JP7370509B2 - ボトルキャップ - Google Patents

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Description

本発明は、粉末状や液状の原料を収容する原料収容部を有し、開栓操作に伴いその原料収容部を開放して原料をボトル内に放出するボトルキャップに関するものである。
このようなボトルキャップとして特許文献1に記載されたものがある。
この先行例のボトルキャップは、メインキャップと中子とリングホルダーとボトムシールキャップとからなる。メインキャップは、ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に形成している。中子はその外面に金属被覆層を形成し、この中子を原料収容部内に挿着することにより、原料収容部内の原料への変質防止及び防菌作用をする。ボトムシールキャップは、その環状凹部と原料収容部の下端部分とを嵌合させて原料収容部を封止する。リングホルダーは、ボトル口部内に固定され、メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、ボトムシールキャップの回転と上昇とを規制することにより、原料収容部からのボトムシールキャップの分離、つまりボトムシールキャップの開封を行う。これにより原料収容部内の原料が放出される。
(A)この先行例のボトルキャップは、メインキャップの開栓によりボトムシールキャップが開封して原料収容部内の原料がボトル内に放出された後、原料が混合したボトル内の内容物をボトル口部から注出するには、メインキャップを回してボトル口部から完全に取り外さないと、注出することができない。ボトル内の内容物が飲料などのように、一度の注出容量が多い場合には、メインキャップを取り外した方が好都合であるが、化粧品、洗剤、身体ケア品、食品、医薬品、サプリメントなどでは、概して少量ずつ注出したいので、甚だ不都合である。
(B)従来、少量ずつ注出する必要性がある化粧品、洗剤、身体ケア品、食品、医薬品、サプリメントなどのためのボトルでは、ボトルの注出口自体をそもそも小さくしてある。また、化粧品、洗剤、身体ケア品、食品、医薬品、サプリメントなどは、その主要成分が、外部からの環境の影響を受けやすいボトル内に収容されるため、ボトル内での主要成分の使用期限を考慮し、それに対応するための添加物(例えば、防腐剤や変質防止剤)などを予め添加していることが多いが、衛生上の観点から好ましくない。
(C)上記先行例のボトルキャップでは、リングホルダーがボトル口部から抜け出さないために、リングホルダーをボトル口部内に固定するに当たり、リングホルダーの外周面とボトル口部の内周面とを、これらの熱変形を回避するために複数点についてピンポイント的に超音波溶着している。
しかし、そのような溶着を行うには、ボトル口部の外側から、ピンポイント式超音波溶着機により超音波を発射し、その焦点を調整することで、リングホルダーとボトル口部との界面(接触面)を局所的(点状)に、しかも円周方向に離れた複数点について超音波溶着する必要がある。
そのため、ピンポイント式超音波溶着機自体がそもそも高価であるばかりでなく、リングホルダーとボトル口部との界面に超音波の焦点を正確に調整し、それを複数点のそれぞれについて行わなければならないので、高度の溶着技術と手間を要し、その結果、製造コストが高くなってしまう。
特開2018-62382号公報
本発明の第1課題は、上記のような(A)及び(B)の問題点に鑑み、化粧品、洗剤、身体ケア品、食品、医薬品、サプリメントなど、内容物を少量ずつ注出するための容器として使用されるボトルに対して好適なボトルキャップを提供することにある。
第2の課題は、上記(C)の問題点に鑑み、リングホルダーをボトル口部内に固定するに当たり、その固定をごく単純な構造で行えるようにして製造コストの大幅な低減を図ることにある。
ボトルキャップとしての主要構成である第1の発明は、
(1)ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に設けた樹脂製メインキャップと、
