特別遊技(大当たり遊技)中に、たまたま第2可変入賞口650に入球し損ねた(バウンドして飛び出した、等)球が、第1流路7110を通過することとなると、予期せず流下防止板7015が埋没状態を形成することになり、遊技者に不利益が生じる恐れがある。これに対し、本実施形態によれば、球が貯留装置7000に入球している場合には、解除流路7100に入球した球を、第1流路7110ではなく、第2流路7120へ入球させることで、流下防止板7015が埋没状態となることを防止している。このことについて、図49を参照して説明する。
図49(a)は、貯留装置7000の正面図であり、図49(b)は、図49(a)のXLIXb−XLIXb線における貯留装置7000の部分断面図である。なお、図49(a)では、本体板部1001が想像線で図示され、回動床装置6100及び回動壁装置6200が部分的に隠れ線で図示され、図49(b)では、回動床装置6100及び回動壁装置6200の図示が省略される。また、球が回転板部6120の上面に乗り、振分部材7300の振分状態が図示される。
振分部材7300は、本体板部1001の背面側に回転可能に軸支され、回動床装置6100又は回動壁装置6200の動作に基づいて動作する被駆動腕部7310と、その被駆動腕部7310と一体形成され、解除流路7100の背面から正面側へ向けて貫通する板状部であって、第1流路7110の床壁を形成する可動床部7320と、を主に備える。
図49(a)に示すように、球が回転板部6120の上面に乗ると、係合腕部6140が被駆動腕部7310を正面視左方へ押進し、これにより、可動床部7320が上方へ持ち上げられ、振分状態を形成する。なお、係合腕部6140が右方へ退けば、振分部材7300の自重により振分部材7300は元の初期状態(図47(a)参照)に戻る。
図49(a)に示す振分部材7300の振分状態において、第1流路7110への入口が狭められ、球が第2流路7120に向かいやすい状態を形成することができる。また、第2流路7120へ球が向かわなかったとしても、球の作用で振分部材7300が振分状態を維持する限り、第1流路7110へ球を入球させない(第1流路7110の入口で球を停留させる)ことから、球が揺動部材7200に当接することを防止でき、流下防止板7015の突出状態を維持することができる。
なお、貯留装置7000への球の貯留態様により回動床装置6100及び回動壁装置6200により奏される効果(第6実施形態で説明した効果)は、本実施形態においても同様に奏される。
なお、球を第1流路7110に通さないように遊技されると、流下防止板7015が埋没状態にならず、大当たり遊技後に分岐流路1030に球が残った状態が維持される恐れがある。これに対し、本実施形態では、全大当たり終了後に時短が設定されるので、大当たり終了後の時短遊技により、第2入球口640(図2参照)からこぼれた球が、解除流路に入球するように仕向けることができる。これにより、分岐流路1030に残った球を、大当たり遊技終了後の遊技により、通常側流路1034へ流し易くすることができる。
次いで、図50及び図51を参照して、第8実施形態について説明する。第6実施形態では、誘導流路1020に球が残っていたら、流下防止板1015が動作するまでの期間を遅延させる場合を説明したが、第8実施形態における貯留装置8000は、誘導流路1020に球が残っていたら、流下防止板1015とは別の防止爪部8230が張り出す態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図50(a)は、第8実施形態における貯留装置8000の正面図であり、図50(b)は、図50(a)の矢印Lb方向視における貯留装置8000の部分側面図である。なお、図50では、本体板部1001が想像線で図示される。また、図50(a)では、分岐流路1030が部分的に破断され後方を視認可能とされ、図50(b)では、分岐流路1030の正面視左側壁の図示が省略され、分岐流路1030が部分的に破断され内部が視認可能とされる。
なお、図示を省略するが、本実施形態における流下防止板1015の動作は、第6実施形態と同様に、切替クラッチ3013(図42(a)参照)により駆動力伝達されることにより、実行される。
図50(a)に示すように、貯留装置8000は、本体板部1001と、上述した回動床装置6100と、回動壁装置6200と、誘導流路1020と、分岐流路1030と、傾倒部材1040と、を備え、加えて、本体板部1001の背面に回転可能に軸支され回動床装置6100又は回動壁装置6200の動作により回転動作する扇部材8100と、その扇部材8100の動作と連動して動作し、分岐流路1030の内部に張り出す張出装置8200と、を主に備える。
張出装置8200は、本体板部1001の背面に回転可能に軸支される一対の歯車8210と、その歯車8210の内、正面視左側の歯車8210から径方向に延設される延設腕部8220と、その延設腕部8220の延設先端から延設される部分であって、分岐流路1030の側壁に開けられた貫通孔を通して分岐流路1030の内側へ張り出し可能に構成される防止爪部8230と、を主に備える。
扇部材8100は、本体板部1001に軸支され、その軸支点から上方へ延設される部分が、係合腕部6140や係合腕部6220と当接可能な位置まで延設され、その反対側には、扇形状の先端にギア歯8110の付いた形状が形成される。
ギア歯8110と、歯車8210とは歯合されており、そのギア比は1:10で構成される(扇部材8100が1度回転することで、歯車8210が10度回転する態様で構成される)。そのため、回動床装置6100又は回動壁装置6200の動作が小さい場合であっても、防止爪部8230の動作を大きくすることができる。
図51(a)は、貯留装置8000の正面図であり、図51(b)は、図51(a)の矢印LIb方向視における貯留装置8000の部分側面図である。なお、図51(a)では、本体板部1001が想像線で図示される。また、図51(a)では、分岐流路1030が部分的に破断され後方を視認可能とされ、図51(b)では、分岐流路1030の正面視左側壁の図示が省略され、分岐流路1030が部分的に破断され内部が視認可能とされる。
図51では、球が回転板部6120に乗り、係合腕部6140が左方へ移動し、扇部材8100が正面視反時計回りに回転動作した状態が図示される。このように扇部材8100が動作すると、その扇部材8100と歯合される右側の歯車8210が正面視時計回りに回転し、それに伴い左側の歯車8210が正面視反時計回りに回転する。これにより、正面視左側の歯車8210から延設される延設腕部8220が正面視反時計回りに回転し、防止爪部8230が分岐流路1030の内方へ張り出される。これにより、流下防止板1015が埋没状態となった後であっても、防止爪部8230により、球が通常側流路1034へ流下することを防止することができる。
なお、貯留装置8000への球の貯留態様により回動床装置6100及び回動壁装置6200により奏される効果(第6実施形態で説明した効果)は、本実施形態においても同様に奏される。
次いで、図52及び図53を参照して、第9実施形態について説明する。第1実施形態では、排出口1024から排出された球が、傾倒部材1040の回転軸よりも正面視左側で傾倒部材1040の上面に落下し易い場合を説明したが、第9実施形態における貯留装置9000は、傾倒部材1040の回転軸よりも正面視右側で傾倒部材1040の上面に落下する態様で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。図52及び図53を参照して、貯留装置9000へ遊技球が流入する態様について説明する。
図52(a)は、第9実施形態における貯留装置9000の部分正面図であり、図52(b)は、図52(a)のLIIb−LIIb線における貯留装置9000の部分断面図であり、図52(c)は、貯留装置9000の部分正面図であり、図52(d)は、図52(c)のLIId−LIId線における貯留装置9000の部分断面図である。なお、理解を容易とするために、図52(a)においてのみ、囲い支持部9130が隠れ線で図視され、その他の図では囲い支持部9130の図示が省略される。
また、図53(a)は、貯留装置9000の部分正面図であり、図53(b)は、図53(a)のLIIIb−LIIIb線における貯留装置9000の部分断面図であり、図53(c)は、貯留装置9000の部分正面図であり、図53(d)は、図53(c)のLIIId−LIIId線における貯留装置9000の部分断面図である。なお、図52及び図53では、第2可変入賞装置650に入球した球が入球する順に加算される番号付きで図示される。なお、図52及び図53において、流下防止板1015を動作させる構成であって、分岐流路1030の背面側に配置される構成についての図示は、理解を容易とするために省略する。
