JP2737021B2 - 駆動輪トルクの制御装置 - Google Patents

駆動輪トルクの制御装置

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JP2737021B2
JP2737021B2 JP10974390A JP10974390A JP2737021B2 JP 2737021 B2 JP2737021 B2 JP 2737021B2 JP 10974390 A JP10974390 A JP 10974390A JP 10974390 A JP10974390 A JP 10974390A JP 2737021 B2 JP2737021 B2 JP 2737021B2
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、駆動輪の過剰スリップを防止するためのト
ラクションコントロールに用いられる駆動輪トルクの制
御装置に関する。
(2) 従来の技術 車両の発進時や加速時における駆動輪の過剰スリップ
を防止する所謂トラクションコントロールシステムにお
いて、駆動輪の過剰スリップ発生時にスロットル弁をフ
ィードバック制御して内燃機関の出力を制限するととも
に、前記過剰スリップがスロットル弁の制御だけでは吸
収しきれないような大きな値になったときに、フュエル
カットを併用しては内燃機関の出力を更に制限すること
が行われている。
(3) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、トラクションコントロール中に、フュ
エルカット状態からスロットル弁のフィードバック制御
に復帰した際のスロットル初期開度は、フュエルカット
突入から所定時間経過するまでの駆動輪でのトルク状態
から路面状態を推定して決定されるので、路面状態(摩
擦係数)が不均一なことに起因する誤差によって実際に
必要とされる初期開度よりも大きく推定してしまう場合
がある。また、スロットル弁の初期開度が決定されてか
らフュエルカット復帰までの間に路面の摩擦係数が低下
した場合、フュエルカット復帰時の初期開度が過大にな
る場合がある。このような理由によってスロットル弁の
初期開度が大きくなりすぎると、フュエルカット復帰時
に駆動輪の過剰スリップが過大になって再度フュエルカ
ットに突入し、フュエルカット突入と復帰を繰り返して
しまう不都合が発生する。
本発明は、前述に事情に鑑みてなされたもので、フュ
エルカットとスロットル弁のフィードバック制御を併用
した駆動輪トルクの制御装置において、フュエルカット
突入が繰り返し発生する不都合を回避することを目的と
する。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 前記目的を達成するために、本発明は、駆動輪の過剰
スリップが検出されたとき、前記駆動輪に接続された内
燃機関の出力を低減する出力低減手段によって前記過剰
スリップを制御する駆動輪トルクの制御装置であって、
前記出力低減手段は、過剰スリップが第1判別値を越え
たときスロットル弁を開閉駆動してフィードバック制御
する手段と、過剰スリップが前記第1判別値より大きい
第2判別値を越えたときフュエルカット条件成立と判定
してフュエルカットし、過剰スリップが前記第2判別値
より小さい第3判別値を下回ったときフュエルカット復
帰条件成立と判定してフュエルカットから復帰する手段
と、フュエルカット中に、駆動輪発生トルクと駆動輪の
過剰スリップに消費される余剰トルクから、フュエルカ
ット復帰時のスロットルフィードバック初期開度を算出
する手段と、フュエルカット復帰時から所定時間経過す
るまでに再度フュエルカット条件が成立したときは、再
フュエルカット条件成立と判定する手段と、再フュエル
カットから復帰するときのスロットルフィードバック初
期開度を前記再フュエルカット突入時のスロットル開度
以下に選定する手段とからなることを第1の特徴とす
る。
また、本発明は前記第1の特徴に加えて、前記フュエ
ルカット復帰条件成立時、スロットル弁がフュエルカッ
