JP2004324584A - 車両の制御装置 - Google Patents

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JP2004324584A JP2003122333A JP2003122333A JP2004324584A JP 2004324584 A JP2004324584 A JP 2004324584A JP 2003122333 A JP2003122333 A JP 2003122333A JP 2003122333 A JP2003122333 A JP 2003122333A JP 2004324584 A JP2004324584 A JP 2004324584A
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Hirobumi Kubota
博文 久保田
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Abstract

【課題】どのような運転状態であっても、エンジン側が車輪側に対して被駆動状態から駆動状態に変化するときにショックを低減することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン10側が駆動輪50側に対して被駆動状態から駆動状態に変化するときに、ショックを発生することなくディファレンシャルギヤ40に存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクが演算され(ステップS108)、この演算結果と運転者の要求トルクとが比較され、小さい方の値が目標エンジントルクとして設定される(S114)。そして、この目標エンジントルクに応じて目標スロットルバルブ開度が設定され(ステップS120)、この目標スロットルバルブ開度と実スロットルバルブ開度とが一致するように電子制御式スロットルバルブ20が駆動される(ステップS122)。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制御装置に関し、特に駆動状態が切り替わる際に発生するショックを低減する車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
下記特許文献1には、フューエルカット状態からの復帰時に点火時期の遅角を行いエンジン回転数の回転上昇を抑えることにより、フューエルカット復帰時のトルクショックを防止する技術が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−203367号公報(第3−7頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フューエルカット復帰時にトルクショックを防止するための点火時期の遅角量、即ちトルクダウン量は、シフトポジションや車速等の条件によって異なる。そのため、このような条件の異なる運転状態全てに対して最適なトルクダウン制御を行うためには膨大な量の制御マップが必要であり、また、制御データの合わせ込み等も必要となる。このため、フューエルカット復帰時等において、車輪から入力されたトルクによりエンジンが駆動される被駆動状態から、エンジンから出力されたトルクにより車輪が駆動される駆動状態に変化するときに、条件の異なる様々な運転状態においてショックを防止することは困難である。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、どのような運転状態であっても、エンジン側が車輪側に対して被駆動状態から駆動状態に変化するときにショックを低減することができる車両の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両の制御装置は、エンジンと、エンジンと車輪との間でトルクを伝達する駆動部とを備えた車両の制御装置において、駆動部を介して車輪から入力されたトルクによりエンジンが駆動される被駆動状態から、エンジンから出力されたトルクにより車輪が駆動される駆動状態に変化するときに、ショックを発生させることなく駆動部に存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算するトルク演算手段と、トルク演算手段により演算された要求トルクに基づいてエンジンの出力トルクを制御するエンジントルク制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る車両の制御装置によれば、ショックを発生させることなくバックラッシュを詰めるために要求されるトルクが演算により求められる。従って、エンジンの出力トルクを決定する場合、様々な運転状態に対応するために膨大な量の制御マップ等を用いる必要がない。よって、駆動状態が切り替わる際の運転状態に拘らずショックを低減することができる。
