JP2003123836A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2003123836A
JP2003123836A JP2001314185A JP2001314185A JP2003123836A JP 2003123836 A JP2003123836 A JP 2003123836A JP 2001314185 A JP2001314185 A JP 2001314185A JP 2001314185 A JP2001314185 A JP 2001314185A JP 2003123836 A JP2003123836 A JP 2003123836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
lithium secondary
positive electrode
negative electrode
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001314185A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Mizuno
誠一 水野
Michio Takahashi
道夫 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2001314185A priority Critical patent/JP2003123836A/ja
Publication of JP2003123836A publication Critical patent/JP2003123836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長期間に渡る繰り返しの充放電によっても、
内部抵抗の上昇や放電容量の低下等が起こり難く、サイ
クル特性に優れたリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極用集電基板に正極活物質が塗工され
てなる正極板2と、負極用集電基板に負極活物質が塗工
されてなる負極板3とを、セパレータ4を介して捲回若
しくは積層してなる電極体1を備え、リチウム化合物を
電解質として含む電解液を用いたリチウム二次電池であ
る。1molの電解質に対して、外配で1〜6molの
アルカリ金属塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸
化カリウムが、及び/又は、外配で0.5〜3molの
アルカリ土類金属塩、例えば炭酸カルシウム、酸化カル
シウムが、電解液に添加されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電池劣化が抑制
され、長期間の使用に耐え得るリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 リチウム二次電池は、近年、携帯型の
通信機器やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機
器の電源を担う、小型でエネルギー密度の大きな充放電
可能な二次電池として、広く用いられるようになってき
ている。また、国際的な地球環境の保護を背景として省
資源化や省エネルギー化に対する関心が高まる中、リチ
ウム二次電池は、自動車業界において積極的な市場導入
が検討されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車
のモータ駆動用バッテリー、或いは夜間電力の保存によ
る電力の有効利用手段としても期待されており、これら
の用途に適する大容量リチウム二次電池の実用化が急が
れている。
【0003】 リチウム二次電池には、一般的にリチウ
ム遷移金属複合酸化物等が正極活物質として、またハー
ドカーボンや黒鉛といった炭素質材料が負極活物質とし
てそれぞれ用いられる。リチウム二次電池の反応電位は
約4.1Vと高いために、電解液として従来のような水
系電解液を用いることができず、このため電解質である
リチウム化合物を有機溶媒に溶解した非水系の電解液
(以下、単に「電解液」と記す。)が用いられる。そし
て、充電反応は正極活物質中のリチウムイオン(L
+)が、電解液中を通って負極活物質へ移動して捕捉
されることで起こり、放電時には逆の電池反応が起こ
る。
【0004】 比較的容量の大きいリチウム二次電池に
おいては、図1に示すような、電極リード5・6(正極
用リード5、負極用リード6)が取り付けられた正負各
電極板2・3(正極板2、負極板3)を、互いに接触し
ないように間にセパレータ4を介しつつ、巻芯13の外
周に捲回してなる捲回型電極体1が好適に用いられる。
【0005】 リチウム二次電池の劣化は、電解液中の
六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等の電解質が分
解することにより生じたフッ化水素(HF)によって正
極活物質が反応し、当該正極活物質を構成する遷移金属
元素が溶出して遷移金属イオンが生ずるとともに、当該
遷移金属イオンが負極活物質である炭素質材料を劣化さ
せることが原因であると考えられている。
【0006】 六フッ化リン酸リチウム等の電解質は、
電解液中に不可避に存在する極微量の水分により分解さ
れてフッ化水素を発生するものと考えられる。従って、
これを解消するためには、まず用いる電解液をより低水
分含量とすることが好ましい。但し、当該電解液を低水
分含量とした場合であっても、電池の充放電という過酷
な条件や保存時の経時変化により電解質が分解されるこ
とによりフッ化水素が発生する場合がある。
【0007】 上述のような問題を解消するための具体
的な関連技術として、特開平7−192760号公報、
及び、特開平11−250933号公報において、電解
液に炭酸カルシウム等のカルシウム塩を添加した非水系
電解液電池、及び、非水電解液二次電池が開示されてい
る。即ち、電解液に添加されたカルシウム塩は電解質の
分解により発生したフッ化水素と反応してフッ化カルシ
ウム(CaF2)として沈殿させることにより、電池の
劣化防止に寄与するものと考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、炭酸
カルシウムを始めとするアルカリ土類金属の塩は一般的
な電解液に対して難溶性であるため、電解液に溶解させ
るのみでは、フッ化水素と反応し、これを捕捉するため
に充分な量のカルシウムイオンが供給されているとはい
えず、特に長期間に渡る電池の使用に際して充分な効果
を発揮するとはいえなかった。
【0009】 電解液に含まれるカルシウムイオンの濃
度を上げるため、特開2000−173648公報にお
いては、カルシウムイオン(Ca2+)と有機化合物によ
