JPH08170559A - 内燃機関の吸入空気量制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸入空気量制御装置

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JPH08170559A
JPH08170559A JP31284294A JP31284294A JPH08170559A JP H08170559 A JPH08170559 A JP H08170559A JP 31284294 A JP31284294 A JP 31284294A JP 31284294 A JP31284294 A JP 31284294A JP H08170559 A JPH08170559 A JP H08170559A
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JP
Japan
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intake air
speed
control
engine
air amount
Prior art date
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Application number
JP31284294A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Nagata
永田  哲治
Hideki Suzuki
英樹 鈴木
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン回転数の目標アイドル回転数への収
束性を良くする。 【構成】 手動変速機付き車両では、車両減速中、クラ
ッチ切断後は、エンジン回転数が急激に低下してアイド
ル時の回転数よりも下回るアンダーシュートが発生し、
この後、アイドル回転数付近に収束して安定する。アン
ダーシュート領域とその後の安定回転領域におけるエン
ジンの回転数、吸気管圧力等のエンジン運転状態が空調
装置等のエンジン補機の負荷に応じて変動する。そこ
で、車両減速中のクラッチの切断タイミングに応じてア
ンダーシュート領域又は安定回転領域のいずれかを選択
して、その領域におけるエンジン補機の負荷の増減に応
じて増減する運転パラメータをエンジン回転数から求
め、この運転パラメータに基づいてISCバルブの制御
量を算出し、ISCバルブを制御して停車直後からエン
ジン回転数を速やかに目標アイドル回転数に収束させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手動変速機構付きの車
両に搭載された内燃機関(以下「エンジン」という)へ
の吸入空気量を制御する内燃機関の吸入空気量制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のエンジンにおけるアイ
ドル回転制御は、スロットルバルブをバイパスする空気
量をISCバルブにより制御したり、或は、スロットル
バルブの全閉位置をアクチュエータで制御したりして、
エンジンの回転数を目標アイドル回転数に収束させるよ
うにしている。また、車両走行中に、空調装置、オルタ
ネータ、油圧ポンプ等のエンジン補機を駆動する必要が
あるが、エンジン補機の負荷は変動するため、このエン
ジン補機負荷の変動によって停車直後のエンジンのアイ
ドル回転数がばらついて、目標アイドル回転数への収束
性が悪くなってしまう。
【0003】そこで、特開平5−99038号公報に示
すように、空調装置の冷凍サイクル配管中に冷媒ガス圧
力センサを設け、この冷媒ガス圧力センサの出力信号に
より空調装置のコンプレッサ負荷を検出し、このコンプ
レッサ負荷を考慮してISCバルブの開度を制御するよ
うにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、空調装置の冷凍サイクル配管中に高価な冷
媒ガス圧力センサを設けなければならず、構成が複雑化
してコストアップを招く欠点がある。しかも、空調装置
のコンプレッサ以外のエンジン補機の負荷、例えばオル
タネータ、油圧ポンプ等の負荷は検出できないので、こ
れらのエンジン補機負荷が停車直後のエンジンのアイド
ル回転数の収束性を悪くする原因として残されている。
このようなアイドル回転数の収束性の悪さは、停車後の
車両ボディ振動やステアリング振動の発生原因となり、
快適性を損ねてしまう。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、コストアップを抑え
つつ、空調装置は勿論、それ以外のエンジン補機の負荷
も考慮したアイドル回転数制御を実現することができ
て、停車直後からエンジン回転数を速やかに目標アイド
ル回転数に収束させることができる内燃機関の吸入空気
量制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、内燃機関から変速機への動力
伝達を運転者のクラッチ操作により断続する手動変速機
構付きの車両に用いられる内燃機関の吸入空気量制御装
置において、前記内燃機関の回転数、負荷、吸入空気
量、吸気管圧力の少なくとも1つを検出する運転状態検
出手段と、アイドル時に前記内燃機関への吸入空気量を
調整する吸入空気量操作手段と、前記クラッチの切断を
検出するクラッチ状態検出手段と、車両減速中の前記ク
ラッチの切断直後に発生する前記内燃機関の回転数のア
ンダーシュート領域において内燃機関補機負荷増減に比
例した変動が現れる運転パラメータを前記運転状態検出
手段の検出値から求めて前記吸入空気量操作手段の第1
の制御量を算出する第1の演算手段と、前記クラッチの
切断後の所定時間経過後又は所定回転数経過後に求めた
運転パラメータに基づいて前記吸入空気量操作手段の第
2の制御量を算出する第2の演算手段と、車両減速中に
おける前記クラッチの切断タイミングに応じて前記第1
又は第2の演算手段を選択し、選択した演算手段で算出
した制御量に応じて前記吸入空気量操作手段を制御して
停車直後から前記内燃機関の回転数を目標アイドル回転
数に収束させるアイドル回転数制御手段とを備えた構成
