JP3921477B2 - 単管円筒式改質器およびその運転方法 - Google Patents

単管円筒式改質器およびその運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素系原燃料やアルコール類を水蒸気改質して水素リッチな改質ガスを製造する単管円筒式改質器に関し、特に固体分子型燃料電池に組み合わされて用いられる改質器に関する。
改質器は、都市ガス、天然ガス、LPG等の炭化水素系原燃料およびまたはアルコール類を水蒸気改質して水素濃度の高い(水素リッチな)改質ガスを生成する装置であり、光ファイバーや半導体の製造過程や燃料電池等で使用する水素を製造するために広く使用されている。
改質器における改質反応は、メタンの例で示すと、次のようになる。
CH+HO→CO+3H(CH+HO←CO+3H
CO+HO→CO+H(CO+HO←CO+H
改質器による水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、反応を持続させるために加熱が必要で、通常バーナ等の燃焼装置を改質器に付設し、改質原料ガスや燃料電池からの余剰水素の燃焼によって加熱される。
比較的小容量の水素を製造する改質器としては、例えば、特開平11−11901に開示されているような単管円筒式改質器が知られている。この単管円筒式改質器は、2つの円筒間に触媒層を内蔵させた円筒容器の中心にバーナ等の加熱手段を設け、触媒層を加熱手段で加熱し触媒層に通した改質原料ガスを水蒸気により改質するように構成している。
図1は従来の単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。
図示した単管円筒式改質器は、横断面が円形で直立した細長い外筒1と、外筒1の内部に配置された円形内筒3と、外筒1の内側において内筒3に一定の間隔をおいて内筒3を囲繞する中間筒2と、内筒3の内側に輻射筒4がそれぞれ中心軸を同一にて配置され、内筒3と中間筒2との間の環状間隙に改質触媒5が充填され、輻射筒4の内側に設けられた燃焼室9の上部にはバーナ取付台6により支持されてバーナ7が配置され、外筒1および内筒3の下端には共通の一枚板である蓋板(底板)1aが取り付けられている。図示した単管円筒式改質器ではバーナ7が燃焼室9の上部に配置されているが、燃焼室9の下部に配置する場合(図示せず)もあり、その場合は、蓋板1aは天井板として外筒1および内筒3の上端に共通の一枚円板として取り付けられる。
図1に示した単管円筒式改質器は次のように作動する。
バーナ7の燃焼炎8により燃焼室9の内部に高温の燃焼ガスが生成され、その熱は輻射筒4を介して内筒の半径方向外側へ伝達されて改質触媒5を加熱すると共に、同時に、高温の燃焼ガスが輻射筒4の下部より内筒3の内側に侵入して上昇流となり直接的に改質触媒5を加熱する。燃焼ガスは加熱後に改質器の上端部から排出される。一方、改質器上部から導入された改質原料ガスは、改質触媒5が充填された環状の流路を下降する間に、加熱されて700℃程度まで昇温され、十分な水蒸気改質が行われる。改質された原料ガス( 改質ガス) は改質器の下部で反転され、外筒1および内筒3の間に形成される通路に発生する上昇流に転じ、この間に改質ガスの持つ顕熱が中間筒2の内側の改質工程に回収されて温度が降下し、改質ガスとして改質器の上端部から外に取り出される。
図1に示す従来の単管円筒式改質器は次のような問題を有する。
(1)流体の仕切りを必要とする外筒1および内筒3の下端部に共通の1枚の蓋板1aが溶接などで密封状に固定されているため、運転時の温度差により外筒1および内筒3に発生する熱応力のために、特に高温となる内筒3の坐屈変形を来し、これに起因する下記要因により改質器の性能低下を来す虞がある。
イ.内筒3の割れによる改質ガスの流出、
ロ.内筒3の変形による改質触媒の破損、
ハ.内筒3の変形による不均一な周方向の加熱
(2)燃焼室9が外部に対して内筒3と外筒1に共通の1枚の蓋板1aで仕切られているため、断熱性が低く、蓋板1a部分からの放熱ロスが大きくなる。
図1に示す改質器に限らず、固体高分子型燃料電池を家庭や自動車等に用いる場合には、単管円筒式改質器を含む改質装置全体の小型軽量化が必須条件であると共に、より効率の高い運転と運転開始の立ち上り時間を短縮させる等の各種の改良が必要とされる。 例えば、改質原料ガスの効率的な予熱による燃料の削減、蒸気発生器の過熱防止による使い勝手の向上、改質器内部の必要な温度の保持と熱量の有効利用による高効率化、有効な断熱構造による外部への放熱の抑制、内部温度差によって生じる熱応力を緩和して高い耐久性の実現、反応熱を有効利用して蒸気発生の効率化、運転状態の変動に効率的に対応可能な運転方法等が求められていると共により熱効率の高い改質器が求められている。
