JPH0858434A - 自動変速機搭載車の発進制御装置 - Google Patents

自動変速機搭載車の発進制御装置

Info

Publication number
JPH0858434A
JPH0858434A JP6201934A JP20193494A JPH0858434A JP H0858434 A JPH0858434 A JP H0858434A JP 6201934 A JP6201934 A JP 6201934A JP 20193494 A JP20193494 A JP 20193494A JP H0858434 A JPH0858434 A JP H0858434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
torque converter
torque
engine output
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6201934A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirofumi Michioka
浩文 道岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6201934A priority Critical patent/JPH0858434A/ja
Publication of JPH0858434A publication Critical patent/JPH0858434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストール発進時のエンジン出力低減制御に際
し、ストール発進状態の検出精度を高めて、不要なエン
ジン出力低減がなされるのを防止する。 【構成】 コントローラ9はソレノイド6,7を介して
自動変速機2を変速段を決定する。エンジン1のコント
ローラ12は、コントローラ9からの信号で判る選択変
速段に対応したギヤ比と、変速機出力回転数Noとの乗
算によりトルクコンバータ3の出力回転数を求め、これ
とエンジン回転数Neとの比であるトルクコンバータ速
度比eを算出する。次に、この速度比eおよびエンジン
回転数Neに基づいてストール発進状態を検出し、スト
ール発進時は速度比eおよびエンジン回転数Neに応じ
た量だけエンジン出力トルク低減させて、ホイールスピ
ンの発生や伝動系への悪影響を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機搭載車の発
進制御装置、特にストール発進時におけるエンジン出力
制御を適切に行うための発進制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動変速機搭載車の場合、運転者によっ
ては走行レンジでブレーキペダルを踏み込んだままアク
セルペダルを踏み込む、所謂トルクコンバータのストー
ル状態から、ブレーキペダルを釈放して車両を発進させ
る、ストール発進を行うことがある。かかる発進操作が
行われると、図8に破線で示す変速機出力トルクTo
経時変化から明らかなように出力トルクの過大に起因し
て駆動車輪がホイールスピンしたり、車輪駆動系に大き
な負荷がかかってその耐久性が大幅に低下する等の弊害
を生ずる。
【0003】そこで従来、図8のΔt期間中に出力トル
クが過大となるストール発進状態を検出するとき、エン
ジン出力を低減させて変速機出力トルクTo を実線で示
すように低下させ、これにより上記した駆動車輪のホイ
ールスピンに関する問題や、車輪駆動系の耐久性に関す
る問題を解消する試みがなされた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の対策で
は、ストール発進状態を検出するに際してエンジンスロ
ットル開度およびエンジン回転数を基に当該検出を行っ
ていたため、以下の問題を生じていた。つまり、従来の
ストール発進検出方式によれば、エンジン回転数が一定
回転数を越えたときストール発進状態と判定することに
なるが、ストール発進状態と判定するための基準となる
エンジン回転数は一定ではなく、種々に異なる。それに
もかかわらず、従来のようにこの基準となるエンジン回
転数を一定とするのでは、ストール発進状態を誤検出す
るおそれがあり、不要なエンジン出力低下制御で発進性
能が悪化するといった問題の発生が懸念される。
【0005】本発明は、自動変速機搭載車の場合、エン
ジンと自動変速機との間にトルクコンバータが介在し、
当該トルクコンバータの入出力回転比で表されるトルク
コンバータ速度比と、エンジン回転数とから、ストール
発進状態を正確に検出することができる点に着目し、こ
の着想に基づくストール発進検出方式を採用することに
より上述の問題が発生する懸念を払拭することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による自動変速機搭載車の発進制御装置は、図1に概念
を示す如く、トルクコンバータを介し入力されたエンジ
ン回転を変速して出力する自動変速機を搭載した車両に
