JP2004052586A - スロットル弁駆動装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクセルペダル操作量APの変化量DAP(=AP(n)−AP(n−1))が所定変化量DAPXを越えると、急加速フラグFRACCが「1」に設定され(S40,S41)、スロットル弁開度の目標開度THCMDの増加速度の制限処理が開始される。目標開度THCMDの増加量の上限値である加算項DTHACCGは、フラグFRACCが「1」に設定された時点からの経過時間に応じて設定される(S42)。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される内燃機関のスロットル弁を駆動するスロットル弁駆動装置の制御装置に関し、特に車両の急加速時及び急減速時においてスロットル弁開度の変化速度の制限を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の運転者が急激にアクセルペダルを踏み込んだ場合や、逆に急激に戻した場合におけるショックを低減するための手法が、例えば特開平10−47115号公報に示されている。この公報に示された手法によれば、アクセルペダルの操作量に応じて決定される目標スロットル弁開度の変化量を算出し、この変化量が上限ガード値より大きいときは、目標スロットル弁開度の変化量が上限ガード値と等しくなるように、目標スロットル弁開度が修正される。そして実際のスロットル弁開度が、目標スロットル弁開度と一致するようにスロットル弁がスロットル弁駆動装置により駆動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
急加速時や急減速時においては、アクセルペダルが急激に踏み込まれ、あるいは急激に戻されるので、制御周期を短くして迅速な制御を行う必要がある。しかしながら、上記従来の手法によれば、機関回転数、スロットル弁開度などに応じて上限ガード値が算出され、該算出された上限ガード値と目標スロットル弁開度の変化量とが常に比較され、その比較結果に応じて最終的な目標スロットル弁開度が決定されるため、制御装置の演算負荷より軽減する上で改善の余地があった。
【0004】
本発明はこの点に着目してなされたものであり、車両の加減速時のショックを抑制する処理の演算負荷をより軽減することができるスロットル弁駆動装置の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、車両に搭載される内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁を駆動する駆動手段を有するスロットル弁駆動装置の制御装置において、前記車両のアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記アクセルペダル操作量に基づいて前記スロットル弁開度の目標開度を設定する目標開度設定手段と、前記スロットル弁開度が前記目標開度となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を超えた時点からの経過時間に応じて前記目標開度の増加速度を制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を超えた時点からの経過時間に応じて、目標開度の増加速度が制限される。すなわち、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度以下であれば、目標開度の増加速度制限処理が行われず、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を越えた時点から制限処理が開始されるので、従来に比べて演算負荷を軽減することができる。しかもアクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を越えた時点からの経過時間に応じた制限処理が行われるので、運転性を損なわない範囲で加速ショックを適度に抑制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、車両に搭載される内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁を駆動する駆動手段を有するスロットル弁駆動装置の制御装置において、前記車両のアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記アクセルペダル操作量に基づいて前記スロットル弁開度の目標開度を設定する目標開度設定手段と、前記スロットル弁開度が前記目標開度となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、前記アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を超えた時点から、前記機関の回転速度に応じて前記目標開度の減少速度を制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を超えた時点から、機関回転速度に応じて、目標開度の減少速度が制限される。