JP2001223031A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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- lithium secondary
- electrode plate
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 非水電解液中に発生するHFの影響を抑え、
また、負極におけるLiと電解液の反応を防ぐことで電
池の出力の低下を抑制し、サイクル特性を改善したリチ
ウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極板と負極板をセパレータを介して、
捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化合
物を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次
電池である。当該正極板2、当該負極板3、当該セパレ
ータ4、及び当該非水電解液の少なくともいずれかに、
酸素原子、及び/又は、硫黄原子、及び/又は、窒素原
子を分子構造内に持つ高分子化合物を含めた。
また、負極におけるLiと電解液の反応を防ぐことで電
池の出力の低下を抑制し、サイクル特性を改善したリチ
ウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極板と負極板をセパレータを介して、
捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化合
物を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次
電池である。当該正極板2、当該負極板3、当該セパレ
ータ4、及び当該非水電解液の少なくともいずれかに、
酸素原子、及び/又は、硫黄原子、及び/又は、窒素原
子を分子構造内に持つ高分子化合物を含めた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、高出力及びサイ
クル特性に優れ、また製造が容易なリチウム二次電池に
関する。
クル特性に優れ、また製造が容易なリチウム二次電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のリチウムイオン二次電池では、
正極はLiCoO2等の正極活物質粒子とアセチレンブ
ラック等の導電剤粉末による層から形成されている。一
方、負極はカーボン粉末等の負極活物質粒子による層か
ら形成されている。また、両極はセパレータを挟む形で
配置され、LiPF6等の塩を溶解させた非水電解液を
含浸させて形成されている。
正極はLiCoO2等の正極活物質粒子とアセチレンブ
ラック等の導電剤粉末による層から形成されている。一
方、負極はカーボン粉末等の負極活物質粒子による層か
ら形成されている。また、両極はセパレータを挟む形で
配置され、LiPF6等の塩を溶解させた非水電解液を
含浸させて形成されている。
【0003】 そして、いずれの場合も活物質又は活物
質と導電剤の混合粉末が非水電解液と直接に接触してい
る。また、いずれの場合も活物質や結着剤等を溶剤に溶
解させ作製したスラリーを集電体上に塗布した後、乾燥
して溶媒を除去することによって固体状電極を形成して
いる。
質と導電剤の混合粉末が非水電解液と直接に接触してい
る。また、いずれの場合も活物質や結着剤等を溶剤に溶
解させ作製したスラリーを集電体上に塗布した後、乾燥
して溶媒を除去することによって固体状電極を形成して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前記従来の構成より
なる正極及び負極では、電極活物質と電解液が直接的に
接触し、活物質中のLiが電解液と反応することでSE
I等を形成しLiを消費してしまい容量劣化してしまう
という欠点があった。すなわち、充放電の際にLiはカ
ーボン層間に挿入・離脱されるのであるが、電極活物質
が電解液と直接接触していると、活物質粒子中のLiが
活性であるため、電解液との反応が進行してしまうこと
が原因であった。
なる正極及び負極では、電極活物質と電解液が直接的に
接触し、活物質中のLiが電解液と反応することでSE
I等を形成しLiを消費してしまい容量劣化してしまう
という欠点があった。すなわち、充放電の際にLiはカ
ーボン層間に挿入・離脱されるのであるが、電極活物質
が電解液と直接接触していると、活物質粒子中のLiが
活性であるため、電解液との反応が進行してしまうこと
が原因であった。
【0005】 そこで、この問題を解決する方法とし
て、特開平9−180705号公報には、負極活物質粒
子表面をポリビニルピリジン樹脂で被覆した上に、電導
体として固体電解質又はゲル電解質を用いたリチウム電
池が記載されている。しかし、この方法では、電池の内
部抵抗が極めて高くなり、高出力を必要とする電気自動
車等の用途には全く適さない。
て、特開平9−180705号公報には、負極活物質粒
子表面をポリビニルピリジン樹脂で被覆した上に、電導
体として固体電解質又はゲル電解質を用いたリチウム電
池が記載されている。しかし、この方法では、電池の内
部抵抗が極めて高くなり、高出力を必要とする電気自動
車等の用途には全く適さない。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上述した従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、充放電の際の電極活物質と電解液との
直接的接触を抑制することにより、容量劣化の原因であ
るLiと電解液の反応を抑制して、高出力かつサイクル
特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、充放電の際の電極活物質と電解液との
直接的接触を抑制することにより、容量劣化の原因であ
るLiと電解液の反応を抑制して、高出力かつサイクル
特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
【0007】 即ち、本発明によれば、正極板と負極板
をセパレータを介して、捲回若しくは積層してなる電極
体を備え、リチウム化合物を電解質として含む非水電解
液を用いたリチウム二次電池であって、電極体と電解液
とセパレータのいずれかが、酸素原子、及び/又は、硫
黄原子、及び/又は、窒素原子を分子構造内に持つ高分