おいて、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転
数検出手段と、前記トルクコンバータの入出力回転数の
比である速度比を検出するトルクコンバータ速度比検出
手段と、これら手段で検出したエンジン回転数およびト
ルクコンバータ速度比から車両のストール発進状態を検
出するストール発進検出手段と、該手段によりストール
発進状態が検出される時、前記エンジンの出力を低減さ
せるエンジン出力低減手段とを具備することを特徴とす
るものである。
【0007】また第2発明による自動変速機搭載車の発
進制御装置の場合、前記ストール発進検出手段は、トル
クコンバータ速度比検出手段で検出した速度比が大きく
なるにつれて、ストール発進状態であると判定するエン
ジン回転数の基準値を高くするよう構成したことを特徴
とするものである。
【0008】更に第3発明による自動変速機搭載車の発
進制御装置の場合、前記エンジン出力低減手段は、エン
ジン回転数が高いほどエンジン出力の低減量を大きくす
るよう構成したものである。
【0009】更に第4発明による自動変速機搭載車の発
進制御装置の場合、前記エンジン出力低減手段は、前記
トルクコンバータ速度比が大きいほどエンジン出力の低
減量を小さくするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0010】更に第5発明による自動変速機搭載車の発
進制御装置は、前記エンジン出力低減手段によるエンジ
ン出力低減作用中のトルクコンバータ出力トルクを検出
するトルクコンバータ出力トルク検出手段と、該エンジ
ン出力低減作用が中止された場合のトルクコンバータ出
力トルクを推定するトルクコンバータ出力トルク推定手
段と、これら手段によるトルクコンバータ出力トルクの
検出値および推定値間における差が設定値未満に低下し
た時に前記エンジン出力低減手段によるエンジン出力低
減作用を終了させるエンジン出力低減作用終了手段とを
付加したことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】第1発明においては、エンジン回転数検出手段
が検出したエンジン回転数、およびトルクコンバータ速
度比検出手段が検出したトルクコンバータの速度比か
ら、ストール発進検出手段が車両のストール発進状態を
検出する。そして該手段により車両のストール発進状態
が検出される時、エンジン出力低減手段はエンジンの出
力を低減し、かくしてストール発進状態と雖も、駆動車
輪のホイールスピンが発生したり、車輪駆動系の耐久性
が損なわれることのないようにすることができる。
【0012】ところで、ストール発進状態を検出するに
際しトルクコンバータ速度比をも参酌して当該検出を行
うから、ストール発進状態の検出を高精度に行うことが
でき、不要なエンジン出力低下制御で発進性能が悪化す
るといった問題を解消することができる。
【0013】第2発明において上記のストール発進検出
手段は、上記のトルクコンバータ速度比検出手段で検出
した速度比が大きくなるにつれて、ストール発進状態で
あると判定するエンジン回転数の基準値を高くする。こ
の場合、当該エンジン回転数の基準値が実情にマッチし
て、ストール発進状態の検出が更に高精度になり、上記
の作用効果を一層顕著なものにすることができる。
【0014】第3発明において上記のエンジン出力低減
手段は、エンジン回転数が高いほどエンジン出力の低減
量を大きくする。この場合、エンジン出力低減量が一層
実情にマッチして過不足のないエンジン出力低減制御が
可能となり、エンジン出力を低減し過ぎて発進性能が犠
牲になったり、エンジン出力の低減不足で第1発明およ
び第2発明の作用効果が不十分なものになるといった事
態の発生をなくすことができる。
【0015】第4発明において前記のエンジン出力低減
手段は、前記トルクコンバータ速度比が大きいほどエン
ジン出力の低減量を小さくする。この場合も第3発明と
同様に、エンジン出力低減量が一層実情にマッチして過
不足のないエンジン出力低減制御が可能となり、エンジ
ン出力を低減し過ぎて発進性能が犠牲になったり、エン
ジン出力の低減不足で第1発明および第2発明の作用効
果が不十分なものになるといった事態の発生をなくすこ
とができる。
【0016】第5発明においては、トルクコンバータ出
力トルク検出手段が上記エンジン出力低減手段によるエ
ンジン出力低減作用中のトルクコンバータ出力トルクを
検出し、トルクコンバータ出力トルク推定手段がエンジ
ン出力低減作用の中止時におけるトルクコンバータ出力
トルクを推定する。そして、これら手段によるトルクコ
ンバータ出力トルクの検出値および推定値間における差
が設定値未満に低下した時に、エンジン出力低減作用終
了手段は上記エンジン出力低減手段によるエンジン出力
低減作用を終了させる。この場合、エンジン出力低減作
用の終了時におけるトルク段差が小さく、結果としてエ
ンジン出力低減作用を終了させた時のショックを軽減さ
せることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、本発明一実施の態様になる自動変速
