JP2015090860A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用途など、従来と同等以上の過酷な温度や充放電電流の条件で用いられた場合においても、レート特性とサイクル特性の両方に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つに含む、非水電解質二次電池。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年の電子技術の発展や環境技術への関心の高まりに伴い、様々な電気化学デバイスが用いられている。特に、省エネルギー化への要請が多くあり、それに貢献できるものへの期待はますます高くなっている。蓄電デバイスの代表例であり、非水電解質二次電池の代表例でもあるリチウムイオン二次電池は、従来、主として携帯機器用充電地として使用されていたが、近年ではハイブリッド自動車及び電気自動車用電池としての使用も期待されている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池が自動車用途で用いられる場合、従来の携帯機器用として用いられる場合よりも、温度や充放電電流の条件が過酷になる。そこで、そのような過酷な条件においても二次電池として良好に機能するよう、リチウムイオン二次電池には、大電流での使用が可能であることや長寿命が求められている。
従来、これらの特性の改良を目指して、特許文献1に記載されている技術が提案されてきた。
特開2007−220335号公報
しかしながら、特許文献1ではレート特性が不十分である。レート特性とは、大電流で電池を放電させても使用可能であるという特性である。例えば、自動車用途で発進時に速やかに加速するという効果を達成するためには、レート特性が重要である。また、同時にサイクル特性に優れることも重要である。そのため、従来技術では未だ改善の余地がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、自動車用途など、従来と同等以上の過酷な温度や充放電電流の条件で用いられた場合においても、レート特性とサイクル特性の両方に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、正極と、負極と、非水電解質に含まれる合計の水分量が所定の範囲であり、かつ所定量の塩基性化合物を、正極、負極、非水電解質の少なくとも1つが含むことにより、上記課題を解決することを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
〔1〕
正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、
かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つに含む、非水電解質二次電池。
〔2〕
前記非水電解質は、六フッ化リン酸リチウムを含む、前項〔1〕に記載の非水電解質二次電池。
〔3〕
前記正極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、前項〔1〕又は〔2〕に記載の非水電解質二次電池。
〔4〕
前記負極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔5〕
前記非水電解質の水分量が、100ppm以上1000ppm以下である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔6〕
前記塩基性化合物が、PO4 3-、HPO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、及びSiO3 2-からなる群より選ばれる1種以上のアニオンを含む、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔7〕
前記塩基性化合物が、Li+、Na+、K+、Ca2+、及びAl3+からなる群より選ばれる1種以上のカチオンを含む、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔8〕
前記塩基性化合物が、Li3PO4、Na3PO4、K3PO4、Ca3(PO42、AlPO4、及びLi2SiO3からなる群より選ばれる1種以上である、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔9〕
前記塩基性化合物の含有量が、前記正極活物質100質量%に対して、0.1〜4質量%である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔10〕
前記正極活物質は、
一般式(1):
LixMn2-yyz (1)
(式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
で表される酸化物、
一般式(2):
Lixyz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物、
一般式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
で表される酸化物、及び
一般式(8):
Li2MePO4F (8)
(式中、Meは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)で表される酸化物からなる群より選ばれる1種以上である、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔11〕
前記正極活物質の電位が、リチウム基準で4.4V以上である、前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
本発明によれば、従来と同等以上の過酷な温度や充放電電流の条件で用いられた場合においても、レート特性とサイクル特性の両方に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
〔非水電解質二次電池〕
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、
正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、
かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つが含む。
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、塩基性化合物を含む。塩基性化合物の効果発現メカニズムは明確ではないが、塩基性化合物は、正極、負極、非水電解質及びセパレーターのそれぞれに含まれる水に直接溶解、及び/又は、水が関与して生成したフッ化水素酸に溶解することにより、正極、及び/又は、負極の活物質被膜形成反応に関与して、被膜の特性を改善し、レート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果を発揮すると推定される。
〔水分量〕
正極、負極、及び非水電解質に含まれる合計の水分量は、正極、負極、及び非水電解質の総重量に対して、100ppm以上1000ppm以下であり、200ppm以上1000ppm以下が好ましく、300ppm以上800ppm以下がより好ましい。水分量が上記範囲内であることにより、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすく、また過剰量の水に由来する悪影響も抑制できる。一方で、水分量が、100ppm未満であると、塩基性化合物の溶解が不十分となり効果が得られない。また、水分量が、1000ppmを超えると、過剰の水分が非水電解質二次電池に悪影響を及ぼすようになる。
