JP4292065B2 - 光ファイバ着色心線、及び光ファイバテープ心線 - Google Patents
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Description
巻き取りによる急激な伝送損失を防止するには、ボビンと光ファイバ着色心線との摩擦あるいは光ファイバ着色心線同士の摩擦を小さくすることが有効とされている。このため、着色層に、末端にアクリロイル基を有するオリゴマーと、このオリゴマーと相溶性の高い変性シリコーン油とを含有させることにより、光ファイバ着色心線間の摩擦係数を小さくする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような光ファイバ着色心線は、着色層に含まれる水溶性成分(例えば、未反応の重合性成分や着色層の外からしみ込んできた水分、着色剤成分等)が、着色層とその下の被覆層の間に溜まることがなく、ブリスタが発生しにくい。よって、本発明の好ましい形態によれば、上記作用効果に加え、耐水性に優れ、光ファイバ着色心線が水に浸漬された時でもブリスタによる伝送損失の発生を防止できる。
また、本発明の光ファイバ着色心線を用いて光ファイバテープ心線を形成すれば、色ハガレが生じることなく単心分離可能な光ファイバテープ心線を提供できる。さらに、本発明の好ましい態様の光ファイバテープ心線は耐水性に優れており、屋外で使用しても、雨水等が前記光ファイバテープ心線にしみ込んでブリスタが生じることが少ないので、ブリスタによる伝送損失が発生しにくい。
図1は、本発明の光ファイバ着色心線の好適な一実施形態を示す断面模式図である。図1に示すように、光ファイバ着色心線1は、石英を主成分としたコアおよびクラッドからなるガラスファイバ3を有し、ガラスファイバ3の外周が、熱硬化性樹脂等からなるプライマリ層4及びセカンダリ層5によって被覆された構造となっている。この2層被覆構造の光ファイバの外周には、通常、紫外線硬化型インク等から形成された着色層6が設けられている。
ここで、光ファイバ着色心線1は、着色層6が下記一般式(1)で表される変性ジメチルポリシロキサンを含有する紫外線硬化型インクから形成され、着色層6表面の動摩擦係数が0より大きく0.25以下である。
光ファイバ着色心線の製造時や使用時において、光ファイバ着色心線をボビン等に巻き取る際、光ファイバ着色心線を隙間なく整列させて巻き取る必要があるが、光ファイバ着色心線の整列が乱れ、巻き崩れが発生することがある。そして、この巻き崩れにより光ファイバに伝送損失が発生してしまう。
着色層表面の動摩擦係数を上記範囲とすると、巻き取り時の巻き崩れ防止に効果があり、本発明の光ファイバ着色心線は、ボビン等に巻き取っても伝送損失の少ないものとなる。
なお、光ファイバ着色心線の巻き取った状態での伝送特性は、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)によって測定できる。OTDRは、光ファイバの片端から光パルスを入射して、光ファイバ中で生じる散乱光又は反射光を解析することで、光ファイバの破断点や局部的な伝送損失等を測定できる計測器である。
Rが示すエーテル結合を有する2価の連結基としては、アルキレンオキシド基等が挙げられる。アルキレンオキシド基としては、炭素数1〜6のアルキレンオキシド基が好ましい。エステル結合を有する2価の連結基としては、下式(3)で表わされる連結基等が挙げられる。
有機変性ジメチルポリシロキサンの含有量が8重量%未満であると、着色層表面の動摩擦係数を低減させにくくなり、巻き取り時の摩擦による巻き乱れが起こるために光ファイバの伝送特性が低下する恐れがある。また、20重量%を超えると、紫外線硬化型インクによる着色層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向になり、光ファイバを温水中に浸漬させた時に吸水しやすくなるため、着色層被膜が劣化する恐れがある。
本発明に係る紫外線硬化型インクに用いられるモノマーとしては、ラジカル共重合性モノマーが挙げられ、具体的には、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリオールとポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応物等を利用することができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物である。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
他に、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又はそのアルキレンオキシド変性体等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン及びキサントン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。