り形成された錯体を電解液に添加したリチウム二次電池
が開示されている。しかしながら、当該公報記載のリチ
ウム二次電池においては、カルシウムイオンが消費され
た後に残る有機化合物が、電池性能に何らかの影響を及
ぼすことが想定される。
【0010】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、長期間に渡る繰り返しの充放電によっても、内
部抵抗の上昇や放電容量の低下等が起こり難く、サイク
ル特性に優れたリチウム二次電池を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、正極用集電基板に正極活物質が塗工されてなる正極
板と、負極用集電基板に負極活物質が塗工されてなる負
極板とを、セパレータを介して捲回若しくは積層してな
る電極体を備え、リチウム化合物を電解質として含む電
解液を用いたリチウム二次電池であって、1molの該
電解質に対して、外配で1〜6molのアルカリ金属塩
が、及び/又は、外配で0.5〜3molのアルカリ土
類金属塩が、該電解液に添加されていることを特徴とす
るリチウム二次電池が提供される。
【0012】 一方、本発明によれば、正極用集電基板
に正極活物質が塗工されてなる正極板と、負極用集電基
板に負極活物質が塗工されてなる負極板とを、セパレー
タを介して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リ
チウム化合物を電解質として含む電解液を用いたリチウ
ム二次電池であって、アルカリ金属塩及び/又はアルカ
リ土類金属塩が、該リチウム二次電池の系内の間隙、該
正極板、該負極板、及び該セパレータのうちの少なくと
もいずれかに添加されていることを特徴とするリチウム
二次電池が提供される。本発明においては、1molの
電解質に対して、1〜6molのアルカリ金属塩、及び
/又は、0.5〜3molのアルカリ土類金属塩が添加
されていることが好ましい。
【0013】 本発明においては、アルカリ金属塩が、
炭酸リチウム(LiCO 3)、炭酸ナトリウム(Na2
3)、炭酸カリウム(K2CO3)、酸化リチウム(L
2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、及び酸化カリウ
ム(K2O)からなる群より選択される少なくとも一種
であることが好ましく、また、アルカリ土類金属塩が、
炭酸カルシウム(CaCO3)及び/又は酸化カルシウ
ム(CaO)であることも同様に好ましい。
【0014】 本発明によれば、正極用集電基板に正極
活物質が塗工されてなる正極板と、負極用集電基板に負
極活物質が塗工されてなる負極板とを、セパレータを介
して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム
化合物を電解質として含む電解液を用いたリチウム二次
電池であって、該電解液に溶解しているアルカリ金属
(リチウム(Li)を除く)イオン、及び/又は、アル
カリ土類金属イオンの濃度が0.001〜0.5mol
/lであることを特徴とするリチウム二次電池が提供さ
れる。
【0015】 本発明においては、アルカリ金属イオン
がナトリウムイオン(Na+)及び/又はカリウムイオ
ン(K+)であることが好ましく、また、アルカリ土類
金属イオンがカルシウムイオン(Ca2+)及び/又はマ
グネシウムイオン(Mg+)であることも同様に好まし
い。
【0016】 本発明においては、正極活物質がLiと
Mnを主成分とした立方晶スピネル構造を有するマンガ
ン酸リチウムであることが好ましく、負極活物質が高黒
鉛化炭素材料又はハードカーボンであることが好まし
い。
【0017】 本発明のリチウム二次電池は、電池容量
が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電
流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド
電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0019】 本発明の第一の側面は、正極用集電基板
に正極活物質が塗工されてなる正極板と、負極用集電基
板に負極活物質が塗工されてなる負極板とを、セパレー
タを介して捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リ
チウム化合物を電解質として含む電解液を用いたリチウ
ム二次電池であり、1molの電解質に対して、外配で
1〜6molのアルカリ金属塩が、及び/又は、外配で
0.5〜3molのアルカリ土類金属塩が、電解液に添
加されていることを特徴とするものである。以下、その
詳細について説明する。
【0020】 アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属を電解液に添加することにより、電解質の分解等によ
り不可避に発生するフッ化水素を捕捉して塩を形成さ
せ、効果的に沈殿・除去することができる。本発明のリ
チウム二次電池は、1molの電解質に対して、外配で
1〜6molのアルカリ金属塩が、及び/又は、外配で
0.5〜3molのアルカリ土類金属塩が電解液に添加
されている。アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
属塩は、通常のリチウム二次電池に用いられる電解液
に、その一部は溶解するが余剰分は溶解せず、固体のま
ま電池系内に配された状態となっている。
【0021】 即ち、電解液はアルカリ金属塩及び/又
はアルカリ土類金属塩により飽和した状態となってい
る。従って、フッ化水素の発生により、電解液に溶解し
ていたアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属のイオ
ンが消費されるに伴って固体の塩が電解液に溶解するこ
ととなり、電解液は常にアルカリ金属塩及び/又はアル
カリ土類金属塩が飽和した状態を保つことになる。
【0022】 このため、電位を作製した初期の段階で
電解液に含有している水分等に起因して発生したフッ化
水素を除去することが可能であるとともに、繰り返しの
充放電、即ち長期間の使用に伴って電池の系内へと侵入
する水分等に起因して発生したフッ化水素も継続的に除
去することができ、内部抵抗の上昇や放電容量低下等の
不具合の発生を抑制することが可能である。
【0023】 なお、電解質として六フッ化リン酸リチ
ウムを使用し、これを溶解してなる電解液を用いた場合
において、1molの六フッ化リン酸リチウムの全てが
分解し、6molのフッ化物イオン(F-)が生じた場
合を想定すると、1価のアルカリ金属イオンを生ずるア
ルカリ金属塩は最大で6mol、2価のアルカリ土類金
属イオンを生ずるアルカリ土類金属塩は最大で3mol
添加すればよい。