正極に含まれる水分量は、150ppm以上1000ppm以下が好ましく、250ppm以上1000ppm以下がより好ましく、350ppm以上1000ppm以下がさらに好ましい。水分量が、150ppm以上であることにより、塩基性化合物の溶解性が向上し、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすい傾向にある。また、水分量が、1000ppm以下であることにより、過剰の水分に由来する非水電解質二次電池に対する悪影響をより抑制できる傾向にある。
負極に含まれる水分量は、150ppm以上1000ppm以下が好ましく、250ppm以上1000ppm以下がより好ましく、350ppm以上1000ppm以下がさらに好ましい。水分量が、150ppm以上であることにより、塩基性化合物の溶解性が向上し、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすい傾向にある。また、水分量が、1000ppm以下であることにより、過剰の水分に由来する非水電解質二次電池に対する悪影響をより抑制できる傾向にある。
非水電解質に含まれる水分量は、100ppm以上1000ppm以下が好ましく、150ppm以上1000ppm以下がより好ましく、200ppm以上1000ppm以下がさらに好ましい。水分量が、100ppm以上であることにより、塩基性化合物の溶解性が向上し、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすい傾向にある。また、水分量が、1000ppm以下であることにより、過剰の水分に由来する非水電解質二次電池に対する悪影響をより抑制できる傾向にある。
また、セパレーターに含まれる水分量も、好ましくは0.1ppm以上500ppm以下であり、1ppm以上500ppm以下がより好ましく、10ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。水分量が上記範囲内であることにより、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすく、かつ過剰の水分に由来する悪影響も抑制できる傾向にある。
正極、負極、及び非水電解質の各水分量は、従来公知の方法により測定可能であり、例えば、実施例に記載のカールフィッシャー滴定により測定を行うことができる。また、セパレーターの水分量も、従来公知の方法により測定可能であるが、例えば、非水電解質の水分量測定と同様のカールフィッシャー滴定により測定を行うことができる。
また、充放電サイクル後の正極、負極、非水電解質、およびセパレーターの各水分量は、従来公知の方法により測定可能であり、例えばカールフィッシャー滴定により測定を行うことができる。
〔塩基性化合物〕
本実施形態に用いられる塩基性化合物は、従来公知の塩基性を示す化合物であれば、用いることができる。塩基性化合物に含まれるアニオンの塩基解離定数(pKb)は、好ましくは11以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは2以下である。塩基解離定数が上記範囲内であることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上する傾向にある。
塩基性化合物に含まれるアニオンとしては、特に限定されないが、例えば、PO4 3-、HPO4 2-、H2BO3 -、CO3 2-、HCO3 -、SiO3 2-、AsO2 -、AsO3 3-、HAsO3 2-、H2AsO3 -、AsO4 3-、HAsO4 2-、BrO-、CN-、CNO-、IO-、BrO-、ClO-、MoO4 2-、HMoO4 -、N3 -、N22 2-、HN22 -、SCN-、NO2 -、HPO3 2-、H227 2-、H327 -、H3310 2-、H4PO310 -、S2-、HS-、SO3 2-、Se2-、SeO3 2-、SiO2(OH)2 2-、HSiO2(OH)2 -、TeO3 2-、TeO4 2-、HTeO4 -、VO4 3-、HVO4 2-、H2VO4 -、WO4 2-、HWO4 -、AgO-、H2AlO3 -、CrO4 -、GeO3 2-、HGeO3 -、SbO2 -、Te-、H2AuO3 -、及びH2GaO3 -からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。このなかでも、PO4 3-、HPO4 2-、CO3 2-及びHCO3 -からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、PO4 3-及びHPO4 2-からなる群より選ばれる1種以上がさらに好ましい。このようなアニオンを用いることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上する傾向にある。
なお、塩基性化合物に含まれるアニオンは、上述のような無機アニオンに限定されず、塩基解離定数(pKb)が11以下のアニオンであればよく、有機アニオンであってもよい。
塩基性化合物に含まれるカチオンとしては、特に限定されないが、例えば、Li+、Na+、及びK+等のアルカリ金属、Be2+、Mg2+及びCa2+等のアルカリ土類金属、並びに、Al3+からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、Li+、Na+、K+、Ca2+、及びAl3+からなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。このようなカチオンを用いることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上する傾向にある。
塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、Li3PO4、Li2CO3、Na3PO4、Na2CO3、K3PO4、K2CO3、Ca3(PO42、CaCO3、AlPO4及びAl2(CO33からなる群より選ばれる1種以上が好ましく、Li3PO4、Na3PO4、K3PO4、Ca3(PO42、及びAlPO4からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、Na3PO4、K3PO4、及びCa3(PO42からなる群より選ばれる1種以上がさらに好ましい。このような塩基性化合を用いることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上する傾向にある。また、水への溶解性が向上する為、コーティング等といった使用方法の幅を広げることもできる。さらに、コストを低下させることができるといった利点もある。
塩基性化合物の含有量は、正極、負極、及び非水電解質に含まれる合計の水分量に対してモル比で0.5〜10倍量であり、1〜8倍量が好ましく、1〜5倍量がより好ましい。塩基性化合物の含有量が上記範囲内であることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上し、内部抵抗の増大を抑制できる。一方で、塩基性化合物の含有量が、正極、負極、及び非水電解質に含まれる合計の水分量に対してモル比で0.5倍未満であると、レート特性とサイクル特性の両方に優れる効果が小さくなる。また、塩基性化合物の含有量が、正極、負極、及び非水電解質に含まれる合計の水分量に対してモル比で10倍を超えると、正極、負極、非水電解質及びセパレーターのそれぞれに含まれる水、及び/又は水が関与して生成したフッ化水素酸に溶解しきれなくなった塩基性化合物が電池内部で抵抗となり、電池特性が悪化する。
