JP3582098B2 - トルクコンバータのすべり量制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのすべり量制御装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の内燃機関の自動変速機に関し、詳しくはトルクコンバータのエネルギー伝達を適正にするトルクコンバータのすべり量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の内燃機関(エンジン)の駆動力を伝達する機構として、エンジンの出力軸側にトルクコンバータを接続し、トルクコンバータの出力軸にトランスミッションを接続した自動変速機が知られている。そして、この自動変速機の制御技術として、自動変速機の所定箇所における回転数等の運転状態を検出して、変速時のショックの低減や燃費の低減等の制御を行なう、例えば下記▲1▼〜▲3▼の技術が提案されている。
【0003】
▲1▼特開平1−178736号の技術では、トランスミッションへの入力回転数とトランスミッションの出力回転数とから回転数比を求め、この回転数比とギア比とその歯数よりクラッチ速度比を求め、クラッチ速度比が不感帯内に収まる様に、スロットル等を制御する。それによって、制御の構成を複雑化することなく、変速ショックを軽減するとともに、不要なエネルギー消費を節約して燃費性を向上する。
【0004】
▲2▼特開平4−36030号の技術では、まず、トランスミッションの出力軸より駆動トルクを検出する。また、トルクコンバータへの入力回転数とトランスミッションへの入力回転数とからトルクコンバータの出力トルクを算出し、この出力トルクとトランスミッションの変速比とから、トランスミッションの出力軸トルクを算出する。そして、この出力軸トルクと前記駆動トルクとの差を求め、設定値より大きい場合は、エンジンの出力を低下させる。それによって、路面状態に適した制御を迅速に行なって、車両のスリップを効果的に低減するとともに、燃費を向上する。
【0005】
▲3▼特開平1−224561号の技術では、ロックアップクラッチのスリップ量を、加速に応じてデューティ比制御するとともに、同時に点火時期の遅角制御を行なう。それによって、ロックアップクラッチの耐久性を向上するとともに、加速ショックの低減及び低燃費化を実現する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した技術では、自動変速機を備えた車両において、発進時及び加速時での運転者のアクセルの踏み過ぎによる燃費の悪化を十分に防止するとともに、迅速な応答性を実現できなかった。つまり、
前記▲1▼の技術では、トランスミッションの前後の回転数から、トランスミッション内のクラッチのすべりを求めてエンジンへフィードバックしているために、トルクコンバータのすべりによる応答遅れの影響を大きく受けてしまい、細かな制御を行なうことができないという問題があった。
【0007】
前記▲2▼の技術では、トルクコンバータの前後の回転数を検出し、この回転数から出力トルクを算出し、更にトランスミッションのギア比から出力軸トルクを算出し、これと駆動トルクとを比較するという長い工程を経て、やっとエンジンへフィードバックしているので、本当にトルクダウンしたいときにトルクが落ちない等の応答遅れがあるという問題があった。
【0008】
前記▲3▼の技術では、吸入空気量までは制御していないので、低燃比化はあまり期待できないという問題があった。
本発明は、前記従来の技術の問題点を解消することを課題とし、加速時及び発進時における燃費の悪化を防止でき、しかも高い応答性を実現できるトルクコンバータのすべり量制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の発明は、図1(a)に例示する様に、
エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、を備えた自動変速機において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記トランスミッションの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、該回転数差検出手段によって求められた前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、を備え、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を禁止することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置を要旨とする。
請求項2の発明は、
エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、を備えた自動変速機において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記トランスミッションの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、該回転数差検出手段によって求められた前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、を備え、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を許可することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置を要旨とする。
【0010】
請求項の発明は、図1(b)に例示する様に、
エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、を備えた自動変速機において、前記トルクコンバータの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記トルクコンバータの出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、該回転数差検出手段によって求められた前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、を備え、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を禁止することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置を要旨とする。
請求項4の発明は、エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、を備えた自動変速機において、前記トルクコンバータの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記トルクコンバータの出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、該回転数差検出手段によって求められた前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、を備え、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を許可することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置を要旨とする。
【0013】
請求項5の発明は、
前記回転数差検出手段によって求められたすべり量としての差の値が、第1判定値を上回るか否か判定する第1判定手段と、該第1判定手段によって肯定判断された回数を計数する計数手段と、該計数手段によって計数された回数が、第2判定値を上回るか否かを判定する第2判定手段と、該第2判定手段によって肯定判断された場合には、前記トルクコンバータ内の動力伝達用フルードが劣化したと判断する劣化判定手段と、を備えたことを特徴とする前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトルクコンバータのすべり量制御装置を要旨とする。
【0014】
【作用】
請求項1の発明では、回転数差算出手段により、エンジン回転数検出手段によって検出したエンジンの回転数と入力軸回転数検出手段によって検出したトランスミッションの入力軸回転数とを用い、回転数差算出手段により、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差をすべり量として求め、出力制御手段により、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、エンジンの出力を制御する。
【0015】
つまり、本発明では、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差をすべり量とし、このすべり量の大きさに応じてエンジン出力を制御するので、すべり量を好適に調節でき、よってエネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減することが可能になる。また、すべり量の検出のための構成が簡易化され、しかも検出にかかる時間が少ないので、応答性も向上することになる。
更に本発明では、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、出力制御手段による制御を禁止する。
つまり、パワーモードの設定は、エンジンの出力増加を目的としているので、本発明では、この目的に合致させるために、パワーモード時に出力を低減する様な制御を禁止するものである。
請求項2の発明では、前記請求項1の発明と同様に、回転数差算出手段により、エンジン回転数検出手段によって検出したエンジンの回転数と入力軸回転数検出手段によって検出したトランスミッションの入力軸回転数とを用い、回転数差算出手段により、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差をすべり量として求め、出力制御手段により、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、エンジンの出力を制御する。
更に本発明では、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、出力制御手段による制御を許可する。
つまり、エコノモードの設定は、燃費の向上を目的としているので、本発明では、この目的に合致させるために、エコノモード時に出力を低減する様な制御を許可し、そのまま実行するものである。
【0016】
請求項の発明では、入力軸回転数検出手段によって求めたトルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数検出手段によって求めたトルクコンバータの出力軸回転数とを用い、回転数差算出手段により、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差をすべり量として求め、出力制御手段により、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、エンジンの出力を制御する。
【0017】
つまり、本発明では、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数とを直接に求め、その差をすべり量とし、このすべり量の大きさに応じてエンジン出力を制御するので、前記請求項1と同様に、すべり量を好適に調節でき、エネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減することが可能になる。また、すべり量の検出の精度が高いので精密な制御が可能で、しかも検出にかかる時間が少ないので、応答性も向上することになる。
更に本発明では、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、出力制御手段による制御を禁止する。
