JP2004055541A - 複合エネルギー素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型・軽量で、パルス的な負荷をかけたときの電圧降下を抑制でき、しかも充放電のサイクル寿命の長い複合エネルギー素子を提供する。
【解決手段】同一の外装材12内に、リチウム含有遷移金属酸化物を主体とした電池正極層2を含む電池正極、炭素質材料を主体としたキャパシタ正極層6を含むキャパシタ正極、炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体とした電池負極層4を含む電池負極、炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体としたキャパシタ負極層7を含むキャパシタ負極、およびリチウム塩を含む有機系電解液が収納されてなり、上記の電池正極とキャパシタ正極とが、また上記の電池負極とキャパシタ負極とが、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とする複合エネルギー素子。
【選択図】 図1
【解決手段】同一の外装材12内に、リチウム含有遷移金属酸化物を主体とした電池正極層2を含む電池正極、炭素質材料を主体としたキャパシタ正極層6を含むキャパシタ正極、炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体とした電池負極層4を含む電池負極、炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体としたキャパシタ負極層7を含むキャパシタ負極、およびリチウム塩を含む有機系電解液が収納されてなり、上記の電池正極とキャパシタ正極とが、また上記の電池負極とキャパシタ負極とが、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とする複合エネルギー素子。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池や電気化学キャパシタに関するものであり、さらに詳しくは、静電容量とレドックス容量を併せ持つエネルギー素子および電池が同一の外装材内に装填された複合エネルギー素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、ビデオカメラなど、モバイル機器の需要は高く、年々、高性能化、小型軽量化されているのが現状である。これらはモバイル機器であるため、電源として電池が使用される。
これらモバイル機器は、電源を入れる場合や、カメラでシャッターを押す際、瞬間的に大電流が流れ、そのとき電池電圧は急激に低下する。ある特定の電池電圧まで低下すると一次電池は交換、二次電池は再充電をすることになる。
【0003】
ところが、交換または充電をする電池自体には、まだ多くの容量が保持されている。すなわち、高負荷時の分極が大きいため、十分な容量を持ちながらも電池の交換や再充電をしなければならなかった。
そこで、瞬間的な高負荷変動に対応させるため、電池に負荷特性の良い電気二重層キャパシタを併用化させるシステムが特開平10−294135号公報などに提案されている。このシステムは、1個の独立した電池に対して、やはり独立した1個の電気二重層キャパシタを、負極は外装缶同士で、正極は金属リード線を介して並列に接続させたものである。
【0004】
電気二重層キャパシタは、電解液中のカチオンやアニオンを活性炭などの分極性電極表面に吸脱着させ、それにより生じた電気二重層容量をエネルギー源としたものであり、電池のように電気化学的な酸化還元反応を起こさないので、瞬間的に大電流を流す用途に最適である。
【0005】
電池と電気二重層キャパシタを併用化したシステムを、モバイル機器用の電源として採用すれば、高負荷時の電池の電圧降下が抑制されるので、使用する電池の寿命を大幅に改善できることが期待される。つまり、1回の使用時間が延び、電池の容量を無駄なく使用できるなどの効果が得られる。
しかし、上記提案は、電池とキャパシタがそれぞれ独立したものであるため、小型・軽量化の面で大幅な改善効果が得られない。
【0006】
この問題を克服するため、同一の素子内に電池とキャパシタを装填した複合エネルギー素子が提案されている(特許文献1参照)。これは、図5に示すように、電気二重層キャパシタを、電池の構成部品である密閉容器、セパレータ、電解液、集電体の一部または全部を共用させる形で、その電池内に形成させるものである。同図は、電池としてリチウムイオン電池を例にとり、上記複合エネルギー素子のモデル構造を示したものである。
【0007】
図5において、正極集電体30上にコバルト酸リチウム合剤層20および活性炭層60を、負極集電体50上に黒鉛合剤層40および活性炭層60を、それぞれ塗布形成したものを電極とし、同一のセパレータ80とリチウム塩を含んだ電解液110とを共用し、これらを密閉容器120内に装填し、正極集電体30に接続する正極リード90と、負極集電体50に接続する負極リード100とが、密閉容器120外部に取り出される構成となっている。
この構成は、同一の素子内に電池と電気二重層キャパシタが存在するため、外装の密閉容器はひとつあればよく、小型・軽量化に有利な構成である。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−351688号公報(第1〜2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の複合エネルギー素子では、リチウム塩を含んだ電解液110を用いているため、充電時に、負極集電体50に塗布された黒鉛合剤層40に対しリチウムイオンがその層間への挿入反応が進行すると同時に、負極集電体50に塗布された活性炭層60ともリチウムイオンが反応する。
ここで、活性炭層60とリチウムイオンとの間では、不可逆的な反応が多いため、充放電のサイクルを重ねるごとにリチウムイオンが消費されてしまい、電池のサイクル寿命が大幅に低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、小型・軽量であるとともに、パルス的な負荷をかけたときの電圧降下を抑制して電源の使用時間を延ばすことができ、そのうえ充放電のサイクル寿命が長く、繰り返しの使用にも十分に対応可能な複合エネルギー素子を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合エネルギー素子は、同一の外装材内に、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有遷移金属酸化物を主体とした電池正極層を含む電池正極、アニオンの吸着および脱着が可能な炭素質材料を主体としたキャパシタ正極層を含むキャパシタ正極、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体とした電池負極層を含む電池負極、リチウムイオンの吸蔵および挿入が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体としたキャパシタ負極層を含むキャパシタ負極、およびリチウム塩を含む有機系電解液が収納されてなり、上記の電池正極と上記のキャパシタ正極とが電気的に接続され、かつ上記の電池負極と上記のキャパシタ負極も電気的に接続されていることを特徴としたものである。
【0012】
すなわち、リチウムイオンと可逆的に反応する炭素質材料やリチウム含有チタン酸化物をキャパシタ負極とすれば、特許文献1のように活性炭で構成した負極上で大量のリチウムイオンが不可逆的に消費される問題がなく、リチウムイオン電池で用いられるリチウム塩を含む電解液を好適に使用でき、その際の充放電のサイクル寿命の低下はほとんどなく、繰り返しの使用に十分に対応可能となる。また、電池正極、電池負極、キャパシタ正極、キャパシタ負極を、同一の外装材内に一体に組み込むことで、小型・軽量化を容易に達成できる。
【0013】
本発明の複合エネルギー素子において、電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質がカーボンナノファイバーを主体とするのが望ましい。また、電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有チタン酸化物を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体とするのが望ましい。