(2)その原料収容部の下端部分を嵌合させる環状凹部を形成した樹脂製ボトムシールキャップと、
(3)外面に金属被膜層が形成され、その金属被膜層を前記原料収容部の内面に密接させて原料収容部内に挿着される樹脂製中子と、
(4)前記原料収容部を挿通させてボトル口部に固定される樹脂製リングホルダーとからなり、
(5)前記ボトムシールキャップの環状凹部と前記原料収容部の下端部分とを嵌合させるとともに、ボトムシールキャップと前記リングホルダーとの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止され、
(6)前記メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、前記ボトムシールキャップの回転と上昇とが前記リングホルダーにて規制されることにより、前記原料収容部の下端部分と前記ボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されるボトルキャップ構成を採用した上、上述の第1課題を達成するため、
(7)前記キャップ本体の天部に注出孔を設けるとともに、
(8)前記キャップ本体にヒンジキャップをヒンジ部により開閉自在に連接し、
(9)このヒンジキャップの天部を下方に変形可能な厚さにするとともに、
(10)該天部の下面に、前記注出孔を閉塞するとともにこれを通じて前記中子の天部に貫通させることができる突子を設け、
(11)この突子は、前記ヒンジキャップの天部の変形に伴い、前記キャップ本体の天部に形成された前記注出孔を通じて前記中子を突き破り、前記中子内と通ずる注出孔を形成する
構成としたものである。
第2の発明は、上記第2の課題も解決するため、
(11)前記リングホルダーには、その下部から下周縁まで達する欠如部を周方向の複数箇所に形成することにより、前記ボトムシールキャップとの噛み合い部分となる複数の歯部が形成されているとともに、
(12)各歯部の両側縁からリングホルダーの上側途中までにスリットを形成することにより、各歯部を下側に連続させる複数の切り割り部が形成され、
(13)また、この切り割り部の外周面の上下方向の中間には、抜け止め突部が突出形成され、
(14)さらに、リングホルダーの上周縁には、リングホルダーを原料収納部と係合させて共に回転させるための爪部が形成され、
(15)その係合状態でリングホルダーが原料収納部と共にボトル口部に挿入されたとき、リングホルダーの長さは、前記抜け止め突部より下側の部分がボトル口部の下端を超えてボトル内まで入り込む寸法になっており、
(16)メインキャップを閉栓方向に回転させてそのねじ部をボトル口部のねじ部と螺合させたときは、リングホルダーが原料収納部に伴い回転しつつボトル口部内に圧入されていく過程において、リングホルダーの抜け止め突部がボトル口部の内周面に摺接し、切り割り部が内側に撓んだ状態となってボトル内へと突入し、リングホルダーの抜け止め突部がボトル口部の下端口縁の下側に達して切り割り部が復元することで、この下端口縁に抜け止め突部係合することにより、リングホルダーがボトル口部に対して抜け止め状態となり、
(17)その抜け止め状態においてメインキャップを開栓方向に回転させたときは、原料収納部はボトル口部に対して回転しつつ上昇して行くのに対し、リングホルダーは、その爪部と原料収納部との係合が外れて原料収納部に追従しない関係になっている
構成としたものである。
第1の発明は、原料収容部に対する中子によるシール性、変質防止及び防菌作用を開封するまでは、金属被膜層により確実に維持できるうえ、上記(7)~(10)の構成とすることにより、次のような効果がある。
(a)キャップ本体に連接したヒンジキャップの天部の下面に突子を設け、キャップ本体の天部に設けた注出孔を、この突子により、ヒンジキャップを閉じた状態では閉塞状態に維持できる。
(b)ヒンジキャップの天部を下方に変形可能とし、この天部を押して撓ませることにより、突子が中子を突き破り、中子内と通ずる注出孔を形成することができる。