【0008】
また、本発明に係る車両の制御装置は、バックラッシュを詰めるために必要とされる時間を演算し、その演算結果に応じて制御時間を決定する制御時間決定手段をさらに備え、エンジントルク制御手段が、制御時間が経過するまで、要求トルクに基づいてエンジンの出力トルクを制御することが好適である。
【0009】
この場合、バックラッシュを詰めるために必要とされる時間に応じてトルク制御が実行される制御時間が決定されるので、加速性能の悪化を伴わずにショックを減少させることができる。また、制御時間が演算により求められるので、マップを用いる必要が無い。
【0010】
また、本発明に係る車両の制御装置では、上記被駆動状態から上記駆動状態に変化するときに、トルク演算手段が、エンジン、駆動部、車輪の運動量及びエネルギーが保存され、且つ駆動部を構成するギヤが完全塑性衝突を起すとういう条件を用いて要求トルクを演算することが好適である。
【0011】
このような条件を満足する場合には、衝突時に駆動部のギヤ同士が反発することがなく、ギヤが衝突後に一体となって回転させられる。よって、被駆動状態から駆動状態に変化するときにショックを低減することができる。
【0012】
また、本発明に係る車両の制御装置では、上記駆動部がディファレンシャルギヤを有し、トルク演算手段がこのディファレンシャルギヤに存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算することが好ましい。
【0013】
車両の駆動部のバックラッシュは、主として、ディファレンシャルギヤに存在するため、ディファレンシャルギヤにおけるバックラッシュをショック無く詰めることにより駆動状態切り替わり時のショックを低減することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る車両の制御装置は、アクセルペダル開度の変化量に基づいて運転状態係数を算出する運転状態係数算出手段をさらに備え、トルク演算手段が、要求トルクを運転状態係数で補正し、制御時間決定手段が、制御時間を運転状態係数で補正し、エンジントルク制御手段が、補正後の制御時間が経過するまで、補正後の要求トルクに基づいてエンジンの出力トルクを制御することが好適である。
【0015】
このようにすれば、アクセルペダル開度の変化量に表れる運転者の運転状態に対応して要求トルク及び制御時間が補正される。そのため、例えば、運転者が頻繁にアクセルペダルを開閉し、車両の加減速を繰り返すような運転を行っている場合には、レスポンス良くエンジントルクを上昇させることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
まず、図1を用いて、本実施形態に係る車両の制御装置の全体構成について説明する。本実施形態で対象とする車両は、エンジン10と、エンジン10からの出力トルクを変換して出力するトランスミッション30と、車両の旋回時に左右駆動輪の回転速度を変えるとともに両輪に均等な駆動力を伝達するディファレンシャルギヤ40と、ディファレンシャルギヤ40から出力された駆動力を駆動輪(車輪)50に伝達するドライブシャフト52とを備えている。また、車両の運転状態に基づいてエンジン10の出力を総合的に制御する電子制御装置(以下、ECUという)60を備えている。
【0018】
エンジン10は、吸入空気量に応じて出力トルクが調節されるガソリンエンジンが用いられる。このエンジン10は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射式のものであるが、エンジン10の各気筒内に直接燃料を噴射する直接噴射式のものでも良い。また、エンジン10としては、燃料量により出力トルクを制御することができるディーゼルエンジン等を用いることもできる。さらに、エンジン10には、電子制御式スロットルバルブ(DBW)20が配設されている。この電子制御式スロットルバルブ20のバルブ開度がECU60により調節されることによってエンジン10に吸入される空気量が調節される。
【0019】
トランスミッション30は、油圧機構により自動変速可能に構成された有段自動変速機である。なお、トランスミッション30としては、例えば、ベルト式の無段変速機や手動変速機等を用いることもできる。
【0020】
ここで、エンジン作動時には、エンジン10から出力されたトルクが、トランスミッション30、ディファレンシャルギヤ40及びドライブシャフト52を介して駆動輪50に伝達され、駆動輪50が駆動される。なお、本明細書では、このような状態を駆動状態という。
【0021】
一方、フューエルカット時等のエンジン非作動時には、駆動輪50から入力されたトルクがドライブシャフト52、ディファレンシャルギヤ40及びトランスミッション30を介してエンジン10に伝達され、エンジン10が駆動される。なお、本明細書では、このような状態を被駆動状態という。
