JP2004053617A - ポジ型感光性レジスト組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な光酸発生剤を使用でき、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示し、スルーホールのある基板にも対応でき、近紫外光で露光して弱アルカリ現像液で現像することにより微細なパターン加工を解像性良く行うことができるポジ型感光性レジスト組成物を提供する。
【解決手段】少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有していることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物。
【化1】
(式(1)中、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、及びC=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
【選択図】なし
【解決手段】少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有していることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物。
【化1】
(式(1)中、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、及びC=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型感光性レジスト材料として好適で安価な光酸発生剤を提供するものであり、さらにはポジ型感光性レジスト材料において新規な酸感応性共重合体と前記の酸発生剤とを必須成分とした新規なポジ型感光性レジスト材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在プリント配線基板等を製造する際、基板にフォトレジストを塗布してマスクを付け、近紫外光を照射した後エッチングを行って、基板上に配線を描画することにより製造される。
【0003】
プリント基板等の製造に用いられるこのフォトレジスト材料として現在は主にネガ型の感光性レジスト材料が用いられており、ポリカルボン酸樹脂とエチレン性不飽和化合物および光重合開始剤からなる組成物が一般的である。基板にこの組成物を塗布し、マスクをつけて近紫外線を照射(以下露光という)して樹脂を硬化させた後、1%炭酸ナトリウム水溶液などの現像液に浸漬させると未露光の部分が現像液に溶け、露光した部分の感光性レジスト材料が残り、パターンが形成される。そしてマスクをはずし、出来たパターンをエッチングするという方法が使用されている。
【0004】
しかしながらこの方法によりスルーホール等の基板を貫通する孔を形成させたり、ヴィアホールを形成しようとしても、厚膜になるため露光しても未硬化の部分が残り、この未硬化の部分が現像処理時にスルーホールから流出するため、このままの方法を用いることが困難となる場合がある。これを解決する方法としてあらかじめ孔埋めインキ等で保護してからエッチングするという方法が提案されているが、孔埋めインキは熱で乾燥させなくてはならず、生産性が不十分となる場合がある。また、ネガ型では露光部分の樹脂を硬化させる方法であるため、50μm 以下の微細なパターンを得ることは難しい場合もある。
【0005】
このため、スルーホールのある基板に使用可能で、かつより微細な加工が可能なポジ型感光性レジスト材料を用いるパターン形成方法が提案されており、これに用いられる高性能のポジ型感光性レジスト材料の開発が望まれている。また、プリント基板等の製造におけるネガ型感光性レジスト材料を用いるパターン形成方法では現在近紫外光(300 〜450nm )が使用されており、この波長を変えることなく、スルーホールのある基板により微細な加工が出来ることが重要である。更に、本パターン形成方法では現像液として1 %炭酸ナトリウム水溶液に代表される弱アルカリ性現像液が使用されており、この現像液も変えることなく微細な加工が出来ることも重要である。加えて、プリント基板用途にはポジ型感光性レジスト材料が安価であることも重要である。即ち、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示し、安価なポジ型感光性レジスト材料が望まれている。
【0006】
ポジ型感光性レジスト材料の光酸発生剤としては、例えばみどり化学社製のNAI −105 やPAI −101 などが使用されており、その価格は概略20000 円/g と高価であり、レジスト材料としての配合量も1〜5質量部(/固形分100質量部)配合するのでレジスト材料中の光酸発生剤成分だけでも概略10〜50万円/kgと高価になってしまうのでプリント基板用途に使用するのは困難である。
【0007】
また、ポジ型感光性レジスト材料のベースポリマーとしては、特開平8−101507号公報に、p −イソプロペニルフェノールと2 −テトラヒドロピラニルアクリレートとの共重合体で代表される共重合体および感放射性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射性樹脂組成物が記載されている。更に、特開平12−029215 号公報では、フェノール単位とポリマー骨格から直接懸吊しかつ該感光性成分の光活性化の時に反応可能なアセタールエステルまたはケタールエステル単位を有するポリマーを含有する感放射性樹脂組成物が記載されている。
【0008】
これらの樹脂組成物は半導体等の超微細加工に用いることを目的としており、シリコンなどの基板に塗膜し、マスクを付けて遠紫外線等で露光を行い、2.38%テトラメチルアンモニウム水溶液などのアルカリ現像液で現像させて所望のパターンを得る。以上の様な樹脂組成物をシリコン基板に塗布し、193nmの光を照射し、2 .38 %テトラメチルアンモニウム水溶液で現像させると、非常に良好なパターンが得られる。
【0009】
しかしながら、これらの共重合体をプリント基板製造等に用いる近紫外感光性レジスト材料のベースポリマーとして用いたところ、現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に露光後も溶解し難い場合があり、このためプリント基板製造等に用いる近紫外感光性レジスト材料のベースポリマーとして用いるためには、更なる改良が必要であることが分った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、本発明の目的は、ポジ型感光性レジスト材料用の安価な光酸発生剤および酸感応性共重合体を提供すること、及び、酸感応性共重合体ベースポリマーと安価な光酸発生剤を必須成分とする感光性レジスト材料であって、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示すポジ型感光性レジスト材料を提供することにある。更に詳しくはスルーホールのある基板にも対応でき、近紫外光で露光して弱アルカリ現像液で現像することにより微細なパターン加工を解像性良くできるポジ型感光性レジスト材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、酸感応性共重合体に対して、ポジ型感光性レジストに一般的に使用される光酸発生剤である例えばみどり化学社製のNAI −105 やPAI −101 の価格の1 /1000と大幅に安価な4 −フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類(α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンとも記載する)及び/又は4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類が、驚くべき事に、プリント基板のポジ型感光性レジストの光酸発生剤として顕著な効果があり、プリント基板として高感度の解像性を示すことを見出した。
【0012】
また、これらの光酸発生剤は、種々検討した結果、特に4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類から成る共重合体であって、かつこれらの構成単位が特定の組成比である酸感応性共重合体を必須成分としてポジ型感光性レジスト材料とした場合に、より好適に性能を発揮する事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち本発明によれば、第1 に、少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有していることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
第2に前記の少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物が下記一般式(1)であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0014】
【化11】
【0015】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、C=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
第3 に、下記一般式(2 )で示される第1構成単位と、
【0016】
【化12】
【0017】
下記一般式(3)で示される第2 構成単位と、
【0018】
【化13】
【0019】
(式中、R6 は水素またはメチル基を表わし;R7 は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表わす。)
下記一般式(4)で示される第3構成単位と、
【0020】
【化14】
【0021】
(式中、R8 は水素またはメチル基を表わし;R9 は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を表わし;Z は水素、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y及びZは結合して環構造を形成しても良い。a,b,cはモル組成比を表し、合計は1である)
を含んでなる酸感応性共重合体をおよび該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0022】
第4に、前記一般式(3)で示される第2構成単位のR7 は、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲン原子で置換される炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換された炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0023】
第5に、前記一般式(4)で示される第3構成単位において、R9 は水素原子、フッ素または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり;Z は水素原子、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1 〜3の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Yは炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y及びZは結合して環構造を形成しており、該環構造は炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0024】
第6に、前記一般式(2)で示される第1構成単位のモル組成比は0.15〜0.3であり、前記一般式(3)で示される第2構成単位のモル組成比は0.5〜0.7であり、前記一般式(4)で示される第3構成単位のモル組成比は0.1〜0.3であり、3つの構成単位の組成比の総和は1であることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0025】
第7に、前記酸感応性共重合体は、0.05〜0.3モル部の4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.9モル部の以下一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、
【0026】
【化15】
【0027】
(式中、R6 は水素またはメチル基を示し;R7 は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。)
0.01〜0.4 モル部の以下一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1モルとなるよう含んでなるモノマー混合物と、
【0028】
【化16】
【0029】
(式中、R8 は水素またはメチル基を示し;R9 は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を示し;Zは水素原子、炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を示し;Yは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を示し;Y及びZは結合して環構造を形成しても良い。)
ラジカル重合開始剤と、溶媒とを含んでなる共重合体原料を加熱して得られることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0030】
第8に、前記共重合体原料を加熱することにより、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度が50質量ppb〜0.5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度が5質量ppm〜5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度が200質量ppb〜2質量%であり、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度が25〜75質量%であるレジスト原料を調製し、該レジスト原料に、4−フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類及び4 ,4’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方を添加して得られる(但し、添加量の総和は、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および該生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、1〜20 質量部である)ことを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0031】
第9に、前記共重合体原料は、0.15〜0.3 モル部の前記4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.7モル部の前記(メタ)アクリル酸エステル類と、0.1〜0.3モル部の前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでおり、一般式(1)のうちで添加されているものの総量は、前記未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、前記未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および前記生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、3〜10質量部であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0032】
第10に、前記一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類のR7は、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0033】
第11に、前記一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類において、R9 は水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり;Z は水素原子、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y は炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y及びZ は結合して環構造を形成しており、該環構造は炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0034】
第12に、前記ラジカル重合開始剤はアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロ過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート又は過酸化アセチルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0035】
第13 に、前記溶媒はケトン類、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコール類の誘導体、環式エーテル類、エステル類または芳香族炭化水素類であることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0036】
第14に、前記共重合体原料の加熱開始時から終了時まで、前記共重合体原料中に存在する前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20質量%以下となるよう、前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の少なくとも何れか一つを連続的または間欠的に前記共重合体原料に添加しながら加熱することを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0037】
第15に、加熱温度は40〜250℃であることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0038】
第16に、4−フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類及び4 ,4’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方と、酸感応性共重合体とを含んでなるポジ型感光性レジスト組成物の製造方法であって、該酸感応性共重合体は0.05〜0.3 モル部の4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.9 モル部の以下一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、
【0039】
【化17 】
【0040】
(式中、R6 は水素またはメチル基を示し;R7 は炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。)
0.01〜0.4モル部の以下一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでなるモノマー混合物と、
【0041】
【化18 】
【0042】
(式中、R8 は水素原子またはメチル基を表わし;R9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を表わし;Z は水素原子、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y 及びZは結合して環構造を形成しても良い。)ラジカル重合開始剤と、溶媒とを含んでなる共重合体原料を加熱して得られることを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
【0043】
第17に、前記共重合体原料を加熱することにより、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度が50質量ppb〜0.5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度が5質量ppm〜5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度が200質量ppb〜2質量%であり、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度が25〜75質量%であるレジスト原料を調製する工程を含んでなる共重合体の製造方法と、更に該レジスト原料に、下記一般式(1)を添加する(但し、添加量の総和は、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および該生成した酸感応性共重合体の総量100質量部に対して、1〜20質量部である)工程を含んでなることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物の製造方法が提供される。
【0044】
【化19】
【0045】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、およびC=Oから選ばれる置換基を表わす。)
第18 に、前記共重合体原料の加熱工程において、前記共重合体原料中に存在する前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20 質量%以下となるよう、前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の少なくとも何れか一つを連続的または間欠的に前記共重合体原料に添加しながら加熱することを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
【0046】
第19 に、加熱温度は40〜250℃であることを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
第20に 前記のポジ型感応性レジスト組成物に更に溶剤を含んでなる液比重が0.800〜0.950であるポジ型感光性レジスト組成物中に、少なくとも一方の表面が金属層である積層板を浸漬し、乾燥することにより積層板の表面及び孔内壁に感光性樹脂を均一に皮膜し、その後、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造方法が提供される。
第21に 前記記載の製造方法により製造された電子部品が提供される。
である。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物は少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有し、これに酸感応性共重合体および溶剤を配合してなる材料である。
【0048】
少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物は下記一般式(1)で表されるものが好ましく、配合量は酸感応性共重合体の合計100質量部に対して、パターン形成を良好に行うため、1質量部以上が好ましく、3 質量部以上がより好ましい。一方、現像残の発生を低減でき高性能のレジストを形成できるため、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
【0049】
【化20】
【0050】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、C=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
