JP2004194980A - 遊技機 - Google Patents

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Makoto Banno
誠 番野
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Abstract

【課題】移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の遊技機によれば、リーチ演出実行部10は、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する変動パターン演出に移行するまでの時間を短くして移行型表示演出としての発展型リーチ演出を実行するので、発展型リーチ演出での発展途中のリーチ演出による冗長性を排除できることから、遊技者が発展途中のリーチ演出に対して退屈感を抱くことを低減でき、しかも、発展途中のリーチ演出が短く行なわれることから、リーチが発展していくことを遊技者に知らせることができ、発展型リーチ演出による遊技の興趣性を維持できる。その結果、移行型表示演出(発展型リーチ演出)を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などに代表される遊技機では、遊技盤に設けられた始動口に球が入賞することにより、遊技盤中の可変表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄の態様が予め定められた大当り図柄となった場合に大当り状態となり、遊技者が大量の出球を獲得できるようになるものが知られている。また、このような遊技機では、遊技の興趣を向上させるために様々な表示演出が行われるようになっているものがある。例えば、可変表示装置に表示される図柄が特定の表示態様となった場合(例えば、残り一つを除いて2つの同一の図柄が揃っている、いわゆるリーチ状態)、大当り状態になる期待度の低い順から高い順(例えばノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの順)に表示演出が移行していくというような移行型表示演出を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−108414号公報 (第2頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、リーチ(例えば、ノーマルリーチ)時に、遊技者に対して大当り状態となりやすいことを示唆する示唆演出が行われる場合がある。この場合には、移行型表示演出は最終の表示演出まで移行しやすいようになる場合があり、遊技内容を熟知した遊技者であれば、示唆演出が行われた時点で、このリーチ(例えば、ノーマルリーチ)が最終の表示演出になり易いことを知っている。つまり、最終の表示演出(例えば、スペシャルリーチ)に移行するまでの間に退屈感を抱くことになり、遊技の興趣性を低下させる要因になっているという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、複数個の演出表示態様で構成され、前記複数個の演出表示態様を段階的に移行していく移行型表示演出を行う遊技機において、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出を実行する表示演出実行手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、複数個の演出表示態様で構成され、この複数個の演出表示態様を段階的に移行していく移行型表示演出を行う遊技機において、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出を実行する表示演出実行手段を備えているので、所定条件が成立すると、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出が実行される。すなわち、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様、つまり、移行途中の演出表示態様の所定部分が短く行われることで当該時間を短くすることができる。したがって、移行型表示演出での移行途中の演出表示態様による冗長性を排除できることから、遊技者が移行途中の演出表示態様に対して退屈感を抱くことを低減できる。しかも、移行途中の演出表示態様を完全に除去するのではなく、移行途中の演出表示態様の所定部分を短く行うことから、演出表示態様が移行していくことを遊技者に知らせることができ、移行型表示態様による遊技の興趣性を維持できる。その結果、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。なお、本明細書で言う「所定条件成立」とは、本発明の一つの特徴部分である「移行途中の演出表示態様の全部または一部を時短すること」を決定する契機となる要素の成立のことである。また、本明細書で言う「移行型表示演出」とは、例えば1回の識別情報(図柄)の変動表示において、演出表示態様としての例えばリーチ表示態様がノーマル、スーパー、スペシャルと移行していくもの、あるいは識別情報(図柄)の仮停止態様が特定の順番(図柄が1,2,3と並ぶもの、図柄が4,5,6と並ぶもの、図柄が7,8,9と並ぶもの)に移行していくものなど、種々のものが挙げられる。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示演出実行手段は、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部を早送り演出することで前記時間を短くすることを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、表示演出実行手段は、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部を早送り演出するので、移行型表示演出での移行途中の演出表示態様による冗長性を排除でき、遊技者が移行途中の演出表示態様に対して退屈感を抱くことを低減できできる。しかも、移行途中の演出表示態様を完全に除去するのではなく、移行途中の演出表示態様の所定部分を早送りで短く行われることから、演出表示態様が移行していくことを遊技者に知らせることができ、移行型表示演出による遊技の興趣性を維持できる。その結果、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0011】
(2)請求項1に記載の遊技機において、
前記表示演出実行手段は、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部を間引き演出することで前記時間を短くすることを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、表示演出実行手段は、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部を間引き演出するので、移行型表示演出での移行途中の演出表示態様による冗長性を排除でき、遊技者が移行途中の演出表示態様に対して退屈感を抱くことを低減でき、しかも、移行途中の演出表示態様の所定部分が間引かれて短く行われることから、演出表示態様が移行していくことを遊技者に知らせることができ、移行型表示演出による遊技の興趣性を維持できる。その結果、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0013】
