JP2004045828A - 光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いたユニット - Google Patents

光ファイバー被覆用樹脂組成物及びそれを用いたユニット Download PDF

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Akihiro Iwamoto
岩本 明洋
Osamu Saito
齋藤 治
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Abstract

【課題】素線を被覆した状態を保ちながらユニットを分割する際に、分割が所望の箇所で確実に行うことができ、長手方向に途中で切れずに、長尺で安定してユニット層の分割ができ、分割の際にユニットが裂けたり、潰れたりしないたりしない、ユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性の優れた光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性化合物が、分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートを含有することを特徴とする光ファイバー被覆用樹脂組成物。
【選択図】

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバー被覆用樹脂組成物及びこれを用いた光ファイバーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバーケーブルは大容量情報の伝送媒体として実用化され、現在、光ファイバーケーブルによる広帯域情報通信網が建設されつつある。光ファイバーには、導波ガラスに紫外線等の放射線硬化型樹脂による1次被覆層および2次被覆層を施した2層被覆構造のものと、単層の被覆層を施した単層被覆構造の形態のものがある。2層被覆構造を有する光ファイバーの1次被覆層は、通常、ヤング率が0.01から1.0kg/mmの柔軟な被覆層であり、2次被覆層は、通常、20から200kg/mmの比較的堅い被覆層である。
【0003】
また、光ファイバーの使用形態としては種々の形態があるが、導波ガラス上に被覆層を施した複数の光ファイバー素線、あるいは最外層に着色層を設けた複数の着色素線を、同心円状あるいは平面状に並べて、放射線硬化型樹脂で一体化したユニットという形態がある。また、4心、8心、12心の素線を平面状に並べたユニット(テープ心線)をさらに複数テープ状に連結一体化する構造のユニットもある。このような複数の光ファイバーを放射線硬化型樹脂の硬化被膜(ユニット層)で包み込んだ構造のユニットという形態は、光ファイバーを高密度化する方法として有用であり、現在では光ファイバーケーブルの構成材として一般的なものとなっている。これら、一次被覆層、2次被覆層、ユニット層に使用される放射線硬化型樹脂を光ファイバー被覆用樹脂組成物と呼んでいる。
【0004】
ユニット層、特にテープ心線型のユニット(複数のテープ心線を連結一体化したもの含む)層に用いられる光ファイバー被覆用樹脂組成物には、次のような性能が要求されている。
1.高速加工性
粘度が低く、高速でも塗布・成形ができること。
2.高速硬化性
数百m/分以上の高速加工(低光量)においても十分に硬化し、必要なヤング率の硬化物が得られること。
3.耐久性
長期にわたり種々の環境(温水、高湿度、高温、防水混和物)に暴露されても、当該樹脂組成物による硬化被膜の機械特性が変化せず、光ファイバーの耐久性が良いこと。
4.温度特性
該樹脂組成物による硬化被膜により被覆された光ファイバーが、広範な温度範囲において使用されても、伝送特性、機械特性が変化しないこと。
5.解体性
ユニットの解体性には、素線とユニットを分離して素線を剥き出しにする際の特性と、素線を被覆した状態を保ちながら多心のユニットを二分割、三分割、あるいはそれ以上の多数に分割する際に要求される特性の二つがある。具体的には以下の特性が要求される。
1)素線とユニットを分離する際の特性
素線をユニットから分離する際に、ユニットを所望の箇所で確実に剥離でき、長手方向に途中で切れずに、長尺で安定してユニット層を剥離させることができること。そして、分離した素線の上に剥離したユニット層の残査が無いこと。
以下、本発明ではこのような特性を「素線分離特性」という。
2)素線を被覆した状態を保ちながらユニットを分割する際の特性
複数の素線を束ねた多心のユニットを分割する場合、ユニットの分割を所望の箇所で確実に行うことができ、長手方向に途中で切れずに、長尺で安定してユニット層の分割を行うことができること。(以下、本発明では「ユニット分割安定性」という)そして、分割の際にユニットが裂けたり、潰れたりして素線がユニットから分離したり伝送路が破壊されたりしないこと。(以下、本発明では「耐形状崩れ特性」という)
6.表面滑性
ユニットを巻き取ったり積層するとユニット同士が接触するが、その際に、接触している部分に圧力が掛かって歪みが生じ、伝送ロスを誘発したり、ユニット同士が固着したりしないように、ユニット表面が十分な滑性を有すること。
7.耐水損失特性
光ファイバーケーブル敷設後の事故によりケーブルシースが破損し、ケーブル内に水が侵入しても、該樹脂組成物による硬化被膜により被覆された光ファイバーの光伝送特性を長期に渡り低下させないこと。
8.保存性
該樹脂組成物を低温で保存しても固化がなく、保存性がよいこと。
等が要求されている。
【0005】
