JP4471916B2 - ホイール式作業機 - Google Patents
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なお、後車軸をエンジンの側方に配置して後輪を従来の位置より前側に位置変更したとしても、エンジンから後輪デフ装置が後方に突出する形となり、その分、作業機の前後方向の寸法を短くできない。
また、前記走行系動力伝達機構は、前記エンジンから前記静油圧トランスミッションに動力を伝達する走行推進軸を有し、この走行推進軸にフライホイールを連結し、このフライホイールから左右方向外方に外れる位置に前記後輪デフ装置を配置したことを特徴とする。
さらに、前後輪によって支持された機体フレームの後部にエンジンを搭載してなる走行体を備え、この走行体上に旋回台を上下方向の旋回軸心回りに旋回自在に支持し、この旋回台の前部に対地作業装置を、後部に運転席を設けると共に、該旋回台に走行系の操縦装置と対地作業装置用の操作装置とを備えてなるホイール式作業機において、
前記エンジンの前側に後輪デフ装置を設け、この後輪デフ装置のデフ出力軸から動力が伝達されて後輪を回転させる後車軸を、デフ出力軸の後方位置で且つ側面視でエンジンとオーバーラップするように設けたことを特徴とする。
また、エンジンからの動力を後輪に伝達する走行系動力伝達機構は、後輪デフ装置の前側に配置されていてエンジンからの動力が伝達される静油圧トランスミッションと、この静油圧トランスミッションの後方に位置し且つ該静油圧トランスミッションからの動力を後輪デフ装置へ伝達する機械式伝動装置とを有していてもよい。
図1〜図5において、1は、例えば園芸等に使用される都市型の小型のホイール式の旋回作業機であり、該旋回作業機1は大別して下部の走行体2と、上部の旋回体3とから構成されている。
走行体2は、左右一対の前後の車輪4,5によって走行可能とされたホイール式の走行体2であって、前記左右一対の前後輪4,5と、この前後輪4,5によって支持された機体フレーム6と、この機体フレーム6に搭載されたエンジン7と、このエンジン7からの動力を後輪5に伝達する走行系動力伝達機構8と、この走行系動力伝達機構8から分岐して前輪4に動力を伝達する前輪駆動系統33を備えている。
エンジン7は、メインフレーム9の左右側壁19間の後部の左右方向中央側に、クランク軸の軸心が前後方向となるように且つ出力軸23が前方に突出するように縦置き配置されており、このエンジン7の上端側がメインフレーム9の上壁18から上方に突出するように、該上壁18に切欠開口部24が形成されており、エンジン7の後部には冷却ファン25が設けられている。
メインフレーム9の前部の左右両側はサイドカバー26によって覆われ、メインフレーム9の後部は、左右の後輪5を覆う後輪フェンダ27を備え且つ左右後輪フェンダ27の前部同士を連結した固定カバー28と、左右後輪フェンダ27の後部間に配置されてエンジン7後部の上方側を覆い且つ開閉自在な開閉カバー29と、メインフレーム9の背面側を覆う後バンパーカバー30とによって覆われている。
なお、フロントフレーム10は、左右の前輪4を覆う前輪フェンダを有するカバー部材31及びフロントフレーム10の前面を覆う前バンパーカバー41によって覆われている。
走行系動力伝達機構8は、エンジン7からの動力が伝達される走行推進軸34と、この走行推進軸34から動力が伝達される静油圧トランスミッション(以下、HSTという)35と、このHST35からの動力をベベルピニオン軸36に伝達する機械式伝動装置37と、ベベルピニオン軸36から動力が伝達される後輪デフ装置38と、この後輪デフ装置38に伝達された動力を左右の後車軸39に伝達する左右の終伝動装置40とを備え、走行推進軸34,HST35,機械式伝動装置37,ベベルピニオン軸36及び後輪デフ装置38はエンジン7の前方側に配置され、終伝動装置40は後輪デフ装置38の側方からエンジン7の前部側方に亘るように配置されている。
図7,図8及び図30に示すように、HST35は、ケーシング43内に、エンジン7からの動力を入力する入力軸44と、後輪デフ装置38へと動力を出力する出力軸45とを左右に平行状に備えると共に、入力軸44に設けられた油圧ポンプ46と、出力軸45に設けられた油圧モータ47とを収容してなり、入力軸44によって駆動される油圧ポンプ46から送られる圧油によって油圧モータ47を駆動して、該油圧モータ47によって駆動される出力軸45から動力を出力するミッションである。
HST35の入力軸44は、走行推進軸34の前方側に該推進軸34と同心状に配置されてカップリングによって走行推進軸34と連動連結されている。
油圧ポンプ46は可変容量型ポンプからなり、斜板制御アクチュエータ50によって斜板の角度が変更可能とされ、斜板の角度を変えることにより、油圧モータ47へと吐出される圧油の流量を変えて出力軸45の回転速度(車速)を変えることができると共に、油圧モータ47へと吐出される圧油の流れの方向を変えて出力軸45の回転方向を正転(前進回転)又は逆転(後進回転)に切り換えることができる。
ベベルピニオン軸36は、HST35の出力軸45の蓋体49から後方に突出した部分の左側方で且つ下方側に平行状に配置され、HST35の出力軸45後端よりも後方に延出されていて、後端側にベベルギヤ部が形成されている。
前記機械式伝動装置37は、本実施の形態にあっては、HST35の出力軸45の蓋体49から後方に突出した部分に一体回転自在に外嵌された駆動側ギヤ56と、ベベルピニオン軸36の前端側に一体回転自在に外嵌されていて前記駆動側ギヤ56に噛合する被駆動側ギヤ57とから構成されたギヤ伝動機構によって構成されていると共に、減速機構とされている。
