JP2004073844A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の遊技機によれば、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での所定の識別情報が変動表示中にそれらの表示を消去し、所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、複数リーチ演出時のどの表示ラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにでき、増加する識別情報の違いによる遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにでき、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させた遊技機を提供できる。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明の遊技機によれば、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での所定の識別情報が変動表示中にそれらの表示を消去し、所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、複数リーチ演出時のどの表示ラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにでき、増加する識別情報の違いによる遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにでき、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させた遊技機を提供できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などに代表される遊技機では、遊技盤に設けられた始動口に球が入賞すること(始動入賞)により、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定められた大当り図柄となった場合に、遊技者にとって有利となる状態例えば大当り状態となるものが知られている。
【0003】
このような遊技機において、特定のリーチ時に、有効なラインとしての成立ラインを通常のリーチ時から所定ライン数の増加を行い、複数本成立させた複数ライン演出を発生させて、遊技の興趣の向上を図っているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、所定ライン数の増加を行う際に、増加する図柄を遊技者が予測できてしまうというなどの問題があり、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、前記表示部での所定数の表示ラインのいずれかで識別情報が予め定められた表示態様となった場合に特別遊技状態となる遊技機において、表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での所定の識別情報が変動表示中に前記表示部での識別情報を消去し、前記所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を前記表示部に表示する表示制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での所定の識別情報が変動表示中にこの表示部での識別情報を消去し、前記所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
なお、本明細書で言う「表示部での識別情報を消去し」には、表示部での識別情報自体を消去することの他に、表示部の表示を黒色、白色などの単色等で表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等で、表示部に表示されていた識別情報等を見かけ上、認識できないようにするものも含む。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での全識別情報が変動表示中にそれら全ての識別情報を消去することを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での全識別情報が変動表示中にそれら全ての識別情報を消去するので、何れの識別情報も変動停止する前に消去されて複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出に移行しており、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が全く予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0011】
(2)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での識別情報がリーチ状態となった後に、前記表示部での識別情報を消去し、このリーチ状態であった識別情報を、前記複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定することを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での識別情報がリーチ状態となった後に、表示部での識別情報を消去し、このリーチ状態であった識別情報を、複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定するので、リーチ状態を遊技者に見せてから複数リーチ状態に移行するような場合でも、複数リーチ演出時にどの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0013】
(3)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示ラインは、同種の識別情報を所定数並べてなるものであり、
前記複数リーチ演出は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が異なるように複数本組み合わせたものであることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、表示ラインは、同種の識別情報を所定数並べてなるものであり、複数リーチ演出は、表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が異なるように複数本組み合わせたものであるので、表示ラインごとに識別情報が異なる複数リーチ演出を行うことができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
(4)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を表示部に表示するので、識別情報の種類が連番となる複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を表示部に表示する場合にも、どの表示ラインを増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0017】
(5)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を段階的に消去することを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部における変動表示中の識別情報を段階的に消去するので、始動条件成立によって開始された識別情報の変動表示中の表示画面を、表示ラインを複数本組み合わせた複数リーチ演出に違和感なく切り替えることができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0019】
(6)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を、前記識別情報以外の表示情報によって消去することを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、表示部における変動表示中の識別情報を、前記識別情報以外の表示情報によって消去するので、この登場してきた表示情報が変動表示中の識別情報の消去するという演出を遊技者に見せることで、複数リーチ演出に移行することを遊技者に示唆することができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、本明細書で言う「表示情報」とは、識別情報以外の表示画像をいう。例えば、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット等の人工物、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示画像を採用してもよい。
【0021】
(7)前記(6)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を前記表示情報の演出に合せて消去していくことを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部における変動表示中の識別情報を、この識別情報以外の表示情報の演出に合せて消去していくので、変動表示中の識別情報を違和感なく消去していくことができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の表示領域内の表示を全て消去してから、前記複数リーチ演出を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部の表示領域内の表示を全て消去してから、複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出の開始を明確に表示演出することができ、遊技者に複数リーチ演出を明確に教示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書で言う「表示部の表示領域内の表示を全て消去」には、表示部の表示領域内全体を、黒色、白色などの単色等で表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等で、表示部の表示領域内に表示されていた識別情報等を見かけ上、認識できないようにするものも含む。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えていることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0027】
(10)前記(9)に記載の遊技機において、
前記複数種類の複数リーチ演出は、その種類ごとに大当り期待度が異なるものであることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の発明によれば、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出は、その種類ごとに大当り期待度が異なるものであるので、複数リーチ演出の種類ごとに大当り期待度が変更されて設定されており、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0029】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えていることを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(11)に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0031】
(12)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(12)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0033】
(13)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(13)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0035】
(14)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(14)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0038】
図1は、実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
【0039】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤1の左右部に各々配置されて球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0040】
普通図柄表示装置32は、背後に設けられたランプ(図示省略)の点灯を切り換えることにより変動表示される「○」および「×」の図柄32a,32bと、この「○」および「×」の図柄32a,32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備えている。「○」および「×」の図柄32a,32bは、球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
【0041】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0042】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、上述した特別図柄表示装置40が本発明における表示部に相当し、上述した主図柄、副図柄が本発明における識別情報に相当する。
【0043】
遊技盤1には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0044】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0045】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0046】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号と、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0047】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での全図柄が変動表示中にそれらの表示を消去し、同種の主図柄を所定数並べてなる表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示する表示演出部10を備えている。
【0048】
この表示演出部10は、表示ライン増加条件の成立を検出し、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に指示する表示演出指示部12と、この表示演出指示部12からの指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの指示に基づいて上述の複数リーチ演出も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0049】
表示演出指示部12は、表示ライン増加条件の成立を検出し、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に指示するものである。具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」または「パターンEを設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にて複数リーチ演出が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンDを設定」または「パターンEを設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が表示演出指示部12に相当する。なお、上述した表示演出指示部12が本発明における表示制御手段に相当する。また、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンDを設定」または「パターンEを設定」の判定が、本発明における表示ライン増加条件の成立に相当する。