(3)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示演出実行手段は、さらに、移行型表示演出時に大当り状態となり易いことをほのめかす示唆演出を行う示唆演出手段を備え、示唆演出後から最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの時間を短くすることを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、表示演出実行手段は、移行型表示演出時に大当り状態となり易いことをほのめかす示唆演出を行う示唆演出手段を備え、示唆演出後から最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの時間を短くするので、示唆演出後から移行途中の演出表示態様の時間を短くした移行型表示演出、つまり、示唆演出とその後の移行途中の演出表示態様の時間短縮とを関連付けた、面白味のある移行型表示演出を作成することができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0015】
(4)前記(3)に記載の遊技機において、
前記示唆手段は、移行型表示演出時の複数種類のタイミングで示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、示唆手段は、移行型表示演出時の複数種類のタイミングで示唆演出を行うので、移行型表示演出のバリエーションを増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0017】
(5)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
移行途中の演出表示態様を短くした場合の移行型表示演出と、そうでない通常の移行型表示演出とでは期待度が異なるように設定する期待度設定手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、期待度設定手段は、移行途中の演出表示態様を短くした場合の移行型表示演出と、そうでない通常の移行型表示演出とでは特別遊技状態(例えば大当り状態)になる期待度が異なるように設定するので、移行型表示演出のバリエーションを増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0019】
(6)前記(5)に記載の遊技機において、
前記期待度設定手段は、前記示唆手段による移行型表示演出時の複数種類のタイミングでの示唆演出ごとに期待度が異なるように設定することを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、期待度設定手段は、示唆手段による移行型表示演出時の複数種類のタイミングでの示唆演出ごとに、特別遊技状態(例えば大当り状態)になる期待度が異なるように設定するので、移行型表示演出のバリエーションをさらに増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0021】
(7)前記(1)から(6)に記載の遊技機において、
さらに、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部が早送りあるいは間引き演出中であることを告知する告知手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、告知手段は、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部が早送りあるいは間引き演出中であることを告知するので、遊技者は当該演出表示態様が早送りあるいは間引き演出中であることを明確に知ることができ、遊技者にとって当該演出表示態様の早送りあるいは間引き演出を違和感なく受け入れることができるという効果的な演出表示態様を実現でき、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0023】
(8)前記(1)から(7)に記載の遊技機において、
さらに、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部が早送りあるいは間引き開始されることを事前に予兆する予兆演出手段を備え、
前記表示演出実行手段は、当該演出表示態様での予兆演出後の所定区間を早送りあるいは間引き演出することを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の発明によれば、最終的に到達する演出表示態様よりも前段の演出表示態様の少なくとも一部が早送りあるいは間引き開始されることを事前に予兆する予兆演出手段を備え、表示演出実行手段は、当該演出表示態様での予兆演出後の所定区間を早送りあるいは間引き演出するので、遊技者は予兆演出手段の予兆演出により当該演出表示態様が早送りあるいは間引き演出されることを事前に知ることができ、当該演出表示態様の早送りあるいは間引き演出が何の前触れもなく突然始まるという違和感を低減できる。したがって、より面白味のある演出表示態様を実現でき、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の遊技機によれば、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0027】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の遊技機によれば、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0029】
(11)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0030】
前記(11)に記載の遊技機によれば、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0032】
図1は、実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれた例えばガラス製の透明板1bに覆われている。
【0033】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の略中央に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0034】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、所定条件が成立した場合に当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0035】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、左列L、中列M、右列Rの3列で構成され、各列ごとに上から順に上図柄、中図柄、下図柄の3個の図柄を表示し、上から下へ垂直方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに左列L、中列M、右列Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、主図柄(例えば麻雀牌)と、副図柄(例えばサイコロ)とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中列Mおよび右列Rにおいては、麻雀牌の「一萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「二萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「三萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「四萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「五萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「六萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「七萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「八萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「九萬」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌に龍を付した主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「發」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄、麻雀牌の「中」からなる主図柄、サイコロからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び麻雀牌の「一萬」からなる主図柄に戻る。