【0022】
このように、エンジン10の作動状態により、エンジン10から出力されたトルクにより駆動輪50が駆動される駆動状態と駆動輪50から入力されたトルクによりエンジン10が駆動される被駆動状態とが切り替えられる。
【0023】
エンジン10が、駆動輪50によって駆動されている被駆動状態から駆動輪50を駆動している駆動状態へと変化する場合、ディファレンシャルギヤ40等に存在するバックラッシュによって、力の伝達が一時的に途切れ、その後、バックラッシュ部での運動で蓄えられたエネルギーが、駆動状態の変化の終了時に衝撃的に伝達され、車両前後振動(ショック)が生ずる。このようなバックラッシュに起因する車両前後振動を抑制するために、被駆動状態と駆動状態の切り替わりの際に、バックラッシュを詰めるのに必要な小さいトルクを短時間だけ出力し、これによりバックラッシュを詰め、ガタのない状態とした後に、アクセルペダルの操作量に基づいて定められる運転者の要求トルクを出力するように、エンジン出力が調節される。
【0024】
ここで、バックラッシュとは、ギヤ部やスプライン部の歯面をスムーズに噛み合わせるための隙間である。なお、車両の駆動部のバックラッシュは、主としてディファレンシャルギヤ40に存在する。また、バックラッシュを詰めるとは、例えば、エンジン10側が駆動輪50側に対して、被駆動状態から駆動状態に入れ替わる際にバックラッシュによるギヤ部やスプライン部の歯面の隙間を駆動伝達方向に徐々に狭めて接触させることにより歯面の衝撃的衝突を回避することを意味する。
【0025】
ECU60には、アクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサ62、車輪速を検出する車輪速センサ64などが接続されている。また、ECU60は、電子制御式スロットルバルブ20を開閉する電動モータを駆動するモータドライバ回路、エンジン10に燃料を噴射するインジェクタを駆動するインジェクタドライバ回路及び点火信号を出力する出力回路等を備えている。
【0026】
ECU60は、その内部に、演算を行うマイクロプロセッサ、このマイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムを記憶するROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM及び図示しない12Vバッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM等を有している。
【0027】
そして、これらによって、ECU60の内部には、被駆動状態から駆動状態に変化するときに、ショックを発生させること無くバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算するトルク演算部60a、演算された要求トルクに基づいてエンジン出力を調節するエンジントルク制御部60b、バックラッシュを詰めるためのエンジントルク制御を行う制御時間を決定する制御時間決定部60c及びアクセルペダル開度の変化量に基づいて運転状態係数を算出する運転状態係数算出部60d等が構築されている。即ち、ECU60は、トルク演算手段、エンジントルク制御手段、制御時間決定手段及び運転状態係数算出手段として機能する。
【0028】
次に、図2を参照して車両の制御装置の動作について説明する。ここで、図2は、車両の制御装置によるエンジントルク制御を示すフローチャートである。このエンジントルク制御は、例えば、エンジン10の各気筒に対する点火時期算出処理に同期して実行される。
【0029】
ステップS100では、駆動輪50から入力されディファレンシャルギヤ40等を介してエンジン10に伝達されたトルクによりエンジン10が駆動されている被駆動状態から、エンジン10から出力されたトルクにより駆動輪50が駆動される駆動状態への移行が開始されたか否かについての判断が行われる。
【0030】
ここで、被駆動状態から駆動状態への移行が開始される場合としては、例えば、車両走行中にアクセルペダルが全閉にされフューエルカットが実行されている状態において、アクセルペダルが再び踏み込まれた場合等が挙げられる。
【0031】
さらに具体的に説明する。トランスミッション30のシフトポジションがドライブレンジ、即ちニュートラルレンジ及びパーキングレンジ以外のポジションにあり、且つ、エンジン回転数がトルクコンバータを構成するタービンライナーの回転数より高く、且つ、両者の回転数差が所定値αより大きい場合、駆動状態であると判定される。ここで、所定値αは、ノイズ等によるハンチング防止用のヒステリシスである。
【0032】
