JP2004186904A - クロック切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クロックを一方の系から他方の系に切り替える際にクロックの供給を受ける回路装置に悪影響を与える瞬断が生じることのないクロック切替装置を得ること。
【解決手段】現用系の第1のクロック供給機能部211内の他系状態監視部232にシステムクロックの切り替えのために第1の切替信号216が入力されると、クロック切替信号245が出力される。システムクロック218はクロック断検出部233で断が検出されるとそのクロックがクロック断マスク部234でマスク処理されクロックローポイント検出部239でプルダウン抵抗に応じた側の論理レベルに各クロックが一致した時点が検出され、切替タイミング生成部242で系の切替タイミングが生成されて、状態制御部249と予備系側に通知される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はたとえばシステムクロックを断の発生時に運用系から予備系に切り替える場合に好適なクロック切替装置に係わり、特に回路ユニット等を備えた回路装置にクロックの切り替えの時点で不具合を生じさせないようにしたクロック切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子交換機のように複数の回路ユニットを備えた回路装置では、これらの回路ユニット(以下、単にユニットという。)に対して共通したシステムクロック等のクロックを供給する必要のあることが多い。このような回路装置の中でクロックの供給について信頼性を要求される場合には、その供給経路について現用系と予備系の2系統を備える場合がある。現用系について何らかの異常が発生した際にはクロックを予備系から代わって供給するためである。
【0003】
ところで、2系統のクロックのうちの一方の系統のクロックの発生手段から出力されるクロックに断が発生したとし、その出力が立ち上がったまま、あるいは立ち下がったままの状態になるものとする。このような断を検出するためには断が発生した事実を確認するだけの時間が必要である。したがって、断が断検出回路によって実際に検出された時点で、一方の系統のクロックの発生手段から他方のクロック発生手段にクロックの発生を切り替えたとすると、断が発生してから実際の切り替えが行われるまでの時間だけクロックの“歯抜け”が発生してしまう。このような現象が発生すると、クロックに同期して信号の再生を行うような回路装置で誤動作が発生する。
【0004】
そこで特開平05−235887号公報では、現用系と予備系のそれぞれについて独自に用意されたクロック発生手段から出力されるクロックをそれぞれ遅延回路を通して遅延させて供給先に供給するようにする一方で、遅延前のクロックを断検出回路に供給するようにしている。そして、断検出回路がたとえば現用系について断の検出を行ったら、その時点でまだ遅延回路が断発生前の現用系のクロックを出力しているようにして、クロックの“歯抜け”が所定の回路装置に供給される前に現用系から予備系へクロックの切り替えを行うことで、これらの回路装置で不具合が発生するのを防止している。
【0005】
一方、このような従来のクロック切替装置を使用すると、系統の異なるクロック同士の同期あるいはクロックの遅延量が異なる等の原因によって、クロックの切替時に短い周期のパルスが発生し、回路装置に供給される可能性がある。このようなパルスが一時的に供給される現象はハザードと呼ばれている。
【0006】
図8は、クロック切替時のハザードを防止する従来提案されたクロック切替装置を示したものである。このクロック切替装置100で0系のクロック101と1系のクロック102は共に第1のセレクタ103と第2のセレクタ104ならびにアンド回路105に入力されるようになっている。第1のセレクタ103はその出力端子106に切り替え後のクロック107を出力するための選択回路である。第2のセレクタ104は、リタイミングのための選択回路であり、その選択出力108を第1のインバータ109を経て第1のフリップフロップ回路110のクロック入力端子Cに供給するようになっている。この第1のフリップフロップ回路110のデータ入力端子Dには0系と1系のいずれかを選択するための系選択信号111が入力されるようになっている。第1のフリップフロップ回路110の出力端子Qからは第2のフリップフロップ回路112のデータ入力端子Dと第1のセレクタ103に対して第1の切替制御信号113が供給される。また、アンド回路105の論理出力114は第2のフリップフロップ回路112のクロック入力端子Cに供給され、その出力端子Qからは第2のインバータ116に対して第2のフリップフロップ出力信号117が供給されるようになっている。第2のインバータ116は第2のフリップフロップ出力信号117の論理を反転させて第2のセレクタ104に第2の切替制御信号118を供給するようになっている。この提案のクロック切替装置は、特開平11−175182号公報に開示されている。
【0007】
図9は、この提案のクロック切替装置の各部の信号波形を示したものである。同図(a)は0系のクロック101の波形を表わしており、同図(b)は1系のクロック102の波形を表わしている。同図(c)は系選択信号111の波形を表わしており、同図(j)は図8に示した出力端子106から出力されるクロック107を示している。このクロック107から分かるように系選択信号111がハイ(H)レベルのときには同図(b)に示す1系を選択し、ロー(L)レベルのときには同図(a)に示す0系を選択するものとしている。
【0008】
図9に示した例では、系選択信号111が当初ハイレベルを継続しており、第1のフリップフロップ回路110の出力端子Qからハイレベルの切替制御信号113が出力されている。第2のフリップフロップ回路112から出力される第2のフリップフロップ出力信号117(同図(d))は、第1の切替制御信号113をアンド回路105の論理出力114(同図(i))の立ち上がりでリタイミングしたものである。したがって、第1のフリップフロップ回路110の出力としての切替制御信号113(同図(h))がハイレベルとなっている間は、第2のフリップフロップ回路112の出力としての第2のフリップフロップ出力信号117もハイレベルを保っている。