後輪デフ装置38は、ベベルピニオン軸36の後方で且つエンジン7左側方の前方側に配置され、左右両側にデフ出力軸58を突出している。
後車軸39は、後輪デフ装置38のデフ出力軸58の後方位置で且つ側面視でエンジン7とオーバーラップするように設けられており、左右各後車軸39の外端側に後輪5が取付固定されている。
なお、この終伝動装置40にあっても、増速機構(変速機構)又は同速機構であってもよい。
前記構成の走行系動力伝達機構8にあっては、エンジン7から前方に出力された動力は、HST35で折り返されて後方に伝達され、エンジン7の前側の後輪デフ装置38で左右両側方に伝達され、終伝動装置40によって後方に伝達されて後車軸39に至るように構成され、前後方向のコンパクト化が図られている。
この左右の各終伝動ケース67は、その前部の左右方向内端側が前記ハウジング61の側面にボルト固定され、左右の各終伝動ケース67の後部側がメインフレーム9の側壁19上部側にボルト固定されている。
メインフレーム9の左右側壁19の後部の下部側には、終伝動ケース67の上部側に上方から嵌合すべく、下方に開放状の切欠部からなるケース嵌合部64が形成され、このケース嵌合部64の周囲のメインフレーム側壁19に終伝動ケース67がボルト固定されている。
前記構成のものにあっては、エンジン7に、ハウジング61,伝動ケース62,HST35のケーシング43,終伝動ケース67を取り付けて一体化(ユニット化)しているので(エンジン7に、後輪デフ装置38、機械式伝動装置37,HST35,終伝動装置40,後車軸39を取り付けて一体化しているので)、これらを組んだ後に、該組付体に機体フレーム6をエンジン7等の上方から組み付けることができ、機体フレーム6に対する組み付けが容易となる。
この場合、メインフレーム9の上壁18に形成される切欠開口部24はエンジン7を上方から左右側壁19間に挿通することができる大きさに形成される。
また、エンジン7の前側に後輪デフ装置38を設けると共に、この後輪デフ装置38からの動力が伝達されて後輪5を回転させる後車軸39を、デフ出力軸58の後方位置で且つ側面視でエンジン7とオーバーラップするように設けることにより、旋回作業機1の前後方向のコンパクト化が図られている。
また、後車軸39が後輪デフ装置38のデフ出力軸58と同心状に設けられていると、エンジン7が後車軸39の後方に位置することとなり、旋回体3を後向きにして作業をする場合、本実施の形態の場合に比べ、後車軸39からエンジン7後方の作業位置までの距離が長くなり、作業性がわるいという問題があるが、本実施の形態では、後車軸39を、デフ出力軸58の後方位置で且つ側面視でエンジン7とオーバーラップするように設けられているので、旋回体3を後向きにして作業する場合の作業性がよい。
機体フレームの左右の側枠部分を角パイプから構成し、この角パイプの左右方向外側面に終伝動ケース67を取付固定すると旋回作業機の左右幅が広くなり、また、前記角パイプの下面側に終伝動ケース67を取付固定すると旋回作業機の左右幅は広くならないが、今度は、走行体2の高さが高くなる。
前記HST35の前面側には、該HST35の入力軸44の前端側に連動連結されて駆動される2連式のギヤポンプからなるメインポンプ68が取り付けられ、このメインポンプ68から当該旋回作業機1に装備された各種のアクチュエータに作動油が供給される。
また、前記走行系動力伝達機構8には、HST35から後輪デフ装置38に伝達される走行動力を制動するフートブレーキ手段70(走行ブレーキ)と、HST35と後輪デフ装置38との間の動力伝達系統を停止状態に保持する油圧式の駐車ブレーキ手段71とが設けられ、これらブレーキ手段70,71は、機械式伝動装置37の駆動側ギヤ56の後方に配置されている。
前記ブレーキケース72は後方に開放していると共に、駐車ブレーキケース76は前方に開放状とされていて、ブレーキケース72と駐車ブレーキケース76とは連通状とされている。
また、駐車ブレーキケース76内には、エンジン7停止時において、ピストン77を押圧してブレーキディスク73とプレート74とを圧接させるバネ78が収容され、エンジン7を始動させることにより該エンジン7によって駆動されるチャージポンプ79(図30参照)からの油圧がピストン77に作用して前記バネ78の付勢力に抗してピストン77を移動させ、ブレーキディスク73とプレート74との圧接を解除する。
このデフロック装置80は、図8に示すように、左側のデフ出力軸58と一体回動するデフロックシフタ81を圧油によって戻しバネに抗して後輪デフ装置38側に移動させ、該デフロックシフタ81に形成された係合歯を、後輪デフ装置38側に設けた係合歯に噛合させることで後輪デフ装置38の差動作用を禁止してデフロックする油圧式のデフロック装置80である。
メインフレーム9の前部の上壁18上面側には、開口部83が形成されていると共に、該開口部83を塞ぐように厚板材からなる軸受取付板84が前記上壁18上面に固定されている。
前記旋回軸受16は前後輪4,5間の略中央位置に配置され、この旋回軸受16の中心が旋回軸心Xとされ、メインフレーム9の前部の上壁18上面側の軸受取付板84上面側が軸受配置部86とされている。
また、旋回軸受16のインナーレース87の内周側には内ば歯車89が形成され、この内ば歯車89には、ピニオン88が噛合しており、このピニオン88はメインフレーム9に固定された油圧モータからなる旋回モータ15の出力軸に固定されていて、旋回モータ15によって旋回軸受16のインナーレース87が旋回軸心X回りに回転駆動可能とされている。
