JP2004202101A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】このパチンコ機は、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えているので、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。図柄の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、仮停止時の図柄の表示態様の変化を漏れなく見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】このパチンコ機は、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えているので、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。図柄の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、仮停止時の図柄の表示態様の変化を漏れなく見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の代表例としてはパチンコ機がある。このパチンコ機は、図柄変動表示装置(可変表示装置)としての液晶表示装置の表示画面上に表示された所定列の識別情報(図柄)の変動表示を、始動口に球が入賞したことに起因して開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が所定の表示態様となった場合に大当り状態となる。また、図柄の変動表示中に、図柄とは別の例えばキャラクタ等を同一画面上に登場させることで、所定の遊技状態となり易いことを示す表示演出を行うものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−700号公報 (第7−9頁、第9図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、図柄の変動表示結果は遊技者の利益と直接に結び付くことから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、変動表示時に図柄とは別のキャラクタ等を登場させる表示演出が行われたとしても見落とされる場合があり、当該表示演出の面白味が遊技者に十分に伝達されず、遊技者に対する表示演出機能が十分に発揮されないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表示演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件が成立することに起因して識別情報の変動表示を開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が確定する遊技機において、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出表示手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、始動条件が成立することに起因して識別情報の変動表示を開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が確定する遊技機において、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出表示手段を備えているので、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の識別情報を注目して見ており、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。また、仮停止時の識別情報の表示態様が変化するので、遊技者は、仮停止状態の識別情報の表示態様の変化に面白味を感じることができ、識別情報の仮停止状態を楽しむことができる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。なお、本明細書中で言う「仮停止」とは、いわゆる識別情報の変動(スクロール)が停止されて暫定されているだけであり、識別情報が完全に停止せず未確定にある状態をいう。また、本明細書中で言う「仮停止時の識別情報の表示態様」としては、仮停止時の識別情報自体の形状、模様、色彩、動作またはこれらを2個以上組み合わせたもののうち少なくとも一つを変化させる表示態様などが挙げられる。また、本明細書中で言う「所定の遊技状態」としては、例えば、大当り状態やリーチ状態などが挙げられる。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。つまり、複数種類の示唆演出を作成することができ、各種の示唆演出を示唆内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の示唆演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出のバリエーションを複数個備え、各種の示唆演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0011】
(2) 請求項1に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで示唆演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。つまり、二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせるという種類の示唆演出を複数個作成することができ、各種の示唆演出を示唆内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の示唆演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出のバリエーションを複数個備え、各種の示唆演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0013】
(3) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、さらに、前記仮停止時の識別情報の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報の変動動作に関連して行うことを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、さらに、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報の変動動作に関連して行うので、遊技者の望む識別情報が仮停止時の識別情報に近づいてくるとこの仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたり、変動表示終了に近づくにつれて仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたりするなど、他の識別情報の変動動作に絡めた各種の示唆演出を作成でき、示唆演出をさらに面白味を持って盛り上げることができる。
【0015】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆演出は、大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、示唆演出は、大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出であるとしているので、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出を実現することができる。なお、本明細書中で言う「大当り状態となりやすいことを示唆する演出」としては、必ず当たる信頼度100%の示唆演出や、殆ど当たる高い信頼度の示唆演出などが挙げられる。また、本明細書中で言う「リーチ状態となりやすいことを示唆する演出」としては、必ずリーチ(残り1つの変動中の識別情報を除いて有効ライン上での仮停止時の識別状態が同一のもので揃っている状態)となる信頼度100%の示唆演出や、殆どリーチとなる高い信頼度の示唆演出などが挙げられる。
【0017】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものであることを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、さらに、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものとしているので、遊技者は仮停止時の識別情報の表示態様を見ながらその表示態様の変化量が大きくなることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる示唆演出を実現することができる。
【0019】
(6) 前記(2)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、前記仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させることを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるので、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が同じ表示態様となると遊技者にとって有利な状態となることから、遊技者は仮停止時の複数個の識別情報の表示態様を見ながらそれらの表示態様が同じ表示態様となることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる示唆演出を実現することができる。
【0021】
(7) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記識別情報は、数字用識別情報と、この数字用識別情報以外の特定形態識別情報とを備え、前記特定形態識別情報の表示態様を変化させることを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、識別情報は、数字用識別情報と、この数字用識別情報以外の特定形態識別情報とを備え、仮停止時の識別情報の特定形態識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出が行われる。つまり、仮停止時の識別情報の特定形態識別情報の表示態様を変化させるので、遊技者は、仮停止時の特定形態識別情報の表示態様の変化を明確に把握でき、面白味を感じることができる。また、仮停止時の数字用識別情報の表示態様は変化させないので、この識別情報を特定するための重要な要素である当該数字が、表示態様の変化によって見づらくなるようなことが一切なく、遊技者は、仮停止時の特定形態識別情報の表示態様の変化の際においても数字用識別情報を明確に把握できる。なお、本明細書中で言う「数字用識別情報」とは、識別情報を特定するための重要な要素である数字に関する識別情報であり、いわゆる「1」,「2」…「9」などが挙げられる。また、本明細書中で言う「特定形態識別情報」とは、例えばキャラクタなどの特定形態で現された識別情報であり、例えば、人物、動物、植物、ロボットなど種々のものが挙げられる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0027】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0030】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれた例えばガラス製の透明板1bに覆われている。
