JP2008032839A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】樹脂成分(A)と酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、アセタール型酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを含み、かつ前記(B)成分は、一般式(b−5)で表されるアニオン部を有する酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
[化1]
Figure 2008032839

[式中、R”は置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
フォトリソグラフィー技術においては、たとえば基板の上にレジスト組成物からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたフォトマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト組成物をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト組成物をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手段としては露光光の短波長化が一般的に行われており、具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が導入され、さらに、ArFエキシマレーザー(193nm)が導入され始めている。また、それより短波長のFエキシマレーザー(157nm)や、EUV(極紫外線)、電子線、X線などについても検討が行われている。
微細な寸法のパターンを再現するためには、高解像性を有するレジスト材料が必要である。かかるレジスト材料としてベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型のレジスト組成物が用いられている。たとえば、ポジ型の化学増幅型レジストは、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
化学増幅型ポジ型レジスト組成物の樹脂成分としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂の水酸基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂や、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)のカルボキシ基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂などが一般的に用いられている。酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基やテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基;tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基;tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
なお、ここで「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
一方、化学増幅型ポジ型レジスト組成物の酸発生剤としては、これまで多種多様のものが提案されており、たとえばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。現在、酸発生剤としては、酸発生能が高いことなどから、なかでもトリフェニルスルホニウム(TPS)からなるカチオン部と、ノナフルオロブタンスルホネート等のフッ素化アルキルスルホン酸イオンからなるアニオン部とを有するオニウム塩系酸発生剤が最も一般的である(たとえば、特許文献2参照)。
特開2002−341538号公報 特開2003−241385号公報
近年、レジストパターンの微細化はますます進み、従来の化学増幅型ポジ型レジスト組成物により形成されるレジストパターンにおいては、解像性のさらなる向上が求められている。
また、たとえば電子線やEUVによるリソグラフィーでは数十nmの微細なパターン形成を目標としていることから、このようにレジストパターン寸法が小さくなるほど、良好な形状のレジストパターンを形成することが非常に重要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、解像性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ベース樹脂として特定の2種の構成単位を含む樹脂成分と、特定のアニオン部を有する酸発生剤とを用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、下記一般式(a2−1)または(a2−2)で表される構成単位(a2)とを含み、かつ前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b−5)で表されるアニオン部を有する酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 2008032839
[式(a2−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり;Yは低級アルキル基または1価の脂肪族環式基であり;n21は0〜3の整数である。式(a2−2)中、Rは前記と同じであり;RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり;Rはアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり;Yは低級アルキル基または1価の脂肪族環式基であり;n22は0〜3の整数である。]
Figure 2008032839
[式(b−5)中、R”は置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基である。]
本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基を示すものとする。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、解像性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有する。
かかるポジ型レジスト組成物は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分に作用してそのアルカリ溶解性を増大させる。
そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないため、アルカリ現像を行うことにより、レジストパターンを形成することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、上記一般式(a2−1)または(a2−2)で表される構成単位(a2)とを含むものである。
[構成単位(a1)]
構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。(A)成分が構成単位(a1)と、後述する構成単位(a2)とを有することにより、本発明の効果(特に解像性)が向上する。また、(A)成分が構成単位(a1)を有することにより、ドライエッチング耐性が向上する。さらに、構成単位(a1)は、原料であるヒドロキシスチレンが容易に入手可能で低価格である等の利点も有する。
ここで、「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレンのα位の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびにそれらの誘導体を含む概念とする。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
構成単位(a1)の好適なものとしては、下記一般式(a−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2008032839