着色剤として顔料を使用する場合、光重合開始剤の少なくとも1種が吸収波長が長い光重合開始剤を用いると、特に深部までの硬化により有効である。
光重合開始剤が紫外線硬化型インクの固形分に対して7重量%未満であると、特に着色層の深層部が硬化しにくくなる。また、10重量%を超えた場合、着色層中の光重合開始剤が過多になり、照射した紫外線が光重合開始剤に吸収されるため、硬化に必要な紫外線量が深部まで十分に届かず、着色層の硬化が不均一となることがある。
光重合開始剤による光重合反応を促進させるために、光増感促進剤を光重合開始剤と併用してもよい。この光増感促進剤としては、3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系化合物等を使用することができる。
紫外線硬化型インクにおける着色剤成分の配合量は、紫外線硬化型インクの固形分に対して1〜5重量%の範囲が好ましい。
プライマリ層を形成する硬化性樹脂組成物には、通常の光ファイバ着色心線のプライマリ層に用いられる重合性モノマー、重合性オリゴマー、重合開始剤、添加剤を含有することができる。また、プライマリ層の硬化性樹脂組成物には、ウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートから選ばれる重合性オリゴマーを含有することが好ましい。
重合性オリゴマー(B)としては、例えば、ポリオール化合物、ジイソシアネート化合物および水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物あるいはジイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートの反応生成物を用いることができる。すなわち、この反応生成物は、ジイソシアネートのイソシアネート基を、ポリオール化合物の水酸基または水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基と反応させることにより製造される。
図2に示すように、この装置は、着色層用の紫外線硬化型インクを塗布するインク塗布用ダイス11と、塗布したインクに紫外線を照射して硬化させる紫外線照射装置12と、引取り張力を与えて光ファイバ素線をボビン13から繰出す引取装置17が設けられている。
この装置に、光ファイバ素線が巻き取られているボビン13をセットする。光ファイバ素線14をインク塗布用ダイス11に通過させ、光ファイバ素線14の外周にインクを塗布してインク塗布膜を形成する。その後、紫外線照射装置12を通過させることによって、インク塗布膜を硬化させ、光ファイバ着色心線15を形成する。この着色層が形成された光ファイバ着色心線15を引取装置17によって引取り、再びボビン16に巻き取る。なお、ボビン13,16はABS樹脂等からなるものがよい。
図3は、本発明の光ファイバテープ心線の好適な一実施形態を示す断面模式図である。図3に示す光ファイバテープ心線8は、ガラスファイバの外周面がプライマリ層、セカンダリ層、及び着色層で被覆された4本の光ファイバ着色心線1a〜1dが相互に並列となるように配置されている。光ファイバ着色心線1a〜1dは一括被覆用樹脂7で被覆されて一体化されており、4心型光ファイバテープ心線8を構成している。
この装置に、光ファイバ着色心線が巻き取られているボビン23a〜23dをセットする。光ファイバ着色心線24a〜24dを一括被覆用ダイス21に通過させ、光ファイバ着色心線24a〜24dの外周に一括して樹脂を塗布して塗布膜を形成する。その後、紫外線照射装置22を通過させることによって、塗布膜を硬化させ、光ファイバテープ心線25を形成する。この光ファイバテープ心線25を引取装置27によって引取り、再びボビン26に巻き取る。
しかしながら、本発明の光ファイバテープ心線によれば、表面滑性に優れ、かつ着色層とその上下の層との密着性のバランスに優れた光ファイバ着色心線から形成されているので、色ハガレが発生することなく、容易に一括被覆用樹脂を剥離することができる。
また、本発明の好ましい形態に係る光ファイバ着色心線は耐水性に優れているので、本発明の光ファイバ着色心線からなる光ファイバテープ心線も耐水性に優れるものである。
また、重合性モノマーとしては、トリシクロデカンジアクリレート;N−ビニルピロリドン;イソボニルアクリレート;ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールジアクリレートラウリルアクリレート;ビスフェノールAエポキシジアクリレート;エチレンオキサイド付加ノニルフェノールアクリレート等が挙げられる。これらの構成成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの構成成分にポリシロキサン化合物を添加して用いることもできる。
〔変性ジメチルポリシロキサン(a)の製造例〕