また、塩基性化合物の含有量は、正極活物質100質量%に対して、好ましくは0.1〜4質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%であり、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。塩基性化合物の含有量が上記範囲内であることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上し、コストにも優れる傾向にある。
塩基性化合物は、固体状のものであると好ましい。塩基性化合物が固体状の粒子である場合、平均粒径は特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。平均粒径が0.1μm以上であることにより、塩基性化合物による効果を長時間持続でき、優れたサイクル特性、及びレート特性を長期にわたって維持できる傾向にある。また、平均粒径が50μm以下であることにより、レート特性などの電池特性を良好に維持できる傾向にある。平均粒径は、従来公知の方法により測定可能であるが、例えばレーザ回折式粒子径分布測定装置によって測定され、大粒子と小粒子とが等量となるメジアン径(d50)を平均粒径として用いることができる。
〔正極〕
本実施形態に用いられる正極は、正極活物質と、導電材と、結着材と、集電体とを含むことが好ましい。
正極活物質は、コストの観点から、マンガンを含むリチウム遷移金属酸化物を含むことが好ましい。そのような酸化物としては、例えば、下記一般式(1)、(3)及び(7)で表される化合物が挙げられる。
正極に含まれる正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な公知のものを用いることができる。その中でも、正極活物質としては、リチウムを含む材料が好ましい。正極活物質としては、例えば、下記一般式(1):
LixMn2-yyz (1)
(式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
で表される酸化物、下記一般式(2):
Lixyz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物、下記一般式(3):
LiMn2-xMax4 (3)
(式中、Maは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.2≦x≦0.7である。)
で表されるスピネル型酸化物、下記一般式(4):
Li2McO3 (4)
(式中、Mcは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)
で表される酸化物と、下記一般式(5):
LiMdO2 (5)
(式中、Mdは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)
で表される酸化物との複合酸化物であって、下記一般式(6):
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2 (6)
(式中、Mc及びMdは、それぞれ上記式(4)及び(5)におけるものと同義であり、0≦z≦0.9である。)
で表される層状酸化物正極活物質、下記一般式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
で表されるオリビン型正極活物質、及び、下記一般式(8):
Li2MePO4F (8)
(式中、Meは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)で表される酸化物が挙げられる。これらの正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
このなかでも、正極活物質は、一般式(1)で表される酸化物、及び一般式(2)で表される層状酸化物、一般式(7)で表されるオリビン型正極活物質、及び一般式(8)で表される酸化物からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。このような正極活物質を用いることにより、レート特性とサイクル特性により優れる傾向にある。
正極活物質の比表面積は、0.5m2/g以上が好ましく、1m2/g以上5.0m2/g以下がより好ましく、2m2/g以上5m2/g以下がさらに好ましい。正極活物質の比表面積が0.5m2/g以上であることにより、正極活物質の表面で起こる電解質分解の副反応が進行しやすく、付随して発生するフッ化水素酸に塩基性化合物が溶解しやすくなり、塩基性化合物による効果がより向上する傾向にある。また、比表面積が5.0m2/g以下であることにより、放電特性などの電池特性がより向上する傾向にある。
さらに、正極活物質の電位は、リチウム基準で、好ましくは4.4V以上であり、より好ましくは4.5V以上であり、さらに好ましくは4.6V以上である。正極活物質の電位がリチウム基準で4.4V以上である場合、一般的には電解質が分解しやすくなり電池性能が低下する傾向にあるが、本実施形態では、付随して発生するフッ化水素酸に塩基性化合物溶解するため、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の向上効果が発揮される。そのため、本実施形態に係る非水電解質二次電池は、正極活物質の電位を高くする場合に好適に用いることができる。
正極に含まれ得る導電材としては、特に限定されないが、例えば、電子を伝導できる公知のものを用いることができる。その中でも、導電材としては、活性炭、各種コークス、カーボンブラック及びアセチレンブラックなどの非黒鉛炭素質材料及び黒鉛が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極に含まれ得る結着材としては、特に限定されないが、例えば、正極活物質、正極に含まれ得る導電材、及び正極に含まれ得る集電体のうち少なくとも2つを結着できる公知のものを用いることができる。その中でも、結着材としては、ポリフッ化ビニリデン及びフッ素ゴムが好ましい。結着材は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極に含まれ得る集電体としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス等の金属箔、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、及びカーボンペーパーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
正極の水分量をコントロールする方法としては、下記の方法が考えられるが、これらに限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
正極活物質について、水分量を少なくする方法としては、活物質合成時の焼成雰囲気を変更すること、合成された活物質を60〜250℃で加熱処理すること、好ましくは、真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。また、水分量を多くする方法としては、大気中に活物質を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。