図9〜図15に示すように、前記機体フレーム6のフロントフレーム10は、板材から構成され、上壁91と、この上壁91の左右両側縁から下方に延設された左右の側壁92と、この左右側壁92の前部同士を連結する連結板93とを備えて主構成され、後部側が下方に開放状に形成されている。
このフロントフレーム10の左右幅はメインフレーム9より狭く形成されており、メインフレーム9の前方で且つフロントフレーム10の左右側方に前輪4を配置する前輪配置空間94が形成されている。
左右の側壁92の上壁91から下方への延出寸法は、その前部側が後部側よりも短く形成されていて、左右の側壁92は後部側よりも前部側の上下幅が狭く形成されており、フロントフレーム10の前部下方に前車軸ケース96及び油圧シリンダからなる操向シリンダ97等の配置空間が形成されている。
フロントフレーム10の左右側壁92間の後部には、エンジン7用の燃料を貯留する燃料タンク17が配置されている。
この燃料タンク17は、左右の側壁92間に下方側から挿入され、フロントフレーム10に取付固定されており、燃料タンク17の前面側は前記連結板93の傾斜壁部99に接当して位置決めされ、下部後端側は、メインフレーム9の前壁下端側に形成された切欠部を介してメインフレーム9側に突出している。
フロントフレーム10の連結板93の水平壁部98下面側には、左右の前輪4を操向可能に懸架する前車軸ケース96が左右方向沿って配置され、この前車軸ケース96の左右方向中央部の前後両側には、連結板93の水平壁部98下面に取付固定された前車軸受101が配置され、この前後の前車軸受101にセンタピン102を介して前車軸ケース96が前後方向の軸心回りに揺動自在に支持されている。
前車軸ケース96の前方側には、前輪4を操向操作する操向シリンダ97が左右方向に配置されていて前車軸ケース96に取付固定されており、この操向シリンダ97はシリンダチューブの左右両側から突出するピストンロッドが設けられ、左右各ピストンロッドは左右方向で同じ側にある前輪4に連動連結されており、この操向シリンダ97は旋回体3側に設けられたパワステコントローラ367によって制御される。
前輪4に動力を伝達する前輪駆動系統33は、前記機械式伝動装置37の被駆動側ギヤ57に連結されていて伝動ケース62から前方に突出する前輪動力取出軸104と、前車軸ケース96内に設けられた前輪デフ装置105と、この前輪デフ装置105に動力を入力するベベルピニオン軸106と、このベベルピニオン軸106と前輪動力取出軸104とを連動連結する伝動シャフト107と、前輪デフ装置105のデフ出力軸108から前輪4を駆動する前輪駆動軸109に動力伝達する図示省略の終減速機構(伝動機構)とを備えてなる。
作動体111は、前車軸ケース96の左右方向中央に前後一対配置され、それぞれ前車軸ケース96に設けた取付部113にボルト固定されている。
前後の各作動体111は連結板93の水平壁部98を貫通して上方に突出していると共に、各作動体111の上部には、上方及び前後に開放状とされた嵌合部114が形成されている。
ロックシリンダ115は、フロントフレーム10の上壁91に形成された配置開口部119内に軸心が左右方向と一致するように水平状に配置されており、流体(本実施の形態では油)が充填されたシリンダチューブ116と、このシリンダチューブ116内に左右方向移動自在に収容されたピストン117と、該ピストン117の左右両側に固定され且つシリンダチューブ116から左右方向外方に突出する左右一対のピストンロッド120とから主構成されている。
左右の各支持板121は、フロントフレーム10の連結板93の水平壁部98上に立設されていると共に、上部の前後方向中央部に上方及び左右両側に開放状の取付溝122が形成されている。
一方、左右各ピストンロッド120の外端側には頭付きボルトからなる取付ボルト123が左右方向に螺合されており、この取付ボルト123の軸部分を前記支持板121の取付溝122に上方側から挿入して嵌合し、その後、取付ボルト123を締め付けることにより、左右のピストンロッド120がフロントフレーム10(機体フレーム6)側に左右方向に沿う方向に水平状に取付固定される。
この被嵌合部126は前後方向の軸心を有するピンからなり、ピストンロッド120の取付時に同時に作動体111の嵌合部114に嵌合する。
切換弁118は2ポート2位置切換弁118からなり、一方のポートがシリンダチューブ116内の一方の室124Aにホース等を介して連通し、他方のポートがシリンダチューブ116内の他方の室124Bにホース等を介して連通しており、シリンダチューブ116の一方の室124Aから他方の室124Bに至る経路に流体(油)が充填されている。
前記構成の揺動ロック機構112にあっては、シリンダチューブ116の一方の室124Aから他方の室124Bに流体が流通する連通状態に切換弁118が切り換えられている状態では、シリンダチューブ116の左右移動が許容されて前車軸ケース96の揺動が許容され、シリンダチューブ116の一方の室124Aから他方の室124Bに流体が流通しない非連通状態に切換弁118が切り換えられている状態では、シリンダチューブ116の左右移動が規制されて前車軸ケース96の揺動が規制(ロック)される。
なお、組み付け方法としては、作動体111が取り付けられた前車軸ケース96をフロントフレーム10に組み付け、その後、ロックシリンダ115を組み付けてもよいし、先にフロントフレーム10にロックシリンダ115を組み付け、その後、作動体111が取り付けられた前車軸ケース96をフロントフレーム10に組み付けるようにしてもよい。