本発明における酸発生剤としては少なくともジクロロアセチル基を1つ以上有する化合物であれば特に限定無く使用できるが、一般式(1)で表わされる化合物が好ましい。一般式(1)で表わされる化合物としては、例えば、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジメチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−(3−メチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジエチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−(3−エチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−(3,5−ジエチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジエチル−4−(3,5−ジエチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジプロピル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−(3−プロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−(3,5−ジプロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジプロピル−4−(3,5−ジプロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−(3−クロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−(3,5−ジクロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジクロロ−4−(3,5−ジクロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジシアノ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−シアノ−4−(3−シアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−シアノ−4−(3,5−ジシアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジシアノ−4−(3,5−ジシアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジブロモ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−(3−ブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−(3,5−ジブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジブロモ−4−(3,5−ジブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジヒドロキシ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−(3,5−ジヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジヒドロキシ−4−(3,5−ジヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジフェニル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−(3−フェニルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−(3,5−ジフェニルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジフェニル−4−(3,5−ジフェニルフェノキシ)アセトフェノン、3,5−ジアルキル−4−α,α―ジクロロアセチルフェニルフェニルチオエーテル2,6−アルキル−4−(3,5−アルキルベンジル)α,α―ジクロロアセトフェノン、3,5−ジアルキル−4−α,α―ジクロロアセチルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルベンゾフェノン、2,6−アルキル−4−(3,5−アルキルフェニルプロピリデン)α,α―ジクロロアセトフェノン及び4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルエーテル、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルチオエーテル、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルケトン、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルメチレン、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルプロピレン等が上げられる。これらは、単独または併用して使用することができる。
上記のアルキルとしては、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシル基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基が挙げられる。
【0051】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物は、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示し、スルーホールのある基板にも対応でき、近紫外光で露光して弱アルカリ現像液で現像することにより微細なパターン加工を解像性良く行うことができる。
本発明のポジ型感光性レジスト材料の酸感応性共重合体として一般式(2)、
【0052】
【化21】
【0053】
一般式(3)
【化22】
【0054】
(式中、R6 は水素原子またはメチル基を表わし;R7 は炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲン原子で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表わす。)、
及び一般式(4)
【0055】
【化23】
【0056】
(式中、R8 は水素またはメチル基を表わし;R9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を示し;Z は水素原子、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y 及びZは結合して環構造を形成しても良い。a,b,cはモル組成比を表わし、合計は1である。)
で示される構成単位を有する共重合体が特に好適に使用される。
【0057】
一般式(3)におけるR6 は、水素原子またはメチル基である。また、一般式(3)におけるR7 は、炭素数1〜6 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基またはシクロペンチル基等の無置換アルキル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシn−プロピル基、2−ヒドロキシn−プロピル基、3−ヒドロキシn−プロピル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−n−プロピル、1−ヒドロキシn−ブチル基、2−ヒドロキシn−ブチル基、3−ヒドロキシn−ブチル基または4−ヒドロキシn−ブチル基等のヒドロキシ置換アルキル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2−クロロエチル基、トリクロロエチル基、3−ブロモエチル基またはヘプタフルオロイソプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、2−シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基、または、2−(ジメチルアミノ)エチル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基または3−ジメチルアミノネオペンチル基等のジアルキルアミノ置換アルキル基が挙げられる。
【0058】
好ましくは、炭素数1〜4 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
更に好ましくは、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
【0059】
一般式(4)におけるR8 は、水素原子またはメチル基である。また、一般式(4)におけるR9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基で、Zは水素原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、Yは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、またはYとZは結合して環構造を有していても良い。
【0060】
R9 は、具体的には、水素原子、フッ素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり、Yはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基等であり、Zはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基等である。
更に具体的には、一般式(4)のアルコキシアルキルエステル基の部分、R9、C 、O 、Y 及びZをまとめて表記するとメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−イソブトキシエチル基、2−sec−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−n−プロポキシプロピル基、1−イソプロポキシプロピル基、1−n−ブトキシプロピル基、1−イソブトキシプロピル基、1−sec−ブトキシプロピル基、1−tert−ブトキシプロピル基、2−メトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、 −n−プロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、2−n−ブトキシプロピル基、2−イソブトキシプロピル基、2−sec−ブトキシプロピル基、2−tert−ブトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−イソブトキシプロピル基、3−sec−ブトキシプロピル基、3−tert−ブトキシプロピル基等の無置換アルキル基、1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル基等のヒドロキシ置換アルコキシ基、トリフルオロメトキシメチル基、1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基等のハロゲン置換アルコキシ基、1−メトキシ−1−シアノメチル基、1−(1−シアノ)メトキシメチル基、1−(1−シアノ)メトキシエチル基等のシアノ置換アルコキシ基、1,1−ジメチルアミノメトキシメチル基等のジアルキルアミノ置換アルコキシ基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基等の無置換環状エーテル、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ基等のアルキル置換環状エーテル、または、2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基等のハロゲン置換環状エーテルである。
また好ましくは、一般式(4)においてR9 が水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基で、Z が水素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、およびYが炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、またはYとZが結合して形成された環構造が炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであり、具体的には一般式(4)のR9 、C 、O 、X 及びZをまとめて表記するとメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル基、トリフルオロメトキシメチル基、1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ基または2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基等である。
【0061】
尚、一般式(3)又は(4)は1 種の構成単位のみならず2 種以上の構成単位を有していても構わない。すなわち、一般式(2)、2 種以上の一般式(3)および2 種以上の一般式(4)で示される構成単位を有する共重合体のように、4種またはそれ以上の構成単位を有する共重合体も本願発明の共重合体に含有される。
【0062】
また、本発明の共重合体においては、一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)で示される構成単位の組成比は極めて重要であり、3つの構成単位の総和は1となるようにした時、一般式(2)の組成比は は0.05以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.2 以上が更に好ましく、一方、0.3以下が好ましい。また、一般式(3)の組成比は0.5 以上が好ましく、一方、0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。更に、一般式(4)の組成比は0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、一方、0.4 以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。なお、一般式(3)または一般式(4)で示される構成単位が2種以上の場合、この時の組成比は、それぞれの構成単位の組成比の合計である。また、3つの構成単位の組成比は、例えば1H−NMR及び13C−NMR等により実測することができる。
【0063】
また本発明に使用される酸感応性共重合体は、一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)で示される構成単位がランダムに共重合しているものでも、3構成単位が交互に共重合しているものでも、また、ブロック共重合しているものでも構わない。
【0064】
本発明に使用される酸感応性共重合体の重量平均分子量(Mw)は、当該共重合体の使用目的により異なり一様ではないが、例えば、通常、3,000以上が好ましく、4,000以上がより好ましく、一方、80,000以下が好ましく、60,000以下がより好ましい。さらに分子量分散度(Mw/Mn、但しMnは数平均分子量)は、通常、1.0以上であり、一方、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。なお、重量平均分子量および分子量分散度は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等を用いてポリスチレン換算により実測できる。
【0065】
本発明に使用される共重合体は、4 −(1 −メチルエテニル)フェノールと、一般式(4 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とを含んでなるモノマー混合物と、ラジカル重合開始剤および溶媒とを、モノマー混合物中のモノマーのモル比が所定となるよう混合し、加熱することによって得られる。
【0066】
本発明で使用される酸感応性共重合体の原料モノマーである一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類としては、式中のR6 は水素原子またはメチル基であり、およびR7 は炭素数1〜6 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であって、具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシルまたはアクリル酸シクロペンチル等のアクリル酸無置換アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸1−ヒドロキシn −プロピル、アクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、アクリル酸3−ヒドロキシn−プロピル、アクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシn−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシn−ブチル、アクリル酸3−ヒドロキシn−ブチルまたはアクリル酸4−ヒドロキシn−ブチル等のアクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸トリクロロエチル、アクリル酸3−ブロモエチルまたはアクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル等のアクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、アクリル酸2−シアノエチル等のアクリル酸シアノ置換アルキルエステル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはアクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のアクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルまたはメタクリル酸シクロペンチル等のメタクリル酸無置換アルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシn−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−ブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシn−ブチルまたはメタクリル酸4−ヒドロキシn−ブチル等のメタクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸3−ブロモエチルまたはメタクリル酸ヘプタフルオロ2−プロピル等のメタクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、メタクリル酸2−シアノエチル等のメタクリル酸シアノ置換アルキルエステル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはメタクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のメタクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル等が挙げられる。
【0067】
好ましくは、一般式(5)においてR7 が炭素数1〜4 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であって、好ましい(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0068】
更に好ましくは、一般式(5)においてR7 が炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、更に好ましい(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸1−ヒドロキシ−n−プロピル、アクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸トリクロロエチル、アクリル酸3−ブロモエチル、アクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシ−n−プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−n−プロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸3−ブロモエチル、メタクリル酸ヘプタフルオロ−イソプロピル、メタクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0069】
尚、以上の様な(メタ)アクリル酸エステル類は、1種または2種以上を同時にまたは混合して用いることができ、この場合は2 種以上の一般式(3)で示れる構成単位がランダムに共重合した構造の共重合体が得られる。この時の一般式(3)の組成比は2種以上の一般式(3)で示される構成単位の組成比の合計である。
【0070】
本発明で使用される酸感応性共重合体のもう一つの原料である一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類としては、式中R8は水素原子またはメチル基であり、R9 は水素原子,ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、Zは水素または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、およびYは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、YとZは結合して環構造を形成しても良い。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の具体例としては、アクリ
ル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸n−プロポキシメチル、アクリル酸イソプロポキシメチル、アクリル酸n−ブトキシメチル、アクリル酸イソブトキシメチル、アクリル酸sec−ブトキシメチル、アクリル酸tert−ブトキシメチル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸1−n−ブトキシエチル、アクリル酸1−イソブトキシエチル、アクリル酸1−sec−ブトキシエチル、アクリル酸2 −エトキシエチル、アクリル酸2−n−プロポキシエチル、アクリル酸2−イソプロポキシエチル、アクリル酸2−n−ブトキシエチル、アクリル酸2−イソプトキシエチル、アクリル酸2−sec−ブトキシエチル、アクリル酸1−メトキシプロピル、アクリル酸1−エトキシプロピル、アクリル酸1−n−プロポキシプロピル、アクリル酸1−イソプロポキシプロピル、アクリル酸1−n−ブトキシプロピル、アクリル酸1−イソブトキシプロピル、アクリル酸1 −sec−ブトキシプロピル、アクリル酸1−tert−ブトキシプロピル、アクリル酸2−メトキシプロピル、アクリル酸2−エトキシプロピル、アクリル酸2−n−プロポキシプロピル、アクリル酸2−イソプロポキシプロピル、アクリル酸2−n−ブトキシプロピル、アクリル酸2−イソブトキシプロピル、アクリル酸2−sec−ブトキシプロピル、アクリル酸2−tert−ブトキシプロピル、アクリル酸3−メトキシプロピル、アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸3−n−プロポキシプロピル、アクリル酸3−イソプロポキシプロピル、アクリル酸3−n−ブトキシプロピル、アクリル酸3−イソブトキシプロピル、アクリル酸3−sec−ブトキシプロピルまたはアクリル酸3 −tert−ブトキシプロピル等のアクリル酸無置換アルキルアルコキシレート、アクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチルまたはアクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル等のアクリル酸ヒドロキシ置換アルコキシレート、アクリル酸トリフルオロメトキシメチル、アクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチルまたはアクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル等のアクリル酸ハロゲン置換アルコキシレート、アクリル酸1−メトキシ−1−シアノメチル、アクリル酸1−(1−シアノ)メトキシメチルまたはアクリル酸1−(1−シアノ)メトキシエチル等のアクリル酸シアノ置換アルコキシレート、アクリル酸1,1−ジメチルアミノメトキシメチル等のアクリル酸ジアルキルアミノ置換アルコキシレート、アクリル酸テトラヒドロ−2 −イルオキシまたはアクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のアクリル酸無置換環状オキサレートまたはアクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはアクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のアクリル酸アルキル置換環状オキサレート、アクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ等のアクリル酸ハロゲン置換環状オキサレート、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸n−プロポキシメチル、メタクリル酸イソプロポキシメチル、メタクリル酸n−ブトキシメチル、メタクリル酸イソブトキシメチル、メタクリル酸sec−ブトキシメチル、メタクリル酸tert−ブトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n−プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸1−n−ブトキシエチル、メタクリル酸1−イソプトキシエチル、メタクリル酸1−sec−ブトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−n−プロポキシエチル、メタクリル酸2−イソプロポキシエチル、メタクリル酸2−n−ブトキシエチル、メタクリル酸2−イソプトキシエチル、メタクリル酸2−secブトキシエチル、メタクリル酸1−メトキシプロピル、メタクリル酸1−エトキシプロピル、メタクリル酸1−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸1−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸1−n −ブトキシプロピル、メタクリル酸1−イソブトキシプロピル、メタクリル酸1−sec−ブトキシプロピル、メタクリル酸1−tert−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メタクリル酸2−エトキシプロピル、メタクリル酸2−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸2−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸2−n−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−イソブトキシプロピル、メタクリル酸2−sec−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−tert−ブトキシプロピル、メタクリル酸3−メトキシプロピル、メタクリル酸3−エトキシプロピル、メタクリル酸3−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸3−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸3−n−ブトキシプロピル、メタクリル酸3−イソブトキシプロピル、メタクリル酸3−sec−ブトキシプロピルまたはメタクリル酸3−tert−ブトキシプロピル等のメタクリル酸無置換アルキルアルコキシレート、メタクリル酸1−メトキシ−1 −ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチルまたはメタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル等等のメタクリル酸ヒドロキシ置換アルコキシレート、メタクリル酸トリフルオロメトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチルまたはメタクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸ハロゲン置換アルコキシレート、メタクリル酸1−メトキシ−1−シアノメチル、メタクリル酸1−(1−シアノ)メトキシメチルまたはメタクリル酸1−(1−シアノ)メトキシエチル等のメタクリル酸シアノ置換アルコキシレート、メタクリル酸1,1−ジメチルアミノメトキシメチル等のメタクリル酸ジアルキルアミノ置換アルコキシレート、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸無置換環状オキサレート、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸アルキル置換環状オキサレート、またはメタクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸フッ素置換環状オキサレート等が挙げられる。
【0071】
好ましくは、一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類において、式中R9 は水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、Zは水素原子または炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、およびYは炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、またはYとZが結合して形成された環構造が炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであり、好ましい(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の具体例としては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸n−プロポキシメチル、アクリル酸イソプロポキシメチル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−n−プロポキシエチル、アクリル酸2−イソプロポキシエチル、アクリル酸1−メトキシプロピル、アクリル酸1−エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル、アクリル酸トリフルオロメトキシメチル、アクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシ、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ、アクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキサレート、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2 −イルオキシ、アクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸n−プロポキシメチル、メタクリル酸イソプロポキシメチル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n −プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−n−プロポキシエチル、メタクリル酸2−イソプロポキシエチル、メタクリル酸1−メトキシプロピル、メタクリル酸1−エトキシプロピル、メタクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル、メタクリル酸トリフルオロメトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2 −イルオキシ、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ、メタクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸2−フルオロテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等が挙げられる。
【0072】
尚、以上の様な(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類は1種または2種以上を同時にまたは混合して用いることができ、この場合は2種以上の一般式(4)で示される構成単位がランダムに共重合した構造の共重合体が得られる。この時の組成比は2種以上の一般式(4)で示される構成単位の組成比の合計である。
【0073】
また、4−(1−メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類には、安定剤として水酸化カリウム等のアルカリ性化合物や重合禁止剤等が含有されている場合があり、これらは再結晶や蒸留等の通常の精製操作を行い安定化剤を除去した後、使用することが好ましいが、特に精製操作を行わずに市販品をそのまま用いることもできる。
【0074】
これらの4−(1−メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の使用量は、所望する共重合体の組成比に合わせることが好ましく、これらのモノマー総量1 モル部に対して、4−(1−メチルエテニル)フェノールは0.05モル部以上が好ましく、0.15モル部以上がより好ましく、0.2モル部以上が更に好ましく、一方、0.3モル部以下が好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル類は0 .5 モル部以上が好ましく、一方、0.9モル部以下が好ましく、0.7モル部以下がより好ましい。更に、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類は0.01モル部以上が好ましく、0.1モル部以上がより好ましく、一方、0.4モル部以下が好ましく、0.3モル部以下がより好ましい。
尚、(メタ)アクリル酸エステル類が2種以上の場合、その合計のモル数が
上記の範囲内であることが好ましく、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類が2種以上の場合も、その合計のモル数が上記の範囲内であることが好ましい。
【0075】
本発明の方法におけるラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2 ,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス−2 −アミジノプロパン塩酸塩、アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩または4 ,4 ’−アゾビス−4 −シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、2 ,4 −ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert −ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert −ブチルヒドロペルオキシド、、ジクミルペルオキシド、p −メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、tert −ブチルペルオキシラウレート、ジ−tert −ブチルペルオキシフタレート、ジベンジルオキシドまたは2 ,5 −ジメチルヘキサン−2 ,5 −ジヒドロペルオキシド等の過酸化物系開始剤、または過酸化ベンゾイル−N ,N −ジメチルアニリンまたはペルオキソ二硫酸−亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系開始剤等が挙げられる。
【0076】
これらのうち、アゾ系開始剤または過酸化物系開始剤が好ましく、更に好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2 ,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、過酸化ベンゾイル、2 ,4 −ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert −ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジイソプロピルジカーボネートまたは過酸化アセチルである。
【0077】
以上の様なラジカル重合開始剤は、単独でもまたは2 種以上を同時にまたは順次に使用することもできる。これらの使用量は、共重合体原料の加熱開始時において、4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類および一般式(6 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計使用量に対して、0 .0001 モル倍以上が好ましく、0 .001 モル倍以上がより好ましく、0 .005 モル倍以上が更に好ましく、一方、0 .1 モル倍以下が好ましく、0 .05 モル倍以下がより好ましい。ラジカル重合開始剤の合計使用量がこの量であれば、加熱開始時より全量を仕込んでも、加熱開始後に全量または一部を追加使用しても構わない。
【0078】
本発明の方法における溶媒としては、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたはγ−ブチロラクトン等のケトン類、n −プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n −ブチルアルコール、tert −ブチルアルコール、n −オクタノール、2−エチルヘキサノールまたはn −ドデシルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコールエーテル類、ギ酸n −プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n −ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n −プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n −ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n −アミル、酢酸n −ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルまたは酪酸メチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2 −オキシプロピオン酸エチル、2 −オキシプロピオン酸n −プロピル、2 −オキシプロピオン酸イソプロピル、2 −オキシ−2−メチルプロピオン酸エチルまたは2 −オキシ−3 −メチル酪酸メチル等のモノオキシカルボン酸エステル類、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3 −メトキシプロピオン酸メチル、3 −メトキシプロピオン酸エチルまたは3 −エトキシプロピオン酸メチル等のアルコキシカルボン酸エステル類、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートまたはブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類またはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはN,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類等が挙げられる。
【0079】
好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートまたはトルエンである。
【0080】
これらの溶媒は、単独でもまたは2 種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。溶媒の使用量は、使用する原料やラジカル重合開始剤の種類や量、および所望する共重合体の分子量等により変化し、一様ではないが、モノマー混合物の総量100 質量部に対して、5 質量部以上が好ましく、20 質量部以上がより好ましく、50 質量部以上が更に好ましく、一方、10,000 質量部以下が好ましく、5 ,000 質量部以下がより好ましく、1 ,000 質量部以下が更に好ましい。
尚、最も好ましくは、重合反応後生成した共重合体の濃度が何ら濃度調整をせずとも25 〜75 質量%となる量であり、即ち、モノマー混合物100 質量部に対して33 〜400 質量部の範囲である。
【0081】
本発明で使用される酸感応性共重合体の重合反応の実施方式は、特に限定されるものではなく、4−(1−メチルエテニル)フェノールと、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、一般式(6 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類と、ラジカル重合開始剤と、溶媒等とが効果的に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式の何れでも構わない。例えば、これらの化合物を一括して反応容器に挿入し加熱を開始する方法や、モノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を連続的または間欠的に、少なくとも一部の溶媒が挿入された反応器に挿入する方法等が通常採用される。
【0082】
これらの方法のうち、本発明の方法では、加熱開始時から終了時まで、反応系中に存在する4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20 質量%以下なるよう調整しながら反応を行うことが好ましい。
【0083】
具体的には、4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類が重合反応で消費されるに従い、その量に合わせて新たにモノマー、重合開始剤、溶媒等を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法である。
【0084】
より具体的には、例えば、反応器に溶媒のみを装入した後、これらモノマーとラジカル重合開始剤とを連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に溶媒およびラジカル重合開始剤を装入した後モノマーを連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に一部の溶媒およびラジカル重合開始剤を装入した後モノマーおよび残りの溶媒およびラジカル重合開始剤を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、または反応器に一部のモノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を装入した後残りのモノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法等が挙げられる。
【0085】
本発明に使用される酸感応性共重合体の製造方法では、加熱により重合反応を進行させる。加熱温度は重合反応が進行する温度であれば何れでも構わず、所望する重合体の重合度、組成およびモル比、および使用するラジカル重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではないが、40 ℃以上が好ましく、45 ℃以上がより好ましく、50 ℃以上が更に好ましく、60 ℃以上が最も好ましく、一方、250 ℃以下が好ましく、180 ℃以下がより好ましく、160 ℃以下が更に好ましく、150 ℃以下が最も好ましい。
【0086】
重合反応時間も、所望する重合体の重合度、組成およびモル比、および使用するラジカル重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではない。しかしながら、0 .01 時間以上が好ましく、一方、40 時間以下が好ましく、20 時間以下がより好ましい。
尚、必要に応じて、反応は還流下、減圧、常圧または加圧の何れでも実施で
きる。特に還流下で行うと反応熱の除熱が効率よく行われるので、好ましい。また、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、空気などの分子状酸素の存在下でも行うことができる。
【0087】
更に、本発明で使用される酸感応性共重合体の製造方法では、共重合体の収量を向上させる目的や、共重合体の構成単位の配列を変化させる目的等で、フェノール化合物等の添加剤を使用することもできる。
以上のような共重合体を含有する溶液(レジスト原料)としては、0 .05 〜0 .3 モル部の4 −(1 −メチルエテニル)フェノールと、0 .5 〜0.9 モル部の(メタ)アクリル酸エステル類と、0 .01 〜0 .4 モル部の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とを、総モル数が1 モル部となるよう含む共重合体原料を加熱する、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度を50 質量ppb 〜0 .5 質量%とし、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度を5 質量ppm 〜5 質量%とし、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度を200 質量ppb 〜2 質量%とし、更に、これらの未反応モノマー類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度を25 〜75 質量%としたものが、レジスト材料の溶液塗布特性、塗布膜制御性などの観点から好ましい。
重合反応終了後は、反応混合液から、溶剤抽出法、分別沈殿法または薄膜蒸発法等の通常の方法により、生成した共重合体を単離することができる。また、必要に応じて、目的物である共重合体を単離することなく、生成された共重合体を含有する溶液をレジスト原料として使用することもできる。
なお、本発明のポジ型感光性レジストに使用する場合には、共重合体の溶解速度が露光前は1.5μm/分以下、好ましくは1.2μm/分以下で、露光後2.5μm/分以上、好ましくは3μm/分以上と大きく変化するのが好ましい。ここで、溶解速度の測定は、該共重合体30重量%とナフタリミジルトリフルオロスルフォネート等の光酸発生剤1重量%との混合溶液を、銅貼り積層板などの基板上にスピンコーターまたはバーコーター等で、加熱して溶剤を除去した時の膜厚が5μmになるように塗布した塗膜について測定する。基板上の塗膜が現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に全て溶解するまでの時間を測定して露光前の溶解速度を決定する。露光後の溶解速度は、同様に基板上に塗膜したのちに365nmの波長の光を200mJ/cm2当てた塗膜が、現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に全て溶解するまでの時間を測定して決定する。
【0088】
この様なレジスト原料に、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類及び4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方を添加してポジ型感光性レジスト組成物を調整することができる。添加量の総和は、未反応のモノマー類および生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、1 質量部以上が好ましく、3 質量部以上がより好ましく、一方、20 質量部以下が好ましく、10 質量部以下がより好ましい。添加量がこの範囲内であれば、現像時のパターン形成を良好に行えるため好ましい。
【0089】
尚、添加量の総和とは、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類のみを添加する場合、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類の添加量であり;4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類のみを添加する場合、4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の添加量であり、これら両者を添加する場合、両者の添加量の和である。
尚、加熱した後の共重合体の濃度が25 質量%に満たない場合は濃縮し、または75 質量%を越える場合は希釈して濃度を調整する。レジスト原料中における共重合体の濃度は、例えば、レジスト原料をブリキ皿に入れ精秤し、ブリキ皿を熱風乾燥器に入れ、加熱して溶媒を除去した皿を再び精秤し、実測することができる。
【0090】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、塗膜性改良などの理由から、更に溶剤を添加することもできる。
この様な溶剤とは、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2 −ヘプタノンまたはメチル−2 −n −アミルケトン等のケトン類、エタノール、n −プロパノール、イソプロパノール、1 −ブタノール、2 −ブタノール、3 −メトキシブタノール、3 −メチル−3 −メトキシブタノール、1 −メトキシ−2 −プロパノールまたは1 −エトキシ−2 −プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、エチレングリコールエチレン、プロピレングリコール、グリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテートまたはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノフェニルエーテル、ジメチルエーテルまたはジエチルエーテルなどの多価アルコール誘導体、テトラヒドロフランまたはジオキサン等の環式エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3 −メトキシプロピオン酸メチル、3 −メトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert −ブチルまたはプロピオン酸tert −ブチル等のエステル類等、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、またはクロロベンゼンまたはオルトジクロロベンゼン等ハロゲン化芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0091】
