JP2004063456A - 電極用炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Tomiyuki Kamata
鎌田 富行
Kengo Okanishi
岡西 健悟
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Abstract

【課題】不可逆容量が小さく、高容量、高効率で、電解液に対する安全性の高い電極用炭素材料を安定的に効率よく製造することを可能とする工業上非常に有用な電極用炭素材料の製造方法を提供する。
【解決手段】黒鉛性炭素質物及び炭素化し得る有機化合物を混合し、加熱炭素化処理することによって、該黒鉛性炭素質物の表面に該有機化合物の炭化物が付着してなる電極用炭素材料を製造する方法であって、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を加熱炭素化処理するに先立ち、100℃〜500℃の温度で加熱処理して該有機化合物中に含まれる揮発分を除去する工程を有することを特徴とする電極用炭素材料の製造方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水溶媒二次電池に用いる電極用炭素材料の製造方法に関し、特に黒鉛性炭素質物の表面に有機化合物の炭化物が付着してなる多相構造を有する電極用炭素材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化に伴い高容量の二次電池が必要になってきている。特にニッケル・カドミウム、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度の高い非水溶媒二次電池が注目されてきている。その負極材料として、これまで金属や黒鉛などが検討されている。しかし、金属電極は、充放電を繰り返すと溶媒中の金属がデンドライト状に析出し、最終的には両極を短絡させてしまうという問題があった。また、黒鉛は、その層間に金属イオンの出入りが可能なため、短絡の問題は無いが、プロピレンカーボネート系の電解液を分解する上、エチレンカーボネート系の電解液では充放電サイクル特性が悪いという問題がある。
【0003】
一方、多相構造を有する炭素質物を用いることも検討されている。これは、結晶性の高い炭素質物の長所(高容量かつ不可逆容量が小さい)と短所(プロピレンカーボネート系電解液を分解する)および結晶性の低い炭素質物の長所(電解液との安定性に優れる)と短所(容量が小さく不可逆容量大)を組み合わせ、互いの長所を生かしつつ、短所を補うという考えによる。例えば、特開平4−370662号公報では、黒鉛性の高い炭素質物からなる核と、黒鉛性の低い炭素質物からなる比較的厚い表層からなる炭素質物粒子を用いることが示されている。また、特開平9−213328号公報では、ある特定範囲の残炭量となるような極微量(薄い)の有機化合物の炭化物が付着してなる炭素質物粒子を用いることが示されている。
【0004】
近年では、さらに高容量、高効率で、電解液に対する安全性の高い電極用炭素材料が求められており、そのために、タッピング密度が高く、比表面積の低い電極用炭素材料が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、黒鉛性炭素質物の表面に有機化合物の炭化物が付着してなる複合炭素質物からなる電極用炭素材料について鋭意検討を重ねた結果、比表面積が小さく、更に不可逆容量が小さい電極用炭素材料を、安定して効率的に製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、黒鉛性炭素質物及び炭素化し得る有機化合物を混合し、加熱炭素化処理することによって、該黒鉛性炭素質物の表面に該有機化合物の炭化物が付着してなる電極用炭素材料を製造する方法であって、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を加熱炭素化処理するに先立ち、100℃〜500℃の温度で加熱処理して該有機化合物中に含まれる揮発分を除去する工程を有することを特徴とする電極用炭素材料の製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における電極用炭素材料は、黒鉛性炭素質物の表面に有機化合物の炭化物が付着してなる複合炭素質物である。
(1)原料の選択
本発明において最終的に核を形成する黒鉛性炭素質物(以下、炭素質物(N)とも称する)としては、その構造に対応する回折線のピークとして、(002)面の面間隔 d002が、下限としては通常0.335nm以上、上限として通常0.345nm以下、好ましくは0.340nm以下であり、また、c軸方向の結晶子の大きさLcが通常15nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくはLcが80nm以上であるものが好ましく、さらに、黒鉛性炭素質物の形状としては、粒状、繊維状などの任意の形状をとりうるが、粒子状が好ましく、体積平均粒径にして通常30μm以下、好ましくは28μm以下、通常5μm以上であることを満たすならば、炭素質物粒子をはじめ、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系、メソフェーズピッチ系、気相成長系それぞれの炭素繊維を粉末状に加工したものも用いることができる。尚、これらは単体でも、これら2種以上を混合して用いてもよい。
【0008】
