JP4958360B2 - 光ファイバのための2次被覆組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
関連出願の説明
本発明は、米国特許法第120条の元で優先権が主張されている、ここに全てが引用される、1999年12月30日に出願された米国仮特許出願第60/173,874号の恩典を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本発明は、光ファイバ被覆および光ファイバリボン基材のための組成物、そのような組成物から調製した2次被覆を含有する光ファイバ、そのような光ファイバを製造する方法、およびそのような組成物から調製された基材を含有する光ファイバリボンに関する。
【0003】
発明の背景
光ファイバは、通信分野において益々重要な役割を果たしており、現行の銅線を置き換えていることが多い。この傾向は、LAN(すなわち、FTTH用途のための)に重大な影響を与えている。これにより、光ファイバの利用が莫大に増加した。かつてない大容量の情報が、データ、音声およびビデオ信号の形態で各住宅のユーザおよび営利目的のユーザに配信するために、ローカルファイバネットワークが確立されたので、加入回線電話およびケーブルテレビサービスにおける光ファイバの使用の増加が見込まれている。加えて、内部データ、音声、およびビデオ通信のために家庭用と事業用の環境に光ファイバが使用され始め、その増加が予測されている。
【0004】
光ファイバは、一般に、ガラスコアおよび少なくとも2つの被覆、例えば、1次(すなわち内側)被覆および2次(すなわち外側)被覆を含む。1次被覆は、ガラスファイバに直接施され、硬化されると、ガラスファイバを被包する柔軟にたわむ弾性材料を形成する。1次被覆は、ファイバが曲げられたり、ケーブルにされたり、スプールに巻かれたりした場合、ガラスファイバのコアへの衝撃を吸収し、それを保護する緩衝物として働く。2次被覆は、1次被覆の上に施され、加工および使用中にガラスファイバへの損傷を防ぐ強靱な保護外層として機能する。
【0005】
2次被覆には、ある特性が望ましい。硬化前に、2次被覆組成物は、適切な粘度を有し、光ファイバの加工を可能にするために急速に硬化できるべきである。硬化後には、2次被覆は以下の特徴を有するべきである:被包されたガラスファイバを保護するほど十分に剛性であるが、取扱いのための十分な柔軟性(すなわち、弾性率)、低吸水量、光ファイバの取扱いを可能にする低粘着性、耐薬品性、および1次被覆への十分な接着性。
【0006】
これらの所望な特性を達成するために、従来の2次被覆組成物は、一般に、高濃度でウレタンベースオリゴマーを含有し、モノマーが、粘度を低下させるための反応性希釈剤として2次被覆組成物中に導入される。従来のオリゴマー成分は、一般に、モノマー成分よりもずっと高価であるので、高濃度でオリゴマーを使用すると、2次被覆組成物並びに得られる光ファイバを製造するための費用が増加してしまう。オリゴマー成分を高濃度で使用する費用にもかかわらず、オリゴマー成分を低濃度で含有するか、または完全にオリゴマー成分が含まれていない2次被覆組成物は、市販されていないと考えられている。
【0007】
したがって、従来の2次被覆組成物よりも低コストで調製でき、適切な弾性率および他の物理的特性を有する2次被覆を生成できる適切な2次被覆組成物が依然必要とされている。本発明は、当該技術分野のこの欠点を克服することに関する。
【0008】
また、曲げ、特に、マイクロベンディングに対するファイバの感度を減少させる被覆も必要とされている。このことは、高データ速度光ファイバに特に関係する。高データ速度ファイバは、一般に、実効面積の大きい単一モードファイバである。実効面積の大きいファイバは、実効面積の大きくないファイバと比較して、単一モード伝送容量が増加している。しかしながら、実効面積の大きいファイバは、ファイバを曲げることにより生じる応力のような応力に対する感度が大きい。これらの応力により、ファイバの光学活性領域が歪み、マイクロベンディング信号減衰が生じることがある。
【0009】
発明の概要
本発明のある実施の形態は、光ファイバを被覆するための組成物に関する。その組成物は、約15重量パーセント以下の量で含有されるオリゴマー成分、および約75重量パーセント以上の量で含有されるモノマー成分を含み、この組成物にオリゴマー成分が実質的に含まれていない場合にモノマー成分が2つ以上のモノマーからなり、組成物の硬化物が少なくとも約650MPaのヤング率を有する。
【0010】
本発明の別の実施の形態は、約15重量パーセント以下の量で含有されるオリゴマー成分、および約75重量パーセント以上の量で含有されるモノマー成分を含有する本発明の組成物の硬化物である被覆または基材材料に関する。この被覆または基材材料は、少なくとも約650MPaのヤング率により特徴付けられる。
【0011】
本発明の別の実施の形態は、ガラスファイバ、このガラスファイバを被包する1次被覆、およびこの1次被覆を被包する2次被覆を含む光ファイバに関する。この2次被覆は、約15重量パーセント以下の量で含有されるオリゴマー成分、および約75重量パーセント以上の量で含有されるモノマー成分を含有する組成物の硬化物である。この2次被覆は、少なくとも約650MPaのヤング率により特徴付けられる。
【0012】
本発明の更なる実施の形態は本発明の光ファイバの製造方法に関するものである。この方法では、1次被覆を施したガラス繊維を与える工程と、約15重量%以下の量で含有されるオリゴマー成分と約75重量%以上の量で含有されるモノマー成分とを含む組成物を上記被覆ガラス繊維に塗布する工程と、塗布したガラス繊維を組成物の重合を引き起こすのに充分な条件下において2次被覆を形成する工程とを行う。この2次被覆は少なくとも約650MPaのヤング率によって特徴付けられる。
【0013】
本発明の光ファイバの別の製造方法では、第1の組成物にて被覆したガラス繊維を与える工程と、約15重量%以下の量で含有されるオリゴマー成分と約75重量%以上の量で含有されるモノマー成分とを含む第2の組成物を上記被覆ガラス繊維に塗布する工程と、塗布したガラス繊維を第1及び第2の組成物の重合を引き起こすのに充分な条件下において1次被覆と2次被覆を形成する工程とを行う。この2次被覆は少なくとも約650MPaのヤング率によって特徴付けられる。
【0014】
本発明の更なる別の実施の形態は光ファイバリボンに関するものである。この光ファイバリボンは、ほぼ平面状をなすように互いにほぼ整列させられた複数の光ファイバと、該複数の光ファイバを封入する基材とを有する。基材は少なくとも約650MPaのヤング率を有する。この基材は、約15重量%以下の量で含有されるオリゴマー成分と約75重量%以上の量で含有されるモノマー成分とを含む組成物の硬化物である。
【0015】
本発明の更なる実施の形態は、約15重量%よりも多い量で含有されるオリゴマー成分と約82重量%よりも少ない量で含有されるモノマー成分とを含む組成物に関するものである。この組成物の硬化物は少なくとも約900MPaのヤング率を有する。
【0016】
本発明の更なる別の実施の形態は、ガラス繊維と、該ガラス繊維を封入する1次被覆と、該1次被覆を封入する2次被覆とを有する光ファイバに関するものである。この2次被覆は、約15重量%よりも多い量で含有されるオリゴマー成分と約82重量%よりも少ない量で含有されるモノマー成分とを含む組成物の硬化物である。2次被覆は少なくとも約900MPaのヤング率によって特徴付けられる。
【0017】
本発明の実施の形態には更に光ファイバの製造方法が含まれる。約15重量%よりも多いオリゴマー成分を含有する上記の2次被覆を光ファイバに被覆する。この光ファイバには既に1次被覆を被覆してある。2次被覆を2次被覆の重合を引き起こすような条件下におく。本発明の別の方法では1次被覆と2次被覆を各被覆の重合を引き起こすような条件下に共におく。
【0018】
本発明の実施の形態には更に、少なくとも約900MPaのヤング率を有する上記の2次被覆の大有効面積ファイバへの応用が含まれる。
【0019】
本発明の組成物の好適な特性は、光ファイバの外側被覆材および、光ファイバリボンの基材を形成するうえでの組成物の使用を可能とするものである。更に本発明の組成物は硬化すると水分吸収性、低マイクロベンド感度、抽出性、ならびに強度すなわちヤング率の面から望ましい特性を有する被覆材や基材をもたらすものである。したがってオリゴマー成分をほとんどあるいはまったく含まない組成物から好適な被覆または基材を調製することが可能であり、これによりこうした組成物やこうした組成物の硬化物を含有する光ファイバや光ファイバリボンの製造コストの大幅な低減が図られるものである。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、光ファイバを被覆するための組成物に関する。本発明の組成物は、紫外線硬化性組成物であり、熱可塑性組成物ではないことが好ましい。本発明のある実施の形態において、本発明の組成物は、約15重量パーセント以下の量で含有されるオリゴマー成分、および約75重量パーセント以上の量で含有されるモノマー成分を含有する。硬化後、この組成物の硬化物は、少なくとも約650MPaのヤング率により特徴付けられる。その物理的特性、特に、比較的高い強度のために、本発明の組成物は、光ファイバの2次すなわち外側被覆または光ファイバリボンの基材の調製に使用するのに特に適している。
【0021】
ここに用いているように、特定の成分の重量パーセントは、他の添加剤を除いたバルク組成物中に導入される量を称する。本発明の組成物を製造するためにバルク組成物中に導入される他の添加剤の量は、100当たりの部で列記されている。例えば、オリゴマー、モノマー、および光重合開始剤が組み合わされて、これらの成分の総重量パーセントが100パーセントとなるようなバルク組成物を形成する。このバルク組成物に、ある量の添加剤、例えば、100当たり1.0部の酸化防止剤が、バルク組成物の100重量パーセントを超過して導入される。
【0022】
光ファイバ被覆組成物のオリゴマー成分を減少させる上で実質的に費用が省けるので、本発明の組成物の主成分はモノマー成分であり、副成分はオリゴマー成分である。これは、主成分としてオリゴマー成分を、副成分としてモノマー成分を含有するほとんどの従来の2次被覆組成物および/または基材組成物とは反対である。ほとんどの従来の被覆成分および/または基材成分において、オリゴマー成分は、一般的に、重合が生じる主鎖として機能し、一方で、モノマー成分は、組成物の粘度を調節するための希釈剤として、また硬化中には、架橋剤(特定のモノマー成分が有する官能基の数により)として機能する。
【0023】