一方、左列Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、左列L、右列R、中列Mの順に変動表示を停止させ、横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。
【0036】
遊技盤1には、特別図柄表示装置40の上部に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0037】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0038】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、特別図柄表示装置40の両横に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等の近傍に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0039】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号と、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0040】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、以下に説明する。なお、本実施例のパチンコ機Pは、リーチ(図4に示す有効ラインL1〜L5のうちのいずれかのライン上で残り一つを除いて当り図柄が揃っている状態)時の変動パターンが、大当りになる期待度の低い順から高い順(例えばノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの順)に発展していき、その変動表示結果が高い信頼度で大当りとなる、いわゆる発展型リーチ演出を行う機能を備えたものである。なお、上述した発展型リーチ演出が本発明における移行型表示演出の一例に該当する。
【0041】
本実施例のパチンコ機Pは、図3に示すように、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する変動パターン演出に移行するまでの時間を短くして発展型リーチ演出を実行するリーチ演出実行部10を備えている。この「所定条件成立」としては、後述する図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」と判定した場合が挙げられる。
【0042】
リーチ演出実行部10は、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する変動パターン演出に移行するまでの時間を短くした発展型リーチ演出の実行を指示するリーチ演出指示部12を備えている。また、リーチ演出実行部10は、発展型リーチ演出時に大当り予告演出を行うための大当り予告演出指示部14を備えており、大当り予告演出後から最終的に到達する変動パターン演出に移行するまでの時間を短くするものである。つまり、大当り予告演出後の発展途中のリーチ演出の少なくとも一部を早送り演出することで、当該発展途中のリーチ演出の時間を短くするのである。
【0043】
具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図14に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンDを設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にて発展途中のリーチ演出の少なくとも一部を早送り演出するという発展型リーチ演出が行わることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)での「パターンD設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能がリーチ演出指示部12に相当する。なお、上述したリーチ演出実行部10が本発明における表示演出実行手段に相当する。また、上述の「パターンD設定」の変動パターンには、後述する図17(b)に示すように大当り予告演出が含まれているため、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)での「パターンD設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の該当部分の機能が大当り予告演出指示部14に相当する。また、大当り予告演出指示部14と表示用制御装置90と特別図柄表示装置40とが本発明の示唆手段に相当する。
【0044】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0045】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0046】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0047】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄左列カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄左列カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち左列Lの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(a)は、外れ図柄左列カウンタCLの値と左列Lの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、左列Lでは上から下に向かって降順に表れる。
【0048】
続いて外れ図柄左列カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄左列カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄右列カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄右列カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち右列Rの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(b)は、外れ図柄右列カウンタCRの値と右列Rの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、右列Rでは上から下に向かって昇順に表れる。
【0049】