具体的な炭素質物(N)の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、
(a)溶融溶解性有機化合物、熱硬化性高分子等を不活性ガス雰囲気下又は真空中において、1500〜3000℃、好ましくは2000〜3000℃の温度で加熱することによって、炭素化と黒鉛化を行う方法、
(b)カーボンブラック、コークス等、既製の炭素質物を更に加熱処理して黒鉛質化を適度に進行させる方法、
(c)人造黒鉛、天然黒鉛、気相成長黒鉛ウィスカー、炭素繊維をそのままか、あるいは粒子径、繊維長の調整を行った後、粉末状にし、必要に応じて更に力学的なエネルギー処理を施したものを用いる方法、
などを採用することができる。
これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛等を必要に応じて力学的なエネルギー処理をしたもの等の比表面積が高い材料は、より比表面積を下げるという点で好ましい。
【0009】
一方、最終的に炭素質物(N)の表面に付着せしめ、核となる炭素質物(N)を被覆する有機化合物の炭素化物(以下、炭化物(S)とも称する)の原料である、炭素化し得る有機化合物には、重質油など液相炭化反応を伴う有機化合物、熱硬化性樹脂などの固相炭化反応を伴う有機化合物又はそれらの混合物等の有機化合物を用いることができる。((「炭素材の化学と工業」持田勲著、朝倉書店発行)参照)
【0010】
重質油としては、軟ピッチ〜硬ピッチまでのコールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直流系重質油、原油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンヘビーエンドタール等分解系重質油等の石油系重質油、分解系重質油を熱処理することで得られる、エチレンタールピッチ、FCCデカントオイル、クレハピッチ、アシュランドピッチなど熱処理ピッチ等を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
重質油と熱硬化性樹脂を混合する場合の重量比率の制限は無いが、通常1:100〜100:1程度である。
(2)混合比
本発明においては、通常、かかる黒鉛性炭素質物粒子(N)と炭素化し得る有機化合物を混合したものを加熱し中間物質を得て、その後炭化焼成、粉砕することにより、最終的に黒鉛性炭素質物(N)の表面に有機化合物の炭化物(S)が付着した複合炭素質物を得る。
【0011】
電極用炭素材料に含まれる有機化合物の炭化物の量(有機化合物の残炭量)は、炭素化し得る有機化合物の種類と炭素化し得る有機化合物の混合割合により左右されるものであり、予め JIS K2270により定められた試験方法の内、ミクロ法に従って求められた有機化合物の残炭率を測定しておき、下記式(1)による有機化合物の残炭量が、後述する所定の範囲内になるように黒鉛性炭素質物粒子(N)と炭素化し得る有機化合物の種類と混合量を考慮して混合し、炭素化し得る有機化合物を黒鉛性炭素質物の表面に付着、含浸させる。
【0012】
有機化合物の残炭量は、以下のように表される。
有機化合物の残炭量(重量%)=100×有機化合物の残炭率(JIS K2270ミクロ法)×有機化合物の重量/(黒鉛性炭素質物の重量+有機化合物の残炭率(JIS K2270ミクロ法)×有機化合物の重量) … 式(1)
本発明において、有機化合物の残炭量は、下限として通常0.1重量%以上、好ましくは2重量%以上、更に好ましくは3重量%以上であり、上限として通常25重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは8重量%以下である。
【0013】
本発明において、かかる残炭量が少なすぎると、黒鉛性炭素質物の細孔への炭素化し得る有機化合物の充填が不十分となりやすいと考えられ、
a.多相構造炭素質物の表面に黒鉛が露出しやすくなるため、電解液との安定性が低下しやすくなる、
b.細孔内に残ったガスが熱処理過程で噴出することにより、多相構造が破壊される恐れがある、
c.細孔が残ったままだと、導電性の悪化や金属イオン移動の妨げの原因になったり、又は、活物質である複合炭素質物の電解液に対する濡れ性が低いために、金属イオンの吸蔵・放出が行われる炭素質物表面が金属イオンの授受に関して均一に利用されにくい等の問題が生じやすい。一方、かかる残炭量が大きすぎる場合には、黒鉛性炭素質物の表面の細孔へ炭素化し得る有機化合物が充填される以上の炭素化し得る有機化合物により、複合炭素質物の物性が変化し悪影響が生ずるものと考えられるが、放電容量が低下し、充放電効率が低下し、理論上電極容量の最大である黒鉛性炭素質物の特性を有効に利用しにくくなる。
【0014】
(3)製造方法
本発明の製造方法について以下に説明する。本発明における複合炭素質物の製造方法は、黒鉛性炭素質物及び炭素化し得る有機化合物を混合し、加熱炭素化処理することによって、該黒鉛炭素質物の表面に該有機化合物の炭化物が付着してなる電極用炭素材料を製造する方法であって、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を加熱炭素化処理するに先立ち100℃〜500℃の温度で加熱処理して該有機化合物中に含まれる揮発分を除去する工程を有することを特徴とする。
【0015】
