JP2004059415A - 燃料改質器及び燃料電池発電システム - Google Patents

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Katsuki Yagi
八木 克記
Naohiko Matsuda
松田 直彦
Etsuro Hirai
平井 悦郎
Setsuo Omoto
大本 節男
Hirohisa Yoshida
吉田 博久
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Abstract

【課題】高効率な燃料改質器の提供。
【解決手段】2重円筒容器2の内筒14内に、バーナ8、燃焼筒9及び輻射筒10を順に配置し、内筒14と外筒15間に中間円筒11を配置し、燃焼筒9の周囲に水蒸気発生装置7を配置し、輻射筒10と内筒14間をバーナ燃焼空間30に連通するバーナ排ガス流路29とし、改質触媒層3を内筒14と中間円筒11間の第1領域24の少なくとも一部に形成し、CO変成触媒層4を中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接させて、第1領域24と下端部で連通する中間円筒11と外筒15間の第2領域25に形成し、外筒15の外表面にCO変成触媒層4の冷却装置12、13を配置する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高効率な燃料改質器に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池発電システムなどの分散電源システム(燃料から電気と熱を作るシステム)では、燃料を水素リッチなガスに改質して使用することが行われる。燃料は炭化水素を含有するものであり、例えば都市ガスやLPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)、灯油などが使用される。以下、改質対象の燃料を改質原料と呼び、改質原料と水蒸気が混合したものを混合蒸気と呼び、改質された水素リッチなガスを改質ガスと呼ぶ。また、水蒸気の元となる水を改質原料水と呼ぶ。
【0003】
燃料の改質は、改質原料を水蒸気と混合して触媒層に流通させ、水蒸気改質反応とCO変成反応(COシフト反応とも呼ばれる)を起こさせることにより行われる。水蒸気改質反応に使用される触媒は改質触媒と呼ばれ、CO変成反応に使用される触媒はCO変成触媒と呼ばれている。CO変成触媒は反応温度別に触媒種が異なり、一般に、400°C前後の高温側で作動するHTS触媒(高温用CO変成触媒)と、200°C前後の低温側で作動するLTS触媒(低温用CO変成触媒)がある。また、改質ガスをPROX触媒層に流通させて、COに対する選択酸化反応を起こさせ、燃料電池を被毒させるCO(一酸化炭素)の濃度を極力下げることが行われる。PROXは選択酸化(PReferable OXidization)のことである。燃料改質器は分散電源システムの他、種々のシステムに使用される。
【0004】
図1に従来の燃料改質器の構成を示す。図1に示すように、従来の燃料改質器101は2重の円筒容器2内に、改質触媒層3と、バーナ8と、燃焼筒9と、輻射筒10と、中間円筒11を備えたものである。CO変成触媒層4は燃料改質器101とは別のCO変成器103に備えられている。改質触媒層3からの改質ガス3aとCO変成触媒層4からの改質ガス4aはそれぞれ、個別に製造した熱交換器102、104で冷却される。更に、燃料改質器101の外部に設置した蒸発器105により、バーナ排ガス28を熱源として改質原料水26から水蒸気22を発生させている。
【0005】
つまり、燃料改質器101、熱交換器102、CO変成器103、熱交換器104及び蒸発器105はそれぞれ個別に単体で製造された後、別置きにされて、配管等で接続されている。図1中、33はPROX反応器であり、PROX触媒層34を内部に備えている。38は燃料電池(FC:Fuel Cell)である。
【0006】
以下に、図1の構成を少し詳しく説明する。円筒容器2は内筒14と、外筒15と、蓋16と、底17を有しており、内筒14内に、バーナ8と燃焼筒9と輻射筒10が順に配置されている。中間円筒11は内筒14と外筒15との間に配置されている。図1中、18は改質器入口、19は改質ガス出口、20はバーナ排ガス出口、21は改質原料、22は水蒸気、23は混合蒸気、24は改質触媒層が形成される第1領域、26は改質原料水、27はバーナ火炎、28はバーナ排ガス、29はバーナ排ガス流路、30はバーナ燃焼空間である。
【0007】
改質触媒層3は改質触媒粒子を充填したものであり、内筒14と中間円筒11との間の領域(第1領域24)に形成されている。改質原料21と水蒸気22は混合蒸気23となって、改質器入口18から改質触媒層3に通気される。
【0008】
中間円筒11と外筒15との間の領域(第2領域25)は空であり、単に、改質ガス流路として使用されている。この領域25は中間円筒11と底17との隙間を介して、改質触媒層3が形成される領域24と連通しており、改質ガス3aは中間円筒11と底17との隙間で折り返し、改質ガス出口19から器外に至る。
【0009】
バーナ8は改質触媒層3を加熱するために使用されている。これは水蒸気改質反応が吸熱反応であることから、この吸熱分をバーナ燃焼熱で与えるためである。輻射筒10は改質触媒層3の加熱効率を上げるために使用される。輻射筒10と内筒14との間の領域はバーナ排ガス流路29であり、輻射筒10と底17との隙間を介して、輻射筒10内のバーナ燃焼空間30と連通している。
【0010】
蒸発器105は、燃料改質器101のバーナ排ガス出口20から排出されるバーナ排ガスを熱源とする熱交換器として、改質器101とは別置きで配置されている。
【0011】
CO変成器103はCO変成触媒層4を内蔵しており、燃料改質器101からの改質ガス3a中のCOを極力水素ガスに転換する。熱交換器102は、例えば水との熱交換を行うことにより、燃料改質器101からの改質ガス3aの温度が高温なので、HTS触媒またはLTS触媒の適正作動温度まで下げる。
【0012】
PROX反応器33はPROX触媒層34を内蔵しており、CO変成器103からの改質ガス4a中のCOを選択的に酸化することで、CO濃度を下げる。熱交換器104は、例えば温水との熱交換を行うことにより、CO変成器103からの改質ガス4aの温度がPROX触媒層34の適正作動温度より高い場合に、改質ガス4aの温度を下げるように使用される。
【0013】
PROX触媒層34を流通した後の改質ガス34aは、例えば燃料電池38の水素極(アノード)に供給される。燃料電池38の空気極(カソード)には空気が供給され、改質ガス34a中の水素と空気中の酸素との電気化学反応により、発電が行われる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の燃料改質器には以下の問題がある。
(1) 個別に製造した熱交換器102を、燃料改質器101とCO変成器103の間に配置することで、改質ガス3aの温度をCO変成触媒層4の適正作動温度まで下げているため、熱交換器102で改質ガス3aの温度を下げた分の熱がロスになり、改質効率が悪かった。
(2) 同様に、個別に製造した熱交換器104を、CO変成器103とPROX反応器33の間に配置することで、改質ガス4aの温度をPROX触媒層34の適正作動温度まで下げているため、熱交換器104で改質ガス4aの温度を下げた分の熱がロスになり、改質効率が悪かった。
(3) 更に、CO変成反応は発熱反応であるが、CO変成器103に入ってくる改質ガス3aを熱交換器102で冷却するだけで、CO変成器103自体では内部のCO変成触媒層(HTSやLTS)4を冷却する機構を持たないため、なりゆきの温度分布によってCO変成反応が行われていた。
(4) CO変成触媒層4で発生した熱は活用されず、ロスになっていた。言い換えれば、改質触媒層3にその吸熱分を全てバーナ8の燃焼熱で与える必要があったため、バーナ焚き込み量が多くなり、改質効率が悪かった。
(5) また更に、蒸発器105は改質触媒層3に吸熱分を与えた後のバーナ排ガス28の顕熱(約400°C)を水蒸気発生の熱源としていたため、熱交換の温度差が小さく、負荷変化時の水蒸気発生量の応答性が悪かった。また、改質原料水26とバーナ排ガス28との温度差が小さいため、蒸発器105のボイラ効率が悪かった。これらにより、蒸発器105自体を大きくする必要があり、システムが大型になっていた。
(5) 更に、熱交換器102、CO変成器103、熱交換器104及び蒸発器105がそれぞれ個別に製造され、燃料改質器101と別置きであるため、その分、装置点数が増え、システムが大型になり、コストが高くなっていた。
【0015】
本発明は、上記従来の燃料改質器が持っている問題点に鑑みてなされたものであり、高効率な燃料改質器、並びに、この燃料改質器を用いた燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1発明は上記目的を達成する燃料改質器であり、外筒及びこの外筒の内側に配置された内筒を有する2重の円筒容器と、前記内筒内に配置されたバーナと、前記内筒内で前記バーナの外側に配置された燃焼筒と、前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置された輻射筒と、前記内筒と前記外筒との間に配置された中間円筒と、前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置され、改質原料に混合される水蒸気を発生する水蒸気発生装置と、前記輻射筒と前記内筒との隙間で形成され、下端部で前記輻射筒内のバーナ燃焼空間と連通するバーナ排ガス流路と、前記内筒と前記中間円筒との隙間で形成された第1領域の少なくとも一部に形成された改質触媒層と、前記中間円筒と前記外筒との隙間で形成された領域であって、下端部で前記第1領域と連通する第2領域に形成されたCO変成触媒層と、前記外筒の外表面に配置され、前記CO変成触媒層を冷却する冷却装置とを具備することを特徴とする。