導電材について、水分量を少なくする方法としては、保管時の水分管理をすること、導電材を60〜250℃で加熱処理すること、好ましくは、真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にて導電材を保管すること等が考えられる。また、水分量を多くする方法としては、大気中に導電材を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にて導電材を保管すること等が考えられる。
バインダー溶媒について、水分量を少なくする方法としては、蒸留、精製する方法や、モレキュラシーブス等の公知の脱水剤をバインダー溶媒に添加する方法等が考えられる。また、水分量を多くする方法としては、大気中にバインダー溶媒を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気をバインダー溶媒にバブリングさせること、湿度60%以上の大気気流下にてバインダー溶媒を保管すること等が考えられる。
また、少なくとも正極活物質と、導電材と、結着材と、集電体とで構成された正極の状態で、水分量をコントロールすることもできる。水分量を少なくする方法としては、60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜250℃で真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中に正極を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にて正極を保管すること等が考えられる。
あるいは、非水電解質二次電池製造時に、例えば、正極、負極、及びセパレーターを組み合わせた状態でも、水分量をコントロールすることができる。水分量を少なくする方法としては、60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜250℃で真空加熱処理すること等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中に保管すること、好ましくは湿度60%以上の大気気流下にて保管すること等が考えられる。
本実施形態に用いられる塩基性化合物が、正極に含まれる場合、正極活物質、導電材、及び結着材のうち少なくとも1種に混合して用いることができる。また、塩基性化合物を、正極活物質、導電材、及び集電体のうち少なくとも1種の表面に、被覆させたり、部分的に付着させたりしてもよい。さらに、正極活物質、導電材、結着材及び集電体を含む電極の表面に、塩基性化合物を被覆させてもよい。より具体的には、例えば、塩基性化合物とポリマーとを含む担持層を電極の表面に形成させて2層構造にしてもよい。塩基性化合物は、溶融させて結着材として用いることもできる。
〔負極〕
本実施形態に用いられる負極は、負極活物質と、結着材と、集電体とを含むことが好ましい。
負極に含まれ得る負極活物質としては、特に限定されないが、例えば、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵及び放出可能な公知のものを用いることができる。その中でも、負極活物質としては、例えば、黒鉛粉末、メソフェーズ炭素繊維、及びメソフェーズ小球体などの炭素材料、並びに、金属、合金、酸化物及び窒化物が好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極に含まれ得る結着材としては、特に限定されないが、例えば、負極活物質、負極に含まれ得る導電材、及び負極に含まれ得る集電体のうち少なくとも2つを結着できる公知のものを用いることができる。その中でも、結着材として、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス、アクリル系ラテックス及びポリフッ化ビニリデンが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極に含まれ得る集電体としては、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル及びステンレスなどの金属箔、エキスパンドメタル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、並びに、カーボンペーパーが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
負極の水分量をコントロールする方法としては、下記の方法が考えられるが、これらに限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
負極活物質について、水分量を少なくする方法としては、活物質を60〜250℃で加熱処理すること、好ましくは、真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。また、水分量を多くする方法としては、大気中に活物質を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。
また、少なくとも負極活物質と、結着材と、集電体とで構成された負極の状態で、水分量をコントロールすることもできる。水分量を少なくする方法としては、60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜250℃で真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にて活物質を保管すること等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中に負極を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にて負極を保管すること等が考えられる。
あるいは、非水電解質二次電池製造時に、例えば、正極、負極、およびセパレーターを組み合わせた状態でも、水分量をコントロールすることができる。水分量を少なくする方法としては、60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜250℃で真空加熱処理すること等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中に保管すること、好ましくは湿度60%以上の大気気流下にて保管すること等が考えられる。
本実施形態に用いられる塩基性化合物が、負極に含まれる場合、負極活物質、及び結着材のうち少なくとも1種に混合して用いることができる。また、塩基性化合物を、負極活物質及び集電体のうち少なくとも1種の表面に、被覆させたり、部分的に付着させたりしてもよい。さらに、負極活物質、結着材、及び集電体を含む電極の表面に、塩基性化合物を被覆させてもよい。より具体的には、例えば、塩基性化合物とポリマーとを含む担持層を電極の表面に形成させて2層構造にしてもよい。塩基性化合物は、溶融させて結着材として用いることもできる。
〔非水電解質〕