機搭載車の発進制御装置を示し、この図において1はエ
ンジン、2は自動変速機である。自動変速機2は、トル
クコンバータ3を経てエンジン1の動力を入力され、選
択変速段に応じたギヤ比で入力回転を変速し、出力軸4
に伝達するものとする。
【0018】ここで自動変速機2は、運転者が希望する
走行形態に応じて手動操作するセレクトレバー(図示せ
ず)の位置(選択レンジ)、つまり駐車(P)レンジ、
後退走行(R)レンジ、停車(N)レンジ、前進自動変
速(D)レンジ、2速エンジンブレーキ(II)レン
ジ、1速エンジンブレーキ(I)レンジ毎に、コントロ
ールバルブ5内の油圧回路により、これら希望の走行形
態を達成し得る状態となる。そして特に、変速が必要な
前進自動変速(D)レンジ、2速エンジンブレーキ(I
I)レンジ、1速エンジンブレーキ(I)レンジで自動
変速機2は、コントロールバルブ5内におけるシフトソ
レノイド6,7のON,OFFの組み合わせにより選択
変速段を決定されるものとする。
【0019】ところで自動変速機2は、ライン圧を元圧
として上記の作用を行うが、このライン圧は同じくコン
トロールバルブ5内におけるライン圧ソレノイド8のデ
ューティ制御により、運転状態に応じた適切な値に調圧
されるものとする。
【0020】シフトソレノイド6,7のON,OFF制
御、およびライン圧ソレノイド8のデューティ制御は、
変速機コントローラ9によってこれらを実行し、このコ
ントローラ9には、エンジン1のスロットル開度THを
検出するスロットル開度センサ10からの信号、および
変速機出力軸4の回転数Noを検出する変速機出力回転
センサ11からの信号をそれぞれ入力する。
【0021】一方エンジン1は、エンジンコントローラ
12により制御し、このコントローラには、上記スロッ
トル開度センサ10からの信号、および変速機出力回転
センサ11からの信号の他に、エンジン回転数Neを検
出するエンジン回転センサ13からの信号、および自動
変速機の前記選択レンジを検出する選択レンジセンサ1
4からの信号を入力する。
【0022】変速機コントローラ9は前記入力情報に基
づき、図示せざる周知の演算により以下に説明する自動
変速機2の変速制御およびライン圧制御を行う。つまり
変速制御に際しコントローラ9は、変速機出力回転数N
oを基に求めた車速およびエンジンスロットル開度TH
から、現在の運転状態に最適な変速段を、例えばテーブ
ルルックアップ方式により求め、この最適変速段が選択
されるよう、シフトソレノイド6,7をON,OFFさ
せて所定の変速を行う。またライン圧制御に際しコント
ローラ9は、図示せざる周知のテーブルデータを基にエ
ンジンスロットル開度THに応じた目標スロットル開度
をテーブルルックアップし、これが達成されるようライ
ン圧ソレノイド8の駆動デューティDを決定して出力す
る。
【0023】エンジンコントローラ12は、スロットル
開度TH、変速機出力回転数No(車速)、およびエン
ジン回転数Neに基づき、図示せざる周知の演算により
エンジン1の燃料供給量、点火時期、給排気バルブの開
弁時期、排気還流量等を通常通り適切に制御し、その他
に、センサ14からの選択レンジ信号をも入力情報とし
て、また図2に示す如くに変速機コントローラ9との間
で信号のやり取りを行うことにより、図3の制御プログ
ラムを実行し、本発明が狙いとする発進制御用のエンジ
ン出力低下制御を以下の如くに行うものとする。
【0024】図3の制御プログラムは、一定時間毎の定
時割り込みにより繰り返し実行されるもので、先ずステ
ップ21で選択レンジ(P,R,N,D,II,I)を
読み込むと共に、変速機コントローラ9からの信号を基
に選択中の変速段を読み込む。次いでステップ22にお
いて選択レンジがPレンジまたはNレンジか否かを判定
し、これら非走行レンジであると判定する時、ステップ
23で本発明によるエンジン出力低減制御を実行しない
との決定をする。
【0025】ステップ22において選択レンジがPレン
ジまたはNレンジ以外の走行レンジであると判定する
時、ステップ24〜26を実行する。ステップ24で
は、ステップ21において読み込んだ選択変速段に対応
するギヤ比と、センサ11により検出した変速機出力回
転数Noとの乗算によりトルクコンバータ出力回転数
(トルクコンバータのタービン回転数)Ntを演算し、
エンジン回転数検出手段に相当するステップ25では、
センサ10で検出したスロットル開度TH、およびセン
サ13で検出したエンジン回転数Ne(トルクコンバー
タの入力回転数)を夫々読み込み、トルクコンバータ速
度比検出手段に相当するステップ26では、これらトル
クコンバータ入出力回転数の比であるトルクコンバータ
速度比e=Nt/Neを演算する。
【0026】次のステップ27では、本発明によるエン
ジン出力低下制御中である間ONにされる制御フラグF
LAGをチェックし、このフラグFLAGがONか否か
によって、本発明によるエンジン出力低下制御中である
か否かを判定する。本発明によるエンジン出力低下制御
中でなければ、ストール発進検出手段に相当するステッ
プ28で、改めて図6に対応したテーブルデータを基
に、エンジン回転数Neおよび上記のトルクコンバータ