この理由は、以下のとおりである。炭素質材料がリチウムイオンを挿入および脱離する電圧範囲は、金属リチウムに対して、概ね0〜1Vである。一方、リチウム含有チタン酸化物の上記電圧範囲は、概ね0.5〜2Vである。このため、たとえば電池負極層の活物質として炭素質材料を、キャパシタ負極層の活物質としてリチウム含有チタン酸化物を用いると、電圧範囲の高いリチウム含有チタン酸化物が過充電状態となるという不具合を生じる。
【0014】
また、本発明の複合エネルギー素子においては、電池正極層とキャパシタ正極層を同一の正極集電体に設けた複合正極体か、電池負極層とキャパシタ負極層を同一の負極集電体に設けた複合負極体のうち、少なくともどちらかひとつを有しているのが望ましい。さらに、電池正極、電池負極および有機系電解液を主構成要素とした電池集合体と、キャパシタ正極、キャパシタ負極および有機系電解液を主構成要素としたキャパシタ集合体を有し、上記の電池集合体と上記のキャパシタ集合体が外装材内で並列に接続されているのが望ましい。このような構成をとることにより、小型・軽量化などの点でとくに好結果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参考にして説明する。
図1は、本発明の複合エネルギー素子の一例をモデル化した構造図である。
【0016】
この複合エネルギー素子1において、金属製のシートやメッシュなどから構成される正極集電体3の表面に電池正極層2とキャパシタ正極層6が存在する複合正極体26と、金属製のシートやメッシュなどから構成される負極集電体5の表面に電池負極層4とキャパシタ負極層7が存在する複合負極体47とが、外装材12内に、装填されている。複合正極体26と複合負極体47との間には、短絡防止のために、セパレータ8が設置されている。
【0017】
また、これらの複合正極体26、複合負極体47およびセパレータ8には、リチウム塩を含む有機系電解液が含浸されている。さらに、正極集電体3には、正極リード9が接続されており、封止体11を介して外部に連絡している。負極も同様に、負極集電体5に負極リード10が接続されている。
【0018】
電池正極層2と電池負極層4とは、セパレータ8を介して対面しており、両層2,4の間で、充電時に正極活物質の結晶格子から負極の結晶子の層間内へ、放電時には逆に負極から正極へ、リチウムイオンが移動し、これによりリチウムの酸化還元によるレドックス容量が発現する。すなわち、両層2,4の構成は、通常のリチウムイオン電池と同じ構成である。
【0019】
また、キャパシタ正極層6とキャパシタ負極層7とは、セパレータ8を介して対面しており、充電時に電解液中のアニオン(マイナスイオン)が正極表面に吸着され、放電時にはアニオンが正極表面から脱着する。つまり、電気二重層キャパシタと同様に、静電容量が発生する。一方、キャパシタ負極層7では、電池負極層4の場合と同様に、リチウムイオンのインターカレーション(またはデインターカレーション)によるレドックス容量が発現する。
【0020】
電池正極層2は、活物質であるリチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有遷移金属酸化物を主体として構成されており、上記の活物質には、リチウムイオン電池に通常用いられているLiCoO2 、LiMn2 O4 、LiNiO2 などが好ましく用いられる。導電性の向上や金属集電体への塗膜性を確保するためなどの目的で、上記活物質のほかに、必要により、炭素などの導電剤や高分子バインダーなどを添加して使用してもよい。
【0021】
キャパシタ正極層6は、PF6 − やBF4 − などのアニオンの吸脱着(吸着および脱着)が可能な炭素質材料から構成されている。とくに、窒素吸着で測定されるBET比表面積が少なくとも500m2 /gの活性炭や単層カーボンナノチューブなどが好ましい。比表面積が500m2 /gであれば、上記アニオンの吸脱着量が十分であり、それだけ高い静電容量を得ることができる。図1のような塗膜電極を作製する場合、必要に応じて、高分子バインダーやカーボンブラックなどの導電補助剤を添加して用いてもよい。
【0022】
電池負極層4は、活物質としてリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種を主体として構成されている。上記の炭素質材料としては、黒鉛、石油コークス、炭素繊維、ハードカーボン、カーボンナノファイバーなどが挙げられ、リチウム含有チタン酸化物としては、Li4 Ti5 O12、LiTi2 O4 、Li2 Ti3 O7 などが挙げられる。また、リチウム含有チタン酸化物は、LiまたはTiのうちの一部を他金属で置換したものを用いてもよい。置換しうる金属の例としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wが挙げられ、これらの中から1種だけでもよいし2種以上を選択して用いてもよい。
電池負極層4の導電性向上や金属集電体への塗膜性を確保するためなどの目的で、上記活物質のほかに、必要に応じて、カーボンブラックなどの導電補助剤や高分子バインダーなどを添加して用いてもよい。
【0023】
キャパシタ負極層7は、電池負極層と同様に、活物質として、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種を主体として構成されている。
とくに、電池負極層を構成する活物質が炭素質材料を主体としたものであるときは、キャパシタ負極層を構成する活物質はカーボンナノファイバーを主体としたものが好ましい。また、電池負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体としたものであるときは、キャパシタ負極層を構成する活物質はリチウム含有チタン酸化物を主体としたものが好ましい。
【0024】
この理由は、既述したとおりである。つまり、炭素質材料がリチウムイオンを挿入および脱離する電圧範囲は、金属リチウムに対し、概ね0〜1Vである。一方、リチウム含有チタン酸化物の上記電圧範囲は、概ね0.5〜2Vである。このため、たとえば、電池負極層の活物質として炭素質材料を、キャパシタ負極層の活物質としてリチウム含有チタン酸化物を用いると、電圧範囲の高いリチウム含有チタン酸化物が過充電状態となってしまうからである。
このように、電池負極層を構成する活物質が炭素質材料を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質も炭素質材料、とくに高出力特性にすぐれるカーボンナノファイバーを主体としたものが好ましく、電池負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質もリチウム含有チタン酸化物を主体としたものが好ましい。
【0025】
なお、カーボンナノファイバーは、化学蒸着法、アーク放電など、いずれの手法で製造されたものでもとくに制限はないが、繊維直径が20〜100nm、繊維長さが1〜10μmであるものが、容量、負荷、サイクルなどの電気化学的特性や塗膜性の向上などの理由から、好ましい。
また、リチウムチタン含有酸化物は、電池負極層の活物質と同様のものが用いられるが、電気二重層キャパシタと同等の高負荷特性が求められるため、できるだけ高比表面積を有するものや微粒子化したものが好ましい。具体的には、比表面積が5〜300m2 /gであるのが好ましく、粒子径が大きくとも5μmが好ましく、とくに大きくとも1μmであるのが好ましい。微粒子化した活物質は、塗膜電極の薄膜化への寄与も期待できるので、好ましい。
導電性の向上や金属集電体への塗膜性を確保するなどの目的で、カーボンナノチューブやリチウムチタン含有酸化物などの活物質のほかに、必要により、カーボンブラックなどの導電補助剤や高分子バインダーなどを添加してもよい。
【0026】
リチウム塩を含む有機系電解液、つまり、リチウム塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液には、従来、リチウムイオン二次電池に用いられている、LiPF6 やLiBF4 などのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが用いられる。また、必要に応じて、四級のアンモニウム塩やホスホニウム塩などを添加してもかまわない。有機溶媒には、十分な脱水処理が施されていれば、とくに制限はなく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマブチロラクトンなど、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタに通常使われているものが好適に用いられる。有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
