JP2005285545A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下における長期保存による容量低下が少なく、かつ内部抵抗の上昇が少なく、更に低コストで製造することが可能なリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質を含む正極材と、負極活物質を含む負極材とを備え、正極材及び/又は負極材が、NiO、B23、Al23、LiAlO2、MgO、SiO2、TiO2及びZrO2からなる群から選択される少なくとも1つの酸化物を含有するリチウム二次電池を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池に関し、更に詳しくは、容量低下の少ないリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、近年、急速に小型化が進んでいる携帯型の通信機器やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器の電源を担う、小型でエネルギー密度の大きな二次電池として実用化されている。また、国際的な地球環境の保護を背景として省資源化や省エネルギー化に対する関心が高まる中、リチウム二次電池は、自動車業界においては、電気自動車やハイブリッド電気自動車用のモータ駆動用バッテリーとして開発が進められている。更に、電力業界においては、リチウム二次電池は、電力の有効利用手段を図るための夜間電力貯蔵装置としても期待されており、このような用途に適する大容量リチウム二次電池の早期実用化に注目が集まっている。
一般的なリチウム二次電池は、マンガン酸リチウム(LiMn24)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)といったリチウム遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を含む正極材と、ハードカーボンや黒鉛といった炭素質材料からなる負極活物質を含む負極材と、リチウムイオン電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液とを備えるものである。充電時には、正極活物質中のリチウムイオンが非水電解液を介して負極活物質に移動して捕捉されるという電池反応が起こる一方、放電時には逆の電池反応が起こる。
このように、リチウム二次電池は充放電可能な二次電池であるが、充電状態で、高温下で長時間保存すると放電容量が低下するという問題を生ずる場合があり、電池の高温保存特性という観点からは未だ十分に満足できるものではなかった。また、サイクル特性も十分とは言い難かった。
サイクル特性の改良を目的として、活物質粉体の表面を非晶質シリカで被覆したことを特徴とするリチウム二次電池が開示されている(特許文献1参照)。この発明は、電解液分子と活物質表面との接触を妨げることにより電解液分子の分解を抑制するものである。
また、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的として、電気化学的にリチウムを挿入・脱離できない物質から形成された不連続皮膜を、電極活物質の表面に担持していることを特徴とする二次電池が開示されている(特許文献2参照)。
特開2001−15115号公報 特開2003−17053号公報
しかし、上述のように、活物質を酸化物などで被覆することは内部抵抗の上昇を招き好ましくない。また、活物質表面を被覆する方法は、そのための余分な工程を必要とし、コストの上昇を招く。
本発明は、高温下における長期保存による容量低下が少なく、かつ内部抵抗の上昇が少なく、更に低コストで製造することが可能なリチウム二次電池を提供することを特徴とする。
上記課題に対応すべく鋭意検討した結果以下のことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、従来のリチウム二次電池においては、高温下において、非水電解液からフッ化水素などの酸性物質が発生し、この酸性物質によって、正極材中のリチウム遷移金属複合酸化物などの正極活物質からマンガンなどの遷移金属元素が非水電解液中に溶出することを見出した。そして、この現象により、正極活物質自体が劣化(容量低下、リチウムイオンの挿入・離脱効率の低下)するとともに、溶出した遷移金属元素の一部が負極材の表面に析出することにより、容量低下を起こすことが判明した。
