JP2808341B2 - 駆動輪トルクの制御装置 - Google Patents

駆動輪トルクの制御装置

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JP2808341B2
JP2808341B2 JP2080527A JP8052790A JP2808341B2 JP 2808341 B2 JP2808341 B2 JP 2808341B2 JP 2080527 A JP2080527 A JP 2080527A JP 8052790 A JP8052790 A JP 8052790A JP 2808341 B2 JP2808341 B2 JP 2808341B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、駆動輪の過剰スリップを防止するためのト
ラクションコントロールに用いられる駆動輪トルクの制
御装置に関する。
(2)従来の技術 車両の発進時や加速時における駆動輪の過剰スリップ
を防止する所謂トラクションコントロールシステムにお
いて、駆動輪トルクを低減する手段として内燃機関のス
ロットル開度をフィードバック制御するものが知られて
いる(例えば、特開昭62−7954号公報参照)。かかる駆
動輪トルクの制御装置によれば、駆動輪スリップが最適
の値になるように駆動輪トルクが制御され、路面の摩擦
係数や車両の運転状態に合った最適の駆動力を得ること
ができる。
(3)発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の駆動輪トルクの制御装置では、
スロットル開度のフィードバック制御開始時の初期スロ
ットル開度として、前回スロットル開度あるいは一定値
が用いられているため、目標とする駆動輪スリップを与
えるスロットル開度になるまでに時間遅れがあり、過渡
応答性に問題があった。特に、駆動輪スリップが大きい
場合に駆動輪トルクを制御すべくフュエルカットを行
い、その後スリップ率が小さくなってからスロットル開
度のフィードバック制御に移行するシステムでは、フュ
エルカットからスロットル開度制御に移行する際に駆動
輪トルクの滑らかな変化が困難になる問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、最適の
駆動輪スリップを与えるべくスロットル開度をフィード
バック制御する際、そのフィードバック制御開始時に適
切な初期スロットル開度を与えることにより、より精密
な駆動輪トルクの制御を行わしめることを目的とする。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本発明はクレーム対応図
である第1図に示すように、駆動輪速度と、従動輪速度
から求めた基準速度とに基づいて駆動輪の過剰スリップ
が検出された時、前記駆動輪に接続された内燃機関のス
ロットル弁の開度を前記駆動輪速度と基準速度との偏差
に応じてフィードバック制御して前記過剰スリップを制
御する駆動輪トルク低減手段を備えた、駆動輪トルクの
制御装置において、前記駆動輪トルク低減手段は、内燃
機関の運転状態と該機関から駆動輪に至る伝動系の状態
とに応じて駆動輪が出力する総トルクを求める手段と、
前記総トルクが路面に伝達可能なトルク以上に発生した
時に消費される余剰トルクを、駆動輪速度と従動輪速度
とに基づいて演算される駆動輪スリップの時間変化率か
ら求める手段と、前記総トルクと前記余剰トルクとか
ら、その両トルクの差に相当し駆動輪から路面へ伝達可
能な有効トルクを求める手段と、この有効トルクから、
前記フィードバック制御を開始させる際の前記スロット
ル弁の初期スロットル開度を求める手段とを備え、前記
過剰スリップの検出時にはその過剰スリップを抑制すべ
く、前記初期スロットル開度を求める手段により求めら
れた前記初期スロットル開度にて前記フィードバック制
御を開始させることを特徴とする。
前記有効トルクは、例えば前記総トルクと駆動輪スリ
ップの時間変化率から線型近似して求めることができ
る。
また、この駆動輪トルクの制御装置が駆動輪の過剰ス
リップが大きい時にフュエルカットする手段を持つ場合
には、前記初期スロットル開度をフュエルカットした状