[式(a−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;Rは低級アルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。]
一般式(a−1)中、Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rの低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
Rのハロゲン化低級アルキル基は、前記低級アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基であり、なかでもフッ素化低級アルキル基が好ましく、特に、水素原子の全部がフッ素原子で置換された基が好ましい。フッ素化低級アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
Rとしては、水素原子または低級アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2または3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
qは0〜2の整数である。これらのうち、qは0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
の低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
の置換位置は、qが1である場合はo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。qが2の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%がより好ましく、60〜80モル%がさらに好ましい。該範囲内であると、適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a2)]
構成単位(a2)は、前記一般式(a2−1)または(a2−2)で表される構成単位である。(A)成分が構成単位(a2)と、前記構成単位(a1)とを有することにより、本発明の効果(特に解像性)が向上する。
以下、一般式(a2−1)で表される構成単位を構成単位(a2−1)と称する。また、一般式(a2−2)で表される構成単位を構成単位(a2−2)と称する。
一般式(a2−1)における式−C(R)(R)−O−(CHn21−Yで表される基、および一般式(a2−2)における式−C(R)(R)−O−(CHn22−Yで表される基は、いわゆるアセタール型の酸解離性溶解抑制基である。
構成単位(a2−1)および構成単位(a2−2)は、該アセタール型の酸解離性溶解抑制基がカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)末端の酸素原子に結合した構造を有する点で共通している。かかる構造においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により、当該酸解離性溶解抑制基と前記カルボニルオキシ基末端の酸素原子との間の結合が切断される。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「酸解離性」とは、露光時に(B)成分から発生する酸の作用により(A)成分から解離可能であることを意味する。
「溶解抑制基」とは、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基であることを意味する。
したがって、構成単位(a2)を含む(A)成分は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体のアルカリ溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
一般式(a2−1)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基である。該Rとしては、上記一般式(a−1)中のRと同様のものが挙げられる。
およびRは、それぞれ独立して水素原子または低級アルキル基である。R、Rの低級アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、工業上入手しやすい点で、メチル基、エチル基が好ましい。
およびRは、本発明の効果に優れることから、少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、両方が水素原子であることがより好ましい。
21は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることが最も好ましい。
は、低級アルキル基または1価の脂肪族環式基である。
の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
の脂肪族環式基としては、従来ArFエキシマレーザー用のレジスト用樹脂等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書において、「脂肪族環式基」とは、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、親水性基等が挙げられる。親水性基としては、=O、−COOR’(R’はアルキル基)、アルコール性水酸基、−OR’(R’はアルキル基)、イミノ基、アミノ基等が挙げられ、入手が容易であることから、=Oまたはアルコール性水酸基が好ましい。
脂肪族環式基における置換基を除いた基本の環(基本環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であってもよく、また、炭化水素環を構成する炭素原子の一部が硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素環であってもよい。本発明の効果のためには、Yにおける基本環が炭化水素環であることが好ましい。
炭化水素環としては、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用等のレジスト用樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができ、具体的には、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンが例示できる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、ノルボルネン、メチルノルボルナン、エチルノルボルナン、メチルノルボルネン、エチルノルボルネン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサン、シクロペンタン、アダマンタン、ノルボルナン、ノルボルネン、メチルノルボルナン、エチルノルボルナン、メチルノルボルネン、エチルノルボルネン、テトラシクロドデカンが工業上好ましく、アダマンタンがさらに好ましい。
式−C(R)(R)−O−(CHn21−Yで表される基としては、たとえば、下記式(4)〜(15)で表される基が好適なものとして挙げられる。
Figure 2008032839
一般式(a2−2)中、Rは前記と同じであり、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり、Yは低級アルキル基または1価の脂肪族環式基であり、n22は0〜3の整数である。
前記R,R,R,n22,Yは、それぞれ一般式(a2−1)中のR,R,R,n21,Yと同様のものが挙げられる。
は、アルキレン基または2価の脂肪族環式基である。
のアルキレン基としては、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
の脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
の脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。Rの脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましい。
における脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化低級アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