セパレータ8としては、正極と負極との短絡を防止して、電池およびキャパシタとしての性能に支障をきたさないものであればよく、リチウムイオン電池などの電池やキャパシタなどに一般に使用されているものが、いずれも使用できる。その材質などについても、とくに限定されない。
【0028】
このように構成される複合エネルギー素子1においては、通常の放電では、電池正極層2と電池負極層4とからなるリチウムイオン電池部が関与し、瞬間的に大電流を流す場合には、キャパシタ正極層6とキャパシタ負極層7とからなるキャパシタ部も作動する。このため、電池部単独では大電流放電時に電圧降下が大きくなるが、キャパシタ部の作動により、上記電圧降下が大幅に抑制され、電池の1回の使用時間が長くなる。
また、キャパシタ部は、リチウムイオンと可逆的に反応する炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物をキャパシタ負極としているため、従来の電気二重層キャパシタのように活性炭で構成された負極上で大量のリチウムイオンが不可逆的に消費されるという問題がなく、リチウム塩を含む有機系電解液を用いても充放電のサイクル寿命の低下がほとんどみられず、繰り返しの使用にも十分に対応可能となる。しかも、このキャパシタ部と電池部とを、同一の外装材12内に、一体に装填しているため、素子の小型・軽量化にも大きく寄与できる。
【0029】
なお、図1では、本発明の複合エネルギー素子について、構成の一例をモデル化して示しているが、この素子の実際の形状については、円筒型、角型、コイン型など、とくに制限はなく、製造方法も限定されない。
たとえば、円筒型の素子では、図2に示すように、シート状に成形した電池正極層2とキャパシタ正極層6とからなる複合正極体26と、電池負極層4とキャパシタ負極層7とからなる複合負極体47とを、セパレータ8を介してロール状に捲回して捲回体を作製し、これを外装材12である円筒型の缶内に装填し、リチウム塩を含む有機系電解液を注入し、封口すればよい。
【0030】
図2において、複合正極体26を支持する正極集電体3および複合負極体47を支持する負極集電体5は図示していない。これらに接続する正極リード9は封止体11を介して外部に連絡しているが、負極リード10は外装材12に連結させている。つまり、従来のリチウムイオン電池と同様に、正極端子を封止体側で負極端子を外装材側で確保させている。その他の構成要素は、図1と同じであるため、図1と同一番号を付して、その説明を省略する。
【0031】
なおまた、図1では、複合正極体26と複合負極体47の両方を同一の外装材12に収納しているが、必ずしも複合正極体と複合負極体の両方を含む必要はなく、正極または負極のどちらか一方が複合体であってもよい。
【0032】
さらに、本発明では、電池正極層2とキャパシタ正極層6とをそれぞれ別の正極集電体上に形成し、電池負極層4とキャパシタ負極層7も別の負極集電体上に形成した構造をとることもできる。
図3は、その一例を示したものである。同図において、金属製の円筒型外装材12の中に捲回構造の電池集合体13およびキャパシタ集合体14が装填されており、開口部は封止体11で封口されている。なお、封止体11は、従来のリチウムイオン電池の封止体のように、金属などの電気導電体で構成されるが、外装材12との接触部はすべて絶縁化されている。
【0033】
電池集合体13は、正極集電体上に形成した電池正極層と、負極集電体上に形成した電池負極層とを、セパレータを介して、ロール状に捲回したものである。上記の電池正極層は、電池正極リード15を介して、封止体11に電気的に接続している。また、上記の電池負極層は、電池負極リード16を介して、外装材12の底部に溶着され、電気的に接続した状態となっている。
【0034】
キャパシタ集合体14は、正極集電体上に形成したキャパシタ正極層と、負極集電体上に形成したキャパシタ負極層とを、セパレータを介して、ロール状に捲回したものである。キャパシタ正極層に溶着しているキャパシタ正極リード17は封止体11とも溶着しており、キャパシタ正極層と封止体11を電気的に接続している。また、キャパシタ集合体14の最外周部はキャパシタ負極層が少なくとも一部露出して、外装材12のグルービング部18付近で外装材の内面と接触し、キャパシタ負極層と外装材12を電気的に接続した状態にある。
【0035】
つまり、電池集合体13とキャパシタ集合体14との両正極は封止体11で、両負極は外装材12で、それぞれ導通しており、両者は電気的に並列接続した状態となる。なお、外装材内面に接触するのはキャパシタ負極層でもよいし、キャパシタ負極層が形成される負極集電体であってもよい。
また、電池集合体13やキャパシタ集合体14から活物質が脱落して短絡するのを防止するなどの目的で、外装材12の底や電池集合体13とキャパシタ集合体14の間に絶縁フィルムなどのインシュレーター19を設置してもよい。
【0036】
以上のように、本発明では、同一の外装材内で電池正極層とキャパシタ正極層とが電気的に接続し、また電池負極層とキャパシタ負極層とが電気的に接続しておれば、素子の形状についてはとくに限定されない。
外部への端子の取り方にも制限はなく、従来のリチウムイオン電池と同様に、正極端子を封止体側で、負極端子を外装材側で確保する方法(図2、図3)や、電気二重層キャパシタのように、封止体側から正極および負極の端子を確保する方法(図1)など、適宜採用することができる。
また、封止体の構造や材質にも制限はなく、従来のリチウムイオン電池に用いられている破裂板やPTCなどからなる金属式封止体(図3の構造のときに、とくに有効である)や、電気二重層キャパシタに用いられているゴムや樹脂製のパッキングを採用することができる。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
【0038】
実施例1
平均粒子径が10μmであるLiCoO2 90部に、アセチレンブラック15部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、電池正極層を形成した。
【0039】
フェノール樹脂を炭化し水蒸気で賦活処理した、粒径が5μmであり、窒素吸着によるBET比表面積が1,500m2 /gである活性炭90部に、アセチレンブラック5部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、前記した電池正極層を形成したアルミニウム箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、キャパシタ正極層を形成した。
このようにして得た電極を3トン/cm2 でプレス処理し、電池正極層側の幅を28mm、キャパシタ正極層側の幅を5mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製の正極リードを溶接し、複合正極体とした。
【0040】
平均粒子径が15μmである人造黒鉛90部に、70重量%のポリテトラフルォロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmの銅箔の両面に,塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、電池負極層を形成した。
【0041】
平均繊維直径が50nm、平均繊維長さが5μmであるカーボンナノファイバー60部に、アセチレンブラック30部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、前記した電池負極層を形成した銅箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、キャパシタ負極層を形成した。
このようにして得た電極を3トン/cm2 でプレス処理し、電池負極層側の幅を29mm、キャパシタ負極層側の幅を6mmに切り出し、電極の中央部にニッケル製の負極リードを溶接し、複合負極体とした。
【0042】
つぎに、上記の複合正極体と複合負極体とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して捲回し、捲回体とした。この捲回体を直径が14mm、高さが50mmの円筒缶に装填した。この円筒缶内に、アルゴンガス雰囲気のドライボックス内でエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた電解液を、注入したのち、缶開口部をブチルゴム製の封止体で封口し、かしめて、図2に示す構成の複合エネルギー素子を作製した。