としたものである。
【0007】この場合、請求項2のように、前記第1,
第2の演算手段は、各々が求めた運転パラメータとアイ
ドル時の運転パラメータ目標値との差に基づいて前記吸
入空気量操作手段の第1,第2の各制御量を算出するよ
うにしても良い。
【0008】或は、請求項3のように、前記第1,第2
の演算手段は、各々が求めた運転パラメータに基づいて
内燃機関補機負荷を推定し、その推定値に基づいて前記
吸入空気量操作手段の第1,第2の各制御量を算出する
ようにしても良い。
【0009】また、請求項4のように、前記アイドル回
転数制御手段は、車速、走行時間、走行積算回転数とい
った所定の走行条件を満たした後の車両減速状態での
み、前記第1,第2の制御量に基づく前記吸入空気量操
作手段の制御を実行するようにしても良い。
【0010】更に、請求項5のように、前記アイドル回
転数制御手段は、前記クラッチ切断時の前記内燃機関の
回転数が目標アイドル回転数の2倍以上であるとき、又
は目標アイドル回転数以下であるときには、前記第2の
制御量を優先して前記吸入空気量操作手段の制御に反映
させ、前記クラッチ切断時の前記内燃機関の回転数が目
標アイドル回転数からその2倍の範囲内であるとき、又
は単位時間当たりの回転数低下量が所定値以上であると
きには、前記第1の制御量を優先して前記吸入空気量操
作手段の制御に反映させるようにしても良い。
【0011】また、請求項6のように、前記アイドル回
転数制御手段は、暖機運転中は、前記吸入空気量操作手
段の制御量に制限を加えるようにしても良い。また、請
求項7のように、前記吸入空気量操作手段により調整さ
れた停車直後の前記内燃機関の回転数と目標アイドル回
転数に差があった場合、その差に基づいて次回の制御時
に反映する第1,第2の制御量の補正係数を求める学習
手段を設けた構成としても良い。
【0012】
【作用】内燃機関(以下「エンジン」という)から変速
機への動力伝達を運転者のクラッチ操作により断続する
手動変速機付きの車両においては、車両を走行状態から
停止する場合、まず、アクセル(スロットル)を全閉に
してブレーキをかけ、車速が十分に低下してから、クラ
ッチを切ってエンジンから変速機への動力伝達を遮断
し、最終的に車両を停止させる。このときの車速、クラ
ッチ、エンジン回転数の経時的変化の一例が図4に示さ
れている。車両減速中、クラッチが接続されている間
は、エンジン回転数が車速と共に低下するにすぎない
が、クラッチ切断後は、車両駆動系の負荷が無くなり、
エンジン回転数が急激に低下してアイドル時の回転数よ
りも下回るアンダーシュートが発生し、この後、目標ア
イドル回転数付近に収束して安定するようになる。この
場合、アンダーシュート領域とその後の安定回転領域に
おけるエンジンの回転数、負荷、吸入空気量、吸気管圧
力等のエンジン運転状態が空調装置、オルタネータ、油
圧ポンプ等のエンジン補機の負荷に応じて変動するた
め、このエンジン運転状態からエンジン補機の負荷を推
定可能である。
【0013】そこで、本発明の請求項1では、エンジン
の回転数、負荷、吸入空気量、吸気管圧力の少なくとも
1つを検出する運転状態検出手段を備え、車両減速中の
クラッチの切断直後に発生するエンジン回転数のアンダ
ーシュート領域においてエンジン補機負荷増減に比例し
た変動が現れる運転パラメータを前記運転状態検出手段
の検出値から求めて吸入空気量操作手段の第1の制御量
を第1の演算手段により算出する。更に、クラッチの切
断後の所定時間経過後又は所定回転数経過後の安定回転
領域において求めた運転パラメータに基づいて吸入空気
量操作手段の第2の制御量を第2の演算手段により算出
する。そして、車両減速中におけるクラッチの切断タイ
ミングに応じて前記第1又は第2の演算手段を選択し、
選択した演算手段で算出した制御量に応じてアイドル回
転数制御手段により吸入空気量操作手段を制御して停車
直後からエンジン回転数を目標アイドル回転数に収束さ
せる。
【0014】ここで、アンダーシュート領域と安定回転
領域の双方で制御量を算出する理由は、例えば急停車す
るときにはアンダーシュートから停車までの時間が短
く、安定回転領域が停車時に間に合わないことがあるか
らである。従って、クラッチの切断タイミングが遅れ
て、安定回転領域での演算が停車時に間に合わないこと
が分かれば、第2の演算手段による第2の制御量の演算
は行う必要が無く、第1の演算手段によりアンダーシュ
ート領域で求めた第1の制御量に基づいて吸入空気量操
作手段を制御すれば良い。
【0015】また、請求項2では、第1,第2の演算手
段は、各々が求めた運転パラメータとアイドル時の運転
パラメータ目標値との差に基づいて吸入空気量操作手段
の第1,第2の各制御量を算出する。この場合、運転パ
ラメータとアイドル時の運転パラメータ目標値との差
は、エンジン補機負荷の増減にほぼ比例して増減するた
め、これらの差に基づいて吸入空気量操作手段の制御量
を算出すれば、エンジン補機の負荷を考慮したアイドル
回転数制御が可能となる。
【0016】また、請求項3では、第1,第2の演算手
段は、各々が求めた運転パラメータに基づいて内燃機関
補機負荷を推定し、その推定値に基づいて前記吸入空気
量操作手段の第1,第2の各制御量を算出する。この場
合、エンジン補機負荷の推定値は、吸入空気量操作手段
の制御量を算出するときに用いる他、例えばエンジンの
制御やエンジン補機の制御等にも利用可能である。
【0017】また、請求項4では、アイドル回転数制御
手段は、車速、走行時間、走行積算回転数(=走行時間
×エンジン回転数)といった所定の走行条件を満たした
後の車両減速状態でのみ、前記第1,第2の制御量に基
づく吸入空気量操作手段の制御を実行する。つまり、エ
ンジン補機の負荷は、さほど頻繁に変動するものではな
いので、上述したように、車速、走行時間、走行積算回
転数(=走行時間×エンジン回転数)といった所定走行
条件を満たした後の車両減速状態でのみ、本発明の制御
を実行することで、吸入空気量操作手段の操作回数を少
なくして耐久性を向上させることができる。
【0018】一方、請求項5では、アイドル回転数制御
手段は、クラッチ切断時のエンジン回転数が目標アイド
ル回転数の2倍以上であるとき、又は目標アイドル回転