の脂肪族環式基としては、特に、下記一般式(y−1)で表される基が好ましい。
Figure 2008032839
[式中、mは0または1であり、好ましくは1である。]
一般式(a2−1)で表される構成単位(a2−1)として、具体的には、たとえば下記式(a1−2−1)〜(a1−2−43)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a2−2)で表される構成単位(a2−2)として、具体的には、たとえば下記式(a1−4−1)〜(a1−4−30)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2008032839
Figure 2008032839
Figure 2008032839
Figure 2008032839
Figure 2008032839
Figure 2008032839
構成単位(a2)としては、本発明の効果がより優れることから、構成単位(a2−1)がより好ましい。なかでも、上記の式(a1−2−9)、式(a1−2−10)、式(a1−2−13)、式(a1−2−14)、式(a1−2−15)、式(a1−2−16)で表される構成単位が、本発明の効果に優れるため特に好ましい。
構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%がさらに好ましい。該範囲の下限以上であると、ポジ型レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
[他の構成単位]
(A)成分は、前記構成単位(a1)、(a2)のほかに、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a4)を有していてもよい。
本発明において、構成単位(a4)は必須ではないが、これを含有させると、現像液に対する溶解性を調整することができる。また、ドライエッチング耐性が向上する。
ここで、「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたものも含む概念とする。「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。スチレンは、フェニル基の水素原子が炭素数1〜5のアルキル基等の置換基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)の好適なものとしては、下記一般式(a4−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2008032839
[式中、Rは前記と同じであり;Rは低級アルキル基であり;rは0〜3の整数である。]
一般式(a4−1)中、RおよびRは、それぞれ、上記式(a−1)中のRおよびRと同様である。
rは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、工業上、0であることが特に好ましい。
rが1である場合、Rの置換位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよく、さらに、rが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
構成単位(a4)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分が構成単位(a4)を有する場合、(A)成分中の構成単位(a4)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましく、5〜15モル%がさらに好ましい。該範囲の下限以上であると、構成単位(a4)を有することによる効果が高く、上限以下であると、他の構成単位とのバランスも良好である。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)、(a2)、(a4)以外の他の構成単位(a5)を含んでいてもよい。
構成単位(a5)としては、上述の構成単位(a1)、(a2)、(a4)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
本発明において、(A)成分は、少なくとも前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とを含む樹脂成分である。係る樹脂成分としては、たとえば、構成単位(a1)と(a2)とを有する共重合体、構成単位(a1)、(a2)および(a4)を有する共重合体等が例示できる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
かかる(A)成分としては、特に下記一般式(A−11)に示される2種の構成単位を有する共重合体を含むものが好ましい。
Figure 2008032839
[式中、Rは前記と同じであり;n15は0または1である。]
式(A−11)中、Rは、水素原子またはメチル基が好ましい。
15は、0が特に好ましい。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、LWR(ラインワイズラフネス:ラインパターンの線幅が不均一になる現象)の低減に有効である。また、現像欠陥の低減や、LER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は、特に限定するものではないが、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
<(B)成分>
本発明において、(B)成分は、前記一般式(b−5)で表されるアニオン部を有する酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分という。)を含むものである。
該(B1)成分を含むことにより、本発明の効果が向上する。特に、良好な形状のレジストパターンが得られやすくなる。
前記一般式(b−5)において、R”は、置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基である。
”の置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
”において、炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
”の脂肪族炭化水素基としては、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
また、脂肪族炭化水素基は、鎖状(直鎖、分岐鎖)であってもよく、環状であってもよい。
鎖状の炭化水素基としては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、該アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜8であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
直鎖または分岐鎖状のアルキル基の具体例としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
前記一般式(b−5)で表されるアニオン部において、R”が直鎖または分岐鎖状のアルキル基である場合、たとえば下記一般式(b−6)で表されるアニオン部(スルホン酸イオン)が好適なものとして挙げられる。
Figure 2008032839
[式中、aは1〜10の整数である。]
前記一般式(b−6)中、aは1〜10の整数であり、好ましくは1〜8の整数である。
一般式(b−6)で表されるアニオン部(スルホン酸イオン)の具体例としては、たとえばメタンスルホネートイオン、エタンスルホネートイオン、n−プロパンスルホネートイオン、n−ブタンスルホネートイオンまたはn−オクタンスルホネートイオン等が挙げられる。