50%のトルエン溶液800部をフラスコに仕込み、下式(11)で示されるポリシロキサン(KF−9901(信越化学工業社製、商品名))100部と、下式(12)で示される化合物(ブレンマーAE−200(日本油脂社製、商品名))100部とを加え、さらに触媒としてオクチル錫10部を加え、80℃にて3時間反応させて、下式(13)で示される変性ジメチルポリシロキサン(a)を得た。
グリコール酸213部、触媒としてテトラエチルアンモニウムブロマイド0.7部、及び有機溶剤としてメチルイソブチルケトン489部を反応容器に入れ、100℃に加熱した。この溶液を100℃に保持し、撹拌しながらグリシジルメタクリレート397部を滴下して反応させ、不飽和基含有ジオールの溶液を得た。
次に、この溶液にジメチロールブタン酸414部、イソホロンジイソシアネート932部を添加して攪拌した。赤外分光分析によりイソシアネート基がほとんどなくなったのを確認した後、有機溶剤350部を入れ冷却し、重合性オリゴマー(a1)を得た。
無水フタル酸666部、イソフタル酸747部、エチレングリコール310部、及びネオペンチルグリコール520部を反応容器に入れて反応させ、樹脂固形分100%の水酸基含有ポリエステル樹脂を得た。
次に、上記で得られた水酸基含有ポリエステル樹脂1000部、4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート182部、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル5部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1部、及び有機溶剤507部をフラスコに入れて反応させ、重合性オリゴマー(a2)を得た。
下記組成物を4口フラスコに入れ、空気を吹き込みながら80℃まで加熱して30分攪拌した。得られた混合液にチタン白3部を加えて、50℃に保持して20分攪拌し、その後常温に冷却して紫外線硬化型インク〔A〕を得た。
組成物:
変性ジメチルポリシロキサン(a) 10部;
光重合開始剤(a)(イルガキュア907 チバガイギー(株)社製) 3部;
光重合開始剤(b)(イルガキュア369 チバガイギー(株)社製) 7部;
重合性オリゴマー(a1) 30部;
重合性オリゴマー(a2) 7部;
ビスフェノールAEO変性ジアクリレート(アロニックスM−211B 東亜合成(株)社製) 20部;
ポリエステルアクリレート(アロニックスM9050 東亜合成(株)社製) 20部
上記のようにして製造した紫外線硬化型インク〔A〕を用いて、図1に示す光ファイバ着色心線1を以下の手順で作製した。
ガラスファイバ3として、コアにGeをドープしたシングルモードガラスファイバを使用した。ガラスファイバ3の外周に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(ヤング率:1MPa)を含有する樹脂組成物を塗布、硬化させて、プライマリ層4を形成した。このプライマリ層4の外周に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(ヤング率:800MPa)を含有する樹脂組成物を塗布、硬化させて、セカンダリ層5を形成した。
さらに、図2に示す装置を用いて、セカンダリ層の外周に紫外線硬化型インク〔A}を塗布、硬化させて、光ファイバ着色心線〔A〕を製造した。
同様にして、紫外線硬化型インク〔B〕〜〔E〕を用いて、光ファイバ着色心線〔B〕〜〔E〕をそれぞれ作製した。
上記のようにして製造した光ファイバ着色心線〔A〕を4本用意し、下記組成の一括被覆用樹脂組成物を用いて、4心型の光ファイバテープ心線〔A〕を製造した。なお、光ファイバ着色心線の線速を600m/分とした。光ファイバテープ心線の厚さは310μmであった。同様にして、光ファイバ着色心線〔B〕〜〔E〕から光ファイバテープ心線〔B〕〜〔E〕をそれぞれ製造した。
ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオール1mol、トリレンジイソシアネート2mol及びヒドロキシエチルアクリレート2molを反応させて得られるウレタンアクリレート 18部;
ポリテトラメチレングリコール1mol、トリレンジイソシアネート2mol及びヒドロキシエチルアクリレート2molを反応させて得られるウレタンアクリレート 10部;
トリレンジイソシアネート1mol及びヒドロキシエチルアクリレート2molを反応させて得られるトリシクロデカンジアクリレート(b) 15部;
N−ビニルピロリドン 10部;
イソボニルアクリレート 10部;
ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールジアクリレート 5部;
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(イルガキュア907、チバスペシアリティケミカルズ社製) 0.7部;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ルシリンTPO、BASF社製) 1.3部
図5に示す要領で、以下のようにして光ファイバ着色心線の着色層表面の動摩擦係数を求めた。