【0024】 なお、アルカリ金属塩の添加量が1mo
l未満、及び/又は、アルカリ土類金属塩の添加量が
0.5mol未満の場合には少な過ぎであるために、フ
ッ化水素を捕捉して塩を形成させ、効果的に沈殿・除去
することができなくなるために好ましくない。
【0025】 ここで、本発明のリチウム二次電池にお
いては、必要・充分なアルカリ金属イオン及び/又はア
ルカリ土類金属イオンを供給し、電池の長期耐久性の向
上を図るといった観点からは、1molの電解質に対し
て、外配で2〜6molのアルカリ金属塩が、及び/又
は、外配で1〜3molのアルカリ土類金属塩が電解液
に添加されていることが好ましく、外配で2〜4mol
のアルカリ金属塩が、及び/又は、外配で1〜2mol
のアルカリ土類金属塩が電解液に添加されていることが
更に好ましい。
【0026】 また、本発明にいう「アルカリ金属塩及
び/又はアルカリ土類金属塩が電解液に添加されてい
る」とは、電解液に均一に懸濁された状態であることの
他、電極体と電池ケースとの間に配された状態であって
もよく、電解液と直接的に接触した状態であればよい。
【0027】 次に、本発明の第二の側面について説明
する。本発明の第二の側面は、正極用集電基板に正極活
物質が塗工されてなる正極板と、負極用集電基板に負極
活物質が塗工されてなる負極板とを、セパレータを介し
て捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化
合物を電解質として含む電解液を用いたリチウム二次電
池であり、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属
塩が、リチウム二次電池の系内の間隙、正極板、負極
板、及びセパレータのうちの少なくともいずれかに添加
されていることを特徴とするものである。以下、その詳
細について説明する。
【0028】 本発明のリチウム二次電池は、当該リチ
ウム二次電池の系内の間隙、正極板、負極板、及びセパ
レータのうちの少なくともいずれかにアルカリ金属及び
/又はアルカリ土類金属が添加されているために、電解
質の分解等により不可避に発生するフッ化水素を捕捉し
て塩を形成させ、効果的に沈殿・除去することができ、
長期間の使用に際しても内部抵抗の上昇や放電容量の低
下等が起こり難い。
【0029】 図6は、リチウム二次電池の一例を示す
断面図であり、電池ケース20内に捲回型電極体1が収
められた状態を示している。ここで、本発明において、
「アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩がリチ
ウム二次電池の系内の間隙に添加されている」とは、例
えば捲回型電極体1の上方及び下方には電極リード5、
集電タブ等が格納されるための間隙22をはじめとす
る、電解液に直接的に接触し得る場所にアルカリ金属塩
及び/又はアルカリ土類金属塩が配されていることを意
味する。なお「添加する」とは、アルカリ金属塩及び/
又はアルカリ土類金属塩が電解液に均一に溶解している
必要はなく、固体状態のまま配された状態であってもよ
い。
【0030】 また、本発明において、「アルカリ金属
塩及び/又はアルカリ土類金属塩が正極板、負極板、及
びセパレータのいずれかに添加されている」とは、例え
ばアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を正極
活物質と混合し、得られた混合物を正極用集電基板に塗
工して正極板を作製する、負極活物質と混合し、得られ
た混合物を負極用集電基板に塗工して負極板を作製す
る、又は、セパレータに担持する、或いはこれらを組み
合わせる等の方法を挙げることができる。但し、いずれ
の方法であっても、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ
土類金属塩が電解液と直接的に接触している必要性があ
る。
【0031】 本発明の第二の側面においては、1mo
lの電解質に対して1〜6molのアルカリ金属塩、及
び/又は、0.5〜3molのアルカリ土類金属塩が添
加されていることが好ましく、2〜6molのアルカリ
金属塩、及び/又は、1〜3molのアルカリ土類金属
塩が添加されていることが更に好ましく、2〜4mol
のアルカリ金属塩、及び/又は、1〜2molのアルカ
リ土類金属塩が添加されていることが特に好ましい。即
ち、電解質として六フッ化リン酸リチウムを使用し、こ
れを溶解してなる電解液を用いた場合において、1mo
lの六フッ化リン酸リチウムの全てが分解し、6mol
のフッ化物イオンが生じた場合を想定すると、1価のア
ルカリ金属イオンを生ずるアルカリ金属塩は最大で6m
ol、2価のアルカリ土類金属イオンを生ずるアルカリ
土類金属塩は最大で3molが必要であると考えられ
る。
【0032】 従って、6mol超のアルカリ金属塩及
び/又は3mol超のアルカリ土類金属塩を添加するこ
とは必要量を超えてしまうために無意味な添加量であ
り、一方、1mol未満のアルカリ金属塩及び/又は
0.5mol未満のアルカリ土類金属塩を添加した場合
には少な過ぎであるために、フッ化水素を捕捉して塩を
形成させ、効果的に沈殿・除去することができなくなる
ために好ましくない。
【0033】 更に、本発明においては、アルカリ金属
塩が炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸
化リチウム、酸化ナトリウム、及び酸化カリウムからな
る群より選択される少なくとも一種であることが好まし
い。これらのアルカリ金属塩を電解液、或いは正極板、
負極板、セパレータのいずれかに添加することにより、
発生したフッ化水素を効果的に除去可能である。また、
これらのアルカリ金属塩は安価で入手が極めて容易であ
ることから、リチウム二次電池の製造コスト面において
も配慮がなされている。
【0034】 なお、本発明においては、アルカリ土類
金属塩が炭酸カルシウム及び/又は酸化カルシウムであ
ることが好ましい。これらのアルカリ土類金属塩は一般
的なリチウム二次電池に用いられる電解液に難溶性であ
り、電解液中のアルカリ土類金属イオンの濃度を一定に
保つことができる。従って、これらのアルカリ土類金属
塩を電解液、或いは正極板、負極板、セパレータのいず
れかに添加することによって、発生したフッ化水素を効
果的に除去することができる。また、これらのアルカリ
土類金属塩も安価で入手が極めて容易であることから、
リチウム二次電池の製造コスト面においても配慮がなさ
れている。
【0035】 次に、本発明の第三の側面について説明
する。本発明の第三の側面は、正極用集電基板に正極活
物質が塗工されてなる正極板と、負極用集電基板に負極
活物質が塗工されてなる負極板とを、セパレータを介し
て捲回若しくは積層してなる電極体を備え、リチウム化
合物を電解質として含む電解液を用いたリチウム二次電