本発明は、従来技術における上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的とするところは、改質器において燃焼熱を有効に使用するとともに反応熱を有効に利用して、総合的な熱効率を高めることであり、第2の目的とすることは改質器を構成する外筒および内筒の軸方向の熱変位を自由な状態にして熱応力を発生させず、特に内筒の坐屈変形の発生とこれに起因する改質器の性能低下を防止するとともに、燃焼室から蓋板を介しての放熱ロスを減少するようにした単管円筒式改質器を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、直立した円形外筒と、該外筒の内側であって半径方向に間隔を置いて同心状に配置された円形内筒と、前記外筒と前記内筒の間であって半径方向に間隔をおいて同心状に配置された1つまたは複数の円形中間筒と、前記内筒の内側であって半径方向に間隔をおいて同心状に配置された輻射筒と、該輻射筒の半径方向中心に位置するように改質器の軸方向一端部に固設された火炎バーナとからなり、それぞれ間隔をおいて同心状に配置された前記1つまたは複数の中間筒は、前記内筒と最内部の中間筒との間、互いに隣接する各中間筒の間並びに最外部の中間筒と前記外筒との間で形成された環状流路が互いに連通して形成されており、該環状通路の少なくとも一部に改質触媒層となる改質触媒が充填された単管円筒式改質器であって、改質器の内部に水蒸気発生器を具備し、前記水蒸気発生器が前記輻射筒に隣接して前記火炎バーナの炎が直接かからない位置に設けられ、前記輻射筒を該水蒸気発生器の伝熱面の一部としたものであることを特徴とする。
上記本発明による単管円筒式改質器は燃料電池とともに使用されるのが好ましい。
本発明によれば、改質反応のために投入した熱量のうち、従来利用されずに排気されていた熱量を利用して水蒸気を発生させることにより、系全体としての熱効率が向上する、また火炎バーナの炎が直接かからない位置に水蒸気発生器を具備することにより、水蒸気発生器への水の供給量を減少させても水蒸気発生器が過熱されることがないという極めて優れた効果が得られる。
前記及び他の多くの本発明の目的、態様ならびに利点が、本発明の原理に合致する好適な具体例を実施例として示している以下の詳細な記述及び添付の図面に関連して説明されることにより、当業者にとって明らかになるであろう。
以下に、本発明の好ましい幾つかの実施例が添付の図面を参照しながら説明される。
図2は本発明の参考例による単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。
図示された参考例による改質器は、横断面が円形の細長い外筒1が直立状に配置され、外筒1の内部には中心軸同一にして断面が円形の細長い内筒3が配置されている。さらに、外筒1の内側において内筒3から一定の間隔をおいて内筒3を囲繞する中間筒2が設けられおり、内筒3と中間筒2との間に形成される環状間隙に改質触媒5が充填されている。さらに、内筒3の内側には内筒3と中心軸を同じくして輻射筒4が配置され、輻射筒4の内側に形成された燃焼室9の上方にはバーナ取付台6を介してバーナ7が取り付けられている。外筒1および内筒3の前記バーナ7に対向する軸方向下端部にそれぞれ個別の蓋板(底板)1b、3aが溶接などにより密封状に固定されている。外筒1の蓋板1bと内筒3の蓋板3aとの間には一定の間隙が存在する。換言すれば、蓋板1b、3aは(共通の1枚円板でなく)外筒1および内筒3の中心方向に関して二重構造となっている。
参考例では、バーナ7とバーナ取付台6が燃焼室9の上部に配置され、蓋板(底板)1b、3aが外筒1および内筒3の下端にそれぞれ取り付けられ、二重構造となる。しかしながら、あえて図示しないが、別の実施例として、バーナ7とバーナ取付台6を燃焼室9の下部に配置する場合もあり、この場合にも、内筒3と外筒1の各蓋板(この場合は共に天井板となる)が(共通の1枚円板でなく)二重構造となる。蓋板1bと蓋板3aとの軸方向の距離は外筒1および内筒3の軸方向の熱変位差を考慮すると共に、改質ガスがそこにおいて自然対流を起こさせない観点から適宜に決定される。
なお、図2には図示されていないが、都市ガス等の改質原料ガスと共に改質器内に導入される水蒸気を発生・供給するための水蒸気発生器が改質器の内部または外部に設けられている。
図2に示されるの改質器は次のように作動する。
例えば、都市ガス(13A)からなる燃料と燃焼用空気がバーナ7に供給されて燃焼されると燃焼室9内に燃焼炎8として噴出され、燃焼室9の内部には高温燃焼ガスが充満する。この高温燃焼ガスの熱は輻射筒4を介して改質触媒5を間接的に加熱し、同時に輻射筒4の下部より内筒3の内側に侵入して上昇流となり、内筒3の壁を通して直接的に改質触媒5を加熱し、改質器の上端部から排出される。改質器上部から導入された都市ガスと図示しない水蒸気発生器から供給される水蒸気とからなる改質原料ガスは、改質触媒が充填された環状流路を下降する間に、燃焼ガスにより加熱されて700℃程度まで昇温され、十分な水蒸気改質が行われる。改質触媒の温度はこれを充填している環状流路の下端部すなわち中間筒2の下端部付近で最高になる。環状流路の下端部から出る改質ガスは反転して上昇流に転じ、上昇中に改質ガスの持つ顕熱が内側の改質工程に回収されて温度が降下し(約200℃)、水素高濃度の改質ガス(水素、COおよびCO2などの混合ガス)として改質器の上端部から外に取り出される。