【0017】
この場合、第1発明の燃料改質器において、水蒸気発生装置として、例えば蛇管式やソレノイド管式のものなどを使用すると良い。また、冷却装置の熱交換で得た熱を有効利用して、バーナ焚き込み燃料量を低下させると良い。例えば、この冷却装置の冷却流体に改質原料水を用いて水蒸気を発生したり、あるいは、冷却流体にバーナ空気を用いてこれを温める。冷却装置で発生した水蒸気は改質原料や改質ガスに混合することができ、冷却装置で温めたバーナ空気はバーナの予混合温度上昇に利用することができる。
【0018】
第2発明の燃料改質器は、第1発明において、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層が前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする。言い換えれば、低温用CO変成触媒層は改質触媒層と隣接させないようにしても良い。
【0019】
第3発明の燃料改質器は、第2発明において、前記CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層が前記第2領域に形成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする。
【0020】
この場合、無反応層は壁とガスとの間の熱伝達を促進することを目的とした熱伝達率を向上させるための手段であり、例えば、触媒活性がない粒子を充填したものでも、このような粒子は用いず単に流路幅を狭くして水力直径を小さくしたものであっても良い。要は、無反応層としては、無反応層における壁と改質ガスとの間の熱伝達を向上させるための手段であれば良く、触媒活性のない粒子の充填層あるいは流路のうちその幅が狭くなった部分などが考えられる。
【0021】
第4発明の燃料改質器は、第1発明において、前記CO変成触媒層が低温用CO変成触媒層のみで構成され、前記低温用CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層が前記第2領域に形成され、前記低温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする。
【0022】
第5発明の燃料改質器は、第1発明において、前記内筒内で、前記燃焼筒内の燃焼空間に配置された輻射熱変換体を具備することを特徴とする。
【0023】
第6発明の燃料改質器は、第1発明において、前記円筒容器の底及び半径方向の周囲を囲む真空断熱層を具備することを特徴とする。
【0024】
第7発明の燃料改質器は、第1発明において、前記円筒容器のバーナ排ガス出口に連通するように同円筒容器に接続されたバーナ排ガスダクトを具備し、このバーナ排ガスダクトの内側に前記水蒸気発生装置の一部が配置されていることを特徴とする。
【0025】
第8発明の燃料改質器は、第2発明において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とする。
【0026】
第9発明の燃料改質器は、第4発明において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とする。
【0027】
第8発明、第9発明いずれの燃料改質器においても、第1冷却装置及び第2冷却装置の熱交換で得た熱を有効利用して、バーナ焚き込み燃料量を低下させると良い。例えば、これら2つの冷却装置の冷却流体をともに改質原料水として水蒸気を発生させたり、あるいは、冷却流体をともにバーナ空気としたり、あるいは、一方の冷却装置の冷却流体を改質原料水として水蒸気を発生させ、他方の冷却装置の冷却流体をバーナ空気としたりすることができる。
【0028】
第10発明の燃料改質器は、第2発明において、前記中間円筒のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とする。
【0029】
第11発明の燃料改質器は、第2発明において、前記中間円筒のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とする。
【0030】
第12発明の燃料改質器は、第1発明において、前記冷却装置が、前記外筒の外表面に代えて、前記外筒内に配置されていることを特徴とする。
【0031】
第13発明の燃料改質器は、第12発明において、前記冷却装置が前記外筒の外側に折り返された部分と前記中間円筒との間の領域及びこの領域に隣接する前記中間円筒と前記内筒との間の領域で構成され、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、前記低温用CO変成触媒層は前記外筒の折り返された部分で構成される領域が前記中間円筒の外側に連なる中間円筒鍔部で仕切られた部分に配置され、前記高温用CO変成触媒層は前記低温用CO変成触媒層よりも上流側に配置されていることを特徴とする。
【0032】
この場合、改質原料と水蒸気との混合蒸気に加えて、中間円筒と内筒との間に水を直接注入することにより、中間円筒を隔てて流れる高温用CO変成触媒層の出口ガスの温度が熱交換により下がる。注入した水は水蒸気となって改質触媒層へ流れ、改質反応を生じさせる。低温用CO変成触媒層は冷却装置により、冷却する。
【0033】
また、第2領域のうち、高温用CO変成触媒層より上流の部分において流路幅を狭くして水力直径を小さくし、これを粒子のない無反応層としても良い。これにより、流路幅が狭い部分で壁と改質ガスとの間の熱伝達が向上する。
【0034】
第14発明は燃料電池発電システムであり、第1発明から第13発明いずれかの燃料改質器と、PROX触媒層を有し前記燃料改質器に接続されたPROX反応器とを機器として具備し、更に、このPROX反応器に接続された燃料電池を具備することを特徴とする。
【0035】
第15発明の燃料電池発電システムは、第14発明において、前記PROX反応器と前記燃料電池との間に接続された凝縮器を具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0037】
[第1実施例の構成]
図2に本発明の第1実施例に係る燃料改質器の構成を示す。図2に示すように、本第1実施例の燃料改質器1は、2重の円筒容器2内に、改質触媒層3と、CO変成触媒層4と、水蒸気発生装置7、バーナ8と、燃焼筒9と、輻射筒10と、中間円筒11を備えたものである。更に、本第1実施例では、CO変成触媒層4を、HTS触媒層(高温用CO変成触媒層)5とLTS触媒層(低温用CO変成触媒層)6の両方で構成している。また、円筒容器2の外表面に配置する冷却装置として、第1冷却装置12と第2冷却装置13を備えている。
【0038】
図2において、円筒容器2は内筒14と、外筒15と、蓋16と、底17を有しており、内筒14は外筒15の半径方向内側に間隔を置いて同心円状に配置されている。蓋16には、それぞれ環状に開口する改質器入口18、改質ガス出口19及びバーナ排ガス出口20が設けられている。改質原料21と水蒸気22との混合蒸気23は、改質器入口18から改質触媒層3に流通する。
【0039】
バーナ8、燃焼筒9及び輻射筒10は、内筒14の内側に備えられている。具体的には、燃焼筒9はバーナ8の半径方向外側に間隔を置いて同心円状に配置され、輻射筒10は燃焼筒9の半径方向外側に間隔を置いて同心円状に配置されている。また、中間円筒11は、内筒14と外筒15との間に、これらに対して半径方向に隙間を置いて配置されている。
【0040】
バーナ8、燃焼筒9、輻射筒10、中間円筒11、内筒14及び外筒15それぞれの上端部は、蓋16に固定され、封止されている。内筒14及び外筒15それぞれの下端部は底17に固定され、封止されているが、バーナ8、燃焼筒9、輻射筒10及び中間円筒11それぞれの下端部は封止されず、底17との間に隙間をおいて開放している。
【0041】
改質触媒層3は、内筒14と中間円筒11との間の隙間で形成される第1領域(断面環状のドーナツ状領域)24内のほぼ全てに形成されている。改質触媒層3は、改質器入口18から水蒸気22と混合して流通してくる改質原料21を、水蒸気改質反応により改質ガス3aに転換する。改質触媒層3としては、例えばアルミナ粒子を担体にしたNi系やRu系の改質触媒を充填したものが使用されている。なお、改質触媒層3は、かならずしも触媒粒子群を接着等により一体化して層状にしたものである必要はなく、上述のように、触媒粒子群を第1領域24に単に充填しているだけのものであっても良い。
【0042】
CO変成触媒層4は、中間円筒11と外筒15との間の隙間で形成される第2領域(断面環状のドーナツ状領域)25内のほぼ全てに形成されている。この第2領域25は、改質触媒層3が形成されている第1領域24とは中間円筒11を挟んで隣接し、且つ、中間円筒11と円筒容器2の底17との間の隙間を介して第1領域24と連通している。従って、改質触媒層3で生成された改質ガス3aは、第1領域24から中間円筒11と底17との隙間で折り返して、第2領域25内のCO変成触媒層4に流通してくる。つまり、改質触媒層3とCO変成触媒層4は中間円筒11を挟んで対向流で向かい合って配置されている。