図52及び図53に示すように、本実施形態における貯留装置9000では、第1実施形態における傾斜面部1023aと概略同一形状から形成され、傾斜流路1023の下流側端部壁面を構成する傾斜面部9023aが、排出口1024の左右幅を球1球分よりも若干大きく形成する位置に配置されると共に、貯留装置9000が、分岐流路1030の内側において、球と当接して球の流下態様に作用する係止装置9100及び排出防止突部9200を備える。
係止装置9100は、分岐流路1030に入球した球が正面側に配置されることにより状態を変える態様で構成され、球と当接しない非当接状態(図52(a)及び図52(b)参照)において、分岐流路1030の内側へ張り出す正面視略L字形状のL形移動部材9110と、そのL形移動部材9110を非当接状態の位置へ向けて付勢する弾性バネ9120と、分岐流路1030の背面側の側壁から正面視L字形状で後方へ向けて延設され、その延設端においてL字の各辺を2辺とすると共にL形移動部材9110のスライド動作方向と垂直に交差する矩形板形状の支持側面9131が形成される囲い支持部9130と、を主に備える。
L形移動部材9110は、前後方向(図52(a)紙面垂直方向)にスライド動作可能に構成され、初期状態の傾倒部材1040の上面と平行に延びる球当接部9111と、その球当接部9111の下流側端部(図52(a)参照)から傾倒部材1040へ向けて延設される傾倒防止部9112と、を主に備える。
球当接部9111は、傾倒部材1040を流下する球と当接する面が、上流側(正面視右方)へ向かう程、背面側へ向けて傾斜する球受け傾斜面9111aが形成される。球受け傾斜面9111aに球が当接することで、球受け傾斜面9111aを介して背面側へ向けた負荷が球当接部9111に付与され、L形移動部材9111が背面側へ移動する(押し込まれる)。
傾倒防止部9112は、L形移動部材9110の非当接状態において、上面視で傾倒部材1040と重なり、傾倒部材1040と対向する側の面が傾倒部材と平行に形成される(傾倒部材1040が傾倒することにより背面側へ向けた負荷が生じない)係止面部9112aと、その係止面部9112aの正面側に連結される傾斜面部であって、正面側へ向かう程、上昇傾斜(傾倒部材1040から離間する方向へ向かう)する擦れ傾斜面9112bと、を主に備える。
傾倒防止部9112が上述した構成を備えるので、L形移動部材9110の非当接状態において、傾倒部材1040が傾きそうになったとしても、係止面部9112aがL形移動部材9110と当接することにより、傾倒部材1040が傾倒状態となることを防止することができる。
また、球がL形移動部材9110の正面側に配置され、L形移動部材9110が背面側へ移動した当接状態(図52(d)参照)では、係止面部9112aは傾倒部材1040と当接不可能な位置まで退避され、球の前後方向の位置取りによっては、擦れ傾斜面9112bが傾倒部材1040の上面と当接可能とされる。
ここで、擦れ傾斜面9112bは、正面側へ向かう程、上昇傾斜する形状で構成されるので、傾倒部材1040との当接により背面側へ向けて押し出されることとなり、傾倒部材1040の傾倒動作の妨害をしないようにすることができる。従って、L形移動部材9110が非当接状態となるか、当接状態となるかで、傾倒部材1040が傾倒動作可能か否かを変化させることができる。
弾性バネ9120は、囲い支持部9130の支持側面9131と、L形移動部材9110との間に配設される。これにより、弾性バネ9120の伸縮方向と、L形移動部材9110の動作方向とを一直線上に合わせることができ、弾性力の伝達効率を向上させることができる。
排出防止突部9200は、傾倒部材1040が初期状態において、傾倒部材1040の延設板部1043の延設先端の上方において分岐流路1030の背面側壁から正面側へ突設される板部であって、その板部の側面が、傾倒部材1040の上面と垂直となる姿勢で構成される。また、排出防止突部9200は、傾倒部材1040が初期状態を形成する場合には、傾倒部材1040の上面を流れる球が当接可能な配置で構成され、尚かつ、傾倒部材1040が傾倒状態となった場合には、上面を流れる球が傾倒部材1040と排出防止突部9200との間を通過可能(当接不能)とする配置(球の直径以上の隙間が傾倒部材1040と排出防止突部9200との間に形成される配置)で構成される。
排出防止突部9200により、例えば、傾倒部材1040が傾倒状態となる前に、球同士の衝突により傾倒部材1040の上面を正面視右方へ飛ばされた(弾き飛ばされた)球が確変側流路1032へ入球することを防止することができる。これにより、傾倒部材1040の上面に球が所定個数(本実施形態では3個)貯留されて初めて、球が確変側流路1032へ入球するという遊技性を確保することができる。
上述した構成を有する本実施形態において、傾倒部材1040が傾倒動作するまでの流れを説明する。まず、大当たり遊技となり、第2可変入賞装置650が開放状態において球が第2特定入賞口650aに球が入球すると、傾斜流路1023を経て、排出口1024へ球が至る(図52(a)及び図52(b)参照)。
ここから、球が排出口1024の正面側へ排出されると、軸棒部1042の正面視右側において傾倒部材1040の上面に球が着地する。この時には、球がL形移動部材9110の正面側へ配置されていないので、勢いのある球が排出口1024から排出された場合であっても、L形移動部材9110が傾倒部材1040の傾倒動作を防止する態様で作用する。従って、球が1球だけ傾倒部材1040の上面に着地した場合に、傾倒部材1040が傾倒状態となることを防止することができる。
一方、球がL形移動部材9110の正面側に配置されると、上面視において、傾倒部材1040とL形移動部材9110とが重ならなくなる一方で、球が傾倒部材1040の上面の正面視左端に乗ることで(図52(c)及び図52(d)参照)、傾倒部材1040の重心位置が左方へ移動する。そのため、排出口1024から2球目が排出され、傾倒部材1040の上面に着地する場合に、傾倒部材1040が衝撃で傾倒動作する事態を生じ難くすることができる。
また、2球目の球まで傾倒部材1040の上面に乗った状態では、傾倒部材1040は初期状態を維持するが、1球目と2球目との衝突の態様によっては、2球目の球が右方へ弾き出される場合がある。これに対して、本実施形態では、球が弾き出される方向に、排出防止突部9200が配置されるので(図53(a)参照)、弾き出された球は、排出防止突部9200にせき止められ、正面視左方へ向けて跳ね返される。これにより、傾倒部材1040が傾倒動作していないにもかかわらず、球が確変側流路1032へ入球することを防止することができる。
3球目の球が傾倒部材1040の上面に着地すると、傾倒部材1040の重心位置が軸棒部1042の右方に移動され、傾倒部材1040が傾倒状態へ変化する。この傾倒状態においては、傾倒部材1040の上面と、排出防止突部9200との間に球が通過するのに十分な隙間が形成されるので(図53(c)参照)、球を、確変側流路1032へ向けて流下させることができる。
また、傾倒部材1040の傾倒状態において、傾倒部材1040の背面側の側面がL形移動部材9110の正面側端部と当接する配置となるので(図53(c)及び図53(d)参照)、傾倒部材1040が傾倒状態から初期状態へ戻る際に、その移動方向において、傾倒部材1040とL形移動部材9110とが当接する事態を回避することができる。
このように、本実施形態によれば、軸棒部1042の正面視右方において、球を傾倒部材1040の上面に着地させ、傾倒部材1040の傾斜を利用して球を流し、球を流下防止板1015の右側に貯留する態様で構成されるので、傾倒部材1040の傾斜角度の設定によらず、傾倒部材1040に貯留された球が左右方向に並ぶ状態を形成することができる。
また、係止装置9100により、球の勢いで傾倒部材1040が傾倒動作することを防止することができるので、球の勢いに寄らず、傾倒部材1040に球が所定個数貯留されることによってのみ傾倒部材1040を傾倒動作させることができる。また、排出防止突部9200により、傾倒部材1040が初期状態の時には、球の跳ね方によらず、球が確変側流路1032へ向けて流下することを防止することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、傾斜流路1023が正面側へ向けて緩やかに下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜流路1023が前後方向に水平だったり、背面側へ向けて正面側へ向けて緩やかに上昇傾斜していたりしても良い。この場合、球が傾斜流路1023の途中で排出口1024から正面側へ排出されることを防止し易くすることができ、球が傾倒部材1040へ向けて流下する際に、傾倒部材1040の左端部へ向けて流下し易くすることができる。これにより、例えば、1個の球が傾倒部材1040の右端部に落下し、球の着地時の負荷で傾倒部材1040が傾倒することを防止することができ、誤って確変側流路1032へ球が流入することを防止することができる。