【0009】
このため、この時点では第2のセレクタ104の第2の切替制御信号118(同図(e))はローレベルとなっており、第2のセレクタ104は0系のクロック101を選択出力108として出力している(同図(f))。第1のフリップフロップ回路110のクロック入力端子Cに入力する信号119(同図(g))は選択出力108を第1のインバータ109によって論理反転したものである。したがって、図9の時刻Tで示す時点に信号119が立ち上がると、第1のフリップフロップ回路110は系選択信号111をリタイミングする。これによって、第1のフリップフロップ回路の出力する第1の切替制御信号113が第1のフリップフロップ回路110の応答時間だけ遅れて、時刻Tにハイレベルからローレベルに変化する。
【0010】
一方、アンド回路105の論理出力114は同図(i)に示すように時刻Tに立ち上がり、第1の切替制御信号113をリタイミングする。この結果、第2のフリップフロップ出力信号117は第2のフリップフロップ回路112の応答時間だけ遅れて時刻Tにローレベルに変化し、第2のセレクタ104の第2の切替制御信号118(同図(e))がこの時刻Tにハイレベルに変化する。この時刻Tに0系のクロック101も1系のクロック102もハイレベルで確定している。このため、第1のフリップフロップ回路110のクロック入力端子Cに入力する信号119にハザードが生じることはない。すなわち、遅延回路の遅延時間の設定によってハザードが生じることが防止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来から、0系と1系との間で、あるいは現用系と予備系との間でクロックの切り替えを行う際にその信号レベルが一時的に変動する現象(以下、瞬断という。)が生じる可能性があった。このような現象の発生を確実に防止しようとすると、そのための回路が複雑となり、装置のコストアップを招くだけでなく、制御が複雑になるという問題があった。
【0012】
そこで本発明の目的は、クロックを一方の系から他方の系に切り替える際にクロックの供給を受ける回路装置に悪影響を与える瞬断が生じることのないクロック切替装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)それぞれ異なる系統用に互いに同一のクロックを発生する第1および第2のクロック発生手段と、(ロ)プルダウン抵抗を接続しクロックの供給を受けるためのクロックラインと、(ハ)第1および第2のクロック発生手段から出力される2系統のクロックのいずれかを択一的に選択してクロックラインに供給する切替手段と、(ニ)この切替手段が選択した系統のクロックの出力に断が発生したときこれを検出する断検出手段と、(ホ)この断検出手段が断を検出したとき2系統のクロックがクロックラインのプルダウン抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って、切替手段による系の切り替えを行わせる切替タイミング調整手段とをクロック切替装置に具備させる。
【0014】
すなわち請求項1記載の発明では、第1および第2のクロック発生手段の発生したクロックのいずれかを切替手段によってクロックラインに供給するようにしている。クロックラインはプルダウン抵抗を接続しており、ローレベルで電位が安定するようになっている。このため、断検出手段が現在クロックラインに供給しているクロックの断を検出して2系統のクロックの切り替えを行うとき、これら2系統のクロックがクロックラインのプルダウン抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って切り替えることで、クロックラインに現われる電位の不安定さを防止することができる。
【0015】
請求項2記載の発明では、(イ)それぞれ異なる系統用に互いに同一のクロックを発生する第1および第2のクロック発生手段と、(ロ)プルアップ抵抗を接続しクロックの供給を受けるためのクロックラインと、(ハ)第1および第2のクロック発生手段から出力される2系統のクロックのいずれかを択一的に選択してクロックラインに供給する切替手段と、(ニ)この切替手段が選択した系統のクロックの出力に断が発生したときこれを検出する断検出手段と、(ホ)この断検出手段が断を検出したとき2系統のクロックがクロックラインのプルアップ抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って、切替手段による系の切り替えを行わせる切替タイミング調整手段とをクロック切替装置に具備させる。
【0016】
すなわち請求項2記載の発明では、第1および第2のクロック発生手段の発生したクロックのいずれかを切替手段によってクロックラインに供給するようにしている。クロックラインはプルアップ抵抗を接続しており、ハイレベルで電位が安定するようになっている。このため、断検出手段が現在クロックラインに供給しているクロックの断を検出して2系統のクロックの切り替えを行うとき、これら2系統のクロックがクロックラインのプルアップ抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って切り替えることで、クロックラインに現われる電位の不安定さを防止することができる。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載のクロック切替装置で、第1および第2のクロック発生手段は、1系統のクロックを発生するクロック発生手段と、このクロック発生手段の発生させたクロックを2系統に分岐するクロック分岐手段とを具備することを特徴としている。
【0018】
すなわち請求項3記載の発明では、第1および第2のクロック発生手段の発生する別々の系統のクロックが同一のクロック発生源から作成されることを示している。クロック発生源を系統別に用意することもできるが、請求項3記載の発明のように同一のクロック発生手段の発生させたクロックを分岐することで、2系統のクロックを容易に作成することができる。
