JP2004049903A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数ライン演出を効果的に演出することができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の遊技機によれば、表示演出部10は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の遊技機によれば、表示演出部10は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などに代表される遊技機では、遊技盤に設けられた始動口に球が入賞すること(始動入賞)により、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定められた大当り図柄となった場合に、遊技者にとって有利となる状態例えば大当り状態となるものが知られている。
【0003】
このような遊技機において、特定のリーチ時に、有効なラインとしての成立ラインを複数本成立させた複数ライン演出を発生させて、興趣の向上を図っているものがある。このような遊技機においては、複数本の成立ラインのうちで何れのラインについてのリーチ演出であるかを教示するためのラインを可変表示装置中に表示したり、可変表示装置中のリーチ演出を行う図柄の色を変化させたりすることで、リーチ演出を行うラインや図柄を遊技者に示唆していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、近年、遊技盤中の可変表示装置が大型化あるいはワイド化されてきており、上述したような複数ライン演出におけるリーチ演出を教示するためのライン表示や図柄の色変更等の示唆方法では、どのラインのリーチ演出を行っているのかが遊技者にとってわかり難いものとなっており、複数ライン演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数ライン演出を効果的に演出することができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、識別情報を表示する複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報が所定の表示態様で停止した場合に特別遊技状態となる遊技機において、前記複数本の表示ラインの何れかのライン上で前記識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御する表示制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ラインの両端部側の前記特定識別情報を、このリーチ成立ラインの中央側の前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ラインの両端部側の特定識別情報を、このリーチ成立ラインの中央側の非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0011】
(2)前記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の中央に位置する演出領域に前記非特定識別情報を表示し、少なくとも主たる領域が前記演出領域の外側に位置する待機表示領域に前記特定識別情報を複数表示し、前記複数の特定識別情報のうちリーチ成立ラインの特定識別情報を前記演出領域に変動させて前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部の中央に位置する演出領域に非特定識別情報を表示し、少なくとも主たる領域が演出領域の外側に位置する待機表示領域に特定識別情報を複数表示し、複数の特定識別情報のうちリーチ成立ラインの特定識別情報を演出領域に変動させて非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、リーチ演出を行おうとするリーチ成立ラインの特定識別情報を演出領域に移動させてリーチ演出を行い、それ以外の特定識別情報を演出領域の外側に位置する待機表示領域に残したままとしておくので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0013】
(3)前記(2)に記載の遊技機において、
前記待機表示領域は、前記演出領域とは重複せずこの演出領域の外部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、待機表示領域は、演出領域とは重複せずこの演出領域の外部に設けられているので、待機表示領域と演出領域とを明確に区別することができ、演出領域でのリーチ演出をよりわかり易く見せることができる。
【0015】
(4)前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の表示画面の略端部に前記待機表示領域を設けていることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、表示部の表示画面の略端部に待機表示領域を設けているので、表示画面の中央に位置する演出領域でのリーチ演出を効果的に見せることができる。また、待機表示領域に特定識別情報を表示しておくことができる。
【0017】
(5)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域にある前記特定識別情報の態様を一定として表示することを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域にある特定識別情報の態様を一定として表示しているので、遊技者は、待機表示領域に気をとられることなく、画面中央の演出領域でのリーチ演出に注目することができる。なお、ここで言う「特定識別情報の態様を一定とする」ことは、特定識別情報の態様が全く変化しない状態であってもよく、待機表示領域の特定識別情報に遊技者の意識が行かない程度にこの特定識別情報の態様がある程度変化する状態であってもよいという意味である。
【0019】
(6)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に同じライン上で近づけることを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に同じライン上で近づけるので、遊技者はその特定識別情報の変動方向を見ることでリーチ成立ラインを知ることができる。
【0021】
(7)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示することを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示するので、リーチ成立ラインをよりわかり易く表示することができる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記非特定識別情報を一定方向に変動させることを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の発明によれば、表示制御手段は、非特定識別情報を一定方向に変動させるので、一定方向に変動する非特定識別情報に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記非特定識別情報を一定速度で変動させることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の発明によれば、表示制御手段は、非特定識別情報を一定速度で変動させるので、一定速度で変動する非特定識別情報に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0027】
(10)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域の前記特定識別情報を前記非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、前記非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じにすることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域の特定識別情報を非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じにするので、リーチ成立ライン上の特定識別情報と、非特定識別情報とが同じ時刻に画面の所定位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0029】
(11)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域の前記特定識別情報を前記非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、前記非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、前記リーチ成立ラインごとに、特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける速度を変えることを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(11)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域の特定識別情報を非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、特定識別情報を非特定識別情報に近づける速度を変えるので、リーチ成立ライン上の特定識別情報と、非特定識別情報とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面の所定位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0031】
(12)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記識別情報とは別の表示情報が、前記待機表示領域にある前記特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(12)に記載の発明によれば、表示制御手段は、識別情報とは別の表示情報が、待機表示領域にある特定識別情報を非特定識別情報に近づける演出を行うので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0033】
(13)前記(12)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示情報の動作によってリーチラインを演出することを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(13)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示情報の動作によってリーチラインを演出するので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0035】
(14)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(13)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の前記特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(14)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、複数本のリーチ成立ラインのうちのどのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、複数リーチ状態での各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0037】
(15)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定識別情報は、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報であり、
前記非特定識別情報は、変動中の識別情報であることを特徴とする遊技機。
【0038】
前記(15)に記載の発明によれば、特定識別情報は、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報であり、非特定識別情報は、変動中の識別情報であるとしているので、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報を変動中の識別情報に近づけるというリーチ演出を行うことができる。したがって、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うこともできる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0039】
(16)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0040】
前記(16)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0041】
(17)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0042】
前記(17)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0043】
(18)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0044】
前記(18)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0046】
図1は、実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