”の脂肪族炭化水素基において、環状の炭化水素基としては、脂肪族環式基や、鎖状の炭化水素基の水素原子の少なくとも1つが脂肪族環式基で置換された基(脂肪族環式基含有基)等が挙げられる。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜12であるものが好ましく、炭素数が4〜10であるものがより好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、たとえばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12が好ましく、具体的には、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも、多環式基が好ましく、工業上、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。また、これらの脂肪族環式基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
脂肪族環式基含有基における脂肪族環式基としては、上記と同様のものが挙げられる。
脂肪族環式基が結合する鎖状の炭化水素基としては、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。なかでも、直鎖状のアルキル基が特に好ましく、工業的にはメチル基またはエチル基が好ましい。
前記一般式(b−5)で表されるアニオン部において、R”が環状の炭化水素基である場合、たとえば下記化学式(b−5−1)〜(b−5−7)で表されるアニオン部(スルホン酸イオン)が好適なものとして挙げられる。
Figure 2008032839
上記の中でも、R”が環状の炭化水素基であるアニオン部(スルホン酸イオン)としては、前記化学式(b−5−1)または(b−5−2)で表されるものが好ましい。
”の炭化水素基において、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、フェネチル基、ナフチル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
前記一般式(b−5)で表されるアニオン部において、R”が芳香族炭化水素基である場合、たとえば下記一般式(b−7)または(b−8)で表されるアニオン部(スルホン酸イオン)が好適なものとして挙げられる。
Figure 2008032839
[式(b−7)中、R41およびR42はそれぞれ独立に炭素数1〜5の低級アルキル基またはアルコキシ基であり;dおよびeはそれぞれ独立に0〜4の整数である。式(b−8)中、R43は炭素数1〜5の低級アルキル基またはアルコキシ基であり;fは0〜3の整数である。]
前記一般式(b−7)中、R41およびR42は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基である。
41およびR42の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、メチル基が特に好ましい。
41およびR42のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
dおよびeは、それぞれ独立に0〜4の整数であり、好ましくは0〜2であり、最も好ましくは0である。
dおよび/またはeが2以上の整数であって、R41および/またはR42が複数存在する場合、複数のR41および/またはR42は互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
前記一般式(b−8)中、R43は、炭素数1〜5の低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基である。
43の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、メチル基が特に好ましい。
43のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
fは0〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、最も好ましくは1である。
fが2以上の整数であって、R43が複数存在する場合、複数のR43は互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
本発明において、前記一般式(b−5)で表されるアニオン部としては、R”が、直鎖または分岐鎖状のアルキル基、芳香族炭化水素基であるものが特に好ましい。
上記一般式(b−5)で表されるアニオン部の対イオンとなるカチオン部としては、特に限定されず、たとえばオニウム塩系酸発生剤のカチオン部等のこれまで提案されている酸発生剤のカチオン部と同様のものが挙げられる。かかるカチオン部としては、たとえば下記一般式(b’−1)または(b’−2)で表されるカチオン部が特に好ましい。
Figure 2008032839
[式(b’−1)中、R”〜R” はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表し、少なくとも1つはアリール基を表す。式(b’−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表し、少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b’−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。なかでも、R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”は、それぞれフェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
式(b’−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b’−1)または(b’−2)で表されるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウムイオン、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムイオン、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムイオン、モノフェニルジメチルスルホニウムイオン、ジフェニルモノメチルスルホニウムイオン、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムイオン、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムイオン、ジフェニル(1−ナフチル)スルホニウムイオン、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムイオン等が挙げられる。
(B1)成分の好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 2008032839
本発明において、(B1)成分としては、上記化学式(B1−1)〜(B1−6)で表される群から選択される少なくとも一種の酸発生剤であることが特に好ましい。
(B1)成分は、1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(B)成分全体における(B1)成分の含有量は、40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であってもよい。最も好ましくは100質量%である。該範囲の下限値以上であることにより、本発明の効果が向上する。特に、良好な形状のレジストパターンが得られやすくなる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物において、(B1)成分の含有量は、前記(A)成分の100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることが特に好ましく、5〜15質量部であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、本発明の効果が向上する。特に、良好な形状のレジストパターンが得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、保存安定性がより良好なものとなる。
(B)成分においては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(B1)成分以外の酸発生剤(B2)(以下、(B2)成分という。)を前記(B1)成分と併用してもよい。