本発明の組成物において、モノマー成分は、1つのモノマーを含んでも、2つ以上のモノマーの組合せであっても差し支えない。必要ではないが、前記組成物にオリゴマー成分が実質的に含まれていない場合には、モノマー成分は2つ以上のモノマーの組合せであることが好ましい。好ましくは、本発明の組成物中に導入されるモノマー成分は、エチレン不飽和モノマーを含む。モノマー成分は75重量パーセント以上の量で存在して差し支えないが、好ましくは、約75から約99.2重量パーセントまで、より好ましくは、約80から約99重量パーセントまで、最も好ましくは、約85から約98重量パーセントまでの量で含有される。
【0024】
エチレン性不飽和モノマーは、架橋を可能にする様々な官能を含むであろう。そのエチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、多官能価(すなわち、各々が2つ以上の官能基を含有する)であるが、一官能価モノマーを組成物中に導入しても差し支えない。したがって、エチレン性不飽和モノマーは、多官能価モノマー、一官能価モノマー、およびそれらの組合せであって差し支えない。本発明にしたがって使用されるエチレン性不飽和モノマーの適切な官能基としては、以下に制限されるものではないが、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエステル、酸エステル、およびそれらの組合せ(すなわち、多官能価モノマーに関して)が挙げられる。
【0025】
一般に(例えば硬化の際の)転換率が約80%以上のモノマーが、転換率がこれよりも低いものと比較して望ましい。転換率が低いモノマーを組成物中に導入できる程度は、得られる硬化物の特定の要求条件(例、強度)に応じて異なる。一般に転換率が高いほど硬化物の強度は高くなる。
【0026】
好適な多官能エチレン性不飽和モノマーとしては、以下に限定されるものではないが、エトキシ化度が2以上、好ましくは2〜約30であるエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(例、サルトマー・カンパニー社(Sartomer Company,Inc.)(ペンシルベニア州ウェストチェスター所在)の販売するSR349及びSR601、及びヘンケル社(Henkel Corp.)(ペンシルベニア州アンブラー所在)の販売するフォトマー4025及びフォトマー4028)、及びプロポキシ化度が2以上、好ましくは2〜約30であるプロポキシ化ビスフェノールAジアクリレートなどのアルコキシ化ビスフェノールAジアクリレート類;エトキシ化度が3以上、好ましくは3〜約30であるエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例、フォトマー4149(ヘンケル社)及びSR499(サルトマー・カンパニー社))、プロポキシ化度が3以上、好ましくは3〜30であるプロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(例、フォトマー4072(ヘンケル社)及びSR492(サルトマー社))、及びジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(例、フォトマー4355(ヘンケル社))などのアルコキシ化されているかもしくはされていないメチロールプロパンポリアクリレート類;プロポキシ化度が3以上であるプロポキシ化グリセリルトリアクリレート(例、フォトマー4096(ヘンケル社)、SR9020(サルトマー社))などのアルコキシ化グリセリルトリアクリレート類;ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例、サルトマー・カンパニー社(Sarotomer Company,Inc.)(ペンシルベニア州ウェストチェスター所在)の販売するSR295)、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラアクリレート(例、SR494(サルトマー社))、及びジペンタエリトリトールペンタアクリレート(例、フォトマー4399(ヘンケル社)及びSR399(サルトマー・カンパニー社))などのアルコキシ化されているかもしくはされていないエリトリトールポリアクリレート類;トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(例、SR368(サルトマー・カンパニー社))、及びトリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレートなどの、適当な官能性イソシアヌレートをアクリル酸または塩化アクリロイルと反応させることで生成するイソシアヌレートポリアクリレート類;トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例、CD406(サルトマー・カンパニー社))、及びエトキシ化度が2以上、好ましくは約2〜30であるエトキシ化ポリエチレングリコールジアクリレートなどのアルコキシ化されているかもしくはされていないアルコールポリアクリレート類;ビスフェノールAジグリシジルエーテル(4up)もしくはこれに類するもの(例、フォトマー3016(ヘンケル社))にアクリレートを添加することで生成するエポキシアクリレート類;ならびにジシクロペンタジエンジアクリレート及びジシクロペンタンジアクリレートなどの単環式または多環式の芳香族または非芳香族ポリアクリレート類が挙げられる。
【0027】
硬化物による水分の吸収率、硬化物の他の被覆材料への接着度や応力の作用下での硬化物の挙動を制御する目的で所定量の単官能性のエチレン性不飽和モノマーを使用することも望ましい。単官能性のエチレン性不飽和モノマーの例としては、以下に限定されるものではないが、2−ヒドロキシエチル−アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル−アクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクタデシルアクリレート、及びステアリルアクリレートなどの長鎖及び短鎖アルキルアクリレート類;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、及び7−アミノ−3,7−ジメチルオクチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ブトキシルエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート(例、SR339(サルトマー・カンパニー社))、及びエトキシエトキシエチルアクリレートなどのアルコキシアルキルアクリレート類;シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ボルニルアクリレート、イソボルニルアクリレート(例、SR423、サルトマー・カンパニー社)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例、SR285、サルトマー・カンパニー社)、カプロラクトンアクリレート(例、SR495、サルトマー・カンパニー社)、及びアクリロイルモルホリンなどの単環式または多環式の芳香族または非芳香族アクリレート類;ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、及び、エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート(例、フォトマー4003、ヘンケル社)のような各種アルコキシ化アルキルフェノールアクリレート類などのアルコール系アクリレート類;ジアセトンアクリルアミド、イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチル−アミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及びt−オクチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムなどのビニル化合物;ならびにマレイン酸エステル及びフマル酸エステルなどの酸エステルが挙げられる。上記に列記した長鎖及び短鎖アルキルアクリレート類に関し、短鎖アルキルアクリレートとはアルキル基の炭素数が6個以下のものであり、長鎖アルキルアクリレートとはアルキル基の炭素数が7個以上のものである。
【0028】
最も好適なモノマーは市販のものかまたは当該技術分野では周知の反応スキームによって容易に合成されるものである。例えば上記に列挙した単官能性モノマーの多くは、適当なアルコールまたはアミドをアクリル酸または塩化アクリロイルと反応させることによって合成することが可能である。
【0029】
上記に述べたように本発明の被覆組成物の副成分はオリゴマー成分である。このオリゴマー成分は1種類のオリゴマーからなるか、あるいは2種類以上のオリゴマーの組合わせからなるものであってもよい。本発明の組成物にオリゴマー成分を導入する場合、組成物はエチレン性不飽和オリゴマーよりなるものであることが好ましい。オリゴマー成分の含量は15重量%以下でも差し支えないが、好ましくは約13重量%以下、より好ましくは約10重量%以下である。組成物ならびにその硬化物が適当な物性を有するかぎり、組成物中のオリゴマー成分の含量が好ましくは約5重量%未満であるかあるいは組成物がオリゴマーを実質的に含有しないことが経済的であり望ましい。
【0030】
好適なオリゴマーはこれを用いる場合、単官能性オリゴマーまたは多官能性オリゴマーのいずれであってもよいが多官能性オリゴマーが好ましい。オリゴマー成分として単官能性オリゴマーと多官能性オリゴマーの組合わせを用いることも可能である。
【0031】
二官能性オリゴマーは下記(I)式に基づく構造を有することが好ましい。
【0032】
−R[ジイソシアネート−R −ジイソシアネート−−F (I)
[式中、Fはそれぞれ独立にアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステル、または当該分野で周知の他の官能基を含む反応性官能基であり、Rはnを1〜30、好ましくは1〜10の整数としてそれぞれ独立に−C2−12O−、−(C2−4−O)−、−C2−12O−(C2−4−O)−、−C2−12O−(CO−C2−5O)−、または−C2−12O−(CO−C2−5NH)−であり、Rはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらの組合わせであり、mは1〜10、好ましくは1〜5の整数である。]なお(I)式の構造中のジイソシアネート基はジイソシアネートのR及び/またはRへの結合によって生成する反応生成物である。ここで云う「独立に」なる用語は各Fは別のFとは異なり得ることを示し、これは各Rについても当てはまる。