これらのうち好ましくは、ケトン類、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコール類の誘導体、環式エーテル類、エステル類または芳香族炭化水素類であり、更に好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルまたはトルエンである。これらの溶媒は単独でもまたは2 種以上を混合して使用しても良い。
【0092】
また、本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、必要に応じて、現像性、保存安定性、耐熱性などを改善するために、たとえば、スチレンとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体、アルケンと無水マレイン酸との共重合体、ビニルアルコール共重合体、ビニルピロリドン重合体などを添加することができる。これら任意成分の添加量は、酸感応性共重合体100 質量部に対して、通常、30 質量部以下、好ましくは15 質量部以下である。
【0093】
また、本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、必要に応じて、現像性、保存安定性、耐熱性などを改善するために、例えば、スチレンとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体、アルケンと無水マレイン酸との共重合体、ビニルアルコール共重合体、ビニルピロリドン共重合体などを添加することができる。これら任意成分の添加量は、酸感応性共重合体100質量部に対して、通常、30質量部以下、好ましくは15質量部以下である。
【0094】
以上で得られたポジ型感光性レジスト材料を、マザーボードやパッケージ基板、フレキシブルプリント基板用の銅貼り積層基板上にディップコーターを使用して塗布・加熱乾燥してポジ型感光性被膜層を形成し、次いでこの被膜上に所定のパターンを有するマスクを密着させ、このマスクを介して近紫外光(300−400nm)で露光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液で現像することによって、プリント基板上に所望のパターンを形成させることができる。
【0095】
この時、本発明のポジ型感光性レジスト組成物の液比重は、乾燥速度を上げるために比重の小さい溶剤を使用するため0.800以上が好ましく、0.850以上がより好ましく、一方、残留溶媒の為に基板同士の張り付き(残留タック)が無い様に0.950以下が好ましく、0.900以下がより好ましい。
ディップコーターの使用により極薄基板(100μm以下)でも対応が可能であり、また表面形状に左右されず、端面までコートが可能である。従って処理効率が良く、1枚あたりのタクト時間を大幅に短縮できる、等の利点がある。
【0096】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物はプリント配線板、ランドレスプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、パッケージ用プリント配線板などの電子部品の製造に好適に使用できる。
本発明のポジ型感光性レジスト材料を用い、スルーホールのある基板で微細なパターンを形成する場合は、ランドレスにすることができる。ネガ型の場合は、スルーホール内部が硬化しないため、エッチング液浸漬時にスルーホール内部にエッチング液が浸透し、内部のメッキを腐食、断線してしまう。またドライフィルム方式では、スルーホール周辺の密着性がないと同様に内部にエッチング液が浸透し、メッキを腐食、断線してしまう。従って、本材料は唯一ランドレスを実現できる材料である。
【0097】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、特に断りがない限り、試薬等は市販の良好品を使用した。
本発明で使用される酸感応性共重合体の実施例を先ず説明する。
【0098】
(実施例1)
攪拌機、温度計、冷却管および内容積500ミリリットルの滴下漏斗を装着した、内容積1,000ミリリットルの4ッ口フラスコに、テトラヒドロフラン200ミリリットルを装入し、攪拌しながらウォーターバスにより外温を80℃に上げ還流させた。別に、1,000ミリリットルの三角フラスコに、2−エチルヘキサノール溶液より結晶化させて精製した4−(1−メチルエテニル)フェノール(以降、PIPEと略称する100グラム(0.75モル)、蒸留精製したアクリル酸メチル193.7グラム(2.25モル)およびアクリル酸1−エトキシエチル108グラム(0.75モル)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル16.4グラム(0.10モル)、および溶媒としてテトラヒドロフラン200ミリリットルを装入した。
この溶液を攪拌して溶解させた後、全量を2回に分けて滴下漏斗に移し、上記4ッ口フラスコに還流状態が続く程度の速度で滴下した。反応初期の内温は72℃であったが、重合途中で内温は上昇し、8時間後は80℃であった。攪拌を続けながらウォーターバスを外し、2時間かけて室温(25℃)まで冷却した後、重合反応液を5リットルのビーカー中、n−ヘキサン2リットルに装入し、生成したポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾過・分離した後、再度テトラヒドロフラン400ミリリットルに溶かし、n−ヘキサン2リットル中に装入し、固体を析出させた。この濾過・分離・析出操作を更に2回繰り返した。最後の濾過・分離後、100mmHg、100℃で2時間減圧乾燥し、320.4グラムの白色重合体を得た。
得られた白色重合体は、1H−NMR分析、13C−NMR分析、および元素分析の結果より、目的とする共重合体であった。d6−ジメチルスルホキシド中の1H−NMRを図1に、13C−NMRを図2に示す。これらのNMR結果より、得られたポリマー中の化学式(1)で示される構成単位のモル比はa=0.24,b=0.58およびc=0.18であって、原料の仕込み比とほぼ同じモル比であった。また、ポリスチレンを標準とするGPC分析の結果、重量平均分子量(Mw)は10,000であり、そして分子量分散度(Mw/Mn)は1.94であった。GPC分析を図3に示す。
得られた共重合体をメチルエチルケトン、シクロヘキサノンの各溶剤に溶かしたところ、この共重合体はいずれの溶媒にも50重量%以上溶解した。
得られた共重合体をシクロヘキサノンに溶解後、乾燥膜厚が5μmになるように銅貼り基板上にバーコーターを用いて塗布し、80℃で30分間加熱し被膜を形成させた。これを1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ現像液)に浸漬したところ、3分以内に銅貼り基板上の被膜は溶解することはなかった。即ち、得られた共重合体の溶解速度は1.5μm/分以下であったことになる。
また、得られた共重合体をシクロヘキサノンに溶解し、それにナフトリミジルトリフルオロスルフォネート(みどり化学 NAI−105)1重量%加えた溶液を乾燥後5μmになるように銅貼り積層板にバーコーターで塗布し、80℃で30分間加熱して被膜を形成させた。これに365nmの光を200mJ/cm2照射した後1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液に浸積したところ、2分以内で塗膜全てが溶解した。即ち、得られた共重合体の溶解速度は2.5μm/分以上であったことになる。
得られた共重合体をメチルエチルケトンに溶解後、乾燥膜厚が1μmになるように石英板上にスピンコーターを用いて塗布し、120℃で10分間加熱し皮膜を形成させた。これを紫外可視分光光度計により365nmにおける透過率を測定したところ、透過率は98%以上であった。紫外可視光光度分析を図4に示す。
また、示差走査型熱量計によりガラス転移点を測定したところ、70℃であった。
更には、示差熱天秤計により熱安定性を測定したところ、200℃以上まで安定だった。熱重量分析を図5に示す。
【0099】
(実施例2〜4)
実施例1において用いたアクリル酸メチルを表1に示すように変え、他の条件は全て実施例1と同様にして反応および後処理を行った。実施例1と同様にして、得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を測定した。また、実施例1と同様に溶剤溶解性、アルカリ現像液に対する溶解速度、透明性および熱安定性を評価した。これらの分析結果および評価結果を、実施例1の結果と共に表1に示す。
【0100】
(比較例1)
実施例1において用いたPIPEの仕込量を251.9グラム(1.88モル)に、アクリル酸メチルの仕込量を161.8グラム(1.88モル)に変え、アクリル酸1−エトキシエチルを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。仕込みモル比、および得られた共重合体の分析結果および評価結果を、実施例1〜4の結果と共に表1に示す。
【0101】
(比較例2)
実施例1において用いたPIPEの仕込量を251.9グラム(1.88モル)に、アクリル酸1−エトキシエチルの仕込量を270.7グラム(1.88モル)に変え、アクリル酸メチルを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。仕込みモル比、および得られた共重合体の分析結果および評価結果を、実施例1〜4および比較例1の結果と共に表1に示す。
【0102】
(実施例5〜6)
実施例1において用いたアクリル酸1−エトキシエチルの替わりに表2に示すアクリル酸アルコキシアルキルエステル類を表2に示すモル比で用いた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体の分析結果および評価結果を実施例1の結果と共に表2に示す。
【0103】
(実施例7〜8)
実施例1において用いたPIPE、アクリル酸メチル、アクリル酸1−エトキシエチルのモル比を表3に示すように変え、但しモノマー総モル量は実施例1同様3.75モルにした以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体の分析結果および評価結果を実施例1の結果と共に表3に示す。
【0104】
(実施例9〜12)
実施例1において用いたテトラヒドロフランの代わりに表4に示す溶媒を表4に示す量を用い、反応温度および反応時間を表4に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を実施例1の結果と共に表4に示す。なお、溶剤溶解性、アルカリ現像液溶解速度、透明性および熱安定性はいずれも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
(実施例13〜17)
実施例1において用いたアゾビスイソブチロニトリルの代わりに表5に示すラジカル重合開始剤を表5に示す量用い、反応温度および反応時間を表5に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を実施例1の結果と共に表5に示す。なお、溶剤溶解性、アルカリ現像液溶解速度、透明性および熱安定性はいずれも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0111】
(実施例18 )
攪拌機、温度計、冷却管および内容積500 ミリリットルの滴下漏斗を装着した、内容積1 ,000 ミリリットルの4 ッ口フラスコに、メチルエチルケトン230 ミリリットルを装入し、攪拌しながらウォーターバスにより外温を80 ℃に上げ還流させた。別に、1 ,000 ミリリットルの三角フラスコに、2 −エチルヘキサノール溶液より結晶化させて精製した4 −(1 −メチルエテニル)フェノール(以降、PIPE と略称する)100 グラム(0 .75 モル、0 .2 モル部)、蒸留精製したメタクリル酸メチル225 グラム(2 .25 モル、0 .6 モル部)およびアクリル酸1 −エトキシエチル107 .7 グラム(0 .75 モル、0.2 モル部)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル6 .09グラム(0 .037 モル)、および溶媒としてメチルエチルケトン229 ミリリットルを装入した。
この溶液を攪拌して溶解させた後、全量を2 回に分けて滴下漏斗に移し、上記4 ッ口フラスコに還流状態が続く程度の速度で滴下した。この際、PIPE 、メタクリル酸メチル及びアクリル酸1 −エトキシエチルの合計濃度が20 質量%以下となるよう滴下速度を調整した。
反応初期の内温は72 ℃であったが、重合途中で内温は上昇し、8 時間後は80 ℃であった。その後、攪拌を続けながらウォーターバスを外し、2 時間かけて室温(25 ℃)まで冷却して酸感応性共重合体1 を含むレジスト原料1 を得た。
この時点で、未反応のPIPE はレジスト原料の0 .02 質量%、未反応のメタクリル酸メチルはレジスト原料の1 .0 質量%、未反応のアクリル酸1−エトキシエチルはレジスト原料の0 .5 質量%であった。
また、未反応のPIPE 、未反応のメタクリル酸メチル、未反応のアクリル酸1 −エトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の49 質量%であった。
更に、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量(Mw )は24 ,000 であり、そして分子量分散度(Mw /Mn )は2 .6 であった。
【0112】
(実施例19 )
実施例18 において用いたメタクリル酸メチルをアクリル酸メチルにかえて223 .9 グラム(2 .60 モル、0 .69 モル部)とし、アクリル酸1−エトキシエチルをメタクリル酸1 −n −ブトキシエチルにかえて64 .0グラム(0 .40 モル、0 .11 モル部)とし、アゾビスイソブチロニトリルを6 .11 グラム(0 .037 モル)とて、合成例1 と同様に酸感応性共重合体2 を含むレジスト原料2 を得た。
尚、メチルエチルケトンの量を調節することにより、未反応のPIPE はレジスト原料の0 .02 質量%、未反応のアクリル酸メチルはレジスト原料の1.5 質量%、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチルはレジスト原料の0 .3 質量%であった。
更に、未反応のPIPE 、未反応のアクリル酸メチル、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の50質量%であった。
加えて、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量は22 ,000 であり、分子量分散度は2 .3 であった。
【0113】
(実施例20 )
実施例19 において用いたアクリル酸メチルを162 .7 グラム(1 .89モル、0 .5 モル部)とし、メタクリル酸1 −n −ブトキシエチルを179 .2 グラム(1 .12 モル、0 .3 モル部)とした以外は、実施例19と同様にして酸感応性共重合体3 を含むレジスト原料3 を得た。
尚、未反応のPIPE 、未反応のアクリル酸メチル、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の50 質量%であった。
更に、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量は20 ,300 であり、分子量分散度は2 .6 であった。
【0114】
(比較例3 )実施例18 において用いたPIPE の仕込量を251 .9 グラム(1 .88 モル)に、メタクリル酸メチルの仕込量を188 グラム(1 .88 モル)に変え、アクリル酸1 −エトキシエチルを用いなかった以外は全て実施例18 と同様にして反応、後処理を行った。得られた共重合体の重量平均分子量は19 ,000 、分子量分散度は2 .1 であった。
【0115】
(比較例4 )
実施例18 において用いたPIPE の仕込量を251 .9 グラム(1 .88 モル)に、アクリル酸1 −エトキシエチルの仕込量を270 .7 グラム(1 .88 モル)に変え、メタクリル酸メチルを用いなかった以外は全て実施例18 と同様にして反応、後処理を行った。得られた共重合体の重量平均分子量は19 ,500 、分子量分散度は2 .1 であった。
【0116】
【表6】
【0117】
以下本発明のポジ型感光性レジスト組成物の実施例を記載する。
(実施例21 〜23 )
実施例18 〜20 で作製した酸感応性共重合体1 〜3 を含むレジスト原料1 〜3 に夫々、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを、未反応のモノマー及び酸感応性共重合体100 質量部に対して6 質量部加え溶解させ、さらにメチルエチルケトンを所定量加え溶剤以外の成分濃度を35 %にてディップタイプのポジ型感光性レジスト組成物を作製した。
また、別途、銅箔厚みが9 μm の0 .5mm 厚みのFR −4 基板にドリルで0.2mm φの孔を開け、公知の方法で9 μm の銅メッキを施した。このスルーホールのある基板の両面に、得られたポジ型感光性レジスト組成物を乾燥後で4 μm になるようにディップコータで塗布、80 ℃乾燥機でタックフリーになるまで30 分間乾燥した。0 .2mm φのスルーホールの内面はレジスト材料で覆われていた。その後、ライン/スペース=45 /35 μm のモデルパターンと0 .35mm φのランドを持ったパターニングフィルムをコート面に密着させ、高圧水銀ランプで365nm の光を200mJ /cm2 照射した後、1 .0 質量%炭酸ナトリウム水溶液でスプレーし、その後、水洗して現像をした。
その段階で取り出し、現像状態を観察したところ、所定のライン/スペースのレジストパターンを確認した。引き続き、塩化第二鉄系の公知の銅エッチングラインでエッチング処理を行い、3 .0 %質量%苛性ソーダ水溶液スプレーでレジスト材料を剥離し、水洗処理、乾燥したのち回路形成状態を観察した。銅回路/スペースは40 /40 μm であり、スルーホール内は銅メッキ後の状態を維持していた。
【0118】
(実施例24 〜26 )
実施例18 〜20 の夫々において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテルに代え配合量を4 質量部とした以外は、実施例21 と同様にして、炭酸ナトリウム水溶液で現像後の状態、塩化第二鉄系の銅エッチングラインでエッチング処理後の回路状態を観察した結果、レジストパターン状態、回路状態、スルーホール内状態は、夫々実施例21 〜23 と同様に良好であった。
【0119】
(実施例27 )
実施例21 において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを6質量部の代わりにα,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを3 質量部および4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテルを2質量部とした以外は、実施例21 と同様にして、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態を観察した結果、実施例21 と同様に良好であった。
【0120】
(比較例5 )
実施例21 において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンの代わりに、光酸発生剤としてα,α,α−トリブロモメチルフェニルスルフォンを主成分とするものを3 質量部と使用した以外は、実施例1 と同様にして、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態を観察した。その結果、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態は、実施例21 と比較して劣っていた。
【0121】
(参考例2 及び3 )
比較例3 及び4 で作製した共重合体溶液に夫々、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを、未反応のモノマー及び酸感応性共重合体100 質量部に対して6 質量部加え溶解させ、さらにメチルエチルケトンを所定量加え溶剤以外の成分濃度を35 %にてディップタイプの樹脂コート材料を作製した。
また、別途、銅箔厚みが9 μm の0 .5mm 厚みのFR −4 基板にドリルで0.2mm φの孔を開け、公知の方法で9 μm の銅メッキを施した。このスルーホールのある基板の両面に前記樹脂コート材料を乾燥後で4 μm になるようにディップコータで塗布、80 ℃乾燥機でタックフリーになるまで30 分間乾燥した。0 .2mm φのスルーホールの内面はレジスト材料で覆われていた。その後、実施例21 と同様にして露光、現像を行ったのち現像状態を観察したところ、所定のスペース部の樹脂被膜溶解が不十分であり、レジストパターンが確認できなかった。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、ポジ型感光性レジスト材料に使用される光酸発生剤を安価に抑えることができ、ポジ型感光性レジスト材料をプリント基板加工分野に使用できる。特に、工業的に入手可能な4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類からなる新規な酸感応性共重合体と安価な光酸発生剤を組み合わせることで、安価さが重要なプリント基板加工分野で要求されているポジ型感光性レジスト材料を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のd6―ジメチルスルホキシド中の1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のd6―ジメチルスルホキシド中の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のGPC溶出曲線を示す。
【図4】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体の紫外可視光光度分析を示す。
【図5】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体の熱重量分析を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型感光性レジスト材料として好適で安価な光酸発生剤を提供するものであり、さらにはポジ型感光性レジスト材料において新規な酸感応性共重合体と前記の酸発生剤とを必須成分とした新規なポジ型感光性レジスト材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在プリント配線基板等を製造する際、基板にフォトレジストを塗布してマスクを付け、近紫外光を照射した後エッチングを行って、基板上に配線を描画することにより製造される。
【0003】
プリント基板等の製造に用いられるこのフォトレジスト材料として現在は主にネガ型の感光性レジスト材料が用いられており、ポリカルボン酸樹脂とエチレン性不飽和化合物および光重合開始剤からなる組成物が一般的である。基板にこの組成物を塗布し、マスクをつけて近紫外線を照射(以下露光という)して樹脂を硬化させた後、1%炭酸ナトリウム水溶液などの現像液に浸漬させると未露光の部分が現像液に溶け、露光した部分の感光性レジスト材料が残り、パターンが形成される。そしてマスクをはずし、出来たパターンをエッチングするという方法が使用されている。
【0004】
しかしながらこの方法によりスルーホール等の基板を貫通する孔を形成させたり、ヴィアホールを形成しようとしても、厚膜になるため露光しても未硬化の部分が残り、この未硬化の部分が現像処理時にスルーホールから流出するため、このままの方法を用いることが困難となる場合がある。これを解決する方法としてあらかじめ孔埋めインキ等で保護してからエッチングするという方法が提案されているが、孔埋めインキは熱で乾燥させなくてはならず、生産性が不十分となる場合がある。また、ネガ型では露光部分の樹脂を硬化させる方法であるため、50μm 以下の微細なパターンを得ることは難しい場合もある。
【0005】
