JP6374650B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
〔1〕
正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、かつ前記非水電解質の水分量が、100ppm以上1000ppm以下であり、
かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つに含み、
前記正極活物質が、
一般式(1):
LixMn2-yMyOz (1)
(式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
で表される酸化物、
一般式(2):
LixMyOz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物、及び
一般式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
で表される酸化物からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記塩基性化合物の含有量が、前記正極活物質100質量%に対して、0.1〜4質量%である、
非水電解質二次電池。
〔2〕
前記正極活物質が、一般式(2):
LixMyOz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物を含む、
〔1〕に記載の非水電解質二次電池。
〔3〕
前記非水電解質は、六フッ化リン酸リチウムを含む、〔1〕又は〔2〕に記載の非水電解質二次電池。
〔4〕
前記正極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔5〕
前記負極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔6〕
前記塩基性化合物が、PO4 3-、HPO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、及びSiO3 2-からなる群より選ばれる1種以上のアニオンを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔7〕
前記塩基性化合物が、Li+、Na+、K+、Ca2+、及びAl3+からなる群より選ばれる1種以上のカチオンを含む、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔8〕
前記塩基性化合物が、Li3PO4、Na3PO4、K3PO4、Ca3(PO4)2、AlPO4、及びLi2SiO3からなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
〔9〕
前記正極活物質の電位が、リチウム基準で4.4V以上である、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
本実施形態に係る非水電解質二次電池は、
正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、
かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つが含む。
正極、負極、及び非水電解質に含まれる合計の水分量は、正極、負極、及び非水電解質の総重量に対して、100ppm以上1000ppm以下であり、200ppm以上1000ppm以下が好ましく、300ppm以上800ppm以下がより好ましい。水分量が上記範囲内であることにより、塩基性化合物によるレート特性とサイクル特性の両方を向上させる効果が得られやすく、また過剰量の水に由来する悪影響も抑制できる。一方で、水分量が、100ppm未満であると、塩基性化合物の溶解が不十分となり効果が得られない。また、水分量が、1000ppmを超えると、過剰の水分が非水電解質二次電池に悪影響を及ぼすようになる。
また、充放電サイクル後の正極、負極、非水電解質、およびセパレーターの各水分量は、従来公知の方法により測定可能であり、例えばカールフィッシャー滴定により測定を行うことができる。
本実施形態に用いられる塩基性化合物は、従来公知の塩基性を示す化合物であれば、用いることができる。塩基性化合物に含まれるアニオンの塩基解離定数(pKb)は、好ましくは11以下であり、より好ましくは8以下であり、さらに好ましくは2以下である。塩基解離定数が上記範囲内であることにより、レート特性とサイクル特性の両方がより向上する傾向にある。
本実施形態に用いられる正極は、正極活物質と、導電材と、結着材と、集電体とを含むことが好ましい。
LixMn2-yMyOz (1)
(式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
で表される酸化物、下記一般式(2):
LixMyOz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物、下記一般式(3):
LiMn2-xMaxO4 (3)
(式中、Maは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.2≦x≦0.7である。)
で表されるスピネル型酸化物、下記一般式(4):
Li2McO3 (4)
(式中、Mcは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)
で表される酸化物と、下記一般式(5):
LiMdO2 (5)
(式中、Mdは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)
で表される酸化物との複合酸化物であって、下記一般式(6):
zLi2McO3−(1−z)LiMdO2 (6)
(式中、Mc及びMdは、それぞれ上記式(4)及び(5)におけるものと同義であり、0≦z≦0.9である。)
で表される層状酸化物正極活物質、下記一般式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
で表されるオリビン型正極活物質、及び、下記一般式(8):
Li2MePO4F (8)
(式中、Meは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。)で表される酸化物が挙げられる。これらの正極活物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態に用いられる負極は、負極活物質と、結着材と、集電体とを含むことが好ましい。