旋回体3は、機体フレーム6上に上下方向の旋回軸心回りに旋回自在に支持された旋回台201と、この旋回台201の前部に設けられた走行系の操縦装置202及び対地作業装置としての掘削作業装置203と、旋回台201の後部に設けられた運転席配置枠体204と、この運転席配置枠体204に設けられた運転席205と、この運転席205の左右両側に配置された掘削作業装置用の操作装置206と、運転席配置枠体204に設けられた掘削作業装置用のコントロールバルブ(操作装置206の切換弁)207及びカウンタウエイト208と、ロプス209とを備えている。また、前記旋回軸心Xは、前後輪の軸間中心と直交する軸線に一致している。
また、旋回台201は、前枠材211と、この前枠材211の後方に間隔をおいて配置された後枠材212と、これら前枠材211と後枠材212とを左右両側部で連結する左右一対の側枠材213と、旋回台201下面側の前後枠材212間に設けられた下部壁214と、この下部壁214の上面側に設けられたステップ215(足置き部)とを備えている。
掘削作業装置203は、図1及び図16〜図21に示すように、左右の各マスト216の上部に左右軸回りに回動自在に枢支連結された左右一対のブーム241と、基部側が左右各ブーム241の先端側に左右軸回りに回動自在に枢支連結された左右一対のアーム242と、左右アーム242の先端側に設けられた対地作業をする作業具としてのバケット243と、左右の各ブーム241を枢支部回りに上下揺動させる左右一対のブームシリンダ244と、左右の各アーム242を枢支部回りに前後揺動させる左右一対のアームシリンダ245と、バケット243を揺動させる1本のバケットシリンダ246とを有する。
左右アーム242の基部側は左右方向に沿って配置されたパイプ材からなる連結部材247によって連結され、この連結部材247の左右方向中央部に設けられたブラケット248にバケットシリンダ246の一端側(シリンダ本体のピストン頂部側)が左右軸回り回動自在に枢支連結されている。
左右のアーム242の先端側には、バケット243を支持する支持体249が設けられている。
アーム242の先端側の横軸251より基部寄りには、左右アーム242を連結するように左右方向の軸心を有する支軸252が軸心回り回動自在に設けられ、この支軸252の左右方向中央側には第1リンク253の一端側が連結され、この第1リンク253の他端側には第2リンク254が左右軸回り回動自在に枢支連結され、この第2リンク254の他端側は支持体249背面の左右方向中央側に設けられたブラケット255に左右軸回り回動自在に枢支連結されている。
バケット243は前記支持体249に、該支持体249のバケット243(作業具支持面)256に対して垂直な軸心Yを有する回動軸257回りに回動自在に支持されており、このバケット243は、該バケット243と支持体249との間に設けられた回動手段258によって、図18(a)に示す掬い作業可能な第1作業姿勢から、図18(b)に示す掻き込み作業可能な第2作業姿勢に前記回動軸257の軸心Y回りに180°回動可能とされている。
シリンダチューブ259は、バケット243の回動軸257の軸心Yを軸心とし、支持体249の前後に突出状として支持体249に挿通されていると共に支持体249にボルト固定されており、正面側が開口状とされており、前後に圧油の出入りポート261A,261Bが形成されている。
回動軸257の取付部262には取付板264がボルト固定され、この取付板264をバケット243の背面壁265にボルト固定することにより、回動軸257がバケット243に一体回動可能に取付固定されている。
また、前記回動軸257の軸部263外周側と、前記ピストン260の内周側とには、相互に歯合していてピストン260の直線移動を回動軸257の回動に変換するスクリュウ266,267が形成されており、シリンダチューブ259の出入りポート261A,261Bの一方又は他方から該シリンダチューブ259内に圧油を供給することによりピストン260が軸心方向に直線状に移動し、ピストン260内周側のスクリュウ267と、回動軸257の軸部263外周側のスクリュウ266とが歯合することにより回動軸257が軸心回りに回動する。
図例のものでは、ピストン260が前端側(一端側)のストロークエンドから若干(3mm程度)離れた位置でバケット243が第1作業姿勢となり、後端側(他端側)のストロークエンドから若干(3mm程度)離れた位置でバケット243が第2作業姿勢となるように設定されている。
また、掘削作業装置203には、第1作業姿勢において第2作業姿勢から第1作業姿勢へと回動する方向(図21の矢示A方向)のバケット243の回動(バケット243の一方向の回動という)を規制し且つ該一方向の回動Aと逆方向のバケット243の回動は許容すると共に、第2作業姿勢において第1作業姿勢から第2作業姿勢へと回動する方向(図21の矢示B方向)のバケット243の回動(バケット243の他方向の回動という)を規制し且つ該他方向の回動Bと逆方向のバケット243の回動は許容する回動規制手段268が設けられている。
前記係止部269は、左右方向の軸心を有するピンによって構成され、バケット243の背面壁265に固定されたブラケット272に固定されている。
第1被係止部270及び第2被係止部271は、フック状に形成されていて支持体249の正面側に固定されており、第1被係止部270はバケット243の他方向の回動方向Bに開放状とされていて、第1作業姿勢においてバケット243の一方向の回動Aを規制し且つバケット243の他方向の回動Bは許容するように係止部269を係止し、第2被係止部271はバケット243の一方向の回動方向Aに開放状とされていて、第2作業姿勢においてバケット243の他方向の回動Bを規制し且つバケット243の一方向の回動Aは許容するように係止部269を係止する。