すなわち、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度以下であれば、目標開度の減少速度制限処理が行われず、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を越えた時点から制限処理が開始されるので、従来に比べて演算負荷を軽減することができる。しかも機関回転速度に応じた制限処理が行われるので、運転性を損なわない範囲で減速ショックを適度に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるスロットル弁駆動装置及びその制御装置の構成を示す図である。車両に搭載された内燃機関(以下「エンジン」という)1の吸気通路2には、スロットル弁3が設けられている。スロットル弁3には、該スロットル弁3を閉弁方向に付勢するリターンスプリング4と、該スロットル弁3を開弁方向に付勢するデフォルトスプリング5とが取り付けられている。またスロットル弁3は、駆動手段としてのモータ6によりギヤ(図示せず)を介して駆動できるように構成されている。モータ6による駆動力がスロットル弁3に加えられない状態では、スロットル弁3の開度THは、リターンスプリング4の付勢力と、デフォルトスプリング5の付勢力とが釣り合うデフォルト開度THDEF(例えば7.5度)に保持される。デフォルト開度THDEFは、スロットル弁駆動装置の故障時においても、エンジン1により駆動される車両の退避走行が可能となるように設定されている。
【0010】
モータ6は、スロットル弁制御用の電子制御ユニット(以下「ECU」という)7に接続されており、その作動がECU7により制御される。スロットル弁3には、スロットル弁開度THを検出するスロットル弁開度センサ8が設けられており、その検出信号は、ECU7に供給される。
【0011】
またECU7には、エンジン1により駆動される車両の運転者の要求出力を示すアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセルペダル操作量」という)APを検出するアクセルセンサ9、エンジン1の回転数(回転速度)NEを検出するエンジン回転数センサ11、エンジン1の冷却水温(以下「エンジン水温」という)TWを検出するエンジン水温センサ12、及び当該車両のクラッチペダルが踏み込まれているか否かを検出するクラッチスイッチ13が接続されており、これらのセンサの検出信号及びクラッチスイッチ13の切換信号がECU7に供給される。クラッチスイッチ13の切換信号により、エンジン1の出力軸と当該車両の手動変速機の入力軸との間に設けられたクラッチ(図示せず)が係合状態にあるか否かが検出される。
【0012】
ECU7は、スロットル弁開度センサ8、アクセルセンサ9の検出信号などが供給される入力回路、入力信号をディジタル信号に変換するAD変換回路、各種演算処理を実行する中央演算ユニット(CPU)、CPUが実行するプログラムやプログラムで参照されるマップやテーブルなどを格納するROMと演算結果を格納するRAMとからなるメモリ回路、及びモータ6に駆動電流を供給する出力回路を備えている。ECU7は、アクセルペダル操作量APに応じてスロットル弁3の目標開度THCMDを決定し、検出したスロットル弁開度THが目標開度THCMDと一致するようにモータ6の制御デューティ(制御量)DUTを決定し、制御デューティDUTに応じた電気信号をモータ6に供給する。すなわち、ECU7は、スロットル弁開度THが目標開度THCMDに一致するようにフィードバック制御を行う。このフィードバック制御は、例えば周知のPID(比例積分微分)制御により行われる。
【0013】
図2は、目標開度THCMDを算出する処理のメインルーチンのフローチャートである。この処理は、ECU7のCPUで所定時間(例えば10ミリ秒)毎に実行される。
ステップS11では、アクセルペダル操作量APに応じて目標開度THCMDを算出する。ここでは、目標開度THCMDは、アクセルペダル操作量APにほぼ比例するように設定される。ステップS12では、エンジン水温TWが所定水温TW0(例えば60℃)より高いか否かを判別し、TW≦TW0であるときは、直ちに本処理を終了する。したがって、この場合はステップS11で算出された目標開度THCMDがそのまま適用される。
【0014】
ステップS12でTW>TW0であるときは、図3に示す急加速制御処理(ステップS13)及び図9に示す急減速制御処理を実行する(ステップS14)。急加速制御処理では、急加速時か否かを判別し、急加速時であると判別したときに急加速フラグFRACCが「1」に設定されるとともに、上限目標開度THACCGが算出される。また、急減速制御処理では、急減速時か否かを判別し、急減速時であると判別したときに急減速フラグFRDECが「1」に設定されるとともに、下限目標開度THDECGが算出される。
【0015】