子化合物を含んでいることを特徴とするリチウム二次電
池、が提供される。
をセパレータを介して、捲回若しくは積層してなる電極
体を備え、リチウム化合物を電解質として含む非水電解
液を用いたリチウム二次電池であって、電極体と電解液
とセパレータのいずれかが、酸素原子、及び/又は、硫
黄原子、及び/又は、窒素原子を分子構造内に持つ高分
子化合物を含んでいることを特徴とするリチウム二次電
池、が提供される。
【0008】 本発明のリチウム二次電池においては、
この高分子化合物を含める方法として、(1)正極板、
及び/又は、負極板を構成する電極活物質粒子の表面に
分散、または被覆されている、(2)セパレータ表面に
分散されている、(3)微細粉末化して非水電解液中に
懸濁分散されている、の少なくともいずれかの方法を用
いることが好ましい。従って、これらの手段を複数併用
することも、また、好ましい。ここで、当該高分子化合
物としては、ポリエチレンオキサイド又ポリプロピレン
オキサイドが好適に用いられる。また、当該高分子化合
物としては、ポリメチルメタクリレートを用いることも
可能である。
この高分子化合物を含める方法として、(1)正極板、
及び/又は、負極板を構成する電極活物質粒子の表面に
分散、または被覆されている、(2)セパレータ表面に
分散されている、(3)微細粉末化して非水電解液中に
懸濁分散されている、の少なくともいずれかの方法を用
いることが好ましい。従って、これらの手段を複数併用
することも、また、好ましい。ここで、当該高分子化合
物としては、ポリエチレンオキサイド又ポリプロピレン
オキサイドが好適に用いられる。また、当該高分子化合
物としては、ポリメチルメタクリレートを用いることも
可能である。
【0009】 また、別に、当該高分子化合物として
は、官能基としてビニル基を有する化合物を用いること
も可能である。この場合、高分子化合物は、ポリビニル
ピリジン又はポリビニルピロリドンであることが好まし
い。
は、官能基としてビニル基を有する化合物を用いること
も可能である。この場合、高分子化合物は、ポリビニル
ピリジン又はポリビニルピロリドンであることが好まし
い。
【0010】 本発明において、当該高分子化合物は、
導電助剤となるアセチレンブラック等の電子伝導性粒子
が分散されていることも好ましい。このような高分子化
合物は、電池反応に寄与することなく、しかも内部抵抗
の上昇は抑えられ、良好なLi/電解液反応抑制剤とな
る。
導電助剤となるアセチレンブラック等の電子伝導性粒子
が分散されていることも好ましい。このような高分子化
合物は、電池反応に寄与することなく、しかも内部抵抗
の上昇は抑えられ、良好なLi/電解液反応抑制剤とな
る。
【0011】 本発明のリチウム二次電池は、電池容量
が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電
流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド
電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられ
る。
が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電
流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド
電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】 本発明のリチウム二次電池は、
溶解してリチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化
合物を電解質として含む非水電解液を用いたものであっ
て、充放電の際の電極活物質と電解液との直接的接触を
抑制することにより、容量劣化の原因であるLiと電解
液の反応を抑制して、電池の高出力の超寿命化、サイク
ル特性の向上を図ったものである。以下、本発明の実施
形態について説明をするが、本発明が以下の実施形態に
限定されないことはいうまでもない。
溶解してリチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化
合物を電解質として含む非水電解液を用いたものであっ
て、充放電の際の電極活物質と電解液との直接的接触を
抑制することにより、容量劣化の原因であるLiと電解
液の反応を抑制して、電池の高出力の超寿命化、サイク
ル特性の向上を図ったものである。以下、本発明の実施
形態について説明をするが、本発明が以下の実施形態に
限定されないことはいうまでもない。
【0013】 本発明のリチウム電池は、正極板2、負
極板3、セパレータ4及び非水電解液の少なくともいず
れかに、酸素原子、及び/又は、硫黄原子、及び/又
は、窒素原子を分子構造内に持つ高分子化合物を含んで
いる。この高分子化合物は、本発明のリチウム二次電池
を構成する各種の部材や材料との反応性はなく、電池ケ
ース内に非水電解液と接触するように含ませ、特に、負
極表面を当該高分子化合物で被覆することにより、電極
活物質と電解液との直接的接触を抑制し、活性なLiと
電解液の反応を防ぎ、容量の低下を抑制する。ここで、
多くの場合、当該高分子化合物は、電解液との接触面積
を大きくするために、粉末状として用いることが好まし
い。
極板3、セパレータ4及び非水電解液の少なくともいず
れかに、酸素原子、及び/又は、硫黄原子、及び/又
は、窒素原子を分子構造内に持つ高分子化合物を含んで
いる。この高分子化合物は、本発明のリチウム二次電池
を構成する各種の部材や材料との反応性はなく、電池ケ
ース内に非水電解液と接触するように含ませ、特に、負
極表面を当該高分子化合物で被覆することにより、電極
活物質と電解液との直接的接触を抑制し、活性なLiと
電解液の反応を防ぎ、容量の低下を抑制する。ここで、
多くの場合、当該高分子化合物は、電解液との接触面積
を大きくするために、粉末状として用いることが好まし
い。
【0014】 本発明において、当該高分子化合物を電
池内へ含ませる方法として、正極板2、及び/又は、負
極板3を構成する電極活物質粒子の表面に分散、または
被覆する方法が挙げられる。具体的には、電極板2・3
に当該高分子化合物を含ませる方法としては、電極活物
質の塗工用スラリーを調製する際に、スラリーに高分子
粒子分散させる方法や、高分子粒子を分散させたコロイ
ド溶液を予め塗工しておいた電極活物質に吹き付ける方
法等を挙げることができ、いずれの場合であっても、当
該高分子化合物を含ませた後に乾燥し、その後の電極体
の作製に供する。
