JP2004064344A - クロック分配システム - Google Patents

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Abstract

【課題】1種類のクロックの分配に運用系と予備系を使用し、一方の系でクロックの断が発生したときに他方の系にクロックを迅速に切り替えて供給するようにしたクロック分配システムを得ること。
【解決手段】システムクロック102は運用系クロック分配装置106ならびに予備系クロック分配装置107に分岐して供給され、これらの内部で断を監視しバッファ126U(126Y)からシステムクロックライン112に択一的に出力される。クロック分配装置106(107)は、逓倍器129でシステムクロック102をn逓倍したものを断検出回路124に供給してシステムクロック132の半周期の長さを基準として断の監視を行う。断が検出されたときにはバッファ制御回路135が他系への切り替えを行わせ、正常なシステムクロック132を出力させる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクロックの分配を行うクロック分配システムに係わり、特に運用系と予備系のクロック分配装置を備え、運用系が中継するクロックに断が生じた際に予備系に切り替えるようにしたクロック分配システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
システムクロックを運用系と予備系に分配し、これらの系を経由した形で所定の装置あるいはシステムクロックラインにシステムクロックを供給するようにしたクロック分配システムが従来から存在している。このようなシステムでは通常の場合には運用系を経たシステムクロックが所定の装置あるいはシステムクロックラインに供給される一方、そのシステムクロックに断が生じないかを監視し、断が発生した場合には予備系側からシステムクロックを供給するようになっている。そして、このようにシステムクロックの供給系を二重にすることで信頼性を向上させている。
【0003】
ところで、このようなクロック分配システムでは、システムクロックに断が生じたかどうかを判別するためにシステムクロックと同周期のクロックを使用するようにしていた。このため、システムクロックが断を生じさせた場合にこれを確定させるためにクロックの1周期を必要とし、更に障害の発生した運用系から予備系に切り替えてシステムクロックを出力させる切替処理に少なくとも1クロックを必要とした。この結果として、システムクロックに断が発生したとき、運用系から予備系に切り替えるのに少なくともシステムクロックの2周期分の期間が必要となり、システムクロックの供給を受ける所定の装置あるいはシステムクロックライン側から見ると数クロック分のシステムクロックの抜けが発生することになった。
【0004】
図10は、このようなシステムクロックの抜けについての問題を解決する提案を示したものである。特開昭62−61115号公報に開示されたこの提案では、クロック信号401を微分回路402に供給して、クロック信号401の立ち上がりあるいは立ち下がり部分で微分出力としてのリセット信号403を出力させ、これを計数回路404のリセット入力とするようになっている。
【0005】
計数回路404には、クロック信号401よりも周期の短いクロックパルス405がゲート回路406を介して入力されており、カウントされる。そのカウント値を表わしたアドレス情報407は、ROM(リード・オンリ・メモリ)408に供給される。ROM408にはカウント値に対応させたアドレスのうちクロック信号401の1周期に相当するクロックパルス405の数以上の領域に信号“1”を書き込んでおり、それよりもカウント値の小さなアドレス領域に信号“0”を書き込んでいる。ROM408から読み出される読出信号409は、信号“0”がゲートを開き、信号“1”が閉じるような制御信号としてゲート回路406に与えられる。また、読出信号409が信号“1”の状態ではクロック信号401の断が検出される。
【0006】
この図10に示した提案では、クロック信号401に断が発生しない場合、クロック信号401の1周期ごとに計数回路404がリセットされる。これによりカウント値を表わしたアドレス情報407は、ROM408の信号“0”を書き込んだ領域のみをアクセスすることになり、読出信号409は常に信号“0”の状態となる。すなわち、この状態で断の検出結果が出力されることはない。
【0007】
これに対して、クロック信号401に断が発生すると計数回路404のカウント値を表わしたアドレス情報407は、ROM408の信号“1”を書き込んだ領域をアクセスする。この時点でゲート回路406のゲートが遮断され、読出信号409は常に信号“1”の状態となる。すなわち、断が検出されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この提案ではクロック信号401と全く関係のないクロックパルス405を発生させ、これを用いてクロック信号401の断を検出している。したがって、クロックパルス405の周波数変動等によってはクロック信号401が正常であっても断を検出してしまう場合がある。このような誤動作を防止するためには、かなりの余裕を持って計数回路404のカウント値を設定する必要がある。しかも、この提案では運用系と予備系の2つの系を使用しておらず、これらの系の間でのシステムクロックの切り替えについて考慮されていない。したがって、この提案で運用系から予備系への周波数クロックの切り替えも考慮すると、依然として数クロック分のシステムクロックの抜けが発生することになる。
【0009】
そこで本発明の目的は、1種類のクロックの分配に運用系と予備系を使用し、一方の系でクロックの断が発生したときに他方の系にクロックを迅速に切り替えて供給するようにしたクロック分配システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する分岐手段と、(ロ)この分岐手段によって分岐された一方の分岐後クロックを入力しこれを外部のクロック伝達用のラインに出力するか否かを選択する出力選択スイッチ手段と、分岐手段に入力するクロックと同一周波数のクロックの周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段と、分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出する断検出手段と、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したとき他系に運用の切り替えを指示すると共に出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させる障害時対応手段とをそれぞれ備えた運用系および予備系のクロック分配装置とをクロック分配システムに具備させる。