【0043】
本第1実施例では、改質触媒層3が第1領域24のほぼ全てに形成され、CO変成触媒層4が第2領域25のほぼ全てに形成され、また、CO変成触媒層4の全てが中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接している。
【0044】
改質ガス3aはCO変成触媒層4を流通することで、CO変成反応により、その中のCOが水素に転換される。改質ガス出口18は配管32を介して器外のPROX反応器33と接続されており、CO変成反応によってより一層水素リッチとなった改質ガス4aがPROX反応器33に与えられる。
【0045】
更に、本第1実施例では、CO変成触媒層4を、400°C±50°C前後で作動するHTS触媒層(高温用CO変成触媒層)5と、200°C±50°C前後で作動するLTS触媒層(低温用CO変成触媒層)6の両方で構成し、LTS触媒層6の長寿命化と、CO変成効率及び熱効率の向上を図っている。HTS触媒層5は第2領域25中、改質ガス流れ方向の上流側(図2では下側)に配置し、LTS触媒層6はHTS触媒層5に続いて、同領域25中改質ガス流れ方向の下流側(図2では上側)に配置している。
【0046】
HTS触媒層5としては、例えばFeやCr等の金属粒子を充填したものが使用される。LTS触媒層6としては、例えばCu/Zn等の金属粒子を充填したものが使用される。なお、HTS触媒層5もLTS触媒層6も、かならずしも触媒粒子群を接着等により一体化して層状にしたものである必要はなく、上述のように、触媒粒子群を第1領域25に単に充填しているだけのものであっても良い。
【0047】
水蒸気発生装置7は改質原料水26を冷却流体とし、バーナ火炎27を蒸発熱源とした冷却機能を併せ持つ蒸発装置であり、燃焼筒9の半径方向外側に間隔をおいて、燃焼筒9と同心円状に配置されている。本第1実施例では、管路7aを蛇管状やソレノイド管状をなしてバーナ8の周囲に配置することで、水蒸気発生装置7を構成している。管路7aはバーナ8の周囲、例えば、燃焼筒9の外表面に装着したり、あるいは、輻射筒10の内表面に装着したり、燃焼筒9と輻射筒10の中間に配置したりすることができる。水蒸気発生装置7はバーナ燃焼熱を熱源とし、バーナ火炎27及びバーナ排ガス28の熱で改質原料水26を蒸発させ、過熱して水蒸気22とし、管路7aから改質器入口18に送る。
【0048】
上述の構成により、改質触媒層3は、水蒸気発生装置7で一部の熱を奪われた後のバーナ燃焼熱を受け取ることで、水蒸気改質反応の吸熱分を与えられるが、これだけでなく、中間円筒11を挟んで隣接するCO変成触媒層4からCO変成反応(発熱反応)で発生した熱も受け取る。つまり、中間円筒11を隔てた改質触媒層3とCO変成触媒層4間の伝熱により、改質触媒層3出口の改質ガスの顕熱(例えば650°C→400°C)とHTS触媒層5及びLTS触媒層6における顕熱及び発熱量が自己回収される。触媒活性にも依存するが、一般的には改質原料21は400°C程度から水蒸気改質反応を開始するため、改質触媒層3の入口温度は400°Cを目安としてして設計することができ、バーナ燃焼熱の一部が水蒸気発生用に奪われても、CO変成触媒層4の発熱を受けるので問題ない。また、輻射筒10がバーナ火炎27により加熱されて熱を輻射するので、改質触媒層3はこの輻射熱も受け取る。
【0049】
バーナ8は改質触媒層3、輻射筒10及び管路7aを流れる改質原料水26を熱するために使用されている。輻射筒10は改質触媒層3の加熱効率及び水蒸気発生装置7の加熱効率を上げるために使用されている。バーナ8にはバーナ燃料とバーナ空気が供給されるが、改質原料21の一部が分流してバーナ燃料とされている。
【0050】
輻射筒10と内筒14との間の隙間で形成される断面管状でドーナツ状の領域はバーナ排ガス流路29を形成しており、輻射筒10と円筒容器2の底17との隙間を介して、輻射筒10内のバーナ燃焼空間30と連通している。従って、バーナ排ガス28はバーナ燃焼空間30から輻射筒10と底17との間で折り返し、バーナ排ガス流路29を経て、バーナ排ガス出口23に至る。
【0051】
その際、改質触媒層3と熱交換した後のバーナ排ガス28は300〜400°Cであり、そのまま系外に排出すると熱ロスとなるので、改質原料水26の予熱やバーナ空気の予熱などに利用して、100°C以下にして排出すると良い。また、改質触媒層3の入口部分をバーナ排ガス28との熱交換部分とし、反応開始温度(例えば400°C)まで昇温させることもできる。
【0052】
第1冷却装置12は外筒15の外表面のうち、HTS触媒層5とLTS触媒層6との境界部に対応する位置に、HTS触媒層5の出口部からLTS触媒層6の入口部にかけて、装着されている。この第1冷却装置12は、HTS触媒層5の出口部分を冷却することで、主として、HTS触媒層5出口部でのガス温度とLTS触媒層6の適正作動温度との差を極力なくすため、言い換えれば温度差を吸収するために使用されている。本例では、管路12aを外筒15の外表面にソレノイド管状や蛇管状に巻き付けることで、第1冷却装置12を構成している。その際、管路12aと外筒15との接触熱伝導を向上させるために、伝熱セメントなどの熱伝導の大きい材料を塗布し、乾燥させている。
【0053】
第2冷却装置13は外筒15の外表面のうち、LTS触媒層6の出口部に対応する位置(図2では上端部付近)に装着されており、LTS触媒層6の出口部を冷却することで、主として、LTS触媒層5の出口ガス温度とPROX触媒層33の適正作動温度との差を極力なくすため、言い換えれば温度差を吸収するために使用されている。本例では、管路13aを外筒15の外表面にソレノイド状や蛇管状に巻き付けることで、第2冷却装置13を構成している。その際、管路13aと外筒15との接触熱伝導を向上させるために、伝熱セメントなどの熱伝導の大きい材料を塗布し、乾燥させている。
【0054】
第1冷却装置12と第2冷却装置13には、同一系統の冷却流体を直列または並列に流して良く、あるいは、全く別系統の冷却流体を別々に流しても良い。前者の例としては、例えば、後述する第6実施例(図7)や第7実施例(図8)のように第1冷却装置12と第2冷却装置13ともに冷却流体として水を流し、HTS触媒層5やLTS触媒層6の発熱で水蒸気を発生させるようにしたり、あるいは、第1冷却装置12と第2冷却装置13ともに冷却流体としてバーナ空気を流し、HTS触媒層5やLTS触媒層6の発熱で温まった空気をバーナ8の予混合温度上昇に利用してバーナ8の焚き込み燃料量を低下させるようにすることができる。後者の例としては、例えば、第1冷却装置12と第2冷却装置13のうち、一方に水を流して水蒸気を発生させ、他方にバーナ空気を流して予混合温度上昇に利用するようにすることができる。第1冷却装置12と第2冷却装置13の冷却流体は水やバーナ空気に限定されるものではなく、その他の流体を使用可能であるが、冷却時の熱交換で得た熱を上流プロセスに回収して、燃料改質器1の効率が上げることが好ましい。
【0055】
本第1実施例では、第1冷却装置12と第2冷却装置13ともに改質原料水26を流し、HTS触媒層5やLTS触媒層6の発熱で改質原料水26を蒸発させ、過熱して水蒸気22を発生させ、水蒸気発生装置7で発生した水蒸気22と合流させている。
【0056】
円筒容器2の底17及び半径方向周囲は、熱ロスを少なくするように、第1冷却装置12及び第2冷却装置13を含めて断熱材31で囲んでいる。
【0057】
燃料改質器1の改質ガス出口19は配管32でPROX反応器33に接続されている。従って、燃料改質器1内の改質触媒層3及びCO変成触媒層4で生成された改質ガス4aは、PROX反応器33のPROX触媒層34を通気することで、その中のCOが選択的に酸化してCO2になり、CO濃度が極めて低い(例えば、CO濃度10ppm以下)改質ガス34aとなる。
【0058】
本第1実施例では、PROX反応器33のガス出口に配管35を介して凝縮器36を接続している。PROX反応器33からの改質ガス34aの温度は90°C〜100°C程度であるので、この温度が用途によって高すぎる場合、凝縮器36で改質ガス34aの温度を例えば60°C程度まで下げるために使用される。その際、凝縮器36は改質ガス34aから凝縮した水分を取り除く。従って、凝縮器36から、適正温度における飽和状態の改質ガス36aが得られる。
【0059】
また、本第1実施例では、凝縮器36の出口に配管37を介して燃料電池38を接続し、改質ガス36aを燃料電池38の水素極(アノード)に供給するようにしている。燃料電池38の空気極(カソード)には空気が供給されて、発電が行われる。その際、燃料電池38の水素極から排出されるアノード排ガス38aには消費されなかった水素と改質ガス中の残メタンが含まれているので、アノード排ガス38aを改質触媒器1のバーナ燃料としてリサイクル使用している。これにより、改質効率が向上する。改質ガス34aや改質ガス36aは燃料電池電池システムの他、分散電源など、種々のシステムで使用できる。
【0060】
[改質反応の詳細説明]