ステップS15では、急加速フラグFRACCが「1」であるか否かを判別し、FRACC=0であるときは、急減速フラグFRDECが「1」であるか否かを判別する(ステップS18)。急減速フラグFRDECも「0」であるときは、直ちに本処理を終了する。
【0016】
ステップS15でFRACC=1であって急加速時と判定されたときは、ステップS11で算出した目標開度THCMDが上限目標開度THACCG以上か否かを判別する(ステップS16)。THCMD≧THACCGであるときは、目標開度THCMDを上限目標開度THACCGに変更する(ステップS17)。一方、THCMD<THACCGであるときは直ちに本処理を終了する。
【0017】
ステップS18でFRDEC=1であって急減速時と判定されたときは、ステップS11で算出した目標開度THCMDが下限目標開度THDECG以下か否かを判別する(ステップS19)。THCMD≦THDECGであるときは、目標開度THCMDを下限目標開度THDECGに変更する(ステップS20)。一方、THCMD>THDECGであるときは直ちに本処理を終了する。
【0018】
図3は、図2のステップS13で実行される急加速制御処理のフローチャートである。
ステップS31ではクラッチが係合状態にあるか否かを判別し、クラッチが係合状態にないときは、ダウンカウントタイマTMDLYに所定遅延時間TDLY(例えば1秒)をセットしてスタートさせる(ステップS32)。次いで上限目標開度THACCG及び後述する加算項DTHACCGを初期化する(ステップS46)。具体的には、両者を所定値(例えば「0」)に設定する。次いで、急加速フラグFRACCを「0」に設定し(ステップS47)、目標開度THCMDの制限処理は実行しない。続くステップS48では、アップカウントタイマTMGOPNの値を「0」にリセットする。アップカウントタイマTMGOPNは、急加速フラグFRACCが「1」に設定された時点からの経過時間を計測するタイマである。
【0019】
ステップS31でクラッチが係合状態にあると判定されたときは、ステップS32でスタートしたタイマTMDLYの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS33)。TMDLY>0である間は、前記ステップS46に進み、TMDLY=0となると、ステップS34に進んで、急加速フラグFRACCが「1」であるか否かを判別する。最初は、FRACC=0であるので、ステップS35に進み、エンジン回転数NEに応じて図4に示すAPXテーブルを検索し、所定アクセルペダル操作量APXを算出する。
【0020】
次いで、アクセルペダル操作量APが所定アクセルペダル操作量APX以下か否かを判別し(ステップS36)、AP>APXであるときは、前記ステップS46に進む。したがって、急加速フラグFRACCは「0」に維持される。
ステップS36で、AP≦APXであるときは、アップカウントタイマTMGOPNを「0」にリセットし(ステップS37)、アクセルペダル操作量APの今回値AP(n)と前回値AP(n−1)との差、すなわちアクセルペダル操作量APの変化量DAP(=AP(n)−AP(n−1))が、所定変化量DAPX(例えば、アクセルペダルの操作範囲が0度から20度の範囲である場合、0.0025度に相当する値とする)より大きいか否かを判別する(ステップS40)。ここで、本処理は例えば10ミリ秒毎に実行されるので、所定変化量DAPXは10ミリ秒当たりのアクセルペダル操作量APの変化量に相当し、アクセルペダル操作量APの所定増加速度に対応する閾値である。
【0021】
ステップS40の答が否定(NO)であって、アクセルペダル操作量APの増加速度が小さいときは、前記ステップS46に進み、目標開度THCMDの制限処理は実行しない。ステップS40で(AP(n)−AP(n−1))>DAPXであるときは、急加速フラグFRACCを「1」に設定し(ステップS41)、ステップS42に進む。急加速フラグFRACCが「1」に設定されると、以後の処理ではステップS34から直ちにステップS42に進む。
ステップS42では、図5に示す加算項DTHACCGを算出する処理を実行する。
【0022】
図5のステップS51では、アップカウントタイマTMGOPNの値に応じて図6に示すDTHACCGBテーブルを検索し、加算項の基本値DTHACCGBを算出する。DTHACCGBテーブルは、タイマTMGOPNの値が増加するほど、加算項の基本値DTHACCGBが増加するように設定されている。
【0023】
ステップS52では、エンジン回転数NEに応じて図7に示すKNテーブルを検索し、回転数補正係数KNを算出する。KNテーブルは、高回転領域で、エンジン回転数NEが増加するほど、回転数補正係数KNが増加するように設定されている。このように設定されるのは、スロットル弁開度THを一定とした場合、高回転領域では、エンジン回転数NEが増加するほどエンジン出力トルクが減少する傾向があるため、その減少分を補正するためである。
【0024】
ステップS53では、目標開度THCMDが所定開度THLH(例えば70度)より大きいか否かを判別し、THCMD≦THLHであるときは、下記式(1)に基本値DTHACCGB及び回転数補正係数KNを適用して、加算項DTHACCGを算出する(ステップS54)。
