JP2004059181A - 冊子搬出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重ねて冊子収納部に収納された冊子の端縁を押圧して搬出する動作を確実に行える信頼性の高い冊子搬出装置の提供。
【解決手段】複数の冊子1を重ねて収納する冊子収納部と、冊子収納部に収納された冊子1の端縁1aを押圧する角部15aを有し、端縁1aを押圧することにより冊子を移動させて搬出する押圧移動部材15を備え、角部15aが逆くさび型を有している。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冊子搬出装置に係り、冊子収納部に重ねて収納された冊子の端縁を押圧することで、順次搬出する機能を有した冊子搬出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冊子を重ねて冊子収納部に収納し、冊子収納部の底面に設けられたピックアップローラの駆動により最下位置の冊子から順次搬出を行うように構成された冊子搬出装置について、例えば特開平10−143717号公報、特開平11−48561号公報に開示されている。
【0003】
これらは、夫々厚さが異なる複数の冊子を共通の冊子収納部に収納した場合でも、簡単な構成により冊子を冊子収納部から1冊毎に分離して、安定した搬出を行うという提案である。
【0004】
一方、上記のピックアップローラに代えて、重ねて収納部に収納されたカード体の端縁を押圧して順次カード体の搬出を行うカード体の搬出機構について、本願出願人は特開平6−321374号公報において提案している。
【0005】
このカード体の搬出機構によれば、例えば上記のピックアップローラによる摩擦力による搬出を行わない構成であるので、搬出の信頼性が高い。そこで、このカード体の搬出機構を、冊子の搬出用に用いれば、搬出の信頼性が高い冊子搬出装置を実現できることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カード体に比較して、冊子は頁部のバラけなどにより厚さが安定しない。このことから、重ねて冊子収納部に収納された冊子の端縁を押圧して1冊毎に冊子の搬出を行うときに、正常な搬出ができなくなる。
【0007】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであり、重ねて冊子収納部に収納された冊子の端縁を押圧して搬出する動作を、確実に行える信頼性の高い冊子搬出装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、複数の冊子を重ねて収納する収納部と、前記収納部に収納された冊子の端縁と当接し押圧する押圧移動部材を有し、該押圧移動部材で前記端縁を押圧することにより前記冊子を移動させて搬出する搬出手段と、を備え、前記押圧移動部材の冊子の端縁と当接する部分が逆くさび型をなしていることを特徴としている。
【0009】
また、前記押圧移動部材の冊子の端縁と当接する部分が、前記冊子の排出方向に沿う第1の面と、該第1の面に対して所定の角度だけ傾斜した第2の面と、からなることを特徴としている。
【0010】
そして、前記第1の面が途中で傾斜していることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施形態について添付の各図面を参照して述べる。
【0012】
図1は本発明の第1実施形態の冊子搬出装置の外観斜視図である。また、図2は図1のX−X線矢視図である。
【0013】
先ず、図1において、上方に開口した開口部3bと、下方に冊子1を一冊毎に排出する開口部3aを設けた、図示のような箱状の冊子収納部3が上下方向に設けられている。この冊子収納部3の中に、銀行預金や郵便貯金の通帳類、あるいは旅券(パスポート)に代表される多数の冊子1が、図示のように重ねられた状態で収納される。
【0014】
これらの冊子1は、両開きの表紙と、薄手の頁部とを綴じ部1cで綴じて、二つ折りにしたものであり、図示のように綴じ部1cが同じ側に位置するようにして冊子収納部3に収納される。このように収納した後に、最上部の冊子1上に錘部材12を載せることで、錘部材12の自重で下方に向かう力を発生して、全ての冊子1を冊子収容部3の下方の底面部4に向かわせる。
【0015】
冊子収納部3の開口部3aは、図示のように冊子1の搬出方向に直交する断面積より広い開口面積を有するとともに、略中央部位に開口部3aに対して上方から一部突出するゲート部材13を上下方向に調整自在に設けており、このゲート部材13を、冊子1の1枚毎の搬出を行うための堰部材としている。
【0016】
冊子収納部3の底面部4は、図示のように間に空間部4aを間に設けるように2箇所に分離形成されており、底面部4、4で最下位置に位置する冊子1を保持するように図示しない基部に固定されている。
【0017】
一方、これらの底面部4、4の間の空間部4aを移動することで、冊子1を矢印D1方向に順次搬出するための押圧移動部材15(破線図示)が設けられている。この押圧移動部材15は、底面部4の下方に配設されている搬出機構5に搭載されている。
【0018】