本発明は、上記参考例のほかに、COの含有濃度が低く、効率的で、良好な起動性を有し、かつ小型軽量化を実現し、更に熱的に安定した無駄のない単管円筒式改質器をも提供する。
本発明の第1の実施例として、図3に、小型軽量単管円筒式改質器に関する一例の概略構成が示される。
改質器81は、円形外筒10と、該外筒10の内部に同心状に設けられた中間群60と、これらの中間筒群の内側に同心状に設けられた内筒68と、この内筒68と最も内側に設けられた中間筒67との間に形成された環状空間内に設けられた改質触媒層13、中間筒65と64との間に形成された環状空間内に設けられたCO変成触媒層11(以下シフト層11ともいう。)、最も外側に設けられた中間筒61とその次の中間筒62との間に形成された環状空間内に設けられたCO選択酸化触媒層12(以下PROX層12ともいう。)等から構成されている。
さらに、内筒68の内側には内筒68と同心状に設けられた伝熱隔壁14(輻射筒)が配置してあり、伝熱隔壁14の内側にバーナ取付台16を介してバーナ18が取り付けられている。
外筒10は、断面が円形の有底円筒で、上部側面に飽和または過熱水蒸気取り出し口20、湿り水蒸気取り出し口21、水の供給口22、燃焼排ガスの取り出し口24、改質原料ガスと水蒸気との組み合わせ流体の供給口26、改質ガスの取り出し口28、PROX層用空気の供給口30が設けられている。
中間筒群60は、第1中間筒61から第7中間筒67までの複数の中間筒からなり、各中間筒間で環状の空隙をそれぞれ形成している。第1中間筒61と外筒10の間にはPROX層12へ空気を供給する空気通路42が形成してある。この空気通路42は底部で全周囲に連結し、全体を空気層で包むジャケット構造を形成し、更に第1中間筒61には、底71と側面に空気を導入させる空気導入孔43が形成してある。
第1中間筒61と第2中間筒62の間は、上下2段にPROX層12が形成してある。いずれのPROX層12も、PROX触媒層44と空気混合層46からなり、下段のPROX層12aは内側のシフト層11と下部で連通し、上段のPROX層12bは上部で改質ガスの取り出し口28に接続している。改質ガスの取り出し口28は、例えば固体高分子型燃料電池100の燃料ガス供給管102に接続され、改質ガスの取り出し口28から取り出された所定の濃度の水素を含有した改質ガスd(燃料ガス)が固体高分子型燃料電池100の燃料極側(図示せず)に供給され、それにより発電作用がなされる。また、固体高分子型燃料電池100で余剰となった改質ガスeをバーナ18での燃焼用ガスとして使用してもよい。
空気混合層46の内部には、所定の直径のセラミック球が充填してあり、気体が空気混合層46の内部を通過するとセラミック球が流路を屈曲させて、効率よく混合されるようになっている。また、空気導入孔43が空気混合層46の下部、すなわち空気混合層46の上流側端部付近に形成してある。セラミック球の径は、流通抵抗の増大と混合の良否を考慮して空気混合層46の流路幅の1/3〜1/10とする。セラミック球の径が流路幅の1/3以上では、混合が充分でなく、一方1/10以下では、通過抵抗が増大して好ましくない。
第2中間筒62と第4中間筒64の間は、第3中間筒63を挟んで冷却流体が通過する冷却流体路48となっており、上部で改質原料ガスと水蒸気の組み合わせ流体供給口26に接続している。第3中間筒63は下部に隙間を有して上方に取り付けられているため、冷却流体路48は、第3中間筒63を境にして半径方向に関して分割され、外側がPROX層12に接する下降通路となっており、内側がシフト層11に接する上昇通路となっている。なお、冷却流体路48流入される冷却流体の主なものは、改質原料ガスと改質用水との組み合わせ流体であるが、さらに後述するように、他のものを通過させるようにしてもよい。
第4中間筒64と第5中間筒65との間には、シフト層(CO変成触媒層)11が形成してある。シフト層11は、その内部にCO変成触媒が充填してあり、熱回収層50と上部で接続し、下部でPROX層12に接続し、COの変成反応を行なう。第5中間筒65は、下部で第1中間筒61の底部に接続している。第5中間筒65はシフト層11の内壁で、第6中間筒66は熱回収層50の外壁であり、これら両者の間には空間が形成されており、両者間を断熱する断熱層49であり、また両者の熱応力を緩和する緩衝機構となっている。
第6中間筒66と第7中間筒67の間には、球状のセラミックが充填された熱回収層50であり、球状のセラミックは、その直径が熱回収層50の通路幅の1/2〜1/5となっている。セラミック球の直径が通路幅の1/2を越えると、伝熱効果が低下し、通路幅の1/5以下では流通抵抗が増加してしまうため好ましくない。このセラミック球は、熱回収層50内を通過するガスの熱を、第7中間筒67を介して接する改質触媒層13に伝達する機能を有している。また第6中間筒66の下部には、底板76が取り付けてあり、内筒68の下部に取り付けられた底板78との間に空間が形成されている。