(c)その後も、ヒンジキャップを開けないとキャップ本体の天部に設けた注出孔は突子で閉塞されたままなので、原料収納部内の原料は注出孔より注出できない。
(d)メインキャップを開栓した後、再びボトル口部に装着し、ヒンジキャップを開くことによって、その突子がキャップ本体の天部から離れることにより、その天部の注出孔が開放されるとともに、これに連通する中子の注出孔も開放されるので、原料収容部からの原料が混合したボトル内の液体を、これらの注出孔から少量ずつ注出することができる。
(e)キャップ本体の天部に設けた注出孔を閉塞状態に保つ閉塞機能と、中子を突き破り、中子内と通ずる注出孔を形成する注出孔形成機能の二つの機能を同じ突子で行える。
第2の発明は、上記(11)~(17)の構成とすることにより、次のような効果がある。
(f)メインキャップをボトル口部にねじ込む閉栓のときは、リングホルダーをメインキャップの原料収納部に伴いボトル口部に単に圧入するだけで、リングホルダーの切り割り部が内側に撓んだ状態となってボトル内へと突入し、この切り割り部の途中に形成された抜け止め突部がボトル口部の下端口縁の下側に達して切り割り部が復元することで、この下端口縁に抜け止め突部に係合することにより、リングホルダーがボトル口部に対して抜け止め状態となるので、リングホルダーのボトル口部への固定に当たっては、先行例のような溶着作業などが全く不要となるので、製造コストの作業上の大幅な低減が可能となる。
(g)メインキャップの開栓のときは、原料収納部はボトル口部に対して回転しつつ上昇して行くのに対し、リングホルダーは、その爪部と原料収納部との係合が外れて原料収納部に追従しないので、ボトル口部内にそのまま残る
本発明の第1実施例のボトルキャップの断面図で、ヒンジキャップを閉じた状態である。 同実施例においてヒンジキャップを押して変形させ、その突子で中子に注出孔を形成した状態の断面図である。 ヒンジキャップを復帰させた状態の断面図である。 メインキャップの開栓操作に伴いボトムシールキャップが分離して落下する状態の断面図である。 ヒンジキャップを開いた状態の断面図である。 リングホルダーの正面図である。 同じく平面図である。 同じく底面図である。 同じく断面図である。 中子の正面図である。 同じく断面図である。 この実施例におけるボトムシールキャップの底面図である。 同じくボトムシールキャップの切欠斜視図である。 本発明の第2実施例の断面図で、ヒンジキャップを閉じた状態である。 同実施例においてヒンジキャップを押して変形させ、その突子で中子に注出孔を形成した状態の断面図である。 ヒンジキャップを復帰させた状態の断面図である。 メインキャップの開栓操作に伴いボトムシールキャップが分離し、懸垂された状態の断面図である。 ヒンジキャップを開いた状態の断面図である。 本発明の第3実施例の断面図で、ヒンジキャップを閉じた状態である。 同実施例においてヒンジキャップを開いた状態の断面図である。
第1実施例
本発明の第1実施例のボトルキャップ100Aは、図1~図5に示すように、それぞれを樹脂で一体成型したメインキャップ1と中子20とリングホルダー2とボトムシールキャップ3との4つの部品を組み立てて構成され、ボトル101(例えばペットボトル)の口部101aに装着して使用される。メインキャップ1にはヒンジキャップ50がヒンジ部51を介して一体に連結成型され、ヒンジキャップ50はメインキャップ1の付属部品となっている。
メインキャップ1は、天部4aと胴部4bとからなるキャップ本体4が一般のスクリューキャップと同様の形体をなし、その天部4aの下面に、下端開口5a(図4参照)を有する円筒形の原料収納部5を、胴部4bよりも下方に長く一体に突設したものである。胴部4bの内周面には、ボトル口部101aに螺合させるねじ部6が形成されている。胴部4bの下周縁部は、薄いリブを数箇所に残して切り込み8を全周に形成することにより、分離可能としたロック用リング部9となっている。天部4aの中央には注出孔52が形成されている。
また、天部4aの下面には、原料収納部5の付け根部分の回りにおいて、側部シール用突部10が全周に一体に形成されている。