数以下であるときには、前述した安定回転領域で求めた
第2の制御量を優先して吸入空気量操作手段の制御に反
映させる。つまり、クラッチ切断時のエンジン回転数が
目標アイドル回転数の2倍以上であれば、アンダーシュ
ートから停車までの間に安定回転領域があり、この安定
回転領域で第2の制御量を算出する時間的余裕がある。
また、クラッチ切断時のエンジン回転数が目標アイドル
回転数以下であれば、アンダーシュートが発生しないた
め、その後の安定回転領域において求めた第2の制御量
で吸入空気量操作手段を制御する。
【0019】これに対し、クラッチ切断時のエンジン回
転数が目標アイドル回転数からその2倍の範囲内である
とき、又は単位時間当たりの回転数低下量が所定値以上
であるときには、停車まで時間的余裕が少ないため、前
述したアンダーシュート領域で求めた第1の制御量を優
先して吸入空気量操作手段の制御に反映させる。
【0020】また、請求項6では、アイドル回転数制御
手段は、暖機運転中は、吸入空気量操作手段の制御量に
制限を加える。暖機運転中は、エンジン自身のフリクシ
ョンが増加するためである。また、暖機運転中の吸入空
気量操作手段の流量特性が暖機運転後に比して高流量域
を使うので、同じ制御量でエンジン回転数が変化しやす
くなることを避けるためのである。
【0021】更に、請求項7では、吸入空気量操作手段
により調整された停車直後のエンジンの回転数と目標ア
イドル回転数に差があった場合、その差に基づいて次回
の制御時に反映する第1,第2の制御量の補正係数を学
習手段により求める。このような学習を重ねるに従っ
て、停車直後のエンジンの回転数と目標アイドル回転数
との差が少なくなり、目標アイドル回転数への収束性が
更に向上する。
【0022】
【実施例】
[第1実施例]以下、本発明の第1実施例を図1乃至図
17に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジ
ン制御系システム全体の概略構成を説明する。エンジン
10(内燃機関)の吸気管11には、吸気管圧力Pmを
検出する吸気管圧力センサ13が設けられている。ま
た、吸気管11には、運転者が操作するアクセル(図示
せず)によって開度調整されるスロットルバルブ14が
設けられ、このスロットルバルブ14の開度TAがスロ
ットル開度センサ15によって検出される。更に、吸気
管11には、スロットルバルブ14をバイパスするアイ
ドル調整用のバイパス通路16が設けられ、このバイパ
ス通路16中に吸入空気量操作手段としてアイドルスピ
ードコントロールバルブ(以下「ISCV」と略称す
る)17が設けられ、アイドル時にISCV17の開度
がロータリソレノイド、リニアソレノイド、ステップモ
ータ等のアクチュエータ18により調整される。
【0023】一方、エンジン10には、回転数Neに応
じたパルス信号を出力する回転角センサ19と、冷却水
温THWを検出する水温センサ20が設けられている。
これら回転角センサ19、水温センサ20、吸気管圧力
センサ13、スロットル開度センサ15が特許請求の範
囲でいう運転状態検出手段として機能する。
【0024】エンジン10の出力軸には、クラッチ21
を介して手動変速機22が連結され、この手動変速機2
2によってエンジン10の動力を車輪(図示せず)に伝
達して車両を駆動する。この手動変速機22の変速レバ
ー機構23には、変速位置を検出する変速位置センサ2
4が設けられ、更に、クラッチ21の接続・切断状態を
検出するクラッチ状態検出手段であるクラッチセンサ2
5と、手動変速機22の出力軸の回転数を検出する出力
軸回転数センサ26が設けられている。
【0025】運転状態検出手段である回転角センサ1
9、水温センサ20、吸気管圧力センサ13、スロット
ル開度センサ15、車速センサ27の出力信号はエンジ
ン制御回路(以下「エンジンECU」という)30に入
力され、それらの信号に基づいて各種のエンジン制御を
行うと共に、アイドル時(スロットルバルブ14が全閉
の時)には、エンジンECU30からISCV17のア
クチュエータ18に開度制御信号PMTを出力して、I
SCV17の開度を調整し、エンジン10のアイドル回
転数を目標アイドル回転数に収束させる。
【0026】前記エンジンECU30は、マイクロコン
ピュータを主体として構成され、図2及び図3に示すア
イドル制御プログラムに従って停車直後のエンジン10
のアイドル回転数を制御する。ここで、第1実施例にお
ける制御原理を説明する。
【0027】手動変速機22付きの車両では、車両を走
行状態から停止する場合、まず、アクセル(スロットル
バルブ14)を全閉にしてブレーキをかけ、車速が十分
に低下してから、クラッチ21を切ってエンジン10か
ら手動変速機22への動力伝達を遮断し、最終的に車両
を停止させる。このときの車速、クラッチ21、エンジ
ン回転数の経時的変化の一例が図4に示されている。車
両減速中、クラッチ21が接続されている間は、エンジ
ン回転数が車速と共に低下するにすぎないが、クラッチ
21の切断後は、車両駆動系の負荷が無くなり、エンジ
ン回転数が急激に低下してアイドル時の回転数よりも下
回るアンダーシュートが発生し、この後、アイドル回転
数付近に収束して安定するようになる。この場合、アン
ダーシュート領域とその後の安定回転領域におけるエン
ジンの回転数、負荷、吸入空気量、吸気管圧力等のエン
ジン運転状態が空調装置、オルタネータ、油圧ポンプ等
のエンジン補機の負荷に応じて変動するため、このエン
ジン運転状態からエンジン補機の負荷を推定可能であ
る。
【0028】そこで、第1実施例では、車両減速中のク
ラッチ21の切断タイミングに応じてアンダーシュート
領域又はその後の安定回転領域のいずれかを選択して、
その領域におけるエンジン補機の負荷の増減に応じて増
減する無次元の運転パラメータをエンジン回転数Neか
ら求め、この運転パラメータに基づいてISCV17の
制御量を算出し、その算出結果に応じてISCV17を
制御して停車直後からエンジン10の回転数を速やかに
目標アイドル回転数NEmに収束させる。
【0029】以下、第1実施例の制御の流れを図2及び
図3のフローチャートに従って具体的に説明する。この
処理は、65ms毎に繰り返し実行され、特許請求の範