更に、正極材及び/又は負極材が、NiO、B23、Al23、LiAlO2、MgO、SiO2、TiO2及びZrO2からなる群から選択される少なくとも1つの酸化物(以下、これらの酸化物を「特定酸化物」という場合がある)を含有することにより、これらの物質が、発生するフッ化水素などの酸性物質と選択的に反応して非水電解液中の酸性物質濃度を低減し、マンガンなどの遷移金属元素の溶出を抑制することを見出し、これにより高温下での長期保存による容量低下を抑制できることを見出した。
即ち、本発明は、以下に示すリチウム二次電池を提供するものである。
[1]正極活物質を含む正極材と、負極活物質を含む負極材とを備え、前記正極材及び/又は前記負極材が、NiO、B23、Al23、LiAlO2、MgO、SiO2、TiO2及びZrO2からなる群から選択される少なくとも1つの酸化物を含有するリチウム二次電池。
[2]前記酸化物の比表面積が10m2/g以上である[1]に記載のリチウム二次電池。
[3]前記酸化物が、SiO2であり、その比表面積が100〜1000m2/gである[2]に記載のリチウム二次電池。
[4]前記酸化物が、前記正極活物質及び前記負極活物質の何れとも独立した粒子として前記正極材及び/又は前記負極材に含まれる[1]〜[3]の何れかに記載のリチウム二次電池。
本発明のリチウム二次電池は、電解物質から発生するフッ化水素等の酸性物質との反応性が高い上記酸化物を正極材及び/又は負極材に含有するため、保存時に発生する酸性物質濃度を低減することができ、容量の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明の一実施形態におけるリチウム二次電池は、正極材及び/又は負極材が、NiO、B23、Al23、LiAlO2、MgO、SiO2、TiO2及びZrO2からなる群から選択される少なくとも1つの酸化物(特定酸化物)を含有する。
特定酸化物は、フッ化水素などの酸性物質との反応性が高いため、これを正極材及び/又は負極材中に含有することにより、上述のように高温下における長期保存による容量の低下を抑制することができる。
特定酸化物の反応性をより高めるためには、特定酸化物の比表面積が大きいことが好ましい。比表面積は、10m2/g以上であることが好ましく、30m2/g以上であることが更に好ましく、100m2/g以上であることが特に好ましい。一方、比表面積が大きすぎると、コストの増加を招き好ましくない。従って、比表面積は、1000m2/g以下であることが好ましく、900m2/g以下であることが更に好ましく、800m2/g以下であることが特に好ましい。
特定酸化物の含有量にも特に制限はないが、含有量が少なすぎると十分な効果を得ることができない。従って、含有量は、活物質100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることが更に好ましく、2質量部以上であることが特に好ましい。一方、含有量が多すぎると、活物質の量が相対的に少なくなるため、初期容量が低下する。従って、含有量は、活物質100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
特定酸化物の粒子径にも特に制限はないが、粒子径が大きすぎると比表面積が小さくなって十分な効果が得られなかったり、塗工が困難になる等の問題がある。従って特定酸化物の平均粒子径は10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることが更に好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。
また、正極材又は負極材が含有する特定酸化物は、1種類でも良く、2種類以上を組み合わせてもよい。特定酸化物の中でも、SiO2及びAl23が、効果の点で最も好ましい。従って、SiO2及びAl23単独又はSiO2及びAl23と他の特定酸化物との組み合わせが好ましい。また、特定酸化物としてSiO2を用いる場合において、比表面積が100m2/g以上であると非常に良好な初期容量及び容量維持率を示す。
本実施の形態において、特定酸化物は、活物質とともに正極材及び/又は負極材中に存在するが、活物質粒子を被覆する形態ではなく、活物質粒子とは独立した粒子の形態で存在する。このような形態で存在することにより、活物質の表面を絶縁物である酸化物層で覆うことがないため、内部抵抗の上昇を抑制することができる。また、酸化物の比表面積を大きくすることができるため、フッ化水素などの酸性物質との反応性を向上させることができる。更に、活物質を被覆するための乾燥や仮焼といった工程が不要となり、低コストで製造することが可能となる。なお、特定酸化物の粒子が活物質に付着している場合もあり得るが、その場合でも、独立した粒子の形態で付着していれば本発明の効果を奏する。