【0011】
すなわち請求項1記載の発明では、分岐手段が1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する。この分岐された一方の分岐後クロックは運用系のクロック分配装置に入力されて、ここで分岐後クロックが断となるかの監視が行われる。監視結果としてその分岐後クロックの断が発生していないときには、出力選択スイッチ手段から外部のクロック伝達用のラインにこれを出力するようにする。断が発生した場合には後に説明するようにクロック伝達用のラインからの出力を取り止めて予備系との切り替えが行われる。分岐された他方の分岐後クロックは予備系のクロック分配装置に入力されて同様の処理が行われる。分岐後クロックが断となるかの監視を行うために、これら運用系および予備系のクロック分配装置は共通して次のような手段を備えている。まず、分岐手段に入力するクロックと同一周波数のクロックの周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段を備えている。分岐手段に入力するクロックを複数倍したクロックとしての複数倍クロックを作成することで、その複数倍クロックの倍率の分だけ精度を上げて分岐後クロックの断を検出できる。すなわち断検出手段は、分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出することになる。また、障害時対応手段は、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したとき他系に運用の切り替えを指示すると共に出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させることになる。
【0012】
請求項2記載の発明では、(イ)1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する分岐手段と、(ロ)この分岐手段によって分岐された一方の分岐後クロックを入力しこれを外部のクロック伝達用のラインに出力するか否かを選択する出力選択スイッチ手段と、分岐手段に入力するクロックと同一周波数で同一位相のクロックを発生させる監視用クロック発生手段と、この監視用クロック発生手段の発生させた監視用クロックを所定の倍率に逓倍して周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段と、分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出する断検出手段と、分岐後クロックのエッジを検出するエッジ検出手段と、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したときエッジ検出手段の検出したエッジを避けるタイミングで他系に運用の切り替えを指示すると共に出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させる障害時対応手段とをそれぞれ備えた運用系および予備系のクロック分配装置とをクロック分配システムに具備させる。
【0013】
すなわち請求項2記載の発明では、分岐手段が1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する。この分岐された一方の分岐後クロックは運用系のクロック分配装置に入力されて、ここで分岐後クロックが断となるかの監視が行われる。監視結果としてその分岐後クロックの断が発生していないときには、出力選択スイッチ手段から外部のクロック伝達用のラインにこれを出力するようにする。断が発生した場合には後に説明するようにクロック伝達用のラインからの出力を取り止めて予備系との切り替えが行われる。分岐された他方の分岐後クロックは予備系のクロック分配装置に入力されて同様の処理が行われる。分岐後クロックが断となるかの監視を行うために、これら運用系および予備系のクロック分配装置は共通して次のような手段を備えている。まず、分岐手段に入力するクロックと同一周波数で同一位相のクロックを発生させる監視用クロック発生手段を備えている。これによって、分岐後クロックが断になったときも独自のクロックを用いてこれを信頼性高く検出することができる。次に、この監視用クロック発生手段の発生させた監視用クロックを所定の倍率に逓倍して周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段を備えている。分岐手段に入力するクロックを複数倍したクロックとしての複数倍クロックを作成することで、その複数倍クロックの倍率の分だけ精度を上げて分岐後クロックの断を検出できる。すなわち断検出手段は、分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出することになる。また、請求項2記載の発明では分岐後クロックのエッジを検出するエッジ検出手段を備えている。これは、一方の系における分岐後クロックに断が発生して他方の系に切り替えるとき、エッジの箇所で分岐後クロックの出力を開始させると外部のクロック伝達用のラインを経てこの分岐後クロックの供給を受ける回路装置等の回路動作に不都合を発生させる場合があるため、これを避けるためである。また、障害時対応手段は、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したとき他系に運用の切り替えを指示すると共に出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させることになる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載のクロック分配システムで、断検出手段は、複数倍クロックを前記した所定の個数の上限値としてカウントする基準カウンタと、分岐後クロックが所定の論理レベルとなっているとき複数倍クロックをカウントする状態検出カウンタと、これら基準カウンタおよび状態検出カウンタのカウント値を比較してこれらの値が不一致となったときこの分岐後クロックが断となったことを検出した比較結果信号を出力すると共にセット信号を出力するカウンタ比較手段とを分岐後クロックのハイレベル時の断検出用とローレベル時の断検出用の2つの論理レベル用に個別に配置しており、セット信号が一方の断検出用のカウンタ比較手段から出力されたとき他方の断検出用の基準カウンタと状態検出カウンタに同一の値の初期値をロードすることを特徴としている。