このようなユニット層に用いる光ファイバー被覆用樹脂組成物としては、これまで種々の検討が為されている。例えば、特開平3−59017号公報では、エチレン性不飽和基を有するポリエーテルポリウレタンとホモポリマーのTgが−20℃〜−80℃である(メタ)アクリレートモノマーと3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する樹脂組成物が提案されている。しかしながら、このような先行技術において開示されている光ファイバー被覆用樹脂組成物では、前記の解体特性の内、素線分離特性については考慮されているものの、ユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性については考慮されておらず、実際に検討すると、後者の特性については勿論のこと、前者の特性においても決して満足できるものではなかった。また、更にユニットの表面滑性も不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、良好な解体性および表面滑性を有する光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供することにある。特に、素線を被覆した状態を保ちながらユニットを分割する際に、分割が所望の箇所で確実に行うことができ、長手方向に途中で切れずに、長尺で安定してユニット層の分割ができ、分割の際にユニットが裂けたり、潰れたりしないたりしない、ユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性の優れた光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記課題を解決する光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜により結束された光ファイバーユニットを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この状況に鑑み、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造のラジカル重合性化合物を用いることにより上記課題が解決できる光ファイバー被覆用樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0008】
すなわち本発明は、ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性化合物が、分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートを含有することを特徴とする光ファイバー被覆用樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は上記光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜により結束された光ファイバーユニットを提供するものである。なお、本発明は上記光ファイバー被覆用樹脂組成物は、複数の光ファイバー素線を結束させるユニット材として用いられるだけでなく、更に、本発明の樹脂組成物で結束された複数のユニット(テープ心線)、あるいは他の樹脂組成物で結束された複数のユニットを結束させるためのユニット材料としても適している。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。本発明で使用する分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートとは、そのような構造を有する化合物であれば、特に限定されることなく、公知の化合物を使用することができるが、例えば、
(1)分子内に、フェニル基、シクロアルキル基、スピロ環等の環状の基を有さない、アルキル基あるいはポリエーテル基等と複数のグリシジル基有するポリグリシジル化合物と同一の分子内にカルボキシル基と重合性不飽和基を有する化合物の反応生成物、
又は、
(2)分子内に、フェニル基、シクロアルキル基、スピロ環等の環状の基を有さない、アルキル基、ポリエーテル基等と複数のカルボキシル基を有する化合物と同一の分子内にグリシジル基と重合性不飽和基を有する化合物の反応生成物、
がある。分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートとしては、(1)の化合物の方が一般的であり、好ましい。
【0011】
上記のポリグリシジル化合物としては、例えば、下記(ア)、(イ)、(ウ)に例示したポリオールとエピクロルヒドリンによる脱塩酸反応から得られる化合物がある。
(ア)エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、3−メチルペンタンジオール等やネオペンチルグリコールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等複数のグリコールの重合体等の脂肪族ジオール、
(イ)グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール、
(ウ)多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合体またはこれらの2種以上の共重合体であるポリエーテルポリオール等のポリオール。
【0012】
上記の同一の分子内にカルボキシル基と重合性不飽和基を有する化合物としては、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2−アクリロキシエチルーコハク酸、2−アクリロキシエチルフタル酸、ω−カルボキシーポリカプロラクトンモノアクリレート等がある。
【0013】
