JP2004052120A - スエード調人工皮革およびその製造方法 - Google Patents

スエード調人工皮革およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優美な表面品位を有し、高耐光堅牢性を有したポリエステル極細繊維を用いたスエード調人工皮革を提供する。
【解決手段】ポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体と、ポリウレタンからなる染色されたスエード調人工皮革において、該ポリウレタンが黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料の少なくとも1種ずつ含み、次の(1)〜(3)の特性を満足しているスエード調人工皮革。(1)850nmにおける赤外線反射率が60%以上、(2)光照射時の表面温度が105℃以下、(3)耐光堅牢度が3級以上、および、繊維絡合体にポリウレタンを含浸させるスエード調人工皮革の製造方法において、黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料を少なくとも1種ずつ添加したものを用いることを特徴とする耐光堅牢性に優れる人工皮革の製造方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐光堅牢性に優れ、かつ、良好な発色性と、外観品位を有するスエード調人工皮革と、そのような人工皮革を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル極細繊維からなる繊維絡合体にポリウレタンを含浸させた構造のスエード調の人工皮革は、その高級な外観、表面タッチ、発色性などにおいて優れていることから、高級衣料分野をはじめ、自動車内装材や家具用途など各種分野で用いられてきている。
【0003】
そして、これら人工皮革に対する感性や機能面からの要求は、ますます高度になっている。
【0004】
例えば、感性面で要求される特性としては、柔軟さの一層の向上、表面品位の一層の向上といったものが、また機能面で要求される特性としては、耐光性の一層の向上がある。
【0005】
このうちで、該耐光性の向上は、特に自動車内装材用途では最も重要な要求特性のひとつである。
【0006】
すなわち、屋外を走行する自動車の座席シート等の内装材に使用されたときには、走行中や駐車時などにおいて、主として日光などの光に長時間にわたりさらされることが通常なものであり、これが何年も繰り返されることにより、当初は美しかった発色が時を経るにつれて徐々に低下していくという現象がある。
【0007】
この発色の低下(変色および褪色)や、色落ちという現象は、当初の新車での状態が極めて色が深く美しい高級感に富んだものであるために、また、愛着のある自動車には5年、10年もしくはそれ以上にも及んで使用したいという要求もあるのであり、該発色の低下、色落ちが起こらないようにする改善が要求されるのである。
【0008】
すなわち、その人工皮革が持つ生産当初からの美しい発色を、たとえ長期間の過酷な実用に供されたとしても維持できるという、耐光堅牢性の向上が要求されるのである。
【0009】
ところで、通常、該ポリエステル極細繊維とポリウレタンからなるスエード調人工皮革は、ポリエステルの染色条件下で染色加工が行なわれ、着色されるものである。
【0010】
しかし、一般に、ポリエステルの染色に使用される分散染料においては、染色後におけるポリウレタンの染料保持力が弱く、染料がブリードアウトしやすく、人工皮革製品の染色堅牢性低下につながるという問題がある。
【0011】
このことを改善するために、染色後において、還元洗浄をすることによりポリウレタン中の染料を分解・脱色することなどが行われてきている。しかし、反面、この還元洗浄という処理により、今度はポリウレタンが白く目立ってしまうという問題がある。
【0012】
そして、一般に、このような人工皮革製品を、製品の色の濃さで分類すると、淡色の物、中色の物、濃色の物という3段階の分け方があるが、特に、中色のものおよび濃色のものでは、ポリウレタンが白っぽくなってしまう結果、色の深みが失われてしまい、表面品位が著しく低下してしまうこととなり、優美な高級感のある人工皮革を得ることができないものであった。
【0013】
このため、従来は、還元洗浄に十分耐えられて、かつ、ポリウレタンの白さを目立たなくするために、ポリウレタンにカーボンブラック粒子を添加するという方法が行われていた(日本国特公昭49−22682号公報)。
【0014】
あるいは、更に、ポリウレタンの白さを目立たなくするために、ポリウレタンに近赤外線を反射するペリレン系あるいはアゾメチンアゾ系等の黒色顔料を添加する方法が提案されている(日本国特開平5−321159号公報)。