原料収納部5の外周面には、その上端から中間箇所まで真っ直ぐ延びる複数の縦長リブ12が周方向に間隔をおいて一体に形成されている。この縦長リブ12は原料収納部5を補強するとともに、後述するようにリングホルダー2の上縁部との係合部にもなる。
原料収納部5の外周面の下端部、つまり下端開口の近くには細い環状溝5bが全周に形成されている。
ヒンジキャップ50は、円形の天部50aと短い円筒形の胴部50bとで、メインキャップ1の天部4aを覆う形体となっている。覆った際、ヒンジキャップ50の胴部50bはメインキャンプ1の胴部4bの上端縁に形成されている段部4c(図5参照)に嵌合する。
ヒンジ部51は、メインキャンプ1の胴部5bの途中からヒンジキャップ50の胴部50bを超えて天部50aの途中までに、平行なスリット(図示せず)を形成することにより、板バネ状のバネ連結部53を形成するとともに、そのスリットの両側縁において、メインキャンプ1の胴部4bとヒンジキャップ50の胴部50bとに、両側突部51cと51dとをそれぞれ形成している。
そして、両者の両側突部50と50cとの境界部分の厚さを部分的に薄くすることにより、ヒンジキャップ50はメインキャンプ1に対し開閉自在となっているとともに、バネ連結部53がヒンジキャップ50を閉じたときは逆L状姿勢、開いたときは図5に示すようにL状姿勢になることで、開状態と閉状態とをそれぞれ維持できるようになっている。指を掛けてその開閉を行うため、ヒンジ部51とは反対側に摘まみ部54が突出形成されている。
ヒンジキャップ50の天部50aは、指で中央部を下方へ押すと、図2に示すように下方へ撓んで変形する厚さで、その下面には、中央部分の厚さを幾分厚くした上に、そこから突出する突子55が一体に形成されている。この突子55の先端は尖っている。
メインキャンプ1の天部4aの中央には、この突子55が突入することでこれにて閉塞される注出孔52が形成されている。
中子20は、図1、図10及び図11に示すように、天部20cと円筒形胴部20dとからなり、これらの外面には、アルミニウム蒸着による薄い金属被膜層20aが形成され、内面には金属被膜層は形成されていない。また、天部20cの中央には空気溜まりも兼ねる浅い窪み20bが形成され、胴部20dには、その周方向の複数箇所に上下端の全長にわたる浅い空気抜き溝20eが形成されている。
このように金属被膜層20aで被膜された中子20は、メインキャップ1の原料収納部5の内側の天面及び内周面に密接するサイズとなっているが、胴部20dの長さは原料収納部5の長さよりも短い。その短くする長さは、原料収納部5内にボトムシールキャップ3の一部分が後述するように嵌入することから、その嵌入長さ分に合わせてある。
リングホルダー2は、原料収納部5を挿通させる内径及び長さのリング状で、透明または半透明であり、図6~図9に示すように、リングホルダー2の内周面は、湾曲する凹面と凸面を周方向に波状に交互に繰り返していて、リングホルダー2は厚みを内側に周期的に変化させる断面となっている。また、このリングホルダー2には、その下部から下周縁まで達する矩形の欠如部2aを周方向の複数箇所に形成することにより、ボトムシールキャップ3との噛み合い部分となる複数(この例では3個)の歯部2bが形成されているとともに、各歯部2bの両側縁からリングホルダー2の上側途中までに細いスリット2cを形成することにより、各歯部2bを下側に連続させる複数(この例では3個)の切り割り部2eが形成されている。また、切り割り部2eの外周面の上下方向の中間には、リングホルダー2の周方向に長い横長の抜け止め突部2gが斜め上向きに突出形成されている。従って、抜け止め突部2gと歯部2bとは前者が上、後者が下の位置関係となっている。各歯部2bは、肉厚を下端に行くに従い薄くする傾斜面となっている。
また、リングホルダー2の上周縁には、三角形状の爪部2dが周方向の複数箇所に形成されている。この爪部2dは、ボトルキャップ100Aをボトル口部101aに最初に装着する際に、メインキャップ1の原料収納部5の縦長リブ12と係合させて、リングホルダー2を原料収納部5と共に回転させるための係合部となるもので、縦長リブ12と側面同士を係合させるため、爪部2dの側面は垂直である。