次に、図1に図2をさらに参照して、押圧移動部材15は、図示のように一部が空間部4aを介して冊子1の厚さ分以下に突出する位置関係となるように、キャリッジ16上の回動軸16a周りにおいて回動自在に設けられている。この押圧移動部材15は、回動軸16aの近くに設けられた図示しないストッパーに当接することで、実線図示の搬出位置で停止する状態と、破線図示の位置まで移動して冊子の搬出を終えた後に、元の位置に復帰するときに、最下位置の冊子1から下方に退避する退避位置の間で回動されるように構成されている。
【0019】
キャリッジ16には、2本のガイド軸体18により摺動可能に支持するための4個所の不図示の軸受ブッシュが固定されており、上記の押圧移動部材15を往復移動可能にしている。
【0020】
キャリッジ16の往復駆動のために、アイドラープーリ20と、駆動プーリ21の間には歯付きベルト19が張設されており、駆動プーリ21に固定されたギアに噛合するギアを出力軸に固定したステッピングモータ17への所定通電に伴い、キャリッジ16を往復駆動する。
【0021】
また、不図示のアクチエータでオン・オフする光学センサがスタート位置と停止位置に夫々固定されており、これらの検出結果からステッピングモータ17への所定の通電を行なうことで、押圧移動部材15を矢印D2方向に駆動して、冊子1の搬出を行う。
【0022】
図3(a)は、冊子収納部に収納された冊子1と押圧移動部材15の様子を示した拡大図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、冊子1は、ゲート部材13の下方を最初に通過する前側の端縁1bと、押圧移動部材15で押圧されることで冊子1を搬出するための押圧力を受ける後側の端縁1aを有している。
【0023】
これらの端縁1a、1bは冊子1の複数の頁部となっているので、バラけることがある。そこで、このバラけの防止のために押圧移動部材15は図示のように角部15aが逆くさび型を有している。
【0024】
すなわち、押圧移動部材15の角部15aは、冊子の矢印D2方向となる搬出方向に対して約2〜5度の範囲で傾斜した第1の面15bと、矢印D2方向の垂線に対して約5〜30度の範囲で傾斜した第2の面15cと、第1の面15bに連続するように冊子の矢印D2方向と平行な平行面15dとを有するように形成されている。また、第2の面15cの高さ寸法は冊子1の厚み以下に設定されている。
【0025】
また、押圧移動部材15の角部15aの幅寸法は、図1で述べた空間部4aを略占めるように十分に大きく設定されており、押圧移動部材15の角部15aで冊子1の端縁1aの略中央を押圧するときに、集中的な押圧力が作用して端縁1aを損傷することなく搬出できるようにしている。
【0026】
以上の構成により、図3(a)に、図3(b)〜(d)の動作説明図を参照して、動作説明をすると、スタート位置に設けられた光学センサにより、キャリッジ16に軸支された押圧移動部材15が、図3(a)の位置に位置していることが検出され、かつ冊子1の搬出のための要求があると、ステッピングモータ17への通電が行なわれて、押圧移動部材15が矢印D2方向に駆動される。
【0027】
この結果、冊子の矢印D2方向に約2〜5度の範囲で傾斜した第1の面15bが、最初に冊子1の下方に潜入し、続いて平行面15dが冊子1の下方に当接する。そして、これらの動作に前後して第2の面15cが冊子1の端縁1aに当接する。
【0028】
ステッピングモータ17への通電が継続されて、押圧移動部材15が矢印D2方向に駆動されることで、図3(b)に図示のように、押圧移動部材15の角部15aの第2の面15cが冊子1の端縁1aを押圧する。この結果、冊子1の端縁1aは第2の面15cの傾斜面に倣うように変形されることで、第2の面15cに直交する力Fと、搬出方向に沿う力F1と、第2の面15cの傾斜面に沿う図示のような分力F2を冊子1に発生する。
【0029】
この状態を維持したままで、ステッピングモータ17への通電が継続されることで、押圧移動部材15が、ゲート部材13の外側まで矢印D1方向に駆動されることで、図3(c)に図示の状態になり、冊子収納部の外部に搬出される。
【0030】
このようにし冊子収納部の外部に搬出された後には、冊子1を下方へ向わせる荷重がゼロになり押圧移動部材15から外れることになるが、上記の分力F2により冊子1の端縁を下方に向かわせるようにできるので、簡単に押圧移動部材15から外れないようにできる。以上で、冊子を冊子収納部の外部に搬出するまでの一連の動作を確実に行うことができる。
【0031】
以上の搬出の後に、ステッピングモータ17に対する逆極性の通電が行われて、図3(d)に図示のように、キャリッジ16が矢印D3方向に駆動される。この結果、上記のように回動軸16a周りに回動自在に設けられている押圧移動部材15は、最下位置の冊子1から下方に退避する退避位置になるように矢印方向に回動されてから、図3(a)に図示の位置に戻ることで、次の搬出に備える。
【0032】
以上のように搬出を行うことで、たとえ冊子の頁部にバラけなどがあっても、冊子1の端縁1aに食い込むように押圧することで1冊毎に確実に冊子の搬出を行うことができる。
【0033】
尚、上記の構成では、冊子収納部3を上下方向に配設し、冊子を収納する場合について述べたが、これに限定されず、冊子収納部3を水平方向に配設して、冊子1の綴じ部1cを底にして立てかけるように多数の冊子の収納と搬出をすることもできる。この場合には、上記の錘部材に代えて圧縮スプリングにより底面部側に冊子を移動するように構成すればよいことになる。