このため、スルーホールのある基板に使用可能で、かつより微細な加工が可能なポジ型感光性レジスト材料を用いるパターン形成方法が提案されており、これに用いられる高性能のポジ型感光性レジスト材料の開発が望まれている。また、プリント基板等の製造におけるネガ型感光性レジスト材料を用いるパターン形成方法では現在近紫外光(300 〜450nm )が使用されており、この波長を変えることなく、スルーホールのある基板により微細な加工が出来ることが重要である。更に、本パターン形成方法では現像液として1 %炭酸ナトリウム水溶液に代表される弱アルカリ性現像液が使用されており、この現像液も変えることなく微細な加工が出来ることも重要である。加えて、プリント基板用途にはポジ型感光性レジスト材料が安価であることも重要である。即ち、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示し、安価なポジ型感光性レジスト材料が望まれている。
【0006】
ポジ型感光性レジスト材料の光酸発生剤としては、例えばみどり化学社製のNAI −105 やPAI −101 などが使用されており、その価格は概略20000 円/g と高価であり、レジスト材料としての配合量も1〜5質量部(/固形分100質量部)配合するのでレジスト材料中の光酸発生剤成分だけでも概略10〜50万円/kgと高価になってしまうのでプリント基板用途に使用するのは困難である。
【0007】
また、ポジ型感光性レジスト材料のベースポリマーとしては、特開平8−101507号公報に、p −イソプロペニルフェノールと2 −テトラヒドロピラニルアクリレートとの共重合体で代表される共重合体および感放射性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射性樹脂組成物が記載されている。更に、特開平12−029215 号公報では、フェノール単位とポリマー骨格から直接懸吊しかつ該感光性成分の光活性化の時に反応可能なアセタールエステルまたはケタールエステル単位を有するポリマーを含有する感放射性樹脂組成物が記載されている。
【0008】
これらの樹脂組成物は半導体等の超微細加工に用いることを目的としており、シリコンなどの基板に塗膜し、マスクを付けて遠紫外線等で露光を行い、2.38%テトラメチルアンモニウム水溶液などのアルカリ現像液で現像させて所望のパターンを得る。以上の様な樹脂組成物をシリコン基板に塗布し、193nmの光を照射し、2 .38 %テトラメチルアンモニウム水溶液で現像させると、非常に良好なパターンが得られる。
【0009】
しかしながら、これらの共重合体をプリント基板製造等に用いる近紫外感光性レジスト材料のベースポリマーとして用いたところ、現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に露光後も溶解し難い場合があり、このためプリント基板製造等に用いる近紫外感光性レジスト材料のベースポリマーとして用いるためには、更なる改良が必要であることが分った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の様な状況に鑑み、本発明の目的は、ポジ型感光性レジスト材料用の安価な光酸発生剤および酸感応性共重合体を提供すること、及び、酸感応性共重合体ベースポリマーと安価な光酸発生剤を必須成分とする感光性レジスト材料であって、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示すポジ型感光性レジスト材料を提供することにある。更に詳しくはスルーホールのある基板にも対応でき、近紫外光で露光して弱アルカリ現像液で現像することにより微細なパターン加工を解像性良くできるポジ型感光性レジスト材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、酸感応性共重合体に対して、ポジ型感光性レジストに一般的に使用される光酸発生剤である例えばみどり化学社製のNAI −105 やPAI −101 の価格の1 /1000と大幅に安価な4 −フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類(α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンとも記載する)及び/又は4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類が、驚くべき事に、プリント基板のポジ型感光性レジストの光酸発生剤として顕著な効果があり、プリント基板として高感度の解像性を示すことを見出した。
【0012】
また、これらの光酸発生剤は、種々検討した結果、特に4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類から成る共重合体であって、かつこれらの構成単位が特定の組成比である酸感応性共重合体を必須成分としてポジ型感光性レジスト材料とした場合に、より好適に性能を発揮する事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち本発明によれば、第1 に、少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有していることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
第2に前記の少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物が下記一般式(1)であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0014】
【化11】
【0015】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、C=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
第3 に、下記一般式(2 )で示される第1構成単位と、
【0016】
【化12】
【0017】
下記一般式(3)で示される第2 構成単位と、
【0018】
【化13】
【0019】
(式中、R6 は水素またはメチル基を表わし;R7 は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表わす。)
下記一般式(4)で示される第3構成単位と、
【0020】
【化14】
【0021】
(式中、R8 は水素またはメチル基を表わし;R9 は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を表わし;Z は水素、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y及びZは結合して環構造を形成しても良い。a,b,cはモル組成比を表し、合計は1である)
を含んでなる酸感応性共重合体をおよび該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0022】
第4に、前記一般式(3)で示される第2構成単位のR7 は、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲン原子で置換される炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換された炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換された炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0023】
第5に、前記一般式(4)で示される第3構成単位において、R9 は水素原子、フッ素または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり;Z は水素原子、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1 〜3の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Yは炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y及びZは結合して環構造を形成しており、該環構造は炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0024】
第6に、前記一般式(2)で示される第1構成単位のモル組成比は0.15〜0.3であり、前記一般式(3)で示される第2構成単位のモル組成比は0.5〜0.7であり、前記一般式(4)で示される第3構成単位のモル組成比は0.1〜0.3であり、3つの構成単位の組成比の総和は1であることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0025】
第7に、前記酸感応性共重合体は、0.05〜0.3モル部の4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.9モル部の以下一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、
【0026】
【化15】
【0027】
(式中、R6 は水素またはメチル基を示し;R7 は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。)
0.01〜0.4 モル部の以下一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1モルとなるよう含んでなるモノマー混合物と、
【0028】
【化16】
【0029】
(式中、R8 は水素またはメチル基を示し;R9 は水素、ハロゲンまたは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を示し;Zは水素原子、炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を示し;Yは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を示し;Y及びZは結合して環構造を形成しても良い。)
ラジカル重合開始剤と、溶媒とを含んでなる共重合体原料を加熱して得られることを特徴とする共重合体および該共重合体を更に含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0030】
第8に、前記共重合体原料を加熱することにより、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度が50質量ppb〜0.5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度が5質量ppm〜5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度が200質量ppb〜2質量%であり、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度が25〜75質量%であるレジスト原料を調製し、該レジスト原料に、4−フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類及び4 ,4’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方を添加して得られる(但し、添加量の総和は、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および該生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、1〜20 質量部である)ことを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0031】
第9に、前記共重合体原料は、0.15〜0.3 モル部の前記4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.7モル部の前記(メタ)アクリル酸エステル類と、0.1〜0.3モル部の前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでおり、一般式(1)のうちで添加されているものの総量は、前記未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、前記未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および前記生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、3〜10質量部であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0032】
第10に、前記一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類のR7は、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基であることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0033】
第11に、前記一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類において、R9 は水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり;Z は水素原子、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y は炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり;Y及びZ は結合して環構造を形成しており、該環構造は炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0034】
第12に、前記ラジカル重合開始剤はアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロ過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート又は過酸化アセチルであることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0035】
第13 に、前記溶媒はケトン類、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコール類の誘導体、環式エーテル類、エステル類または芳香族炭化水素類であることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0036】
第14に、前記共重合体原料の加熱開始時から終了時まで、前記共重合体原料中に存在する前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20質量%以下となるよう、前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の少なくとも何れか一つを連続的または間欠的に前記共重合体原料に添加しながら加熱することを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0037】
第15に、加熱温度は40〜250℃であることを特徴とする共重合体および該共重合体を含有してなるポジ型感光性レジスト組成物が提供される。
【0038】
第16に、4−フェノキシ−α,α−ジクロロアセトフェノン類及び4 ,4’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方と、酸感応性共重合体とを含んでなるポジ型感光性レジスト組成物の製造方法であって、該酸感応性共重合体は0.05〜0.3 モル部の4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0.5〜0.9 モル部の以下一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、
【0039】
【化17 】
【0040】
(式中、R6 は水素またはメチル基を示し;R7 は炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲンで置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。)
0.01〜0.4モル部の以下一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでなるモノマー混合物と、
【0041】
【化18 】
【0042】
(式中、R8 は水素原子またはメチル基を表わし;R9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を表わし;Z は水素原子、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y 及びZは結合して環構造を形成しても良い。)ラジカル重合開始剤と、溶媒とを含んでなる共重合体原料を加熱して得られることを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
【0043】
第17に、前記共重合体原料を加熱することにより、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度が50質量ppb〜0.5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度が5質量ppm〜5質量%であり、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度が200質量ppb〜2質量%であり、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度が25〜75質量%であるレジスト原料を調製する工程を含んでなる共重合体の製造方法と、更に該レジスト原料に、下記一般式(1)を添加する(但し、添加量の総和は、該未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、該未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、該未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および該生成した酸感応性共重合体の総量100質量部に対して、1〜20質量部である)工程を含んでなることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物の製造方法が提供される。
【0044】
【化19】
【0045】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、およびC=Oから選ばれる置換基を表わす。)
第18 に、前記共重合体原料の加熱工程において、前記共重合体原料中に存在する前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20 質量%以下となるよう、前記4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記(メタ)アクリル酸エステル類および前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の少なくとも何れか一つを連続的または間欠的に前記共重合体原料に添加しながら加熱することを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
【0046】
第19 に、加熱温度は40〜250℃であることを特徴とする共重合体の製造方法が提供される。
第20に 前記のポジ型感応性レジスト組成物に更に溶剤を含んでなる液比重が0.800〜0.950であるポジ型感光性レジスト組成物中に、少なくとも一方の表面が金属層である積層板を浸漬し、乾燥することにより積層板の表面及び孔内壁に感光性樹脂を均一に皮膜し、その後、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造方法が提供される。
第21に 前記記載の製造方法により製造された電子部品が提供される。
である。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物は少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有し、これに酸感応性共重合体および溶剤を配合してなる材料である。
【0048】
少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物は下記一般式(1)で表されるものが好ましく、配合量は酸感応性共重合体の合計100質量部に対して、パターン形成を良好に行うため、1質量部以上が好ましく、3 質量部以上がより好ましい。一方、現像残の発生を低減でき高性能のレジストを形成できるため、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
【0049】
【化20】
【0050】
(ここで、R1、R2、R3、R5は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基及びフェニル基から選ばれる置換基を表わし、R4は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基、フェニル基及びジクロロアセチル基から選ばれる置換基を表わし、XはO、S、CH2、C(CH3)2、C=Oから選ばれる2価の連結基を表わす。)
本発明における酸発生剤としては少なくともジクロロアセチル基を1つ以上有する化合物であれば特に限定無く使用できるが、一般式(1)で表わされる化合物が好ましい。一般式(1)で表わされる化合物としては、例えば、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジメチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−(3−メチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジエチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−(3−エチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−エチル−4−(3,5−ジエチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジエチル−4−(3,5−ジエチルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジプロピル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−(3−プロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−プロピル−4−(3,5−ジプロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジプロピル−4−(3,5−ジプロピルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−(3−クロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−クロロ−4−(3,5−ジクロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジクロロ−4−(3,5−ジクロロフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−メチル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジシアノ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−シアノ−4−(3−シアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−シアノ−4−(3,5−ジシアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジシアノ−4−(3,5−ジシアノフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジブロモ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−(3−ブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ブロモ−4−(3,5−ジブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジブロモ−4−(3,5−ジブロモフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジヒドロキシ−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−(3−ヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−ヒドロキシ−4−(3,5−ジヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジヒドロキシ−4−(3,5−ジヒドロキシフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジフェニル−4−フェノキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−(3−フェニルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2−フェニル−4−(3,5−ジフェニルフェノキシ)アセトフェノン、α,α−ジクロロ−2,6−ジフェニル−4−(3,5−ジフェニルフェノキシ)アセトフェノン、3,5−ジアルキル−4−α,α―ジクロロアセチルフェニルフェニルチオエーテル2,6−アルキル−4−(3,5−アルキルベンジル)α,α―ジクロロアセトフェノン、3,5−ジアルキル−4−α,α―ジクロロアセチルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルベンゾフェノン、2,6−アルキル−4−(3,5−アルキルフェニルプロピリデン)α,α―ジクロロアセトフェノン及び4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルエーテル、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルチオエーテル、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルケトン、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルメチレン、4,4’−(α,α―ジクロロアセチル)−3,5−ジアルキルフェニル−3‘,5’−ジアルキルフェニルプロピレン等が上げられる。これらは、単独または併用して使用することができる。