【0019】
請求項4記載の発明では、請求項1または請求項2記載のクロック切替装置で、切替手段は、2系統のクロックの切り替えの指示を外部から受けたとき切替先の系について切り替えの準備ができていることを確認する確認手段を具備することを特徴としている。
【0020】
すなわち請求項4記載の発明では、クロックの切り替えのタイミングを決定する際に、切替先の系で切り替えの準備ができるまで切り替えを待機することを示している。切替先のクロック発生手段が存在しないような場合にどうするかについては、状況に応じて幾つかの手法が考えられる。たとえば現在のクロック発生手段の出力するクロックをクロックラインに供給することが不適当な場合である。この場合にはクロックラインへのクロックの供給そのものが停止されることになる。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1または請求項2記載のクロック切替装置で、クロックは互いに周期の異なる複数の構成クロックで構成されており、断検出手段はこれら複数の構成クロックの中の少なくとも1つの構成クロックの出力に断が発生したときこれを検出する手段であり、切替タイミング調整手段は、断検出手段が断を検出した際に前記した複数の構成クロックの中で断を発生させた構成クロック以外のすべての構成クロックが対応する論理レベルに共に一致したタイミングで切替手段による2系統のクロックの切り替えを行わせることを特徴としている。
【0022】
すなわち請求項5記載の発明では、各系統のクロックが構成クロック群で構成されている場合を示している。この場合、断検出手段はこれら複数の構成クロックの中の少なくとも1つの構成クロックの出力に断が発生したときこれを検出するものであってもよい。一部の構成クロックに断が発生した場合に、全部の構成クロックの論理レベルがプルダウン抵抗あるいはプルアップ抵抗に対応した安定した論理レベルとなった状態で系の切り替えを行うようにするには、断を生じたクロックを除外して論理をとる必要がある。
【0023】
請求項6記載の発明では、請求項5記載のクロック切替装置で、前記した複数の構成クロックの中で断が発生した構成クロックを検出する断クロック検出手段と、この断クロック検出手段の検出した構成クロックのみを対応する論理レベルに固定するマスク手段と、このマスク手段を経た前記した複数の構成クロックが共に対応する論理レベルであるタイミングを検出する特定論理レベルポイント検出手段を具備することを特徴としている。
【0024】
すなわち請求項6記載の発明では、断を生じた構成クロックの論理レベルをプルダウン抵抗あるいはプルアップ抵抗に対応した安定した論理レベルの側に強制的に固定すれば、この構成クロックを含めた全構成クロックで論理をとることができることを示している。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施例におけるクロック切替装置の構成を表わしたものである。このクロック切替装置201は、基本装置202と拡張装置203より構成されている。ここで基本装置202はシステムクロック204を生成する箇所であり、拡張装置203は生成されたシステムクロック204を入力して使用する側の装置である。本実施例で基本装置202は、システムクロック204を生成して2系統に分岐するクロック生成器205と、クロックの切替制御を行う制御部206によって構成されている。本実施例のシステムクロック204は、単一のクロックではなく、周期が異なり複数周期ごとに一方が他方に同期している複数種類のクロックからなるクロック群によって構成されている。また、制御部206は図示しないがCPU(中央処理装置)や制御プログラムを格納する記憶部を備えており、これによってシステムクロックの切替時機の制御を実行するようになっている。
【0028】
拡張装置203は、基本装置202から2系統に分岐して出力されたシステムクロック204を別々に入力する第1のクロック供給機能部211と第2のクロック供給機能部212とを備えている。これらはカード状の部品となっており、拡張装置203によってはたとえば第1のクロック供給機能部211のみを実装することもできる。第1のクロック供給機能部211のみが実装されている場合には、もちろん基本装置202から供給されたシステムクロック204は1系統のクロックとして拡張装置203で使用される。本実施例では第1のクロック供給機能部211と第2のクロック供給機能部212の2つが拡張装置203に実装されていることを前提として説明する。
【0029】
第1および第2のクロック供給機能部211、212の出力側には、プルダウン抵抗213の一端に接続されたシステムクロックライン214が接続されている。システムクロック204は、複数種類のクロックによって構成されているので、システムクロックライン214も実際には複数本のラインによって構成されている。したがって、プルダウン抵抗213もそれぞれのラインに1つずつ接続されており、それらの他端は接地されている。
【0030】
第1のクロック供給機能部211には制御部206からその切り替えを指示するための第1の切替信号216が供給されるようになっている。同様に第2のクロック供給機能部212には制御部206からその切り替えを指示するための第2の切替信号217が供給されるようになっている。第1のクロック供給機能部211と第2のクロック供給機能部212は、これら第1および第2の切替信号216、217によって択一的に第1または第2のシステムクロック218、219を選択してシステムクロックライン214に出力するような冗長構成となっている。システムクロックライン214には、第1または第2のシステムクロック218、219を取り込んで使用する第0〜第rのユニット(回路ユニット)221、221、……221が接続されている。
【0031】
このような本実施例のクロック切替装置201で、初期状態では第1のクロック供給機能部211が第1のシステムクロック218を出力するものとする。すなわち第1のシステムクロック218が現用系のクロックとしてシステムクロックライン214に供給され、第0〜第rのユニット221、221、……221がこれを初期状態で使用する。制御部206は第1のクロック供給機能部211の出力するシステムクロックの断を検知すると、第1および第2の切替信号216、217によって第1のシステムクロック218の供給に代えて予備系の第2のクロック供給機能部212による第2のシステムクロック219の供給に切り替えることになる。