態から復帰した時に求めることが望ましく、その際に、
前記有効トルクをフュエルカット開始から所定時間内の
駆動輪の最大総トルクと最大余剰トルクから求めること
ができる。
更に前記駆動輪の総トルクを求める手段は、例えば内
燃機関の運転状態からクランク軸トルクを演算する手段
と、演算したクランク軸トルクにフィルターをかけるフ
ィルタリング手段と、フィルタリングされたクランク軸
トルクに伝動系のギヤレシオとミッション伝達効率を乗
算する手段とから構成することができ、これにより、エ
ンジン運転状態から(例えばNe,吸気管内負圧PBの関数
として)クランク軸トルクを推定し、その推定したクラ
ンク軸トルクに伝動系のギヤレシオとミッション伝達効
率を乗算して駆動輪総トルクを演算可能である。この場
合、クランク軸トルクの推定時に、エンジンの運転状態
が変化してからクランク軸トルクが実際に変化するまで
には多少の時間遅れが発生(例えば吸気管内圧力で検出
した空気がエンジンに吸入されて圧縮・爆発するまでに
時間がかかる)するが、その推定されたクランク軸トル
クに一時遅れのフィルタリング処理を施すことにより、
上記時間遅れの誤差を吸収し、過渡期においてもクラン
ク軸トルク(延いては駆動輪総トルク)を正確に求める
ことが可能である。
(2)作用 本発明の前記特徴によれば、駆動輪速度と、従動輪速
度から求めた基準速度とに基づいて駆動輪の過剰スリッ
プが検出され、その検出時には、駆動輪速度と基準速度
との偏差(即ちスリップ量)に応じてスロットル弁の開
度がフィードバック制御されて前記過剰スリップが制御
される。
この場合、内燃機関の運転状態と該機関から駆動輪に
至る伝動系の状態に応じて駆動輪が出力する総トルク
と、この総トルクが路面に伝達可能なトルク以上に発生
した時に消費される(駆動輪速度と従動輪速度とに基づ
いて演算される駆動輪スリップの時間変化率から算出可
能な)余剰トルクとから、その両トルクの差に相当し駆
動輪から路面へ伝達可能な有効トルクが求められ、更に
この有効トルクから求めた初期スロットル開度にて、過
剰スリップ検出時におけるスロットル開度の前記フィー
ドバック制御を開始させるようにしているため、そのフ
ィードバック制御開始時の初期スロットル開度を、その
時点で駆動輪が路面に伝達できるトルク(有効トルク)
に適合させることができる。この結果、前記フィードバ
ック制御において駆動輪トルクを最適の目標値に速やか
に収束させることができるようになり、過渡応答性が向
上する。
(3)実施例 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第2図は本制御装置が搭載された車両の概略構成図で
あって、この車両は内燃機関Eによって駆動される一対
の駆動輪Wrと一対の従動輪Wfを備えており、駆動輪Wrお
よび従動輪Wfには、その速度VW,VVを検出する駆動輪速
度検出器1と従動輪速度検出器2がそれぞれ設けられて
いる。内燃機関Eには、そのクランクシャフトの回転速
度Neを検出するための歯車と電磁ピックアップよりなる
回転速度検出器3と、そのミッション4のギヤ位置を検
出するためのギヤ位置検出器5が設けられるとともに、
その吸気通路6には吸気管内圧PBを検出する吸気管内検
圧出器7およびパルスモータ8に接続されて開閉駆動さ
れるスロットル弁9が設けられ、更に前記吸気通路6の
下流端にはフュエルカット手段10を備えた燃料噴射弁11
が設けられている。また、他の検出器として、大気圧PA
を検出する大気圧検出器12、およびウオータジャケット
内の冷却水の温度TWを検出する水温検出器18が設けられ
ている。そして、前記駆動輪速度検出器1、従動輪速度
検出器2、回転速度検出器3、ギヤ位置検出器5、吸気
管内圧検出器7、パルスモータ8、フュエルカット手段
10、大気圧検出器12、および水温検出器18はマイクロコ
ンピュータよりなる電子制御ユニットUに接続されてい
る。
第3図は前記各検出器から入力された検出信号を制御
プログラムに基づいて演算処理し、前記パルスモータ8
を介してスロットル弁9を駆動するための電子制御ユニ
ットUを示している。この電子制御ユニットUは、前記
演算処理を行うための中央処理装置(CPU)13、前記制