【0047】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤1の左右部に各々配置されて球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウト口69とを備えている。
【0048】
普通図柄表示装置32は、背後に設けられたランプ(図示省略)の点灯を切り換えることにより変動表示される「○」および「×」の図柄32a,32bと、この「○」および「×」の図柄32a,32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備えている。「○」および「×」の図柄32a,32bは、球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
【0049】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0050】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、上述した特別図柄表示装置40が本発明における表示部に相当し、上述した主図柄、副図柄が本発明における識別情報に相当する。
【0051】
遊技盤1には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0052】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0053】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0054】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号と、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0055】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を行うように特別図柄表示装置40を表示制御する表示演出部10を備えている。
【0056】
この表示演出部10は、複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を指示する表示演出指示部12と、この表示演出指示部12からの指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの指示に基づいて上述の表示演出も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0057】
表示演出指示部12は、複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を指示するものである。具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にてリーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンD設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が表示演出指示部12に相当する。なお、上述した表示演出部10が本発明における表示制御手段に相当する。
【0058】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0059】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0060】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0061】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄左列カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄左列カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち左列Lの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(a)は、外れ図柄左列カウンタCLの値と左列Lの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、左列Lでは上から下に向かって降順に表れる。
【0062】
続いて外れ図柄左列カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄左列カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄右列カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄右列カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち右列Rの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(b)は、外れ図柄右列カウンタCRの値と右列Rの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、右列Rでは上から下に向かって昇順に表れる。
【0063】
続いて外れ図柄右列カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄右列カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中列カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中列カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中列Mの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLや外れ図柄右列カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(c)は、外れ図柄中列カウンタCMの値と中列Mの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中列Mでは右列Lと同様、上から下に向かって昇順に表れる。
【0064】
外れ図柄各列カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄左列カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄右列カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃ったときには、それと同じ判定ラインで中列Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中列Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中列Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0065】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄左列カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0066】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0067】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図13に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0068】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0069】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0070】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図13に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0071】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を垂直方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図14に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0072】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図14に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0073】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜59のいずれかの数値であり、大当り図柄は5つの判定ラインL1〜L5のいずれかで12個の主図柄のいずれかが揃うことから60通りあり、各カウンタ値には60通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには60通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図15に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上95未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S348)。各変動パターンについては後述する。
【0074】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄左列カウンタCL,外れ図柄中列カウンタCM,外れ図柄右列カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図16に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(S356)。
【0075】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0076】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5(図4参照)のいずれにおいても左列Lと右列Rの主図柄が揃っていない)、9秒後に中列Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。
【0077】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)、その後、中列Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に、左列Lおよび右列Rの図柄を中列Mの図柄の方に近づけて、左列Lの図柄と右列Rの図柄との間に上から下に変動する中列Mの図柄を挟み込んでから左列Lおよび右列Rを中列Mの図柄から離間させて元の位置に戻し、中列Mの図柄を停止するパターンとして設定されている。
【0078】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を一旦停止させた後に、中列Mの図柄を所定の変動表示態様で表示する表示演出を行うことで遊技者に再始動を察知させ、再びこの中列Mの図柄の変動表示を開始させて所定時間(例えば5秒間)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。
【0079】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「マスターリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンD」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていった後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「マスターリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0080】
このパターンDを、図17〜図20を用いて説明する。図17〜図20はこのパターンDの一例を示す説明図である。なおここでは、特別図柄表示装置40の表示画面が上述のマスターリーチ画面に切り替わったところから説明するものとする。
【0081】
図17(a)に示すように、マスターリーチ画面の左列Lでは「中」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動するとともに、その右列Rでは「龍」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動し、さらに、中列Mの上段側から主図柄が上から下に変動し、「マスター」と呼ばれる老人のキャラクター(以下、適宜に「マスターK」と呼ぶ)が中列Mの下段側から登場しつつある。図17(a)では、マスターKの頭の天辺のみが現れている。また、図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の中央には演出領域E1が設けられ、その表示画面の両端部には停止図柄表示領域E2がそれぞれ設けられている。この表示画面中央の演出領域E1では、中列Mの主図柄が変動されるとともに、マスターKによるリーチ演出が行われる。この表示画面の左端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの左列Lの主図柄が表示され、特別図柄表示装置40の表示画面の右端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの右列Rの主図柄が表示される。なお、この実施例では、図17(a)に示すように、停止図柄表示領域E2は演出領域E1に重複しないものとしているが、停止図柄表示領域E2の一部が演出領域E1に重複するものであってもよい。図17(b)〜(d)および図18〜図20においては、説明の便宜上の理由から、この演出領域E1および停止図柄表示領域E2の図示を省略する。なお、上述した停止図柄表示領域E2が本発明における待機表示領域に相当する。