【0031】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の略中央に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0032】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、所定条件が成立した場合に当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0033】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、上段L、中段M、下段Rの3段で構成され、各段ごとに左寄りに1個の識別情報としての図柄を表示し、右から左へ水平方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに上段L、中段M、下段Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、例えば9種類の図柄(一番から九番までの番号が付された種類の異なる9種類の猫からなる図柄)により構成され、周期性を持って図柄が右から左へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中段Mおよび下段Rにおいては、「一番の猫」〜「九番の猫」の図柄の順つまり昇順であり、この後再び「一番の猫」の図柄に戻る。一方、上段Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、上段L、下段R、中段Mの順に変動表示を仮停止させ、左寄りの縦ライン(有効ライン)L1で図柄が揃って完全に停止したときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、図4では、縦ラインL1で上段L、下段R、中段Mの図柄(「一番の猫」)が揃っている状態を示している。なお、上述した図柄の「一番」〜「九番」の番号部分が本発明における数字用識別情報に相当し、上述した図柄の各種の「猫」の部分が本発明における特定形態識別情報に相当する。
【0034】
遊技盤1には、特別図柄表示装置40の上部に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0035】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0036】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、特別図柄表示装置40の両横に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等の近傍に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0037】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0038】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、図3を用いて以下に説明する。
【0039】
図3に示すように、パチンコ機Pは、仮停止時の識別情報としての図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態(本実施例では大当り状態)となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えている。
【0040】
この予告演出表示部10は、仮停止時の図柄の表示態様を変化させる予告演出(本実施例では大当り予告演出)を指示する予告演出指示部12と、この予告演出指示部12からの大当り予告演出指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの大当り予告演出指示に基づいて仮停止時の図柄の表示態様を変化させる大当り予告演出の表示も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0041】
予告演出指示部12は、最初に変動仮停止し仮停止状態となる第1識別情報としての上段Lの図柄およびこの上段Lの図柄の次に変動仮停止し仮停止状態となる第2識別情報としての下段Rの図柄の表示態様を変化させることで大当り予告演出を行うものである。
【0042】
具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図13に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンB’を設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にて仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様が変化する大当り予告演出表示が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)での「パターンB’設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が予告演出指示部12に相当する。なお、上述した予告演出表示部10が本発明における示唆演出表示手段に相当する。
【0043】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0044】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0045】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0046】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄上段カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄上段カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち上段Lの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄上段カウンタCLの値と上段Lの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、上段Lでは右から左に向かって降順に図柄が表れる。
【0047】
続いて外れ図柄上段カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄上段カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄下段カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄下段カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち下段Rの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄上段カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄下段カウンタCRの値と下段Rの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、下段Rでは右から左に向かって昇順に図柄が表れる。
【0048】
続いて外れ図柄下段カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄下段カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中段カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中段カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち中段Mの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄上段カウンタCLや外れ図柄下段カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄中段カウンタCMの値と中段Mの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、中段Mでは右から左に向かって昇順に図柄が表れる。
【0049】
外れ図柄各段カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄上段カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄下段カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃ったときには、この縦ラインL1で中段Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中段Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中段Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0050】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄上段カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0051】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0052】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図12に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0053】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で図柄が各段L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0054】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって図柄が各段L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0055】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図12に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0056】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄を水平方向に変動表示させた後に変動表示仮停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を仮停止させた後に完全に停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図13に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0057】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図13に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0058】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しない記憶テーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表す記憶テーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜8のいずれかの数値であり、大当り図柄は縦ラインL1で9個の図柄のいずれかが揃うことから9通りあり、各カウンタ値には9通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには9通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄(例えば奇数番号の猫の図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄(例えば偶数番号の猫の図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図14に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンB’を変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンC’を変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上95未満のときにはパターンD’を変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S348)。各変動パターンについては後述する。
【0059】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄上段カウンタCL,外れ図柄中段カウンタCM,外れ図柄下段カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図15に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(S356)。