DTHACCG=DTHACCGB×KN×KGR (1)
【0025】
ここで、KGRは選択中の変速比(変速段)に応じた変速補正係数であり、変速比が小さくなるほど(変速段が高速段であるほど)増加するように、例えば1.0から1.7の範囲で設定される。変速段が高速段(例えば5速)にあるときは、低速段(例えば1速、2速)にあるときに比べて、スロットル弁開度THの増加量に対する出力トルクの増加量の比が小さくなることを考慮し、高速段においては低速段より目標開度THCMDの増加量を増やすようにしたものである。なお、選択中の変速比(変速段)は、例えば当該車両の走行速度VPと、エンジン回転数NEとの比に基づいて判定される。
【0026】
一方ステップS53でTHCMD>THLHであって運転者の要求出力が大きいときは、下記式(2)に基本値DTHACCGB、回転数補正係数KN及び変速補正係数KGRを適用して、加算項DTHACCGを算出する(ステップS55)。
DTHACCG=DTHACCGB×KN×KGR×KWOT (2)
ここで、KWOTは、例えば1.6程度に設定される高負荷補正係数である。
【0027】
続くステップS56では、ステップS54またはS55で算出された加算項DTHACCGが上限値DTHACCGH(例えば3度)より大きいか否かを判別し、DTHACCG≦DTHACCGHであるときは直ちに本処理を終了し、DTHACCG>DTHACCGHであるときは、加算項DTHACCGを上限値DTHACCGHに設定する(ステップS57)。
【0028】
図3に戻り、ステップS43では、ステップS42で算出した加算項DTHACCGを下記式(3)に適用し、上限目標開度THACCGを算出する。
THACCG=THCMD(n−1)+DTHACCG (3)
ここで、THCMD(n−1)は、目標開度の前回値である。
【0029】
ステップS44では、アップカウントタイマTMGOPNの値が所定時間TGOPN(例えば0.5秒)以上か否かを判別し、TMGOPN<TGOPNである間は、目標開度THCMDが上限目標開度THACCG以上か否かを判別する(ステップS45)。THCMD≧THACCGであるときは直ちに本処理を終了する。したがって、図2の処理において、ステップS15からステップS16を経てステップS17に進み、目標開度THCMDは上限目標開度THACCGに変更される。
【0030】
一方ステップS45でTHCMD<THACCGであるときは、目標開度THCMDを変更する(制限する)必要がないので、前記ステップS46に進み、急加速時の目標開度の制限処理が終了する。
また急加速フラグFRACCが「1」に設定された時点から所定時間TGOPNが経過すると、ステップS44の答が肯定(YES)となり、前記ステップS46に進む。これにより急加速時の目標開度の制限処理が終了する。
【0031】
図3の処理によれば、ステップS40の答が否定(NO)であってアクセルペダル操作量APの増加速度が小さい間は、ステップS41以下の処理が実行されず、ステップS40の答が肯定(YES)となりアクセルペダル操作量APの増加速度が大きいときのみ、目標開度THCMDの増加速度制限処理が実行されるため、CPUの演算負荷を従来に比べて軽減することができる。
【0032】
図8は、急加速時の目標開度THCMDの推移を説明するためのタイムチャートである。同図に示すラインL1は、アクセルペダル操作量APに比例して設定された目標開度THCMDを示し、ラインL2は、加算項DTHACCGを基本値DTHACCGBに設定した場合の目標開度THCMDの推移を示す。またラインL3は、上記式(2)により算出された加算項DTHACCGを適用した場合の目標開度THCMDの推移を示す。この図から明らかなように、アクセルペダル操作量APの増加速度が大きい場合には、実際の目標開度THCMDは、ラインL3で示すように設定され(したがってスロットル弁開度THもほぼ同様に推移し)、加速時の運転性をできる限り損ねないようにして加速ショックが抑制される。
【0033】
図9は、図2のステップS14で実行される急減速処理のフローチャートである。
ステップS61では、クラッチが開放されているか(非係合状態にあるか)否かを判別し、開放されているときは、急減速フラグFRDECを「0」に設定する(ステップS71)。クラッチが係合状態にあるときは、急減速フラグFRDECがすでに「1」に設定されているか否かを判別する(ステップS62)。その答が肯定(YES)であるときは、直ちにステップS67に進み、FRDEC=0であるときは、エンジン回転数NEが所定高回転数NEH(例えば3000rpm)より高いか否かを判別する(ステップS63)。NE≦NEHであるときは、前記ステップS71に進む。
【0034】
ステップS63でNE>NEHであるときは、アクセルペダル操作量APの今回値AP(n)と前回値AP(n−1)との差、すなわちアクセルペダル操作量APの変化量DAPが負の所定変化量DAPNX(例えば、アクセルペダルの操作範囲が0度から20度の範囲である場合、−0.0025度に相当する値とする)より小さいか否かを判別する(ステップS64)。ここで、本処理は例えば10ミリ秒毎に実行されるので、負の所定変化量DAPNXは10ミリ秒当たりのアクセルペダル操作量APの変化量に相当し、アクセルペダル操作量APの所定減少速度に対応する閾値である。