【0050】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0051】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0052】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0053】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄左列カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄左列カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち左列Lの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(a)は、外れ図柄左列カウンタCLの値と左列Lの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、左列Lでは上から下に向かって降順に表れる。
【0054】
続いて外れ図柄左列カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄左列カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄右列カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄右列カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち右列Rの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(b)は、外れ図柄右列カウンタCRの値と右列Rの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、右列Rでは上から下に向かって昇順に表れる。
【0055】
続いて外れ図柄右列カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄右列カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中列カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中列カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中列Mの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLや外れ図柄右列カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(c)は、外れ図柄中列カウンタCMの値と中列Mの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中列Mでは右列Lと同様、上から下に向かって昇順に表れる。
【0056】
外れ図柄各列カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄左列カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄右列カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃ったときには、それと同じ判定ラインで中列Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中列Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中列Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0057】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄左列カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0058】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0059】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図13に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0060】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0061】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0062】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図13に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0063】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を垂直方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図14に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0064】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図14に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0065】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜59のいずれかの数値であり、大当り図柄は5つの判定ラインL1〜L5のいずれかで12個の主図柄のいずれかが揃うことから60通りあり、各カウンタ値には60通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには60通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図15に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が85以上95未満のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定し(S348)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンFを変動パターンコマンドに設定する(S349)。各変動パターンについては後述する。
【0066】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄左列カウンタCL,外れ図柄中列カウンタCM,外れ図柄右列カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図16に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上95未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S356)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S358)。
【0067】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0068】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5(図4参照)のいずれにおいても左列Lと右列Rの主図柄が揃っていない)、9秒後に中列Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。
【0069】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)、その後、中列Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に、左列Lおよび右列Rの図柄を中列Mの図柄の方に近づけて、左列Lの図柄と右列Rの図柄との間に上から下に変動する中列Mの図柄を挟み込んでから左列Lおよび右列Rを中列Mの図柄から離間させて元の位置に戻し、中列Mの図柄を停止するパターンとして設定されている。
【0070】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を一旦停止させた後に、中列Mの図柄を所定の変動表示態様で表示する表示演出を行うことで遊技者に再始動を察知させ、再びこの中列Mの図柄の変動表示を開始させて所定時間(例えば5秒間)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。
【0071】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「マスターリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンD」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていって消去した後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「マスターリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0072】
このパターンDを、図17〜図21を用いて説明する。図17〜図21はこのパターンDの一例を示す説明図である。なおここでは、特別図柄表示装置40の変動表示中の全図柄を「龍」のキャラクター(以下、適宜に「タツT」と呼ぶ)が砕いていくところから説明するものとする。
【0073】
図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面には、左列L、中列M、右列Rの全図柄が変動表示されており、この表示画面の下端側から2匹のタツTが表れる。そして、図17(b),(c)に示すように、2匹のタツTは、中列Mを回転中心軸として下から上に螺旋回転しながら上昇していくとともに、この上昇動作に合せて左列L、右列R、中列Mの全図柄をその順に段階的に砕いていく。なお、図17(b)では、左側のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて左列Lの全図柄が下から順に段階的に砕かれている。図17(c)では、右側のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて右列Rの全図柄が下から順に段階的に砕かれ、2匹のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて残りの中列Mの全図柄が下から順に段階的に砕かれた後の、2匹のタツTの尻尾が表されている。
【0074】
そして、図17(d)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば黒色一色で表示する。ここでは、黒色一色で特別図柄表示装置40の表示画面全体を表示することで、表示画面に表示されていた表示物全てを見かけ上、認識できないように一掃しているが、白色、その他の単色で全体表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等としてもよい。また、図17(b)に示す図柄の粉砕物およびタツTを消去して、特別図柄表示装置40の表示画面での元々の背景画像のみをそのまま表示することで、消去としてもよい。このようにして変動表示中の全図柄が消去されて、以下のマスターリーチ画面に移行する。なお、上述したタツTが本発明における表示情報に相当する。
【0075】
そして、図18(a)に示すように、マスターリーチ画面の左列Lでは「中」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動するとともに、その右列Rでは「龍」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動し、さらに、中列Mの上段側から主図柄が上から下に変動し、「マスター」と呼ばれる老人のキャラクター(以下、適宜に「マスターK」と呼ぶ)が中列Mの下段側から登場しつつある。図18(a)では、マスターKの頭の天辺のみが現れている。また、図18(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の中央には演出領域E1が設けられ、その表示画面の両端部には停止図柄表示領域E2がそれぞれ設けられている。この表示画面中央の演出領域E1では、中列Mの主図柄が変動されるとともに、マスターKによるリーチ演出が行われる。この表示画面の左端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの左列Lの主図柄が表示され、特別図柄表示装置40の表示画面の右端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの右列Rの主図柄が表示される。図18(b)〜(d)および図19〜図21においては、説明の便宜上の理由から、この演出領域E1および停止図柄表示領域E2の図示を省略する。
【0076】
そして、図18(b)に示すように、左列Lでは「中」、「發」、「龍」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっており、右列Rでは「龍」、「發」、「中」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっている。つまり、ラインL2,L4,L5において左列Lと右列Rの主図柄が揃っているいわゆるトリプルリーチの状態となっている。中列Mの主図柄は、一定方向(例えば、上から下へ)に一定速度(例えば、通常変動時の変動速度より低速)で移動する変動中の状態のままである。図18(b)では、マスターKの顔まで現れてきており、中列Mの「七萬」の主図柄が上から下に変動している。
【0077】
そして、図18(c)に示すように、中列Mの主図柄は変動中であり、マスターKがその上半身まで現された後に、図18(d)に示すように、マスターKがズームアップ表示される。
【0078】
そして、図19(a)に示すように、変動中の中列Mの主図柄が、左列Lの上図柄である「龍」(右列Rの下図柄である「龍」)に近づいてくると、画面中央に表示されたマスターKは、両手をラインL5方向に広げて、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を掴む。こうすることで、これからラインL5についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL5についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0079】
そして、図19(b)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を、ラインL5の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を、中列Mの図柄の変動軌跡上の所定位置としての画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0080】
そして、図19(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を挟み込む。このとき、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」は、中列Mの変動中の「龍」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「龍」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「龍」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「龍」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL5についてのリーチ演出が行われる(図19(a)〜(c)参照)。
【0081】
しかしながら、中列Mの「龍」の主図柄が変動停止することなく、左右の「龍」の主図柄の間を下方向にすり抜けて行ってしまった場合には、図19(d)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「龍」の主図柄を左列Lの上および右列Rの下に戻した後、今度は両手をラインL2方向に広げて、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」を掴む。こうすることで、これからラインL2についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL2についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0082】