【0033】
他の多官能性オリゴマーは下記(II)式、(III)式、または(IV)式に基づく構造を有することが好ましい。
【0034】
多官能イソシアネート−(R−R−F (II)
ポリオール−[(ジイソシアネート−R −ジイソシアネート−−F (III)
または、
多官能イソシアネート−(R−F (IV)
[式中、Fはそれぞれ独立にアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、ビニルエステルや当該技術分野では周知の他の官能基などの1から3官能価の官能基を表し、Rはnを1〜10、好ましくは1〜5の整数としてそれぞれ独立に−C2−12O−、−(C2−4−O)−、−C2−12O−(C2−4−O)−、−C2−12O−(CO−C2−5O)−、または−C2−12O−(CO−C2−5NH)−であり、Rはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらの組合わせであり、xは1〜10、好ましくは2〜5の整数であり、mは1〜10、好ましくは1〜5の整数である。]なお(II)式の構造中の多官能イソシアネート基は多官能イソシアネートのRへの結合によって生成する反応生成物である。同様に(III)式の構造中のジイソシアネート基はジイソシアネートのR及び/またはRへの結合によって生成する反応生成物である。
【0035】
ウレタンオリゴマーは従来、脂肪族ジイソシアネートを、2価ポリエーテルまたはポリエステル、最も一般的にはポリエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールと反応させることによって得られるものである。こうしたオリゴマーは通常、約4個〜約10個のウレタン基を有し、例えば2000〜8000の高分子量を有する場合もあるが、分子量が500〜2000の範囲である低分子量のオリゴマーを使用することも可能である。コーディ(Coady)等に付与された米国特許第4,608,409号ならびにビショップ(Bishop)等に付与された米国特許第4,609,718号にはこうした合成法の詳細が述べられているが、これらの特許をここに援用するものである。
【0036】
耐水性オリゴマーの使用が望ましい場合には、そうしたオリゴマーは、大部分が飽和し、大部分が非極性の脂肪族ジオールの生成に有利となるように、極性ポリエーテルまたはポリエステルグリコールの使用を避ける点を除いて同様に合成される。こうしたジオールとしては例えば、炭素原子数が約2〜250個であるアルカンまたはアルキレンジオールが挙げられ、エーテル基やエステル基を実質上有さないことが好ましい。
【0037】
よく知られていることであるが、こうした方法によって調製されるオリゴマーには、合成過程においてジオールまたはポリオールをジアミンまたはポリアミンで単に置き換えるだけでポリ尿素成分を含有させることが可能である。本発明の被覆システムには少量のポリ尿素成分が含まれているが、これは、システムの耐水性を損なわないよう、合成に使用されるジアミンまたはポリアミンが充分に非極性でありかつその飽和度が高ければ、コーティング性能を低下させる要因とはならない。
【0038】
よく知られていることであるが、光ファイバ用被覆組成物は、ガラス繊維への組成物の塗布後、または予め被覆されたガラス繊維において組成物の重合(硬化)を行ううえで適当な重合開始剤を含有することも可能である。本発明の組成物における使用が適当な重合開始剤としては、熱開始剤、化学開始剤、電子線開始剤、マイクロ波開始剤、化学線開始剤、及び光開始剤が挙げられる。このうち特に好ましいのは光開始剤である。アクリレート系被覆組成物の多くでは、既知のケトン光開始添加剤及び/または酸化ホスフィン添加剤などの従来の光開始剤が好ましい。本発明の組成物で使用する場合、光開始剤は組成物の速やかな紫外線硬化を可能とするうえで充分な量にて添加される。一般にこの量は約0.5〜約10.0重量%、より好ましくは約1.5〜約7.5重量%である。
【0039】
光開始剤は、少量ではあるが光硬化を促進するうえでの有効量で用いられる場合、被覆組成物が早期にゲル化しないように適当な硬化速度を与えなければならない。適当な硬化速度とは、被覆組成物が実質的に硬化する(約90%以上、より好ましくは95%以上)ような任意の速度である。光量−弾性率曲線で測定した場合、約25〜35μmの被膜厚さに対する硬化速度は例えば1.0J/cm未満、好ましくは0.50J/cm未満である。
【0040】
好適な光開始剤としては以下に限定されるものではないが、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemical)社(ニューヨーク州タリーズタウン所在)の販売するイルガキュア184)、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例、市販の配合製品であるイルガキュア1800、1850、及び1700(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社))、2,2−ジメトキシル−2−フェニルアセトフェノン(例、イルガキュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(例、イルガキュア819、(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社))、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシド(例、市販の配合製品であるダロキュア4265(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(例、市販の配合製品であるダロキュア4265(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社))及びこれらの組合わせが挙げられる。他の光開始剤も継続的に開発がなされ、ガラス繊維の被覆組成物に使用されている。本発明の組成物には任意の好適な光開始剤を導入することが可能である。
【0041】
上記の成分の他、本発明の2次被覆組成物には必要に応じて添加物または添加物の組合わせを添加することが可能である。適当な添加物としては以下に限定されるものではないが、抗酸化剤、触媒、潤滑剤、低分子量の非架橋性樹脂、接着促進剤及び安定化剤が挙げられる。添加剤の中には、重合プロセスを制御して本発明の組成物から生成する重合物の物性(例、弾性率、ガラス転移温度)を変化させる機能を有するものもある。また本発明の組成物の重合物の結着性に影響を与えるものもある(例、脱重合や酸化的分解に対する保護)。
【0042】
好ましい抗酸化剤としては、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売するイルガノックス1035)がある。
【0043】
好ましい接着促進剤としては、エベクリル170(ユーシービー・ラドキュア社(UCB Radcure)(ジョージア州スマーナ所在))などのアクリル酸接着促進剤がある。
【0044】
2次被覆材に使用するための他の好適な材料ならびにこれらの材料の選択に関する考慮条件は当該技術分野にあっては周知のものであり、シャピン(Chapin)に付与された米国特許第4,962,992号ならびに同第5,104,433号に記載されている。これらの特許を本明細書に援用するものである。本発明の組成物に添加される上述の添加物を含め、被覆の性質の1以上を向上させる各種添加物を添加することも可能である。
【0045】
本発明の一実施形態では、オリゴマー成分は組成物が硬化する際に重合の起点となる骨格としてではなく、最終的な組成物の粘度を制御するための増粘剤として寧ろ機能する。後述するが、光ファイバ及び光ファイバリボンの製造にあたっては1以上の予め被覆を施したガラス繊維に(ウェットオンウェットまたはウェットオンドライプロセスのいずれかを使用して)本発明の組成物を被覆する必要がある。光ファイバ及び光ファイバリボンの製造を効果的に行うためには、本発明の組成物はそれが硬化するまでの間、被覆ガラス繊維上に留まるように処理温度において充分な粘性を有なければならない。本発明の組成物の好適な粘度は、45℃で約250〜約2500センチポアズ、好ましくは45℃で約300〜約2000センチポアズ、より好ましくは45℃で約350〜1500センチポアズである。本発明の好ましい組成物としては、約10重量%のBR−301(ボマー・スペシャルティ・ケミカルズ社(Bomer Specialty Chemical)(コネティカット州ウィンステッド所在)の販売するポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー)、約22重量%のフォトマー4025(ヘンケル(Henkel)社の市販するエトキシ化(8)ビスフェノールAジアクリレートモノマー)、約65重量%のフォトマー4028(ヘンケル(Henkel)社の市販するエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー)、及び約3重量%のイルガキュア1850光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含有する市販の配合製品)を含有するものがある。
【0046】
本発明の別の好適な組成物としては、約10重量%のKWS4131(ボマー・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売するポリエーテルウレタンジアクリレートオリゴマー)、約5重量%のフォトマー3016(ヘンケル社の販売するエポキシアクリレートモノマー)、約82重量%のフォトマー4028(ヘンケル社の販売するエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー)、約1.5重量%のイルガキュア819光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売するビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド)、1.5重量%のイルガキュア184光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、及び約0.5pphのイルガキュア1035抗酸化剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売するチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル)−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)を含むものがある。