【0043】
実施例2
平均粒子径が10μmであるLiMn2 O4 90部に、アセチレンブラック15部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、電池正極層を形成した。この電池正極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を28mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製の電池正極リードを溶接して、電池正極とした。
【0044】
平均粒子径が1μmであるLi4 Ti5 O1280部に、アセチレンブラック10部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加え、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、電池負極層を形成した。この電池負極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を29mmに切り出し、電極の端にアルミニウム製の電池負極リードを溶接して、電池負極とした。
この電池負極と前記の電池正極とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して捲回し、電池集合体とした。
【0045】
平均繊維直径が10nm、平均繊維長さが5μm、窒素吸着によるBET比表面積が1,500m2 /gであるカーボンナノファイバー活性炭90部に、アセチレンブラック5部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルォロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間乾操処理して、キャパシタ正極層を形成した。このキャパシタ正極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を3mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製のキャパシタ正極リードを溶接して、キャパシタ正極とした。
【0046】
平均粒子径が0.6μmであるLi4 Ti5 O1260部に、アセチレンブラック30部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、キャパシタ負極層を形成した。このキャパシタ負極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を29mmに切り出して、キャパシタ負極とした。
このキャパシタ負極と前記のキャパシタ正極とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して、キャパシタ負極が外周にくるようにして捲回し、キャパシタ集合体とした。なお、このキャパシタ集合体の最外周部にあるセパレーターを切り出し最外周部全面にキャパシタ負極を露出した。
【0047】
つぎに、上記の電池集合体を、直径が14mm、高さが50mmの円筒缶からなる外装缶に装填し、電池負極リードを缶底に溶接した。さらに、上記のキャパシタ集合体も外装缶に装填し、このキャパシタ集合体が装填された部分にくびれを入れた。その際、上記のキャパシタ集合体の最外周部にあるキャパシタ負極は外装缶と電気的に接続した状態であった。
外周部にポリエチレン製のパッキンを嵌合したアルミニウムディスクの封止体にキャパシタ正極リードおよび電池正極リードをそれぞれ溶接した。アルゴンガス雰囲気のドライボックス内でエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた電解液を、注入し、缶開口部を封止体で封口し、かしめて、図3に示す構造の複合エネルギー素子を作製した。
【0048】
比較例1
実施例1の方法で電池正極層を形成し、これをプレス処理後に幅33mmに切り出して、正極とした。また、実施例1の方法で電池負極層を形成し、これをプレス処理後に幅35mmに切り出して、負極とした。この正極と負極とを用いて、これらを実施例1,2と同様にセパレータを介して捲回体とし、以下、実施例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン電池を作製した。
【0049】
比較例2
キャパシタ負極層を、活性炭を主体としたキャパシタ正極層と同じ構成に変更した以外は、すべて、実施例1と同様にして、円筒型の複合エネルギー素子を作製した。この複合エネルギー素子は、公知である電池と電気二重層キャパシタとの複合エネルギー素子に相当するものである。
【0050】
上記の複合エネルギー素子(実施例1,2、比較例2)とリチウムイオン電池(比較例1)について、パルス放電試験として、500mAの定電流と4.2Vの定電圧で満充電させたのち、パルス放電を行った。パルス放電モードは0.3Aの電流を28秒間流したのち、1.5Aの電流を2秒間流すことを1パターンとした。電圧が2.5Vとなるまでパターンを繰り返した。放電カット電圧までのパターン数を調べた。結果は、表1に示されるとおりであった。
【0051】
表1
【0052】
つぎに、実施例1の複合エネルギー素子と比較例1のリチウムイオン電池とに関し、上記パルス放電試験において、パルスを2パターンかけたときの放電曲線を調べた。結果は、図4に示されるとおりであった。また、実施例1の複合エネルギー素子と比較例2の複合エネルギー素子とに関し、上記パルス放電試験において、前記の条件で充電とパルス放電を繰り返し行った際のパターン数の推移を調べた。結果は、表2に示されるとおりであった。
【0053】
表2
【0054】
上記の表1から、実施例1,2の複合エネルギー素子は、比較例1のリチウムイオン電池と比較して、2.5Vをカット電圧したパルス放電でその繰り返しパターン数が大幅に増えていることがわかる。これは、パルス負荷がかかる場合の電池1回あたりの使用時間が向上したことを意味し、図4の放電曲線から明らかなように、1.5Aの電流を流したときのセルの電圧降下が実施例1,2では比較例1よりも抑制されていることに基づくものである。
【0055】
また、上記の表2から、本発明の複合エネルギー素子(実施例1)は、パルス放電のサイクルが1回から100回までと多くなっても、そのパターン数にはほとんど変化がみられない。これに対して、電池に電気二重層キャパシタを並列接続させた従来構成の複合エネルギー素子(比較例2)では、パルス放電のサイクル数の増加に伴い、そのパターン数が大幅に減少している。この理由は、正極や電解液中に含まれる反応媒体のリチウムイオンが負極側の活性炭と不可逆的に反応し、消費されてしまったことに起因するものと思われる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小型・軽量であるとともに、パルス的に負荷がかかる場合において電源の使用時間を大幅に改善できるとともに、繰り返しの使用にも十分対応可能な複合エネルギー素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合エネルギー素子の一例を示すモデル構造図である。
【図2】本発明の円筒型の複合エネルギー素子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の円筒型の複合エネルギー素子の他の例を示す断面図である。
【図4】実施例1と比較例1のパルス放電試験のセル電圧変化を示す特性図である。
【図5】従来の複合エネルギー素子のモデル構造図である。
【符号の説明】
1 複合エネルギー素子
2 電池正極層
3 正極集電体
4 電池負極層
5 負極集電体
6 キャパシタ正極層
7 キャパシタ負極層
8 セパレータ
9 正極リード
10 負極リード
11 封止体
12 外装材
13 電池集合体
14 キャパシタ集合体
15 電池正極リード
16 電池負極リード
17 キャパシタ正極リード
18 グルービング部
19 インシュレーター
26 複合正極体
47 複合負極体