ここで、改質反応の詳細を、改質原料21の一例として、都市ガスの主成分であるメタンガスを挙げて説明する。CH4(メタン)を水蒸気と混合して改質触媒層3、4を流通させると、水蒸気改質反応とCO変成反応により、H2、CO、CO2、CH4からなる改質ガスが生成される。起こっている反応は主に、次の化学式(1) 、化学式(2) で示す2種であり、必要な触媒量を確保することで、平衡状態が得られる。水蒸気改質反応は吸熱反応であり、CO変成反応は吸熱反応である。
CH4+H2O⇔3H2+CO  化学式(1) (水蒸気改質反応)
CO+H2O⇔CO2+H2   化学式(2) (CO変成反応)
【0061】
水蒸気改質反応では、CH4濃度は平衡温度が高くなればなるほど減少していくが、系の温度を高くすればするほど装置材料の耐熱性の問題や、熱応力の問題が厳しくなる。一方、平衡温度が低くなればなるほど、CH4濃度が高くなり転化率が低下する。また、システムとしての効率はCH4転化率が85%以上では向上効果が小さくなってくるため、通常は熱的な問題から、改質触媒層3の出口温度を650°C〜700°C程度にするのが一般的である。
【0062】
この温度(650°C〜700°C程度)では、CO濃度が10%程度(Dryベース)残っているため、後段のCO変成触媒層4を用いてCO2に転換する。CO変成触媒層4では、水蒸気改質反応が起きないため、CH4は反応しない。
【0063】
CO変成触媒層4では、プロセスとしてHTS触媒層(例えば400°C±50°C作動)5を使う場合と使わない場合があるが、LTS触媒層(例えば200°C±50°C作動)6のみではCOの反応量が大きいと触媒に対する負荷が大きくなり、寿命低下につながるため、HTS触媒層5とLTS触媒層6の両方をこの順で使用することが好ましい。LTS触媒層6の出口温度は150°C〜200°C前後にするのが通常である。その理由は、LTS触媒層6の出口温度が低いほどCO変成の平衡はCO濃度が下がる方向にあるが、温度が低すぎると反応速度が低下するためである。
【0064】
燃料電池38にとってCOは被毒物質となるため、CO濃度を10ppm以下に下げる必要がある。最終段のPROX反応器33は、次の化学式(3) で示す酸化反応により、CO濃度を下げる。平衡状態は燃焼反応の殆ど右寄りとなる。
CO+0.5O2⇒CO2    化学式(3) (酸化反応)
【0065】
PROX反応器33では、燃焼反応に伴う副反応としてH2の酸化反応が生じるが、H2の消費は効率低下に影響するため、PROX触媒層34には、なるべくCOを選択的に酸化する触媒を用いる。他の副反応として、次の化学式(4) に示すメタネーション反応も生じるが、これを積極的に利用する場合と利用しない場合があり、これは触媒種の選定によってなされる。
CO+3H2⇔CH4+H2O   化学式(4) (メタネーション反応)
【0066】
PROX触媒層33によるCOの選択酸化反応は100°C付近が適正温度であり、COのメタネーション反応は100°C〜200°C付近が適正温度であるため、LTS触媒層6の出口温度が、負荷に応じてあるいは運転条件に応じて大きく変わる場合は、メタネーション反応も利用する。
【0067】
[第1実施例の動作説明]
次に、図2に示した本例の燃料改質器1の動作を説明する。
【0068】
改質触媒層3には改質原料21と水蒸気22との混合蒸気23が通気されるので、改質触媒層3の入口ガス温度を混合蒸気23が再凝縮しないような温度とする必要がある。その理由は、改質原料21が都市ガスなどの炭化水素を含有する燃料であるから、もし混合蒸気23が再凝縮する温度以下になると、凝縮により蒸気流の変動が引き起こされるため、改質触媒層3に供給する混合蒸気23のS/C(水とカーボンのモル比)変動の直接的要因となり、カーボン析出による触媒劣化を引き起こすからである。なお、改質反応には通常S/Cが3以上であることがカーボン析出回避の観点から必要であるが、S/Cの増加は全体の効率低下原因となるため3〜6程度が適正範囲である。
【0069】
次に、図2に示す燃料改質器1について、都市ガス(例えば13A)を例にとって燃料の改質を説明する。
【0070】
都市ガス(改質原料)21と水蒸気22との混合蒸気23の温度が、改質触媒層3の入口部分で100〜200°C、改質触媒層3の出口部分で650〜700°Cとなるような状態を作る。
【0071】
具体的には、改質原料水26を水蒸気発生装置7、冷却装置12及び第2冷却装置13に流して蒸発・過熱させて水蒸気22とし、都市ガス21と混合して改質触媒層3に送る。混合後の温度は100〜200°Cとする。これは、蒸発・過熱した水蒸気23が再凝縮しないように100°C以上とし、中間円筒11を隔てたCO変成触媒層4の作動温度と同等かそれ以下に設定する必要があるためである。
【0072】
水蒸気発生装置7に熱を供給した後のバーナ排ガス28の温度は1300°C程度であり、この高温のバーナ排ガス28は円筒容器2の底17で折り返して、改質触媒層3に隣接するバーナ排ガス流路29を鉛直上方へ向かって流れていく。水蒸気発生装置7はバーナ火炎27と折り返し後のバーナ排ガス28の両方から熱を受け取る。
【0073】
一方、改質触媒層3で生成した水素リッチな改質ガス3aは、円筒容器2の底17で折り返し、隣接するCO変成触媒層4に送られる。CO変成触媒層4にて発熱反応であるCO変成反応により生じた熱は、隣接する改質触媒層3での水蒸気改質反応の吸熱の一部として利用されるよう、熱設計がなされている。つまり、温度が高いところから低いところへ熱は伝わるため、CO変成触媒層4の方が中間円筒11を隔てた改質触媒層3よりも、やや温度が高くなっている。
【0074】
CO変成触媒層4のうち、HTS触媒層5の出口では改質ガス温度が約350°Cとなっており、この温度をLTS触媒層6の適正作動温度域(200°C前後)まで下げるため、外筒5外表面の第1冷却装置12により、HTS触媒層5とLTS触媒層6の境界部分で改質ガスを冷却する。第1冷却装置12では吸収した熱を改質原料水26の蒸発熱に利用することにより、冷却で得た熱は上流プロセスに回収されることとなり、熱ロスにはならない。
【0075】
第1冷却装置12による冷却で適正温度まで下がった改質ガスはLTS触媒層6を流通する。LTS触媒層6の出口は約200°Cとなっており、PROX触媒層34の作動温度が200°C以下である場合は、外筒5外表面の第2冷却装置13により冷却する。第2冷却装置13でも吸収した熱を改質原料水26の蒸発熱に利用することにより、冷却で得た熱は上流プロセスに回収されることとなり、熱ロスにならない。
【0076】
[第1実施例の効果]
以下に、本第1実施例の効果を示す。
(1) 改質触媒層3とCO変成触媒層4を円筒容器2内に収めて一体化構造としたことにより、従来と比べて器外のCO変成器103が不要となり、システムの小型化、低コスト化が可能である。
(2) 改質触媒層3とCO変成触媒層4が中間円筒11を隔てて隣接する構造としたことにより、改質触媒層3とCO変成触媒層4間の伝熱により、改質触媒層3出口の改質ガスの顕熱(例えば650°C→400°C)とCO変成触媒層4における顕熱及び発熱量を自己回収することができる。従って、改質触媒層3の吸熱分を全てバーナ8の燃焼熱で与える必要がなくなり、従来と比べてバーナ焚き込み量が少なくなって燃料改質器の効率が高効率化する。また、CO変成触媒層4を改質触媒層3の吸熱によって冷却するから、従来と比べて所望の適切な温度分布でCO変成反応を行わせることが可能となる。更に、個別製造した器外の熱交換器102、104が不要となり、従来のような熱ロスがなく、燃料改質器がより高効率化するとともに、装置点数が減り、システムの小型化、低コスト化が可能である。
(3) 冷却装置12、13でCO変成触媒層4を冷却する構造としたので、従来と比べて所望の適切な温度分布でCO変成反応を行わせることが可能となる。冷却装置12、13は円筒容器2の外筒15の外表面に位置するので、システムの小型化を妨げない。
(4) 冷却装置12、13に冷却流体として改質原料水26を流し、水蒸気22を発生させて改質原料21に混合させたり、あるいは、冷却流体としてバーナ空気を流し、これを温めてバーナの予混合温度上昇に利用することにより、冷却装置12、13の熱交換で得た熱を有効利用し、バーナ8の焚き込み燃料量を低下させることができる。
(5) 水蒸気発生装置7を円筒容器2内にて燃焼筒9の外側に位置する構造としたことにより、水蒸気発生装置7がバーナ8近傍に位置し、バーナ火炎27が蒸発熱源となる。従って、従来と比べて熱交換の温度差が大きく、負荷変化時の応答性が向上する。また、バーナ火炎27が蒸発熱源となることから、改質原料水26と蒸発熱源との温度差が大きくなってボイラ効率が向上し、水蒸気発生装置7自体を小さくできる。更に、個別製造した器外の蒸発器105が不要となり、装置点数が減り、システムの小型化、低コスト化が可能である。
(6) CO変成触媒層4をHTS触媒層5とLTS触媒層6の両方で構成したことにより、COの反応量が大きくてもLTS触媒層6に対する負荷が少なく、寿命が延びる。この場合、少なくともHTS触媒層5が中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接すれば、前項(2) の効果が得られる。
(7) 冷却装置を2つ(第1冷却装置12と第2冷却装置13)を備えるから、第1冷却装置12でHTS触媒層5出口のガス温度をLTS触媒層6の適正作動温度域まで下げ、第2冷却装置13でLTS触媒層6出口のガス温度をPROX触媒層34の適正作動温度域まで下げることができる。