囲でいうアイドル回転数制御手段として機能する。この
処理が開始されると、まず、車両が減速停車に至る状態
になっているか否かを判定するために、スロットルが
全閉になっているか否か(ステップ101)、車速が
2km/h以上であるか否か(ステップ102)、ク
ラッチ21が切られたか否か(ステップ103)を判定
する。これら3つの条件のうち1つでも「No」となっ
た場合には、車両が減速停車に至る状態になっていない
ので、そのまま処理を終了する。
【0030】一方、上記ステップ101〜103の判定
結果が全て「Yes」の場合は、ステップ104に進
み、クラッチ21の切断直後のエンジン回転数Neを読
み込み、続くステップ105で、このエンジン回転数N
eが目標アイドル回転数NEmの2倍より大きいか否か
を判定し、Ne≦2×NEmの場合には、更にステップ
106で、Ne<NEmか否かを判定する。もし、NE
m≦Ne≦2×NEmであれば、クラッチ21の切断直
後にエンジン回転数のアンダーシュートが発生するが、
停車まで時間的余裕が少ないため、アンダーシュート領
域のエンジン回転数Ne(rpm)を基に、ステップ1
07〜110の処理により、ISCV17の制御量PE
G(第1の制御量)を算出する。これは、クラッチ21
の切断後は車両駆動系の負荷が無いため、アンダーシュ
ート領域のエンジン回転数Neがエンジン補機負荷増減
に比例して変動するという関係を利用している。
【0031】NEm≦Ne≦2×NEmの場合には、ア
ンダーシュート領域のエンジン回転数NeからISCV
17の制御量を算出するために、まず、ステップ107
で、エンジン回転数Neを読み込み、続くステップ10
8で、エンジン回転数Neがアンダーシュート回転数に
まで低下したか否かを判定し、アンダーシュート回転数
であれば、アンダーシュート時のエンジン回転数Neを
変数とする所定の関数f1(Ne)にて、エンジン補機
負荷増減に比例する運転パラメータEGP1をステップ
109で算出する。ここで、アンダーシュート時のエン
ジン回転数Neと運転パラメータEGP1との関係は図
5に示す通りである。この処理により、走行中のエンジ
ン補機負荷増減を現す運転パラメータEGP1をアイド
ル状態に至る前の減速中に検出することができる。
【0032】尚、この第1実施例では、エンジン回転数
Neから運転パラメータEGP1を算出したが、エンジ
ン負荷Gn(g/rev)又は吸気管圧力Pm(mmH
g)を検出して、Gn,Pmを変数とした所定の関数f
2(Gn),f3(Pm)を使用して運転パラメータE
GP1を算出するようにしても良い。GnとEGP1の
関係は図6に示し、PmとEGP1の関係は図7に示す
通りである。
【0033】このようにしてアンダーシュート領域の運
転パラメータEGP1を算出した後、ステップ110
で、運転パラメータEGP1を変数とする所定の関数f
5(EGP1)にて、ISCV17の制御量PEG(第
1の制御量)を算出する。EGP1とPEGの関係は、
図11に示す通りである。以上説明したステップ107
〜110の処理が、特許請求の範囲でいう第1の演算手
段として機能する。
【0034】尚、前述したステップ108で、「No」
と判定された場合、つまり、エンジン回転数Neがアン
ダーシュート回転数にまで低下していない場合には、ス
テップ112に進み、クラッチ21の切断後、所定時間
が経過したか否かを判定する。ここで、所定時間経過を
待つのは以下の理由である。クラッチ21の切断後にエ
ンジン補機負荷増減に比例した変動が現れるエンジン運
転状態は、停車後のアイドル状態と等しい状態、即ちク
ラッチ21の切断後にエンジン回転数Neが安定する状
態であり(図4参照)、エンジン回転数Neが安定する
のに、2〜3秒程度かかる。このため、エンジン補機負
荷増減を検出するためには、クラッチ21の切断後に所
定時間(例えば2〜3秒程度)経過し、エンジン回転数
Neが安定するまで待つ必要がある。
【0035】従って、所定時間が経過したか否かを判定
するステップ112の判定結果が「No」の場合には、
そのまま処理を終了するが、「Yes」の場合には、後
述するステップ113〜115の処理により、第2の制
御量を算出する。これは、クラッチ21の切断後に安定
するエンジン回転数Neがエンジン補機負荷増減に比例
するという関係を利用している。
【0036】また、ステップ106で、クラッチ21の
切断直後のエンジン回転数Neが目標アイドル回転数N
Emより低いと判定された場合も、ステップ112に進
み、所定時間経過後に、ステップ113〜115の処理
により、第2の制御量を算出する。これは、クラッチ2
1の切断直後のエンジン回転数Neが目標アイドル回転
数NEmより低い場合には、アンダーシュートが発生し
ないため、その後の安定回転領域において求めた第2の
制御量でISCV17を制御するものである。
【0037】一方、前述したステップ105で、Ne>
2×NEmと判定された場合には、ステップ111に進
み、単位時間当たりの回転数低下量が所定値以上である
か否かを判定し、所定値以上である場合には、停車まで
時間的余裕が少ないため、前述したNEm≦Ne≦2×
NEmの場合と同じく、アンダーシュート領域のエンジ
ン回転数Ne(rpm)を基に、ステップ107〜11
0の処理により、ISCV17の制御量PEG(第1の
制御量)を算出する。
【0038】これに対して、Ne>2×NEmで、且
つ、単位時間当たりの回転数低下量が所定値以下のとき
には、ステップ112に進んで、クラッチ21の切断
後、所定時間が経過したか否かを判定し、「No」の場
合には、そのまま処理を終了するが、「Yes」の場合
には、エンジン回転数Neが安定回転領域に達している
ので、ステップ113〜115の処理により、次のよう
にして第2の制御量を算出する。
【0039】まず、ステップ113で、エンジン回転数
Neを読み込み、続くステップ114で、安定回転領域
のエンジン回転数Neを変数とする所定の関数f4(N
e)にて、エンジン補機負荷増減に比例する運転パラメ
ータEGP2を算出する。ここで、安定回転領域のエン
ジン回転数Neと運転パラメータEGP2との関係は図
8に示す通りである。この処理により、走行中のエンジ
ン補機負荷増減を現す運転パラメータEGP2をアイド