御プログラムや各種マップ等のデータを格納したリード
オンリーメモリ(ROM)14、前記各検出器の検出信号や
演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)15、前記各検出器、すなわち駆動輪速度検出器
1、従動輪速度検出器2、回転速度検出器3、ギヤ位置
検出器5、吸気管内圧検出器7、フュエルカット手段1
0、大気圧検出器12、水温検出器18が接続される入力部1
6、および前記パルスモータ8が接続される出力部17か
ら構成されている。而して、上記電子制御ユニットU
は、入力部16から入力される各検出信号とリードオンリ
ーメモリ14に格納されたデータ等を後述する制御プログ
ラムに基づいて中央処理装置13で演算処理し、最終的に
出力部17を介してパルスモータ8を駆動する。これによ
り、スロットル弁9が閉弁制御されて内燃機関Eの出力
トルクが変化し、その結果車両の駆動輪Wrの過剰スリッ
プを抑制すべく駆動輪トルクが最適の値に制御される。
次に、電子制御ユニットUにおいて実行される駆動輪
トルクの制御の内容を第4図〜第6図のフローチャート
に基づいて詳述する。尚、第5図のフローチャートは第
4図のステップS3に対応するサブルーチンを示すもので
あり、第6図のフローチャートは第5図のステップS25
に対応するサブルーチンを示すものである。
第4図において、ステップS1でフュエルカット手段10
からの信号に基づいてフュエルカット中か否かが判断さ
れるととともに、ステップS2で回転速度検出器3の検出
信号に基づいて内燃機関Eの回転速度Neが1500RPM以下
であるか否かが判断される。そして、フュエルカット中
であり、かつNe>1500RPMの場合にのみステップS3に進
み、その他の場合にはステップS4に進む。尚、フュエル
カットは駆動輪スリップVE、すなわち駆動輪速度検出器
1が出力する駆動輪速度VWから従動輪速度検出器2が出
力する従動輪速度VVの関数である基準速度VRPを引いた
差が充分に大きく、駆動輪Wrが過剰にスリップしている
と判断された場合に行われる。ここで、上記VEおよびV
RPは VE=VW−VRP VRP=F(VV)=K*VV 但しKは定数 で表わされる。
さて、フュエルカット中、かつNe>1500RPMの条件が
成立しない場合には、ステップS4でマップに基いて内燃
機関Eの回転速度Neの関数であるスロットルフィードバ
ックサイクルが検索される。続くステップS5でフィード
バックサイクルであるか否かが判断され、YESである場
合には、ステップS6でスロットル開度のPIDフィードバ
ック制御を行うべく、その制御係数KTHP ,KTHI ,KTHD
が決定される。次にステップS7で前回スロットルフィ
ードバックが行われているか否かが判断され、YESの場
合には、ステップS8でI項;θTHFBI Nが θTHFBI N=θTHFBI N−1−KTHI N**VE に基づいて演算される。尚、上式における右辺第2項の
負号は、VEがゼロよりも大きい方を正の方向に取ってい
るためである。一方、ステップS7でNOの場合には、ステ
ップS9において後で詳述する初期スロットル開度θ
THINITθTHFBI 0に置き換えられる。而してI項;θ
THFBIが求められると、以下のステップS10〜ステップS1
3で該I項に制限が加えられる。すなわち、ステップS10
でθTHFBIが内燃機関Eのフリクション分を補うスロッ
トル開度θTO 以上であるか否かが判断され、NOならば
ステップS11でθTO がθTHFBIに置き換えられる。また
ステップS12でθTHFBIが内燃機関が最大トルクを発生す
るスロットル開度の80%のスロットル開度θWOT 以下
であるか否かが判断され、NOならばステップS13でθWOT
がθTHFBIに置き換えられる。次に、ステップS14でP
項;θTHFBP Nが θTHFBP N=KTHP VE に基づいて演算され、更にステップS15でD項;θTHFBD
Nが θTHFBD N=KTHD に基づいて演算される。
続いて、ステップS16でフィードバック制御量θTHFB
が θTHFB=θTHFBI−θTHFBP−θTHFBD に基づいて演算されると(上式における右辺第2項およ