そして、図20(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を挟み込むように、両手のそれぞれの「發」の主図柄をラインL2の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「發」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」と、変動中の中列Mの「發」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0083】
図20(a)に示すように、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」は、中列Mの変動中の「發」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「發」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「發」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「發」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL2についてのリーチ演出が行われる(図19(d),図20(a)参照)。
【0084】
しかしながら、図20(b)に示すように、中列Mの「發」の主図柄が変動停止することなく、左右の「發」の主図柄の間をすり抜けて行ってしまった場合には、図20(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「發」の主図柄を左列Lの中および右列Rの中に戻した後、図20(d)に示すように、今度は両手をラインL4方向に広げて、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を掴む。こうすることで、これからラインL4についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL4についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。そして、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を、ラインL4の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を演出領域E1に移動させている。
【0085】
そして、図21(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を挟み込む。このとき、各停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「中」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」と、変動中の中列Mの「中」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0086】
図21(a)に示すように、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」は、中列Mの変動中の「中」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「中」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。図21(b)に示すように、マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「中」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。図21(c)に示すように、マスターKは、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させるように、さらに気合を入れる。このようにして、ラインL4についてのリーチ演出が行われる(図21(a)〜(c)参照)。
【0087】
この最後のリーチ演出である、ラインL4についてのリーチ演出の結果は、大当りになる場合と外れとなる場合の2通りある。大当りになる場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」となっていた場合には、図21(d)に示すように、主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃い、マスターKが笑っている表示演出が行われる。主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃うことにより、その結果パチンコ機Pは大当り状態に移行する。
【0088】
外れの場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」となっていた場合では、中列Mの主図柄(ここでは「中」の主図柄)がすり抜けてしまい3つ揃わず、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0089】
なお、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの各主図柄(「龍」、「發」、「中」の主図柄)を、中列Mの主図柄のその変動軌跡上の所定位置である画面中央位置に変動させる時間と、中列Mの主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの各主図柄を中列Mの主図柄に近づける速度を変えている。その結果、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の中列Mの主図柄とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0090】
「パターンE」は、上述の「パターンD」とは別のスペシャルリーチのパターンであり、図22(a)に示すように、同一種類の主図柄を3個並べた三つ揃いラインQを、この三つ揃いラインQの単位で主図柄の種類が連番となるように複数本(例えば、4本)組み合わせた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「アオイリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンE」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていって消去した後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「アオイリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0091】
この「パターンE」の一例を図22(a),(b)に示す。図22(a)に示すように、例えば、「七萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「八萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「九萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「龍」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、1個の「發」の主図柄とを、その順で連結させて、最初の「七萬」の主図柄と最後の「發」の主図柄とを連結させて環状とした主図柄環Vを、図22(b)に示すように、矢印の方向に変動させて特別図柄表示装置40に表示し、そして、この変動が停止したときに特別図柄表示装置40の表示画面上に同一種類の主図柄が3個揃って表示されているか否かによって、大当りであるか否かを表示演出するというパターンである。なお、図22では、主図柄環Vは、「七萬」,「八萬」,「九萬」,「龍」の三つ揃いラインQとしているが、この組み合わせに限定されるものではなく、「一萬」,「二萬」,「三萬」,「四萬」の三つ揃いラインQを有する主図柄環V等、種々の組み合わせパターンがある。
【0092】
このパターンEを、図23〜図24を用いて説明する。図23〜図24はこのパターンEの一例を示す説明図である。なおここでは、図17(a)〜(c)に示したように、特別図柄表示装置40の変動表示中の全図柄を「龍」のキャラクター(以下、適宜に「タツT」と呼ぶ)が砕いていき、図17(d)に示したように、特別図柄表示装置40の表示画面を黒色一色で表示して変動表示中の全図柄を消去した後に、以下のアオイリーチ画面に移行するところから説明するものとする。
【0093】
図23(a)に示すように、特別図柄表示装置40に表示されたアオイリーチ画面の中央から下端側にかけて、主図柄環Vの主図柄が右から左に所定の速度で変動されて表示されるとともに、「アオイ」と呼ばれる女性のキャラクター(以下、適宜に「アオイU」と呼ぶ)が画面中央に登場してくる。なお、このアオイUは、アオイリーチ画面の表示演出が終了するまで、特別図柄表示装置40の画面中央に常時表示されているが、以下の図23(b)〜(d)および図24(a)〜(c)では、主図柄環Vの主図柄が環状に変動していること等をわかり易く説明するために、アオイUの図示を省略している。
【0094】
そして、図23(b)に示すように、アオイリーチ画面の中央をズームアップして表示される。このときも、主図柄環Vの主図柄は、右から左に一定速度で変動表示されている。
【0095】
そして、図23(c)に示すように、アオイリーチ画面の中央をズームアウトして表示される。このときも、主図柄環Vの主図柄は、右から左に一定速度で変動表示されている。
【0096】
そして、図23(d)に示すように、主図柄環Vの主図柄の右から左へ変動する速度が遅くなっていく。そして、図24(a)に示すように、主図柄環Vの主図柄の右から左へ変動する速度がさらに遅くなっていき、図24(b)に示すように、アオイリーチ画面の中央の3個の主図柄(この場合は「七萬」の主図柄3個)を奥行き方向(図24(b)では紙面奥行き方向)に遠ざけるようにして表示する。
【0097】
そして、主図柄環Vの主図柄の右から左への変動が停止すると、図24(c)に示すように、アオイリーチ画面の中央の3個の主図柄(この場合は「七萬」の主図柄3個)を手前側に近づけるようにしてズームアップ表示することで、アオイリーチでの結果を遊技者に知らせる。図24(c)の場合には、「七萬」の主図柄が3個揃っている状態が表示されているので、パチンコ機Pは大当り状態に移行することになる。
【0098】
なおここでは、アオイリーチで大当りになる場合を説明したが、アオイリーチで外れとなる場合もある。大当りになる場合は、図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンEを設定」となっていた場合には、図24(c)に示すように、主図柄(ここでは「七萬」の主図柄)が3つ揃い、アオイUが笑っている表示演出が行われる。外れの場合は、図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンEを設定」となっていた場合では、同一種類の主図柄が3個揃っていない状態が表示され、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0099】
なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に左列L、中列M、右列Rの各図柄を変動表示するだけでなく、所定のリーチ遊技やリーチ用アニメの表示などが行われる。
【0100】
なお、上述した「パターンD」でのリーチ成立ラインまたは上述した「パターンE」での三つ揃いラインQが本発明における表示ラインに相当する。
【0101】
本実施例では、図15および図16を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンD,Eが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0102】
「パターンF」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0103】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図14)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0104】
ここで、本発明の1つの特徴部分である上述の「パターンD」または「パターンE」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図25,図26を用いて説明する。図25は、パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートであり、図26は、パターンEで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。なお、図7を用いて上述したように、S227で決定した表示コマンドは、変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、変動パターンA〜Fを設定する変動パターンコマンドとを含むものであり、入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信(S228)される。表示用制御装置90は、この送信されてきた表示コマンド(停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとを含む)に従って特別図柄表示装置40を表示制御する。つまり、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40に表示させる画像データを予め記憶しており、送信されてきた前述の表示コマンドに基づいて選択された画像データを特別図柄表示装置40に出力する。特別図柄表示装置40は、表示用制御装置90から送信された画像データを画像表示する。
【0105】
まず、「パターンD」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図25を用いて説明する。図25に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、図17(a)〜(d)に示すように、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)を登場させて、この「龍」キャラクターの動作に合せてこれらの全図柄を砕いていって消去させる(S410)。
【0106】
そして、表示用制御装置90は、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替える(S420)。そして、表示用制御装置90は、図18〜図21に示したマスターリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S430)。
【0107】
次に、「パターンE」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図26を用いて説明する。図26に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、図17(a)〜(d)に示すように、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)を登場させて、この「龍」キャラクターの動作に合せてこれらの全図柄を砕いていって消去させる(S410)。
【0108】
そして、表示用制御装置90は、前述のアオイリーチ画面に表示を切り替える(S420)。そして、表示用制御装置90は、図23〜図24に示したアオイリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S440)。
【0109】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での全図柄が変動表示中にそれらの表示を消去し、同種の主図柄を所定数並べてなる表示ライン(「パターンD」でのリーチ成立ラインや「パターンE」での三つ揃いラインQ)を、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本(「パターンD」ではラインL2,L4,L5の3本、「パターンE」では三つ揃いラインQの4本)組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、何れの図柄も変動停止する前に消去されて複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出に移行しており、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどの表示ラインを増加させたのか、つまり、どの主図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報(図柄)の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0110】