上記各実施形態では、傾倒部材1040の上面が平面形状のみから形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、矩形錘部1041の端部付近の背面側側面に沿って上方へ向けて干渉部材が延設され、傾倒部材1040が初期状態の時には、その干渉部材は正面視において排出口1024と重ならない一方で、傾倒部材1040が傾倒状態となった時には、その干渉部材が正面視において排出口1024と重なるようにしても良い。この場合、傾倒部材1040が傾倒状態となった後で、次の球が排出口1024から排出されることを干渉部材により防ぐことができる。従って、次の球が傾倒部材1040の上面に乗り、重心位置が再度変化することで、傾倒部材1040が初期状態に再び戻ってしまうことを防止することができる。
上記各実施形態では、第2入球口640から逸れて下流へ流下した球は、円弧部材70や外縁部材73に衝突して、バウンドし、外縁部材73を伝って第2可変入賞装置650へ到達する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入球口640から外縁部材73までの経路に、球が1球通る程度の断面積の流路を形成し、球がその流路を介して外縁部材73に到達するようにしても良い。この場合、外縁部材73に球が到達する間隔を制御することができるので、所定時間内に第2可変入賞装置650に入球する球の個数を制御することができる。なお、流路の内部形状は、特に限られるものでは無く、例えば、対向する内面に、球の流下方向と垂直な方向に延設されるリブが交互に形成され、球を減速する態様としても良い。
上記各実施形態では、流下防止板1015が、下流に貯留装置1000を備える第2可変入賞装置650の開閉動作と関連して状態変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1可変入賞装置65の開閉動作により、流下防止板1015の状態を変化させても良い。
上記各実施形態では、傾倒部材1040が前後方向に延びる軸により支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に延びる軸により支持され、正面側へ向けて傾倒する(遊技者へ向けてお辞儀する)ように傾倒動作しても良い。この場合、傾倒部材1040に球が1個乗る場合、正面視奥側に球が配置され、見えにくくなる一方で、傾倒部材1040に球が3個以上乗る場合には、球が正面視手前側に張り出し、見えやすくなるので、傾倒部材1040に乗った球が遊技者に見えやすくなるほど(手前に張り出してくるほど)遊技者にとって有利になるという、分かり易い遊技性を形成することができる。
上記各実施形態では、第2可変入賞装置650の開閉動作に基づいて、流下防止板1015の状態を変化させ、傾倒部材1040の上面に球を停留させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、2種のパチンコ遊技機において、所定の入球口への入球を契機として開閉動作する羽部材の動作に対応して、流下防止板1015の状態を変化させるように構成し、開放された羽部材に入球した後で球が流下する経路に傾倒部材1040が配置されても良く、この態様において、傾倒部材1040が初期状態の時には球が通常流路に送られ、傾倒部材1040が傾倒状態の時には、球が通常流路よりもV入賞口(大当たりを獲得する入賞口)へ入球し易くなる特別流路に送られるように構成しても良い。
例えば、流下防止板1015の状態変化に、第5実施形態で上述した球止め装置5100を利用すれ場合、例えば、羽部材が4回開放するごとに、流下防止板5015が埋没状態となるように設定することにより、羽部材が3回開放する間に、球を複数個(例えば3個)だけ羽部材の奥の経路に入れることができれば、球を特別流路へ送ることができ、大当たりを獲得し易いという遊技性を形成することができる。
上記各実施形態では、貯留装置1000において球の流下方向を切り替える傾倒部材1040が回転動作する態様で形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球の流下方向を切り替える振り分け部材を、球の重みでスライド動作する態様で構成しても良い。即ち、貯留装置1000に球が1球貯まる程度では、振り分け部材はスライド移動しないが、球が複数個(例えば5個)貯まることにより、球の重みで流下防止板1015から離反する方向(正面視右方)へ押しやられて振り分け部材がスライド移動し、そのスライド移動により確変側流路1032への入口が開放され、球が確変側流路1032へ入球可能となる態様で構成されても良い。この場合、球の貯まり具合に応じて振り分け部材が徐々にスライド移動する態様(例えば、球が3個貯まる場合と、4個貯まる場合とでは、4個貯まる場合の方が振り分け部材の移動幅は大きいが、未だ確変側流路1032への入口は球が通る程度には開放されない態様)で構成することができ、貯留装置1000に貯留される球が増える度に振り分け部材を動作させることができる。これにより、振り分け部材の動作により、遊技者の興趣を向上させる演出を行うことができる。
上記第3実施形態では、第2可変入賞装置650の動作に基づいて、常時駆動の駆動モータ3012の動作と流下防止板1015の動作とが同期する状態を形成し、その状態において流下防止板1015の状態が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、常時駆動の駆動モータ3012により流下防止板1015が常時状態変化するように構成しても良い。この場合、大当たり遊技が開始されたタイミングや、大当たり種別の違いによる第2可変入賞装置650の開閉パターンの違いにより、傾倒部材1040の上面に球を所定球数貯められる場合と、貯められない場合とを形成することができる。例えば、駆動モータ3012が360秒間(長い期間)で1回転するように形成することで、大当たりの12ラウンド目の最大開放期間(30秒間)の間、流下防止板1015が常に分岐流路1030の背面側へ埋没したままとなる状況と、大当たりの12ラウンド目の最大開放期間(30秒間)の間、流下防止板1015が常に分岐流路1030の内側へ突出したままとなる状況との両方を形成することができる。
上記第4実施形態では、回転円板4014の突設リブ4014aと、摩擦回転部材4013の突設係合部4013dとが軸方向で衝突することを防止するために、開放状態を維持する期間が2.5秒から3.5秒までの1秒間は、第2可変入賞装置650を開放状態から閉鎖状態へ変化させないように制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設リブ4014aを、周方向両側端へ向かう程、円板部1014bに近接する態様で傾斜する傾斜面が周方向中央部から形成される(即ち、突設リブ4014aの周方向中央部は面ではなく稜線で構成される)形状から構成し、尚かつ、突設係合部4013dを、高さ方向を摩擦回転部材4013の回転軸に平行な直線に沿わせた円錐形状から形成しても良い。この場合、突設リブ4014aと突設係合部4013dとが軸方向で衝突しても、その衝突を互いの傾斜面で受け流すことができ、故障を防止することができる。
また、突設リブ4014aの鋭利先端(摩擦回転部材4013と対向配置される側の先端)と、突設係合部4013dの鋭利先端(回転円板4014と対向配置される側の先端)との周方向における位置関係(突設係合部4013dの進行方向に突設リブ4014aが配置されるか、突設係合部4013dが突設リブ4014aを通り過ぎるか)は、それら先端の中心位置が周方向で重なるタイミング(例えば、第2可変入賞装置650の開放開始から3秒後)を境に、入れ替わる。上述したように、鋭利先端の中心位置が周方向で重なるタイミングを除いて、任意のタイミングで第2可変入賞装置650を開放状態としても、突設リブ4014aと突設係合部4013dとの衝突による故障が起きない。そのため、例えば、大当たりAでは、第2可変入賞装置650を2.9秒間だけ開放状態としてから閉鎖状態とするように制御し、大当たりBでは、第2可変入賞装置650を3.1秒間だけ開放状態としてから閉鎖状態とするように制御するようにしても良い。この場合、大当たりAと大当たりBとで、第2可変入賞装置650が開放状態の時間の違いを、遊技者がその違いを見定めるのが困難な期間(例えば、0.2秒間)とすることができる。これにより、第2可変入賞装置650の動作態様から、獲得した大当たりが、大当たりAなのか大当たりBなのかを把握することを困難にすることができ、遊技者の注目を傾倒部材1040に集めることができる。
