JP2004051207A - 錠剤容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、キャップをスライドタイプとし、しかも形状をL字型にして高度なシールをアウターシールで実現させ、かつ開放方向とキャップスライド方向を同一にすることにより、シール性と片手で容易にスライド操作を可能とした錠剤容器を提供する。
【解決手段】容器本体(18)とL字形状のスライドキャップ(11)で構成し、容器本体にスライドキャップを嵌合することで構成される錠剤容器である。このL字形状のスライドキャップ(11)は、アウターシール部(15)内側垂直方向に、錠剤等の取り出し口(13)と容器本体に挿入する胴部(14)を設けて容器本体にスライドキャップを覆うように嵌合するもので、特にスライドキャップの胴部(14)外周囲の所定箇所の垂直方向に、複数本の慴動突起(t,t)を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は錠剤を充填し、この錠剤を1個ずつ容易に取り出せるようにした容器に関し、特にシール性や錠剤の取り出し簡便性が要求される錠剤容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薬或いは錠剤状のガム、錠剤形状の口臭防止剤等を充填して必要に応じて蓋板を開き取り出せるようにしたプラスチック製や厚紙製等の多くの錠剤容器が公知である。これらの錠剤容器はシール性や耐久性等を考慮して現在はプラスチック製が多く使用されている。
【0003】
現状多く使用されている容器においては、シール性は高いがシンプルな構造になり、美粧性等が低い容器となっている。一例を挙げて説明すると、図3に示すように、本体容器(28)とL字型のスライドキャップ(21)からなり、この容器本体に挿入されるスライドキャップは、本体容器に当接して挿入嵌合される錠剤取り出し口(23)を形成した胴部(24)を設けたものである。また、この側面には上下に簡単にスライドさせるためのローレット(R)を設け、さらに、容器本体の側面に溝部(26)を上下二箇所に設けて、スライドキャップの側面内側の突起で所定の範囲内でストップできるようにして、また、錠剤等を取り出す際にスライドキャップが抜け落ちないようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(A)(B)に示すように、本体容器(28)内周面とスライドキャップの胴部(24)の外周囲は当接してぴったりと挿入されるが、滑らかにスライドすることが必要である。しかし面同士が当接している関係で擦り合わせ等の高度な成形技術が必要であり、精度が低いと摩擦等によりスムーズな動きがとれない。さらに、容器本体上から覆い被せるようなアウターシール部の形成が難しい。すなわち、従来の容器の場合、非常に高度な寸法精度が要求される容器本体の上部開口面の擦り合わせによるシールでは、高レベルのシール性は期待できない。しかも、本体容器(28)の内周囲面とスライドキャップの胴部(24)の外周囲面の摩擦によりスムーズなスライドも難しい。
【0005】
すなわち、キャップをスライドタイプとして、しかも形状をL字型にして、スライドキャップ特有の擦り合わせによる容器シールを使用することなくアウターシール構造を使うことができることに着目したものである。
本発明は、上記の問題を解決するために、キャップをスライドタイプとし、しかも形状をL字型にして高度なシールをアウターシールで実現させ、かつ開放方向とキャップスライド方向を同一にすることにより、シール性と片手で容易にスライド操作を可能ととし、簡単に錠剤の取り出しができる錠剤容器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明においては、
錠剤等を収納する開口部を有する偏平形状な容器本体(18)と、この容器本体の開口部周囲を覆うようなアウターシール部(15)を有するL字形状のスライドキャップ(11)とからなり、この容器本体にスライドキャップを嵌合することで構成される錠剤容器において、前記L字形状のスライドキャップ(11)の正面カバー(17)に長孔のレール部(12)とスライドキャップの側面にはローレット(R)を形成して、さらに、スライドキャップ(11)のアウターシール部(15)の内側周囲の垂直方向に、錠剤等の取り出し口(13)と容器本体に挿入する胴部(14)とを設け、この容器本体の開口部上からスライドキャップを覆うように嵌合し、前記レール部(12)に本体容器の上部側辺に設けた固定突起(16)を嵌め込むことでスライドする錠剤容器構成であって、前記スライドキャップの胴部(14)外周囲の所定箇所の垂直方向に、複数本の慴動突起(t,t)を設けスライドを容易にしたことを特徴とする錠剤容器である。