本実施例のパチンコ機Pが従来例のパチンコ機と比して優れていることを、以下に具体的に説明する。
【0111】
従来例のパチンコ機においては、複数リーチ状態の表示演出を以下のようにして行っている。まず、始動入賞に起因して可変表示装置の図柄の変動表示が開始され、所定時間後に両端の図柄列の変動表示がそれぞれ停止してある単一のラインがリーチ状態となる。そして、このリーチ成立ラインの変動停止済みの一端側の図柄と連番になる図柄がこの一端側に増加されるとともに、リーチ成立ラインの変動停止済みの他端側の図柄と連番になる図柄がこの他端側に増加されて、増加された図柄を結ぶラインでリーチ状態が増加発生、つまり、リーチ成立ラインの増加が行われて、複数リーチ状態となり、各リーチ演出が行われる。なお、増加が行われない際のリーチ成立ラインが単ラインの場合には、増加するリーチ成立ラインの本数が1本の場合はダブルリーチとなり、増加するリーチ成立ラインの本数が2本の場合はトリプルリーチとなる。
【0112】
すなわち、従来のパチンコ機では、複数リーチ状態の表示演出に際して、可変表示装置での変動表示された図柄がリーチ状態になると、このリーチ成立ラインの変動停止済みの図柄と連番になる図柄を増加させてリーチ成立ラインの増加を行っているため、遊技者は、増加する図柄を予測することができ、増加する図柄の違いに起因する遊技の利益差を知り得るため、リーチ成立ラインの増加に対して不満を持つことがある。
【0113】
具体的には、奇数番号(例えば「5」)の図柄でシングルリーチ状態が発生しているときに、図柄が増加してトリプルリーチ状態になるという複数リーチ演出の場合には、リーチ状態の「5」の図柄に連続する偶数番号(この場合は「4」,「6」)の図柄が増加されることから、遊技者はリーチ状態の図柄に基づいて増加する図柄が予測できてしまう。例えば、奇数図柄(この場合は「5」の図柄)で揃った場合には、大当りとなり、さらに確変状態(以降、大当りになる確率がアップした状態)となるが、偶数図柄(この場合は「4」または「6」の図柄)で揃った場合には、大当りとなるだけで、確変状態にはならないし、既に確変状態あった場合には確変状態ではない通常状態に戻ってしまう。このため、奇数図柄の増加に対しては喜びが大きく歓迎されるが、偶数図柄の増加に対しては喜びが小さく必ずしも歓迎されるというものではない。このように、遊技者は、増加する図柄の違いに起因する遊技の利益差を知り得てしまい、増加する図柄に対して不満を持つことがある。その結果、従来のパチンコ機では、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができず、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題点がある。
【0114】
これに対して、本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示中の図柄を消去して、複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を行うので、上述した従来例のパチンコ機のような問題を解消することができる。
【0115】
また、表示ラインは、同種の主図柄を所定数並べてなるものであり、複数リーチ演出は、表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本組み合わせたものであるので、表示ラインごとに主図柄が異なる複数リーチ演出を行うことができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
また、表示演出指示部12は、表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、主図柄の種類が連番となる複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示する場合においても、どの主図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0117】
また、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を段階的に消去するので、始動条件成立によって開始された図柄の変動表示中の表示画面を、表示ラインを複数本組み合わせた複数リーチ演出(マスターリーチ演出、アオイリーチ演出)に違和感なく切り替えることができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0118】
また、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を、図柄以外の表示情報としてのタツTによって消去するので、この登場してきたタツTが変動表示中の図柄の消去するという演出を遊技者に見せることで、複数リーチ演出に移行することを遊技者に示唆することができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0119】
また、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を、タツTの演出に合せて消去していくので、変動表示中の図柄を違和感なく消去していくことができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0120】
また、表示演出指示部12は、特別図柄表示装置40の表示領域内の表示を全て消去してから、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、複数リーチ演出の開始を明確に表示演出することができ、遊技者に複数リーチ演出を明確に教示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0121】
また、表示演出指示部12は、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出、つまり、上述のマスターリーチ演出、アオイリーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出の種類ごとに大当り期待度を変更して設定することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0122】
本発明は、上記実施例に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0123】
(1)上述した実施例では、図18〜図21に示すマスターKが、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける演出を行っているが、このマスターK(老人のキャラクター)に限定されるものではなく、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人であってもよいし、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示情報を採り得ることは言うまでもない。
【0124】
(2)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしているが、3列以外の複数列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしてもよい。また、上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの各図柄を上から下に変動表示させるタイプとしているが、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば上段、中段、下段の縦3段に分け、各段での各図柄を右から左(あるいは左から右)に変動表示させるタイプとしてもよい。
【0125】
(3)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の全図柄が変動表示中にこれらを消去するようにしているが、特別図柄表示装置40での図柄がリーチ状態となった後に、特別図柄表示装置40での図柄の表示を消去し、このリーチ状態であった図柄を、複数リーチ演出における複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定(例えば無作為に設定)するようにしてもよい。このようにリーチ状態を遊技者に見せてから複数リーチ状態に移行するような場合でも、複数リーチ演出時にどの図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報(図柄)の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0126】
(4)上述した実施例では、いわゆるスペシャルリーチのパターンであるパターンD,Eを、図17〜図21または図23,24に示すように複数リーチ状態となるパターンとして表示演出しているが、このパターンD,Eの少なくとも一方を複数リーチ状態となるパターン以外のパターンとし、パターンFを図17〜図21または図23,24に示すように複数リーチ状態となるパターンとして表示演出するとともに、その結果が100%大当りになるプレミアムリーチのパターンとしてもよい。この場合には、上述のマスターリーチ画面あるいはアオイリーチ画面が表示されると、遊技者は、これらのリーチ画面を見ることで、図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを察知することができ、特別遊技状態が確約された状態で図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを見ることができ、特別遊技状態を取得できた達成感を満喫でき、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0127】
(5)上述した実施例では、「パターンD」をトリプルリーチ状態となるパターンとして説明しているが、ダブルリーチパターンとしてもよいし、あるいは、図27に示すような4倍リーチ状態となるパターンなど、より以上の複数リーチパターンとしてもよい。図27では、一点鎖線で示すラインがリーチ成立ラインに相当する。また、「パターンE」を4倍リーチ状態となるパターン、つまり、図22に示すように三つ揃いラインQが4組存在するパターンとして説明しているが、三つ揃いラインQが2組存在するダブルリーチパターン、三つ揃いラインQが3組存在するトリプルリーチパターン、あるいは三つ揃いラインQが5組以上存在する5倍以上の複数リーチパターンとしてもよい。
【0128】
さらに、複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えるようにしてもよい。つまり、「パターンD」としてダブル,トリプルリーチパターン等の複数種類のパターンを同時に備えるようにしたり、あるいは、「パターンE」としてトリプル,4倍リーチパターン等の複数種類のパターンを同時に備えるようにしたりしてもよい。この場合には、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0129】
(6)上述した実施例では、図15,図16に示すように、変動パターンカウンタC4の値によってパターンA〜F等が決定されることを、具体的な数値を示して説明しているが、パターン決定するための変動パターンカウンタC4の値の割り振りは上述の実施例での値に限定されるものではなく、この変動パターンカウンタC4の値の割り振り等を適宜に変更したり、さらにパターンを増減したりするなどしてもよい。
【0130】
(7)上述した実施例では、表示ライン(「パターンD」でのリーチ成立ラインや「パターンE」での三つ揃いラインQ)を、このライン単位で主図柄の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ状態としているが、連番に限らず、主図柄の種類が単に異なるように複数本組み合わせた複数リーチ状態としてもよい。
【0131】
(8)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での全識別情報が変動表示中にこの表示部での識別情報を消去し、所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。
【図13】保留球格納エリアの説明図である。
【図14】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)はパターンD,Eでの共通演出の一例を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)はパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図19】(a)〜(d)は図18(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図20】(a)〜(d)は図19(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図21】(a)〜(d)は図20(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図22】(a),(b)はパターンEでの主図柄環を説明するための図である。
【図23】(a)〜(d)はパターンEのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図24】(a)〜(c)は図23(d)に続いて行われるパターンEのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図25】パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【図26】パターンEで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【図27】本実施例とは別の実施例でのパターンDの複数リーチ演出の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 遊技盤
12 … 表示演出指示部(表示制御手段)
40 … 特別図柄表示装置(表示部)
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などに代表される遊技機では、遊技盤に設けられた始動口に球が入賞すること(始動入賞)により、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定められた大当り図柄となった場合に、遊技者にとって有利となる状態例えば大当り状態となるものが知られている。
【0003】
このような遊技機において、特定のリーチ時に、有効なラインとしての成立ラインを通常のリーチ時から所定ライン数の増加を行い、複数本成立させた複数ライン演出を発生させて、遊技の興趣の向上を図っているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、所定ライン数の増加を行う際に、増加する図柄を遊技者が予測できてしまうというなどの問題があり、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、前記表示部での所定数の表示ラインのいずれかで識別情報が予め定められた表示態様となった場合に特別遊技状態となる遊技機において、表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での所定の識別情報が変動表示中に前記表示部での識別情報を消去し、前記所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を前記表示部に表示する表示制御手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での所定の識別情報が変動表示中にこの表示部での識別情報を消去し、前記所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