(8) 第1冷却装置12と第2冷却装置13の両方で水蒸気を発生させたり、両方でバーナ空気を温めたり、あるいは、一方で水蒸気を発生させ、他方でバーナ空気を温めることができる。
(9) 円筒容器2の半径方向周囲及び底17を断熱材31で囲んだことにより、熱ロスが減少する。
(10)PROX触媒層33の出口に凝縮器36を配置したことにより、温度が低く、適正温度における飽和改質ガス36aを得ることができる。
【0077】
[第2実施例]
図3に本発明の第2実施例に係る燃料改質器の構成を示す。図3に示す燃料改質器は、図2に示したもの(第1実施例)と比べ、中間円筒11及び外筒15のそれぞれに薄肉部39、40を追加して設けた点が異なり、他は同じである。従って、図3中で図2と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。但し、断熱材31は図示を省略した。
【0078】
即ち、図3において、中間円筒11のうち、HTS触媒層5とLTS触媒層6との境界部に相当する部分39の肉厚を、HTS触媒層5の出口部からLTS触媒層6の入口部にかけて、他より薄くしてある。同様に、外筒15のうち、HTS触媒層5とLTS触媒層6との境界部に相当する部分40の肉厚を他より薄くしてある。
【0079】
本第2実施例の効果は次のとおりである。中間円筒11及び外筒15のそれぞれに薄肉部39、40を設けたことにより、薄肉部39、40で熱伝導が低下するから、HTS触媒層5から中間円筒11及び外筒15を通してLTS触媒層6への熱伝導量が少なくなる。この熱伝導量は装置の温度分布によって生じるものであるから、燃料改質器の負荷が低くなっても比例で減少せず、これを冷却するために必要以上の冷却が必要となる。冷却媒体に改質原料水を用いる場合には、低負荷でS/C(水とカーボンのモル比)が必要以上に大きくなり効率低下の要因となる。従って、薄肉部39、40により負荷に応じた冷却量でHTS触媒層5の出口ガス温度とLTS触媒層6の適正作動温度を得ることができる。HTS触媒層5の出口ガス温度とLTS触媒層6の適正作動温度との温度差によっては、第1冷却装置12を除外することができる。
【0080】
[第3実施例]
図4に本発明の第3実施例に係る燃料改質器の構成を示す。図4に示す燃料改質器は、図2に示したもの(第1実施例)と比べ、輻射熱変換体41、無反応層42及びバーナ排ガスダクト43を追加した点と、水蒸気発生装置7の一部をバーナ排ガスダクト43の内側にも設けた点が異なり、他は同じである。従って、図4中で図2と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。但し、断熱材31は図示を省略した。
【0081】
即ち、図4において、内筒14内のバーナ燃焼空間30にて、燃焼筒9の前方に輻射熱変換体41を配置している。輻射熱変換体41はバーナ火炎27やバーナ排ガス28で自身が加熱され、バーナ火炎27やバーナ排ガス28の顕熱を輻射熱に変換する。輻射熱変換体41としては輻射熱変換効率がなるべく高く、バーナ排ガス28に対し大きな妨げとならないものであれば、その材料に格別の制限はない。本第3実施例では、輻射熱変換体41として多孔質セラミックスを用いている。輻射熱変換体41の配置場所は、図4では輻射筒10の下端部であるが、それより上方であっても、底17上であっても良い。輻射熱変換体41は、バーナ火炎27やバーナ排ガス28の顕熱を効率良く回収し、また、改質触媒層3の出口部におけるバーナ排ガス28と内筒14の壁との熱伝達を向上させる。従って、改質触媒層3は、輻射熱変換体41がない場合に比べ、輻射筒10や内筒14を介してより多く熱を受け取ることができる。また、水蒸気発生装置7もより多く熱を受け取ることができる。更に、輻射熱変換体41はバーナ8より下にある内筒14の壁面に入る熱流束を平均化させ、局所的な加熱を緩和させることができるため、触媒や部材の耐久性向上につながる。
【0082】
また、CO変成触媒層4を構成するHTS触媒層5及びLTS触媒層6に加え、中間円筒11と外筒15との間の第2領域25にて、HTS触媒層5より上流側(図4では下側)に無反応層42を形成している。無反応層42はHTS触媒層5及びLTS触媒層6とともに、中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接している。
【0083】
無反応層42は当該無反応層42における壁と改質ガスとの間の熱伝達を促進することを目的とした熱伝達率を向上させるための手段であり、本例では、無反応層42として、実質的に触媒作用がない物体を改質ガス3aの流れを妨げない程度に集合したダミーの充填層を用いており、触媒作用が全くない物体の他、触媒作用が少ない物体を用いることができる。例えば、単なるセラミック粒子(セラミックボール)の層を用いたり、フィンの集合体を用いることができる。
【0084】
無反応層42は、このような触媒活性がない粒子等の物体を充填したものに限らず、当該無反応層42における壁と改質ガスとの間の熱伝達を促進することを目的とした熱伝達率を向上させるための手段であれば良く、例えば、このような物体は用いず、単に無反応層42に相当する部分(第2領域25のうちHTS触媒層5よりも上流側の部分)の流路幅を狭くして水力直径を小さくしたものであっても良い。要するに、無反応層42としては、触媒活性のない物質の充填層あるいは流路幅が狭くなった部分などが考えられる。
【0085】
更に、円筒容器2にバーナ排ガスダクト43を形成して、バーナ排ガスダクト43を蓋16のバーナ排ガス出口20に連通させ、このバーナ排ガスダクト43の半径方向内側から燃焼筒9の半径方向外側にかけて水蒸気発生装置7を配置している。具体的には、円筒容器2の内筒14を蓋16外部へ延長させる形でバーナ排ガスダクト43を形成し、また、バーナ排ガスダクト43内にて燃焼筒9を蓋16外部へ延長させる形で案内筒44を形成し、水蒸気発生装置7を構成する管路7aの一部を燃焼筒9の半径方向外側に間隔をおいて同心円状に配置し、更に、残りの一部を案内筒44の半径方向外側に間隔をおいて同心円状に配置している。
【0086】
本第3実施例の効果を以下に示す。
(1) バーナ燃焼空間30内に輻射熱変換体41を配置したことにより、バーナ火炎27やバーナ排ガス28の顕熱を効率良く回収することができ、また、改質触媒層3の出口部におけるバーナ排ガス28と内筒14の壁との熱伝達を向上させることができる。更に、バーナ8より下にある内筒14の壁面に入る熱流束を平均化させる効果があり、燃料改質器1の耐熱性及び耐久性を向上させることができる。
(2) 無反応層42の効果は次のとおりである。改質触媒層3の出口部分における改質ガス3aの温度は650°C〜700°C程度であるが、HTS触媒層5を用いた場合でも、耐熱性の問題から約500°Cにまで下げねばならないことがある。このような場合、改質ガス3aが折り返した後の場所に、セラミックボール等の触媒活性がない充填層や流路幅が狭くなった部分等の無反応層42を配置することにより、水蒸気改質反応の吸熱の一部に改質触媒層3出口部分の改質ガス3a自体の顕熱を利用し、HTS触媒層5入口部分におけるガス温度を下げることができる。
(3) 水蒸気発生装置7を燃焼筒9の外側からバーナ排ガスダクト43の内側にかけて設けたことにより、バーナ排ガス28の熱を水蒸気発生の熱源に効果的に利用することができる。
【0087】
[第4実施例]
図5に本発明の第4実施例に係る燃料改質器の構成を示す。図5に示す燃料改質器は、図2に示したものと比べ、断熱材31を真空断熱層44に代えた点が異なり、他は同じである。従って、図5中で図2と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。
【0088】
即ち、図5において、円筒容器2の底17及び半径方向周囲を、第1冷却装置12と第2冷却装置13を含めて、真空断熱層44で囲んである。
【0089】
これにより、燃料改質器1の熱ロスが極めて少なくなる。また、断熱材31を用いる場合に比べ、燃料改質器1がコンパクトになる。図3や図4に示したものに真空断熱層44を適用しても同様である。
【0090】
[第5実施例]
図6に本発明の第5実施例に係る燃料改質器の構成を示す。図6に示す燃料改質器は、図4に示した第3実施例の燃料改質器を上下逆さまにして設置したものであり、他は同じである。このように上下逆さまにしても、第3実施例と同様の効果が得られる。図6中で図4と同じ部分には同じ符号を付し、説明の重複を省く。図2や図3に示したものを上下逆さまにしても同様である。
【0091】
[第6実施例]
図7に本発明の第6実施例に係る燃料改質器の構成を模式的に示す。図7に示す燃料改質器は、図2に示した第1実施例の燃料改質器において、第1冷却装置12及び第2冷却装置13ともに冷却流体として改質原料水26を流すようにしたものである。従って、図7中で図2と同じ部分には同じ符号を付し、説明の重複を省く。
【0092】
即ち、本第6実施例では、第1冷却装置12と第2冷却装置13ともに改質原料水26を直列に流し、これらを水蒸気発生装置としても機能させている。つまり、第1冷却装置12の管路12aと第2冷却装置13の管路13aを直列に接続し、管路13aから改質原料水26を流し、LTS触媒層6の発熱とHTS触媒層5の発熱を順に利用して蒸発させ、過熱して水蒸気22を発生させている。この水蒸気22は管路12aから取り出し、水蒸気発生装置7で発生した水蒸気22と合流して、改質触媒層3に流すようにしている。
【0093】