【0060】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0061】
上述の大当り時変動パターンコマンドB’〜D’は大当り予告演出ありの変動パターンであり、上述の外れリーチ時変動パターンコマンドB〜Dは前記の大当り予告演出がない変動パターンであり、それらの違いを踏まえて各変動パターンについて以下に説明する。
【0062】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止し(縦ラインL1(図4参照)で上段Lと下段Rの図柄が揃っていない)、9秒後に中段Mの図柄変動を仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄を完全に停止するパターンとして設定されている。
【0063】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、例えば、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止し(縦ラインL1で上段Lと下段Rの図柄が揃っている)、その後、中段Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させて仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄を完全に停止するパターンとして設定されている。
【0064】
「パターンB’」は、大当り予告演出ありのノーマルリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンB」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンB’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものである。図4,図16〜図18を用いて「パターンB’」の表示態様について詳細に説明する。
【0065】
「パターンB’」は、例えば、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、図16(a)に示すように7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、図16(b)に示すように8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止(縦ラインL1で上段Lと下段Rの図柄が「一番の猫」であり揃っている)する。なお、図16(b)に示すように、仮停止時の上段Lの「一番の猫」は起きていて笑っているような表情をしており、仮停止時の下段Rの「一番の猫」は寝ており、同じ図柄(「一番の猫」)であっても表示態様が異なる場合もある。
【0066】
その後、中段Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に図17〜図18に示すように仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(「一番の猫」)の表示態様が変化する。つまり、図16(b)から図17(a)への変化から分かるように、図17(a)に示すように例えば仮停止時の上段の図柄としての猫が目を開けるとともに、仮停止時の下段Rの図柄としての猫があくびをして起きるような動作をし、図17(b)に示すように変動表示中の中段Mの図柄のうち当り図柄(ここでは「一番の猫」)が近づいてくると、仮停止時の上段Lおよび下段Rの一番の猫がその当り図柄の方に向き、図18(a)から図18(b)への変化から分かるように、仮停止時の上段Lおよび下段Rの「一番の猫」がその当り図柄を目で追うような一連の変化のある動作をする。そして、図4に示すように、中段Mの図柄が「一番の猫」で仮停止し、縦ラインL1で「一番の猫」が揃った状態となり、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止して大当りとなるパターンとして設定されている。図16〜図18に示すように、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(「一番の猫」)の表示態様を変化させることが、大当り予告演出となり、遊技者はこのような図柄の表示態様の変化を見知することで、この後に大当り状態となることを前もって知ることができる。
【0067】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、例えば、パターンBの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく高速度で更に5秒間変動表示した後に仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止するパターンとして設定されている。
【0068】
「パターンC’」は、大当り予告演出ありのスーパーリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンC」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンC’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものであり、前述の「パターンB’」と同様の変化のある表示態様やその他の変化のある表示態様などを採用としてもよい。
【0069】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、パターンBの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく低速で更に10秒間変動表示した後に当り図柄で停止し、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止するパターンとして設定されている。本実施例では、図14および図15を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0070】
「パターンD’」は、大当り予告演出ありのスペシャルリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンD」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンD’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものであり、前述の「パターンB’」と同様の変化のある表示態様やその他の変化のある表示態様などを採用としてもよい。
【0071】
「パターンE」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0072】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図13)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0073】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えているので、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。図柄の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、仮停止時の図柄の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。また、仮停止時の図柄の表示態様が変化するので、遊技者は、仮停止状態の図柄の表示態様の変化に面白味を感じることができ、図柄の仮停止状態を楽しむことができる。その結果、予告演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたパチンコ機を提供することができる。
【0074】
また、予告演出表示部10は、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報としての中段Mの図柄の変動動作に関連して行う。すなわち、仮停止時でリーチ状態の上段Lおよび下段Rの図柄に、変動中の中段Mの当り図柄が近づいてくると、この仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様を変化させる、例えば仮停止時の上段Lおよび下段Rの猫が中段Mの当り図柄の方に振り向いて見るように変化させので、変動中の中段Mの変動動作に絡めた各種の予告演出を作成でき、予告演出をさらに面白味を持って盛り上げることができる。なお、変動表示終了に近づくにつれて仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたりしてもよい。
【0075】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0076】
(1)上述の実施例では、予告演出表示部10は仮停止時の図柄の表示態様を変化(猫の表情を変化させたり振り向き動作させたり)することで大当り予告演出を行っているが、仮停止時の図柄の形状、模様、色彩、動作またはこれらを2個以上組み合わせたもののうち少なくとも一つを変化させることで大当り予告演出を行うようにしてもよい。
【0077】
(2)上述の実施例では、予告演出表示部10は仮停止時の第1識別情報(上段Lの図柄)および第2識別情報(下段Rの図柄)の表示態様を両方とも変化(猫の表情を変化させたり振り向き動作させたり)することで大当り予告演出を行っているが、仮停止時の第1識別情報(上段Lの図柄)、第2識別情報(下段Rの図柄)、仮停止時の第3識別情報(中段Mの図柄)の少なくとも一つの表示態様を変化させることで大当り予告演出を行うようにしてもよい。
【0078】
この場合には、予告演出表示部10は、第1〜第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで予告演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも一つの表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。つまり、複数種類の予告演出を作成することができ、各種の予告演出を予告内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の予告演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、予告演出のバリエーションを複数個備え、各種の予告演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0079】
(3)上述の予告演出表示部10を、第1〜第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで予告演出を行うものとしてもよい。この場合には、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。つまり、二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせるという種類の予告演出を複数個作成することができ、各種の予告演出を予告内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の予告演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、予告演出のバリエーションを複数個備え、各種の予告演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0080】
(4)上述の実施例では、大当り予告演出は、必ず当たる信頼度100%の予告演出としているが、殆ど当たる高い信頼度の予告演出などとしてもよい。なお、大当り予告演出を殆ど当たる高い信頼度の予告演出とした場合には、上述の外れリーチ時に低確率で大当り予告演出を出現させることで実現できる。
【0081】
(5)上述の実施例では、予告演出として大当り予告演出を採用しているが、リーチ予告演出を採用するようにしてもよい。この「リーチ予告演出」としては、必ずリーチ(残り1つの変動中の識別情報を除いて有効ライン上での仮停止時の識別状態が同一のもので揃っている状態)となる信頼度100%の予告演出などが挙げられる。なお、「リーチ予告演出」を行う場合には、第1識別情報のみが仮停止しているときにこの第1識別情報の表示態様を変化させることで実現できる。
【0082】