つまり、パワーモードの設定は、エンジンの出力増加を目的としているので、本発明では、この目的に合致させるために、パワーモード時に出力を低減する様な制御を禁止するものである。
請求項4の発明では、前記請求項3の発明と同様に、入力軸回転数検出手段によって求めたトルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数検出手段によって求めたトルクコンバータの出力軸回転数とを用い、回転数差算出手段により、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差をすべり量として求め、出力制御手段により、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、エンジンの出力を制御する。
更に本発明では、アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、出力制御手段による制御を許可する。
つまり、エコノモードの設定は、燃費の向上を目的としているので、本発明では、この目的に合致させるために、エコノモード時に出力を低減する様な制御を許可し、そのまま実行するものである。
【0020】
請求項5の発明では、第1判定手段により、回転数差検出手段によって求められたすべり量としての差の値が第1判定値を上回るか否か判定し、計数手段により、第1判定手段によって肯定判断された回数を計数する。更に、第2判定手段により、計数手段によって計数された回数が第2判定値を上回るか否かを判定し、この第2判定手段によって肯定判断された場合には、劣化判定手段により、トルクコンバータ内の動力伝達用フルードが劣化したと判断する。
【0021】
つまり、本発明では、検出されたすべり量としての差の値が頻繁に第1判定値を超える様な場合とは、フルードが劣化している場合であると見なし、この様な頻度の判定によってフルードの劣化の検出を行なうものである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例のトルクコンバータのすべり量制御装置を、自動変速機(以下A/Tと記す)搭載の後輪駆動車に適用した例に挙げて説明する。
(実施例1)
図2において、1は車両の前部に搭載されたエンジン、3はエンジン1の出力軸側に接続されたトルクコンバータ、5はトルクコンバータ3の出力軸側に接続されたトランスミッション(以下T/Mと記す)、7は吸入空気量を調節してエンジン出力を制御するスロットル弁である。
【0023】
また、前記車両には、トルクコンバータ3のすべり量を低減するための制御をはじめ、車両の各種制御を行うために、図3に示す様に、周知のCPU,ROM,RAM等を備えたマイクロコンピュータとして構成される電子制御装置(ECU)9が搭載されている。
【0024】
このECU9の入力側には、図示しないディストリビュータ等からエンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ11、T/M5の入力軸の回転数を検出するT/M入力軸回転数センサ13、アクセルの開度(アクセルペダルの踏込量)を検出するアクセル開度センサ15、スロットル弁7の開度を検出するスロット開度センサ17が接続されるとともに、その出力側には、スロットル弁7,(A/Tフルードの劣化を報知する)警告ランプ8が接続されている。
【0025】
そして、ECU9は、各センサから、エンジン回転数Ne、T/M入力軸回転数Nt、アクセル開度TA、スロット開度θtを取り込み、スロットル弁7の制御を行なう際に設定する制御スロットル開度θcを計算し、この制御スロットル開度θcを含むスロットル制御信号をスロットル弁7に出力し、また、警告ランプ8の点灯を行なう。
【0026】
次に、前記各センサによって検出した運転状態に応じて、スロットル弁7を制御してエンジン出力を調節する処理について、図4のフローチャート及び図5〜図7のマップに基づいて説明する。尚、図4のサブルーチンは、アクセル開度TA、スロットル開度θtのA/D変換毎に起動する。
【0027】
図4に示す様に、まず、ステップ110で、アクセル開度TAが0か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ260に進み、一方否定判断されるとステップ120に進む。
ステップ260では、アクセルが離されているので、スロットル弁7を全閉にし、ステップ270にて、A/Tフルード劣化検出用カウンタCOLをクリアして制御を抜ける。
【0028】
一方、ステップ120では、アクセルが開いているので、単位時間当りのアクセル開度DLTAが10゜以上か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ280に進み、一方否定判断されるとステップ130に進む。
ステップ280では、急加速判定フラグXSLをセットし(1に設定)、走行モード判定をノーマルとする。
【0029】
一方、ステップ130では、単位時間当りのアクセル開度DLTAが10゜未満であるので、現在の急加速判定フラグXSLを判定し、急加速判定フラグXSLが”0”の場合はステップ160に進み、一方、急加速判定フラグXSLが”1”の場合はステップ140に進む。
【0030】
ステップ140では、アクセル開度TAを判定し、アクセル開度TAが5゜以上であればステップ300(ノーマルモード)へ進み、アクセル開度TAが5゜未満であればステップ150に進み、急加速判定フラグXSLをクリアする。
続くステップ160で走行モード判定をする。ここで、▲1▼パワーモードが選択されていた場合は、ステップ290に進み、▲2▼ノーマルモードが選択されていた場合は、前記ステップ300に進み、▲3▼エコノモードが選択されていた場合は、ステップ170に進む。
【0031】
▲1▼前記パワーモードとは、アクセル開度TAが僅かに上昇した場合でも、スロットル弁7を大きく開いて、エンジン出力を迅速に増加させるモードである。従って、パワーモードが選択されていた場合は、ステップ290にて、図6に示すマップ2よりスロットル開度θtを求める。このマップ2は、エンジン1のトルクの立ち上がる回転数部分のスロットル開度特性を急峻にしパワー感を向上させたものである。