これにより、冷却時の熱交換で得た熱が上流プロセスに回収され、燃料改質器1の効率が上がる。第1冷却装置12と第2冷却装置13に対し並列に改質原料水26を流すことも可能である。
【0094】
[第7実施例]
図8に本発明の第7実施例に係る燃料改質器の構成を模式的に示す。図8に示す燃料改質器は、図2に示した第1実施例の燃料改質器において、第1冷却装置12及び第2冷却装置13でともに水蒸気を発生させるが、この水蒸気で改質ガスを加湿するようにしたものである。従って、図8中で図2と同じ部分には同じ符号を付し、説明の重複を省く。
【0095】
即ち、本第7実施例では、第1冷却装置12と第2冷却装置13ともに改質原料水26を直列に流し、これらを水蒸気発生装置としても機能させている点では図7の第6実施例と同様であるが、管路12aから取り出した水蒸気22は、例えばPROX反応器33の出口で、改質ガス34aと混合して燃料電池38に直接与えるようにしている。従って、改質触媒層3には、内筒14内の水蒸気発生装置7で発生した水蒸気22のみが与えられることとなる。また、図2中の凝縮器36はS/C(水とカーボンのモル比)の条件によっては省略することができる。
【0096】
本第7実施例では、第1冷却装置12及び第2冷却装置13で熱交換により得た熱を上流プロセスに回収しないため燃料改質器1の効率は若干低下するが、燃料電池38に送られる改質ガス34a中の水分量だけでは必要な加湿量に満たない場合に発電性能が低下するのを防止できるという効果がある。
【0097】
改質ガス34aの加湿は、PROX反応器33の出口の他、これより上流側で水蒸気22を混合しても達成できる。但し、改質触媒層3に供給する水蒸気22を単に増やすと、水蒸気改質反応におけるS/C(水とカーボンのモル比)増加により吸熱量が増加し、効率が低下しまうため、これを避けるには、改質触媒層3の出口より以降で水蒸気22を改質ガスに混合すれば良い。
【0098】
図8において、第1冷却装置12と第2冷却装置13に改質原料水26を並列に流すようにしても良い。この場合、第1冷却装置12と第2冷却装置13のうち、一方(例えば第1冷却装置12)で発生した水蒸気を水蒸気発生装置7で発生した水蒸気22と混合させ、他方(例えば第1冷却装置12)で発生した水蒸気を改質ガス34aの加湿に使用することができる。
【0099】
[第8実施例]
図9に本発明の第8実施例に係る燃料改質器の構成を模式的に示す。図9に示す燃料改質器は、図2に示したもの(第1実施例)と比べ、HTS触媒層5を除外し、その代わりにダミーの無反応層42を用いた点が異なり、他は同じである。従って、図9中で図2と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。但し、断熱材31は図示を省略した。
【0100】
即ち、本第8実施例では、無反応層42を中間円筒11と外筒15間の第2領域25中、改質ガス流れ方向の上流側(図9では下側)に配置し、LTS触媒層6を無反応層42に続いて、同領域25中改質ガス流れ方向の下流側(図9では上側)に配置している。
【0101】
つまり、CO変成触媒層4はLTS触媒層6のみであり、第2領域25内の一部に形成されている。LTS触媒層6と無反応層42は中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接している。
【0102】
無反応層42は実質的に触媒作用をしないから、改質触媒層3からの改質ガス3aの温度を下げる作用をする。そのため、第2領域25内で無反応層42を長く取ることにより、LTS触媒層6を適正動作温度まで低下させることができる。従って、HTS触媒層5を使用せず、LTS触媒層6だけでCO変成反応を行うことができる。
【0103】
無反応層42は前述したように、当該無反応層42における壁と改質ガスとの間の熱伝達を促進することを目的とした熱伝達率を向上させるための手段であり、本例でも、無反応層42として、実質的に触媒作用がない物体を改質ガス3aの流れを妨げない程度に集合したダミーの充填層を用いており、触媒作用が全くない物体の他、触媒作用が少ない物体を用いることができる。例えば、単なるセラミック粒子(セラミックボール)の層を用いたり、フィンの集合体を用いることができる。このような触媒活性がない粒子等の物体を充填したものに限らず、無反応層42は、当該無反応層42における壁と改質ガスとの間の熱伝達を促進することを目的とした熱伝達率を向上させるための手段であれば良く、例えば、このような物体は用いず、単に無反応層42に相当する部分(第2領域25のうちLTS触媒層6よりも上流側の部分)の流路幅を狭くして水力直径を小さくしたものであっても良い。要するに、無反応層42としては、触媒活性のない物質の充填層あるいは流路幅が狭くなった部分などが考えられる。
【0104】
HTS触媒層5に代えて無反応層42を第2領域25に配置する場合、第1冷却装置12は外筒15のうち、無反応層42とLTS触媒層6との境界部に対応する部分に配置すると良い。また、図3に示した中間円筒11の薄肉部39及び外筒15の薄肉部40も、無反応層42とLTS触媒層6との境界部に対応する部分に配置すると良い。
【0105】
[第9実施例]
図10に本発明の第9実施例に係る燃料改質器の構成を模式的に示す。図10に示す燃料改質器は、図2に示したもの(第1実施例)と比べ、改質触媒層3を第1領域24の一部に形成した点が異なり、他は同じである。従って、図10中で図2と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。但し、断熱材31は図示を省略した。
【0106】
CO変成触媒層4は図2と同様、HTS触媒層5とLTS触媒層6の両方で構成し、HTS触媒層5は内筒14と中間円筒11間の第2領域25中、改質ガス流れ方向の上流側(図10では下側)に配置し、LTS触媒層6はHTS触媒層5に続いて、同第2領域25中改質ガス流れ方向の下流側(図10では上側)に配置している。
【0107】
これに対して、中間円筒11と外筒15との間の第1領域24のうち、中間円筒11を隔ててLTS触媒層6と隣接する部分(混合蒸気流れ方向の上流側部分(図10では上側))を空にし、残りの部分(混合蒸気流れ方向の下流側部分(図10では下側))に、改質触媒層3を形成している。
【0108】
従って、改質触媒層3とは、HTS触媒層5のみが中間円筒11を隔てて隣接する。言い換えれば、LTS触媒層6は改質触媒層3とは隣接していない。
【0109】
このようにCO変成触媒層4のうち、HTS触媒層5が中間円筒11を隔てて改質触媒層3と隣接し、LTS触媒層6は改質触媒層3と隣接しないことにより、以下に示す効果がある。
(1) 改質触媒層3の触媒活性にもよるが、200°C程度では吸熱反応(水蒸気改質反応)が起こらない場合、LTS触媒層6に改質触媒層3が隣接していても、LTS触媒層6における発熱分を改質触媒層3が吸収しきれず、LTS触媒層6の温度がそれの適正作動温度より高くなってしまう。
(2) このような場合、第1領域24のうち、LTS触媒層6と隣接する部分には改質触媒層3を形成しないことにより、LTS触媒層6の温度を適正作動温度域に下げることができる。
【0110】
[第10実施例]
図11に本発明の第10実施例に係る燃料改質器の構成を模式的に示す。図11に示す燃料改質器は、図10に示したもの(第9実施例)と比べ、冷却装置を燃料改質器の内部に備えた点と、高温用CO変成触媒層(HTS触媒層)5と低温用CO変成触媒層(LTS触媒層)6とを熱的に切り離すことで冷却効果を得た点とが異なる。従って、図11中で図2や図10と同じ部分には同じ符号を付して、説明の重複を省く。
【0111】
図11に示すように、冷却装置200は外筒15内に配置されている。より具体的には、外筒15の上端部は外側に2度折り返されており、この折り返しで内外の2つの部分201、202が形成されている。そして、内側の折り返し部分201と中間円筒11との間の領域203、及び、この領域203に隣接する中間円筒11と内筒14との間の領域204で、冷却装置200が構成されている。また、外筒15の上端部は中央部及び下部よりも小径に形成されている。また、中間円筒11の上部を下部よりも小径にして、第1領域24の流路を上部で狭くしている。
【0112】
更に、外筒15の2つの折り返し部分201、202で構成される領域205を下端部を除いて仕切るように、中間円筒11に、その外側に連なった中間円筒鍔部206が形成されている。中間円筒鍔部206で仕切られた2つの領域207、208は下端部で連通している。
【0113】
CO変成触媒層4のうち、LTS触媒層(低温用CO変成触媒層)6は2つの領域207、208に配置されている。HTS触媒層(高温用CO変成触媒層)5はLTS触媒層6よりも上流側に配置されている。
【0114】
このとき、第2領域25の上部には何もなく、第2領域25はHTS触媒層5とLTS触媒層6との間の部分209で、流路が狭くなっている。
【0115】
また、第1領域24の上部の狭い流路には何もなく、改質触媒層3は下部の広い部分に配置されている。
【0116】
熱ロスを少なくするように円筒容器2を囲んでいる断熱材31は、外筒15の折り返しと、小径化により形成された領域210にまで入り込んでいる。
【0117】