【0032】
なお、本実施例でシステムクロックの断とは、システムクロックライン214に供給される第1のシステムクロック218(または第2のシステムクロック219)を構成する複数のクロック(請求項における構成クロック)の少なくとも一部が断となることをいうものとする。
【0033】
図2は、図1に示した第1のクロック供給機能部211の構成を表わしたものである。第2のクロック供給機能部212は第1のクロック供給機能部211とその回路構成が同一となっている。そこで、その図示および説明を省略する。第2のクロック供給機能部212内の回路や信号の説明を行うときには、すでに図示されている一部の符号を除いては、第1のクロック供給機能部211における対応する回路あるいは信号を示す符号に「′」(ダッシュ)を付して示すことにする。
【0034】
第1のクロック供給機能部211では、図1のクロック生成器205から送られてきた第1のシステムクロック218が出力制御部231に入力されるようになっている。出力制御部231の出力側は第1のシステムクロック218を構成する第0〜第nのクロック218〜218に対応してシステムクロックライン214の第0〜第nのライン214〜214に接続されている。第0〜第nのクロック218〜218は、そのうちの第0のクロック218が一番周期の短いクロックである。第1〜第nのクロック218〜218は第0のクロック218に同期して周期をたとえば順次2倍ずつ長く設定したクロックである。
【0035】
図1の制御部206から送られてくる第1の切替信号216は、他系状態監視部232に入力されるようになっている。第0〜第nのクロック218〜218は、クロック断検出部233、クロック断マスク部234および立ち下がりタイミングセレクト部235にもそれぞれ入力されるようになっている。
【0036】
クロック断検出部233は、第1のクロック供給機能部211に入力された第1のシステムクロック218の断を検出する部分である。クロック断検出部233が断を検出すると、クロック断信号236をクロック断マスク部234および立ち下がりタイミングセレクト部235に送出するようになっている。クロック断信号236は、第0〜第nのクロック218〜218に対応した第0〜第nのクロック断信号236〜236で構成されている。
【0037】
クロック断マスク部234は、第0〜第nのクロック断信号236〜236を入力して、第0〜第nのクロック218〜218のうちの断が検出されたクロックをマスクし、それ以外を通過させる回路部分である。クロック断マスク部234から出力されるマスククロック237(第0〜第nのマスククロック237〜237)は、クロックローポイント検出部239に供給されるようになっている。クロックローポイント検出部239は、第0〜第nのマスククロック237〜237をそれぞれ構成する2値のクロックについて、それらのレベルが共にローレベルとなる時点を検出する回路部分である。
【0038】
本実施例では図1に示したようにシステムクロックライン214がプルダウン抵抗213を介して接地されている。したがって、接地電位よりも高いハイレベルと接地電位のローレベルのうちのローレベルの方が時間変化に対して安定状態となる。このため第0〜第nのマスククロック237〜237ですべてが同時にローレベルとなるタイミングを検出することにし、現用系と予備系の間でシステムクロック218、219を安定して切り替える際の1つの条件を生成するようになっている。なお、このようなすべてがローレベルとなる条件を成立させるために、クロック断マスク部234がマスクしたクロックはローレベルに固定される。
【0039】
クロックローポイント検出部239の検出結果としてのローポイント信号241は、切替タイミング生成部242に供給されるようになっている。切替タイミング生成部242は現用系と予備系の間で切り替えを行う際の切替タイミングを決める回路部分である。切替タイミング生成部242には、立ち下がりタイミングセレクト部235から第0〜第nのクロック断信号236〜236のうちの断していない最も周波数の高いクロックの立ち下がりを示すタイミングクロック244が入力される。また、切替タイミング生成部242には他系状態監視部232からシステムクロック218の切り替えを指示するクロック切替信号245が、また予備系制御部246からはクロック切替可能信号247が入力されるようになっている。切替タイミング生成部242はこれら入力される各信号241、244、245、247を基にして、現用系から予備系に切り替える際の切り替えの時機を一時的に待機させるための切替スタンバイ(待機)信号248を出力する。この切替スタンバイ信号248は、状態制御部249と予備系の図示しない他系状態監視部232′に入力されるようになっている。
【0040】
状態制御部249は、第1のクロック供給機能部211がシステムクロック218の切り替えについて可能な状態となっているか否かを判別する部分である。状態制御部249が切替可能であると判別した時点で、その出力側から自カードとしての第1のクロック供給機能部211の出力状態を表わした自カードクロック出力状態信号251が出力されるようになっている。この自カードクロック出力状態信号251は、出力制御部231および予備系制御部246に供給される他に、図1に示した第2のクロック供給機能部212にも供給され、その図示しない状態制御部249′に入力されるようになっている。また、第2のクロック供給機能部212内の状態制御部249′から出力された自カードクロック出力状態信号251′は、第1のクロック供給機能部211内の状態制御部249に供給されるようになっている。
【0041】