【0032】
▲2▼前記ノーマルモードとは、アクセル開度TAに比例してスロットル弁7を開く通常の運転のモードである。従って、ノーマルモードが選択されていた場合は、ステップ300にて、図5に示すマップ1よりスロットル開度θtを求める。このマップ1は、アクセルを開けた分だけスロットル弁7を開く様に、リニアな特性に設定されている。
【0033】
そして、前記ステップ290又はステップ300を経た後に、共にステップ310でスロットル開度θtの値を、実際にスロットル7を制御する値である制御スロットル開度θcへ入れ、後述するステップ350に進む。
▲3▼前記エコノモードとは、アクセル開度TAが大きく上昇した場合でも、スロットル弁7を大きく開かず、エンジン出力を迅速には増加させないことにより、燃費を向上させるモードである。従って、エコノモードが選択されていた場合はステップ170にて、現在のスロットル開度θ0、エンジン回転数Ne、トランスミッション入力軸回転数Ntを読み込む。
【0034】
続くステップ180では、エンジン回転数NeからT/M入力軸回転数Ntを減算して、トルクコンバータ3のすべり量Nsを算出する。
続くステップ190では、すべり量Nsが燃費に悪影響を与える値(判定値A=第1判定値)以上か否かを判定し、ここで肯定判断されるとステップ200に進み、一方否定判断されるとステップ320に進む。
【0035】
ステップ320では、すべり量Ns<判定値Aであり、すべり量Nsが燃費に悪影響を与えないと判断されるので、前記ステップ300と同様にスロットル開度θtをマップ1より算出する。即ち、以降ステップ330〜350の処理は、すべり量Nsが小さいので、すべり量Nsに関する制御を行わない場合の処理である。
【0036】
続くステップ330で、このマップ1より求めたスロットル開度θtと現在のスロットル開度θ0の差を求め、その差の値(θt−θ0)が許容範囲外か以内かを、判定値B以上か否かによって判定する。つまり、差の値(θt−θ0)が、次の処理でスロットル開度θtを制御スロットル開度θcとして反映させたときに、好ましくない状態(すべり量Ns≧判定値A)となる値であるか否かを判定する。
【0037】
ここで、差の値(θt−θ0)が小さく許容範囲内であると判断されると、上述したステップ310に進み、スロットル開度θtをそのまま制御スロットル開度θcとし、一方、差の値(θt−θ0)が大きく許容範囲外であると判断されるとステップ340に進む。
【0038】
ステップ340では、前記差の値(θt−θ0)が判定値B以上で許容範囲外であるので、なまし処理を行なう。即ち、現在のスロットル開度θ0にマップ1から求めたスロットル開度θtを加算し、この加算値を2で割った値を制御スロットル開度θcとするなまし処理を行なう。その後、ステップ350で、A/Tフルード劣化検出用カウンタCOLをクリアし、ステップ250に進む。
【0039】
一方、前記ステップ190で、すべり量Ns≧判定値Aだった場合には、以降のステップ200〜250にて、本実施例の要部であるすべり量Nsに基づいた制御を行なう。
まず、ステップ200で、A/Tフルード劣化検出用カウンタCOLをインクリメントし、続くステップ210で、A/Tフルード劣化検出用カウンタCOLが、所定の回数(判定値C=第2判定値)を上回るか否かを判定する。つまり、このA/Tフルード劣化検出用カウンタCOLとは、今回までにこのルーチンを通った回数(=すべり量Nsが判定値A以上であると判定された回数)を計数するカウンタであるので、このカウンタの値を調べることによって、すべり量Nsが頻繁に大きな値をとるか否か、即ちA/Tフルードが劣化しているが否かが分かるのである。
【0040】
ここで肯定判断されると、A/Tフルードが劣化したと判断して、ステップ220で警告ランプ8を点灯させる。
続くステップ230で、図7に示すマップ3より、スロットル補正量θHを求める。このマップ3は、すべり量Nsをスロットル補正量θHへ変換するマップである。
【0041】
続くステップ240では、現在のスロットル開度θ0からスロットル補正量θHを引いた値(θ0−θH)を制御スロットル開度θcとする。
続くステップ250では、上述の様にして設定した制御スロットル開度θcに従い、スロットル弁7を駆動し、一旦本処理を終了する。
【0042】
この様に、本実施例では、エンジン回転数センサ11によってエンジン回転数Neを検出するとともにT/M入力軸回転数センサ13によってT/M入力軸回転数Ntを検出し、この両回転数の差(Ne−Nt)をすべり量Nsとして求め、このすべり量Nsが判定値A以上か否かを判定し、この判定結果に基づいてスロットル弁7の開度を制御している。
【0043】
つまり、すべり量Nsが大きい場合は、マップ1に従って求めた値に応じて大きめの制御スロットル開度θcを設定し、逆にすべり量Nsが小さい場合は、マップ2に従って求めたスロットル補正量θHに応じて小さめの制御スロットル開度θcを設定しているので、すべり量Nsに応じた適切な制御スロットル開度θcを設定して、適切にエンジン出力を制御できるという顕著な効果を奏する。それによって、すべり量Ns自身を低減して、A/Tを備えた車両において、特に発進時及び加速時での、運転者のアクセルの踏み過ぎによる燃費の悪化を十分に防止できる。また、本実施例では、スロットル弁7を制御することによって、直接に吸入空気量を調節するので、低燃費化を実現できる。
【0044】
特に、本実施例では、エコノモードの時に、すべり量Nsが判定値A以上の場合には、アクセル開度TAにかかわらず、すべり量Nsに基づいて制御スロットル開度θcを設定しているので、即ち、いくらアクセルペダルを踏み込んでも、すべり量Nsが増大しない様に制御しているので、積極的に低燃費化を行なうことができる。一方、パワーモードの時には、この様なすべり量Nsの制御を行わないので、パワーモード本来の目的であるパワーの増大が感じられることになる。
【0045】