【0015】
しかし、前者(日本国特公昭49−22682号公報)の方法では、ポリウレタンにカーボンブラック粒子が添加されている場合、光を照射するとそのカーボンブラックが赤外線を吸収し蓄熱をするため、人工皮革それ自体の表面温度が上がり、高温度になることにより、極細繊維中の染料の分解が促進され、その点で耐光堅牢性が著しく低下するという問題があった。
【0016】
また、後者(日本国特開平5−321159号公報)の方法では、近赤外線を反射するペリレン系あるいはアゾメチンアゾ系等の黒色顔料をポリウレタンに添加させて用いた場合、前記のカーボンブラックで引き起こされるような高温度になることはないにしても、本発明者らの各種検討によれば、これらの黒色顔料は、黒の発色レベル(漆黒の度合い)が非常に低く、顔料濃度を上げたとしても、深みのある黒色を得られないことと、更に加えて致命的なこととして、染色後に行われる還元洗浄により脱色や変色をしてしまい、最終製品として見たときには、ポリウレタンはほとんど着色していないか、もしくは、変色をしてしまい色目が異なってしまう等の問題点があった。この結果、色の深みがやはり失われてしまい、表面品位が著しく低下し、優美な高級感のある人工皮革を得ることができないものであった。
【0017】
以上のように、これまでポリエステル極細繊維の繊維絡合体にポリウレタンを含浸させた構造を持つ人工皮革では、耐光堅牢性と良好な発色性、外観品位を兼ね備えた人工皮革は存在していなかったし、また、知られてもいなかったのである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、上述したような点に鑑み、耐光堅牢性と良好な発色性、外観品位を兼ね備えたポリエステル極細繊維使いのスエード調人工皮革を提供することにある。
【0019】
また、本発明の第二の目的は、そのような特徴を有しているポリエステル極細繊維使いのスエード調人工皮革を製造する方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記第一の目的を達成する本発明のスエード調人工皮革は、以下の構成を有するものである。
【0021】
すなわち、主として繊維太さが0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体と、ポリウレタンからなる染色されたスエード調人工皮革において、該ポリウレタンが黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ含み、かつ、該人工皮革が明細書中に記載の方法で測定した次の(1)〜(3)の特性を全て満足していることを特徴とするスエード調人工皮革である。
【0022】
(1) 850nmにおける赤外線反射率が60%以上、
(2) 光照射時の表面温度が105℃以下、
(3) 耐光堅牢度が3級以上、
また、上記第二の目的を達成する本発明のスエード調人工皮革の製造方法は、以下の構成を有するものである。
【0023】
すなわち、主として繊維太さが0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体にポリウレタンを含浸させるスエード調人工皮革の製造方法において、用いるポリウレタン液として、その湿式膜が明細書中に記載の方法で評価したときに、以下の(4)〜(6)の特性を満足するように黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ添加したものを用いることを特徴とする耐光堅牢性に優れるスエード調人工皮革の製造方法である。
【0024】
(4) 850nmにおける赤外線反射率が60%以上、
(5) 還元洗浄脱落率が20%以下、
(6) 彩度が10以下、
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスエード調人工皮革とその製造方法について説明をする。
【0026】
本発明のスエード調人工皮革は、主として平均繊度0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体とポリウレタンとで構成されるものであって、該繊維絡合体にポリウレタンが含浸されて形成されているものである。
【0027】
該ポリエステル極細繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートまたはこれらの共重合体類、ポリブチレンテレフタレートまたはこれらの共重合体類、あるいはポリプロピレンテレフタレートまたはこれらの共重合体類が好ましく用いられる。
【0028】