上記のアルキルとしては、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシル基で置換される炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐のアルキル基が挙げられる。
【0051】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物は、近紫外露光および弱アルカリ現像で高解像度を示し、スルーホールのある基板にも対応でき、近紫外光で露光して弱アルカリ現像液で現像することにより微細なパターン加工を解像性良く行うことができる。
本発明のポジ型感光性レジスト材料の酸感応性共重合体として一般式(2)、
【0052】
【化21】
【0053】
一般式(3)
【化22】
【0054】
(式中、R6 は水素原子またはメチル基を表わし;R7 は炭素数1 〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、ヒドロキシ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲン原子で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基、シアノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはジアルキルアミノ基で置換される炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表わす。)、
及び一般式(4)
【0055】
【化23】
【0056】
(式中、R8 は水素またはメチル基を表わし;R9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基を示し;Z は水素原子、炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y は炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を表わし;Y 及びZは結合して環構造を形成しても良い。a,b,cはモル組成比を表わし、合計は1である。)
で示される構成単位を有する共重合体が特に好適に使用される。
【0057】
一般式(3)におけるR6 は、水素原子またはメチル基である。また、一般式(3)におけるR7 は、炭素数1〜6 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基またはシクロペンチル基等の無置換アルキル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシn−プロピル基、2−ヒドロキシn−プロピル基、3−ヒドロキシn−プロピル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−n−プロピル、1−ヒドロキシn−ブチル基、2−ヒドロキシn−ブチル基、3−ヒドロキシn−ブチル基または4−ヒドロキシn−ブチル基等のヒドロキシ置換アルキル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2−クロロエチル基、トリクロロエチル基、3−ブロモエチル基またはヘプタフルオロイソプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、2−シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基、または、2−(ジメチルアミノ)エチル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基または3−ジメチルアミノネオペンチル基等のジアルキルアミノ置換アルキル基が挙げられる。
【0058】
好ましくは、炭素数1〜4 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
更に好ましくは、炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、トリフルオロメチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられる。
【0059】
一般式(4)におけるR8 は、水素原子またはメチル基である。また、一般式(4)におけるR9 は水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基で、Zは水素原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、Yは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、またはYとZは結合して環構造を有していても良い。
【0060】
R9 は、具体的には、水素原子、フッ素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基であり、Yはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基等であり、Zはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基等の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基等である。
更に具体的には、一般式(4)のアルコキシアルキルエステル基の部分、R9、C 、O 、Y 及びZをまとめて表記するとメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−イソブトキシエチル基、2−sec−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−n−プロポキシプロピル基、1−イソプロポキシプロピル基、1−n−ブトキシプロピル基、1−イソブトキシプロピル基、1−sec−ブトキシプロピル基、1−tert−ブトキシプロピル基、2−メトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、 −n−プロポキシプロピル基、2−イソプロポキシプロピル基、2−n−ブトキシプロピル基、2−イソブトキシプロピル基、2−sec−ブトキシプロピル基、2−tert−ブトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−イソブトキシプロピル基、3−sec−ブトキシプロピル基、3−tert−ブトキシプロピル基等の無置換アルキル基、1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル基等のヒドロキシ置換アルコキシ基、トリフルオロメトキシメチル基、1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基等のハロゲン置換アルコキシ基、1−メトキシ−1−シアノメチル基、1−(1−シアノ)メトキシメチル基、1−(1−シアノ)メトキシエチル基等のシアノ置換アルコキシ基、1,1−ジメチルアミノメトキシメチル基等のジアルキルアミノ置換アルコキシ基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基等の無置換環状エーテル、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ基等のアルキル置換環状エーテル、または、2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基等のハロゲン置換環状エーテルである。
また好ましくは、一般式(4)においてR9 が水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基で、Z が水素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、およびYが炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、またはYとZが結合して形成された環構造が炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであり、具体的には一般式(4)のR9 、C 、O 、X 及びZをまとめて表記するとメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル基、1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル基、トリフルオロメトキシメチル基、1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル基、テトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、テトラヒドロピラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ基または2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ基等である。
【0061】
尚、一般式(3)又は(4)は1 種の構成単位のみならず2 種以上の構成単位を有していても構わない。すなわち、一般式(2)、2 種以上の一般式(3)および2 種以上の一般式(4)で示される構成単位を有する共重合体のように、4種またはそれ以上の構成単位を有する共重合体も本願発明の共重合体に含有される。
【0062】
また、本発明の共重合体においては、一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)で示される構成単位の組成比は極めて重要であり、3つの構成単位の総和は1となるようにした時、一般式(2)の組成比は は0.05以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.2 以上が更に好ましく、一方、0.3以下が好ましい。また、一般式(3)の組成比は0.5 以上が好ましく、一方、0.9以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。更に、一般式(4)の組成比は0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、一方、0.4 以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。なお、一般式(3)または一般式(4)で示される構成単位が2種以上の場合、この時の組成比は、それぞれの構成単位の組成比の合計である。また、3つの構成単位の組成比は、例えば1H−NMR及び13C−NMR等により実測することができる。
【0063】
また本発明に使用される酸感応性共重合体は、一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)で示される構成単位がランダムに共重合しているものでも、3構成単位が交互に共重合しているものでも、また、ブロック共重合しているものでも構わない。
【0064】
本発明に使用される酸感応性共重合体の重量平均分子量(Mw)は、当該共重合体の使用目的により異なり一様ではないが、例えば、通常、3,000以上が好ましく、4,000以上がより好ましく、一方、80,000以下が好ましく、60,000以下がより好ましい。さらに分子量分散度(Mw/Mn、但しMnは数平均分子量)は、通常、1.0以上であり、一方、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下が更に好ましい。なお、重量平均分子量および分子量分散度は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)等を用いてポリスチレン換算により実測できる。
【0065】
本発明に使用される共重合体は、4 −(1 −メチルエテニル)フェノールと、一般式(4 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とを含んでなるモノマー混合物と、ラジカル重合開始剤および溶媒とを、モノマー混合物中のモノマーのモル比が所定となるよう混合し、加熱することによって得られる。
【0066】
本発明で使用される酸感応性共重合体の原料モノマーである一般式(5)で示される(メタ)アクリル酸エステル類としては、式中のR6 は水素原子またはメチル基であり、およびR7 は炭素数1〜6 の直鎖または分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であって、具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシルまたはアクリル酸シクロペンチル等のアクリル酸無置換アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸1−ヒドロキシn −プロピル、アクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、アクリル酸3−ヒドロキシn−プロピル、アクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシn−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシn−ブチル、アクリル酸3−ヒドロキシn−ブチルまたはアクリル酸4−ヒドロキシn−ブチル等のアクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸トリクロロエチル、アクリル酸3−ブロモエチルまたはアクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル等のアクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、アクリル酸2−シアノエチル等のアクリル酸シアノ置換アルキルエステル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはアクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のアクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルまたはメタクリル酸シクロペンチル等のメタクリル酸無置換アルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシn−ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−ブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシn−ブチルまたはメタクリル酸4−ヒドロキシn−ブチル等のメタクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸3−ブロモエチルまたはメタクリル酸ヘプタフルオロ2−プロピル等のメタクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、メタクリル酸2−シアノエチル等のメタクリル酸シアノ置換アルキルエステル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはメタクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のメタクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル等が挙げられる。
【0067】
好ましくは、一般式(5)においてR7 が炭素数1〜4 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であって、好ましい(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0068】
更に好ましくは、一般式(5)においてR7 が炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換、ヒドロキシ置換、ハロゲン置換、シアノ置換またはジアルキルアミノ置換アルキル基であり、更に好ましい(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸1−ヒドロキシ−n−プロピル、アクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸トリクロロエチル、アクリル酸3−ブロモエチル、アクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル、アクリル酸2−シアノエチル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシ−n−プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシn−プロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−n−プロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸トリフルオロメチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸3−ブロモエチル、メタクリル酸ヘプタフルオロ−イソプロピル、メタクリル酸2−シアノエチルまたはメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルが挙げられる。
【0069】
尚、以上の様な(メタ)アクリル酸エステル類は、1種または2種以上を同時にまたは混合して用いることができ、この場合は2 種以上の一般式(3)で示れる構成単位がランダムに共重合した構造の共重合体が得られる。この時の一般式(3)の組成比は2種以上の一般式(3)で示される構成単位の組成比の合計である。
【0070】
本発明で使用される酸感応性共重合体のもう一つの原料である一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類としては、式中R8は水素原子またはメチル基であり、R9 は水素原子,ハロゲン原子または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、Zは水素または炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、およびYは炭素数1〜6 の直鎖もしくは分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、YとZは結合して環構造を形成しても良い。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の具体例としては、アクリ
ル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸n−プロポキシメチル、アクリル酸イソプロポキシメチル、アクリル酸n−ブトキシメチル、アクリル酸イソブトキシメチル、アクリル酸sec−ブトキシメチル、アクリル酸tert−ブトキシメチル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸1−n−ブトキシエチル、アクリル酸1−イソブトキシエチル、アクリル酸1−sec−ブトキシエチル、アクリル酸2 −エトキシエチル、アクリル酸2−n−プロポキシエチル、アクリル酸2−イソプロポキシエチル、アクリル酸2−n−ブトキシエチル、アクリル酸2−イソプトキシエチル、アクリル酸2−sec−ブトキシエチル、アクリル酸1−メトキシプロピル、アクリル酸1−エトキシプロピル、アクリル酸1−n−プロポキシプロピル、アクリル酸1−イソプロポキシプロピル、アクリル酸1−n−ブトキシプロピル、アクリル酸1−イソブトキシプロピル、アクリル酸1 −sec−ブトキシプロピル、アクリル酸1−tert−ブトキシプロピル、アクリル酸2−メトキシプロピル、アクリル酸2−エトキシプロピル、アクリル酸2−n−プロポキシプロピル、アクリル酸2−イソプロポキシプロピル、アクリル酸2−n−ブトキシプロピル、アクリル酸2−イソブトキシプロピル、アクリル酸2−sec−ブトキシプロピル、アクリル酸2−tert−ブトキシプロピル、アクリル酸3−メトキシプロピル、アクリル酸3−エトキシプロピル、アクリル酸3−n−プロポキシプロピル、アクリル酸3−イソプロポキシプロピル、アクリル酸3−n−ブトキシプロピル、アクリル酸3−イソブトキシプロピル、アクリル酸3−sec−ブトキシプロピルまたはアクリル酸3 −tert−ブトキシプロピル等のアクリル酸無置換アルキルアルコキシレート、アクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチルまたはアクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル等のアクリル酸ヒドロキシ置換アルコキシレート、アクリル酸トリフルオロメトキシメチル、アクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチルまたはアクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル等のアクリル酸ハロゲン置換アルコキシレート、アクリル酸1−メトキシ−1−シアノメチル、アクリル酸1−(1−シアノ)メトキシメチルまたはアクリル酸1−(1−シアノ)メトキシエチル等のアクリル酸シアノ置換アルコキシレート、アクリル酸1,1−ジメチルアミノメトキシメチル等のアクリル酸ジアルキルアミノ置換アルコキシレート、アクリル酸テトラヒドロ−2 −イルオキシまたはアクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のアクリル酸無置換環状オキサレートまたはアクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはアクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のアクリル酸アルキル置換環状オキサレート、アクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ等のアクリル酸ハロゲン置換環状オキサレート、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸n−プロポキシメチル、メタクリル酸イソプロポキシメチル、メタクリル酸n−ブトキシメチル、メタクリル酸イソブトキシメチル、メタクリル酸sec−ブトキシメチル、メタクリル酸tert−ブトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n−プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸1−n−ブトキシエチル、メタクリル酸1−イソプトキシエチル、メタクリル酸1−sec−ブトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−n−プロポキシエチル、メタクリル酸2−イソプロポキシエチル、メタクリル酸2−n−ブトキシエチル、メタクリル酸2−イソプトキシエチル、メタクリル酸2−secブトキシエチル、メタクリル酸1−メトキシプロピル、メタクリル酸1−エトキシプロピル、メタクリル酸1−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸1−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸1−n −ブトキシプロピル、メタクリル酸1−イソブトキシプロピル、メタクリル酸1−sec−ブトキシプロピル、メタクリル酸1−tert−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシプロピル、メタクリル酸2−エトキシプロピル、メタクリル酸2−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸2−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸2−n−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−イソブトキシプロピル、メタクリル酸2−sec−ブトキシプロピル、メタクリル酸2−tert−ブトキシプロピル、メタクリル酸3−メトキシプロピル、メタクリル酸3−エトキシプロピル、メタクリル酸3−n−プロポキシプロピル、メタクリル酸3−イソプロポキシプロピル、メタクリル酸3−n−ブトキシプロピル、メタクリル酸3−イソブトキシプロピル、メタクリル酸3−sec−ブトキシプロピルまたはメタクリル酸3−tert−ブトキシプロピル等のメタクリル酸無置換アルキルアルコキシレート、メタクリル酸1−メトキシ−1 −ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチルまたはメタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル等等のメタクリル酸ヒドロキシ置換アルコキシレート、メタクリル酸トリフルオロメトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチルまたはメタクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸ハロゲン置換アルコキシレート、メタクリル酸1−メトキシ−1−シアノメチル、メタクリル酸1−(1−シアノ)メトキシメチルまたはメタクリル酸1−(1−シアノ)メトキシエチル等のメタクリル酸シアノ置換アルコキシレート、メタクリル酸1,1−ジメチルアミノメトキシメチル等のメタクリル酸ジアルキルアミノ置換アルコキシレート、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸無置換環状オキサレート、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸アルキル置換環状オキサレート、またはメタクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ等のメタクリル酸フッ素置換環状オキサレート等が挙げられる。