(6)また、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものであるとしてもよい。例えば、上述の実施例を用いて説明すると、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫が当り図柄(変動中の中段Mの当り図柄)をはっきりと見る場合(興味を強く示す場合)は「パターンB’」ではなく「パターンC’」とすることで、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫の変化量は大きく、この変動表示結果が大当りとなる可能性が高い(期待度が高い)ものに設定でき、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫が当り図柄(変動中の中段Mの当り図柄)をちらっと見る場合(若干の興味を示す程度である場合)は、「パターンB’」とすることで、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫の変化量は小さく、この変動表示結果が大当りとなる可能性が低い(期待度が低い)ものとすることができることなどが挙げられる。この場合には、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものとしているので、遊技者は仮停止時の識別情報の表示態様を見ながらその表示態様の変化量が大きくなることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる予告演出を実現することができる。
【0083】
(7)上述の実施例では、各種の大当り時変動パターン全てにおいて大当り予告演出が行われるようになっている、つまり大当り時変動パターンコマンドB’〜D’全てが大当り予告演出ありのものとしているが、特定の大当り時変動パターンのみにおいて大当り予告演出が行われるようにしてもよい。
【0084】
(8)また、予告演出表示10を、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるものとしてもよい。仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるので、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が同じ表示態様となると遊技者にとって有利な状態となることから、遊技者は仮停止時の複数個の識別情報の表示態様を見ながらそれらの表示態様が同じ表示態様となることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる予告演出を実現することができる。
【0085】
(9)上述の実施例では、図3に示すように、予告演出指示部12はメイン制御装置70(例えば主制御基板)に設けられているが、表示用制御装置90(例えば表示用制御基板)などに設けるようにしてもよい。
【0086】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0087】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0088】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、予告演出表示手段は、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出を行う。識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の識別情報を注目して見ており、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における上段、中段、下段の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】保留球格納エリアの説明図である。
【図13】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図14】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】(a),(b)はパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【図17】(a),(b)は図16(b)に続いて行われるパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【図18】(a),(b)は図17(b)に続いて行われるパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 … 予告演出表示部(示唆演出表示手段)
40 … 特別図柄表示装置
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機(遊技機)
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の代表例としてはパチンコ機がある。このパチンコ機は、図柄変動表示装置(可変表示装置)としての液晶表示装置の表示画面上に表示された所定列の識別情報(図柄)の変動表示を、始動口に球が入賞したことに起因して開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が所定の表示態様となった場合に大当り状態となる。また、図柄の変動表示中に、図柄とは別の例えばキャラクタ等を同一画面上に登場させることで、所定の遊技状態となり易いことを示す表示演出を行うものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−700号公報 (第7−9頁、第9図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、図柄の変動表示結果は遊技者の利益と直接に結び付くことから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、変動表示時に図柄とは別のキャラクタ等を登場させる表示演出が行われたとしても見落とされる場合があり、当該表示演出の面白味が遊技者に十分に伝達されず、遊技者に対する表示演出機能が十分に発揮されないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表示演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成を採る。
すなわち、請求項1に記載の発明は、始動条件が成立することに起因して識別情報の変動表示を開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が確定する遊技機において、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出表示手段を備えていることを特徴とするものである。
【0007】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、始動条件が成立することに起因して識別情報の変動表示を開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が確定する遊技機において、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出表示手段を備えているので、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の識別情報を注目して見ており、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。また、仮停止時の識別情報の表示態様が変化するので、遊技者は、仮停止状態の識別情報の表示態様の変化に面白味を感じることができ、識別情報の仮停止状態を楽しむことができる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。なお、本明細書中で言う「仮停止」とは、いわゆる識別情報の変動(スクロール)が停止されて暫定されているだけであり、識別情報が完全に停止せず未確定にある状態をいう。また、本明細書中で言う「仮停止時の識別情報の表示態様」としては、仮停止時の識別情報自体の形状、模様、色彩、動作またはこれらを2個以上組み合わせたもののうち少なくとも一つを変化させる表示態様などが挙げられる。また、本明細書中で言う「所定の遊技状態」としては、例えば、大当り状態やリーチ状態などが挙げられる。
【0008】
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
【0009】
(1) 請求項1に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0010】
前記(1)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも一つの表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。つまり、複数種類の示唆演出を作成することができ、各種の示唆演出を示唆内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の示唆演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出のバリエーションを複数個備え、各種の示唆演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0011】
(2) 請求項1に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで示唆演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0012】
前記(2)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、最初に変動仮停止し仮停止状態である第1識別情報、この第1識別情報の次に変動仮停止し仮停止状態である第2識別情報、または、最後に変動仮停止し仮停止状態である第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで示唆演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を変化させることで示唆演出が行われる。つまり、二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせるという種類の示唆演出を複数個作成することができ、各種の示唆演出を示唆内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の示唆演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出のバリエーションを複数個備え、各種の示唆演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0013】
(3) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、さらに、前記仮停止時の識別情報の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報の変動動作に関連して行うことを特徴とする遊技機。
【0014】
前記(3)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、さらに、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報の変動動作に関連して行うので、遊技者の望む識別情報が仮停止時の識別情報に近づいてくるとこの仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたり、変動表示終了に近づくにつれて仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたりするなど、他の識別情報の変動動作に絡めた各種の示唆演出を作成でき、示唆演出をさらに面白味を持って盛り上げることができる。
【0015】
(4) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆演出は、大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
【0016】
前記(4)に記載の発明によれば、示唆演出は、大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出であるとしているので、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで大当り状態となりやすいことを示唆する演出またはリーチ状態となりやすいことを示唆する演出を実現することができる。なお、本明細書中で言う「大当り状態となりやすいことを示唆する演出」としては、必ず当たる信頼度100%の示唆演出や、殆ど当たる高い信頼度の示唆演出などが挙げられる。また、本明細書中で言う「リーチ状態となりやすいことを示唆する演出」としては、必ずリーチ(残り1つの変動中の識別情報を除いて有効ライン上での仮停止時の識別状態が同一のもので揃っている状態)となる信頼度100%の示唆演出や、殆どリーチとなる高い信頼度の示唆演出などが挙げられる。