速度比eから、図6の実線αで囲まれたエンジン出力低
下制御ON領域か否か、つまり本発明によるエンジン出
力低下制御を行うべきストール発進状態か否かを判定す
る。ON領域でなければ当然、ステップ23に制御を進
めてエンジン出力低下制御を行わないこととする。
【0027】ステップ28で、図6の実線αにより囲ま
れたエンジン出力低下制御ON領域であると判定する
時、ステップ29でエンジン出力低下制御中であること
を示すように、上記のフラグFLAGをONにし、エン
ジン出力低減手段に相当するステップ30でエンジン出
力低下制御を開始する。このエンジン出力低下制御は、
図4に示す如きもので、ステップ41においてエンジン
回転数Neを読み込み、ステップ42においてトルクコ
ンバータ速度比eを演算する。ついでステップ43にお
いて、図6の制御領域α内におけるトルクダウン制御量
Tdのマップを検索し、ステップ44でエンジン回転数
Neおよびトルクコンバータ速度比eに対応したトルク
ダウン量Tdを決定して出力することにより、エンジン
出力低下制御を開始させる。
【0028】以後はステップ27がステップ31を選択
するようになり、このステップ31で図5の制御プログ
ラムを実行することにより、エンジン出力低下制御OF
Fの判定を行う。つまり、トルクコンバータ出力トルク
検出手段に相当するステップ51でエンジン性能マップ
を検索してトルクコンバータ出力トルクTtを読み込
み、トルクコンバータ出力トルク推定手段に相当するス
テップ52で、上記のマップ検索により求めたエンジン
出力低下制御終了時におけるトルクコンバータの効率
τ′、エンジン回転数Ne′およびトルクコンバータの
トルク比t′を基に、エンジン出力低下制御終了時にお
けるトルクコンバータ出力トルクTt′をTt′=τ′
×Ne′2 ×t′の演算により算出して推定する。次の
ステップ53では、トルクコンバータ出力トルクの検出
値Ttおよび推定値Tt′間におけるトルク段差Tt−
Tt′=ΔTtが設定値ΔTts以上か否かを判定し、
大きなトルク段差である間はステップ54で制御の継続
を決定し、トルク段差が小さくなった時にステップ55
で制御の終了を決定する。
【0029】かかる決定にしたがってステップ31は、
大きなトルク段差がある間、ステップ30と共にエンジ
ン出力低減手段を構成するステップ32を選択すること
により、図4につき前述したエンジン出力低下制御を継
続させ、トルク段差が小さくなった時に、ステップ33
で前記のフラグFLAGをOFFすると共に、エンジン
出力低減作用終了手段に相当するステップ34を選択す
ることにより、エンジン出力低下制御を終了させる。
【0030】上記したエンジン出力低下制御の終了判定
によれば、当該終了時の前後におけるトルク段差がΔT
ts未満の小さなものであることとなって、エンジン出
力低下制御の終了時おけるショックが大きくなるのを防
止することができる。なお上記の判定は、トルクコンバ
ータのトルク増大作用が小さくなった時(速度比eが1
に近づく時)に、エンジン出力低下制御を終了すると判
定することに通じ、このことから、これに対応するエン
ジン出力低下制御OFF線を予め図6にβで例示するよ
うに設定しておき、マップ検索により上記の終了判定を
行っても同様の作用効果を達成することができる。
【0031】かかる終了判定がなされるまでの間、図6
の領域マップおよびトルクダウン量マップに基づいて行
われる、ストール発進時のエンジン出力低下制御によれ
ば、ストール発進状態であると雖も、エンジン出力低下
制御によって、駆動車輪がホイールスピンしたり、車輪
駆動系の耐久性が損なわれるといった弊害を解消するこ
とができる。
【0032】ところで、ストール発進状態の判定に際し
図6の如く、トルクコンバータ速度比eをも判断資料と
するため、トルクコンバータ速度比eが大きくなるにつ
れて、ストール発進状態であると判定するエンジン回転
数の基準値が高くなるといったことからも明らかなよう
に、ストール発進状態の検出をきめ細かく高精度に行う
ことができ、不要なエンジン出力低下制御により発進性
能が悪化するといった弊害を伴うことがなくなる。
【0033】またエンジン出力低下制御用のトルクダウ
ン量Tdを決定するに際し、図6に示すように、エンジ
ン回転数Neが高いほどトルクダウン量Tdを大きく
し、トルクコンバータ速度比eが大きいほどトルクダウ
ン量Tdを小さくすることから、トルクダウン量Tdが
一層実情にマッチして過不足のないエンジン出力低下制
御が可能となり、エンジン出力を低減し過ぎて発進性能
が犠牲になったり、エンジン出力の低減不足で上記の作
用効果が不十分なものになるといった事態の発生をなく
すことができる。
【0034】ここで図6のエンジン出力低下制御の妥当
性を、図7により説明するに、図7はエンジン回転数N
eと、エンジン出力トルクTeおよびタービントルクT
t(トルクコンバータ出力トルク)との関係を示す線図
で、TL は駆動車輪のホイールスピンを生じたり、車輪
駆動系の耐久性を悪化させる限界トルクを示し、破線は
エンジンを比較的小さく出力低減させた時のトルク特性
を、また1点鎖線はエンジンを比較的大きく出力低減さ