ト復帰初期開度近傍まで駆動されるまではフュエルカッ
ト復帰を禁止することを第2の特徴とする。
更に、本発明は前記第1の特徴に加えて、フュエルカ
ット条件成立時のフュエルカット気筒数を、フュエルカ
ット中の駆動輪スリップ状態によって設定することを第
3の特徴とする。
更にまた、本発明は前記第1の特徴に加えて、再フュ
エニルカット条件成立時のフュエルカット気筒数を、通
常フュエルカット条件成立時のフュエルカット気筒数以
下に設定することを第4の特徴とする。
(2) 作用 前述の第1の特徴によれば、駆動輪スリップが第1判
別値を越えるとスロットル弁のフィードバック制御が行
われて駆動輪の過剰スリップが抑制され、駆動輪スリッ
プが前記第1判別値よりも大きな第2判別値を越えた場
合には、過剰スリップを一層抑制すべくフュエルカット
が行われる。そしてフュエルカットにより駆動輪スリッ
プが低減して第3判別値を下回ると、前記フュエルカッ
トからスロットル弁のフィードバック制御に復帰する。
その際、このフュエルカット復帰から所定時間内に再フ
ュエルカットに突入した場合には、その再復帰時のフィ
ードバック制御におけるスロットル開度が前記再フュエ
ルカット突入時のスロットル開度よりも小さく設定され
る。これによりフュエルカットが繰り返し行われること
が防止される。
また、本発明の第2の特徴によれば、フュエルカット
中において、フュエルカット復帰時のスロットル初期開
度までスロットル弁が開弁駆動されるとき、そのスロッ
トル初期開度が達成されるまでの間フュエルカット復帰
が禁止される。これにより、スロットル弁の駆動機構の
速度が十分に大きくなくてフュエルカットが短時間で終
了してしまう時でも、フュエルカット復帰時には常に所
定のスロットル初期開度からフィードバック制御が開始
され、フュエルカット復帰時の駆動輪トルクが過剰にな
ることが防止される。
更に、本発明の第3の特徴によれば、フュエルカット
気筒数が駆動輪のスリップ状態に基づいて決定されるの
で、そのスリップ状態に合った最適の駆動輪トルクを得
ることができる。
更にまた、本発明の第4の特徴によれば、再フュエル
カット突入時のフュエルカット気筒数が制限されるの
で、駆動輪トルクが必要以上に低減することが回避され
る。
(3) 実施例 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第2図は本制御装置が搭載された車両の概略構成図で
あって、この車両は内燃機関Eによって駆動される一対
の駆動輪Wrと一対の従動輪Wfを備えており、駆動輪Wrお
よび従動輪Wfには、その速度VW,VVを検出する駆動輪速
度検出器1と従動輪速度検出器2がそれぞれ設けられて
いる。内燃機関Eには、そのクランクシャフトの回転速
度Neを検出するための歯車と電磁ピックアップよりなる
回転速度検出器3と、そのミッション4のギヤ位置を検
出するためのギヤ位置検出器5が設けられるとともに、
その吸気通路6には吸気管内圧PBを検出する吸気管内圧
検出器7およびパルスモータ8に接続されて開閉駆動さ
れるスロットル弁9が設けられ、更に前記吸気通路6の
下流端にはフュエルカット手段10を備えた燃料噴射弁11
が設けられている。また内燃機関Eの近傍には大気圧PA
を検出する大気圧検出器12が設けられている。そして、
前記駆動輪速度検出器1、従動輪速度検出器2、回転速
度検出器3、ギヤ位置検出器5、吸気管内圧検出器7、
パルスモータ8、フュエルカット手段10、および大気圧
検出器12はマイクロコンピュータよりなる電子制御ユニ
ットUに接続されている。
第3図は前記各検出器から入力された検出信号を制御
プログラムに基づいて演算処理し、前記フュエルカット
手段10とパルスモータ8を駆動するための量子制御ユニ
ットUを示している。この電子制御ユニットUは、前記
演算処理を行うための中央処理装置(CPU)13、前記制
御プログラムや各種マップ等のデータを格納したリード
オンリーメモリ(ROM)14、前記各検出器の検出信号や
演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)15、前記各検出器、すなわち駆動輪速度検出器