【0007】
また、前記アウターシール部(15)が、容器本体の開口部外周囲とアウターシール部内周囲が当接してシールすることでシール性を向上させたことを特徴とするものである。
【0008】
さらに、前記スライドキャップ(11)は、レール部(12)の長孔の範囲内で上下方向にスライドし、かつ錠剤を取り出せる範囲内に取り出し口(13)が露出することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の錠剤容器は、キャップをスライドタイプとし、しかも形状をL字型にして、スライドキャップ特有の擦り合わせによる容器シールを使用することなくアウターシール構造を使うことができることに着目したものである。すなわち、容器本体(18)と、この容器本体の開口部外周囲を覆うようなアウターシール部(15)を有するL字形状のスライドキャップ(11)で構成され、この容器本体にスライドキャップを嵌合することで構成される錠剤容器である。このL字形状のスライドキャップ(11)は正面カバー(17)には長孔のレール部(12)と側面にはローレット(R)を形成し、さらに、スライドキャップ(11)のアウターシール部(15)内側垂直方向に、錠剤等の取り出し口(13)と容器本体に挿入する胴部(14)とを設け、容器本体にスライドキャップを覆うように嵌合し、前記レール部(12)に本体容器の上部側辺に設けた固定突起(16)を嵌め込むことで構成されるものであり、特にスライドキャップの胴部(14)周囲の所定箇所の垂直方向に設けた複数本の慴動突起(t,t)によるもので、このスライドキャップの胴部に設けた慴動突起による容器本体との摩擦抵抗の低減と、このレール部の動きでスライドキャップの上下の動きがスムーズ、かつ確実になる。スライドキャップのスムーズなスライドを容易にしたも錠剤容器である。
【0010】
図に基づき本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例による錠剤容器を示すもので、(A)は錠剤容器の構造を示す説明図であり、(B)はそのL−L断面図である。また、図2は、上記錠剤容器を側面から見た概略説明図である。
【0011】
【実施例】
実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
先ず、図1(A)に示すように、錠剤等を収納する開口部を有する偏平形状とした容器本体(18)と、この容器本体の開口部外周囲を覆うようなアウターシール部(15)を有するL字形状のスライドキャップ(11)とからなり、この容器本体にスライドキャップを嵌合することで構成される錠剤容器である。また、このL字形状のスライドキャップ(11)の正面カバー(17)には、長孔の切り込み溝によるレール部(12)と、スライドキャップ(11)の側面には、指先で容易にスライドさせることができるように凹凸溝によるローレット(R)を形成した。さらに、スライドキャップ(11)のアウターシール部(15)の内側垂直方向に、容器本体に挿入嵌合させる胴部(14)(形状に合わせて周壁形状に)を設け、さらにこの胴部の一部に錠剤等の取り出し口(13)を半円長孔形状に設けたものである。
【0012】
次に、この容器本体(18)の開口部上からスライドキャップ(11)のアウターシール部(15)で覆うように、またスライドキャップの胴部(14)を容器の開口部内に挿入嵌合し、さらに、前記レール部(12)の溝に本体容器の上部側辺に設けた固定突起(16)を嵌め込むことで構成される錠剤容器(10)であり、長孔のシール部の範囲内で上下のスライドを可能とした。
【0013】
さらに、前記スライドキャップ(11)の胴部(14)外周囲の所定箇所に、垂直方向で、かつ複数本の慴動突起(t,t)を設けることによりキャツプのスライドを容易にした錠剤容器である。この慴動突起(t,t)は、限定はしないが、図1(B)の断面図に示すように実施例においては、スライドキャップの胴部(14)の両側面と前面及び後面に合わせて複数本(5乃至6本)設けたものである。すなわち、この慴動突起(t,t)を設けることで、スライドキャップ特有の擦り合わせによるシール部の形成を行うこと無く、アウターシール構造とすることが可能となる。