第7中間筒67と内筒68との間に形成される環状空間には、上流側に予熱層51が設けられており、この予熱層51にも伝熱効果を向上させるための充填物、例えば通路幅の1/2〜1/5の直径を有するセラミック球、が充填されている。その予熱層51の下流側に改質触媒層13が形成してある。予熱層51は、その上流側で冷却流体路48に連通している。改質触媒層13には、改質原料ガスを水蒸気改質する改質触媒が充填してある。改質触媒層13は、その下部において内筒68の底板78と第6中間筒66の底板76との間に形成された空間を介して熱回収層50の下端に連通している。また、底板78と底板76との間の間隙は、バーナ18の燃焼部分の断熱層としての機能も有している。
内筒68の内側には円筒状の伝熱隔壁14が、底板78との間に適度な間隔を設けて取り付けられている。伝熱隔壁14と内筒68の間隙は、バーナ18での燃焼排ガスを流通させる排ガス通路として形成してあり、上部で燃焼排ガスの取り出し口24に接続している。伝熱隔壁14の上部内側には、蒸気発生器34が設けられている。
水蒸気発生器34は、一面を伝熱隔壁14とした空隙で、内部に隔壁35を設けて内外方向に区画してあり、区画されたそれぞれの部分に水蒸気取り出し口20と水の供給口22が連結されている。更に、水の供給口22の流出口に対向する側には湿り水蒸気の取り出し口21が取り付けてあり、水蒸気取り出し口20と湿り水蒸気の取り出し口21は、それぞれ流量を調節する調整弁B(図4参照)を介して改質原料ガスと水蒸気との組み合わせ流体供給口26に接続している。
伝熱隔壁14の中心には、バーナー18が設けられている。バーナ18は、火口の高さが水蒸気発生器34の下端以下となる位置に配置してあり、バーナー18に点火されて、火口から炎が出ている状態でも、その炎は蒸気発生器34に直接かからないように配置されている。
図4は図3におけるIV−IV線に沿った水平断面図である。ただし、ここでの説明に不必要な供給口ならびに取り出し口は除かれている。
図4を参照して本発明の単管円筒式改質器における水蒸気と改質原料ガスとの組み合わせ流体の供給制御を説明する。改質器81の水蒸気発生器34へは、給水バルブA及び供給口22を介して改質用の水aが供給される。起動時、バーナー18の点火からバーナー18による加熱で水蒸気発生器34より飽和または過熱水蒸気b1が蒸気取り出し口20から取り出されるまでには、所定時間を要するが、バーナー18による加熱が進み改質器内部の温度が上昇すると、水蒸気取り出し口20から所定量の飽和または過熱水蒸気b1が取り出されるようになる。
一方、改質を受ける改質原料ガスcは改質原料ガス供給制御弁Cを介して供給され、調整弁Bを操作することにより合流する過熱水蒸気b1と一緒に改質原料ガス供給口26から改質器内部へ導入されて、改質器内での改質原料ガスcの水蒸気改質が開始される。
改質器内部の温度が所定の温度を超え始めると、改質器の運転を起動運転状態から定常運転状態に進ませるために、飽和または過熱水蒸気b1の供給を止めると共に、その代わりとして水蒸気発生器34に連通する湿り水蒸気供給口21から出される液状の水を含んだ湿り水蒸気b2が供給されるように調整弁Bが操作される。
次に、本発明の単管円筒式改質器の主要運転動作が図5に示すフローチャートに従って説明される。
最初に、給水バルブAが開旋され、給水口22から改質器内の水蒸気発生器34に水aが供給される(F−1)。続いて、改質器内に設けられたバーナー18が点火されて改質器の起動が開始される(F−2)と共に、過熱水蒸気b1を混合された改質を受ける改質原料ガスcが改質器内に導入される。
バーナー18による燃焼によって改質器内の温度が次第に高くなるが、定常運転に移行する目安としてシフト層11の折り返し点Pにおける温度Tが検出される(F−3)。この折り返し点温度Tが200℃以上かどうかの判断がなされ(F−4)、折り返し点温度Tが200℃以上になった時点で調整弁Bが徐々に開かれ(F−5)、過熱水蒸気b1に代えて液状の水を含む湿り水蒸気b2が改質原料ガスcに混入されて供給されるようになる。
湿り水蒸気b2の導入は改質器内の温度を下げることになるが、折り返し点温度Tが170℃以上230℃以下(170℃≦T≦230℃)であるかどうかチェックされる(F−6)。折り返し点温度Tが170℃以下になった場合には、湿り水蒸気b2の供給量を抑えるように、一方、折り返し点温度Tが230℃以上になった場合には湿り水蒸気の供給量を増やすように、調整弁Bの開度が調節される(F−7)。
折り返し点温度Tが所定温度範囲(170℃≦T≦230℃)に落ち着いて安定すると、起動運転は終了し、定常運転が開始される(F−8)。
定常運転開始後、燃料電池100の使用状態の変化等、何らかの負荷変動が発生した場合には(F−9)、調整弁Bの開度調節状態(F−6乃至F−7)に戻り、負荷変動が起こらなければ、定常運転が続行される(F−10)。
改質器の運転を終了するときは(F−11)、バーナー18が消火され(F−12)、その後、調整弁Bや他の全ての弁が閉じられる(F−13)。
以上説明した運転動作のうち、主要運転動作の詳細な説明が図3に示した改質器81に関連して、以下、説明される。
(A)起動時
まず、水の供給口22から改質用の水aを供給し、蒸気発生器34内に水を入れる。そしてバーナ18を点火し、改質器81の内部を加熱する。バーナ18による加熱は、火炎からの輻射熱によって伝熱隔壁14を加熱し、また燃焼排ガスが伝熱隔壁14と内筒68の間を通過して燃焼排ガスの取り出し口24から排気されることにより、改質触媒層13と予熱層51とを内側より加熱する。