【0017】
(5) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(4)のいずれかに記載の遊技機において、
さらに、前記仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものであることを特徴とする遊技機。
【0018】
前記(5)に記載の発明によれば、さらに、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものとしているので、遊技者は仮停止時の識別情報の表示態様を見ながらその表示態様の変化量が大きくなることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる示唆演出を実現することができる。
【0019】
(6) 前記(2)から(5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記示唆演出表示手段は、前記仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させることを特徴とする遊技機。
【0020】
前記(6)に記載の発明によれば、示唆演出表示手段は、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるので、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が同じ表示態様となると遊技者にとって有利な状態となることから、遊技者は仮停止時の複数個の識別情報の表示態様を見ながらそれらの表示態様が同じ表示態様となることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる示唆演出を実現することができる。
【0021】
(7) 請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記識別情報は、数字用識別情報と、この数字用識別情報以外の特定形態識別情報とを備え、前記特定形態識別情報の表示態様を変化させることを特徴とする遊技機。
【0022】
前記(7)に記載の発明によれば、識別情報は、数字用識別情報と、この数字用識別情報以外の特定形態識別情報とを備え、仮停止時の識別情報の特定形態識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出が行われる。つまり、仮停止時の識別情報の特定形態識別情報の表示態様を変化させるので、遊技者は、仮停止時の特定形態識別情報の表示態様の変化を明確に把握でき、面白味を感じることができる。また、仮停止時の数字用識別情報の表示態様は変化させないので、この識別情報を特定するための重要な要素である当該数字が、表示態様の変化によって見づらくなるようなことが一切なく、遊技者は、仮停止時の特定形態識別情報の表示態様の変化の際においても数字用識別情報を明確に把握できる。なお、本明細書中で言う「数字用識別情報」とは、識別情報を特定するための重要な要素である数字に関する識別情報であり、いわゆる「1」,「2」…「9」などが挙げられる。また、本明細書中で言う「特定形態識別情報」とは、例えばキャラクタなどの特定形態で現された識別情報であり、例えば、人物、動物、植物、ロボットなど種々のものが挙げられる。
【0023】
(8)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0024】
前記(8)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0025】
(9)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0026】
前記(9)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0027】
(10)請求項1に記載の遊技機、または、前記(1)から(7)のいずれかに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
【0028】
前記(10)に記載の遊技機によれば、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0030】
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図であり、図3は本実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4と、パチンコ機P全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれた例えばガラス製の透明板1bに覆われている。
【0031】
図2に示すように、遊技盤1は、この遊技盤1の略中央に配置された特別図柄表示装置40と、この特別図柄表示装置40の下側に配置されて球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、この始動口42に取り付けられて開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置されて開閉可能な大入賞口50と、遊技盤1の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった球を回収する回収口としてのアウトロ69とを備えている。
【0032】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、所定条件が成立した場合に当りとしてそのチューリップを図2の二点鎖線で示すように所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0033】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、上段L、中段M、下段Rの3段で構成され、各段ごとに左寄りに1個の識別情報としての図柄を表示し、右から左へ水平方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、球が始動口42に入賞するのを検知したときに上段L、中段M、下段Rのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、例えば9種類の図柄(一番から九番までの番号が付された種類の異なる9種類の猫からなる図柄)により構成され、周期性を持って図柄が右から左へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中段Mおよび下段Rにおいては、「一番の猫」〜「九番の猫」の図柄の順つまり昇順であり、この後再び「一番の猫」の図柄に戻る。一方、上段Lにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、上段L、下段R、中段Mの順に変動表示を仮停止させ、左寄りの縦ライン(有効ライン)L1で図柄が揃って完全に停止したときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。なお、図4では、縦ラインL1で上段L、下段R、中段Mの図柄(「一番の猫」)が揃っている状態を示している。なお、上述した図柄の「一番」〜「九番」の番号部分が本発明における数字用識別情報に相当し、上述した図柄の各種の「猫」の部分が本発明における特定形態識別情報に相当する。
【0034】
遊技盤1には、特別図柄表示装置40の上部に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの変動表示が開始されるごとに点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0035】
大入賞口50は、通常は球を受け入れない閉状態とされており、大当りのときに、図3に示す大入賞口駆動装置52によって球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが所定の条件に基づいて繰り返されるように駆動される。大入賞口50には、球の入賞をカウントする10カウントスイッチ54(図3参照)や、大入賞口50の右部に設けられたVゾーン56に球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)が取り付けられている。
【0036】
遊技盤1には、この他、発射された球を円弧上に導くレール62と、遊技盤1の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64bと、特別図柄表示装置40の両横に配置された風車66a,66bと、特別図柄表示装置40の両横等の近傍に取り付けられた複数個のインジケータ68a,68bなども取り付けられている。なお、図1,図2では、球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数個の釘についての図示を省略している。
【0037】
図3に示すように、メイン制御装置70は、ワンチップマイコン71と、このワンチップマイコン71に電源供給する電源回路73とを備えている。このワンチップマイコン71は、演算処理を行うCPU72と、各種の処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78とが、1チップ内に収められたものである。CPU72とROM74とRAM76とクロック回路78とは、バス82によって入出力処理回路80と接続されている。メイン制御装置70には、特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号と、10カウントスイッチ54からのカウント信号と、Vカウントスイッチ58からのV信号と、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号となどが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、大入賞口駆動装置52への駆動信号と、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号と、普通電動役物46への駆動信号と、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号と、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。
【0038】
ここで、本発明の特徴部分の1つである構成について、図3を用いて以下に説明する。
【0039】
図3に示すように、パチンコ機Pは、仮停止時の識別情報としての図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態(本実施例では大当り状態)となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えている。
【0040】
この予告演出表示部10は、仮停止時の図柄の表示態様を変化させる予告演出(本実施例では大当り予告演出)を指示する予告演出指示部12と、この予告演出指示部12からの大当り予告演出指示も受ける前述の表示用制御装置90と、表示用制御装置90からの大当り予告演出指示に基づいて仮停止時の図柄の表示態様を変化させる大当り予告演出の表示も行う前述の特別図柄表示装置40とを備えている。
【0041】
予告演出指示部12は、最初に変動仮停止し仮停止状態となる第1識別情報としての上段Lの図柄およびこの上段Lの図柄の次に変動仮停止し仮停止状態となる第2識別情報としての下段Rの図柄の表示態様を変化させることで大当り予告演出を行うものである。
【0042】
具体的には、メイン制御装置70のCPU72が、後述する図7の表示コマンド決定処理(S227)の図13に示す大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)で「パターンB’を設定」と判定し、図7の表示コマンドの送信(S228)を行うと、パチンコPの特別図柄表示装置40にて仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様が変化する大当り予告演出表示が行われることから、メイン制御装置70のCPU72による大当り時変動パターンコマンド決定処理(S312)での「パターンB’設定」の判定および表示コマンドの送信(S228)の機能が予告演出指示部12に相当する。なお、上述した予告演出表示部10が本発明における示唆演出表示手段に相当する。