(a):光ファイバ着色心線を30本並列に密着して並べたものを2組用意し、両者の外側の間隔がスライドガラス41の横幅程度になるようにそれぞれ貼りつける。
(b):光ファイバ着色心線を30本並列に並べたものを2組用意し、スライドガラス41の横幅程度の間隔を空けて並行に並べる。
(c)及び(d):(b)の光ファイバ着色心線の上に、(a)のスライドガラス41を光ファイバ着色心線を貼った面を下にして、垂直に重ねる。スライドガラス41の上に50gの分銅42を乗せて、スライドガラス41を引張速度6cm/分で引っ張り、移動しているときの力を動摩擦力(kgf)とする。この値をスライドガラス41及び分銅42を合計した質量で割ったものを動摩擦係数とする。
上記で得られた紫外線硬化型インク〔A〕〜〔E〕、光ファイバ着色心線〔A〕〜〔E〕、及び光ファイバテープ心線〔A〕〜〔E〕について、以下の試験を行った。
1−1.60℃温水溶出率
ガラス板上に、紫外線硬化型インク〔A〕〜〔E〕をスピンコーターで膜厚10μmとなるように塗布し、大気中で紫外線をエネルギー線量5000J/m2で照射して硬化させた。このサンプルをガラス板から剥がし、プラスチックの吸水率のJIS規格(JIS K 7209 (2000) A法)に準じた方法にて60℃温水中の吸水率(%)を算出した。なお、浸漬時間は24時間であった。
ポリエステル合成紙上に、紫外線硬化型インク〔A〕〜〔E〕をスピンコーターで膜厚10μmとなるように塗布し、大気中で紫外線をエネルギー線量5000J/m2で照射して硬化させた。その上に、前記の一括被覆用樹脂組成物をスピンコーターで膜厚50μmとなるように塗布し、大気中で紫外線をエネルギー線量5000J/m2で照射して硬化させた。このようにして樹脂サンプルを作製した。
この樹脂サンプルを1cm幅の短冊状に切断し、オートグラフ(島津製作所製)でロードセルの荷重を1kg重で、紫外線硬化型インクの被膜と一括被覆樹脂組成物の被膜との間を20℃で180°の方向にピールさせ、ピール強度(N/m)を測定した。
ガラス板上に、前記したセカンダリ層用樹脂組成物を膜厚50μmになるように塗布し、2000ppm酸素含有の窒素雰囲気下で、紫外線をエネルギー線量1000J/m2で照射し硬化させた。次に、紫外線硬化型インク〔A〕〜〔E〕をスピンコーターにて膜厚10μmとなるように塗布し、大気中で紫外線をエネルギー線量1000J/m2で照射し硬化させた。さらに、一括被覆樹脂をスピンコーターにて膜厚50μmとなるように塗布し、大気中で紫外線をエネルギー線量5000J/m2で照射し硬化させた。このようにして樹脂サンプルを作製した。
上記で得られた樹脂サンプルをガラス板から剥がして、1cm幅の短冊状に切断した。オートグラフ(島津製作所製)用いロードセルの荷重1kg重で、セカンダリ層用樹脂の被膜と紫外線硬化型インクの被膜との間を20℃で180°の方向にピールさせ、ピール強度(N/m)を測定した。
2−1.OTDR段差発生頻度
巻き取りボビンに光ファイバ着色心線を巻いたまま、OTDR(安藤電気社製)によって、波長1.55μmの光の波形を観察し、波形の段差(波形の傾きが急激な階段状に変化する箇所)を計測した。光ファイバ着色心線の総巻き替え長(230km)に対する波形の段差(200mの長さで0.02dB以上の変化がある箇所)の総個数を算出し、これをOTDR段差発生頻度(個/230km)とした。
1mの光ファイバテープ心線を手作業で単心分離し、光ファイバ着色心線の色ハガレの有無を観察した。これを12回繰り返して、全試行数に対して色ハガレが起きた試行数を計測した。
4心型光ファイバテープ心線を全長約700m、直径約30cmの束とし、この束を60℃の温水に浸漬させた。束の両端を水面上に出しておき、4本の光ファイバ着色心線の伝送損失(dB/km)を測定し、24時間後と2週間後の伝送損失の増加量の最大値を記録した。
なお、実施例1〜3のうち、特に実施例1は、単心分離性及び耐水性において最も優れていた。これは、実施例1では、表面硬化性のよい光重合開始剤(イルガキュア907)と深部硬化性のよい光重合開始剤(イルガキュア369)とを併用しているためと推測される。
3 ガラスファイバ
4 プライマリ層
5 セカンダリ層
6 着色層
7 一括被覆用樹脂
8 光ファイバテープ心線
Claims (4)
- 前記紫外線硬化型インクが、前記変性ジメチルポリシロキサンを8〜20重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ着色心線。
- 前記紫外線硬化型インクが、少なくとも2種以上の光重合開始剤を7〜10重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ着色心線。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ着色心線を複数配列して、一括被覆用樹脂で被覆してなる光ファイバテープ心線。
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