本実施形態で用いる非水電解質に用いられる電解質(塩)としては、特に限定されず従来公知のものを用いることができる。このような電解質としては、特に限定されないが、例えば、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiOSO2CkF2k+1〔kは1〜8の整数〕、LiN(SO2CkF2k+1)2〔kは1〜8の整数〕、Li(CF3SO2)3C、LiBF4、LiBF3(C2F5)、LiB(C6F5)4、LiB(C2O4)2、LiB(C6H5)4、LiPFn(CkF2k+1)6-n〔nは1〜5の整数、kは1〜8の整数〕、LiPF4(C2O4)、及びLiPF2(C2O4)2が挙げられる。これらの中では、LiPF6が好ましい。このような電解質を用いることにより、良好なサイクル特性を有する非水電解質二次電池を製造することができる。これらの電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に用いられ得るセパレーターとしては、非水電解質二次電池に用いられる従来公知のものを用いることができる。セパレーターとしては、特に限定されないが、例えば、従来の非水電解質二次電池に用いられる、ポリエチレン及びポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂の微多孔膜が挙げられる。その他、セパレーターとして、特に限定されないが、例えば、セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂及びポリオレフィンなどの樹脂、並びに、アルミナ及びシリカなどの無機物の1種を単独で又は2種以上の混合物を含む、又は被覆させた不織布、抄紙、多孔膜などの構造体、固体電解質のフィルムが挙げられる。セパレーターは、イオンの透過性が高く、かつ正極と負極とを電気的に隔離する機能を有するものであればよい。
本実施形態に用いられ得る外装体は、従来公知のものを用いることができる。外装体の材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス、鉄及びアルミニウムなどの金属、並びに、その金属の表面を樹脂で被覆したラミネートフィルムが挙げられる。
(正極の製造)
水酸化リチウム、水酸化ニッケル、水酸化マンガン及び水酸化コバルトを金属元素のモル比で3:1:1:1になるように混合後、800℃の温度で8時間加熱後、冷却しLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2を合成した。合成した粉末を粉砕及び分級して平均粒径15μmのLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ1を用いて窒素により測定、BET法により算出したところ、0.5m2/gであった。
次に負極材料として、平均粒径10μmの天然黒鉛と平均粒径5μmの人造黒鉛を用いた。平均粒径10μmの天然黒鉛(大阪ガスケミカル社製、製品名OMAC1.2H/SS)を90質量部と、平均粒径5μmの人造黒鉛(ティムカル社製、製品名SFG6)を10質量部と、カルボキシメチルセルロース(ダイセルファインケム社製、製品名DN−800H)を1.4質量部と、スチレン/ブタジエンラテックスを固形分として1.8質量部と、をそれぞれ混合し、水を分散媒として分散液とした。このとき、分散液の固形分濃度は50質量%であった。これを厚さ12μmの銅箔上に均一な厚さに塗工し、銅箔の表裏面に乾燥する工程をそれぞれ2回行って両面塗布した。その後、ロールプレスを行い、大気中に1日保存して負極を得た。得られた負極の塗布量は両面で210g/m2であり、活物質かさ密度は1.5g/cm3であった。
上記のようにして得られた円筒電池を、アスカ電子(株)製、製品名ACD−01を用いて、20℃一定の恒温槽中で1サイクル目に0.3C定電流で4.2V定電位(正極・負極間電位)で8時間充電した後、0.3C定電流で3.0Vの電位まで放電した(1回目の充放電)。ここで、「1.0C」とは、満充電状態の電池が電気量を1時間で放電できる電流値であり、この電池の1.0Cは2000mAに相当した。1回目の充放電後、20℃一定の恒温槽中で、0.5C、4.2Vの定電流定電圧方式で5時間充電した後、3.0Cで3Vまで放電させた。このとき、次の式で示される3Cのレート特性は80%であった。結果を表1に示す。
3Cレート特性(%)=[(3Cの放電量)/(0.3Cの放電量)]×100
上記のようにして得られた円筒電池を、アスカ電子(株)製、製品名ACD−01を用いて、20℃一定の恒温槽中で1サイクル目に0.3C定電流で4.2V定電位(正極・負極間電位)で8時間充電した後、0.3C定電流で3.0Vの電位まで放電した(1回目の充放電)。1回目の充放電後、50℃一定の恒温槽中で、1.0C、4.2Vの定電流定電圧方式で3時間充電した後、1.0Cで3.0Vまで放電するサイクルを300回繰り返した。このとき、次の式で示される300サイクル放電量維持率(サイクル特性)は87%であった。結果を表1に示す。
300サイクル放電量維持率(%)=[(300サイクル目の放電量)/(2サイクル目の放電量)]×100
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.1質量部のLi3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例2の正極を得た。この実施例2の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.9質量部のK3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例3の正極を得た。この実施例3の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、2.8質量部のCa3(PO4)2を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例4の正極を得た。