【0035】
ステップS64で(AP(n)−AP(n−1))≧DAPNXであるときは、前記ステップS71に進み、(AP(n)−AP(n−1))<DAPNXであるときは、急減速フラグFRDECを「1」に設定する(ステップS65)。
ステップS67では、エンジン回転数NEに応じて図10に示すDTHDECGテーブルを検索し、減算項DTHDECGを算出する。DTHDECGテーブルは、エンジン回転数NEが増加するほど減算項DTHDECGが増加するように設定されている。ステップS69では、下記式(4)に目標開度の前回値THCMD(n−1)及び減算項DTHDECGを適用し、下限目標開度THDECGを算出する。
THDECG=THCMD(n−1)−DTHDECG (4)
【0036】
次いで目標開度THCMD(今回値)が下限目標開度THDECG以上か否かを判別し(ステップS70)、THCMD<THDECGであるときは直ちに本処理を終了する。これにより、図2の処理において目標開度THCMDは下限目標開度THDECGに変更される(ステップS20)。一方THCMD≧THDECGであるときは、目標開度THCMDの減少速度が小さいので、減少速度の制限処理は不要である。したがって、前記ステップS71に進み、急減速フラグFRDECを「0」に戻す。
【0037】
図11は、急減速時の目標開度THCMDの推移を示すタイムチャートである。ラインL4は、アクセルペダル操作量APにほぼ比例して設定された目標開度THCMDを示し、ラインL5は下限目標開度THDECGに変更された目標開度THCMDを示す。このようにアクセルペダル操作量APの変化量DAPが負の所定変化量DAPNXより小さい急減速時においては、目標開度THCMDの減少速度は、エンジン回転数NEに応じた減算項DTHDECGによって決まる減少速度に制限されるので、減速時のショックを軽減することができる。またアクセルペダル操作量APの減少速度(|DAP|)が所定減少速度(|DAPNX|以下であれば、目標開度の減少速度制限処理が行われず、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を越えた時点から制限処理が開始されるので、従来に比べてCPUの演算負荷を軽減することができる。しかも機関回転速度に応じた制限処理が行われるので、運転性を損なわない範囲で減速ショックを適度に抑制することができる。
【0038】
本実施形態では、モータ6が駆動手段に相当し、アクセルセンサ9がアクセル操作量検出手段に相当し、エンジン回転数センサ11が回転速度検出手段に相当する。またECU7が目標開度設定手段、駆動制御手段、及び制限手段を構成する。より具体的には、図2のステップS11が目標開度設定手段に相当し、スロットル弁開度THが目標開度THCMDと一致するようにモータ6の制御デューティDUTを決定する処理(図示せず)が駆動制御手段に相当し、図3,図5,及び図9の処理、並びに図2のステップS13〜S20が制限手段に相当する。
【0039】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した図5の処理によれば、所定時間TGOPNに亘って目標開度THCMDの制限処理が行われ、選択中の変速段によって図12(a)に示すように、目標開度THCMDの増加速度が変化する。図12(a)において、ラインL11はアクセルペダル操作量APに比例する目標開度THCMDを示し、ラインL12は、変速段が5速の場合の制限された目標開度THCMDを示し、ライン13は、変速段が1速の場合の制限された目標開度THCMDを示す。このように目標開度THCMDが制限されるのは、所定時間TGOPNを一定とし、変速補正係数KGRを変速段に応じて設定するようにしたからである。これに代えて、変速補正係数KGRは常に「1.0」とし、所定時間TGOPNを変速段に応じて変更するようにしてもよい。図12(b)及び(c)は、そのような変形例を説明するためのタイムチャートであり、ラインL21はアクセルペダル操作量APに比例する目標開度THCMDを示し、ライン22は変速段が1速の場合の制限された目標開度THCMDを示し、ライン23は変速段が6速の場合の制限された目標開度THCMDを示す。すなわち、この変形例では、変速比が減少するほど(変速段が高速段となるほど)、所定時間TGOPNが減少するように設定する。
【0040】
また上記式(1)及び(2)に適用される回転数補正係数KNに代えて、アクセルペダル操作量APの増加速度に応じ算出されるアクセルペダル操作速度補正係数KDAPを、式(1)及び(2)に適用するようにしてもよい。この場合には、アクセルペダル操作速度補正係数KDAPは、アクセルペダル操作量APの増加速度が高くなるほど、増加するように設定される。
【0041】