【0047】
本発明の別の態様は、本発明の組成物の硬化物としての被覆もしくは基材に関するものである。
【0048】
本発明の組成物はオリゴマーを低含量で含有するにも関わらず、本発明の被覆または基材は高い引張強度を有することをその特徴とするものである。本明細書に援用するASTM D−882−97に準拠した測定によれば、本発明の組成物の重合物の引張強度は少なくとも約18MPaであり、好ましくは少なくとも約20MPaであり、より好ましくは少なくとも約22MPaである。本明細書に援用するASTM D−882−97に準拠した測定を行った場合、割線係数は少なくとも約350MPaであり、好ましくは少なくとも約450MPaであり、より好ましくは少なくとも約550MPaである。ASTM D−882−97に準拠した測定を行った場合、本発明の被覆組成物の重合物のヤング率は、少なくとも約650MPaであり、好ましくは少なくとも約700MPaであり、より好ましくは少なくとも約800MPaである。
【0049】
本発明の更なる別の一実施形態において、被覆組成物は少なくとも約900MPaのヤング率を有する。組成物のヤング率は少なくとも約1100〜1300MPaであり、より好ましくは少なくとも約1700MPaであり、最も好ましくは少なくとも約2100MPaである。
【0050】
本発明の被覆または基材の特に有用な特性として水分を吸収しにくいという点がある。これは被覆や基材による水分の吸収によってガラス繊維から被覆が剥離したり基材の強度が低下して信号が減衰する場合があることによる。このため、本発明の被覆または基材による水分の吸収率は約5%未満、好ましくは約3%未満、より好ましくは約2%未満であることが必要である。
【0051】
被覆または基材の別の有用な特性として水分に接触しても分解しにくく性質が変化しにくい点がある。したがって被覆材料または基材が含有する、水分によって抽出可能な成分の比率は低比率であることが望ましい。被覆材中の抽出可能成分の比率は通常約2%未満であり、好ましくは約1%未満であり、より好ましくは約0.5%未満である。また、本発明の組成物は破断時の伸長率が約30%未満であることが好ましい。破断時の伸長率は約10〜約20%であることがより好ましい。
【0052】
被覆組成物の更なる有用な特性は、光ファイバに被覆を施した際のマイクロベンド感度による損失が低減する点である。被覆を施した光ファイバは、波長1550nmでのマイクロベンド減衰が約2.25dB/m未満、好ましくは1.50dB/m未満、より好ましくは約0.53dB/m未満、最も好ましくは約0.13dB/m未満である。1550nmでのモードフィールド径は少なくとも約9.0μmであることが好ましく、少なくとも約9.5μmであることがより好ましい。
【0053】
波長1625nmでは光ファイバのマイクロベンド減衰は約3.0dB/m未満、好ましくは約2.30dB/m未満、より好ましくは約0.75dB/m未満、最も好ましくは約0.20dB未満である。1625nmでのモードフィールド径は少なくとも約10.0μmであることが好ましく、少なくとも約10.5μmであることがより好ましい。1550nm及び1625nmの両方において上記のマイクロベンド感度を示した被覆組成物の限定的でない一例としては、ヤング率が少なくとも900MPaである被覆組成物が挙げられる。
【0054】
本発明の被覆組成物は有効面積が大きな光ファイバーの被覆として、特に高速データ通信用、海底敷設用、または地上敷設用のファイバーの被覆として極めて有効である。こうした光ファイバに施される本発明の被覆は少なくとも約900MPaのヤング率を有することが好ましい。有効面積の大きな導波管(光ファイバとしても知られる)は、高出力システムにおいて信号劣化の原因となる自己位相変調、四光波混合、相互位相変調及び非線形散乱などの非線形的な光学効果を低減するものである。一般にこれらの非線形効果の数学的表現にはP/Aeff比が含まれる(ただしPは光出力である)。例えば、ある非線形光学効果はLeffを有効長としてexp[PxLeff/Aeff]で表される項を含む式にしたがうことが考えられる。すなわちAeffの増加によって導波管内を伝播する光信号の劣化に対する非線形的な寄与は小さくなる。電気通信産業では、再生器を使用しない長距離の大容量情報輸送に対する要請によって、単一モードファイバの屈折率プロファイルの設計が再評価されることとなった。
【0055】
この再評価は、上記に述べたような非線形効果を低減するとともに1550nm付近、すなわち1250nm〜1700nmの低減衰動作波長域に最適化した光導波管を提供することに主眼をおいたものである。更にこうした導波管は光増幅器に適合したものでなければならず、しかも高強度、耐疲労性、及び耐屈曲性といった現在採用されている光導波管の望ましい性質は保ったものでなければならない。
【0056】
少なくとも2つの屈折率の異なるセグメントを有するファイバ導波管が、高性能ファイバ導波管システムの基準を満たすかこれを上回る充分な可撓性を有することが示されている。
【0057】
一般に導波管の有効面積は、ファイバ中での光出力分布をファイバ導波管の中心線から外側に向けてシフトさせることによって出力密度が低下するような屈折率プロファイルを設計することによって増大させられる。しかしコアエッジの方向に向けて外側へと出力分布を移動すると、導波管にはファイバの屈曲による出力損失が生じやすくなる。
【0058】
こうした高性能導波管の構成の多くではマイクロベンドによる伝送信号の減衰損失が生じやすくなっている。マイクロベンドの影響を受けやすいこれらの構成では、本発明の被覆のようにマイクロベンドにともなう諸問題を解消する被覆システムが必要とされる。
【0059】
用語の定義
以下の用語の定義は当該技術分野で一般的に用いられる意味に倣ったものである。
【0060】
−屈折率プロファイルとは、屈折率とファイバ導波管の径との関係のことである。
【0061】
−セグメント化されたコアとは、少なくとも第1と第2のファイバ導波管のコア部分すなわちセグメントに分割されたコアのことである。各部分すなわちセグメントは特定の径方向の長さに沿って配され、ファイバ導波管の中心線に対してほぼ対称的であり、所定の屈折率プロファイルを有する。
【0062】
−有効面積とは下式にて表されるものである。
【0063】
【数1】
Figure 0004958360
式中、積分範囲は0〜∞であり、Eは導波管を伝播する光による電場である。有効径Deffは下式により定義が可能である。
【0064】
【数2】
Figure 0004958360
大きな有効面積とは、ファイバの有効面積が約60μmよりも大きく、より好ましくは約65μmよりも大きく、最も好ましくは70μmよりも大きいことを意味するものである。有効面積が約80〜90μmよりも大きいファイバを得ることが可能であり、また好ましい。
【0065】
−相対屈折率百分率Δ%=100×(n −n )/2n ただしnは特に断らないかぎり領域iにおける最大屈折率であり、nは特に断らないかぎりクラッド領域の平均屈折率である。
【0066】
−α−プロファイルなる用語は、bを半径としてΔ(b)%として表される屈折率プロファイルのことであり、下式に従う。
【0067】
【数3】
Figure 0004958360
ただし、bはΔ(b)%が最大となる点、bはΔ(b)%が0となる点であり、bはb≦b≦bの範囲にある。Δは上記の定義と同様であり、bはα−プロファイルの始点、bはα−プロファイルの終点であり、αは実数のべき指数である。選択されたα−プロファイルの始点及び終点はコンピュータモデルに入力される。α−プロファイルにステップインデックス分布や他のプロファイル形状が先行する場合、α−プロファイルの始点はα−プロファイルとステッププロファイルまたは他のプロファイルとの交点である。
【0068】
海底敷設用途で用いられる大有効面積ファイバに関し、被覆したファイバは波長1550nmで約0.23dB/km以下、好ましくは約0.22dB/km以下、より好ましくは約0.20dB/km以下、最も好ましくは約0.15dB/km以下の減衰を示した。海底敷設用ファイバのカットオフ波長は、通常約1000〜約2000nm、好ましくは約1600nm未満、より好ましくは約1500nm未満、もっとも好ましくは約1400nm未満である。モードフィールド径(MFD)は約10.0〜約7.0μm、好ましくは約9.7〜約7.7μm、より好ましくは約9.6〜約8.0μmである。好適な海底敷設用ファイバの一例としてコーニング社(Corning Incorporated(ニューヨーク州コーニング所在))の販売するSubmarine Leaf(登録商標)があるが、その有効面積は約71μmである。
【0069】
高速データ通信用途で用いられる大有効面積ファイバに関し、被覆したファイバは波長1550nmで約0.25dB/km以下、好ましくは約0.22dB/km以下、より好ましくは約0.20dB/km以下、最も好ましくは約0.19dB/km以下の減衰を示した。高速データ通信用ファイバはまた、約0.05ps/km1/2以下、好ましくは約0.04ps/km1/2以下、より好ましくは約0.02ps/km1/2以下、最も好ましくは約0.01ps/km1/2以下の偏波モード分散(PMD)を示した。高速データ通信用ファイバのカットオフ波長は通常約1000〜約2000nm、好ましくは約1500〜約1900nm、より好ましくは約1700〜約1550nmの範囲である。モードフィールド径(MFD)は約12.0〜約8.0μm、好ましくは約11.0〜約9.0μm、より好ましくは約10.0〜約9.5μmの範囲である。高速データ通信用ファイバは約1Gb、好ましくは約2Gb、より好ましくは約10Gbの速度で情報を送信することが可能である。
【0070】
更に大有効面積ファイバは約2〜約6μm、より好ましくは約3〜約5μmのコア径を有することが好ましい。
【0071】
