JP2004050996A - 運搬車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行部(クローラ走行装置2)上に機体フレーム3を配し、機体フレーム3の後部上に運転部5を配し、同運転部5の前方に荷台4を配してなる運搬車1において、前側の荷台4と、後側の運転部5の間に、隔離板9を立設し、該隔離板9の運転部側であって、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップ6の左右ステップ面91L・91Rの上方となる上部位置には、手摺58・58を突設して設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷台を有する運搬車に関するものであり、より詳しくは、荷台と運転部を隔離する隔離板の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行部上に機体フレームを配し、機体フレームの後部に運転部を配し、同運転部の前方に荷台を配してなる運搬車においては、荷台の後部に後部煽り板を一体的に構成し、該後部煽り板により、機体前部の荷台と、機体後部の運転部を隔離する構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、荷台を機体フレームに対して傾斜させたダンプ状態では、運転部の前方が開放されることになり、積載した土・砂等が舞い上がって、オペレータの足もと空間に舞い込むことがあり、ステップ上にこれらが堆積し、ブレーキペダルやアクセルペダルの操作に支障をきたすことがあった。
以上の問題点に鑑み、本発明は、荷台と運転部を隔離する隔離板を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
即ち、請求項1に記載のごとく、走行部上に機体フレームを配し、該機体フレームの後部上に運転部を配し、同運転部の前方に荷台を配してなる運搬車において、前側の荷台と、後側の運転部の間に、隔離板を立設したことである。
【0005】
また、請求項2に記載のごとく、前記隔離板は、上下高さを、荷台の後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも高く設定し、横幅を、同後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも広く設定したことである。
【0006】
また、請求項3に記載のごとく、前記隔離板は、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップ上面で形成するウォークスルー通路と平行して立設されることである。
【0007】
また、請求項4に記載のごとく、前記隔離板の運転部側であって、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップの左右ステップ面の上方となる上部位置には、手摺を突設したことである。
【0008】
また、請求項5に記載のごとく、前記手摺は、隔離板より斜め上後方へ突設させ、握り部を、前記荷台の後部煽り板、及び、隔離板よりも高い位置としたことである。
【0009】
また、請求項6に記載のごとく、前記隔離板下部の所定左右範囲を、下端より上方に刳り抜いて連通口を形成したことである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の運搬車の全体左側面図、図2は運転部の平面図、図3は隔離板近傍の装置構成を示す左側面図、図4は同じく後面図、図5は隔離板、作動油タンク等の構成を示す正面斜視図、図6はCV取付け部の構成を示す左側面一部断面図、図7は同じく後面斜視図である。
【0011】
まず、本発明に係る運搬車の全体構成について説明する。
図1及び図2に示すごとく、運搬車1は、走行部であるクローラ走行装置2、機体フレーム3及び荷台4により構成され、該クローラ走行装置2の上に機体フレーム3を搭載し、該機体フレーム3の前部に荷台4を、後部に運転部5を配している。
【0012】
クローラ走行装置2は、左右のトラックフレーム40に複数の下部転輪41・41・・・、上部転輪42を回転自在に枢支し、前部転輪43をテンション機構を介して回転自在に枢支し、後部駆動輪44L・44Rをミッションケースから突出した車軸に固設し、これらにクローラ45を巻回して構成されている。
【0013】
機体フレーム3は、前後方向に平行な左右の前後フレーム31L(31R)と、これら前後フレーム31L(31R)間に横架する複数の左右フレーム32・32・・・から構成している。
【0014】
荷台4は、ダンプシリンダ19により昇降回動可能に枢支されており、該ダンプシリンダ19を伸縮させることにより、荷台4に積んだ土砂等を運搬車1の前方または側方に排出する構成としている。
【0015】
運転部5では、オペレータの足もとスペースに付設されるステップ6が、左右方向に敷設され、該ステップ6の左側には変速ペダル7(図2)、右側にはブレーキペダル8が配されている。
該ステップ6の前方には、隔離板9が左右方向に立設されており、該隔離板9によって荷台4と運転部5との間が隔離されている。一方、ステップ6の後方には、エンジン等を内包するボンネット10が配され、該ボンネット10の上部に座席11を載置固定している。また、前記機体フレーム3後部上に後部カバー12L・12Rが設けられ、該後部カバー12L(12R)上のボンネット10の左右両側より乗降バー13・13(図2)を立設し、さらに、後部カバー12L(12R)には、オペレータの保護機器となるロプス82の立設スペースが設けられ、ロプス82がオペレータを囲むように立設されている。
また、該ステップ6は、前記隔離板9とボンネット10の間となる位置に前後方向の幅を持たせて配され、ウォークスルー通路が形成されている。言い換えれば、運転部5の座席11とダッシュボード17との間にステップ6が配置されて、左右両側より乗降可能としている。