次に、本実施形態のリチウム二次電池の構造及びこれを構成する主要部材、並びにリチウム二次電池の製造方法について説明する。図1は、捲回型内部電極体の一例を示す斜視図である。正極板2は、集電基板である正極金属箔体の両面に正極活物質を含む正極材をスラリー又はペースト状にして、塗工することにより形成することができる。正極金属箔体としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用いられるが、箔以外にパンチングメタル又はメッシュ(網)を用いることもできる。また、正極活物質としてはリチウム遷移金属複合酸化物を用いることが好ましいが、具体的にはマンガン酸リチウム(LiMn24)やコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等を好適に用いることができる。なお、これらの正極活物質にアセチレンブラック等の炭素微粉末を導電助剤として加えることが好ましい。なお、本実施形態においては、リチウム(Li)とマンガン(Mn)を主成分とした立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウム(以下、単に「マンガン酸リチウム」と記す)を用いると、他の正極活物質を用いた場合と比較して、内部電極体の抵抗を小さくすることができるために好ましい。
マンガン酸リチウムは、化学量論組成(ストイキオメトリー組成)のものに限定されず、マンガン(Mn)の一部を1以上の他の元素で置換した、一般式LiMXMn2-X4(Mは置換元素、Xは1分子中における置換元素Mの構成比を示す)で表されるマンガン酸リチウムも好適に用いられる。このような元素置換を行ったマンガン酸リチウムにおいては、Li/Mn比が0.5超となる。
置換元素Mとしては、以下、元素記号で列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、Zn、B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、V、Sb、Nb、Ta、Mo、Wを挙げることができる。理論上、Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Snは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶する。但し、Co、Snについては+2価の場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+6価の場合もあり得る。
従って、各種の置換元素Mは混合原子価を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量については、必ずしもストイキオメトリー組成で表されるように4であることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲内で欠損して、又は過剰に存在していても構わない。
上述の正極活物質に、分散媒及び結着剤などを加え、更に特定酸化物の粉末又は特定酸化物の前駆体を加えて混合し、正極材のスラリー又はペーストとする。このスラリー又はペーストを、ロールコータ法等を用いて、正極金属箔体に塗布・乾燥し、その後に必要に応じてプレス処理等を行い、正極材が配設された正極板を得ることができる。
このように、通常の正極板を得る工程において、特定酸化物を加えるだけで、正極活物質及び特定酸化物を含有する正極材を得ることができる。そして、このような工程で得られる正極板における正極材中の特定酸化物は、正極活物質粒子とは独立した粒子形態で存在することとなる。
また、図1に示す捲回型内部電極体1を構成する負極板3は、負極活物質を含む負極材を、負極金属箔体に配設することにより形成することができる。負極板3の集電基板である負極金属箔体としては、銅箔又はニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモルファス系炭素質材料、人造黒鉛や天然黒鉛といった高黒鉛化炭素質材料、その他の炭素質材料の粉末が用いられる。このような負極活物質に特定酸化物を加え、必要に応じて添加剤を加え、正極板2と同様にして、負極活物質及び特定酸化物を独立した形態で含有する負極材が配設された負極板を得ることができる。なお、本実施形態において、正極材及び負極材の何れもが特定酸化物を含有する形態を示したが、何れか一方のみが特定酸化物を含有する形態でもよい。
セパレータ4としては、マイクロポアを有するリチウムイオン透過性のポリエチレンフィルム(PEフィルム)を、多孔性のリチウムイオン透過性のポリプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好適に用いられる。これは、内部電極体の温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポアが潰れ、リチウムイオンの移動、即ち電池反応を抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能となる。