中でも炭素数2〜30,好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2〜10の脂肪族ジオール、アルキレンオキシド又はポリアルキレングリコールから合成されるアルキレングリコールジグリシジルエーテル、又はポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸の反応物である2官能性のエポキシアクリレートが好ましい。そのような構造の化合物は解体性、特にユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性に優れるので好ましい。もちろん、本発明の効果を損なわない範囲において、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物等の環状骨格を有するエポキシアクリレートを併用しても構わない。
【0014】
上記の分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートは、素線との密着性を高めて形状崩れを防止し、また、適度な強靭性を有するためユニット分割安定性を確保しつつ、被覆残査を少なくし、素線分離特性にも優れているので好ましい。またユニットの表面に滑性を付与するために滑剤、例えば、変性シリコーン樹脂を用いた場合、同樹脂の機能を高める働きを示す。
【0015】
分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートの使用量は、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し、5質量%〜90質量%であることが好ましい。また、5質量%〜70質量%であることが更に好ましく、10質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
【0016】
本発明では、分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレート以外のラジカル重合性化合物として、ラジカル重合性オリゴマー(A)あるいはラジカル重合性モノマー(B)を適宜用いることができる。ラジカル重合性オリゴマー(A)としては、構造、分子量等、特に限定されるものではないが、例えば、末端にビニル基、アクリル基、メタクリル基等の重合性不飽和基を有する数平均分子量が300〜30000の化合物がある。このようなラジカル重合性オリゴマー(A)としては、ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)と末端に重合性不飽和基と水酸基とを含有する化合物(a3)から合成されるウレタンアクリレート、ポリイソシアネート(a2)と同一分子内に重合性不飽和基と水酸基とを含有する化合物(a3)の反応生成物であるウレタンアクリレートがある。本発明では、このようなウレタンアクリレートを分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートと併用すると解体性、及び耐久性が良好となり、好ましい。
【0017】
上記ポリオール(a1)としては多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキル置換テトラヒドロフラン等の環状エーテルの重合体、又はこれらの2種以上の共重合体であるポリエーテルポリオール等が挙げられる。中でもプロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、3−メチルテトラヒドロフラン等の分岐を有する環状エーテルの重合体又は共重合体が、低温保存性が良く、高速硬化性が高いので好ましい。ポリオール(a1)としては、数平均分子量が800〜10000のものが解体性、高速硬化性が良好であり好ましい。
【0018】
ポリイソシアネート化合物(a2)としては、公知のものが使用できるが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4 −ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロペンタジエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等のポリイソシアネートが使用できる。中でも分子量が150〜300のジイソシアネートを使用すると解体性が良好となるため好ましい。
【0019】
同一分子内に水酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a3)としては、公知のものが使用できるが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも同一分子中に一個の水酸基と一個のラジカル重合性不飽和基を有するものを使用すると解体性が良好となるため好ましい。
【0020】
ラジカル重合性オリゴマー(A)の使用量は、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し、10質量%〜90質量%であることが好ましい。また、20質量%〜70質量%であることが更に好ましく、30質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
【0021】
本発明で使用できるラジカル重合性モノマー(B)としては、公知のものが使用できる。例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンサクシネート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アッシドホスフェート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム等の単官能重合性モノマー等が挙げられる。
【0022】