また、掘削作業装置203には、バケット243を第1作業姿勢と第2作業姿勢とにおいて保持する姿勢保持手段273が設けられている。
係合部材276は、先端側がテーパ状に形成されたピンによって構成され、この係合部材276を出退方向に移動自在に案内するガイド筒278が支持体249の背面に固定されたブラケット279に固定されており、係合部材276はこのブラケット279を貫通してガイド筒278に挿通されている。
この被係合部277は、バケット243の背面壁265に取付固定された取付部材280に固定されている。
係合部材276の基部側の側方には、係合部材276を被係合部277から抜脱してこれらの係合を解除する解除レバー281が設けられている。
この解除レバー281はV字状に屈曲形成されており、その屈曲部分が支持体249に固定された段付き状の取付軸282に回動軸257の軸心と平行な軸心回りに回動自在に取り付けられている。
また、この解除レバー281は、該解除レバー281と取付軸282の端部側に外嵌されたバネ受け284との間に介装された圧縮コイルバネからなるバネ部材285の付勢力によって回動抵抗が付与されている。
この解除レバー281の一端側と前記係合部材276の基端側とは、連動部材286によって連動連結されている。
また、連動部材286の一端側に設けたバネ受け段部290と係合ブロック283との間には、圧縮コイルバネからなるバネ部材291がロッド部287に套嵌状として介装されている。
また、係合部材276が被係合部277に係合した状態において、解除レバー281の他端側を、図20(b)において、時計回りに回動させることにより、係合ブロック283がナット289に接当して連動部材286を引動し、これによって係合部材276が抜脱方向に引動されて、係合部材276と被係合部277との係合状態が解除され、バケット243の回動が可能となる。
前記解除レバー281は、プッシュプルケーブル等の連動部材294を介して運転席205の近傍に設けられる遠隔操作レバーに連動連結され、この遠隔操作レバー及び前記連動部材294等によって構成される遠隔操作手段によって運転席205側から遠隔操作されるか、または、支持体249に設けられる手動レバーによって操作される。
なお、解除レバー281を操作する手動レバーを支持体249に設ける場合において、ブーム241を上昇させると共に、アーム242を後方に揺動させて掘削作業装置203を折りたたむことにより旋回台201上から前記手動レバーが操作可能である。
また、回動手段258をモータによって構成するとコスト高となるが、バケット243の回動とバケット243の回動規制及び姿勢保持とを別の手段によって構成することにより、また、本実施の形態のバケット243にあっては、第1作業姿勢と第2作業姿勢との2位置に位置変更できればよく、回動手段258を、シリンダチューブ259とピストン260と回動軸257とによって構成することにより構造の簡素化が図れ、回動手段258を安価に構成することができる。
上記旋回体3は、旋回台201の下部壁214が前記走行体2の旋回軸受16のインナーレース87上に載置されてボルト固定されていて、該旋回軸受16によって旋回台201が走行体2上に旋回軸心X回りに旋回自在に支持されており、本実施の形態では、旋回体3は左右両方向に全周旋回可能とされている。
ここで、図1に示す如く、走行体2は、エンジン7を搭載していても旋回台201をより低位置に配置するために、エンジン7を後部に配置し、また、走行系動力伝達機構8をエンジン7より前側に配置している。これにより、走行体2の旋回台201に対向する部分の上下寸法を小さくしている。
なお、ステップ215の上面をエンジン7の上面よりもやや高位とした状態で旋回体3を走行体2上に配備した場合にも旋回作業機1の上下方向のコンパクト化が図られ、少なくとも旋回台201に配備された旋回軸受16の上面をエンジン7の上面よりも低位とした状態で旋回体3を走行体2上に配備することにより、旋回作業機1全体の上下方向のコンパクト化や安定性の向上が図られることとなる。
これにより、旋回軸心Xから旋回体3の後端までの距離L1は、旋回軸心Xから後輪の後端までの距離L2以内に略納めている。これによって、旋回体3を旋回させた場合にも、後方の障害物と衝突が回避されることとなる。
図24及び図25に示す如く、運転席配置枠体204は、旋回台201に固定された支持枠321と、この支持枠321に取り付けられていて運転席205を前側枢支で前倒し可能に載置する載置台322と、カウンタウエイト208を取り付けるウエイト取付枠323とを備えている。
載置台322は、支持枠321の左右一対の斜行部324に沿って配備された左右一対の側壁326と、該左右一対の側壁326の前側縁部を連結した状態で旋回台201から立設された前壁327と、該左右一対の側壁326及び前壁327の上端縁部を連結して支持枠321の連結部325の下方まで延設された上壁328と、該上壁328の上面に配備されて運転席205を支持するシート台329とを備えている。
ウエイト取付枠323は、前記支持枠321の連結部325に支持されており、該連結部325を上方より覆う上枠部334と、該上枠部334の下面側から下方に伸びる左右一対の側枠部335と、該側枠部335の下端部を連結して左右に伸びる下枠部336とを備えており、上枠部334が支持枠321の連結部325に溶接接合された取付具325aにボルト等の締結具を介して締結されることにより、支持枠321に取り付けられている。