【0034】
また、図3(c)に図示のように冊子収納部の外部に冊子1の全体部分を搬出することなく、ゲート部材13から搬出に必要となる冊子の一部のみを出すことで、下流側に設けられたローラのニップ部による搬出に受け継ぐように構成しても良い。
【0035】
次に、図4は本発明の第2実施形態の冊子搬出装置の外観斜視図である。また、図5は図1のX−X線矢視図である。そして、図6は、動作説明のための外観斜視図である。
【0036】
先ず、図4と図5において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、冊子1は、比較的に厚手の両開きの表紙2を設けたものであり、表紙2と頁部とを綴じ部1cで綴じて二つ折りにして使用するものであり、一方の表紙2を開いた状態にして重ねて冊子収納部3に収納している。
【0037】
この冊子収容部3の下方には底面部4が設けられており、この底面部4に対して所定角度αで傾斜するように形成されたガイド部材8が設けられている。
【0038】
このガイド部材8には、図4に示される切り欠き部8aが形成されている。また、最上位置の冊子1には所定角度αの傾斜面12aを有した錘部材12が図示のように載置されている。
【0039】
そして、底面部4の下方には搬出機構5が配設されており、最下位置の冊子1から矢印D1方向に順次搬出するように構成されている。さらに、この冊子収容部3には、表紙2と冊子1とを同時に搬出する開口部3aが図示のように形成されている。
【0040】
搬出機構5は、図6の押圧移動部材15の動作説明の外観斜視図に図示のように、開かれた表紙2寄りの冊子1の部位となるの端縁1aを、上記の押圧移動部材15が矢印D2方向に駆動されるにともない角部15aの第2の面15cで押圧してスキューを発生させて冊子収納部3の内壁に沿う冊子の搬出を行ない、冊子収納部3の開口部3aから外部に搬出されたときに、規制部材9によりスキューを解除することで自由落下するように構成されている。
【0041】
すなわち、図4のZ−Z線矢視断面図である図7(a)において、押圧移動部材15が矢印D2方向に駆動されて、ゲート部材13を通過した冊子1は排出されることになるが、このとき図7(b)に図示したように、冊子1に矢印M方向のスキューが発生されつつ排出される。その後、規制部材9で冊子1の表面が部分的に押さえられる結果、スキューが解除されて略直線的に排出される。
【0042】
以上のようにして、コシのある冊子1の表紙2を開いた状態で簡単に重ねて冊子収納部3中に収納できることになる。また、冊子1、1、1…が順次送り出されると、冊子1は底面部4上に落としこまれるが、ガイド部材8が傾斜しているので、不安定な状態から所定位置への位置規制が可能となる。
【0043】
また、冊子1の残り数が少なくなり、表紙2が上からの荷重を受けなくなった状態では、表紙のコシで閉じる方向に移動しようとするが、錘部材12の傾斜面12aで規制されて正常な姿勢に維持されて排出されることになる。
【0044】
尚、本発明は、上記の実施形態に限定されず、請求の範囲に規定される種々の構成が可能であることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、重ねて冊子収納部に収納された冊子の端縁を押圧して搬出する動作を確実に行える信頼性の高い冊子搬出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態になる冊子搬出装置の外観斜視図である。
【図2】図1のX−X線矢視図である。
【図3】(a)は、冊子収納部に収納された冊子1と押圧移動部材15の様子を示した拡大図、(b)、(c)、(d)は押圧移動部材15の動作説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態の冊子搬出装置の外観斜視図である。
【図5】図4のX−X線矢視図である。
【図6】押圧移動部材15の動作説明のための外観斜視図である。
【図7】(a)〜(c)は、図4のZ−Z線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 冊子
1a 端縁
2 表紙
3 冊子収納部
3a 開口部
4 底面部
5 搬出機構
15 押圧移動部材
15a 角部
15b 第1の面
15c 第2の面
15d 平行面

Claims (3)

  1. 複数の冊子を重ねて収納する収納部と、
    前記収納部に収納された冊子の端縁と当接し押圧する押圧移動部材を有し、該押圧移動部材で前記端縁を押圧することにより前記冊子を移動させて搬出する搬出手段と、を備え、
    該押圧移動部材の冊子の端縁と当接する部分が逆くさび型をなしていることを特徴とする冊子搬出装置。
  2. 前記押圧移動部材の冊子の端縁と当接する部分が、前記冊子の排出方向に沿う第1の面と、該第1の面に対して所定の角度だけ傾斜した第2の面と、からなることを特徴とする請求項1に記載の冊子搬出装置。
  3. 前記第1の面が途中で傾斜していることを特徴としている請求項2に記載の冊子搬出装置。
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