また、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンのジアクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3ジオキサンのジアクリレート等の2官能重合性モノマーが挙げられる。
【0023】
更に、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレート等の多官能重合性モノマーがある。
【0024】
また、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール等の窒素を含有する単官能重合性モノマーも強靭性を高めるので好ましい。更に、窒素を含有する単官能重合性モノマーは高速硬化性と解体性を高めるので好ましい。
【0025】
さらに本発明では、ラジカル重合性モノマー(B)として、上記の2官能の重合性モノマーを使用することが、素線への密着を落とさず形状崩れを防止し、適度な強靭性を付与して良好な解体性を確保できるため好ましい。中でも数平均分子量300〜800、特に400〜600の2官能重合性モノマーが、解体性が良好であり好ましい。
【0026】
ラジカル重合性モノマー(B)の使用量は、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し、10質量%〜90質量%であることが好ましい。また、20質量%〜70質量%であることが更に好ましく、30質量%〜50質量%であることが特に好ましい。
【0027】
本発明では、ユニットの表面に十分な滑性を与えるために、光ファイバー被覆用樹脂組成物中に変性シリコーン樹脂(C)を添加することが好ましい。本発明で使用できる変性シリコーン樹脂(C)は、公知のものが使用できるが、中でも、特に、ジメチルポリシロキサン(シリコーン)の末端及び/又は側鎖をメチル基以外の有機基により変性したものが好ましい。変性に用いる有機基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、アルコキシ(メタ)アクリル基、グリシジル基、メルカプト基、ポリエーテル基、フェニル基、アルキル基、高級脂肪酸エステル基、アルコキシ基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換アルコキシ基およびアミノ基、水酸基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、グリシジル基、メルカプト基で置換されたアルキル基、等がある。
【0028】
中でも長鎖のポリエーテル基、アルキル基、高級脂肪酸エステル基、アルコキシ基、フッ素置換アルキル基、フッ素置換アルコキシ基が、相溶性が良く、優れた表面滑性が得られるので好ましい。また、変性に用いる有機基は前記ラジカル重合性オリゴマー(A)の構造と類似であると、相溶しやすいため好ましい。類似の構造としては、グリシジル基、(メタ)アクリル基、水酸基等があり、したがってそれらの基を含む変性シリコーン樹脂(C)を用いることが好ましい。また、ラジカル重合性オリゴマー(A)がポリエーテルポリオールを用いるウレタンアクリレートの場合にはポリエーテル変性の変性シリコーン樹脂(C)を用いることが好ましい。また、ラジカル重合性オリゴマー(A)がポリエステルポリオールを用いるウレタンアクリレートの場合には、ポリエステル変性または、高級脂肪酸変性の変性シリコーン樹脂(C)を用いることが好ましい。
【0029】
変性シリコーン樹脂(C)の分子量としては、数平均分子量900未満では充分な表面滑り性能が得られず、1000000以上では光ファイバー被覆用樹脂組成物中の他の成分との相溶性が悪いので、数平均分子量900〜1000000の範囲が好ましい。変性シリコーン樹脂(C)の変性量は、20〜95%の範囲であり、特に30〜85%の範囲さらに40〜80%の範囲であることが好ましい。変性量がこの範囲であると、光ファイバー被覆用樹脂組成物を構成する他の成分との相溶性が良好であり、ユニットの表面滑性が良好となる。ここで、変性量とは、変性シリコーン樹脂(C)全体の数平均分子量に対するポリシロキサン骨格以外の部分の数平均分子量の割合を示すもので、下式で表される。
変性量=X/Y×100(%)
X:変性シリコーン樹脂(C)中のポリシロキサン骨格以外の部分の数平均分子量
Y:変性シリコーン樹脂(C)全体の数平均分子量
【0030】
更に、変性に用いる有機基としては、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体といった2種以上の単量体からなる共重合体であると、変性シリコーン樹脂(C)の添加量が少なくても、十分な表面滑性が得られ好ましい。エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体の場合、エチレンオキシドに対するプロピレンオキシドのモル比が10/90〜80/20の範囲が好ましい。また、側鎖に3,4−エポキシシクロヘキシル基、グリシジル基等のエポキシ基により変性した変性シリコーン樹脂(C)、特に上記ポリエーテルと上記エポキシ基を同一分子中に含有する変性シリコーン樹脂(C)は、解体性と表面滑性が特に良いので好ましい。
【0031】
変性シリコーン樹脂(C)は、光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対して、0.1〜20質量%含有することが好ましい。変性シリコーン樹脂(C)が0.1質量%以下では優れた表面滑性が得られず、20質量%以上ではヤング率、硬化性が低下する。中でも、1〜10質量%の範囲が、更に2〜6質量%の範囲が特に好ましい。
【0032】