池であり、電解液に溶解しているアルカリ金属(リチウ
ムを除く)イオン、及び/又は、アルカリ土類金属イオ
ンの濃度が0.001〜0.5mol/lであることを
特徴とするものである。以下、その詳細について説明す
る。
【0036】 電解液におけるアルカリ金属イオン及び
/又はアルカリ土類金属イオンのモル濃度と、フッ化物
イオンのモル濃度との積により表される溶解度積を考慮
した場合、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類
金属イオンの濃度を一定の数値以上に維持することによ
り、フッ化物イオン濃度を、電池の劣化を引き起こし難
い一定の水準以下に抑制することが可能であると考えら
れる。また、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土
類金属イオンの濃度が10倍になれば、フッ化物イオン
の濃度は10分の1に減少するものと考えられる。
【0037】 ここで、本発明のリチウム二次電池は電
解液に溶解しているアルカリ金属イオン、及び/又は、
アルカリ土類金属イオンの濃度が0.001〜0.5m
ol/lの範囲であり、発生するフッ化水素を常に除去
し得る濃度に維持されている。従って、繰り返しの充放
電を伴う長期間の使用に際しても内部抵抗の上昇や放電
容量の低下等が起こり難い。
【0038】 なお、長期間の使用に際しても、電池の
内部抵抗の上昇や放電容量の低下等の不具合が起こり難
いというより一層の効果を奏するためには、アルカリ金
属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンの濃度が
0.005〜0.5mol/lの範囲であることが好ま
しく、0.005〜0.5mol/lの範囲であること
が更に好ましい。
【0039】 電解液に溶解しているアルカリ金属イオ
ン及び/又はアルカリ土類金属イオンの濃度を所定の数
値範囲内にするための具体的な方法としては、例えば、
.電解液を調製するための有機溶媒等に不可避的に混
在する微量のアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土
類金属イオンを精製等することにより除去することなく
そのまま利用する、.難溶性のアルカリ金属塩及び/
又はアルカリ土類金属塩を電解液に添加する、.難溶
性のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を正
極板、負極板、セパレータ等の電池を構成する材料、部
材等であって、電解液に直接的に接触する箇所に配す
る、.前記濃度の所定数値範囲を超えない程度に易溶
性のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を電
解液に溶解する、等の方法を挙げることができる。
【0040】 なお、前記、の方法における難溶性
のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩として
は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化ナトリ
ウム、酸化カリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム
等を挙げることができる。
【0041】 なお、本発明の第三の側面においては、
アルカリ金属イオンがナトリウムイオン及び/又はカリ
ウムイオンであることが好ましく、これらのイオンを電
解液に溶解させておくことにより、発生するフッ化水素
を容易に除去することができ、繰り返しの充放電を伴う
長期間の使用に際しても内部抵抗の上昇や放電容量の低
下等が起こり難い。
【0042】 また、本発明の第三の側面においては、
アルカリ土類金属イオンがカルシウムイオン及び/又は
マグネシウムイオンであることが好ましく、これらのイ
オンを電解液に溶解させておくことにより、発生するフ
ッ化水素を容易に除去することができ、繰り返しの充放
電を伴う長期間の使用に際しても内部抵抗の上昇や放電
容量の低下等が起こり難い。
【0043】 本発明のリチウム二次電池は、電解液、
正極板、負極板、又はセパレータ等に所定のアルカリ金
属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を添加しているこ
と、或いは、電解液のアルカリ金属イオン及び/又はア
ルカリ土類金属イオンの濃度を所定数値範囲内としてい
ることを特徴とするものであり、その他、電池を構成す
る材料や電池構造には何ら制限はない。以下、リチウム
二次電池を構成する主要部材並びにその構造について概
説する。
【0044】 まず、図1に示す捲回型電極体1を例
に、その構成について説明する。正極板2は正極用集電
基板の両面に正極活物質を塗工することによって作製さ
れる。正極用集電基板としては、アルミニウム箔やチタ
ン箔等の正極電気化学反応に対する耐蝕性が良好である
金属箔が用いられるが、箔以外にパンチングメタル或い
はメッシュ(網)を用いることもできる。また、正極活
物質としては、マンガン酸リチウム(LiMn24)や
コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチ
ウム(LiNiO2)等のリチウム遷移金属複合酸化物
が好適に用いられるが、本発明においては特にマンガン
酸リチウムが好ましく、他の正極活物質を用いた場合に
比して、正極活物質層の抵抗を小さくすることができ
る。なお、これらの正極活物質にアセチレンブラック等
の炭素微粉末を導電助剤として加えることが好ましい。
【0045】 なお、マンガン酸リチウムは、このよう
な化学量論組成(ストイキオメトリー組成)のものに限
定されるものではなく、Mnの一部を1以上の他の元素
で置換した、一般式LiMXMn2-X4(Mは置換元
素、Xは置換量を表す。)で表されるマンガン酸リチウ
ムも好適に用いられる。このような元素置換を行ったマ
ンガン酸リチウムにおいては、Li/Mn比が0.5超
となる。
【0046】 置換元素Mとしては、以下、元素記号で
列記するが、Li、Fe、Mn、Ni、Mg、Zn、
B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、V、S
b、Nb、Ta、Mo、Wを挙げることができ、理論
上、Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+
2価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、S
nは+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、M
o、Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶
する元素である。但し、Co、Snについては+2価の
場合、Fe、Sb及びTiについては+3価の場合、M
nについては+3価、+4価の場合、Crについては+
4価、+6価の場合もあり得る。
【0047】 従って、各種の置換元素Mは混合原子価
を有する状態で存在する場合があり、また、酸素の量に
ついては、必ずしもストイキオメトリー組成で表される
ように4であることを必要とせず、結晶構造を維持する
ための範囲内で欠損して、或いは過剰に存在していても
構わない。
【0048】 また、本発明においては、負極活物質と
して高黒鉛化炭素材料又はハードカーボンを用いること
が好ましく、これらを用いた場合においては、Li金属
を負極として用いたときに見られるデンドライトによる
内部短絡等が発生し難く、更に電池破損時の安全性も高
くなるために好ましい。なお、同じく安全性等の観点か
らは、負極活物質として繊維状の高黒鉛化炭素材料を用
いることが更に好ましい。
【0049】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤や結着剤等を添加して作製したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、正極用集電基板に
塗布・乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプ
レス処理等が施される。
【0050】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の負極用集電基板として
は、銅箔若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対
する耐蝕性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活
物質としては、ソフトカーボンやハードカーボンといっ
たアモルファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の
高黒鉛化炭素質粉末が用いられる。
【0051】 本発明においては、アルカリ金属塩及び
/又はアルカリ土類金属塩、例えば炭酸カルシウム、酸
化カルシウム等を正極活物質及び/又は負極活物質と混
合し、得られた各混合物を集電基板に塗工することによ
り、正極板及び/又は負極板を作製すればよい。
【0052】 セパレータ4としては、マイクロポアを
有するLi+透過性のポリエチレンフィルム(PEフィ
ルム)を、多孔性のLi+透過性のポリプロピレンフィ
ルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造としたものが好
適に用いられる。これは、電極体の温度が上昇した場合
に、PEフィルムが約130℃で軟化してマイクロポア
が潰れ、Li+の移動即ち電池反応を抑制する安全機構
を兼ねたものである。そして、このPEフィルムをより
軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによって、
PEフィルムが軟化した場合においても、PPフィルム
が形状を保持して正極板2と負極板3の接触・短絡を防
止し、電池反応の確実な抑制と安全性の確保が可能とな
る。
【0053】 本発明においては、アルカリ金属塩及び
/又はアルカリ土類金属塩、例えば炭酸カルシウム、酸
化カルシウム等をセパレータに担持させてもよい。これ
らの塩類をセパレータに担持する方法としては、例え
ば、前記塩類を適当な溶媒に懸濁した懸濁液にセパレー
タを浸漬する方法や、前記懸濁液をセパレータに通過さ
せた後に乾燥して溶媒を除去する方法等を挙げることが
できる。
【0054】 電極板2・3とセパレータ4の捲回作業
時に、電極板2・3において電極活物質の塗工されてい
ない集電基板が露出した部分に、電極リード5・6がそ
れぞれ取り付けられる。電極リード5・6としては、そ
れぞれの電極板2・3の集電基板と同じ材質からなる箔
状のものが好適に用いられる。電極リード5・6の電極
板2・3への取り付けは、超音波溶接やスポット溶接等
を用いて行うことができる。
【0055】 次に、本発明のリチウム二次電池に用い
られる非水電解液について説明する。溶媒としては、エ
チレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート
(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、プロピ
レンカーボネート(PC)といった炭酸エステル系のも
のや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒が好適に用い
られる。
【0056】 電解質としては、六フッ化リン酸リチウ
ムやホウフッ化リチウム(LiBF4)等のリチウム錯
体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム(LiClO
4)といったリチウムハロゲン化物が挙げられ、1種類
若しくは2種類以上を上述した有機溶媒(混合溶媒)に
溶解して用いる。特に、酸化分解が起こり難く、電解液
の導電性の高い六フッ化リン酸リチウムを用いることが
好ましい。
【0057】 本発明においては、前記電解液に所定の
アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩を、電解
液に含まれる電解質に対して所定の添加量となるように
添加すればよく、又は、後述する電池組立の際に、電極
体と電池ケースとの間に配されるように添加してもよ
い。添加された前記塩類は懸濁状態としてもよく、又
は、懸濁せずにそのまま静置してもよい。
【0058】 リチウム二次電池の組立に当たっては、
まず、電流を外部に取り出すための端子との電極リード
5・6との導通を確保しつつ、作製された捲回型電極体
1を電池ケースに挿入して安定な位置にホールドする。
その後、上述した非水電解液を含浸させた後に、電池ケ
ースを封止することでリチウム二次電池が作製される。
【0059】 以上、本発明に係るリチウム二次電池に
ついて、主に捲回型電極体を用いた場合を例に挙げ、そ
の実施形態を示しながら説明してきたが、本発明が上記
の実施形態に限定されるものでないことはいうまでもな
く、例えば図2に示すような積層型電極体を用いた場合
であってもよい。また、本発明に係るリチウム二次電池
は、特に、電池容量が2Ah以上である大型の電池に好
適に採用されるが、このような容量以下の電池に適用す
ることを妨げるものではない。また、本発明のリチウム
二次電池は、大容量、低コスト、高信頼性という特徴を
生かし車載用電池として、さらには、電気自動車又はハ
イブリッド電気自動車のモータ駆動用に用いることが好
ましいとともに、高電圧を必要とされるエンジン起動用