サブカバー343は、所定の間隔を有して載置台322の前壁327と対向しており、下端縁がステップ215に当接すると共に両側縁がメインカバー342の側縁と対向しており、さらに、上端縁がシート台329の前端縁を覆った状態で配備されている。また、該サブカバー343は、ボルト等の締結具を介してステップ215や載置台322等に取り付けられており、メインカバー342を取り外すことなく取付位置から着脱自在とされている。
また、図23に示す如く、前記左右一対のマスト216にはそれぞれ、上端部に前ロプス支持部348が平坦状に形成されており、これら旋回台201の前後に位置する左右一対の前ロプス支持部348及び後ロプス支持部347にロプス209が支持されている。
運転席205は、作業者が着座可能なシート355と、該シート355を前後位置調整可能に支持するシート支持部356とを備え、該シート支持部356の前部には、前記シート台329の支持具333に連結される連結具357が配備されている。
また、前記シート支持部356は、運転席205をシート台329上に載置した状態で該シート台329の開口332を閉塞する蓋部材358を備えている。これによって、図23中に二点鎖線で示す如く、運転席205をシート台329上に載置した状態から前倒し状態に揺動させることにより、前記開口332は蓋部材358によって閉塞した状態から開放した状態となり、運転席205を前倒し状態からシート台329上に載置した状態に揺動させることにより、前記開口332は開放した状態から蓋部材358によって閉塞した状態に設定されることとなる。
また、右操作レバー361Rの後方には、バケット243の回動を操作可能とするバケット回動レバー361Cが配備されている。
図23に示す如く、操縦台362は、ステアリングハンドル363を支持するハンドルポスト366と、パワステコントローラ367と、ステアリングハンドル363の前後位置を調整可能とするチルト装置(図示省略)とを備え、これらは1組のアセンブリとして組み立てた後に旋回台201上にコンパクトに装備できるようになっている。
図23及び図27に示す如く、前後進切換ペダル365は、中途部が左右方向の支軸に揺動自在に枢支された長尺状の揺動体365aと、該揺動体365aの前端部に配備された前踏込み部365bと、後端部に配備された後踏込み部365cとを備えると共に、前踏み込み又は後踏込みを解除すると中立位置に復帰可能に付勢されている。
操作力中継部371は、前記フートブレーキ手段70を操作するためのマスタシリンダ372及びこの操作具と、HST用のリモコン弁(切換弁)373及びこの操作具とを備えている。
また、前記取付部材374には、走行体2に配備されたデフロック装置80を作動させるデフロック作動手段377が配備されている。該デフロック作動手段377は、デフロック装置80のオン/オフを切換可能な切換弁378と、該切換弁378を操作可能なデフロックレバー379とを備えている。該デフロックレバー379は、一端が切換弁378の回転スプールに連結されると共に他端がサブカバー343に形成された案内孔(図示省略)を介して該サブカバー343の前方まで延設されている。そして、運転席205に着座した作業者が該デフロックレバー379の他端を踏み込むことにより、デフロック装置80がオン状態となって作動する。また、デフロックレバー379は、踏込みを解除すると踏込み前位置に復帰可能に付勢されており、踏み込みを解除することによりデフロック装置80は自動的にオン状態からオフ状態に移行する。
これによって、該前後進切換ペダル365の前踏込み部365bを踏み込むことにより、操作具を介してリモコン弁373の揺動スプール381が一方向に揺動し、リモコン弁373が前踏み込み状態として操作される。そして、前踏込み部365bの踏み込みを解除することにより前後進切換ペダル365は中立位置に復帰することとなるが、この戻り動作は第1ダンパ386aによって緩やかに行われる。
また、図23及び図27に示す如く、HSTのリモコン弁373の後方且つダンパ装置386の側となる位置にコントロールバルブ207が配備されており、該コントロールバルブ207の上面は前記開口332と対向している。
本実施の形態の旋回作業機1においては、上述の如く運転席205の下方の空間Sに操作力中継部371となるHSTのリモコン弁373、該リモコン弁373の操作具、ダンパ装置386、フートブレーキ手段70を動作させるマスタシリンダ372、該マスタシリンダ372の操作具、ブレーキオイルタンク375、デフロック作動手段377及びコントロールバルブ207が集中的に配備されることとなる。
また、運転席205を前倒し状態に設定することにより、シート台329の小窓333aから突出しているブレーキオイルタンク375のオイル注入口375aも露出することとなり、該ブレーキオイルタンク375へのオイルの注入も行うことができる。
図30及び図31は、本実施の形態の旋回作業機1の油圧回路を示しており、該油圧回路はスイベルジョイント14を境にして走行体側(図30)と旋回台側(図31)とに分かれている。
エンジン7の動力によって駆動されるメインポンプ68からの作動油は、スイベルジョイント14を介してコントロールバルブ207にも供給され、該コントロールバルブ207の各制御弁V1〜V5からそれぞれのアクチュエータへ送られる。
該コントロールバルブ207において、V1は旋回モータ15を制御する旋回用制御弁、V2はアームシリンダ245を制御するアーム用制御弁、V3はバケット243の回動手段258を制御するバケット回動用制御弁、V4はブームシリンダ244を制御するブーム用制御弁、V5はバケットシリンダ246を制御するバケット用制御弁である。