変性シリコーン樹脂(C)は単独で用いても良く、異なる種類のものを併用しても構わない。また、特に、上記の変性シリコーン樹脂(C)と分子量が500〜100万で、変性量が0%以上、20%未満の変性シリコーン樹脂(C2)を併用すると、表面滑性が更に向上するので好ましい。ここで変性量が0%のシリコーン樹脂とは、実質的に未変性のジメチルポリシロキサンであり、変性量が0%を越えて20%未満の変性シリコーン樹脂(C2)は、前記変性シリコーン樹脂(C)と同様の変性をしたものである。このように変性量が低い変性シリコーン樹脂(C2)は、単独で使用すると光ファイバー被覆用樹脂組成物中の他の成分との相溶性が悪く、塗工適性を損なうことがあるが、相溶性の優れている変性シリコーン樹脂(C)と併用することによりそのような不都合を発生させずに、変性シリコーン樹脂(C)を単独で使用した場合よりもユニットの表面滑性を高める働きをする。また、変性シリコーン樹脂(C2)の変性量は、0〜10%の範囲であることが更に好ましい。変性シリコーン樹脂(C2)は変性シリコーン樹脂(C)100質量部に対し、0.1〜200質量部の比率で使用するのが好ましく、0.5〜50質量部の範囲が更に好ましい。変性シリコーン樹脂(C)と変性シリコーン樹脂(C2)の総量は、光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましく、2〜6質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0033】
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物を可視光、あるいは紫外線で硬化させる場合には、必要に応じて光重合開始剤(D)を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン及びベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2、6ージメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)―フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0034】
これらの中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2、6ージメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)―フェニルフォスフィンオキサイドの群から選ばれる2種類以上を混合して用いると、高速硬化性が良好となり好ましい。中でも、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−オクチルカルバゾールを含む系は著しく高速硬化性が優れており、好ましい。
【0035】
更に、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物には、上記の成分以外に、ヒドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤、ヒンダードフェノール系、イオウ系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、亜燐酸エステル系の脱色剤、消泡剤、離型剤、レベリング剤、顔料等を添加しても構わない。
【0036】
上記光重合開始剤(D)は、本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物を紫外線で硬化させるために添加するもので、光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対し、0.01〜10質量%含有させることが好ましく、0.05〜5質量%であることが特に好ましい。
【0037】
本発明の光ファイバー被覆用樹脂組成物においては、加工性及び光ファイバーの伝送特性を良好にするため、組成物及び硬化膜の物性値が以下の範囲になるように適宜調製するのが好ましい。
【0038】
・組成物の粘度:500〜10000cps(25℃、B型粘度計)であることが好ましい。500cps以下、10000cps以上では高速での光ファイバー製造時に外径の変動や硬化膜の破断が生じて高速硬化性が悪い。
・硬化膜のヤング率:硬化膜のヤング率は5〜150kg/mmの範囲であることが、解体性が良いので好ましい。また、好ましくは5〜80kg/mmであり、特に好ましくは10〜30kg/mmである。
【0039】
その他の硬化膜の特性としては、以下の範囲にあると解体性が良いので好ましい。
・ガラス転移点:0〜100℃が好ましく、より好ましくは20℃〜80℃。
・引張破壊強さ:1〜4kgf/mmが好ましく、より好ましくは1.5〜3kgf/mm
・引張破壊伸び:10〜50%が好ましく、より好ましくは15〜30%。
・引裂強度(ノッチ付き、直角型):3kgf/mm以下が好ましく、より好ましくは2.5kgf/mmの範囲がよい。
・アクリル板密着力:12〜100gが好ましく、より好ましくは20〜80g(試験方法)厚さ1.2mmのPMMA板(日東樹脂工業製CLAREX S−0)上に樹脂組成物を厚さ100ミクロンで塗布し、窒素雰囲気下0.5J/cmの紫外線で硬化させる。1日23℃50%RHの雰囲気に放置後、幅15mmの短冊状に切り、100mm/分の速度でPMMA板と樹脂組成物硬化物を90度で剥がす時の力(g)をアクリル板密着力とした。
表面摩擦係数:1.5以下が好ましく、より好ましくは1.0以下。
(試験方法)ガラス板上に樹脂組成物を100ミクロンの厚さで塗布し、酸素/窒素比が1/99の混合ガス雰囲気中で0.1J/cmの紫外線を照射して硬化させる。1日23℃50%RHの雰囲気に放置後、幅15mmの短冊状に切り、外径25mm、質量68gのマンドレル上に混合ガスに曝されていた表面を表にして巻く。これを同様にして作成されたガラス板上の樹脂組成物硬化物の上に置き、150mm/分の速度で移動させ、この時のマンドレルに巻かれた樹脂組成物硬化物とガラス板上の樹脂組成物硬化物間の混合ガスに曝されていた表面同志の摩擦力を測定し、この摩擦力をマンドレルの質量68gで割り表面摩擦係数とした。