【0014】
また、前記アウターシール部(15)は、容器本体の開口部外周囲と当接(本体の開口部外周とアウターシール部の内周囲が内接により嵌合する)した状態でシールされるものであり、この嵌合によって容器のシール性が向上するものである。
【0015】
さらに、前記スライドキャップ(11)は、長孔状のレール部(12)に容器本体部分から突出させた固定突起(16)を嵌め込むことにより、このレールの範囲内でスライドキャップの上下のスライドが慴動突起との相乗効果により滑らかになり、またスライドキャップをスライドさせ過ぎて脱落することも防止できる。さらに、上方にスライドさせた際に、錠剤を取り出せる範囲に取り出し口(13)が露出することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、錠剤を収納する容器本体にL字形状のスライドキャップを嵌合させる形状の錠剤容器であり、スライドキャップの垂直方向に切り溝によるレール部を設け、ここに容器本体から突出させた固定突起を嵌合させたものである。従って、スライドキャップの胴部に設けた慴動突起による容器本体との摩擦抵抗の低減と、このレール部の動きでスライドキャップの上下の動きがスムーズ、かつ確実になる。また、一定のレール部の長さの範囲内でスライドは停止するのでスライドキャップの脱落を防止することができる。
さらに、L字形状のスライドキャップのアウターシール部は、容器本体の開口部の外周にアウターシール部の内周が当接して嵌合するので、容器の高いシール性を確保することができるものである。すなわち、本発明の錠剤容器においては、容器本体を片手で保持しながら親指を使ってスライドキャップを押し上げて、錠剤取り出し口を開放する操作は両手を必要としない動きが可能となる等の種々の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による錠剤容器を示すもので、(A)は錠剤容器の構造を示す説明図であり、(B)はそのL−L断面図である。
【図2】本発明の同実施例を示す錠剤容器を側面から見た概略説明図である。
【図3】従来の錠剤容器の一例を示す説明図である。
【図4】上記錠剤容器の一例を示すもので、(A)は構造の説明図であり、(B)はそのT−T断面説明図である。
【符号の説明】
10,20……錠剤容器
11,21……スライドキャップ
12……レール部
13,23……錠剤取り出し口
14,24……スライドキャップの胴部
15……アウターシール部
16……固定突起
17……カバー部
18,28……容器本体
R……ローレット
t……慴動突起

Claims (3)

  1. 錠剤等を収納する開口部を有する偏平形状の容器本体(18)と、該容器本体の開口部外周囲を覆うようなアウターシール部(15)を有するL字形状のスライドキャップ(11)とからなり、該スライドキャップを容器本体に嵌合することで構成される錠剤容器(10)において、前記L字形状のスライドキャップ(11)の正面カバー(17)に長孔のレール部(12)とスライドキャップの側面にはローレット(R)を形成して、さらに、スライドキャップ(11)のアウターシール部(15)内側垂直方向に、錠剤等の取り出し口(13)と容器本体に挿入する胴部(14)とを設け、該容器本体の開口部上からスライドキャップを覆うように嵌合し、前記レール部(12)に本体容器の上部側辺に設けた固定突起(16)を嵌め込むことで上下にスライドする容器構成であって、前記スライドキャップの胴部(14)周囲の垂直方向に、複数本の慴動突起(t,t)を設けたことを特徴とする錠剤容器。
  2. 前記アウターシール部(15)が、容器本体の開口部外周囲とアウターシール部内周囲が当接してシールすることを特徴とする請求項1に記載の錠剤容器。
  3. 前記スライドキャップ(11)は、レール部(12)の長孔の範囲内で上下方向ににスライドし、かつ錠剤を取り出せる範囲内に取り出し口(13)が露出することを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤容器。
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