また、右操作レバー361Rにはバケット用とブーム用のリモコン弁393Rが設けられており、該右操作レバー361を前後に揺動させることにより、作業具用制御弁V5を介してバケット243がチルト・ダンプ動作し、右操作レバー361を左右に揺動させることにより、ブーム用制御弁V4を介してブームシリンダ244が上げ・下げ動作することとなる。
なお、本実施の形態では、旋回用制御弁V1、アーム用制御弁V2、ブーム用制御弁V4、バケット用制御弁V5、上記リモコン弁393L、393Rの如きパイロット圧で操作されるパイロット操作切換弁によって構成され、バケット回動用制御弁V3は人為的操作によって操作される人為操作切換弁378で構成されているが、すべての制御弁V1〜V5をパイロット操作切換弁で構成してもよい。
また、図30に示す如く、HST用のリモコン弁373と前後進切換手段51とを連結するパイロット油路395a、395bに、旋回台201を前向き姿勢から後向き姿勢に旋回させたときにそれを検出して、前後進切換ペダル365による前後進切換手段51の切換操作を反転する前後進変換手段401が配備されている。
図28及び図30に示す如く、前後進変換手段401は、HST用のリモコン弁373と前後進切換手段51の間のパイロット油路395a、395bを切り換えて該リモコン弁373からの圧油を前後進切換手段51に供給可能な4ポート3位置の切換弁402と、旋回台201の旋回状態を検知して前記切換弁402の回転スプール402aを3位置間で切り換える検知機構403とを備えている。
また、切換弁402は、図30に示す如く、回転スプール402aをA位置(順接状態)とすることにより、リモコン弁373と前後進切換手段51とが順接状態で接続されることとなり、リモコン弁373の前進側ポート343aからの圧油が前後進切換手段51の前進側ポート52に供給されると共に、リモコン弁373の後進側ポート373bからの圧油が前後進切換手段51の後進側ポート53に供給されることとなる。したがって、前後進切換ペダル365の前踏込み部365bを踏み込むことにより、走行体2は前進し、前後進切換ペダル365の後踏込み部365cを踏み込むことにより、走行体2は後進することとなる。
また、切換弁402の回転スプール402aをC位置(逆接状態)とすることにより、リモコン弁373と前後進切換手段51とが逆接状態で接続されることとなり、リモコン弁373の前進側ポート373aからの圧油が前後進切換手段51の後進側ポート53に供給されると共に、リモコン弁373の後進側ポート373bからの圧油が前後進切換手段51の前進側ポート52に供給されることとなる。したがって、前後進切換ペダル365の前踏込み部365bを踏み込むことにより、走行体2は後進し、前後進切換ペダル365の後踏込み部365cを踏み込むことにより、走行体2は前進することとなる。
検知アーム406は、長尺の揺動片408を備え、該揺動片408は、一方の端部が走行体2のメインフレーム9の上壁18に枢支されると共に他方の端部に長孔408aが形成されており、該長孔408aには、前記作動片404のピン405が挿通されている。
これにより、検知アーム406を揺動させることにより作動片404が揺動し、該作動片404の揺動に伴って回転スプール402aが回転することとなる。また、検知アーム406の長尺方向中途部には、旋回台201に向けてローラ408bが突設されている。
また、走行体2の機体フレーム6と旋回台201との間には、前記揺動ロック機構112を作動させる作動手段411が設けられている。
該切換弁118は、回転スプール412aをA位置とすることにより、揺動ロック機構112のシリンダチューブ116に形成された2室124A、124Bを連通する連通油路が接続状態となって該2室124A、124Bが連通状態となる。これによって、当該回路内の流体は2室内を自在に出入り可能となる。したがって、揺動ロック機構112は解除されることとなり、路面の状況に応じて前車軸ケース96は揺動することとなる。
作動手段411は、走行体側に配備された作動アーム416と、旋回台側に配備されて該作動アーム416を動作させる作動カム417とを備えている。
また、作動カム417は、前記カム形成部材410に外周面に形成されたカム面によって形成されており、該カム面は、直径が異なる2つの円弧を滑らかに連結した形状を呈しており、該カム面に作動アーム416のローラ418bを当接している。
また、作動アーム416は、そのローラ418bを旋回軸心Xを介して検知アーム406のローラ408bに正対させた位置に配備されており、作動アーム416のローラ418bの中心軸、旋回軸心X及び検知アーム416のローラ408bの中心軸を結ぶ直線は走行体2の前後方向に伸びる中心軸と一致している。
ここで、図29を用いて、前後進変換手段401及び作動手段411の動作を説明する。
このとき、検知アーム406は一方向に揺動しており、これによって切換弁402の回転スプール402aがA位置に設定されることとなり、リモコン弁373と前後進切換手段51とは順接状態で接続される。したがって、この状態で前後進切換ペダル365の前踏込み部365bを踏み込むことにより、走行体2は前進操作されることとなり、走行体2が前進走行することはもちろん、運転席205に着座した作業者からみて旋回作業機1は前進する。
ここで、検知カム407による検知カム407の大径溝部421aへの当接状態及び作動カム417による作動カム417の一方の大径面部422aへの当接状態は、旋回体3の旋回角度を前向き姿勢から左右方向に所定の旋回角度で与えられる前旋回範囲内とした場合に維持されることとなる。