この正極板2、負極板3、及びセパレータ4の捲回作業時に、正極板2と負極板3における電極活物質の塗工されていない金属箔体が露出した部分に、集電タブ(正極集電タブ5、負極集電タブ6)がそれぞれ取り付けられる。正極集電タブ5、負極集電タブ6としては、各々の電極板を構成する金属箔体と同じ材質からなる箔状のものが好適に用いられる。集電タブの各々の電極板への取り付け(接合)は、超音波溶接やスポット溶接等により行うことができる。
次に、本実施形態における非水電解液について説明する。溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のものや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の単独溶媒又は混合溶媒が好適に用いられる。本発明においては、特に電解液の電導度及び高温安定性等の観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒を好適に用いることができる。
電解質としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯体フッ素化合物、又は過塩素酸リチウム(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物を挙げることができ、これらのうちの1種類以上を上述した有機溶媒(混合溶媒)に溶解して用いる。特に、本発明においては、酸化分解が起こり難く非水電解液の導電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
次に、図3に示すリチウム二次電池の一例を示す断面図に基づき、リチウム二次電池の組立方法について説明する。図3に示すリチウム二次電池30を組み立てるにあたっては、まず電流を外部に取り出すための正極外部端子15Aと正極集電タブ5、及び負極外部端子15Bと負極集電タブ6との導通を確保しつつ、作製した捲回型内部電極体1を電池ケース20に挿入し、電池蓋(正極電池蓋16A、負極電池蓋16B)と電池ケース20との間にパッキン18を介して電池ケース20の一方の端部を封ずる。次いで、安定な位置にホールドした後、非水電解液を含浸するとともに、電池ケース20の他方の端部を封ずることにより、リチウム二次電池30を組み立てることができる。なお、図3中、符号19はくびれ部を示し、符号13は巻芯示す。
以上、本発明に係るリチウム二次電池について、主に捲回型電極体を用いた場合を例に挙げ、その実施形態を示しながら説明してきたが、本発明が上記の実施形態に限定されるものでないことはいうまでもなく、図2に示す積層型内部電極体7を用いてもよい。また、本発明に係るリチウム二次電池は、特に、電池容量が2Ah以上である大型の電池に好適に採用されるが、このような容量以下の電池に適用することを妨げるものではない。また、本発明のリチウム二次電池は、大容量、低コスト、高信頼性、及び保存特性に優れるという特徴を生かしてEVやHEV等の車載用電池として、更には、EV・HEV等のモータ駆動用電源としても好ましいとともに、高出力が必要とされるエンジン起動用としても特に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜21)
正極活物質としてスピネル型Li1.1Mn1.94を用い、この活物質に、表1に示す種類の特定酸化物の粉末又はその前駆体を表1に示す量添加し、更に所定量のN−2−メチルピロリドン、アセチレンブラック、PVDFを添加して混合し、得られたスラリーをアルミニウム箔上に塗工して正極板を得た。なお、表1に示す添加量は、活物質100質量部に対する酸化物としての添加量(質量部)を表す。また、実施例2、4については活物質と前駆体を水溶液中で混合し、スプレードライで乾燥させた後、スラリーを調製した。負極活物質としてグラファイトを用い、特定酸化物を添加しなかったことを除いて、正極材と同様にして負極材のスラリー又はペーストを得、これを銅箔上に塗工して負極板を得た。得られた正極板及び負極板を、セパレータ(PP/PE/PP(三層))を介して捲回することにより、図1に示すような構成の捲回型内部電極体1を作製した。一方、EC、DMC、及びDECの各種有機溶媒を体積比で1:1:1となるように混合して混合溶媒を調製し、これに1mol/lの濃度となるように電解質であるLiPF6を溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を、捲回型内部電極体を収納した電池ケースに充填し、電池ケースを封止してリチウム二次電池(実施例1〜21)を作製した。