即ち、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を、加熱処理する。加熱処理の温度下限は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、更に好ましくは150℃以上である。温度上限は、500℃以下、好ましくは400℃以下、特に好ましくは300℃以下である。該加熱処理温度が100℃より低いと揮発分が効率よく除去できず、また500℃より高い場合は、揮発分が発火する危険性が高くなるため安全性の面から好ましくない。加熱処理時間は、処理温度等により適宜選択すればよいが、通常5〜60分程度である。
【0016】
揮発分除去工程の雰囲気は、空気中又は不活性ガス雰囲気中等任意の雰囲気を選択することができる。また、圧力は、減圧〜加圧まで任意の圧力を選択すればよい。
揮発分を抜けやすくするためにはゆっくりと昇温することが望ましいが、100℃から200℃までの昇温スピードを1℃/分以上5℃/分以下とすると更に望ましい。
揮発分除去工程は、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を攪拌しながら実施しても、攪拌せずに実施してもよいが、攪拌する方が、揮発分の除去がより均一に行える点で好ましい。
【0017】
黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物は、
▲1▼予め所望の混合比で混合したものを揮発分除去工程に供してもよいし、また、
▲2▼揮発分除去工程において、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合及び揮発分除去を同時に行ってもよく、また、
▲3▼揮発分除去のための加熱を開始し、昇温する過程で混合し、引き続き揮発分除去を行ってもよい。
▲2▼の場合、例えば、黒鉛性炭素質物を所望の温度に加熱した後、攪拌しながら炭素化し得る有機化合物を噴霧等により添加する方法等が挙げられる。
【0018】
予め、黒鉛性炭素質物(N)と炭素化し得る有機化合物との混合物を得る場合、混合方法としては、通常20℃〜100℃、好ましくは30℃〜80℃、より好ましくは40℃〜70℃の温度で、従来公知の任意の方法により混合すればよい。
揮発分除去工程に用いる装置としては、ホットプレート、撹拌翼を備えた混合機;2本の枠型ブレードが固定式タンク内で遊星運動を行いながら回転する構造を有する混合機;撹拌させる為の3枚羽根ブレードと分散させる為の高速回転チョッパ−羽根を固定式タンク内に有する縦型高速高せん断タイプのミキサー;内部に一本のシャフトとシャフトに固定された複数のすき状又は鋸歯状のパドルがパドルが位相を変えて複数配置された反応室を有し、その内壁面は、パドルの回転の最外線に実質的に沿って、好ましくは円筒型に形成された、その隙間を最小限とし、パドルはシャフトの軸方向に複数枚配列された構造の装置、例えばレーディゲ社製の「レディゲミキサー」、等適宜選択することができる。
【0019】
揮発分除去工程によって、炭素化前に炭素化し得る有機化合物中に含まれる揮発分を除去することができ、これにより得られる炭素質電極材料(複合炭素質物)の比表面積が低下し、更に不可逆容量が低下する。
上記揮発分除去工程で得られた黒鉛性炭素質物粒(N)と炭素化し得る有機化合物との混合物を、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等の不活性ガス流通下で加熱することにより、炭素化し得る有機化合物が炭素化される。
この炭素化工程は、通常、上記の揮発分除去工程とは別の装置で実施する。
【0020】
炭素化温度は、用いる炭素化し得る有機化合物の種類によって異なるが、通常、温度下限は500℃以上、好ましくは800℃以上、更に好ましくは850℃以上である。一方、温度上限は基本的に炭素質物(N)の結晶構造を上回る構造秩序を有しない温度まで上げることができる。従って熱処理の上限温度としては、通常2500℃以下、好ましくは2000℃以下、更に好ましくは1500℃以下が好ましい範囲である。このような熱処理条件において、昇温速度、冷却速度、熱処理時間などは目的に応じて任意に設定する事ができる。また、比較的低温領域で熱処理した後、所定の温度に昇温することもできる。
【0021】
なお、本工程に用いる反応機は回分式でも連続式でもよく、又、一基でも複数基でもよい。
本炭素化工程において、炭素化し得る有機化合物が炭素化され、有機化合物の炭化物が黒鉛性炭素質物(N)表面の一部あるいは全体を被覆した状態で複合化した生成物(複合炭素質物)が得られる。
C.粉体加工工程
上記炭素化工程で得られた複合炭素質物に対し、粉砕、解砕、分級処理など粉体加工処理を施す。粉砕、解砕、分級処理の程度は特に限定されないが、通常、最終的な電極材料と同程度の大きさにする。
【0022】
(4)電極用炭素材料(複合炭素質物)
本発明の方法で得られる複合炭素質物は、全体として粒状、繊維状などの任意の形状を取りえるが、通常、粒状であることが好ましい。粒状の場合、体積平均粒径が1〜100μm、好ましくは5〜50μm、特に好ましくは20〜35μmである。
【0023】
BET法を用いて測定した本発明の方法で得られる複合炭素質物の比表面積は、通常0.2〜10m/g、好ましくは0.3〜5m/g、特に好ましくは0.7〜2.5m/gの範囲である。
比表面積が大きすぎると安全性の低下という問題がある。
比表面積が小さいと、電池の不可逆容量が小さくなる傾向があることが知られている。
本発明の方法で得られる複合炭素質物のタッピング密度は、通常0.5〜2g/cc、好ましくは0.8〜1.3g/ccの範囲である。
【0024】
本発明の方法で得られる複合炭素質物の平均円形度(粒子面積相当円の周囲長を分子とし、撮影された粒子投映像の周囲長を分母とした比率)は通常0.70〜0.95、好ましくは0.8〜0.9の範囲である。