【0082】
そして、図17(b)に示すように、左列Lでは「中」、「發」、「龍」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっており、右列Rでは「龍」、「發」、「中」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっている。つまり、ラインL2,L4,L5において左列Lと右列Rの主図柄が揃っているいわゆるトリプルリーチの状態となっている。中列Mの主図柄は、一定方向(例えば、上から下へ)に一定速度(例えば、通常変動時の変動速度より低速)で移動する変動中の状態のままである。図17(b)では、マスターKの顔まで現れてきており、中列Mの「七萬」の主図柄が上から下に変動している。なお、上述した停止図柄表示領域E2における変動停止済みの左列Lおよび右列Rの主図柄が本発明における特定識別情報に相当し、演出領域E1における中列Mの変動表示中の主図柄が本発明における非特定識別情報に相当する。
【0083】
そして、図17(c)に示すように、中列Mの主図柄は変動中であり、マスターKがその上半身まで現された後に、図17(d)に示すように、マスターKがズームアップ表示される。
【0084】
そして、図18(a)に示すように、変動中の中列Mの主図柄が、左列Lの上図柄である「龍」(右列Rの下図柄である「龍」)に近づいてくると、画面中央に表示されたマスターKは、両手をラインL5方向に広げて、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を掴む。こうすることで、これからラインL5についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL5についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0085】
そして、図18(b)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を、ラインL5の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を、中列Mの図柄の変動軌跡上の所定位置としての画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0086】
そして、図18(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を挟み込む。このとき、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」は、中列Mの変動中の「龍」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「龍」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「龍」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「龍」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL5についてのリーチ演出が行われる(図18(a)〜(c)参照)。
【0087】
しかしながら、中列Mの「龍」の主図柄が変動停止することなく、左右の「龍」の主図柄の間を下方向にすり抜けて行ってしまった場合には、図18(d)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「龍」の主図柄を左列Lの上および右列Rの下に戻した後、今度は両手をラインL2方向に広げて、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」を掴む。こうすることで、これからラインL2についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL2についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0088】
そして、図19(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を挟み込むように、両手のそれぞれの「發」の主図柄をラインL2の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「發」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」と、変動中の中列Mの「發」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0089】
図19(a)に示すように、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」は、中列Mの変動中の「發」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「發」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「發」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「發」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL2についてのリーチ演出が行われる(図18(d),図19(a)参照)。
【0090】
しかしながら、図19(b)に示すように、中列Mの「發」の主図柄が変動停止することなく、左右の「發」の主図柄の間をすり抜けて行ってしまった場合には、図19(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「發」の主図柄を左列Lの中および右列Rの中に戻した後、図19(d)に示すように、今度は両手をラインL4方向に広げて、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を掴む。こうすることで、これからラインL4についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL4についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。そして、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を、ラインL4の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を演出領域E1に移動させている。
【0091】
そして、図20(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を挟み込む。このとき、各停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「中」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」と、変動中の中列Mの「中」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0092】
図20(a)に示すように、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」は、中列Mの変動中の「中」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「中」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。図20(b)に示すように、マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「中」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。図20(c)に示すように、マスターKは、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させるように、さらに気合を入れる。このようにして、ラインL4についてのリーチ演出が行われる(図20(a)〜(c)参照)。
【0093】
この最後のリーチ演出である、ラインL4についてのリーチ演出の結果は、大当りになる場合と外れとなる場合の2通りある。大当りになる場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」となっていた場合には、図20(d)に示すように、主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃い、マスターKが笑っている表示演出が行われる。主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃うことにより、その結果パチンコ機Pは大当り状態に移行する。
【0094】
外れの場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」となっていた場合では、中列Mの主図柄(ここでは「中」の主図柄)がすり抜けてしまい3つ揃わず、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0095】
なお、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの各主図柄(「龍」、「發」、「中」の主図柄)を、中列Mの主図柄のその変動軌跡上の所定位置である画面中央位置に変動させる時間と、中列Mの主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの各主図柄を中列Mの主図柄に近づける速度を変えている。その結果、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の中列Mの主図柄とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0096】
なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に左列L、中列M、右列Rの各図柄を変動表示するだけでなく、所定のリーチ遊技やリーチ用アニメの表示などが行われる。
【0097】
本実施例では、図15および図16を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0098】
「パターンE」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0099】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図14)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0100】
ここで、本発明の1つの特徴部分である上述の「パターンD」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図21を用いて説明する。図21は、パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。なお、図7を用いて上述したように、S227で決定した表示コマンドは、変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、変動パターンA〜Eを設定する変動パターンコマンドとを含むものであり、入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信(S228)される。表示用制御装置90は、この送信されてきた表示コマンド(停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとを含む)に従って特別図柄表示装置40を表示制御する。つまり、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40に表示させる画像データを予め記憶しており、送信されてきた前述の表示コマンドに基づいて選択された画像データを特別図柄表示装置40に出力する。特別図柄表示装置40は、表示用制御装置90から送信された画像データを画像表示する。
【0101】
図21に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの全図柄を砕いていった後に、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替える(S420)。なお、特別図柄表示装置40の左列L、右列Rの図柄を変動停止させ、中列Mの図柄のみが変動表示中であるときに、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの全図柄を砕いていった後に、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替えるようにしてもよい。
【0102】
そして、表示用制御装置90は、図17〜図20に示したマスターリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S430)。
【0103】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、表示演出部10は、主図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける表示演出を行うので、複数本のリーチ成立ラインのうちのどのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、複数リーチ状態での各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0104】
