JP2004064833A - 電動機制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動機1の速度を検出する速度検出器3が設けられ、速度指令部2からの速度指令値と速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて電動機を制御する電動機制御装置であって、速度検出器の検出速度から電動機の絶対位置を検出する絶対位置検出部8と、速度検出器の検出速度と絶対位置検出部で検出される絶対位置とに基づいて速度変動分を算出するFFT算出部9と、このFFT算出部9で算出される速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を取出す速度補償部10とを設け、速度検出器の検出速度の変動分を逆変換された速度変動分で相殺する電動機制御装置である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ乗りかごを昇降制御するエレベータ等に使用される電動機を制御する電動機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電動機制御装置は、図12に示すように、起動指令を受けて速度指令値を出力する速度指令部51と、電動機52の回転速度を検出するパルスジェネレータ、レゾルバ等の速度検出器53と、速度指令部51から出力される速度指令値と速度検出器53からのフィードバック信号である検出速度との偏差を演算し、この偏差に基づいて当該検出速度が速度指令値に近ずくような速度制御信号を演算出力する速度制御部54と、電流制御部55とが設けられている。
【0003】
この電流制御部55は、速度制御部54の速度制御信号を元に算出されるトルク指令値から換算される電流指令値と電流検出器56からの検出電流とに基づいて電動機52に供給する電流を制御する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のように電動機制御装置では、電動機52の回転速度を検出するために速度検出器53を用いているが、当該速度検出器53が電動機52の振動を含む各種の要因により回転速度を誤検出した場合、速度検出値を元にトルク指令値を算出していることから、トルク指令値が変動してしまうことがある。その結果、トルク指令値の変動に伴って電動機52が振動を起こしてしまう問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、速度検出器で検出する検出速度に変動が生じている場合でも、電動機の振動を確実に低減化する電動機制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する本発明に係る電動機制御装置は、前記速度検出器の検出速度から前記電動機の絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、前記速度検出器の検出速度と前記絶対位置検出手段で検出される絶対位置とに基づいて速度変動分を算出するフーリエ変換手段と、このフーリエ変換手段により算出される速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を用いて前記速度検出器の検出速度の変動分を補償する速度補償手段とを設けた構成である。
【0007】
を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
【0008】
この発明は以上のように構成することにより、絶対位置検出手段では、電動機の一回転中の絶対位置を検出し、フーリエ変換手段では、算出された絶対位置と速度検出器の検出速度とに基づいて周波数及び振幅を伴う速度変動分を算出し、さらに速度補償手段にて速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を用いて、速度検出器の検出速度を補償するので、検出速度に含まれる速度変動が低減し、ひいては電動機の振動を低減することが可能となる。
【0009】
(2) また、本発明に係る電動機制御装置は、前記フーリエ変換手段と速度補償手段との間にフーリエ変換手段によって算出される速度変動分を蓄積し平均化する加重平均算出手段を設ければ、電動機の振動をより高精度に低減では、エレベータの安定走行に貢献することが可能となる。
【0010】
さらに、本発明に係る電動機制御装置は、前記フーリエ変換手段と速度補償手段との間にフーリエ変換手段により算出される複数回の速度変動分の位相(又は周波数)と振幅との関係をテーブル化し、各位置間の補完処理を実施するデータテーブル処理手段を設ければ、円滑な損度補償が可能となり、前述同様に電動機の振動をより高精度に低減では、エレベータの安定走行に貢献することが可能となる。