本発明の被覆を施すことが可能な大有効面積ファイバの2つの例として、コーニング社(ニューヨーク州コーニング所在)の販売するSMF−28(商標)ならびにLEAF(登録商標)がある。SMF−28(商標)は、少なくとも約9.0μmのモードフィールド径を有し、1550nmかつ70〜30Nにおける信号減衰の変化量は約0.50dB/m未満、より好ましくは約0.30dB/m以下、最も好ましくは約0.15dB/m以下である。信号減衰の変化量は実施例4にて後述する水平荷重ワイアメッシュ試験にもとづいて試験を行う。LEAF(登録商標)は少なくとも約9.0μm、より好ましくは少なくとも約9.5μmのモードフィールド径を有し、1550nmかつ70〜30Nにおける信号減衰の変化量は約1.17dB/m未満、より好ましくは約0.80dB/m以下、最も好ましくは約0.55dB/m以下である。信号減衰の変化量は実施例4にて後述する水平荷重ワイアメッシュ試験にもとづいて試験を行う。上記SMF−28(商標)及びLEAF(登録商標)ファイバに塗布することが可能な組成物の2つの例として、約10重量%のポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマー(例、BR301)、約22重量%のエトキシ化(8)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(例、フォトマー4025)、約65重量%のエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(例、フォトマー4028)、約3重量%の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例、イルガキュア1850)の混合物、及びチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート(例、イルガノックス1035)を含む約0.5pphの抗酸化剤からなる被覆がある。第2の被覆の組成物には、約10重量%のポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマー(例、KWS4131)、約87重量%のエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマー(例、フォトマー4028)、約3重量%の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(例、イルガキュア1850)の混合物、及びチオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート(例、イルガノックス1035)を含む約0.5pphの抗酸化剤が含まれる。上記の被覆組成物は本発明を実施するうえで使用可能な被覆組成物を網羅するものではない。
【0072】
大有効面積ファイバーに関する更なる開示としては、1999年7月27日出願の出願番号第60/145,759号ならびに1999年11月16日出願の出願番号第60/165,833号の米国仮特許出願があるが、これらの記載の全容をここに援用するものである。
【0073】
本発明の別の一態様は本発明の組成物を用いて調製された光ファイバに関するものである。図1を参照すると、光ファイバ10は、ガラスコア12、ガラスコア12を包囲しこれに接するクラッド層14、クラッド層14を封入しこれに接着する1次被覆材16、及び1次被覆材16を封入する1以上の2次(または外側)被覆材16を有する。
【0074】
ガラスコア12はバーキー(Berkey)に付与された米国特許第4,486,212号に述べられるような任意の従来の材料を用いて形成することが可能である。なお当該特許の記載内容はここに援用する。コアは通常、シングルモードファイバでは約5〜約10μm、マルチモードファイバでは約20〜約100μmの直径を有する断面円筒状のシリカを主成分とするガラス製である。必要に応じコアには、コアの屈折率を改変するチタニウム、タリウム、ゲルマニウムやホウ素の酸化物のような異なる量の他の材料を添加することが可能である。当該技術分野では周知の他のドーパントをガラスコアに添加してその性質を改変することも可能である。
【0075】
1次被覆材16は任意の適当な1次被覆組成物の重合物である。当該分野では多くの好適な1次被覆組成物が知られており、また多くが目下開発中である。通常、こうした従来の1次被覆組成物は、高濃度の1以上のオリゴマー成分(例、ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー、ポリ尿素ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリ尿素アクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、及び水素化ポリブタジエンオリゴマー)、反応性希釈剤または架橋剤としての1以上のモノマー成分、下層のガラス繊維への1次被覆の接着を促進する接着促進剤、重合開始剤、及び他の公知の添加剤を含有する。
【0076】
1次被覆はヤング率が低い柔軟な被覆であることが好ましい。1次被覆のヤング率は好ましくは3.0MPa以下であり、より好ましくは1.5MPa以下であり、最も好ましくは1.0MPa以下である。2次被覆のヤング率が約1300MPaを上回るような場合には、1次被覆は高分子量のウレタンアクリレートオリゴマー(例、ボマー・スペシャルティ社(Bomar Specialty Co(コネティカット州ウィンステッド所在))の販売するKWS6001)及びカプロラクトンアクリレートモノマー(ユニオン・カーバイド・カンパニー社(Union Carbide Company)(コネティカット州ダンベリー所在)の販売するトーンM100)を含有することが好ましい。カプロラクトンモノマーの含量は5重量%よりも多いことが好ましく、15重量%よりも多いことがより好ましい。
【0077】
2次被覆材18は本発明の組成物の重合物(硬化物)である。2次被覆材18はタイトバッファ型被覆あるいはルースチューブ型被覆を用いることが可能である。使用する2次被覆の種類とは無関係に、2次被覆材18の外表面は隣接する光ファイバの巻線(例えばプロセススプールに巻回された)を巻き出すことができるように粘着性を有さないものであることが好ましい。
【0078】
2次被覆の外表面は、ファイバのループ、交差、及びファイバに局所的な応力を生じさせてマイクロベンドに起因する減衰損失につながるような他の巻回不良を生ずることなくファイバを円滑に巻回かつ巻き出しできるような所定の摩擦係数を有するものであることが好ましい。この2次被覆の摩擦係数は好ましくは約0.43未満、より好ましくは約0.38未満、最も好ましくは約0.35未満である。
【0079】
この摩擦係数を以下の手順にしたがって測定した。幅約3インチ(約7.6cm)、長さ約10インチ(約25cm)の被覆用フィルムを大形のガラスプレート上にキャスティングし、Fusionコンベイヤーベルトシステム(フュージョン・ユーブイ社(FusionUV、メリーランド州ゲイサースバーグ所在))にて硬化させた(以下「大判被覆フィルム」と称する)。また、5cm×8cmのガラスプレート上に別の被覆フィルムをキャスティングし、同じFusionシステムにて硬化させた(以下「小判被覆フィルム」と称する)。
【0080】
ケイネス社(Kayeness Inc.,ペンシルベニア州モーガンタウン所在)の販売するChatillon摩擦計によって被覆の摩擦係数(COF)を測定した。大判被覆フィルムを摩擦計のスライドステージ上に載置し、小判被覆フィルムを大判被覆フィルム上に置いてその上から大きさ「W」の荷重をかけた。COFの測定に用いた総荷重は120gであった。この小判ガラスプレートは摩擦計の荷重セルにも接続されている。スライドステージを大判フィルムとともに動かして試験を開始する。スライドステージは毎分6インチ(15.2cm)の速さで移動させた。荷重セルは被覆フィルム同士が互いに対して摺動するために必要な力「F」を測定する。被覆のCOFは式、COF=F/Wによって算出される。上記の試験を温度23℃、相対湿度50%にて行った。
【0081】
一実施形態においては、2次被覆組成物中に滑剤を添加することにより2次被覆の摩擦係数を上記の範囲を超えない程度に低減させる。好ましい滑剤としては有機改変したシリコーンアクリレート(ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Co.,)(バージニア州ホープウェル所在)よりテゴラッド2200として販売)や、ポリエチレンポリプロピレングリコールグリセリルエーテル(以前にはアルコ・ケミカルズ社(Arco Chemicals)として知られていたリオンデル社(Lyondel(ペンシルバニア州ニュータウンスクエア所在))よりアクレイム4220として販売)があるが、本発明は上記の滑剤に限定されるものではない。
【0082】
また2次被覆は2重被覆系の一部であることが好ましい。この2重被覆系は場合により色素や染料などの着色剤や更なる着色インク被覆を含んでいてもよい。
【0083】
ヤング率が約900MPa以上である2次被覆では、オリゴマー成分が約15%以下である被覆組成物においてファイバのマイクロベンドによる信号減衰損失が低減する。オリゴマー成分が約15%よりも多い高ヤング率被覆においてもマイクロベンド特性の向上が見られた。オリゴマー成分が約15%よりも多い被覆では、適当なオリゴマーとして上記に述べたオリゴマーが、また好ましいオリゴマーとしてポリエーテルウレタンアクリレートやジアクリレートオリゴマー(例、ボマー社の販売するBR31、及びサルトマー社の販売するCN981)が挙げられる。オリゴマー成分は約15重量%よりも多い量で、場合により約25重量%よりも多い量で、更に場合により最大で約45重量%の量で含有される。オリゴマー成分が低含量ではない被覆は上記のオリゴマーに限定されるものではない。他の被覆成分と配合してヤング率が少なくとも約900MPaの硬化被覆を得ることが可能なオリゴマーを使用して本発明を実施することも可能である。
【0084】
通常、被覆は上記のモノマーのうちの少なくとも1種と上記の光開始剤のうちの1種を更に含有する。この一乃至複数のモノマーは通常、約40〜約82%の量で含有される。被覆が複数種のモノマーを含有する場合、各モノマーは少なくとも約5重量%〜最大で約70重量%の量で含有される。光開始剤は好ましくは最大で約6重量%の量で含有される。オリゴマー成分量が約15%よりも多いこうした被覆は、オリゴマーやモノマーを含む全組成物中のオリゴマー量が最大で約15%である被覆に関して述べたように他の添加剤を含有することも可能である。
【0085】
本発明の別の一態様は本発明の光ファイバの製造方法に関するものである。基本的にはこの方法は本発明の組成物を使用した標準的な方法によって行うことが可能である。
【0086】
概略述べると本方法は、ガラス繊維(コア12及びクラッド層14からなる)を製造する工程、1次被覆組成物をガラス繊維に塗布する工程、1次被覆組成物を重合して1次被覆材16を形成する工程、2次被覆組成物を被覆ガラス繊維に塗布する工程、及び、2次被覆組成物を重合して2次被覆材18を形成する工程を含むものである。場合によっては、1次被覆組成物を重合する工程に先立って2次被覆組成物を塗布することも可能であり、その場合重合工程は1回のみとなる。
【0087】