池内へ含ませる方法として、正極板2、及び/又は、負
極板3を構成する電極活物質粒子の表面に分散、または
被覆する方法が挙げられる。具体的には、電極板2・3
に当該高分子化合物を含ませる方法としては、電極活物
質の塗工用スラリーを調製する際に、スラリーに高分子
粒子分散させる方法や、高分子粒子を分散させたコロイ
ド溶液を予め塗工しておいた電極活物質に吹き付ける方
法等を挙げることができ、いずれの場合であっても、当
該高分子化合物を含ませた後に乾燥し、その後の電極体
の作製に供する。
【0015】 さらに、当該高分子化合物をセパレータ
4表面に分散・固着させる方法や、当該高分子化合物を
重力沈降しない程度にまで微細粉末化して均一に当該高
分子化合物を含ませることも可能である。なお、上述し
た種々の当該高分子化合物の電池ケースへ含ませる方法
は、単独で、もしくは任意のものを併用して、採用する
ことができる。
4表面に分散・固着させる方法や、当該高分子化合物を
重力沈降しない程度にまで微細粉末化して均一に当該高
分子化合物を含ませることも可能である。なお、上述し
た種々の当該高分子化合物の電池ケースへ含ませる方法
は、単独で、もしくは任意のものを併用して、採用する
ことができる。
【0016】 さて、次に本発明のリチウム二次電池に
用いられる高分子化合物について説明する。本発明にお
いて、当該高分子化合物としては、一般式、−(CH2-
CH2-O) n−で表される、ポリエチレンオキサイド
や、一般式、−(CH2-CH2-CH3-CH-O)n−で表
されるのポリプロピレンオキサイドの単独化合物もしく
は混合化合物が好適に用いられる。また、当該高分子化
合物としては、−(CH2-C(CH3)(COOC
H3))n−で表される、ポリメチルメタクリレートを用
いることも可能である。これらは、電解液に安定でかつ
高いLi+導電性を示すものであり、当該高分子化合物
として好適に用いられる。
用いられる高分子化合物について説明する。本発明にお
いて、当該高分子化合物としては、一般式、−(CH2-
CH2-O) n−で表される、ポリエチレンオキサイド
や、一般式、−(CH2-CH2-CH3-CH-O)n−で表
されるのポリプロピレンオキサイドの単独化合物もしく
は混合化合物が好適に用いられる。また、当該高分子化
合物としては、−(CH2-C(CH3)(COOC
H3))n−で表される、ポリメチルメタクリレートを用
いることも可能である。これらは、電解液に安定でかつ
高いLi+導電性を示すものであり、当該高分子化合物
として好適に用いられる。
【0017】 また、別に、当該高分子化合物として、
ビニル基を有する化合物を用いることも可能である。こ
の場合に、ポリビニルピリジン又はポリビニルピロリド
ンが好適に用いられる。これらも、前記高分子化合物と
同様に、電解液に安定でかつ高いLi+導電性を示すも
のであり、当該高分子化合物として好適に用いられる。
ビニル基を有する化合物を用いることも可能である。こ
の場合に、ポリビニルピリジン又はポリビニルピロリド
ンが好適に用いられる。これらも、前記高分子化合物と
同様に、電解液に安定でかつ高いLi+導電性を示すも
のであり、当該高分子化合物として好適に用いられる。
【0018】 ここで、本発明において、当該高分子化
合物に含まれるヘテロ原子の効果を、ヘテロ原子の環の
性質に及ぼす影響として説明する。まず、ここでいうヘ
テロ原子とは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素
原子(N)のことである。これらを含有した高分子化合
物は、ハイドロカーボンのみで構成される高分子より高
いLi+導電性を有する。これらのヘテロ原子はLi+と
配位結合することができるが、これにより高分子内にL
i+を安定的に取り込むことができ、セグメント運動に
よりLi+をスムーズに輸送することができる。さら
に、これらヘテロ原子はルイス塩基性をしめすことか
ら、サイクル劣化の原因となる電解液中のHFをその構
造内に固定化することができる。
合物に含まれるヘテロ原子の効果を、ヘテロ原子の環の
性質に及ぼす影響として説明する。まず、ここでいうヘ
テロ原子とは、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素
原子(N)のことである。これらを含有した高分子化合
物は、ハイドロカーボンのみで構成される高分子より高
いLi+導電性を有する。これらのヘテロ原子はLi+と
配位結合することができるが、これにより高分子内にL
i+を安定的に取り込むことができ、セグメント運動に
よりLi+をスムーズに輸送することができる。さら
に、これらヘテロ原子はルイス塩基性をしめすことか
ら、サイクル劣化の原因となる電解液中のHFをその構
造内に固定化することができる。
【0019】 本発明において、当該高分子化合物に
は、アセチレンブラック等の電子伝導性粒子が分散され
ていてもよい。このことにより、電導度を上げ、内部抵
抗の上昇を防ぐことができる。
は、アセチレンブラック等の電子伝導性粒子が分散され
ていてもよい。このことにより、電導度を上げ、内部抵
抗の上昇を防ぐことができる。
【0020】 本発明のリチウム二次電池は、溶解して
リチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化合物を電
解質として用いた非水電解液を用いたものである。従っ
て、その他の材料や電池構造には何ら制限はない。以
下、電池を構成する主要部材並びにその構造について概
説する。
リチウムイオン(Li+)を生ずるリチウム化合物を電
解質として用いた非水電解液を用いたものである。従っ
て、その他の材料や電池構造には何ら制限はない。以
下、電池を構成する主要部材並びにその構造について概
説する。
【0021】 リチウム二次電池の心臓部とも言える電
極体の1つの構造は、小容量のコイン電池にみられるよ
うな、正負各電極活物質を円板状にプレス成型したもの
でセパレータを挟んだ単セル構造である。
極体の1つの構造は、小容量のコイン電池にみられるよ
うな、正負各電極活物質を円板状にプレス成型したもの
でセパレータを挟んだ単セル構造である。
【0022】 コイン電池のような小容量電池に対し
て、容量の大きい電池に用いられる電極体の1つの構造
は捲回型である。図1の斜視図に示されるように、捲回
型電極体1は、正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマ
ーからなるセパレータ4を介して正極板2と負極板3と
が直接に接触しないように巻芯13の外周に捲回して構