【0011】
(3) また、本発明に係る電動機制御装置は、前記(1)項の構成要素に新たに、上下限補償リミット値が設定され、前記速度補償手段によつて逆変換された速度変動分を上下限補償リミット値で制限する速度補償リミット値設定手段と、前記逆変換された速度変動分が前記設定手段で設定される上下限補償リミット値を越えた場合に速度補償の異常を検出する速度補償異常検出手段とを設ければ、速度補償手段によつて得られる速度変動分が上下限補償リミット値を越えたとき、速度補償の異常として検出するので、速やかな処置を講じることが可能であり、故障原因や故障を誘発することを未然に回避できる。
【0012】
(4) また、電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて電動機を制御する本発明に係る電動機制御装置は、前記速度検出器で検出される検出速度の周波数成分のうち、前記電動機に振動を与える影響の少ない帯域の周波数成分を取出すバンドパスフィルタを設け、このバンドパスフィルタの出力を前記フィードバックされる検出速度として用いることにより、電動機に振動を与える影響を抑制できる。
【0013】
さらに、本発明に係る電動機制御装置は、速度検出器からフィードバックされる検出速度に応じたフィルタ時定数を算出するフィルタ時定数換算手段と、この換算手段により得られるフィルタ時定数が設定され、前記速度検出器からフィードバックされる検出速度に応じて帯域周波数成分をシフトしながら前記電動機に振動を与える影響の少ない帯域の周波数成分を取出すバンドパスフィルタとを設け、このバンドパスフィルタの出力をフィードバックされる検出速度として用いることにより、検出速度に含まれる異なる周波数であっても、検出速度に応じて異なる電動機の振動周波数を低減でき、エレベータ乗りかごの円滑な走行を確保できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明に係わる電動機制御装置の一実施の形態を示す構成図である。
【0016】
この電動機制御装置は、起動指令を受けて電動機1の速度指令値を出力する速度指令部2と、電動機1の回転速度を検出するパルスジェネレータ、レゾルバ等の速度検出器3と、速度指令部2から出力される速度指令値と速度検出器3による電動機1の検出速度との偏差を演算する偏差演算要素4と、この偏差演算要素4の演算によって得られる偏差が零となるような速度制御信号を演算し出力する速度制御部5と、電流制御部6と、この電流制御部6から電動機1に流れる電流を検出する電流検出器7とが設けられている。
【0017】
この電流制御部6は、速度制御部5からの速度制御信号を元に得られるトルク指令値から換算される電流指令値と電流検出器7の検出電流との偏差に基づいて電動機1に供給する電流を制御する機能をもっている。
【0018】
前記速度検出器3の出力側は2分岐され、その一方出力端側は速度検出器3によって検出された検出速度を偏差演算要素4側にフィードバックし、他方の分岐出力端側には、絶対位置検出部8、FFT(Fast Fourier Transform)算出部9及び速度補償部10が設けられている。
【0019】
この絶対位置検出部8は、電動機1の振れが生じている個所を見つけるために、速度検出器3の検出速度から絶対位置を検出する機能をもっている。FFT算出部9は、速度検出器3から出力される検出速度を取り込んで高速フーリエ変換を実施し、絶対位置検出部8により検出される絶対位置に対し、検出速度の変動分がどのような周波数成分と振幅成分とを含んでいるかを算出する。
【0020】
前記速度補償部10は、FFT算出部9により算出される周波数成分および振幅成分に基づいて逆変換を実施し、検出速度の変動分とは全く逆の速度変動分を作成する機能をもっている。この逆変換によって作成された逆の速度変動分は補償演算要素11に導かれ、ここで逆の速度変動分を用いて速度検出器3の検出速度に含まれる速度変動分を補償する。
【0021】
以上のような制御装置の動作について図2及び図3を参照して説明する。
【0022】
通常、操作員による起動指令操作又は所定のプログラムの起動指令を出力すると、速度制御部5及び電流制御部6は、速度指令部2から出力される速度指令値に従って所要とする電流を電動機1に供給し、例えばエレベータなどの乗りかごを昇降制御する。
【0023】