また、表示演出部10は、リーチ成立ラインの両端部側で変動停止済みの各主図柄を、このリーチ成立ラインの中央側(略中央側であってもよい)で変動表示中の主図柄に近づける表示演出を行うので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、リーチ成立ラインの両端に位置する変動停止済みの各主図柄を、このリーチ成立ラインの中央側の変動表示中の主図柄に近づける表示演出が行われるので、遊技者にとって、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出であるのかがわかり易い。
【0105】
また、リーチ演出を行おうとするリーチ成立ラインの変動停止済みの主図柄を演出領域E1に移動させてリーチ演出を行い、それ以外の変動停止済みの主図柄を演出領域E1の外側に位置する停止図柄表示領域E2に残したままとしておくので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、停止図柄表示領域E2の変動停止済みのリーチ演出を行う主図柄を、演出領域E1内に移動させて、この演出領域E1内の変動表示中の主図柄に近づける表示演出が行われるので、遊技者にとって、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出であるのかがわかり易い。
【0106】
また、特別図柄表示装置40の表示画面の略端部に停止図柄表示領域E2を設けているので、表示画面の中央に位置する演出領域E1でのリーチ演出を効果的に見せることができる。また、停止図柄表示領域E2に変動停止済みの図柄を表示しておくことができる。
【0107】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの主図柄の態様を一定として表示しているので、遊技者は、停止図柄表示領域E2に気をとられることなく、画面中央の演出領域E1でのリーチ演出に注目することができる。
【0108】
また、表示演出部10は、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に同じライン上で近づけるので、遊技者はその変動停止済みの主図柄の変動方向を見ることでリーチ成立ラインを知ることができる。
【0109】
また、表示演出部10は、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示するので、主図柄が水平方向に並べられる方が遊技者にとってはわかり易く、リーチ成立ラインをよりわかり易く表示することができる。
【0110】
また、表示演出部10は、変動中の主図柄を一定方向に変動させるので、一定方向に変動する主図柄に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、変動停止済みの主図柄を寄せていくことに遊技者の意識を向けることができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0111】
また、表示演出部10は、変動中の主図柄を一定速度で変動させるので、一定速度で変動する主図柄に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、変動停止済みの主図柄を寄せていくことに遊技者の意識を向けることができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0112】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、変動中の主図柄を前記所定位置に変動させる時間とを同じにするので、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0113】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、変動中の主図柄を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける速度を変えるので、何れのリーチ成立ラインにおいても、つまり、所定位置までの距離が異なっていても、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と変動中の主図柄とが、同じ時刻に画面の所定位置にくるようにでき、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0114】
また、表示演出部10は、主図柄とは別の表示情報としてのキャラクター(マスターK)が、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける演出を行うので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。具体的には、キャラクター(マスターK)が登場してきてリーチ演出を行うので、遊技者はリーチ演出に対して面白味を持ち、リーチ演出を効果的に行なうことができる。
【0115】
また、表示演出部10は、マスターKの動作によってリーチラインを演出するので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、マスターKの動作によってリーチラインを演出するので、リーチ演出を効果的に遊技者に教示することができる。
【0116】
本発明は、上記実施例に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0117】
(1)上述した実施例では、図17〜図20に示すマスターKが、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける演出を行っているが、このマスターK(老人のキャラクター)に限定されるものではなく、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人であってもよいし、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示情報を採り得ることは言うまでもない。
【0118】
(2)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしているが、3列以外の複数列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしてもよい。また、上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの各図柄を上から下に変動表示させるタイプとしているが、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば上段、中段、下段の縦3段に分け、各段での各図柄を右から左(あるいは左から右)に変動表示させるタイプとしてもよい。
【0119】
(3)上述した実施例では、図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の左端部および右端部に停止図柄表示領域E2を設けているが、特別図柄表示装置40の表示画面の上端部および下端部に停止図柄表示領域E2を設け、上述したような各リーチ成立ラインの個別表示演出を行うようにしてもよい。
【0120】
(4)上述した実施例では、いわゆるスペシャルリーチのパターンであるパターンDを、複数リーチ状態となるパターンとし、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインを個別に表示演出するようにしているが、このパターンDを複数リーチ状態となるパターン以外のパターンとし、パターンEを複数リーチ状態となるパターンとし、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインを個別に表示演出するとともに、その結果が100%大当りになるプレミアムリーチのパターンとしてもよい。この場合には、上述のマスターリーチ画面が表示されると、遊技者は、このマスターリーチ画面を見ることで、図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを察知することができ、特別遊技状態が確約された状態で図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを見ることができ、特別遊技状態を取得できた達成感を満喫でき、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0121】
(5)上述した実施例では、パターンDをトリプルリーチ状態となるパターンとして説明しているが、ダブルリーチパターン、あるいはそれ以上の複数リーチパターンとしてもよい。
【0122】
(6)上述した実施例では、図15,図16に示すように、変動パターンカウンタC4の値によってパターンA〜D等が決定されることを、具体的な数値を示して説明しているが、パターン決定するための変動パターンカウンタC4の値の割り振りは上述の実施例での値に限定されるものではなく、この変動パターンカウンタC4の値の割り振り等を適宜に変更したり、さらにパターンを増減したりするなどしてもよい。
【0123】
(7)上述した実施例では、リーチ成立ライン上の変動停止済みの左列L,右列Rの主図柄を変動中の中列Mの主図柄に同じライン上で近づけるようにしているが、このライン上以外で近づけるようにしてもよい。例えば、図18(a)に示したラインL5のリーチ演出の場合に、左列Lの上側の「龍」の主図柄をその下の「發」の主図柄上に位置するように下方向に変動させるとともに、右列Rの下側の「龍」の主図柄をその上の「發」の主図柄上に位置するように上方向に変動させて、左列L,右列Rの「龍」の主図柄を水平方向で揃えてから中列Mの主図柄に近づけるようにこの水平方向に変動させるようにしてもよい。
【0124】
(8)上述した実施例では、図17(b)に示すように、複数本のリーチ成立ラインが同時に成立した複数リーチ状態の場合において、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインのリーチ演出を行うことを一例に挙げて説明しているが、シングルリーチの場合においても適用できることは言うまでもない。例えば、図4に示すラインL1においてリーチが成立している場合において、このラインL1上の左列Lの図柄と右列Rの図柄とをこのラインL1上で中列Mの変動中の図柄に近づけるようにしてリーチ演出を行ってもよい。また、ラインL2〜L5のいずれかでシングルリーチが成立している場合も同様に、そのライン上の左列Lの図柄と右列Rの図柄とをこの同じライン上で中列Mの変動中の図柄に近づけるようにしてリーチ演出を行ってもよい。
【0125】
(9)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表示制御手段は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。
【図13】保留球格納エリアの説明図である。
【図14】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)はパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)は図17(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図19】
(a)〜(d)は図18(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図20】(a)〜(d)は図19(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図21】パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 … 遊技盤
10 … 表示演出部(表示制御手段)
40 … 特別図柄表示装置(表示部)
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などに代表される遊技機では、遊技盤に設けられた始動口に球が入賞すること(始動入賞)により、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定められた大当り図柄となった場合に、遊技者にとって有利となる状態例えば大当り状態となるものが知られている。
【0003】
このような遊技機において、特定のリーチ時に、有効なラインとしての成立ラインを複数本成立させた複数ライン演出を発生させて、興趣の向上を図っているものがある。このような遊技機においては、複数本の成立ラインのうちで何れのラインについてのリーチ演出であるかを教示するためのラインを可変表示装置中に表示したり、可変表示装置中のリーチ演出を行う図柄の色を変化させたりすることで、リーチ演出を行うラインや図柄を遊技者に示唆していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、近年、遊技盤中の可変表示装置が大型化あるいはワイド化されてきており、上述したような複数ライン演出におけるリーチ演出を教示するためのライン表示や図柄の色変更等の示唆方法では、どのラインのリーチ演出を行っているのかが遊技者にとってわかり難いものとなっており、複数ライン演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数ライン演出を効果的に演出することができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、識別情報を表示する複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報が所定の表示態様で停止した場合に特別遊技状態となる遊技機において、前記複数本の表示ラインの何れかのライン上で前記識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御する表示制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ラインの両端部側の前記特定識別情報を、このリーチ成立ラインの中央側の前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ラインの両端部側の特定識別情報を、このリーチ成立ラインの中央側の非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0011】