【0016】
また、前記隔離板9において、略左右中心となる位置のボンネット10側には、燃料タンク14が付設され、該燃料タンク14の上部左側に設けた給油口16(図2)を除く右側上方をダッシュボード17で覆い、該ダッシュボード17に各種操作ボタンや計器等を配設している。
また、燃料タンク14の略左右中心に燃料ゲージ18を上下方向に付設し、該燃料ゲージ18を中心として左右に左右操向レバー20L・20Rを配している。該左右操向レバー20L・20Rはダッシュボード17後部で機体左右中心に対して対称に配置している。
また、燃料タンク14の左方には、エンジン回転数を設定するアクセルレバー21と、荷台4を昇降操作するダンプレバー22が配される一方、燃料タンク14の右方には、変速ペダル7の踏み込み量を規制する踏込量規制レバー23と、機体の前進・後進を切替える前後進切換操作具となる前後進切換レバー24が配されている。
【0017】
次に、運転部5と荷台4とを隔離する隔離板9について説明する。
図2、図3及び図4に示すごとく、隔離板9は、前側の荷台4の後部煽り板4a(図3)と、後側の運転部5の間に、機体フレーム3より立設されており、その上下高さは、荷台4の後部煽り板4aと同等、若しくは、後部煽り板4aよりも高く設定され、横幅は、同後部煽り板4aと同等、若しくは、後部煽り板4aよりも広く設定され、荷台4と運転部5を隔離している。
該隔離板9は、図4に示すごとく、機体フレーム3より立設した左右の縦フレーム9a・9aと、左右の縦フレーム9a・9aの上端に横架する横フレーム9bとから後面視において、下部側を開放する略「コ」字形の枠体を形成し、該枠体の開口面を壁板9cで覆う構成として、壁板9cがステップ6上面で形成するウォークスルー通路と平行して立設されるようにしている(図2)。
壁板9cの板面左右中央には、前記燃料タンク14が付設されており(図4)、板面右側上部には、バックミラー39が取付けられており、板面左側には、コントロールバルブ取付け部(以下、「CV取付け部150」とする)が構成されている。
【0018】
また、壁板9cにおいて、運転部5側であって、前記ステップ6の左右ステップ面91L・91Rの上方となる上部位置には、正面視略逆「U」字形(図4)の手摺58・58が突設されており、左右乗降口となる左右ステップ面91L・91Rより乗降する際に、手摺58・58を掴んでの乗降が行いやすいようになっている。
また、前記手摺58・58は、隔離板9より斜め後方、上方へ向けて突設させることで(図3)、左右方向に形成される握り部58aを、前記荷台4の後部煽り板4a、及び、隔離板9よりも高い位置とし、握り部58a・58aが握りやすいようになっている。
【0019】
また、図5に示すごとく、壁板9c下部の所定左右範囲を、下端より上方に刳り抜いて連通口93が形成されている。
そして、該連通口93が形成される所定左右範囲は、前記ステップ6の中高面90の前方であって、前記HST50の上方となる範囲としている。
また、前記燃料タンク14の底面の上下位置は、前記中高面90の上面と略同一高さとして、燃料タンク14の下方に空間95を形成し、該空間95の前方が該連通口93により開放された構成としている。
これにより、隔離板9を挟んで前方に配される作動油タンク100と、後方に配されるHST50を結ぶ油圧ホース94を、該連通口93に通すことができる。尚、該油圧ホース94は、HST50のポンプ側へ給油を行うホースである。また、作動油タンク100は隔離板9前下部の前後フレーム31L・31R間に配置される。
また、このように油圧ホース94の連通が可能となるだけでなく、空間95が形成されているため、HST50の上方に余裕できることから、HST50や他の機器のレイアウトの自由度が広げられている。尚、前記HST50は、前記ミッションケース60の前部上に配置されるものである。
【0020】
また、図4乃至図6に示すごとく、隔離板9において、壁板9cの一部を後方へ窪ませて(または収納ボックスを付設して)、側面視凹状のCV取付け部150(図6)を形成し、該CV取付け部150の前側面にコントロールバルブ29を付設して、該コントロールバルブ29が、CV取付け部150に内装される構成としている。
また、前記CV取付け部150において、壁板9cから突出する前後幅は、前記燃料タンク75の前後幅以下とし(図6)、隔離板9からの後方への張り出しを燃料タンク14の張り出しの範囲に抑えることで、ステップ6上方に形成されるウォークスルー通路の前後幅を広く確保している。
また、図4に示すごとく、前記壁板9cにおいて、CV取付け部150よりも下の板面を平らな立設面(9f)とするとともに、CV取付け部150の下方に、ブレーキペダル8が配される構成としている。これにより、CV取付け部150の下方に、壁板9cより突出物のないフットスペースが形成され、ブレーキペダル8の配置空間が確保されている。
【0021】
前記該CV取付け部150において、図6に示すごとく、側面視凹状とする固定板159の立面159aには、上下二箇所にボルト孔64・64が穿設され、該立面159aの内側面にコントロールバルブ29がボルト固定されている。そして、図5に示すごとく、このコントロールバルブ29には、油圧ポンプからの油圧ホース167a、油圧タンクからの油圧ホース167b、ダンプシリンダとを結ぶ油圧ホース167c・167dが接続されている。
【0022】
また、図6及び図7に示すごとく、CV取付け部150の固定板159の立面159aと上面159bとの角部には、正面視略「コ」字形の板体で構成したレバー支持部168が設けられ、該レバー支持部168に横架されたレバー枢結軸169に、ダンプレバー22の基部を固設した枢結筒165が枢結され、該枢結筒165より前方にアーム165aが突設されている。