び第3項の負号は、前述と同様にVEがゼロよりも大きい
方を正の方向に取っているためである)、以下のステッ
プS17〜ステップS20で前記フィードバック制御量θTHFB
に制限が加えられる。すなわち、ステップS17でθTHFB
が前述のθTO 以上であるか否かが判断され、NOならば
ステップS18でθTO がθTHFBに置き換えられる。また
ステップS19でθTHFBが前述のθWOT 以下であるか否か
が判断され、NOならばステップS20でθWOT がθTHFB
置き換えられる。
さて、前記ステップS1およびステップS2においてフュ
エルカット中、かつNe>1500RPMの条件が成立する場合
にはステップS3、すなわち第5図のフローチャートに示
すサブルーチンが10msの割り込みで実行される。先ずス
テップS21で前回のフュエルカットフラグFF/Cがゼロで
あるか否かが判断されてNOの場合、すなわちフュエルカ
ット中の場合には、更にステップS22でスロットルイニ
シャライズフラグFTHINITがゼロであるか否かが判断さ
れ、YESの場合にはステップS25に移行し、NOの場合には
既に初期スロットル開度θTHINITが求まっているとして
後述のステップS32に移行する。また、前記ステップS21
でフュエルカットフラグFF/Cがゼロである場合、すな
わち今回初めてフュエルカットが行われた場合には、ス
テップS23でスロットルイニシャライズカウンタを100ms
にセットしてスタートさせる。そして続くステップS24
でスロットルイニシャライズフラグFTHINITがゼロにリ
セットされてステップS25に移行する。
さて、ステップS25では、クランク軸トルクTQOUTが吸
気管内圧PBおよび内燃機関の回転速度Neの関数として求
められる。すなわち、前記ステップS25のサブルーチン
である第6図におけるステップS38で、現在の内燃機関
Eの回転速度Neに対応してスロットル全開時におけるク
ランク軸最大トルクTQMAXがテーブルより検索される。
次に、ステップS39で内燃機関Eの回転速度Neに対応し
てスロットル全開時の吸気管内圧PBWOTと無負荷時の吸
気管内圧PBNLがテーブルより検索される。次に、ステッ
プS40で、水温検出器18の出力信号に基づいて水温補正
係数KTWTQがテーブルより検索されるとともに、ステッ
プS41で、大気圧検出器12の出力信号に基づいて大気圧
補正係数KPATQがテーブルより検索される。そして、ス
テップS42において、前記ステップS39で検索したスロッ
トル全開時の吸気管内圧PBWOTと無負荷時の吸気管内圧P
BNL、および現在の吸気管内圧PBから下記の一時補間式
によって吸気管内圧補正係数KPBTQが演算される。
KPBTQ=(PB−PBNL)/(PBWOT−PBNL) 次に、ステップS43で空燃比フラグFWOTが立てられて
いるかが判断され、該空燃比フラグFWOTがセットされて
いる場合、すなわち通常の運転状態においては、ステッ
プS44で空燃比補正係数KAFTQとして1が選択される。ま
た、空燃比フラグFWOTがセットされていない場合、すな
わち低負荷時等においては、ステップS45で空燃比補正
係数KAFTQとして所定値KAFTQO(0.9)が選択される、而
して、ステップS46で、前記ステップS38で検索したクラ
ンク軸最大トルクTQMAXにステップS42で演算した吸気管
内圧補正係数KPBTQを乗算することにより現在の吸気管
内圧PBに対応するクランク軸トルクが演算され、その結
果に前記ステップS40で検索した水温補正係数KTWTQ、ス
テップS41で検索した大気圧補正係数KPATQ、およびステ
ップS44またはステップS45で選択した空燃比補正係数K
AFTQが乗算され、現在のクランク軸トルクTQOUTが推定
される。なお、スロットル全開時の吸気管内圧PBWOT
無負荷時の吸気管内圧PBNLを用いてクランク軸トルクTQ
OUTを推定するかわりに、スロットル全開時とアイドル
時の燃料噴射量から一時補間式によってクランク軸最大
トルクTQMAXを推定することも可能である。
さて、上述のようにして第5図のステップS25でクラ
ンク軸トルクTQOUTが推定されるが、内燃機関Eの運転
状態が変化してから前記クランク軸トルクTQOUTが実際