また、本実施例では、エンジン回転数NeとT/M入力軸回転数Ntとを使用するので、トルクコンバータ3のすべりによる応答遅れの影響がなく、精密な制御を行なうことができる。更に、短い工程を経てエンジン1へフィードバックしているので、トルクダウンしたいときにトルクを落とすことができ、この点でも応答性に優れている。
【0046】
その上、本実施例では、検出したスベリ量Nsが判定値A以上となる回数をカウントし、この計数した値が判定値Cを上回る場合は、一定以上のすべりが頻繁に発生し、よって、A/Tフルードが劣化していると判断しているので、A/Tフルードの劣化を容易に検出することができる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同一な部分の説明は簡略化し異なる点のみ詳細に説明する。
【0047】
本実施例のトルクコンバータのすべり量制御装置は、前記実施例1とは、すべり量を求める際に使用する回転数の種類に違いがある。
図8に示す様に、本実施例では、ECU31には、アクセル開度センサ32,スロットル開度センサ33,スロットル弁34,警報ランプ35以外に、トルクコンバータ3の入力軸側の回転数を検出する入力回転数センサ36及びトルクコンバータ3の出力軸側の回転数を検出する出力回転数センサ37が接続されている。
【0048】
従って、この入力回転数センサ36によって検出したトルクコンバータ3の入力軸側の回転数Ninと、出力回転数センサ37によって検出したトルクコンバータ3の出力軸側の回転数Noutとの差を求め、この差をすべり量Nsとして使用して、前記実施例1と同様に、スロットル弁34の制御を行なう。
【0049】
本実施例によっても前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、直接にすべり量Nsを求めるので、その分応答性が一層向上するという利点がある。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0050】
例えば、前記実施例では、スロットル弁を用いた方法で、すべり量の制御を説明したが、それ以外に、燃料噴射や点火時期でトルクの発生量を制御しても、同様な効果を得ることが出来る。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明では、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差をすべり量として求め、この差に応じてエンジンの出力を制御するので、すべり量を好適に調節でき、よってエネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減することができる。また、すべり量の検出のための構成が簡易化されしかも検出にかかる時間が少ないので応答性も向上する。
更に本発明では、パワーモードの場合には、前記のすべり量に応じた制御を禁止するので、パワーモード本来の目的であるパワーの増大感を得ることができる。
請求項2の発明では、エンジンの回転数とトランスミッションの入力軸回転数との差をすべり量として求め、この差に応じてエンジンの出力を制御するので、すべり量を好適に調節でき、よってエネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減することができる。また、すべり量の検出のための構成が簡易化されしかも検出にかかる時間が少ないので応答性も向上する。
更に本発明では、エコノモードを実行している場合には、前記のすべり量に応じた制御を許可するので、より積極的に燃費の向上を実現できる。
【0052】
請求項の発明では、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差をすべり量として直接に求め、この差に応じて、エンジンの出力を制御するので、前記請求項1と同様に、すべり量を好適に調節でき、エネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減できる。また、すべり量の検出の精度が高いので精密な制御ができ、しかも検出にかかる時間が少ないので応答性も向上する。
更に本発明では、パワーモードの場合には、前記のすべり量に応じた制御を禁止するので、パワーモード本来の目的であるパワーの増大感を得ることができる。
請求項4の発明では、トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差をすべり量として直接に求め、この差に応じて、エンジンの出力を制御するので、前記請求項1と同様に、すべり量を好適に調節でき、エネルギー伝達ロスを低減して、燃費を低減できる。また、すべり量の検出の精度が高いので精密な制御ができ、しかも検出にかかる時間が少ないので応答性も向上する。
更に本発明では、エコノモードを実行している場合には、前記のすべり量に応じた制御を許可するので、より積極的に燃費の向上を実現できる。
【0054】
請求項5の発明では、回転数の差の値に相当するすべり量が頻繁に第1判定値を超える様な場合とは、フルードが劣化していると見なされるので、この様な判定によってフルードの劣化の検出を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的構成を例示し、(a)は請求項1の発明の基本的構成の一例を示す構成図であり、(b)は請求項の発明の基本的構成の一例を示す構成図である。
【図2】実施例1のエンジン及びその周辺を示す装置の説明図である。
【図3】実施例1の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】スロットル弁の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】スロットル開度とアクセル開度との関係を示すマップである。
【図6】他スロットル開度とアクセル開度との関係を示すマップである。
【図7】スロットル開度とすべり量との関係を示すマップである。
【図8】実施例2の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン 3…トルクコンバータ