成される。正極板2及び負極板3(以下、「電極板2・
3」と記す。)に取り付けられている電極リード5・6
の数は最低1本あればよく、複数の電極リード5・6を
設けて集電抵抗を小さくすることもできる。
て、容量の大きい電池に用いられる電極体の1つの構造
は捲回型である。図1の斜視図に示されるように、捲回
型電極体1は、正極板2と負極板3とを、多孔性ポリマ
ーからなるセパレータ4を介して正極板2と負極板3と
が直接に接触しないように巻芯13の外周に捲回して構
成される。正極板2及び負極板3(以下、「電極板2・
3」と記す。)に取り付けられている電極リード5・6
の数は最低1本あればよく、複数の電極リード5・6を
設けて集電抵抗を小さくすることもできる。
【0023】 電極体の別の構造としては、コイン電池
に用いられる単セル型の電極体を複数段に積層してなる
積層型が挙げられる。図2に示すように、積層型電極体
7は、所定形状の正極板8と負極板9とをセパレータ1
0を挟み交互に積層したもので、1枚の電極板8・9に
少なくとも1本の電極リード11・12を取り付ける。
電極板8・9の使用材料や作成方法等は、捲回型電極体
1における電極板2・3等と同様である。
に用いられる単セル型の電極体を複数段に積層してなる
積層型が挙げられる。図2に示すように、積層型電極体
7は、所定形状の正極板8と負極板9とをセパレータ1
0を挟み交互に積層したもので、1枚の電極板8・9に
少なくとも1本の電極リード11・12を取り付ける。
電極板8・9の使用材料や作成方法等は、捲回型電極体
1における電極板2・3等と同様である。
【0024】 次に、捲回型電極体1を例に、その構成
について更に詳細に説明する。正極板2は集電基板の両
面に正極活物質を塗工することによって作製される。集
電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電
気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用いら
れるが、箔以外にパンチングメタル或いはメッシュ
(網)を用いることもできる。また、正極活物質として
は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)やコバルト酸
リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(Li
NiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用
いられ、好ましくは、これらにアセチレンブラック等の
炭素微粉末が導電助剤として加えられる。
について更に詳細に説明する。正極板2は集電基板の両
面に正極活物質を塗工することによって作製される。集
電基板としては、アルミニウム箔やチタン箔等の正極電
気化学反応に対する耐蝕性が良好である金属箔が用いら
れるが、箔以外にパンチングメタル或いはメッシュ
(網)を用いることもできる。また、正極活物質として
は、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)やコバルト酸
リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(Li
NiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物が好適に用
いられ、好ましくは、これらにアセチレンブラック等の
炭素微粉末が導電助剤として加えられる。
【0025】 ここで、特に、立方晶スピネル構造を有
するマンガン酸リチウム(以下、「LiMn2O4スピネ
ル」と記す。)を用いると、他の電極活物質を用いた場
合と比較して、電極体の電極体の抵抗を小さくすること
ができ、好ましい。
するマンガン酸リチウム(以下、「LiMn2O4スピネ
ル」と記す。)を用いると、他の電極活物質を用いた場
合と比較して、電極体の電極体の抵抗を小さくすること
ができ、好ましい。
【0026】 なお、LiMn2O4スピネルは、このよ
うな化学量論組成のものに限定されるものではなく、M
nの一部を1以上の他の元素で置換した、一般式LiM
XMn2-XO4(Mは置換元素、Xは置換量を表す。)で
表されるスピネルも好適に用いられる。置換元素Mとし
ては、以下、元素記号で列記するが、Li,Fe,M
n,Ni,Mg,Zn,B,Al,Co,Cr,Si,
Ti,Sn,P,V,Sb,Nb,Ta,Mo,Wが挙
げられる。
うな化学量論組成のものに限定されるものではなく、M
nの一部を1以上の他の元素で置換した、一般式LiM
XMn2-XO4(Mは置換元素、Xは置換量を表す。)で
表されるスピネルも好適に用いられる。置換元素Mとし
ては、以下、元素記号で列記するが、Li,Fe,M
n,Ni,Mg,Zn,B,Al,Co,Cr,Si,
Ti,Sn,P,V,Sb,Nb,Ta,Mo,Wが挙
げられる。
【0027】 ここで、置換元素Mにあっては、理論
上、Liは+1価、Fe,Mn,Ni,Mg,Znは+
2価、B,Al,Co,Crは+3価、Si,Ti,S
nは+4価、P,V,Sb,Nb,Taは+5価、M
o,Wは+6価のイオンとなり、LiMn2O4中に固溶
する元素であるが、Co、Snについては+2価の場
合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、Mn
については+3価、+4価の場合、Crについては+4
価、+6価の場合もあり得る。
上、Liは+1価、Fe,Mn,Ni,Mg,Znは+
2価、B,Al,Co,Crは+3価、Si,Ti,S
nは+4価、P,V,Sb,Nb,Taは+5価、M
o,Wは+6価のイオンとなり、LiMn2O4中に固溶
する元素であるが、Co、Snについては+2価の場
合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、Mn
については+3価、+4価の場合、Crについては+4
価、+6価の場合もあり得る。
【0028】 従って、各種の置換元素Mは混合原子価
を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量に
ついては、必ずしも化学量論組成で表されるように4で
あることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲
内で欠損して、或いは過剰に存在していても構わない。
を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量に