としても特に好適に用いることができる。
【0060】
【実施例】 以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 (捲回型電極体の作製)LiMn24スピネルを正極活
物質とし、これに導電助剤としてアセチレンブラックを
外比で4質量%添加したものに、更に溶剤、バインダを
加えて調製した正極剤スラリーを、厚さ20μmのアル
ミニウム箔の両面にそれぞれ約100μmの厚みとなる
ように塗工して作製した正極板2と、グラファイト粉末
を負極活物質として、厚さ10μmの銅箔の両面にそれ
ぞれ約80μmの厚みとなるように塗工して作製した負
極板3とを用いて捲回型電極体1を作製した(図1)。
【0061】(実施例1、2、比較例1、2)ECとD
ECの等容量混合溶媒に電解質としてのLiPF6を1
mol/lの濃度となるように溶解して電解液を調製し
た。なお、得られた電解液の水分含有量は5ppmであ
った。前記捲回型電極体を電池ケースに収納及び前記電
解液を充填するとともに電池ケースを封止してリチウム
二次電池を作製した(比較例1)。比較例1のリチウム
二次電池に用いた電解液に、水分含有量が500ppm
となるように水を添加して調製した電解液を用いてリチ
ウム二次電池を作製した(比較例2)。また、比較例2
の電解液(水分含有量:500ppm)に、外配で5質
量%の炭酸カルシウムを添加して調製した電解液、及
び、10質量%の炭酸カルシウムを添加して調製した電
解液を用いてリチウム二次電池を作製した(実施例1、
2)。なお、その他の部材、試験環境はすべての試料に
ついて同じとし、電池部材の乾燥は電池の組立直前まで
充分に行い、電池の封止不良等による電池外部からの水
分の浸入等の影響も排除した。これら各電池の初回充電
後の電池容量は、全て約10Ahであった。
【0062】(サイクル試験)サイクル試験は、図5に
示される充放電サイクルを1サイクルとして、これを繰
り返すことにより行った。即ち、1サイクルは放電深度
50%の充電状態の電池を10C(放電レート)相当の
電流100Aにて9秒間放電した後18秒間休止し、そ
の後70Aで6秒間充電後、続いて18Aで27秒間充
電し、再び50%の充電状態とするパターンに設定し
た。なお、充電の2回目(18A)の電流値を微調整す
ることにより、各サイクルにおける放電深度のずれを最
小限に止めた。
【0063】(放電容量の測定)サイクル試験中の電池
容量の変化を知るために、適宜、0.2Cの電流強さで
充電停止電圧4.1V、放電停止電圧2.5Vとした容
量測定を行い、所定のサイクル数(回)における放電容
量(mAh)を求めた。実施例1、2、及び比較例1、
2の各電池について、サイクル数(回)に対して放電容
量(mAh)をプロットしたグラフを図3に示す。
【0064】(内部抵抗の測定)下記の方法により電池
の内部抵抗を測定した。まず、電池を室温で満充電とし
た後、室温、10A(1C相当電流)定電流にて、端子
電圧が2.0Vを下回らない範囲で所定時間以上の放電
を行い、放電開始時の電圧降下から内部抵抗を算出し
た。即ち、放電開始直前の電池端子電圧(開回路電圧)
と放電開始後の電池端子電圧(閉回路電圧)との差を、
放電電流で除した値を内部抵抗(Ω)とした。なお、本
測定方法における「放電開始後」とは、放電開始から1
秒後を意味する。また、本測定方法でいう「室温」は、
25℃を指し示すものである。更に前述の「1C相当電
流」とは、電池容量を1時間で放電する電流値を示し、
本実施例においては10Ahの容量の電池を使用してい
るため、10Aが1C相当電流である。実施例1、2、
及び比較例1、2の各電池について、サイクル数(回)
に対して内部抵抗(Ω)をプロットしたグラフを図4に
示す。
【0065】(考察)図3、4に示す結果から、本発明
に係る実施例1、2の電池は水分含有量が500ppm
である電解液を用いて作製されているものであるが、比
較例2の電池に比して放電容量の低下及び内部抵抗の上
昇が抑制されることが判明した。これは、電解液に含有
する水分に起因して発生したフッ化水素が、電解液に添
加した炭酸カルシウムにより除去されたためであると考
えられる。従って、本発明の優れた効果を確認すること
ができた。
【0066】 なお、比較例1の電池に用いた電解液
は、含有する水分をできる限り排除して低水分含量とし
たものであり、長期間に渡って内部抵抗の上昇や放電容
量の低下等が起こり難いものである。しかしながら、5
00ppmもの水分が含有する電解液を用いた電池であ
っても、実施例1、2の電池のように所定量の炭酸カル
シウムを電解液に添加することにより、大幅にサイクル
特性が向上することが判明した。即ち、電解液の水分が
厳密な精製過程を経て除去されていない場合、又は、高
価な低水分含有量の有機溶媒等を用いない場合であって
も、極めて入手が容易かつ安価なアルカリ金属塩及び/
又はアルカリ土類金属塩を添加することにより、内部抵
抗の上昇や放電容量の低下等が起こり難く、サイクル特
性に優れた電池とすることが可能であると考えられる。
【0067】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のリチウ
ム二次電池は、所定量のアルカリ金属塩及び/又はアル
カリ土類金属塩が、電解液、正極、負極、又はセパレー
タ等に添加されているために、電解液に含有する水分に
起因して発生したフッ化水素を効果的に除去することが
でき、長期間に渡る繰り返しの充放電によっても、内部
抵抗の上昇や放電容量の低下等が起こり難く、サイクル
特性に優れている。更に、本発明のリチウム二次電池
は、電解液に溶解しているアルカリ金属イオン及び/又
はアルカリ土類金属イオンが所定の濃度に設定されてい
るために、内部抵抗の上昇や放電容量の低下等が起こり
難く、サイクル特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 捲回型電極体の構造を示す斜視図である。
【図2】 積層型電極体の構造を示す斜視図である。
【図3】 サイクル(回)に対して放電容量(mAh)
をプロットしたグラフである。
【図4】 サイクル(回)に対して内部抵抗(Ω)をプ
ロットしたグラフである。
【図5】 サイクル試験における充放電パターンを示す
グラフである。
【図6】 リチウム二次電池の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…電極リード、6…電極リード、7…積層型
電極体、8…正極板、9…負極板、10…セパレータ、
11…電極リード、12…電極リード、13…巻芯、1
5…出力端子、16…電極蓋、17…放圧孔、18…パ
ッキン、19…くびれ部、20…電池ケース、21…か
しめ加工部、22…間隙、26…絶縁膜、30…リチウ