一方、シフトポジションがドライブレンジに位置され、且つ、エンジン回転数がタービンライナー回転数より低い場合、被駆動状態であると判定される。但し、被駆動状態から駆動状態へ移行するときには、エンジン回転数がタービンライナー回転数以上であっても、両者の回転数差が所定値α以下の場合には、被駆動状態であるとされる。
【0033】
そして、被駆動状態であること、アクセルペダル開度の今回読込み値が所定値βより大きいこと、及び、アクセルペダル開度の前回読込み値が0であることが全て満足された場合にのみ、被駆動状態から駆動状態への移行が開始されたと判断される。
【0034】
トランスミッション30に手動変速機を用いた場合には、シフトポジションがニュートラル以外の位置にあり、且つ、フューエルカットが実行されている場合に被駆動状態と判定される。なお、被駆動状態から駆動状態への移行開始判断は、上記の自動変速機の場合と同様である。
【0035】
ステップS100が肯定された場合にはステップS102に処理が移行する。一方、ステップS100が否定された場合、即ち、被駆動状態が継続している場合、被駆動状態から駆動状態へ移行中である場合、及び、駆動状態又は駆動状態から被起動状態へ移行中である場合には、ステップS106に処理が移行する。
【0036】
ステップS102では、制御時間の経過を判断するカウンタCが0にリセットされる。なお、このカウンタCは、所定時間ごとに繰り返して実行されるタイマー処理等において値が更新される。
【0037】
続くステップS104では、ディファレンシャルギヤ40に存在するバックラッシュを詰めるために必要とされる時間tが次式により演算される。
【0038】
【数1】
Figure 2004324584
【0039】
ここで、θは、バックラッシュ幅であり、設計値より既知の値である。また、ωaは、ディファレンシャルギヤ40より見てエンジン10側の角速度である。なお、ωaの算出方法の詳細については後述する。
【0040】
そして、この演算された時間tが制御時間t1として設定され、その後、ステップS108に処理が進む。
【0041】
一方、ステップS100が否定された場合には、ステップS106において、カウンタCの値が制御時間t2未満であるか否か、即ち制御時間t2未経過か否かについての判断が行われる。なお、制御時間t2は、制御時間t1を運転状態係数で補正したものであるが、詳細については後述する。
【0042】
ここで、カウンタCの値が制御時間t2未満の場合、即ち、制御時間t2未経過の場合には、ステップS108に処理が移行する。一方、カウンタCの値が制御時間t2以上の場合、即ち、既に制御時間t2が経過した場合にはステップS116に処理が移行する。
【0043】
ステップS104の処理後又はステップS106が肯定された場合には、ステップS108においてショック無くディファレンシャルギヤ40に存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクA1が算出される。次に、要求トルクA1の算出方法について説明する。
【0044】
まず、エンジン10から駆動輪50に至る駆動部において、ディファレンシャルギヤ40を構成するギヤの衝突前後で運動量及びエネルギーそれぞれが保存されるとすると、運動量保存則より次式(2)が得られ、エネルギー保存則より次式(3)が得られる。
【0045】
【数2】
Figure 2004324584
【0046】
【数3】
Figure 2004324584
【0047】
ここで、Iaはディファレンシャルギヤ40よりエンジン10側の慣性モーメント(但し、トランスミッション30のギヤ比等を考慮した等価慣性モーメント)を、Ibはディファレンシャルギヤ40より駆動輪50側の慣性モーメントを表わす。ωaは、衝突直前の被駆動状態における、ディファレンシャルギヤ40よりエンジン10側の角速度を、ωbは、駆動輪50側の角速度を表わす。また、ωa’は、衝突直後の駆動状態における、エンジン10側の角速度を、ωb’は、駆動輪50側の角速度をそれぞれ表わす。さらに、Cは、衝突時に熱や弾性波を引き起すエネルギーである。
【0048】
一方、衝突前後の角速度は、反発係数をeとすると次式で与えられる。
【0049】
【数4】
Figure 2004324584
【0050】
ここで、ギヤの衝突時にショックを発生させないためには、ギヤの衝突が完全塑性衝突となる必要がある。この条件を満足する場合、即ち衝突が完全塑性衝突となる場合の反発係数eは0であり、衝突時にギヤ同士が反発することなく、衝突後に駆動側及び被駆動側のギヤが一体となって運動する。従って、この条件を満足する場合(e=0の場合)、式(4)は、次のようになる。
【0051】
【数5】
Figure 2004324584
【0052】
ここで、式(5)を式(2)に代入することにより、次式が得られる。
【0053】
【数6】
Figure 2004324584