通常コア及びクラッド層は当該技術分野では周知の方法によって1もしくは複数の工程で製造される。好適な方法としては、ここに援用するMidwinter, Optical Fibers for Transmission, New York, John Wiley, pp.166-178(1978)に例えば述べられるような2重坩堝法、ロッド・イン・チューブ法、一般に化学蒸着(CVD)または蒸気相酸化としても知られるドープ・デポジット・シリカ法が挙げられる。CVD法としては各種のものが知られており、本発明の光ファイバで使用するコア及びクラッド層の製造に適している。こうした方法としては、外付けCVD法(Blankenship et al., "The outside Vapor Deposition Method of Fabricating Optical Waveguide Fibers," IEEE J. Quantum Electron., 18: 1418-1423 その全容をここに援用する)、アキシアル蒸着法(Inada, "Recent Progress in Fiber Fabrication Techniques by Vapor-phase Axial Deposition," IEEE J. Quantum Electron. 18: 1424-1431 (1982), その全容をここに援用する)、ならびに改良CVDすなわち内付けCVD法(Nagel et al., "An Overview of the Modified Chemical Vapor Deposition (MCVD) Process and Performance," IEEE J. Quantum Electron. 18: 459-476 (1982), その全容をここに援用する)がある。
【0088】
1次及び2次被覆組成物は例えば延伸塔上で従来の方法を用いてガラス繊維に被覆される。
【0089】
ガラス繊維は、ガラスを軟化させるうえで充分な温度(例、石英ガラスでは約2000℃)に局所的かつ対称的に加熱した、特別に調製した円筒状プリフォームから引き抜き加工することが可能である。プリフォームを炉内に通過させるなどして加熱しながらガラス繊維を溶融材料から引き抜く。1次及び2次被覆組成物は、ガラス繊維をプリフォームから引き抜いた後、好ましくは冷却直後にガラス繊維に塗布する。次いで被覆組成物を硬化させて被覆光ファイバとする。硬化方法は、被覆組成物および使用する重合開始剤の性質に応じて、熱的誘導、化学的誘導、及び、ガラス繊維に塗布した(未硬化の)被覆組成物を紫外線、化学線、マイクロウェーブ、電子線などで照射することなどによる放射線誘導によって行うことが可能である。引き抜き加工の後、1次被覆組成物とすべての2次被覆組成物の双方を順次塗布することが往々にして有利である。移動するガラス繊維に被覆組成物の2重層を塗布する一方法がここに援用するテイラー(Taylor)に付与された米国特許第4,474,830号に開示されている。またガラス繊維に被覆組成物の2重層を塗布する別の方法がここに援用するラネル(Rannell)等に付与された米国特許第4,581,165号に開示されている。無論、1次被覆組成物を被覆、硬化させて1次被覆材16を形成した後に2次被覆組成物を塗布、硬化させて2次被覆材18を形成することも可能である。
【0090】
本発明の更なる別の一態様は光ファイバリボンに関するものである。このリボンは、ほぼ平面状をなすようにほぼ整列させられた複数の光ファイバと該複数の光ファイバを封入する基材を有するものである。この基材は本発明の組成物の硬化物からなる。
【0091】
本発明のこの態様の一実施形態を図2に示した。図に見られるように本発明の光ファイバリボン20は、ほぼ平面をなすように互いにほぼ整列させられた複数の単層または複層型光ファイバ30を有する。ほぼ平面をなす、とは各光ファイバ30が共有平面からファイバの直径の約1/2よりも大きい距離で偏倚していないことを意味するものである。ほぼ整列させられた、とは各光ファイバ30が光ファイバリボン20の長さ方向に互いにほぼ平行かつ他の光ファイバと同一平面上に配されていることを意味するものである。図2では光ファイバリボン20は16本の光ファイバ30を有しているが、当業者であれば任意の数の光ファイバ30(例、2以上)を使用して特定の用途に適した光ファイバリボン20を形成することが可能である点は明らかであろう。
【0092】
本発明の光ファイバリボンは、従来の光ファイバリボン製造法によって任意の周知の形態(例、辺縁部接着型リボン、薄層封入型リボン、厚層封入型リボン、多層型リボン)となるように基材40に封入することが可能である。
【0093】
基本的には光ファイバリボンは本発明の組成物を用いた標準的な方法によって製造が可能である。例えば複数の光ファイバをほぼ平面状をなすよう整列させた時点で、マイヤー(Mayr)に付与された米国特許第4,752,112号ならびにエストライヒ(Oesterich)等に付与された米国特許第5,486,378号に記載の光ファイバリボンの製造法にしたがって本発明の組成物を被覆、硬化させることが可能である。
【0094】
実施例
以下の実施例は、本発明の実施の形態を示すために与えられているが、それらの範囲をいかようにも制限することを意図したものではない。
【0095】
実施例1−2次被覆の調製
市販の混合装置を用いて、下記表1に列記した成分により本発明の組成物を多数調製した。オリゴマー成分およびモノマー成分を秤量し、次いで加熱された反応がま中に導入し、約50℃から約65℃までの範囲の温度で混合した。均質混合物が得られるまで混合を継続した。次に光重合開始剤を秤量し、混合しながら均質溶液中に導入した。最後に任意の添加剤を秤量し、次いで混合しながらその溶液に導入した。均質溶液が再度得られるまで混合を継続した。
【0096】
充分に混合した後、この溶液を25℃および45℃で粘度について試験し、光学顕微鏡により、粒子、結晶の存在および相分離に関してこの溶液を調べた。
【0097】
【表1】
Figure 0004958360
表1に列記したオリゴマーのうち、BR301はボマー・スペシャルティ社の販売するポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマーであり、フォトマー6010はヘンケル社の販売する脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーであり、KWS5021はボマー・スペシャルティ社の販売する脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーであり、RCC12−892はヘンケル社の販売する多官能性脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーであり、RCC13−572はヘンケル社の販売する芳香族ウレタンジアクリレートオリゴマーであり、KWS4131はボマー・スペシャルティ社の販売するポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマーである。
【0098】
表1に列記したモノマーのうち、SR601はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、SR602はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、SR349はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(2)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、SR399はサルトマー・カンパニー社の販売するジペンタエリトリトールペンタアクリレートであり、SR499はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレートであり、フォトマー4025はヘンケル社の販売するエトキシ化(8)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、フォトマー4028はヘンケル社の販売するエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、RCC12−984はヘンケル社の販売するエトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレートモノマーである。
【0099】
表1に列記した光開始剤のうち、イルガキュア1850はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとの混合物である。
【0100】
表1に列記した添加剤のうち、イルガノックス1035はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメートを含有する抗酸化剤であり、エベクリル170はユーシービー・ラドキュア社の販売する、アクリレート及び酸としての機能を有する接着促進剤である。
【0101】
各組成物は調製、検査の後、固体表面上に厚さ約75μmに塗布し、D−紫外線球(フュージョン・ユーブイ・システムズ社(Fusion UV Systems Inc.,(メリーランド州ゲイサースバーグ所在))より販売)を用いて約0.25〜1.0J/cmの線量で紫外線照射して硬化させた。硬化した被覆フィルムを固体表面から剥離し、得られた被覆材をその強度ならびに水分吸収率について試験した。これらの試験結果を下記表2に示した。
【0102】
【表2】
Figure 0004958360
硬化物の強度(ヤング率)の測定にあたっては、23℃及び50%の相対湿度環境条件下で2.5cm/分の固定歪み速度を用いた点を除き、ASTM D882−97(ここに援用する)に記載の方法にしたがった。
【0103】
粘度の測定にあたっては、Brookfield CAP2000(コーン及びプレート)粘度計を使用した。所定量の組成物(約3〜4滴)をセルに導入した後、25℃または45℃に加熱した。所望の温度に達した後、粘度計の粘度の値を読み取った。未硬化状態の液体被覆の粘度の測定結果を表2に示した。
【0104】
実施例2−光ファイバの調製
実施例1で調整した組成物を使用し、引き抜き加工を行ったガラス繊維をその冷却後に1次及び2次被覆にて塗布した。約125μmの直径を有するガラス繊維を1次被覆組成物が入れられたチャンバに導入した。使用した一時被覆組成物を下記表3に示す。
【0105】
【表3】
Figure 0004958360
1次被覆組成物はここに援用するフュークス(Fewkes)等による1999年4月29日出願の米国特許出願第09/301,814号の記載にしたがってそれぞれ調製した。