【0040】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、もとより本発明はこれにより何等限定されるものではない。なお、例中の部はすべて質量基準である。
【0041】
1.ラジカル重合性オリゴマー(A)の合成
(合成例1−ウレタンアクリレート(A−1)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)348g(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリプロピレングリコール(数平均分子量2000)2000g(1モル)、ジブチル錫ジアセテート2gを仕込んで発熱に注意しながら70℃まで昇温し、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール1gを加えた。この温度で反応を7時間行い、NCO%を測定したところ3.58%であった。ついでHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)232g(2モル)を仕込んで、この温度でさらに7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認し反応を終了させた。合成したウレタンアクリレート(A−1)の数平均分子量は2580であった。
【0042】
(合成例2−ウレタンアクリレート(A−2)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)522g(3モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリテトラメチレングリコール(数平均分子量650)1300g(2モル)、ジブチル錫ジアセテート2gを仕込んで発熱に注意しながら70℃まで昇温し、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール1gを加えた。この温度で反応を7時間行い、NCO%を測定したところ3.58%であった。ついでHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)232g(2モル)を仕込んで、この温度でさらに7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認し反応を終了させた。合成したウレタンアクリレート(A−2)の数平均分子量は2054であった。
【0043】
(合成例3−ウレタンアクリレート(A−3)の合成)
攪拌翼のついたフラスコに、TDI(2,4−トリレンジイソシアネート)348g(2モル)を仕込み、攪拌を行いながらポリテトラメチレングリコール(数平均分子量2000)2000g(1モル)、ジブチル錫ジアセテート2gを仕込んで発熱に注意しながら70℃まで昇温し、メトキノン0.2g、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール1gを加えた。この温度で反応を7時間行い、NCO%を測定したところ3.58%であった。ついでHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)232g(2モル)を仕込んで、この温度でさらに7時間反応を行った。赤外吸収スペクトルでNCOの吸収が消失したことを確認し反応を終了させた。合成したウレタンアクリレート(A−3)の数平均分子量は2580であった。
【0044】
(光ファイバー被覆用樹脂組成物の調製)
上記合成例で合成した化合物と下記の化合物を用いて、表1及び表2の配合(質量部)で加熱混合し、1ミクロンのフィルターで濾過し、均一な光ファイバー被覆用樹脂組成物を調製した。
【0045】
(1)分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレート
Z−1:プロピレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物
Z−2:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物
Z−3:トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物
【0046】
(2)分子内に環状構造を有するエポキシアクリレート
Y−1:ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアクリル酸の付加物
【0047】
(3)ラジカル重合性モノマー(B)
B−1:ビスフェノールAエチレンオキシド4モル付加物のジアクリレート
B−2:トリメチロールプロパンのエチレンオキシド3モル付加物のトリアクリレート
B−3:N−ビニルピロリドン
B−4:N−ビニルカプロラクタム
B−5:フェノールのエチレンオキシド2モル付加物のアクリレート
B−6:ノニルフェノールのエチレンオキシド4モル付加物のアクリレート
【0048】
(4)変性シリコーン樹脂(C)
C−1:数平均分子量3500のジメチルポリシロキサン骨格を
有する変性シリコーン樹脂
*変性に用いるポリエーテル基;エチレンオキシド/プロピレンオキシド=50/50(モル比)の共重合体
*変性に用いるポリエーテル基の数平均分子量;1300
*変成シリコーン樹脂の粘度;900センチストークス(25℃)
*変性量;65%、ペンダント型
C−2:ジメチルポリシロキサン骨格の分子量;15000