【0054】
さらに、式(6)を式(3)に代入することにより、次式が得られる。
【0055】
【数7】
Figure 2004324584
【0056】
ここで、Ia、Ib及びCは物性値であり、予め求められ、データとしてECU60のROMに記憶されている。また、ωbは、車輪速センサ64の出力値から求められる車速から算出される。従って、Ia、Ib、C及びωbの値を式(7)に代入することにより衝突直前のギヤの角速度ωaが求められる。即ち、この算出されたωaの角速度をもってギヤを衝突させることにより、完全塑性衝突となり、衝突時のショックが防止できる。
【0057】
さらに、衝突直前のギヤの角速度をωaとするために必要となるディファレンシャルギヤ40部におけるトルクTが次式により求められる。
【0058】
【数8】
Figure 2004324584
【0059】
そして、トルクTに対してトランスミッション30のギヤ比を考慮することにより、ショックを発生することなくディファレンシャルギヤ40に存在するバックラッシュを詰めるために要求されるエンジントルクA1が求められる。
【0060】
図2のフローチャートに戻り説明を続けると、続くステップ110では、上記要求トルクA1及び制御時間t1それぞれが運転状態係数により補正される。具体的には、要求トルクA1に運転状態補正係数が積算され補正後の要求トルクA2が求められ、制御時間t1が運転状態係数で除算されて補正後の制御時間t2が求められる。
【0061】
ここで、運転状態係数は、アクセルペダル開度の変化量に応じて求められる係数である。より具体的には、アクセルペダル開度の変化量の絶対値を所定時間(例えば、10秒)加算し、この加算値を予め定められている判定閾値と比較することにより運転状態係数が求められる。ここで、運転状態係数は通常運転時には1.0となり、頻繁にアクセルペダルを開閉し、加減速を繰り返すような荒い運転時には1.0より大きい値を取るように設定される。
【0062】
従って、単位時間当たりのアクセルペダルの変化量が大きいほど、補正後の要求トルクA2が大きくなり、補正後の制御時間t2が短縮される。これにより、運転者の運転状態に応じてレスポンス良くエンジントルクを上昇させることが可能となる。
【0063】
続くステップS112では、アクセルペダル開度に基づいて、運転者の要求トルクBが求められる。
【0064】
そして、ステップS114において、ステップS110で求められた補正後の要求トルクA2とステップS112で求められた運転者の要求トルクBが比較され、小さい方の値が目標エンジントルクとして設定される。これにより、運転者の要求する要求トルクBが、ショック無くバックラッシュを詰めるために必要とされる要求トルクA2より大きい場合であっても、目標エンジントルクが要求トルクA2を超えることは無いので、駆動状態が切り替わる際にショックを低減することができる。
【0065】
なお、上記ステップS106が否定された場合、即ち、既に制御時間t2が経過した場合にはステップS116において、アクセルペダル開度に基づいて、運転者の要求トルクBが求められる。そして、続くステップS118において、この運転者の要求トルクBが目標エンジントルクとして設定される。
【0066】
続くステップS120では、ステップS114又はS118において設定された目標エンジントルクに応じて電子制御式スロットルバルブ20の目標スロットルバルブ開度が決定される。ここで、ECU60のROMには、予め、目標エンジントルクとエンジン回転数と目標スロットルバルブ開度との関係を定めたマップ(目標スロットルバルブ開度マップ)が記憶されており、目標エンジントルク及びエンジン回転数に基づいて目標スロットルバルブ開度マップが検索されることにより目標スロットルバルブ開度が求められる。
【0067】
次に、ステップS122では、ステップS120で求められた目標スロットルバルブ開度と実スロットルバルブ開度とが一致するように電子制御式スロットルバルブ20を駆動する電動モータが制御される。このように電子制御式スロットルバルブ20が駆動されることにより、エンジン10に吸入される吸入空気量が調節され、エンジン10から出力されるエンジントルクが調節される。
【0068】
このように、本実施形態によれば、エンジン10側が駆動輪50側に対して被駆動状態から駆動状態に変化するときに、ディファレンシャルギヤ40を構成するギヤ同士の衝突が完全塑性衝突となる条件を満足するような目標エンジントルクが演算により求められる。そして、バックラッシュを詰める間、この求められた目標エンジントルクを超えることが無いようにエンジン10の出力トルクが調節される。これにより、車両の運転状態に拘らずショック無くバックラッシュを詰めることが可能となる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では電子制御式スロットルバルブ20の開度を制御し、吸入空気量を調節することによりエンジントルクを調節したが、エンジン10の点火時期や燃料噴射量等を制御することによりエンジントルクを調節しても良い。