本発明に用いられる極細繊維は、直接紡糸法により、あるいは複数成分からなる極細繊維発生型繊維を割繊する、あるいは、複数成分からなる極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分を溶解除去する方法等により得られるものである。ポリウレタンの含浸自体は、前記した割繊あるいは1成分溶解除去の前もしくは/および後のいずれでもよい。
【0029】
本発明に用いる極細繊維の単繊維繊度は、繊度0.7d tex以下であるが、表面の平滑性や柔軟な風合いを出すためには0.5dtex以下であることが好ましい。さらには緻密性、発色性の点から0.01dtex以上0.3dtex以下の範囲が好ましい。
【0030】
極細繊維発生型繊維から少なくとも1成分を除去して極細繊維を発生させる場合、除去されるポリマー成分は、極細繊維に実質的な損傷を与えずに化学的もしくは物理的に除去できる組み合わせであればよく、特に特定のポリマーに限定されるものではないが、極細繊維のポリマーと溶剤溶解性、または分解性を異にするポリマーであることが好ましい。具体例としては、ポリオレフィン、ポリスチレンおよびその共重合体類、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アルカリ可溶型共重合ポリエステル類などが好ましい。
【0031】
かかる繊維の形態としては、通常の円形断面の他に、中空断面、三角型やY型扇形状などの異形断面や、芯鞘型の複合構造繊維などを用いることができる。これらの中から、極細繊維としての断面形成性、紡糸性、延伸性などを考慮して組み合わせればよい。
【0032】
本発明において、繊維絡合体を形成するに当たっては、スパンボンド法のごとく長繊維ウエッブを形成するか、あるいは、短繊維を用いてカードクロスラッパーもしくはランダムウエッバーなどを用いるなどの常法によりウェブを形成した後、ニードルパンチあるいはウォータジェットパンチ、もしくはこれを組み合わせてパンチングを行なうことにより絡合シートを形成することができる。
【0033】
この絡合シートをより高強度化するために、繊維絡合体が極細繊維を含む不織布と織物、もしくは編物とが一体化した構造とすることが好ましい。かかる構造体は、上記ウェブ中の繊維と織物もしくは編物との絡合一体化によって得ることができる。極細繊維発生可能型繊維を使用する場合、その後、溶剤、熱処理、あるいは機械的処理により極細化する。
【0034】
なお、この際、ウェブの両面もしくは片面に織物を積層し絡合処理する方法や、さらに該繊維絡合体を複数重ねて再度絡合処理し、後工程で、厚み方向に直角にスライスして1/2厚さのものを2枚取りとする方法など、目的に応じ使用可能である。
【0035】
次いで、本発明においては、これらの極細繊維を含む繊維絡合体にポリウレタンを付与するが、以下、該ポリウレタン樹脂について詳述する。
【0036】
本発明に用いられるポリウレタンとしては、基本的にはいずれのものも使用可能であるが、加工性および製品品位などの観点から、ソフトセグメントとして平均分子量500〜3000のポリカーボネートジオール系、ポリエステルジオール系、あるいはポリエーテルジオール系のものを単独もしくは組み合わせて用いたものであることが好ましい。
【0037】
特に、耐久性の観点から、全ポリマージオール中、ポリカーボネートジオールが30重量%以上含有されたものを用いて形成されたポリウレタンエラストマーを用いるのがさらに好ましい。ポリマージオール中のポリカーボネートジオールの割合が30重量%未満であると、耐久性が不十分になる場合があり用途によっては好ましくない。なお、ここでいうポリカーボネートジオールとは、ジオール骨格がカーボネート結合を介して連結されて高分子鎖を形成し、その両末端に水酸基を有するものである。該ジオール骨格は、原料として用いるグリコールにより決定されるが、その種類は、特に制限されることはなく、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、あるいはこれらの混合物などを用いることができる。
【0038】
次いで、これらポリウレタンを溶媒中で溶解あるいは分散させ、繊維絡合体に含浸するポリウレタンの液を作成する。ポリウレタン液は溶剤系、エマルジョン系などいずれでも構わない。
【0039】
本発明は、このポリウレタン中に、以下のごとき特性を有する黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを、少なくとも1種ずつ添加し、溶剤系ではDMFなど、エマルジョン系では水などを溶媒として添加し攪拌・混合して、ポリウレタン液を作成するものである。
【0040】
このときに、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、制電剤、難燃剤、柔軟剤、凝固調整剤、あるいは着色剤などの添加剤を配合してもよい。