なお、本明細書で言う「表示部での識別情報を消去し」には、表示部での識別情報自体を消去することの他に、表示部の表示を黒色、白色などの単色等で表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等で、表示部に表示されていた識別情報等を見かけ上、認識できないようにするものも含む。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での全識別情報が変動表示中にそれら全ての識別情報を消去することを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での全識別情報が変動表示中にそれら全ての識別情報を消去するので、何れの識別情報も変動停止する前に消去されて複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出に移行しており、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が全く予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0011】
(2)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での識別情報がリーチ状態となった後に、前記表示部での識別情報を消去し、このリーチ状態であった識別情報を、前記複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定することを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での識別情報がリーチ状態となった後に、表示部での識別情報を消去し、このリーチ状態であった識別情報を、複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定するので、リーチ状態を遊技者に見せてから複数リーチ状態に移行するような場合でも、複数リーチ演出時にどの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0013】
(3)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示ラインは、同種の識別情報を所定数並べてなるものであり、
前記複数リーチ演出は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が異なるように複数本組み合わせたものであることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、表示ラインは、同種の識別情報を所定数並べてなるものであり、複数リーチ演出は、表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が異なるように複数本組み合わせたものであるので、表示ラインごとに識別情報が異なる複数リーチ演出を行うことができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
(4)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を表示部に表示するので、識別情報の種類が連番となる複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を表示部に表示する場合にも、どの表示ラインを増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0017】
(5)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を段階的に消去することを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部における変動表示中の識別情報を段階的に消去するので、始動条件成立によって開始された識別情報の変動表示中の表示画面を、表示ラインを複数本組み合わせた複数リーチ演出に違和感なく切り替えることができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0019】
(6)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(5)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を、前記識別情報以外の表示情報によって消去することを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、表示部における変動表示中の識別情報を、前記識別情報以外の表示情報によって消去するので、この登場してきた表示情報が変動表示中の識別情報の消去するという演出を遊技者に見せることで、複数リーチ演出に移行することを遊技者に示唆することができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
なお、本明細書で言う「表示情報」とは、識別情報以外の表示画像をいう。例えば、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット等の人工物、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示画像を採用してもよい。
【0021】
(7)前記(6)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部における変動表示中の識別情報を前記表示情報の演出に合せて消去していくことを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部における変動表示中の識別情報を、この識別情報以外の表示情報の演出に合せて消去していくので、変動表示中の識別情報を違和感なく消去していくことができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示部の表示領域内の表示を全て消去してから、前記複数リーチ演出を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の発明によれば、表示制御手段は、表示部の表示領域内の表示を全て消去してから、複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出の開始を明確に表示演出することができ、遊技者に複数リーチ演出を明確に教示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。なお、本明細書で言う「表示部の表示領域内の表示を全て消去」には、表示部の表示領域内全体を、黒色、白色などの単色等で表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等で、表示部の表示領域内に表示されていた識別情報等を見かけ上、認識できないようにするものも含む。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えていることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0027】
(10)前記(9)に記載の遊技機において、
前記複数種類の複数リーチ演出は、その種類ごとに大当り期待度が異なるものであることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の発明によれば、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出は、その種類ごとに大当り期待度が異なるものであるので、複数リーチ演出の種類ごとに大当り期待度が変更されて設定されており、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0029】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(10)のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えていることを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(11)に記載の発明によれば、表示制御手段は、複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0031】
(12)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0032】
前記(12)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0033】
(13)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0034】
前記(13)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0035】
(14)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0036】
前記(14)に記載の遊技機によれば、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができ、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0038】
図1は、実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたガラス製の透明板1bに覆われている。
【0039】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤1の左右部に各々配置されて球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0040】
普通図柄表示装置32は、背後に設けられたランプ(図示省略)の点灯を切り換えることにより変動表示される「○」および「×」の図柄32a,32bと、この「○」および「×」の図柄32a,32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備えている。「○」および「×」の図柄32a,32bは、球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
【0041】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0042】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、上述した特別図柄表示装置40が本発明における表示部に相当し、上述した主図柄、副図柄が本発明における識別情報に相当する。
【0043】
遊技盤1には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0044】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0045】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0046】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号と、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0047】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。図3に示すように、本実施例のパチンコ機Pは、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での全図柄が変動表示中にそれらの表示を消去し、同種の主図柄を所定数並べてなる表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示する表示演出部10を備えている。
【0048】
この表示演出部10は、表示ライン増加条件の成立を検出し、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に指示する表示演出指示部12と、この表示演出指示部12からの指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの指示に基づいて上述の複数リーチ演出も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0049】
表示演出指示部12は、表示ライン増加条件の成立を検出し、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に指示するものである。具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」または「パターンEを設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にて複数リーチ演出が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンDを設定」または「パターンEを設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が表示演出指示部12に相当する。なお、上述した表示演出指示部12が本発明における表示制御手段に相当する。また、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)または外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)での「パターンDを設定」または「パターンEを設定」の判定が、本発明における表示ライン増加条件の成立に相当する。
【0050】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0051】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0052】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0053】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄左列カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄左列カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち左列Lの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(a)は、外れ図柄左列カウンタCLの値と左列Lの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、左列Lでは上から下に向かって降順に表れる。
【0054】
続いて外れ図柄左列カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄左列カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄右列カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄右列カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち右列Rの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(b)は、外れ図柄右列カウンタCRの値と右列Rの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、右列Rでは上から下に向かって昇順に表れる。
【0055】
続いて外れ図柄右列カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄右列カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中列カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中列カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中列Mの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLや外れ図柄右列カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(c)は、外れ図柄中列カウンタCMの値と中列Mの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中列Mでは右列Lと同様、上から下に向かって昇順に表れる。
【0056】