なお、円相当径による粒径分布の測定および円形度の算出は、フロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製FPIA−2000)などを使用して行うことができる。分散媒としてイオン交換水を使用し、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを使用する。円相当径とは、撮像した粒子像と同じ投影面積を持つ円(相当円)の直径であり、円形度とは、相当円の周囲長を分子とし、撮像された粒子投影像の周囲長を分母とした比率である。測定した全粒子の円形度を平均し、平均円形度とする。平均円形度は、粒子像が真円に近いほど1となり、粒子像が細長いあるいはでこぼこしているほど小さい値になる。
【0025】
本発明の方法で得られる複合炭素質物の水銀ポロシメータ細孔量は通常0.05cc/g以上、好ましくは0.05〜0.12cc/gの範囲である。
なお、水銀ポロシメータ細孔量(細孔径0.1μm以下)は、粉体層の中へ水銀を圧入し、その水銀圧入時の圧力と圧入量から粉体層中の粒子間及び粒子内の細孔量分布を細孔量測定装置(アコム社製ポロシメータ2000)などを使用して測定することができる。
【0026】本発明の方法で得られる複合炭素質物の引っ掻き強度は、平均粒径20μm以上のものにおいては、通常100g以上、好ましくは170〜300gの範囲であり、平均粒径15μm未満のものにおいては、通常300g以上、好ましくは400g以上、特に好ましくは500〜800gの範囲である。
なお、引っ掻き強度は、鉛筆引っ掻き試験機(日東精機社製)などを使用し、極板の引っ掻き強度を測定することができる。引っ掻き治具は、鉛筆に代替し、0.5R7φのステンレス棒を使用する。
測定方法は、引っ掻き試験機の試験片取り付け台に塗布面を上向きにした状態の電極(金属箔とその上に塗布された粉体層)を取り付けた後、試験片にかかるステンレス棒の荷重が、正にも負にも偏らないようににバランスおもりで調整する。次いで、おもり台におもりを載せ、ハンドルを一定の速さで回して試験片を約3mm水平方向に移動させ塗布面を引っ掻く塗布面がすべて削れ、銅箔が完全に見えた時のおもりの重量を試験片の引っ掻き強度とする。試験片を移動方向に対して直角にずらして位置を変え合計5回引っ掻き、平均値を取る。
【0027】
(5)二次電池
本発明の方法で得られる電極用炭素材料は、電池の電極として有用である。特にリチウム二次電池などの非水系二次電池の負極材料として極めて有用である。例えば、上記の方法にしたがって製造した電極用炭素材料を負極として使用し、通常使用されるリチウムイオン電池用の金属カルコゲナイド系正極及びカーボネート系溶媒を主体とする有機電解液を組み合わせて構成した非水系二次電池は、容量が大きく、初期サイクルに認められる不可逆容量が小さく、急速充放電容量が高く、またサイクル特性が優れ、高温下での放置における電池の保存性および信頼性も高く、高効率放電特性および低温における放電特性に極めて優れたものである。このような非水系二次電池を構成する正極、電解液等の電池構成上必要な部材の選択については特に制限されない。以下において、非水系二次電池を構成する部材の材料等を例示するが、使用し得る材料はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0028】
非水系二次電池を構成する正極には、例えば、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物材料;二酸化マンガン等の遷移金属酸化物材料;フッ化黒鉛等の炭素質材料などのリチウムを吸蔵・放出可能な材料を使用することができる。具体的には、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMnおよびこれらの非定比化合物、MnO、TiS、FeS、Nb、Mo、CoS、V、P、CrO、V、TeO、GeO等を用いることができる。正極の製造方法は特に制限されず、上記の電極の製造方法と同様の方法により製造することができる。
【0029】
正極集電体には、電解液中での陽極酸化によって表面に不動態皮膜を形成する弁金属またはその合金を用いるのが好ましい。弁金属としては、IIIa、IVa、Va族(3B、4B、5B族)に属する金属およびこれらの合金を例示することができる。具体的には、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、Taおよびこれらの金属を含む合金などを例示することができ、Al、Ti、Taおよびこれらの金属を含む合金を好ましく使用することができる。特にAlおよびその合金は軽量であるためエネルギー密度が高くて望ましい。
【0030】
非水系二次電池に使用する電解液としては、非水系溶媒に溶質(電解質)を溶解したものを用いることができる。溶質としては、アルカリ金属塩や4級アンモニウム塩などを用いることができる。具体的には、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSOからなる群から選択される1以上の化合物を用いるのが好ましい。
【0031】