(2)前記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の中央に位置する演出領域に前記非特定識別情報を表示し、少なくとも主たる領域が前記演出領域の外側に位置する待機表示領域に前記特定識別情報を複数表示し、前記複数の特定識別情報のうちリーチ成立ラインの特定識別情報を前記演出領域に変動させて前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部の中央に位置する演出領域に非特定識別情報を表示し、少なくとも主たる領域が演出領域の外側に位置する待機表示領域に特定識別情報を複数表示し、複数の特定識別情報のうちリーチ成立ラインの特定識別情報を演出領域に変動させて非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、リーチ演出を行おうとするリーチ成立ラインの特定識別情報を演出領域に移動させてリーチ演出を行い、それ以外の特定識別情報を演出領域の外側に位置する待機表示領域に残したままとしておくので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0013】
(3)前記(2)に記載の遊技機において、
前記待機表示領域は、前記演出領域とは重複せずこの演出領域の外部に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、待機表示領域は、演出領域とは重複せずこの演出領域の外部に設けられているので、待機表示領域と演出領域とを明確に区別することができ、演出領域でのリーチ演出をよりわかり易く見せることができる。
【0015】
(4)前記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の表示画面の略端部に前記待機表示領域を設けていることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、表示部の表示画面の略端部に待機表示領域を設けているので、表示画面の中央に位置する演出領域でのリーチ演出を効果的に見せることができる。また、待機表示領域に特定識別情報を表示しておくことができる。
【0017】
(5)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域にある前記特定識別情報の態様を一定として表示することを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域にある特定識別情報の態様を一定として表示しているので、遊技者は、待機表示領域に気をとられることなく、画面中央の演出領域でのリーチ演出に注目することができる。なお、ここで言う「特定識別情報の態様を一定とする」ことは、特定識別情報の態様が全く変化しない状態であってもよく、待機表示領域の特定識別情報に遊技者の意識が行かない程度にこの特定識別情報の態様がある程度変化する状態であってもよいという意味である。
【0019】
(6)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に同じライン上で近づけることを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に同じライン上で近づけるので、遊技者はその特定識別情報の変動方向を見ることでリーチ成立ラインを知ることができる。
【0021】
(7)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示することを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示するので、リーチ成立ラインをよりわかり易く表示することができる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記非特定識別情報を一定方向に変動させることを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の発明によれば、表示制御手段は、非特定識別情報を一定方向に変動させるので、一定方向に変動する非特定識別情報に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記非特定識別情報を一定速度で変動させることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の発明によれば、表示制御手段は、非特定識別情報を一定速度で変動させるので、一定速度で変動する非特定識別情報に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0027】
(10)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域の前記特定識別情報を前記非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、前記非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じにすることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域の特定識別情報を非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じにするので、リーチ成立ライン上の特定識別情報と、非特定識別情報とが同じ時刻に画面の所定位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0029】
(11)前記(2)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域の前記特定識別情報を前記非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、前記非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、前記リーチ成立ラインごとに、特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける速度を変えることを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(11)に記載の発明によれば、表示制御手段は、待機表示領域の特定識別情報を非特定識別情報のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、非特定識別情報を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、特定識別情報を非特定識別情報に近づける速度を変えるので、リーチ成立ライン上の特定識別情報と、非特定識別情報とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面の所定位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0031】
(12)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記識別情報とは別の表示情報が、前記待機表示領域にある前記特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(12)に記載の発明によれば、表示制御手段は、識別情報とは別の表示情報が、待機表示領域にある特定識別情報を非特定識別情報に近づける演出を行うので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0033】
(13)前記(12)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示情報の動作によってリーチラインを演出することを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(13)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示情報の動作によってリーチラインを演出するので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。
【0035】
(14)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(13)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の前記特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(14)に記載の発明によれば、表示制御手段は、リーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の特定識別情報を非特定識別情報に近づける表示制御を行うので、複数本のリーチ成立ラインのうちのどのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、複数リーチ状態での各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0037】
(15)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(14)のいずれかに記載の遊技機において、
前記特定識別情報は、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報であり、
前記非特定識別情報は、変動中の識別情報であることを特徴とする遊技機。
【0038】
前記(15)に記載の発明によれば、特定識別情報は、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報であり、非特定識別情報は、変動中の識別情報であるとしているので、変動表示が停止または略停止状態となった識別情報を変動中の識別情報に近づけるというリーチ演出を行うことができる。したがって、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うこともできる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0039】
(16)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0040】
前記(16)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0041】
(17)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0042】
前記(17)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0043】
(18)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(15)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0044】
前記(18)に記載の遊技機によれば、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、複数リーチ状態の場合には、各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができる。その結果、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0046】
図1は、実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
【0047】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤1の左右部に各々配置されて球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウト口69とを備えている。
【0048】
普通図柄表示装置32は、背後に設けられたランプ(図示省略)の点灯を切り換えることにより変動表示される「○」および「×」の図柄32a,32bと、この「○」および「×」の図柄32a,32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備えている。「○」および「×」の図柄32a,32bは、球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
【0049】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0050】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、上述した特別図柄表示装置40が本発明における表示部に相当し、上述した主図柄、副図柄が本発明における識別情報に相当する。
【0051】
遊技盤1には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0052】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0053】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0054】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号と、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0055】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を行うように特別図柄表示装置40を表示制御する表示演出部10を備えている。
【0056】