また、第1のクロック供給機能部211内の切替スタンバイ信号248は、第2のクロック供給機能部212の図示しない他系状態監視部232′に入力されるようになっている。反対に第2のクロック供給機能部212の予備系から現用系に切り替える際の切替タイミングを決める回路部分である切替タイミング生成部242′から出力される切替スタンバイ信号248′は、第1のクロック供給機能部211内の他系状態監視部232に入力される。更に第1のクロック供給機能部211内の他系実装状態信号253は第2のクロック供給機能部212内の他系状態監視部232′に供給されるようになっており、第2のクロック供給機能部212内で発生した他系実装状態信号253′は第1のクロック供給機能部211内の他系状態監視部232に供給されるようになっている。ここで他系実装状態信号253は、他の系(ここでは予備系)に対して自系のクロック供給機能部(ここでは自系としての第1のクロック供給機能部211)が拡張装置203(図1)に実装されていることを知らせる信号である。したがって、他系実装状態信号253′は予備系としての第2のクロック供給機能部212が拡張装置203に実装されていることを、第1のクロック供給機能部211側に知らせる信号である。
【0042】
他系状態監視部232は、第2のクロック供給機能部212から切替スタンバイ信号248′および他系実装状態信号253′の供給を受けてこれらを常時監視している。そして図1に示した制御部206から第1の切替信号216が他系状態監視部232に入力したときには、予備系である第2のクロック供給機能部212(図1)の状態に応じたクロック切替信号245を切替タイミング生成部242および予備系制御部246に供給することになる。
【0043】
このような回路構成のクロック切替装置201の動作を次に具体的に説明する。ここでは第1のクロック供給機能部211が運用系として動作しており、第2のクロック供給機能部212が予備系として、切り替えのために待機しているものとする。この状態で第1のシステムクロック218から第2のシステムクロック219へのクロックの切り替えの動作は、切り替えのための予め定めた所定の要因が発生することによって開始する。すなわち、図1に示した基本装置202内の制御部206は、要因の発生を基にして、第1の切替信号216および第2の切替信号217をそれぞれ第1のクロック供給機能部211と第2のクロック供給機能部212の対応するものに供給する。これを図2に示した第1のクロック供給機能部211について見てみることにする。
【0044】
第1のクロック供給機能部211内の他系状態監視部232は、切替スタンバイ信号248′と他系実装状態信号253′の供給を受けてこれらを常に監視している。
【0045】
図3は、この他系状態監視部に関連する回路部分の信号の変化を表わしたものである。同図(a)は他系状態監視部232の第1のクロック供給機能部211内に制御部206(図1)から送られてくる第1の切替信号216についての信号状態の変化を示している。ここでは、時刻tに第1の切替信号216がハイレベルからローレベルに変化しており、この時点で現用系から予備系への切り替えが制御部206によって指示されている。
【0046】
同図(b)は、これに対して第2のクロック供給機能部212に制御部206から供給される第2の切替信号217の信号変化を示している。第2の切替信号217は、時刻tから所定時間経過した時刻tにクロック供給機能部212に供給される。このように、切り替わる先の第2の切替信号217の発生が遅延しているのは、これらの切替信号216、217の出力されるタイミングに多少の誤差が生じても、切り替えが確実に行えるようにするためである。他系状態監視部232は、図3(f)に示す他系実装状態信号253′がハイレベルとなっているので、予備系としての第2のクロック供給機能部212が拡張装置203に実装されていることを認知している。そこで時刻tに同図(g)に示す切替スタンバイ信号248′がハイレベルに変化してクロックの切り替えが可能になった状態で、同図(h)に示すようにクロック切替信号245をローレベルに変化させる。
【0047】
仮に予備系の第2のクロック供給機能部212が未実装であった場合には、図3(f)に示す他系実装状態信号253′がローレベルに保持されている。そこで他系状態監視部232は、この場合には直ちにクロック切替信号245をローレベルに変化させることになる。その理由は、現用系である第1のクロック供給機能部211に対する第1の切替信号216の入力は、出力制御部231からシステムクロックライン214へのシステムクロック218の供給停止を指示していることによる。すなわち、現用系側でシステムクロック218を構成するクロックの一部に断が発生した等の切替要因が発生した場合には、他の系へのシステムクロックの切り替えの要否は別としても、システムクロック218をシステムクロックライン214へ継続して出力すること自体は少なくとも停止させる必要があるからである。
【0048】
予備系の第2のクロック供給機能部212が拡張装置203に実装されていて、かつこれがシステムクロック219について切替可能な状態になると、その時刻tに他系状態監視部232は図3(h)に示すようにクロック切替信号245をローレベルに変化させる。このクロック切替信号245は、切替タイミング生成部242に供給される。
【0049】
なお、図3(c)は第1のクロック供給機能部211内で発生する他系実装状態信号253を表わしている。本実施例の場合には、第1のクロック供給機能部211が拡張装置203(図1)に実装されているのでハイレベルに保持されている。また、図3(d)は第1のクロック供給機能部211内の切替タイミング生成部242から出力される切替スタンバイ信号248を示している。更に同図(e)は図示しない第2のクロック供給機能部212内の他系状態監視部232′が出力するクロック切替信号245′であり、時刻tにハイレベルに切り替わっている。
【0050】