ム二次電池。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL07 AM02 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 BJ27 CJ08 CJ22 DJ08 DJ16 DJ17 EJ03 EJ05 HJ10 HJ19 5H050 AA07 BA15 CA09 CB07 CB08 DA15 EA01 EA11 EA12 FA05 FA17 GA10 GA22 HA10 HA19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極用集電基板に正極活物質が塗工され
    てなる正極板と、負極用集電基板に負極活物質が塗工さ
    れてなる負極板とを、セパレータを介して捲回若しくは
    積層してなる電極体を備え、リチウム化合物を電解質と
    して含む電解液を用いたリチウム二次電池であって、 1molの該電解質に対して、外配で1〜6molのア
    ルカリ金属塩が、及び/又は、外配で0.5〜3mol
    のアルカリ土類金属塩が、該電解液に添加されているこ
    とを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 正極用集電基板に正極活物質が塗工され
    てなる正極板と、負極用集電基板に負極活物質が塗工さ
    れてなる負極板とを、セパレータを介して捲回若しくは
    積層してなる電極体を備え、リチウム化合物を電解質と
    して含む電解液を用いたリチウム二次電池であって、 アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が、 該リチウム二次電池の系内の間隙、該正極板、該負極
    板、及び該セパレータのうちの少なくともいずれかに添
    加されていることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 1molの該電解質に対して、1〜6m
    olの該アルカリ金属塩、及び/又は、0.5〜3mo
    lの該アルカリ土類金属塩が添加されている請求項2に
    記載のリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 該アルカリ金属塩が、炭酸リチウム(L
    iCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリ
    ウム(K2CO3)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナ
    トリウム(Na2O)、及び酸化カリウム(K2O)から
    なる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜
    3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 該アルカリ土類金属塩が、炭酸カルシウ
    ム(CaCO3)及び/又は酸化カルシウム(CaO)
    である請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウム二
    次電池。
  6. 【請求項6】 正極用集電基板に正極活物質が塗工され
    てなる正極板と、負極用集電基板に負極活物質が塗工さ
    れてなる負極板とを、セパレータを介して捲回若しくは
    積層してなる電極体を備え、リチウム化合物を電解質と
    して含む電解液を用いたリチウム二次電池であって、 該電解液に溶解しているアルカリ金属(リチウム(L
    i)を除く)イオン、及び/又は、アルカリ土類金属イ
    オンの濃度が0.001〜0.5mol/lであること
    を特徴とするリチウム二次電池。
  7. 【請求項7】 該アルカリ金属イオンがナトリウムイオ
    ン(Na+)及び/又はカリウムイオン(K+)である請
    求項6に記載のリチウム二次電池。
  8. 【請求項8】 該アルカリ土類金属イオンがカルシウム
    イオン(Ca2+)及び/又はマグネシウムイオン(Mg
    +)である請求項6に記載のリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 正極活物質がLiとMnを主成分とした
    立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウムである
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のリチウム二次電
    池。
  10. 【請求項10】 負極活物質が高黒鉛化炭素材料又はハ
    ードカーボンである請求項1〜9のいずれか一項に記載
    のリチウム二次電池。
  11. 【請求項11】 電池容量が2Ah以上である請求項1
    〜10のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  12. 【請求項12】 車載用電池である請求項1〜11のい
    ずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  13. 【請求項13】 電気自動車又はハイブリッド電気自動
    車に用いられる請求項12に記載のリチウム二次電池。
  14. 【請求項14】 エンジン起動用に用いられる請求項1
    2又は13に記載のリチウム二次電池。
JP2001314185A 2001-10-11 2001-10-11 リチウム二次電池 Pending JP2003123836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314185A JP2003123836A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001314185A JP2003123836A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003123836A true JP2003123836A (ja) 2003-04-25

Family

ID=19132541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001314185A Pending JP2003123836A (ja) 2001-10-11 2001-10-11 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003123836A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170287A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池用電極及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP2012009283A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Fdk Corp リチウムイオン二次電池