上記第5実施形態では、球止め装置5100の回転部材5120に切替突設部5124が2箇所配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1箇所でも良いし、3箇所以上の複数箇所でも良い。また、切替突設部5124の配設箇所が3箇所以上の複数箇所の場合、配設箇所同士の間隔は、任意に定める(異ならせる)ことができる。これにより、例えば、1箇所目の切替突設部5124が切替装置5140に当接してから、隣り合う2箇所目の切替突設部5124が切替装置5140に当接するまでに第2可変入賞装置650が開閉動作した回数と、その2箇所目の切替突設部5124が切替装置5140に当接してから、1箇所目の切替突設部5124の反対側で隣り合う3箇所目の切替突設部5124が切替装置5140に当接するまでに第2可変入賞装置650が開閉動作した回数と、を異ならせることができる。これにより、第2可変入賞装置650の開閉動作の回数と、流下防止板5015の状態の変化とを関連付け難くすることができ、流下防止板5015の状態変化を遊技者が予測し難くできるので、流下防止板5015がいつ動作するのか分からず、常に期待感をもって遊技できるという遊技性を形成することができる。
上記第5実施形態では、球止め装置5100の回転部材5120に配設される切替突設部5124が、切替装置5140の回転腕部5142と当接した状態において、第2可変入賞装置650が一回開閉動作することにより、必ず、回転腕部5142と切替突設部5124との当接が解除される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、片方の切替突設部5124の周方向長さを延長することにより、第2可変入賞装置650が複数回開閉動作をする間、回転腕部5142と切替突設部5124との当接が維持されるようにしても良い。この場合、第2可変入賞装置650が球を入球可能な長さで開放動作する直前の閉鎖状態の時に、流下防止板5015が埋没状態または突出状態のどちらの状態であったとしても、次の第2可変入賞装置650の開放で流下防止板5015がどちらの状態となるのかを予測し難くでき、遊技者の期待感を維持し易くすることができる。
上記第7実施形態では、第1流路7110へ入球する球が、第2可変入賞装置650から逸れて流下した球に限定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入球口64又は第2入球口640に入球した球が第1流路7110へ入球するように流路が形成(連結)されても良い。これにより、特別遊技状態(大当たり遊技状態)が終了した後で傾倒部材1040の上面に球が残存した場合であっても、次の大当たりを狙う行為(第1入球口64又は第2入球口640に球を入球させる行為)により、流下防止板7015を埋没状態に変化させることができ、傾倒部材1040の上面に残存した球を排出することができる。
上記第9実施形態では、流下防止板1015と当接する位置に球が1球配置されることにより、L形移動部材9110が傾倒部材1040の動作軌跡から退避する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、2球目の球に対応する位置(正面視において、L形移動部材9110の右斜め上方へ位置ずれした位置)に、2個目のL形移動部材(その2)が配置され、そのL形移動部材(その2)は、2球目の球が傾倒部材1040の上面で停止することにより傾倒部材1040の動作軌跡から退避される態様で構成しても良い。この場合、2球目の球が傾倒部材1040に着地する時点においては、L形移動部材(その2)が傾倒部材1040の移動軌跡内に配置されるので、2球目の球が傾倒部材1040に着地する際の衝撃により傾倒部材1040が傾倒動作することを防止し易くすることができる。
上記第9実施形態では、係止装置9100の作用により、傾倒部材1040の傾倒動作を防止する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒部材1040の重心位置を、過度に左方寄りの位置とし、延設板部1043に球が1球乗る程度では傾倒動作しない態様で構成するようにしても良い。この場合、係止装置9100を省略することができる。
上記第9実施形態では、排出防止突起9200が分岐流路1030の背面側の側壁から正面側へ向けて突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾倒部材1040の延設板部1043の延設先端(軸棒部1042の反対側の先端)から板部材を延設しても良い。これにより、傾倒部材1040の傾倒状態において、板部材も傾倒部材1040と一体となって下方に変位するので、排出口1024から排出された球が確変側流路1032へ流入する経路を広く確保することができる。
ここで、板部材の形状としては、例えば、傾倒部材1040の傾倒状態において、延設板部1043の延設先端から水平に延設される(延設方向から、緩やかに上昇傾斜する方向に延設される)形状が例示される。この場合、傾倒状態で球を流す場合に、球と当接する板部材の面が水平となることで、球の流下を妨害することを防止できる一方で、初期状態において、球と当接する板部材の面が上昇傾斜する傾斜面となることで、右方へ飛び出そうとする球を減速し、飛び出しを防止する効果を生じさせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<Vアタッカーの動作によって、シーソーのストッパが動くポイント(駆動兼用)>
遊技球が流下する遊技領域に配置される入賞口と、その入賞口に遊技球が入賞可能な可能状態と、入賞不能な不能状態とを動作により切り替える第1切替手段と、その第1切替手段を駆動する第1駆動手段と、前記入賞口に入賞した遊技球が流下することで遊技者に所定の利益を与える利益取得手段と、を備える遊技機において、前記入賞口に入賞した遊技球を停留可能に構成され、その停留した遊技球を前記利益取得手段へ流下可能に構成される停留手段と、その停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留可能な状態である停留状態と、前記停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留させない非停留状態と、を切り替える第2切替手段と、を備え、その第2切替手段は、前記第1駆動手段の駆動力が伝達されることに基づいて、前記停留状態と非停留状態とで状態変化することを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口(入賞口に相当)に入賞した遊技球が到達する第2利益状態決定部(停留手段に相当)で、振分部(第2切替手段に相当)を左右方向に動作させることにより、遊技者が得られる利益の異なる2の流路に遊技球を振り分ける遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第2大入賞口の状態を変化させる大入賞口開閉役物と、振分部とが、別々の駆動手段により駆動されていたため、2の駆動手段の配置スペースを確保しながら第2大入賞口と振分部の配置を決める必要があり、配置の自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、第2切替手段が、第1駆動手段の駆動力が伝達されることに基づいて状態変化するので、駆動手段が1つで良くなり配置スペースの確保が容易となるので、第1切替手段、第2切替手段および停留手段の配置の自由度を高めることができる。
また、第2切替手段が、入賞口の状態を変化させる第1切替手段を駆動する第1駆動手段の駆動により停留状態と非停留状態とで状態変化するので、第2切替手段の動作パターンの自由度を向上させることができ、遊技者が飽きる事態を、生じにくくすることができる。
なお、所定の利益としては、遊技状態を確変状態にする利益(V確入賞)や、大当たりを得られる利益(2種のV入賞)や、大当たりとなりやすい流路可能となる利益などが例示される。
遊技機A1において、前記第2切替手段は、前記第1切替手段を介して前記第1駆動手段の駆動力が伝達されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1駆動手段の駆動力が第1切替手段を介して第2切替手段に伝達されるので、第1切替手段の動作幅を利用して、第2切替手段の動作幅を確保することができる。また、第1切替手段の動作幅を確保する手段と、第2切替手段の動作幅を確保する手段とを兼用することにより、各切替手段ごとに第1駆動手段の動作幅を確保する手段を配置する場合に比較して、配置スペースを抑制することができる。これにより、第1切替手段、第2切替手段および停留手段の配置の自由度を高めることができる。