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池や電気化学キャパシタに関するものであり、さらに詳しくは、静電容量とレドックス容量を併せ持つエネルギー素子および電池が同一の外装材内に装填された複合エネルギー素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、ビデオカメラなど、モバイル機器の需要は高く、年々、高性能化、小型軽量化されているのが現状である。これらはモバイル機器であるため、電源として電池が使用される。
これらモバイル機器は、電源を入れる場合や、カメラでシャッターを押す際、瞬間的に大電流が流れ、そのとき電池電圧は急激に低下する。ある特定の電池電圧まで低下すると一次電池は交換、二次電池は再充電をすることになる。
【0003】
ところが、交換または充電をする電池自体には、まだ多くの容量が保持されている。すなわち、高負荷時の分極が大きいため、十分な容量を持ちながらも電池の交換や再充電をしなければならなかった。
そこで、瞬間的な高負荷変動に対応させるため、電池に負荷特性の良い電気二重層キャパシタを併用化させるシステムが特開平10−294135号公報などに提案されている。このシステムは、1個の独立した電池に対して、やはり独立した1個の電気二重層キャパシタを、負極は外装缶同士で、正極は金属リード線を介して並列に接続させたものである。
【0004】
電気二重層キャパシタは、電解液中のカチオンやアニオンを活性炭などの分極性電極表面に吸脱着させ、それにより生じた電気二重層容量をエネルギー源としたものであり、電池のように電気化学的な酸化還元反応を起こさないので、瞬間的に大電流を流す用途に最適である。
【0005】
電池と電気二重層キャパシタを併用化したシステムを、モバイル機器用の電源として採用すれば、高負荷時の電池の電圧降下が抑制されるので、使用する電池の寿命を大幅に改善できることが期待される。つまり、1回の使用時間が延び、電池の容量を無駄なく使用できるなどの効果が得られる。
しかし、上記提案は、電池とキャパシタがそれぞれ独立したものであるため、小型・軽量化の面で大幅な改善効果が得られない。
【0006】
この問題を克服するため、同一の素子内に電池とキャパシタを装填した複合エネルギー素子が提案されている(特許文献1参照)。これは、図5に示すように、電気二重層キャパシタを、電池の構成部品である密閉容器、セパレータ、電解液、集電体の一部または全部を共用させる形で、その電池内に形成させるものである。同図は、電池としてリチウムイオン電池を例にとり、上記複合エネルギー素子のモデル構造を示したものである。
【0007】
図5において、正極集電体30上にコバルト酸リチウム合剤層20および活性炭層60を、負極集電体50上に黒鉛合剤層40および活性炭層60を、それぞれ塗布形成したものを電極とし、同一のセパレータ80とリチウム塩を含んだ電解液110とを共用し、これらを密閉容器120内に装填し、正極集電体30に接続する正極リード90と、負極集電体50に接続する負極リード100とが、密閉容器120外部に取り出される構成となっている。
この構成は、同一の素子内に電池と電気二重層キャパシタが存在するため、外装の密閉容器はひとつあればよく、小型・軽量化に有利な構成である。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−351688号公報(第1〜2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の複合エネルギー素子では、リチウム塩を含んだ電解液110を用いているため、充電時に、負極集電体50に塗布された黒鉛合剤層40に対しリチウムイオンがその層間への挿入反応が進行すると同時に、負極集電体50に塗布された活性炭層60ともリチウムイオンが反応する。
ここで、活性炭層60とリチウムイオンとの間では、不可逆的な反応が多いため、充放電のサイクルを重ねるごとにリチウムイオンが消費されてしまい、電池のサイクル寿命が大幅に低下するという問題があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、小型・軽量であるとともに、パルス的な負荷をかけたときの電圧降下を抑制して電源の使用時間を延ばすことができ、そのうえ充放電のサイクル寿命が長く、繰り返しの使用にも十分に対応可能な複合エネルギー素子を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の複合エネルギー素子は、同一の外装材内に、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有遷移金属酸化物を主体とした電池正極層を含む電池正極、アニオンの吸着および脱着が可能な炭素質材料を主体としたキャパシタ正極層を含むキャパシタ正極、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体とした電池負極層を含む電池負極、リチウムイオンの吸蔵および挿入が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体としたキャパシタ負極層を含むキャパシタ負極、およびリチウム塩を含む有機系電解液が収納されてなり、上記の電池正極と上記のキャパシタ正極とが電気的に接続され、かつ上記の電池負極と上記のキャパシタ負極も電気的に接続されていることを特徴としたものである。
【0012】
すなわち、リチウムイオンと可逆的に反応する炭素質材料やリチウム含有チタン酸化物をキャパシタ負極とすれば、特許文献1のように活性炭で構成した負極上で大量のリチウムイオンが不可逆的に消費される問題がなく、リチウムイオン電池で用いられるリチウム塩を含む電解液を好適に使用でき、その際の充放電のサイクル寿命の低下はほとんどなく、繰り返しの使用に十分に対応可能となる。また、電池正極、電池負極、キャパシタ正極、キャパシタ負極を、同一の外装材内に一体に組み込むことで、小型・軽量化を容易に達成できる。
【0013】
本発明の複合エネルギー素子において、電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質がカーボンナノファイバーを主体とするのが望ましい。また、電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有チタン酸化物を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体とするのが望ましい。
この理由は、以下のとおりである。炭素質材料がリチウムイオンを挿入および脱離する電圧範囲は、金属リチウムに対して、概ね0〜1Vである。一方、リチウム含有チタン酸化物の上記電圧範囲は、概ね0.5〜2Vである。このため、たとえば電池負極層の活物質として炭素質材料を、キャパシタ負極層の活物質としてリチウム含有チタン酸化物を用いると、電圧範囲の高いリチウム含有チタン酸化物が過充電状態となるという不具合を生じる。
【0014】
また、本発明の複合エネルギー素子においては、電池正極層とキャパシタ正極層を同一の正極集電体に設けた複合正極体か、電池負極層とキャパシタ負極層を同一の負極集電体に設けた複合負極体のうち、少なくともどちらかひとつを有しているのが望ましい。さらに、電池正極、電池負極および有機系電解液を主構成要素とした電池集合体と、キャパシタ正極、キャパシタ負極および有機系電解液を主構成要素としたキャパシタ集合体を有し、上記の電池集合体と上記のキャパシタ集合体が外装材内で並列に接続されているのが望ましい。このような構成をとることにより、小型・軽量化などの点でとくに好結果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参考にして説明する。
図1は、本発明の複合エネルギー素子の一例をモデル化した構造図である。
【0016】
この複合エネルギー素子1において、金属製のシートやメッシュなどから構成される正極集電体3の表面に電池正極層2とキャパシタ正極層6が存在する複合正極体26と、金属製のシートやメッシュなどから構成される負極集電体5の表面に電池負極層4とキャパシタ負極層7が存在する複合負極体47とが、外装材12内に、装填されている。複合正極体26と複合負極体47との間には、短絡防止のために、セパレータ8が設置されている。
【0017】
また、これらの複合正極体26、複合負極体47およびセパレータ8には、リチウム塩を含む有機系電解液が含浸されている。さらに、正極集電体3には、正極リード9が接続されており、封止体11を介して外部に連絡している。負極も同様に、負極集電体5に負極リード10が接続されている。
【0018】