【0071】
好ましくは、一般式(6)で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類において、式中R9 は水素原子、フッ素原子または炭素数1〜3 の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基、Zは水素原子または炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であって、およびYは炭素数1〜3 の直鎖または分岐の無置換もしくは置換アルキル基であり、またはYとZが結合して形成された環構造が炭素数3〜6 の無置換もしくは置換環状エーテルであり、好ましい(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の具体例としては、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸n−プロポキシメチル、アクリル酸イソプロポキシメチル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−n−プロポキシエチル、アクリル酸2−イソプロポキシエチル、アクリル酸1−メトキシプロピル、アクリル酸1−エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル、アクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル、アクリル酸トリフルオロメトキシメチル、アクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシ、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルオキシ、アクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキサレート、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2 −イルオキシ、アクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸n−プロポキシメチル、メタクリル酸イソプロポキシメチル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n −プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−n−プロポキシエチル、メタクリル酸2−イソプロポキシエチル、メタクリル酸1−メトキシプロピル、メタクリル酸1−エトキシプロピル、メタクリル酸1−メトキシ−1−ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシメチル、メタクリル酸1−(1−ヒドロキシ)メトキシエチル、メタクリル酸トリフルオロメトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2 −イルオキシ、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロフラン−2−イルオキシ、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イルオキシ、メタクリル酸2−フルオロテトラヒドロフラン−2−イルオキシまたはメタクリル酸2−フルオロテトラヒドロピラン−2−イルオキシ等が挙げられる。
【0072】
尚、以上の様な(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類は1種または2種以上を同時にまたは混合して用いることができ、この場合は2種以上の一般式(4)で示される構成単位がランダムに共重合した構造の共重合体が得られる。この時の組成比は2種以上の一般式(4)で示される構成単位の組成比の合計である。
【0073】
また、4−(1−メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類には、安定剤として水酸化カリウム等のアルカリ性化合物や重合禁止剤等が含有されている場合があり、これらは再結晶や蒸留等の通常の精製操作を行い安定化剤を除去した後、使用することが好ましいが、特に精製操作を行わずに市販品をそのまま用いることもできる。
【0074】
これらの4−(1−メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の使用量は、所望する共重合体の組成比に合わせることが好ましく、これらのモノマー総量1 モル部に対して、4−(1−メチルエテニル)フェノールは0.05モル部以上が好ましく、0.15モル部以上がより好ましく、0.2モル部以上が更に好ましく、一方、0.3モル部以下が好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル類は0 .5 モル部以上が好ましく、一方、0.9モル部以下が好ましく、0.7モル部以下がより好ましい。更に、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類は0.01モル部以上が好ましく、0.1モル部以上がより好ましく、一方、0.4モル部以下が好ましく、0.3モル部以下がより好ましい。
尚、(メタ)アクリル酸エステル類が2種以上の場合、その合計のモル数が
上記の範囲内であることが好ましく、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類が2種以上の場合も、その合計のモル数が上記の範囲内であることが好ましい。
【0075】
本発明の方法におけるラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2 ,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス−2 −アミジノプロパン塩酸塩、アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩または4 ,4 ’−アゾビス−4 −シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、2 ,4 −ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert −ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert −ブチルヒドロペルオキシド、、ジクミルペルオキシド、p −メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、tert −ブチルペルオキシラウレート、ジ−tert −ブチルペルオキシフタレート、ジベンジルオキシドまたは2 ,5 −ジメチルヘキサン−2 ,5 −ジヒドロペルオキシド等の過酸化物系開始剤、または過酸化ベンゾイル−N ,N −ジメチルアニリンまたはペルオキソ二硫酸−亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系開始剤等が挙げられる。
【0076】
これらのうち、アゾ系開始剤または過酸化物系開始剤が好ましく、更に好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2 ,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、過酸化ベンゾイル、2 ,4 −ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert −ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジイソプロピルジカーボネートまたは過酸化アセチルである。
【0077】
以上の様なラジカル重合開始剤は、単独でもまたは2 種以上を同時にまたは順次に使用することもできる。これらの使用量は、共重合体原料の加熱開始時において、4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類および一般式(6 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計使用量に対して、0 .0001 モル倍以上が好ましく、0 .001 モル倍以上がより好ましく、0 .005 モル倍以上が更に好ましく、一方、0 .1 モル倍以下が好ましく、0 .05 モル倍以下がより好ましい。ラジカル重合開始剤の合計使用量がこの量であれば、加熱開始時より全量を仕込んでも、加熱開始後に全量または一部を追加使用しても構わない。
【0078】
本発明の方法における溶媒としては、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたはγ−ブチロラクトン等のケトン類、n −プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n −ブチルアルコール、tert −ブチルアルコール、n −オクタノール、2−エチルヘキサノールまたはn −ドデシルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコールエーテル類、ギ酸n −プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n −ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n −プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n −ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n −アミル、酢酸n −ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルまたは酪酸メチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2 −オキシプロピオン酸エチル、2 −オキシプロピオン酸n −プロピル、2 −オキシプロピオン酸イソプロピル、2 −オキシ−2−メチルプロピオン酸エチルまたは2 −オキシ−3 −メチル酪酸メチル等のモノオキシカルボン酸エステル類、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3 −メトキシプロピオン酸メチル、3 −メトキシプロピオン酸エチルまたは3 −エトキシプロピオン酸メチル等のアルコキシカルボン酸エステル類、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートまたはブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類またはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはN,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類等が挙げられる。
【0079】
好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートまたはトルエンである。
【0080】
これらの溶媒は、単独でもまたは2 種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。溶媒の使用量は、使用する原料やラジカル重合開始剤の種類や量、および所望する共重合体の分子量等により変化し、一様ではないが、モノマー混合物の総量100 質量部に対して、5 質量部以上が好ましく、20 質量部以上がより好ましく、50 質量部以上が更に好ましく、一方、10,000 質量部以下が好ましく、5 ,000 質量部以下がより好ましく、1 ,000 質量部以下が更に好ましい。
尚、最も好ましくは、重合反応後生成した共重合体の濃度が何ら濃度調整をせずとも25 〜75 質量%となる量であり、即ち、モノマー混合物100 質量部に対して33 〜400 質量部の範囲である。
【0081】
本発明で使用される酸感応性共重合体の重合反応の実施方式は、特に限定されるものではなく、4−(1−メチルエテニル)フェノールと、一般式(5 )で示される(メタ)アクリル酸エステル類と、一般式(6 )で示される(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類と、ラジカル重合開始剤と、溶媒等とが効果的に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式の何れでも構わない。例えば、これらの化合物を一括して反応容器に挿入し加熱を開始する方法や、モノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を連続的または間欠的に、少なくとも一部の溶媒が挿入された反応器に挿入する方法等が通常採用される。
【0082】
これらの方法のうち、本発明の方法では、加熱開始時から終了時まで、反応系中に存在する4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類の合計濃度が常に20 質量%以下なるよう調整しながら反応を行うことが好ましい。
【0083】
具体的には、4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類が重合反応で消費されるに従い、その量に合わせて新たにモノマー、重合開始剤、溶媒等を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法である。
【0084】
より具体的には、例えば、反応器に溶媒のみを装入した後、これらモノマーとラジカル重合開始剤とを連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に溶媒およびラジカル重合開始剤を装入した後モノマーを連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に一部の溶媒およびラジカル重合開始剤を装入した後モノマーおよび残りの溶媒およびラジカル重合開始剤を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、または反応器に一部のモノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を装入した後残りのモノマー、ラジカル重合開始剤および溶媒を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法等が挙げられる。
【0085】
本発明に使用される酸感応性共重合体の製造方法では、加熱により重合反応を進行させる。加熱温度は重合反応が進行する温度であれば何れでも構わず、所望する重合体の重合度、組成およびモル比、および使用するラジカル重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではないが、40 ℃以上が好ましく、45 ℃以上がより好ましく、50 ℃以上が更に好ましく、60 ℃以上が最も好ましく、一方、250 ℃以下が好ましく、180 ℃以下がより好ましく、160 ℃以下が更に好ましく、150 ℃以下が最も好ましい。
【0086】
重合反応時間も、所望する重合体の重合度、組成およびモル比、および使用するラジカル重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではない。しかしながら、0 .01 時間以上が好ましく、一方、40 時間以下が好ましく、20 時間以下がより好ましい。
尚、必要に応じて、反応は還流下、減圧、常圧または加圧の何れでも実施で
きる。特に還流下で行うと反応熱の除熱が効率よく行われるので、好ましい。また、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、空気などの分子状酸素の存在下でも行うことができる。
【0087】
更に、本発明で使用される酸感応性共重合体の製造方法では、共重合体の収量を向上させる目的や、共重合体の構成単位の配列を変化させる目的等で、フェノール化合物等の添加剤を使用することもできる。
以上のような共重合体を含有する溶液(レジスト原料)としては、0 .05 〜0 .3 モル部の4 −(1 −メチルエテニル)フェノールと、0 .5 〜0.9 モル部の(メタ)アクリル酸エステル類と、0 .01 〜0 .4 モル部の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とを、総モル数が1 モル部となるよう含む共重合体原料を加熱する、又は前記共重合体原料を加熱後に必要に応じて濃縮または希釈して、未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノールのレジスト原料に対する濃度を50 質量ppb 〜0 .5 質量%とし、未反応の(メタ)アクリル酸エステル類のレジスト原料に対する濃度を5 質量ppm 〜5 質量%とし、未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類のレジスト原料に対する濃度を200 質量ppb 〜2 質量%とし、更に、これらの未反応モノマー類および生成した酸感応性共重合体のレジスト原料に対する合計濃度を25 〜75 質量%としたものが、レジスト材料の溶液塗布特性、塗布膜制御性などの観点から好ましい。
重合反応終了後は、反応混合液から、溶剤抽出法、分別沈殿法または薄膜蒸発法等の通常の方法により、生成した共重合体を単離することができる。また、必要に応じて、目的物である共重合体を単離することなく、生成された共重合体を含有する溶液をレジスト原料として使用することもできる。
なお、本発明のポジ型感光性レジストに使用する場合には、共重合体の溶解速度が露光前は1.5μm/分以下、好ましくは1.2μm/分以下で、露光後2.5μm/分以上、好ましくは3μm/分以上と大きく変化するのが好ましい。ここで、溶解速度の測定は、該共重合体30重量%とナフタリミジルトリフルオロスルフォネート等の光酸発生剤1重量%との混合溶液を、銅貼り積層板などの基板上にスピンコーターまたはバーコーター等で、加熱して溶剤を除去した時の膜厚が5μmになるように塗布した塗膜について測定する。基板上の塗膜が現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に全て溶解するまでの時間を測定して露光前の溶解速度を決定する。露光後の溶解速度は、同様に基板上に塗膜したのちに365nmの波長の光を200mJ/cm2当てた塗膜が、現像液である1%炭酸ナトリウム水溶液に全て溶解するまでの時間を測定して決定する。
【0088】
この様なレジスト原料に、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類及び4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の少なくとも一方を添加してポジ型感光性レジスト組成物を調整することができる。添加量の総和は、未反応のモノマー類および生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、1 質量部以上が好ましく、3 質量部以上がより好ましく、一方、20 質量部以下が好ましく、10 質量部以下がより好ましい。添加量がこの範囲内であれば、現像時のパターン形成を良好に行えるため好ましい。
【0089】
尚、添加量の総和とは、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類のみを添加する場合、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノン類の添加量であり;4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類のみを添加する場合、4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテル類の添加量であり、これら両者を添加する場合、両者の添加量の和である。
尚、加熱した後の共重合体の濃度が25 質量%に満たない場合は濃縮し、または75 質量%を越える場合は希釈して濃度を調整する。レジスト原料中における共重合体の濃度は、例えば、レジスト原料をブリキ皿に入れ精秤し、ブリキ皿を熱風乾燥器に入れ、加熱して溶媒を除去した皿を再び精秤し、実測することができる。
【0090】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、塗膜性改良などの理由から、更に溶剤を添加することもできる。
この様な溶剤とは、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、2 −ヘプタノンまたはメチル−2 −n −アミルケトン等のケトン類、エタノール、n −プロパノール、イソプロパノール、1 −ブタノール、2 −ブタノール、3 −メトキシブタノール、3 −メチル−3 −メトキシブタノール、1 −メトキシ−2 −プロパノールまたは1 −エトキシ−2 −プロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、エチレングリコールエチレン、プロピレングリコール、グリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテートまたはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、モノフェニルエーテル、ジメチルエーテルまたはジエチルエーテルなどの多価アルコール誘導体、テトラヒドロフランまたはジオキサン等の環式エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3 −メトキシプロピオン酸メチル、3 −メトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert −ブチルまたはプロピオン酸tert −ブチル等のエステル類等、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、またはクロロベンゼンまたはオルトジクロロベンゼン等ハロゲン化芳香族炭化水素類等が挙げられる。
【0091】