遊技機A1又はA2において、前記停留手段は、遊技球が所定の複数個以上貯留された場合に、動作により、遊技球を前記利益取得手段へ向けて流下させる状態となることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、停留手段に遊技球が所定の複数個以上貯留されることにより、停留手段が動作し、遊技球を利益取得手段へ向けて流下させる状態となるので、第2切替手段の状態変化のみにより遊技球の流下経路が変化する場合に比較して、停留手段の動きと遊技球の動きとを連動させて遊技者に見せることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、停留手段に遊技球が1個停留される場合には、遊技球が利益取得手段へ向けて流下可能な姿勢にならないため、短期間で第1切替手段が可能状態となった(短期間パカの)場合に遊技球が1個入賞したとしても、その遊技球が利益取得手段へ向けて流下することを防ぐことができる。従って、従来行われていたように、第1切替手段を可能状態に切り替えるタイミングから数秒後に振分部の状態を変化させることにより、遊技球が利益取得手段に誤って流下しないようする制御と、その制御に伴って第1切替手段を開放開始時に短期間開放する制御と、を不要とすることができ、第1駆動手段の制御を簡素化することができる。
なお、停留手段の動作態様としては、特に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、遊技球を上面に貯留し、遊技球の貯留個数により回転軸を基準とした停留手段にかけられる負荷の位置が変わり、シーソーのように傾倒動作する態様でも良いし、球の重みでスライド動作する態様でも良い。
また、停留手段が傾倒動作する場合において、停留手段への球の着地地点は、特に限定されるものでは無い。即ち、回転軸を基準として、下がっている側でも良いし、上がっている側でも良い。
遊技機A3において、前記停留手段が移動することにより、前記利益取得手段の反対側へ球を流下させる流路へ球を流下させにくくする態様で構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、停留手段の動作により、利益取得手段の反対側へ球を流下させる流路へ球を流下させにくくすることができるので、停留手段が動作を開始して停留状態となる前に遊技球が停留手段から利益取得手段の反対側へ流下し難くすることができる。
遊技機A1において、前記第1駆動手段の駆動力を前記第2切替手段に伝達する第1特殊手段を備え、前記第1駆動手段は、複数の駆動パターンで駆動制御され、前記第1特殊手段は、前記第1駆動手段が1の駆動パターンに基づいて動作した場合に、前記第2切替手段の状態を変化させ、前記第1駆動手段が他の駆動パターンに基づいて動作した場合に、前記第2切替手段の状態を変化させないことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1駆動手段の駆動パターンによって第2切替手段の状態変化が生じるか否かが変わるので、第1切替手段の動作パターンを確認することで第2切替手段の状態変化の有無が生じるのか否かを判断することができる。そのため、第2切替手段の状態が遊技者にとって有利な状態に切り替わって欲しい遊技者にとっての、第1駆動手段の駆動力で動作する第1切替手段の注目度を向上させることができるので、遊技者の視線を第1切替手段付近に集めることができる。
この状態において、第1切替手段付近のLEDを光らせる一方で、第1切替手段から離れた部分のLEDは消灯させることにより、遊技者の注目する部分の明るさは維持しながら、他の部分は暗くすることができる。これにより、電力消費量を削減することができたり、遊技領域における第1切替手段から離れた部分の遊技球の視認性を悪くできたりする。
遊技領域における遊技球の視認性に関しては、例えば、第1切替手段の上流側を流下する遊技球の視認性を悪くすることにより、予想外の位置から遊技球が入賞口へ流下する状態を形成でき、遊技者を飽きさせにくくできる。
また、例えば、第1切替手段が不能状態の時に第1切替手段を流下し、下流側へ流下する遊技球の視認性を悪くすることにより、アウト口へ向かって流れる遊技球に遊技者が集中することを防止することができる。これにより、第1切替手段付近の注目度を維持することができる。
遊技機A5において、前記第1特殊手段は、所定の平面上に移動軌跡を有し、前記第2切替手段により前記停留手段が前記停留状態を形成している間、球から前記第2切替手段へ与えられる負荷の方向が、前記所定の平面に垂直な方向へ向けられることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、球から第2切替手段へ与えられる負荷の方向が第1特殊手段の移動軌跡が形成される平面に対して垂直な方向へ向けられるので、第2切替手段を介しする負荷により、第1特殊手段が動作することを防止することができ、遊技球が第2切替手段に当接する度に、第1特殊手段の移動方向に負荷が与えられることを防止することができる。これにより、第2切替手段の耐久性を向上することができる。
遊技機A1において、前記第2切替手段は、前記第1切替手段の状態変化の態様により、前記第1切替手段が前記可能状態と前記不能状態とで切り替えられる間隔が所定間隔よりも短い場合に、停留状態と非停留状態との切り替えを防止する第2特殊手段を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第2特殊手段により、第1切替手段の状態変化と、第2切替手段の状態変化とが連動しない状態を形成することができる。したがって、第1切替手段の動作態様のバリエーションを増やすことができる。
即ち、第1切替手段の間隔の短い状態変化をさせつつ、第2切替手段の状態は維持(例えば、停留状態のまま維持)して、遊技球を停留可能な状態を維持することができる。
遊技機A7において、前記第2特殊手段は、前記第1切替手段の前記不能状態を所定期間維持することで、前記第2切替手段を前記非停留状態へ切り替える態様で構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第1切替手段が不能状態へ切り替わった瞬間は第2切替手段が停留状態であり、第1切替手段が不能状態を所定期間維持することで第2切替手段が非停留状態に切替られるので、第1切替手段が不能状態になる直前に入賞口に入賞した遊技球が、停留手段に到達することを待ってから、第2切替手段の状態を非停留状態に切り替えることができる。これにより、停留手段に遊技球が停留されたままとなることを防止することができ、遊技球を、全て流しきることができる。
<Vアタッカーの動作からストッパの解除までに期間を設けるポイント>
遊技球が流下する遊技領域に配置される入賞口と、その入賞口に遊技球が入賞可能な可能状態と、入賞不能な不能状態とを動作により切り替える第1切替手段と、その第1切替手段を駆動する第1駆動手段と、前記入賞口に入賞した遊技球が流下することで、遊技者に所定の利益を与える利益取得手段と、を備える遊技機において、前記入賞口に入賞した遊技球を停留可能に構成され、その停留した遊技球を前記利益取得手段へ流下可能に構成される停留手段と、その停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留可能な状態である停留状態と、前記停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留させない非停留状態と、を切り替える第2切替手段と、を備え、前記第1駆動手段とは異なる第2駆動手段を有し、前記第1切替手段が前記不能状態に切り替えられることに基づいて前記第2切替手段へ前記第2駆動手段の駆動力を伝達可能とされ、前記第2駆動手段の駆動力により前記第2切替手段を前記停留状態と非停留状態とで状態変化させるものであって、前記第2切替手段が前記停留状態から非停留状態に切り替わるまでに所定期間が経過する態様で構成される遅延駆動手段を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口に入賞した遊技球が到達する第2利益状態決定部(停留手段に相当)に、振分部(第2切替手段に相当)を左右方向に動作させることにより、遊技者が得られる利益の異なる2の流路に遊技球を振り分ける遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第2大入賞口の状態を変化させる大入賞口開閉役物と、振分部との動作タイミングを異ならせているが、この場合、それぞれ別タイミングで動作させる制御を行う必要があり、制御が複雑になるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、遅延駆動手段が第2駆動手段を有し、その第2駆動手段の駆動力が、第1切替手段の状態の切り替えに基づいて第2切替手段側へ伝達可能とされ、第1切替手段の状態変化から所定期間後に第2切替手段が非停留状態とされる態様で構成されるので、第1切替手段と第2切替手段との動作タイミングを異ならせることを、第1切替手段の制御のみにより行うことができる。これにより、制御を単純化することができる。