電池正極層2と電池負極層4とは、セパレータ8を介して対面しており、両層2,4の間で、充電時に正極活物質の結晶格子から負極の結晶子の層間内へ、放電時には逆に負極から正極へ、リチウムイオンが移動し、これによりリチウムの酸化還元によるレドックス容量が発現する。すなわち、両層2,4の構成は、通常のリチウムイオン電池と同じ構成である。
【0019】
また、キャパシタ正極層6とキャパシタ負極層7とは、セパレータ8を介して対面しており、充電時に電解液中のアニオン(マイナスイオン)が正極表面に吸着され、放電時にはアニオンが正極表面から脱着する。つまり、電気二重層キャパシタと同様に、静電容量が発生する。一方、キャパシタ負極層7では、電池負極層4の場合と同様に、リチウムイオンのインターカレーション(またはデインターカレーション)によるレドックス容量が発現する。
【0020】
電池正極層2は、活物質であるリチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有遷移金属酸化物を主体として構成されており、上記の活物質には、リチウムイオン電池に通常用いられているLiCoO2 、LiMn2 O4 、LiNiO2 などが好ましく用いられる。導電性の向上や金属集電体への塗膜性を確保するためなどの目的で、上記活物質のほかに、必要により、炭素などの導電剤や高分子バインダーなどを添加して使用してもよい。
【0021】
キャパシタ正極層6は、PF6 − やBF4 − などのアニオンの吸脱着(吸着および脱着)が可能な炭素質材料から構成されている。とくに、窒素吸着で測定されるBET比表面積が少なくとも500m2 /gの活性炭や単層カーボンナノチューブなどが好ましい。比表面積が500m2 /gであれば、上記アニオンの吸脱着量が十分であり、それだけ高い静電容量を得ることができる。図1のような塗膜電極を作製する場合、必要に応じて、高分子バインダーやカーボンブラックなどの導電補助剤を添加して用いてもよい。
【0022】
電池負極層4は、活物質としてリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種を主体として構成されている。上記の炭素質材料としては、黒鉛、石油コークス、炭素繊維、ハードカーボン、カーボンナノファイバーなどが挙げられ、リチウム含有チタン酸化物としては、Li4 Ti5 O12、LiTi2 O4 、Li2 Ti3 O7 などが挙げられる。また、リチウム含有チタン酸化物は、LiまたはTiのうちの一部を他金属で置換したものを用いてもよい。置換しうる金属の例としては、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wが挙げられ、これらの中から1種だけでもよいし2種以上を選択して用いてもよい。
電池負極層4の導電性向上や金属集電体への塗膜性を確保するためなどの目的で、上記活物質のほかに、必要に応じて、カーボンブラックなどの導電補助剤や高分子バインダーなどを添加して用いてもよい。
【0023】
キャパシタ負極層7は、電池負極層と同様に、活物質として、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種を主体として構成されている。
とくに、電池負極層を構成する活物質が炭素質材料を主体としたものであるときは、キャパシタ負極層を構成する活物質はカーボンナノファイバーを主体としたものが好ましい。また、電池負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体としたものであるときは、キャパシタ負極層を構成する活物質はリチウム含有チタン酸化物を主体としたものが好ましい。
【0024】
この理由は、既述したとおりである。つまり、炭素質材料がリチウムイオンを挿入および脱離する電圧範囲は、金属リチウムに対し、概ね0〜1Vである。一方、リチウム含有チタン酸化物の上記電圧範囲は、概ね0.5〜2Vである。このため、たとえば、電池負極層の活物質として炭素質材料を、キャパシタ負極層の活物質としてリチウム含有チタン酸化物を用いると、電圧範囲の高いリチウム含有チタン酸化物が過充電状態となってしまうからである。
このように、電池負極層を構成する活物質が炭素質材料を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質も炭素質材料、とくに高出力特性にすぐれるカーボンナノファイバーを主体としたものが好ましく、電池負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体とするときは、キャパシタ負極層を構成する活物質もリチウム含有チタン酸化物を主体としたものが好ましい。
【0025】
なお、カーボンナノファイバーは、化学蒸着法、アーク放電など、いずれの手法で製造されたものでもとくに制限はないが、繊維直径が20〜100nm、繊維長さが1〜10μmであるものが、容量、負荷、サイクルなどの電気化学的特性や塗膜性の向上などの理由から、好ましい。
また、リチウムチタン含有酸化物は、電池負極層の活物質と同様のものが用いられるが、電気二重層キャパシタと同等の高負荷特性が求められるため、できるだけ高比表面積を有するものや微粒子化したものが好ましい。具体的には、比表面積が5〜300m2 /gであるのが好ましく、粒子径が大きくとも5μmが好ましく、とくに大きくとも1μmであるのが好ましい。微粒子化した活物質は、塗膜電極の薄膜化への寄与も期待できるので、好ましい。
導電性の向上や金属集電体への塗膜性を確保するなどの目的で、カーボンナノチューブやリチウムチタン含有酸化物などの活物質のほかに、必要により、カーボンブラックなどの導電補助剤や高分子バインダーなどを添加してもよい。
【0026】
リチウム塩を含む有機系電解液、つまり、リチウム塩を有機溶媒に溶解させてなる電解液には、従来、リチウムイオン二次電池に用いられている、LiPF6 やLiBF4 などのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが用いられる。また、必要に応じて、四級のアンモニウム塩やホスホニウム塩などを添加してもかまわない。有機溶媒には、十分な脱水処理が施されていれば、とくに制限はなく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ガンマブチロラクトンなど、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタに通常使われているものが好適に用いられる。有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0027】
セパレータ8としては、正極と負極との短絡を防止して、電池およびキャパシタとしての性能に支障をきたさないものであればよく、リチウムイオン電池などの電池やキャパシタなどに一般に使用されているものが、いずれも使用できる。その材質などについても、とくに限定されない。
【0028】
このように構成される複合エネルギー素子1においては、通常の放電では、電池正極層2と電池負極層4とからなるリチウムイオン電池部が関与し、瞬間的に大電流を流す場合には、キャパシタ正極層6とキャパシタ負極層7とからなるキャパシタ部も作動する。このため、電池部単独では大電流放電時に電圧降下が大きくなるが、キャパシタ部の作動により、上記電圧降下が大幅に抑制され、電池の1回の使用時間が長くなる。
また、キャパシタ部は、リチウムイオンと可逆的に反応する炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物をキャパシタ負極としているため、従来の電気二重層キャパシタのように活性炭で構成された負極上で大量のリチウムイオンが不可逆的に消費されるという問題がなく、リチウム塩を含む有機系電解液を用いても充放電のサイクル寿命の低下がほとんどみられず、繰り返しの使用にも十分に対応可能となる。しかも、このキャパシタ部と電池部とを、同一の外装材12内に、一体に装填しているため、素子の小型・軽量化にも大きく寄与できる。
【0029】
なお、図1では、本発明の複合エネルギー素子について、構成の一例をモデル化して示しているが、この素子の実際の形状については、円筒型、角型、コイン型など、とくに制限はなく、製造方法も限定されない。
たとえば、円筒型の素子では、図2に示すように、シート状に成形した電池正極層2とキャパシタ正極層6とからなる複合正極体26と、電池負極層4とキャパシタ負極層7とからなる複合負極体47とを、セパレータ8を介してロール状に捲回して捲回体を作製し、これを外装材12である円筒型の缶内に装填し、リチウム塩を含む有機系電解液を注入し、封口すればよい。