【0106】
上記表3に列記した成分のうち、BR3731はボマー・スペシャルティ社の販売するポリエーテルウレタンアクリレートであり、フォトマー4003はヘンケル社の販売するエトキシ化ノニルフェノールアクリレートであり、SR504はサルトマーカンパニー社の販売するエトキシ化ノニルフェノールアクリレートモノマーであり、トーン M−100はユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corp(コネティカット州ダンベリー所在))の販売するカプロラクトンアクリレートであり、イルガキュア1850はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとの光開始剤市販混合物であり、イルガノックス1035はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメートを含有する抗酸化剤であり、テゴラッド2200はゴールドシュミット・ケミカル社の販売するポリアルコキシポリシロキサンであり、アクレイム3201はリオンデル社(Lyondel(ペンシルバニア州ニュータウンスクエア所在))の販売するポリエチレン−コ−ポリプロピレングリコールであり、ユニタックR40はユニオン・キャンプ社(Union Camp Corp.(ニュージャージー州ウェイン所在))の販売する粘着性付与作用を有するトール油ロジンエステルである。
【0107】
被覆したファイバをチャンバから取り出す際、硬化した被覆の厚さが約32.5μmとなるように1次被覆組成物の厚さを調整する。被覆の厚さは被覆したファイバをダイに通過させることによって調整する。次いで1次被覆組成物をD紫外線球(フュージョン・ユーブイ・システムズ社)より販売)を用いて約0.2〜1.0J/cmの線量で紫外線照射して硬化させた。被覆したファイバは上記表1に列記した2次被覆組成物のいずれかが入れられた第2の被覆チャンバを通じて引いた。被覆されたファイバを第2のチャンバから取り出す際、硬化した被覆の厚さが約27.5μmとなるように2次被覆組成物の厚さを調整した。ここでもやはり2次被覆の厚さは被覆したファイバをダイに通過させることによって調整した。次いで2次被覆組成物をD紫外線球を用いて約0.2〜1.0J/cmの線量で紫外線照射して硬化させ、直径約245±10μmの光ファイバとした。光ファイバは2次被覆材の好適度の試験を行うのに先立って2週間にわたって実験室環境下に静置した。
【0108】
理解を容易にするため、組成物Aで被覆したファイバを以後ファイバAと称し、組成物Bで被覆したファイバを以後ファイバBと称し、以下同様とする。同じ2次被覆を用いて調製したファイバ同士を区別するため、ファイバを1次被覆及び2次被覆の双方によって呼称するものとする。例えばファイバA、ファイバA、・・・といった要領である。
【0109】
実施例3−ファイバの2次被覆の好適度試験
実施例2に述べた方法でスプールに巻回し、静置期間を経た光ファイバを、最初に長さ10cmの光ファイバ片を分析することによって欠陥を調べた。被覆材、特に2次被覆材の分析には、(1)乾/湿剥離力試験、(2)水分吸収率及び抽出率試験3)水分による層間剥離または微小剥離試験などの複数の試験における成績を検討した。
【0110】
剥離力
FOTP−178(ここに援用する)にしたがって剥離力試験を行った。この試験では被覆ファイバを荷重セル内に載置し、23℃、相対湿度50%の環境条件下で0.847cm/秒の速度で剥離を行った。商品価値を有するためには剥離力の測定値は約0.2〜約2.0ポンド(約0.09〜約0.9キログラム)の間に収まる必要がある。この剥離力試験を乾性及び湿性ファイバに対して行った。湿性ファイバは剥離試験を行う前に室温で14日間水中に浸漬した。剥離力試験の結果を下記表4に示した。
【0111】
【表4】
Figure 0004958360
試験を行ったいずれのファイバも乾燥及び湿潤条件下において適当な剥離性を示した。湿潤及び乾燥条件下において試験を行ったファイバのうち、ファイバB,C,FならびにLでは、ファイバA,E,G,H,I,J,MならびにQと比較して剥離力の(乾性ファイバと湿性ファイバを比較した場合の)低下は一貫してより小さかった。
【0112】
水分吸収率/抽出率
300cmの光ファイバの試料片を断端部が水面上になるように24時間水中に浸漬して水分吸収及び抽出試験を行った。断端部を水面上とすることにより水分の吸収は被覆の径方向に浸透するものに限定される。光ファイバの重量を24時間のデシケータ乾燥後(水中に浸漬する前)、浸漬直後、及びデシケータ内での24時間の乾燥時間後に測定する。水分吸収による重量変化を求めるため、乾燥後の重量と浸漬前の重量との差を求める。抽出率は重量変化を浸漬前の重量で割ることによって求められる。水分吸収による重量変化を求めるには、始めに抽出による重量変化を浸漬後の重量から差し引き(浸漬後調整重量)、次いでこの浸漬後調整重量と浸漬前の重量との差を求める。水分の吸収率は水分吸収による重量変化を浸漬前の重量で割ることによって求められる。水分吸収率/抽出率試験の結果を下記表5に示す。
【0113】
【表5】
Figure 0004958360
試験を行ったファイバのいずれにおいても水分吸収率及び抽出率は充分に低かった。
【0114】
層間剥離
ファイバの試料片を室温及び約65℃の温度で、14日、30日、60日の期間にわたって水中に浸漬した。ファイバの試験片の長さは浸漬中ファイバの端部が水面上となるように充分な長さである必要がある。これにより水分の影響は被覆の径方向に浸透するものに限定される。所定の浸漬時間後、光ファイバの10cm部分を100倍で拡大する微小分析によって各試料片を層間剥離の発生部位(1次被覆とガラス繊維との大面積の剥離領域)や微小剥離(MD)の発生部位について調べた。MD発生部位とは比較的小面積の剥離部位であるが、MDをより大面積の剥離と区別するサイズの境界があるわけではない。MDの発生頻度ならびにサイズを計測し、調べた10cm部分におけるMDの発生数として報告する。ファイバの試料片に特定温度で層間剥離が生じた場合、後続の試験(30日または60日)は適宜省略した。これらの試験結果を下記表6に示した。
【0115】
【表6】
Figure 0004958360
幾つかの場合でMDのサイズを測定した。その場合発生したMDの最大サイズを括弧内に示した。
【0116】
著明な層間剥離またはMDが一部の光ファイバ(1次及び2次被覆の特定の組合わせを含有するもの)で見られたが、層間剥離浸漬試験の結果によれば、本発明のいずれの組成物も2次被覆の調製に不適当であることは示されなかった。
【0117】
実施例4−マイクロベンド感度
市販の混合装置を用いて、下記表7に列記した成分により本発明の組成物を多数調製した。オリゴマー成分およびモノマー成分を秤量し、次いで加熱された反応がま中に導入し、約50℃から約65℃までの範囲の温度で混合した。均質混合物が得られるまで混合を継続した。次に光重合開始剤を秤量し、混合しながら均質溶液中に導入した。最後に任意の添加剤を秤量し、次いで混合しながらその溶液に導入した。均質溶液が再度得られるまで混合を継続した。充分に混合した後、この溶液を25℃および45℃で粘度について試験し、光学顕微鏡により、粒子、結晶の存在および相分離に関してこの溶液を調べた。
【0118】
【表7】
Figure 0004958360
表7に列記したオリゴマーのうち、BR301はボマー・スペシャルティ社の販売するポリエーテル系ウレタンジアクリレートオリゴマーであり、CN981はサルトマー・カンパニー社の販売するウレタンアクリレートオリゴマーである。
【0119】
表7に列記したモノマーのうち、SR601はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、SR492はサルトマー・カンパニー社の販売するプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートモノマーであり、SR494はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化ペンタエリトリトールテトラアクリレートモノマーであり、SR9020はサルトマー・カンパニー社の販売するプロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレートモノマーであり、SR349はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化(2)ビスフェノールAジアクリレートモノマーであり、SR295はサルトマー・カンパニー社の販売するペンタエリトリトールテトラアクリレートである。
【0120】
表7に列記した光開始剤のうち、イルガキュア1850はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとの混合物である。
【0121】
上記の被覆を2次被覆として光ファイバに塗布した。2次被覆の塗布に先立ってファイバを先ず1次被覆で被覆した。本実施例で使用する1次被覆の組成を表8に示す。
【0122】
上記に述べた本発明の被覆にて被覆したファイバは高データ伝送速度のシングルモード光ファイバである。こうしたファイバの一例としてコーニング社の販売するLEAF(登録商標)がある。
【0123】
【表8】
Figure 0004958360
表8に示した被覆4は表3に示した被覆4と同じものである。上記表8に列記した成分のうち、BR3731はボマー・スペシャルティ社の販売するポリエーテルウレタンアクリレートであり、KWS6001は高分子量ポリエーテルウレタンアクリレートオリゴマーであり、SR504はサルトマー・カンパニー社の販売するエトキシ化ノニルフェノールアクリレートモノマーであり、トーンM−100はユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corp.)(コネティカット州ダンベリー所在)の販売するカプロラクトンアクリレートモノマーであり、イルガキュア1850はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドとの光開始剤市販混合物であり、イルガノックス1035はチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社の販売する、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメートを含有する抗酸化剤であり、テゴラッド2200はゴールドシュミット・ケミカル社の販売するポリアルコキシポリシロキサンであり、アクレイム3201はリオンデル社(Lyondel(ペンシルバニア州ニュータウンスクエア所在))の販売するポリエチレン−コ−ポリプロピレングリコールである。