非水系溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル化合物;1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル;クラウンエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル;ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状カーボネートなどを用いることができる。溶質および溶媒はそれぞれ1種類を選択して使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも非水系溶媒が、環状カーボネートと鎖状カーボネートを含有するものが好ましい。
【0032】
非水系二次電池に使用するセパレーターの材質や形状は特に制限されない。セパレーターは正極と負極が物理的に接触しないように分離するものであり、イオン透過性が高く、電気抵抗が低いものであるのが好ましい。セパレータは電解液に対して安定で保液性が優れた材料の中から選択するのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シートまたは不織布を用いて、上記電解液を含浸させることができる。
【0033】
非水系電解液、負極および正極を少なくとも有する非水系電解液二次電池を製造する方法は、特に限定されず通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。非水系電解液二次電池には、非水系電解液、負極、正極の他に、必要に応じて、外缶、セパレータ、ガスケット、封口板、セルケースなどを用いることもできる。その製法は、例えば外缶上に負極を乗せ、その上に電解液とセパレータを設け、さらに負極と対向するように正極を乗せて、ガスケット、封口板と共にかしめて電池にすることができる。電池の形状は特に制限されず、シート電極およびセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極およびセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極およびセパレータを積層したコインタイプ等にすることができる。
【0034】
本発明の方法により得られる電極用炭素材料を用いた電池の不可逆容量は、通常50mAh/g以下、好ましくは、30mAh/g以下である。
不可逆容量は以下のような方法で電池を作製し、評価を行った。
銅箔上に目付12.5mg,密度1.5g/ccに調整した合材(負極活物質/スチレンブタジエンゴム(SBR)/カルボキシメチルセルロース(CMC)=96.6/2/1.4の組成)を負極に、対極にLiを使用し、CR2016コインセルの電池を作製した。
充放電試験は、以下のような方法で実施した。
充電は、電流密度0.16mA/cmの定電流にて行い、10mVになったところで定電圧にて充電し、容量350mAh/gに達したところで終了とした。
放電は、電流密度0.33mA/cmの定電流にて行い、電圧が1.5Vになったところで終了とした。
不可逆容量とは、電池充放電の1サイクル目の充電容量から放電容量を差し引いた値である。
【0035】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの例によってなんら限定されるものではない。
得られた電極用炭素材料(複合炭素質物)の物性の測定方法を以下に示す。
体積基準平均粒径:
界面活性剤であるポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの2体積%水溶液(約1ml)を電極用炭素材料に混合し、イオン交換水を分散媒としてレーザー回折式粒度分布計(堀場製作所社製LA−700)にて体積基準の平均粒径(メジアン径)を測定した。
【0036】
有機化合物の残炭量:
有機化合物の残炭量が、3〜8重量%となるように炭素化し得る有機化合物の量を調整した。
BET比表面積:
島津製作所社製ジェミニ2360を用い、予備乾燥として350℃に加熱し、15分間窒素ガスを流した後、窒素ガス吸着による相対圧0.04〜0.31におけるBET6点法によって測定した。
タッピング密度:
粉体密度測定器(ホソカワミクロン社製パウダーテスター)を用い、電極用炭素材料が透過する篩として目開き300μmの篩を使用し、100cmのタップセルに粉体を落下させてセルを満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを500回行って、その時のタッピング密度を測定した。
【0037】
本発明の方法で得られた複合炭素質物を負極として使用し、リチウムイオン二次電池を作製し、評価した。
電池構成:
電池タイプとして、CR2016コインセル型で作製、評価を行った。本発明の方法で得られた複合炭素質物を、合材目付が12.5mg、合材密度が1.5g/ccとなるように負極電極を作成した。この時、負極活物質に、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を混合し、合材組成が、負極活物質/SBR/CMC=96.6/2/1.4  となるようにした。
対極としてLiを使用し、電解液の溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を、ECとDECの体積比が1:3となるように混合し、溶質としてLiPFを濃度1M/Lとなるように溶解して使用した。
【0038】
電池作製方法:
組成が、負極活物質/SBR/CMC=96.6/2/1.4となるように作製したスラリーを銅箔上に塗布後乾燥し、乾燥後の目付が10mg/cmとなるように電極を調整した。
次に、ロールプレス機により電極をプレスし、密度が1.5g/ccになるように調整した。この時、ロールプレスは4回〜10回に分けて実施することで少しずつ目標密度にちかづけていくように注意した。このようにして作製した負極電極を用いて、以下の通りコインセルを作製した。