1、従動輪速度検出器2、回転速度検出器3、ギヤ位置
検出器5、吸気管内圧検出器7、大気圧検出器12が接続
される入力部16、および前記パルスモータ8とフュエル
カット手段10が接続される出力部17から構成されてい
る。而して、上記電子制御ユニットUは、入力部16から
入力される各検出信号とリードオンリーメモリ14に格納
されたデータ等を後述する制御プログラムに基づいて中
央処理装置13で演算処理し、最終的に出力部17を介して
パルスモータ8およびフュエルカット手段10を駆動す
る。これにより内燃機関Eの出力トルクが変化し、その
結果車両の駆動輪Wrの過剰スリップを抑制すべく駆動輪
トルクが最適の値に制御される。
次に、電子制御ユニットUにおいて実行される駆動輪
トルクの制御の内容を第4図〜第7図のフローチャート
に基づいて詳述する。尚、第6図のフローチャートは第
4図のステップS3に対応するサブルーチンを示し、第7
図のフローチャートは第4図のステップS53に対応する
サブルーチンを示すものである。
第4図および第5図において、ステップS1でフュエル
カット手段10からの信号に基づいてフュエルカット中か
否かが判断されるとともに、ステップS2で回転速度検出
器3の検出信号に基づいて内燃機関Eの回転速度Neが15
00RPM以下であるか否かが判断される。そして、フュエ
ルカット中であり、かつNe>1500PRMの場合にのみステ
ップS3に進み、その他の場合にはステップS4に進む。
尚、後で詳述するように、フュエルカットは駆動輪スリ
ップVE、すなわち駆動輪速度検出器1が出力する駆動輪
速度VWから従動輪速度検出器2が出力する従動輪速度VV
の関数である第1判別値としての基準速度VRPを引いた
差が充分に大きく、駆動輪Wrが過剰にスリップしている
と判断された場合に行われる。ここで、上記VEおよびV
RPは VE=VW−VRP VRP=F(VV)=K*VV 但しKは定数(K>1.0)で表わされる。
さて、フュエルカット中、かつNe>1500PRMの条件が
成立しない場合には、ステップS4でマップに基づいて内
燃機関Eの回転速度Neの関数であるスロットルフィード
バックサイクルが検索される。続くステップS5でフィー
ドバックサイクルであるか否かが判断され、YESである
場合には、ステップS6でスロットル開度のPIDフィード
バック制御を行うべく、その制御ゲインKTHP ,KTHI ,
KTHD が決定される。続くステップS7で前回スロットル
フィードバックが行われているか否かが判断され、YES
の場合、すなわちスロットルフィードバック継続中の場
合には、ステップS8でI項;θTHFBI Nが θTHFBI N=θTHFBI N-1−KTBI N**VE に基づいて演算される。尚、上式における右辺第2項の
負号は、VEがゼロよりも大きい方を正の方向に取ってい
るためである。一方、ステップS7でNOの場合、つまり、
新規にスロットルフィードバックに突入した場合には、
以下のようにスロットル初期開度の設定が行われる。ス
テップS9において前回フュエルカットが行われているか
判断され、YESの場合、すなわちフュエルカットから復
帰した場合には、ステップS10で後で詳述するフュエル
カット復帰時のスロットル初期開度θTHINITがθTHFBI 0
に置き換えられる。また、前回フュエルカットが行われ
ない、つまりVEが第2判別値VEFIHを越えない時には、
ステップS11でそれまでのスロットル開度のフィルター
値(平均値) がθTHFBI 0に置き換えられる。続くステップS12で内燃
機関Eのフリクション分を補うスロットル開度θTO
ダッシュポット開度θMINよりも大きいか判断され、θ
MINの方が大きい場合には常にθTHFBIがθMIN以上とな
るようにステップS13,14でリミット処理が行われる。ま
たステップS12で内燃機関Eのフリクション分を補うス
ロットル開度θTO がダッシュポット開度θMINよりも
大きい場合には、常にθTHFBIがθTO 以上となるよう
にステップS15,16でリミット処理が行われる。上述のよ