【0041】
ポリウレタンに添加する顔料としては、還元洗浄時に分解や脱色することがなく、かつ、光照射時の蓄熱を少なくし耐光堅牢性を向上させるため赤外線を反射するものであることが好ましいものである。
【0042】
具体的には、赤外線反射能を有する黄色系の顔料、赤色系の顔料、青色系の顔料のそれぞれ多数ある中から、目的に合ったそれぞれの顔料を選定して用いるのが好ましい。
【0043】
本発明における黄色系、赤色系、青色系とは以下のことを言う。
【0044】
使用するポリウレタンと各色相(黄色、赤色、もしくは青色)の顔料を用いて作成したポリウレタン膜が以下の数値を示すことをいう。ポリウレタン膜の作成方法は、以下に示す顔料の還元洗浄脱落率の測定方法と同様にして行う。
【0045】
測定機として、MINOLTA SPECTROPHTOMETER CM−3700dまたはこれと同等の機能を有する装置を用いる。光源はハロゲンランプを用い、D65光源を測定光源とする。視野角は10度、基準となる白板には酸化マグネシウム、測定径は25.4mm、正反射光処理はSCE、これらの条件に基づきCIE(国際照明委員会)規定のL表色系におけるh(色相角)ならびにC(彩度)を求める。
【0046】
本発明において、黄色系とはhの値が45以上135未満で、かつ、Cの値が10以上、青色系とはhの値が155以上310未満で、かつ、Cの値が10以上、、赤系とはhの値が0以上45未満または315以上360未満で、かつ、Cの値が10以上をそれぞれ示すものをいうものである。
【0047】
この顔料の選定および顔料の混合割合としては、以下に詳述するごとく、それらの顔料を添加したポリウレタン液の湿式膜が、後述する試験方法によって各試験を行ったときに、還元洗浄脱落率20%以下で、かつ、850nmにおける赤外線反射率60%以上、彩度が10以下という3特性を同時に満足するように顔料の選定と混合を行なうのである。
【0048】
本発明にかかるスエード調人工皮革は、その表面が赤外線を反射することによって光照射時の蓄熱による温度上昇が抑制され、耐光劣化が防止されると同時に、還元洗浄によっても顔料の変色がなく優美な色調を得られるものである。
【0049】
本発明にかかるスエード調人工皮革は、後述する方法で測定した該人工皮革表面の850nmにおける赤外線反射率が60%以上のものである。該値が、60%未満の場合には光照射時の蓄熱防止効果が小さく、表面温度が上昇し本発明の所期の効果を得ることができない。
【0050】
また、本発明にかかる人工皮革は、光照射時の表面温度が105℃以下を示すものであり、該光照射時の表面温度が105℃よりも高い場合には、高い耐光堅牢性を有することができず、概して耐光堅牢度が3級に満たないために、本発明の所期の効果を得ることができない。
【0051】
より好ましく構成された本発明のスエード調人工皮革は、上記光照射時の表面温度が100℃以下、更に好ましくは95℃以下、最も好ましくは90℃以下を示すものであり、より優れた高度の耐光堅牢性を有することができるものである。
【0052】
このような還元洗浄脱落率を有するポリウレタンからなり、かつ、上述の赤外線反射能を有する本発明の人工皮革は、ポリウレタンに添加する顔料を上述した特定の特性を満足する特定の処方として用いることによって製造することができるのである。
【0053】
具体的には、顔料の選定、顔料相互の組合せ、顔料の添加濃度などにより、上述の(1)〜(6)の諸特性を満足するようにすることができる。
【0054】
上記特性値を示す上で好適な顔料としては、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、アゾ系、ポリアゾ系、縮合アゾ系、イミダゾロン系、フタロシアニン系、イソインドリン系、インジゴ系、チオインジゴ系、アゾメチン系、アゾメチンアゾ系、ジオキサジン系、インダントロン系、フラバントロン系、ピラントロン系などの化合物などがそれぞれ挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0055】
但し、本発明者らの各種知見によれば、これらのうちでも赤系顔料ではジケトピロロピロール系のものが好ましく、また、青系顔料ではフタロシアニン系のものが好ましく、また、黄色系顔料ではアゾ系のものが、それぞれ特に好適に用いられるものである。
【0056】
なお、上記した顔料を含んだポリウレタン液の特性値(4)〜(6)は、ポリウレタン液に使用される顔料の全種を混合した全顔料を含んだポリウレタン全体としてのものであり、単独種類では上記特性値を有しない顔料であっても混合後の値が該値を示す範囲の量であればよいものであって、混合して用いることに意義があるものである。