*変性に用いるポリエーテル基;エチレンオキシド/プロピレンオキシド=40/60(モル比)の共重合体(末端エポキシ基あり;エポキシ当量;5000)
*変性に用いるポリエーテル基の数平均分子量;50000
*変性シリコーン樹脂の粘度;2500センチストークス(25℃)
*変性量;75%
【0049】
(5)変性シリコーン樹脂(C2)
C2−1:ジメチルポリシロキサン 数平均分子量;3500
*変性量:0%
C2−2:ジメチルポリシロキサン 数平均分子量;100000
*変性量:0%
【0050】
(6)光重合開始剤(D)
D−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
D−2:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド
D−3:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、
【0051】
(7)酸化防止剤
R−1:3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
【0052】
(8)光安定剤
N−1:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
【0053】
(ユニットの製造)
外径250μmの光ファイバー(心線)をUVインキで着色した着色心線12本を並列にまとめ、その後、それに実施例1の光ファイバー被覆用樹脂組成物を塗工して紫外線を照射することで厚さ0.32mmの光ファイバーユニット(12心テープ)を製造した。製造したユニットはボビンに巻き取った。
【0054】
更に、実施例2〜6及び比較例1〜2の光ファイバー被覆用樹脂組成物を用いて実施例1と同様に光ファイバーユニット(12心テープ)を製造し、ボビンに巻き取った。
【0055】
(ユニットの評価)
(1)ユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性
12心テープの端末の真ん中に着色心線を6心ずつに分けるようにカッターで切り込みを入れ、6心ずつに分割した。このときユニットの分割を所望の箇所で確実に行うことができず、長手方向に途中で切れたり、着色心線がこぼれ出たり、ユニット層から浮いた場合を×、問題がなかったものを○とした。
(2)表面滑性
約2kmまでボビンに巻き取り、巻き崩れ等が全く発生せずに巻き取れたものを◎、支障が無い程度に巻き取れたものを○、2km巻き取り以前に巻き崩れ等が生じて製造ができなかったものを×として表した。
(3)表面摩擦係数
前記試験方法による。1.5以下が好ましく、より好ましくは1.0以下。
(4)アクリル板密着力
前記試験方法による。12〜100gが好ましく、より好ましくは20〜80gである。
【0056】
(評価結果)
評価結果は、表1、表2に示す。
【0057】
【表1】
Figure 2004045828
【0058】
【表2】
Figure 2004045828
【0059】
表1、表2から明らかなように各実施例で用いた光ファイバー被覆用樹脂組成物はユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性及び表面滑性に優れている。また、各実施例のユニットから素線を分離する作業を行った場合、長手方向に途中で切れずに、長尺で安定してユニット層を剥離させることができた。一方、比較例のユニットにおいては、途中でユニット層が破断したり、分離した素線の上に剥離したユニット層の残査があるのが確認された。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、解体性、特にユニット分割安定性及び耐形状崩れ特性、及び表面滑性に優れる光ファイバー被覆用樹脂組成物を得ることができる。したがって、該樹脂組成物を用いることにより上記特性に優れた光ファイバーユニットを得ることができる。

Claims (6)

  1. ラジカル重合性化合物と光重合開始剤を含有する光ファイバー被覆用樹脂組成物であって、前記ラジカル重合性化合物が、分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートを含有することを特徴とする光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  2. 更に、変性シリコーン樹脂を含有する請求項1記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物
  3. 前記分子内に環状構造を有さないエポキシアクリレートが、アクリル酸とアルキレングリコールジグリシジルエーテル及び/又はポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルが反応して得られる化合物である請求項1又は2のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  4. 前記変性シリコーン樹脂が、変性率20〜95%の変性シリコーン樹脂である請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  5. 前記変性シリコーン樹脂を光ファイバー被覆用樹脂組成物全体に対して0.1〜20質量%含有する請求項1、2、3又は4のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物。
  6. 請求項1、2、3、4又は5のいずれか1項に記載の光ファイバー被覆用樹脂組成物の硬化被膜により結束された光ファイバーユニット。
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