せた時のトルク特性を、更に2点鎖線はトルクコンバー
タ速度比e毎のタービントルク(Tt)特性を夫々示
す。この図7から明らかなように、限界トルクTL を越
えるようなストール領域は、トルクコンバータ速度比e
およびエンジン回転数Neによって図6のような2次元
座標系に表すことができ、また限界トルクTL を越える
ようなストール領域に入ったと判定するエンジン回転数
の基準値は、トルクコンバータ速度比が大きくなるにつ
れて高くなって、図6の領域線図αが妥当であることが
判る。更に、領域内の過大トルクを無くすのに必要な要
求トルクダウン量Tdについても図7から明らかなよう
に、トルクコンバータ速度比eが大きいほど要求トルク
ダウン量Tdは小さくなり、エンジン回転数Neが高い
ほど要求トルクダウン量Tdは大きくなって、図6の要
求トルクダウン量特性が妥当であることが証明された。
【0035】
【発明の効果】かくして第1発明による自動変速機搭載
車の発進制御装置は、請求項1に記載のごとく、エンジ
ン回転数およびトルクコンバータ速度比から、車両のス
トール発進状態を検出し、このストール発進状態が検出
される時、エンジンの出力を低減してストール発進状態
と雖も、駆動車輪のホイールスピンが発生したり、車輪
駆動系の耐久性が損なわれることのないようにする構成
としたから、ストール発進状態を検出するに際しトルク
コンバータ速度比をも参酌することとなって、ストール
発進状態の検出を高精度に行うことができ、不要なエン
ジン出力低下制御で発進性能が悪化するといった問題を
解消することができる。
【0036】第2発明による自動変速機搭載車の発進制
御装置は、請求項2に記載のごとく、上記のストール発
進状態の検出に際し、トルクコンバータ速度比が大きく
なるにつれて、ストール発進状態であると判定するエン
ジン回転数の基準値を高くする構成としたから、当該エ
ンジン回転数の基準値が実情にマッチして、ストール発
進状態の検出が更に高精度になり、上記の作用効果を一
層顕著なものにすることができる。
【0037】第3発明による自動変速機搭載車の発進制
御装置は、請求項3に記載のごとく、エンジン出力低減
作用に際し、エンジン回転数が高いほどエンジン出力の
低減量を大きくする構成としたから、エンジン出力低減
量が一層実情にマッチして過不足のないエンジン出力低
減制御が可能となり、エンジン出力を低減し過ぎて発進
性能が犠牲になったり、エンジン出力の低減不足で第1
発明および第2発明の作用効果が不十分なものになると
いった事態の発生をなくすことができる。
【0038】第4発明による自動変速機搭載車の発進制
御装置は、請求項4に記載のごとく、エンジン出力低減
作用に際し、トルクコンバータ速度比が大きいほどエン
ジン出力の低減量を小さくする構成としたから、この場
合も上記第3発明と同様に、エンジン出力低減量が一層
実情にマッチして過不足のないエンジン出力低減制御が
可能となり、エンジン出力を低減し過ぎて発進性能が犠
牲になったり、エンジン出力の低減不足で第1発明およ
び第2発明の作用効果が不十分なものになるといった事
態の発生をなくすことができる。
【0039】第5発明による自動変速機搭載車の発進制
御装置は、請求項5に記載のごとく、上記エンジン出力
低減作用中のトルクコンバータ出力トルクを検出し、上
記エンジン出力低減作用の中止時におけるトルクコンバ
ータ出力トルクを推定し、これらトルクコンバータ出力
トルクの検出値および推定値間における差が設定値未満
に低下した時に、上記エンジン出力低減作用を終了させ
る構成としたから、エンジン出力低減作用の終了時にお
けるトルク段差が小さく、結果としてエンジン出力低減
作用を終了させた時のショックを軽減させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動変速機搭載車の発進制御装置
を示す概念図である。
【図2】本発明発進制御装置の一実施例を示す車両用パ
ワートレーンの制御システム図である。
【図3】同例におけるエンジンコントローラが、本発明
の目的を達成するために行う発進制御用のエンジン出力
低減制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】同プログラムのサブルーチンを示すフローチャ
ートである。
【図5】図3におけるプログラムのサブルーチンを示す
フローチャートである。
【図6】同例における発進制御用エンジン出力低減制御
態様を示すトルクダウン領域およびトルクダウン量の特
性図である。
【図7】エンジン回転数と、エンジン出力トルクおよび
タービントルクとの関係を示す線図である。
【図8】ストール発進時の自動変速機出力トルクを時系
列的に示すタイタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 変速機出力軸 5 コントロールバルブ 6 シフトソレノイド 7 シフトソレノイド 8 ライン圧ソレノイド 9 変速機コントローラ 10 スロットル開度センサ 11 変速機出力回転センサ 12 エンジンコントローラ 13 エンジン回転センサ 14 選択レンジセンサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルクコンバータを介し入力されたエン