本実施形態で用いる非水電解質に用いられる電解質(塩)としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。このような電解質としては、特に限定されないが、例えば、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2k2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2k2k+12〔kは1〜8の整数〕、Li(CF3SO23C、LiBF4、LiBF3(C25)、LiB(C654、LiB(C242、LiB(C654、LiPFn(Ck2k+16-n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF4(C24)、及びLiPF2(C242が挙げられる。これらの中では、LiPF6が好ましい。このような電解質を用いることにより、良好なサイクル特性を有する非水電解質二次電池を製造することができる。これらの電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いる非水電解質に用いられる非水溶媒としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。非水溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒が好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート及び4,5−ジフルオロエチレンカーボネートに等の環状カーボネート;γーブチルラクトン及びγーバレロラクトン等のラクトン;スルホラン等の環状スルホン;テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル;エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート及びメチルトリフルオロエチルカーボネート等の鎖状カーボネート;アセトニトリル等のニトリル;ジメチルエーテル等の鎖状エーテル;プロピオン酸メチル等の鎖状カルボン酸エステル;ジメトキシエタン等の鎖状エーテルカーボネート化合物が挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態の非水電解質は、液体電解質であってもよく、固体電解質であってもよい。
非水電解質の水分量をコントロールする方法としては、下記の方法が考えられるが、これらに限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。水分量を少なくする方法としては、蒸留、精製する方法や、モレキュラシーブス等の公知の脱水剤をバインダー溶媒に添加する方法等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中に非水電解質を保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気で非水電解質をバブリングすることや湿度60%以上の大気気流下にて非水電解質を保管すること等が考えられる。
本実施形態に用いられる塩基性化合物が、非水電解質に含まれる場合、塩基性化合物を非水溶媒に混合して用いることができる。また、塩基性化合物を固体電解質に混合しても用いることができる。
〔セパレーター〕
本実施形態に用いられ得るセパレーターとしては、非水電解質二次電池に用いられる従来公知のものを用いることができる。セパレーターとしては、特に限定されないが、例えば、従来の非水電解質二次電池に用いられる、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂の微多孔膜が挙げられる。その他、セパレーターとして、特に限定されないが、例えば、セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂及びポリオレフィンなどの樹脂、並びに、アルミナ及びシリカなどの無機物の1種を単独で又は2種以上の混合物を含む、又は被覆させた不織布、抄紙、多孔膜などの構造体、固体電解質のフィルムが挙げられる。セパレーターは、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであればよい。
セパレーターの水分量が上記範囲内にあることが好ましい。セパレーターの水分量をコントロールする方法としては、下記の方法が考えられるが、これらに限定されるものではなく従来公知の方法を使用することができる。水分量を少なくする方法としては、セパレーターを60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜100℃で真空加熱処理すること、又は露点−10℃以下の乾燥空気気流下にてセパレーターを保管すること等が考えられる。水分量を多くする方法としては、大気中にセパレーターを保管すること、好ましくは、湿度60%以上の大気気流下にてセパレーターを保管すること等が考えられる。
あるいは、非水電解質二次電池製造時に、例えば、正極、負極、及びセパレーターを組み合わせた状態で、60〜100℃で加熱処理すること、好ましくは、60〜250℃で真空加熱処理すること等が考えられる。
本実施形態に用いられる塩基性化合物が、セパレーターに含まれる場合、セパレーターの表面に塩基性化合物を被覆させて用いることができる。また、セパレーターに塩基性化合物を混合して用いることもできる。さらに、複数のセパレーター間に塩基性化合物を挟んで用いることもできる。また、塩基性化合物を薄膜に加工して、それ自体をセパレーターとして用いることもできる。
〔外装体〕
本実施形態に用いられ得る外装体は、従来公知のものを用いることができる。外装体の材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、鉄及びアルミニウムなどの金属、並びに、その金属の表面を樹脂で被覆したラミネートフィルムが挙げられる。
ラミネートフィルムを用いた非水電解質二次電池では、高温下では正極及び/又は負極と電解液との反応によりガスが発生するため、外装体の膨張による電池性能劣化や安全性の低下が問題として挙げられる。本実施形態の塩基性化合物を含むことで、溶解した塩基性化合物が正極及び/又は負極と電解液との反応に関与してガス発生を抑制できると考えられる。そのため外装体としては膨張の影響を受けやすいラミネートフィルムや金属の角型を用いた場合、ガス発生による電池外装体の膨張を抑制できるため、より効果的である。
本実施形態に用いられる塩基性化合物が外装体に含まれる場合、外装体に塩基性化合物を被覆させたり、外装体に用いられる上記材料と塩基性化合物とを混合したりして、塩基性化合物を用いることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池は、上述の構成を有する他は、従来公知のものと同様の構成を有していてもよい。本実施形態の非水電解質二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオンキャパシタが挙げられる。また、本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、塩基性化合物を上述のようにして含ませる他は、従来の非水電解質二次電池の製造方法と同様であればよい。
本実施形態の非水電解質二次電池は、自動車用途など、従来と同等以上の過酷な温度や充放電電流の条件で用いられた場合においても、レート特性とサイクル特性の両方に優れたものとなる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(正極の製造)
水酸化リチウム、水酸化ニッケル、水酸化マンガン及び水酸化コバルトを金属元素のモル比で3:1:1:1になるように混合後、800℃の温度で8時間加熱後、冷却しLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2を合成した。合成した粉末を粉砕及び分級して平均粒径15μmのLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ1を用いて窒素により測定、BET法により算出したところ、0.5m2/gであった。