うにしてステップS12〜16でθTHFBIの下限が規制される
と、続くステップS17,18でθTHFBIが常に内燃機関Eが
最大トルクを発生するスロットル開度θWOT 以下とな
るように上限のリミット処理が行われる。
次に、ステップS19でP項;θTHFBP Nが θTHFBP N=KTHP *VE に基づいて演算され、更にステップS20でD項;θTHFBD
Nが θTHFBD N=KTHD に基づいて演算される。
次のステップS21〜28は、内燃機関Eの出力低減のた
めに点火リタードを補助的に併用した場合に行われるも
ので、ステップS21で点火リタードフラグFTHIGRが立て
られていると、ステップS22で点火リタード量をスロッ
トル開度に換算した換算値θTHIGRによってI項;θ
THFBIが補正される。そして、続くステップS23〜27にお
いて、前述のステップS12〜16と同じリミット処理によ
って、補正後のθTHFBIの下限が内燃機関Eのフリクシ
ョン分を補うスロットル開度θTO とダッシュポット開
度θMINの何れか大きい方に制限された後、ステップS28
で点火リタードフラグFTHIGRと換算値θTHIGRが0とさ
れる。
続いて、ステップS29でフィードバック制御量θTHFB
が θTHFB=θTHFBI−θTHFBP−θTHFBD に基づいて演算されると(上式における右辺第2項およ
び第3項の負号は、前述と同様にVEがゼロよりも大きい
方を正の方向に取っているためである)、以下のステッ
プS30〜36において前述のステップS12〜18と同じリミッ
ト処理が施され、フィードバック制御量θTHFBの下限と
上限が規制される。
而して、ステップS37において、前記フィードバック
制御量θTHFBが目標スロットル開度θTHOとされ、スロ
ットル弁9を開閉すべくパルスモータ8が駆動される。
さて、前記ステップS1およびステップS2においてフュ
エルカット中、かつNe>1500RPMの条件が成立する場合
にはステップS3、すなわち第6図のフローチャートに示
すサブルーチンが10msの割り込みで実行される。先ずス
テップS38で前回のフュエルカットフラグFF/Cがゼロで
あるか否かが判断されてNOの場合、すなわちフュエルカ
ット中の場合には、更にステップS39でスロットルイニ
シャライズフラグFTHINITがゼロであるか否かが判断さ
れ(イニシャル前はゼロである)、YESの場合にはステ
ップS40でスロットルイニシャライズカウンタCNTHINIT
がデクリメントされ、NOの場合には後述のステップS46
に移行する。また、前記ステップS38でフュエルカット
フラグFF/Cがゼロである場合、すなわちフュエルカッ
トに突入した直後の状態では、ステップS41でスロット
ルイニシャライズカウンタCNTHINITを100msにセットし
てスタートさせる。そして続くステップS42でスロット
ルイニシャライズフラグFTHINITがゼロにリセットされ
る。
さて、ステップS43,44では、駆動輪スリップ変化率
の100msにおける最大値EMと、駆動輪総トルク の100msにおける最大値 が決定される。すなわち、駆動輪速度検出器1から出力
される駆動輪速度VWと従動輪速度検出器2から出力され
る従動輪速度VVに基づいて演算される駆動輪スリップVE
の微分値である駆動輪スリップ変化率の前回値と今
回値が比較され大きい値に更新される結果100msにおけ
る最大値EMが求められる。また、回転速度検出器3が
出力する内燃機関Eの回転速度Neと吸気管内圧検出器7
が出力する吸気管内圧PBから内燃機関総トルクTQOUT
演算され、これにギヤ位置検出器5の出力信号に対応し
て求められたミッション伝達係数KMおよびギヤレシオG/
Rを掛け合わせることにより、次式から駆動輪総トルク が演算される。
このようにして求められた駆動輪総トルク の前回値と今回値が比較され大きい値に更新される結果
100msにおける最大値 が求められる。
次にステップS45で車両の加速に利用される有効トル
クTQINIT(すなわち、駆動輪総トルク から駆動輪Wrの過剰スリップに消費される余剰トルクを