かかるリングホルダー2のサイズは、原料収容部5を挿通させる内径とし、また本ボトルキャップ100を後述するようにボトル口部101aに装着したときに、ボトル口部101aの内径に応じた外径とし、長さは、リングホルダー2が原料収納部5と共にボトル口部101aに挿入されたとき、抜け止め突部2gより下側の部分がボトル口部101aの下端を超えてボトル100内まで入り込む寸法とする。
ボトムシールキャップ3は、図12及び図13に示すように、原料収納部5の下端開口5aより大きい円盤状で、円形の外周縁に沿って環状凹部13を形成するとともに、この環状凹部13の外周壁13aに、リングホルダー2の歯部2bと噛み合う噛み合い凹部13bを形成している。また、ボトムシールキャップ3の上面には、樹脂原料節約のため、環状凹部13までは届かない円形凹部14が形成されているとともに、下面にも環状凹部15が形成され、また下面中央に、根元から先を膨大とした接続用突起16が一体に突設されている。環状凹部13の内面には、その底面において尖った細い環状の底突部13cが形成され、また外周壁13aの上周縁において環状の外周壁突部13d、外周壁13aよりも高い内周壁13eの中間部において環状の内周壁突部13fがそれぞれ形成されている。ボトムシールキャップ3の環状凹部15を除く原料収容部5側の表面、すなわち、円形凹部14の内面と内周壁13eの表面にはアルミニウム蒸着による薄い金属被覆層14aが形成されている。
次に、このように成型されたメインキャップ1と中子20とリングホルダー2とボトムシールキャップ3との組み立て構造を説明する。
中子20は、メインキャップ1の原料収納部5内の奥端に達するまで原料収納部5中に挿着される。これにより、中子20の天部20cの金属被膜層20aは原料収納部5内の天面に、また中子20の胴部20dの金属被膜層20aは、原料収納部5の内周面にその下端部分を残して密接し、中子20は原料収納部5内にしっかりと固定される。中子20には天部20cに窪み20b、胴部20dに空気抜き溝20eが形成されているので、奥端までの中子20の挿入を容易に行える。
リングホルダー2は、メインキャップ1に対し、その原料収納部5を挿通させて縦長リブ12の下端に当たるところまで、原料収納部5と緩く嵌合した状態とする。その際、リングホルダー2の爪部2dと原料収納部5の縦長リブ12の側面同士を係合させる。リングホルダー2の内周面は凹面と凸面が交互に波状に繰り返しているので、リングホルダー2の内周面と原料収納部5の外周面との間には、リングホルダー2の内周面の凹面となっているところで充分な隙間が形成される。その隙間はリングホルダー2のスリット2cと連通する。原料収納部5にはこの嵌合の後に原料が充填される。
ボトムシールキャップ3は、このようにしたリングホルダー2に対しては、その複数の歯部2bとボトムシールキャップ3の複数の噛み合い凹部13bとをそれぞれ噛み合わせ、原料102が充填された原料収納部5に対しては、その下端部分をボトムシールキャップ3の環状凹部13に嵌合させて、ボトムシールキャップ3の一部分を原料収納部5内に嵌入した状態でその下端開口5aを封止する。
このように封止すると、環状凹部13内において、ボトムシールキャップ3の外周壁突部13dが原料収納部5の環状溝5bに圧接嵌合するとともに、原料収納部5の下端がボトムシールキャップ3の底突部13cに圧接し、さらに環状凹部13の上側では、ボトムシールキャップ3の内周壁突部13fが原料収納部5の内周面に圧接する。このような3箇所での圧接により、原料収納部5に対するシール性が非常に高く、原料収納部5内に窒素等のガスを加圧充填しても、原料収納部5内からも気密性を充分に確保することができる。
一方、ボトムシールキャップ3とリングホルダー2とは、前者の噛み合い凹部13bの幅員をリングホルダー2の歯部2bの幅員より大きめにしておくことで、それらの噛み合わせは余裕をもって行える。