ル状態に至る前の減速中に検出することができる。
【0040】尚、この第1実施例では、エンジン回転数
Neから運転パラメータEGP2を算出したが、エンジ
ン負荷Gn(g/rev)又は吸気管圧力Pm(mmH
g)を検出して、Gn,Pmを変数とした所定の関数f
6(Gn),f7(Pm)を使用して運転パラメータE
GP2を算出するようにしても良い。GnとEGP2の
関係は図9に示し、PmとEGP2の関係は図10に示
す通りである。
【0041】このようにして安定回転領域の運転パラメ
ータEGP2を算出した後、ステップ110で、運転パ
ラメータEGP2を変数とする所定の関数f8(EGP
2)にて、ISCV17の制御量PEG(第2の制御
量)を算出する。EGP2とPEGの関係は、図12に
示す通りである。以上説明したステップ113〜115
の処理が、特許請求の範囲でいう第2の演算手段として
機能する。
【0042】以上のようにしてISCV17の制御量P
EGを算出した後、前回のISCV17の制御量を調整
した結果を学習し、これを今回の制御量に反映するた
め、ステップ116で、前回停止時のエンジン回転数N
Etから目標アイドル回転数NEmを差し引いて偏差N
Ehを求め、続くステップ117で、この偏差NEhを
変数とする所定の関数f9(NEh)により今回の制御
時に反映する制御補正係数βを算出する。NEhとβの
関係は、図13に示す通りである。上記ステップ11
6,117の処理は、特許請求の範囲でいう学習手段と
して機能する。
【0043】この後、ステップ118で、前記ステップ
110又は115で求めたISCV17の制御量PEG
に制御補正係数βを乗算して制御量PEGを補正し、こ
れをPEGh1とする。この補正を行うことにより、前
回の吸入空気量操作の誤差を修正することが可能にな
り、今回のISCV17の制御量を常に精度良く算出す
ることができる。
【0044】次に、暖機運転中の制御量に制限を加える
ため、ステップ119で、暖気運転後か否かを、エンジ
ン冷却水の水温THWが80℃以上であるか否かによっ
て判定する。暖機運転後であれば、ステップ120に進
んで、前記制御量PEGh1を今回の制御時に反映する
制御量PEGHとする。一方、暖機運転中の場合には、
ステップ121に進み、水温THWと暖機補正係数λと
の関係を示す図14のマップから暖機補正係数λを求
め、前記制御量PEGh1に暖機補正係数λを乗算して
制御量PEGh1を補正し、これをPEGh2とする。
【0045】次いで、ステップ122で、制御量の調整
方向と補正係数γの関係を示す図15のマップから補正
係数γを求め、前記制御量PEGh2に補正係数γを乗
算して制御量PEを補正し、これをPEGh3とし、続
くステップ123で、PEGh3を今回の制御時に反映
する制御量PEGHとする。
【0046】尚、ステップ121で使用する暖機補正係
数λは、暖機運転中のISCV17の流量特性が暖機運
転後に比して高流量域を使うので、同じ制御量でエンジ
ン回転数Neが変化しやすくなることを避けるためのも
のである。一方、ステップ122で使用する補正係数γ
は、空燃比制御がオープンループとなって、エンジン回
転数Neが低下しやすくなることを避けるため、減量側
の制御量を小さくすることを狙ったものである。これら
の補正係数λ,γは、制御量算出に乗算しても、制御量
を基にISCV17を駆動するステップ126の出力
(駆動量)に乗算しても良い。これらいずれの場合も、
結果的に、ISCV17の制御量が同じになるからであ
る。
【0047】前述したステップ120又は123の処理
を終了した後、ステップ124に進み、ISCV17の
調整を許可しても良い運転状態になっているか否かを判
定するため、車速や走行時間、走行積算回転数(=走行
時間×エンジン回転数Ne)のいずれかが所定値を満足
したか否かを判定する。この判定結果が「Yes」の場
合には、ステップ125に進んで、前記今回の制御時に
反映する制御量PEGHを、現在のISCV制御量PM
Tに加算して、ISCV制御目標値PTMTを求め、こ
のPTMTを出力してISCV17を駆動する(ステッ
プ126)。
【0048】一方、ステップ124の判定結果が「N
o」の場合には、ステップ127に進み、前記今回の制
御時に反映する制御量PEGHをクリアし、本ルーチン
を終了する。このような処理は、空調装置の冷房負荷の
ように数分単位の長時間走行した時のみ負荷が大きく変
わるエンジン補機負荷増減を狙った補正の場合に有効
で、頻繁にISCV17を駆動することの防止(=耐久
性向上)を目的としている。従って、上記条件に当ては
まらない場合は、不要の処理である。
【0049】以上説明した第1実施例においては、車両
減速中にクラッチ21の切断後に発生するアンダーシュ
ート領域又はその後の安定回転領域のエンジン回転数、
エンジン負荷、吸気管圧力がエンジン補機負荷増減に比
例して変動する点に着目し、アンダーシュート領域又は
その後の安定回転領域のエンジン回転数(又はエンジン
負荷又は吸気管圧力)から運転パラメータを求めてIS
CV17の制御量を算出し、吸入空気量を調整するよう
にしているため、走行中にエンジン補機負荷が減少した
場合(すなわち、運転パラメータが減少した場合)に
は、図16に示すようにISCV17の開度は、アイド
ル運転状態に至る前の減速走行中に減少したエンジン補
機負荷に適切となる開度に調整される。逆に、走行中に
エンジン補機負荷が増加した場合(すなわち、運転パラ
メータが増加した場合)には、図17に示すようにIS
CV17の開度は、アイドル運転状態に至る前の減速走
行中に増加したエンジン補機負荷に適切となる開度に調
整される。このような制御により、走行中のエンジン補
機負荷に増減がある場合でも、停車直後からエンジン回
転数を速やかに目標アイドル回転数へ収束させることが
でき、停車後の車両ボディ振動やステアリング振動の発
生を防止できる。しかも、エンジン制御に用いるエンジ
ン回転数、負荷、吸入空気量、吸気管圧力等の情報を利
用して、エンジン補機負荷増減を間接的に判定できるの
で、エンジン補機負荷を直接検出する新たなセンサ類が
不要であり、コストアップを抑えることができる。
【0050】[第2実施例]次に、本発明の第2実施例