JP2015090859A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 旭化成株式会社 非水電解質二次電池
JP2015090860A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 旭化成株式会社 非水電解質二次電池
JP2018060692A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 旭化成株式会社 非水系二次電池
CN109891665A (zh) * 2017-03-13 2019-06-14 株式会社Lg化学 具有提高的安全性的用于二次电池的壳体材料及包括该壳体材料的二次电池
JP2019169283A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 住友大阪セメント株式会社 リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池
CN113394449A (zh) * 2021-06-28 2021-09-14 中国科学技术大学 一种锂金属电池用电解液

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009170287A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Mitsubishi Chemicals Corp 非水系電解液二次電池用電極及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP2012009283A (ja) * 2010-06-24 2012-01-12 Fdk Corp リチウムイオン二次電池
JP2015090859A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 旭化成株式会社 非水電解質二次電池
JP2015090860A (ja) * 2013-11-07 2015-05-11 旭化成株式会社 非水電解質二次電池
JP2018060692A (ja) * 2016-10-05 2018-04-12 旭化成株式会社 非水系二次電池
CN109891665A (zh) * 2017-03-13 2019-06-14 株式会社Lg化学 具有提高的安全性的用于二次电池的壳体材料及包括该壳体材料的二次电池
JP2019537208A (ja) * 2017-03-13 2019-12-19 エルジー・ケム・リミテッド 安全性が向上した二次電池用外装材及びそれを含む二次電池
US11183742B2 (en) 2017-03-13 2021-11-23 Lg Chem, Ltd. Casing material for secondary battery having improved safety and secondary battery including the same
CN109891665B (zh) * 2017-03-13 2021-11-23 株式会社Lg化学 具有提高的安全性的用于二次电池的壳体材料及包括该壳体材料的二次电池
JP2019169283A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 住友大阪セメント株式会社 リチウムイオン二次電池用正極材料、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池
CN113394449A (zh) * 2021-06-28 2021-09-14 中国科学技术大学 一种锂金属电池用电解液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4213687B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
JP5049680B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
JP4208865B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
JP5094084B2 (ja) 非水電解質二次電池
EP3379607B1 (en) Electrode structure, secondary battery, battery pack, and vehicle
JP4664978B2 (ja) 酸素陰イオンを含む非水系電解液及びこれを用いたリチウム2次電池
JP2010129332A (ja) 非水電解質二次電池
JP6184588B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
JP2002324585A (ja) 非水電解質二次電池およびその容量回復方法
JP2019160734A (ja) 組電池、電池パック、車両、及び、定置用電源
JP2003208924A (ja) リチウム二次電池
KR20170107368A (ko) 비수전해질 전지, 전지 팩 및 차량
JP2005209469A (ja) リチウム二次電池
JP2005285545A (ja) リチウム二次電池
JP5865951B2 (ja) 非水電解質電池及び電池パック
JP2003123836A (ja) リチウム二次電池
US20200020939A1 (en) Methods to stabilize lithium titanate oxide (lto) by electrolyte pretreatment
JPH11120993A (ja) 非水電解質二次電池
JP3594521B2 (ja) リチウム二次電池の評価方法
JP5741942B2 (ja) リチウム二次電池の容量回復方法
JP2002305035A (ja) リチウム二次電池
JP2002352862A (ja) 電極体の評価方法及びそれを用いたリチウム二次電池、並びにその製造方法
JP2000260469A (ja) リチウム二次電池
JP2001223031A (ja) リチウム二次電池
JP4313982B2 (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080304

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080701