【0015】
すなわち請求項3記載の発明では、断検出手段は、分岐後クロックのハイレベルの状態と論理レベルの状態がそれぞれ正常な時間長となっているかを判別する2系統の回路構成となっている。これらは一方の論理レベルの状態からの検出の切り替えを示すセット信号によってたとえば値“0”を初期値としてロードする基準カウンタと状態検出カウンタの2種類のカウンタを備えている。これらのカウンタは共に分岐後クロックの周波数を複数倍した複数倍クロックをカウントする点で一致するが、前者はカウント値が所定の個数の上限値として設定されている(ただし、ハイレベルとローレベルのそれぞれでこの上限値が異なっていてもよい)のに対して後者の場合にはそれよりも大きな値までカウントできる点が異なっている。また、後者の状態検出カウンタはハイレベル時の断検出用の場合には分岐後クロックがハイレベルであることがカウントの条件であり、ローレベル時の断検出用の場合には分岐後クロックがローレベルであることがカウントの条件となっている。このような回路構成を採ることで、一方の論理レベルの信号状態が分岐後クロックの半周期よりも長くなったときこれを他方の断検出用の回路部分を使用して検出することができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項3記載のクロック分配システムで、断検出手段は、比較結果信号の供給を受け、同一の論理レベルの断検出用に設けられた状態検出カウンタのカウント値が前記した所定の個数の上限値に到達した時を待って分岐後クロックの断が発生したことを他系に通知するための断信号を出力する比較保持手段を更に具備することを特徴としている。
【0017】
すなわち請求項4記載の発明では、ノイズ等の発生により比較結果が一時的に不一致となったときでも、予め定めた上限値に到達するまでは断の通知を出力するのを待って、システムの安定化を図っている。
【0018】
請求項5記載の発明では、請求項1または請求項2記載のクロック分配システムで、一方の系の分岐後クロックの断が検出された状態で他系の分岐後クロックが断となっているときには両系の出力選択スイッチ手段を遮断状態にする両系断時制御手段を具備することを特徴とすることを特徴としている。
【0019】
すなわち請求項5記載の発明では、分岐前のクロックそのものが断となっているように両系の分岐後クロックに障害があるときは、両系の出力選択スイッチ手段を交互にオン・オフするチャタリングの現象を防止するようにしている。
【0020】
請求項6記載の発明では、請求項2記載のクロック分配システムで、監視用クロック発生手段はPLL回路で構成されていることを特徴としている。
【0021】
すなわち請求項6記載の発明では、PLL回路を用いることで分岐後クロックと周波数および位相を精度良く合わせることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施例におけるクロック分配システムの全体的な構成を示したものである。クロック分配システム100は、システムクロックを生成するシステムクロック生成器101と、このシステムクロック生成器101で生成したシステムクロック102を装置間インタフェース103を介して受け取る運用系クロック分配装置106ならびに予備系クロック分配装置107と、これら冗長構成のクロック分配装置106、107のいずれか一方から出力されるシステムクロック108(109)を複数の装置ユニット111〜111に分配するシステムクロックライン112から構成されている。システムクロックライン112の終端はプルダウン抵抗113によって接地されている。本実施例のクロック分配システムでは、運用状態で運用系クロック分配装置106からシステムクロックライン112へシステムクロック108が供給される。何らかの障害の発生によってシステムクロック108が断となると、即座に予備系クロック分配装置107への切り替えが行われる。
【0025】
図2は、運用系クロック分配装置および予備系クロック分配装置の回路構成を具体的に表わしたものである。運用系クロック分配装置106と、予備系クロック分配装置107は同一の回路構成となっている。予備系クロック分配装置107内の符号Yを付加した各回路および信号は運用系クロック分配装置106内の符号Uを付加した各回路および信号と同一であり、これらの説明を適宜省略する。
【0026】
運用系クロック分配装置106は、装置間インタフェース103からシステムクロック102(図1)の供給を受ける低電圧差動信号インタフェースとしてのLVDS(Low Voltage Differencial Signaling)レシーバ122Uを備えている。LVDSレシーバ122Uの出力ライン123Uは、システムクロックの断を検出する断検出回路124Uと、システムクロックのエッジを検出するエッジ検出回路125Uおよびシステムクロックライン112に運用系のシステムクロック108を出力するためのバッファ126Uに接続されている。
【0027】
運用系クロック分配装置106は、PLL(Phase Locked Loop)回路127Uを備えており、システムクロック102に位相が同期した内部クロック128Uを生成するようになっている。PLL回路127Uは、同期外れ時に自走モードに遷移して、この場合にはシステムクロック102と同周期のクロックを生成する。PLL回路127Uから出力される内部クロック128Uは、逓倍器129Uに入力されてn倍(ただしnは正の整数)に逓倍され、そのn倍クロック131Uも断検出回路124Uに入力するようになっている。断検出回路124Uはn倍クロック131Uと、出力ライン123Uから出力されるシステムクロック132Uの供給を受けて、システムクロック132Uの断を検出し、その検出結果としての断信号134Uを、バッファ126Uの制御を行うバッファ制御回路135Uに供給するようになっている。断の検出までの時間間隔を示す検出クロック数は、逓倍数nよりも小さな所定の正の整数である。バッファ制御回路135Uはエッジ検出回路125Uと共にバッファ制御部136Uを構成している。
【0028】