本例の燃料改質器では、改質原料と水蒸気との混合蒸気に加えて、中間円筒11と内筒14との間に水211を直接注入する。これにより、中間円筒11を隔てて流れるHTS触媒層5の出口ガスの温度が熱交換により下がる。注入した水211は水蒸気となって改質触媒層3へ流れ、改質反応を生じさせる。LTS触媒層6は冷却装置200により、冷却する。また、第2領域25の流路が狭くなった部分209により、HTS触媒層5とLTS触媒層6とが熱的に切り離され、無反応層を設けた場合と同様の冷却効果が得られる。つまり、HTS触媒層5出口ガスは流路が狭くなった部分209で温度が下がり、LTS触媒層6に流れる。これにより、低負荷においても、低いS/C(水とカーボンのモル比)で燃料改質器の高効率運転を行うことができる。
【0118】
言い換えれば、主として改質原料が蒸発する部分が冷却装置200であって、これがLTS触媒層6の内側に位置するので、HTS触媒層5の出口ガスの温度を冷却するとともに、冷却装置200に向かい合うLTS触媒層6を冷却する。HTS触媒層5とLTS触媒層6とを熱的に切り離したことにより、HTS触媒層5からLTS触媒層6への熱伝導が減少し、HTS触媒層5の出口ガス(約400°C)をLTS触媒層6の入口ガス(約200°C)まで冷却するためにひつような熱量がガスの顕熱分だけで良く、低負荷時に冷却量が過剰に必要になることがなく、低負荷時においても低S/Cで高効率な運転を行うことができる。
【0119】
更に、本例では、第2領域25において、HTS触媒層5よりも上流側の部分212の流路幅を狭めることで、水力直径を小さくし、その部分における壁と改質ガスとの間の熱伝達率を高めている。言い換えれば、流路幅の狭い部分212が無反応層に相当し、無反応粒子など触媒活性のない物質の充填層を配置しなくても、これと同等の冷却効果を得ることができる。なお、図11中で、213は混合器を示す。
【0120】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態とともに具体的に説明したように、本発明によれば、以下に示す効果がある。
【0121】
第1発明の燃料改質器は、外筒及びこの外筒の内側に配置された内筒を有する2重の円筒容器と、前記内筒内に配置されたバーナと、前記内筒内で前記バーナの外側に配置された燃焼筒と、前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置された輻射筒と、前記内筒と前記外筒との間に配置された中間円筒と、前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置され、改質原料に混合される水蒸気を発生する水蒸気発生装置と、前記輻射筒と前記内筒との隙間で形成され、下端部で前記輻射筒内のバーナ燃焼空間と連通するバーナ排ガス流路と、前記内筒と前記中間円筒との隙間で形成された第1領域の少なくとも一部に形成された改質触媒層と、前記中間円筒と前記外筒との隙間で形成された領域であって、下端部で前記第1領域と連通する第2領域に形成されたCO変成触媒層と、前記外筒の外表面に配置され、前記CO変成触媒層を冷却する冷却装置とを具備することを特徴とするので、以下に示すように、燃料改質器が高効率化し、また、適切な温度分布でCO変成反応を行うことでき、更に、燃料改質器を使用するシステムの小型化、低コスト化が可能である。
(1) 改質触媒層とCO変成触媒層を円筒容器内に収めた一体化構造であり、従来と比べて器外のCO変成器が不要である。
(2) 改質触媒層とCO変成触媒層が中間円筒を隔てて隣接する構造であり、改質触媒層とCO変成触媒層間の伝熱により、改質触媒層出口の改質ガスの顕熱とCO変成触媒層における顕熱及び発熱量とを自己回収することができる。従って、従来と比べてバーナ焚き込み量が少なくな。
(3) CO変成触媒層が改質触媒層の吸熱によって冷却され、また、冷却装置で冷却される。
(4) 従来の個別製造した器外の熱交換器が不要である。
(5) 水蒸気発生装置が円筒容器内にて燃焼筒の外側に位置する構造であり、バーナ火炎が蒸発熱源となるので、従来と比べて熱交換の温度差が大きく、負荷変化時の応答性が向上する。また、ボイラ効率が向上し、水蒸気発生装置自体が小さくできる。
(6) 従来の個別製造した器外の蒸発器が不要である。
【0122】
第2発明の燃料改質器は、第1発明において、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層が前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とするので、COの反応量が大きくてもLTS触媒層に対する負荷が少なく、寿命が延びる。この場合、少なくとも高温用CO変成触媒層が中間円筒を隔てて改質触媒層と隣接していることにより、改質触媒層出口の改質ガスの顕熱と高温用CO変成触媒層における顕熱及び発熱量とを自己回収することができる。低温用CO変成触媒層が改質触媒層と隣接しない場合は、第1領域のうち低温用CO変成触媒層が改質触媒層と隣接する部分が空となり、これによって低温用CO変成触媒層の温度を適正作動温度域に下げることができる。
【0123】
第3発明の燃料改質器は、第2発明において、前記CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層(触媒活性のない物質の充填層あるいは流路幅が狭くなった部分など)が前記第2領域に形成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とするので、無反応層が改質触媒層からの改質ガスの温度を、高温用CO変成触媒層の適正動作温度域まで低下させることができる。つまり、水蒸気改質反応の吸熱の一部に改質触媒層出口部分の改質ガス自体の顕熱を利用し、高温用CO変成触媒層の入口部分におけるガス温度を下げることができる。この場合、少なくとも高温用CO変成触媒層が中間円筒を隔てて改質触媒層と隣接していることにより、改質触媒層出口の改質ガスの顕熱と高温用CO変成触媒層における顕熱及び発熱量とを自己回収することができる。
【0124】
第4発明の燃料改質器は、第1発明において、前記CO変成触媒層が低温用CO変成触媒層のみで構成され、前記低温用CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層が前記第2領域に形成され、前記低温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とするので、無反応層が改質触媒層からの改質ガスの温度を下げる。つまり、水蒸気改質反応の吸熱の一部に改質触媒層出口部分の改質ガス自体の顕熱を利用し、低温用CO変成触媒層の入口部分におけるガス温度を下げることができる。従って、第2領域内での無反応層を長く取ることにより、低温用CO変成触媒層を適正動作温度まで低下させることができ、高温用CO変成触媒層を使用しなくてもCO変成反応を行うことができる。
【0125】
第5発明の燃料改質器は、第1発明において、前記内筒内で、前記燃焼筒内の燃焼空間に配置された輻射熱変換体を具備することを特徴とするので、バーナ火炎やバーナ排ガスの顕熱を効率良く回収することができる。また、改質触媒層の出口部におけるバーナ排ガスと内筒の壁との熱伝達を向上させることができる。更に、バーナより下にある内筒の壁面に入る熱流束を平均化させ、燃料改質器の耐熱性及び耐久性を向上させることができる。
【0126】
第6発明の燃料改質器は、第1発明において、前記円筒容器の底及び半径方向の周囲を囲む真空断熱層を具備することを特徴とするので、燃料改質器の熱ロスが極めて少なくなる。また、燃料改質器がコンパクトになる。
【0127】
第7発明の燃料改質器は、第1発明において、前記円筒容器のバーナ排ガス出口に連通するように同円筒容器に接続されたバーナ排ガスダクトを具備し、このバーナ排ガスダクトの内側に前記水蒸気発生装置の一部が配置されていることを特徴とするので、バーナ排ガスの熱を水蒸気発生の熱源に効果的に利用することができる。
【0128】
第8発明の燃料改質器は、第2発明において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とするので、第1冷却装置で高温用CO変成触媒層の出口のガス温度を低温用CO変成触媒層の適正作動温度域まで低下させ、第2冷却装置で低温用CO変成触媒層の出口のガス温度をPROX触媒層の適正作動温度域まで低下させることができる。また、第1、第2冷却装置に流す冷却流体を改質原料水やバーナ空気から選ぶことが可能で、冷却の熱交換で得た熱を有効利用することができる。
【0129】
第9発明の燃料改質器は、第4発明において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とするので、第1冷却装置で無反応層の出口のガス温度を低温用CO変成触媒層の適正作動温度域まで低下させ、第2冷却装置で低温用CO変成触媒層の出口のガス温度をPROX触媒層の適正作動温度域まで低下させることができる。また、第1、第2冷却装置に流す冷却流体を改質原料水やバーナ空気から選ぶことが可能で、冷却の熱交換で得た熱を有効利用することができる。
【0130】
第10発明の燃料改質器は、第2発明において、前記中間円筒のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とするので、各薄肉部で熱伝導が低下し、高温用CO変成触媒層から中間円筒及び外筒を通して低温用CO変成触媒層への熱伝導量が少なくなる。これにより、負荷に応じた冷却量で高温用CO変成触媒層の出口ガス温度と低温用CO変成触媒層の適正作動温度を得ることができる。
【0131】