蒸気発生器34は、伝熱隔壁14と内筒68の間を通過する燃焼排ガスと、バーナ18の燃焼室内の温度上昇と、伝熱隔壁14からの伝熱により徐々に加熱される。
蒸気発生器34が十分に加熱され、飽和または過熱水蒸気b1の発生量が所定値に達したなら、蒸気取り出し口20から水蒸気b1を取り出し、水蒸気b1を改質原料ガスcに加えて、改質原料ガス供給口26より供給する。
このように、バーナ18の燃焼により蒸気発生器34が加熱されることから、比較的短時間で改質器81の起動に必要な水蒸気b1を得ることができる。また、バーナ18の燃焼排ガスを伝熱隔壁14と内筒68の間に通過させることにより、燃焼排ガス中に含まれる熱を吸収し、有効に利用して効率を向上することができる。
改質原料ガスcは、都市ガス等の炭化水素系燃料であり、水蒸気b1と共に供給口26から供給されると、第2中間筒62と第4中間筒64の間に形成された冷却流体路48を通り、予熱層51に送られる。その間に冷却流体路48では、冷却流体路48に接するシフト層11とPROX層12の温度が低いことから、水蒸気b1や改質原料ガスcはシフト層11とPROX層12に熱を供給する。殊に水蒸気b1は、液化して潜熱を供給し、これによりシフト層11とPROX層12の温度上昇を早めることができる。
改質原料ガスcが予熱層51に入ると、予熱層51内に充填されているセラミック球はバーナ18からの熱により加熱されていることから、改質原料ガスcはその熱を吸収し、改質反応に必要な所定の温度以上に加熱されて改質触媒層13内に進入する。また、予熱層51は温度の低い改質原料ガスcや水蒸気b1が供給されることから、この入口付近において温度を低く抑えられる。改質触媒層13に進入した改質原料ガスcは、例えばメタンガスの場合次の反応で改質される。
CH+HO → CO+3H
改質触媒層13における改質反応は吸熱反応であることから、バーナ18の燃焼熱を吸収して反応が進行する。具体的には、バーナ18の燃焼排ガスが伝熱隔壁14と改質触媒層13の間を通過するときに、燃焼排ガスの熱が改質触媒層13に吸熱され、改質触媒層13では温度上昇を伴いながら改質反応が行なわれる。改質ガスは反応がほぼ平衡になると、改質触媒層13の下部から出て、下端で反転して熱回収層50内に進入する。
熱回収層50の内部にはセラミック球が充填されており、改質ガスの熱はセラミック球を介して改質触媒層13に供給される。また熱回収層50の上端は、比較的温度が低い改質原料ガスcや水蒸気b1が流入する予熱層51に接し、これにより温度がより低下し、CO変成反応に適した温度で上部から出て反転してシフト層11内に進入する。
シフト層11では次のようなCO変成反応が行われる。
CO+HO → CO+H
シフト層11でのCO変成反応は発熱反応であるが、シフト層11と熱回収層50とは間隙をもって構成されていることから、直接熱回収層50での熱が伝わってシフト層11を加熱することはなく、シフト層11の温度をこれによっても低く抑えることができる。
シフト層11の下部から出た改質ガスは、下端で反転しPROX層12に進入する。PROX層12は、PROX触媒層44と空気混合層46からなり、まず、空気導入孔43から導入された空気と空気混合層46を通過する間に混合され、PROX触媒層44によりCO選択酸化反応が行なわれる。
PROX層12では、次のような反応が行われる。
2CO+O → 2CO
CO選択酸化反応用の空気は、COをCOに変換するが、Hも酸化してしまい、Hを消費させてしまう。そこで、Hの酸化を最小限とするため、空気混合層46を前段に設置し、改質ガスに必要最小限の酸素を供給してCOの酸化反応を選択的に行なわせ、しかも複数段で反応を起こさせるようにした。
更に、シフト層11とPROX層12の間には、冷却流体路48が形成されていることから、起動時は水蒸気b1からの熱により反応に必要な温度を得るまでの時間が短縮される。
(B)定常運転時
そして、各反応部分での温度が所定の温度に達し、定常状態に達すると、湿り水蒸気取り出し口21に連通する調整弁を徐々に開放し、液体の水を含む湿り水蒸気b2を改質原料ガスcと共に改質原料ガス供給口26から供給する。すると、湿り水蒸気b2に含まれる液体の水は、冷却流体路48にてシフト層11とPROX層12の反応熱を吸収し蒸発する。この水分の気化による吸熱作用によって、発熱反応によるシフト層11とPROX層12の温度上昇が抑制され、改質器内の温度は所定温度に保持され得る。
また、改質用の水は冷却流体路48にてシフト層11とPROX層12の熱で加熱されて気体となるため、バーナ18の燃料を絞り、水蒸気発生器34で加熱して水蒸気を生成するための燃料を節約できる。改質原料ガスcは、冷却流体路48にて加熱された水蒸気と共に予熱層51を介して改質触媒層13に導入される。