    ジン回転を変速して出力する自動変速機を搭載した車両
    において、 前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手
    段と、 前記トルクコンバータの入出力回転数の比である速度比
    を検出するトルクコンバータ速度比検出手段と、 これら手段で検出したエンジン回転数およびトルクコン
    バータ速度比から車両のストール発進状態を検出するス
    トール発進検出手段と、 該手段によりストール発進状態が検出される時、前記エ
    ンジンの出力を低減させるエンジン出力低減手段とを具
    備することを特徴とする自動変速機搭載車の発進制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ストール発進検
    出手段は、トルクコンバータ速度比検出手段で検出した
    速度比が大きくなるにつれて、ストール発進状態である
    と判定するエンジン回転数の基準値を高くするよう構成
    したことを特徴とする自動変速機搭載車の発進制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記エンジ
    ン出力低減手段は、エンジン回転数が高いほどエンジン
    出力の低減量を大きくするよう構成したことを特徴とす
    る自動変速機搭載車の発進制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記エンジン出力低減手段は、前記トルクコンバー
    タ速度比が大きいほどエンジン出力の低減量を小さくす
    るよう構成したことを特徴とする自動変速機搭載車の発
    進制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記エンジン出力低減手段によるエンジン出力低減
    作用中のトルクコンバータ出力トルクを検出するトルク
    コンバータ出力トルク検出手段と、該エンジン出力低減
    作用が中止された場合のトルクコンバータ出力トルクを
    推定するトルクコンバータ出力トルク推定手段と、これ
    ら手段によるトルクコンバータ出力トルクの検出値およ
    び推定値間における差が設定値未満に低下した時に前記
    エンジン出力低減手段によるエンジン出力低減作用を終
    了させるエンジン出力低減作用終了手段とを付加したこ
    とを特徴とする自動変速機搭載車の発進制御装置。
JP6201934A 1994-08-26 1994-08-26 自動変速機搭載車の発進制御装置 Pending JPH0858434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6201934A JPH0858434A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 自動変速機搭載車の発進制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6201934A JPH0858434A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 自動変速機搭載車の発進制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0858434A true JPH0858434A (ja) 1996-03-05

Family

ID=16449215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6201934A Pending JPH0858434A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 自動変速機搭載車の発進制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0858434A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2357152A (en) * 1999-10-12 2001-06-13 Ford Global Tech Inc Vehicle and engine control system
JP2008038892A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機車両のエンジントルク制御方法及びそのシステム
JP2009133468A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Nissan Motor Co Ltd 容量制御式発進クラッチ付き変速機搭載車両の高応答発進制御装置
JP2013050056A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Fuji Heavy Ind Ltd エンジントルク制御装置