これらのうち好ましくは、ケトン類、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコール類の誘導体、環式エーテル類、エステル類または芳香族炭化水素類であり、更に好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、酢酸エチル、乳酸エチルまたはトルエンである。これらの溶媒は単独でもまたは2 種以上を混合して使用しても良い。
【0092】
また、本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、必要に応じて、現像性、保存安定性、耐熱性などを改善するために、たとえば、スチレンとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体、アルケンと無水マレイン酸との共重合体、ビニルアルコール共重合体、ビニルピロリドン重合体などを添加することができる。これら任意成分の添加量は、酸感応性共重合体100 質量部に対して、通常、30 質量部以下、好ましくは15 質量部以下である。
【0093】
また、本発明のポジ型感光性レジスト組成物には、必要に応じて、現像性、保存安定性、耐熱性などを改善するために、例えば、スチレンとアクリル酸、メタクリル酸または無水マレイン酸との共重合体、アルケンと無水マレイン酸との共重合体、ビニルアルコール共重合体、ビニルピロリドン共重合体などを添加することができる。これら任意成分の添加量は、酸感応性共重合体100質量部に対して、通常、30質量部以下、好ましくは15質量部以下である。
【0094】
以上で得られたポジ型感光性レジスト材料を、マザーボードやパッケージ基板、フレキシブルプリント基板用の銅貼り積層基板上にディップコーターを使用して塗布・加熱乾燥してポジ型感光性被膜層を形成し、次いでこの被膜上に所定のパターンを有するマスクを密着させ、このマスクを介して近紫外光(300−400nm)で露光した後、1%炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ現像液で現像することによって、プリント基板上に所望のパターンを形成させることができる。
【0095】
この時、本発明のポジ型感光性レジスト組成物の液比重は、乾燥速度を上げるために比重の小さい溶剤を使用するため0.800以上が好ましく、0.850以上がより好ましく、一方、残留溶媒の為に基板同士の張り付き(残留タック)が無い様に0.950以下が好ましく、0.900以下がより好ましい。
ディップコーターの使用により極薄基板(100μm以下)でも対応が可能であり、また表面形状に左右されず、端面までコートが可能である。従って処理効率が良く、1枚あたりのタクト時間を大幅に短縮できる、等の利点がある。
【0096】
本発明のポジ型感光性レジスト組成物はプリント配線板、ランドレスプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、パッケージ用プリント配線板などの電子部品の製造に好適に使用できる。
本発明のポジ型感光性レジスト材料を用い、スルーホールのある基板で微細なパターンを形成する場合は、ランドレスにすることができる。ネガ型の場合は、スルーホール内部が硬化しないため、エッチング液浸漬時にスルーホール内部にエッチング液が浸透し、内部のメッキを腐食、断線してしまう。またドライフィルム方式では、スルーホール周辺の密着性がないと同様に内部にエッチング液が浸透し、メッキを腐食、断線してしまう。従って、本材料は唯一ランドレスを実現できる材料である。
【0097】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、特に断りがない限り、試薬等は市販の良好品を使用した。
本発明で使用される酸感応性共重合体の実施例を先ず説明する。
【0098】
(実施例1)
攪拌機、温度計、冷却管および内容積500ミリリットルの滴下漏斗を装着した、内容積1,000ミリリットルの4ッ口フラスコに、テトラヒドロフラン200ミリリットルを装入し、攪拌しながらウォーターバスにより外温を80℃に上げ還流させた。別に、1,000ミリリットルの三角フラスコに、2−エチルヘキサノール溶液より結晶化させて精製した4−(1−メチルエテニル)フェノール(以降、PIPEと略称する100グラム(0.75モル)、蒸留精製したアクリル酸メチル193.7グラム(2.25モル)およびアクリル酸1−エトキシエチル108グラム(0.75モル)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル16.4グラム(0.10モル)、および溶媒としてテトラヒドロフラン200ミリリットルを装入した。
この溶液を攪拌して溶解させた後、全量を2回に分けて滴下漏斗に移し、上記4ッ口フラスコに還流状態が続く程度の速度で滴下した。反応初期の内温は72℃であったが、重合途中で内温は上昇し、8時間後は80℃であった。攪拌を続けながらウォーターバスを外し、2時間かけて室温(25℃)まで冷却した後、重合反応液を5リットルのビーカー中、n−ヘキサン2リットルに装入し、生成したポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾過・分離した後、再度テトラヒドロフラン400ミリリットルに溶かし、n−ヘキサン2リットル中に装入し、固体を析出させた。この濾過・分離・析出操作を更に2回繰り返した。最後の濾過・分離後、100mmHg、100℃で2時間減圧乾燥し、320.4グラムの白色重合体を得た。
得られた白色重合体は、1H−NMR分析、13C−NMR分析、および元素分析の結果より、目的とする共重合体であった。d6−ジメチルスルホキシド中の1H−NMRを図1に、13C−NMRを図2に示す。これらのNMR結果より、得られたポリマー中の化学式(1)で示される構成単位のモル比はa=0.24,b=0.58およびc=0.18であって、原料の仕込み比とほぼ同じモル比であった。また、ポリスチレンを標準とするGPC分析の結果、重量平均分子量(Mw)は10,000であり、そして分子量分散度(Mw/Mn)は1.94であった。GPC分析を図3に示す。
得られた共重合体をメチルエチルケトン、シクロヘキサノンの各溶剤に溶かしたところ、この共重合体はいずれの溶媒にも50重量%以上溶解した。
得られた共重合体をシクロヘキサノンに溶解後、乾燥膜厚が5μmになるように銅貼り基板上にバーコーターを用いて塗布し、80℃で30分間加熱し被膜を形成させた。これを1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液(アルカリ現像液)に浸漬したところ、3分以内に銅貼り基板上の被膜は溶解することはなかった。即ち、得られた共重合体の溶解速度は1.5μm/分以下であったことになる。
また、得られた共重合体をシクロヘキサノンに溶解し、それにナフトリミジルトリフルオロスルフォネート(みどり化学 NAI−105)1重量%加えた溶液を乾燥後5μmになるように銅貼り積層板にバーコーターで塗布し、80℃で30分間加熱して被膜を形成させた。これに365nmの光を200mJ/cm2照射した後1.0重量%炭酸ナトリウム水溶液に浸積したところ、2分以内で塗膜全てが溶解した。即ち、得られた共重合体の溶解速度は2.5μm/分以上であったことになる。
得られた共重合体をメチルエチルケトンに溶解後、乾燥膜厚が1μmになるように石英板上にスピンコーターを用いて塗布し、120℃で10分間加熱し皮膜を形成させた。これを紫外可視分光光度計により365nmにおける透過率を測定したところ、透過率は98%以上であった。紫外可視光光度分析を図4に示す。
また、示差走査型熱量計によりガラス転移点を測定したところ、70℃であった。
更には、示差熱天秤計により熱安定性を測定したところ、200℃以上まで安定だった。熱重量分析を図5に示す。
【0099】
(実施例2〜4)
実施例1において用いたアクリル酸メチルを表1に示すように変え、他の条件は全て実施例1と同様にして反応および後処理を行った。実施例1と同様にして、得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を測定した。また、実施例1と同様に溶剤溶解性、アルカリ現像液に対する溶解速度、透明性および熱安定性を評価した。これらの分析結果および評価結果を、実施例1の結果と共に表1に示す。
【0100】
(比較例1)
実施例1において用いたPIPEの仕込量を251.9グラム(1.88モル)に、アクリル酸メチルの仕込量を161.8グラム(1.88モル)に変え、アクリル酸1−エトキシエチルを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。仕込みモル比、および得られた共重合体の分析結果および評価結果を、実施例1〜4の結果と共に表1に示す。
【0101】
(比較例2)
実施例1において用いたPIPEの仕込量を251.9グラム(1.88モル)に、アクリル酸1−エトキシエチルの仕込量を270.7グラム(1.88モル)に変え、アクリル酸メチルを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。仕込みモル比、および得られた共重合体の分析結果および評価結果を、実施例1〜4および比較例1の結果と共に表1に示す。
【0102】
(実施例5〜6)
実施例1において用いたアクリル酸1−エトキシエチルの替わりに表2に示すアクリル酸アルコキシアルキルエステル類を表2に示すモル比で用いた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体の分析結果および評価結果を実施例1の結果と共に表2に示す。
【0103】
(実施例7〜8)
実施例1において用いたPIPE、アクリル酸メチル、アクリル酸1−エトキシエチルのモル比を表3に示すように変え、但しモノマー総モル量は実施例1同様3.75モルにした以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体の分析結果および評価結果を実施例1の結果と共に表3に示す。
【0104】
(実施例9〜12)
実施例1において用いたテトラヒドロフランの代わりに表4に示す溶媒を表4に示す量を用い、反応温度および反応時間を表4に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を実施例1の結果と共に表4に示す。なお、溶剤溶解性、アルカリ現像液溶解速度、透明性および熱安定性はいずれも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
(実施例13〜17)
実施例1において用いたアゾビスイソブチロニトリルの代わりに表5に示すラジカル重合開始剤を表5に示す量用い、反応温度および反応時間を表5に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析および評価を行った。得られた共重合体のモル比、収量、重量平均分子量および分子量分散度を実施例1の結果と共に表5に示す。なお、溶剤溶解性、アルカリ現像液溶解速度、透明性および熱安定性はいずれも実施例1と同様、良好な結果を得た。
【0111】
(実施例18 )
攪拌機、温度計、冷却管および内容積500 ミリリットルの滴下漏斗を装着した、内容積1 ,000 ミリリットルの4 ッ口フラスコに、メチルエチルケトン230 ミリリットルを装入し、攪拌しながらウォーターバスにより外温を80 ℃に上げ還流させた。別に、1 ,000 ミリリットルの三角フラスコに、2 −エチルヘキサノール溶液より結晶化させて精製した4 −(1 −メチルエテニル)フェノール(以降、PIPE と略称する)100 グラム(0 .75 モル、0 .2 モル部)、蒸留精製したメタクリル酸メチル225 グラム(2 .25 モル、0 .6 モル部)およびアクリル酸1 −エトキシエチル107 .7 グラム(0 .75 モル、0.2 モル部)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル6 .09グラム(0 .037 モル)、および溶媒としてメチルエチルケトン229 ミリリットルを装入した。
この溶液を攪拌して溶解させた後、全量を2 回に分けて滴下漏斗に移し、上記4 ッ口フラスコに還流状態が続く程度の速度で滴下した。この際、PIPE 、メタクリル酸メチル及びアクリル酸1 −エトキシエチルの合計濃度が20 質量%以下となるよう滴下速度を調整した。
反応初期の内温は72 ℃であったが、重合途中で内温は上昇し、8 時間後は80 ℃であった。その後、攪拌を続けながらウォーターバスを外し、2 時間かけて室温(25 ℃)まで冷却して酸感応性共重合体1 を含むレジスト原料1 を得た。
この時点で、未反応のPIPE はレジスト原料の0 .02 質量%、未反応のメタクリル酸メチルはレジスト原料の1 .0 質量%、未反応のアクリル酸1−エトキシエチルはレジスト原料の0 .5 質量%であった。
また、未反応のPIPE 、未反応のメタクリル酸メチル、未反応のアクリル酸1 −エトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の49 質量%であった。
更に、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量(Mw )は24 ,000 であり、そして分子量分散度(Mw /Mn )は2 .6 であった。
【0112】
(実施例19 )
実施例18 において用いたメタクリル酸メチルをアクリル酸メチルにかえて223 .9 グラム(2 .60 モル、0 .69 モル部)とし、アクリル酸1−エトキシエチルをメタクリル酸1 −n −ブトキシエチルにかえて64 .0グラム(0 .40 モル、0 .11 モル部)とし、アゾビスイソブチロニトリルを6 .11 グラム(0 .037 モル)とて、合成例1 と同様に酸感応性共重合体2 を含むレジスト原料2 を得た。
尚、メチルエチルケトンの量を調節することにより、未反応のPIPE はレジスト原料の0 .02 質量%、未反応のアクリル酸メチルはレジスト原料の1.5 質量%、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチルはレジスト原料の0 .3 質量%であった。
更に、未反応のPIPE 、未反応のアクリル酸メチル、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の50質量%であった。
加えて、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量は22 ,000 であり、分子量分散度は2 .3 であった。
【0113】
(実施例20 )
実施例19 において用いたアクリル酸メチルを162 .7 グラム(1 .89モル、0 .5 モル部)とし、メタクリル酸1 −n −ブトキシエチルを179 .2 グラム(1 .12 モル、0 .3 モル部)とした以外は、実施例19と同様にして酸感応性共重合体3 を含むレジスト原料3 を得た。
尚、未反応のPIPE 、未反応のアクリル酸メチル、未反応のメタクリル酸1 −n −ブトキシエチル及び得られた共重合体の総量はレジスト原料の50 質量%であった。
更に、得られた共重合体についてポリスチレンを標準とするGPC 分析を行った結果、重量平均分子量は20 ,300 であり、分子量分散度は2 .6 であった。
【0114】
(比較例3 )実施例18 において用いたPIPE の仕込量を251 .9 グラム(1 .88 モル)に、メタクリル酸メチルの仕込量を188 グラム(1 .88 モル)に変え、アクリル酸1 −エトキシエチルを用いなかった以外は全て実施例18 と同様にして反応、後処理を行った。得られた共重合体の重量平均分子量は19 ,000 、分子量分散度は2 .1 であった。
【0115】
(比較例4 )
実施例18 において用いたPIPE の仕込量を251 .9 グラム(1 .88 モル)に、アクリル酸1 −エトキシエチルの仕込量を270 .7 グラム(1 .88 モル)に変え、メタクリル酸メチルを用いなかった以外は全て実施例18 と同様にして反応、後処理を行った。得られた共重合体の重量平均分子量は19 ,500 、分子量分散度は2 .1 であった。
【0116】
【表6】
【0117】
以下本発明のポジ型感光性レジスト組成物の実施例を記載する。
(実施例21 〜23 )
実施例18 〜20 で作製した酸感応性共重合体1 〜3 を含むレジスト原料1 〜3 に夫々、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを、未反応のモノマー及び酸感応性共重合体100 質量部に対して6 質量部加え溶解させ、さらにメチルエチルケトンを所定量加え溶剤以外の成分濃度を35 %にてディップタイプのポジ型感光性レジスト組成物を作製した。
また、別途、銅箔厚みが9 μm の0 .5mm 厚みのFR −4 基板にドリルで0.2mm φの孔を開け、公知の方法で9 μm の銅メッキを施した。このスルーホールのある基板の両面に、得られたポジ型感光性レジスト組成物を乾燥後で4 μm になるようにディップコータで塗布、80 ℃乾燥機でタックフリーになるまで30 分間乾燥した。0 .2mm φのスルーホールの内面はレジスト材料で覆われていた。その後、ライン/スペース=45 /35 μm のモデルパターンと0 .35mm φのランドを持ったパターニングフィルムをコート面に密着させ、高圧水銀ランプで365nm の光を200mJ /cm2 照射した後、1 .0 質量%炭酸ナトリウム水溶液でスプレーし、その後、水洗して現像をした。
その段階で取り出し、現像状態を観察したところ、所定のライン/スペースのレジストパターンを確認した。引き続き、塩化第二鉄系の公知の銅エッチングラインでエッチング処理を行い、3 .0 %質量%苛性ソーダ水溶液スプレーでレジスト材料を剥離し、水洗処理、乾燥したのち回路形成状態を観察した。銅回路/スペースは40 /40 μm であり、スルーホール内は銅メッキ後の状態を維持していた。
【0118】
(実施例24 〜26 )
実施例18 〜20 の夫々において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテルに代え配合量を4 質量部とした以外は、実施例21 と同様にして、炭酸ナトリウム水溶液で現像後の状態、塩化第二鉄系の銅エッチングラインでエッチング処理後の回路状態を観察した結果、レジストパターン状態、回路状態、スルーホール内状態は、夫々実施例21 〜23 と同様に良好であった。
【0119】
(実施例27 )
実施例21 において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを6質量部の代わりにα,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを3 質量部および4 ,4 ’−(α,α―ジクロロアセチル)ジフェニルエーテルを2質量部とした以外は、実施例21 と同様にして、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態を観察した結果、実施例21 と同様に良好であった。
【0120】
(比較例5 )
実施例21 において、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンの代わりに、光酸発生剤としてα,α,α−トリブロモメチルフェニルスルフォンを主成分とするものを3 質量部と使用した以外は、実施例1 と同様にして、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態を観察した。その結果、レジストパターン状態、回路形成状態、スルーホール内状態は、実施例21 と比較して劣っていた。
【0121】
(参考例2 及び3 )
比較例3 及び4 で作製した共重合体溶液に夫々、α,α−ジクロロ−4 −フェノキシアセトフェノンを、未反応のモノマー及び酸感応性共重合体100 質量部に対して6 質量部加え溶解させ、さらにメチルエチルケトンを所定量加え溶剤以外の成分濃度を35 %にてディップタイプの樹脂コート材料を作製した。
また、別途、銅箔厚みが9 μm の0 .5mm 厚みのFR −4 基板にドリルで0.2mm φの孔を開け、公知の方法で9 μm の銅メッキを施した。このスルーホールのある基板の両面に前記樹脂コート材料を乾燥後で4 μm になるようにディップコータで塗布、80 ℃乾燥機でタックフリーになるまで30 分間乾燥した。0 .2mm φのスルーホールの内面はレジスト材料で覆われていた。その後、実施例21 と同様にして露光、現像を行ったのち現像状態を観察したところ、所定のスペース部の樹脂被膜溶解が不十分であり、レジストパターンが確認できなかった。
【0122】
【発明の効果】
本発明によれば、ポジ型感光性レジスト材料に使用される光酸発生剤を安価に抑えることができ、ポジ型感光性レジスト材料をプリント基板加工分野に使用できる。特に、工業的に入手可能な4 −(1 −メチルエテニル)フェノール、(メタ)アクリル酸エステル類および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類からなる新規な酸感応性共重合体と安価な光酸発生剤を組み合わせることで、安価さが重要なプリント基板加工分野で要求されているポジ型感光性レジスト材料を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のd6―ジメチルスルホキシド中の1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のd6―ジメチルスルホキシド中の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体のGPC溶出曲線を示す。
【図4】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体の紫外可視光光度分析を示す。
【図5】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、およびアクリル酸1−エトキシエチルから成る共重合体の熱重量分析を示す。
Claims (9)
- 少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物を酸発生剤として含有していることを特徴とするポジ型感光性レジスト組成物。
- 少なくともジクロロアセチル基を1つ有する化合物が下記一般式(1)であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性レジスト組成物。
- 下記一般式(2)で表わされる第1構成単位と、
下記一般式(4)で表わされる第3構成単位と、
を含んでなる酸感応性共重合体を更に含んでなることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性レジスト組成物。 - 前記一般式(1)で示される第1構成単位のモル組成比a は0 .05〜0 .3であり、前記一般式(2)で示される第2構成単位のモル組成比b は0.5〜0 .9であり、前記一般式(3)で示される第3構成単位のモル組成比c は0.01〜0 .4であり、3つの構成単位の総和は1であることを特徴とする請求項3に記載のポジ型感光性レジスト組成物。
- 前記酸感応性共重合体は、0.05〜0.3モル部の4−(1−メチルエテニル)フェノールと、0 .5 〜0 .9モル部の以下一般式(5)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル類と、
0 .01〜0 .4モル部の以下一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでなるモノマー混合物と、
ラジカル重合開始剤と、溶媒とを含んでなる共重合体原料を加熱して得られる共重合体であることを特徴とする請求項4に記載のポジ型感光性レジスト組成物。 - 前記共重合体原料は、0 .15 〜0 .3 モル部の前記4 −(1 −メチルエテニル)フェノールと、0 .5 〜0 .7モル部の前記(メタ)アクリル酸エステル類と、0 .1 〜0 .3 モル部の前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類とをそれぞれのモル比の合計が1となるよう含んでおり、下記一般式(1)のうちで添加されているものの総量は、前記未反応の4−(1−メチルエテニル)フェノール、前記未反応の(メタ)アクリル酸エステル類、前記未反応の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類および前記生成した酸感応性共重合体の総量100 質量部に対して、3〜10質量部であることを特徴とする請求項5記載のポジ型感光性レジスト組成物。
- 少なくとも下記一般式(2)で示される第1構成単位と、
下記一般式(4)で示される第3 構成単位と、
を有する共重合体(但し、a、b、cのモル組成比は、a:0.05〜0.3,b:0.5〜0.9、c:0.01〜0.4であり、a,b,cの総和は1 である)。 - 請求項1〜6いずれかに記載の組成物に更に溶剤を含んでなる液比重が0.800〜0.950であるポジ型感光性レジスト組成物中に、少なくとも一方の表面が金属層である積層板を浸漬し、乾燥することにより積層板の表面及び孔内壁に感光性樹脂を均一に皮膜し、その後、露光、現像することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
- 請求項8に記載の製造方法により製造された電子部品。
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