前述したように、バーナ18により既に予熱層51内は加熱されており、改質原料ガスcと水蒸気は予熱層51で加熱されることから、改質触媒層13に必要な温度まで改質原料ガスcの温度を上昇させるため予熱装置等を別途設ける必要がなく、熱効率を高めることができる。また、改質原料ガスcを予め高温にして供給しないことから、予熱層51の入口付近の温度、例えば熱回収層50の出口温度を低下させることができので、熱回収層50を介して改質触媒層13の反応温度より低い温度での反応となるシフト層11を改質触媒層13に連続して接続させることができる。
予熱層51で加熱された改質原料ガスcは、改質触媒層13でさらに昇温して改質反応され改質触媒層13の下部より流出する。改質触媒層13の下部から流出した比較的高温の改質ガスは、熱回収層50の内部を上昇し、内部に設けられたセラミック球の伝熱促進効果により、改質触媒層13と熱交換を行ない温度が低下する。つまり、熱回収層50は下方から上方に行くに従い温度が低下する温度勾配を有しており、改質ガスは熱回収層50内を上昇するに従い熱が吸収され、温度が低下する。このことは、熱回収層50と予熱層51との間でも同様であり、熱回収層50が改質ガスから吸収した熱は、温度差を利用して熱回収層50から予熱層51に伝達される。
したがって、改質触媒層13の前段に予熱層51を設け、この予熱層51の入口と熱回収層50の出口を接近して構成したことにより、予熱層51に予熱なしの改質原料ガスcが導入されて、予熱層51の入口温度、ひいては熱回収層50の出口温度上昇が抑制されることとなり、はじめてシフト層11が連続して構成できるものである。
熱回収層50でCO変成反応に適した温度まで降温した改質ガスは、上部からシフト層11に進入し、改質ガスに含まれるCOが二酸化炭素に変成される。この反応は発熱反応であるが、冷却流体路48との熱交換により、CO選択酸化反応に適した温度まで降温し、次のPROX層12に進入する。この段階での改質ガスには、COが0.5%程度含まれている。
また前述したように、熱回収層50とシフト層11との間には断熱層49が形成されていることから、この断熱層49によって熱回収層50の熱が遮断され、シフト層11の温度を所定の温度に保持できる。また、両者の温度差による熱応力を解消し、損傷を防止することができる。
さらに、シフト層11の外周に設けられた冷却流体路48により、湿り水蒸気b2を気化させることにより、いわば内部にボイラ部を一体に組みこむこととなり、バーナ18による燃焼熱を低減でき、かつシフト層11やPROX層12を気化熱により冷却し、シフト層11とPROX層12を所定の温度に抑制することができるため、シフト層11では、CO転化率が上昇でき、PROX層12では、好ましくない副反応であるメタネーション反応、および逆シフト反応を抑制することができる。またこのようにシフト層11とPROX層12での反応熱および顕熱を回収できるので、熱効率を向上できる。
また更に、シフト層11やPROX層12を冷却する場合に、冷却流体路48に流入される冷却流体としては、燃焼用空気、気体もしくは液体の改質用の水、改質原料ガス等、あるいはこれらの複数の組み合わせを利用してもよい。例えば、冷却流体路48に燃焼用の空気を流通させる場合は、冷却流体路48を燃焼用空気専用の通路とし、あるいは冷却流体路48の通路を分割して燃焼用の空気を通し、改質用の水、改質原料ガス等はこれら通路とは別途通路を設け、改質器81の内部に導入させるようにする。一般に気体に比較して、液体の改質用水の方が十分な冷却能力が得られ、温度を任意に低下させることができるといえる。またこれを改質原料ガスcと組み合わせることで、冷却流体用の流入ノズルと改質原料ガスcの流入ノズルが兼用でき、しかも冷却流体の流出用ノズルが不用にできることから、構成を簡略化できる。また、冷却流体路48内に送る水蒸気量を調整することにより、冷却流体路48内における冷却熱量を増減でき、反応上重要なシフト層11やPROX層12の温度を所定値に保持することができる。
シフト層11から出た改質ガスは、空気の供給口30からの空気が混入される空気混合層46の内部を進入する。改質ガスは、空気混合層46を通過する間に空気と混合されるので別途撹拌装置等を設置することなく十分に撹拌でき、撹拌された状態でPROX触媒層44に進入するので、PROX触媒層44での反応において局部的な高酸素濃度の発生による不必要な水素のロスを防ぐことができる。また、孔43を任意に設定することができるので、PROX層12における任意の位置から空気を導入することができ、これにより、COの選択酸化除去に必要な空気量を削減でき、過剰空気による水素のロスを抑制することができる。
1段目のPROX層12での反応が終了したなら、次の段のPROX層12に進入し、再度COの濃度を低下させる。改質されたガスは、例えば水素75%、メタン5%、二酸化炭素19%、窒素1%、一酸化炭素10ppm以下を含むガスとして、改質ガスの取り出し口28から取出される。このように改質ガスは、一酸化炭素濃度が10ppm以下であるので、固体高分子型燃料電池に供給し、固体高分子型燃料電池の燃料ガスとして使用することができる。
PROX層12は、PROX層12と外筒10の間にPROX層12に導入させる空気が流通される空間が形成され、内部の空気の流通量は微量であることから、空気を滞留させることができ、断熱効果が高く、内部の温度を保持でき、放熱ロスを防止することができる。