5…トランスミッション(T/M) 7,34…スロットル弁
9,31…電子制御装置(ECU) 11…エンジン回転数センサ
13…T/M入力軸回転数センサ 36…入力回転数センサ
37…出力回転数センサ

Claims (5)

  1. エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、
    該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、
    を備えた自動変速機において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記トランスミッションの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
    前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、
    該回転数差検出手段によって求められた前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、
    を備え
    アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を禁止することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置。
  2. エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、
    該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、
    を備えた自動変速機において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記トランスミッションの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
    前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、
    該回転数差検出手段によって求められた前記エンジンの回転数と前記トランスミッションの入力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、
    を備え、
    アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を許可することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置。
  3. エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、
    該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、
    を備えた自動変速機において、
    前記トルクコンバータの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
    前記トルクコンバータの出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、
    前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、
    該回転数差検出手段によって求められた前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、
    を備え
    アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を大きく設定したパワーモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を禁止することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置。
  4. エンジンの出力軸側に接続されたトルクコンバータと、
    該トルクコンバータの出力軸側に接続されたトランスミッションと、
    を備えた自動変速機において、
    前記トルクコンバータの入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、
    前記トルクコンバータの出力軸回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、
    前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差を、すべり量として求める回転数差算出手段と、
    該回転数差検出手段によって求められた前記トルクコンバータの入力軸回転数と出力軸回転数との差に応じて、前記エンジンの出力を制御する出力制御手段と、
    を備え、
    アクセルの増加変化に応じたスロットル開度の増加変化を小さく設定したエコノモードを実行している場合には、前記出力制御手段による制御を許可することを特徴とするトルクコンバータのすべり量制御装置。
  5. 前記回転数差検出手段によって求められたすべり量としての差の値が、第1判定値を上回るか否か判定する第1判定手段と、
    該第1判定手段によって肯定判断された回数を計数する計数手段と、
    該計数手段によって計数された回数が、第2判定値を上回るか否かを判定する第2判定手段と、
    該第2判定手段によって肯定判断された場合には、前記トルクコンバータ内の動力伝達用フルードが劣化したと判断する劣化判定手段と、
    を備えたことを特徴とする前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトルクコンバータのすべり量制御装置。
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