【0070】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、被駆動状態から駆動状態に変化するときにショックを発生させることなくバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算し、この演算結果に基づいてエンジンの出力トルクを制御する構成としたので、どのような運転状態であっても、エンジン側が車輪側に対して被駆動状態から駆動状態に変化するときにショックを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る車両の制御装置の全体構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る車両の制御装置によるエンジントルク制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン、20…電子制御式スロットルバルブ、30…トランスミッション、40…ディファレンシャルギヤ、50…駆動輪、60…ECU、60a…トルク演算部、60b…エンジントルク制御部、60c…制御時間決定部、60d…運転状態係数算出部、62…アクセルペダル開度センサ、64…車輪速センサ。

Claims (5)

  1. エンジンと、前記エンジンと車輪との間でトルクを伝達する駆動部とを備えた車両の制御装置において、
    前記駆動部を介して前記車輪から入力されたトルクにより前記エンジンが駆動される被駆動状態から、前記エンジンから出力されたトルクにより前記車輪が駆動される駆動状態に変化するときに、ショックを発生させることなく前記駆動部に存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算するトルク演算手段と、
    前記トルク演算手段により演算された前記要求トルクに基づいて前記エンジンの出力トルクを制御するエンジントルク制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記バックラッシュを詰めるために必要とされる時間を演算し、その演算結果に応じて制御時間を決定する制御時間決定手段をさらに備え、
    前記エンジントルク制御手段は、前記制御時間が経過するまで、前記要求トルクに基づいて前記エンジンの出力トルクを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記トルク演算手段は、前記被駆動状態から前記駆動状態に変化するときに、前記エンジン、前記駆動部、前記車輪の運動量及びエネルギーが保存され、且つ前記駆動部を構成するギヤが完全塑性衝突を起すとういう条件を用いて前記要求トルクを演算する
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記駆動部は、ディファレンシャルギヤを有し、
    前記トルク演算手段は前記ディファレンシャルギヤに存在するバックラッシュを詰めるために要求されるトルクを演算する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。
  5. アクセルペダル開度の変化量に基づいて運転状態係数を算出する運転状態係数算出手段をさらに備え、
    前記トルク演算手段は、前記要求トルクを前記運転状態係数で補正し、
    前記制御時間決定手段は、前記制御時間を前記運転状態係数で補正し、
    前記エンジントルク制御手段は、補正後の制御時間が経過するまで、補正後の要求トルクに基づいて前記エンジンの出力トルクを制御する
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013024091A (ja) * 2011-07-19 2013-02-04 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2013142307A (ja) * 2012-01-10 2013-07-22 Toyota Motor Corp 車両のトルク制御装置
JP2013144966A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Toyota Motor Corp 車両用制御装置
JP2015153704A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 日産自動車株式会社 燃料電池

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