外れ図柄各列カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄左列カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄右列カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかの判定ラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃ったときには、それと同じ判定ラインで中列Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中列Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中列Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0057】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄左列カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0058】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0059】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図13に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0060】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0061】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0062】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図13に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0063】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を垂直方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図14に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0064】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図14に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0065】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜59のいずれかの数値であり、大当り図柄は5つの判定ラインL1〜L5のいずれかで12個の主図柄のいずれかが揃うことから60通りあり、各カウンタ値には60通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには60通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図15に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が85以上95未満のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定し(S348)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンFを変動パターンコマンドに設定する(S349)。各変動パターンについては後述する。
【0066】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄左列カウンタCL,外れ図柄中列カウンタCM,外れ図柄右列カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図16に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上95未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S356)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S358)。
【0067】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0068】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5(図4参照)のいずれにおいても左列Lと右列Rの主図柄が揃っていない)、9秒後に中列Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。
【0069】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(判定ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)、その後、中列Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に、左列Lおよび右列Rの図柄を中列Mの図柄の方に近づけて、左列Lの図柄と右列Rの図柄との間に上から下に変動する中列Mの図柄を挟み込んでから左列Lおよび右列Rを中列Mの図柄から離間させて元の位置に戻し、中列Mの図柄を停止するパターンとして設定されている。
【0070】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を一旦停止させた後に、中列Mの図柄を所定の変動表示態様で表示する表示演出を行うことで遊技者に再始動を察知させ、再びこの中列Mの図柄の変動表示を開始させて所定時間(例えば5秒間)変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。
【0071】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、判定ラインL1〜L5上での図柄の表示態様がリーチ状態となったリーチ成立ラインを同時に複数本成立させた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「マスターリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンD」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていって消去した後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「マスターリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0072】
このパターンDを、図17〜図21を用いて説明する。図17〜図21はこのパターンDの一例を示す説明図である。なおここでは、特別図柄表示装置40の変動表示中の全図柄を「龍」のキャラクター(以下、適宜に「タツT」と呼ぶ)が砕いていくところから説明するものとする。
【0073】
図17(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面には、左列L、中列M、右列Rの全図柄が変動表示されており、この表示画面の下端側から2匹のタツTが表れる。そして、図17(b),(c)に示すように、2匹のタツTは、中列Mを回転中心軸として下から上に螺旋回転しながら上昇していくとともに、この上昇動作に合せて左列L、右列R、中列Mの全図柄をその順に段階的に砕いていく。なお、図17(b)では、左側のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて左列Lの全図柄が下から順に段階的に砕かれている。図17(c)では、右側のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて右列Rの全図柄が下から順に段階的に砕かれ、2匹のタツTの上述の螺旋回転上昇動作に合せて残りの中列Mの全図柄が下から順に段階的に砕かれた後の、2匹のタツTの尻尾が表されている。
【0074】
そして、図17(d)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば黒色一色で表示する。ここでは、黒色一色で特別図柄表示装置40の表示画面全体を表示することで、表示画面に表示されていた表示物全てを見かけ上、認識できないように一掃しているが、白色、その他の単色で全体表示したり、複数色からなる種々の模様で表示したりすること等としてもよい。また、図17(b)に示す図柄の粉砕物およびタツTを消去して、特別図柄表示装置40の表示画面での元々の背景画像のみをそのまま表示することで、消去としてもよい。このようにして変動表示中の全図柄が消去されて、以下のマスターリーチ画面に移行する。なお、上述したタツTが本発明における表示情報に相当する。
【0075】
そして、図18(a)に示すように、マスターリーチ画面の左列Lでは「中」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動するとともに、その右列Rでは「龍」の主図柄と「發」の主図柄とがその順に上から下に変動し、さらに、中列Mの上段側から主図柄が上から下に変動し、「マスター」と呼ばれる老人のキャラクター(以下、適宜に「マスターK」と呼ぶ)が中列Mの下段側から登場しつつある。図18(a)では、マスターKの頭の天辺のみが現れている。また、図18(a)に示すように、特別図柄表示装置40の表示画面の中央には演出領域E1が設けられ、その表示画面の両端部には停止図柄表示領域E2がそれぞれ設けられている。この表示画面中央の演出領域E1では、中列Mの主図柄が変動されるとともに、マスターKによるリーチ演出が行われる。この表示画面の左端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの左列Lの主図柄が表示され、特別図柄表示装置40の表示画面の右端部の停止図柄表示領域E2では変動停止済みの右列Rの主図柄が表示される。図18(b)〜(d)および図19〜図21においては、説明の便宜上の理由から、この演出領域E1および停止図柄表示領域E2の図示を省略する。
【0076】
そして、図18(b)に示すように、左列Lでは「中」、「發」、「龍」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっており、右列Rでは「龍」、「發」、「中」の主図柄がその順で上から下に変動してきてその順で並んだ状態となっている。つまり、ラインL2,L4,L5において左列Lと右列Rの主図柄が揃っているいわゆるトリプルリーチの状態となっている。中列Mの主図柄は、一定方向(例えば、上から下へ)に一定速度(例えば、通常変動時の変動速度より低速)で移動する変動中の状態のままである。図18(b)では、マスターKの顔まで現れてきており、中列Mの「七萬」の主図柄が上から下に変動している。
【0077】
そして、図18(c)に示すように、中列Mの主図柄は変動中であり、マスターKがその上半身まで現された後に、図18(d)に示すように、マスターKがズームアップ表示される。
【0078】
そして、図19(a)に示すように、変動中の中列Mの主図柄が、左列Lの上図柄である「龍」(右列Rの下図柄である「龍」)に近づいてくると、画面中央に表示されたマスターKは、両手をラインL5方向に広げて、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を掴む。こうすることで、これからラインL5についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL5についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0079】
そして、図19(b)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」を、ラインL5の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「龍」の主図柄を、中列Mの図柄の変動軌跡上の所定位置としての画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」と、変動中の中列Mの「龍」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0080】
そして、図19(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を挟み込む。このとき、左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」は、中列Mの変動中の「龍」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「龍」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「龍」を、両手に掴んだ左列Lの上図柄の「龍」および右列Rの下図柄の「龍」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「龍」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「龍」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL5についてのリーチ演出が行われる(図19(a)〜(c)参照)。
【0081】
しかしながら、中列Mの「龍」の主図柄が変動停止することなく、左右の「龍」の主図柄の間を下方向にすり抜けて行ってしまった場合には、図19(d)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「龍」の主図柄を左列Lの上および右列Rの下に戻した後、今度は両手をラインL2方向に広げて、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」を掴む。こうすることで、これからラインL2についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL2についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。
【0082】
そして、図20(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を挟み込むように、両手のそれぞれの「發」の主図柄をラインL2の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を演出領域E1に移動させている。このとき、各停止図柄表示領域E2の「發」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「發」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」と、変動中の中列Mの「發」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0083】
図20(a)に示すように、左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」は、中列Mの変動中の「發」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「發」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「發」を、両手に掴んだ左列Lの中図柄の「發」および右列Rの中図柄の「發」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「發」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「發」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。このようにして、ラインL2についてのリーチ演出が行われる(図19(d),図20(a)参照)。
【0084】
しかしながら、図20(b)に示すように、中列Mの「發」の主図柄が変動停止することなく、左右の「發」の主図柄の間をすり抜けて行ってしまった場合には、図20(c)に示すように、マスターKは、両手に掴んでいた「發」の主図柄を左列Lの中および右列Rの中に戻した後、図20(d)に示すように、今度は両手をラインL4方向に広げて、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を掴む。こうすることで、これからラインL4についてのリーチ演出を行うことを遊技者に知らせる。つまり、遊技者は、マスターKの両手の方向で、これからラインL4についてのリーチ演出が行われることを知ることができる。そして、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」を、ラインL4の方向で中列Mに近づけるように移動させる。停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を演出領域E1に移動させている。