ついては、必ずしも化学量論組成で表されるように4で
あることを必要とせず、結晶構造を維持するための範囲
内で欠損して、或いは過剰に存在していても構わない。
【0029】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤や結着剤等を添加して作成したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・
乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処
理等が施される。
溶剤や結着剤等を添加して作成したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・
乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処
理等が施される。
【0030】 負極板3は、正極板2と同様にして作成
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素質粉末が用いられる。
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素質粉末が用いられる。
【0031】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLi+透過性のポリエチレンフィルム(PEフィ
ルム)を、多孔性のLi+透過性のポリプロピレンフィ
ルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好
適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合
に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポア
が潰れ、Li+の移動即ち電池反応を抑制する安全機構
を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより
軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、
PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルム
が形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防
止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能とな
る。
有するLi+透過性のポリエチレンフィルム(PEフィ
ルム)を、多孔性のLi+透過性のポリプロピレンフィ
ルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好
適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合
に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポア
が潰れ、Li+の移動即ち電池反応を抑制する安全機構
を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより
軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、
PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルム
が形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防
止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能とな
る。
【0032】 この電極板2・3とセパレータ4の捲回
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、電極リード5・6
がそれぞれ取り付けられる。電極リード5・6として
は、それぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質から
なる箔状のものが好適に用いられる。電極リード5・6
の電極板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット
溶接等を用いて行うことができる。このとき、図3に示
されるように、電極体1の一端面に一方の電極の電極リ
ードが配置されるように電極リード5・6をそれぞれ取
り付けると、電極リード5・6間の接触を防止すること
ができ、好ましい。
作業時に、電極板2・3において電極活物質の塗工され
ていない集電基板が露出した部分に、電極リード5・6
がそれぞれ取り付けられる。電極リード5・6として
は、それぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質から
なる箔状のものが好適に用いられる。電極リード5・6
の電極板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット
溶接等を用いて行うことができる。このとき、図3に示
されるように、電極体1の一端面に一方の電極の電極リ
ードが配置されるように電極リード5・6をそれぞれ取
り付けると、電極リード5・6間の接触を防止すること
ができ、好ましい。
【0033】 電池の組立に当たっては、先ず、電流を
外部に取り出すための端子との電極リード5・6との導
通を確保しつつ、作製された電極体1を電池ケースに挿
入して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液
を含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池が
作製される。
外部に取り出すための端子との電極リード5・6との導
通を確保しつつ、作製された電極体1を電池ケースに挿
入して安定な位置にホールドする。その後、非水電解液
を含浸させた後に、電池ケースを封止することで電池が
作製される。
【0034】 次に、本発明のリチウム二次電池に用い
られる非水電解液について説明する。溶媒としては、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のも
のや、γ―ブチロラクチン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に用い
られる。