バッファ制御回路135Uには、障害時に運用状態通知部137Uから障害信号138Uが供給されるようになっている。すなわち、運用状態通知部137Uは自系(ここでは運用系クロック分配装置106)の運用状態を管理し、自系に障害が発生した場合には障害信号138Uをバッファ制御回路135Uに供給する。バッファ制御回路135Uは障害信号138Uを入力すると、バッファ制御信号141Uをオフ状態にしてバッファ126Uを閉じ、システムクロック108がシステムクロックライン112に出力されないようにする。また、運用系のバッファ制御回路135Uと予備系のバッファ制御回路135Yはたすき掛けに障害通知信号142U、142Yを入出力するようになっている。たとえば運用系のバッファ制御回路135Uが障害信号138Uを入力した場合には障害通知信号142Uが予備系のバッファ制御回路135Yに通知されるようになっている。予備系のバッファ制御回路135Yはこれを基にして、バッファ制御信号141Yをオン状態にしてバッファ126Yを開きシステムクロック109がシステムクロックライン112に出力されるようにする。
【0029】
一方、エッジ検出回路125Uはシステムクロック132Uの立ち下がりおよび立ち上がり双方のエッジの検出を行うようになっている。検出したそれぞれのエッジ情報143Uは、バッファ制御回路135Uに入力される。ただし、たとえば運用系でシステムクロック132Uが断となっている状態では予備系のエッジ検出回路125Yのみが動作する。このとき、エッジ情報143Yは予備系のバッファ制御回路135Yに入力されることになる。したがって、この場合は運用系のエッジ情報143Uによるバッファ126Uの制御についての動作は行われない。
【0030】
予備系のバッファ制御回路135Yでは、運用系からの障害通知信号142Uを用いて、予備系を通過するシステムクロック132Yが断となっておらず、かつ障害状態が発生していなければ、エッジ情報143Yを用いて、クロックの立ち上がりあるいは立ち下がり以外の安定した論理レベルの位置でバッファ126Yを開くことになる。
【0031】
本実施例のクロック分配システム100では、システム上の位相のずれの許容値を基にして予め逓倍器129Uでn倍クロック131Uの倍率を設定するようにしている。したがって、システムクロックライン112では、無瞬断あるいは許容範囲内でシステムクロック132Uの切り替えが可能になる。このため、システムクロック132Uの立ち上がりのエッジに同期して動作し、図示しない回路ユニットに影響を生じさせないクロック分配システム100が実現することになる。
【0032】
図3は、図2に示した運用系の断検出回路の具体的な構成を表わしたものである。予備系の断検出回路124Yも運用系の断検出回路124Uと同一構成であるので、予備系の断検出回路124Yの図示および説明は省略する。断検出回路124Uは、システムクロック132Uがハイ(Hight)レベルとなる区間の状態を検出するハイレベル区間状態検出回路161Uと、システムクロック132Uがロー(Low)レベルとなる区間の状態を検出するローレベル区間状態検出回路162Uと、断信号134Uを出力する断信号出力部163Uから構成されている。
【0033】
ハイレベル区間状態検出回路161Uとローレベル区間状態検出回路162Uには、システムクロック132Uと、図2に示した逓倍器129Uから出力されるn倍クロック131Uが共に供給されるようになっている。また、ハイレベル区間状態検出回路161Uには任意に設定された検出パルス数を表わした検出パルス数情報165Uが、更にローレベル区間状態検出回路162Uには同じく任意に設定された検出パルス数を表わした検出パルス数情報166Uがそれぞれ入力されている。ここでは、これらの検出パルス数をx、y(ただし値x、yは共に整数nよりも大きな正の整数。)として説明する。また、ハイレベル区間状態検出回路161Uは、自分の回路が検出パルス数xを検出した状態で他方のローレベル区間状態検出回路162Uをセットするためのセット信号167Uを出力するようになっている。ローレベル区間状態検出回路162Uは、自分の回路が検出パルス数yを検出した状態で他方のハイレベル区間状態検出回路161Uをセットするためのセット信号168Uを出力するようになっている。
【0034】
さて、ハイレベル区間状態検出回路161Uは、内蔵の図示しないカウンタでシステムクロック132Uのハイレベルとなっている区間をn倍クロック131Uでカウントし、これがx個に到達しないでローレベルに変化した際にはこれを正常として、そのカウント値をリセットして次のカウント動作を待機する。一方、システムクロック132Uのハイレベルとなっている区間でn倍クロック131Uをx個よりも多くカウントしたら、システムクロック132Uに何らかの障害があり立ち下がりまでの時間が遅延していることになる。そこでこの場合には、セット信号167Uでローレベル区間状態検出回路162Uをセットするようになっている。
【0035】
ローレベル区間状態検出回路162Uも同様である。すなわち、ローレベル区間状態検出回路162Uは、内蔵の図示しないカウンタでシステムクロック132Uのローレベルとなっている区間をn倍クロック131Uでカウントし、これがy個に到達しないでハイレベルに変化した際にはこれを正常として、そのカウント値をリセットして次のカウント動作を待機する。一方、システムクロック132Uのローレベルとなっている区間でn倍クロック131Uをy個よりも多くカウントしたら、何らかの障害が発生したものとして、セット信号168Uでハイレベル区間状態検出回路161Uをセットする。
【0036】
ところで、ハイレベル区間状態検出回路161Uがシステムクロック132Uのハイレベルとなっている区間でn倍クロック131Uをx個カウントし、これを基にセット信号167Uでローレベル区間状態検出回路162Uをセットしたとする。この場合、ローレベル区間状態検出回路162Uはこの時点でシステムクロック132Uの断検出を開始する。このようにハイレベル区間状態検出回路161Uとローレベル区間状態検出回路162Uの一方のみがシステムクロック132Uの断検出を監視する状態にある。この断検出を監視する状態となった方がシステムクロック132Uの断の検出を行うと、他方の回路がその時点からシステムクロック132Uの断検出を可能にする。
【0037】
断信号出力部163Uは、ハイレベル区間状態検出回路161Uとローレベル区間状態検出回路162Uの双方から断検出に基づいた断通知171U、172Uを入力するようになっている。そして、断通知171U、172Uのいずれかが断信号出力部163Uに入力された場合には、断信号134Uをバッファ制御回路135U(図2)に供給するようになっている。
【0038】
図4は、図3に示したハイレベル状態検出回路の構成を具体的に表わしたものである。ローレベル区間状態検出回路162Uの構造もハイレベル区間状態検出回路161Uと基本的に同一である。したがって、ここではローレベル区間状態検出回路162Uの図示および説明を省略し、ハイレベル区間状態検出回路161Uについてのみ具体的な説明を行う。
【0039】