この実施例4の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.1質量部のAlPO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例5の正極を得た。この実施例5の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.7質量部のLi2CO3を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例6の正極を得た。この実施例6の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.9質量部のLi2SiO3を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例7の正極を得た。この実施例7の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.9質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、正極を得た。この正極を大気中に3日間保存して実施例8の正極を得た。この正極の水分量を測定したところ960ppmであった。上記実施例8の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.7質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例9の正極を得た。実施例1の負極を大気中に3日間保存して、実施例9の負極を得た。この負極の水分量を測定したところ930ppmであった。記実施例9の正極及び負極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
平均粒径12μmのNa3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.2質量部の平均粒径3μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例10の正極を得た。実施例1の電解液を大気中に3日間保存して、実施例10の電解液を得た。この電解液の水分量を測定したところ950ppmであった。上記実施例10の正極及び電解液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
炭酸リチウム、シュウ酸鉄二水和物、及びリン酸水素二アンモニウムをLi、Fe、Pのモル比で1:1:1になるように混合後、窒素雰囲気下で800℃の温度で8時間加熱後、冷却しLiFePO4を合成した。合成した粉末を粉砕・分級して平均粒径0.2μmのLiFePO4を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ1を用いて窒素により測定し、BET法により算出したところ、4.5m2/gであった。
K3PO4を使用しなかったこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例12の正極を得た。
負極材料として、平均粒径10μmの天然黒鉛と平均粒径5μmの人造黒鉛の合計100質量部に対して、K3PO4を5質量部さらに混合したこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例12の負極を得た。
上記実施例12の正極と負極を用いたこと以外は実施例11と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
K3PO4を混合しなかったこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例13の正極を得た。
電解液として、電解液100質量部に対して、6質量部のK3PO4を加えたこと以外は実施例11と同様の操作により、実施例13の電解液を得た。
上記実施例13の正極と電解液を用いたこと以外は実施例11と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
遷移金属元素のモル比として1:3の割合の硫酸ニッケルと硫酸マンガンとを、水に溶解し、金属イオン濃度の総和が2mol/Lになるようにニッケル−マンガン混合水溶液を調製した。次いで、このニッケル−マンガン混合水溶液を、70℃に加温した濃度2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液2000mL中に、12.5mL/minの添加速度で120分間滴下した。なお、滴下時には、攪拌の下、200mL/minの流量の空気を水溶液中にバブリングしながら吹き込んだ。これにより析出物質が発生し、得られた析出物質を蒸留水で十分洗浄し、乾燥して、ニッケルマンガン化合物を得た。得られたニッケルマンガン化合物と粒径2μmの炭酸リチウムとを、リチウム:ニッケル:マンガンのモル比が1:0.5:1.5になるように秤量し、1時間乾式混合した後、得られた混合物を酸素雰囲気下において1000℃で5時間焼成し、LiNi0.5Mn1.5O4を合成した。合成した粉末を粉砕・分級して平均粒径10μmのLiNi0.5Mn1.5O4を得た。得られた正極活物質の比表面積を、カンタクロム社製オートソーブ―1を用いて窒素により測定し、BET法により算出したところ、0.6m2/gであった。
平均粒径12μmのNa3PO40.3質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、1.5質量部の平均粒径12μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により、実施例15の正極を得た。上記実施例15の正極を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