遊技機B1において、前記遅延駆動手段が、前記第1切替手段が不能状態となったことに基づいて、前記第2駆動手段の駆動力を前記第2切替手段へ伝達開始することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第2切替手段が非停留状態に切り替わるまでに確保される所定期間が、第1切替手段が不能状態となってからの期間となるので、第1切替手段と盤面との間に遊技球が挟まるなどの、何らかの理由で、第1駆動手段が第1切替手段を不能状態に切り替える制御を開始してから実際に第1切替手段が不能状態となるまでに期間経過があった場合でも、第1切替手段が不能状態となってから第2切替手段が状態変化するまでの期間を確保することができる。これにより、第1切替手段が不能状態になる直前に入賞口に入賞した遊技球が停留手段に到達する前に、第2切替手段が状態変化するという誤動作を防止することができる。
遊技機B2において、前記遅延駆動手段が、一定の態様で動作する第2駆動手段と、前記第1駆動手段の駆動により前記第2駆動手段の動力が伝達される伝達状態と、非伝達となる非伝達状態とが切り替えられ、前記伝達状態において変位する変位手段と、前記非伝達状態において、前記変位手段を変位前の初期位置に復帰させる負荷を前記変位手段に与える復帰手段と、を備え、前記第2切替手段は、前記変位手段が前記初期位置に配置される場合に停留状態となると共に、前記変位手段が変位することに基づいて、前記非停留状態における配置へ向けて変位するものであって、前記変位手段が所定の遅延期間変位することで、非停留状態となることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第2切替手段の状態を遅延期間経過後に変化させる変位手段は、第1駆動手段が駆動され伝達状態となることにより、一定の態様で動作する第2駆動手段の駆動力が伝達され変位するものであると共に、第1駆動手段が駆動され非伝達状態とされた場合に、復帰手段により初期位置に復帰するものであるので、第1駆動手段が駆動され伝達状態となってから、第2切替手段が状態変化するまでの期間を一定に保つことができる。
また、第1駆動手段を、第2切替手段の駆動源として利用するのではなく、別個の第2駆動手段との伝達の切替に利用するので、駆動力不足により第2切替手段の動作不良が生じることを防止できる。
また、遅延期間中に、第1駆動手段の駆動状態が変化し、第1切替手段が再び状態変化したら、第2切替手段の状態も、再び停留状態における配置へと戻るので、遅延期間以下の間隔で第1駆動手段の駆動状態を変化させることにより、第1切替手段の状態は変化させながら、第2切替手段の状態は停留状態に維持することができる。
遊技機B3において、前記第1駆動手段の駆動により、前記第1切替手段が前記可能状態となる場合に前記変位手段が前記非伝達状態とされるものであって、前記復帰手段による前記変位手段の変位が、前記遅延期間よりも短い期間で行われることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、復帰手段による変位手段の変位が、遅延期間よりも短い期間で行われるので、第1切替手段が可能状態に変化し入賞口に入賞した遊技球が停留手段に到達する前に、第2切替手段を停留状態に復帰させることができる。これにより、第1切替手段が可能状態となった直後に入賞した遊技球が停留手段で停留されずに流下する事態を防ぐことができるので、停留手段に遊技球を停留させやすくすることができる。
遊技機B2において、前記遅延駆動手段が、一定の態様で動作する第2駆動手段と、前記第1駆動手段の駆動により前記第2駆動手段の動力が伝達される伝達状態と、非伝達となる非伝達状態とが切り替えられ、前記伝達状態において変位する伝達クラッチと、その伝達クラッチと係合することで変位可能に構成されると共に初期位置において前記第2切替手段を停留状態とする係合カムと、前記非伝達状態において、前記係合カムを変位前の前記初期位置に復帰させる負荷を前記係合カムに与える復帰手段と、を備え、前記第2切替手段は、前記係合カムの変位に伴って非停留状態の配置へ向けて移動するものであって、前記係合カムが所定の遅延期間変位することで、非停留状態となり、前記伝達クラッチは、前記第1切替手段が可能状態の場合に、前記係合カムと非係合とされることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1切替手段が可能状態になると、復帰手段の作用で第2切替手段が動作し、停留状態となるので、入賞口に遊技球を入賞可能となり始めるタイミングの度に、遊技球を停留可能であり、利益取得手段に遊技球を通過させる期待感を向上させることができる。
遊技機B5において、前記第1切替手段が不能状態の場合に、前記伝達クラッチが所定の姿勢である第1姿勢となることで前記非伝達状態が形成され、その第1姿勢で前記伝達クラッチの姿勢が維持され、前記第1切替手段が可能状態へ変化すると、前記第1姿勢から前記第2駆動手段の駆動力が伝達開始されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1切替手段が不能状態を長期維持する場合に、第2駆動手段(DCモータ等)を常時回転動作させたままでも伝達クラッチの位相を固定しておけると共に、第1切替手段が可能状態へ変化した時点から伝達クラッチと第2駆動手段との伝達を開始させることができるので、第1切替手段が可能状態となった時点から所定期間後の伝達クラッチの姿勢を予め定めることができる。
これにより、例えば、第1切替手段が、特別遊技において入賞口の開閉を行う特別電動役物である場合に、大当たりラウンド開始から何秒後に、伝達クラッチと、係合カムとを係合させることが可能となり、係合カムの動作により第2切替手段が動き出すか、を特定でき、液晶演出との整合性を取りやすくすることができる。
また、不能状態を維持したままで、第2駆動手段が動作を継続しても、第2切替手段が動き続けることを防止することができるので、第2切替手段が常時動作していることで遊技者が感じる違和感を軽減することができる。
遊技機B6において、前記伝達クラッチが前記第1姿勢とされた状態から、前記伝達クラッチと前記第2駆動手段とが伝達を開始した場合、所定期間経過後に、前記第1切替手段が所定パターンの動作を行わなければ、前記第2切替手段が停留状態から非停留状態に変化しない構成とされることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、伝達クラッチが第1姿勢とされた状態から、伝達クラッチと第2駆動手段とが伝達を開始してから、所定期間経過後に第1切替手段が所定パターンの動作を行うか否かで、第2切替手段の状態が変化するか否かを決めるので、例えば、所定期間が経過するまでの第1切替手段の動作態様は第2切替手段の状態の変化に影響を与えるものでは無く、数多くの動作態様を用意することにより、第2切替手段の状態変化に影響ある期間の動作のカモフラージュを行うことができる。これにより、今回のラウンドが遊技球を停留させることができるラウンドなのか、否かを、遊技者に分かりづらくすることができる。
また、所定期間経過後に、所定パターンの動作と異なる動作を挟むことで、停留状態の維持を図ることができ、所定期間経過後も、第1切替手段の注目力を向上させたままにすることができる。
また、ラウンドの開閉パターンを当たり図柄ごとに複数種類用意することで(第1切替手段の状態変化のパターンを、当たり図柄ごとに異なるパターンとすることで)、第2切替手段の状態変化をどのタイミングで行うかを、任意に指定することができる。これにより、別のソレノイドを第1駆動手段の動作を基準として一定の動作をおこなうことにより第2切替手段を動作させていた場合と異なり、利益取得手段への流下のチャンスを、任意のラウンドに設けることができる。
<Vアタッカーの開閉回数に基づいて、ストッパの状態が変化するポイント>