ところで、前述するように種々の要因により、速度検出器3が電動機1の速度を誤検出した場合、速度制御信号を電流制御部6で電流に変換する際にトルク指令値を算出するが、そのトルク指令が変動し、ひいては電動機1が振動する。
【0024】
具体的には、速度検出器3が電動機1の速度を検出すると、図2上段に示すような速度波形が得られたとすると、この速度波形にはトルク指令値の変動に伴って図示(イ)に示す如く電動機1の振動波形が重畳されている。この速度波形は、図2下段に示すようにトルク波形で表すことができる。
【0025】
そこで、本発明に係わる制御装置では、速度検出器3の出力側に絶対位置検出部8を設け、速度検出器3から出力される電動機1の検出速度から、1回転の中のどの位置から振れが生じているかを把握するために絶対位置を検出し、FFT算出部9に送出する。
【0026】
ここで、FFT算出部9は、速度検出器3の検出速度から高速フーリエ変換を実施する一方、絶対位置検出部8から絶対位置を取り込み、検出速度値の変動分がどのような周波数成分と振幅成分とを含んでいるかを算出する。今、例えば検出速度変動分が図3上段のような周波数成分と振幅成分とで表わすとすれば、速度補償部10では、速度補償を実施するためにFFT算出部8から出力される図3上段に示す速度変動に対し、当該図3上段に示す速度変動とは全く逆の図3下段に示す速度変動の速度補償信号を作成し、補償演算要素11に供給する。
【0027】
この補償演算要素11は、速度検出器3からの検出速度と速度補償部10からの速度補償信号とを用いて、検出速度に含まれる速度変動を相殺するので、検出速度から速度変動分を確実に除去することができる。
【0028】
従って、以上のような実施の形態によれば、検出速度に含まれる速度変動分を周波数解析することにより、速度変動とは全く逆の速度変動の速度補償信号を作成し、この速度補償信号を用いて、検出速度に含まれる速度変動を相殺するので、速度検出器3の検出速度に速度変動分が含まれていても、電動機1の振動がなくなり、ひいてはエレベータ乗りかごの円滑な走行を確保できる。
【0029】
(実施の形態2)
図4は本発明に係わる電動機制御装置の他の実施の形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0030】
この電動機制御装置は、図1と同様に速度検出器3の出力側に、絶対位置検出部8、FFT算出部9及び速度補償部10の他、当該FFT算出部9と速度補償部10との間に加算平均算出部21が設けられている。
【0031】
この加算平均算出部21は、FFT算出部9で算出される検出速度の変動分を予め定める設定数にわたって蓄積し、この蓄積された検出速度の変動分を設定数で割算することにより、加算平均された検出速度値の変動分データを出力し、速度補償部10に送出する機能をもっている。
【0032】
従って、以上のような実施の形態によれば、通常、FFT算出部9で算出される検出速度変動分は一般的に定常化しているが、時々刻々変化する振れや図5の(ロ)に示すようにノイズ成分が重畳される場合がある。
【0033】
そこで、加算平均算出部21では、FFT算出部9で算出される検出速度変動分である周波数成分と振幅成分とを設定数分だけ蓄積し、平均化することにより、検出速度の誤差の影響を除去でき、実施の形態1と比べてより補償精度を上げることができ、高精度な電動機制御を実現することが可能である。
【0034】
(実施の形態3)
図6は本発明に係わる電動機制御装置の更に他の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0035】
この電動機制御装置は、図1と同様に速度検出器3の出力側に、絶対値検出部8、FFT算出部9及び速度補償部10の他、当該FFT算出部9と速度補償部10との間にデータテーブル処理部22が設けられている。
【0036】
このデータテーブル処理部22は、FFT算出部9で算出される各絶対位置ごとの複数回の検出速度変動分について位相(又は周波数)と振幅との関係をテーブル化し、このテーブル化された位相(又は周波数)と振幅とを用い、或いは平均化し、各絶対位置間の位相(又は周波数)と振幅とを補完し、速度補償部10に送出する。この速度補償部9は、補完された位相(又は周波数)と振幅との関係をもつ検出速度変動を逆変換し最適フィードバック信号を取出し、補償演算要素11に供給する。
【0037】
23は更新指示出力部であって、例えば1日ごと、予め定めた時間ごとにデータテーブル処理部22の位相(又は周波数)と振幅と関係をクリアし、新たに検出速度変動分について位相(又は周波数)と振幅との関係をテーブル化させる機能をもっている。
【0038】