JP2015534013A (ja) * 2012-09-25 2015-11-26 ジャガー・ランド・ローバー・リミテッドJaguar Land Rover Limited ローンチコントロール

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2357152A (en) * 1999-10-12 2001-06-13 Ford Global Tech Inc Vehicle and engine control system
GB2357152B (en) * 1999-10-12 2004-03-03 Ford Global Tech Inc vehicle and engine control system and method
JP2008038892A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Hyundai Motor Co Ltd 自動変速機車両のエンジントルク制御方法及びそのシステム
JP2009133468A (ja) * 2007-12-03 2009-06-18 Nissan Motor Co Ltd 容量制御式発進クラッチ付き変速機搭載車両の高応答発進制御装置
US8202199B2 (en) 2007-12-03 2012-06-19 Nissan Motor Co., Ltd. Rapid acceleration control apparatus
JP2013050056A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Fuji Heavy Ind Ltd エンジントルク制御装置
JP2015534013A (ja) * 2012-09-25 2015-11-26 ジャガー・ランド・ローバー・リミテッドJaguar Land Rover Limited ローンチコントロール
US9592831B2 (en) 2012-09-25 2017-03-14 Jaguar Land Rover Limited Launch control

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3430272B2 (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
EP0130794B2 (en) Electronic control method for vehicles
US7149616B2 (en) Control apparatus and method for vehicle
JPS60131326A (ja) 自動変速機の変速シヨツク軽減装置
US6574541B2 (en) Vehicle drive system
JP3800741B2 (ja) 無段変速機の足放しアップシフト変速制御装置
US7413526B2 (en) Automatic shifting-operation control system
JP4564334B2 (ja) エンジン及び自動変速機を備えた車両のアップシフト変速時のエンジン制御方法及びシステム
US6428448B2 (en) Constant-speed running controller for vehicle
US8498789B2 (en) Control apparatus and control method for drive source
JP2010038300A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JPH0858434A (ja) 自動変速機搭載車の発進制御装置
US10328943B2 (en) Integrated control method for engine and transmission
JPH09269063A (ja) 車両の自動変速装置
JP3492843B2 (ja) 車両の自動変速装置
US6793606B2 (en) Shift control method for shifting an automatic transmission to a forward driving range while driving in a reverse driving range
JPH0514133B2 (ja)
JP2005291174A (ja) 車両用エンジンのトルク制御装置
JPH10110816A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP4023395B2 (ja) 自動変速機のセレクトショック軽減装置
JP3323976B2 (ja) 変速ショック低減装置
JP4036190B2 (ja) エンジンの燃料供給制御装置
JP2600429B2 (ja) エンジン・自動変速機の総合制御装置
KR100354023B1 (ko) 차량용 자동변속기의 연비 제어방법
US10814878B2 (en) Control device of automatic transmission