ハイレベル区間状態検出回路161Uは、図3に示したローレベル区間状態検出回路162Uから出力されるセット信号168Uを共に入力する基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uを備えている。また、これら基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uの出力するカウント値193U、194Uを入力して比較するカウンタ比較回路195Uと、このカウンタ比較回路195Uの比較結果を表わした比較結果信号196Uを入力端子Dに入力して保持するフリップフロップ回路からなる比較保持回路197Uとを備えている。比較結果信号196Uは、比較結果が一致したか一致しないかを示す信号である。比較保持回路197Uのクロック入力端子CLKには、カウンタ比較回路U195からn倍クロック131Uをx個カウントした時点(ローレベル区間状態検出回路162Uの場合にはn倍クロック131Uをy個カウントした時点)に、保持の開放を指示する保持開放信号198Uが入力されるようになっている。比較保持回路197Uの出力端子Qからは断通知171Uが出力され、図3に示したローレベル区間状態検出回路162Uから出力される断通知172Uと共に断信号出力部163Uに入力されることになる。また、カウンタ比較回路195Uからは図3に示したローレベル区間状態検出回路162Uに送出されるセット信号167Uが出力されるようになっている。x個あるいはy個の値は値設定情報199Uとしてカウンタ比較回路195Uに予め入力されるようになっている。
【0040】
ところで、図4における基準カウンタ191Uと状態検出カウンタ192Uの双方のクロック入力端子CLKには、共にn倍クロック131Uが入力されるようになっている。また、状態検出カウンタ192Uのイネーブル端子Enableには、システムクロック132Uが入力されるようになっている。基準カウンタ191Uはセット信号168Uがセットされた状態でカウントを行い、検出パルス数xまでカウントするとそれ以上のカウントは行わない。これに対して状態検出カウンタ192Uの方はシステムクロックがハイレベルとなっており、かつセット信号168Uがセットされた状態でカウントを行う。なお、図4はハイレベル区間状態検出回路161Uの場合を示しているが、図示しないローレベル区間状態検出回路162Uの場合、その状態検出カウンタ192Uはセット信号167Uがセットされ、かつシステムクロック132Uがローレベルの状態でカウントを行うことになる。また、ローレベル区間状態検出回路162U内の状態検出カウンタ192Uの場合には上限のカウント値としての検出パルス数はyとなる。
【0041】
したがって、この図4に示したハイレベル区間状態検出回路161Uの場合には、セット信号168Uがセットされ、システムクロック132Uがハイレベルとなると、n倍クロック131Uが1クロックずつ立ち上がるたびに基準カウンタ191Uと状態検出カウンタ192が共に同一のタイミングでカウント値を“0”から1ずつカウントアップさせる。このため、システムクロック132Uがローレベルに変化するまでは基準カウンタ191と状態検出カウンタ192のカウント値193U、194Uは共に同じ値を保つようにして1ずつカウントアップしていく。そして、ある時点でシステムクロック132Uがローレベルに変化すると基準カウンタ191Uのカウント値のみがこれ以後カウントアップを停止させるので、カウンタ比較回路195Uが両者の不一致を検出し、この段階で不一致を示す比較結果信号196Uがカウンタ比較回路195Uから出力されることになる。
【0042】
図5は、基準カウンタと状態検出カウンタによるシステムクロックの監視の様子の一例を示したものである。図1に示した運用系クロック分配装置106がシステムクロック108をシステムクロックライン112に供給している運用状態で、システムクロック生成器101(図1)からシステムクロック102が出力されたとする。このシステムクロック102は運用系クロック分配装置106に供給され、LVDSレシーバ122Uを経てシステムクロック132Uとなる。このシステムクロック132Uが、図5(a)に示すように時刻tから時刻tまでハイレベル(“H”)の状態に保持され、その後、時刻tまでローレベル(“L”)に保持されたとする。同図(b)はn倍クロック131Uの変化の状態を表わしている。また、同図(c)は図3に示したハイレベル区間状態検出回路161Uの状態を示しており、その上側の部分がハイレベル区間状態検出回路161U内の基準カウンタ191Uのカウントの値の変化の様子を表わしており、下側の部分がハイレベル区間状態検出回路161U内の状態検出カウンタ192Uのカウント値の変化の様子を表わしている。
【0043】
同図(b)に示すようにn倍クロック131Uが立ち上がるたびに基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uは値“0”からカウント値を1つずつカウントアップさせる。これらのカウント値193U、194Uは基準カウンタ191Uのカウント値193Uがハイレベル区間状態検出回路161Uの検出パルス数“x”に到達するまで互いに等しい値を維持して増加していく。したがって、カウント値194Uが値“x”に到達するまでカウンタ比較回路195Uは一致を検出することになり、この場合、ハイレベル区間状態検出回路161Uからそれまでの間にセット信号167Uが出力されることはない。
【0044】
この図5ではシステムクロック132Uのハイレベルの状態が通常のクロック周期の半周期分よりも長い時間継続し、状態検出カウンタ192Uがカウント値194Uとして値“x”をカウントした時点としての時刻tにローレベルに変化している。このとき基準カウンタ191Uのカウント値193も値“x”である。そこで図4に示したカウンタ比較回路195Uは一致を検出した状態のままである。カウント値194が値“x”を超える前にシステムクロック132Uが許容誤差の範囲内でローレベルに変化したので、このタイミングで図5の矢印で示すようにカウント値のリセット201が行われ、基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uのカウント値が共に“0”にセットされる。そして、図5(d)に示すように時刻t以後はシステムクロック132Uのローレベルの継続時間の監視が開始される。
【0045】