引いたもの)が、前述のステップS44で求めた駆動輪ス
リップ変化率の最大値EMと駆動輪総トルクの最大値 からマップ検索される。次にステップS46でスロットル
イニシャライズカウンタCNTHINITがゼロかどうか、すな
わち100msが経過したかが判断され、YESの場合にはステ
ップS47でスロットルイニシャライズフラグFTHINITがセ
ットされる。而して、続くステップS48で、初期スロッ
トル開度θTHINITが次式によって演算される。
ここでdTH/dTQはスロットル開度変化に対するエンジ
ントルクの補正係数であり、KPAは大気圧補正係数であ
る。
このようにして初期スロットル開度θTHINITが求めら
れると、次のステップS49〜52において、前述と同様に
その最小値がθT0 に制限されるとともに、その最大値
がθWOT に制限される。
而して、前述した第4図のステップS10においてフュ
エルカットから復帰してスロットルフィードバック制御
が新たに開始されるとき、その初期スロットル開度とし
て前記初期スロットル開度θTHINITが用いられる。
さて、第4図のステップS3で初期スロットル開度θ
THINITが決定されると、ステップS53で現在行われてい
るフュエルカットが最初のフュエルカットか再フュエル
カットかが判断され、最初のフュエルカットであれば、
ステップS54で前記ステップS3で求めた初期スロットル
開度θTHINITがフュエルカット復帰時の目標スロットル
開度θTHOとされる。また、ステップS53で再フュエルカ
ットと判定された場合には、続くステップS55で、再フ
ュエルカット突入時の目標スロットル開度θTHO N-1と再
フュエルカット復帰時の初期スロットル開度θTHINIT
いずれか小さい方が再フュエカット復帰時の初期スロッ
トル開度θTHINITとして選択され、この選択された初期
スロットル開度θTHINITが、前記ステップS54で再フュ
エルカット復帰時における目標スロットル日当度θTHO
として用いられる。したがって、再フュエルカット復帰
時における目標スロットル開度はその突入時における目
標スロットル開度よりも必ず小さくなり、その結果フュ
エルカットが繰り返し行われる不都合が回避される。
第7図はフュエルカット判断およびフュエルカット気
筒数を決定するためのサブルーチンである。先ず、ステ
ップS56でフュエルカット中でないと判断された場合、
ステップS57で駆動輪スリップVEが第2判別値VBFIHを越
えているか、あるいは前記VEがVEFIH以下であっても、
ステップS58で駆動輪スリップ変化率が基準値
BFIHを越えていれば、ステップS59でフュエルカットフ
ラグFF/Cがセットされてフュエルカットに突入する。
続く、ステップS60で後述の再フュエルカットタイマー
が500msのカウント中であるか判断され、YESの場合、す
なわち再フュエルカット中の場合にはステップ61でフュ
エルカットシリンダ数が3個に決定され、これにより、
再フュエルカット突入時に駆動輪トルクが極端に低減す
ることが回避される。また、再フュエルカットタイマー
カウント中でないとき、すなわち、初めてフュエルカッ
トした時、または再フュエルカットから所定時間(500m
s)経過した時は、ステップS62で と基準値RF/Cが比較され、スリップ状態に応じてフュ
エルカット突入時のフュエルカット気筒数が決定され
る。
一方、前記ステップS56でフュエルカット中であると
判断された場合には以下のステップS64〜71で、内燃機
関Eの6個の気筒のうちの3個あるいは6個のいずれフ
ュエルカットされるかの制御が行われる。すなわち、ス
テップ64でフュエルカットされている気筒数が6個の気
筒のうちの3個であり、且つステップ65で所定時間が経
過すると、ステップS66で駆動輪スリップ変化率
正負が判断され、が正の場合、すなわち駆動輪スリ
ップVEが増加している場合には内燃機関Eのトルクを低
減すべくステップS67でフュエルカット気筒数が6個に
増加される。また、駆動輪スリップ変化率が負であ
る場合でも、ステップS68で駆動輪スリップVEが第2判