この表示演出部10は、複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を指示する表示演出指示部12と、この表示演出指示部12からの指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの指示に基づいて上述の表示演出も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0057】
表示演出指示部12は、複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出を指示するものである。具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にてリーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける表示演出が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンD設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が表示演出指示部12に相当する。なお、上述した表示演出部10が本発明における表示制御手段に相当する。
【0058】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0059】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0060】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0061】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄左列カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄左列カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち左列Lの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(a)は、外れ図柄左列カウンタCLの値と左列Lの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、左列Lでは上から下に向かって降順に表れる。
【0062】
続いて外れ図柄左列カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄左列カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄右列カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄右列カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち右列Rの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(b)は、外れ図柄右列カウンタCRの値と右列Rの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、右列Rでは上から下に向かって昇順に表れる。
【0063】
続いて外れ図柄右列カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄右列カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中列カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中列カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中列Mの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLや外れ図柄右列カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(c)は、外れ図柄中列カウンタCMの値と中列Mの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中列Mでは右列Lと同様、上から下に向かって昇順に表れる。
【0064】
外れ図柄各列カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄左列カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄右列カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃ったときには、それと同じ判定ラインで中列Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中列Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中列Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0065】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄左列カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0066】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0067】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図13に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0068】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0069】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0070】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図13に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0071】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を垂直方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図14に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0072】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図14に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0073】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜59のいずれかの数値であり、大当り図柄は5つの判定ラインL1〜L5のいずれかで12個の主図柄のいずれかが揃うことから60通りあり、各カウンタ値には60通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには60通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図15に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上95未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S348)。各変動パターンについては後述する。
【0074】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄左列カウンタCL,外れ図柄中列カウンタCM,外れ図柄右列カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図16に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(S356)。
【0075】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0076】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5(図4参照)のいずれにおいても左列Lと右列Rの主図柄が揃っていない)、9秒後に中列Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。
【0077】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)、その後、中列Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に、左列Lおよび右列Rの図柄を中列Mの図柄の方に近づけて、左列Lの図柄と右列Rの図柄との間に上から下に変動する中列Mの図柄を挟み込んでから左列Lおよび右列Rを中列Mの図柄から離間させて元の位置に戻し、中列Mの図柄を停止するパターンとして設定されている。
【0078】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を一旦停止させた後に、中列Mの図柄を所定の変動表示態様で表示する表示演出を行うことで遊技者に再始動を察知させ、再びこの中列Mの図柄の変動表示を開始させて所定時間(例えば5秒間)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。
【0079】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「マスターリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンD」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていった後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「マスターリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0080】
このパターンDを、図17〜図20を用いて説明する。図17〜図20はこのパターンDの一例を示す説明図である。なおここでは、特別図柄表示装置40の表示画面が上述のマスターリーチ画面に切り替わったところから説明するものとする。
【0081】
図17(a)に示すように、マスターリーチ画面の左列Lでは「中」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動するとともに、その右列Rでは「龍」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動し、さらに、中列Mの上段側から主図柄が上から下に変動し、「マスター」と呼ばれる老人のキャラクター(以下、適宜に「マスターK」と呼ぶ)が中列Mの下段側から登場しつつある。図17(a)では、マスターKの頭の天辺のみが現れている。また、図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の中央には演出領域E1が設けられ、その表示画面の両端部には停止図柄表示領域E2がそれぞれ設けられている。この表示画面中央の演出領域E1では、中列Mの主図柄が変動されるとともに、マスターKによるリーチ演出が行われる。この表示画面の左端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの左列Lの主図柄が表示され、特別図柄表示装置40の表示画面の右端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの右列Rの主図柄が表示される。なお、この実施例では、図17(a)に示すように、停止図柄表示領域E2は演出領域E1に重複しないものとしているが、停止図柄表示領域E2の一部が演出領域E1に重複するものであってもよい。図17(b)〜(d)および図18〜図20においては、説明の便宜上の理由から、この演出領域E1および停止図柄表示領域E2の図示を省略する。なお、上述した停止図柄表示領域E2が本発明における待機表示領域に相当する。
【0082】
そして、図17(b)に示すように、左列Lでは「中」、「發」、「龍」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっており、右列Rでは「龍」、「發」、「中」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっている。つまり、ラインL2,L4,L5において左列Lと右列Rの主図柄が揃っているいわゆるトリプルリーチの状態となっている。中列Mの主図柄は、一定方向(例えば、上から下へ)に一定速度(例えば、通常変動時の変動速度より低速)で移動する変動中の状態のままである。図17(b)では、マスターKの顔まで現れてきており、中列Mの「七萬」の主図柄が上から下に変動している。なお、上述した停止図柄表示領域E2における変動停止済みの左列Lおよび右列Rの主図柄が本発明における特定識別情報に相当し、演出領域E1における中列Mの変動表示中の主図柄が本発明における非特定識別情報に相当する。
【0083】
そして、図17(c)に示すように、中列Mの主図柄は変動中であり、マスターKがその上半身まで現された後に、図17(d)に示すように、マスターKがズームアップ表示される。
【0084】
そして、図18(a)に示すように、変動中の中列Mの主図柄が、左列Lの上図柄である「龍」(右列Rの下図柄である「龍」)に近づいてくると、画面中央に表示されたマスターKは、両手をラインL5方向に広げて、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を掴む。こうすることで、これからラインL5についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL5についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0085】