この図5に示した例では、システムクロック132Uのローレベルの状態が通常のクロック周期の半周期分よりも長い時間継続し、状態検出カウンタ192Uがカウント値194Uとして値“y”をカウントした時点としての時刻tにハイレベルに変化している。したがって、システムクロック132Uの立ち上がりのこの時刻tに同様にカウント値のリセット201が行われ、基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192のカウント値が共に“0”にセットされる。そして、図5(c)に示すように時刻t以後はシステムクロック132Uのハイレベルの継続時間の監視が開始されることになる。
【0046】
次に図6を使用して、システムクロックがハイレベルの状態のときに断となってローレベルに固まった場合の断検出の様子を説明する。同図(a)に示すように時刻tに運用系内でシステムクロック132Uが立ち上がり、これが本来の立ち下がりのタイミングよりも早い時刻tに障害によって断となっている。これによって、システムクロック132Uの出力レベルはローレベルの状態のままとなっている。
【0047】
同図(b)はn倍クロック131Uの変化を示しており、波形の一部に示した矢印は基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uのカウントのためのタイミング(波形の立ち上がり)を示している。時刻tにシステムクロック132Uがハイレベルとなったので、図3に示すハイレベル区間状態検出回路161Uがこのハイレベルの区間の監視を行う。そこで時刻t以降に、同図(c)に示す状態検出カウンタ192U(図4)がシステムクロック132Uがハイレベルの状態のときに限ってn倍クロック131Uの立ち上がりをカウントし、同図(d)に示す基準カウンタ191U(図4)がn倍クロック131Uの立ち上がりをカウントする。後者のカウントはシステムクロック132Uがローレベルに変化しても継続するが、その上限値は値xである。
【0048】
時刻t以降に状態検出カウンタ192Uおよび基準カウンタ191Uが同一タイミングでカウントアップしながらそれからのカウント値193U、194Uを図4に示すカウンタ比較回路195Uに出力する。図6に示した例では時刻tにシステムクロック132Uがローレベルとなるので、同図(c)に示す状態検出カウンタ192Uのカウント値は値“4”で停止する。これに対して同図(d)に示す基準カウンタ191Uのカウント値はn倍クロック131Uの次の立ち上がりでカウント値をカウントアップして値“5”となる。この時刻tに図4に示したカウンタ比較回路195Uはカウント値の不一致を検出して比較結果信号196Uを図4に示す比較保持回路197Uの入力端子Dに供給する。
【0049】
しかしながら、この不一致を示す比較結果信号196Uがシステムクロック132Uのノイズ等の原因で一時的に発生している可能性がある。そこで比較保持回路197Uは不一致を検出した比較結果信号196Uが入力されたことをもって時刻tに直ちに断通知171Uを出力するのではなく、保持開放信号198Uをクロック入力として、この保持開放信号198Uの立ち上がったタイミングで不一致を検出した比較結果信号196Uを保持して断通知171Uを出力するようにしている。
【0050】
図6(e)は断信号が発生してから断通知が出力されるタイミングを表わしている。時刻tに不一致を検出した比較結果信号196Uが出力された後も基準カウンタ191Uのカウント値はn倍クロック131Uの立ち上がりのたびにカウントアップされていく。この間、時刻t以降はカウンタ比較回路195Uがカウント値の不一致を検出し続ける。このようにして基準カウンタ191Uのカウント値が値“x”に到達するまでの時間が「断通知待ち」の余裕時間となる。
【0051】
基準カウンタ191Uのカウント値が値“x”に到達すると、図4におけるカウンタ比較回路195Uから保持開放信号198Uが比較保持回路197Uにクロック入力CLKとして入力され、不一致を検出した比較結果信号196Uが保持されて出力端子Qから断通知171Uが出力される。これにより、図3に示す断信号出力部163Uが断信号134Uを、バッファ126U(図2)の制御を行うバッファ制御回路135Uに供給することになる。図2に示すバッファ制御回路135Uは障害通知信号142Uを予備系のバッファ制御回路135Yに通知し、予備系のバッファ制御回路135Yはこれを基にして、バッファ制御信号141Yをオン状態にしてバッファ126Yを開く。これにより、運用系の断となったシステムクロック108に代わって予備系のシステムクロック109がシステムクロックライン112に出力されることになる。
【0052】
次に図7を使用して、システムクロックがハイレベルの状態のときにその状態で固まった場合の断検出の様子を説明する。この図の上半分の部分は図3におけるハイレベル区間状態検出回路161Uの動作を説明するためのものであり、下半分の部分はローレベル区間状態検出回路162Uの動作を説明するためのものである。同図(a)はシステムクロックの状態変化を示しており、時刻tに運用系内でシステムクロック132Uが立ち上がり、これが何らかの原因でこの信号レベルに保持された状態を示している。
【0053】
同図(b)はn倍クロック131Uの変化を示しており、波形の一部に示した矢印は基準カウンタ191Uおよび状態検出カウンタ192Uのカウントのためのタイミング(波形の立ち上がり)を示している。同図(c)は状態検出カウンタ192U(図4)のカウント値の変化の様子を表わしており、同図(d)は基準カウンタ191U(図4)のカウント値の変化の様子を表わしている。状態検出カウンタ192Uと基準カウンタ191Uはシステムクロック132Uが立ち上がった時刻tからn倍クロック131Uの立ち上がるたびにカウントアップを行い、時刻tの直前にそれぞれが値xをカウントするまで常に同じカウント値が、図4に示すカウンタ比較回路195Uに供給される。したがって、この時点までカウンタ比較回路195Uが不一致を検出することはない。同図(c)と(d)の間に示した矢印は状態検出カウンタ192Uと基準カウンタ191Uのカウント値の比較処理を示している。
【0054】
時刻tの直前で状態検出カウンタ192Uと基準カウンタ191Uのカウント値が共に値xとなると、システムクロック132Uに何らかの障害が発生した可能性がある。そこで既に説明したように図3に示すセット信号167Uでローレベル区間状態検出回路162Uがセットされる。これにより、システムクロック132Uの監視制御は図3に示すローレベル区間状態検出回路162Uに切り替わる。
【0055】