【0057】
このように顔料を混合して用いることにより、顔料を単独で用いる場合よりも、色相に深みがあり外観品位の優れた人工皮革が製造できる。
【0058】
上記顔料を混合するに際し、混合する比率は、含浸するポリウレタン液の湿式膜の彩度が10以下となるような比率で混合するものであるが、該ポリウレタン液の湿式膜の彩度が10以下であるとは、該顔料が混合されたポリウレタンが、黒色やグレーなどの無彩色に、より近い色相を有するものであることを表している。すなわち、該ポリウレタン液の湿式膜の彩度が10以下であるということは、より黒っぽいということである。
【0059】
このような彩度になるように、黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ用いて混合することにより、ポリウレタンが落ち着いた色相となり、人工皮革の色相に深みが増し高級感のある外観が得られるものである。
【0060】
本発明に従って、黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ用いて混合させるに際しては、本発明者らの各種知見によれば、一律的に言うことは難しく、また特に限定されるものでもないが、黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを、混合比率(重量比)で言うと、黄色系顔料:赤色系顔料:青色系顔料=1〜3:1〜3:1〜3程度の範囲で混合することが良い。
【0061】
すなわち、ほぼ均等の比率程度で混合することで良く、一部の顔料が多めのような場合でも、他のものの2〜3倍程度付近までとするのがよいものである。混合作業自体は、顔料メーカーにおいて行われてもよく、あるいは、人工皮革の製造メーカーで行われてもよい。
【0062】
顔料の総添加量は、顔料固形分の総重量が、ポリウレタン固形分重量に対して0.03〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは0.05〜15重量%の範囲である。0.03重量%未満ではポリウレタンの着色効果が小さくなり好ましくなく、また、30重量%を越えると製品の物性に影響を及ぼすので好ましくない場合がある。
【0063】
本発明では、このように所定の顔料が混合されたポリウレタン液を繊維絡合体に含浸し凝固させる。この場合の凝固方法は、湿式、乾式いずれでもよいが、柔軟な風合いを得たい場合は、湿式方式が好ましい。
【0064】
また、付与量は、ポリウレタン固形分重量がポリエステル繊維重量に対して10〜60重量%含有することが好ましい。10重量%以下では得られる人工皮革の強力が弱くなる場合があり、また、60重量%以上では風合いが固くなる場合があり好ましくない。さらにこのシートを圧縮し溶媒を実質的に除去し、乾燥する。
【0065】
次いで、本発明の人工皮革は、このシートを必要に応じて厚み方向に半裁(1/2厚みになるようにスライス裁断すること)し、少なくとも一面を起毛処理することにより、ポリウレタンが着色された立毛シートが得られる。
【0066】
さらに、本発明のスエード調人工皮革は、染色されてなることが必要である。すなわち、染色されていることによって、高級感のある優美な表面品位の人工皮革を得るものだからである。
【0067】
染色にあたっては、使用する染色機は、従来から通常用いられてきているものが使用でき、液流染色機が特に好ましく用いられる。使用される染料は、分散染料、バット染料などから選ばれた通常用いる耐光性の優れたものがよく、赤外線反射能を有するものであればさらに好ましい。
【0068】
かくして、目的とする本発明の人工皮革が得られるものである。
【0069】
以下、本発明で用いる以下の1〜6の各測定方法について、以下説明をする。
1.顔料を含んだポリウレタン膜中の顔料の還元洗浄脱落率の測定方法、
2.顔料を含んだポリウレタン膜の赤外線反射率の測定方法、
3.顔料を含んだポリウレタン膜の彩度の測定方法、
4.人工皮革の赤外線反射率の測定方法、
5.人工皮革の耐光堅牢度の測定方法、
6.人工皮革の光照射時の表面温度の測定方法、
1.顔料を含んだポリウレタン膜中の顔料の還元洗浄脱落率の測定方法
本発明でいう顔料の還元洗浄脱落率とは、本発明の人工皮革の製造にあたって、繊維絡合体に含浸するポリウレタン液を用いて作成した膜の還元洗浄前後のL値の変化の度合いのことをいい、以下のようにして測定する。
【0070】
まず、含浸に用いるポリウレタン液(ポリウレタンと顔料および溶媒などの混合液)を準備する。この液を、ポリウレタン樹脂固形分が全液重量に対して20%となるように調整する。液濃度が薄い場合はエバポレーターで液を蒸発させてもよいし、あるいは別途ポリウレタンに対する顔料比率は変えずにポリウレタンが20%となる溶液を準備してもよい。