そして、図18(b)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を、ラインL5の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を、中列Mの図柄の変動軌跡上の所定位置としての画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0086】
そして、図18(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を挟み込む。このとき、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」は、中列Mの変動中の「龍」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「龍」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「龍」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「龍」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL5についてのリーチ演出が行われる(図18(a)〜(c)参照)。
【0087】
しかしながら、中列Mの「龍」の主図柄が変動停止することなく、左右の「龍」の主図柄の間を下方向にすり抜けて行ってしまった場合には、図18(d)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「龍」の主図柄を左列Lの上および右列Rの下に戻した後、今度は両手をラインL2方向に広げて、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」を掴む。こうすることで、これからラインL2についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL2についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0088】
そして、図19(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を挟み込むように、両手のそれぞれの「發」の主図柄をラインL2の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「發」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」と、変動中の中列Mの「發」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0089】
図19(a)に示すように、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」は、中列Mの変動中の「發」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「發」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「發」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「發」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL2についてのリーチ演出が行われる(図18(d),図19(a)参照)。
【0090】
しかしながら、図19(b)に示すように、中列Mの「發」の主図柄が変動停止することなく、左右の「發」の主図柄の間をすり抜けて行ってしまった場合には、図19(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「發」の主図柄を左列Lの中および右列Rの中に戻した後、図19(d)に示すように、今度は両手をラインL4方向に広げて、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を掴む。こうすることで、これからラインL4についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL4についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。そして、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を、ラインL4の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を演出領域E1に移動させている。
【0091】
そして、図20(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を挟み込む。このとき、各停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「中」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」と、変動中の中列Mの「中」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0092】
図20(a)に示すように、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」は、中列Mの変動中の「中」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「中」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。図20(b)に示すように、マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「中」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。図20(c)に示すように、マスターKは、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させるように、さらに気合を入れる。このようにして、ラインL4についてのリーチ演出が行われる(図20(a)〜(c)参照)。
【0093】
この最後のリーチ演出である、ラインL4についてのリーチ演出の結果は、大当りになる場合と外れとなる場合の2通りある。大当りになる場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」となっていた場合には、図20(d)に示すように、主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃い、マスターKが笑っている表示演出が行われる。主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃うことにより、その結果パチンコ機Pは大当り状態に移行する。
【0094】
外れの場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」となっていた場合では、中列Mの主図柄(ここでは「中」の主図柄)がすり抜けてしまい3つ揃わず、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0095】
なお、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの各主図柄(「龍」、「發」、「中」の主図柄)を、中列Mの主図柄のその変動軌跡上の所定位置である画面中央位置に変動させる時間と、中列Mの主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの各主図柄を中列Mの主図柄に近づける速度を変えている。その結果、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の中列Mの主図柄とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0096】
なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に左列L、中列M、右列Rの各図柄を変動表示するだけでなく、所定のリーチ遊技やリーチ用アニメの表示などが行われる。
【0097】
本実施例では、図15および図16を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0098】
「パターンE」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0099】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図14)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0100】
ここで、本発明の1つの特徴部分である上述の「パターンD」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図21を用いて説明する。図21は、パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。なお、図7を用いて上述したように、S227で決定した表示コマンドは、変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、変動パターンA〜Eを設定する変動パターンコマンドとを含むものであり、入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信(S228)される。表示用制御装置90は、この送信されてきた表示コマンド(停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとを含む)に従って特別図柄表示装置40を表示制御する。つまり、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40に表示させる画像データを予め記憶しており、送信されてきた前述の表示コマンドに基づいて選択された画像データを特別図柄表示装置40に出力する。特別図柄表示装置40は、表示用制御装置90から送信された画像データを画像表示する。
【0101】
図21に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの全図柄を砕いていった後に、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替える(S420)。なお、特別図柄表示装置40の左列L、右列Rの図柄を変動停止させ、中列Mの図柄のみが変動表示中であるときに、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの全図柄を砕いていった後に、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替えるようにしてもよい。
【0102】
そして、表示用制御装置90は、図17〜図20に示したマスターリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S430)。
【0103】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、表示演出部10は、主図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態の場合に、リーチ成立ライン毎に個別に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける表示演出を行うので、複数本のリーチ成立ラインのうちのどのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、複数リーチ状態での各リーチ成立ラインの演出を個別に効果的に行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0104】
また、表示演出部10は、リーチ成立ラインの両端部側で変動停止済みの各主図柄を、このリーチ成立ラインの中央側(略中央側であってもよい)で変動表示中の主図柄に近づける表示演出を行うので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、リーチ成立ラインの両端に位置する変動停止済みの各主図柄を、このリーチ成立ラインの中央側の変動表示中の主図柄に近づける表示演出が行われるので、遊技者にとって、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出であるのかがわかり易い。
【0105】
また、リーチ演出を行おうとするリーチ成立ラインの変動停止済みの主図柄を演出領域E1に移動させてリーチ演出を行い、それ以外の変動停止済みの主図柄を演出領域E1の外側に位置する停止図柄表示領域E2に残したままとしておくので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、停止図柄表示領域E2の変動停止済みのリーチ演出を行う主図柄を、演出領域E1内に移動させて、この演出領域E1内の変動表示中の主図柄に近づける表示演出が行われるので、遊技者にとって、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出であるのかがわかり易い。
【0106】
また、特別図柄表示装置40の表示画面の略端部に停止図柄表示領域E2を設けているので、表示画面の中央に位置する演出領域E1でのリーチ演出を効果的に見せることができる。また、停止図柄表示領域E2に変動停止済みの図柄を表示しておくことができる。
【0107】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの主図柄の態様を一定として表示しているので、遊技者は、停止図柄表示領域E2に気をとられることなく、画面中央の演出領域E1でのリーチ演出に注目することができる。