【0043】
次に、こうして構成されたパチンコ機Pの動作について説明する。図5は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2ms[ミリ秒]毎)に繰り返し実行される。
【0044】
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図6に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図7に例示する変動開始処理(ステップS102)、図8に例示する変動停止処理(ステップS104)、図9に例示するカウンタ更新処理(ステップS106)を実行し、その後、図10に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS108)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
【0045】
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当り図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(S240)。図11に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当りか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当り図柄カウンタC3は、大当りのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rの変動停止時の図柄(大当り図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜59までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり59)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施例では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファを格納して(ステップS242)、カウンタ更新処理を終了する。
【0046】
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄上段カウンタCLをインクリメントする処理を実行する(S250)。外れ図柄上段カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち上段Lの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄上段カウンタCLの値と上段Lの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、上段Lでは右から左に向かって降順に図柄が表れる。
【0047】
続いて外れ図柄上段カウンタCLが値0であるかを判定し(S252)、外れ図柄上段カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄下段カウンタCRをインクリメントする(S254)。外れ図柄下段カウンタCRは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち下段Rの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄上段カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄下段カウンタCRの値と下段Rの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、下段Rでは右から左に向かって昇順に図柄が表れる。
【0048】
続いて外れ図柄下段カウンタCRが値0であるかを判定し(S256)、外れ図柄下段カウンタCRが値0であるときには、外れ図柄中段カウンタCMをインクリメントする(S258)。ここで、外れ図柄中段カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段L、中段M、下段Rのうち中段Mの変動仮停止時の図柄(外れ図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、図11に示すように、本実施例では外れ図柄上段カウンタCLや外れ図柄下段カウンタCRと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。パチンコ機Pは、外れ図柄中段カウンタCMの値と中段Mの図柄との対応関係を表す記憶テーブル(図示省略)を備えており、中段Mでは右から左に向かって昇順に図柄が表れる。
【0049】
外れ図柄各段カウンタCL,CR,CMをすべてインクリメントするか、S252で外れ図柄上段カウンタCLが値0でないと判定されたときか、S256で外れ図柄下段カウンタCRが値0でないと判定されたときは、図4に示した縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃っているか否かを判定する(S260)。前記縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れ図柄バッファに格納して(S262)、本ルーチンを終了する。一方、前記縦ラインL1で上段Lと下段Rの主図柄が揃ったときには、この縦ラインL1で中段Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(S264)。ここで中段Mの主図柄が揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値をRAM76の所定領域に設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(S266)、本ルーチンを終了する。一方、中段Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではないから各外れ図柄カウンタCL,CR,CMの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
【0050】
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図5に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄上段カウンタCLはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
【0051】
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図6に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、球が始動口42に入賞したか否かを判定する(S200)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンされたか否かによって行うことができる。球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(S202)。前述したように、本実施例では保留上限値が4個だからである。
【0052】
保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(S204)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(S206)、図9のカウンタ更新処理のS242や図10の外れ図柄カウンタ更新処理のS262でRAM76のカウンタ用バッファに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(S208)。保留球格納エリアの構造の一例を図12に示す。図示するように、保留球格納エリアは1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当り図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
【0053】
各カウンタ値の保留球格納エリアへの格納処理を終了した後や、S200で球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはS202で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定すると共に(S210)、特別図柄表示装置40で図柄が各段L,M,Rで変動表示中であるか否か、あるいは大当り中であるか否かを判定する(S212)。保留球数Nが値0でなく、特別図柄表示装置40が変動表示中でもなく、大当り中でもないときには、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に1をセットして(S214)、本ルーチンを終了し、保留球数Nが値0であったり、特別図柄表示装置40が変動表示中であったり、大当り中であるときには、変動許可フラグF1に1をセットせずに本ルーチンを終了する。
【0054】
[変動開始処理]
変動開始処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(S220)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって図柄が各段L,M,Rで変動表示中であるか、大当り中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。
【0055】
変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(S222)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(S224)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトする処理を行う(S226)。このデータシフト処理は、図12に例示する保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、保留第1エリアのデータを実行エリアに、保留第2エリアのデータを保留第1エリアに、保留第3エリアのデータを保留第2エリアに、保留第4エリアのデータを保留第3エリアに移動させる処理である。
【0056】
次に表示コマンドを決定する処理を行う(S227)。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄を水平方向に変動表示させた後に変動表示仮停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、S227で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(S228)、変動許可フラグF1に値0をセットして(S229)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄を変動表示させると共に後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を仮停止させた後に完全に停止させる。なお、S227の表示コマンド決定処理は、図13に例示するフローチャートを用いて行われる。
【0057】
[表示コマンド決定処理]
表示コマンド決定処理では、図13に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当りか否かを内部乱数カウンタ値とモードとの関係に基づいて判定する(S300)。具体的には、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち7と307が通常時当り値、60で割ったときの余りが7となる数(7,67,127,…)が高確率時当り値と決められている。このため、大当り判定は、通常時には内部乱数カウンタ値が7か307のいずれかであるか否かを判定することにより行われ、高確率時には内部乱数カウンタ値が7,67,127,…のいずれかであるか否かを判定することにより行われる。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当りになると付加価値としてその後の大当り確率がアップした状態(確変という)の時をいい、通常時とは、そのような確変状態でない時をいう。
【0058】