(C)運転状態の負荷変動時
次に、燃料電池等の使用状態が変更され、改質器81の運転状況が変更された場合について説明する。
何等かの理由で改質器2の運転状況が変更された場合、供給口26から供給する改質原料ガスの量を調整して水素発生量の変更を行なうが、その場合でも反応を維持するため各部の温度をほぼ一定に保持する必要がある。例えば、改質ガスの必要量が減少し、改質原料ガスの流入量を減少させると、それとともに改質用水の供給量も減少させる必要があるので、シフト層11やPROX層12では冷却用の水の減少により温度が上昇してしまうことがある。
そこで、例えば改質原料ガスcおよび改質用の水の供給量を減少させたときは、水蒸気発生器34における湿り水蒸気の取り出し口21に連通する調整弁を開き、蒸気取り出し口20からの飽和または過熱水蒸気の取り入れを減少させる。このようにすると、供給口26から流入する水蒸気の湿り度が大きくなることから潜熱で吸収される熱量が増加し、シフト層11やPROX層12での温度上昇を防止することができ、不必要な熱損失を発生させることなく、また他から熱量を補充することなく各部の温度を保持することができる。
さらに、水蒸気発生器34が伝熱隔壁14の熱伝達を介して加熱され、バーナ18の火炎により直接加熱されていないことから、水蒸気発生器34への改質用の水の供給量を減少させて内部が乾燥状態になった場合でも、水蒸気発生器34が過熱されることがない。
また、逆に改質原料ガスcの供給量を増加させた場合には、湿り水蒸気取り出し口21に連通する調整弁Bを絞り、飽和または過熱水蒸気取り出し口20からの飽和または過熱水蒸気b1の取り入れを増加させる。このように対応することにより、不必要な熱損失を生じることなくシフト層11やPROX層12の温度を所定温度に保持でき、運転状況の変動に対して高い効率で対処できる。さらに、改質用の水を用いて温度を調整していることから、燃焼用空気等を用いている場合に比較して、良好な制御性を得ることができる。
次に、本発明の小型軽量単管円筒式改質器に関する別の例が、本発明の第2の実施例として、図6に示される。
この改質器82は、図6に示すように、内筒65の内側の底を開放し、かつ内筒65と内筒66の間を上部で閉鎖してある。他の構成は図3に示した改質器81と同様である。このように構成することにより、熱回収層50とシフト層11との間の空隙に、PROX層12に酸素を供給する空気通路42を連通させ、シフト層11への断熱効果を向上させることができる。また、熱回収層50の底部とシフト層11の底部とを近接させていないことから、改質器82の底部からの放熱を抑制することができる。
尚、上記例では、PROX層12a、12bに分け、改質器82の最外層に2段に設けたが、PROX層12は1段でも、あるいは3段以上でもよく、更にシフト層11を最外層にも設け、シフト層11とPROX層12とを最外層に2段に設けてもよい。又PROX層12としてのCO除去器を改質器82とは別体に設け、改質器82の最外層をシフト層11のみとしてもよい。
本発明の小型軽量単管円筒式改質器に関するさらに別の例が、本発明の第3の実施例として、図7に示される。
この改質器83は、図7に示すように、熱回収層50の上部(下流側)に副シフト層27が設けられている。また、第2シフト層11bを最外層の環状流路にも設け、シフト層11bとPROX層12とを最外層に2段に分けて設けてある。さらに、シフト層11aとPROX層12および/または第2シフト層11bとの環状流路の軸方向長さが、熱回収層50の軸方向長さに比して短縮されており、それらの下方端部は外筒10の底部付近まで達していない。またさらに、外筒10と底板76の間、底板76と底板78との間、熱回収層50の周囲、つまり第6内筒66と外筒10との間、および熱回収層50とシフト層11の間、つまり第6内筒66と第5内筒65との間に断熱材53が充填されている。
また、第1内筒61と第2内筒62との間に形成される最外層の環状流路、つまり第2シフト層11bとPROX層12との間には仕切板17が設けてあり、仕切板17によりシフト層11bとPROX層12とは区分されている。シフト層11bの下流の外壁には排出口23が周方向にほぼ均等に8ヶ所形成されている。また、PROX層12の上流の外壁には導入口25が、PROX用空気の供給口30の取り付け位置に対向して1つ形成してある。
次に、改質器83の作用について説明する。
外筒10と底板76の間、および底板76と底板78との間に断熱材が充填されていることから、底部付近からの熱の放散が防止でき、改質器83からの無駄な熱損失を防止でき、熱効率を向上させることができる。また熱回収層50の周囲と外筒10との間、および熱回収層50とシフト層11の間に断熱材が充填されていることから、熱回収層50からの熱の伝達を防止でき、熱回収層50での熱損失を低減でき、またシフト層11の温度上昇を抑制し、所定温度に保持させることができる。尚、底部付近に断熱材53を設けることは、上記例に限らず、図3もしくは図6に示した改質器81、82に用いてもよい。