上記のようにして得られた正極活物質100質量部に対して、導電材として平均粒径3.3μmのグラファイト粉末(ティムカル社製、製品名KS6)2質量部と、平均粒径0.04μmの非黒鉛質炭素粉末(電気化学工業社製、製品名HS100)4質量部と、平均粒径12μmの固体状の粒子であるNa3PO41.5質量部と、を混合し、コンパウンドとした。
得られたコンパウンドをポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、製品名L#7208)6質量部を含むN−メチル−2−ピロリドン溶液に分散させ、固形分60質量%になるように分散液を調製した。
この分散液を厚さ15μmのアルミニウム箔上に均一な厚さに塗工し、乾燥する工程をアルミニウム箔の表裏面にそれぞれ2回行って両面塗布した。その後、ロールプレスを行い、大気中に1日保存して正極を得た。得られた正極の塗布量は両面で490g/m2であり、活物質かさ密度は2.4g/cm3であった。
また、上記正極の水分量を、水分計(京都電子工業(株)製、製品名:本体MKC−610、水分気化装置ADP−611)を用いて、温度200℃で水分気化法でのカールフィッシャー滴定法で測定したところ、200ppmであった。
(負極の製造)
次に負極材料として、平均粒径10μmの天然黒鉛と平均粒径5μmの人造黒鉛を用いた。平均粒径10μmの天然黒鉛(大阪ガスケミカル社製、製品名OMAC1.2H/SS)を90質量部と、平均粒径5μmの人造黒鉛(ティムカル社製、製品名SFG6)を10質量部と、カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム社製、製品名DN−800H)を1.4質量部と、スチレン/ブタジエンラテックスを固形分として1.8質量部と、をそれぞれ混合し、水を分散媒として分散液とした。このとき、分散液の固形分濃度は50質量%であった。これを厚さ12μmの銅箔上に均一な厚さに塗工し、銅箔の表裏面に乾燥する工程をそれぞれ2回行って両面塗布した。その後、ロールプレスを行い、大気中に1日保存して負極を得た。得られた負極の塗布量は両面で210g/m2であり、活物質かさ密度は1.5g/cm3であった。
また、上記負極の水分量を、水分計(京都電子工業(株)製、製品名:本体MKC−610、水分気化装置ADP−611)を用いて、温度200℃で水分気化法でのカールフィッシャー滴定法で測定したところ、240ppmであった。
続いて以上のように作製した正極と負極を、幅約55mm、長さ70cmに切断したものを、厚さ18μmのポリエチレン製微多孔膜のセパレーター(空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)を介してロール状に径約17mmで巻き取った。この巻き取ったコイルを径約18mm、長さ65mmの鉄製の円筒缶に入れ、さらにLiPF6を1mol/L溶解した電解液を約5g入れ、封口して円筒電池を作製した。なお、電解液はエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比で3:7含み、大気中に5時間保存したものを用いた。
円筒電池作製に用いた上記電解液の水分量を、水分計(京都電子工業(株)製、製品名:本体MKC−610、水分気化装置ADP−611)を用いて、カールフィッシャー滴定法で測定したところ、150ppmであった。
上記円筒電池作製に用いた正極、負極、及び電解液の各々の重量とカールフィッシャー滴定で測定した値から、正極、負極、及び電解液に存在する合計の水分量は0.00039molで、正極、負極、及び電解液の総重量に対しての合計の水分量は208ppmであった。
また、上記合計の水分量に対する用いた塩基性化合物のモル比は、3.0であった。
(レート特性評価)
上記のようにして得られた円筒電池を、アスカ電子(株)製、製品名ACD−01を用いて、20℃一定の恒温槽中で1サイクル目に0.3C定電流で4.2V定電位(正極・負極間電位)で8時間充電した後、0.3C定電流で3.0Vの電位まで放電した(1回目の充放電)。ここで、「1.0C」とは、満充電状態の電池が電気量を1時間で放電できる電流値であり、この電池の1.0Cは2000mAに相当した。1回目の充放電後、20℃一定の恒温槽中で、0.5C、4.2Vの定電流定電圧方式で5時間充電した後、3.0Cで3Vまで放電させた。このとき、次の式で示される3Cのレート特性は80%であった。結果を表1に示す。
3Cレート特性(%)=[(3Cの放電量)/(0.3Cの放電量)]×100
(サイクル特性評価)
上記のようにして得られた円筒電池を、アスカ電子(株)製、製品名ACD−01を用いて、20℃一定の恒温槽中で1サイクル目に0.3C定電流で4.2V定電位(正極・負極間電位)で8時間充電した後、0.3C定電流で3.0Vの電位まで放電した(1回目の充放電)。1回目の充放電後、50℃一定の恒温槽中で、1.0C、4.2Vの定電流定電圧方式で3時間充電した後、1.0Cで3.0Vまで放電するサイクルを300回繰り返した。このとき、次の式で示される300サイクル放電量維持率(サイクル特性)は87%であった。結果を表1に示す。
300サイクル放電量維持率(%)=[(300サイクル目の放電量)/(2サイクル目の放電量)]×100
〔実施例2〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.1質量部のLi3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例2の正極を得た。この実施例2の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例3〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.9質量部のK3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例3の正極を得た。この実施例3の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例4〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、2.8質量部のCa3(PO42を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例4の正極を得た。この実施例4の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例5〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.1質量部のAlPO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例5の正極を得た。この実施例5の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例6〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.7質量部のLi2CO3を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例6の正極を得た。この実施例6の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例7〕
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.9質量部のLi2SiO3を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例7の正極を得た。この実施例7の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例8〕