準備:CR2016セルの内側中央に15φ0.1mm厚のSUS板を3枚程溶接する。
負極電極を真空乾燥器にて60℃、12hrの処理を行う
【0039】
コインセル組立:SUS板を溶接したセルの上に負極電極をのせ、電解液を含浸させたセパレータ(19φ)を負極電極の上にのせる。続いて14φ0.5mm厚のLiメタルを中央にのせる。最後に、ガスケット付きのCR2016封口板をはめ込み、かしめ機にてかしめ、コインセルを完成させる。
評価:上記のように作製したコインセルを以下の条件で評価した。
充電は、電流密度0.16mA/cmの定電流にて行い、10mVになったところで定電圧にて充電し、容量350mAh/gに達したところで終了とした。
放電は、電流密度0.33mA/cmの定電流にて行い、電圧が1.5Vになったところで終了とした。
電池の特性として、不可逆容量を評価した。
【0040】
不可逆容量とは、電池充放電の1サイクル目の充電容量から放電容量を差し引いた値であり、負極界面にてLiと電解液が反応することによって奪われたLiの量に比例する。反応に消費されたLiは皮膜として負極界面に残るので、そこで消費されたLiは、2サイクル目以降の充放電には寄与しない。よって、その分可逆容量が減ることになる。不可逆容量が大きいと、有効な電池容量を大きくできないという問題がある。
表1に、実施したリチウムイオン二次電池負極材料としての評価試験条件について示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004063456
【0042】
比較例1
内容積130リットルのレディゲミキサ−に炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末30kgを投入し、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)6kgを加えて、60℃で10分撹拌して、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間半で1300℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった複合炭素質物の粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0043】
実施例1
炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末と、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)を2:1の混合比で予め混合し、混合物を得た。
次いで得られた混合物を250℃のホットプレート上で20分間撹拌を行い、石油系タールの揮発分を60重量%揮発させた。
次いで得られた揮発分除去混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間半で1300℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった複合炭素質物の粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0044】
実施例2
炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末と、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)を3:1の混合比で予め混合し、混合物を得た。
次いで得られた混合物を250℃のホットプレート上で20分間撹拌を行い、石油系タールの揮発分を50重量%揮発させた。
次いで得られた揮発分除去混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間半で1300℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった複合炭素質物の粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0045】
実施例3
炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末と、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)を加えて、3:1の混合比で予め混合し、混合物を得た。
次いで得られた混合物をパドルドライヤーに投入し、120℃で1時間撹拌を行い、石油系タールの揮発分を15重量%揮発させた。
次いで得られた揮発分除去混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間半で1300℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
実施例1〜3において、電池の不可逆容量は、16〜20mAh/gの範囲になると推測される。
【0046】
実施例4
内容積25リットルの縦軸型高速高せん断ミキサーに炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末3kgを投入し、撹拌させた状態の機内へ、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)0.6kgをスプレーノズルにより噴霧供給しながら、200℃で20分の撹拌を行い、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間半で1300℃まで昇温し、1時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0047】