図4は、図3に示した他系状態監視部232における各信号の信号レベルの調停の論理を表わしたものである。まず、第1の切替信号216(図3(a))がハイレベル(High)からローレベル(Low)に変換したとすると、切替スタンバイ信号248(図3(d))も時間を置いてハイレベルからローレベルに変化する。第2の切替信号217(図3(b))がローレベルからハイレベルに変化した場合には、切替スタンバイ信号248′(同図(g))も同時刻にローレベルからハイレベルに変化する。一方、他系実装状態信号253が図3(c)で示したようにハイレベルに保持されている状態では、クロック切替信号245がハイレベルからローレベルまで遷移が可能である。また、他系実装状態信号253′(同図(f))がハイレベルに保持されている状態では、クロック切替信号245′(同図(e))がローレベルからハイレベルへと遷移が可能である。
【0051】
ところで、図2に示したクロック断検出部233は、システムクロック218の断検出を行うようになっている。クロック断検出部233はシステムクロック218を構成するクロック群(第0〜第nのクロック218〜218)の中に1つでも断状態となったクロックがあれば、そのクロックについて断を検出する。そして、第0〜第nのクロック218〜218に対応した第0〜第nのクロック断信号236〜236で構成されるクロック断信号236を、クロック断マスク部234と立ち下がりタイミングセレクト部235の双方に供給する。ここでは、システムクロック218における第1のクロック218が断となっているものと仮定する。
【0052】
クロック断マスク部234では、第0〜第nのクロック断信号236〜236を基にして第0〜第nのクロック218〜218における断となっているものをロー(Low)レベルの状態にマスクする。これは、現用系のシステムクロック218から予備系のシステムクロック219に切り替える際に、第0〜第nのクロック断信号236〜236のすべてについてローレベルとなった時点でシステムクロック219への切り替えを行うため、第1のクロック218がハイ(Hight)レベルの状態で断となった場合にこれをローに強制的に固定するためである。このようにしてクロック断マスク部234でマスク処理が行われたシステムクロック218は、マスククロック237としてクロックローポイント検出部239に供給されることになる。本実施例では、クロック断マスク部234で第1のクロック218をローレベルに固定したマスククロック237がクロックローポイント検出部239に供給される。
【0053】
一方、立ち下がりタイミングセレクト部235ではシステムクロック218とクロック断信号236を用いて、第0〜第nのクロック218〜218における現在断となっていないクロックの中で一番周波数の高いクロックを選択する。本実施例の場合には、第1のクロック218が断となっているので、最も周波数の高い第0のクロック218が一番周波数の高いクロックとなる。この場合には、第0のクロック218がタイミングクロック244としてクロックローポイント検出部239および切替タイミング生成部242に供給される。
【0054】
図5は、システムクロックのローポイントでの切替位置の検出の原理を説明するためのものである。同図(a)は図2の立ち下がりタイミングセレクト部235から出力されるタイミングクロック244の波形を示したものである。このタイミングクロック244は同図(c)に示す第0のマスククロック237と同一のものである。なお、マスククロック237における第1のマスククロック237は、システムクロック218が断となっており、クロック断信号236が同図(d)に示すようにローレベルに固定されているために、同図(e)に示すようにローレベルに固定されており、第nのマスククロック237は最も周波数の低いクロックとなっている。したがって、第0〜第nのマスククロック237〜237の論理和をとると、これよって得られた論理和信号261(図2には図示せず)は、図5(g)に示すような波形となる。
【0055】
さて、図2のクロックローポイント検出部239では、第0〜第nのマスククロック237〜237の中でタイミングクロック244と同一周波数ではない所定のマスククロックの論理和をとる。そして、この論理和で得られ波形を所定の時間tだけ遅延させた遅延後タイミングクロック244d(図5(b))を作成する。ここで時間tは次の(1)式で表わすことができる。
【0056】
0<t<T/8 ……(1)
この(1)式で周期Tはタイミングクロック244の周期を表わしている(図5(a)参照)。また、時間tはシステムクロック218、219の間で同期を調停するための遅延時間である。
【0057】
このようにして作成した遅延後タイミングクロック244d(図5(b))の立ち下がりを使用して、時刻t11に論理和信号261(図5(g))をリタイミング271すると、同図(h)に示すリタイミング後の論理和信号261rが作成される。この論理和信号261rがローポイント信号241(同図(i))として切替タイミング生成部242に出力される。このローポイント信号241は、第0〜第nのマスククロック237〜237のすべてのローレベルの位置となる。なお、リタイミングするマスククロック237をタイミングクロック244と同じ周波数以外のものとしたのは、タイミングクロック244が第0〜第nのクロック断信号236〜236のうちの断していない最も周波数の高いクロックであるからである。すなわち、このように最も周波数の高いクロックでリタイミングすることで、システムクロック218、219の間に生じるわずかな位相ずれを無視することができるからである。
【0058】
図6は、システムクロックの切替処理を説明するためのものである。図2における切替タイミング生成部242では、図6(a)に示すクロック切替信号245の時刻t21における立ち下がりを、同図(b)に示すタイミングクロック244(図5(a)参照)の立ち上がりで、同図(c)に示すように時刻t22にリタイミングしてリタイミング後のクロック切替信号245rとする。そして、更に同図(d)に示すように時刻t11にロー(Low)ポイント信号241(図5(i)参照)が立ち下がるタイミングまで時間幅wだけ待って、切替タイミング生成部242は図(e)に示すように切替スタンバイ信号248を出力することになる。これが現用系から予備系へのシステムクロック218、219の切り替えを指示する信号として状態制御部249に供給される。
【0059】