【0030】
図2において、複合正極体26を支持する正極集電体3および複合負極体47を支持する負極集電体5は図示していない。これらに接続する正極リード9は封止体11を介して外部に連絡しているが、負極リード10は外装材12に連結させている。つまり、従来のリチウムイオン電池と同様に、正極端子を封止体側で負極端子を外装材側で確保させている。その他の構成要素は、図1と同じであるため、図1と同一番号を付して、その説明を省略する。
【0031】
なおまた、図1では、複合正極体26と複合負極体47の両方を同一の外装材12に収納しているが、必ずしも複合正極体と複合負極体の両方を含む必要はなく、正極または負極のどちらか一方が複合体であってもよい。
【0032】
さらに、本発明では、電池正極層2とキャパシタ正極層6とをそれぞれ別の正極集電体上に形成し、電池負極層4とキャパシタ負極層7も別の負極集電体上に形成した構造をとることもできる。
図3は、その一例を示したものである。同図において、金属製の円筒型外装材12の中に捲回構造の電池集合体13およびキャパシタ集合体14が装填されており、開口部は封止体11で封口されている。なお、封止体11は、従来のリチウムイオン電池の封止体のように、金属などの電気導電体で構成されるが、外装材12との接触部はすべて絶縁化されている。
【0033】
電池集合体13は、正極集電体上に形成した電池正極層と、負極集電体上に形成した電池負極層とを、セパレータを介して、ロール状に捲回したものである。上記の電池正極層は、電池正極リード15を介して、封止体11に電気的に接続している。また、上記の電池負極層は、電池負極リード16を介して、外装材12の底部に溶着され、電気的に接続した状態となっている。
【0034】
キャパシタ集合体14は、正極集電体上に形成したキャパシタ正極層と、負極集電体上に形成したキャパシタ負極層とを、セパレータを介して、ロール状に捲回したものである。キャパシタ正極層に溶着しているキャパシタ正極リード17は封止体11とも溶着しており、キャパシタ正極層と封止体11を電気的に接続している。また、キャパシタ集合体14の最外周部はキャパシタ負極層が少なくとも一部露出して、外装材12のグルービング部18付近で外装材の内面と接触し、キャパシタ負極層と外装材12を電気的に接続した状態にある。
【0035】
つまり、電池集合体13とキャパシタ集合体14との両正極は封止体11で、両負極は外装材12で、それぞれ導通しており、両者は電気的に並列接続した状態となる。なお、外装材内面に接触するのはキャパシタ負極層でもよいし、キャパシタ負極層が形成される負極集電体であってもよい。
また、電池集合体13やキャパシタ集合体14から活物質が脱落して短絡するのを防止するなどの目的で、外装材12の底や電池集合体13とキャパシタ集合体14の間に絶縁フィルムなどのインシュレーター19を設置してもよい。
【0036】
以上のように、本発明では、同一の外装材内で電池正極層とキャパシタ正極層とが電気的に接続し、また電池負極層とキャパシタ負極層とが電気的に接続しておれば、素子の形状についてはとくに限定されない。
外部への端子の取り方にも制限はなく、従来のリチウムイオン電池と同様に、正極端子を封止体側で、負極端子を外装材側で確保する方法(図2、図3)や、電気二重層キャパシタのように、封止体側から正極および負極の端子を確保する方法(図1)など、適宜採用することができる。
また、封止体の構造や材質にも制限はなく、従来のリチウムイオン電池に用いられている破裂板やPTCなどからなる金属式封止体(図3の構造のときに、とくに有効である)や、電気二重層キャパシタに用いられているゴムや樹脂製のパッキングを採用することができる。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
【0038】
実施例1
平均粒子径が10μmであるLiCoO2 90部に、アセチレンブラック15部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、電池正極層を形成した。
【0039】
フェノール樹脂を炭化し水蒸気で賦活処理した、粒径が5μmであり、窒素吸着によるBET比表面積が1,500m2 /gである活性炭90部に、アセチレンブラック5部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、前記した電池正極層を形成したアルミニウム箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、キャパシタ正極層を形成した。
このようにして得た電極を3トン/cm2 でプレス処理し、電池正極層側の幅を28mm、キャパシタ正極層側の幅を5mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製の正極リードを溶接し、複合正極体とした。
【0040】
平均粒子径が15μmである人造黒鉛90部に、70重量%のポリテトラフルォロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmの銅箔の両面に,塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、電池負極層を形成した。
【0041】
平均繊維直径が50nm、平均繊維長さが5μmであるカーボンナノファイバー60部に、アセチレンブラック30部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、前記した電池負極層を形成した銅箔の両面に、塗布幅が100mmとなるように調整して塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、キャパシタ負極層を形成した。
このようにして得た電極を3トン/cm2 でプレス処理し、電池負極層側の幅を29mm、キャパシタ負極層側の幅を6mmに切り出し、電極の中央部にニッケル製の負極リードを溶接し、複合負極体とした。
【0042】
つぎに、上記の複合正極体と複合負極体とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して捲回し、捲回体とした。この捲回体を直径が14mm、高さが50mmの円筒缶に装填した。この円筒缶内に、アルゴンガス雰囲気のドライボックス内でエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた電解液を、注入したのち、缶開口部をブチルゴム製の封止体で封口し、かしめて、図2に示す構成の複合エネルギー素子を作製した。
【0043】
実施例2
平均粒子径が10μmであるLiMn2 O4 90部に、アセチレンブラック15部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間乾燥処理して、電池正極層を形成した。この電池正極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を28mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製の電池正極リードを溶接して、電池正極とした。
【0044】
平均粒子径が1μmであるLi4 Ti5 O1280部に、アセチレンブラック10部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加え、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、電池負極層を形成した。この電池負極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を29mmに切り出し、電極の端にアルミニウム製の電池負極リードを溶接して、電池負極とした。
この電池負極と前記の電池正極とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して捲回し、電池集合体とした。
【0045】
平均繊維直径が10nm、平均繊維長さが5μm、窒素吸着によるBET比表面積が1,500m2 /gであるカーボンナノファイバー活性炭90部に、アセチレンブラック5部を加え、さらにバインダーとして70重量%のポリテトラフルォロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが5部になるように加えて、混練した。これを、厚さが15μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間乾操処理して、キャパシタ正極層を形成した。このキャパシタ正極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を3mmに切り出し、電極の中央部にアルミニウム製のキャパシタ正極リードを溶接して、キャパシタ正極とした。