このとき、検知アーム406は一方向に揺動している状態から揺動して中立状態となり、これによって切換弁402の回転スプール402aがB位置に設定されることとなり、リモコン弁373と前後進切換手段51との接続状態が絶たれることとなる。したがって、この状態で前後進切換ペダル365の前踏込み部365b又は後踏込み部365cのいずれを踏み込んだ場合にも、走行体2は走行することはない。
そして、旋回角度が中間旋回範囲を越えるまで旋回体3を旋回させ、例えば図29(c)に示す如く、走行体2と旋回体3の方向をそれぞれ相反させて走行体2に対する旋回体3の旋回角度を180°(後向き姿勢)とした場合、検知アーム406のローラ408bが検知カム407の小径溝部421cに当接すると共に、作動アーム416のローラ408bが作動カム417の前記大径面部422aに相対する他方の大径面部422aに当接することとなる。
一方、作動アーム416は一方向に揺動しており、これによって切換弁118の回転スプール412aがA位置に設定されることとなり、シリンダチューブ116の2室124A、124Bは連通状態とされて揺動ロック機構112は解除されることとなる。
即ち、旋回体3の旋回角度に応じて、該旋回体3は前旋回範囲、後旋回範囲及びこれらの旋回範囲間に設けられた一対の中間旋回範囲の何れかの旋回範囲に位置することとなり、位置している旋回範囲に応じて前後進切換ペダル65の前後進操作が切り換えられ(反転し)、また、揺動ロック機構112が切り換えられることとなる。
また、前後進変換手段401の順接状態及び揺動ロック機構112の作動手段411の非作動状態は、旋回体3の旋回角度を前旋回範囲内としている間維持される。このため、前向き姿勢から所定の角度範囲内で旋回体3を旋回させた場合にも、前後進変換手401段及び作動手段401が切り換えられることはない。旋回体3を後旋回範囲とした場合も同様である。
また、旋回体3の旋回角度を中間旋回範囲内とした場合、ステアリング変換手段425は中立状態となり、ステアリングハンドル363の操作に拘わらず走行体2は旋回不能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、左右一対の後輪5を左右一対前輪7の如く車軸ケースを介して走行体2に揺動自在に支持し、該車軸ケースに揺動ロック機構112を配備する場合にも、本実施の形態と同様の効果を奏する。即ち、本実施の形態の車軸ケース及び揺動ロック機構112は、左右一対の前輪4と後輪5の一方若しくは両方に配備することが可能である。
また、操縦装置202にハンドアクセルレバーを配備し、該ハンドアクセルレバーによって対地作業装置による作業形態に応じてエンジン7の回転数を調整する構成とすることも可能である。
4 前輪
5 後輪
6 機体フレーム
7 エンジン
8 走行系動力伝達機構
35 静油圧トランスミッション
37 機械式伝動装置
38 後輪デフ装置
39 後車軸
58 デフ出力軸
70 フートブレーキ手段
71 駐車ブレーキ手段
201 旋回台旋回台
202 操縦装置
203 掘削作業装置
204 運転席配置枠体
205 運転席
206 操作装置
X 旋回軸心
Claims (3)
- 前後輪(4,5)によって支持された機体フレーム(6)の後部にエンジン(7)を搭載してなる走行体(2)を備え、この走行体(2)上に旋回台(201)を上下方向の旋回軸心(X)回りに全周旋回可能に支持し、この旋回台(201)の前部に対地作業装置(203)を、後部に運転席(205)を設けると共に、該旋回台(201)に走行系の操縦装置(202)と対地作業装置用の操作装置(206)とを備えてなるホイール式作業機において、
前記エンジン(7)からの動力を後輪(5)に伝達する走行系動力伝達機構(8)は、前記エンジン(7)の前側に設けられた後輪デフ装置(38)と、この後輪デフ装置(38)の前側に配置されていてエンジン(7)からの動力が伝達される静油圧トランスミッション(35)と、この静油圧トランスミッション(35)の後方に位置し且つ該静油圧トランスミッション(35)からの動力を後輪デフ装置(38)へ伝達する機械式伝動装置(37)と、前記後輪デフ装置(38)のデフ出力軸(58)から動力を後車軸(39)に伝達して後輪(5)を回転させる終伝動装置(40)とを有し、
前記走行系動力伝達機構(8)を前記旋回台(201)より下方に配置し、この旋回台(201)の後部に運転席(205)を配置するための運転席配置枠体(204)を設け、この運転席配置枠体(204)の後部をエンジン(7)の上方に配置し、
前記終伝動装置(40)を前記後輪デフ装置(38)の側方から前記エンジン(7)の前部側方に亘るように配置していることを特徴とするホイール式作業機。 - 前記走行系動力伝達機構(8)は、前記エンジン(7)から前記静油圧トランスミッション(35)に動力を伝達する走行推進軸(34)を有し、この走行推進軸(34)にフライホイール(42)を連結し、このフライホイール(42)から左右方向外方に外れる位置に前記後輪デフ装置(38)を配置したことを特徴とする請求項1に記載のホイール式作業機。
- 静油圧トランスミッション(35)から後輪デフ装置(38)に伝達される走行動力を制動するフートブレーキ手段(70)又は静油圧トランスミッション(35)と後輪デフ装置(38)との間の動力伝達系統を停止状態に保持する油圧式の駐車ブレーキ手段(71)の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のホイール式作業機。
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