【0124】
実施例4の被覆光ファイバのマイクロベンド感度を調べた。水平荷重ワイアメッシュ試験(LLWM)にしたがって各ファイバの試験を行った。この試験はファイバに水平荷重を加えた際にファイバより出射する光のスペクトル出力を測定するものである。水平荷重とはファイバの断面に垂直な方向の力である。各試料片に5回づつ試験を行った。
【0125】
所定長のファイバを光源(発射ステージともいう)から検出器ステージへと延設する。好適な検出器ステージとしてはPhotonKinetics(以下、PKという)スペクトル減衰測定ベンチがある。好適な装置としてはフォトン・キネティクス社(Photon Kinetics(オレゴン州ビーバートン所在))の販売する光ファイバ分析システムModel2500がある。このモデルの取り扱い説明書をここに援用する。説明書にはモデル2500を使用した減衰測定の方法が説明されている。ファイバは光源から測定ベンチへと延設されるよう充分に長くなければならない。ファイバはまた後述するようにインストロン(Instron)上に配されるよう所定の弛緩形状を有する必要がある。
【0126】
インストロン(登録商標)を使用してファイバに水平荷重を加える。インストロン(登録商標)は材料に所定の荷重を制御可能に加える機能を有する装置である。荷重による力、および荷重の作用速度を時間の関数として制御、測定することが可能である。更に荷重作用時に材料(ファイバ片)の試験試料に生じる変形を制御、測定することが可能である。好ましいインストロン(登録商標)はインストロン(登録商標)4502である。こうした装置は多くの販売元を通じて入手が可能であり、販売元としてインストロン社(Instron(マサチューセッツ州カントン所在))やエムティーエス・システムズ社(MTS Systems)がある。4502は下部スチールプレートと上部スチールプレートを有する。これらのプレートは上部プレートが下部プレートに加える力が下部プレートに対して垂直となるような方向で配置されている。
【0127】
試験するファイバの試料は下部プレートに取付けられたゴム製パッド上に載置する。ゴム製パッドは70±5のショアーA硬度を有する。ゴム製パッドは平板かついかなる溝も有さないものであることが重要である。このゴム製パッドは必要に応じて交換ないしイソプロパノールアルコールで清掃する。
【0128】
ファイバは直径98.5mmのマンドレルの周囲に約340°の角度にわたってループを形成するように巻回する。ファイバは、それぞれ最大幅が3mmの薄いテープ片で3箇所を越えない箇所でゴム製パッドに固定する。テープの一部を切り取ってファイバの端部がインストロンから延出する箇所でのファイバの交差を防止する。
【0129】
マンドレルを外し、70番ワイアメッシュをゴム製パッド上のファイバループの上に置く。これによりファイバはゴム製パッドとワイアメッシュとの間に挟み込まれた状態となる。ファイバの初期減衰を1310nm、1550nm、1625nmにて記録する。圧縮水平荷重を10Nづつ漸増させてファイバに作用させる。総水平荷重を最大で70Nにまで増大させる。水平荷重を漸増させる毎に減衰を記録する。減衰の平均の変化量(またはデルタ(Δ)で表す)を30N〜70Nの間の各荷重の値について計算し、報告する。
【0130】
必要な場合、この試験を利用して減衰の変化量を上述の3つの波長のそれぞれにおけるデシベルの変化量(デルタdB)として記録することも可能である。この減衰の変化は圧縮荷重によるものである。減衰の変化量はカットバック法にしたがって測定される。
【0131】
カットバック法は異なる長さのファイバの出力側で受信される出力を測定することによってファイバの光学的損失特性を算出するものである。この方法では、所定光源を使用して試験ファイバの第1の端部へと所定相対強度の光信号を発射する。発射された光信号の一部はクラッド内を伝播する。
【0132】
この信号はファイバの第2の端部で検出され、第2の端部における信号出力が測定される。信号は光検出器を使用して検出する。検出器は光がコアを伝播したかクラッドを伝播したかに関わらずファイバの第2の端部におけるすべての光を捕捉する。
【0133】
ファイバの長さはファイバの第2の端部で検出可能な量の信号が存在するようなものでなければならない。このファイバの長さはLとして知られる。
【0134】
ファイバをLよりも短い長さLに切断する。再び所定の光学信号をファイバを通じて伝送し、ファイバの第2の端部における信号強度を検出する。光損失を長さL及びLにおける測定値について信号強度の差に基づいて求める。光損失は10log10(出力(L)/出力(L))として表される。減衰量は光損失をLとLの長さの差で割ることで求められる。誘導減衰を測定した場合と同様に荷重を加えて減衰の変化量を測定する。
【0135】
上記表7及び表8に示した被覆の組合わせ、及び対照としてのファイバを試験した。対照ファイバはコーニング社の販売するLEAF(登録商標)ファイバなどの市販のシングルモードファイバを用いた。このファイバは約72μmの有効面積Aeffを有するものである。ファイバは2重被覆システムにて被覆した。2重被覆システムはディーエスエム・デソテック社(DSM desotech(イリノイ州エルジン所在))の販売するものである。対照の1次被覆のヤング率は1.1〜1.3MPaである。対照の2次被覆のヤング率は500〜700MPaである。
【0136】
本発明の被覆にて被覆した試験ファイバは、その被覆、特にファイバに被覆された第2及び第1の被覆によって識別される。例えばファイバXは表7の2次被覆Xと表8の1次被覆4で被覆されている。
【0137】
【表9】
Figure 0004958360
メッシュ水平荷重減衰試験による試験を行った場合、1550nm及び1625nmの両波長において、本発明のファイバX4、W4、及びX9を通じて伝播した信号の減衰の変化量は、対照ファイバを通じて伝播した信号の減衰の変化量よりも低かった。
【0138】
本発明の被覆は低いマイクロベンド感度を示した。本発明の被覆は、約1550nmの波長において約1.920dB/m〜約0.122dB/mの、約1625nmの波長において約2.251dB/m〜約0.199dB/mの信号減衰の変化を示した。対照ファイバではより高いマイクロベンド感度を示した。約1550nmの波長では対照ファイバの信号減衰の変化量は約4.182dB/m〜約2.894dB/mであった。約1625nmの波長では信号減衰の変化量は約5.553dB/m〜約3.653dB/mであった。
【0139】
以上本発明を説明の目的で詳細に述べてきたが、こうした詳細はあくまで説明を目的としたものであって当業者によれば特許請求の範囲において定義される発明の精神ならびにその範囲から逸脱することなく発明を改変することが可能である点は理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバの断面図
【図2】 本発明の光ファイバリボンの断面図

Claims (7)

  1. 光ファイバを被覆するための組成物であって、
    15重量パーセント以下の量で含有されるオリゴマー成分、および
    75重量パーセント以上の量で含有されるモノマー成分を含み、
    前記組成物に前記オリゴマー成分が実質的に含まれていない場合に該モノマー成分が2つ以上のモノマーからなり、前記組成物の硬化物が少なくとも650MPaのヤング率を有し、
    前記オリゴマー成分は下記(I)、(II)、(III)または(IV)式に基づく構造を有する一種類以上のオリゴマーを含む:
    −R [ジイソシアネート−R −ジイソシアネート−R −F (I)
    [式中、
    はそれぞれ独立に、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、およびビニルエステルからなる群より選択される反応性官能基であり、
    はnを1〜30の整数としてそれぞれ独立に−C 2−12 O−、−(C 2−4 −O) −、−C 2−12 O−(C 2−4 −O) −、−C 2−12 O−(CO−C 2−5 O) −、または−C 2−12 O−(CO−C 2−5 NH) −であり、
    はポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらの組合わせであり、
    mは1〜10の整数である]
    多官能イソシアネート−(R −R −F (II)
    ポリオール−[(ジイソシアネート−R −ジイソシアネート−R −F (III)
    または、
    多官能イソシアネート−(R −F (IV)
    [式中、
    はそれぞれ独立に、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルアミド、スチレン、ビニルエーテル、およびビニルエステルからなる群より選択される官能基を表し、
    はnを1〜10の整数としてそれぞれ独立に−C 2−12 O−、−(C 2−4 −O) −、−C 2−12 O−(C 2−4 −O) −、−C 2−12 O−(CO−C 2−5 O) −、または−C 2−12 O−(CO−C 2−5 NH) −であり、
    はポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、またはこれらの組合わせであり、
    xは1〜10の整数であり、
    mは1〜10の整数である。]
    ことを特徴とする組成物。
  2. 前記組成物の硬化物は少なくとも1100MPaのヤング率を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記モノマー成分は80〜99重量%の量で含有されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. ガラス繊維と、
    前記ガラス繊維を封入する1次被覆と、
    前記1次被覆を封入する2次被覆であって請求項1からいずれか1項に記載の特定の組成物の硬化物である2次被覆と、
    を有する光ファイバ。
  5. 前記組成物の硬化物は少なくとも900MPaのヤング率を有することを特徴とする請求項に記載の光ファイバ。
  6. 前記2次被覆の外表面の摩擦係数は0.43よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の光ファイバ。
  7. 1550nmの波長におけるマイクロベンド減衰が2.25dB/mよりも小さいことを特徴とする請求項に記載の光ファイバ。
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