続いて外れ図柄右列カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄右列カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中列カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中列カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している左列L、中列M、右列Rの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中列Mの上図柄、中図柄、下図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄左列カウンタCLや外れ図柄右列カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図12(c)は、外れ図柄中列カウンタCMの値と中列Mの上図柄、中図柄、下図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中列Mでは右列Lと同様、上から下に向かって昇順に表れる。
【0050】
外れ図柄各列カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄左列カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄右列カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した横上行L1、横中央行L2、横下行L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記いずれかのラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかのラインで左列Lと右列Rの主図柄が揃ったときには、それと同じラインで中列Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中列Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中列Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0051】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄左列カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0052】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0053】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図13に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0054】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0055】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上,中央,下の図柄が各列L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0056】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図13に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0057】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を垂直方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図14に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0058】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図14に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0059】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜59のいずれかの数値であり、大当り図柄は5つのラインL1〜L5のいずれかで12個の主図柄のいずれかが揃うことから60通りあり、各カウンタ値には60通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには60通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図15に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上95未満のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S348)。各変動パターンについては後述する。
【0060】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄左列カウンタCL,外れ図柄中列カウンタCM,外れ図柄右列カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図16に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(S356)。
【0061】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0062】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(図4で示したラインL1〜L5のいずれにおいても左列Lと右列Rの主図柄が揃っていない)、9秒後に中列Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。
【0063】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止し(ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)、その後、中列Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させて停止するパターンとして設定されている。
【0064】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBでの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を停止することなく、例えば図柄確定用キャラクタZKを登場表示させるとともに、所定時間(例えば7秒間)変動表示した後に中列Mの図柄が停止するパターンとして設定されている。
【0065】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターン(発展型リーチパターンとも呼ばれる)であり、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を停止することなく、かつパターンBの所定期間(例えば、パターンBの終了間際の期間)に図17(b)に示すような大当り予告用キャラクタYKを登場させるなどの大当り予告演出を行った後に、パターンCの表示演出(パターンB後に7秒間行われていた図柄確定用キャラクタZKの登場などの演出)を早送り(例えば2秒間)して短縮して行い、その後の所定時間(例えば7秒間)の間に図柄確定用キャラクタZKが所定の動作(例えば大当り図柄で揃えるような動作)などをして中列Mの図柄を停止するパターンとして設定されている。
【0066】