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.9質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、正極を得た。この正極を大気中に3日間保存して実施例8の正極を得た。この正極の水分量を測定したところ960ppmであった。上記実施例8の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例9〕
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.7質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例9の正極を得た。実施例1の負極を大気中に3日間保存して、実施例9の負極を得た。この負極の水分量を測定したところ930ppmであった。記実施例9の正極及び負極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例10〕
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.2質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例10の正極を得た。実施例1の電解液を大気中に3日間保存して、実施例10の電解液を得た。この電解液の水分量を測定したところ950ppmであった。上記実施例10の正極及び電解液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例11〕
炭酸リチウム、シュウ酸鉄二水和物、及びリン酸水素二アンモニウムをLi、Fe、Pのモル比で1:1:1になるように混合後、窒素雰囲気下で800℃の温度で8時間加熱後、冷却しLiFePO4を合成した。合成した粉末を粉砕・分級して平均粒径0.2μmのLiFePO4を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ1を用いて窒素により測定し、BET法により算出したところ、4.5m2/gであった。
上記のようにして得られた正極活物質100質量部に対して、導電材として平均粒径3.3μmのグラファイト粉末(ティムカル社製、製品名KS6)2質量部、平均粒径0.04μmの非黒鉛質炭素粉末(電気化学工業社製、製品名HS100)4質量部と平均粒径45μmの固体状の粒子であるK3PO4を2.6質量部となるように混合し、コンパウンドとした。
上記以外は、実施例1と同様の操作により、実施例11の正極を得た。得られた正極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ、160ppmであった。
実施例1と同様の操作により得られた負極を、120℃、3時間真空乾燥して、実施例11の負極を得た。得られた負極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ、190ppmであった。
実施例1で用いた電解液を、モレキュラーシ−ブス(5A)を添加して、1時間脱水処理を行い、実施例11の電解液を得た。得られた電解液の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ、110ppmであった。
上記実施例11の正極、負極及び電解液を用い、充電電圧3.6V、放電電圧2.0Vにしたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例12〕
3PO4を使用しなかったこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例12の正極を得た。
負極材料として、平均粒径10μmの天然黒鉛と平均粒径5μmの人造黒鉛の合計100質量部に対して、K3PO4を5質量部さらに混合したこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例12の負極を得た。
上記実施例12の正極と負極を用いたこと以外は実施例11と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例13〕
3PO4を混合しなかったこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例13の正極を得た。
電解液として、電解液100質量部に対して、6質量部のK3PO4を加えたこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例13の電解液を得た。
上記実施例13の正極と電解液を用いたこと以外は実施例11と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例14〕
遷移金属元素のモル比として1:3の割合の硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを、水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lになるようにニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。次いで、このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液2000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間滴下した。なお、滴下時には、攪拌の下、200mL/minの流量の空気を水溶液中にバブリングしながら吹き込んだ。これにより析出物質が発生し、得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄し、乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下において1000℃で5時間焼成し、LiNi0.5Mn1.54を合成した。合成した粉末を粉砕・分級して平均粒径10μmのLiNi0.5Mn1.54を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いて窒素により測定し、BET法により算出したところ、0.6m2/gであった。
上記のようにして得られた正極活物質100質量部に対して、導電材として平均粒径3.3μmのグラファイト粉末(ティムカル社製、製品名KS6)2質量部と、平均粒径0.04μmの非黒鉛質炭素粉末(電気化学工業社製、製品名HS100)4質量部と、平均粒径12μmの固体状の粒子であるNa3PO40.3質量部と、を混合し、コンパウンドとした。
上記以外は、実施例11と同様の操作により、実施例14の正極を得た。この実施例14の正極を用い、充電電圧4.8V、放電電圧3.0Vにしたこと以外は実施例11と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例15〕
平均粒径12μmのNa3PO40.3質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.5質量部の平均粒径12μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により、実施例15の正極を得た。上記実施例15の正極を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔実施例16〕