従って、以上のような実施の形態では、FFT算出部9で算出される検出速度の変動分である位相(又は周波数)と振幅との関係をテーブル化し、各絶対位置間の位相(又は周波数)と振幅とを補完することにより、検出速度の誤差の影響を除去でき、実施の形態1と比べてより補償精度を上げることが可能であり、高精度な電動機制御を実現することが可能である。
【0039】
(実施の形態4)
図7は本発明に係わる電動機制御装置の更に他の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0040】
この電動機制御装置は、図1と同様に速度検出器3の出力側に、絶対値検出部8、FFT算出部9及び速度補償部10の他、当該速度補償部10の出力側に速度補償リミット設定部24及び速度補償異常検出部25が設けられている。
【0041】
この速度補償リミット設定部24は、予め上下限補償リミット値が設定され、この上下限補償リミット値の範囲内で速度補償部10によって得られた逆変換された速度変動分を補償する機能をもっている。
【0042】
速度補償異常検出部25は、速度変動分の補償値が上下限補償リミット値を越えたときにフラグを立てて異常信号を出力し、補償ループを断とするか、或いは故障状態をメンテナンス室などに発報する処理を実行する。また、速度補償異常検出部25は、速度変動分の補償値が上下限補償リミット値を越えたときにフラグを立てた後、所定時間を経過したときに前述同様に補償ループ断又は故障状態を発報する構成であってもよい。
【0043】
この実施の形態においては、、速度検出器3の出力側に絶対位置検出部8が前述するように電動機の1回転の中のどの位置から振れが生じているかを調べるために絶対位置を検出し、FFT算出部9に送出する。このFFT算出部9は、速度検出器3より出力される検出速度から高速フーリエ変換を実施する一方、絶対位置検出部8で検出される絶対位置を取り込み、各位置ごとの検出速度変動を算出し、速度補償部10に送出する。この速度補償部10では、FFT算出部9からの速度変動を逆変換し、速度変動とは全く逆の速度変動の速度補償信号を出力する。
【0044】
しかし、この速度補償分は、本来のフィードバック制御系に対して影響を与えるものであり、また異常状態を長引かせる要因ともなるので、予め速度補償リミット設定部24に上下限補償リミット値を設定し、この上下限補償リミット値を越えたとき、或いは上下限補償リミット値を越えて所定時間経過後に異常状態を報知し、何らかの保守点検が必要であることを知らせる。
【0045】
従って、以上のような実施の形態によれば、速度補償リミット設定部24に上下限補償リミット値を設定し、速度補償分が目安となる上下限補償リミット値を越えたことを検出し異常状態を報知するので、速度補償分の異常を知るだけでなく、速度補償の異常の可能性もあるので、速やかに保守点検を行うことが可能となり、電動機1の異常動作を未然に回避することが可能である。
【0046】
また、この図7に示す電動機制御装置において、例えば図4に示すようにFFT算出部9と速度補償部10との間に加重平均算出部21を設けた構成であってもよい。
【0047】
このような構成とすれば、前述する作用効果に加え、実施の形態2と同様な作用効果を奏することができる。
【0048】
さらに、図7に示す電動機制御装置において、例えば図6に示すようにFFT算出部9と速度補償部10との間にデータテーブル処理部22及び更新指示出力部23を設けた構成であってもよい。この場合には、前述する作用効果に加え、実施の形態3と同様な作用効果を奏することができる。
【0049】
(実施の形態5)
図8は本発明に係わる電動機制御装置の更に他の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0050】
この電動機制御装置は、図1と同様に速度検出器3の出力側に、絶対値検出部8、FFT算出部9及び速度補償部10の他、この速度補償部10の出力側に開閉器26及び速度切替部27を設け、速度切替部27は、速度補償の下側をカットし、例えば速度変動が大きいときに開閉器26をオン操作し、速度変動分を補償する構成である。
【0051】
従って、以上のような実施の形態では、速度の変化に応じて速度変動分を補償するので、検出速度に変動が少なくなり、電動機1の振動を低減し、ひいてはエレベータ乗りかごの円滑な走行を確保できる。
【0052】
なお、この図8に示す電動機制御装置において、例えば図4に示すようにFFT算出部9と速度補償部10との間に加重平均算出部21を設けた構成であってもよい。
【0053】
このような構成とすれば、前述する作用効果に加え、実施の形態2と同様な作用効果を奏することができる。