図7(e)は、ローレベル区間状態検出回路162Uにおける状態検出カウンタ192U(図4参照)のカウント値の変化の様子を表わしており、同図(f)は基準カウンタ191U(図4参照)のカウント値の変化の様子を表わしている。状態検出カウンタ192Uの方はローレベル区間状態検出回路162Uなのでシステムクロック132Uがローレベルでカウントを行うイネーブルな状態となる。図7(a)に示すようにシステムクロック132Uはハイレベルのままなので状態検出カウンタ192Uのカウント値は“0”のままに保持されている。これに対して、同図(f)に示す基準カウンタ191Uはローレベル区間状態検出回路162Uがセットされた以後はn倍クロック131Uによって1つずつその値をカウントアップする。この結果として、カウンタ比較回路195Uは基準カウンタ191Uがカウント値“1”をカウントした時点で不一致を検出する。この場合には、同図(d)で時刻tの直前にカウント値が値xに到達し、この時点で保持開放信号198Uが出力されている。そこで、同図(g)に示すように時刻tのすぐ後に断通知171Uが出されることになる。
【0056】
このようにシステムクロック132Uがハイレベルのまま保持されてしまった場合も、あるいはハイレベルの状態で断となってローレベルに保持されてしまった場合も、断通知171Uが出力されて、結果的に、運用系の断となったシステムクロック108に代わって予備系のシステムクロック109がシステムクロックライン112に出力されることになる。
【0057】
図8および図9は以上説明した本実施例のクロック分配システムでシステムクロックの断を検出した場合およびこれに伴う処理の流れを表わしたものである。ここでは運用系について説明を行う。まず、図2に示す運用系クロック分配装置106では、システムクロック102と同周期で同位相の内部クロック128Uを生成する(図8ステップS301)。そして、この内部クロック128Uをn逓倍したn倍クロック131Uを生成する(ステップS302)。そして、このn倍クロック131Uを使用してシステムクロック132Uの断検出を開始する(ステップS303)。
【0058】
この検出の過程で、図4に示す基準カウンタ191Uはn倍クロック131Uでカウントアップを行い、カウント値をカウンタ比較回路195Uへ出力する(ステップS304)。状態検出カウンタ192Uの方はn倍クロック131Uで同様にカウントアップし、カウント値をカウンタ比較回路195Uへ出力する(ステップS305)。カウンタ比較回路195Uはこれらのカウント値を比較し(ステップS306)、カウント値が一致していれば(ステップS307:Y)、ステップ304に戻って監視を続ける。カウント値が一致しない場合には(ステップS307:N)、システムクロック132Uの断と判断して断信号を出力する(ステップS308)。
【0059】
現在、運用系の断検出が行われたので、この断信号によって運用系からシステムクロック108(図2)がシステムクロックライン112(図2)に供給されるのを停止させるため、バッファ126U(図2)を閉じる(図9ステップS309)。そして、予備系のバッファ制御回路135Yに運用系のシステムクロック132Uが断であることを通知する(ステップS310)。このとき、予備系のシステムクロック132Yが断の状態となっているか、あるいは予備系クロック分配装置107自体に障害が発生しているかどうかの判別が行われる(ステップS311)。予備系への切り替えにこのような障害があるとされない場合には(N)、予備系のシステムクロック132Yのエッジの位置を避けたタイミングで(ステップS312:N)、図2に示した予備系のバッファ126Yを開く(ステップS313)。そして、システムクロック109をシステムクロックライン112に出力することになる。これにより、システムクロック109への切り替えが終了する(ステップS314)。
【0060】
一方、ステップS311で予備系のシステムクロック132Yが断の状態となっているか、あるいは予備系クロック分配装置107自体に障害が発生していると判別された場合には(Y)、予備系のバッファ126Yを開くことなく、両系のシステムクロック132U、132Yを断とする(ステップS315)。
【0061】
なお、以上説明した実施例では運用系クロック分配装置106および予備系クロック分配装置107内にシステムクロック102と同一周波数で同一位相の内部クロック128を生成するためにPLL回路127を使用したが、他のクロック発生器を使用してもよい。また、PLL回路127を両系で兼用することも場合により可能である。更に実施例ではPLL回路127とその出力の内部クロック128をn逓倍する逓倍器129を使用したが、PLL回路127の出力自体をシステムクロック102に対してn逓倍したものとすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1および請求項2記載の発明によれば、1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐し、それぞれの系統のクロック分配装置内で分岐後クロックの断の監視その半周期を基準として行って、断が検出されたとき即座に他系の分岐後クロックを外部のクロック伝達用のラインに出力するようにしたので、クロックの断が発生したときに出力側に無瞬断あるいはシステムが許容する位相差内で分岐後クロックを供給することができる。
【0063】
更に請求項2記載の発明によれば、分岐後クロックのエッジを検出するエッジ検出手段を備えているので、分岐後クロックのエッジの部分を避けて出力を切り替えることができ、同時に2クロック分のクロックパルスの立ち上がりが発生する等の不都合を解消させることができる。
【0064】
更に請求項3記載の発明によれば、断検出手段が分岐後クロックのハイレベルとローレベルの各信号状態を監視する回路部分を設けこれを適宜切り替えて監視を行うようにしているので、監視の信頼性と断検出の迅速化を可能にすることができる。
【0065】
更に請求項4記載の発明によれば、請求項3記載のクロック分配システムで、断検出手段は、比較結果信号の供給を受け、同一の論理レベルの断検出用に設けられた状態検出カウンタのカウント値が前記した所定の個数の上限値に到達した時を待って分岐後クロックの断が発生したことを他系に通知することにしたので、ノイズ等の発生により比較結果が一時的に不一致となったときでも、予め定めた上限値に到達するまでは断の通知を出力するのを待って、システムの安定化を図ることができる。
【0066】
更に請求項5記載の発明によれば、分岐前のクロックそのものが断となっているように両系の分岐後クロックに障害があるときは、両系の出力選択スイッチ手段を交互にオン・オフするチャタリングの現象を防止することができる。
【0067】