このパターンDについて図17を用いて説明する。図17はこのパターンDの一例を示す説明図である。このパターンDでは、まず特別図柄表示装置40による左列L、中列M、右列Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に左列Lの図柄変動を停止し、8秒後に右列Rの図柄変動を停止する(ラインL1〜L5のいずれかにおいて左列Lと右列Rの主図柄が揃っている)。図17(a)はこのときの一例であり、ラインL2において左列Lと右列Rの主図柄が揃っているいわゆるリーチ(ノーマルリーチ)の状態である。
【0067】
そして、図17(b)に示すように、パターンBの中列Mの図柄の停止タイミングでこの中列Mの図柄の変動表示を停止することなく、かつパターンBの所定期間(例えば、パターンBの終了間際の期間)に、大当り予告用キャラクタYKが登場するなどの大当り予告演出が行われる。図17(b)は、大当り予告をノーマルリーチ演出の終了間際の期間に図示しており、大当り予告がノーマルリーチ演出の終了間際の期間に行われていることを表している。
【0068】
そして、図17(c)に示すように、パターンCの表示演出(パターンB後に7秒間行われていた図柄確定用キャラクタZKの登場などの演出部分)が早送り(例えば2秒間)して行われる。例えば、パターンCの表示演出(パターンB後に7秒間行われていた図柄確定用キャラクタZKの登場などの演出部分)を早送り(例えば2秒間)再生(倍速再生)することで実現できる。このことから、例えば7秒間のパターンCの表示演出を2秒間のパターンCの表示演出に短縮していることになる。
【0069】
そして、図17(d)に示すように、その後の所定時間(例えば7秒間)に図柄確定用キャラクタZKが所定の動作などをして中列Mの図柄を停止させる。なお、図17(a)〜(d)に示した一連の変動パターンによるリーチ演出、つまり早送り機能付きの発展型リーチ演出が、本発明の早送り機能付きの移行型表示演出の一例に相当する。各変動パターンの表示態様や表示時間などはこの例に限定されるものではなく、種々のものを採用することができる。
【0070】
本実施例では、図15および図16を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0071】
「パターンE」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0072】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図14)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0073】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する変動パターン演出(スペシャルリーチ演出)に移行するまでの時間を短くして発展型リーチ演出を実行するリーチ演出実行部10を備えているので、所定条件が成立すると、スペシャルリーチ演出に移行するまでの時間を短くして発展型リーチ演出が実行される。すなわち、スペシャルリーチ演出よりも前段の変動パターン演出であるスーパーリーチ演出が短く行われることで当該スーパーリーチ演出に係る時間を短くすることができる。したがって、発展型リーチ演出でのスーパーリーチ演出による冗長性を排除できる、つまり例えば7秒間のスーパーリーチ演出を例えば2秒間のスーパーリーチ演出に短縮できることから、遊技者が発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)に対して退屈感を抱くことを低減でき、しかも、発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)が短く行われることから、リーチが発展していくことを遊技者に知らせることができ、発展型リーチ演出による遊技の興趣性を維持できる。その結果、発展型リーチ演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0074】
具体的には、リーチ演出実行部10は、最終的に到達する変動パターン演出(スペシャルリーチ演出)よりも前段の変動パターン演出(スーパーリーチ演出)の少なくとも一部を早送り演出するので、発展型リーチ演出での発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)による冗長性を排除でき、遊技者が発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)に対して退屈感を抱くことを低減でき、しかも、発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)の所定部分が早送りで短く行われることから、リーチが発展していくことを遊技者に知らせることができ、発展型リーチ演出による遊技の興趣性を維持できる。その結果、発展型リーチ演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【0075】
また、リーチ演出実行部10は、発展型リーチ演出時に大当り予告演出を行う大当り予告演出指示部14を備え、大当り予告演出後から最終的に到達する変動パターン演出(スペシャルリーチ演出)に移行するまでの時間を短くするので、大当り予告演出後から発展途中のリーチ演出(スーパーリーチ演出)の時間を短くした発展型リーチ演出、つまり、大当り予告演出後にスーパーリーチ演出が時間短縮して行われるというスピード感があり面白味のある発展型リーチ演出を作成することができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0076】
本発明は、上記実施例に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0077】
(1)上述した実施例では、リーチ演出実行部10は、最終的に到達する変動パターン演出(スペシャルリーチ演出)よりも前段の変動パターン演出としてのスーパーリーチ演出の全部を短くしているが、スーパーリーチ演出の一部を短くしてもよいし、ノーマルリーチ演出およびスーパーリーチ演出の全部または一部を短くするようにしてもよい。
【0078】
(2)上述した実施例では、リーチ演出実行部10は、最終的に到達する変動パターン演出(スペシャルリーチ演出)よりも前段の変動パターン演出としてのスーパーリーチ演出の全部を早送り演出することで短くしているが、スーパーリーチ演出の全部または一部や、ノーマルリーチ演出およびスーパーリーチ演出の全部または一部を、間引き演出(間欠演出)することで短くするようにしてもよい。例えば、スーパーリーチ演出の該当期間の演出時間が7秒間で1秒間に30枚のフレーム画像があるとすると、7秒×30枚=210枚のフレーム画像があることになる。これを当該演出時間が2秒間となるように間引いく、つまり2秒×30枚=60枚のフレーム画像に減じることで上述の間引き演出が実現できる。
【0079】
(3)上述した実施例では、大当り予告演出指示部14は、発展型リーチ演出時の単一タイミング(ノーマルリーチ演出時の終了間際の所定期間)で大当り予告演出を行うように指示しているが、発展型リーチ演出時の複数種類のタイミングで大当り予告演出を行うように指示してもよい。例えばこの複数種類のタイミングとしては、ノーマルリーチ演出開始前あるいは開始直後の所定期間や、ノーマルリーチ演出時の終了間際の所定期間などが挙げられる。図18に示すように、ノーマルリーチ演出開始前(あるいは開始直後としてもよい)の所定期間とした場合には、ノーマルリーチ演出およびスーパーリーチ演出の全部(または一部としてもよい)を短くすることができる。したがって、発展型リーチ演出時の複数種類のタイミングで大当り予告演出を行うことができ、発展型リーチ演出のバリエーションを増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0080】