【0071】
かくして準備した液を用いて測定用の成膜を行う。成膜を行うにあたって、まず、含浸するポリウレタンとして溶剤系ポリウレタンを用いる場合は、次の方法で湿式膜を作成する。準備した上記ポリウレタン液を40cm四方のガラス板上に注ぎ、コーティングナイフでクリアランスを約300μmの厚さに調節しキャスティングする。コーティングしたガラス板を直ちに、予め器に準備した約10リットルの温度20℃の水中に、コーティグ面を上にしてガラス板が水平になるようコーティグ面が水中に完全に浸るようにして浸漬する。水温を20℃±3℃の範囲内に保ち、1時間後に取り出し、ガラス板からポリウレタン膜を剥離する。この膜を80℃で1時間乾燥させて測定用の湿式膜とする。
【0072】
また、含浸するポリウレタンとしてエマルジョン系ポリウレタンを用いる場合は以下の方法に従って成膜する。まず、周りに液がこぼれないような縁を設けた40cm四方の水平なアルミ板を準備し、ここに上述のポリウレタン液を液の高さが1mmになるように注ぎ、水平を保った状態で130℃で20分間乾燥後、ガラス板から膜を剥離する。
【0073】
次いで、これらの膜を10センチメートル四方にカットし、以下の条件で還元洗浄処理する。
A.還元洗浄の条件
(1)還元洗浄処理剤:
苛性ソーダ(固形): 3グラム
ハイドロサルファイト: 6グラム
グランアップUS20(三洋化成工業(株)社製): 1.5グラム
水   :   300グラム
(2)還元洗浄の処理温度・処理時間:
処理液は約30℃から30分で80℃に到達するような速度で80℃まで昇温し、80℃で30分間処理し、その後30分間で40℃まで降温する。
(3)還元洗浄処理装置:URミニカラー(テクサム技研株式会社製)
還元洗浄処理後、該処理液が実質的に完全に除去できるように流水を用いて膜を水洗し、該水洗後、40℃以下の温度で乾燥する。
【0074】
該還元洗浄処理の前後のポリウレタン膜のL* 値を測定し、それぞれ処理前をL 、処理後をL 2 とし、次式によって求められるA値を本発明における還元洗浄脱落率と呼ぶ。
【0075】
A=(L −L )/L ×100
B.L* 値の測定:
測定機として、MINOLTA SPECTROPHTOMETER CMー3700d(ミノルタ株式会社製)を用いる。該測定機を使用できないときは、該測定機と同等の機能を有する装置を用いる。光源はハロゲンランプを用い、D65光源を測定光源とする。視野角は10度とし、基準となる白板には酸化マグネシウムを用い、測定径は25.4mmとし、正反射光処理はSCEとし、これらの条件に基づきCIE(国際照明委員会)規定のL* 値を測定する。測定は膜を4枚重ねで行う。
2.顔料を含んだポリウレタン膜の赤外線反射率の測定方法
本発明でいう顔料を含んだポリウレタン膜の赤外線反射率は、本発明の人工皮革の製造にあたって、繊維絡合体に含浸するポリウレタン液を用いて作成した湿式膜の該赤外線反射率のことをいい、以下のようにして測定する。
【0076】
顔料の還元洗浄脱落率の測定と同様にして膜を作成する。
【0077】
この膜を10センチメートル四方にカットし、この膜を4枚重ねにして850nmの反射率を次の方法で測定する。使用測定機は(株)日立製作所製の自記分光光度計U3400である。また、基準白板は酸化マグネシウム板である。
【0078】
まず、分光光度計から850nmの光を白板に照射し、反射した光を積分球で集めて反射光の強度を測定し、その値をR100とする。
【0079】
次に、測定したい試料について同様の測定を行い、得られた値をRSampとする。
【0080】
こうして求められたR100値と、RSamp値とから、本発明における赤外線反射率の値を、次式に従い求めるものである。
【0081】
赤外線反射率=(Rsamp)/(R100)×100
3.顔料を含んだポリウレタン膜の彩度の測定方法
還元洗浄脱落率測定時と同様にして作成した湿式膜を10センチメートル四方にカットし、4枚重ねにして、以下の条件で測定して得られた彩度を、ポリウレタン膜の彩度と言う。
【0082】
測定機として、MINOLTA SPECTROPHTOMETER CM−3700dまたはこれと同等の機能を有する装置を用いる。光源はハロゲンランプを用い、D65光源を測定光源とする。視野角は10度、基準となる白板には酸化マグネシウム、測定径は25.4mm、正反射光処理はSCE、これらの条件に基づきCIE(国際照明委員会)規定のL表色系におけるaおよびbを求め、得られた値を用いて求めた(a*2+b*21/2を、本発明におけるポリウレタン膜の彩度とする。
4.人工皮革の赤外線反射率の測定方法