【0108】
また、表示演出部10は、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に同じライン上で近づけるので、遊技者はその変動停止済みの主図柄の変動方向を見ることでリーチ成立ラインを知ることができる。
【0109】
また、表示演出部10は、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づけて、このリーチ成立ラインを最終的に水平方向にして表示するので、主図柄が水平方向に並べられる方が遊技者にとってはわかり易く、リーチ成立ラインをよりわかり易く表示することができる。
【0110】
また、表示演出部10は、変動中の主図柄を一定方向に変動させるので、一定方向に変動する主図柄に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、変動停止済みの主図柄を寄せていくことに遊技者の意識を向けることができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0111】
また、表示演出部10は、変動中の主図柄を一定速度で変動させるので、一定速度で変動する主図柄に、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄を近づけていくというリーチ演出を行うことができ、変動停止済みの主図柄を寄せていくことに遊技者の意識を向けることができ、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0112】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、変動中の主図柄を前記所定位置に変動させる時間とを同じにするので、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0113】
また、表示演出部10は、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄のその変動軌跡上の所定位置に変動させる時間と、変動中の主図柄を前記所定位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける速度を変えるので、何れのリーチ成立ラインにおいても、つまり、所定位置までの距離が異なっていても、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と変動中の主図柄とが、同じ時刻に画面の所定位置にくるようにでき、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0114】
また、表示演出部10は、主図柄とは別の表示情報としてのキャラクター(マスターK)が、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの主図柄を変動中の主図柄に近づける演出を行うので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。具体的には、キャラクター(マスターK)が登場してきてリーチ演出を行うので、遊技者はリーチ演出に対して面白味を持ち、リーチ演出を効果的に行なうことができる。
【0115】
また、表示演出部10は、マスターKの動作によってリーチラインを演出するので、どのリーチ成立ラインについてのリーチ演出を行っているのかを、よりわかり易く表示することができる。具体的には、マスターKの動作によってリーチラインを演出するので、リーチ演出を効果的に遊技者に教示することができる。
【0116】
本発明は、上記実施例に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0117】
(1)上述した実施例では、図17〜図20に示すマスターKが、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける演出を行っているが、このマスターK(老人のキャラクター)に限定されるものではなく、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人であってもよいし、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示情報を採り得ることは言うまでもない。
【0118】
(2)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしているが、3列以外の複数列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしてもよい。また、上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの各図柄を上から下に変動表示させるタイプとしているが、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば上段、中段、下段の縦3段に分け、各段での各図柄を右から左(あるいは左から右)に変動表示させるタイプとしてもよい。
【0119】
(3)上述した実施例では、図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の左端部および右端部に停止図柄表示領域E2を設けているが、特別図柄表示装置40の表示画面の上端部および下端部に停止図柄表示領域E2を設け、上述したような各リーチ成立ラインの個別表示演出を行うようにしてもよい。
【0120】
(4)上述した実施例では、いわゆるスペシャルリーチのパターンであるパターンDを、複数リーチ状態となるパターンとし、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインを個別に表示演出するようにしているが、このパターンDを複数リーチ状態となるパターン以外のパターンとし、パターンEを複数リーチ状態となるパターンとし、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインを個別に表示演出するとともに、その結果が100%大当りになるプレミアムリーチのパターンとしてもよい。この場合には、上述のマスターリーチ画面が表示されると、遊技者は、このマスターリーチ画面を見ることで、図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを察知することができ、特別遊技状態が確約された状態で図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを見ることができ、特別遊技状態を取得できた達成感を満喫でき、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0121】
(5)上述した実施例では、パターンDをトリプルリーチ状態となるパターンとして説明しているが、ダブルリーチパターン、あるいはそれ以上の複数リーチパターンとしてもよい。
【0122】
(6)上述した実施例では、図15,図16に示すように、変動パターンカウンタC4の値によってパターンA〜D等が決定されることを、具体的な数値を示して説明しているが、パターン決定するための変動パターンカウンタC4の値の割り振りは上述の実施例での値に限定されるものではなく、この変動パターンカウンタC4の値の割り振り等を適宜に変更したり、さらにパターンを増減したりするなどしてもよい。
【0123】
(7)上述した実施例では、リーチ成立ライン上の変動停止済みの左列L,右列Rの主図柄を変動中の中列Mの主図柄に同じライン上で近づけるようにしているが、このライン上以外で近づけるようにしてもよい。例えば、図18(a)に示したラインL5のリーチ演出の場合に、左列Lの上側の「龍」の主図柄をその下の「發」の主図柄上に位置するように下方向に変動させるとともに、右列Rの下側の「龍」の主図柄をその上の「發」の主図柄上に位置するように上方向に変動させて、左列L,右列Rの「龍」の主図柄を水平方向で揃えてから中列Mの主図柄に近づけるようにこの水平方向に変動させるようにしてもよい。
【0124】
(8)上述した実施例では、図17(b)に示すように、複数本のリーチ成立ラインが同時に成立した複数リーチ状態の場合において、図17〜図20に示すように各リーチ成立ラインのリーチ演出を行うことを一例に挙げて説明しているが、シングルリーチの場合においても適用できることは言うまでもない。例えば、図4に示すラインL1においてリーチが成立している場合において、このラインL1上の左列Lの図柄と右列Rの図柄とをこのラインL1上で中列Mの変動中の図柄に近づけるようにしてリーチ演出を行ってもよい。また、ラインL2〜L5のいずれかでシングルリーチが成立している場合も同様に、そのライン上の左列Lの図柄と右列Rの図柄とをこの同じライン上で中列Mの変動中の図柄に近づけるようにしてリーチ演出を行ってもよい。
【0125】
(9)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表示制御手段は、複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御するので、複数本の表示ラインのうちのどのラインについてのリーチ演出を行っているのかをわかり易く表示することができ、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。
【図13】保留球格納エリアの説明図である。
【図14】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)はパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)は図17(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図19】
(a)〜(d)は図18(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図20】(a)〜(d)は図19(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図21】パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 … 遊技盤
10 … 表示演出部(表示制御手段)
40 … 特別図柄表示装置(表示部)
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機
Claims (5)
- 始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、識別情報を表示する複数本の表示ラインの何れかのライン上で識別情報が所定の表示態様で停止した場合に特別遊技状態となる遊技機において、
前記複数本の表示ラインの何れかのライン上で前記識別情報の表示態様がリーチ状態となった場合に、そのリーチ成立ライン上の特定の識別情報である特定識別情報を、この特定識別情報とは異なる非特定識別情報に近づける変動表示を行うように表示制御する表示制御手段
を備えていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、リーチ成立ラインの両端部側の前記特定識別情報を、このリーチ成立ラインの中央側の前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。 - 請求項2に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の中央に位置する演出領域に前記非特定識別情報を表示し、少なくとも主たる領域が前記演出領域の外側に位置する待機表示領域に前記特定識別情報を複数表示し、前記複数の特定識別情報のうちリーチ成立ラインの特定識別情報を前記演出領域に変動させて前記非特定識別情報に近づける表示制御を行うことを特徴とする遊技機。 - 請求項3に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記待機表示領域にある前記特定識別情報の態様を一定として表示することを特徴とする遊技機。 - 請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記識別情報とは別の表示情報が、前記待機表示領域にある前記特定識別情報を前記非特定識別情報に近づける演出を行うことを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166441A JP2004049903A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003166441A JP2004049903A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 遊技機 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2003166441A Withdrawn JP2004049903A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 遊技機 |
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JP (1) | JP2004049903A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020103473A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2020103474A (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-09 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166441A patent/JP2004049903A/ja not_active Withdrawn
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