上記のように4つの部品を組み立てた本実施例のボトルキャップ100Aをボトル口部101aに装着するには、リングホルダー2の爪部2dを原料収納部5の縦長リブ12の側面と係合させておいて、原料収納部5をボトル口部101aに挿入しながら、メインキャップ1を閉栓方向に回転させてそのねじ部6をボトル口部101aのねじ部101bと螺合させる。その螺合は、メインキャップ2のロック用リング部9が、ボトル口部101aに設けられているロック用環状突部101cを強制的に越えてこれにロックされるところまで行う。
この操作中、ボトムシールキャップ3は原料収容部5と共に回るとともに、リングホルダー2も、その爪部2dが縦長リブ12と係合し、原料収容部5及びボトムシールキャップ3と共に回るので、ボトムシールキャップ3が原料収容部5から外れることなく、リングホルダー2はボトル口部101a内に回りながら圧入されていく。その圧入中、リングホルダー2の抜け止め突部2gがボトル口部101aの内周面に摺接するが、抜け止め突部2gが有る複数の切り割り部2eはスリット2cをもって形成されていることと、抜け止め突部2gが斜め上向きに突出していることから切り割り部2eが内側に徐々に撓み、この部分でリングホルダー2をすぼませるような状態となって、原料収納部5がボトル101内へと突入する。
そして最終のロック状態になったとき、リングホルダー2の抜け止め突部2gがボトル口部101aの下端口縁101dの下側に達し、切り割り部2eが復元することで、抜け止め突部2gがこの下端口縁101dとその下側で斜め上向きのまま係合する。これによりリングホルダー2は、ボトル口部101aに対して抜け止めされた状態となる。すなわち、リングホルダー2は、メインキャップ1をボトル口部101aにねじ込むだけでこれに固定(抜け止め)される
なお、リングホルダー2の爪部2bと爪部2bとの間にもスリットを設けておけば、それによるバネ性によりリングホルダー2の圧入を一層スムーズに行える。
一方、リングホルダー2と原料収納部5との間は互いに固定されていなく、リングホルダー2の内周面の凹面において充分な隙間が形成され、この隙間はスリット2cと連通しているため、そこをボトル101内の内容物である液体が流通できる。
また、原料収納部5内は、外面に金属被覆層20aを収納した原料の外光などによる変質を防止形成した中子20により保護されており、防菌効果もある。
ボトムシールキャップ3にも、原料収納部5内に突入した部分に金属被覆層14aが形成されているので、ボトムシールキャップ3も原料への変質防止及び防菌効果がある。しかし、原料収納部5の下端部分と嵌合する環状凹部13には金属被覆層14aが形成されていないので、その嵌合部分でのシール性が金属被覆層14aによって損なわれることはない。
一方、メインキャップ2は、メインキャップ1の側部シール用突部10がボトル口部101aの内周面に圧接するので、ボトル口部101aの上端周縁でのキャップ本体4aによるシール性が極めて高い。
閉じたヒンジキャップ50は、その突子55の先端部分がメインキャップ2の注出孔52に突入してこれを閉塞するが、尖った先端は中子20の天部20cまでは届かない。
上記のような状態でボトル口部101aに装着されているボトルキャップ100Aを開栓操作するには、図2に示すように、先ずヒンジキャップ50の変形可能な天部50aを押して下方へ撓ませる。すると、突子55の尖った先端により、外面を金属被膜層20aで被覆された中子20が、天部20cの中央の窪み20bにおいて突き破られ、そこに中子20内に開放する注出孔57が形成される。
しかし、ヒンジキャップ50を閉じたままでは、ヒンジキャップ50の天部50aの変形が復帰しても、メインキャップ1のキャップ本体4の注出孔52は閉塞されたままで開放されない。従って、原料収納部5内の原料は注出孔52から注出できない。
図3に示すように、ヒンジキャップ50の天部50aを復帰させてから、図4に示すようにメインキャップ1を開栓方向に回転(ボトルキャップ100Aをボトル口部101aに装着したときとは逆方向の回転)させる。すると、リングホルダー2は、ボトル口部101aに固定されているが、その爪部2dと原料収納部5の縦長リブ12とは側面同士が係合しているだけであるので、側面同士が離反して原料収納部5の上記逆方向の回転は許容される。メインキャップ1は切り込み8において上下に分離し、ロック用リング部10はボトル口部101aのロック用環状突部101cに係止されてそのまま残るが、それ以外の部分は原料収納部5も含めて回転しながら上昇する。