遊技球が流下する遊技領域に配置される入賞口と、その入賞口に遊技球が入賞可能な可能状態と、入賞不能な不能状態とを動作により切り替える第1切替手段と、その第1切替手段を駆動する第1駆動手段と、前記入賞口に入賞した遊技球が流下することで、遊技者に所定の利益を与える利益取得手段と、を備える遊技機において、前記入賞口に入賞した遊技球を停留可能に構成され、その停留した遊技球を前記利益取得手段へ流下可能に構成される停留手段と、その停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留可能な状態である停留状態と、前記停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留させない非停留状態と、を切り替える第2切替手段と、を備え、その第2切替手段は、前記第1切替手段が所定の基準回数だけ前記可能状態と不能状態とで状態変化するごとに、少なくとも一度は第2切替手段の状態を前記停留状態と非停留状態とで変化させる回数伝達手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口に入賞した遊技球が到達する第2利益状態決定部(停留手段に相当)に、振分部(第2切替手段に相当)を左右方向に動作させることにより、遊技者が得られる利益の異なる2の流路に遊技球を振り分ける遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第2切替手段の状態変化が生じる前に、第1切替手段が特定の動作を行う制御がされるので、例えば、液晶演出での示唆を確認しなくとも、利益取得手段へ遊技球を流下させられる状態か否かを遊技者が把握することができる。そのため、遊技者の注目が大入賞口の周辺に特に集中し易くなり、他の箇所、例えば、演出範囲としての液晶画面に対する注目力が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、第2切替手段の停留状態と非停留状態とでの状態変化が、第1切替手段が所定の基準回数だけ状態変化することにより少なくとも一度は生じるように構成されるので、第1切替手段の動作態様を確認することにより、第2切替手段の状態を把握することを困難にすることができる。
即ち、例えば、第1切替手段が所定の動作を行った後に第2切替手段の状態が遊技者にとって有利な停留状態となる動作態様であれば、遊技者は、第1切替手段の動作態様が所定の動作になったか否かを確認すれば良いので第2切替手段の状態の把握が容易であるが、第1切替手段の状態変化の回数により第2切替手段を状態変化させる場合、第1切替手段の状態変化の態様(動作態様)は全く同じものであっても、それが基準回数の内の何回目の状態変化なのかで、第2切替手段へ及ぼす影響は全く異なる。
そのため、第2切替手段が、前触れ無く、遊技者にとって有利な停留状態となるという遊技性を実現することができる。これにより、いつ遊技者に有利な状態となるか分からなくできることから、遊技者の注目力を第2切替装置の周辺に集めることができ、遊技者の注目が大入賞口の周辺(第1切替装置の周辺)に特に集中し易くなる状況を回避することができる。
なお、回数伝達手段の態様としては、第1切替手段の状態変化に対応して動作し、所定の回数の時に第2切替手段に作用し第2切替手段の状態を変化させる装置から構成される場合や、第1切替手段の状態変化の回数をセンサで検出し、所定の回数の時に第2切替手段に作用する駆動装置を備える態様で構成される場合等が例示される。
遊技機C1において、前記第1切替手段が1の契機により連続で状態変化するものであって、その状態変化は、遊技球が入賞不可能な長さで行われる短期状態変化と、遊技球が入賞可能な長さで行われる長期状態変化との組み合わせで構成され、前記所定の基準回数の整数倍数と同一の回数で行われることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、連続動作ごとに回数伝達手段を初期姿勢に復帰させながら、第2切替手段の状態が停留状態の時に、第1切替手段が短期状態変化となる場合と、長期状態変化となる場合とのいずれかを、連続動作の態様によって形成することができる。
従って、第1切替手段の連続動作の態様として、利益取得手段に遊技球を流下させることが可能な態様と、利益取得手段に遊技球を流下させることが不可能な態様とを用意することができる。
遊技機C1又はC2において、前記第1切替手段が1の契機により連続で状態変化するものであって、前記回数伝達手段は、前記基準回数ごとに初期位置に戻る態様で循環動作する装置から形成され、前記回数伝達手段の姿勢によらず回数伝達手段を初期位置に戻す復帰手段を備えることを特徴とする遊技機C3。
ここで、回数伝達手段が第1切替手段の状態変化が基準回数の倍数と同じだけ行われることでのみ、回数伝達手段が初期位置に戻る場合、特別遊技後に回数伝達手段が初期位置に配置されるためには、特別遊技における第1切替手段の状態変化の回数を基準回数の整数倍の回数に限定する必要が生じるので、第1切替手段の状態変化のパターンが制限される。即ち、1ラウンド当たりの開放回数を複数回にすると、遊技球が所定個数入賞するまでの第1切替手段の状態変化の回数が変化するので、1ラウンド中に亘って第1切替手段が可能状態となる状態変化のパターンしか許容されなくなる。
これに対し、遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、復帰手段により、第1切替手段の連続動作の後に回数伝達手段を初期位置に戻すことができるので、特別遊技後に回数伝達手段を初期位置に戻す機能を維持したまま、第1切替手段の連続動作の態様の自由度を向上させることができる。
例えば、1ラウンド中に、第1切替手段が複数回状態変化する態様で、第1切替手段を連続で状態変化するように制御することができる。この場合、1ラウンド中に、遊技球を所定個数(所定カウント)だけ入れることで、次のラウンドに進めることができる。即ち、循環動作手段の状態を確認し、各ラウンドにおいてどれだけ循環動作手段の状態を変化させるかを考え、その考えに基づいて大入賞口に球を入れるペースを変えることにより、自力で循環動作手段の状態を変えながら遊技することができる。これにより、長期状態変化を行うラウンドに合わせて、第2切替手段が停留状態となるように回数伝達手段の状態を調整するように特別遊技を進めることができ、ラウンド消化中も、単に遊技球を入賞させるだけでなく、どんなペースで遊技球を入賞させたら有利か、考えながら遊技できる。
また、特別遊技終了時の回数伝達手段の姿勢が初期位置と異なることが生じ得るが、復帰手段により、回数伝達手段の姿勢を初期姿勢に戻すことができるので、特別遊技終了後に、回数伝達手段の姿勢が異なった姿勢のまま通常遊技が始まるという誤動作を防止することができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記第1駆動手段は、印加電流により増強可能な負荷を一方向に生じるものであって、回数伝達手段は、前記第1駆動手段が前記1方向に動作する際に、前記第1駆動手段と当接し駆動力が伝達され所定量変位するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、回数伝達手段の変位が、印加電流により駆動力を増強可能な方向である一方向へ第1駆動手段が動作する際に、第1駆動手段と回数伝達手段とが当接し駆動力が伝達されることで生じるものであるので、第2切替手段に遊技球からの負荷が、第2切替手段の動作を抗する向きに生じている場合であっても、駆動力不足で第2切替手段が動かなくなるという事態を回避することができる。
遊技機C4において、前記第2切替手段は、前記回数伝達手段が他方向に変位することを防止する防止ストッパを備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、遊技球と第2切替手段とが当接する事により、第2切替手段が押接される場合に、第2切替手段へ与えられる負荷が、回数伝達手段へ伝達されることにより、回数伝達手段が他方向に動作することを防止することができるので、第1切替手段の状態変化の回数と、第2切替手段の状態との同期がずれることを防止することができる。
遊技機C1において、前記回数伝達手段が、1の契機により生じる前記第1駆動手段の動作後に、その動作前の状態に復帰しないことを許容すると共に、その回数伝達手段の状態を遊技者が知覚可能に構成することを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、回数伝達手段の状態が、遊技中において累積変化され、それを遊技者が知覚可能であるので、遊技する遊技機を選ぶ際の一選択基準として、特別遊技と関連する回数伝達手段の状態を提供することができる。