図7は、システムクロックの無瞬断切り替えの様子を示したものである。同図(a)は現用系の切替スタンバイ信号248を示しており、同図(b)は予備系の切替スタンバイ信号248′を示している。また、同図(c)は予備系の自カードクロック出力状態信号251′を示し、同図(d)は現用系の自カードクロック出力状態信号251を示している。
【0060】
図2に示した現用系の状態制御部249は、図7(a)に示す切替スタンバイ信号248を入力している。そして、時刻t31にこれがローレベルに変化したら、予備系の自カードクロック出力状態信号251′(同図(c))がこの時点でハイレベルとなっていることを条件として、この時刻t31に自カードクロック出力状態信号251(同図(d))をハイレベルに立ち上げる。自カードクロック出力状態信号251は、現用系の出力制御部231および予備系制御部246ならびに予備系の状態制御部249′に供給される。
【0061】
現用系の出力制御部231は、入力された自カードクロック出力状態信号251がハイレベルとなった時刻t31に、システムクロックライン214へ現用系から供給しているシステムクロック218の供給を停止する(図7(e))。予備系としての第2のクロック供給機能部212では、その他系状態監視部232′を用いてその予備系制御部246′でクロック切替可能信号247′が生成される。このクロック切替可能信号247′は、切替タイミング生成部242′に出力される。このとき、予備系制御部246′は、論理演算のみの処理を行うのでクロック切替可能信号247′の出力に要する遅延時間はわずかである。
【0062】
予備系である切替タイミング生成部242′では、ローポイント信号241′の状態に係わらずクロック切替可能信号247′が入力されると、直ちにシステムクロック219が出力可能な論理で切替スタンバイ信号248′を状態制御部249′に出力する。状態制御部249′では、この変化した切替スタンバイ信号248′によって図7(c)に示すように自カードクロック出力状態信号251′をローレベルに変化させる。これにより、その時刻t32に図7(f)に示すように出力制御部231′がシステムクロック219の供給を開始することになる。
【0063】
また、変化した自カードクロック出力状態信号251′によって、予備系制御部246′で変化させたクロック切替可能信号247′がネゲート(無効化)され、元に戻ることになる。切替タイミング生成部242′では、クロック切替信号245′とクロック切替可能信号247′によって現用系時のローポイント待ち状態に遷移する。
【0064】
以上説明した一連の処理が行われることによって、システムクロックライン214へのシステムクロック218、219は無瞬断で切り替えることが可能になる。これを図7(g)〜(i)で説明する。同図(g)は第0のクロック218を示している。また、同図(h)は第1のクロック218を示している。第1のクロック218は時刻t31から断となっているがローレベルにロックされた状態で予備系への切り替えが行われる。したがって、無瞬断が実現されることになる。同図(i)は最も長い周期の第nのクロック218を示している。
【0065】
<発明の変形可能性>
【0066】
以上説明した実施例では現用系側のクロック群を構成する一部のクロックが断となったときにこの出力をマスクすると共に、システムクロックライン214にプルダウン抵抗213が接続されているので、これをローレベルに保持し、すべてのクロックがローレベルとなるタイミングで現用系から予備系に切り替えるようにした。これとは異なり、システムクロックライン214を図示しないプルアップ抵抗を介して所定の+(プラス)電位の電源ラインに接続している場合には、現用系側のクロック群を構成する一部のクロックが断となったときにこの出力をマスクしてハイレベルに保持すると共に、すべてのクロックがハイレベルとなるタイミングで現用系から予備系に切り替えるようにしてもよい。
【0067】
また、実施例ではシステムクロックが複数のクロックによって構成されている場合の現用系から予備系への切り替えについて説明したが、単一の周期の2つの系統のクロック間で切り替えが行われる場合にも本発明を適用することができる。この場合には、該当するクロックが断となったら、プルダウン抵抗でクロックラインが接続されている場合にはそのクロックをローレベルに固定し、切替先のクロックがローレベルのタイミングで切り替えを行うことになる。プルアップ抵抗でクロックラインが接続されている場合にはそのクロックはハイレベルに固定し、切替先のクロックがハイレベルのタイミングで切り替えを行う。
【0068】
更に実施例ではクロックの断によってクロックの切り替えが行われるまでクロックの到来しない事態が発生する場合があるが、このような事態を防止するためには特開平05−235887号公報で説明したような遅延回路を配置して、遅延後のクロックを拡張装置側に供給するようにすればよい。この場合には、クロックの断を検出した際に、その断の部分のクロックが拡張装置側に供給される前にクロックの切り替えを行うことになる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、クロックラインに供給するクロックを一方の系から他方の系に切り替えるとき、クロックの断を検出し、クロックラインのプルダウン抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルにクロックのレベルが一致する段階まで待って切り替えることにした。これにより、クロックの信号レベルが時間的に安定し、切替時に一時的な論理レベルの変動が発生するといった不具合が発生しない。
【0070】
また、請求項2記載の発明によれば、クロックラインに供給するクロックを一方の系から他方の系に切り替えるとき、クロックの断を検出し、クロックラインのプルアップ抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルにクロックのレベルが一致する段階まで待って切り替えることにした。これにより、クロックの信号レベルが時間的に安定し、切替時に一時的な論理レベルの変動が発生するといった不具合が発生しない。
【0071】
更に請求項3記載の発明によれば、クロック分岐手段を用いて1系統のクロックを2系統に分岐するので、それぞれの系統のクロックを別々に発生させる場合と比べて回路構成が単純化するだけでなくクロック同士の同期ずれの発生が少ない。