ところが、ボトムシールキャップ3は、その噛み合い凹部13bが不動のリングホルダー2の歯部2bと噛み合っていて、リングホルダー2によって回転と上昇を規制されるため、回転しながら上昇して行く原料収納部5との嵌合が外れて原料収納部5から分離し、それに伴いリングホルダー2の歯部2bとの噛み合いも外れるので、ボトムシールキャップ3はボトル101内に落下し、原料収納部5内の原料がボトル101内に放出され、ボトル101に収容されている液体と混合する。リングホルダー2はボトル口部101a内に残ったままとなるので、開封後のボトムシールキャップ3がボトル口部101aから抜け出るのを防止する。原料収容部5は、ボトル口部101aの長さより長くすることになるので、原料102を収容するのに充分な容量にすることができる。
上記のようにしてメインキャップ1を開栓した後、図5のようにこれを再びボトル101のボトル口部101aにねじ込んで装着してから、ヒンジキャップ50を開くと、その突子55がメインキャップ1の天部4aから離れることにより、その天部4aの注出孔52が開放されるとともに、これに連通する中子20の注出孔57も開放され、原料収容部5は、ボトル口部101aの長さより長くなっていることもあり、原料収容部5からの原料が混合したボトル101内の液体を、これらの注出孔52・57から少量ずつ注出することができる。ヒンジキャップ50を閉じると、突子55によって注出孔52が再び閉塞される。
第2実施例
図14~図18は本発明の第2実施例のボトルキャップ100Bを示し、各図は第1実施例における図1~図5にそれぞれ対応する。
このボトルキャップ100Bでは、ボトムシールキャップ3が落下してしまわないように、これを吊持するストラップバンド60を用いたことが第1実施例と異なる。
ストラップバンド60は薄い縦長の板片状で、長さ方向に柔軟なバネ性を有し、その基端部をリングホルダー2に着脱可能に接続できるようになっている。ストラップバンド60の先端部には図示しないスリットが形成されており、このスリットにボトムシールキャップ3の突起16の膨大部を貫通させることで、リングホルダー2とボトムシールキャップ3とを連結できる。この連結はリングホルダー2を原料収納部5の外周にセットする前に行っておく。ボトムシールキャップ3を閉じた状態では、ストラップバンド60は長さ方向に曲げられている。
第2実施例のボトルキャップ100Bを開栓操作すると、図16に示すように、開封後のボトムシールキャップ3は、ストラップバンド60が自身のバネ力でほぼ真っ直ぐの状態に復元するので、ボトル101内へ落下することなく、このストラップバンド60によってリングホルダー2に吊持され、ストラップバンド60のバネ力により開封状態を維持する。
第3実施例
図19、図20は本発明の第3実施例のボトルキャップ100Cを示す。このボトルキャップ100Cでは、中子20の天部20cに注出孔57を予め設けたことが第1実施例と異なる。この場合、中子20にも注出孔57があり、ここでの気密性を確保する観点から、メインキャンプ1の注出孔52の回りとヒンジキャップ50の突子56の回りとにそれぞれ鍔部61・62を形成するとか、さらにパッキン等のシール材を付加する等のシール手段を講ずるとよい。
本発明によるボトルキャップはペットボトルに限らず、ねじ構造の口部を有する各種の容器に広範囲に適用できる。
100A・100B・100C ボトルキャップ
101 ボトル
101a ボトル口部
101b ねじ部
101c ロック用環状突部
101d 下端口縁
102 原料
1 メインキャップ
2 リングホルダー
2a 欠如部
2b 歯部
2c スリット
2d 爪部
2e 切り割り部
2g 抜け止め突部
3 ボトムシールキャップ
4 キャップ本体
4a 天部
4b 胴部
5 原料収納部
5a 下端開口