さて、大当りと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当り図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しない記憶テーブル(大当り図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表す記憶テーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(S310)。具体的には、大当り図柄カウンタ値は0〜8のいずれかの数値であり、大当り図柄は縦ラインL1で9個の図柄のいずれかが揃うことから9通りあり、各カウンタ値には9通りの大当り図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには9通りの大当り図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当り図柄のうち予め定められた特定図柄(例えば奇数番号の猫の図柄)で揃った場合には以後確変状態に移行するが、非特定図柄(例えば偶数番号の猫の図柄)で揃った場合には確変状態に移行しない。次いで図14に例示する大当り時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(S312)、本ルーチンを終了する。大当り時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S340)、変動パターンカウンタC4が10未満のときにはパターンB’を変動パターンコマンドに設定し(S342)、変動パターンカウンタC4が10以上50未満のときにはパターンC’を変動パターンコマンドに設定し(S344)、変動パターンカウンタC4が50以上95未満のときにはパターンD’を変動パターンコマンドに設定し(S346)、変動パターンカウンタC4が95以上のときにはパターンEを変動パターンコマンドに設定する(S348)。各変動パターンについては後述する。
【0059】
一方、S300で大当りではないと判定されると、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチありか否かを判定する(S302)。本実施例では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチありの値は7に設定されている。したがって、リーチありの確率は1/12である。リーチありと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄上段カウンタCL,外れ図柄中段カウンタCM,外れ図柄下段カウンタCRの各値を停止図柄コマンドに設定し(S320)、次いで図15に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(S322)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(S350)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(S352)、変動パターンカウンタC4が50以上85未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(S354)、変動パターンカウンタC4が85以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(S356)。
【0060】
なお、S302でリーチなしと判定されると、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(S330)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(S332)、本ルーチンを終了する。
【0061】
上述の大当り時変動パターンコマンドB’〜D’は大当り予告演出ありの変動パターンであり、上述の外れリーチ時変動パターンコマンドB〜Dは前記の大当り予告演出がない変動パターンであり、それらの違いを踏まえて各変動パターンについて以下に説明する。
【0062】
本実施例では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止し(縦ラインL1(図4参照)で上段Lと下段Rの図柄が揃っていない)、9秒後に中段Mの図柄変動を仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄を完全に停止するパターンとして設定されている。
【0063】
「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、例えば、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止し(縦ラインL1で上段Lと下段Rの図柄が揃っている)、その後、中段Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させて仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄を完全に停止するパターンとして設定されている。
【0064】
「パターンB’」は、大当り予告演出ありのノーマルリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンB」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンB’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものである。図4,図16〜図18を用いて「パターンB’」の表示態様について詳細に説明する。
【0065】
「パターンB’」は、例えば、特別図柄表示装置40による上段L、中段M、下段Rの図柄の変動表示を開始した後、図16(a)に示すように7秒後に上段Lの図柄変動を仮停止し、図16(b)に示すように8秒後に下段Rの図柄変動を仮停止(縦ラインL1で上段Lと下段Rの図柄が「一番の猫」であり揃っている)する。なお、図16(b)に示すように、仮停止時の上段Lの「一番の猫」は起きていて笑っているような表情をしており、仮停止時の下段Rの「一番の猫」は寝ており、同じ図柄(「一番の猫」)であっても表示態様が異なる場合もある。
【0066】
その後、中段Mの図柄を低速度で7秒間変動表示させている間に図17〜図18に示すように仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(「一番の猫」)の表示態様が変化する。つまり、図16(b)から図17(a)への変化から分かるように、図17(a)に示すように例えば仮停止時の上段の図柄としての猫が目を開けるとともに、仮停止時の下段Rの図柄としての猫があくびをして起きるような動作をし、図17(b)に示すように変動表示中の中段Mの図柄のうち当り図柄(ここでは「一番の猫」)が近づいてくると、仮停止時の上段Lおよび下段Rの一番の猫がその当り図柄の方に向き、図18(a)から図18(b)への変化から分かるように、仮停止時の上段Lおよび下段Rの「一番の猫」がその当り図柄を目で追うような一連の変化のある動作をする。そして、図4に示すように、中段Mの図柄が「一番の猫」で仮停止し、縦ラインL1で「一番の猫」が揃った状態となり、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止して大当りとなるパターンとして設定されている。図16〜図18に示すように、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(「一番の猫」)の表示態様を変化させることが、大当り予告演出となり、遊技者はこのような図柄の表示態様の変化を見知することで、この後に大当り状態となることを前もって知ることができる。
【0067】
「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、例えば、パターンBの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく高速度で更に5秒間変動表示した後に仮停止し、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止するパターンとして設定されている。
【0068】
「パターンC’」は、大当り予告演出ありのスーパーリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンC」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンC’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものであり、前述の「パターンB’」と同様の変化のある表示態様やその他の変化のある表示態様などを採用としてもよい。
【0069】
「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、パターンBの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく低速で更に10秒間変動表示した後に当り図柄で停止し、所定時間経過後に全段の図柄が完全に停止するパターンとして設定されている。本実施例では、図14および図15を用いて説明したように大当り時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当り時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当りになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
【0070】
「パターンD’」は、大当り予告演出ありのスペシャルリーチのパターンである。すなわち、前述の「パターンD」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化しないものであったが、この「パターンD’」は仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄(猫)の表示態様が変化するものであり、前述の「パターンB’」と同様の変化のある表示態様やその他の変化のある表示態様などを採用としてもよい。
【0071】
「パターンE」は、通常,外れリーチ時変動パターンとしては採用されず大当り時変動パターンとしてのみ採用されていることから100%大当りになる、いわゆるプレミアムリーチのパターンである。
【0072】
[変動停止処理]
変動停止処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当り中であるか否かを判定する(S230)。ここで、大当り中には、大当りの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機Pの各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当り中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(S232)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信し(S234)、そして、大当りか否かを判定して(S236)、大当り時には大当り実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信して(S238)、本ルーチンを終了する。大当り実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、S236の大当り判定は、変動開始処理におけるS227の表示コマンド決定処理(図13)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。なお、S230で大当り中と判定されたときやS232で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはS236の大当り判定で大当りでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
【0073】
上述したように本実施例のパチンコ機Pによれば、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出(予告演出)を行う予告演出表示部10を備えているので、仮停止時の図柄の表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。図柄の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の図柄を注目して見ており、仮停止時の図柄の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。また、仮停止時の図柄の表示態様が変化するので、遊技者は、仮停止状態の図柄の表示態様の変化に面白味を感じることができ、図柄の仮停止状態を楽しむことができる。その結果、予告演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れたパチンコ機を提供することができる。