本測定方法及び定義は、前記した顔料の赤外線反射率の測定において、サンプルとしてポリウレタンの湿式膜を人工皮革に変えて、立毛面(製品としての、いわゆるフロントサーフィスと言われる表面)を測定面とする以外は全く同様にして行う。
5.人工皮革の耐光堅牢度の測定方法
人工皮革を7センチメートル四方にカットしたサンプルを立毛面(製品としてのいわゆるフロントサーフィスと言われる表面)を光照射面とし、この裏面(非照射面)に、試料と同一寸法(7センチメートル四方)の厚み約10mm、比重約0.02±0.005のウレタンフォームを積層し装置にセットし、以下の条件で光照射する。光照射後JIS L0804規定の変褪色用グレースケールで等級を判定する。
【0083】
光照射装置としてキセノンウェザーメータ(SC750−WAP(スガ試験器(株)社製))を用い、以下の(A)と(B)の処理を1サイクルとし、38サイクル光照射する。
(A)放射照度150W/m2 、ブラックパネル73℃、相対湿度50%RH、3.8時間照射。
(B)放射照度0W/m(照射なし)、ブラックパネル温度38℃、相対湿度95%RHの条件で1時間照射。
【0084】
なお、判定は、1級、2級、3級、4級、5級の5段階の評価基準で、各級の中間と判定されるものを1−2級、2−3級、3−4級、4−5級とし、全部で9段階の判定基準とした。評価は、大寸法のものから、少なくとも3点を任意にサンプル採取して測定を行い、それらを平均的に見て判断をする。
6.人工皮革の光照射時の表面温度の測定方法
人工皮革を7cm四方にカットしたものを作成し、立毛面(製品としての表面)にサーモラベル(サーモラベル5E−100、およびサーモラベル5E−75:日油技研工業(株)社製)を貼付し、さらに試料と同一寸法(7センチメートル四方)の厚み約10mm、比重約0.02±0.005のウレタンフォームをこれと反対面のサンプルの裏面に積層し、サーモラベル面が光照射されるように装置にセットし光照射する。光照射後サーモラベルの変色の有無を観察することによって表面温度の測定を行う。
【0085】
表面温度の測定は、大寸法のものから、少なくとも3点を任意にサンプル採取して測定を行い、それらの少なくとも3点の平均値とする。
【0086】
光照射は、上述した耐光堅牢度の測定と同様の条件にて行う。
【0087】
すなわち、光照射装置としてキセノンウェザーメータ(SC750−WAP(スガ試験器(株)社製))を用い、以下の(A)+(B)の処理を1サイクルとし、38サイクル光照射する。
(A)放射照度150W/m2 、ブラックパネル73℃、相対湿度50%RH、3.8時間照射。
(B)放射照度0W/m(照射なし)、ブラックパネル温度38℃、相対湿度95%RHの条件で1時間照射。
【0088】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0089】
実施例および比較例における本発明にかかる人工皮革製品の耐光堅牢度、表面温度、ならびに赤外線反射率、彩度の測定は、上述した方法に従って測定した。なお、スペッキングの評価は以下のようにした。
7.スペッキング(Specking)の評価:
本発明において、スペッキングとは、人工皮革表面のポリウレタンが白っぽくなり、ポリウレタンと繊維との色差が発生することによって、人工皮革表面の外観品位が低下する現象のことを言う。このスペッキングの発生の有無を肉眼で評価し、発生がないものを○、やや発生するものを△、非常に目立つものを×で示した。
実施例1
島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリスチレン、島/海比率=80/20重量%、島数25島、複合繊維太さ約5dtexの高分子相互配列体繊維のステープルを用い、このステープルをカード・クロスラッパーでウェブとし、ニードルパンチして目付600g/m2 のフェルトを作り、このフェルトを収縮処理し乾燥した。次いで、このフェルトにポリビニールアルコール水溶液に含浸し、乾燥した。
【0090】
このシートをトリクロールエチレン中に浸漬、圧搾し脱海し乾燥した。
【0091】
一方、アゾ系黄色顔料ならびにジケトピロロピロール系赤色顔料、およびフタロシアニン系青色顔料をポリウレタン固形分に対して、それぞれ固形分で0.2重量%、0.3重量%、0.25重量%、および、液全体の重量に対してポリカーボネート系ポリウレタンを12重量%をジメチルホルムアミドに分散・溶解させてポリウレタン溶液を得た。該ポリウレタン溶液の湿式膜の赤外線反射率は88%であった。
【0092】
このポリウレタン溶液を、固形分で対島繊維当たり約29部となるように含浸、湿式凝固後、ジメチルホルムアミドが実質的に完全に除去できるように、ロールで圧縮し絞った後、湯洗いし乾燥した。
【0093】