(実施例22〜32)
正極材には、特定酸化物を加えず、負極材に表1に示す種類の特定酸化物の粉末又はその前駆体を表1に示す量添加したこと以外は、実施例1〜21と同様にリチウム二次電池を作製した。ただし実施例23、25については実施例2、4と同様に活物質と前駆体を水溶液中で混合し、スプレードライで乾燥させた後、スラリーを調製した。
(比較例1)
正極材にも負極材にも特定酸化物を加えなかったこと以外は、実施例1〜22と同様にリチウム二次電池を作製した。
(保存特性の評価)
作製したリチウム二次電池を25℃の恒温槽内に設置し、0.3Cレートの定電流、定電圧で4.1Vまで充電した後、同じく0.3Cレートの定電流で2.5Vまで放電させる充放電を1サイクル行った。続けて1Cレートの定電流、定電圧で4.1Vまで充電した後、同じく1Cレートの定電流で2.5Vまで放電させる充放電を1サイクル行い、この際の電池容量を測定して初期電池容量とした。
再度、リチウム二次電池を25℃の恒温槽内において、1Cレートの定電流、定電圧で4.1Vまで充電した後、恒温槽を50℃まで昇温し、この状態で10日間放置した。この際、自己放電を防止するため、4.1Vまで充電した後も電流を流し続けるフロート充電を行った。
10日間経過後、恒温槽を25℃まで降温し、1Cレートの定電流で2.5Vまで放電させる充放電を1サイクル行い、この際の電池容量を測定した(保存後電池容量)。初期電池容量に対する保存後電池容量の比率から、容量維持率(%)を算出し、リチウム二次電池の保存特性を評価した。結果を表1に示す。なお、表1における比表面積はBET法で測定した値である。また、前駆体を用いた場合には、比表面積既知の活物質に前駆体を添加し、乾燥させた後に比表面積を測定し、活物質の比表面積をX(m2/g)、特定酸化物の比表面積をY(m2/g)、添加量をZ(質量%)として、以下の式から特定酸化物の比表面積Yを求めた。また、アルコキシドを前駆体として用いた場合には、アセチレンブラックとPVDFを加えずに比表面積測定用のスラリーを作製し、溶媒を乾燥除去して添加乾燥後の比表面積を測定しして、同様に以下の式から特定酸化物の比表面積Yを求めた。
添加乾燥後の比表面積=(X+Y×Z/100)/(1+Z/100)
Figure 2005285545
表1より、特定酸化物を添加した実施例1〜32の電池は、特定酸化物を添加していない比較例1の電池に比べて高い容量維持率を示した。従って、特定酸化物を正極材及び負極材の何れに添加しても、容量維持率が向上することが示された。また、特定酸化物の中ではSiO2が良好な容量維持率を示した。更に、特定酸化物の比表面積が増加するに従って、容量維持率が向上する傾向も見られた。
以上説明してきたように、本発明のリチウム二次電池は、良好な容量維持特性を示すものであり、例えば、電子機器の電源、電気自動車やハイブリッド電気自動車用のモータ駆動用バッテリー、夜間電力貯蔵装置等として好適に用いることができる。
捲回型内部電極体の一例を示す斜視図である。 積層型内部電極体の一例を示す斜視図である。 リチウム二次電池の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…捲回型内部電極体、2,8…正極板、3,9…負極板、4,10…セパレータ、5,11…正極集電タブ、6,12…負極集電タブ、7…積層型内部電極体、13…巻芯、15A…正極外部端子、15B…負極外部端子、16A…正極電池蓋、16B…負極電池蓋、18…パッキン、19…くびれ部、20…電池ケース、30…リチウム二次電池。

Claims (4)

  1. 正極活物質を含む正極材と、負極活物質を含む負極材とを備え、前記正極材及び/又は前記負極材が、NiO、B23、Al23、LiAlO2、MgO、SiO2、TiO2及びZrO2からなる群から選択される少なくとも1つの酸化物を含有するリチウム二次電池。
  2. 前記酸化物の比表面積が10m2/g以上である請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記酸化物が、SiO2であり、その比表面積が100〜1000m2/gである請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記酸化物が、前記正極活物質及び前記負極活物質の何れとも独立した粒子として前記正極材及び/又は前記負極材に含まれる請求項1〜3の何れかに記載のリチウム二次電池。
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