【0074】
また、予告演出表示部10は、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様の変化を、変動中の他の識別情報としての中段Mの図柄の変動動作に関連して行う。すなわち、仮停止時でリーチ状態の上段Lおよび下段Rの図柄に、変動中の中段Mの当り図柄が近づいてくると、この仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄の表示態様を変化させる、例えば仮停止時の上段Lおよび下段Rの猫が中段Mの当り図柄の方に振り向いて見るように変化させので、変動中の中段Mの変動動作に絡めた各種の予告演出を作成でき、予告演出をさらに面白味を持って盛り上げることができる。なお、変動表示終了に近づくにつれて仮停止時の識別情報の表示態様を変化させたりしてもよい。
【0075】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0076】
(1)上述の実施例では、予告演出表示部10は仮停止時の図柄の表示態様を変化(猫の表情を変化させたり振り向き動作させたり)することで大当り予告演出を行っているが、仮停止時の図柄の形状、模様、色彩、動作またはこれらを2個以上組み合わせたもののうち少なくとも一つを変化させることで大当り予告演出を行うようにしてもよい。
【0077】
(2)上述の実施例では、予告演出表示部10は仮停止時の第1識別情報(上段Lの図柄)および第2識別情報(下段Rの図柄)の表示態様を両方とも変化(猫の表情を変化させたり振り向き動作させたり)することで大当り予告演出を行っているが、仮停止時の第1識別情報(上段Lの図柄)、第2識別情報(下段Rの図柄)、仮停止時の第3識別情報(中段Mの図柄)の少なくとも一つの表示態様を変化させることで大当り予告演出を行うようにしてもよい。
【0078】
この場合には、予告演出表示部10は、第1〜第3識別情報のうちの少なくとも一つの表示態様を変化させることで予告演出を行うので、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも一つの表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。つまり、複数種類の予告演出を作成することができ、各種の予告演出を予告内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の予告演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、予告演出のバリエーションを複数個備え、各種の予告演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0079】
(3)上述の予告演出表示部10を、第1〜第3識別情報のうちの少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせることで予告演出を行うものとしてもよい。この場合には、仮停止時の第1〜第3識別情報の少なくとも二つ以上の識別情報の表示態様を変化させることで予告演出を行うことができる。つまり、二つ以上の識別情報の表示態様を相対的に異ならせるという種類の予告演出を複数個作成することができ、各種の予告演出を予告内容や遊技者にとっての期待度などを異なるようにしたものとすることができ、各種の予告演出ごとに異なる期待感や面白味を持って遊技することができる。また、これらの第1〜第3識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の第1〜第3識別情報を注目して見ており、仮停止時の当該識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する予告演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該各種の予告演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、予告演出のバリエーションを複数個備え、各種の予告演出機能を十分に発揮することができ、さらに興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【0080】
(4)上述の実施例では、大当り予告演出は、必ず当たる信頼度100%の予告演出としているが、殆ど当たる高い信頼度の予告演出などとしてもよい。なお、大当り予告演出を殆ど当たる高い信頼度の予告演出とした場合には、上述の外れリーチ時に低確率で大当り予告演出を出現させることで実現できる。
【0081】
(5)上述の実施例では、予告演出として大当り予告演出を採用しているが、リーチ予告演出を採用するようにしてもよい。この「リーチ予告演出」としては、必ずリーチ(残り1つの変動中の識別情報を除いて有効ライン上での仮停止時の識別状態が同一のもので揃っている状態)となる信頼度100%の予告演出などが挙げられる。なお、「リーチ予告演出」を行う場合には、第1識別情報のみが仮停止しているときにこの第1識別情報の表示態様を変化させることで実現できる。
【0082】
(6)また、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものであるとしてもよい。例えば、上述の実施例を用いて説明すると、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫が当り図柄(変動中の中段Mの当り図柄)をはっきりと見る場合(興味を強く示す場合)は「パターンB’」ではなく「パターンC’」とすることで、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫の変化量は大きく、この変動表示結果が大当りとなる可能性が高い(期待度が高い)ものに設定でき、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫が当り図柄(変動中の中段Mの当り図柄)をちらっと見る場合(若干の興味を示す程度である場合)は、「パターンB’」とすることで、仮停止時の上段Lおよび下段Rの図柄である猫の変化量は小さく、この変動表示結果が大当りとなる可能性が低い(期待度が低い)ものとすることができることなどが挙げられる。この場合には、仮停止時の識別情報の表示態様の変化量が大きい程、遊技者にとって有利な状態となるものとしているので、遊技者は仮停止時の識別情報の表示態様を見ながらその表示態様の変化量が大きくなることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる予告演出を実現することができる。
【0083】
(7)上述の実施例では、各種の大当り時変動パターン全てにおいて大当り予告演出が行われるようになっている、つまり大当り時変動パターンコマンドB’〜D’全てが大当り予告演出ありのものとしているが、特定の大当り時変動パターンのみにおいて大当り予告演出が行われるようにしてもよい。
【0084】
(8)また、予告演出表示10を、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるものとしてもよい。仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が段々と同じ表示態様となるように変化させるので、仮停止時の複数個の識別情報の表示態様が同じ表示態様となると遊技者にとって有利な状態となることから、遊技者は仮停止時の複数個の識別情報の表示態様を見ながらそれらの表示態様が同じ表示態様となることを強く望むこととなり、より遊技に夢中になる予告演出を実現することができる。
【0085】
(9)上述の実施例では、図3に示すように、予告演出指示部12はメイン制御装置70(例えば主制御基板)に設けられているが、表示用制御装置90(例えば表示用制御基板)などに設けるようにしてもよい。
【0086】
(10)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
【0087】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0088】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、予告演出表示手段は、仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出を行う。識別情報の変動表示結果は遊技者の利益と深い関係があることから、遊技者は特に変動表示時の識別情報を注目して見ており、仮停止時の識別情報の表示態様の変化を漏れなく遊技者が見知することができるため、遊技者に対する示唆演出機能を十分に発揮することができるとともに、当該変化に関する面白味も遊技者に十分に伝達することができる。したがって、遊技者は、当該示唆演出を漏れなく見ることができ、この後に何らかの遊技に関する変化があるのではないかという期待感を持ちながら遊技をすることになることから、さらに面白味を持って遊技を行うことになる。その結果、示唆演出機能を十分に発揮でき、興趣性に優れた遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の概略正面図である。
【図3】実施例のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置における上段、中段、下段の図柄を例示した説明図である。
【図5】メイン制御装置で実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理のフローチャートである。
【図7】変動開始処理のフローチャートである。
【図8】変動停止処理のフローチャートである。
【図9】カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図10】外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。
【図11】カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。
【図12】保留球格納エリアの説明図である。
【図13】表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図14】大当り時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図15】外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。
【図16】(a),(b)はパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【図17】(a),(b)は図16(b)に続いて行われるパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【図18】(a),(b)は図17(b)に続いて行われるパターンB’の変動態様の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 … 予告演出表示部(示唆演出表示手段)
40 … 特別図柄表示装置
70 … メイン制御装置
90 … 表示用制御装置
P … パチンコ機(遊技機)
Claims (1)
- 始動条件が成立することに起因して識別情報の変動表示を開始し、仮停止状態を経た後に完全に停止してその変動表示結果が確定する遊技機において、
仮停止時の識別情報の表示態様を変化させることで、所定の遊技状態となり易いことをほのめかす示唆演出表示手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
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JP2002377534A Withdrawn JP2004202101A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 遊技機 |
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- 2002-12-26 JP JP2002377534A patent/JP2004202101A/ja not_active Withdrawn
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