を図18のフローチャートに基づいて説明する。この第
2実施例においても、ISCV17の制御量を算出する
ため、車両減速中にクラッチ21の切断後に発生するア
ンダーシュート領域又はその後の安定回転領域のエンジ
ン回転数、エンジン負荷、吸気管圧力がエンジン補機負
荷増減に比例して変動する現象を利用している点(図4
参照)は、前記第1実施例と同じである。
【0051】また、前記第1実施例では、ステップ11
0,115で、ISCV17の制御量PEGを、運転パ
ラメータEGP1,EGP2を変数とする所定の関数f
5(EGP1),f8(EGP2)により算出するよう
にしたが、第2実施例では、エンジン補機負荷増減の基
準値を走行開始直前の運転状態から求めた運転パラメー
タ目標値とし、これを基準にして走行中のエンジン補機
負荷増減を車両減速中の運転パラメータより相対的に検
出し、その検出値に基づいてISCV17の制御量PE
Gを算出するようにしている。
【0052】具体的には、第1実施例と同様の方法で、
車両減速中にクラッチ21の切断後に発生するアンダー
シュート領域又はその後の安定回転領域のエンジン回転
数Neを基にして、所定の関数f1(Ne),f4(N
e)により、アンダーシュート領域又はその後の安定回
転領域の運転パラメータEGP1,EGP2を算出する
(ステップ109,114)。この後、走行開始直前の
エンジン回転数Neiを変数とした所定の関数f10
(Nei),f11(Nei)によりアイドル状態での
運転パラメータの目標値EGPiを算出し、車両減速中
に求めた運転パラメータEGP1,EGP2と運転パラ
メータ目標値EGPiとの偏差DLEGPを算出する
(ステップ201,203)。この偏差DLEGPによ
り、走行中のエンジン補機負荷増減をアイドル状態に至
る前の減速中に検出することができる。尚、走行開始直
前のエンジン回転数Neiと運転パラメータ目標値EG
Piとの関係は図19に示されている。
【0053】この場合、エンジン回転数Neに代えて、
エンジン負荷Gn,吸気管圧力Pmを用いて所定の関数
f2(Gn),f3(Pm)にて運転パラメータを算出
した場合にも、走行開始直前のGni,Pmiを変数と
した所定の関数f12(Gni),f13(Pmi)に
て算出したアイドル状態での運転パラメータの目標値E
GPiと、車両減速中の運転パラメータEGP1,EG
P2との偏差DLEGPを算出することで、エンジン補
機負荷増減を検出しても良い。尚、エンジン負荷Gnか
らエンジン補機負荷増減を検出する場合の特性図は図2
0に示し、吸気管圧力Pmからエンジン補機負荷増減を
検出する場合の特性図は図21に示す通りである。
【0054】以上のようにして運転パラメータの偏差D
LEGPを算出した後、DLEGPを変数とする所定の
関数f14(DLEGP)にてISCV17の制御量P
EGを算出する(ステップ202,204)。DLEG
PとPEGの関係は、図22に示す通りである。上述し
たステップ201〜204以外の処理は、前記第1実施
例と同じである。
【0055】以上説明した第2実施例によれば、走行開
始直前のエンジン回転数Neが目標アイドル回転数NE
mとずれているうちに走行を開始した場合でも、走行開
始直前のエンジン回転数Neiを基に算出したアイドル
状態での運転パラメータの目標値EGPiと、クラッチ
21の切断後のエンジン回転数Neを基に算出した運転
パラメータEGP1,EGP2との偏差DLEGPによ
りエンジン補機負荷増減を算出するため、前回の停車中
のずれを、今回の車両減速中に補正できる効果もある。
【0056】[第3実施例]次に、本発明の第3実施例
を、図23のフローチャートに基づいて説明する。この
第3実施例では、車両減速中にクラッチ21の切断後に
発生するアンダーシュート領域又はその後の安定回転領
域の運転パラメータEGP1,EGP2に基づいてエン
ジン補機負荷を推定し、そのエンジン補機負荷の推定値
に基づいてISCV17の制御量を算出することを特徴
としている。
【0057】具体的には、第1実施例と同様の方法で、
車両減速中にクラッチ21の切断後に発生するアンダー
シュート領域又はその後の安定回転領域のエンジン回転
数Neを基にして、所定の関数f1(Ne),f4(N
e)により、アンダーシュート領域又はその後の安定回
転領域の運転パラメータEGP1,EGP2を算出する
(ステップ109,114)。この後、この運転パラメ
ータEGP1,EGP2を変数とした所定の関数f15
(EGP1),f15(EGP2)にて、無次元の補機
負荷推定値HFKを算出する(ステップ302,30
4)。尚、EGP1とHFKの関係は図24に示し、E
GP2とHFKの関係は図25に示す通りである。
【0058】このようにして運転パラメータEGP1,
EGP2から補機負荷推定値HFKを算出した後、HF
Kを変数とした所定の関数f16(HFK)にて、IS
CV17の制御量PEGを算出する(ステップ302,
304)。尚、HFKとPEGの関係は、図26に示す
通りである。上述したステップ301〜304以外の処
理は、前記第1実施例と同じである。
【0059】以上説明した第3実施例では、ステップ3
01,303で算出するエンジン補機負荷推定値HFK
は、エンジン補機負荷の絶対値を示すため、空調装置、
オルタネータ等のエンジン補機に関する制御に利用でき
ることは勿論、点火時期制御、燃料噴射制御等のエンジ
ン制御にも利用できるという利点がある。
【0060】[その他の実施例]また、前記各実施例で
は、アイドル時にエンジン10への吸入空気量を調整す
る吸入空気量操作手段としてISCV17を設け、この
ISCV17の開度調整によりエンジン10のアイドル
回転数を目標アイドル回転数に収束させるようにした
が、アイドル時にスロットルバルブの全閉位置をアクチ
ュエータで制御してアイドル回転制御を行うようにして
も良い(この場合にはスロットルバルブが吸入空気量操
作手段として機能する)。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、車両減速中のクラッチ切断
後に発生するエンジン回転数のアンダーシュート領域又
はその後の安定回転領域のエンジン回転数、エンジン負
荷、吸気管圧力等の運転状態がエンジン補機負荷増減に