【0072】
また、請求項4記載の発明によれば、切替手段は、2系統のクロックの切り替えの指示を外部から受けたとき切替先の系について切り替えの準備ができていることを確認するので、切り替えについての信頼性を高め、クロックラインに接続された回路装置の誤動作を減少させることができる。
【0073】
更に請求項5記載の発明によれば、各系統のクロックが構成クロック群で構成されている場合に、断を生じさせた構成クロックを除いた残りのすべての構成クロックの論理レベルが一致したときだけでなくその論理レベルが前記した対応する論理レベルに共に一致することを条件とするので、系の切替時点における信号レベルの変動による論理レベルの変動を効果的に防止することができる。
【0074】
また請求項6記載の発明によれば、断を生じた構成クロックの論理レベルをプルダウン抵抗あるいはプルアップ抵抗に対応した安定した論理レベル側に強制的に固定するので、この構成クロックを含めた全構成クロックで単純に論理をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるクロック切替装置の概要を表わしたブロック図である。
【図2】本実施例の第1のクロック供給機能部の構成を表わしたブロック図である。
【図3】本実施例における他系状態監視部に関連する回路部分の信号の変化を示したタイミング図である。
【図4】図3に示した他系状態監視部における各信号の信号レベルの調停の論理を表わした説明図である。
【図5】本実施例でシステムクロックのローポイントでの切替位置の検出の様子を示したタイミング図である。
【図6】本実施例でシステムクロックの切替処理を説明するためのタイミング図である。
【図7】本実施例でシステムクロックの無瞬断切り替えの様子を示したタイミング図である。
【図8】クロック切替時のハザードを防止する従来提案されたクロック切替装置を示したブロック図である。
【図9】図8に示した提案のクロック切替装置の各部の信号波形を示した波形図である。
【符号の説明】
201 クロック切替装置
202 基本装置
203 拡張装置
204 システムクロック
205 クロック生成器
211 第1のクロック供給機能部
212 第2のクロック供給機能部
213 プルダウン抵抗
214 システムクロックライン
221 ユニット
232 他系状態監視部
233 クロック断検出部
235 立ち下がりタイミングセレクト部
236 クロック断信号
239 クロックローポイント検出部
242 切替タイミング生成部
246 予備系制御部
249 状態制御部
253 他系実装状態信号

Claims (6)

  1. それぞれ異なる系統用に互いに同一のクロックを発生する第1および第2のクロック発生手段と、
    プルダウン抵抗を接続しクロックの供給を受けるためのクロックラインと、
    前記第1および第2のクロック発生手段から出力される2系統のクロックのいずれかを択一的に選択して前記クロックラインに供給する切替手段と、
    この切替手段が選択した系統のクロックの出力に断が発生したときこれを検出する断検出手段と、
    この断検出手段が断を検出したとき前記2系統のクロックが前記クロックラインの前記プルダウン抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って、前記切替手段による系の切り替えを行わせる切替タイミング調整手段
    とを具備することを特徴とするクロック切替装置。
  2. それぞれ異なる系統用に互いに同一のクロックを発生する第1および第2のクロック発生手段と、
    プルアップ抵抗を接続しクロックの供給を受けるためのクロックラインと、
    前記第1および第2のクロック発生手段から出力される2系統のクロックのいずれかを択一的に選択して前記クロックラインに供給する切替手段と、
    この切替手段が選択した系統のクロックの出力に断が発生したときこれを検出する断検出手段と、
    この断検出手段が断を検出したとき前記2系統のクロックが前記クロックラインの前記プルアップ抵抗が接続された側の電位に対応する論理レベルに共に一致するタイミングまで待って、前記切替手段による系の切り替えを行わせる切替タイミング調整手段
    とを具備することを特徴とするクロック切替装置。
  3. 前記第1および第2のクロック発生手段は、1系統のクロックを発生するクロック発生手段と、このクロック発生手段の発生させたクロックを2系統に分岐するクロック分岐手段とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のクロック切替装置。
  4. 前記切替手段は、前記2系統のクロックの切り替えの指示を外部から受けたとき切替先の系について切り替えの準備ができていることを確認する確認手段を具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載のクロック切替装置。
  5. 前記クロックは互いに周期の異なる複数の構成クロックで構成されており、前記断検出手段はこれら複数の構成クロックの中の少なくとも1つの構成クロックの出力に断が発生したときこれを検出する手段であり、前記切替タイミング調整手段は、断検出手段が断を検出した際に前記複数の構成クロックの中で断を発生させた構成クロック以外のすべての構成クロックが前記対応する論理レベルに共に一致したタイミングで前記切替手段による2系統のクロックの切り替えを行わせることを特徴とする請求項1または請求項2記載のクロック切替装置。
  6. 前記複数の構成クロックの中で断が発生した構成クロックを検出する断クロック検出手段と、この断クロック検出手段の検出した構成クロックのみを前記対応する論理レベルに固定するマスク手段と、このマスク手段を経た前記複数の構成クロックが共に前記対応する論理レベルであるタイミングを検出する特定論理レベルポイント検出手段を具備することを特徴とする請求項5記載のクロック切替装置。
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