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどのに適用されるスロットル弁駆動装置の制御にも適用が可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を超えた時点からの経過時間に応じて、目標開度の増加速度が制限される。すなわち、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度以下であれば、目標開度の増加速度制限処理が行われず、アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を越えた時点から制限処理が開始されるので、従来に比べて演算負荷を軽減することができる。しかもアクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を越えた時点からの経過時間に応じた制限処理が行われるので、運転性を損なわない範囲で加速ショックを適度に抑制することができる。
【0043】
請求項2に記載の発明によれば、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を超えた時点から、機関回転速度に応じて、目標開度の減少速度が制限される。すなわち、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度以下であれば、目標開度の減少速度制限処理が行われず、アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を越えた時点から制限処理が開始されるので、従来に比べて演算負荷を軽減することができる。しかも機関回転速度に応じた制限処理が行われるので、運転性を損なわない範囲で減速ショックを適度に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるスロットル弁駆動装置及びその制御装置の構成を示す図である。
【図2】目標開度(THCMD)を算出する処理のフローチャートである。
【図3】急加速時の目標開度を決定する処理のフローチャートである。
【図4】図3の処理で使用されるAPXテーブルを示す図である。
【図5】急加速時に適用される加算項(DTHACCG)を算出する処理のフローチャートである。
【図6】図5の処理で使用されるDTHACCGBテーブルを示す図である。
【図7】図5の処理で使用されるKNテーブルを示す図である。
【図8】急加速時の目標開度(THCMD)の推移を説明するためのタイムチャートである。
【図9】急減速時に適用される減算項(DTHDECG)を算出する処理のフローチャートである。
【図10】図9の処理で使用されるDTHDECGテーブルを示す図である。
【図11】急減速時の目標開度(THCMD)の推移を説明するためのタイムチャートである。
【図12】加速時の制御の変形例を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 吸気通路
3 スロットル弁
6 モータ(駆動手段)
7 電子制御ユニット(目標開度設定手段、駆動制御手段、制限手段)
9 アクセルセンサ(アクセル操作量検出手段)
10 スロットル弁駆動装置
11 エンジン回転数センサ(回転速度検出手段)
Claims (2)
- 車両に搭載される内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁を駆動する駆動手段を有するスロットル弁駆動装置の制御装置において、
前記車両のアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
前記アクセルペダル操作量に基づいて前記スロットル弁開度の目標開度を設定する目標開度設定手段と、
前記スロットル弁開度が前記目標開度となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
前記アクセルペダル操作量の増加速度が所定増加速度を超えた時点からの経過時間に応じて前記目標開度の増加速度を制限する制限手段とを備えることを特徴とするスロットル弁駆動装置の制御装置。 - 車両に搭載される内燃機関の吸気系に設けられたスロットル弁を駆動する駆動手段を有するスロットル弁駆動装置の制御装置において、
前記車両のアクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
前記機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記アクセルペダル操作量に基づいて前記スロットル弁開度の目標開度を設定する目標開度設定手段と、
前記スロットル弁開度が前記目標開度となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段と、
前記アクセルペダル操作量の減少速度が所定減少速度を超えた時点から、前記機関の回転速度に応じて前記目標開度の減少速度を制限する制限手段とを備えることを特徴とするスロットル弁駆動装置の制御装置。
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