【0085】
そして、図21(a)に示すように、マスターKは、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を挟み込む。このとき、各停止図柄表示領域E2の「中」の主図柄を画面中央位置に変動させる時間と、変動中の中列Mの「中」の主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとしており、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」と、変動中の中列Mの「中」の主図柄とが同じ時刻に画面中央位置にくる。
【0086】
図21(a)に示すように、左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」は、中列Mの変動中の「中」の主図柄を挟み込むようにして、ラインL2上で水平方向に並べて表示されており、遊技者は、「中」の主図柄で揃うか否かのリーチ演出が現在行われていることを、ハッキリと把握できる。図21(b)に示すように、マスターKは、中列Mで上から下に変動する主図柄の「中」を、両手に掴んだ左列Lの下図柄の「中」および右列Rの上図柄の「中」で挟み込むことで、その中列Mの図柄変動を主図柄の「中」で停止させようとする、つまり、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させることを試みる。図21(c)に示すように、マスターKは、ラインL2で「中」の主図柄が3つ揃って停止させるように、さらに気合を入れる。このようにして、ラインL4についてのリーチ演出が行われる(図21(a)〜(c)参照)。
【0087】
この最後のリーチ演出である、ラインL4についてのリーチ演出の結果は、大当りになる場合と外れとなる場合の2通りある。大当りになる場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」となっていた場合には、図21(d)に示すように、主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃い、マスターKが笑っている表示演出が行われる。主図柄(ここでは「中」の主図柄)が3つ揃うことにより、その結果パチンコ機Pは大当り状態に移行する。
【0088】
外れの場合は次の通りである。図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンDを設定」となっていた場合では、中列Mの主図柄(ここでは「中」の主図柄)がすり抜けてしまい3つ揃わず、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0089】
なお、停止図柄表示領域E2の変動停止済みの各主図柄(「龍」、「發」、「中」の主図柄)を、中列Mの主図柄のその変動軌跡上の所定位置である画面中央位置に変動させる時間と、中列Mの主図柄を画面上端から画面中央位置に変動させる時間とを同じとするように、リーチ成立ラインごとに、変動停止済みの各主図柄を中列Mの主図柄に近づける速度を変えている。その結果、リーチ成立ライン上の変動停止済みの主図柄と、変動中の中列Mの主図柄とが、何れのリーチ成立ラインにおいても、同じ時刻に画面中央位置にくるので、リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0090】
「パターンE」は、上述の「パターンD」とは別のスペシャルリーチのパターンであり、図22(a)に示すように、同一種類の主図柄を3個並べた三つ揃いラインQを、この三つ揃いラインQの単位で主図柄の種類が連番となるように複数本(例えば、4本)組み合わせた複数リーチ状態となるパターンであり、この実施例では「アオイリーチのパターン」とも呼ばれるものである。この「パターンE」は、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、この左列L、中列M、右列Rの全図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)が現れてこれらの表示されていた全図柄を砕いていって消去した後に、次に説明するような複数リーチ状態が表示された新たな画面(以下、適宜に「アオイリーチ画面」という)に切り替わり、この複数リーチ状態の表示演出を行うパターンとして設定されている。
【0091】
この「パターンE」の一例を図22(a),(b)に示す。図22(a)に示すように、例えば、「七萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「八萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「九萬」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、「龍」の主図柄が3個1組となった三つ揃いラインQと、1個の「發」の主図柄とを、その順で連結させて、最初の「七萬」の主図柄と最後の「發」の主図柄とを連結させて環状とした主図柄環Vを、図22(b)に示すように、矢印の方向に変動させて特別図柄表示装置40に表示し、そして、この変動が停止したときに特別図柄表示装置40の表示画面上に同一種類の主図柄が3個揃って表示されているか否かによって、大当りであるか否かを表示演出するというパターンである。なお、図22では、主図柄環Vは、「七萬」,「八萬」,「九萬」,「龍」の三つ揃いラインQとしているが、この組み合わせに限定されるものではなく、「一萬」,「二萬」,「三萬」,「四萬」の三つ揃いラインQを有する主図柄環V等、種々の組み合わせパターンがある。
【0092】
このパターンEを、図23〜図24を用いて説明する。図23〜図24はこのパターンEの一例を示す説明図である。なおここでは、図17(a)〜(c)に示したように、特別図柄表示装置40の変動表示中の全図柄を「龍」のキャラクター(以下、適宜に「タツT」と呼ぶ)が砕いていき、図17(d)に示したように、特別図柄表示装置40の表示画面を黒色一色で表示して変動表示中の全図柄を消去した後に、以下のアオイリーチ画面に移行するところから説明するものとする。
【0093】
図23(a)に示すように、特別図柄表示装置40に表示されたアオイリーチ画面の中央から下端側にかけて、主図柄環Vの主図柄が右から左に所定の速度で変動されて表示されるとともに、「アオイ」と呼ばれる女性のキャラクター(以下、適宜に「アオイU」と呼ぶ)が画面中央に登場してくる。なお、このアオイUは、アオイリーチ画面の表示演出が終了するまで、特別図柄表示装置40の画面中央に常時表示されているが、以下の図23(b)〜(d)および図24(a)〜(c)では、主図柄環Vの主図柄が環状に変動していること等をわかり易く説明するために、アオイUの図示を省略している。
【0094】
そして、図23(b)に示すように、アオイリーチ画面の中央をズームアップして表示される。このときも、主図柄環Vの主図柄は、右から左に一定速度で変動表示されている。
【0095】
そして、図23(c)に示すように、アオイリーチ画面の中央をズームアウトして表示される。このときも、主図柄環Vの主図柄は、右から左に一定速度で変動表示されている。
【0096】
そして、図23(d)に示すように、主図柄環Vの主図柄の右から左へ変動する速度が遅くなっていく。そして、図24(a)に示すように、主図柄環Vの主図柄の右から左へ変動する速度がさらに遅くなっていき、図24(b)に示すように、アオイリーチ画面の中央の3個の主図柄(この場合は「七萬」の主図柄3個)を奥行き方向(図24(b)では紙面奥行き方向)に遠ざけるようにして表示する。
【0097】
そして、主図柄環Vの主図柄の右から左への変動が停止すると、図24(c)に示すように、アオイリーチ画面の中央の3個の主図柄(この場合は「七萬」の主図柄3個)を手前側に近づけるようにしてズームアップ表示することで、アオイリーチでの結果を遊技者に知らせる。図24(c)の場合には、「七萬」の主図柄が3個揃っている状態が表示されているので、パチンコ機Pは大当り状態に移行することになる。
【0098】
なおここでは、アオイリーチで大当りになる場合を説明したが、アオイリーチで外れとなる場合もある。大当りになる場合は、図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りと判定されて、大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンEを設定」となっていた場合には、図24(c)に示すように、主図柄(ここでは「七萬」の主図柄)が3つ揃い、アオイUが笑っている表示演出が行われる。外れの場合は、図14に示した表示コマンド決定処理でのS300で大当りでないと判定され、S302でリーチであると判定され、外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S322)で「パターンEを設定」となっていた場合では、同一種類の主図柄が3個揃っていない状態が表示され、図4に示す通常の表示画面に戻る表示演出が行われる。
【0099】
なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に左列L、中列M、右列Rの各図柄を変動表示するだけでなく、所定のリーチ遊技やリーチ用アニメの表示などが行われる。
【0100】
なお、上述した「パターンD」でのリーチ成立ラインまたは上述した「パターンE」での三つ揃いラインQが本発明における表示ラインに相当する。
【0101】
本実施例では、図15および図16を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンD,Eが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0102】
「パターンF」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0103】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図14)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0104】
ここで、本発明の1つの特徴部分である上述の「パターンD」または「パターンE」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図25,図26を用いて説明する。図25は、パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートであり、図26は、パターンEで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。なお、図7を用いて上述したように、S227で決定した表示コマンドは、変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、変動パターンA〜Fを設定する変動パターンコマンドとを含むものであり、入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信(S228)される。表示用制御装置90は、この送信されてきた表示コマンド(停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとを含む)に従って特別図柄表示装置40を表示制御する。つまり、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40に表示させる画像データを予め記憶しており、送信されてきた前述の表示コマンドに基づいて選択された画像データを特別図柄表示装置40に出力する。特別図柄表示装置40は、表示用制御装置90から送信された画像データを画像表示する。
【0105】
まず、「パターンD」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図25を用いて説明する。図25に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、図17(a)〜(d)に示すように、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)を登場させて、この「龍」キャラクターの動作に合せてこれらの全図柄を砕いていって消去させる(S410)。
【0106】
そして、表示用制御装置90は、前述のマスターリーチ画面に表示を切り替える(S420)。そして、表示用制御装置90は、図18〜図21に示したマスターリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S430)。
【0107】
次に、「パターンE」で特別図柄表示装置40を表示制御する処理について、図26を用いて説明する。図26に示すように、表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始させる(S400)。そして、表示用制御装置90は、図17(a)〜(d)に示すように、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示が停止する前に、キャラクター(例えば、龍)を登場させて、この「龍」キャラクターの動作に合せてこれらの全図柄を砕いていって消去させる(S410)。
【0108】
そして、表示用制御装置90は、前述のアオイリーチ画面に表示を切り替える(S420)。そして、表示用制御装置90は、図23〜図24に示したアオイリーチ演出を表示するように特別図柄表示装置40を表示制御する(S440)。
【0109】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40での全図柄が変動表示中にそれらの表示を消去し、同種の主図柄を所定数並べてなる表示ライン(「パターンD」でのリーチ成立ラインや「パターンE」での三つ揃いラインQ)を、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本(「パターンD」ではラインL2,L4,L5の3本、「パターンE」では三つ揃いラインQの4本)組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、何れの図柄も変動停止する前に消去されて複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出に移行しており、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどの表示ラインを増加させたのか、つまり、どの主図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報(図柄)の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0110】
本実施例のパチンコ機Pが従来例のパチンコ機と比して優れていることを、以下に具体的に説明する。
【0111】
従来例のパチンコ機においては、複数リーチ状態の表示演出を以下のようにして行っている。まず、始動入賞に起因して可変表示装置の図柄の変動表示が開始され、所定時間後に両端の図柄列の変動表示がそれぞれ停止してある単一のラインがリーチ状態となる。そして、このリーチ成立ラインの変動停止済みの一端側の図柄と連番になる図柄がこの一端側に増加されるとともに、リーチ成立ラインの変動停止済みの他端側の図柄と連番になる図柄がこの他端側に増加されて、増加された図柄を結ぶラインでリーチ状態が増加発生、つまり、リーチ成立ラインの増加が行われて、複数リーチ状態となり、各リーチ演出が行われる。なお、増加が行われない際のリーチ成立ラインが単ラインの場合には、増加するリーチ成立ラインの本数が1本の場合はダブルリーチとなり、増加するリーチ成立ラインの本数が2本の場合はトリプルリーチとなる。
【0112】
すなわち、従来のパチンコ機では、複数リーチ状態の表示演出に際して、可変表示装置での変動表示された図柄がリーチ状態になると、このリーチ成立ラインの変動停止済みの図柄と連番になる図柄を増加させてリーチ成立ラインの増加を行っているため、遊技者は、増加する図柄を予測することができ、増加する図柄の違いに起因する遊技の利益差を知り得るため、リーチ成立ラインの増加に対して不満を持つことがある。
【0113】