シフト層11a、第2シフト層11bならびにPROX層12からなる環状流路の軸方向長さを短縮させたことから、熱回収層50からシフト層11aおよび第2シフト層11bへ伝達される熱量が低減でき、従来熱回収層50からの熱で過熱しやすかったシフト層を適正な温度に保持することができ、シフト層におけるCO転化率の低下を防止することができる。
副シフト層27を熱回収層50の上部、つまり下流側に設けたことにより、副シフト層27の温度上昇を早めることができ、運転開始直後であっても副シフト層27の触媒作用が早く作動可能となり、改質器83の起動時間を短縮することができる。副シフト層27の長さは、副シフト層27の設置による起動時間の短縮と、定常運転時での副シフト層27の過熱の程度等に応じて適宜選択する。
尚、上記例では副シフト層27をシフト層11aの上流側に連続して設けたが、本発明は、このような構成に限るものではなく、単管円筒式改質器を副シフト層27までとして構成してもよい。そして、主たるシフト層等を備えた触媒装置等を別個単管円筒式改質器に接続するようにしてもよい。この場合でも、単管円筒式改質器での副シフト層27の温度上昇が早められ、副シフト層27における触媒反応が早期に可能となり、起動時間等を短縮させることができる。
第2シフト層11bの下流の外壁に排出口23を周方向にほぼ均等に8ヵ所形成し、また、PROX層12の上流の外壁に導入口25を1つ、PROX用空気の供給口30に対向して形成したことから、第2シフト層11bを通過した改質ガスは排出口23から排出され、空隙31で空気供給口30から供給された空気と合流し、空気と合流した改質ガスが導入口25を通ってPROX層12内に導入される。
従って、第2シフト層11を通過した改質ガスは空気と確実に合流し、しかも導入口25が1ヶ所であることから、導入口25から導入する時に改質ガスと空気との混合が非常に良く行なわれる。このようにして空気との撹拌が十分に行なわれて、改質ガスがPROX層12に導入されることから、選択酸化反応が効率良く行なわれ、選択酸化反応における水素の消費量を極力少なくして、CO濃度を所定値以下に低減させることができる。
尚、上記例では、PROX層12の下部に第2シフト層11bを設置したが、PROX層12の下部に第2シフト層11bを設置しなくともよい。その場合でも、シフト層11aを通過した改質ガスは空隙31に排出され、空気と撹拌されてからPROX層12に流入するようになる。また、PROX層12を設置せず、全体を第2シフト層11としてもよい。その場合は、外部にCO選択酸化機能を有する装置等を必要に応じて接続させる。
断熱材は、必ずしも上記全ての箇所に充填する必要はなく、改質器83の各部の長さ、作動温度、各部の間隔の距離等各種条件に応じて、適宜省略してもよい。また排出口23を周方向にほぼ均等に8ヵ所形成し、また導入口25を1ヶ所としたが、それに限らず、複数箇所に適宜設けてよい。
従来の単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の参考例による単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施例による単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。 図3におけるIV−IV線に沿った水平断面図である。 本発明の単管円筒式改質器における主要な運転動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施例による単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施例による単管円筒式改質器の概略構成を示す縦断面図である。
符号の説明
1 外筒
1b、3a 蓋板
2 中間筒
3 内筒
4 轄射筒
5 改質触媒
6 バーナ取付台
7 バーナ
8 燃焼炎
9 燃焼室
51 予熱層
71 底
76、78 底板

Claims (2)

  1. 直立した円形外筒と、該外筒の内側であって半径方向に間隔を置いて同心状に配置された円形内筒と、前記外筒と前記内筒の間であって半径方向に間隔をおいて同心状に配置された1つまたは複数の円形中間筒と、前記内筒の内側であって半径方向に間隔をおいて同心状に配置された輻射筒と、該輻射筒の半径方向中心に位置するように改質器の軸方向一端部に固設された火炎バーナとからなり、それぞれ間隔をおいて同心状に配置された前記1つまたは複数の中間筒は、前記内筒と最内部の中間筒との間、互いに隣接する各中間筒の間並びに最外部の中間筒と前記外筒との間で形成された環状流路が互いに連通して形成されており、該環状通路の少なくとも一部に改質触媒層となる改質触媒が充填された単管円筒式改質器であって、
    改質器の内部に水蒸気発生器を具備し、
    前記水蒸気発生器が前記輻射筒に隣接して前記火炎バーナの炎が直接かからない位置に設けられ、前記輻射筒を該水蒸気発生器の伝熱面の一部としたものであることを特徴とする単管円筒式改質器。
  2. 改質器を用いる燃料電池と組合せて使用される請求項1に記載の単管円筒式改質器。
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