別値VEFIHを超えている場合には、同様にステップS67で
フュエルカット気筒数が6個に増加される。一方、前記
ステップS64でフュエルカット気筒数が6個である場合
には、ステップS69で駆動輪スリップ変化率が基準
EFILよりも小さく、かつステップS70で所定時間が
経過したと判断されれば、ステップS71でフュエルカッ
ト気筒数が6個から3個に減らされる。而して、その時
点の駆動輪Wrのスリップ状態に適応して最適のフュエル
カット気筒数が選択される。
次に、ステップS72で駆動輪スリップVEが第3判別V
EFILを下回っているか判断され、NOの場合にはフュエル
カットがそのまま継続される。またステップS72で駆動
輪スリップVEが第3別値VEFILを下回ると、ステップS73
で実際のスロットル開度と目標スロットル開度の偏差θ
CMDが基準値θCMDFIよりも小さくなったかが判断され、
前記偏差θCMDが基準値θCMDFIを下回るまではフュエル
カットが継続される。これにより、パルスモータ8の駆
動速度等に起因するスロットル弁9の応答遅れにより、
該スロットル弁が充分に閉弁する前にフュエルカット復
帰が行われてフュエルカット突入・復帰が繰り返される
ことが回避される。そして、ステップS73でスロットル
弁9が充分に閉弁したことが確認されると、ステップS7
4で再フュエルカットタイマーが500msにセットされてス
タートするとともに、ステップS75でフュエルカット復
帰が行われ、フュエルカットフラグFF/Cがゼロにリセ
ットされる。
次に、フローチャートに基づいて説明した前述の作用
を、第8図のタイムチャートに基づいて更に説明する。
アクセルペダルが踏み込まれてスロットル開度θTH
アクセルペダル開度まで開かれると、車体が加速されて
従動輪速度VVが次第に増加する。このとき、駆動輪Wrが
スリップ状態になることにより、駆動輪速度VWが従動輪
速度VVを上回って第1判別値VPRを越えると(A点)、
スロットルフィードバック制御が開始されてスロットル
開度θTHが減少し始める。しかしながら駆動輪速度VW
更に増加して第2判別値VEFIHを越えると(B点)、フ
ュエルカットに突入して内燃機関の出力トルクが大幅に
低減し、駆動輪速度VWはやがて減少し始める。このフュ
エルカット突入から100msの間にフュエルカット復帰時
のスロットル初期開度が演算されて、そのスロットル初
期開度に向けて予めスロットル弁が駆動される。そし
て、前記駆動輪速度VWが第3判別値VEFILを下回ると
(C点)、フュエルカットから復帰して前記スロットル
初期開度からスロットルフィードバック制御が開始され
る。このとき、目標開度θTHOまでスロットル弁が駆動
されるまではフュエルカット復帰しないようになってい
る。
上記フュエルカット復帰から500ms以内に駆動輪速度V
Wが再び第2判別値VEFIHを越えると(D点)、再フュエ
ルカットに突入し、再び駆動輪速度VWが減少を始める。
そして、駆動輪速度VWが第3判別値VEFILを下回ると
(E点)、再フュエルカットから復帰して再びスロット
ルフィードバック制御に移行する。このとき、そのスロ
ットル初期開度は、再フュエルカット突入から100msの
間に算出されたスロットル初期開度Qと、再フュエルカ
ット突入時のスロットル開度Pのいずれか小さい方に規
制されるため(第8図では、スロットル初期開度Qがそ
のまま使用された場合を示す)、フュエルカット突入と
復帰が繰り返されることが防止される。
C.発明の効果 以上のように本発明の第1の特徴によれば、フュエル
カット復帰から所定時間内に再フュエルカットに突入し
た場合には、その再復帰時のスロットルフィードバック
初期開度が前記再フュエルカット突入時のスロットル開
度よりも小さく設定される。これによりフィードバック
制御開始時のスロットル初期開度が過大になることが抑
制され、フュエルカットが繰り返し発生することが防止
される。
また、本発明の第2の特徴によれば、スロットル弁を
初期開度まで閉弁駆動する速度に遅れがあるても、その
初期開度が達成されるまでフュエルカット復帰が禁止さ