【0054】
さらに、図7に示す電動機制御装置において、例えば図6に示すようにFFT算出部9と速度補償部10との間にデータテーブル処理部22及び更新指示出力部23を設けた構成であってもよい。この場合には、前述する作用効果に加え、実施の形態3と同様な作用効果を奏することができる。
【0055】
(実施の形態6)
図9は本発明に係わる電動機制御装置の更に他の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0056】
上記実施の形態では、速度変動補償系として、速度検出器3の出力側に絶対値検出部8、FFT算出部9及び速度補償部10等を設けた構成としたが、これら各部8〜10の代わりにバンドパスフィルタ31を設けた構成であってもよい。
【0057】
このバンドパスフィルタ31は、速度検出器3で検出される検出速度に含まれる周波数成分のうち、所要の帯域の周波数成分だけを通し、それ以外の周波数成分をカットし、偏差演算要素4に導く構成である。つまり、バンドパスフィルタ31は、電動機1に振動を与える影響の少ない帯域の周波数成分を偏差演算要素4に導き、電動機1に振動を与える影響の大きい周波数成分をカットすることにより、電動機1の振動を低減し、ひいてはエレベータ乗りかごの円滑な走行を確保できる。
【0058】
(実施の形態7)
図10は本発明に係わる電動機制御装置の更に他の実施形態を示す構成図である。なお、同図において、図1と同一機能部分には同一符号を付して図1の説明に譲り、以下、本発明の要部となる構成について説明する。
【0059】
この電動機制御装置は、速度検出器3の検出速度を偏差演算要素4に導くフィードバックラインに、フィルタ時定数換算部32及びバンドパスフィルタ31を設けてなる構成である。
【0060】
このフィルタ時定数換算部32は、速度検出器3で検出された検出速度に応じてフィルタ時定数に換算し、この換算されたフィルタ時定数をバンドパスフィルタ31に設定する。このバンドパスフィルタ31は、フィルタ時定数換算部32から設定されるフィルタ時定数に基づき、図11に示すように帯域周波数をシフトしながら、検出速度に応じた所定の帯域の周波数だけを通し、電動機1に振動の影響を与える周波数成分をカットし、偏差演算要素4に導くものである。
【0061】
従って、このような構成によれば、検出速度に応じてフィルタ時定数を可変するので、検出速度に含まれる異なる周波数であっても、検出速度に応じて異なる電動機1の振動周波数を低減でき、ノッチフィルタの効果を出すことが可能となり、ひいてはエレベータ乗りかごの円滑な走行を確保できる。
【0062】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、速度検出器で検出する検出速度に変動が生じている場合でも、電動機の振動を確実に低減でき、例えばエレベータ制御装置等に適用してエレベータ乗りかごを安定に走行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動機制御装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】電動機の速度とトルクとの関係を説明する図。
【図3】速度変動に対する速度補償の関係を説明する図。
【図4】本発明に係る電動機制御装置の他の実施の形態を示す構成図。
【図5】速度変動分にノイズが重畳している状態を示す図。
【図6】本発明に係る電動機制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図。
【図7】本発明に係る電動機制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図。
【図8】本発明に係る電動機制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図。
【図9】本発明に係る電動機制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図。
【図10】本発明に係る電動機制御装置の更に他の実施の形態を示す構成図。
【図11】電動機の検出速度に応じてカットする周波数成分をシフトする図。
【図12】従来の電動機制御装置を示す構成図。
【符号の説明】
1…電動機
2…速度指令部
3…速度検出器
4…偏差演算要素
5…速度制御部
6…電流制御部
7…電流検出器
8…絶対位置検出部
9…FFT算出部
10…速度補償部
11…補償演算要素
21…加重平均算出部
22…データテーブル処理部
24…速度補償リミット設定部
25…速度補償異常検出部
27…速度切替部