【0046】
平均粒子径が0.6μmであるLi4 Ti5 O1260部に、アセチレンブラック30部を加え、さらに70重量%のポリテトラフルオロエチレンを含むディスパージョン水溶液をポリテトラフルオロエチレンが10部になるように加えて、混練した。これを、厚さが10μm、幅が200mmのアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で1時間、乾燥処理して、キャパシタ負極層を形成した。このキャパシタ負極層を3トン/cm2 でプレス処理し、幅を29mmに切り出して、キャパシタ負極とした。
このキャパシタ負極と前記のキャパシタ正極とを、厚さが25μmのポリエチレン製セパレータを介して、キャパシタ負極が外周にくるようにして捲回し、キャパシタ集合体とした。なお、このキャパシタ集合体の最外周部にあるセパレーターを切り出し最外周部全面にキャパシタ負極を露出した。
【0047】
つぎに、上記の電池集合体を、直径が14mm、高さが50mmの円筒缶からなる外装缶に装填し、電池負極リードを缶底に溶接した。さらに、上記のキャパシタ集合体も外装缶に装填し、このキャパシタ集合体が装填された部分にくびれを入れた。その際、上記のキャパシタ集合体の最外周部にあるキャパシタ負極は外装缶と電気的に接続した状態であった。
外周部にポリエチレン製のパッキンを嵌合したアルミニウムディスクの封止体にキャパシタ正極リードおよび電池正極リードをそれぞれ溶接した。アルゴンガス雰囲気のドライボックス内でエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:2(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6 を1.5モル/リットルの濃度になるように溶解させた電解液を、注入し、缶開口部を封止体で封口し、かしめて、図3に示す構造の複合エネルギー素子を作製した。
【0048】
比較例1
実施例1の方法で電池正極層を形成し、これをプレス処理後に幅33mmに切り出して、正極とした。また、実施例1の方法で電池負極層を形成し、これをプレス処理後に幅35mmに切り出して、負極とした。この正極と負極とを用いて、これらを実施例1,2と同様にセパレータを介して捲回体とし、以下、実施例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン電池を作製した。
【0049】
比較例2
キャパシタ負極層を、活性炭を主体としたキャパシタ正極層と同じ構成に変更した以外は、すべて、実施例1と同様にして、円筒型の複合エネルギー素子を作製した。この複合エネルギー素子は、公知である電池と電気二重層キャパシタとの複合エネルギー素子に相当するものである。
【0050】
上記の複合エネルギー素子(実施例1,2、比較例2)とリチウムイオン電池(比較例1)について、パルス放電試験として、500mAの定電流と4.2Vの定電圧で満充電させたのち、パルス放電を行った。パルス放電モードは0.3Aの電流を28秒間流したのち、1.5Aの電流を2秒間流すことを1パターンとした。電圧が2.5Vとなるまでパターンを繰り返した。放電カット電圧までのパターン数を調べた。結果は、表1に示されるとおりであった。
【0051】
表1
【0052】
つぎに、実施例1の複合エネルギー素子と比較例1のリチウムイオン電池とに関し、上記パルス放電試験において、パルスを2パターンかけたときの放電曲線を調べた。結果は、図4に示されるとおりであった。また、実施例1の複合エネルギー素子と比較例2の複合エネルギー素子とに関し、上記パルス放電試験において、前記の条件で充電とパルス放電を繰り返し行った際のパターン数の推移を調べた。結果は、表2に示されるとおりであった。
【0053】
表2
【0054】
上記の表1から、実施例1,2の複合エネルギー素子は、比較例1のリチウムイオン電池と比較して、2.5Vをカット電圧したパルス放電でその繰り返しパターン数が大幅に増えていることがわかる。これは、パルス負荷がかかる場合の電池1回あたりの使用時間が向上したことを意味し、図4の放電曲線から明らかなように、1.5Aの電流を流したときのセルの電圧降下が実施例1,2では比較例1よりも抑制されていることに基づくものである。
【0055】
また、上記の表2から、本発明の複合エネルギー素子(実施例1)は、パルス放電のサイクルが1回から100回までと多くなっても、そのパターン数にはほとんど変化がみられない。これに対して、電池に電気二重層キャパシタを並列接続させた従来構成の複合エネルギー素子(比較例2)では、パルス放電のサイクル数の増加に伴い、そのパターン数が大幅に減少している。この理由は、正極や電解液中に含まれる反応媒体のリチウムイオンが負極側の活性炭と不可逆的に反応し、消費されてしまったことに起因するものと思われる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、小型・軽量であるとともに、パルス的に負荷がかかる場合において電源の使用時間を大幅に改善できるとともに、繰り返しの使用にも十分対応可能な複合エネルギー素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合エネルギー素子の一例を示すモデル構造図である。
【図2】本発明の円筒型の複合エネルギー素子の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の円筒型の複合エネルギー素子の他の例を示す断面図である。
【図4】実施例1と比較例1のパルス放電試験のセル電圧変化を示す特性図である。
【図5】従来の複合エネルギー素子のモデル構造図である。
【符号の説明】
1 複合エネルギー素子
2 電池正極層
3 正極集電体
4 電池負極層
5 負極集電体
6 キャパシタ正極層
7 キャパシタ負極層
8 セパレータ
9 正極リード
10 負極リード
11 封止体
12 外装材
13 電池集合体
14 キャパシタ集合体
15 電池正極リード
16 電池負極リード
17 キャパシタ正極リード
18 グルービング部
19 インシュレーター
26 複合正極体
47 複合負極体
Claims (5)
- 同一の外装材内に、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有遷移金属酸化物を主体とした電池正極層を含む電池正極、アニオンの吸着および脱着が可能な炭素質材料を主体としたキャパシタ正極層を含むキャパシタ正極、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体とした電池負極層を含む電池負極、リチウムイオンの吸蔵および挿入が可能な炭素質材料またはリチウム含有チタン酸化物のうちの少なくとも1種からなる活物質を主体としたキャパシタ負極層を含むキャパシタ負極、およびリチウム塩を含む有機系電解液が収納されてなり、上記の電池正極と上記のキャパシタ正極とが電気的に接続され、かつ上記の電池負極と上記のキャパシタ負極も電気的に接続されていることを特徴とする複合エネルギー素子。
- 電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料を主体とし、キャパシタ負極層を構成する活物質がカーボンナノファイバーを主体とする請求項1に記載の複合エネルギー素子。
- 電池負極層を構成する活物質がリチウムイオンの吸蔵および放出が可能なリチウム含有チタン酸化物を主体とし、キャパシタ負極層を構成する活物質がリチウム含有チタン酸化物を主体とする請求項1に記載の複合エネルギー素子。
- 電池正極層とキャパシタ正極層を同一の正極集電体に設けた複合正極体か、電池負極層とキャパシタ負極層を同一の負極集電体に設けた複合負極体のうち、少なくともどちらかひとつを有する請求項1〜3のいずれかに記載の複合エネルギー素子。
- 電池正極、電池負極および有機系電解液を主構成要素とした電池集合体と、キャパシタ正極、キャパシタ負極および有機系電解液を主構成要素としたキャパシタ集合体を有し、この電池集合体とキャパシタ集合体が並列に接続されている請求項1〜3のいずれかに記載の複合エネルギー素子。
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