れるので、フュエルカット復帰時には常に所定のスロッ
トル初期開度からフィードバック制御が開始される。こ
れにより、スロットル弁が初期開度まで閉弁駆動される
前にフュエルカットから復帰して駆動輪トルクが過剰に
なる不都合が防止される。
更に、本発明の第3の特徴によれば、フュエルカット
気筒数が駆動輪のスリップ状態に基づいて決定されるの
で、そのスリップ状態に合った最適の駆動輪トルクを得
ることができる。
更にまた、本発明の第4の特徴によれば、再フュエル
カット突入時のフュエルカット気筒数が制限されるの
で、駆動輪トルクが必要以上に低減することが回避され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のクレーム対応図、第2図は本制御装置
が搭載された車両の概略構成図、第3図は電子制御ユニ
ットを示すブロック図、第4図および第5図はスロット
ル弁フィードバックのサブルーチンのフローチャート、
第6図はスロットル弁フィードバックにおける初期開度
を求めるサブルーチンのフローチャート、第7図はフュ
エルカット判断およびフュエルカット気筒数を決定する
サブルーチンのフローチャート、第8図は作用を説明す
るためのタイムチャートである。 101……内燃機関出力低減手段、102……スロットルフィ
ードバック制御手段、103……フュエルカット突入・復
帰判定手段、104……スロットル初期開度算出手段、105
……再フュエルカット判定手段、106……スロットル初
期開度制限手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 43/00 301 F02D 43/00 301K

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪の過剰スリップが検出されたとき、
    前記駆動輪に接続された内燃機関の出力を低減する出力
    低減手段(101)によって前記過剰スリップを抑制する
    駆動輪トルクの制御装置であって、 前記出力低減手段(101)は、過剰スリップが第1判別
    値を越えたときスロットル弁を開閉駆動してフィードバ
    ック制御する手段(102)と、過剰スリップが前記第1
    判別値より大きい第2判別値を越えたときフュエルカッ
    ト条件成立と判定してフュエルカットし、過剰スリップ
    が前記第2判別値より小さい第3判別値を下回ったとき
    フュエルカット復帰条件成立と判定してフュエルカット
    から復帰する手段(103)と、フュエルカット中に、駆
    動輪発生トルクと駆動輪の過剰スリップに消費される余
    剰トルクから、フュエルカット復帰時のスロットルフィ
    ードバック初期開度を算出する手段(104)と、フュエ
    ルカット復帰時から所定時間経過するまでに再度フュエ
    ルカット条件が成立したときは、再フュエルカット条件
    成立と判定する手段(105)と、再フュエルカットから
    復帰するときのスロットルフィードバック初期開度を前
    記再フュエルカット突入時のスロットル開度以下に設定
    する手段(106)とからなる、駆動輪トルクの制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記フュエルカット復帰条件成立時、スロ
    ットル弁がフュエルカット復帰初期開度近傍まで駆動さ
    れるまではフュエルカット復帰を禁止する、請求項記
    載の駆動輪トルクの制御装置。
  3. 【請求項3】フュエルカット条件成立時のフュエルカッ
    ト気筒数を、フュエルカット中の駆動輪スリップ状態に
    よって設定する、請求項記載の駆動輪トルクの制御装
    置。
  4. 【請求項4】再フュエルカット条件成立時のフュエルカ
    ット気筒数を、通常フュエルカット条件成立時のフュエ
    ルカット気筒数以下に設定する、請求項記載の駆動輪
    トルクの制御装置。
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