(4)上述した実施例では、発展型リーチ演出は高い信頼度で大当りとなるものとしている。つまり、リーチ時の変動パターンが、大当りになる期待度の高い順(例えばノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチの順)に発展していき、その変動表示結果が高い信頼度で大当りとなる発展型リーチ演出としているが、必ず大当りとなるものとしてもよい。例えば、図16に示したS356での「パターンDを設定」を「パターンD’を設定」に替えることで実現できる。この「パターンD’」とは、「パターンD」での大当り予告演出のみを排除したパターンのことである。なお、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)での「パターンD設定」の判定および外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理(S356)での「パターンD’設定」の判定の機能が期待度設定部16(本発明における期待度設定手段)に相当する(図19参照)。この場合には、期待度設定部16は、発展途中のリーチ演出を短くした場合の発展型リーチ演出(パターンDの演出)と、そうでない通常の発展型リーチ演出(パターンD’の演出)とでは期待度が異なるように設定するので、発展型リーチ演出のバリエーションを増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0081】
また、上述の期待度設定部16は、大当り予告演出指示部14による発展型リーチ演出時の複数種類のタイミングでの大当り予告演出ごとに期待度が異なるように設定することを特徴とするものとしてもよい。つまり、複数種類のタイミングとしては、ノーマルリーチ演出開始前あるいは開始直後の所定期間や、ノーマルリーチ演出時の終了間際の所定期間などが挙げられる。ノーマルリーチ開始前に大当り予告演出があった場合(ノーマルリーチおよびスーパーリーチの全部または一部が短くなる場合)と、ノーマルリーチ終了時に大当り予告演出があった場合(ノーマルリーチの全部または一部が短くなる場合)とでは、当該発展型リーチ演出の結果が異なるようにする。例えば、ノーマルリーチ開始前に大当り予告演出があった場合よりも、ノーマルリーチ終了時に大当り予告演出があった場合の方が大当りになり易くする。こうすることで、発展型リーチ演出のバリエーションをさらに増加させることができ、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
【0082】
(5)上述した実施例において、最終的に到達する変動パターン(スペシャルリーチのパターン)よりも前段の変動パターンとしてのスーパーリーチのパターンの所定部分の早送り演出中に、当該早送り中であることを示す情報(例えば早送りを示すマークや文字情報など)を特別図柄表示装置40の画面上に表示させたり、スピーカ86から「早送り中」などの音声アナウンスを出力したりするなどの告知装置(本発明の告知手段)を備えるようにしてもよい。この場合には、告知装置は、最終的に到達する変動パターン(スペシャルリーチのパターン)よりも前段の変動パターンとしてのスーパーリーチのパターンの所定部分が早送り演出中であることを告知するので、遊技者は当該スーパーリーチのパターンの所定部分が早送り演出中であることを明確に知ることができ、遊技者にとって当該スーパーリーチのパターンの所定部分の早送り演出を違和感なく受け入れることができるという効果的な演出表示態様を実現でき、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。なお、上述の早送りに替えて間引きする場合についても同様に適用できる。
【0083】
(6)上述した実施例において、最終的に到達する変動パターン(スペシャルリーチのパターン)よりも前段の変動パターンとしてのスーパーリーチのパターンの所定部分の早送りが開始されることを事前に予告(予兆)する予告演出部(本発明の予兆演出手段)を備えるようにしてもよい。この場合には、予告演出部は、最終的に到達する変動パターン(スペシャルリーチのパターン)よりも前段の変動パターンとしてのスーパーリーチのパターンの所定部分の早送り開始を事前に予告するので、遊技者は予告演出部の予告演出により当該スーパーリーチのパターンの所定部分が早送り演出されることを事前に知ることができ、当該スーパーリーチのパターンの所定部分の早送り演出が何の前触れもなく突然始まるという違和感を低減できる。したがって、より面白味のある演出表示態様を実現でき、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。なお、上述の早送りに替えて間引きする場合についても同様に適用できる。
【0084】
(7)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0085】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0086】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、所定条件成立に基づいて、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出を実行する表示演出実行手段を備えているので、所定条件が成立すると、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出が実行される。したがって、移行型表示演出での移行途中の演出表示態様による冗長性を排除できることから、遊技者が移行途中の演出表示態様に対して退屈感を抱くことを低減できる。しかも、移行途中の演出表示態様を完全に除去するのではなく、移行途中の演出表示態様の所定部分を短く行うことから、演出表示態様が移行していくことを遊技者に知らせることができ、移行型表示態様による遊技の興趣性を維持できる。その結果、移行型表示演出を効果的に行うことができ、興趣性に優れた遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における主図柄と副図柄とから構成される左列、中列、右列の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。
【図13】保留球格納エリアの説明図である。
【図14】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図17】(a)〜(d)はパターンDの一例を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)は本実施例とは別の実施例のパターンDの一例を示す説明図である。
【図19】本実施例とは別の実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【符号の説明】
10 … リーチ演出実行部(表示演出実行手段)
14 … 大当り予告演出指示部(示唆手段)
16 … 期待度設定部(期待度設定手段)
40 … 特別図柄表示装置
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機

Claims (1)

  1. 複数個の演出表示態様で構成され、前記複数個の演出表示態様を段階的に移行していく移行型表示演出を行う遊技機において、
    所定条件成立に基づいて、最終的に到達する演出表示態様に移行するまでの少なくとも1つの演出表示態様の所定部分の時間を短くして移行型表示演出を実行する表示演出実行手段
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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