(B2)成分としては、前記(B1)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
そのような(B2)成分としては、これまで、フッ素原子を含有するヨードニウム塩またはフッ素原子を含有するスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤;オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、たとえば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤を好適に用いることができる。
Figure 2008032839
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u”は1〜3の整数である。]
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
フッ素化アルキル基は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基である。
フッ素化アルキル基において、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
フッ素化アルキル基において、環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中の全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、10〜100%が好ましく、50〜100%がより好ましく、水素原子がすべてフッ素原子で置換されたものであることが特に好ましい。フッ素化率が10%以上であると、当該(B2)成分から発生する酸の強度が強くなるので好ましい。
51としては、直鎖状のフッ素化アルキル基が最も好ましい。
52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は、好ましくは1〜5であり、特に好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜3である。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。
置換するハロゲン原子としては、上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は、好ましくは1〜5であり、特に好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜3である。
52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果や露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい。)などを挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
Figure 2008032839
また、一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物も好適に用いられる。
Figure 2008032839
[式中、R”〜R”,R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐または環状のフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”は、上述の前記式(b’−1)で例示したR”〜R”と同様である。
式(b−2)中、R”〜R”は、上述の前記式(b’−2)で例示したR”〜R”と同様である。
”は、直鎖、分岐鎖または環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記フッ素化アルキル基としては、前記R51の直鎖、分岐鎖または環状のフッ素化アルキル基と同様のものが挙げられる。
”としては、直鎖または環状のフッ素化アルキル基であることが好ましく、直鎖のフッ素化アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜4の直鎖のフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
また、上記以外の(B2)成分として、前記一般式(b−1)または(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)または(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)または(b−2)と同様)。
Figure 2008032839
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2008032839
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008032839
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2008032839
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2008032839
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
Figure 2008032839
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
上記の中でも、(B2)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオン部に有するオニウム塩を用いることが好ましい。
(B2)成分としては、上記の酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分全体の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(D)成分>
本発明のポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよく、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(D)成分としてアルキルアミンが好ましく、特にトリ−n−オクチルアミンを用いることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、たとえば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらのなかでも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、前記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに、露光装置などにより、EUV、KrFエキシマレーザー光等を所望のマスクパターンを介して照射するか、またはマスクパターンを介さずに電子線を直接照射(描画)してレジスト膜を選択的に露光する。そして、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、たとえば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、レジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
また、露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、EUVまたはEBを用いたリソグラフィーに対して有効であり、EUVに対して特に有効である。
上記本発明のポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法によれば、解像性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できる。その理由は明らかではないが、以下のように考えられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性の構成単位である構成単位(a1)と、アクリル酸の側鎖部分にアセタール型の酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a2)とを含む(A)成分を含有する。特に、前記構成単位(a2)の有するアセタール型の酸解離性溶解抑制基は、脱保護反応における活性化エネルギーが低く、解離しやすい。そのため、該(A)成分は、露光時に、露光部に存在する酸解離性溶解抑制基の解離する割合(脱保護率)が高く、露光部のアルカリ溶解性が大幅に増大する。