具体的には、奇数番号(例えば「5」)の図柄でシングルリーチ状態が発生しているときに、図柄が増加してトリプルリーチ状態になるという複数リーチ演出の場合には、リーチ状態の「5」の図柄に連続する偶数番号(この場合は「4」,「6」)の図柄が増加されることから、遊技者はリーチ状態の図柄に基づいて増加する図柄が予測できてしまう。例えば、奇数図柄(この場合は「5」の図柄)で揃った場合には、大当りとなり、さらに確変状態(以降、大当りになる確率がアップした状態)となるが、偶数図柄(この場合は「4」または「6」の図柄)で揃った場合には、大当りとなるだけで、確変状態にはならないし、既に確変状態あった場合には確変状態ではない通常状態に戻ってしまう。このため、奇数図柄の増加に対しては喜びが大きく歓迎されるが、偶数図柄の増加に対しては喜びが小さく必ずしも歓迎されるというものではない。このように、遊技者は、増加する図柄の違いに起因する遊技の利益差を知り得てしまい、増加する図柄に対して不満を持つことがある。その結果、従来のパチンコ機では、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができず、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができないという問題点がある。
【0114】
これに対して、本実施例のパチンコ機Pでは、変動表示中の図柄を消去して、複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を行うので、上述した従来例のパチンコ機のような問題を解消することができる。
【0115】
また、表示ラインは、同種の主図柄を所定数並べてなるものであり、複数リーチ演出は、表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が異なるように複数本組み合わせたものであるので、表示ラインごとに主図柄が異なる複数リーチ演出を行うことができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
また、表示演出指示部12は、表示ラインを、このライン単位で主図柄の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、主図柄の種類が連番となる複数本の表示ラインからなる複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示する場合においても、どの主図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0117】
また、表示演出指示部12は、表示ライン増加条件が成立すると、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を段階的に消去するので、始動条件成立によって開始された図柄の変動表示中の表示画面を、表示ラインを複数本組み合わせた複数リーチ演出(マスターリーチ演出、アオイリーチ演出)に違和感なく切り替えることができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0118】
また、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を、図柄以外の表示情報としてのタツTによって消去するので、この登場してきたタツTが変動表示中の図柄の消去するという演出を遊技者に見せることで、複数リーチ演出に移行することを遊技者に示唆することができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0119】
また、特別図柄表示装置40における変動表示中の図柄を、タツTの演出に合せて消去していくので、変動表示中の図柄を違和感なく消去していくことができ、複数リーチ演出に移行する際の遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0120】
また、表示演出指示部12は、特別図柄表示装置40の表示領域内の表示を全て消去してから、複数リーチ演出を特別図柄表示装置40に表示するので、複数リーチ演出の開始を明確に表示演出することができ、遊技者に複数リーチ演出を明確に教示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。
【0121】
また、表示演出指示部12は、複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出、つまり、上述のマスターリーチ演出、アオイリーチ演出を備えているので、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出の種類ごとに大当り期待度を変更して設定することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0122】
本発明は、上記実施例に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0123】
(1)上述した実施例では、図18〜図21に示すマスターKが、停止図柄表示領域E2にある変動停止済みの図柄を変動中の図柄に近づける演出を行っているが、このマスターK(老人のキャラクター)に限定されるものではなく、成人、幼児、乳児、男性や女性などの人であってもよいし、動物、植物等の現実あるいは空想上の生き物のみならず、ロボット、風や空気など背景に属するような生き物以外のもの等、種々の表示情報を採り得ることは言うまでもない。
【0124】
(2)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしているが、3列以外の複数列の各図柄を一定方向(例えば、上から下)に変動表示させるタイプとしてもよい。また、上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの各図柄を上から下に変動表示させるタイプとしているが、特別図柄表示装置40の表示画面を例えば上段、中段、下段の縦3段に分け、各段での各図柄を右から左(あるいは左から右)に変動表示させるタイプとしてもよい。
【0125】
(3)上述した実施例では、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの3列の全図柄が変動表示中にこれらを消去するようにしているが、特別図柄表示装置40での図柄がリーチ状態となった後に、特別図柄表示装置40での図柄の表示を消去し、このリーチ状態であった図柄を、複数リーチ演出における複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定(例えば無作為に設定)するようにしてもよい。このようにリーチ状態を遊技者に見せてから複数リーチ状態に移行するような場合でも、複数リーチ演出時にどの図柄を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報(図柄)の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0126】
(4)上述した実施例では、いわゆるスペシャルリーチのパターンであるパターンD,Eを、図17〜図21または図23,24に示すように複数リーチ状態となるパターンとして表示演出しているが、このパターンD,Eの少なくとも一方を複数リーチ状態となるパターン以外のパターンとし、パターンFを図17〜図21または図23,24に示すように複数リーチ状態となるパターンとして表示演出するとともに、その結果が100%大当りになるプレミアムリーチのパターンとしてもよい。この場合には、上述のマスターリーチ画面あるいはアオイリーチ画面が表示されると、遊技者は、これらのリーチ画面を見ることで、図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを察知することができ、特別遊技状態が確約された状態で図柄の変動表示結果が特別遊技状態となる表示態様になることを見ることができ、特別遊技状態を取得できた達成感を満喫でき、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
【0127】
(5)上述した実施例では、「パターンD」をトリプルリーチ状態となるパターンとして説明しているが、ダブルリーチパターンとしてもよいし、あるいは、図27に示すような4倍リーチ状態となるパターンなど、より以上の複数リーチパターンとしてもよい。図27では、一点鎖線で示すラインがリーチ成立ラインに相当する。また、「パターンE」を4倍リーチ状態となるパターン、つまり、図22に示すように三つ揃いラインQが4組存在するパターンとして説明しているが、三つ揃いラインQが2組存在するダブルリーチパターン、三つ揃いラインQが3組存在するトリプルリーチパターン、あるいは三つ揃いラインQが5組以上存在する5倍以上の複数リーチパターンとしてもよい。
【0128】
さらに、複数リーチ演出における表示ライン数を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えるようにしてもよい。つまり、「パターンD」としてダブル,トリプルリーチパターン等の複数種類のパターンを同時に備えるようにしたり、あるいは、「パターンE」としてトリプル,4倍リーチパターン等の複数種類のパターンを同時に備えるようにしたりしてもよい。この場合には、種類の異なる各複数リーチ演出を、場合に応じて使い分けて表示することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0129】
(6)上述した実施例では、図15,図16に示すように、変動パターンカウンタC4の値によってパターンA〜F等が決定されることを、具体的な数値を示して説明しているが、パターン決定するための変動パターンカウンタC4の値の割り振りは上述の実施例での値に限定されるものではなく、この変動パターンカウンタC4の値の割り振り等を適宜に変更したり、さらにパターンを増減したりするなどしてもよい。
【0130】
(7)上述した実施例では、表示ライン(「パターンD」でのリーチ成立ラインや「パターンE」での三つ揃いラインQ)を、このライン単位で主図柄の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ状態としているが、連番に限らず、主図柄の種類が単に異なるように複数本組み合わせた複数リーチ状態としてもよい。
【0131】
(8)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0132】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、表示制御手段は、表示ライン増加条件が成立すると、表示部での全識別情報が変動表示中にこの表示部での識別情報を消去し、所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を表示部に表示するので、複数リーチ演出時の複数本の表示ラインのうちでどのラインを増加させたのか、つまり、どの識別情報を増加させたのかを遊技者が予測できないようにすることができる。したがって、増加する表示ラインの識別情報の違いに起因する遊技の利益差を遊技者が知り得ないようにしているので、遊技者は、表示ラインの増加に対して一切不満を持つことがなく、複数リーチ演出時の遊技を堪能することができ、複数リーチ演出時の遊技の興趣を向上させることができる。その結果、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。
【図13】保留球格納エリアの説明図である。
【図14】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)はパターンD,Eでの共通演出の一例を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)はパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図19】(a)〜(d)は図18(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図20】(a)〜(d)は図19(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図21】(a)〜(d)は図20(d)に続いて行われるパターンDのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図22】(a),(b)はパターンEでの主図柄環を説明するための図である。
【図23】(a)〜(d)はパターンEのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図24】(a)〜(c)は図23(d)に続いて行われるパターンEのリーチ演出の一例を示す説明図である。
【図25】パターンDで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【図26】パターンEで特別図柄表示装置を表示制御するためのフローチャートである。
【図27】本実施例とは別の実施例でのパターンDの複数リーチ演出の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 遊技盤
12 … 表示演出指示部(表示制御手段)
40 … 特別図柄表示装置(表示部)
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機
Claims (6)
- 始動条件成立に起因して表示部の識別情報を変動表示し、前記表示部での所定数の表示ラインのいずれかで識別情報が予め定められた表示態様となった場合に特別遊技状態となる遊技機において、
表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での所定の識別情報が変動表示中に前記表示部での識別情報を消去し、前記所定数の表示ラインより多くかつ複数本で構成された複数リーチ演出を前記表示部に表示する表示制御手段
を備えていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での全識別情報が変動表示中にそれら全ての識別情報を消去することを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ライン増加条件が成立すると、前記表示部での識別情報がリーチ状態となった後に、前記表示部での識別情報を消去し、このリーチ状態であった識別情報を、前記複数本の表示ラインのいずれに含めるのか、または、含めないのかを選択設定することを特徴とする遊技機。 - 請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示ラインは、同種の識別情報を所定数並べてなるものであり、
前記複数リーチ演出は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が異なるように複数本組み合わせたものであることを特徴とする遊技機。 - 請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記表示ラインを、このライン単位で識別情報の種類が連番となるように複数本組み合わせた複数リーチ演出を前記表示部に表示することを特徴とする遊技機。 - 請求項1から5のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、前記複数リーチ演出における表示ラインの配列状態を異なるようにした、複数種類の複数リーチ演出を備えていることを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2003166442A JP2004073844A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 遊技機 |
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JP2006051226A (ja) * | 2004-08-13 | 2006-02-23 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
JP2006051227A (ja) * | 2004-08-13 | 2006-02-23 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
-
2003
- 2003-06-11 JP JP2003166442A patent/JP2004073844A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006051226A (ja) * | 2004-08-13 | 2006-02-23 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
JP2006051227A (ja) * | 2004-08-13 | 2006-02-23 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
JP4632235B2 (ja) * | 2004-08-13 | 2011-02-16 | サミー株式会社 | 弾球遊技機 |
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