第11発明の燃料改質器は、第4発明において、前記中間円筒のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とするので、無反応層から中間円筒及び外筒を通して低温用CO変成触媒層への熱伝導量が少なくなる。これにより、負荷に応じた冷却量で無反応層の出口ガス温度と低温用CO変成触媒層の適正作動温度を得ることができる。
【0132】
第12発明の燃料改質器は、第1発明において、前記冷却装置が、前記外筒の外表面に代えて、前記外筒内に配置されているので、第1発明と同様に、燃料改質器が高効率化し、また、適切な温度分布でCO変成反応を行うことでき、更に、燃料改質器を使用するシステムの小型化、低コスト化が可能である。
【0133】
第13発明の燃料改質器は、第12発明において、前記冷却装置が前記外筒の外側に折り返された部分と前記中間円筒との間の領域及びこの領域に隣接する前記中間円筒と前記内筒との間の領域で構成され、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、前記低温用CO変成触媒層は前記外筒の折り返された部分で構成される領域が前記中間円筒の外側に連なる中間円筒鍔部で仕切られた部分に配置され、前記高温用CO変成触媒層は前記低温用CO変成触媒層よりも上流側に配置されているので、中間円筒と内筒との間に水を直接注入することにより、中間円筒を隔てて流れる高温用CO変成触媒層の出口ガスの温度が熱交換により下がる。また低温用CO変成触媒層は冷却装置により、冷却される。
【0134】
第14発明は燃料電池発電システムであり、第1発明から第13発明いずれかの燃料改質器と、PROX触媒層を有し前記燃料改質器に接続されたPROX反応器とを機器として具備し、更に、このPROX反応器に接続された燃料電池とを具備することを特徴とするので、効率良く改質原料(燃料)から電気を発生することができる。
【0135】
第15発明の燃料電池発電システムは、第14発明において、前記PROX反応器と前記燃料電池との間に接続された凝縮器を具備することを特徴とするので、適正温度における飽和改質ガスを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術を示す図。
【図2】本発明の第1実施例を示す図。
【図3】本発明の第2実施例を示す図。
【図4】本発明の第3実施例を示す図。
【図5】本発明の第4実施例を示す図。
【図6】本発明の第5実施例を示す図。
【図7】本発明の第6実施例を示す図。
【図8】本発明の第7実施例を示す図。
【図9】本発明の第8実施例を示す図。
【図10】本発明の第9実施例を示す図。
【図11】本発明の第10実施例を示す図。
【符号の説明】
1 燃料改質器
2 2重の円筒容器
3 改質触媒層
3a 改質ガス
4 CO変成触媒層
4a 改質ガス
5 HTS触媒層(高温用CO変成触媒層)
6 LTS触媒層(低温用CO変成触媒層)
7 水蒸気発生装置
7a 水蒸気発生装置を構成する管路
8 バーナ
9 燃焼筒
10 輻射筒
11 中間円筒
12 第1冷却装置
12a 第1冷却装置を構成する管路
13 第2冷却装置
13a 第2冷却装置を構成する管路
14 内筒
15 外筒
16 蓋
17 底
18 改質器入口
19 改質ガス出口
20 バーナ排ガス出口
21 改質原料
22 水蒸気
23 混合蒸気
24 第1領域(改質触媒層が形成される領域)
25 第2領域(CO変成触媒層が形成される領域)
26 改質原料水
27 バーナ火炎
28 バーナ排ガス
29 バーナ排ガス流路
30 燃焼空間
31 断熱材
32 配管
33 PROX反応器
34 PROX触媒層
34a 改質ガス
35 配管
36 凝縮器
36a 改質ガス
37 配管
38 燃料電池(FC)
38a アノード排ガス
39 中間円筒の薄肉部
40 外筒の薄肉部
41 輻射熱変換体
42 無反応層
43 バーナ排ガスダクト
44 案内筒
45 真空断熱層
101 燃料改質器(従来)
102、104 熱交換器(従来)
103 CO変成器(従来)
105 蒸発器(従来)
200 冷却装置
201、202 外筒の折り返された部分
203 内側の折り返し部分と中間円筒との間の領域
204 中間円筒と内筒との間の領域
205 2つの折り返し部分で構成される領域
206 中間円筒鍔部
207、208 中間円筒鍔部で仕切られた領域
209 第2領域中のHTS触媒層とLTS触媒層との間の部分
210 断熱材が入り込んだ領域
211 水
212 第2領域中でHTS触媒層より上流側の流路幅の狭い部分
213 混合器

Claims (15)

  1. 外筒及びこの外筒の内側に配置された内筒を有する2重の円筒容器と、
    前記内筒内に配置されたバーナと、
    前記内筒内で前記バーナの外側に配置された燃焼筒と、
    前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置された輻射筒と、
    前記内筒と前記外筒との間に配置された中間円筒と、
    前記内筒内で前記燃焼筒の外側に配置され、改質原料に混合される水蒸気を発生する水蒸気発生装置と、
    前記輻射筒と前記内筒との隙間で形成され、下端部で前記輻射筒内のバーナ燃焼空間と連通するバーナ排ガス流路と、
    前記内筒と前記中間円筒との隙間で形成された第1領域の少なくとも一部に形成された改質触媒層と、
    前記中間円筒と前記外筒との隙間で形成された領域であって、下端部で前記第1領域と連通する第2領域に形成されたCO変成触媒層と、
    前記外筒の外表面に配置され、前記CO変成触媒層を冷却する冷却装置と
    を具備することを特徴とする燃料改質器。
  2. 請求項1において、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層が前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする燃料改質器。
  3. 請求項2において、前記CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層が前記第2領域に形成され、少なくとも前記高温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする燃料改質器。
  4. 請求項1において、前記CO変成触媒層が低温用CO変成触媒層のみで構成され、前記低温用CO変成触媒層に加えて、実質的に触媒作用がない無反応層が前記第2領域に形成され、前記低温用CO変成触媒層と前記無反応層とが前記中間円筒を隔てて前記改質触媒層と隣接していることを特徴とする燃料改質器。
  5. 請求項1において、前記内筒内で、前記燃焼筒内の燃焼空間に配置された輻射熱変換体を具備することを特徴とする燃料改質器。
  6. 請求項1において、前記円筒容器の底及び半径方向の周囲を囲む真空断熱層を具備することを特徴とする燃料改質器。
  7. 請求項1において、前記円筒容器のバーナ排ガス出口に連通するように同円筒容器に接続されたバーナ排ガスダクトを具備し、このバーナ排ガスダクトの内側に前記水蒸気発生装置の一部が配置されていることを特徴とする燃料改質器。
  8. 請求項2において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とする燃料改質器。
  9. 請求項4において、前記冷却装置として、前記外筒の外表面のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分に配置された第1冷却装置と、前記外筒の外表面のうち、前記低温用CO変成触媒層の出口部に相当する部分に配置された第2冷却装置を具備することを特徴とする燃料改質器。
  10. 請求項2において、前記中間円筒のうち、前記高温用CO変成触媒層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とする燃料改質器。
  11. 請求項4において、前記中間円筒のうち、前記無反応層と前記低温用CO変成触媒層との境界部に相当する部分の肉厚が他より薄く、前記外筒のうち、前記境界部に相当する部分の肉厚が他より薄いことを特徴とする燃料改質器。
  12. 請求項1において、前記冷却装置が、前記外筒の外表面に代えて、前記外筒内に配置されていることを特徴とする燃料改質器。
  13. 請求項12において、前記冷却装置が前記外筒の外側に折り返された部分と前記中間円筒との間の領域及びこの領域に隣接する前記中間円筒と前記内筒との間の領域で構成され、前記CO変成触媒層は高温用CO変成触媒層と低温用CO変成触媒層から構成され、前記低温用CO変成触媒層は前記外筒の折り返された部分で構成される領域が前記中間円筒の外側に連なる中間円筒鍔部で仕切られた部分に配置され、前記高温用CO変成触媒層は前記低温用CO変成触媒層よりも上流側に配置されていることを特徴とする燃料改質器。
  14. 請求項1から13いずれかに記載の燃料改質器と、PROX触媒層を有し前記燃料改質器に接続されたPROX反応器とを機器として具備し、更に、このPROX反応器に接続された燃料電池を具備することを特徴とする燃料電池発電システム。
  15. 請求項14において、
    前記PROX反応器と前記燃料電池との間に接続された凝縮器を具備することを特徴とする燃料電池発電システム。
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