そして、ダンプレバー22の操作によるアーム165aの揺動、該アーム165aの先端に枢結したリンク166の上下動、該リンク166の下部に枢結したロッド167の上下動により、バルブを切替えて圧油の給排を行い、前記ダンプシリンダ19(図1)のロッドを摺動させて、荷台4の昇降操作を行うものである。即ち、ダンプレバー22を手前側に引いて回動させると、ダンプシリンダ19のロッドが伸長し、荷台4が傾き、ダンプレバー22を前方に押して回動させると、ダンプシリンダ19のロッドが縮んで、荷台4が水平の状態に戻るようになっている。
【0023】
また、図6に示すごとく、該レバー支持部168の立面後部より、左右一対のステー181・181を突設し、両ステー181・181間に横架されたレバー枢結軸182に、ロックレバー180が枢結されている。
該ロックレバー180は、断面視略「コ」字形の板体より棒状に構成され、前側に回動させて横倒しになったロック「入」の状態では、その前端がダンプレバー22の基部に当接し、ダンプレバー22が手前に回動しないように規制される。他方、後側に回動させて垂下させたロック「切」の状態では、ロックレバー180がダンプレバー22の基部に当接せずに、ダンプレバー22の操作の規制がされず、上述したようにダンプレバー22を手前に引くことで荷台4を傾けることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1に記載のごとく、走行部上に機体フレームを配し、該機体フレームの後部上に運転部を配し、同運転部の前方に荷台を配してなる運搬車において、前側の荷台と、後側の運転部の間に、隔離板を立設したので、荷台と運転部とが、該隔離板により隔離され、荷台をダンプ状態として、積載した土・砂等を排出する際において、舞い上がる土・砂等の運転部への舞い込みを防止することができ、これら土・砂等の堆積によるブレーキペダルやアクセルペダルの誤操作を防止することができる。
【0025】
また、請求項2に記載のごとく、前記隔離板は、上下高さを、荷台の後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも高く設定し、横幅を、同後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも広く設定したので、荷台側からの土・砂等の運転部への舞い込みを防止できる。
【0026】
また、請求項3に記載のごとく、前記隔離板は、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップ上面で形成するウォークスルー通路と平行して立設されるので、ウォークスルー通路が左右対称に構成され、左右いずれの方向からの乗降が容易に行える。
【0027】
また、請求項4に記載のごとく、前記隔離板の運転部側であって、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップの左右ステップ面の上方となる上部位置には、手摺を突設したので、左右乗降口となる左右ステップ面より乗降する際に、手摺を掴んでの乗降が行いやすい。
【0028】
また、請求項5に記載のごとく、前記手摺は、隔離板より斜め上後方へ突設させ、握り部を、前記荷台の後部煽り板、及び、隔離板よりも高い位置としたので、乗降時において、握り部を握りやすい構成とすることができる。
【0029】
また、請求項6に記載のごとく、前記隔離板下部の所定左右範囲を、下端より上方に刳り抜いて連通口を形成したので、油圧ホースを、該連通口に通すことができ、各種機器のレイアウトの自由度を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の運搬車の全体左側面図である。
【図2】運転部の平面図である。
【図3】隔離板近傍の装置構成を示す左側面図である。
【図4】同じく後面図である。
【図5】隔離板、作動油タンク等の構成を示す正面斜視図である。
【図6】CV取付け部の構成を示す左側面一部断面図である。
【図7】同じく後面斜視図である。
【符号の説明】
1 運搬車
2 クローラ走行装置
3 機体フレーム
4 荷台
5 運転部
6 ステップ
9 隔離板
58 手摺
91L 左ステップ面
91R 右ステップ面
Claims (6)
- 走行部上に機体フレームを配し、該機体フレームの後部上に運転部を配し、同運転部の前方に荷台を配してなる運搬車において、前側の荷台と、後側の運転部の間に、隔離板を立設した、ことを特徴とする運搬車。
- 前記隔離板は、上下高さを、荷台の後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも高く設定し、横幅を、同後部煽り板と同等、若しくは、後部煽り板よりも広く設定した、ことを特徴とする請求項1に記載の運搬車。
- 前記隔離板は、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップ上面で形成するウォークスルー通路と平行して立設される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運搬車。
- 前記隔離板の運転部側であって、オペレータの足もとスペースに敷設されるステップの左右ステップ面の上方となる上部位置には、手摺を突設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の運搬車。
- 前記手摺は、隔離板より斜め上後方へ突設させ、握り部を、前記荷台の後部煽り板、及び、隔離板よりも高い位置とした、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の運搬車。
- 前記隔離板下部の所定左右範囲を、下端より上方に刳り抜いて連通口を形成した、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の運搬車。
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