られる非水電解液について説明する。溶媒としては、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のも
のや、γ―ブチロラクチン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に用い
られる。
【0035】 このような溶媒に溶解されるリチウム化
合物、即ち電解質としては、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等の
リチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物が挙げ
られ、1種類若しくは2種類以上を前記溶媒に溶解して
用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導
電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
合物、即ち電解質としては、六フッ化リン酸リチウム
(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等の
リチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物が挙げ
られ、1種類若しくは2種類以上を前記溶媒に溶解して
用いる。特に、酸化分解が起こり難く、非水電解液の導
電性の高いLiPF6を用いることが好ましい。
【0036】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて、より具
体的に説明する。 (実施例1〜5)実施例1〜5及び比較例1に係る電池
は、LiMn2O4スピネルを正極活物質とし、これに導
電助剤として、当該高分子化合物に加えたのとは別に、
アセチレンブラックを外比で4質量%ほど添加したもの
に、更に溶剤、バインダを加えて作製した正極剤スラリ
ーを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれ
約100μmの厚みとなるように塗工して作成した正極
板2と、これと同様の方法に加え、当該高分子化合物を
外比で、表1に示す各質量%ほど溶剤に添加したカーボ
ン粉末を負極活物質として、厚さ10μmの銅箔の両面
にそれぞれ約80μmの厚みとなるように塗工して作成
した負極板3とを用いて捲回型電極体を作成し、電池ケ
ースに収容後、非水電解液を充填して作成したものであ
る。なお、非水電解液としては、ECとDECの等容量
混合溶媒に電解質としてLiPF6を1mol/lの濃
度となるように溶解した溶液を用いた。これら各種電池
の初回充電後の電池容量は、全て約10Ahであった。
体的に説明する。 (実施例1〜5)実施例1〜5及び比較例1に係る電池
は、LiMn2O4スピネルを正極活物質とし、これに導
電助剤として、当該高分子化合物に加えたのとは別に、
アセチレンブラックを外比で4質量%ほど添加したもの
に、更に溶剤、バインダを加えて作製した正極剤スラリ
ーを、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にそれぞれ
約100μmの厚みとなるように塗工して作成した正極
板2と、これと同様の方法に加え、当該高分子化合物を
外比で、表1に示す各質量%ほど溶剤に添加したカーボ
ン粉末を負極活物質として、厚さ10μmの銅箔の両面
にそれぞれ約80μmの厚みとなるように塗工して作成
した負極板3とを用いて捲回型電極体を作成し、電池ケ
ースに収容後、非水電解液を充填して作成したものであ
る。なお、非水電解液としては、ECとDECの等容量
混合溶媒に電解質としてLiPF6を1mol/lの濃
度となるように溶解した溶液を用いた。これら各種電池
の初回充電後の電池容量は、全て約10Ahであった。
【0037】 さて、表1に記載の通りに、上述した高
分子化合物を負極活物質に添加する方法を用いて電池を
作製し、その出力及びサイクル特性を評価した。
分子化合物を負極活物質に添加する方法を用いて電池を
作製し、その出力及びサイクル特性を評価した。
【0038】
【表1】
【0039】 また、サイクル試験は、図3に示される
充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰り返すこ
とにより行った。即ち、1サイクルは放電深度50%の
充電状態の電池を10C(放電レート)相当の電流10
0Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、その後70
Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充電し、再
び50%の充電状態とするパターンに設定した。なお、
充電の2回目(18A)の電流値を微調整することによ
り、各サイクルにおける放電深度のずれを最小限に止め
た。また、この耐久試験中の電池容量の変化を知るため
に、適宜、0.2Cの電流強さで充電停止電圧4.1
V、放電停止電圧2.5Vとした容量測定を行い、所定
のサイクル数における電池容量を初回の電池容量で除し
た値により相対放電容量を求めた。
充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰り返すこ
とにより行った。即ち、1サイクルは放電深度50%の
充電状態の電池を10C(放電レート)相当の電流10
0Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、その後70
Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充電し、再
び50%の充電状態とするパターンに設定した。なお、
充電の2回目(18A)の電流値を微調整することによ
り、各サイクルにおける放電深度のずれを最小限に止め
た。また、この耐久試験中の電池容量の変化を知るため
に、適宜、0.2Cの電流強さで充電停止電圧4.1
V、放電停止電圧2.5Vとした容量測定を行い、所定
のサイクル数における電池容量を初回の電池容量で除し
た値により相対放電容量を求めた。
【0040】(評価)図4から分かるように、本発明に
係る実施例1〜5の電池は、20000回のサイクル試
験において、80%の容量保持率を達成し、当該高分子
化合物がもちいられていない比較例1よりも極めて良好
なサイクル特性を発揮した。これは、負極活物質に添加
された当該高分子化合物が、活性なLiと電解液の反応
を抑え、電気容量そのものであるLi+の減少を抑制し