次いで、該シートを厚み方向に2枚にスライスし、片面をサンドペーパーで起毛処理を行ない立毛シートを得た。
【0094】
この立毛シートを、耐光性の優れた分散染料を用いベージュに染色し仕上げ処理した。
【0095】
このスエード調人工皮革を構成するポリエステル極細繊維の平均単繊維繊度は約0.2dtexであり、用いたポリウレタン溶液を湿式凝固して得られた彩度は2.5であった。
【0096】
このスエード調人工皮革はスペッキングの発生がなく、高級感のある落ち着いた色調のスエード調の人工皮革であった。
【0097】
このスエード調人工皮革の850nmにおける赤外線反射率を測定したところ85%、表面温度を測定した結果75℃であった。また、耐光堅牢性を評価したところ4級と優れた性能を示した。また、このときの顔料の赤外線反射率、顔料の彩度、顔料の還元洗浄脱落率およびスペッキングの発生の有無をそれぞれ評価した結果を表1に示した。
実施例2、3、比較例1、2、3、4
ポリウレタンに添加する顔料および濃度を表1に記載の内容で行い、さらに染色する際の色相を濃色グレーにする以外は実施例1と同様にしてスエード調人工皮革を得た。
【0098】
この時の人工皮革の耐光堅牢性、人工皮革の表面温度、人工皮革のスペッキングの発生の有無、人工皮革の赤外線反射率、顔料の赤外線反射率、顔料の彩度、顔料の還元洗浄脱落率、をそれぞれ評価した結果を表1に示した。
【0099】
実施例2は、4級と優れた耐光堅牢性を有し、かつ、スペッキングの発生がなく外観品位の優れた濃色グレーの人工皮革が得られた。
【0100】
実施例3は、3−4級と優れた耐光堅牢性を有し、かつ、スペッキングの発生がなく、実施例2よりさらに深みのある落ち着いた色相の人工皮革が得られた。
【0101】
比較例1は、スペックキングがなく、外観品位は優れるが、耐光堅牢性は2級と劣っていた。
【0102】
比較例2は、耐光堅牢性は2−3級と若干劣り、かつ、色相に深みがなくスペッキングも若干発生し外観品位が悪く高級感に劣った人工皮革であった。
【0103】
比較例3は耐光性は4級と優れていたがスペッキングの発生が多くまた、色相に深みがなく外観品位の非常に劣った人工皮革であった。
【0104】
比較例4は、ポリウレタンに添加した顔料の量は多いが、ポリウレタンの着色効果がなく、スペッキングの発生も多く、また、色相に深みのない外観品位の非常に劣った人工皮革であった。
【0105】
【表1】
Figure 2004052120
【0106】
【発明の効果】
本発明により、ポリエステル極細繊維を用いたスエード調人工皮革の課題であった、スペッキングのない深みのある色相を有した優美な表面品位と、高耐光堅牢性を併せ持ったスエード調人工皮革の実現を可能としたものである。
【0107】
かくして得られた本発明のスエード調人工皮革は、自動車内装材、家具用途、鞄、靴、手袋などの資材用途としてはもちろんのこと、衣料用途としても好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 主として繊維太さが0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体と、ポリウレタンからなる染色されたスエード調人工皮革において、該ポリウレタンが黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ含み、かつ、該人工皮革が明細書中に記載の方法で測定した次の(1)〜(3)の特性を全て満足していることを特徴とするスエード調人工皮革。
    (1) 850nmにおける赤外線反射率が60%以上、
    (2) 光照射時の表面温度が105℃以下、
    (3) 耐光堅牢度が3級以上、
  2. ポリウレタンが、主としてポリカーボネート系ポリウレタンであることを特徴とする請求項1記載のスエード調人工皮革。
  3. 主として繊維太さが0.7dtex以下のポリエステル極細繊維を含む繊維絡合体にポリウレタンを含浸させるスエード調人工皮革の製造方法において、用いるポリウレタン液として、その湿式膜が明細書中に記載の方法で評価した場合に、以下の(4)〜(6)の特性を満足するように黄色系顔料、赤色系顔料、青色系顔料のそれぞれを少なくとも1種ずつ添加したものを用いることを特徴とする耐光堅牢性に優れるスエード調人工皮革の製造方法。
    (4) 850nmにおける赤外線反射率が60%以上、
    (5) 還元洗浄脱落率が20%以下、
    (6) 彩度が10以下、
  4. ポリウレタンとして、主としてポリカーボネート系ポリウレタンを用いることを特徴とする請求項3記載のスエード調人工皮革の製造方法。
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