比例して変動する点に着目し、アンダーシュート領域又
はその後の安定回転領域の運転状態から運転パラメータ
を求めて吸入空気量操作手段の制御量を算出するように
したので、空調装置は勿論、それ以外のエンジン補機の
負荷も考慮したアイドル回転数制御を実現することがで
きて、停車直後からエンジン回転数を速やかに目標アイ
ドル回転数に収束させることができ、停車後の車両ボデ
ィ振動やステアリング振動の発生を防止できる。しか
も、エンジン制御に用いるエンジン回転数、負荷、吸入
空気量、吸気管圧力等の情報を利用して、エンジン補機
負荷増減を間接的に判定できるので、エンジン補機負荷
を直接検出する新たなセンサ類が不要であり、コストア
ップを抑えることができる。
【0062】また、請求項2では、アンダーシュート領
域又はその後の安定回転領域で求めた運転パラメータと
アイドル時の運転パラメータ目標値との差に基づいて吸
入空気量操作手段の制御量を算出するようにしたので、
走行開始直前のエンジン回転数が目標アイドル回転数と
ずれているうちに走行を開始した場合にも、前回の停車
中のずれを、今回の車両減速中に補正できる。
【0063】また、請求項3では、アンダーシュート領
域又はその後の安定回転領域で求めた運転パラメータに
基づいてエンジン補機負荷を推定するようにしたので、
エンジン補機負荷の推定値に基づいて吸入空気量操作手
段の制御量を算出することができることは勿論、例えば
エンジン制御や自動変速機の変速タイミングの制御、エ
ンジン補機の制御等にも利用可能である。
【0064】また、請求項4では、車速、走行時間、走
行積算回転数(=走行時間×エンジン回転数)といった
所定の走行条件を満たした後の車両減速状態でのみ、本
発明の制御を実行するようにしたので、吸入空気量操作
手段の操作回数を必要最小限に減らすことができて、耐
久性を向上させることができる。
【0065】一方、請求項5では、クラッチ切断時のエ
ンジン回転数が目標アイドル回転数の2倍以上であると
き、又は目標アイドル回転数以下であるときには、安定
回転領域で求めた第2の制御量を優先して吸入空気量操
作手段の制御に反映させ、クラッチ切断時のエンジン回
転数が目標アイドル回転数からその2倍の範囲内である
とき、又は単位時間当たりの回転数低下量が所定値以上
であるときには、アンダーシュート領域で求めた第1の
制御量を優先して吸入空気量操作手段の制御に反映させ
るようにしたので、クラッチの切断タイミングに良く合
ったアイドル回転数制御を行うことができる。
【0066】また、請求項6では、暖機運転中の吸入空
気量の流量特性が暖機運転後に比して高流量域を使う点
に着目し、暖機運転中は、吸入空気量操作手段の制御量
に制限を加えるようにしたので、同じ制御量でエンジン
回転数が変化しやすくなることを避けることができる。
【0067】更に、請求項7では、吸入空気量操作手段
により調整された停車直後のエンジン回転数と目標アイ
ドル回転数に差があった場合、その差に基づいて次回の
制御時に反映する制御量の補正係数を学習するようにし
たので、この学習効果により目標アイドル回転数への収
束性を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す制御系全体のブロッ
ク図
【図2】本発明の第1実施例の制御の流れを示すフロー
チャート(その1)
【図3】本発明の第1実施例の制御の流れを示すフロー
チャート(その2)
【図4】車両減速中の車速、クラッチの接続状態、エン
ジン回転数の変化を示す図
【図5】クラッチ切断直後のアンダーシュート領域のエ
ンジン回転数Neと運転パラメータEGP1との関係を
示す図
【図6】クラッチ切断直後のアンダーシュート領域のエ
ンジン負荷Gnと運転パラメータEGP1との関係を示
す図
【図7】クラッチ切断直後のアンダーシュート領域の吸
気管圧力Pmと運転パラメータEGP1との関係を示す
【図8】クラッチ切断後の安定回転領域のエンジン回転
数Neと運転パラメータEGP2との関係を示す図
【図9】クラッチ切断後の安定回転領域のエンジン負荷
Gnと運転パラメータEGP2との関係を示す図
【図10】クラッチ切断後の安定回転領域の吸気管圧力
Pmと運転パラメータEGP2との関係を示す図
【図11】アンダーシュート領域の運転パラメータEG
P1とISCV制御量PEGとの関係を示す図
【図12】安定回転領域の運転パラメータEGP2とI
SCV制御量PEGとの関係を示す図
【図13】NEhと補正係数βとの関係を示す図
【図14】水温THWと補正係数λとの関係を示す図
【図15】制御量の調整方向と補正係数γとの関係を示
す図
【図16】車両走行中にエンジン補機負荷が減少した場
合のクラッチの接続状態、ISCV開度、車速、エンジ
ン回転数、スロットル開度の変化の一例を示すタイムチ
ャート
【図17】車両走行中にエンジン補機負荷が増加した場
合のクラッチの接続状態、ISCV開度、車速、エンジ
ン回転数、スロットル開度の変化の一例を示すタイムチ
ャート
【図18】本発明の第2実施例の制御の流れを示すフロ
ーチャート
【図19】走行開始直前のエンジン回転数Neiから算
出した運転パラメータ基準値EGPiと車両減速中のク
ラッチ切断後のエンジン回転数から算出した運転パラメ
ータEGPとの偏差によりエンジン補機負荷増減を示す
運転パラメータDLEGPを求める方法を説明するため
の図
【図20】走行開始直前のエンジン負荷Gniから算出
した運転パラメータ基準値EGPiと車両減速中のクラ
ッチ切断後のエンジン負荷から算出した運転パラメータ
EGPとの偏差によりエンジン補機負荷増減を示す運転
パラメータDLEGPを求める方法を説明するための図
【図21】走行開始直前の吸気管圧力Pmiから算出し
た運転パラメータ基準値EGPiと車両減速中のクラッ
チ切断後の吸気管圧力から算出した運転パラメータEG
Pとの偏差によりエンジン補機負荷増減を示す運転パラ
メータDLEGPを求める方法を説明するための図
【図22】エンジン補機負荷増減を示す運転パラメータ
DLEGPとISCV制御量PEGとの関係を示す図
【図23】本発明の第3実施例の制御の流れを示すフロ
ーチャート
【図24】アンダーシュート領域の運転パラメータEG
P1とエンジン補機負荷推定値HFKとの関係を示す図