た結果、サイクル寿命が向上したものと考えられる。ま
た、当該高分子化合物は、負極活物質を被覆しているこ
とから、非水電解液中に存在していた水分から発生する
こととなったHFと負極カーボンの反応も抑制すること
になり、SEI生成の抑制にも効果を発揮し、この点か
らもサイクル特性が大きく向上することとなる。
係る実施例1〜5の電池は、20000回のサイクル試
験において、80%の容量保持率を達成し、当該高分子
化合物がもちいられていない比較例1よりも極めて良好
なサイクル特性を発揮した。これは、負極活物質に添加
された当該高分子化合物が、活性なLiと電解液の反応
を抑え、電気容量そのものであるLi+の減少を抑制し
た結果、サイクル寿命が向上したものと考えられる。ま
た、当該高分子化合物は、負極活物質を被覆しているこ
とから、非水電解液中に存在していた水分から発生する
こととなったHFと負極カーボンの反応も抑制すること
になり、SEI生成の抑制にも効果を発揮し、この点か
らもサイクル特性が大きく向上することとなる。
【0041】 ここで、実施例1〜5及び比較例に係る
電池は、上記の方法により、電池ケース内に当該高分子
化合物を含ませて調整した種々の電極板構成部材を用い
て作製した。また、その他の部材、試験環境はすべての
試料について同じとし、電池部材の乾燥は電池の組立直
前まで十分に行い、電池の封止不良等による電池外部か
らの水分の浸入等の影響も排除した。
電池は、上記の方法により、電池ケース内に当該高分子
化合物を含ませて調整した種々の電極板構成部材を用い
て作製した。また、その他の部材、試験環境はすべての
試料について同じとし、電池部材の乾燥は電池の組立直
前まで十分に行い、電池の封止不良等による電池外部か
らの水分の浸入等の影響も排除した。
【0042】 なお、電気自動車等のモータ駆動用電池
においては、加速時や登坂時等に大電流の放電が必要と
され、このときには電池温度の上昇が起こる。しかし、
本発明の高分子化合物を添加した非水電解液等を用いた
場合には、電池温度が上昇した場合であっても、捕獲さ
れたHFが、再び遊離して非水電解液中に溶け込むこと
が起こりがたいために、サイクル特性良好な維持が図ら
れる。
においては、加速時や登坂時等に大電流の放電が必要と
され、このときには電池温度の上昇が起こる。しかし、
本発明の高分子化合物を添加した非水電解液等を用いた
場合には、電池温度が上昇した場合であっても、捕獲さ
れたHFが、再び遊離して非水電解液中に溶け込むこと
が起こりがたいために、サイクル特性良好な維持が図ら
れる。
【0043】 以上、本発明について、主に捲回型電極
体を用いた場合を例に説明してきたが、本発明は電池構
造を問うものでないこというまでもなく、電池容量の大
きな電池には好適に採用される。具体的には、捲回型或
いは積層型の電極体1・7が用いられる電池容量が2A
h以上のものに好適に採用される。電池の用途も限定さ
れるものではないことはいうまでもないが、低内部抵抗
と優れたサイクル特性が要求される大容量電池として、
電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用
に特に好適に用いることができる。
体を用いた場合を例に説明してきたが、本発明は電池構
造を問うものでないこというまでもなく、電池容量の大
きな電池には好適に採用される。具体的には、捲回型或
いは積層型の電極体1・7が用いられる電池容量が2A
h以上のものに好適に採用される。電池の用途も限定さ
れるものではないことはいうまでもないが、低内部抵抗
と優れたサイクル特性が要求される大容量電池として、
電気自動車又はハイブリッド電気自動車のモータ駆動用
に特に好適に用いることができる。
【0044】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれ
ば、ヘテロ原子を有する当該高分子化合物が電解液中の
HFを捕獲することにより、電池内の腐食等を防ぐこと
ができる。また、負極表面を当該高分子化合物で被覆す
ることにより、非水電解液と電極板が直接接触しなくな
り、負極中のLiと電解液が反応することを抑制するこ
とができる。この結果、本発明におけるリチウム二次電
池は、高出力の超寿命化及びサイクル特性の向上が図ら
れるという優れた効果を奏する。
ば、ヘテロ原子を有する当該高分子化合物が電解液中の
HFを捕獲することにより、電池内の腐食等を防ぐこと
ができる。また、負極表面を当該高分子化合物で被覆す
ることにより、非水電解液と電極板が直接接触しなくな
り、負極中のLiと電解液が反応することを抑制するこ
とができる。この結果、本発明におけるリチウム二次電
池は、高出力の超寿命化及びサイクル特性の向上が図ら
れるという優れた効果を奏する。
【図1】 捲回型電極体の構造を示す斜視図である。
【図2】 積層型電極体の構造を示す斜視図である。
【図3】 サイクル試験における充放電パターンを示す
グラフである。
グラフである。
【図4】 サイクル試験の結果を示すグラフである。
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型
電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、
11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯。
レータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型
電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、
11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H021 CC04 EE02 EE03 EE06 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL08 AM02 AM03 AM04 AM07 BJ02 BJ04 BJ12 BJ14 CJ07 CJ22 DJ02 DJ04 DJ09 DJ16 EJ12 HJ19
Claims (9)
- 【請求項1】 正極板と負極板をセパレータを介して、
捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化合
物を電解質として含む非水電解液を用いたリチウム二次
電池であって、 当該正極板、当該負極板、当該セパレータ、及び当該非
水電解液の少なくともいずれかに、酸素原子、及び/又
は、 硫黄原子、及び/又は、 窒素原子を分子構造内に含む高分子化合物が含まれてい