5b 環状溝
6 ねじ部
12 縦長リブ
13 環状凹部
13a 外周壁
13b 噛み合い凹部
13c 底突部
13d 外周壁突部
13e 内周壁
13f 内周壁突部
14・15 凹部
14a 金属被覆層
16 接続用突起
20 中子
20a 金属被膜
20b 窪み
20c 天部
20d 胴部
20e 空気抜き溝
50 ヒンジキャップ
50a ヒンジキャップの天部
51 ヒンジ部
55 突子
52・57 注出孔

Claims (2)

  1. ボトル口部を封止するスクリューキャップであるキャップ本体に、ボトル口部に挿入される円筒形の原料収容部を一体に設けた樹脂製メインキャップと、
    その原料収容部の下端部分を嵌合させる環状凹部を形成した樹脂製ボトムシールキャップと、
    外面に金属被膜層が形成され、その金属被膜層を前記原料収容部の内面に密接させて原料収容部内に挿着される樹脂製中子と、
    前記原料収容部を挿通させてボトル口部に固定される樹脂製リングホルダーとからなり、
    前記ボトムシールキャップの環状凹部と前記原料収容部の下端部分とを嵌合させるとともに、ボトムシールキャップと前記リングホルダーとの噛み合い部分を噛み合わせることで、原料収容部の下端開口がボトムシールキャップにて封止され、
    前記メインキャップの開栓回転に伴う上昇において、前記ボトムシールキャップの回転と上昇とが前記リングホルダーにて規制されることにより、前記原料収容部の下端部分と前記ボトムシールキャップとの嵌合及びボトムシールキャップとリングホルダーとの噛み合いが外れ、ボトムシールキャップが原料収容部から分離して原料収容部の下端開口が開封されるボトルキャップにおいて、
    前記キャップ本体の天部に注出孔を設けるとともに、前記キャップ本体にヒンジキャップをヒンジ部により開閉自在に連接し、このヒンジキャップの天部を下方に変形可能な厚さにするとともに、該天部の下面に、前記注出孔を閉塞するとともにこれを通じて前記中子の天部に貫通させることができる突子を設け、
    この突子は、前記ヒンジキャップの天部の変形に伴い、前記キャップ本体の天部に形成された前記注出孔を通じて前記中子を突き破り、前記中子内と通ずる注出孔を形成することを特徴とするボトルキャップ。
  2. 前記リングホルダーには、その下部から下周縁まで達する欠如部を周方向の複数箇所に形成することにより、前記ボトムシールキャップとの噛み合い部分となる複数の歯部が形成されているとともに、
    各歯部の両側縁からリングホルダーの上側途中までにスリットを形成することにより、各歯部を下側に連続させる複数の切り割り部が形成され、
    また、この切り割り部の外周面の上下方向の中間には、抜け止め突部が突出形成され、
    さらに、リングホルダーの上周縁には、リングホルダーを原料収納部と係合させて共に回転させるための爪部が形成され、
    その係合状態でリングホルダーが原料収納部と共にボトル口部に挿入されたとき、リングホルダーの長さは、前記抜け止め突部より下側の部分がボトル口部の下端を超えてボトル内まで入り込む寸法になっており、
    メインキャップを閉栓方向に回転させてそのねじ部をボトル口部のねじ部と螺合させたときは、リングホルダーが原料収納部に伴い回転しつつボトル口部内に圧入されていく過程において、リングホルダーの抜け止め突部がボトル口部の内周面に摺接し、切り割り部が内側に撓んだ状態となってボトル内へと突入し、リングホルダーの抜け止め突部がボトル口部の下端口縁の下側に達して切り割り部が復元することで、この下端口縁に抜け止め突部係合することにより、リングホルダーがボトル口部に対して抜け止め状態となり、
    その抜け止め状態においてメインキャップを開栓方向に回転させたときは、原料収納部はボトル口部に対して回転しつつ上昇して行くのに対し、リングホルダーは、その爪部と原料収納部との係合が外れて原料収納部に追従しない関係になっていることを特徴とする請求項1記載のボトルキャップ。
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