比較例2
内容積130リットルのレディゲミキサ−に炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末30kgを投入し、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)10kgを加えて、60℃で10分撹拌して、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間で900℃まで昇温し、1時間半保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0048】
実施例5
内容積25リットルの縦軸型高速高せん断ミキサーに炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末3kgを投入し、撹拌させた状態の機内へ、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)1kgをスプレーノズルにより噴霧供給しながら、200℃で20分の撹拌を行い、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で4時間で900℃まで昇温し、1時間半保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0049】
比較例3
内容積130リットルのレディゲミキサ−に炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末30kgを投入し、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)10kgを加えて、60℃で10分撹拌して、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で2時間半で700℃まで昇温し、3時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
【0050】
実施例6
内容積25リットルの縦軸型高速高せん断ミキサーに炭素質物(N)として平均粒径25umの黒鉛粉末3kgを投入し、撹拌させた状態の機内へ、炭素化し得る有機化合物として石油系タ−ル(50℃における粘度50cp)1kgをスプレーノズルにより噴霧供給しながら、200℃で20分の撹拌を行い、黒鉛粉末と石油系タールとの混合物を得た。
【0051】
次いで得られた混合物を加熱炉に入れ、窒素ガス雰囲気下で2時間半で700℃まで昇温し、3時間保持した。その後、室温まで冷却して被覆層が炭素化した複合物を得た。
炭素化工程で得られた複合物を粉砕機を用いて解砕し、一定の粒度分布をもった炭素系複合粉末を得た。
得られた複合炭素質物の粉末の分析結果を表2に示す。
上記のように得られた複合炭素質物の粉末を負極に用いて得られた非水系電解液二次電池の不可逆容量を評価した。表2に、その測定結果を示す。
【0052】
【表2】
Figure 2004063456
【0053】
表2にあるように、比較例1と実施例4は、炭素質物(N)と炭素化し得る有機化合物の混合重量比が同じであるが、揮発分除去工程を有する実施例4の不可逆容量が小さい。同様に、比較例2と実施例5、比較例3と実施例6の不可逆容量を比較すると、揮発分除去工程を入れた場合の不可逆容量が小さい。これらのことから明らかなように、本発明の方法により複合炭素質物を得ることは、不可逆容量の低減に効果的である。
【0054】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、不可逆容量が小さい為、高容量、高効率であり、電解液に対する安全性の高い電極用炭素材料を安定的に効率よく製造することができるため、工業上非常に有用である。

Claims (6)

  1. 黒鉛性炭素質物及び炭素化し得る有機化合物を混合し、加熱炭素化処理することによって、該黒鉛性炭素質物の表面に該有機化合物の炭化物が付着してなる電極用炭素材料を製造する方法であって、黒鉛性炭素質物と炭素化し得る有機化合物との混合物を加熱炭素化処理するに先立ち、100℃〜500℃の温度で加熱処理して該有機化合物中に含まれる揮発分を除去する工程を有することを特徴とする電極用炭素材料の製造方法。
  2. 電極用炭素材料に含まれる有機化合物の炭化物の量が0.1〜25重量%である請求項1に記載の電極用炭素材料の製造方法。
  3. 電極用炭素材料のBET比表面積が0.2〜10m/gである請求項1又は2に記載の電極用炭素材料の製造方法。
  4. 電極用炭素材料のタッピング密度が0.5〜2g/ccである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極用炭素材料の製造方法。
  5. 電極用炭素材料を非水溶媒二次電池にしたときの充放電試験での不可逆容量が50mAh/g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極用炭素材料の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極用炭素材料を使用した非水溶媒二次電池
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