に変化するまでには、吸気管内圧検出器7で検出した空
気が内燃機関Eに吸入されて圧縮・爆発するまでに時間
がかかることから、多少の時間遅れが発生する。このた
めに、続くステップS26で前記クランク軸トルクTQOUT
以下の式に基づく一時遅れのフィルタリング処理が施さ
れる。
このフィルタリング処理により上記時間遅れによる誤
差が吸収され、内燃機関Eの運転状態の過渡期において
も、各瞬間における精密なクランク軸トルク が推定される。
次に、ステップS27で、フィルタリングが施された前
記クランク軸トルク に、ギヤ位置検出器5の出力信号に対応して求められた
ミッション伝達係数KMとギヤレシオG/Rを掛け合わせる
ことにより、次式から駆動輪総トルク が演算される。
ステップS28では、駆動輪スリップ変化率の過去1
00msにおける最大値EMと、前記駆動輪総トルク の過去100msにおける最大値 が検索される。すなわち、駆動輪速度検出器1から出力
される駆動輪速度VWと従動輪速度検出器2から出力され
る従動輪速度VVに基づいて演算される駆動輪スリップVE
の時間変化率としての、駆動輪スリップVEの微分値
、および前記駆動輪総トルク はランダムアクセスメモリ15に一時的に記憶され、その
中から過去100msにおける最大値EM、および最大値 が選択される。次に、ステップS29で100msが経過したか
否かが判断され、NOの場合にはステップS30で前述のθ
TO が初期スロットル開度θTHINITに置き換えられる。
一方、前記ステップS29でYESの場合には、ステップS31
で車両の加速に利用される有効トルクTQINIT(すなわ
ち、駆動輪総トルク から駆動輪Wrの過剰スリップに消費される余剰トルクを
引いたもの)が、前述のステップS28で求めた駆動輪ス
リップ変化率の最大値EMと駆動輪総トルクの最大値 からマップ検索される。次にステップS32で初期スロッ
トル開度θTHINITが次式によって演算される。
ここでdTH/dTQはクランク軸での単位トルク変化を与え
るために必要なスロットル開度変化を示すもので、内燃
機関Eの回転速度Neの関数として記憶されている。また
KPAは標準大気圧で得られる上記dTH/dTQを補正するため
に、大気圧検出器12の出力信号に基づいて決定される補
正係数である。
このようにして初期スロットル開度θTHINITが求めら
れると、次のステップS33〜ステップS36において、前述
と同様にその最小値がθTO に制限されるとともに、そ
の最大値がθWOT に制限される。そして最後に、ステ
ップS37でスロットルイニシャライズフラグFTHINITが1
にセットされる。
而して、第4図のステップS9においてスロットルフィ
ードバック制御が新たに開始されるとき、その初期スロ
ットル開度として前記θTHINITが用いられる。そして上
記初期スロットル開度θTHINITは、車両の加速に利用さ
れる駆動輪有効トルクTQINIT、すなわち駆動輪総トルク から駆動輪Wrの過剰スリップに消費される余剰トルク差
し引いたトルクを与えるスロットル開度に対応している
ため、最終的なスロットル開度を速やかに最適の駆動輪
スリップ率を与える値に収束させることが可能になる。
次に、前記駆動輪有効トルクTQINITを得るための他の
実施例を説明する。
第7図は、各種の路面摩擦係数μにおいて駆動輪総ト
ルク と駆動輪スリップ変化率の関係がどのように変化す
るかを線型近似によって与えるもので、低μ路面ほど初
期に駆動輪スリップ変化率が増加して無効トルクの
比率が増えることが理解される。これにより、駆動輪総
トルク と駆動輪スリップ変化率の交点から路面μを求め、
その路面μの線が横軸と交わる位置から駆動輪有効トル
クTQINITを求めることができる。したがって、各種の路
面μに対する駆動輪総トルク と駆動輪スリップ変化率を関数としてリードオンリ
ーメモリ14に記憶させておば、第5図におけるステップ
S31のマップ検索による手法に代えて駆動輪有効トルクT
QINITを求めることができる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、駆動輪速度と、従動輪
速度から求めた基準速度とに基づいて駆動輪の過剰スリ