ることを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項2】 前記高分子化合物が、以下のいずれかに
より当該電池ケースに含まれていることを特徴とする請
求項1に記載のリチウム二次電池。 (1)当該正極板、及び/又は、当該負極板を構成する
電極活物質粒子の表面に分散、または被覆されている。 (2)当該セパレータ表面に分散されている。 (3)微細粉末化して当該非水電解液中に懸濁分散され
ている。 - 【請求項3】 前記高分子化合物が、ポリエチレンオキ
サイド又ポリプロピレンオキサイドであることを特徴と
する請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。 - 【請求項4】 前記高分子化合物が、ポリメチルメタク
リレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載
のリチウム二次電池。 - 【請求項5】 前記高分子化合物が、ビニル基を有する
ものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリ
チウム二次電池。 - 【請求項6】 前記高分子化合物が、ポリビニルピリジ
ン又はポリビニルピロリドンである請求項1、2又は5
に記載のリチウム二次電池。 - 【請求項7】 前記高分子化合物に電子伝導性粒子が分
散されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチ
ウム二次電池。 - 【請求項8】 電池容量が2Ah以上であることを特徴
とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のリチウム二
次電池。 - 【請求項9】 電気自動車又はハイブリッド電気自動車
に用いられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか
一項に記載のリチウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000032363A JP2001223031A (ja) | 2000-02-09 | 2000-02-09 | リチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000032363A JP2001223031A (ja) | 2000-02-09 | 2000-02-09 | リチウム二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001223031A true JP2001223031A (ja) | 2001-08-17 |
Family
ID=18556978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000032363A Withdrawn JP2001223031A (ja) | 2000-02-09 | 2000-02-09 | リチウム二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001223031A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001338630A (ja) * | 2000-05-30 | 2001-12-07 | Toshiba Battery Co Ltd | リチウム二次電池 |
JP2010534910A (ja) * | 2007-07-26 | 2010-11-11 | エルジー・ケム・リミテッド | コアシェル構造の電極活物質 |
JP2012009284A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Fdk Corp | リチウムイオン二次電池 |
JP2012174350A (ja) * | 2011-02-17 | 2012-09-10 | Toshiba Corp | 電池用電極及びその製造方法、非水電解質電池、電池パック及び活物質 |
JP2017188299A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | 旭化成株式会社 | 非水系二次電池とそれに用いられる非水系電解液 |
WO2023233724A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | オルガノ株式会社 | 非水電解液二次電池 |
-
2000
- 2000-02-09 JP JP2000032363A patent/JP2001223031A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9349497B2 (en) | 2007-07-26 | 2016-05-24 | Lg Chem, Ltd. | Electrode active material having core-shell structure |
JP2012009284A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Fdk Corp | リチウムイオン二次電池 |
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US9698411B2 (en) | 2011-02-17 | 2017-07-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Electrode for battery and production method thereof, nonaqueous electrolyte battery, battery pack, and active material |
JP2017188299A (ja) * | 2016-04-05 | 2017-10-12 | 旭化成株式会社 | 非水系二次電池とそれに用いられる非水系電解液 |
WO2023233724A1 (ja) * | 2022-05-31 | 2023-12-07 | オルガノ株式会社 | 非水電解液二次電池 |
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---|---|---|---|
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