平均粒径12μmのNa3PO40.3質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、3.9質量部の平均粒径12μmのNa3PO4を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により、実施例16の正極を得た。上記実施例16の正極を用いたこと以外は実施例14と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO4を混合しなかったこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例1の正極を得た。この比較例1の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、4.3質量部のCa3(PO4)2を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例2の正極を得た。この比較例2の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Na3PO41.5質量部に代えて、正極活物質100質量部に対して、0.14質量部のLi3PO4を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例3の正極を得た。この比較例3の正極を用いたこと以外は実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
実施例1において、大気中に1日保存する代わりに、80℃、12時間真空乾燥して比較例4の正極を得た。得られた正極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ90ppmであった。
また、大気中に1日保存する代わりに、80℃、12時間真空乾燥して比較例4の負極を得た。得られた負極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ110ppmであった。
実施例1で用いた電解液を、モレキュラーシーブス(5A)を添加して、12時間脱水処理して比較例4の電解液を得た。得られた電解液の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ50ppmであった。
上記比較例4の正極、負極及び電解液を用い、Na3PO4を正極100質量部に対して0.7質量部加えたこと以外は、実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
実施例1において、大気中に1日保存する代わりに、大気中に5日保存して比較例5の正極を得た。得られた正極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ1200ppmであった。
また、大気中に1日保存する代わりに、大気中に5日保存して比較例5の負極を得た。得られた負極の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ1050ppmであった。
実施例1で用いた電解液を、大気中に2日保存して比較例5の電解液を得た。得られた電解液の水分量を実施例1と同様の操作により測定したところ850ppmであった。
上記比較例5の正極、負極及び電解液を用い、Na3PO4を正極100質量部に対して7.9質量部加えたこと以外は、実施例1と同様の操作により得られた、レート特性評価、及びサイクル特性評価の結果を表1に示す。
Claims (9)
- 正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備え、
前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量が、前記正極、前記負極、及び前記非水電解質の総重量に対して100ppm以上、1000ppm以下であり、かつ前記非水電解質の水分量が、100ppm以上1000ppm以下であり、
かつ前記正極、前記負極、及び前記非水電解質に含まれる合計の水分量に対して、モル比で0.5〜10倍量の塩基性化合物を、前記正極、前記負極、前記非水電解質の少なくとも1つに含み、
前記正極活物質が、
一般式(1):
LixMn2-yMyOz (1)
(式中、Mは、遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.2<y<0.8、3.5<z<4.5である。)
で表される酸化物、
一般式(2):
LixMyOz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物、及び
一般式(7):
LiMb1-yFeyPO4 (7)
(式中、Mbは、Mn及びCoからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0≦y≦1.0である。)
で表される酸化物からなる群より選ばれる1種以上を含み、
前記塩基性化合物の含有量が、前記正極活物質100質量%に対して、0.1〜4質量%である、
非水電解質二次電池。 - 前記正極活物質が、一般式(2):
LixMyOz (2)
(式中、Mは遷移金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0<x≦1.3、0.8<y<1.2、1.8<z<2.2である。)
で表される層状酸化物を含む、
請求項1に記載の非水電解質二次電池。 - 前記非水電解質は、六フッ化リン酸リチウムを含む、請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記負極の水分量が、150ppm以上1000ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記塩基性化合物が、PO4 3-、HPO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、及びSiO3 2-からなる群より選ばれる1種以上のアニオンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記塩基性化合物が、Li+、Na+、K+、Ca2+、及びAl3+からなる群より選ばれる1種以上のカチオンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記塩基性化合物が、Li3PO4、Na3PO4、K3PO4、Ca3(PO4)2、AlPO4、及びLi2SiO3からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極活物質の電位が、リチウム基準で4.4V以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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