ップが検出された時、その駆動輪速度と基準速度との偏
差(即ちスリップ量)に応じてスロットル弁の開度をフ
ィードバック制御して前記過剰スリップを抑制するよう
にした駆動輪トルク制御装置において、内燃機関の運転
状態と該機関から駆動輪に至る伝動系の状態に応じて駆
動輪が出力する総トルクと、この総トルクが路面に伝達
可能なトルク以上に発生した時に消費される、駆動輪ス
リップの時間変化率から算出可能な余剰トルクとから、
その両トルクの差に相当し駆動輪から路面へ伝達可能な
有効トルクを求め、更にこの有効トルクから求めた初期
スロットル開度にて、スロットル開度の前記フィードバ
ック制御を開始させるようにしたので、そのフィードバ
ック制御開始時の初期スロットル開度を、その時点で駆
動輪が路面に伝達できるトルク(有効トルク)に適合さ
せることができ、従って駆動輪トルクを最適の目標値に
速やかに収束させることができて、その過渡応答性を向
上させることができ、特に駆動輪の過剰スリップが大き
い場合においてフューエルカット等を行った後に前記フ
ィードバック制御へ移行する際に効果的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクレーム対応図、第2図は本制御装置
が搭載された車両の概略構成図、第3図は電子制御ユニ
ットを示すブロック図、第4図は電子制御ユニットにお
ける制御案内を示すフローチャート、第5図はステップ
S3のサブルーチンを示すフローチャート、第6図はステ
ップS25のサブルーチンを示すフローチャート、第7図
は駆動輪有効トルクを求めるためのグラフである。 101……駆動輪総トルク算出手段、102……余剰トルク算
出手段、103……駆動輪有効トルク算出手段、104……初
期スロットル開度算出手段、9……スロットル弁、10…
…フュエルカット手段 E……内燃機関、U……電子制御ユニット(駆動輪トル
ク低減手段)、Wr……駆動輪
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 345 F02D 45/00 345G (72)発明者 和崎 嘉夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−192927(JP,A) 特開 昭60−127465(JP,A) 特開 昭61−46725(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪速度(Vw)と、従動輪速度(VV)か
    ら求めた基準速度(VRP)とに基づいて駆動輪(Wr)の
    過剰スリップが検出された時、前記駆動輪(Wr)に接続
    された内燃機関(E)のスロットル弁(9)の開度を前
    記駆動輪速度(VW)と基準速度(VRP)との偏差(VE
    に応じてフィードバック制御して前記過剰スリップを抑
    制する駆動輪トルク低減手段(U)を備えた、駆動輪ト
    ルクの制御装置において、 前記駆動輪トルク低減手段(U)は、内燃機関(E)の
    運転状態と該機関(E)から駆動輪(Wr)に至る伝動系
    の状態とに応じて駆動輪(Wr)が出力する総トルクを求
    める手段(101)と、 前記総トルクが路面に伝達可能なトルク以上に発生した
    時に消費される余剰トルクを、駆動輪速度(VW)と従動
    輪速度(VV)とに基づいて演算される駆動輪スリップ
    (VE)の時間変化率(VE)から求める手段(102)と、 前記総トルクと前記余剰トルクとから、その両トルクの
    差に相当し駆動輪(Wr)から路面へ伝達可能な有効トル
    クを求める手段(103)と、 この有効トルクから、前記フィードバック制御を開始さ
    せる際の前記スロットル弁(9)の初期スロットル開度
    を求める手段(104)とを備え、 前記過剰スリップの検出時にはその過剰スリップを抑制
    すべく、前記初期スロットル開度を求める手段(104)
    により求められた前記初期スロットル開度にて前記フィ
    ードバック制御を開始させることを特徴とする、駆動輪
    トルクの制御装置。
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