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、炭化水素基を含み、比較的疎水性が高いアニオン部を有する(B1)成分(前記一般式(b−5)で表されるアニオン部を有する酸発生剤)を含有する。該(B1)成分は、ノナフルオロブタンスルホネート等の従来のアニオン部に比べ、レジスト膜中に均一に分布しやすいため、露光により発生する酸がレジスト膜中により均一に拡散できると推測される。
したがって、(A)成分と(B1)成分とを含有する本発明のポジ型レジスト組成物によれば、未露光部と露光部とのアルカリ溶解性の差(溶解コントラスト)が、従来のポジ型レジスト組成物を用いた場合と比べて大幅に大きくなり、また、パターン表面の荒れ(ラフネス)等が低減されやすくなることにより、解像性に優れ、良好な形状のレジストパターンを形成できると推測される。
また、本発明においては、LWRやLER等のラフネスが低減されたレジストパターンが形成できる。ラフネスは、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与えるおそれがあり、たとえばレジストパターン側壁表面のラフネス、すなわちラインエッジラフネス(LER)は、ホールパターンにおけるホール周囲の歪みや、ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅のばらつき等の原因となるため、ラフネスの改善は非常に重要となる。
さらに、本発明においては、形成されるレジストパターンに膜減りが少ない。膜減りは、現像前後のレジスト膜の膜厚の変化量であり、膜減りが少ないほど、当該レジストパターンをマスクとしてエッチングをするプロセスに有用である。この効果は、上記と同様、溶解コントラストが向上していることによると考えられる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、(B)成分として炭化水素基を含むアニオン部を有する(B1)成分を含有するため、従来に比べて安全性が高められたものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記実施例1〜2および比較例1においては、以下のモノマー(1)〜(2)を公知の滴下重合法により共重合することによって合成された樹脂(A)−1を用いた。
すなわち、窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。次に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、モノマー(1)/モノマー(2)=3/1(モル比)とを仕込んだ単量体PGMEA溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を、約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、該沈殿を、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、THFに溶解したのち、該溶解液に80質量%ヒドラジン水溶液を滴下し、25℃で1時間撹拌した。反応終了後、大量の水中に滴下して析出物を得た。該析出物を濾別、洗浄、及び減圧下、50℃で約40時間乾燥することにより、樹脂(A)−1を得た。
Figure 2008032839
樹脂(A)−1の構造を下記に示す。
Figure 2008032839
[p1/q1=75/25(モル比);Mw7000;Mw/Mn1.7]
実施例1〜2,比較例1
表1に示す各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2008032839
表1中の各略号は以下の意味を有し、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(B)−1:下記式(B1−2)で表される化合物。
(B)−2:下記式(B1−1)で表される化合物。
(B)−3:下記式(B)−3で表される化合物。
Figure 2008032839
(D)−1:トリ−n−オクチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
表面にヘキサメチルシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物を均一にそれぞれ塗布し、表2に示すPAB温度で90秒間のプレベーク処理を行って、膜厚100nmのレジスト膜を成膜した。
得られたレジスト膜に対し、電子線描画機(日立製、商品名:HL−800D、加速電圧70kV)にて描画を行い、表2に示すPEB温度で90秒間の露光後加熱処理を行い、23℃で2.38質量%TMAH水溶液にて60秒間の現像処理を行い、純水にて15秒間のリンス、振り切り乾燥を行って、ラインアンドスペース(1:1)のレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)を形成した。
このとき、ライン幅100nm、ピッチ200nmのL/Sパターンが形成される最適露光量Eop(μC/cm)を求め、該Eopにおける限界解像度(nm)を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2008032839
表2の結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜2のポジ型レジスト組成物は、比較例1のポジ型レジスト組成物に比べて、解像性に優れたレジストパターンを形成できることが確認できた。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)により、形成されたL/Sパターンの断面形状を観察したところ、実施例1〜2のL/Sパターンは、比較例1のL/Sパターンに比べて、ライン側壁やパターン上面の凹凸が少なく、良好な形状のレジストパターンを形成できることが確認できた。

Claims (4)

  1. 酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、
    前記樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、下記一般式(a2−1)または(a2−2)で表される構成単位(a2)とを含み、かつ前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b−5)で表されるアニオン部を有する酸発生剤(B1)を含むことを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2008032839
    [式(a2−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり;Yは低級アルキル基または1価の脂肪族環式基であり;n21は0〜3の整数である。式(a2−2)中、Rは前記と同じであり;RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基であり;Rはアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり;Yは低級アルキル基または1価の脂肪族環式基であり;n22は0〜3の整数である。]
    Figure 2008032839
    [式(b−5)中、R”は置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基である。]
  2. 前記酸発生剤(B1)の含有量は、前記樹脂成分(A)の100質量部に対し、1〜30質量部の範囲内である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1または2記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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