更に請求項6記載の発明によれば、監視用クロック発生手段をPLL回路で構成したので、分岐後クロックと周波数および位相を精度良く合わせることができるだけでなく、システムクロック等の元となるクロックの周波数が変更された場合でもこれに適応させることができ、汎用性の高いクロック分配システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるクロック分配システムの全体的な構成を示したシステム構成図である。
【図2】本実施例の運用系クロック分配装置および予備系クロック分配装置の回路構成を具体的に表わしたブロック図である。
【図3】図2に示した運用系の断検出回路の具体的な構成を表わしたブロック図である。
【図4】図3に示したハイレベル状態検出回路の構成を具体的に表わしたブロック図である。
【図5】本実施例で基準カウンタと状態検出カウンタによるシステムクロックの監視の様子の一例を示したタイミング図である。
【図6】本実施例でシステムクロックがハイレベルの状態のときに断となってローレベルに固まった場合の断検出の様子を示したタイミング図である。
【図7】本実施例でシステムクロックがハイレベルの状態のときにその状態で固まった場合の断検出の様子を示したタイミング図である。
【図8】本実施例で運用系がシステムクロックの断を検出してその断信号を出力するまでの流れを示した流れ図である。
【図9】本実施例で運用系が断信号を出力してからシステムクロックの断信号が出力されるまでの流れを示した流れ図である。
【図10】システムクロックの抜けについての問題を解決する従来の提案を示したブロック図である。
【符号の説明】
100 クロック分配システム
102 システムクロック
106 運用系クロック分配装置
107 予備系クロック分配装置
111 装置ユニット
108、109、132U、132Y システムクロック(分岐後クロック)
124 断検出回路
127 PLL回路
129 逓倍器
131 n倍クロック(複数倍クロック)
134 断信号
141 バッファ制御信号
161U ハイレベル区間状態検出回路
162U ローレベル区間状態検出回路
163U 断信号出力部

Claims (6)

  1. 1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する分岐手段と、
    この分岐手段によって分岐された一方の分岐後クロックを入力しこれを外部のクロック伝達用のラインに出力するか否かを選択する出力選択スイッチ手段と、前記分岐手段に入力するクロックと同一周波数のクロックの周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段と、前記分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出する断検出手段と、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したとき他系に運用の切り替えを指示すると共に前記出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき前記出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させる障害時対応手段とをそれぞれ備えた運用系および予備系のクロック分配装置
    とを具備することを特徴とするクロック分配システム。
  2. 1つのクロック発生源から出力されるクロックを2系統に分岐する分岐手段と、
    この分岐手段によって分岐された一方の分岐後クロックを入力しこれを外部のクロック伝達用のラインに出力するか否かを選択する出力選択スイッチ手段と、前記分岐手段に入力するクロックと同一周波数で同一位相のクロックを発生させる監視用クロック発生手段と、この監視用クロック発生手段の発生させた監視用クロックを所定の倍率に逓倍して周波数を複数倍した複数倍クロックを生成する複数倍クロック生成手段と、前記分岐後クロックと複数倍クロックを入力して分岐後クロックの半周期に相当する数よりも多い所定の個数の複数倍クロックをカウントする間、分岐後クロックの信号レベルが変化しないときその分岐後クロックの断を検出する断検出手段と、前記分岐後クロックのエッジを検出するエッジ検出手段と、自系が運用状態で断検出手段が断を検出したときエッジ検出手段の検出したエッジを避けるタイミングで他系に運用の切り替えを指示すると共に前記出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を停止させ、また自系が予備状態で他系から運用の切り替えの指示があったとき前記出力選択スイッチ手段に対して分岐後クロックの出力を開始させる障害時対応手段とをそれぞれ備えた運用系および予備系のクロック分配装置
    とを具備することを特徴とするクロック分配システム。
  3. 前記断検出手段は、前記複数倍クロックを前記所定の個数の上限値としてカウントする基準カウンタと、前記分岐後クロックが所定の論理レベルとなっているとき前記複数倍クロックをカウントする状態検出カウンタと、これら基準カウンタおよび状態検出カウンタのカウント値を比較してこれらの値が不一致となったときこの前記分岐後クロックが断となったことを検出した比較結果信号を出力すると共にセット信号を出力するカウンタ比較手段とを前記分岐後クロックのハイレベル時の断検出用とローレベル時の断検出用の2つの論理レベル用に個別に配置しており、前記セット信号が一方の断検出用のカウンタ比較手段から出力されたとき他方の断検出用の前記基準カウンタと状態検出カウンタに同一の値の初期値をロードすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のクロック分配システム。
  4. 前記断検出手段は、前記比較結果信号の供給を受け、同一の論理レベルの断検出用に設けられた前記状態検出カウンタのカウント値が前記所定の個数の上限値に到達した時を待って前記分岐後クロックの断が発生したことを他系に通知するための断信号を出力する比較保持手段を更に具備することを特徴とする請求項3記載のクロック分配システム。
  5. 一方の系の前記分岐後クロックの断が検出された状態で他系の前記分岐後クロックが断となっているときには両系の前記出力選択スイッチ手段を遮断状態にする両系断時制御手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のクロック分配システム。
  6. 前記監視用クロック発生手段はPLL回路で構成されていることを特徴とする請求項2記載のクロック分配システム。
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