平均粒径12μmのNa3PO40.3質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、3.9質量部の平均粒径12μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により、実施例16の正極を得た。上記実施例16の正極を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔比較例1〕
Na3PO4を混合しなかったこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例1の正極を得た。この比較例1の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔比較例2〕
Na3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、4.3質量部のCa3(PO42を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例2の正極を得た。この比較例2の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔比較例3〕
Na3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.14質量部のLi3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例3の正極を得た。この比較例3の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例1において、大気中に1日保存する代わりに、80℃、12時間真空乾燥して比較例4の正極を得た。得られた正極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ90ppmであった。
また、大気中に1日保存する代わりに、80℃、12時間真空乾燥して比較例4の負極を得た。得られた負極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ110ppmであった。
実施例1で用いた電解液を、モレキュラーシーブス(5A)を添加して、12時間脱水処理して比較例4の電解液を得た。得られた電解液の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ50ppmであった。
上記比較例4の正極、負極及び電解液を用い、Na3PO4を正極100質量部に対して0.7質量部加えたこと以外は、実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、大気中に1日保存する代わりに、大気中に5日保存して比較例5の正極を得た。得られた正極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ1200ppmであった。
また、大気中に1日保存する代わりに、大気中に5日保存して比較例5の負極を得た。得られた負極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ1050ppmであった。
実施例1で用いた電解液を、大気中に2日保存して比較例5の電解液を得た。得られた電解液の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ850ppmであった。
上記比較例5の正極、負極及び電解液を用い、Na3PO4を正極100質量部に対して7.9質量部加えたこと以外は、実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Figure 2015090860
本発明に係る、塩基性化合物を用いた非水電解質二次電池は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなどの非水電解質二次電池として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. 正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
    前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、
    かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つに含む、非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解質は、六フッ化リン酸リチウムを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記正極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記負極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記非水電解質の水分量が、100ppm以上1000ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記塩基性化合物が、PO4 3-、HPO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、及びSiO3 2-からなる群より選ばれる1種以上のアニオンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記塩基性化合物が、Li+、Na+、K+、Ca2+、及びAl3+からなる群より選ばれる1種以上のカチオンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記塩基性化合物が、Li3PO4、Na3PO4、K3PO4、Ca3(PO42、AlPO4、及びLi2SiO3からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記塩基性化合物の含有量が、前記正極活物質100質量%に対して、0.1〜4質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  10. 前記正極活物質は、
    一般式(1):
    LixMn2-yyz (1)
    (式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
    で表される酸化物、
    一般式(2):
    Lixyz (2)
    (式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
    で表される層状酸化物、
    一般式(7):
    LiMb1-yFeyPO4 (7)
    (式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
    で表される酸化物、及び
    一般式(8):
    Li2MePO4F (8)
    (式中、Meは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)で表される酸化物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  11. 前記正極活物質の電位が、リチウム基準で4.4V以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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