31…バンドパスフィルタ
32…フィルタ時定数換算部
Claims (8)
- 電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する電動機制御装置において、
前記速度検出器の検出速度から前記電動機の絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、
前記速度検出器の検出速度と前記絶対位置検出手段で検出される絶対位置とに基づいて速度変動分を算出するフーリエ変換手段と、
このフーリエ変換手段により算出される速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を用いて前記速度検出器の検出速度の変動分を補償する速度補償手段と
を備えたことを特徴とする電動機制御装置。 - 電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する電動機制御装置において、
前記速度検出器の検出速度から前記電動機の絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、
前記速度検出器の検出速度と前記絶対位置検出手段で検出される絶対位置とに基づいて速度変動分を算出するフーリエ変換手段と、
このフーリエ変換手段によって算出される速度変動分を蓄積し平均化する加重平均算出手段と、
この平均化された速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を用いて前記速度検出器の検出速度の変動分を補償する速度補償手段と
を備えたことを特徴とする電動機制御装置。 - 電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する電動機制御装置において、
前記速度検出器の検出速度から前記電動機の絶対位置を検出する絶対位置検出手段と、
前記速度検出器の検出速度と前記絶対位置検出手段で検出される絶対位置とに基づいて速度変動分を算出するフーリエ変換手段と、
このフーリエ変換手段によって算出される複数回の速度変動分の位相(又は周波数)と振幅との関係をテーブル化し、各位置間の補完処理を実施するデータテーブル処理手段と、
この補完処理された速度変動分を逆変換し、この逆変換された速度変動分を用いて前記速度検出器の検出速度の変動分を補償する速度補償手段と
を備えたことを特徴とする電動機制御装置。 - 請求項1に記載の電動機制御装置において、
上下限補償リミット値が設定され、前記速度補償手段によつて逆変換された速度変動分を上下限補償リミット値で制限する速度補償リミット値設定手段と、
前記逆変換された速度変動分が前記設定手段で設定される上下限補償リミット値を越えた場合に速度補償の異常を検出する速度補償異常検出手段とを設けたことを特徴とする電動機制御装置。 - 請求項1に記載の電動機制御装置において、
前記速度補償手段により逆変換された速度変動に応じて速度変動の補償を実行する手段を設けたことを特徴とする電動機制御装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の電動機制御装置において、
前記フーリエ変換手段と前記速度補償手段との間に、請求項2に記載する加重平均算出手段又は請求項3に記載するデータテーブル処理手段を設けたことを特徴とする電動機制御装置。 - 電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する電動機制御装置において、
前記速度検出器で検出される検出速度の周波数成分のうち、前記電動機に振動を与える影響の少ない帯域の周波数成分を取出すバンドパスフィルタを設け、このバンドパスフィルタの出力を前記フィードバックされる検出速度として用いることを特徴とする電動機制御装置。 - 電動機の速度を検出する速度検出器が設けられ、速度指令値と前記速度検出器からフィードバックされる検出速度とを用いて前記電動機を制御する電動機制御装置において、
前記速度検出器からフィードバックされる検出速度に応じたフィルタ時定数を算出するフィルタ時定数換算手段と、この換算手段により得られるフィルタ時定数が設定され、前記速度検出器からフィードバックされる検出速度に応じて帯域周波数成分をシフトしながら前記電動機に振動を与える影響の少ない帯域の周波数成分を取出すバンドパスフィルタとを備え、このバンドパスフィルタの出力を前記フィードバックされる検出速度として用いることを特徴とする電動機制御装置。
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