【図25】安定回転領域の運転パラメータEGP2とエ
ンジン補機負荷推定値HFKとの関係を示す図
【図26】エンジン補機負荷推定値HFKとISCV制
御量PEGとの関係を示す図
【符号の説明】
10…エンジン(内燃機関)、13…吸気管圧力センサ
(運転状態検出手段)、14…スロットルバルブ、15
…スロットル開度センサ(運転状態検出手段)、16…
バイパス通路、17…ISCV(吸入空気量操作手
段)、19…回転角センサ(運転状態検出手段)、20
…水温センサ(運転状態検出手段)、21…クラッチ、
22…手動変速機、24…変速位置センサ、25…クラ
ッチセンサ(クラッチ状態検出手段)、26…出力軸回
転数センサ、27…車速センサ、30…エンジン制御回
路(第1及び第2の演算手段,アイドル回転数制御手
段,学習手段)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/08 315 41/12 315

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関から変速機への動力伝達を運転
    者のクラッチ操作により断続する手動変速機構付きの車
    両に用いられる内燃機関の吸入空気量制御装置におい
    て、 前記内燃機関の回転数、負荷、吸入空気量、吸気管圧力
    の少なくとも1つを検出する運転状態検出手段と、 アイドル時に前記内燃機関への吸入空気量を調整する吸
    入空気量操作手段と、 前記クラッチの切断を検出するクラッチ状態検出手段
    と、 車両減速中の前記クラッチの切断直後に発生する前記内
    燃機関の回転数のアンダーシュート領域において内燃機
    関補機負荷増減に比例した変動が現れる運転パラメータ
    を前記運転状態検出手段の検出値から求めて前記吸入空
    気量操作手段の第1の制御量を算出する第1の演算手段
    と、 前記クラッチの切断後の所定時間経過後又は所定回転数
    経過後に求めた運転パラメータに基づいて前記吸入空気
    量操作手段の第2の制御量を算出する第2の演算手段
    と、 車両減速中における前記クラッチの切断タイミングに応
    じて前記第1又は第2の演算手段を選択し、選択した演
    算手段で算出した制御量に応じて前記吸入空気量操作手
    段を制御して停車直後から前記内燃機関の回転数を目標
    アイドル回転数に収束させるアイドル回転数制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の吸入空気量制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1,第2の演算手段は、各々が求
    めた運転パラメータとアイドル時の運転パラメータ目標
    値との差に基づいて前記吸入空気量操作手段の第1,第
    2の各制御量を算出することを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の演算手段は、各々が求
    めた運転パラメータに基づいて内燃機関補機負荷を推定
    し、その推定値に基づいて前記吸入空気量操作手段の第
    1,第2の各制御量を算出することを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記アイドル回転数制御手段は、車速、
    走行時間、走行積算回転数といった所定の走行条件を満
    たした後の車両減速状態でのみ、前記第1,第2の制御
    量に基づく前記吸入空気量操作手段の制御を実行するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃
    機関の吸入空気量制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アイドル回転数制御手段は、前記ク
    ラッチ切断時の前記内燃機関の回転数が目標アイドル回
    転数の2倍以上であるとき、又は目標アイドル回転数以
    下であるときには、前記第2の制御量を優先して前記吸
    入空気量操作手段の制御に反映させ、前記クラッチ切断
    時の前記内燃機関の回転数が目標アイドル回転数からそ
    の2倍の範囲内であるとき、又は単位時間当たりの回転
    数低下量が所定値以上であるときには、前記第1の制御
    量を優先して前記吸入空気量操作手段の制御に反映させ
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    内燃機関の吸入空気量制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アイドル回転数制御手段は、暖機運
    転中は、前記吸入空気量操作手段の制御量に制限を加え
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の
    内燃機関の吸入空気量制御装置。
  7. 【請求項7】 前記吸入空気量操作手段により調整され
    た停車直後の前記内燃機関の回転数と目標アイドル回転
    数に差があった場合、その差に基づいて次回の制御時に
    反映する第1,第2の制御量の補正係数を求める学習手
    段を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の内燃機関の吸入空気量制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100380461B1 (ko) * 2000-12-06 2003-04-26 현대자동차주식회사 차량용 엔진 제어 방법
KR100428043B1 (ko) * 2002-03-21 2004-04-28 기아자동차주식회사 클러치 릴리즈시 회전수 저하에 의한 엔진 스톨을방지하는 방법
JP2009180201A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Honda Motor Co Ltd 副吸気流路の流量制御方法
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