即ち、回数伝達手段は、第1切替手段が所定の基準回数だけ状態変化するごとに第2切替手段の状態を変化させるものであるところ、回数伝達手段の状態から、あと第1切替手段が何回だけ状態変化すれば基準回数に到達するかを遊技機ごとに変えることができ、遊技者は、回数伝達手段の状態から、第2切替手段の状態変化が生じる期待値(例えば、短い期間で第2切替手段の状態が変化しそうである等)を予想して、遊技機を選ぶ際の選択基準に用いることができる。
遊技機C6において、前記第1切替手段が、1の契機により連続動作を可能とされる連続可動手段であって、その第1切替手段の連続動作回数が作動契機の種類により変化する遊技機において、前記第2切替手段の初期状態から、1の作動契機による連続動作の後に第2切替手段が前記非停留状態を形成する一方で、その状態から、更に1又は他の作動契機による連続動作の後に前記停留状態を形成することを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1切替手段が所定回数の連続動作を行い、第2切替手段の状態が停留状態へ変化せず、所定の利益を得られなかった場合であっても、次に第1切替手段が連続動作した後に第2切替手段の状態が停留状態へ変化し、所定の利益を得る期待感を大きくすることができる。
<球がVアタッカーの通路を通過している間はストッパが状態変化しない(未出願)>
遊技球が流下する遊技領域に配置される入賞口と、その入賞口に遊技球が入賞可能な可能状態と、入賞不能な不能状態とを動作により切り替える第1切替手段と、その第1切替手段の駆動力を発生する第1駆動手段と、前記入賞口に入賞した遊技球が流下することで、遊技者に所定の利益を与える利益取得手段と、を備える遊技機において、前記入賞口に入賞した遊技球が停留可能に構成され、その停留した遊技球を前記利益取得手段へ流下可能に構成される停留手段と、その停留手段に到達した遊技球を前記停留手段に停留可能な状態である停留状態と、遊技球を前記利益取得手段へ流さない非停留状態と、を切り替える第2切替手段と、を備え、その第2切替手段は、前記入賞口から停留手段までの経過区間に遊技球が配置される場合に、前記停留手段が前記停留状態を維持するように作用する変化防止手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口に入賞した遊技球が到達する第2利益状態決定部(停留手段に相当)に、振分部(第2切替手段に相当)を左右方向に動作させることにより、遊技者が得られる利益の異なる2の流路に遊技球を振り分ける遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第2大入賞口の状態を変化させる大入賞口開閉役物と、振分部とが、予め決められた動作タイミングで動作するように制御されるので、大入賞口開閉役物の閉鎖直前に遊技球が入賞した後で、遊技球が利益取得手段を流下すれば遊技者に利益が付与されるものの、不測の事態で遊技球の流下が滞った場合、振分部に到達する前に、振分部が遊技者にとって不利な非貯留状態に変化する恐れがあり、遊技者の不満の原因となり得るという問題点があった。
一方で、いたずらに第2切替手段の状態変化までの期間を長くすると、停留状態からの状態変化が遅れることにより、遊技球の排出までが間延びして、遊技者が不信感を抱く原因となる。また、遊技球が停留手段に残存する間は、停留手段に遊技者の注目が集まり易くなり、それ以外の部分(例えば、液晶画面)の演出の注目力が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、入賞口から停留手段までの経過区間に遊技球が配置される場合にのみ、変化防止手段により停留手段が停留状態を維持するので、経過区間で遊技球の流下が滞った場合にも、遊技球が停留手段に到達する前に、停留手段が非停留状態となることを防止することができ、遊技者の不満を解消することができると共に、不要なときにまで停留手段の状態変化を遅らせることはしないので、停留手段以外の部分(例えば、液晶画面)の演出の注目力を確保することができる。
遊技機D1において、前記停留手段が、遊技球が所定個数貯留されることにより所定の動作をするものであって、その所定の動作により遊技球を前記利益取得手段へ送球可能とする態様で構成され、前記経過区間に配置された遊技球が前記停留手段に到達することで、その停留手段に所定個数の遊技球が貯留される場合には、前記停留手段の所定の動作完了までの間、停留手段が停留状態で維持されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、停留手段の所定の動作完了までの間、停留手段が停留状態で維持されるので、遊技球が経過区間から停留手段に排出された後であって、停留手段の動作が完了する前に、非停留状態となってしまい、遊技球が利益取得手段へ流下されずに排出される事態が生じることを防止することができる。
また、経過区間に配置された遊技球が停留手段に到達した場合において、遊技球が所定個数に満たない場合には、速やかに非停留状態とすることにより、遊技者の注目を停留手段付近から逸らして、遊技盤の他の部分(例えば液晶表示部分)の注目力を向上させることができる。
遊技機D2において、前記第2切替手段は、第1流路を流下する遊技球により状態を切り替えられるものであって、前記変化防止手段は、遊技球が前記第1流路に侵入可能か否かを切り替える態様で構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第2切替手段の状態を、第1流路を流下する遊技球により切り替える態様で構成されることから、第2切替手段の状態変化を生じさせる装置を流路で代用でき、配置スペースを縮小することができる。また、変化防止手段により、第1流路への遊技球の侵入の可否を切り替えることにより、ランダムな経路で遊技領域を流下する遊技球が不適切な期間に第1流路に侵入し、誤って第2切替手段の状態を変化させることを防止することができる。
遊技機D3において、前記第1流路は、遊技球が入賞することにより、特別図柄変動を発生可能な変動入賞口と連結されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、変動入賞口に入賞した遊技球が第1流路を流下することから、特別遊技状態が終了し、次の特別遊技状態が開始されるまでの間に、停留手段に残った遊技球を停留手段の下流へ排出することができる。
即ち、所定個数未満の遊技球が停留手段に停留した状態のまま特別遊技状態が終了した場合、次の特別遊技状態へ遊技状態を移行させるためには変動入賞口に遊技球を入賞させる必要があり、その入賞した遊技球は第1流路を流下し、第2切替手段の状態を切り替える。従って、次の特別遊技状態へ遊技状態を移行させるための遊技によって、停留手段に残った遊技球を停留手段の下流へ排出することができる。これにより、停留手段に遊技球が残存した状態で特別遊技状態が開始することを防止することができる。
遊技機D2において、前記第2切替手段は、前記第1駆動手段の動作に基づいて動作するものであって、前記変化防止手段は、遊技球の作用で変位し、前記第1駆動手段から前記第2切替手段への動力伝達を解除することを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、経過区間を遊技球が通過した後、第1駆動手段の駆動力が第2切替手段に伝達され、第1駆動手段の制御態様に基づいて第2切替手段の状態が変化するので、遊技球が経過区間を通過した後の第2切替手段の状態変化の制御を行い易くすることができる。
遊技機D2において、前記第2切替手段は、前記第1駆動手段の動作に基づいて動作するものであって、前記変化防止手段は、遊技球の作用で変位し、前記利益取得手段の反対側へ流下する遊技球が前記停留手段から脱落することを防止する張出板部を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、張出板部により、経過区間に遊技球が配置される状態においては、利益取得手段の反対側へ流下する遊技球が停留手段から脱落することを防止することができる。これにより、第2切替手段の状態が変化した後においても、張出板部により、遊技球を停留手段に乗せたまま維持することができる。
遊技機A1からA8,B1からB7,C1からC7,D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB7,C1からC7,D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8,B1からB7,C1からC7,D1からD6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。